説明

3次元計測装置と3次元計測方法

【課題】ライン光が撮影手段に向けて正反射されることがなく、撮影が困難になることを防止する。
【解決手段】被検査体1にライン光4を照射して両者を相対移動させながら撮影手段26で撮影することにより、光切断法によって被検査体1を3次元計測することができる。上記被検査体1は、ワークに予め定められた配列方向Aに配列して設けられた複数の凹凸状部分3を有しており、この凹凸状部分3は、上記配列方向Aと直交する方向の直線部分3aを有している。上記ライン光4の相対移動方向Bと、この相対移動方向に対するライン光の角度θとは、該ライン光4が上記直線部分3aに対して斜めに交差して照射されながら相対移動されるように予め設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光切断法を用いた3次元計測装置と3次元計測方法に関し、特に直線部分を有する凹凸状部分が設けられた被検査体、例えばV字状に刻印された被検査体としての文字の深さや形状、或いは文字間隔、文字水平度、位置ズレ、文字カケ等を検査するのに好適な3次元計測装置と3次元計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光切断法を用いた3次元計測装置として、被検査体にライン状のライン光を照射する照明手段と、被検査体に照射されたライン光を撮影する撮影手段と、この撮影手段によって撮影された画像を認識する画像認識手段と、上記照明手段および撮影手段と被検査体とを相対的に移動させる相対移動手段とを備え、ライン光を被検査体に対して相対移動させることにより該被検査体を3次元計測するようにしたものが知られている(特許文献1)。
ところで、図11に示すように、被検査体1が例えばワークにV字状に刻印されたアルファベットや数字の組合せである場合には、被検査体1は各文字からなる複数の凹凸状部分3を有していることになる。そして複数の凹凸状部分3は、通常上記ワークに予め定められた配列方向Aに沿って配列されて設けられている。また、被検査体1の凹凸状部分3のいずれかは、例えば「B」、「D」、「1」といった文字は、上記配列方向Aと直交する方向の直線部分3aを有することになる。
他方、上記照明手段から照射されたライン光4は上記配列方向Aと平行となる相対移動方向Bに相対移動されるように設定され、かつ該ライン光4は上記配列方向Aと直交する方向で被検査体1に照射されるようになっている。
この状態で上記ライン光4と被検査体1とを上記相対移動方向Bに相対移動させることにより、それぞれの凹凸状部分3を光切断法により3次元計測することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−58150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ライン光4が上記相対移動方向Bに相対移動された際には、該ライン光4は上記凹凸状部分3の直線部分3aに対しては平行となるように照射されることになり、該ライン光4は各直線部分3aに平行に照射されながらこれと直交する方向に横切ることになる。
その際、ライン光4は、V字状に刻印された直線部分3aの壁面により上記撮影手段に向けて正反射されることがあり、その場合には撮影手段によるライン光の良好な撮影が困難となって上記画像認識手段による直線部分3aの認識が不良となることがあった。
他方、上記ライン光4が上記凹凸状部分3の直線部分3a以外の部分に照射される場合には、その直線部分3a以外の部分における反射は、上述した直線部分3aの壁面によって撮影手段に向けて正反射されるような状態とはならないので、上記撮影手段によるライン光の撮影が良好に行われ、したがって上記画像認識手段による認識も良好なものとなる。
【0005】
また、上記ライン光は所定時間ごとに、例えば0.003秒ごとの所定間隔で撮影されることになるが、上記ライン光4が直線部分3aに対して平行となるように照射されながら該直線部分3aを横切る場合には該直線部分3aに対する撮影回数が少なくなるので、V字状の凹凸状部分3における最深部の測定が困難になるという問題もあった。これを回避するには、直線部分3aに対する撮影回数を多くすればよいが、その場合には全体の測定に時間がかかることになる。
なお、上記ライン光4が上記凹凸状部分3の直線部分3a以外の部分に照射される場合には、当該部分に対する撮影回数は直線部分3aを横切る場合の撮影回数よりも多くなるため、当該部分の最深部の測定を良好に行うことができる。
本発明は上述した事情に鑑み、上記凹凸状部分3が上記予め定められた配列方向Aと直交する方向の直線部分3aを有していても、より確実にその計測を行うことができるようにした3次元計測装置と3次元計測方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明の3次元計測装置は、被検査体にライン状のライン光を照射する照明手段と、被検査体に照射されたライン光を撮影する撮影手段と、この撮影手段によって撮影された画像を認識する画像認識手段と、上記照明手段および撮影手段と被検査体とを相対的に移動させる相対移動手段とを備え、ライン光を被検査体に対して相対移動させることにより該被検査体を3次元計測するようにした3次元計測装置において、
