説明

アイテム選択システム及びプログラム

【課題】大量のアイテムの中から所望のアイテムを容易に選択することができるようにする。
【解決手段】表示部と、操作部を構成し、回転自在に配設されたロータリセレクタと、所定の項目を検索する検索処理手段と、検索結果に含まれるアイテムを前記表示部の画面にリストで表示するとともに、前記ロータリセレクタの回転に対応させて、前記リストにおける所定のアイテムを選択候補アイテムとして表示する表示処理手段と、検索結果に含まれるすべてのアイテムの数を表すアイテム総数に基づいて、前記選択候補アイテムを変更するために必要なロータリセレクタの単位変位角を調整する単位変位角調整処理手段とを有する。アイテム総数に基づいて単位変位角が調整されるので、所望のアイテムを容易に選択することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイテム選択システム及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器、例えば、車両に搭載されるナビゲーション装置においては、ナビゲーション装置に対して所定の項目について、指示を行ったり、各種の設定を行ったりすることができるようになっている。そのために、ナビゲーション装置に表示部、操作部等が配設され、運転者による操作部の操作に基づいて、前記項目の検索が行われ、前記表示部の画面に、検索結果を表す複数のアイテムがリストで表示される。したがって、運転者は、表示されたアイテムのうちの所定のアイテムを選択することができる。
【0003】
ところで、検索結果に含まれるアイテムが多く、一画面にすべてのアイテムを表示することができない場合、運転者はリストをスクロールし、所望のアイテムが画面に表示されたときに、アイテムを選択することができるようになっている。
【0004】
そして、前記リストをスクロールするために、ロータリセレクタを備えたナビゲーション装置が提供されている。この種のナビゲーション装置においては、運転者がロータリセレクタを回転させると、回転させた角度に応じてリストがスクロールされ、所定のアイテムの文字の色が反転させられる等して選択候補アイテムとして表示される。続いて、運転者が、決定ボタン等を押すと、選択候補アイテムが、運転者によって選択されたアイテムとされる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−351898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、選択候補アイテムを一つ隣のアイテムに変更するためにロータリセレクタを回転させる角度が一定にされるので、大量のアイテムの中から所望のアイテムを探す場合、操作が煩雑になってしまう。
【0006】
本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、大量のアイテムの中から所望のアイテムを容易に選択することができるアイテム選択システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明のアイテム選択システムにおいては、表示部と、操作部を構成し、回転自在に配設されたロータリセレクタと、所定の項目を検索する検索処理手段と、検索結果に含まれるアイテムを前記表示部の画面にリストで表示するとともに、前記ロータリセレクタの回転に対応させて、前記リストにおける所定のアイテムを選択候補アイテムとして表示する表示処理手段と、検索結果に含まれるすべてのアイテムの数を表すアイテム総数に基づいて、前記選択候補アイテムを変更するために必要なロータリセレクタの単位変位角を調整する単位変位角調整処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ロータリセレクタの回転に対応させて、リストにおける所定のアイテムが選択候補アイテムとされ、アイテム総数に基づいて、選択候補アイテムを変更するために必要なロータリセレクタの単位変位角が調整されるようになっているので、大量のアイテムの中から所望のアイテムを容易に選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場合、アイテム選択システムとしてのナビゲーションシステムについて説明する。
【0010】
図1は本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【0011】
図において、14は情報端末としての、かつ、車両に搭載された装置である車載装置としてのナビゲーション装置、63はネットワーク、51は情報提供者としての情報センタであり、前記ナビゲーション装置14、ネットワーク63、情報センタ51等によってナビゲーションシステムが構成される。
【0012】
