説明

高次無線周波数高調波抑制領域を含む半導体オン・インシュレータ基板及び構造体

【課題】 抑制された高次無線周波数高調波を有する無線周波数デバイス及び無線周波数回路の製造を可能にする、半導体オン・インシュレータ基板及び関連した半導体構造体、並びに、半導体オン・インシュレータ基板及び関連した半導体構造体を製造する方法を提供する。
【解決手段】 半導体オン・インシュレータ基板及び関連した半導体構造体、並びに、半導体オン・インシュレータ基板及び関連した半導体構造体を製造するための方法が、半導体オン・インシュレータ基板内のベース半導体基板と埋込み誘電体層との界面の下方の位置において、ベース半導体基板内に配置及び形成された高次無線周波数高調波抑制領域をもたらす。高次無線周波数高調波抑制領域は、これに限定するものではないが、希ガス原子などのイオン注入原子を含むことができ、これに限定するものではないが、半導体構造体内の表面半導体層内及びその上に配置及び形成された無線周波数相補型金属酸化膜半導体デバイス(又は代替的には受動デバイス)などの無線周波数デバイスに電力供給するとき、抑制された高次無線周波数高調波をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、半導体オン・インシュレータ基板、及び半導体オン・インシュレータ基板内及びその上の半導体構造体に関する。より具体的には、本発明は、半導体オン・インシュレータ基板内及びその上に半導体構造体を含む無線周波数回路内の高次無線周波数高調波(multiple order radio frequency harmonic)の抑制に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体構造体は、これらに限定されるものではないが、抵抗器、トランジスタ、ダイオード及びキャパシタのような半導体デバイスが内部及び上に形成された半導体基板を含む。半導体デバイスは、誘電体層によって分離されるパターン形成された導体層を用いて接続及び相互接続される。
【0003】
半導体構造体の製造の際に用いられる半導体基板との関連において、半導体オン・インシュレータ基板の使用は、バルク半導体基板の使用と比較すると、最近になって発展したものである。半導体オン・インシュレータ基板は、ベース半導体基板と、ベース半導体基板の上に配置された埋込み誘電体層と、埋込み誘電体層の上にさらに配置された表面半導体層とを含む。従って、半導体オン・インシュレータ基板内のベース半導体基板及び表面半導体層が単結晶配向を有する単一の半導体材料を含む状況の下では、バルク半導体基板の厚さの範囲内の埋込み誘電体層を組み込むことにより、特定の状況の下で、半導体オン・インシュレータ基板を製造することができる。
【0004】
半導体構造体の製造において、半導体オン・インシュレータ基板は多くの使用法を見出すが、最近になって、無線周波数用途の範囲内で用いられる相補型金属酸化膜半導体(CMOS)構造体の製造のために、半導体オン・インシュレータ基板が提案された。埋込み誘電体層の存在が半導体オン・インシュレータ基板内の表面半導体層とベース半導体基板との間の容量結合を低減させる限り、このような無線周波数用途において、半導体オン・インシュレータ基板は望ましいものである。
【0005】
無線周波数集積回路用途において望ましい性能特性は、これらに限定されるものではないが、第二次高調波(すなわち、2fo)又は第三次高調波(すなわち、3fo)といった、一次の送信無線周波数電力周波数(すなわち、1fo)に対する高次の無線周波数高調波が、著しく抑制されることである(すなわち、少なくとも30乃至40デシベル(dB)抑制される)。残念なことに、現在の半導体オン・インシュレータ基板の構成は、一般的には、前述の望ましい高次無線周波数高調波抑制特性を実現するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、抑制された高次無線周波数高調波を有する無線周波数デバイス及び無線周波数回路の製造を可能にする、半導体オン・インシュレータ基板及び関連した半導体構造体、並びに、半導体オン・インシュレータ基板及び関連した半導体構造体を製造する方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、抑制された高次無線周波数高調波を有する半導体構造体を提供するために用いることができる半導体オン・インシュレータ基板、及び、抑制された高次無線周波数高調波を有する半導体構造体を提供するために用いることができる半導体オン・インシュレータ基板を製造する方法を提供する。半導体オン・インシュレータ基板を製造する方法は、半導体オン・インシュレータ基板内のベース半導体基板と埋込み誘電体層との界面の下の位置において、ベース半導体基板内に高次無線周波数高調波抑制領域を形成することによって(すなわち、典型的には、イオン注入によって)、抑制された高次無線周波数高調波を有する半導体オン・インシュレータ基板を提供する。このような高次無線周波数高調波抑制領域は、半導体オン・インシュレータ基板内の複数の表面半導体層アイランドを分離する複数の分離領域の下の位置における、ベース半導体基板内の連続的な平坦な領域として、又は代替的に、ベース半導体基板内の不連続の平坦な領域として製造することができる。
【0008】
