説明

駐車支援システムおよび駐車支援装置

【課題】駐車枠の形状等の、駐車区画毎の特性に応じた適切な駐車支援を実行することのできる駐車支援装置を提供すること。
【解決手段】駐車場情報提供装置は、所定の駐車場の駐車区画の特性を示す情報である特性情報を記憶している。駐車支援装置は、当該特性情報の送信を要求する信号である特性要求を駐車場情報提供装置に送信する。駐車場情報提供装置は、当該特性要求の送信元に、上記特性情報を送信する。駐車支援装置は、当該特性情報を受信する。そして、当該特性情報に基づいて所定の駐車支援制御処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援システムおよび駐車支援装置に関し、より特定的には、運転者が車両を目標駐車枠内に駐車させる時の運転操作を支援するための駐車支援システムおよび駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に設置されている後方カメラで車両後方の画像を撮像し、当該撮像した画像に基づいて、駐車スペースを認識して駐車支援を行う駐車支援装置が知られている(例えば、特許文献1)。この駐車支援装置では、後方カメラで撮像した画像から駐車スペース候補が認識され、上方から見た図形となるよう座標変換されて画面に表示される。そして、ドライバが、タッチパネルを用いて、当該候補の中から所望の駐車スペースを選択する操作を行う。これに応じて、駐車支援装置は、選択された駐車位置までの走行軌跡を演算し、推奨軌跡として画面に表示する。運転者は、その推奨軌跡を見てハンドリング操作等を行うことで、比較的容易に自車両を駐車スペースに導くことができる。
【特許文献1】特開平11−157404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したような上記特許文献1に開示された駐車支援装置においては、以下に示す問題点があった。すなわち、上記の駐車支援装置では、走行軌跡の演算処理等を実行する際に用いる各種制御パラメータ(駐車支援制御パラメータ)自体は、一定の値のものが用いられている。例えば、制御パラメータの一例として、路面の起伏や勾配、駐車スペースに描かれている駐車枠の形状や枠線の色等が用いられるが、このような路面の起伏や勾配、駐車スペースに描かれている駐車枠の形状や枠線の色等について、実際には駐車場毎にその内容・条件は異なるものである。しかし、上記の駐車支援装置においては、これらの制御パラメータについては、「標準的な値」や「一般的な値」として予め用意されたパラメータを駐車支援装置内に記憶しておき、当該パラメータに基づいて上記演算処理を行っている。つまり、駐車支援制御を実行する際に用いるパラメータについては、駐車場の条件に関わらず一定の値のパラメータを用いていた。その結果、例えば、駐車枠の枠線色を示すパラメータとして「白色」を示す値が駐車支援装置に設定されていたとする。この場合、駐車枠の色が黄色で、更に、空いている駐車スペースに隣接する駐車スペースに白色の車両が停められていたような場合、当該白色の車両のバンパーを駐車枠として誤認識し、駐車支援処理を実行するという可能性もある。そのため、駐車支援の精度(例えば上記推奨軌跡)が充分なものではないという問題があった。
【0004】
それ故に、本発明の目的は、駐車枠の形状等の、駐車区画毎の特性に応じた適切な駐車支援を実行することのできる駐車支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係の一例を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0006】
第1の発明は、所定の駐車場が有する駐車区画に関する情報が記憶されている駐車場情報提供装置(4)と、前記駐車場情報提供装置と通信可能に接続され、運転者が車両を目標駐車枠内に駐車させる時の運転操作を支援するための駐車支援装置(6)とを備えた駐車支援システムであって、
駐車場情報提供装置は、所定の駐車場の駐車区画の特性を示す情報である特性情報を記憶するための特性情報記憶手段(42)と、駐車支援装置から送信されてくる特性情報の送信を要求する信号である特性要求を受信する特性要求受信手段(41、44)と、特性要求の受信に応じて特性情報を当該特性要求の送信元に送信する特性情報送信手段(41、44)とを備える。また、駐車支援装置は、特性要求を駐車場情報提供装置に送信するための特性要求送信手段(61)と、特性情報送信手段が送信した特性情報を受信するための特性情報受信手段(61)と、受信した特性情報に基づいて駐車支援処理を実行する駐車支援制御手段(61)とを備える。
【0007】
第1の発明によれば、運転者が駐車することを所望する駐車区画毎の特性に応じて、適切な駐車支援を実行することが可能となる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、駐車支援制御手段は、自動操舵および駆動制御の少なくとも一方によって自車両を駐車区画に誘導する自動誘導制御手段を含む。そして、自動誘導制御手段は、受信した特性情報に基づいて、自動誘導制御に用いる制御用パラメータを調整する。
【0009】
第2の発明によれば、運転者が駐車することを所望する駐車区画毎の特性に応じて、より適切な自動操舵、および駆動制御を実行して駐車支援を行うことが可能となる。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明において、特性情報は、駐車区画に描かれている駐車枠に関する情報である。
【0011】
第4の発明は、第3の発明において、特性情報は、駐車区画に描かれている駐車枠の形状、寸法、枠線色の少なくとも一つを示す情報である。
【0012】