前記ナビゲーション装置14は、車両の現在地を自車位置として、車両の方位を自車方位として検出する現在地検出部としてのGPSセンサ15、図示されない地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部16、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、操作者である運転者が操作することによって所定の入力を行うための第1の入力部としての操作部34、図示されない画面に表示された画像によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第1の出力部としての表示部35、運転者が音声によって所定の入力を行うための第2の入力部としての音声入力部36、音声出力を行い、各種の情報を運転者に通知するための第2の出力部としての音声出力部37、及び通信端末として機能する送受信部としての通信部38を備え、前記ナビゲーション処理部17に、GPSセンサ15、データ記録部16、操作部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。また、前記ナビゲーション処理部17には車速を検出する車速検出部としての車速センサ44等が接続される。そして、前記GPSセンサ15は、自車位置及び自車方位のほかに時刻を検出する。なお、GPSセンサ15とは独立させて方位センサを配設することによって自車方位を検出することができる。
【0013】
前記データ記録部16は、地図データファイルから成る地図データベースを備え、該地図データベースに地図データが記録される。該地図データには、交差点(分岐点)に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、道路リンクに関する道路データ、探索用に加工された探索データ、施設に関する施設データ等が含まれるほか、道路上の地物に関する地物データが含まれる。なお、前記地物は、運転者に各種の走行上の情報を提供したり、各種の走行上の案内を行ったりするために道路上に設置、又は形成された表示物であり、表示線、路上標識、横断歩道、マンホール、信号機等から成る。
【0014】
そして、前記データ記録部16は、前記各種のデータを記録するために、ハードディスク、CD、DVD、光ディスク等の図示されないディスクを備えるほかに、各種のデータを読み出したり、書き込んだりするための読出・書込ヘッド等の図示されないヘッドを備える。また、前記データ記録部16にメモリカード等を使用することができる。なお、前記各ディスク、メモリカード等によって第1の記憶装置としての外部記憶装置が構成される。
【0015】
本実施の形態においては、前記データ記録部16に、前記地図データベース等が形成されるようになっているが、情報センタ51において、前記地図データベース等を形成することもできる。
【0016】
そして、前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行う制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録されたROM33、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される図示されないフラッシュメモリ等を備える。なお、前記RAM32、ROM33、フラッシュメモリ等によって、第2の記憶装置としての内部記憶装置が構成される。
【0017】
前記操作部34として、表示部35とは独立して配設された図示されないキーボード、マウス等を使用することができる。また、前記操作部34として、前記表示部35に形成された画面に画像で表示された各種のキー、スイッチ、ボタン等の画像操作部をタッチすることによって、所定の入力操作を行うことができるようにしたタッチパネルを使用することができる。
【0018】
前記表示部35としてディスプレイが使用され、表示部35に形成された各種の画面に、前記自車位置及び自車方位を表示したり、地図、探索経路、該探索経路に沿った案内情報、交通情報等を表示したり、探索経路における次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向を表示したりすることができる。
【0019】
また、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部37から、前記探索経路、案内情報、交通情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。
【0020】
前記通信部38は、道路交通情報センタから送信された現況の交通情報、一般情報等の各種の情報を受信するための図示されないビーコンレシーバ、前記各種の情報をFM放送局を介してFM多重放送として受信するための図示されないFM受信機等を備える。そして、通信部38は、前記情報センタ51から、前記地図データ等のデータのほか、交通情報、一般情報等の各種の情報をネットワーク63を介して受信することができる。
