説明

3次元測定装置、3次元測定方法及びプログラム

【課題】測定対象物が明るさ(色)の異なる複数の領域を有している場合に、適切にその測定対象物を3次元測定することができる3次元測定装置等の技術を提供すること。
【解決手段】本技術の一形態に係る3次元測定装置は、投影部と、撮像部と、制御部とを具備する。前記投影部は、照度を変化可能な照明を有し、前記照明からの光により測定対象物に縞を投影する。前記制御部は、前記撮像部により前記測定対象物の画像を撮像させ、撮像された前記測定対象物の画像から輝度値を取得し、取得された前記輝度値に基づいて、前記測定対象物に対して複数の検査ブロックを割り当て、割り当てられた前記検査ブロック毎に、前記照明の測定照度を決定し、決定された前記測定照度で、それぞれ、前記投影部により前記検査ブロックに対して縞を投影し、前記縞が投影された前記検査ブロックの縞画像を前記撮像部により撮像し、撮像された前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、位相シフト法等を使用して測定対象物を3次元測定する3次元測定装置等の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、配線基板等の測定対象物の品質を検査する方法として、測定対象物を撮像して得られた画像を解析して、測定対象物の品質を検査する方法が用いられている。2次元的な画像解析では、測定対象物の欠け、凹み等の高さ方向の欠陥検出が困難であるため、近年においては、3次元的な画像解析により測定対象物の3次元形状を測定して、測定対象物の品質を検査する方法が用いられるようになってきている。
【0003】
画像解析により測定対象物の3次元形状を測定する方法として、光切断法の一種である位相シフト法(時間縞解析法)が広く用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
位相シフト法の原理について説明する。位相シフト法では、まず、投影部から正弦波状に輝度が変化する縞が測定対象物に投影される。測定対象物に投影される縞の位相は、所定の位相シフト量でシフトされる。位相シフトは、縞の位相が1周期分移動するまで複数回(最低3回、通常4回以上)繰り返される。縞の位相がシフトされると、撮像部により、位相がシフトされる度に、縞が投影された測定対象物が撮像される。例えば、位相シフト量がπ/2[rad]である場合、0、π/2、π、3π/2と縞の位相がシフトされ、各位相で測定対象物の画像が撮像される。そして合計4枚の画像が取得される。
【0005】
4回の位相シフトの場合、4枚の画像からそれぞれ画素の輝度値を取得し、下記の式(1)に適用することにより、座標(x、y)での位相φ(x、y)を求めることができる。
φ(x、y)=Tan−1{I3π/2(x、y)−Iπ/2(x、y)}/{I(x、y)−Iπ(x、y)}・・・(1)
【0006】
なお、I(x、y)、Iπ/2(x、y)、Iπ(x、y)、I3π/2(x、y)は、それぞれ、位相が0、π/2、π、3π/2である場合における、座標(x、y)に位置する画素の輝度値である。
【0007】
位相φ(x、y)を求めることができれば、位相φ(x、y)に基づいて三角測量の原理により各座標での高さ情報を得て、測定対象物の3次元形状を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−175554号公報(段落[0003]〜[0005])
【特許文献2】特開2009−204373号公報(段落[0023]〜[0027])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
式(1)の右辺に示されているように、位相シフト法では、座標(x、y)における位相φ(x、y)を求める場合、その座標(x、y)に位置する画素の輝度値の差を求める必要がある。
【0010】
ここで、例えば、投影部の照明が暗すぎる場合、4枚の画像からそれぞれ取得される輝度値の差が小さくなるため、式(1)により位相φ(x、y)を正確に算出することができない。結果として、正確に基板の3次元形状を測定することができないという問題がある。
【0011】
一方、投影装置の照明が明るすぎる場合、測定対象物に投影された縞の明るい部分に位置する画素の輝度値が、輝度値の最大値である255を超える等の理由により、正確に輝度値の差を算出することができない。従って、照明が暗い場合と同様に、正確に測定対象物の3次元形状を測定することができないという問題がある。
【0012】
ここで、配線基板等の測定対象物は、部分ごとに明るさが異なっている場合がある。例えば、基板上に塗布されたレジストの下に配線がある集中している部分は、配線が集中していない部分に比べて暗くなる。
【0013】
このような場合に、基板(レジスト)が明るい部分に適切な照度で縞を投影すると、その照度は、基板(レジスト)が暗い部分に対しては、適切な照度ではないので、基板が暗い部分では正確に測定対象物の3次元形状を測定することができない。同様に、基板が暗い部分に適切な照度で縞を投影すると、その照度は、基板が明るい部分に対しては、適切な照度ではないので、基板が明るい部分では正確に測定対象物の3次元形状を測定することができないといった問題がある。
【0014】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、測定対象物が明るさ(色)の異なる複数の領域を有している場合に、適切にその測定対象物を3次元測定することができる3次元測定装置等の技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る3次元測定装置は、投影部と、撮像部と、制御部とを具備する。
前記投影部は、照度を変化可能な照明を有し、前記照明からの光により測定対象物に縞を投影する。
前記制御部は、前記撮像部により前記測定対象物の画像を撮像させ、撮像された前記測定対象物の画像から輝度値を取得し、取得された前記輝度値に基づいて、前記測定対象物に対して複数の検査ブロックを割り当て、割り当てられた前記検査ブロック毎に、前記照明の測定照度を決定し、決定された前記測定照度で、それぞれ、前記投影部により前記検査ブロックに対して縞を投影し、前記縞が投影された前記検査ブロックの縞画像を前記撮像部により撮像し、撮像された前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定する。
【0016】
この3次元測定装置では、測定対象物の画像が撮像され、撮像された測定対象物の画像から輝度値が取得されて、この輝度値に基づいて、測定対象物に対して複数の検査ブロックが割り当てられる。これにより、測定対象物の明るさ(色)に応じた適切な検査ブロックの割り当てが可能となる。従って、測定対象物が明るさ(色)の異なる複数の領域を有している場合に、適切にその測定対象物を3次元測定することができる。
【0017】
上記3次元測定装置において、前記測定対象物は、前記測定対象物上に複数の検査物を有していてもよい。
この場合、前記制御部は、前記複数の検査ブロックを割り当てるとき、前記検査物の周囲の領域である検査物周囲領域の輝度値を前記測定対象物の画像から取得し、取得された前記検査物周囲領域の輝度値に基づいて、前記複数の検査物に対してそれぞれ輝度属性を設定し、同じ輝度属性を持つ前記検査物が存在する前記測定対象物の領域毎に、前記検査ブロックを割り当てることで、前記測定対象物に対して前記複数の検査ブロックを割り当ててもよい。
【0018】
これにより、測定対象物の明るさ(色)に応じて適切に検査ブロックを割り当てることができる。
【0019】
上記3次元測定装置において、前記制御部は、前記検査ブロック毎に前記測定照度を決定するとき、前記投影部により前記検査ブロックに対して縞を投影し、前記縞が投影された前記検査ブロックの前記縞画像を前記撮像部により撮像し、前記縞画像から輝度値を取得し、前記輝度値に基づいて3次元測定におけるエラー率を算出し、前記照明の照度を変化させて前記エラー率を前記照度毎に算出し、前記照度毎の前記エラー率に基づいて、前記測定照度を決定してもよい。
【0020】
この3次元測定装置では、検査ブロック毎に、照明の照度毎のエラー率が実際に算出される。そして、この照度毎のエラー率に基づいて、検査ブロック毎の測定照度が決定される。これにより、検査ブロック毎の測定照度を適切に決定することができる。
【0021】
上記3次元測定装置において、前記制御部は、前記エラー率を算出するとき、前記検査物が形成されている領域である検査物形成領域の輝度値と、前記検査物周囲領域の輝度値とを前記縞画像から取得し、前記検査物領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とに基づいて、前記エラー率を算出してもよい。
【0022】
上記3次元測定装置において、前記制御部は、前記エラー率を算出するとき、前記検査ブロックに含まれる前記複数の検査物のうち、前記検査ブロックと関連性を有する輝度属性を持つ検査物を判定し、前記検査ブロックと関連性を有する輝度属性を持つ検査物についての前記検査物領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とに基づいて、前記エラー率を算出してもよい。
【0023】
これにより、検査ブロック毎に適切にエラー率を算出することができる。
【0024】
上記3次元測定装置において、前記制御部は、前記エラー率が最小となる照度を前記検査ブロックの前記測定照度として決定してもよい。
【0025】
これにより、測定対象物を3次元測定する際に、エラー率が小さい適切な測定照度で検査ブロックに対して縞を投影するができる。
【0026】
上記3次元測定装置において、前記制御部は、前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定するとき、前記検査物が形成されている領域である検査物形成領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とを前記縞画像から取得し、前記検査物領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とに基づいて、前記測定対象物を3次元測定してもよい。
【0027】