上記被検査体は、ワークに予め定められた配列方向に配列して設けられた複数の凹凸状部分を有しており、これら複数の凹凸状部分の少なくともいずれかは、上記配列方向と直交する方向の直線部分を有しており、
さらに上記ライン光の相対移動方向と、この相対移動方向に対するライン光の角度とは、該ライン光が上記直線部分に対して斜めに交差して照射されながら相対移動されるように予め設定されていることを特徴とするものである。
また本発明の3次元計測方法は、照明手段によって被検査体にライン状のライン光を照射するとともに、該被検査体に照射されたライン光を撮影手段によって撮影しながら、上記ライン光と被検査体とを相対移動させることにより該被検査体を3次元計測するようにした3次元計測方法において、
上記被検査体は、ワークに予め定められた配列方向に配列して設けられた複数の凹凸状部分を有しており、これら複数の凹凸状部分の少なくともいずれかは、上記配列方向と直交する方向の直線部分を有しており、
さらに上記ライン光は上記直線部分に対して斜めに交差して照射されるように予め設定されていて、その設定のままライン光と被検査体とを相対移動させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
上記本発明の3次元計測装置と3次元計測方法によれば、上述したように、上記被検査体1が、ワークに予め定められた配列方向Aに配列して設けられた複数の凹凸状部分3を有しており、これら複数の凹凸状部分3の少なくともいずれかが、上記予め定められた方向Aと直交する方向の直線部分3aを有していても、上記ライン光の相対移動方向と、この相対移動方向に対するライン光の角度とは、該ライン光が上記直線部分に対して斜めに交差して照射されながら相対移動されるように予め設定されているので、直線部分3a以外の撮影について上述してあるように、凹凸状部分3を良好に認識することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施例を示す平面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】第1実施例におけるライン光4の相対移動方向Bと被検査体1の配列方向Aとの関係を説明する説明図。
【図4】画像認識手段31の構成を説明するブロック図。
【図5】文字の深さを測定する差異の測定ポイント38を説明するための説明図。
【図6】本発明の第2実施例を示す平面図。
【図7】図6の側面図。
【図8】本発明の第3実施例を示す平面図。
【図9】図8の側面図。
【図10】第3実施例におけるライン光4の相対移動方向Bと被検査体1の配列方向Aとの関係を説明する説明図。
【図11】従来の光切断法におけるライン光4の相対移動方向Bと被検査体1の配列方向Aとの関係を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1、図2において、本発明に係る3次元計測装置10は固定フレーム11とこの固定フレーム11上に設けた回転テーブル12とを備えており、この回転テーブル12はサーボモータなどの回転駆動手段13によって水平面内で回転されるようになっている。
上記回転テーブル12には位置決め手段14を設けてあり、この位置決め手段14によってワーク2を回転テーブル12上の所定位置に位置決めして固定することができるようにしてある。
【0010】
図示実施例では、上記位置決め手段14は、回転テーブル12に相互に直交する方向に配置して固定した2つの位置決めストッパ15と、各位置決めストッパ15に向けて上記ワーク2を押し付けるシリンダユニット16とから構成してあり、一方のシリンダユニット16によってワーク2を一方の位置決めストッパ15に押し付けると同時に、これと直交する方向に、他方のシリンダユニット16によってワーク2を他方の位置決めストッパ15に押し付けることによって、ワーク2を回転テーブル12上の所定位置に固定することができるようにしてある。
なお、位置決め手段14としては上記構成のものに限定されるものではなく、回転テーブル12上にワーク2を固定することができれば、如何なる構成のものであってもよい。
【0011】
上記ワーク2の所要位置には、図3に示すように、図11で示したのと同一の被検査体1を設けてあり、したがってこの被検査体1は、予め定められた配列方向Aに沿って配列した複数の凹凸状部分3を有しており、また凹凸状部分3のいずれかは上記予め定められた方向Aと直交する方向の直線部分3aを有している。
そして上記ワーク2を位置決め手段14によって回転テーブル12に位置決め固定する際には、ワーク2に設けた被検査体1が水平面内に位置し、かつ被検査体1の中心位置が、より具体的には被検査体1の配列方向における中心位置とこれと直交する被検査体1の幅方向(凹凸状部分3の直線部分3aの方向)における中心位置とが、上記回転テーブル12の回転中心に概ね一致するようにしてある。
【0012】