第3乃至第4の発明によれば、例えば車載カメラの画像から駐車枠を認識する処理において、より正確に駐車枠を認識することが可能となる。
【0013】
第5の発明は、第1または第2の発明において、特性情報は、駐車区画の路面に関する情報である。
【0014】
第6の発明は、第5の発明において、特性情報は、駐車区画の路面色、または、路面の勾配の少なくとも一つを示す情報である。
【0015】
第5乃至第6の発明によれば、例えば車載カメラの画像から駐車枠を認識する処理において、より正確に駐車枠を認識することが可能となる。また、路面の勾配に応じた適切な駆動制御を実行することができる。
【0016】
第7の発明は、第1または第2の発明において、所定の駐車区画に隣接する駐車区画の駐車車両の有無を示す情報である。
【0017】
第7の発明によれば、車載カメラからの駐車枠の認識処理や、自車両の誘導軌跡の算出処理について、より適切な処理を実行することができる。
【0018】
第8の発明は、第1または第2の発明において、駐車区画の駐車形態を示す情報である。
【0019】
第8の発明によれば、例えば縦列駐車や並列駐車のような駐車形態に関する情報を、運転者が入力する操作を省略させることができる。
【0020】
第9の発明は、運転者が自車両を目標駐車枠内に駐車させる時の運転操作を支援するための駐車支援装置(6)であって、所定の駐車場の駐車区画の特性を示す情報である特性情報を取得するための特性情報取得手段(61)と、特性情報取得手段が取得した特性情報に基づいて駐車支援処理を実行する駐車支援制御手段(61)とを備える。
【0021】
第9の発明によれば、運転者が駐車することを所望する駐車区画毎の特性に応じて、適切な駐車支援を実行することが可能となる。
【0022】
第10の発明は、第9の発明において、駐車支援制御手段は、自動操舵および駆動制御の少なくとも一方によって自車両を駐車区画に誘導する自動誘導制御手段を含む。また、自動誘導制御手段は、取得した特性情報に基づいて、自動誘導制御に用いる制御用パラメータを調整する。
【0023】
第10の発明によれば、運転者が駐車することを所望する駐車区画毎の特性に応じて、より適切な自動操舵、および駆動制御を実行して駐車支援を行うことが可能となる。
【0024】
第11の発明は、第9または第10の発明において、特性情報は、前記駐車区画に描かれている駐車枠、該駐車区画の路面、該駐車区画の駐車形態、該駐車区画に隣接する駐車区画のいずれかに関する情報である。
【0025】
第11の発明によれば、例えば車載カメラの画像から駐車枠を認識する処理において、より正確に駐車枠を認識することが可能となる。また、路面の勾配に応じた適切な駆動制御を実行することができる。
【0026】
第12の発明は、第9の発明において、特性情報取得手段は、運転者が駐車することを所望する駐車区画に関する情報が記憶されている駐車場情報提供装置(4)から特性情報を取得する。
【0027】
第12の発明によれば、駐車支援装置内に複数の駐車場施設の駐車区画についての情報を個別に記憶しておく必要を無くすことが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、運転者が駐車することを所望する駐車区画毎の特性に応じて、適切な駐車支援を実行することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【0030】
図1は、本実施形態にかかる駐車支援システムの全体構成を模式的に示した図である。図1において、駐車支援システム1は、駐車場施設2と車両3とで構成されている。
【0031】
駐車場施設2は、駐車場サーバ4とDSRC(Dedicated Short Range Communication)路側機5と備えている。駐車場サーバ4とDSRC路側機5は、LAN(Local Area Network)接続されている。
【0032】
車両3は、駐車支援装置6とDSRC車載機7とを備えている。駐車支援装置6とDSRC車載機7は、車内LAN(いわゆるCAN:Controller Area Network)で接続されている。
【0033】
また、DSRC路側機5とDSRC車載機7とは、無線により接続され、通信することが可能である(DSRC無線路車間通信)。なお、本実施形態では、当該DSRCの無線通信については、双方向通信の5.8GHz帯のアクティブ方式を利用しているものとする。
【0034】
また、本実施形態では、DSRC路側機5は電波を定期的に発信しており、DSRC車載機7では、単位時間毎にDSRC路側機5からの電波を検出する処理が実行されている。その結果、DSRC路側機5の通信可能エリアにDSRC車載機7を搭載した車両3が侵入すると、当該車両3においてDSRC路側機5が検出され、車両3と駐車場施設2との間で接続が確立されることで通信が可能となる。
【0035】
図2は、本実施形態にかかる駐車場サーバ4の構成を示したブロック図である。図2において、駐車場サーバ4は、CPU41とメインメモリ42と外部記憶装置43と通信部44とで構成される。
【0036】
外部記憶装置43は、後述の駐車支援処理を実行するための通信プログラムやデータを格納する。メインメモリ42は、システムを実行する場合に、外部記憶装置43より上記通信プログラムや駐車場固有データを読み込むといった一時的にデータやプログラム等を記憶する内部記憶装置を示す。CPU41は、メインメモリ42に読み込まれた通信プログラムを実行する演算装置や制御装置である。通信部44は、駐車場サーバ4をネットワークに接続するための装置であり、例えばLANカードである。CPU41は、通信部44を介して、LAN上にあるDSRC路側機5と通信する。そして、当該DSRC路側機5、および、上記DSRC車載機7を介して、車両3と通信を行うことが可能となる。