上記3次元測定装置において、前記制御部は、前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定するとき、前記検査ブロックに含まれる前記複数の検査物のうち、前記検査ブロックと関連性を有する輝度属性を持つ検査物を判定し、前記検査ブロックと関連性を有する輝度属性を持つ検査物についての前記検査物領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とに基づいて、前記測定対象物を3次元測定してもよい。
【0028】
これにより、検査ブロック毎に適切に測定対象物を3次元測定することができる。
【0029】
上記3次元測定装置は、前記測定対象物の輝度値と、前記測定照度とが関連付けられたテーブルを記憶する記憶部を有していてもよい。
この場合、前記制御部は、前記検査ブロック毎に前記測定照度を決定するとき、前記記憶部に記憶された前記テーブルを参照して、前記測定対象物の画像から取得された前記輝度値に対応する前記測定照度を判定することで前記測定照度を決定してもよい。
【0030】
本技術の一形態に係る3次元測定方法は、測定対象物の画像を撮像させることを含む。
撮像された前記測定対象物の前記画像から輝度値が取得される。
取得された前記輝度値に基づいて、前記測定対象物に対して複数の検査ブロックが割り当てられる。
割り当てられた前記検査ブロック毎に、前記照明の測定照度が決定さえる。
決定された前記測定照度で、それぞれ、前記検査ブロックに対して縞が投影される。
前記縞が投影された前記検査ブロックの縞画像が撮像される。
撮像された前記縞画像に基づいて前記測定対象物が3次元測定される。
【0031】
本技術の一形態に係るプログラムは、3次元測定装置に、測定対象物の画像を撮像させるステップを実行させる。
撮像された前記測定対象物の前記画像から輝度値を取得するステップを実行させる。
取得された前記輝度値に基づいて、前記測定対象物に対して複数の検査ブロックを割り当てるステップを実行させる。
割り当てられた前記検査ブロック毎に、照明の測定照度を決定するステップを実行させる。
決定された前記測定照度で、それぞれ、前記検査ブロックに対して縞を投影するステップを実行させる。
前記縞が投影された前記検査ブロックの縞画像を撮像するステップを実行させる。
撮像された前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定するステップを実行させる。
【0032】
本技術の他の形態に係る3次元測定方法は、第1の領域と、前記第1の領域とは異なる色濃度の第2の領域とを有する基板の、前記第1及び第2の領域にそれぞれ対応する第1及び第2の色濃度情報を取得し、
前記第1の領域に対して、前記第1の色濃度情報に基づく照度で格子縞を照射して測定を行い、
前記第2の領域に対して、前記第2の色濃度情報に基づく照度で格子縞を照射して測定を行う。
【0033】
上記3次元測定方法において、前記色濃度の取得は、所定の照度の格子縞を前記第1及び第2の領域に対して照射して測定を行い、その測定結果のエラー率に基づいて設定されてもよい。
【0034】
本技術のさらに別の形態に係る3次元測定方法は、第1の領域と、前記第1の領域とは異なる色濃度の第2の領域とを有する基板の、前記第1の基板領域に対して、第1の照度で格子縞を照射して測定を行い、
前記第2の基板領域に対して、前記第1の照度とは異なる第2の照度で格子縞を照射して測定を行う。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように、本技術によれば、測定対象物が明るさ(色)の異なる複数の領域を有している場合に、適切にその測定対象物を3次元測定することができる3次元測定装置等の技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本技術の一実施形態に係る3次元測定装置を示す図である。
【図2】基板の一例を示す図である。
【図3】基板上の領域に複数の検査ブロックが割り当てられるときの処理を示すフローチャートである。
【図4】半田の周囲に設定された半田周囲領域を示す図である。
【図5】半田周囲領域の平均輝度値と、輝度属性とが関連付けられたルックアップテーブルを示す図である。
【図6】基板上の領域に対して、複数の検査ブロックが割り当てられたときの一例を示す図である。
【図7】基板上の領域に対して、複数の検査ブロックが割り当てられたときの他の例を示す図である。
【図8】基板上の領域に対して、複数の検査ブロックが割り当てられたときのさらに別の例を示す図である。
【図9】検査ブロック割り当てについての比較例を示す図であり、基板(レジスト)の明るさ(色)が考慮されずに、基板上の領域に対して検査ブロックが割り当てられたときの様子を示す図である。
【図10】検査ブロック毎に、3次元測定における測定照度が決定されるときの処理を示すフローチャートである。
【図11】縞の照射状態を示す図である
【図12】エラー率が算出されるときの処理を示すフローチャートである。
【図13】検査ブロックと、測定照度とが関連付けられたルックアップテーブルの一例を示す図である。
【図14】基板が3次元測定されるときの処理を示すフローチャートである。
【図15】半田周囲領域の平均輝度値と、輝度属性と、測定照度とが関連付けられたルックアップテーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
図1は、本技術の一実施形態に係る3次元測定装置100を示す図である。図1に示すように、3次元測定装置100は、ステージ10と、ステージ移動機構11と、照明部14と、撮像部15と、制御部16と、記憶部17と、表示部18と、入力部19と、投影部20とを備えている。
【0038】
本実施形態の説明では、3次元測定装置100により3次元測定される測定対象物1の一例として、実装部品を半田付けするための半田2(検査物)が形成された基板1を例に挙げて説明する(図2参照)。半田2は、例えば、クリーム半田印刷機等により基板1上に形成される。ユーザは、3次元測定装置100を用いて、基板1を3次元測定し、基板1上に形成された半田2の印刷状態を検査する。
【0039】
ステージ10には基板1が載置される。ステージ移動機構11は、制御部16に電気的に接続されており、制御部16からの駆動信号に応じて、ステージ10をXYZ方向に移動させる。
【0040】
投影部20は、照度を変化可能な照明としての光源21と、光源21からの光を集光する集光レンズ22と、集光レンズ22により集光された光を回折する回折格子23と、回折格子23により回折された光を基板1に投影する投影レンズ24とを有する。
【0041】
光源21としては、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀ランプ、LED(Light Emitting Diode)等が挙げられるが、光源21の種類は、特に限定されない。光源21は、照度調整機構25に電気的に接続されている。照度調整機構25は、制御部16の制御により、光源21の照度を調整する。
【0042】
回折格子23は、複数のスリットを有しており、光源21からの光を回折させて、正弦波状に輝度が変化する縞を基板1に投影させる。回折格子23には、スリットが形成された方向と直交する方向に回折格子23を移動させる格子移動機構26が設けられている。この格子移動機構26は、制御部16の制御に応じて、回折格子23を移動させ、基板1に投影される縞の位相をシフトさせる。なお、回折格子23、格子移動機構26の代わりに、格子状の縞模様を表示する液晶格子等が用いられても構わない。
【0043】
照明部14は、基板1に対して光を照射する。この照明部14は、例えば、環状の形状を有する上部照明12及び下部照明13の2つの照明を含む。
【0044】
撮像部15は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子と、基板1からの光を撮像素子の撮像面に結像させる結像レンズ等の光学系とを含む。撮像部15は、基板1(半田2)を3次元測定するために、投影部20により正弦波状の縞が投影された基板1を撮像する。また、撮像部15は、照明部14により基板1が照らされている状態で、基板1の全体を撮像する。
【0045】
表示部18は、例えば、液晶ディスプレイ等により構成され、制御部16の制御に応じて、基板1の3次元画像等を表示する。入力部19は、キーボード、マウス、タッチパネル等により構成され、ユーザからの指示を入力する。
【0046】
記憶部17は、3次元測定装置100の処理に必要な各種のプログラムが記憶されるROM(Read Only memory)等の不揮発性のメモリと、制御部16の作業領域として用いられるRAM(Random Access memory)等の揮発性のメモリとを有する。
【0047】
制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成され、記憶部17に記憶された各種のプログラムに基づき、3次元測定装置100を統括的に制御する。例えば、制御部16は、照度調整機構25を制御して、投影部20の照度を調整したり、格子移動機構26を制御して、基板1に投影される縞の位相をシフトさせたりする。また、撮像部15を制御して縞が投影された基板1の画像を撮像したり、撮像された画像に基づいて位相シフト法により基板1を3次元測定したりする。制御部16の制御については、後に詳述する。
【0048】
図2は、基板1の一例を示す図である。図2に示すように、基板1上には、複数の半田2が形成されている。複数の半田2は、それぞれパッド上に形成されている。また、基板1上には、半田2が形成されている部分を除いて、基板1上の全域に亘って、例えば、ソルダーレジスト(以下、単にレジスト)が形成されている。
【0049】
図2に示す一例では、基板1は、明るさ(色)が異なる複数の領域を有している。例えば、レジストの下に配線が集中している部分は、配線が集中していない部分に比べて暗くなる。以降の説明では、配線が集中しているなどの理由により、基板1(レジスト)が暗くなっている領域を暗領域と呼び、配線が集中しておらず基板1(レジスト)が明るい領域を明領域と呼ぶ。
【0050】
[動作説明]
次に、3次元測定装置100の制御部16の処理について説明する。
【0051】
「検査ブロック4が割り当てられるときの処理」