【0021】
そのために、前記情報センタ51は、サーバ53、該サーバ53に接続された通信部57、情報記録部としてのデータベース(DB)58等を備え、前記サーバ53は、制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU54、RAM55、ROM56等を備える。また、前記データベース58に、前記データ記録部16に記録された各種のデータと同様のデータが記録される。
【0022】
なお、前記ナビゲーションシステム、ナビゲーション処理部17、CPU31、54、サーバ53等は、単独で、又は二つ以上組み合わせることによってコンピュータとして機能し、各種のプログラム、データ等に基づいて演算処理を行う。また、前記データ記録部16、RAM32、55、ROM33、56、データベース58、フラッシュメモリ等によって記録媒体が構成される。そして、演算装置として、CPU31、54に代えてMPU等を使用することもできる。
【0023】
次に、前記構成のナビゲーションシステムの基本動作について説明する。
【0024】
まず、運転者によって操作部34が操作され、ナビゲーション装置14が起動されると、CPU31の図示されない現在地読込処理手段は、現在地読込処理を行い、GPSセンサ15によって検出された自車位置及び自車方位を読み込む。次に、前記CPU31の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、読み込まれた自車位置の軌跡、及び自車位置の周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、車両がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行うことによって、自車位置を特定する。
【0025】
続いて、CPU31の図示されない基本情報取得処理手段は、基本情報取得処理を行い、前記地図データを、データ記録部16から読み出して取得するか、又はネットワーク63及び通信部38を介して情報センタ51等から受信して取得する。なお、地図データを情報センタ51等から取得する場合、前記基本情報取得処理手段は、受信した地図データをフラッシュメモリにダウンロードする。
【0026】
そして、前記CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部35に各種の画面を形成する。例えば、前記表示処理手段の地図表示処理手段は、地図表示処理を行い、表示部35に地図画面を形成し、該地図画面に周囲の地図を表示するとともに、自車位置及び自車方位を表示する。
【0027】
したがって、運転者は、前記地図、自車位置及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0028】
また、運転者が操作部34を操作して目的地を入力すると、CPU31の図示されない目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。なお、必要に応じて出発地を入力し、設定することもできる。また、あらかじめ所定の地点を登録しておき、登録された地点を目的地として設定することができる。続いて、運転者が操作部34を操作して探索条件を入力すると、CPU31の図示されない探索条件設定処理手段は、探索条件設定処理を行い、探索条件を設定する。
【0029】
このようにして目的地及び探索条件が設定されると、CPU31の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記自車位置、自車方位、目的地、探索条件等を読み込むとともに、データ記録部16から探索データ等を読み出し、自車位置、自車方位、目的地、探索データ等に基づいて、自車位置で表される出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。このとき、経路探索処理においては、各道路リンクごとに付与されたリンクコストの合計が最も小さい経路が探索経路とされる。なお、出発地を、自車位置に代えて、運転者が設定した所定の地点とし、所定の地点から目的地までの経路を探索することもできる。
【0030】
また、前記情報センタ51において経路探索処理を行うことができる。その場合、CPU31は自車位置、自車方位、目的地、探索条件等をネットワーク63を介して情報センタ51に送信する。該情報センタ51が自車位置、自車方位、目的地、探索条件等を受信すると、CPU54の図示されない経路探索処理手段は、CPU31と同様の経路探索処理を行い、データベース58から探索データ等を読み出し、自車位置、目的地及び探索データに基づいて、出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。次に、CPU54の図示されない送信処理手段は、送信処理を行い、前記経路データをネットワーク63を介してナビゲーション装置14に送信する。
