説明

駐車場情報配信システム、車載用ナビゲーション装置、駐車場情報配信方法

【課題】 車両近くの駐車場の利用状況を簡単に把握可能とする。
【解決手段】 各駐車場P1〜P4に混雑状況を管理し、駐車場の識別情報と混雑状況を含む駐車場情報を送出する駐車場管理装置Q1〜Q4を設置し、各駐車場管理装置Q1〜Q4を路側機10と接続しておく。車両が路側機10の通信エリアに入ると、各駐車場管理装置Q1〜Q4から送出された駐車場情報を車両側へPUSH配信する。駐車場情報は車両Vに搭載された車載用通信装置20で受信され、車載用ナビゲーション装置30の制御部42が駐車場情報記憶部34に記憶される。制御部42は駐車場情報に基づき、混雑状況に応じて異なる駐車場位置マークを地図画像上に描画して表示装置38に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車場情報配信システム、車載用ナビゲーション装置、駐車場情報配信方法に係り、とくに自車位置近くの駐車場の利用状況を容易に把握できる駐車場情報配信システム、車載用ナビゲーション装置、駐車場情報配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用ナビゲーション装置は車両の移動に従い地図画像の地理的表示領域を移動しながら自車位置周辺の地図画像を自動表示させる。地図画像には道路、建物の外、ガソリンスタンド、駐車場等、ユーザが良く利用する地図要素が含まれており、駐車場のマークから、目的地近くに来たとき地図画像から近くの駐車場がどこにあるか容易に認識することができる。けれども、駐車場に自車を駐車可能か否かは駐車場入口に設置された掲示板の満車/空き情報を見るまで判らず、駐車可能な駐車場が見つかるまで幾つかの駐車場を廻ってしまうことがあった。
近年、駐車場の駐車状況を管理する駐車状況管理装置と車載駐車誘導装置を組み合わせ、車両が駐車場に到達する前に駐車可能な空きの有る駐車場をユーザが判るようにしたシステムが開発されている(特許文献1)。このシステムは車載駐車誘導装置から駐車場探索要求データを受信すると、駐車状況管理装置が当該車両が駐車できる駐車位置を選択し、その駐車位置の空車位置識別用地図情報と空車位置情報を含む空車マップデータを作成して車載駐車誘導装置に送信する。一方、車載駐車誘導装置は、受信した空車マップデータで特定される自車が駐車可能な駐車位置のうちで、目的地に最も近い駐車位置を、最適駐車位置として決定し、駐車場地図にその位置を重畳して表示部に表示する。これにより、ユーザは自車を確実に目的地近くの駐車可能な位置に運転できる。
【0003】
けれども、上記した従来技術では、自車が目的地に近づいたときにユーザが駐車場探索要求操作をしなければならず、操作が面倒であった。
【0004】
【特許文献1】特開2001−6093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記した従来技術の問題に鑑み、車両近くの駐車場の利用状況を簡単に把握できる駐車場情報配信システム、車載用ナビゲーション装置、駐車場情報配信方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の駐車場情報配信システムは、駐車場に設置されて混雑状況を管理し、駐車場の識別情報と混雑状況を含む駐車場情報を送出する駐車場管理装置と、1または複数の駐車場管理装置と接続され、各駐車場管理装置から送出された駐車場情報を車両側へPUSH配信する路側機と、該路側機と路車間通信し、駐車場情報を受信する車載用通信装置と、車載用通信装置と接続された車載用ナビゲーション装置とから成り、車載用ナビゲーション装置は、車載用通信装置で受信された駐車場情報を記憶する記憶手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データを用いて現在位置周辺の地図画像を自車位置マーク付で描画し、表示手段に表示させる制御手段と、を備え、制御手段は、車載用通信装置で駐車場情報が受信されると、記憶手段に記憶させるとともに駐車場情報に基づき混雑状況に応じて異なる駐車場位置マークを地図画像上に描画するようにしたこと、を特徴としている。