【0037】
次に、車両3の構成について説明する。図3は、本実施形態にかかる車両3の構成を示したブロック図である。図3において、車両3は、駐車支援装置6と、DSRC車載機7とを備える。また、車両3は、車高センサ91、舵角センサ92、操舵制御ECU93、ブレーキECU94とを備え、これらが車内LANで接続されることで構成されている。
【0038】
駐車支援装置6は、本実施形態にかかる駐車支援制御処理を実行する。駐車支援制御装置6は、駐車支援装置ECU61、ディスプレイ62、スピーカ63、クリアランスソナーセンサ64、フロントカメラ65、サイドカメラ66、バックカメラ67とで構成されている。
【0039】
駐車支援装置ECU61は、通常のマイクロコンピュータシステムで構成され、内部にメインメモリ68等を有している。メインメモリ68には、後述するような駐車支援に関する処理(以下、駐車支援処理と呼ぶ)を実行するためのプログラムや当該処理に必要なデータが記憶される。
【0040】
また、駐車支援装置ECU61には、クリアランスソナーセンサ64、フロントカメラ65、サイドカメラ66、バックカメラ67からの撮影信号及び検出信号が入力される。また、後述の車高センサ91、舵角センサ92等からの検出信号も入力される。また、車両のシフト状態を示すシフト情報も入力される。更に、駐車支援装置ECU61は、操舵制御ECU93やブレーキECU94、DSRC車載機7とCANを介して接続され、それぞれの間で各種信号の入出力が行われる。
【0041】
駐車支援装置ECU61は、上記のような各種入力情報に基づいて駐車支援処理を実行する。そして、その処理の結果がディスプレイ62及びスピーカ63に提供される。ディスプレイ62は駐車支援装置ECU61での処理結果を受信して駐車支援に関する情報を表示し、スピーカ63は音声ガイダンスを出力する。また、ディスプレイ62は、運転者から視認できる位置に設置される。このディスプレイ62は、図示しないタッチパネル操作スイッチを有しており、タッチパネル操作スイッチからの操作信号が駐車支援装置ECU61に入力される。
【0042】
クリアランスソナーセンサ64は、障害物を検知するための超音波センサである。当該クリアランスソナーセンサ64の検知結果およびステアリングの舵角情報(舵角センサ92から出力される)を基に、障害物にぶつかるかどうかをドライバーに知らせることが可能である。
【0043】
フロントカメラ65は、車両3のルーフの前に設置され、バックカメラ67は、車両3のルーフの後ろに設置される。また、サイドカメラ66は、両サイドミラー近傍に設置される。これらのカメラによって、車両3の周囲の状態が撮影できる。
【0044】
DSRC車載機7は、上述したように、DSRC路側機5と無線通信を行うための装置である。
【0045】
車高センサ91は、車高を検出するためのセンサである。舵角センサ92は、ハンドルを切った時の前輪の操舵角を感知するセンサーである。操舵制御ECU93は、本実施形態における駐車支援処理において、ステアリングの制御を実行するためのECUである。ブレーキECU94は、ブレーキシステムの制御を実行するためのECUである。これらはそれぞれ駐車支援装置ECU61と接続されており、各種情報の送受信が可能となっている。
【0046】
次に、本実施形態で想定している駐車支援処理の概要について説明する。本実施形態では、車両3における駐車支援制御の実行の際に、これから駐車しようとする駐車区画の特性(駐車枠の形状等)を示す情報を上記駐車場サーバ4から取得し、この情報を用いることで、駐車区画の特性に応じた駐車支援処理を実行する。
【0047】
まず、駐車場施設2の入口にDSRC路側機5が設置されていることを前提とする。また、駐車場サーバ4には、駐車場施設2の有する駐車区画(車両を駐車するための個々の駐車スペース)の特性についての情報(以下、駐車区画特性情報)が記憶されている。ここでは一例として、各駐車区画に描かれている駐車枠の寸法を示す情報が駐車区画特性情報として予め記憶されているとする。また、駐車支援装置6にも、駐車支援処理を実行する際に用いるための制御用パラメータ(詳細は後述)が予め記憶されており、当該制御用パラメータの一例として、「駐車枠の寸法」を示す情報が記憶されているとする。そして、当該制御用パラメータの初期値として、標準的な駐車枠の寸法である「2.3m×5m(幅×奥行き)」という値が設定されているとする。
【0048】
上記のような前提のもとで、車両3が駐車場施設2に接近すると、DSRC車載機7がDSRC路側機5を検出し、無線通信を介して駐車場サーバ4との接続を確立する処理が実行される。そして、駐車支援装置6において、駐車場サーバ4から上述したような駐車区画に関する情報が受信される。受信が完了すれば、駐車支援装置6において、駐車支援処理の際に用いる制御用パラメータを更新する処理が実行される。例えば、上記駐車場サーバ4から受信した情報においては、駐車枠の寸法の情報として「3m×6m」という情報が設定されているとする。この場合、駐車支援装置6において、上記制御用パラメータが「2.3m×5m」から「3m×6m」に更新される。
【0049】
その後、ドライバが所望する駐車区画に場所まで車両を移動させ、所定の操作等を行うことで、駐車支援装置6による駐車支援処理の実行が開始される。この際、上記のように、駐車枠についての情報が更新されているため、駐車枠の寸法が「3m×6m」であることを前提とした駐車支援制御処理が実行されることになる。
【0050】
具体的には、本実施形態では、以下のような駐車支援処理が駐車支援装置6によって実行される。本処理は、所望の駐車区画近傍に車両が移動した後、ドライバが駐車支援処理開始のための所定の操作を行うことで開始されるものとする。また、ここでは、駐車形態としては並列駐車であり、車両を後退させることで駐車区画に移動させる場合を例として説明する。