【0031】
続いて、前記CPU31の図示されない案内処理手段は、案内処理を行い、経路案内を行う。そのために、前記案内処理手段の案内表示処理手段は、案内表示処理を行い、前記経路データを読み込み、該経路データに基づいて前記地図画面に探索経路を表示する。
【0032】
なお、例えば、経路案内の対象となる地点である交差点で車両を右左折させる必要がある場合、前記交差点が、車両を進行させる方向の案内を行う対象となる案内交差点として設定され、該案内交差点に車両が到達する前に、音声を出力することによって経路案内が行われるようになっている。
【0033】
また、前記案内処理手段の案内地点拡大図形成処理手段は、案内地点拡大図形成処理を行い、車両が案内交差点に到達する前に、地図画面の所定の領域に案内交差点の拡大図、すなわち、案内地点拡大図としての交差点拡大図を形成し、交差点拡大図による経路案内を行う。そのために、探索経路上の前記案内交差点より手前(自車位置側)の、設定された距離だけ離れた箇所に車両が到達すると、前記交差点拡大図が表示される。この場合、該交差点拡大図に、案内交差点の周辺の地図、探索経路、案内交差点において目印になる施設等の陸標が表示される。
【0034】
ところで、前記構成のナビゲーション装置14に対して所定の指示を行ったり、各種の設定を行ったりすることができるようになっている。そのために、本実施の形態においては、前記操作部34にロータリセレクタが配設される。
【0035】
図2は本発明の実施の形態における操作・表示部を示す図である。
【0036】
図において、34は操作部、35は表示部、41は前記表示部35に配設された操作パネル、43は表示部35に配設されたディスプレイである。該ディスプレイ43は、タッチパネルによって形成され、操作部34の機能を併せ有する。
【0037】
また、bi(i=1、2、…)は車両を走行させるに当たり、各種の機能を選択するためのボタンであり、所定のボタンを押下することによって、ナビゲーション装置14の所定の機能を選択したり、オーディオ機器、エアコン等の付属機器の機能を選択したりすることができる。そして、v1はオーディオ機器のボリューム調整ダイヤル、s1はロータリセレクタである。
【0038】
この場合、ディスプレイ43の画面には、目的地設定処理における目的地についての検索結果が表示されている。
【0039】
すなわち、運転者が、操作部34を操作して、検索の対象となる項目(検索対象)として目的地を選択し、目的地を、五十音による名称、住所、電話番号、施設の種別等の特定条件によって特定すると、前記目的地設定処理の検索処理手段は、検索処理を行い、特定された目的地を検索する。
【0040】
そして、前記表示処理手段は、検索結果の目的地をアイテムとし、前記画面にリストLsで表示するとともに、該リストLsの横に、リストLsをスクロールするためのスクロールバー45を表示する。該スクロールバー45は、アップキー46、ダウンキー47及びバー48を備える。
【0041】
前記リストLsにおいては、すべてのアイテムのうちの、画面に表示することができる所定の数のアイテムkj(j=1、2、…、5)がアイテムの番号と共に表示され、上端の領域AR1に、すべてのアイテムの数、すなわち、アイテム総数が表示される。
【0042】
また、前記表示処理手段は、前記アイテムkjのうちの所定のアイテム、図2においてはアイテムk3の文字の色を反転させる等して選択候補アイテムとして表示する。そして、運転者がアップキー46又はダウンキー47をタッチすると、前記表示処理手段は、バー48を上方又は下方に移動させ、バー48の移動に対応させて選択候補アイテムを変更する。そして、運転者が、選択候補アイテムが所望のアイテムである場合に、画面の選択候補アイテムの部分をタッチすると、選択候補アイテムが、運転者によって選択されたアイテムとして決定される。この場合、画面の候補アイテムの部分は決定ボタンとして機能する。
【0043】
前記画面に表示されたアイテムkjの中に所望のアイテムがない場合、運転者がアップキー46又はダウンキー47をタッチし続けると、前記表示処理手段は、リストLsをスクロールさせて上方又は下方に移動させる。なお、検索されたすべてのアイテムを一つの画面で表示することができる場合、運転者がアップキー46又はダウンキー47をタッチし続けても、リストLsはスクロールされない。
【0044】
なお、ナビゲーション装置14における目的地設定処理のほかの機能を選択したり、オーディオ機器、エアコン等の付属機器の機能を設定したりする場合には、目的地と同様に、各種の項目について検索が行われ、検索された項目が表示用のアイテムとされ、前記画面にリストで表示される。