請求項2の駐車場情報配信システムは、駐車場管理装置は駐車場情報に、駐車場の駐車可能台数、空きマス情報、利用条件の内、1以上の項目を含む駐車場詳細情報を含めて送出するようにし、車載用ナビゲーション装置に、地図画像上に表示された所望の駐車場を選択する選択手段と、記憶手段の内、選択手段で選択された駐車場の駐車場詳細情報を表示または音声で案内する駐車場詳細情報案内手段とを備えたこと、を特徴としている。
請求項3の車載用ナビゲーション装置は、駐車場に設置されて混雑状況を管理し、駐車場の識別情報と混雑状況を含む駐車場情報を送出する1または複数の駐車場管理装置と接続され、各駐車場管理装置から送出された駐車場情報を車両側へPUSH配信する路側機と路車間通信する通信手段と、通信手段で受信された駐車場情報を記憶する記憶手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データを用いて自車位置マーク及び駐車場マーク付の現在位置周辺の地図画像を描画し、表示手段に表示させる制御手段と、を備え、制御手段は、通信手段で駐車場情報が受信されると、記憶手段に記憶させるとともに駐車場情報に基づき駐車場マークを混雑状況に応じて変更して描画するようにしたこと、を特徴としている。
請求項5の車載用ナビゲーション装置は、前記駐車場情報には、駐車場の駐車可能台数、空きマス情報、利用条件の内、1以上の項目を含む駐車場詳細情報が含まれ、地図画像上に表示された所望の駐車場を選択する選択手段と、前記記憶手段の内、前記選択手段で選択された駐車場の駐車場詳細情報を表示または音声で出力する出力手段を備えたこと、を特徴としている。
請求項4は、車載用ナビゲーション装置に駐車場の表示/非表示を切り替える操作手段を備え、制御手段は、操作手段で駐車場表示に切り替えられているときに地図画像に駐車場マークを描画するようにしたこと、を特徴としている。
請求項2、5において、駐車場詳細情報の表示は表示手段の地図画像上の上に重ねて行うようにしても良い。
請求項6の駐車場情報配信方法は、駐車場毎に設置されて駐車場の混雑状況を管理し、駐車場の識別情報と混雑状況を含む駐車場情報を送出する1または複数の駐車場管理装置と路側機を接続し、該路側機により各駐車場管理装置から送出された駐車場情報を車両側へPUSH配信させ、車両の側では、現在地を検出し、地図データを用いて現在地周辺の地図画像を表示手段に表示しておき、路側機との路車間通信で車載用通信装置で駐車場情報が受信されると、該駐車場情報に基づき混雑状況に応じて異なる駐車場位置マークを地図画像に重ねて表示させるようにしたこと、を特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の駐車場情報配信システム、車載用ナビゲーション装置、駐車場情報配信方法によれば、車両が路側機の通信エリア内に入ると、路側機の管轄エリア内に存在する駐車場の識別情報と混雑状況を含む駐車場情報が車両側へPUSH配信される。車両側で駐車場情報が受信されると、記憶手段に記憶させるとともに駐車場情報に基づき駐車場マークが混雑状況に応じて変更して描画されるので、路側機の通信エリアに入ったときに自動的に自車位置マーク付の地図画像上の駐車場位置に混雑状況が表示される。従って、ユーザが駐車場情報の要求操作をしなくても簡単に空きのある駐車場の場所を把握できる。
また、混雑状況が表示された状態で、ユーザが地図画像上の所望の駐車場を選択すれば、空きマス情報、利用条件、駐車可能台数の内、1以上の項目を含む駐車場詳細情報が出力されるようにしたので、近くに有る利用可能で条件の良い駐車場を容易に見出すことができ、円滑にニーズに合った駐車場まで到達できる。
ユーザが地図画像上の所望の駐車場を選択しない間は駐車場詳細情報の出力はされないので、不要な情報の表示または音声に煩わされることもない。
また、事前に操作手段により駐車場表示に切り替えられているとき駐車場マークが表示されるようにしたので、ユーザが駐車場情報について不要であれば、操作手段で駐車場非表示に切り替えておけばよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