本発明による特定の半導体オン・インシュレータ基板は、ベース半導体基板を含む。特定の半導体オン・インシュレータ基板はまた、ベース半導体基板の上に配置された埋込み誘電体層も含む。特定の半導体オン・インシュレータ基板はまた、埋込み誘電体層の上に配置された表面半導体層も含む。ベース半導体基板は、埋込み誘電体層とは異なる組成を有する少なくとも1つの高次無線周波数高調波抑制領域を含む。
【0009】
本発明による半導体オン・インシュレータ基板を製造する特定の方法は、(1)ベース半導体基板と、(2)ベース半導体基板の上に形成された埋込み誘電体層と、(3)埋込み誘電体層上に形成された表面半導体層とを含む半導体オン・インシュレータ基板のベース半導体基板内に、高次無線周波数高調波抑制領域を形成することを含む。高次無線周波数高調波抑制領域は、埋込み誘電体層とは異なる組成を有する。
【0010】
本発明の目的、特徴及び利点は、以下に述べられる「発明を実施するための形態」との関連において理解される。「発明を実施するための形態」は、本開示の重要な部分を成す添付図面との関連において理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の特定の実施形態による、無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体を製造するために示す一連の概略断面図の内の、漸進的な半導体オン・インシュレータ基板を製造する処理ステップの結果を示す。
【図2】本発明の特定の実施形態による、無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体を製造するために示す一連の概略断面図の内の、高次無線周波数高調波抑制領域を形成する処理ステップの結果を示す。
【図3】本発明の特定の実施形態による、無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体を製造するために示す一連の概略断面図の内の、分離領域を形成する処理ステップの結果を示す。
【図4】本発明の特定の実施形態による、無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体を製造するために示す一連の概略断面図の内の、電界効果デバイスを製造する処理ステップの結果を示す。
【図5】本発明の別の特定の実施形態による、無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体を製造するために示す一連の概略断面図の内の、漸進的な半導体オン・インシュレータ基板を製造する処理ステップの結果を示す。
【図6】本発明の別の特定の実施形態による、無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体を製造するために示す一連の概略断面図の内の、高次無線周波数高調波抑制領域を形成する処理ステップの結果を示す。
【図7】本発明の別の特定の実施形態による、無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体を製造するために示す一連の概略断面図の内の、分離領域を形成する処理ステップの結果を示す。
【図8】本発明の別の特定の実施形態による、無線周波数の相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体を製造するために示す一連の概略断面図の内の、電界効果デバイスを製造する処理ステップの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
高次無線周波数高調波抑制が強化された半導体構造体内で用いることのできる半導体オン・インシュレータ基板、及び、高次無線周波数高調波抑制が強化された半導体構造体内で用いることができる半導体オン・インシュレータ基板を製造する方法を含む本発明が、以下に述べる説明との関連で理解される。以下に述べる説明は、上述の図面との関連で理解される。図面は、例示を目的としたものであるので、必ずしも一定の縮尺では描かれていない。
【0013】
図1乃至図4は、本発明の特定の実施形態による、半導体オン・インシュレータ基板、及び抑制された高次無線周波数高調波を有する相補型金属酸化膜半導体構造体を製造する際の漸進的な処理ステップの結果を示す一連の概略断面図を示す。本発明のこの特定の実施形態は、本発明の第1の特定の実施形態を構成する。図1は、本発明のこの第1の特定の実施形態による、その製造における初期段階の相補型金属酸化膜半導体構造体の概略断面図を示す。
【0014】
図1は、ベース半導体基板10を示す。埋込み誘電体層12が、ベース半導体基板10の上に配置及び形成される。表面半導体層14が、埋込み誘電体層12の上に配置及び形成される。全体として、ベース半導体基板10、埋込み誘電体層12及び表面半導体層14が、半導体オン・インシュレータ基板を構成する。
【0015】
ベース半導体基板10は、幾つかの半導体材料のいずれかを含むことができる。こうした半導体材料の限定的ではない例として、シリコン、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム合金、シリコン−炭素合金、シリコン−ゲルマニウム−炭素合金、及び化合物(すなわち、III−V族及びII−VI族)半導体材料が含まれる。化合物半導体材料の限定的ではない例として、ヒ化ガリウム、ヒ化インジウム、及びリン化インジウム半導体材料が含まれる。典型的には、ベース半導体基板10は、一般的に通常のものである厚さを有するシリコン半導体材料又はシリコン−ゲルマニウム合金半導体材料を含む。