まず、基板1上の領域に複数の検査ブロック4が割り当てられるときの処理について説明する。
【0052】
図3は、基板1上の領域に複数の検査ブロック4が割り当てられるときの処理を示すフローチャートである。
【0053】
まず、3次元測定装置100の制御部16は、ステージ移動機構11を制御して、ステージ10を基板1の受け取り位置まで移動させる。そして、制御部16は、基板1受け渡し装置(図示せず)から、基板1を受け取り、ステージ10を移動させて基板1を撮像位置まで移動させる。
【0054】
次に、制御部16は、照明部14を制御して照明部14を発光させて、基板1に光を照射する。そして、制御部16は、撮像部15を制御して、撮像部15により基板1全体を撮像する(ステップ101)。このとき、制御部16は、撮像部15により基板1の全体を1度に撮像してもよいし、ステージ10移動機構により基板1をXY方向に移動させながら、撮像部15により基板1を領域毎に撮像することで、基板1の全体を撮像してもよい。これにより、制御部16は、基板1の全体画像の情報を取得する。
【0055】
基板1の全体画像の情報を取得すると、次に、制御部16は、複数の半田2それぞれについて、半田2の周囲に設定された半田周囲領域3bの輝度値を取得する(ステップ102)。
【0056】
図4は、半田2の周囲に設定された半田周囲領域3bを示す図である。図4に示すように、半田2の周囲には半田周囲領域3bが設定されている。本明細書中では、基板1上で半田2(パッド)が形成されている領域を半田形成領域3aと呼び、半田形成領域3aの周囲に設定されている領域を半田周囲領域3bと呼ぶ。
【0057】
制御部16は、図4に示すような半田周囲領域3bから輝度値を取得する。次に、制御部16は、半田周囲領域3bの輝度値の平均値を算出する(ステップ103)。これにより、制御部16は、半田2の周囲の基板1(レジスト)がどの程度の明るさであるかを認識することができる。図4に示す例では、半田周囲領域3bの形状が矩形である場合の一例が示されているが、半田周囲領域3bの形状は、特に限定されない。
【0058】
制御部16は、半田周囲領域3bの輝度値の平均値を算出すると、次に、輝度値の平均値に基づいて、複数の半田2に対して、それぞれ輝度属性を設定する(ステップ104)。
【0059】
半田周囲領域3bの平均輝度値と、輝度属性との関係について説明する。図5は、半田周囲領域3bの平均輝度値と、輝度属性とが関連付けられたルックアップテーブルを示す図である。このルックアップテーブルは、記憶部17に記憶されている。
【0060】
図5に示すように、半田周囲領域3bの平均輝度値は、0〜50、51〜101、102〜152、153〜203、204〜255の5段階に分類されている。そして、平均輝度値0〜50、51〜101、102〜152、153〜203、204〜255に対応して、それぞれ順番に輝度属性1、2、3、4、5が関連付けられている。
【0061】
図5では、半田周囲領域3bの平均輝度値が5段階に分類された場合が示されているが、半田周囲領域3bの平均輝度値は、2段階〜4段階、あるいは、6段階以上に分類されていてもよい。半田周囲領域3bの平均輝度値の段階数が多くなるに従って、1つの基板1に対して割り当てられる検査ブロック4数(図6参照)が多くなる。
【0062】
ステップ104では、制御部16は、このルックアップテーブルを参照し、複数の半田2に対して、それぞれ輝度属性を設定する。例えば、図4に示す一例において、暗領域内の複数の半田2について、それぞれ半田周囲領域3bのレジストの平均輝度値が30であったとする。この場合、暗領域内の複数の半田2に対して、それぞれ輝度属性1が設定される。また、例えば、図4に示す一例において、明領域内の複数の半田2について、半田周囲領域3bのレジストの平均輝度値が155であったとする。この場合、明領域内の複数の半田2それぞれに対して、輝度属性4が設定される。
【0063】
複数の半田2に対してそれぞれ輝度属性を設定すると、次に、制御部16は、検査ブロック4を割り当てるべき輝度属性を選択する(ステップ105)。ステップ105では、例えば、輝度属性1、輝度属性2、輝度属性3、輝度属性4、輝度属性5の順番で輝度属性が選択される。
【0064】
なお、検査ブロック4割り当ての順番は、これに限定されない。例えば、輝度属性5、輝度属性4、輝度属性3、輝度属性2、輝度属性1の順番であっても構わないし、ランダムであっても構わない。なお、ステップ104において、制御部16が半田2に対して輝度属性を設定するときに使用しなかった輝度属性がある場合には、ステップ105では、制御部16は、その輝度属性は、選択しない。
【0065】
例えば、図4に示す一例において、上記したように、暗領域内の複数の半田2に対して、それぞれ輝度属性1が設定され、明領域内の複数の半田2に対してそれぞれ輝度属性4が設定された場合を想定する。この場合、例えば、輝度属性1、輝度属性4の順番、あるいは、輝度属性4、輝度属性1の順番で、検査ブロック4を割り当てるべき輝度属性値が選択される。この場合、ステップ105において、輝度属性2、3、5は、選択されない。
【0066】
制御部16は、検査ブロック4を割り当てる輝度属性を選択すると、選択された輝度属性を持つ半田2が存在する基板1上の領域に対して、検査ブロック4の割り当てを実行する(ステップ106)。図6を参照して、検査ブロック4の大きさは、撮像部15の撮像視野に対応する大きさとされる。
【0067】
ステップ106では、まず、制御部16は、そのとき選択されている輝度属性を持つ複数の半田2の位置座標の情報と、サイズの情報とを記憶部17から読み出す。半田2の位置座標の情報と、サイズの情報とは、あらかじめ記憶部17に記憶されていてもよいし、ステップ101で撮像された基板1の全体画像の情報に基づいて、制御部16が算出してもよい。
【0068】
そして、制御部16は、そのとき選択されている輝度属性を持つ複数の半田2が撮像部15の撮像視野に納まるかを判定する。すなわち、制御部16は、そのとき選択されている輝度属性を持つ複数の半田2が1つの検査ブロック4に収まるかを判定する。
【0069】
そのとき選択されている輝度属性を持つ複数の半田2が1つの撮像視野に収まる場合には、その輝度属性を持つ複数の半田2が1つの検査ブロック4に含まれるように、基板1上の領域に対して検査ブロック4を割り当てる。
【0070】
一方、そのとき選択されている輝度属性を持つ複数の半田2が、撮像部15の撮像視野に収まらない場合、つまり複数の半田2が1つの検査ブロック4に収まらない場合、制御部16は、その複数の半田2が存在する基板1上の領域に対して、複数の検査ブロック4を割り当てる。このとき、制御部16は、半田2の座標情報と、サイズの情報に基づいて、検査ブロック4数が最も小さくなるように、基板1上の領域に対して検査ブロック4を割り当てる。また、この場合、制御部16は、基板1をXY方向へ移動させて検査ブロック4単位で基板1が撮像されるときに、基板1のXY方向への移動量が最も小さくなるように、基板1上の領域に対して検査ブロック4を割り当てる。
【0071】
そのとき選択されている輝度属性を持つ半田2が存在する基板1上の領域に対して、検査ブロック4を割り当てると、次に、制御部16は、全ての半田2に対して検査ブロック4の割り当てが完了したかを判定する(ステップ107)。完了していない場合(ステップ107のNO)、制御部16は、ステップ105へ戻り、再び、検査ブロック4を割り当てるべき輝度属性を選択する。そして、制御部16は、そのとき選択された輝度属性を持つ半田2に対して、検査ブロック4の割り当てを実行する(ステップ106)。
【0072】
このような処理により、同じ輝度属性を有する半田2(半田周囲領域3bの平均輝度値が同じ範囲内にある半田2)が存在する領域毎に、基板1上の領域に対して1又は複数の検査ブロック4が割り当てられる。すなわち、基板1(レジスト)の明るさ(色)毎に、1又は複数の検査ブロック4が割り当てられる。
【0073】
図6は、基板1上の領域に対して、複数の検査ブロック4が割り当てられたときの一例を示す図である。図6に示すような検査ブロック4が基板1上の領域に対して割り当てられるときの処理について、具体的に説明する。
【0074】
上記したように、暗領域内の複数の半田2について、半田周囲領域3bの平均輝度値が30であり、暗領域内の複数の半田2に対して、それぞれ輝度属性1が設定されたとする。また、明領域内の複数の半田2について、半田周囲領域3bのレジストの平均輝度値が155であり、明領域内の複数の半田2それぞれに対して、輝度属性4が設定されたとする。そして、ステップ105で、検査ブロック4を割り当てるべき輝度属性として、輝度属性1が選択されたとする。
【0075】
この場合、制御部16は、輝度属性1を持つ暗領域内の複数の半田2が存在する基板1上の領域に対して、検査ブロック4を割り当てる(ステップ106)。このとき、制御部16は、半田2の座標情報と、サイズの情報とに基づいて、輝度属性1を持つ暗領域内の複数の半田2が、撮像部15の撮像視野(1つの検査ブロック4)に納まるかを判定する。図6では、輝度属性1を持つ暗領域内の複数の半田2は、撮像部15の撮像視野に収まるので、暗領域内の複数の半田2が撮像部15の撮像視野に納まると判定される。この場合、制御部16は、図6に示すように、暗領域内の複数の半田2が存在する基板1上の領域に対して検査ブロック4a(実線参照)を割り当てる。
【0076】
次に、制御部16は、全ての半田2に対して検査ブロック4が割り当てられたかを判定する(ステップ107)。この場合、まだ、検査ブロック4が割り当てられていない半田2が残っているので(ステップ107のNO)、制御部16は、ステップ105へ戻る。
【0077】
ステップ105では、検査ブロック4を割り当てる輝度属性として、輝度属性4が選択される。次に、制御部16は、輝度属性4を持つ明領域内の複数の半田2が存在する基板1上の領域に対して、検査ブロック4を割り当てる(ステップ106)。
【0078】
このとき、制御部16は、半田2の座標情報と、サイズの情報とに基づいて、輝度属性4を持つ明領域内の複数の半田2が、撮像部15の撮像視野(1つの検査ブロック4)に納まるかを判定する。図6では、輝度属性4を持つ明領域内の複数の半田2は、撮像部15の撮像視野に収まらないので、制御部16は、明領域内の複数の半田2が撮像部15の撮像視野に納まらないと判定する。
【0079】