駐車場毎に、混雑状況と空きマスを管理する駐車場管理装置を設置しておく。各駐車場管理装置は、駐車場簡易情報(混雑状況、駐車場識別情報(名称、経緯度座標))と、駐車場詳細情報(最大駐車可能台数(立体駐車場の場合は全階とフロア別)、空きマス情報(ここでは空きマス数)、利用条件(車両条件=全長、全幅、車高、駐車料金)の両者を含む駐車場情報を定期的又は不定期的に更新しながら外部の道路脇に設置された路側機へ送出する。駐車場情報には更新日時と有効期間が付属している。路側機は、自身を中心とする或る所定の管轄エリア(例えば半径2kmの円内、4×4km四方など)に存在する駐車場の混雑状況を管理している1または複数の駐車場管理装置と接続され、各駐車場管理装置から送出された駐車場情報を通信エリア内に入った車両側へPUSH配信する。
車両には路側機と通信して駐車場情報を受信する車載用通信装置と、該車載用通信装置と接続された車載用ナビゲーション装置を搭載しておく。車載用ナビゲーション装置は地図画像の表示を行う表示装置の画面にタッチパネル式入力部により、駐車場の表示/非表示の切り替え、地図画像上の所望の駐車場位置マークの選択等ができるようにする。駐車場表示に切り替えられている状態で、車両が路側機の通信エリアに入り、車載用通信装置で駐車場情報が受信されると車載用ナビゲーション装置の制御部は記憶部に記憶させるとともに駐車場簡易情報に基づき地図画像上の駐車場位置マークの色を白から混雑状況に応じて変更する。混雑状況は駐車率aを3段階に分け、A;満車(a=100%)、B;比較的混雑している(100%>a>50%)、C;比較的空いている(a<50%)とし、駐車場マークをA;赤、B;黄色、C;青色、未受信;白に変更する。これにより、目的地近くに来ていてユーザが駐車したいとき、駐車場情報の要求操作をしなくても自動的に画面から空きのある駐車場の場所と空き具合が簡単に判る。若しユーザが駐車したくない場合、事前に駐車場非表示に切り替えておけば混雑状況を示す駐車場位置マークが表示されず、仮に駐車場表示に切り替えていた場合でも、駐車場位置マークの色で混雑状況が示されるだけなので駐車場以外の地図情報が見づらくなることはない。
駐車場位置マークの色で混雑状況が表示されている状態で、ユーザが利用可能で条件の良い駐車場を探したい場合、例えばタッチパネル式入力部で駐車場位置マークにタッチし、所望の駐車場を選択すると、制御部から指令を受けた駐車場詳細情報案内部が選択された選択駐車場に対応付けて駐車場情報記憶部に記憶された詳細駐車場情報を地図画像の上にウインドウ表示するとともに音声出力する。この結果、ユーザは近くに有る利用可能で条件の良い駐車場を容易に見出すことができ、円滑にニーズに合った駐車場まで到達できる。
路側機と車載用通信装置の路車間通信には、5.8GHzのアクティブ方式双方向通信DSRC(Dedicated Short Range Communication )を利用する。
なお、所望の駐車場の選択手段には、タッチパネル式入力部のほか、リモコン、ハードキー、ジョイスティック等を用いても良い。また、駐車場の混雑状況を駐車場位置マークの色で表現するほか、混雑状況に応じて駐車場位置マークの大きさ、形状を変えて表現することもできる。
【実施例1】
【0009】
図1は本発明の一つの実施例に係る駐車場情報配信システムを示す説明図である。
○○○駐車場P1、×××駐車場P2、○△△駐車場P3、○××駐車場P4、△△△駐車場P5(○○○、×××、○△△、○××、△△△は名称)には各々混雑状況と空きマスを管理する駐車場管理装置Q1〜Q5が設置されている。各駐車場管理装置Q1〜Q5は、駐車場内の各駐車マスに敷設されたセンサ(図示せず)と接続されており、リアルタイムで空きマスの位置と数、混雑状況を管理している。混雑状況はここでは駐車率aを3段階に分け、A;満車(a=100%)、B;比較的混雑している(100%>a>50%)、C;比較的空いている(a<50%)とする。各駐車場管理装置Q〜Q5は駐車場簡易情報(混雑状況、駐車場識別情報(名称、経緯度の位置座標))と、駐車場詳細情報(最大駐車可能台数(立体駐車場の場合は全階とフロア別)、空きマス情報(ここでは空きマス数)、利用条件(車両条件=全長、全幅、車高、駐車料金)の両者を含む駐車場情報を定期的に更新しながら外部の道路脇に設置された路側機へ送出する。駐車場情報には情報の更新日時と有効期間が付属している。
【0010】
10は路側機であり、該路側機を中心とした所定の管轄エリアHA(ここでは半径2kmの円内とする)の中に存在する路側機近隣の駐車場の内、混雑状況が管理されている駐車場P1〜P4に対応する各駐車場管理装置Q1〜Q4と接続されいる。路側機10は各駐車場管理装置から送出された駐車場情報を通信エリア(例えば、半径10m。符号CA参照)に入った車両Vの側へPUSH配信する。