【0051】
図4は、本実施形態の駐車支援処理が開始された際に、ディスプレイ62に表示される画面の一例である。図4において、画面には他車両101、駐車枠102、目標枠103、操作ボタン104a、104b、104c、104d、104e、104f、104g、104hが表示されている(以下、適宜、参照符号「104」で示す)。この画面は、図5に示すような、バックカメラ67やサイドカメラ66で撮影された画像(以下、カメラ画像と呼ぶ)に目標枠103と操作ボタン104を重畳して合成した画面である。図4において、駐車枠102は、実際に駐車区画の路面上に描かれている枠線である。目標枠103は、駐車支援装置ECU61によって生成された画像であり、自車両の目標駐車位置を示している。つまり、駐車支援処理が開始されると、まず、カメラ画像に対して所定の画像認識処理が実行され駐車枠102の位置が認識される。この際、上記制御用パラメータの値(すなわち、「3m×6m」に更新された駐車枠寸法の情報)に基づいて駐車枠の認識処理が実行される。そして、当該制御用パラメータの値(「3m×6m」に更新された駐車枠寸法の情報)に基づいて目標枠103が生成され、カメラ画像に合成して表示される。この後、所定の操作案内表示や音声ガイダンス等が出力され、ドライバがアクセルやブレーキの操作を行うことで、車両の移動が開始する。なお、ステアリング操作については、本実施形態では、基本的には、駐車支援装置ECU61からの出力に基づいて、操舵制御ECU93が上記目標枠103に向けて進む(目標枠103に自車両が収まる)ようなステアリング制御を行う。そのため、ドライバは特にステアリング操作を行う必要はないものとする。
【0052】
次に、図6に、実際に車両が後退している途中の状態における画面の一例を示す。図6では、上記目標枠103の他に、車幅延長線105と進行線106が示されている。車幅延長線105は、そのまま真っ直ぐ下がった場合の自車両の位置を示す線である。進行線106は、現在のステアリング角度で後退したときの自車両の位置を示す線であり、1m先の後退位置と2.5m先の後退位置とを示している。車幅延長線105、進行線106は自車両の移動に従って適宜再計算され、表示が更新される。ドライバは、図6のような画面を見て車両後方の状況や自車両の進行方向を確認しながらアクセルやブレーキ操作を行うことで、駐車区画に自車両を移動させていく。そして、最終的に駐車区画に自車両が収まれば、制御終了位置(当該位置も、上記駐車区画特性情報に基づいて算出される)に達したとして、駐車支援処理は終了する。
【0053】
このように、本実施形態では、駐車支援処理を実行する際に、駐車場設備から駐車区画特性情報を取得し、当該情報に基づいて駐車支援処理を実行する。これにより、駐車場によってそれぞれ異なる駐車区画の特性に応じて、実際に駐車しようとする駐車区画へのより適切な駐車支援処理が可能となる。上記のように、これから駐車しようとする駐車区画の駐車枠の寸法の情報を更新するようにすれば、例えば、上記図4に示したような駐車支援処理の開始時において、画面に表示されている駐車枠の位置をドライバが手動で調整するというような手間を省略することが可能となる。また、目標枠103の位置を駐車枠の中央に合わせることが可能となる。更に、駐車枠の奥行き寸法を利用することで、例えば奥行きが短い駐車枠に駐車する場合であっても、駐車支援制御の終了位置や上記図6に示したような進行線106等をより適切に算出し、描画することが可能となる。
【0054】
また、上記駐車区画特性情報および制御用パラメータとして、上記の駐車枠の寸法の他、以下のようなものを用いることも可能である。例えば、駐車枠の色や路面の色を駐車区画特性情報および制御用パラメータとして用いれば、駐車区画の画像認識処理を行う際に、誤認識を防ぐ事ができ、より適切な画像認識が可能となる。
【0055】
また、駐車区画特性情報および制御用パラメータとして、駐車形態を示す情報を用いることも可能である。駐車形態としては、縦列駐車あるいは並列駐車という形態があるが、一般的に、駐車支援制御の具体的内容は縦列駐車と並列駐車とでは異なる制御が行われる。そのため、一般的には駐車支援制御処理の開始時に、駐車形態をドライバが手動で設定する必要があったが、本実施形態において、上記駐車形態を示す情報を用いれば、このような設定の手間を省略することができる。
【0056】
また、駐車枠102の形状については、上記のような長方形の形状に限らず、図7(a)に示すような、凸型の枠の形状をしたものや、図7(b)に示すような、U字型ダブルラインの形状や、図7(c)に示すような、角形のダブルライン形状のようなもものも存在する。このような、駐車枠の形状を示す情報を駐車区画特性情報および制御用パラメータとして用いることで、より適切な画像認識処理が可能となり、目標枠103の描画位置がずれることを防ぐことも可能となる。
【0057】
さらには、駐車区画の路面の勾配を示す情報を駐車区画特性情報および制御用パラメータとして利用することで、より適切な駆動制御、例えば、車両後退時の駆動トルクを、その勾配に応じて適宜調整することも可能となる。
【0058】
また、例えば、駐車場施設の入り口において、ドライバによる駐車区画の指定が可能な場合や、あるいは、駐車場サーバ4によって空いている駐車区画が選択されてドライバに知らせるような場合は、指定された駐車区画の隣接枠に既に車両が停められているか否かについての情報を用いることも可能である。これにより、所定の空間認識処理を併用することで駐車区画をより適切に把握することが可能となり、より適切に自車両の移動軌跡の算出等が可能となる。
【0059】