この場合、制御部16は、輝度属性4を持つ複数の半田2が存在する基板1上の領域に対して、複数の検査ブロック4を割り当てる。このとき、制御部16は、半田2の座標情報と、サイズの情報に基づいて、検査ブロック数が最も小さくなるように、基板1上の領域に対して複数の検査ブロック4を割り当てる。また、この場合、制御部16は、基板1がXY方向へ移動されて検査ブロック単位で基板1が撮像されるときに、基板1のXY方向への移動量が最も小さくなるように、基板1上の領域に対して検査ブロック4を割り当てる。
【0080】
これにより、図6に示すように、輝度属性4を持つ明領域内の複数の半田2が存在する基板1上の領域に対して、検査ブロック4b(点線参照)、検査ブロック4c(1点鎖線参照)、検査ブロック4d(2点鎖線参照)、検査ブロック4e(破線参照)が割り当てられる。
【0081】
次に、制御部16は、全ての半田2に対して検査ブロック4が割り当てられたかを判定する(ステップ106)。この場合、全ての半田2に対して検査ブロック4が割り当てられているので(ステップ106のYES)、制御部16は、処理を終了する。
【0082】
図7は、基板1上の領域に対して、複数の検査ブロック4が割り当てられたときの他の例を示す図である。図7では、図6と比べて、基板1上の半田2の位置は同じであるが、暗領域の位置が異なっている。
【0083】
図7に示すような検査ブロック4が割り当てられるときの処理について説明する。制御部16は、撮像部15を制御して、撮像部15により基板全体を撮像する(ステップ101)。次に、制御部16は、基板1の全体画像から半田周囲領域3bの輝度値の情報を取得し(ステップ102)、複数の半田2それぞれについて、半田周囲領域3bの輝度値の平均値を算出する(ステップ103)。
【0084】
次に、制御部16は、半田周囲領域3bの輝度値の平均値に基づいて、複数の半田2に対して、それぞれ輝度属性を設定する(ステップ104)。このとき、制御部16は、図5に示すルックアップテーブルを参照して、複数の半田2に対してそれぞれレジストの輝度属性を設定する。
【0085】
例えば、図7に示す一例において、暗領域内の複数の半田2について、それぞれ半田周囲領域3bの平均輝度値が30であり、暗領域内の複数の半田2に対して、それぞれ輝度属性1が設定されたとする。また、図7に示す一例において、明領域内の複数の半田2について、それぞれ半田周囲領域3bの平均輝度値が155であり、明領域内の複数の半田2それぞれに対して、輝度属性4が設定されたとする。
【0086】
そして、ステップ105において、検査ブロック4を割り当てるべき輝度属性として、輝度属性1が選択されたとする。この場合、制御部16は、半田2の座標情報と、サイズの情報とに基づいて、輝度属性1を持つ暗領域内の複数の半田2が、撮像部15の撮像視野(1つの検査ブロック4)に納まるかを判定する。
【0087】
図7では、輝度属性1を持つ暗領域内の複数の半田2は、撮像部15の撮像視野に収まる。この場合、制御部16は、図7に示すように、暗領域内の複数の半田2が存在する基板1上の領域に対して検査ブロック4f(破線参照)を割り当てる。
【0088】
次に、制御部16は、105へ戻り、検査ブロック4を割り当てるべき輝度属性として、輝度属性4を選択する。そして、制御部16は、半田2の座標情報と、サイズの情報とに基づいて、輝度属性4を持つ明領域内の複数の半田2が、撮像部15の撮像視野(1つの検査ブロック4)に納まるかを判定する。図7では、輝度属性4を持つ明領域内の複数の半田2は、撮像部15の撮像視野に収まらない。
【0089】
この場合、制御部16は、半田2の座標情報と、サイズの情報に基づいて、検査ブロック4数が最も小さくなるように、かつ、基板1のXY方向への移動量が最も小さくなるように、基板1上の領域に対して、複数の検査ブロック4を割り当てる。
【0090】
これにより、図7に示すように、輝度属性4を持つ明領域内の複数の半田2が存在する基板1上の領域に対して、検査ブロック4g(点線参照)、検査ブロック4h(1点鎖線参照)、検査ブロック4i(2点鎖線参照)が割り当てられる。
【0091】
図8は、基板1上の領域に対して、複数の検査ブロック4が割り当てられたときのさらに別の例を示す図である。
【0092】
図8に示すような検査ブロック4が割り当てられるときの処理について説明する。制御部16は、撮像部15を制御して、撮像部15により基板全体を撮像する(ステップ101)。次に、制御部16は、基板1の全体画像から半田周囲領域3bの輝度値の情報を取得し(ステップ102)、複数の半田2それぞれについて、半田周囲領域3bの輝度値の平均値を算出する(ステップ103)。
【0093】
次に、制御部16は、半田周囲領域3bの輝度値の平均値に基づいて、複数の半田2に対して、それぞれ輝度属性を設定する(ステップ104)。このとき、制御部16は、図5に示すルックアップテーブルを参照して、複数の半田2に対してそれぞれレジストの輝度属性を設定する。
【0094】
例えば、図8に示す一例において、暗領域内の複数の半田2について、それぞれ半田周囲領域3bのレジストの平均輝度値が30であり、暗領域内の複数の半田2に対して、それぞれ輝度属性1が設定されたとする。また、図8に示す一例において、明領域内の複数の半田2について、それぞれ半田周囲領域3bのレジストの平均輝度値が155であり、明領域内の複数の半田2それぞれに対して、輝度属性4が設定されたとする。
【0095】
ステップ105において、検査ブロック4を割り当てるべき輝度属性として、輝度属性1が選択されたとする。このとき、制御部16は、半田2の座標情報と、サイズの情報とに基づいて、輝度属性1を持つ暗領域内の複数の半田2が、撮像部15の撮像視野(1つの検査ブロック4)に納まるかを判定する。図8では、輝度属性1を持つ暗領域内の複数の半田2が撮像部15の撮像視野に収まらない。この場合、制御部16は、半田2の座標情報と、サイズの情報に基づいて、検査ブロック4数が最も小さくなるように、かつ、基板1のXY方向への移動量が最も小さくなるように、基板1上の領域に対して、複数の検査ブロック4を割り当てる(ステップ106)。
【0096】
これにより、図8に示すように、暗領域内に含まれる複数の半田2が存在する基板1上の領域に対して、検査ブロック4j(点線参照)、検査ブロック4k(一点鎖線参照)が割り当てられる。
【0097】
次に、制御部16は、ステップ105へ戻り、検査ブロック4を割り当てるべき輝度属性として、輝度属性4を選択する。そして、制御部16は、半田2の座標情報と、サイズの情報とに基づいて、輝度属性4を持つ明領域内の複数の半田2が撮像部15の撮像視野(1つの検査ブロック4)に納まるかを判定する。図8では、輝度属性4を持つ明領域内の複数の半田2が撮像部15の撮像視野に収まる大きさとされていない。この場合、制御部16は、半田2の座標情報と、サイズの情報に基づいて、検査ブロック4数が最も小さくなるように、かつ、基板1のXY方向への移動量が最も小さくなるように、基板1上の領域に対して検査ブロック4を割り当てる(ステップ106)。
【0098】
これにより、図8に示すように、明領域内の複数の半田2が存在する基板1上の領域に対して、検査ブロック4l(2点鎖線参照)、検査ブロック4m(破線参照)が割り当てられる。
【0099】
図3に示す検査ブロック4割り当ての処理は、例えば、3次元測定装置100で3次元測定する基板1の種類を変更した場合に、変更後の1枚目の基板1に対して実行される。1枚目の基板1と同様の構成を有する2枚目以降の基板1については、1枚目の基板1で割り当てられた検査ブロック4が使用される。
【0100】
図9は、ブロック割り当てについての比較例を示す図であり、基板1(レジスト)の明るさ(色)が考慮されずに、基板1上の領域に対して検査ブロック4が割り当てられたときの様子を示す図である。
【0101】
図9に示す例では、半田2の座標情報と、サイズの情報に基づいて、検査ブロック4数が最も小さくなるように、かつ、基板1のXY方向への移動量が最も小さくなるように基板1上の領域に対して検査ブロック4が割り当てられる。この例では、検査ブロック4の割り当てにおいて、基板1(レジスト)の明るさ(色)が考慮されていない。
【0102】
図9に示す例では、検査ブロック4o、4p、4qには、明領域内の半田2と、暗領域内の半田2とが含まれている。この場合、基板1に縞を投影して基板1(半田2)を3次元測定する際に、明領域に対して適切な照度で縞を投影すると、その照度は、暗領域に対しては、適切な照度ではないので、暗領域では、正確に基板1(半田2)の3次元形状を測定することができない。同様に、暗領域に適切な照度で縞を投影すると、その照度は、明領域に対しては、適切な照度ではないので、基板1が明るい部分では正確に基板1(半田2)の3次元形状を測定することができない。
【0103】
例えば、検査ブロック4o、1p、1qで、それぞれ、明領域に対して適切な照度で縞を投影して撮像部15により撮像し、その後、暗領域に対して適切な照度で縞を投影して撮像部15により撮像することも考えられる。しかしながら、この場合、検査ブロック4o、1p、1qでそれぞれ照度を変えて縞の投影と撮像が必要となるので、検査タクトが遅くなってしまう。
【0104】
一方、本実施形態では、図3に示す処理により、図6〜図8に示すように、基板1(レジスト)の明るさ(色)に応じて、適切に検査ブロック4を割り当てることができる。これにより、検査ブロック4毎に適切な測定照度を決定して、その測定照度でブロックに縞を投影して撮像することで正確に基板1(半田2)の3次元形状を測定することができる。また、3次元測定時において、同じ検査ブロック4で、照度を異ならせて縞の投影と撮像とを繰り返す場合に比べて、縞の投影と撮像の回数を少なくすることができるので、検査タクトが遅くなってしまうことを防止することができる。
【0105】
「検査ブロック4毎に、測定照度が決定されるときの処理」
次に、検査ブロック4毎に、3次元測定における測定照度が決定されるときの処理について説明する。図10は、検査ブロック4毎に、3次元測定における測定照度が決定されるときの処理を示すフローチャートである。
【0106】
まず、制御部16は、複数の検査ブロック4のうち、縞を投影する検査ブロック4を選択する(ステップ201)。検査ブロック4が選択される順番は、特に限定されないが、例えば、基板1のXY方向への移動距離が最も少ないように選択される。
【0107】