20は車両Vに搭載された車載用通信装置、30は車載用ナビゲーション装置であり、この内、車載用通信装置20は5.8GHzのアクティブ方式双方向通信DSCRにより路側機10と路車間通信を行い駐車場情報を受信して車載用ナビゲーション装置30へ出力する。
【0011】
車載用ナビゲーション装置30の構成を図2に示す。車載用ナビゲーション装置30の内、31は衛星航法により現在位置と現在方位を検出するGPS受信部、32は地図データを記憶した地図データ記憶部、33は車載用通信装置20との間で情報の授受を行う通信インタフェース、34は駐車場情報を記憶する駐車場情報記憶部、35は地図画像を記憶する第1画像記憶部、36は駐車場詳細情報画像を記憶する第2画像記憶部、37は合成部であり、第2画像記憶部36に駐車場詳細情報画像が描画されていないときは第1画像記憶部35に記憶された画像をそのまま映像信号に変換して出力し、第2画像記憶部36に駐車場詳細情報画像が描画されているときは第1画像記憶部35に記憶された画像の上に第2画像記憶部36に描画された駐車場詳細情報画像を重ね合わせながら映像信号に変換して出力する。38は合成部37の映像出力を画面表示する表示装置、39は表示装置38の画面に付設されたタッチパネル式入力部、40は入力文章の音声合成を行う音声合成部、41はスピーカである。
【0012】
42は制御部であり、車載用通信装置20で駐車場情報が受信されると通信受信インタフェース33を介して入力し、駐車場情報記憶部34に駐車場別に記憶する(同じ駐車場について既に前回受信された情報が記憶されているときは、駐車場情報の更新日時が新しい場合に情報の上書をして更新する)。また制御部42は周期的にGPS受信部31から現在位置と現在方位を入力し、駐車場表示モード下でまだ駐車場情報を受信していないとき地図データを用いて現在地周辺の地図画像を現在位置マークと白色の駐車場位置マーク付で第1画像記憶部35に描画し、駐車場情報を受信したときは地図データを用いて現在地周辺の地図画像を現在位置マークと混雑状況に応じた色の駐車場位置マーク付で第1画像記憶部35に描画する。具体的にはA;「満車」は赤、B;「比較的混雑している」は黄、C;「比較的空いている」は青とする(但し、駐車場情報未受信の駐車場は白色のまま)。駐車場非表示モード下では地図データを用いて現在地周辺で駐車場位置マーク抜きの地図画像を現在位置マーク付で第1画像記憶部35に描画する。また、制御部42は第1画像記憶部35に地図画像を描画したとき、該地図画像上の右下隅に駐車場表示/非表示を切り替える操作アイコン(図5の符号PA参照)も描画し、タッチパネル式入力部39で操作アイコンがタッチされたとは駐車場表示モードと駐車場非表示モードの切り替えを行う。また、赤、黄、青の混雑状況を示す色の駐車場位置マークがタッチされたときは、当該駐車場の識別情報を含む駐車場詳細情報案内指令を後述する駐車場詳細情報案内部へ出力する。
【0013】
43は駐車場詳細情報案内部であり、制御部42から駐車場詳細情報案内指令を受けると、駐車場情報記憶部34の中に該当する駐車場の有効な駐車場詳細情報が存在するとき、名称、最大駐車可能台数、現在の空きマス数、利用条件をリストにしたウインドウ画像を第2画像記憶部36に描画し、合成部37により地図画像の上に重ね合わさせる。また、名称、最大駐車可能台数、現在の空きマス数、利用条件の各文字列データを音声合成部40へ出力し音声合成により音声信号に変換させたのちスピーカ41へ出力させる。
【0014】
図5〜図7は制御部42と駐車場詳細情報案内部43の処理を示すフローチャート、図8と図9は表示装置38の画面表示例を示す説明図であり、以下、これらの図を参照して上記した実施例の動作を説明する。なお、車載用ナビゲーション装置30の駐車場情報記憶部34と第2画像記憶部36には何も記憶されていないものとする。