以下、図8〜図15を用いて、本実施形態において利用される各種データ及びプログラムの詳細を説明する。まず、駐車場サーバ4に記憶されるデータについて説明する。図8は、図2に示したメインメモリ42のメモリマップを示す図である。図8において、メインメモリ42は、プログラム記憶領域421、データ記憶領域423を含む。プログラム記憶領域421およびデータ記憶領域423のデータは、外部記憶装置43に予め記憶されたものが、本実施形態の処理に際してメインメモリ42にコピーされたものである。
【0060】
プログラム記憶領域421には、通信処理プログラム422が記憶される。当該プログラムは、DSRCを介して車両と通信する処理を実行するためのプログラムである(後述の図12のステップS21〜S25の処理に対応する)。
【0061】
データ記憶領域423には、通信制御用データ424、駐車場特性テーブル425などのデータが記憶される。通信制御用データ424は、ネットワークアドレス等の、通信処理に必要なデータが記憶される。駐車場特性テーブル425には、上記のような駐車区画特性情報が記憶されている。
【0062】
図9は、駐車場特性テーブル425のデータ構造の一例を示した図である。図9に示すテーブルは、駐車場施設2が有する駐車区画毎に対応付けられて記憶されている。図9に示された駐車場特性テーブル425は、「駐車枠寸法」「駐車枠形状」等のようなパラメタ項目4251と、内容4252とを有する構造になっている。図9の例では、例えば「駐車枠寸法(幅)」は「3m」として定義されており、「駐車枠寸法(奥行)」は「6m」として定義されている。また、駐車区画の「駐車枠形状」は、長方形の形状であることを示す「シングルライン」として定義されている。その他、「路面色」が「灰色」であり、「駐車枠色」が「黄色」であることや、「駐車形態」が「並列駐車」であることが示されている。また、「隣接枠の駐車車両有無」には、当該テーブルに対応する駐車区画の隣の駐車区画に既に車両が駐車されていることが示されている(この項目は、駐車車両の出入りに応じて適宜更新される)。また、「駐車区画勾配」では、勾配が0°、すなわち、平坦な路面であることが示されている。
【0063】
次に、駐車支援装置6のメインメモリ68に記憶されるデータについて説明する。。図10は、図3に示したメインメモリ68のメモリマップを示す図である。図10において、メインメモリ68は、プログラム記憶領域681、データ記憶領域685を含む。プログラム記憶領域681およびデータ記憶領域685のデータは、図示しないROMに予め記憶されたものが、本実施形態の処理に際してメインメモリ68にコピーされたものである。
【0064】
プログラム記憶領域681には、通信処理プログラム682、更新処理プログラム683、駐車支援処理プログラム684が記憶される。通信処理プログラム682は、DSRCを介して駐車場サーバ4と通信し、上記駐車場特性テーブル425を取得するためのプログラムである(後述の図12のステップS11〜S16の処理に対応する)。更新処理プログラム683は、駐車場サーバ4から取得した駐車場特性テーブル425で、後述する制御パラメータテーブル688を更新するためのプログラムである(後述の図12のステップS17の処理に対応する)。駐車支援処理プログラムは、制御パラメータテーブル688を用いて、上述のような駐車支援制御処理を実行するためのプログラムである(後述の図12のステップS18の処理に対応する)。
【0065】
データ記憶領域685には、通信制御用データ686、ダウンロードデータ687、制御パラメータテーブル688などのデータが記憶される。通信制御用データ686は、ネットワークアドレス等の、駐車場サーバ4との通信処理に必要なデータが記憶される。ダウンロードデータ687は、駐車場サーバ4から取得した駐車場特性テーブル425を一時的に記憶しておくための領域である。そのため、データ構造は上記駐車場特性テーブル425と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0066】
制御パラメータテーブル688は、本実施形態での駐車支援制御処理の実行に際して用いられるパラメータである。図11は、制御パラメータテーブル688のデータ構造の一例を示した図である。図11に示された制御パラメータテーブル688は、「目標枠描画寸法」「目標枠描画位置」等のようなパラメータ項目6881と、内容6882とを有する構造になっている。図11の例では、例えば「目標枠描画寸法」や「目標枠描画位置」「駐車枠形状」は、図4に示したような画面における目標枠103の大きさや描画位置を示すためのパラメータである。また、「制御終了位置」は、駐車支援制御処理の終了位置を示すパラメータである。また、「自車目標誘導軌跡」は、自車両を目標枠103(すなわち、駐車位置)に移動させるための軌跡を示すパラメータであり、ステアリング制御等を行うために用いられる。「画像認識2値化閾値」は、カメラ画像に対して画像処理を行う際の2値化の閾値を示すパラメータである。また、「駐車初期位置案内」や「目標枠切替」は、上述したような駐車形態の違いに応じたパラメータである。また、「後退駆動トルク可変制御」は、車両を後退させる際のエンジンの回転数を制御するためのパラメータである。
【0067】
本実施形態では、上記の内容6882に予め「標準的な値」として算出された値が初期値として設定された制御パラメータテーブル688が図示しないROMに記憶されており、後述するような処理に際してメインメモリ68に読み込まれ、その内容が適宜更新される。
【0068】
