説明

高圧ガス充填用の継手機構と燃料電池システム

【課題】逆止弁の機能維持と高圧ガス充填時の弁体のチャタリング抑制との簡便化を図る。
【解決手段】ノズル350からレセプタクル150が取り外されたガス非充填状態では、電磁石360の磁力を逆止弁160の弁体152に及ぼさないので、レセプタクル150は、その内蔵した逆止弁160の機能を何の支障もなく維持する。その一方、高圧水素ガスの充填のためのノズル350へのレセプタクル150の嵌合装着が完了すれば、電磁石360は、通電により励磁してその磁力を、レセプタクル150の外部から逆止弁160の弁体152に及ぼして、弁体152をバネ158の付勢力に抗して開弁側に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧ガス充填用の継手機構とこれを用いた燃料電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高圧ガスのタンク等への充填に際しては、その充填対象であるタンク側からのガス逆流を防止する逆止弁を用いた継手機構が採用されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−240273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献で提案された継手機構では、タンクへのガス充填の際に弁体がガス圧により開弁側に移動すると、その移動した弁体を逆止弁に内蔵した磁石の磁力により開弁状態に保持し、これにより、弁体が開弁と閉弁を繰り返すチャタリングを抑制している。しかしながら、逆止弁への磁石内蔵という特異構成が必要であると共に、ガス非充填時における逆止弁の機能維持の上からは、弁体が開弁側に移動した場合に限って磁力による弁体保持を図るための調整等が不可欠となり、煩雑さが指摘されるに至った。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、逆止弁の機能維持と高圧ガス充填時の弁体のチャタリング抑制との簡便化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
【0007】
[適用1:高圧ガス充填用の継手機構]
磁性体材料で形成された弁体を非磁性材料で形成されたケーシングに収容して、前記弁体をバネの付勢力にて閉弁側に付勢する逆止弁と、
該逆止弁を内蔵し、高圧ガスの充填対象から延びた管路の先端に設置されたレセプタクルと、
高圧ガスの充填元から延びた管路の先端に設置され、前記レセプタクルに対する嵌合装着と取り外しとにより、前記逆止弁の管路との管路連通と管路遮断とが可能なノズルと、
該ノズルへの前記レセプタクルの嵌合装着の完了状態において、前記弁体に作用する磁力を前記レセプタクルの外部から前記弁体に及ぼして、前記弁体を前記バネの付勢力に抗して開弁側に付勢する磁力作用手段とを備える
ことを要旨とする。
【0008】
上記構成を備える高圧ガス充填用の継手機構では、弁体に作用する磁力を磁力作用手段により弁体に及ぼすタイミングを、ノズルへのレセプタクルの嵌合装着の完了状態に伴うタイミングとする。このため、ノズルからレセプタクルが取り外されたガス非充填状態では、磁力作用手段は、レセプタクルにおける逆止弁の弁体に磁力を及ぼすことはない。よって、ガス非充填状態では、レセプタクルは、その内蔵した逆止弁の機能を何の支障もなく維持する。その一方、高圧ガスの充填のためにノズルにレセプタクルを嵌合装着する場合には、レセプタクル嵌合装着の完了状態において、磁力作用手段は、レセプタクルの外部から磁力を逆止弁の弁体に及ぼして、弁体をバネの付勢力に抗して開弁側に付勢する。よって、ノズルへのレセプタクルの嵌合装着を経て行われる高圧ガスの充填元からのガス充填の際には、既に弁体は開弁側に移動していることから、高圧ガスの充填元からノズル・レセプタクルを経てガス充填対象に高圧ガスが速やかに充填される。そして、このガス充填の際、弁体は、充填元からのガス圧に加えて磁力作用手段の磁力を受けて開弁側に位置することから、チャタリングを抑制できる。
【0009】
ガス充填が完了すれば、或いは何らかの事情でガス充填が停止されれば、通常、レセプタクルはノズルから取り外される。既述したように、磁力作用手段による弁体への磁力作用はノズルへのレセプタクルの嵌合装着の完了状態において行われることから、ガス充填停止に伴うノズルからのレセプタクルの取り外しに際して、磁力作用手段は弁体への磁力の作用を止めることになる。こうして磁力作用が無くなると、弁体はバネの付勢力を受けて閉弁側に移動して、レセプタクルの逆止弁は閉弁する。これ以降にあっては、改めてガス充填のためにノズルにレセプタクルが嵌合装着されるまで、逆止弁は閉弁状態のままとなり、この際には既述したように磁力が弁体に作用することはない。この結果、上記構成を備える高圧ガス充填用の継手機構によれば、逆止弁の機能維持と高圧ガス充填時の弁体のチャタリング抑制とを図るに当たり、弁体への磁力作用を逆止弁内蔵のレセプタクルの外側から図ればよいので、逆止弁には特段の部材追加が不要となり簡便である。しかも、レセプタクルには既存の弁構成の逆止弁を内蔵すればよいので、汎用性も高まる。