駐車場管理装置Q1〜Q5は各々対応する駐車場P1〜P5の各駐車マスに敷設されたセンサの出力に基づきリアルタイムで空きマスの位置と数、混雑状況を管理し、定期的に、駐車場簡易情報(混雑状況、駐車場識別情報(名称、経緯度の位置座標))と、駐車場詳細情報(最大駐車可能台数(立体駐車場の場合は全階とフロア別)、空きマス情報(ここでは空きマス数)、利用条件(車両条件=全長、全幅、車高、駐車料金)の両者を含む駐車場情報を定期的に更新しながら外部の道路脇に設置された所定の路側機へ送出する。路側機10を中心とする半径2kmの円内(路側機10の管轄エリアHA)の駐車場管理装置Q1〜Q4が路側機10へ送出し、駐車場管理装置Q5は図示しない他の路側機へ送出する。路側機10は通信エリアCAに車載用通信装置20を搭載した車両が入ったとき、車載用通信装置20と路車間通信を行って各駐車場管理装置Q1〜Q4から送出された駐車場情報をPUSH配信する。なお、ここでは各駐車場管理装置Q1〜Q5は各々駐車場情報を更新した直後に路側機へ送出し、路側機は各駐車場管理装置Q1〜Q5から最新に入力した駐車場情報をPUSH配信するものとする。
【0015】
一方、車両の車載用ナビゲーション装置30は、電源オン後、駐車場表示/非表示のモードを示すフラグPF(1;駐車場表示モード、0;駐車場非表示モード)を1としたあと(図3のステップS10)、GPS受信部31から現在位置と現在方位を入力し(ステップS11)、駐車場表示モード下であるがまだ駐車場情報を受信していないので(ステップS12、S13でNO)、地図データ記憶部32に記憶された地図データを用いて現在地周辺の地図画像を現在位置マークと白色の駐車場位置マーク付で第1画像記憶部35に描画し、続いて該地図画像上の右下隅に駐車場表示/非表示を切り替える操作アイコンも描画する(ステップS14、S15)。第1画像記憶部35に記憶された地図画像は合成部37により読み出され映像信号に変換して表示装置38へ出力されて画面表示される(ステップS16)。車両が図1の符号Vの位置を北に走行中のとき画面には図(1)に示す如く地図画像が自車位置マーク(符号VM)と駐車場位置マーク(符号PM1〜PM5)並びに操作アイコン(符号PA)が表示される。地図画像からユーザは現在位置と道路や駐車場などとの地理的関係が判る。このあと制御部42はユーザ操作がされたかチェックし(図4のステップS20、S23)、とくになければ図3のステップS11に戻って同様の処理を繰り返す。
【0016】
車両が北上して路側機10の通信エリアCAに入ったとき(図1のV´参照)、路側機10は車載用通信装置20と路車間通信を行って各駐車場管理装置Q1〜Q4から送出された駐車場情報をPUSH配信する。車載用通信装置20は受信した駐車場情報を車載用ナビゲーション装置30の通信インタフェース33を介して制御部42へ出力し、制御部42は駐車場情報記憶部34に駐車場別に記憶させる(図5の割込み処理。ステップS30)。同一の駐車場につき既に駐車場情報が記憶済のとき、今回受信した情報の更新日時が記憶済の情報より新しい場合に上書きし、各駐車場につき最新の駐車場情報を記憶させる。駐車場情報が受信されると、制御部42はステップS13でYESと判断し、地図データと駐車場情報を用いて現在地周辺の地図画像を現在位置マークと混雑状況に応じた色の駐車場位置マーク付で第1画像記憶部35に描画する。具体的には駐車場Q1〜Q4の内、P2がA、P3がB、P4がC、P1が未受信のとき、PM2は赤、PM3は黄、PM4は青、PM1とPM5は白で描画し、該地図画像上の右下隅に駐車場表示/非表示を切り替える操作アイコンを描画する(ステップS17、S15)。画面は図5(2)の如くなり、目的地近くに着いてユーザが駐車場を探したい場合、駐車場情報の要求操作をしなくても現在地周辺の駐車場の混雑状況を知ることが出来る。但し、ユーザが駐車場を探していない場合であっても、地図画像上の駐車場位置マークの色が変更するだけなので、地図が見づらくなることはない。
【0017】
ユーザが駐車場を探しており、画面から近くの比較的空いている駐車場Q4に駐車したいが実際に駐車可能か空きマス数、利用条件等を知りたい場合、画面の駐車場位置マークPM4をタッチして駐車場を選択する。タッチパネル式入力部39からタッチ座標を入力した制御部42はタッチされた駐車場位置マークを判別し、該当する駐車場の識別情報を含む駐車場詳細情報案内指令を駐車場詳細情報案内部43へ出力する。駐車場詳細情報案内部43は制御部42から駐車場詳細情報案内指令を受けると、駐車場情報記憶部34の中に駐車場Q4の有効期間内の駐車場詳細情報が存在するとき(図4のステップS23でYES)、名称、最大駐車可能台数、現在の空きマス数、利用条件をリストにしたウインドウ画像を第2画像記憶部36に描画し(但し、一定時間後に消去する)、合成部37により一定時間の間地図画像の上に重ね合わさせながら映像信号に変換して出力させ、画面表示させる(ステップS24、S25。図7(1))。また、名称、最大駐車可能台数、現在の空きマス数、利用条件の各文字列データを音声合成部40へ出力し音声合成により音声信号に変換させたのちスピーカ41へ出力させる(ステップS26)。これにより、ユーザは選択した駐車場が自分のニーズに合致したものか判断でき、合致していれば速やかに当該所望駐車場に到達することができる。合致していなければ、次に空いている駐車場位置マークPM3をタッチすることで、前述と同様にして駐車場Q3の駐車場詳細情報を知ることが出来る。