【0016】
埋込み誘電体層12は、幾つかの誘電体材料のいずれかを含むことができる。誘電体材料の限定的ではない例として、特にシリコンの酸化物、窒化物、及び酸窒化物が含まれるが、他の元素の酸化物、窒化物、及び酸窒化物を除外するものではない。埋込み誘電体層12は、結晶性誘電体材料又は非結晶性誘電体材料を含むものとすることができ、特定の状況の下では結晶性誘電体材料が好ましい。埋込み誘電体層12は、幾つかある方法のいずれかを用いて形成することができる。限定的ではない例として、イオン注入法、熱又はプラズマによる酸化法又は窒化法、化学気相堆積法、及び物理気相堆積法が含まれる。典型的には、埋込み誘電体層12は、ベース半導基板10を構成する半導体材料の酸化物を含む。典型的には、埋込み誘電体層12は、100ナノメートルから1000ナノメートルまでの厚さを有する。さらに、一般的に、より厚い埋込み誘電体層12(すなわち、200ナノメートルより厚い)は、多くの場合、ギガヘルツ(GHz)のワイヤレス無線周波数(RF)用途に望ましい。一般に、上記の埋込み誘電体層12の厚さ範囲は、900MHzから6GHzまでの範囲で動作可能な無線周波数の半導体オン・インシュレータ半導体構造体及び回路を提供することができる。
【0017】
表面半導体層14は、ベース半導体基板10を構成することができる幾つかの半導体材料のいずれかを含むことができる。表面半導体層14及びベース半導体基板10は、化学的組成、ドーパント濃度、及び結晶配向に関して、同一の、類似の、又は異なる半導体材料を含むことができる。異なる半導体材料は、異なる無線周波数範囲で動作する異なる半導体デバイスを提供するように選択されることが多い。典型的には、表面半導体層14は、100ナノメートルから1500ナノメートルまでの厚さを有する。
【0018】
図1に示される半導体オン・インシュレータ基板は、幾つかある方法のいずれかを用いて製造することができる。限定的ではない例として、積層法、層転写法、及び酸素注入による分離(SIMOX)法が含まれる。
【0019】
図2は、図1に概略断面図を示す半導体オン・インシュレータ基板内のベース半導体基板10に、あるドーズ量の高次無線周波数高調波抑制イオン16を注入して、ベース半導体基板10内の所定の深さのところに配置及び形成された平坦な領域(すなわち、層)として配置及び形成される高次無線周波数高調波抑制領域18をもたらした結果を示す。この特定の実施形態において、高次無線周波数高調波抑制領域18は、典型的には、埋込み誘電体層12とベース半導体基板10との界面の下方に2000ナノメートルまで、代替的には、埋込み誘電体層12とベース半導体基板10との界面の下方に100ナノメートルから2000ナノメートルまで、さらに代替的には、埋込み誘電体層12とベース半導体基板10との界面の下方1000乃至2000ナノメートルの深さのところに配置及び形成される。従って、後者の条件は、埋込み誘電体層12とは明確に異なる高次無線周波数高調波抑制領域18をもたらす。
【0020】
あるドーズ量の高次無線周波数高調波抑制イオン16は、特定の半導体材料組成のベース半導体基板10に注入されたとき、図2に概略断面図を示す半導体オン・インシュレータ基板を用いる無線周波数回路内で、高次の基本無線周波数(すなわち、1fo)における送信電力を機能的に抑制する(すなわち、少なくとも30dB、より好ましくは少なくとも40dB)高次無線周波数高調波抑制領域18をもたらす、幾つかのイオンのいずれかを含むことができる。
【0021】
アルゴン及びネオンからなる群から選択される高次無線周波数高調波抑制イオンが、望ましい。他の妥当な高次無線周波数高調波抑制イオンとして、これらに限定されるものではないが、ヘリウムイオン、炭素イオン、窒素イオン、クリプトンイオン、及びキセノンイオンが含まれる。代替的な高次無線周波数高調波抑制イオンの決定に、必要以上の実験は必要ないと考えられる。典型的には、あるドーズ量の高次無線周波数高調波抑制イオン16は、1平方センチメートル当たり5.0×1012から5.0×1015までのドーズ量の高次無線周波数高調波抑制イオン、及び、30keVから1200keVのエネルギーで与えられ、ベース半導体基板10内の高次無線周波数高調波抑制領域18内に、1立方センチメートル当たり1×1017原子から1×1021原子までの、高次無線周波数高調波抑制原子の濃度をもたらす。ベース半導体基板10の少なくとも部分内のキャリア移動度を抑止し、高次無線周波数高調波を抑制するために、高次無線周波数高調波抑制領域18は、典型的には、3より大きい誘電率、より好ましくは10より大きい誘電率、さらにより好ましくは10(又は代替的には20)乃至100の誘電率を有することができる誘電体組成物を含む。
【0022】
前述の分析は本発明を限定することを意図するものではなく、この特定の実施形態、他の実施形態、又は全体的な本発明との関連において、高次無線周波数高調波抑制に関する代替的な説明及び理解を除外するものではない。
【0023】