【0010】
上記した高圧ガス充填用の継手機構は、次のような態様とすることができる。例えば、前記弁体を前記バネの付勢力に抗して開弁側に付勢可能な磁力を発する電磁石を用い、この電磁石を前記ノズルへの前記レセプタクルの嵌合装着の完了状態において前記弁体が開弁する側に位置させて備えた上で、前記ノズルへの前記レセプタクルの嵌合装着に伴って前記電磁石に通電して、電磁石の励磁磁力を前記弁体に及ぼすようにすることもできる。この態様の高圧ガス充填用の継手機構によれば、逆止弁の構成はそのままで電磁石の装着とその装着位置規定と、上記した単純な通電制御だけで済むことから、簡便である。なお、電磁石への通電は、ノズルへのレセプタクルの嵌合装着に伴ってなされるので、ガス充填停止に伴うレセプタクルの取り外しに際しては、電磁石への通電は停止される。
【0011】
上記したように電磁石を用いるに当たり、前記電磁石を前記ノズルの先端側に備えるようにできる。こうすれば、ノズルへのレセプタクルの嵌合装着に伴う電磁石通電により、ノズル先端側の電磁石は、弁体が開弁する側の位置から弁体にレセプタクルの外部から磁力を及ぼして弁体をバネの付勢力に抗して開弁側に付勢し、チャタリングを抑制する。つまり、この態様の高圧ガス充填用の継手機構によっても、逆止弁の構成はそのままでノズルへの電磁石装着だけで済むことから、より簡便である。
【0012】
また、前記弁体を前記バネの付勢力に抗して開弁側に付勢可能な磁力を発する永久磁石を用い、この永久磁石を前記ノズルの先端側に備えた上で、前記ノズルへの前記レセプタクルの嵌合装着の完了状態において、前記永久磁石を前記弁体が開弁する側に位置させるようにできる。こうすれば、ノズルへのレセプタクルの嵌合装着に伴って、ノズル先端側の永久磁石は、弁体が開弁する側の位置から弁体にレセプタクルの外部から磁力を及ぼして弁体をバネの付勢力に抗して開弁側に付勢し、チャタリングを抑制する。つまり、この態様の高圧ガス充填用の継手機構によれば、逆止弁の構成はそのままでノズルへの永久磁石装着だけで済むことから、より簡便である。この場合、永久磁石を前記レセプタクルの挿入が可能な環状の磁石とすれば、弁体に対してその周囲から磁力を及ぼすことができ、弁体の開弁側移動の実効性が高まる。
【0013】
また、継手部位装着カバーを前記嵌合装着の完了状態にある前記ノズルと前記レセプタクルの少なくとも一方に対して装着するようにした上で、この継手部位装着カバーで前記嵌合装着の完了状態にある前記レセプタクルを外部から覆い、この前記継手部位装着カバーの側から前記弁体に作用する磁力を前記弁体に及ぼすようにすることもできる。こうすれば、逆止弁のみならずレセプタクルおよびノズルについても既存のものが使用でき、より汎用性が高まる。
【0014】
[適用2:燃料電池システム]
燃料電池システムであって、
燃料電池と、
該燃料電池での電気化学反応に供される燃料ガスを貯蔵するタンクと、
上記したいずれかの高圧ガス充填用の継手機構とを備え、
前記継手機構が有する前記レセプタクルを、前記タンクへの燃料ガス充填のために前記タンクから延びた管路の先端に有し、
前記継手機構が有する前記ノズルを、高圧ガスの充填元から延びた管路の先端に有する
ことを要旨とする。
【0015】
上記構成を備える燃料電池システムによれば、ノズルへのレセプタクル非装着時における逆止弁の機能維持とノズルへのレセプタクル嵌合装着を経た高圧ガス充填時の弁体のチャタリング抑制とを図るに当たり、弁体への磁力作用を逆止弁内蔵のレセプタクルの外側から図ればよいので、逆止弁には特段の部材追加が不要となり簡便である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例としての燃料電池システム10を概略的に示す説明図である。
【図2】レセプタクル150とノズル350の構成を模式的に断面視様に示しつつガス充填に伴う作動状況をも示す説明図である。
【図3】燃料電池搭載車両20の水素ガスタンク110へのガス充填処置の処理を示すフローチャートである。
【図4】図2相当図であり他の実施例のレセプタクル150Aとノズル350Aの構成を模式的に断面視様に示しつつガス充填に伴う作動状況をも示す説明図である。
【図5】図2相当図であり他の実施例のレセプタクル150Bとノズル350Bの構成を模式的に断面視様に示しつつガス充填に伴う作動状況をも示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施例としての燃料電池システム10を概略的に示す説明図である。
【0018】