【0018】
なお、ユーザが駐車予定がないとき、事前に画面右下の操作アイコンPAをタッチすると、タッチパネル式入力部39からタッチ座標を入力した制御部42は操作場表示/非表示切り替え操作がされたと判断し(ステップS20)、PFを反転して0とする(ステップS21)。この駐車場非表示モードのとき、制御部42は図4のステップS12のチェックのあとステップS18に進み、現在地周辺の駐車場位置マーク抜きの地図画像を現在位置マーク付で第1画像記憶部35に描画する。画面の地図画像には駐車場位置マークが表示されないので、他の地図情報が見やすくなる。
【0019】
この実施例によれば、車両が路側機10の通信エリアに入ると、近隣の各駐車場で管理されている駐車場情報が路車間通信により車両にPUSH配信される。駐車場表示モード下で駐車場情報を受信した車載用ナビゲーション装置30の制御部42は、地図画像上の各駐車場位置マークの色を混雑状況に応じて変更して描画するので、目的地近くに来ていてユーザが駐車したいとき、駐車場情報の要求操作をしなくても自動的に画面から空きのある駐車場の場所と空き具合が判る。若しユーザが駐車したくない場合、事前に駐車場非表示に切り替えておけば混雑状況を示す駐車場位置マークが表示されず、仮に駐車場表示に切り替えていた場合でも、駐車場位置マークの色で混雑状況が示されるだけなので駐車場以外の地図情報が見づらくなることはない。そして、駐車場位置マークの色で混雑状況が表示されている状態で、ユーザが利用可能で条件の良い駐車場を探したい場合、タッチパネル式入力部39で駐車場位置マークにタッチし、所望の駐車場を選択すると、駐車場詳細情報案内部43は選択された駐車場に対応付けて駐車場情報記憶部34に記憶された駐車場詳細情報を地図画像の上にウインドウ表示するとともに音声出力させる。よって、ユーザは近くに有る利用可能で条件の良い駐車場を容易に見出すことができ、円滑にニーズに合った駐車場まで到達できる。
【0020】
なお、上記した実施例では、所望の駐車場の選択をタッチパネル式入力部のタッチ操作で行うようにしたが、リモコン、ハードキー、ジョイスティック等を用いて選択操作をするようにしても良い。また、駐車場の混雑状況を駐車場位置マークの色で表現するほか、混雑状況に応じて駐車場位置マークの大きさ、形状を変えて表現することもできる。また、車載用通信装置は車載用ナビゲーション装置と別体としたが、一体としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、乗用車、バス、トラック等の車載用ナビゲーション装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る駐車場情報配信システムの構成を示す説明図である(実施例1)。
【図2】図1中の車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2中の制御部と駐車場詳細情報案内部の処理を示すフローチャートである。
【図4】図2中の制御部と駐車場詳細情報案内部の処理を示すフローチャートである。
【図5】図2中の制御部の割込み処理を示すフローチャートである。
【図6】画面表示例を示す説明図である。
【図7】画面表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0023】
10 路側機
20 車載用通信装置
30 車載用ナビゲーション装置
31 GPS受信部
32 地図データ記憶部
34 駐車場情報記憶部
35 第1画像記憶部
36 第2画像記憶部
38 表示装置
39 タッチパネル式入力部
40 音声合成部
41 スピーカ
42 制御部
43 駐車場詳細情報案内部
P1〜P5 駐車場
Q1〜Q5 駐車場管理装置