次に、制御部16は、ステージ10移動機構を制御して、選択された検査ブロック4に縞が投影可能な位置に基板1の位置を移動させる。なお、本実施形態は、基板1がXY方向へ移動される形態とされているが、撮像部15及び投影部20がXY方向へ移動されてもよい。あるいは、基板1と、撮像部15及び投影部20との両方がXY方向に移動されてもよい。
【0108】
次に、制御部16は、照度調整機構25を制御して、光源21の照度を初期値(例えば、20)に設定する(ステップ203)。光源21の照度が初期値に設定されると、投影部20により、基板1の検査ブロック4に対して縞が投影される。次に、制御部16は、縞が投影された検査ブロック4を撮像部15により撮像する(ステップ204)。
【0109】
次に、制御部16は、格子移動機構26を制御して回折格子23を移動させることで、検査ブロック4に対して投影される縞の位相をπ/2[rad]シフトさせる(ステップ205)。縞の位相をシフトさせると、次に、制御部16は、同じ照度で4枚の画像が撮像されたかを判定する(ステップ206)。
【0110】
同じ照度で4枚の画像が撮像されていない場合(ステップ206のNO)、制御部16は、ステップ204へ戻り、縞が投影された検査ブロック4を撮像する。これにより、同じ照度で、それぞれ縞の位相が異なる合計4枚の画像が撮像される。
【0111】
図11は、縞の照射状態を示す図である。図11には、左側から順番に縞の位相が0、π/2、π、3π/2である場合の縞の照射状態が示されている。
【0112】
再び、図10を参照して、同じ照度で4枚目の画像が撮像された場合(ステップ206のYES)、制御部16は、取得された4枚の画像に基づいて、位相シフト法により、画像の各画素での高さを算出する(ステップ207)。
【0113】
この場合、制御部16は、検査ブロック4の4枚の画像から、半田形成領域3a及び半田周囲領域3b(図4参照)の各画素(各座標(x、y))の輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2を取得する。そして、制御部16は、以下の式(2)を適用することにより、半田形成領域3a及び半田周囲領域3b内において、各画素での位相φ(x、y)を算出する。そして、制御部16は、算出された各画素での位相φ(x、y)に基づいて、3角測量の原理を利用して、各画素の高さを算出する。
【0114】
φ(x、y)=Tan−1{I3π/2(x、y)−Iπ/2(x、y)}/{I(x、y)−Iπ(x、y)}・・・(2)
なお、この式(2)は、上記した式(1)と同じであり、I(x、y)、Iπ/2(x、y)、Iπ(x、y)、I3π/2(x、y)は、それぞれ、縞の位相が0、π/2、π、3π/2である場合における各画素(各座標)の輝度値である。
【0115】
ここで、輝度値を高さに変換する際に、所定の条件下で、その画素では、位相φ(x、y)に基づく高さの変換が不可とされ、その画素は、エラーとされる。
【0116】
各画素の輝度値を各座標の高さに変換すると、次に、制御部16は、高さの変換が不可とされた画素の割合(エラー率)を算出する(ステップ208)。
【0117】
なお、位相φ(x、y)に基づく高さへの変換が不可とされる条件や、高さへの変換が不可とされた画素の割合(エラー率)の算出方法についての詳細は、後述する。
【0118】
エラー率を算出すると、次に、制御部16は、現在の投影部20の照度が最大値(例えば、240)であるかを判定する(ステップ209)。照度が最大値でない場合(ステップ209のNO)、制御部16は、照度を変更する(例えば、照度+20)(ステップ210)。
【0119】
そして、制御部16は、再びステップ204へ戻り、その変更された照度で縞が投影された検査ブロック4を撮像して、再び4枚の画像を撮像する。4枚の画像が撮像されると、位相シフト法により各画素(各座標)での高さが算出され、その照度でのエラー率が算出される。この一連の処理は、投影部20の照度が最大となるまで繰り返される。
【0120】
照度が最大値である場合(ステップ209のYES)、制御部16は、各照度でのエラー率に基づいて、対象となっている検査ブロック4を3次元測定するための測定照度を決定する(ステップ211)。この場合、例えば、エラー率が最小となる照度が測定照度として決定される。
【0121】
次に、制御部16は、全ての検査ブロック4で測定照度が決定されたかを判定する(ステップ212)。測定照度が決定されていない検査ブロック4が残っている場合(ステップ212のNO)、制御部16は、ステップ201へ戻り、再び縞を投影する検査ブロック4を選択する。
【0122】
一方、全ての検査ブロック4で測定照度が決定された場合(ステップ212のYES)、制御部16は、処理を終了する。このようにして、複数の検査ブロック4それぞれについて、基板1を3次元測定する際の最適な測定照度が決定される。
【0123】
図10に示す、検査ブロック4毎に測定照度を決定する処理は、例えば、3次元測定装置100で3次元測定する基板1の種類を変更した場合に、変更後の1枚目の基板1に対して実行される。1枚目の基板1と同様の構成を有する2枚目以降の基板1については、1枚目の基板1で決定された測定照度が使用される。
【0124】
図10の説明では、投影部20の照度の初期値を20に設定し、照度を+20ずつ変化させて、最大値240まで変化させる場合について説明した。一方、最初は繰り返しのステップ幅を大きく設定し(例えば、+50)、エラー率が小さくなる付近に照度の初期値及び最大値を再設定して、ステップ幅を小さくしていく方法が用いられてもよい(例えば、+50→+10→+1)。これにより、効率的かつ詳細に測定照度を決定することができる。
【0125】
「エラー率の算出方法」
次に、図10のステップ207、208で説明した、位相φ(x、y)に基づく高さへの変換が不可(エラー)とされる条件や、高さへの変換が不可とされる画素の割合(エラー率)の算出方法について、詳細に説明する。
【0126】
図12は、エラー率が算出されるときの処理を示すフローチャートである。
【0127】
まず、制御部16は、同じ照度で撮像された、縞の位相が異なる検査ブロック4の4枚の画像から、各画素(各座標(x、y))の輝度値I(x、y)、Iπ/2(x、y)、Iπ(x、y)、I3π/2(x、y)を取得する(ステップ301)。この場合、制御部16は、検査ブロック4の画像全体からではなく、検査ブロック4内の半田形成領域3a及び半田周囲領域3b(図4参照)から各画素の輝度値を取得する。
【0128】
このとき、制御部16は、その検査ブロック4と関連性を有する輝度属性(その検査ブロック4が割り当てられるときに使用された輝度属性)を持つ半田2の半田形成領域3a及び半田周囲領域3bの輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2を使用する。一方、制御部16は、その検査ブロック4と関連性を有しない輝度属性(その検査ブロック4が割り当てられるときに使用されていない輝度属性)を持つ半田2についての半田形成領域3a及び半田周囲領域3bの輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2は使用しない。
【0129】
例えば、図6に示す検査ブロック4b、4c、4dには、輝度属性4を持つ明領域内の半田2と、輝度属性1を持つ暗領域内の半田2とが含まれている。この場合、制御部16は、検査ブロック4b、4c、4dの照度毎のエラー率を算出するとき、輝度属性4を持つ明領域内の半田2についての半田形成領域3a及び半田周囲領域3bの輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2を使用する。一方、制御部16は、輝度属性1を持つ暗領域内の半田2についての半田形成領域3a及び半田周囲領域3bの輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2は使用しない。
【0130】
一方、図6に示す検査ブロック4aには、輝度属性1を持つ暗領域内の半田2と、輝度属性4を有する明領域内の半田2の一部とが含まれている。この場合、制御部16は、検査ブロック4aの照度毎のエラー率を算出するとき、輝度属性1を持つ暗領域内の半田2についての半田形成領域3a及び半田周囲領域3bの輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2を使用する。一方、制御部16は、輝度属性4を持つ明領域内の半田2についての半田形成領域3a及び半田周囲領域3bの輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2は使用しない。
【0131】
このような処理により、検査ブロック4毎に適切にエラー率を算出することができる。ここでの説明では、図6に示す基板1を例に挙げて説明したが、図7に示す基板1、図8に示す基板1についても同様である。
【0132】
再び図12を参照して、半田形成領域3a及び半田周囲領域3bから輝度値を取得すると、次に、制御部16は、半田形成領域3a及び半田周囲領域3b内の1つの画素に対応する輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2を入力する(ステップ302)。
【0133】
次に、制御部16は、半田形成領域3a及び半田周囲領域3b内の1つの画素について、縞の位相が0である場合の画像(1枚目)の輝度値Iと、縞の位相がπである場合の画像(3枚目)の輝度値Iπとの差の絶対値を算出する(ステップ303)。同様にして、制御部16は、半田形成領域3a及び半田周囲領域3b内の1つの画素について、縞の位相がπ/2である場合の画像(2枚目)の輝度値Iπ/2と、縞の位相が3π/2である場合の画像(4枚目)の輝度値I3π/2との差の絶対値を算出する(ステップ304)。
【0134】
次に、制御部16は、輝度値I及びIπの差の絶対値と、輝度値Iπ/2及びI3π/2の差の絶対値との2つの絶対値のうち、大きいほうの値が第1の閾値Th1未満であるかを判定する(ステップ305)。第1の閾値Th1は、例えば、10〜20程度とされる。
【0135】
2つの絶対値のうち、大きいほうの値が第1の閾値Th1未満である場合(ステップ305のYES)、制御部16は、その画素については、位相シフト法による高さへの変換を不可(エラー)とする(ステップ308)。そして、制御部16は、次のステップ309へ進む。