図示するように、この燃料電池システム10は、燃料電池搭載車両20に水素ガス充填部300から高圧水素ガスを充填供給するよう構成される。燃料電池搭載車両20は、燃料電池100と、水素ガスタンク110を含む水素ガス供給系120と、モータ駆動のコンプレッサ130を含む空気供給系140と、図示しない冷却系と、制御装置200とを備える。燃料電池100は、電解質膜の両側にアノードとカソードの両電極を接合させた図示しない膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly/MEA)を備える発電モジュールを積層して構成され、前輪FWと後輪RWの間において車両床下に位置する。そして、この燃料電池100は、後述の水素ガス供給系120と空気供給系140から供給された水素ガス中の水素と空気中の酸素との電気化学反応を起こして発電し、その発電電力にて前後輪の図示しない駆動用モータ等の負荷を駆動する。
【0019】
水素ガス供給系120は、水素ガスタンク110から燃料電池100に到る水素供給管路121と、当該管路の流量調整バルブ122と、水素供給管路121から分岐したガス充填用の充填管路123と、燃料電池100の手前の開閉バルブ124と、未消費の水素ガス(アノードオフガス)を大気放出する放出管路125と、当該管路の排出流量調整バルブ126とを備える。この水素ガス供給系120は、水素ガスタンク110からの水素ガスを、水素供給管路121の流量調整バルブ122にて流量調整した上で燃料電池100のアノードに供給しつつ、放出管路125の排出流量調整バルブ126で調整された流量で、カソードオフガスを後述の放出管路142から大気放出する。本実施例では、流量調整バルブ122は、ガス流量を流量ゼロから調整可能であり、流量ゼロとすることで水素供給管路121の閉塞を図る。
【0020】
また、水素ガス供給系120は、高圧水素ガス充填のためのレセプタクル150を備える。このレセプタクル150は、高圧水素ガスの充填対象である水素ガスタンク110から延びた充填管路123の先端に設置され、車両側方のガス充填箇所に位置する。このガス充填箇所は、既存のガソリン車両における燃料給油箇所に相当し、設置されたレセプタクル150を車両外販側カバーにて覆っている。レセプタクル150の構成については後述する。
【0021】
空気供給系140は、コンプレッサ130を経て燃料電池100に到る酸素供給管路141と、未消費の空気(カソードオフガス)を大気放出する放出管路142と、当該管路の排出流量調整バルブ143とを備える。この空気供給系140は、酸素供給管路141の開口端から取り込んだ空気を、コンプレッサ130にて流量調整した上で燃料電池100のカソードに供給しつつ、放出管路142の排出流量調整バルブ143で調整された流量でカソードオフガスを放出管路142を経て大気放出する。
【0022】
制御装置200は、論理演算を実行するCPUやROM、RAM等を備えたいわゆるマイクロコンピュータで構成され、アクセル等のセンサー入力やガス充填作業に伴うセンサー入力を受けて、バルブ制御を含む燃料電池100の種々の制御を司る。
【0023】
水素ガス充填部300は、水素ガスを高圧下で貯留するガス充填元タンク310と、開閉バルブ312を介在させて繋がった上流側管路314と下流側管路316と、下流側管路316の先端に設置されたノズル350と、ガス充填制御装置380とを備える。ノズル350は、燃料電池搭載車両20の側のレセプタクル150に対する嵌合装着と取り外しとにより、レセプタクル150の管路(詳しくは後述の逆止弁の管路)との管路連通と管路遮断とを行う。下流側管路316、或いは上流側管路314の両者は、ノズル350を用いたガス充填の便宜のため、耐高圧性のフレキシブルホースとされ、レセプタクル150へのノズル350の嵌合装着および取り外しに追従する。ガス充填制御装置380は、論理演算を実行するCPUやROM、RAM等を備えたいわゆるマイクロコンピュータで構成され、ガス充填・停止のためのノズル350の操作に伴うセンサー入力を受けて、バルブ制御を含むガス充填に関しての制御を司る。
【0024】
この水素ガス充填部300は、燃料電池搭載車両20の水素ガスタンク110への高圧水素ガス充填に供することから、既存のガソリン車両に対するガソリン給油ステーションに相当する。仮に、水素ガスタンク110と燃料電池100とが住居や店舗、工場などに設置される据え置き形態のものであれば、水素ガス充填部300は、トラックなどの車両に設置されてガス配送の形態のものとなる。
【0025】
次に、レセプタクル150とノズル350の構成とその機能について説明する。図2はレセプタクル150とノズル350の構成を模式的に断面視様に示しつつガス充填に伴う作動状況をも示す説明図である。
【0026】