V、V´ 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に設置されて混雑状況を管理し、駐車場の識別情報と混雑状況を含む駐車場情報を送出する駐車場管理装置と、1または複数の駐車場管理装置と接続され、各駐車場管理装置から送出された駐車場情報を車両側へPUSH配信する路側機と、該路側機と路車間通信し、駐車場情報を受信する車載用通信装置と、車載用通信装置と接続された車載用ナビゲーション装置とから成り、
車載用ナビゲーション装置は、
車載用通信装置で受信された駐車場情報を記憶する記憶手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
地図画像を表示する表示手段と、
地図データを用いて現在位置周辺の地図画像を自車位置マーク付で描画し、表示手段に表示させる制御手段と、
を備え、
制御手段は、車載用通信装置で駐車場情報が受信されると、記憶手段に記憶させるとともに駐車場情報に基づき混雑状況に応じて異なる駐車場位置マークを地図画像上に描画するようにしたこと、
を特徴とする駐車場情報配信システム。
【請求項2】
駐車場管理装置は駐車場情報に、駐車場の駐車可能台数、空きマス情報、利用条件の内、1以上の項目を含む駐車場詳細情報を含めて送出するようにし、
車載用ナビゲーション装置に、地図画像上に表示された所望の駐車場を選択する選択手段と、
記憶手段の内、選択手段で選択された駐車場の駐車場詳細情報を表示または音声で案内する駐車場詳細情報案内手段とを備えたこと、
を特徴とする請求項1記載の駐車場情報配信システム。
【請求項3】
駐車場に設置されて混雑状況を管理し、駐車場の識別情報と混雑状況を含む駐車場情報を送出する1または複数の駐車場管理装置と接続され、各駐車場管理装置から送出された駐車場情報を車両側へPUSH配信する路側機と路車間通信する通信手段と、
通信手段で受信された駐車場情報を記憶する記憶手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
地図画像を表示する表示手段と、
地図データを用いて自車位置マーク及び駐車場マーク付の現在位置周辺の地図画像を描画し、表示手段に表示させる制御手段と、
を備え、
制御手段は、通信手段で駐車場情報が受信されると、記憶手段に記憶させるとともに駐車場情報に基づき駐車場マークを混雑状況に応じて変更して描画するようにしたこと、
を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
駐車場の表示/非表示を切り替える操作手段を備え、
制御手段は、操作手段で駐車場表示に切り替えられているときに地図画像に駐車場マークを描画するようにしたこと、
を特徴とする請求項3記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記駐車場情報には、駐車場の駐車可能台数、空きマス情報、利用条件の内、1以上の項目を含む駐車場詳細情報が含まれ、
地図画像上に表示された所望の駐車場を選択する選択手段と、
前記記憶手段の内、前記選択手段で選択された駐車場の駐車場詳細情報を表示または音声で出力する出力手段を備えたこと、
を特徴とする請求項3または4記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
駐車場毎に設置されて駐車場の混雑状況を管理し、駐車場の識別情報と混雑状況を含む駐車場情報を送出する1または複数の駐車場管理装置と路側機を接続し、該路側機により各駐車場管理装置から送出された駐車場情報を車両側へPUSH配信させ、
車両の側では、現在地を検出し、地図データを用いて現在地周辺の地図画像を表示手段に表示しておき、
路側機との路車間通信で車載用通信装置で駐車場情報が受信されると、該駐車場情報に基づき混雑状況に応じて異なる駐車場位置マークを地図画像に重ねて表示させるようにしたこと、
を特徴とする駐車場情報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−271397(P2007−271397A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96169(P2006−96169)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】