図3は、最初に、表面半導体層14をパターン形成して、埋込み誘電体層12を露出させる複数の表面半導体層14´を形成した結果を示す。半導体製造技術分野において一般的に通常のものである他の方法及び材料を用いながら、表面半導体層14をパターン形成し、表面半導体層14´を形成することもできる。こうした方法及び材料は、典型的には、必ずしもこれらに限定されるものではないが、レジストマスキング法及び材料、又はハードマスキング法及び材料を含み、このどちらの後にも、これらに限定されるものではないが、湿式化学エッチング法又は乾式プラズマ・エッチング法のようなエッチング法が行われる。乾式プラズマ・エッチング法及び材料が、湿式化学エッチング法及び材料と比べて、特に真っ直ぐな側壁を表面半導体層14´にもたらす限り、多くの場合、ハードマスク法及び材料と組み合わせた、乾式プラズマ・エッチング法が好ましい。
【0024】
図3の概略断面図内には特に具体的に示されないが、この特定の実施形態は、表面半導体層14´の一方が適切にドープされてnFETを形成し、表面半導体層14´の他方が適切にドープされてpFETを形成すると考えられる。しかしながら、本実施形態及び本発明の高次無線周波数高周波抑制の効果は、無線周波数FET(すなわち、能動)デバイス及び該無線周波数FETデバイスを含む回路だけではなく、幾つかのタイプの無線周波数デバイス(すなわち、これらに限定されるものではないが、能動デバイス及び受動デバイスの両方を含む)のいずれかとの関連において実現することもできる。例えば、付加的な無線周波数能動デバイスは、必ずしもこれらに限定されるものではないが、バイポーラ・トランジスタ、並びに、相補型金属酸化膜半導体トランジスタを含むことができる。さらに、これらに限定されるものではないが、抵抗器、キャパシタ及びインダクタ、並びに、これに限定されるものではないがキャパシタ及びインダクタの組み合わせ等のこれらの組み合わせのような受動デバイスを含む無線周波数回路も、本実施形態及び本発明内に含まれるが、これに限定されるものではない。
【0025】
図3はまた、表面半導体層14をパターン形成して表面半導体層14´を形成することによって生成される、複数の開口部内に配置及び形成された複数の分離領域20も示す。
【0026】
分離領域20は、半導体製造技術分野において一般的に通常のものである幾つかの誘電体分離材料のいずれかを含むことができる。こうした誘電体材料には、特にこれらに限定されるものではないが、シリコンの酸化物、窒化物及び酸窒化物、並びに、他の元素の酸化物、窒化物及び酸窒化物が挙げられる。分離領域20を形成するために、これらに限定されるものではないが、炭素合金及び炭化物のような他の誘電体材料も除外されない。誘電体分離材料は、半導体製造技術分野において通常のものである幾つかある方法のいずれかを用いて形成することができる。特に、これらに限定されるものではないが、化学気相堆積法及び物理気相堆積法も含まれる。典型的には、分離領域20は、表面半導体層14´のレベルに形成され、平坦化された、酸化シリコンの誘電体材料を少なくとも部分的に含む。このような平坦化は、これらに限定されるものではないが、機械式平坦化法及化学機械研磨平坦化法を含む方法を用いて行なうことができる。化学機械研磨平坦化法が、典型的には好ましい。
【0027】
図4は、図3に示される半導体オン・インシュレータ基板の別個の表面半導体層14´内及びその上に配置及び形成された複数の電界効果トランジスタ・デバイスを示すが、上述のように、この特定の実施形態も又は全体としての本発明も、必ずしも電界効果トランジスタ・デバイスを含む半導体オン・インシュレータ基板、又は電界効果トランジスタ・デバイスを含む半導体回路に限定されるものではない。
【0028】
電界効果トランジスタ・デバイスは、(1)表面半導体層14´の上に配置及び形成された複数のゲート誘電体22と、(2)複数のゲート誘電体22の上に配置及び形成された複数のゲート24と、(3)ゲート誘電体22及びゲート24の対向する側壁に近接し、隣り合うように配置及び形成された複数のスペーサ26と、(4)複数のゲート24によって覆われていない位置において、表面半導体層14´内に配置及び形成された複数のソース及びドレイン領域28とを含む。当業者であれば理解するように、複数のソース及びドレイン領域28の各々は、各ゲート24の下に位置合わせされたチャネル領域によって分離される。前述の電界効果トランジスタ・デバイス内に含まれる前述の層及び構造体の各々は、半導体製造技術分野において通常のものである材料を含み、そうした寸法を有することができる。電界効果トランジスタ・デバイスを構成する前述の層及び構造体の各々はまた、半導体製造技術分野において通常のものである方法を用いて形成することもできる。
【0029】
ゲート誘電体22は、真空中で測定すると約4乃至約20の誘電率を有するシリコンの酸化物、窒化物及び酸窒化物のような通常の誘電体材料を含むことができる。或いは、ゲート誘電体22は、一般的に、約20乃至少なくとも約100の誘電率を有するより高い誘電率の誘電体材料を含むことができる。こうしたより高い誘電率の誘電体材料は、これらに限定されるものではないが、酸化ハフニウム、ハフニウムシリケート、酸化チタン、チタン酸バリウム・ストロンチウム(BST)及びチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を含むことができる。ゲート誘電体22は、ゲート誘電体の組成の材料に適した幾つかの方法のいずれかを用いて形成することができる。これらに限定するものではないが、熱又はプラズマ酸化又は窒化方法、化学気相堆積法及び物理気相堆積法が挙げられる。典型的には、ゲート誘電体22は、1ナノメートルから15ナノメートルまでの厚さを有する熱酸化シリコン誘電体材料を含む。