【0136】
すなわち、2つの絶対値のうち、大きい方の値が小さすぎる場合、上記式(2)で位相φを算出するときに、位相φの値を正確に算出することができない。従って、その画素では、高さ方向の変換を不可(エラー)とすることとしている。
【0137】
例えば、検査ブロック4に対して縞が投影されるときに、光源21の照度が小さすぎて検査ブロック4に対して投影される縞が暗すぎる場合に、2つの絶対値のうち、大きい方の値が第1の閾値Th1(例えば、15)を未満となる。このような場合に、高さ方向への変換が不可(エラー)となる。
【0138】
一方、2つの絶対値のうち、大きいほうの値が第1の閾値Th1以上である場合(ステップ305のNO)、制御部16は、次のステップ306へ進む。ステップ306では、制御部16は、4つの輝度値I(x、y)、Iπ/2(x、y)、Iπ(x、y)、I3π/2(x、y)のうち、少なくとも1つの値が第2の閾値Th2以上であるかを判定する。第2の閾値Th2は、例えば、255とされる。
【0139】
4つの輝度値のうち、少なくとも1つの値が第2の閾値Th2以上である場合(ステップ306のYES)、制御部16は、輝度値に基づく高さへの変換を不可(エラー)とする(ステップ308)。そして、制御部16は、次のステップ309へ進む。
【0140】
すなわち、4つの輝度値のうち、少なくとも1つが、255以上となると、輝度値の上限を超えてしまうため、上記式(2)で位相φを算出するときに、位相φの値を正確に算出することができない。従って、その画素では、高さ方向の変換を不可(エラー)とすることとしている。
【0141】
一方、4つの輝度値が全て第2の閾値Th2未満である場合(ステップ306のNO)、制御部16は、輝度値に基づく高さへの変換を可として(ステップ307)、次のステップ309へ進む。
【0142】
ステップ309では、制御部16は、その検査ブロック4と関連性を有する輝度属性(その検査ブロック4が割り当てられるときに使用された輝度属性)を持つ半田2の半田形成領域3a及び半田周囲領域3b内の全ての画素について、高さ方向への変換の可、不可の判定がされたかを判定する。
【0143】
半田形成領域3a及び半田周囲領域3bについて、未判定の画素が残っている場合(ステップ309のNO)、制御部16は、ステップ302へ戻り、ステップ302〜309の処理を繰り返す。
【0144】
一方、半田形成領域3a及び半田周囲領域3bに含まれる全ての画素について、判定が終了した場合(ステップ309のYES)、制御部16は、半田形成領域3a及び半田周囲領域3b内に含まれる画素のエラー率を算出する(ステップ310)。この場合、制御部16は、半田形成領域3a及び半田周囲領域3b内でエラーとなった画素の数を、半田形成領域3a及び半田周囲領域3bの全ての画素数で除算することで、エラー率を算出することができる。
【0145】
ステップ301〜ステップ310の処理は、投影部20の光源21の照度が変化される度に実行される(図10参照)。これにより、光源21の照度毎にエラー率が算出される。また、光源21の照度毎のエラー率は、検査ブロック4毎に算出される(図10参照)。
【0146】
例えば、基板1上の暗領域に対して割り当てられた検査ブロック4a(図6参照)、検査ブロック4f(図7参照)、検査ブロック4j、1k(図8参照)において、光源21の照度が150のときに、エラー率が10%で最小となったとする。この場合、検査ブロック4a、1f、1j、1kでは、測定照度は、150とされる。
【0147】
また、例えば、基板1上の明領域に対して割り当てられた検査ブロック4b〜1e(図6参照)、検査ブロック4g〜1i(図7参照)、検査ブロック4l、1m(図8参照)において、光源21の照度が10のときにエラー率が5%で最小となったとする。この場合、検査ブロック4b〜1e、1g〜1i、1l、1mでは、測定照度は10とされる。
【0148】
各検査ブロック4での測定照度が決定されると、制御部16は、検査ブロック4と、測定照度とを関連付けて記憶部17に記憶する。
【0149】
図13は、検査ブロック4と、測定照度とが関連付けられたルックアップテーブルの一例を示す図である。図13に示す例では、図6に示す基板1の各検査ブロック4に対して、測定照度が関連付けられたときの様子が示されている。図6に示すように、検査ブロック4aに対して、測定照度150が関連付けられ、検査ブロック4b〜1eに対して、測定照度10が関連付けられている。測定照度が決定された場合、その測定照度を表示部18に表示してもよい。これにより、ユーザは、各検査ブロック4での最適な測定照度を視認することができる。
【0150】
「基板1を3次元測定するときの処理」
次に、検査ブロック4毎に測定照度が決定された後、その測定照度で検査ブロック4に縞が投影されて基板1(半田2)が3次元測定されるときの処理について説明する。
【0151】
図14は、基板1が3次元測定されるときの処理を示すフローチャートである。まず、制御部16は、複数の検査ブロック4のうち、縞を投影する検査ブロック4を選択する(ステップ401)。なお、検査ブロック4が選択される順番は、特に限定されないが、例えば、基板1のXY方向への移動距離が最も少ないように選択される。
【0152】
次に、制御部16は、ステージ10移動機構を制御して、選択された検査ブロック4に縞が投影可能な位置に基板1の位置を移動させる(ステップ402)。なお、基板1がXY方向に移動される代わりに、撮像部15及び投影部20がXY方向へ移動されてもよい。あるいは、基板1と、撮像部15及び投影部20との両方がXY方向に移動されてもよい。
【0153】
次に、制御部16は、その検査ブロック4に対応する測定照度を記憶部17から読み出す(ステップ403)。検査ブロック4と、測定照度とは、上記したように、測定照度が決定されたときに、記憶部17に関連付けられて記憶されているので(図13参照)、制御部16は、この測定照度を読み出せばよい。そして、制御部16は、記憶部17から読み出した測定照度で光源21を発光させる(ステップ403)。これにより、検査ブロック4に対して、エラー率が少ない、基板1(レジスト)の明るさ(色)に応じた適切な照度で縞が投影される。
【0154】
縞が投影されると、次に、制御部16は、縞が投影された検査ブロック4を撮像部15により撮像する(ステップ404)。次に、制御部16は、格子移動機構26を制御して回折格子23を移動させることで、検査ブロック4に対して投影される縞の位相をπ/2[rad]シフトさせる(ステップ405)。縞の位相をシフトさせると、次に、制御部16は、縞の位相が異なる4枚の画像が撮像されたかを判定する(ステップ406)。
【0155】
縞の位相が異なる4枚の画像が撮像されていない場合(ステップ406のNO)、制御部16は、ステップ404へ戻り、縞が投影された検査ブロック4を撮像する。これにより、それぞれ縞の位相が異なる合計4枚の画像が撮像される。
【0156】
4枚目の画像が撮像された場合(ステップ406のYES)、制御部16は、取得された4枚の画像に基づいて、位相シフト法により、画像の各画素での高さを算出する(ステップ407)。
【0157】
この場合、制御部16は、検査ブロック4の4枚の画像から各画素(各座標(x、y))の輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2を取得する。そして、制御部16は、上記式(2)を適用することにより、各画素での位相φ(x、y)を算出する。そして、制御部16は、算出された各画素での位相φ(x、y)に基づいて、3角測量の原理を利用して、各画素の高さを算出する(ステップ407)。
【0158】
ステップ407では、制御部16は、検査ブロック4内の半田形成領域3a及び半田周囲領域3bから各画素の輝度値を取得して、半田形成領域3a及び半田周囲領域3bにおいて高さを算出する。この場合、制御部16は、その検査ブロック4と関連性を有する輝度属性(その検査ブロック4が割り当てられるときに使用された輝度属性)を持つ半田2についての半田形成領域3a及び半田周囲領域3bから各画素の輝度値を取得して高さを算出する。
【0159】
例えば、図6に示す検査ブロック4b、4c、4dには、輝度属性4を持つ明領域内の半田2と、輝度属性1を持つ暗領域内の半田2とが含まれている。制御部16は、検査ブロック4b、4c、4dを3次元測定するとき、輝度属性4を持つ明領域内の半田2についての半田形成領域3a及び半田周囲領域3bの輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2を使用して、半田形成領域3a及び半田周囲領域3bの高さを算出する。一方、制御部16は、検査ブロック4b、4c、4dを3次元測定するとき、輝度属性1を持つ暗領域内の半田2についての半田形成領域3a及び半田周囲領域3bの輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2は使用しない。
【0160】
一方、図6に示す検査ブロック4aには、輝度属性1を持つ暗領域内の半田2と、輝度属性4を持つ明領域内の半田2の一部とが含まれている。制御部16は、検査ブロック4aを3次元測定するとき、輝度属性1を持つ暗領域内の半田2についての半田形成領域3a及び半田周囲領域3bの輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2を使用する。一方、制御部16は、検査ブロック4aを3次元測定するとき、輝度属性4を持つ明領域内の半田2についての半田形成領域3a及び半田周囲領域3bの輝度値I、Iπ/2、Iπ、I3π/2は使用しない。
【0161】
これにより、基板1(レジスト)の明るさ(色)が異なる複数の領域を適切に3次元測定することができる。
【0162】
次に、制御部16は、全ての検査ブロック4で3次元測定が終了したかを判定する(ステップ408)。3次元測定が終了していない検査ブロック4が残っている場合(ステップ408のNO)、制御部16は、ステップ401へ戻り、再び縞を投影する検査ブロック4を選択する。ステップ401〜ステップ408の一連の処理は、全ての検査ブロック4で3次元測定が終了するまで実行される。
【0163】