次に、図12を参照して、本実施形態の駐車支援処理の詳細を説明する。なお、図12は、本システムで実行される駐車支援処理を示すフローチャートである。図12では、左側に車両3側で実行される処理を示し、右側に駐車場施設2側で実行される処理を示している。また、図12に示す処理は、車両3がDSRC路側機5の通信可能エリアに入ったとき(例えば、駐車場施設2の入り口付近に接近したとき)に実行開始される。
【0069】
ここで、図12に示す処理は、大きく4つに分けられる(図12では、破線で囲んで示している)。具体的には、通信開始処理(ステップS1)、駐車場データ送受信処理(ステップS2)、切断処理(ステップS3)、駐車支援処理(ステップS4)が実行される。
【0070】
まず、上記ステップS1にかかる通信開始処理について説明する。図12において、まず、車両3側の駐車支援装置ECU61が、DSRC路側機5の検出処理を実行する(ステップS11)。すなわち、車両3がDSRC路側機5の通信可能エリアに入ったときに、DSRC路側機5から発信されているビーコンを受信することで、DSRC路側機5を検出する。
【0071】
次に、DSRC車載機7とDSRC路側機5との間でDSRC通信を開始する処理が実行される(ステップS12、ステップS21)。すなわち、DSRC車載機7とDSRC路側機5との間でDSRCによる接続を確立する処理が実行される。
【0072】
続いて、駐車場サーバ2と駐車支援装置6との間で接続を確立する処理が実行される(ステップS13、ステップS22)。これにより、駐車場サーバ2から上述したような駐車場特性情報を取得する準備が整う。以上で、通信開始処理は終了する。
【0073】
なお、駐車場サーバ2と駐車支援装置6(駐車場施設2と車両3)との間で送受信される通信パケット等の通信に関する仕様については、DSRC基本アプリケーション仕様ガイドライン(ITS FORUM RC−004)で規定されるプッシュ型情報配信アプリケーション仕様に準拠するものとし、ここでは詳細な説明は省略する。
【0074】
次に、ステップS2にかかる駐車場データ送受信処理について説明する。まず、駐車支援装置ECU61が、駐車場サーバ4のCPU41に対して、駐車場特性情報の送信要求(以下、特性要求と呼ぶ)を送信する(ステップS14)。
【0075】
これに応じて、CPU41は、当該特性要求を受信する(ステップS23)。そして、CPU41は、メインメモリ42から駐車場特性テーブル425を読み出し、DSRC路側機5を介して駐車支援装置6に送信する処理を実行する(ステップS24)。
【0076】
次に、駐車支援装置ECU61は、送信されてきた駐車場特性テーブル425を受信し、ダウンロードデータ687としてメインメモリ68に格納する(ステップS15)。以上で、ステップS2にかかる駐車場データ送受信処理は終了する。
【0077】
次に、ステップS3にかかる通信切断処理が実行される。すなわち、駐車支援装置ECU61、およびCPU41とでそれぞれ、上記DSRCによる接続を切断するための処理が実行される(ステップS16、S25)。
【0078】
次に、車両3側において、ステップS4にかかる駐車支援処理が実行される。まず、駐車支援装置ECU61は、制御パラメータ更新処理を実行する(ステップS17)。すなわち、ダウンロードデータ687に定義されている値に関して、その定義内容でメインメモリ68に読み込まれている制御パラメータテーブル688の値を更新する処理が実行される。このステップS17の処理をより具体的に説明すると、まず、駐車支援装置ECU61は、ダウンロードデータ687を参照し、パラメータ項目6881および内容6882を取得する。例えば、上記図9を例にとり、パラメータ項目6881および内容6882の各値が、図9に示すような順でシーケンシャルに格納されていることを前提とする。この場合、まず、駐車支援装置ECU61は、ダウンロードデータ687は1件目のデータである「駐車枠寸法(幅)」というパラメータ項目6881、および、その内容6882である「3m」という値を取得する。次に、駐車支援装置ECU61は、メインメモリ68の制御パラメータテーブル688を参照し、当該パラメータ項目6881に対応する制御パラメータテーブル688内の項目を更新する。そして、2件目以降のデータについても同様に処理を行っていく。なお、駐車場特性テーブル425(ダウンロードデータ687)と制御パラメータテーブル688との項目間の対応関係については、予め定めておくものとする。例えば、図13に示すような対応テーブルに相当する内容を上記更新処理プログラム683内に定義すればよい。図13の例では、駐車場特性テーブル425(ダウンロードデータ687)の「駐車枠寸法(幅)」という項目については、制御パラメータテーブル688の「目標枠描画寸法」および「目標枠描画位置」というパラメータ項目の更新に用いることが示されている。このようにして、ダウンロードデータ687(その内容は駐車場特性テーブル425)で制御パラメータテーブル688を更新し、これから自車両を駐車しようとする駐車区画についての情報を駐車支援処理に適用することができる。
【0079】
なお、ステップS17の処理では、送信されてきた駐車場特性テーブル425に定義されている項目についてのみ更新が行われる。例えば、送信されてきた駐車場特性テーブル425には「駐車枠寸法(幅)」「駐車枠寸法(奥行)」の2つだけしか定義されていないようなときは、この2つの項目に対応する制御パラメータテーブル688の項目のみを更新し、他の項目については更新は行わずに初期値のままにしておく。
【0080】