【0030】
ゲート24は、これらに限定されるものではないが、特定の金属、金属合金、金属窒化物及び金属シリサイド、並びに、それらの積層体及びそれらの複合体を含む材料を含むことができる。ゲート24はまた、ドープされたポリシリコン及びドープされたポリシリコン・ゲルマニウム合金材料(すなわち、1立法センチメートル当たり約1×1018ドーパント原子から約1×1022ドーパント原子までのドーパント濃度を有する)と、ポリサイド材料(ドープされたポリシリコン/金属シリサイド・スタック材料)とを含むことができる。同様に、幾つかある方法のいずれかを用いて、上述の材料を形成することもできる。限定的ではない例として、サリサイド法、化学気相堆積法、及び、これらに限定されるものではないが蒸着法及びスパッタリング法といった物理気相堆積法が含まれる。典型的には、ゲート24は、100ナノメートルから250ナノメートルまでの厚さを有するドープされたポリシリコン材料を含む。
【0031】
スペーサ26は、これらに限定されるものではないが、導体材料及び誘電体材料を含む材料を含むことができる。導体スペーサ材料は、あまり一般的ではないが、それにもかかわらず周知である。誘電体スペーサ材料は、より一般的である。スペーサ材料は、埋込み誘電体層12を形成するために用いられる方法と類似の、同等の、又は同一の方法を用いて形成することができる。スペーサ26はまた、ブランケット層堆積法及び異方性エッチバック法を用いることによって、特徴的な内向きのスペーサの形状を有するように形成される。典型的には、スペーサ26は、酸化シリコン誘電体材料を含む。
【0032】
最後に、複数のソース及びドレイン領域28は、nFET又はpFETのいずれかに適した極性の一般的に通常のものであるドーパントを含む。当業者であれば理解するように、複数のソース及びドレイン領域28は、2段階のイオン注入法を用いて形成される。本方法における第1のイオン注入プロセス・ステップは、スペーサ26がない状態のゲート24をマスクとして用いて、各々が特定のスペーサ26の下に延びる複数の拡張領域を形成する。第2のイオン注入プロセス・ステップは、ゲート24及びスペーサ26をマスクとして用いて、複数のソース及びドレイン領域28のより広いコンタクト領域部分を形成しながら、同時に拡張領域の対を組み込む。ドーパント・レベルは、複数のソース及びドレイン領域28の各々の内部において1立方センチメートル当たり約1×1019ドーパント原子から約1×1021ドーパント原子までである。複数のソース及びドレイン領域28内の拡張領域は、特定の状況の下では、複数のソース及びドレイン領域28をもつコンタクト領域より低濃度にドープすることもできるが、このような異なるドーピング濃度は本実施形態又は本発明の要件ではない。
【0033】
図4は、本発明の第1の特定の実施形態を含む本発明の特定の実施形態による、相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体の概略断面図を示す。図4に概略断面図を示す相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体は、図4に概略断面図を示す無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体からの無線周波数電力送信についての一次無線周波数との関連において、減衰され、抑制された高次無線周波数高調波を有する無線周波数集積回路を提供する。図4に概略断面図を示す特定の第1の実施形態は、無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体のベース半導体基板10内に、埋込み誘電体層12とベース半導体基板10との界面の位置又はその下にあるベース半導体基板10内の平坦な領域として高次無線周波数高調波抑制領域18を組み込むことによって、前述の結果を実現する。
【0034】
図5乃至図8は、本発明の別の実施形態による、相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体を製造する際の漸進的な段階の結果を示す一連の概略断面図である。この本発明の他の実施形態は、本発明の第2の実施形態を構成する。図5は、この本発明の付加的な第2の実施形態による、その製造の初期段階における相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体の概略断面図を示す。
【0035】
図5は、図1に対応するが、表面半導体層14の上に配置及び形成された複数のマスク15が付加されている。
【0036】
複数のマスク15は、幾つかのマスク材料のいずれかを含むことができる。これらに限定されるものではないが、特にハードマスク材料及びフォトレジスト・マスク材料が挙げられる。上述のように、半導体構造体内のブランケット層からパターン形成された層を形成するとき、ハードマスク材料がほぼ真っ直ぐの側壁をもたらすのを助ける限り、一般的には、ハードマスク材料が好ましい。