図1、図2に示すように、上記固定フレーム11には回転テーブル12の側方に、L字形の支柱21の一方の脚部21aを立設してあり、水平方向に伸びる該支柱21の他方の脚部21bの下部に、上記回転テーブル12の回転中心を越えて水平方向に伸びる上部フレーム22を固定してある。
この上部フレーム22の下面には移動ユニット23を設けてあり、この移動ユニット23はロッドレスシリンダなどの相対移動手段24により、上部フレーム22の長手方向に沿って往復駆動されるようになっている。そして上記移動ユニット22には、上記被検査体1にライン状のライン光4を照射する照明手段25と、この照明手段25によって被検査体1に照射されたライン光4を撮影する撮影手段26とを設けてある。
【0013】
上記照明手段25は円柱状で中央に照射部を有しており、この照射部から照射される光はスリット状に広がってライン状に照射されるようになっている。また照明手段25はライン光4を被検査体1の真上から照射することができるように、被検査体1の表面(水平面)に対して90度の角度に配置してある。
上記撮影手段26は被検査体1の水平面に対して45度の角度に配置してあり、照明手段25から照射されるライン光4を斜めの角度から撮影することができるようにしてある。
そして上記相対移動手段24により移動ユニット23を移動させることにより、上記照明手段25および撮影手段26を被検査体1に対して相対的に移動させれば、それによってライン光4を被検査体1に対して相対移動させることができるので、光切断法による被検査体1の3次元計測を行うことができる。
【0014】
図3に示すように、本実施例においては、上記照明手段25によって被検査体1に照射されるライン光4は、移動ユニット23の移動方向Bに対して直角となるように設定してある。
そして本実施例における移動ユニット23の移動方向Bは、上記凹凸状部分3の予め定められた配列方向Aに対して斜めとなる角度θに、例えば15度の角度に設定してある。これにより、上記ライン光4の長手方向が凹凸状部分3の直線部分3aに対して平行とならずに、これを上記角度θで斜めに交差して横切るように設定してある。
このときのライン光4の長手方向に対する直線部分3aの交差角度は、上記回転テーブル12を回転させることにより、所定の角度θに設定することができる。またこの際には、上記凹凸状部分3が有するその他の全ての直線部分(例えば「A」が有する両側と中央との3つの直線部分)に対してライン光4が平行となることがないような角度を選定してある。
【0015】
図4に示すように、上記撮影手段26によって撮影された画像は、制御装置の画像認識手段31に入力されるようになっている。
上記画像認識手段31は、上記撮影手段26によって所定の間隔で撮影された複数の画像をつなぎ合わせる画像処理部32と、この画像処理部32によって得られた画像を2値化する2値化処理部33とを備えており、2値化処理部33によって2値化された画像は文字良否判定部34に入力される。
上記被検査体1を構成するアルファベットや数字などの適正な形状は文字形状データ記憶部35に予め記録されており、上記文字良否判定部34は、上記2値化処理部33によって得られた各文字のデータと文字形状データ記憶部35に記録されているデータとを比較して、その形状の良否を判定するようになっている。
【0016】
このとき図11に示すように、上記ライン光4を文字の配列方向Aと直交する方向に照射し、かつ配列方向Aと平行な相対移動方向Bに移動させれば、それぞれの文字の形状は正常な形状のまま入力されるようになる。
これに対し図3に示すように、上記ライン光4を文字の配列方向Aに対して斜の角度θで照射した状態で各文字に対して相対移動させると、得られる文字は本来の文字に対して上記角度θ分だけ歪んだ形状で入力されることになる。
本実施例では、上記文字形状データ記憶部35には、上記被検査体1を構成するアルファベットや数字などの正常な形状が予め記録されており、他方、上記文字良否判定部34は、上記2値化処理部33によって得られた各文字の形状について、上記角度θ分だけ歪んだ形状を補正することによって正常な形状となるように演算しており、その演算された補正後の文字の形状と上記文字形状データ記憶部35に記録されている正常な文字の形状とを比較して、その良否を判別するようになっている。
そして仮に不良のデータが検出された場合には、該文字良否判定部34から直ちに不良の信号が出力されて以後の作業が行われないようになっている。
【0017】
本実施例の変形例として、上記文字形状データ記憶部35に、予め上記角度θ分だけ歪んだ形状の文字を記憶させておき、この文字形状データ記憶部35に記憶された各文字の形状と、上記2値化処理部33によって得られた各文字の形状とを比較させることによって、各文字の良否を判定させるようにしてもよい。
【0018】
次に、上記画像処理部32によって得られた画像は三次元処理部36によって各文字の深さが演算され、その結果は深さ良否判定部37に入力されて、ここで上記文字良否判定部34で「良」と判定された文字について深さが適正であるか否かの判定が行われる。各文字の深さデータは文字深さデータ記憶部38に予め登録されており、この文字深さデータ記憶部38には各文字ごとに、深さを計測する箇所が記録されている。