図示するように、レセプタクル150は、逆止弁160を内蔵し、そのケーシング154をノズル350への嵌合装着部位とする。逆止弁160は、磁性体材料で形成された鋼球の弁体152を非磁性材料であるプラスチック製のケーシング154の弁室156に収容して、弁体152をバネ158の付勢力にて閉弁側に付勢する。これにより、レセプタクル150は、逆止弁160の弁機能により、ガス非充填時においては、ガス入口側管路162を、ケーシング154の弁座155への弁体152の当接を経て閉塞し、充填管路123の側からのガス流を逆止する。つまり、レセプタクル150は、既存構成と何ら変わることのない逆止弁160を内蔵する。この他、レセプタクル150は、ケーシング154の先端側外周に嵌合装着用の凹所164を備え、弁室156の後端側ケーシング外周に近接スイッチ166を備える。凹所164と近接スイッチ166については、ノズル350と関連付けて後述する。
【0027】
ノズル350は、レセプタクル150が嵌合装着される有底の嵌合孔352を備え、孔周壁に等ピッチで鋼球354を嵌合孔半径方向に進退可能に備える。よって、ノズル350は、嵌合孔352にレセプタクル150がその先端から嵌合されると、鋼球354をレセプタクル150の凹所164に入り込ませてレセプタクル150の嵌合装着を図る。この嵌合装着状態において、レセプタクル150の先端とノズル350における嵌合孔352の底面とは気密に接合すると共に、レセプタクル150のガス入口側管路162は、ノズル350のガス通気管路356、延いてはこれに繋がる下流側管路316と連通する。レセプタクル150の取り外しに際しては、ノズル350は、図示しない鋼球ロック機構を解除して嵌合孔352の孔内からの鋼球354の退避を許容するので、レセプタクル150は嵌合孔352から容易に取り外せる。この場合、ノズル350は、レセプタクル150が嵌合装着されていないガス非充填時においてガス通気管路356を閉鎖状態とし、レセプタクル150が嵌合装着されたガス充填時においてガス通気管路356を解放するよう、構成されている。
【0028】
この他、ノズル350は、嵌合孔352の開口端側の孔周壁に電磁石360を備え、開口端端面に近接スイッチ362を備える。電磁石360は、レセプタクル150のケーシング外周を取り囲むよう設置されており、水素ガス充填部300におけるガス充填制御装置380から後述の所定タイミングで発せられる制御信号を受けて励磁する。近接スイッチ362は、レセプタクル150の近接スイッチ166と近接すると、そのセンサー信号をガス充填制御装置380に出力する。次に、電磁石360の設置位置と励磁磁力の作用の様子、近接スイッチ362のセンサー信号出力タイミングについて、レセプタクル150の嵌合装着動作と合わせて説明する。
【0029】
ノズル350は、磁力を発する電磁石360を有するものの、レセプタクル150が取り外された状態(図2(A))、およびレセプタクル150の嵌合装着当初にあっては(図2(B))、仮に電磁石360が例示していてもその磁力を弁体152に及ぼすことはない。後述するように、電磁石360の励磁タイミングは、レセプタクル150の装着完了時であるので、図2(A)〜(B)の状態では、そもそも電磁石360の磁力が発生しないことから、レセプタクル150は、既述したように逆止弁160の機能を適正に果たす。
【0030】
レセプタクル150の嵌合装着が進むと、その嵌合装着に伴ってレセプタクル150とノズル350との相対位置は変化し、図2(C)に示す嵌合装着完了状態では、電磁石360は、弁座155に当接している弁体152よりもレセプタクル後端側、即ちバネ158のバネ力により弁座155に当接するよう付勢されている弁体152が開弁する側に位置する。レセプタクル150の嵌合装着が完了したこの状態において、電磁石360は後述するようにガス充填制御装置380から制御信号を受けて励磁するので、励磁した電磁石360は、その磁力をレセプタクル150の外部から弁体152に及ぼして、弁体152をバネ158の付勢力に抗して開弁側に付勢する。また、ノズル350へのレセプタクル150の嵌合装着が完了すると、ノズル350の近接スイッチ362は、レセプタクル150の近接スイッチ166と近接してセンサー信号をガス充填制御装置380に出力する。
【0031】
次に、上記したレセプタクル150の嵌合装着動作に伴うガス充填処置について説明する。図3は燃料電池搭載車両20の水素ガスタンク110へのガス充填処置の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、水素ガス充填部300の側のガス充填制御装置380にて実行され、まず、レセプタクル150の近接スイッチ166にノズル350の近接スイッチ362が近接すること、即ち既述したようにレセプタクル嵌合装着に伴うセンサー信号の状態を判定する(ステップS100)。ここで否定判定すれば、図2(A)や(B)に示したようにレセプタクル150が取り外し済み、レセプタクル150の未嵌合装着或いは嵌合装着完了前であることから、何の処理を行うことなく本ルーチンを終了する。
【0032】