全ての検査ブロック4について3次元測定が実行されたとき、例えば、制御部16は、測定結果を合成して、基板1(半田2)の3次元形状を表示部18の画面上に表示させてもよい。ユーザは、基板1(半田2)の3次元形状を視認することで、半田2の形状が適切な形状であるかを検査することができる。また、制御部16は、基板1上の半田2の量を表示部18の画面上に表示させてもよい。ユーザは、半田2の量を視認することで、基板1上の半田2の量が適切な量であるかを検査することができる。
【0164】
図13に示す処理により、全ての検査ブロック4に対して、それぞれ基板1(レジスト)の明るさに応じた最適な測定照度(エラー率が最小となる測定照度)で縞が投影され、検査ブロック4の画像が取得される。そして、最適な測定照度で縞が投影された検査ブロック4の画像に基づいて、3次元測定を実行することができる。これにより、基板1が明るさ(色)の異なる複数の領域を有している場合でも、基板1(半田2)を精度よく3次元測定することができる。
【0165】
<各種変形例>
半田周囲領域3bの平均輝度値と、輝度属性と、測定照度とが関連づけられて予めテーブル化されていてもよい。
【0166】
図15は、半田周囲領域3bの平均輝度値と、輝度属性と、測定照度とが関連付けられたルックアップテーブルを示す図である。
【0167】
図15に示す例では、半田周囲領域3bの平均輝度値0〜50、51〜101、102〜152、153〜203、204〜255に対応して(輝度属性1〜5に対応して)、それぞれ順番に、測定照度150、100、60、10、5が関連付けられている。すなわち、このルックアップテーブルは、基板1(レジスト)の明るさ(色)に応じた適切な測定照度がテーブル化されている。
【0168】
半田周囲領域3bの平均輝度値に対して(輝度属性に対して)、どのように測定照度が設定されるかについて説明する。
【0169】
ここでの説明では、平均輝度値0〜50に対して、測定照度がどのように設定されるかについて説明する。この場合、例えば、半田周囲領域3bの平均輝度値がそれぞれ、11、21、31、41、51である半田2が形成された基板1が用意される。そして、5種類の半田2それぞれについて、半田形成領域3a及び半田周囲領域3bのエラー率が、照度毎に算出される。そして、5種類の半田2それぞれについて、エラー率が最小となる照度が判定される。
【0170】
5種類の半田2でエラー率が最小となる照度が判定されると、エラー率が最小となる照度の平均値が算出される。例えば、5種類の半田2で、エラー率が最小となる照度が、170、160、150、140、130である場合、平均値150が算出される。この場合、平均輝度値0〜50に対して、測定照度150が設定される。
【0171】
平均輝度値51〜101、102〜152、153〜203、204〜255である場合も同様にして、測定照度が設定される。
【0172】
制御部16は、基板1上の領域に検査ブロック4を割り当てるとき、半田周囲領域3bの輝度値の平均値を算出し、図15に示すルックアップテーブルを参照して、基板1上の複数の基板1に対してそれぞれ輝度属性を設定する(図3参照)。そして、制御部16は、同じ輝度属性を持つ半田2が存在する基板1上の領域に対して、検査ブロック4を割り当てる。
【0173】
制御部16は、基板1を3次元測定するとき、図15に示すルックアップテーブルを参照する。そして、制御部16は、輝度属性1〜5を持つ半田2(半田周囲領域3bの平均輝度値が0〜50、51〜101、102〜152、153〜203、204〜255である半田2)を含む検査ブロック4に対して、どのような測定照度で縞を投影するかを決定する。そして、制御部16は、決定された測定照度で検査ブロック4に対して縞を投影する。この場合、輝度属性1、2、3、4、5を持つ半田2を含む検査ブロック4対して、それぞれ、測定照度150、100、50、10、5で縞が投影される。制御部16は、縞が投影された検査ブロック4を撮像して、検査ブロック4の画像を得て、この検査ブロック4の画像に基づいて、基板1を3次元測定する。
【0174】
このような処理においても上記した第1実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、3次元測定装置100は、基板1が明るさ(色)の異なる複数の領域を有している場合でも、基板1(半田2)を精度よく3次元測定することができる。
【0175】
図15では、半田周囲領域3bの平均輝度値が5段階に分類された場合が示されているが、半田周囲領域3bの平均輝度値は、2段階〜4段階、あるいは、6段階以上に分類されていてもよい。半田周囲領域3bの平均輝度値の段階数が多くなるに従って、1つの基板1に対して割り当てられる検査ブロック4数が多くなる。
【0176】
以上の説明では、測定対象物1として、実装部品を実装するための半田2が形成された基板1を例に挙げて説明した。しかし、測定対象物1は、これに限られない。測定対象物1の他の例としては、実装部品を接着するための接着剤が形成された基板が挙げられる。また、ランドが形成された基板、ガラスが印刷された基板、蛍光体が印刷された基板等が挙げられる。また、ナノ銀インク、ポリイミドインク、カーボンナノチューブインク等のインクが印刷された基板、シルク印刷が施された基板、アルミニウム電極が形成されたガラス基板(TFT(Thin Film Transistor)として用いられる)等が挙げられる。
【0177】
以上の説明では、縞の位相を4回シフトさせ、4枚の画像を取得して位相シフト法を適用する場合について説明した。しかし、位相のシフト回数及び画像の枚数は、3以上であれば、本技術を適用することができる。
【0178】
本技術は、以下の構成もとることができる。
(1)照度を変化可能な照明を有し、前記照明からの光により測定対象物に縞を投影する投影部と、
撮像部と、
前記撮像部により前記測定対象物の画像を撮像させ、撮像された前記測定対象物の画像から輝度値を取得し、取得された前記輝度値に基づいて、前記測定対象物に対して複数の検査ブロックを割り当て、割り当てられた前記検査ブロック毎に、前記照明の測定照度を決定し、決定された前記測定照度で、それぞれ、前記投影部により前記検査ブロックに対して縞を投影し、前記縞が投影された前記検査ブロックの縞画像を前記撮像部により撮像し、撮像された前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定する制御部と
を具備する3次元測定装置。
(2)上記(1)に記載の3次元測定装置であって、
前記測定対象物は、前記測定対象物上に複数の検査物を有し、
前記制御部は、前記複数の検査ブロックを割り当てるとき、前記検査物の周囲の領域である検査物周囲領域の輝度値を前記測定対象物の画像から取得し、取得された前記検査物周囲領域の輝度値に基づいて、前記複数の検査物に対してそれぞれ輝度属性を設定し、同じ輝度属性を持つ前記検査物が存在する前記測定対象物の領域毎に、前記検査ブロックを割り当てることで、前記測定対象物に対して前記複数の検査ブロックを割り当てる
3次元測定装置。
(3)上記(2)に記載の3次元測定装置であって、
前記制御部は、前記検査ブロック毎に前記測定照度を決定するとき、前記投影部により前記検査ブロックに対して縞を投影し、前記縞が投影された前記検査ブロックの前記縞画像を前記撮像部により撮像し、前記縞画像から輝度値を取得し、前記輝度値に基づいて3次元測定におけるエラー率を算出し、前記照明の照度を変化させて前記エラー率を前記照度毎に算出し、前記照度毎の前記エラー率に基づいて、前記測定照度を決定する
3次元測定装置。
(4)上記(3)に記載の3次元測定装置であって、
前記制御部は、前記エラー率を算出するとき、前記検査物が形成されている領域である検査物形成領域の輝度値と、前記検査物周囲領域の輝度値とを前記縞画像から取得し、前記検査物領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とに基づいて、前記エラー率を算出する
3次元測定装置。
(5)上記(4)に記載の3次元測定装置であって、
前記制御部は、前記エラー率を算出するとき、前記検査ブロックに含まれる前記複数の検査物のうち、前記検査ブロックと関連性を有する輝度属性を持つ検査物を判定し、前記検査ブロックと関連性を有する輝度属性を持つ検査物についての前記検査物領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とに基づいて、前記エラー率を算出する
3次元測定装置。
(6)上記(3)乃至(5)のうち何れか1つに記載の3次元測定装置であって、
前記制御部は、前記エラー率が最小となる照度を前記検査ブロックの前記測定照度として決定する
3次元測定装置。
(7)上記(2)に記載の3次元測定装置であって、
前記制御部は、前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定するとき、前記検査物が形成されている領域である検査物形成領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とを前記縞画像から取得し、前記検査物領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とに基づいて、前記測定対象物を3次元測定する
3次元測定装置。
(8)上記(7)に記載の3次元測定装置であって、
前記制御部は、前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定するとき、前記検査ブロックに含まれる前記複数の検査物のうち、前記検査ブロックと関連性を有する輝度属性を持つ検査物を判定し、前記検査ブロックと関連性を有する輝度属性を持つ検査物についての前記検査物領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とに基づいて、前記測定対象物を3次元測定する
3次元測定装置。
(9)上記(1)又は(2)に記載の3次元測定装置であって、
前記測定対象物の輝度値と、前記測定照度とが関連付けられたテーブルを記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、前記検査ブロック毎に前記測定照度を決定するとき、前記記憶部に記憶された前記テーブルを参照して、前記測定対象物の画像から取得された前記輝度値に対応する前記測定照度を判定することで前記測定照度を決定する
3次元測定装置。