例えば図5に示すように、文字が「5」である場合には、予め4箇所の測定エリア39が定められており、深さ良否判定部37はその4箇所のそれぞれの測定エリア39における平均深さを算出するようになっている。そして全ての測定エリア39における平均深さがそれぞれ基準値内であれば当該文字を良と判定し、いずれか1つでも基準値外となれば当該文字を不良と判定するようになっている。
そして仮に不良のデータが検出された場合には、該深さ良否判定部37から不良の信号が出力されるようになっている。
なお、上記平均深さを求める代わりに、最大深さを求めるように設定することも可能である。
【0019】
上記構成によれば、ライン光4は被検査体1の直線部分3aに対して斜めに交差して照射されながら相対移動されることになるので、その直線部分3aに対して平行に照射された場合のように、該直線部分3aの壁面によって撮影手段26に向けて正反射されるような状態とはならない。
その結果、上記撮影手段26によるライン光4の撮影が不良となることが防止でき、したがって画像認識手段31による被検査体1の凹凸状部分3を良好に認識することができる。
また、上記ライン光4は上記直線部分3aを斜めに横切るようになるので、該直線部分3aをこれと直交する方向に横切る場合に比較して、当該部分に対する撮影回数を多くすることができ、それによって当該部分の最深部の測定も良好に行うことができる。
【0020】
図6、図7は本発明の第2実施例を示したもので、本実施例においては、上述した第1実施例の回転テーブル12の代わりに、上部フレーム22を揺動可能に設けたものである。すなわち本実施例においては、第1実施例の回転テーブル12は省略してあり、固定フレーム11にワーク2を位置決め固定する位置決め手段14を設けてある。
他方、支柱21を円柱状に形成するとともに、上部フレーム22はL字形に形成してあり、該上部フレーム22の一方の脚部22aの先端部を円柱状の支柱21の上部に回転軸41を介して回転可能に設けてある。そして上部フレーム22の他方の脚部22bの下面に移動ユニット23を設けてあり、該移動ユニット23を相対移動手段24により上記他方の脚部22bの長手方向に沿って往復動させることができるようにしてある。
したがって上記回転軸41を介して上部フレーム22を水平面内で揺動させ、所定の揺動位置でクランプ42によって上部フレーム22を支柱21に固定することにより、被検査体1の配列方向Aに対する相対移動方向Bの角度を、例えば15度の角度に設定することができる。
その他の構成は第1実施例と同様に構成してあり、本実施例においても第1実施例と同等の作用効果を得ることができる。
【0021】
図8、図9は本発明の第3実施例を示したもので、本実施例は上記第1実施例や第2実施例とは異なり、ワーク1と上部フレーム22とを相対的に揺動させることができないようにしたものである。
すなわち本実施例においては、固定フレーム11にワーク2を位置決め固定する位置決め手段14を設けてあり、第1実施例とは異なってワーク2を回転させることができないようにしてある。
他方、固定フレーム11に第1実施例と同様に構成したL字形の支柱21の一方の脚部21aを固定してあり、このL字形の支柱21の他方の脚部21bに上部フレーム22を固定してある。したがって上部フレーム22は、第2実施例とは異なり揺動させることができないようにしてある。
そして本実施例では、図10に示すように、上記相対移動手段24によって移動される移動ユニット23の相対移動方向Bと、位置決め手段14によって固定フレーム11に位置決め固定されたワーク2の被検査体1の配列方向Aとが平行となるように設定してある。
【0022】
さらに本実施例においては、移動ユニット23に設けた照明手段25によって被検査体1に照射されるライン光4は、移動ユニット23の相対移動方向Bと直交する方向に対して斜めに、例えば15度の角度θとなるように設定してある。これにより、上記ライン光4の長手方向が凹凸状部分3の直線部分3aに対して平行とならずに、これを斜めに交差して横切るように設定してある。
また本実施例においても、上記凹凸状部分3が有するその他の全ての直線部分(例えば上述したように「A」が有する両側と中央との3つの直線部分)に対してライン光4が平行となることがないような角度に予め設定してあることは勿論である。
このような構成を有する第3実施例においても、上述の実施例と同等の作用効果を得ることができる。
【0023】
なお、上記第3実施例において、移動ユニット23を相対移動手段24に揺動可能に設けてもよく、これによりライン光4の相対移動方向Bに対する傾斜角度θを調整することが可能となる。
【符号の説明】
【0024】
1 被検査体 2 ワーク
2 凹凸状部分 3a 直線部分
4 ライン光 10 3次元計測装置
11 固定フレーム 12 回転テーブル
13 回転駆動手段 14 位置決め手段
21 支柱 22 上部フレーム
23 移動ユニット 24 相対移動手段
25 照明手段 26 撮影手段
31 画像認識手段 34 文字良否判定部
35 文字形状データ記憶部 A 配列方向