【0037】
図6は、最初に、表面半導体層14をパターン形成して、表面半導体層14´を形成した結果を示す。図2に示す表面半導体層14から図3に示す表面半導体層14´を形成するのに用いられる方法及び材料に類似の、同等の、又は同一の方法及び材料を用いて、表面半導体層14をパターン形成し、表面半導体層14´を形成することができる。
【0038】
図6は、図2の概略断面図内に示される同じドーズ量の高次無線周波数高調波抑制イオン16も示すが、ここではこれを用いて、マスク15又は表面半導体層14´によって覆われていない位置に、ベース半導体基板10内の別個の領域18´として形成及び配置される複数の高次無線周波数高調波抑制領域18´を形成する。高次無線周波数高調波抑制領域18´は、図2に示す高次無線周波数高調波抑制領域18に類似の、同等の、又は同一の方法及び材料を用いて形成することができるが、ここでは、マスク15又は表面半導体層14´によって覆われていない位置において、ベース半導体基板10内に別個に形成される。従って、高次無線周波数高調波抑制イオン16のドーズ量は、図2及び図6内と同じドーズ量で与えられるが、イオン注入エネルギーは、典型的には、図6に示す第2の実施形態において減少し、典型的には30KeVから200KeVまでである。
【0039】
図7は、最初に、図6に概略断面図を示す相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体からマスク15を剥離した結果を示す。マスク15は、他の点では、半導体製造技術分野において一般的に通常のものであり、かつ、マスク15を構成する材料に適した方法及び材料を用いて剥離することができる。より具体的には、同じく一般的にこれらに限定するものではないが、湿式化学エッチング法及び材料、並びに、乾式プラズマ・エッチング法及び材料が含まれる。
【0040】
図7は、表面半導体層14´を分離する複数の開口部内に、複数の分離領域20を形成した結果も示す。分離領域20は、図3に示す分離領域20を形成するのに用いられる方法及び材料に類似の、同等の、又は同一の方法及び材料を用いて形成される。
【0041】
図8は、図7に示す分離した表面半導体層14´内及びその上にnFET及びpFETを形成した結果を示す。従って、図8は、図4に概略断面図を示す無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体に類似した無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体を示すが、図8の無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体は、分離した不連続の高次無線周波数高調波抑制領域18´を用い、図4の無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体は、単一の高次無線周波数高調波抑制領域18のみを用いる。
【0042】
図8の無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体は、他の点では一般に、図4の無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体の利点をもたらす。
【0043】
本発明の価値を示すために、他の点では同一の無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体が、(1)いずれの高次無線周波数高調波抑制領域もない状態で、又は代替的に(2)図4に示すような第1の実施形態による高次無線周波数高調波抑制領域18を有するように、又は(3)高次無線周波数高調波抑制領域18´がベース半導体基板10の不完全な被覆領域を含む、図8に示すような第2の実施形態による複数の高次無線周波数高調波抑制領域18´を有するように、製造された。
【0044】
これらの特定の例において、第1の実施形態による高次無線周波数高調波抑制領域18は、最初に、半導体オン・インシュレータ基板内のベース半導体基板と埋込み誘電体層との界面の下に、あるドーズ量のアルゴンの高次無線周波数高調波抑制イオンを注入することによって製造された。アルゴンのイオン注入は、半導体オン・インシュレータ基板ワークピースの傾斜角がゼロ度であり、半導体オン・インシュレータ基板ワークピースのねじれ角がゼロ度であることに加えて、1200keVのイオン注入エネルギー、及び、1平方センチメートル当たり1×1014のアルゴンイオンのイオン注入ドーズ量で行なわれる。
【0045】
一般に、いかなるタイプの半導体基板ワークピースの傾斜角も、半導体基板ワークピース表面の法線に対する入射イオン注入ビームの角度として定められる。同様に、いかなるタイプの半導体基板ワークピースのねじれ角も、半導体基板ワークピース表面上へのイオン注入ビームの投影と、半導体基板ワークピースの任意に選択された結晶配向との間の角度として定められる。半導体基板ワークピースの任意に選択された結晶配向は、〔011〕結晶配向であることが多く、これは、半導体構造体製造及び半導体デバイス製造との関連において、必ずしもこれに限定されるものではないが、半導体オン・インシュレータ基板を含む半導体基板のエッジにおけるノッチに対応する。