通常、燃料電池搭載車両20においてその水素ガスタンク110に高圧水素ガスを充填する場合、燃料電池搭載車両20の制御装置200は、燃料電池100を運転停止状態に置くべく、図1における水素供給管路121の流量調整バルブ122を流量ゼロにして管路閉鎖状態とすると共に、水素ガスタンク110の手前の開閉バルブ124を開弁状態とする。よって、燃料電池搭載車両20では、ノズル350へのレセプタクル150の嵌合装着を経たガス充填に備えて、水素ガスタンク110からレセプタクル150までの充填管路123が開放される。そして、レセプタクル150の嵌合装着に伴うガス充填がなされるまで(ガス非充填時)、レセプタクル150はその有する逆止弁160にて充填管路123の側からのガス逆流を防止する。
【0033】
一方、ステップS100で肯定判定すると、図2(C)に示したようにレセプタクル150の嵌合装着は完了していることになるので、ガス充填制御装置380は、ノズル350の電磁石360に通電する(ステップS110)。電磁石360は、既述したようにバネ158のバネ力により弁座155に当接するよう付勢されている弁体152が開弁する側に位置することから、通電により励磁した電磁石360は、その磁力をレセプタクル150の外部から弁体152に及ぼして、この弁体152をバネ158の付勢力に抗して開弁側に付勢する。これにより、弁体152は、弁座155から離れて開弁側に移動し、充填管路123と下流側管路316は、ガス入口側管路162とガス通気管路356を経て連通する。このステップS110での電磁石通電量は、バネ158の付勢力に抗して弁体152を開弁側に付勢して移動させることのできる磁力発生に足りるよう、逆止弁160の設計緒言から決定される。また、ガス充填制御装置380は、ステップS110での電磁石通電の開始に伴って、図1における開閉バルブ312を開弁制御する。これにより、ステップS110での電磁石通電による弁体152の開弁側移動に伴い、ガス充填元タンク310から水素ガスタンク110への高圧水素ガス充填が開始される。
【0034】
ガス充填制御装置380は、図示しないガス流量計や上流側管路314の圧力計からのガス流量推移や圧力推移を監視し、水素ガスタンク110へのガス充填状況を充填開始から把握する。そして、ガス充填制御装置380は、水素ガスタンク110へのガス充填が完了したか否かを判定し(ステップS120)、充填完了まで電磁石360への通電を継続する。一方、ステップS120にてガス充填完了と判定すると、ガス充填制御装置380は、電磁石360への通電を停止して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。この場合、ガス充填制御装置380は、電磁石360への通電停止に伴い、開閉バルブ312を閉弁制御する。このため、ガス充填完了に伴い、それまで弁体152に作用していた電磁石360の磁力は消失すると共に、下流側管路316の側から弁体152に掛かっていたガス充填元タンク310のガス圧も低下する。よって、レセプタクル150では、内蔵する逆止弁160において弁体152はバネ158のバネ力を受けて弁座155に当接し、逆止弁160は、ガス充填完了以降において充填管路123の側からの逆流を回避する。また、ガス充填完了に伴いレセプタクル150はノズル350から取り外され、この際、電磁石360への通電は既に停止されていることになる。
【0035】
以上説明したように、本実施例の燃料電池システム10では、燃料電池搭載車両20の水素ガスタンク110に高圧水素ガスを充填するに当たり、ノズル350にレセプタクル150を嵌合装着させ、この嵌合装着が完了したタイミングで電磁石360への通電を行う(ステップS110)。このため、ノズル350からレセプタクル150が取り外されたガス非充填状態(図2(A)〜(B))では、電磁石360の磁力をレセプタクル150における逆止弁160の弁体152に及ぼすことはない。よって、ガス非充填状態では、レセプタクル150は、その内蔵した逆止弁160の機能を何の支障もなく維持する。その一方、高圧水素ガスの充填のためのノズル350へのレセプタクル150の嵌合装着が完了すれば、電磁石360は、通電により励磁してその磁力を、レセプタクル150の外部から逆止弁160の弁体152に及ぼす(ステップS110)。このため、弁体152は、この磁力を受けてバネ158の付勢力に抗して開弁側に移動するので(図2(C))、ノズル350へのレセプタクル150の嵌合装着を経て行われるガス充填元タンク310から水素ガスタンク110へのガス充填の際には、既に弁体152は開弁側に移動していることになり、水素ガスタンク110へは高圧水素ガスが速やかに充填される。そして、このガス充填の間に亘って、弁体152は、ガス充填元タンク310からのガス圧に加えて電磁石360の磁力を受けて開弁側に位置することから、チャタリングを抑制できる。
【0036】