B 相対移動方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査体にライン状のライン光を照射する照明手段と、被検査体に照射されたライン光を撮影する撮影手段と、この撮影手段によって撮影された画像を認識する画像認識手段と、上記照明手段および撮影手段と被検査体とを相対的に移動させる相対移動手段とを備え、ライン光を被検査体に対して相対移動させることにより該被検査体を3次元計測するようにした3次元計測装置において、
上記被検査体は、ワークに予め定められた配列方向に配列して設けられた複数の凹凸状部分を有しており、これら複数の凹凸状部分の少なくともいずれかは、上記配列方向と直交する方向の直線部分を有しており、
さらに上記ライン光の相対移動方向と、この相対移動方向に対するライン光の角度とは、該ライン光が上記直線部分に対して斜めに交差して照射されながら相対移動されるように予め設定されていることを特徴とする3次元計測装置。
【請求項2】
上記ライン光の角度は、上記相対移動方向に対して直交する方向に照射されるように設定され、かつライン光の相対移動方向は、上記配列方向に対して斜めとなるように設定されていて、それによって該ライン光が上記直線部分に対して斜めに交差して照射されながら相対移動されるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の3次元計測装置。
【請求項3】
上記ライン光の相対移動方向は、上記配列方向と平行となるように設定され、かつライン光の角度は、上記相対移動方向に対して斜めとなるように設定されていて、それによって該ライン光が上記直線部分に対して斜めに交差して照射されながら相対移動されるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の3次元計測装置。
【請求項4】
上記3次元計測装置は文字形状データ記憶部と文字良否判定部とを備え、また上記凹凸状部分はアルファベットや数字などの文字を有しており、上記文字形状データ記憶部には予め上記文字の正常な形状が記録されていて、上記文字良否判定部は、上記ライン光が上記直線部分に対して斜めに交差して照射されることによって得られる文字の歪を補正して、その補正後の文字の形状と上記文字形状データ記憶部に記録されている文字の形状とを比較してその良否を判定することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の3次元計測装置。
【請求項5】
上記3次元計測装置は文字形状データ記憶部と文字良否判定部とを備え、また上記凹凸状部分はアルファベットや数字などの文字を有しており、上記文字形状データ記憶部には、予め上記ライン光が上記直線部分に対して斜めに交差して照射されることによって得られる歪んだ文字の形状を記録されていて、上記文字良否判定部は、上記ライン光が上記直線部分に対して斜めに交差して照射されることによって得られる文字の形状と上記文字形状データ記憶部に記録されている文字の形状とを比較してその良否を判定することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の3次元計測装置。
【請求項6】
上記3次元計測装置は、上記照明手段と撮影手段とを設けた移動ユニットと、この移動ユニットを、これに設けた上記照明手段と撮影手段と一体に上記相対移動方向に移動させる駆動手段と、上記ワークを所定の状態で固定する位置決め手段とを備えており、
上記位置決め手段によってワークを位置決め固定することにより、該ワークに設けられた上記被検査体の配列方向と、上記駆動手段によって移動される移動ユニットの移動方向とが、上記照明手段から照射されるライン光が上記被検査体の直線部分に対して斜めに交差して照射されながら相対移動されるように設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の3次元計測装置。
【請求項7】
照明手段によって被検査体にライン状のライン光を照射するとともに、該被検査体に照射されたライン光を撮影手段によって撮影しながら、上記ライン光と被検査体とを相対移動させることにより該被検査体を3次元計測するようにした3次元計測方法において、
上記被検査体は、ワークに予め定められた配列方向に配列して設けられた複数の凹凸状部分を有しており、これら複数の凹凸状部分の少なくともいずれかは、上記配列方向と直交する方向の直線部分を有しており、
さらに上記ライン光は上記直線部分に対して斜めに交差して照射されるように予め設定されていて、その設定のままライン光と被検査体とを相対移動させることを特徴とする3次元計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−29459(P2013−29459A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166900(P2011−166900)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】