【0046】
第2の実施形態との関連において、前述の例は、半導体オン・インシュレータ基板内の隣接する表面半導体層アイランドを分離する複数の分離トレンチの露出した底部へのイオン注入によって、半導体オン・インシュレータ基板内に、高次無線周波数高調波抑制領域18´を不連続に形成することも含んでいた。これらの例との関連において、分離トレンチは、80ナノメートルのライン幅を有していた。さらに、これらの例は、3つの一連の連続的かつ継続的なアルゴン・イオン・ビームを用いて実行される、アルゴンの高次無線周波数高調波抑制イオンの注入も用いていた。3つのアルゴン・イオン・ビームの各々は、それぞれが2度の傾斜を有する4つの配向を含み、この4つの配向は0度、90度、180度及び270度の連続的なねじれを含んでいた。第1のアルゴン・イオン・ビームは、500keVのイオン注入エネルギー、及び、1平方センチメートル当たり2×1014のアルゴンの高次無線周波数高調波抑制イオンのイオン注入ドーズ量で与えられる。第2のアルゴン・イオン・ビームは、100keVのイオン注入エネルギー、及び、1平方センチメートル当たり1×1016のアルゴンの高次無線周波数高調波抑制イオンのイオン注入ドーズ量で与えられる。第3のアルゴン・イオン・ビームは、30keVのイオン注入エネルギー、及び、1平方センチメートル当たり5×1015のアルゴンの高次無線周波数高調波抑制イオンのイオン注入ドーズ量で与えられる。
【0047】
無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体はまた、900MHzで及び35dBMの電力で動作する一般的に通常のものである無線周波数回路を提供し、一般的に、ワイヤレス通信システム内で使用するための無線周波数送信/受信スイッチ回路を提供するように設計及び配置された抵抗器及びキャパシタも含んでいた。
【0048】
第1及び第2の実施形態の有効性が、無線周波数スイッチ回路の設計において証明された。無線周波数スイッチ回路の設計及び処理は、当技術分野において周知である。高調波抑制を改善するために、上で設計されたような高次無線周波数高調波抑制領域18/18´が、スイッチ回路の設計に適用された。達成可能な最大の高調波抑制が、最新の金属製共平面導波管(coplanar waveguide)において実証され、高調波抑制が、以下(表1)に量的に報告される。(3つの無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体の各々における一次の送信無線周波数電力(1fo)と比較して)第二次高調波(2fo)及び第三次高調波(3fo)の抑制が、求められた。スイッチ回路設計から予想される結果として生じる高調波抑制は、比較可能であるが、必ずしも有効ではない(表1を参照されたい)。
表1
回路 1foにおけるIL 2foにおける抑制 3foにおける抑制
(dB) (dBc) (dBc)
送信ライン:
抑制領域なし 1.61 -55.2 -56.2
第1の実施形態 1.29 -56.3 -59.5
第2の実施形態 0.80 -63.3 -71.0
スイッチ:
第2の実施形態 1.26 -66.4 -56.4
【0049】
表1のデータから分かるように、本発明の第1の実施形態又は第2の実施形態は、無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体内に連続的な又は不連続の高次無線周波数高調波抑制領域18/18´を組み込んでいるために、さらに無線周波数送信/受信スイッチ回路との関連において、基本無線周波数における基本無線周波数電力送信と比較して、挿入損失が低減され、高次無線周波数高調波の電力送信が抑制された、無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体を提供する。
【0050】
好ましい実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明を例証するものである。第1の実施形態又は第2の実施形態による無線周波数相補型金属酸化膜半導体オン・インシュレータ構造体の方法、材料、構造体及び寸法に対して、改定及び修正をなすことができ、一方、本発明による、及び、さらに添付の特許請求の範囲による、半導体オン・インシュレータ基板、又は半導体オン・インシュレータ構造体、又はそれを製造するための方法をさらに与える。
【符号の説明】
【0051】
10:ベース半導体基板
12:埋込み誘電体層
14、14´:表面半導体層
15:マスク
16:高次無線周波数高調波抑制イオン
18、18´:高次無線周波数高調波抑制領域
20:分離領域
22:ゲート誘電体
24:ゲート
26:スペーサ
28:ソース及びドレイン領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース半導体基板と、
前記ベース半導体基板の上に配置された埋込み誘電体層と、
前記埋込み誘電体層の上に配置された表面半導体層と、
を含み、前記ベース半導体基板は、前記埋込み誘電体層とは異なる組成の少なくとも1つの高次無線周波数高調波抑制領域を含む、半導体オン・インシュレータ基板。
【請求項2】
前記ベース半導体基板は、シリコン半導体材料を含む、請求項1に記載の半導体オン・インシュレータ基板。
【請求項3】