ガス充填が完了すれば(ステップS120)、或いはガス圧推移や流量推移に不用意な変動が起きてガス充填が停止されれば、通常、レセプタクル150はノズル350から取り外される。既述したように、電磁石360による弁体152への磁力作用はノズル350へのレセプタクル150の嵌合装着完了に伴って行われることから、ガス充填停止に伴うノズル350からのレセプタクル150の取り外しに際して、電磁石360は通電停止により弁体152への磁力の作用を止めることになる。こうして磁力作用が無くなると、弁体152はバネ158の付勢力を受けて閉弁側に移動して、レセプタクル150の逆止弁160は閉弁する。これ以降にあっては、改めてガス充填のためにノズル350にレセプタクル150が嵌合装着されるまで、逆止弁160は閉弁状態のままとなり、この際には既述したように磁力が弁体に作用することはない。この結果、本実施例の燃料電池システム10では、逆止弁160の機能維持と高圧ガス充填時の弁体152のチャタリング抑制とを図るに当たり、弁体152への磁力作用を逆止弁内蔵のレセプタクル150の外側から電磁石360の通電を経て図ればよいことになる。この結果、本実施例の燃料電池システム10によれば、逆止弁160には特段の部材追加が不要となり簡便である。しかも、レセプタクル150には既存の弁構成の逆止弁を内蔵すればよいので、汎用性も高まる。
【0037】
しかも、本実施例の燃料電池システム10では、バネ158の付勢力に抗して弁体152を開弁側に付勢するための磁力作用を起こすに当たり、ノズル350への電磁石360の装着と、ノズル350へのレセプタクル150の嵌合装着完了状態での弁体152に対する電磁石360の装着位置規定と、電磁石360の単純な通電制御だけで済むことから、簡便である。
【0038】
次に、他の実施例について説明する。図4は図2相当図であり他の実施例のレセプタクル150Aとノズル350Aの構成を模式的に断面視様に示しつつガス充填に伴う作動状況をも示す説明図である。この実施例では、弁体152に及ぼす磁力を生成する電磁石360Aをレセプタクル150Aの側に設けた点に特徴がある。
【0039】
図示するように、レセプタクル150Aは、既述した構成と同一の逆止弁160を内蔵する点についてはレセプタクル150と同一であり、電磁石360Aをケーシング154の外周壁に備える。この電磁石360Aの装着位置は、既述したレセプタクル150とノズル350とが嵌合装着状態にある場合に電磁石360が位置する位置と同一である。つまり、電磁石360Aは、弁体152が開弁する側にケーシング外周壁において位置して、通電に伴う磁力を弁体152に既述したように及ぼす。また、レセプタクル150Aは、電磁石360Aを備えた都合上、近接スイッチ166を弁体152の側に備える。ノズル350Aは、電磁石360を備えない点以外は上記したノズル350と同一であり、近接スイッチ166が弁体152の側に位置することに対応して、嵌合孔352はその分だけ浅くされている。
【0040】
この実施例においても、図4(A)〜(B)に示すレセプタクル取り外し状態やレセプタクル嵌合装着の当初にあっては、弁体152に電磁石磁力は及ばず、ガス非充填時では、レセプタクル150Aは、既述したように逆止弁160の機能を適正に果たす。図4(C)に示すレセプタクル150Aの嵌合装着完了状態となると、電磁石360Aは、弁体152が開弁する側に位置した上で通電されることになる。この嵌合装着完了状態において、近接スイッチ362と近接スイッチ166との近接により、そのセンサー信号が出力される。
【0041】
図4に示す実施例におけるガス充填処置の処理は、図3にて説明した手順と変わるものではなく、ステップS110での電磁石360Aへの通電からステップS130での通電停止までの処理は、燃料電池搭載車両20の側の制御装置200にて実行される。つまり、制御装置200は、レセプタクル150Aの近接スイッチ166のセンサー信号(ON信号)を受けて電磁石360Aに通電を開始し、水素ガスタンク110に繋がる充填管路123のガス流量推移や圧力推移により充填完了と判定するまで通電を継続する。そして、充填完了に伴い、制御装置200は、電磁石360Aへの通電を停止する。こうした制御装置200の側での電磁石の通電制御と並行して、水素ガス充填部300のガス充填制御装置380は、近接スイッチ362からのセンサー信号(ON信号)を受けて開閉バルブ312の開弁制御を実行し、上流側管路314のガス流量推移や圧力推移により充填完了と判定すると開閉バルブ312を閉弁制御する。なお、ノズル350Aへのレセプタクル150Aの嵌合装着完了に伴い、電磁石360Aを水素ガス充填部300の側の電圧源やガス充填制御装置380と接続するように構成して、ガス充填制御装置380にてレセプタクル150Aの電磁石360Aを通電制御するようにすることもできる。
【0042】
そして、図4に示す実施例のレセプタクル150Aとノズル350Aとを用いた場合であっても、図2〜図3で説明したように燃料電池システム10と同様の効果を奏することができる。
【0043】