【0045】
ところで、本実施の形態においては、前記スクロールバー45のほかに、選択候補アイテムを変更自在に表示することができるように、前記ロータリセレクタs1が回転自在に配設される。そして、運転者がロータリセレクタs1を摘んで回転させると、回転させた角度に応じて選択候補アイテムを変更したり、リストLsをスクロールしたりすることができる。
【0046】
この場合、選択候補アイテムを一つ隣のアイテムに変更するためにロータリセレクタs1を回転させる必要のある角度を、単位変位角θとしたとき、該単位変位角θが一定にされていると、大量のアイテムの中から所望のアイテムを探す場合の操作が煩雑になってしまう。
【0047】
そこで、本実施の形態において、CPU31の図示されない単位変位角調整処理手段は、単位変位角調整処理を行い、アイテム総数に応じて単位変位角θを調整するようにしている。
【0048】
図3は本発明の実施の形態における単位変位角調整処理手段の動作を示すフローチャート、図4は本発明の実施の形態におけるロータリセレクタの回転角度の第1の例を示す図、図5は本発明の実施の形態における操作・表示部の第1の表示例を示す図、図6は本発明の実施の形態におけるロータリセレクタの回転角度の第2の例を示す図、図7は本発明の実施の形態における操作・表示部の第2の表示例を示す図、図8は本発明の実施の形態におけるロータリセレクタの回転角度の第3の例を示す図、図9は本発明の実施の形態における操作・表示部の第3の表示例を示す図である。
【0049】
まず、前記単位変位角調整処理手段の情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、アイテム検索処理の検索結果からアイテム総数Pを読み込む。
【0050】
次に、前記単位変位角調整処理手段のアイテム総数判定処理手段は、アイテム総数判定処理を行い、アイテム総数Pが第1の閾値N未満であるかどうかを判断する。アイテム総数Pが第1の閾値N未満である場合、前記単位変位角調整処理手段の単位変位角設定処理手段は、単位変位角設定処理を行い、単位変位角θをあらかじめ設定された固定の値に設定する。
【0051】
この場合、前記第1の閾値Nは、一つの画面で表示することができるアイテムの数をfとすると、
N=f+α
にされる。ただし、値αは、f以下の整数とする。例えば、第1の閾値Nが10に設定されると、アイテム総数Pが10未満である場合、単位変位角θが固定の値、例えば、10〔°〕に設定される。なお、いずれのアイテムを選択する場合においても、ロータリセレクタs1を360〔°〕以上回転させる必要がないように、第1の閾値N及び単位変位角θが設定される。
【0052】
この場合、ロータリセレクタs1を10〔°〕回転させるたびに、選択候補アイテムが1個変更される。したがって、図4及び5に示されるように、アイテム総数Pが4である場合、運転者がロータリセレクタs1を20〔°〕回転させると、先頭から数えて2個目のアイテムが選択され、選択候補アイテムにされる。
【0053】
また、アイテム総数Pが第1の閾値N個以上、かつ、第2の閾値M未満である場合、前記単位変位角設定処理手段は、単位変位角θをアイテム総数Pに応じて設定し、単位変位角θを、
θ=360/P〔°〕
に設定する。なお、前記第2の閾値Mは第1の閾値Nより大きい値、50にされる。この場合、単位変位角θは、360〔°〕をアイテム総数Pで除算することによって得られ、アイテム総数Pが第2の閾値Mに近い値になると、それだけ小さくなってしまう。そこで、前記第2の閾値Mは、運転者がロータリセレクタs1を単位変位角θだけ回転させたときに、回転させた角度を識別することができるように設定される。
【0054】
この場合、ロータリセレクタs1を360/P〔°〕回転させるたびに、選択候補アイテムが1個変更される。したがって、アイテム総数Pが30である場合、単位変位角θは12〔°〕になり、図6及び7に示されるように、運転者がロータリセレクタs1を180〔°〕回転させると、すべてのアイテムのうちの真ん中のアイテム、すなわち、先頭から数えて15個目のアイテムが選択され、選択候補アイテムにされる。また、運転者がロータリセレクタs1を360〔°〕回転させると、すべてのアイテムのうちの最後のアイテム、すなわち、先頭から数えて30個目のアイテムが選択され、選択候補アイテムにされる。
【0055】
ロータリセレクタs1を180〔°〕回転させると、すべてのアイテムのうちの真ん中のアイテムが選択され、ロータリセレクタs1を360〔°〕回転させると、すべてのアイテムのうちの最後のアイテムが選択されるので、運転者は、所望のアイテムの位置がほぼ分かっているときに、画面を見ることなく、所望のアイテム又は所望のアイテムの近傍のアイテムを選択することができる。
【0056】
また、アイテム総数Pが第2の閾値M以上である場合、前記単位変位角設定処理手段は、単位変位角θを第2の閾値Mに応じて設定し、単位変位角θを、