前記高次無線周波数高調波抑制領域は、前記埋込み誘電体層と前記ベース半導体基板との界面の下方に2000ナノメートルまでの距離をおいて前記ベース半導体基板内に配置された単一の平坦な領域を含む、請求項1に記載の半導体オン・インシュレータ基板。
【請求項4】
前記高次無線周波数高調波抑制領域は、前記埋込み誘電体層と前記ベース半導体基板との界面の下方に2000ナノメートルまでの距離をおいて前記ベース半導体基板内に配置された複数の同一平面上の領域を含む、請求項1に記載の半導体オン・インシュレータ基板。
【請求項5】
前記高次無線周波数高調波抑制領域は、希ガスがドープされた領域を含む、請求項1に記載の半導体オン・インシュレータ基板。
【請求項6】
前記高次無線周波数高調波抑制領域は、ヘリウム・ドーパント、炭素ドーパント、窒素ドーパント、ネオン・ドーパント、アルゴン・ドーパント、クリプトン・ドーパント及びキセノン・ドーパントからなる群から選択される少なくとも1つのドーパントを含む、請求項1に記載の半導体オン・インシュレータ基板。
【請求項7】
前記高次無線周波数高調波抑制領域は、10から100までの誘電率を有する誘電体材料を含む、請求項1に記載の半導体オン・インシュレータ基板。
【請求項8】
前記表面半導体層内に配置された無線周波数デバイスをさらに含み、これにより無線周波数半導体オン・インシュレータ構造体が提供される、請求項1に記載の半導体オン・インシュレータ基板。
【請求項9】
前記無線周波数デバイスは、相補型金属酸化膜半導体デバイスを含む、請求項8に記載の半導体オン・インシュレータ構造体。
【請求項10】
前記無線周波数デバイスは、受動デバイスを含む、請求項8に記載の半導体オン・インシュレータ構造体。
【請求項11】
半導体オン・インシュレータ基板を製造する方法であって、
ベース半導体基板と、
前記ベース半導体基板の上に配置された埋込み誘電体層と、
前記埋込み誘電体層の上に配置された表面半導体層と、
を含む半導体オン・インシュレータ基板内のベース半導体基板内に高次無線周波数高調波抑制領域を形成することを含み、前記高次無線周波数高調波抑制領域は、前記埋込み誘電体層とは異なる材料を含む方法。
【請求項12】
前記ベース半導体基板は、シリコン半導体材料を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記高次無線周波数高調波抑制領域を形成することは、前記埋込み誘電体層と前記ベース半導体基板との界面の下方に2000ナノメートルまでの距離をおいて前記ベース半導体基板内に形成された単一の平坦な高次無線周波数高調波抑制領域をもたらす、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記高次無線周波数高調波抑制領域を形成することは、前記埋込み誘電体層と前記ベース半導体基板との界面の下方に2000ナノメートルまでの距離をおいて前記ベース半導体基板内に形成された、同一平面上にある複数の高次無線周波数高調波抑制領域をもたらす、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記高次無線周波数高調波抑制領域を形成することは、イオン注入法を用いる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記高次無線周波数高調波抑制領域を形成することは、希ガスがドープされた高次無線周波数高調波抑制領域をもたらす、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記高次無線周波数高調波抑制領域を形成することは、ヘリウム・ドーパント、炭素ドーパント、窒素ドーパント、ネオン・ドーパント、アルゴン・ドーパント、クリプトン・ドーパント及びキセノン・ドーパントからなる群から選択される少なくとも1つのドーパントを含む、ドープされた高次無線周波数高調波抑制領域をもたらす、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記高次無線周波数高調波抑制領域を形成することは、10から100までの誘電率を有する誘電体材料を含む高次無線周波数高調波抑制領域をもたらす、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記表面半導体層内に無線周波数デバイスを形成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記無線周波数デバイスに電力供給することをさらに含み、前記高次無線周波数高調波抑制領域は、前記無線周波数デバイスに電力供給するとき、基本送信電力周波数と比較して、抑制された高次無線周波数高調波をもたらす、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−517691(P2012−517691A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548551(P2011−548551)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066426
【国際公開番号】WO2010/091752
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】