次に、弁体152への磁力作用をノズル・レセプタクルとは別の部材にて行うまた別の実施例について説明する。図5は図2相当図でありまた別の実施例のレセプタクル150Bとノズル350Bの構成を模式的に断面視様に示しつつガス充填に伴う作動状況をも示す説明図である。
【0044】
図示するように、レセプタクル150Bは、既述した構成と同一の逆止弁160を内蔵する点についてはレセプタクル150Aと同一であり、電磁石についてはこれを有しない。ノズル350Bは、ノズル350Aと同一であり、ノズル350Bへのレセプタクル150Bの嵌合装着動作は、既述したレセプタクル150Aおよびノズル350Aと同様である。そして、この実施例では、嵌合装着の完了状態にあるノズル350Bとレセプタクル150Bの両者を外側から覆う継手部位装着カバー180、190を用いる。この両カバーは、ノズル350Bやレセプタクル150Bとは別体に構成され、ノズル350Bにレセプタクル150Bが嵌合装着されると装着される。なお、ノズル350Bへのレセプタクル150Bの嵌合装着は、ガス入口側管路162への鋼球354の入り込みにより完了するので、この鋼球入り込みを待って、使用者が継手部位装着カバー180、190を装着するようにすればよい。
【0045】
継手部位装着カバー180は、レセプタクル150Bとノズル350Bの円柱状外形に倣った凹所182、184を備え、図示しない係合機構により継手部位装着カバー190に対して係合・解除可能とされている。継手部位装着カバー190も同様である。よって、継手部位装着カバー180、継手部位装着カバー190を装着すると、それぞれの凹所周壁は、レセプタクル150Bとノズル350Bの外周壁と向き合うことになる。また、継手部位装着カバー180、190は電磁石360Bを凹所182、192に備え、継手部位装着カバー180にあっては近接スイッチ166を凹所184に備える。この場合、近接スイッチ166は、レセプタクル嵌合装着の完了状態においてカバー装着を行った際に、ノズル350Bの近接スイッチ362に検知される箇所に設置されている。電磁石360Bの装着位置は、既述したレセプタクル150Aとノズル350Aとが嵌合装着状態にある場合に電磁石360Aが位置する位置と同一である。つまり、電磁石360Bは、継手部位装着カバー180、190に設置されているとはいえ、レセプタクル嵌合装着の完了状態においてカバー装着がなされた状況では、弁体152が開弁する側にケーシング外周壁において位置して、通電に伴う磁力を弁体152に既述したように及ぼす。
【0046】
この実施例においても、図5(A)〜(B)に示すレセプタクル取り外し状態やレセプタクル嵌合装着の当初にあっては、カバー装着がなされることはないので、弁体152に電磁石磁力は及ばず、ガス非充填時では、レセプタクル150Bは、既述したように逆止弁160の機能を適正に果たす。図5(C)に示すレセプタクル150Bの嵌合装着完了状態となると、カバー装着を経て電磁石360Bは、弁体152が開弁する側に位置した上で通電されるので、弁体152には開弁側に移動するよう電磁石磁力が及ぶことになる。この嵌合装着完了状態において、近接スイッチ362と近接スイッチ166との近接により、そのセンサー信号が出力される。
【0047】
図5に示す実施例におけるガス充填処置の処理は、図3にて説明した手順と変わるものではなく、ステップS110での電磁石360Bへの通電からステップS130での通電停止までの処理は、水素ガス充填部300の側のガス充填制御装置380にて実行される。そして、図5に示す実施例のレセプタクル150Bとノズル350Bとこれらを外部から覆う継手部位装着カバー180、190を用いた場合であっても、図2〜図3で説明したように燃料電池システム10と同様の効果を奏することができる。しかも、この実施例では、逆止弁160のみならずレセプタクル150Bおよびノズル350Bについても既存のものが使用できるので、より汎用性が高まる。
【0048】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、図2に示したノズル350において、レセプタクル150のケーシング外周を取り囲むよう設置した電磁石360を、環状の永久磁石、或いは、ケーシング外周を取り囲むよう等ピッチで点在配置された永久磁石とすることもできる。このように永久磁石を用いた場合にあっては、図2(B)に示すレセプタクル150の嵌合装着当初から図2(C)に示す嵌合装着完了状態に至る間において、レセプタクル嵌合装着に伴って永久磁石の磁力がレセプタクル150の外周から弁体152に及ぶ。そして、図2(C)に示す嵌合装着完了状態では、弁体152は、永久磁石の磁力を受けてバネ158の付勢力に抗して開弁側に移動するので、チャタリング抑制と逆止弁機能維持が可能である。よって、永久磁石を用いた場合には、電磁石の通電制御が不要となると共に、逆止弁160の構成はそのままでノズル350への永久磁石装着だけで済むことから、より簡便である。