図12に戻り、制御パラメータテーブル688の更新処理が終了すれば、次に、駐車支援装置ECU61は、上記更新後の制御パラメータテーブル688を用いた駐車支援制御処理を実行する(ステップS18)。これにより、目標枠103の描画位置をより適切なものとすること等が可能となる。例えば、図14(a)に示すように、「3m×5m」の大きさの駐車枠を有する駐車区画があるとする。なお、図14は、駐車枠と目標枠の関係を説明するための図であり、説明の簡略化のため、俯瞰図の形式で示している。この駐車区画に対して駐車支援処理を実行する場合、例えば、「標準的な大きさ」の「2.3m×5m」という値に基づいて、初期値として設定された制御パラメータテーブル688の「目標枠描画寸法」や「目標枠描画位置」に基づいて目標枠103を生成したとする。この場合、図14(b)に示すように、駐車枠102の内側の左寄りに目標枠103が設定されることがあり得る。しかし、上記のような更新処理を実行し、駐車場サーバ4から「3m×5m」という駐車枠102の寸法の情報を得ることで、この寸法を前提とした駐車枠102の画像認識処理を実行することができる。その結果、より正確な駐車枠102の認識が可能となる。更に、図14(c)に示すように、駐車枠の実際の寸法に合わせて目標枠103を設定することができる。そして、この目標枠103を基準として、ステアリング制御(自動操舵)や駆動制御を行うことで、より適切な駐車支援処理を実行することが可能となる。以上で、本実施形態にかかる駐車支援制御処理の説明を終了する。
【0081】
このように、本実施形態では、駐車支援処理を実行する際に、これから駐車しようとする駐車区画についての情報を取得し、この情報に基づいて駐車支援制御処理を実行する。これにより、多様な駐車区画の特性に応じて、より適切な駐車支援処理を実行することが可能となる。
【0082】
なお、上記実施形態では、主に駐車支援処理の際しての処理について説明したが、この他、例えば、駐車区画に電気自動車用の充電設備を備えている場合にも本発明は適用可能である。すなわち、電気自動車と駐車場サーバ4との間で、上記のようなDSRC路車間通信で駐車区画特性情報を送受信する際に、電気自動車の充電プラグの位置を示す情報を駐車場サーバ4に送信する。駐車場サーバ4では、当該情報を受信し、この情報に基づいて、駐車区画にある車両用充電プラグの位置を移動させる。このような構成を採ることで、電気自動車の駐車完了と共に充電プラグの結合が行わる。その結果、ドライバによる充電操作を行うことなく、電気自動車に充電を開始することが可能となり、ドライバの利便性をより高めることができる。
【0083】
また、駐車場サーバ2については、駐車場施設毎に設置する場合だけでなく、複数の駐車場施設についての駐車区画の特性情報を1つのサーバに集約して記憶させる構成にしてもよい。図15は、複数の駐車場施設の特性情報を1つのサーバに集約した場合のシステム構成の一例である。図15においては、複数の駐車場施設2a〜2cにそれぞれDSRC路側機5a〜5cが設置されている。各DSRC路側機5a〜5cは、インターネット等を介して駐車場サーバ4と通信可能であるとする。また、各駐車場施設2a〜2cには、一意に識別可能なID(以下、駐車場ID)が割り振られている。
【0084】
図16は、図15に示した駐車場サーバ4のメインメモリ42のメモリマップを示す図である。図16に示すように、駐車場サーバ4には、各駐車施設毎の駐車区画の特性テーブルである駐車場特性テーブルA〜C(駐車場特性テーブル425a〜425c)が記憶される。更に、上記駐車場IDと当該特性テーブルの対応付けを示すテーブルである駐車場テーブル426も記憶される。図17は、駐車場テーブル426のデータ構成の一例を示す図である。図17に示された駐車場テーブル426は、駐車場ID4261と、使用テーブル4262とを有する構造になっている。図17の例では、駐車場IDが“001“の駐車場施設の駐車区画の情報は駐車場特性テーブルAに示されていることが定義されている。
【0085】
上記のような構成で、例えば、駐車場IDをDSRC路側機に記憶させておく。そして、車両が、いすれかの駐車場施設に入場すれば、その駐車場のDSRC路側機と車両との間で通信が確立される。その後、上述したような駐車場特性情報の送信要求が車両側からDSRC路側機に送信される。DSRC路側機では、当該送信要求を駐車場サーバ4に送信するが、このとき、自己の記憶している駐車場IDを付加して送信する。駐車場サーバ4では、当該駐車場IDの付加された送信要求が受信される。更に、駐車場サーバ4で、上記駐車場テーブル426が参照され、受信した駐車場IDに対応する駐車場特性テーブルが検索される。そして、検索された駐車場特性テーブルが上記送信要求を行った車両に送信される。車両側では、当該送信されてきた駐車場特性テーブルに基づいて上述したような制御パラメータの更新処理や駐車支援制御処理が実行される。このように、駐車場IDを用いることで、複数の駐車場施設についての特性情報を1つの駐車場サーバで一元管理することができ、車両側は、各駐車場施設の有する駐車区画の特性に応じた駐車支援処理を実行することができる。
【0086】
なお、上記の駐車場IDについては、DSRC路側機で付加する処理を実行することに限らず、例えば、DSRC路側機において自己の駐車場IDをブロードキャストするようにし、車両側でDSRC検出時に駐車場IDも取得し、車両側で上記送信要求に駐車場IDを付加して送信するようにしても良い。
【0087】
また、通信形態に関しても、上記のようなDSRC無線路車間通信によるものに限らず、運転者が駐車することを所望する駐車区画の位置をGPS等を利用して割り出し、駐車場施設の場所等を特定して、駐車場IDを取得するようにしてもよい。そして、例えば、いわゆるWiMAX規格に基づく通信で駐車場サーバ4と車両3との間で接続を確立し、当該駐車場IDに基づいて、運転者が駐車することを所望する駐車区画の特性情報を取得するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明にかかる駐車支援システムおよび駐車支援装置は、個々に異なる駐車区画の特性に応じて、より適切な駐車支援制御ができ、駐車場施設や車両等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本実施形態にかかる駐車支援システムの全体構成を模式的に示した図