(10)測定対象物の画像を撮像させ、
撮像された前記測定対象物の前記画像から輝度値を取得し、
取得された前記輝度値に基づいて、前記測定対象物に対して複数の検査ブロックを割り当て、
割り当てられた前記検査ブロック毎に、照明の測定照度を決定し、
決定された前記測定照度で、それぞれ、前記検査ブロックに対して縞を投影し、
前記縞が投影された前記検査ブロックの縞画像を撮像し、
撮像された前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定する
3次元測定方法。
(11)3次元測定装置に、
測定対象物の画像を撮像させるステップと、
撮像された前記測定対象物の前記画像から輝度値を取得するステップと、
取得された前記輝度値に基づいて、前記測定対象物に対して複数の検査ブロックを割り当てるステップと、
割り当てられた前記検査ブロック毎に、照明の測定照度を決定するステップと、
決定された前記測定照度で、それぞれ、前記検査ブロックに対して縞を投影するステップと、
前記縞が投影された前記検査ブロックの縞画像を撮像するステップと、
撮像された前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定するステップと
を実行させるプログラム。
(12)第1の領域と、前記第1の領域とは異なる色濃度の第2の領域とを有する基板の、前記第1及び第2の領域にそれぞれ対応する第1及び第2の色濃度情報を取得し、
前記第1の領域に対して、前記第1の色濃度情報に基づく照度で格子縞を照射して測定を行い、
前記第2の領域に対して、前記第2の色濃度情報に基づく照度で格子縞を照射して測定を行う
3次元測定方法。
(13)上記(12)に記載の3次元測定方法であって、
前記色濃度の取得は、所定の照度の格子縞を前記第1及び第2の領域に対して照射して測定を行い、その測定結果のエラー率に基づいて設定される
3次元測定方法。
(14)第1の領域と、前記第1の領域とは異なる色濃度の第2の領域とを有する基板の、前記第1の基板領域に対して、第1の照度で格子縞を照射して測定を行い、
前記第2の基板領域に対して、前記第1の照度とは異なる第2の照度で格子縞を照射して測定を行う
3次元測定方法。
【符号の説明】
【0179】
1…基板
2…半田
3a…半田形成領域
3b…半田周囲領域
4…検査ブロック
10…ステージ
11…ステージ移動機構
15…撮像部
16…制御部
17…記憶部
20…投影部
21…光源
100…3次元測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照度を変化可能な照明を有し、前記照明からの光により測定対象物に縞を投影する投影部と、
撮像部と、
前記撮像部により前記測定対象物の画像を撮像させ、撮像された前記測定対象物の画像から輝度値を取得し、取得された前記輝度値に基づいて、前記測定対象物に対して複数の検査ブロックを割り当て、割り当てられた前記検査ブロック毎に、前記照明の測定照度を決定し、決定された前記測定照度で、それぞれ、前記投影部により前記検査ブロックに対して縞を投影し、前記縞が投影された前記検査ブロックの縞画像を前記撮像部により撮像し、撮像された前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定する制御部と
を具備する3次元測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の3次元測定装置であって、
前記測定対象物は、前記測定対象物上に複数の検査物を有し、
前記制御部は、前記複数の検査ブロックを割り当てるとき、前記検査物の周囲の領域である検査物周囲領域の輝度値を前記測定対象物の画像から取得し、取得された前記検査物周囲領域の輝度値に基づいて、前記複数の検査物に対してそれぞれ輝度属性を設定し、同じ輝度属性を持つ前記検査物が存在する前記測定対象物の領域毎に、前記検査ブロックを割り当てることで、前記測定対象物に対して前記複数の検査ブロックを割り当てる
3次元測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の3次元測定装置であって、
前記制御部は、前記検査ブロック毎に前記測定照度を決定するとき、前記投影部により前記検査ブロックに対して縞を投影し、前記縞が投影された前記検査ブロックの前記縞画像を前記撮像部により撮像し、前記縞画像から輝度値を取得し、前記輝度値に基づいて3次元測定におけるエラー率を算出し、前記照明の照度を変化させて前記エラー率を前記照度毎に算出し、前記照度毎の前記エラー率に基づいて、前記測定照度を決定する
3次元測定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の3次元測定装置であって、
前記制御部は、前記エラー率を算出するとき、前記検査物が形成されている領域である検査物形成領域の輝度値と、前記検査物周囲領域の輝度値とを前記縞画像から取得し、前記検査物領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とに基づいて、前記エラー率を算出する
3次元測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の3次元測定装置であって、
前記制御部は、前記エラー率を算出するとき、前記検査ブロックに含まれる前記複数の検査物のうち、前記検査ブロックと関連性を有する輝度属性を持つ検査物を判定し、前記検査ブロックと関連性を有する輝度属性を持つ検査物についての前記検査物領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とに基づいて、前記エラー率を算出する
3次元測定装置。
【請求項6】
請求項3に記載の3次元測定装置であって、
前記制御部は、前記エラー率が最小となる照度を前記検査ブロックの前記測定照度として決定する
3次元測定装置。
【請求項7】
請求項2に記載の3次元測定装置であって、
前記制御部は、前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定するとき、前記検査物が形成されている領域である検査物形成領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とを前記縞画像から取得し、前記検査物領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とに基づいて、前記測定対象物を3次元測定する
3次元測定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の3次元測定装置であって、
前記制御部は、前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定するとき、前記検査ブロックに含まれる前記複数の検査物のうち、前記検査ブロックと関連性を有する輝度属性を持つ検査物を判定し、前記検査ブロックと関連性を有する輝度属性を持つ検査物についての前記検査物領域の輝度値と、前記周囲領域の輝度値とに基づいて、前記測定対象物を3次元測定する
3次元測定装置。
【請求項9】
請求項1に記載の3次元測定装置であって、
前記測定対象物の輝度値と、前記測定照度とが関連付けられたテーブルを記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、前記検査ブロック毎に前記測定照度を決定するとき、前記記憶部に記憶された前記テーブルを参照して、前記測定対象物の画像から取得された前記輝度値に対応する前記測定照度を判定することで前記測定照度を決定する
3次元測定装置。
【請求項10】
測定対象物の画像を撮像させ、
撮像された前記測定対象物の前記画像から輝度値を取得し、
取得された前記輝度値に基づいて、前記測定対象物に対して複数の検査ブロックを割り当て、
割り当てられた前記検査ブロック毎に、照明の測定照度を決定し、
決定された前記測定照度で、それぞれ、前記検査ブロックに対して縞を投影し、
前記縞が投影された前記検査ブロックの縞画像を撮像し、
撮像された前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定する
3次元測定方法。
【請求項11】
3次元測定装置に、
測定対象物の画像を撮像させるステップと、
撮像された前記測定対象物の前記画像から輝度値を取得するステップと、
取得された前記輝度値に基づいて、前記測定対象物に対して複数の検査ブロックを割り当てるステップと、
割り当てられた前記検査ブロック毎に、照明の測定照度を決定するステップと、
決定された前記測定照度で、それぞれ、前記検査ブロックに対して縞を投影するステップと、
前記縞が投影された前記検査ブロックの縞画像を撮像するステップと、
撮像された前記縞画像に基づいて前記測定対象物を3次元測定するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項12】
第1の領域と、前記第1の領域とは異なる色濃度の第2の領域とを有する基板の、前記第1及び第2の領域にそれぞれ対応する第1及び第2の色濃度情報を取得し、
前記第1の領域に対して、前記第1の色濃度情報に基づく照度で格子縞を照射して測定を行い、
前記第2の領域に対して、前記第2の色濃度情報に基づく照度で格子縞を照射して測定を行う
3次元測定方法。
【請求項13】
請求項12に記載の3次元測定方法であって、
前記色濃度の取得は、所定の照度の格子縞を前記第1及び第2の領域に対して照射して測定を行い、その測定結果のエラー率に基づいて設定される
3次元測定方法。
【請求項14】
第1の領域と、前記第1の領域とは異なる色濃度の第2の領域とを有する基板の、前記第1の基板領域に対して、第1の照度で格子縞を照射して測定を行い、
前記第2の基板領域に対して、前記第1の照度とは異なる第2の照度で格子縞を照射して測定を行う
3次元測定方法。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−36791(P2013−36791A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171471(P2011−171471)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】