【0049】
また、図5に示した継手部位装着カバー180、190を、嵌合装着完了状態にあるレセプタクル150Bだけを覆うようにしたり、両カバーに設置した電磁石360Bを、環状の永久磁石、或いは、ケーシング外周を取り囲むよう等ピッチで点在配置された永久磁石とすることもできる。このように永久磁石を用いた場合にあっても、図5(C)に示す嵌合装着完了の上でのカバー装着を経ることで、弁体152は、永久磁石の磁力を受けてバネ158の付勢力に抗して開弁側に移動してチャタリング抑制と逆止弁機能維持が可能である。よって、このように永久磁石をカバーに設置しても、既述したように簡便である。
【符号の説明】
【0050】
10…燃料電池システム
20…燃料電池搭載車両
100…燃料電池
110…水素ガスタンク
120…水素ガス供給系
121…水素供給管路
122…流量調整バルブ
123…充填管路
124…開閉バルブ
125…放出管路
126…排出流量調整バルブ
130…コンプレッサ
140…空気供給系
141…酸素供給管路
142…放出管路
143…排出流量調整バルブ
150…レセプタクル
150A…レセプタクル
152…弁体
154…ケーシング
155…弁座
156…弁室
158…バネ
160…逆止弁
162…ガス入口側管路
164…凹所
166…近接スイッチ
200…制御装置
300…水素ガス充填部
310…ガス充填元タンク
312…開閉バルブ
314…上流側管路
316…下流側管路
350…ノズル
350A…ノズル
352…嵌合孔
354…鋼球
356…ガス通気管路
360…電磁石
360A…電磁石
362…近接スイッチ
380…ガス充填制御装置
FW…前輪
RW…後輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ガス充填用の継手機構であって、
磁性体材料で形成された弁体を非磁性材料で形成されたケーシングに収容して、前記弁体をバネの付勢力にて閉弁側に付勢する逆止弁と、
該逆止弁を内蔵し、高圧ガスの充填対象から延びた管路の先端に設置されたレセプタクルと、
高圧ガスの充填元から延びた管路の先端に設置され、前記レセプタクルに対する嵌合装着と取り外しとにより、前記逆止弁の管路との管路連通と管路遮断とが可能なノズルと、
該ノズルへの前記レセプタクルの嵌合装着の完了状態において、前記弁体に作用する磁力を前記レセプタクルの外部から前記弁体に及ぼして、前記弁体を前記バネの付勢力に抗して開弁側に付勢する磁力作用手段とを備える
高圧ガス充填用の継手機構。
【請求項2】
請求項1に記載の高圧ガス充填用の継手機構であって、
前記磁力作用手段は、
前記弁体を前記バネの付勢力に抗して開弁側に付勢可能な磁力を発する電磁石を、前記嵌合装着の完了状態において前記弁体が開弁する側に位置させて備え、
前記ノズルへの前記レセプタクルの嵌合装着に伴って前記電磁石に通電して、電磁石の励磁磁力を前記弁体に及ぼす通電制御部を有する
高圧ガス充填用の継手機構。
【請求項3】
前記電磁石を前記ノズルの先端側に備える請求項2に記載の高圧ガス充填用の継手機構。
【請求項4】
請求項1に記載の高圧ガス充填用の継手機構であって、
前記磁力作用手段は、前記弁体を前記バネの付勢力に抗して開弁側に付勢可能な磁力を発する永久磁石を前記ノズルの先端側に備え、
前記ノズルの先端側の前記永久磁石は、前記嵌合装着の完了状態において、前記弁体が開弁する側に位置する
高圧ガス充填用の継手機構。
【請求項5】
前記永久磁石は、前記レセプタクルの挿入が可能な環状の磁石とされている請求項4に記載の高圧ガス充填用の継手機構。
【請求項6】
請求項1に記載の高圧ガス充填用の継手機構であって、
前記磁力作用手段は、
前記嵌合装着の完了状態にある前記レセプタクルを外部から覆うよう前記嵌合装着の完了状態にある前記ノズルと前記レセプタクルの少なくとも一方に対して外部から装着される継手部位装着カバーを備え、前記レセプタクルを外部から覆う前記継手部位装着カバーの側から前記弁体に作用する磁力を前記弁体に及ぼす
高圧ガス充填用の継手機構。
【請求項7】
燃料電池システムであって、
燃料電池と、
該燃料電池での電気化学反応に供される燃料ガスを貯蔵するタンクと、
請求項1ないし請求項6いずれかに記載の高圧ガス充填用の継手機構とを備え、
前記継手機構が有する前記レセプタクルを、前記タンクへの燃料ガス充填のために前記タンクから延びた管路の先端に有し、
前記継手機構が有する前記ノズルを、高圧ガスの充填元から延びた管路の先端に有する
燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−33165(P2011−33165A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182242(P2009−182242)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】