【図2】本実施形態にかかる駐車場サーバ4の構成を示したブロック図
【図3】本実施形態にかかる車両3の構成を示したブロック図
【図4】本実施形態の駐車支援処理にかかる画面の一例
【図5】バックカメラ67で撮影した画像の一例
【図6】本実施形態の駐車支援処理にかかる画面の一例
【図7】駐車枠102の形状を例を説明するための図
【図8】図2に示したメインメモリ42のメモリマップを示す図
【図9】駐車場特性テーブル425のデータ構造の一例を示した図
【図10】図3に示したメインメモリ68のメモリマップを示す図
【図11】制御パラメータテーブル688のデータ構造の一例を示した図
【図12】本システムで実行される駐車支援処理を示すフローチャート
【図13】駐車場特性テーブル425と制御パラメータテーブル688との対応関係を示すテーブルの一例
【図14】駐車枠と目標枠の関係を説明するための図
【図15】複数の駐車場施設の特性情報を1つのサーバに集約した場合のシステム構成の一例
【図16】図15に示した駐車場サーバ4のメインメモリ42のメモリマップを示す図
【図17】駐車場テーブル426のデータ構成の一例を示す図
【符号の説明】
【0090】
1 駐車支援システム
2 駐車場施設
3 車両
4 駐車場サーバ
5 DSRC路側機
6 駐車支援装置
7 DSRC車載機
41 CPU
42 メインメモリ
43 外部記憶装置
44 通信部
61 駐車支援装置ECU
62 ディスプレイ
63 スピーカ
64 クリアランスソナーセンサ
65 フロントカメラ
66 サイドカメラ
67 バックカメラ
68 メインメモリ
91 車高センサ
92 舵角センサ
93 操舵制御ECU
94 ブレーキECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の駐車場が有する駐車区画に関する情報が記憶されている駐車場情報提供装置と、前記駐車場情報提供装置と通信可能に接続され、運転者が車両を目標駐車枠内に駐車させる時の運転操作を支援するための駐車支援装置とを備えた駐車支援システムであって、
前記駐車場情報提供装置は、
所定の駐車場の駐車区画の特性を示す情報である特性情報を記憶するための特性情報記憶手段と、
前記駐車支援装置から送信されてくる前記特性情報の送信を要求する信号である特性要求を受信する特性要求受信手段と、
前記特性要求の受信に応じて前記特性情報を当該特性要求の送信元に送信する特性情報送信手段とを備え、
前記駐車支援装置は、
前記特性要求を前記駐車場情報提供装置に送信するための特性要求送信手段と、
前記特性情報送信手段が送信した特性情報を受信するための特性情報受信手段と、
前記受信した特性情報に基づいて駐車支援処理を実行する駐車支援制御手段とを備える、駐車支援システム。
【請求項2】
前記駐車支援制御手段は、自動操舵および駆動制御の少なくとも一方によって自車両を駐車区画に誘導する自動誘導制御手段を含み、
前記自動誘導制御手段は、前記受信した特性情報に基づいて、自動誘導制御に用いる制御用パラメータを調整する、請求項1に記載の駐車支援システム。
【請求項3】
前記特性情報は、駐車区画に描かれている駐車枠に関する情報である、請求項1または2に記載の駐車支援システム。
【請求項4】
前記特性情報は、駐車区画に描かれている駐車枠の形状、寸法、枠線色の少なくとも一つを示す情報である、請求項3に記載の駐車支援システム。
【請求項5】
前記特性情報は、駐車区画の路面に関する情報である、請求項1または2に記載の駐車支援システム。
【請求項6】
前記特性情報は、駐車区画の路面色、または、路面の勾配の少なくとも一つを示す情報である、請求項5に記載の駐車支援システム。
【請求項7】
前記特性情報は、所定の駐車区画に隣接する駐車区画の駐車車両の有無を示す情報である、請求項1または2に記載の駐車支援システム。
【請求項8】
前記特性情報は、駐車区画の駐車形態を示す情報である、請求項1または2に記載の駐車支援システム。
【請求項9】
運転者が自車両を目標駐車枠内に駐車させる時の運転操作を支援するための駐車支援装置であって、
所定の駐車場の駐車区画の特性を示す情報である特性情報を取得するための特性情報取得手段と、
前記特性情報取得手段が取得した特性情報に基づいて駐車支援処理を実行する駐車支援制御手段とを備える、駐車支援装置。
【請求項10】
前記駐車支援制御手段は、自動操舵および駆動制御の少なくとも一方によって自車両を駐車区画に誘導する自動誘導制御手段を含み、
前記自動誘導制御手段は、前記取得した特性情報に基づいて、自動誘導制御に用いる制御用パラメータを調整する、請求項9に記載の駐車支援システム。
【請求項11】
前記特性情報は、前記駐車区画に描かれている駐車枠、該駐車区画の路面、該駐車区画の駐車形態、該駐車区画に隣接する駐車区画のいずれかに関する情報である、請求項9または10に記載の駐車支援装置。
【請求項12】
前記特性情報取得手段は、運転者が駐車することを所望する駐車区画に関する情報が記憶されている駐車場情報提供装置から前記特性情報を取得する、請求項9に記載の駐車支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−30427(P2010−30427A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194695(P2008−194695)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】