θ=360/M〔°〕
に設定する。
【0057】
この場合、ロータリセレクタs1を360/M〔°〕回転させるたびに、選択候補アイテムが1個変更される。したがって、第2の閾値Mが50であるので、単位変位角θは7.2〔°〕になり、図8及び9に示されるように、運転者がロータリセレクタs1を360〔°〕回転させると、すべてのアイテムのうちの、先頭から数えて50個目のアイテムが選択され、選択候補アイテムになる。また、運転者がロータリセレクタs1を360×2〔°〕回転させると、すべてのアイテムのうちの、先頭から数えて100個目のアイテムが選択され、選択候補アイテムになる。
【0058】
ロータリセレクタs1を360〔°〕回転させるたびに、第2の閾値Mで表される値Mの倍数の最後のアイテムが選択されるので、運転者は、所望のアイテムの位置がほぼ分かっているときに、画面を見ることなく、所望のアイテム又は所望のアイテムの近傍のアイテムを選択することができる。
【0059】
このように、本実施の形態においては、アイテム総数Pに応じて単位変位角θが設定され、アイテム総数Pが大きくなるほど、単位変位角θが小さくされるので、大量のアイテムの中から所望のアイテムを選択する場合においても、操作を簡素化することができる。
【0060】
また、ロータリセレクタs1を360〔°〕回転させることによって、すべてのアイテムのうちの、運転者にとって記憶しやすい特定の値、本実施の形態においては、アイテム総数Pで表される値Pの最後のアイテム、又は第2の閾値Mで表される値Mの倍数の最後のアイテムが選択されるので、運転者は画面を見ることなく、所望のアイテム又は近傍のアイテムを選択することができる。したがって、ロータリセレクタs1の操作性を向上させることができる。
【0061】
なお、ロータリセレクタs1を所定の角度、本実施の形態においては、360〔°〕回転させるたびに、回転に対してクリック感を持たせるようにすることによって、運転者はロータリセレクタs1をどの程度回転させたかの目安とすることができる。したがって、ロータリセレクタs1の操作性を向上させることができる。
【0062】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 アイテムを読み込む。
ステップS2 アイテム総数Pが第1の閾値N未満であるかどうかを判断する。アイテム総数Pが第1の閾値N未満である場合はステップS3に、第1の閾値N以上である場合はステップS4に進む。
ステップS3 アイテム総数Pが第2の閾値M未満でかどうかを判断する。アイテム総数Pが第2の閾値M未満である場合はステップS5に、第2の閾値M以上である場合はステップS6に進む。
ステップS4 単位変位角を固定の値に設定する。
ステップS5 単位変位角を360/P〔°〕に設定する。
ステップS6 単位変位角を360/M〔°〕に設定する。
【0063】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における操作・表示部を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における単位変位角調整処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態におけるロータリセレクタの回転角度の第1の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における操作・表示部の第1の表示例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるロータリセレクタの回転角度の第2の例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における操作・表示部の第2の表示例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるロータリセレクタの回転角度の第3の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における操作・表示部の第3の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
14 ナビゲーション装置
34 操作部
35 表示部
51 情報センタ
63 ネットワーク
s1 ロータリセレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、操作部を構成し、回転自在に配設されたロータリセレクタと、所定の項目を検索する検索処理手段と、検索結果に含まれるアイテムを前記表示部の画面にリストで表示するとともに、前記ロータリセレクタの回転に対応させて、前記リストにおける所定のアイテムを選択候補アイテムとして表示する表示処理手段と、検索結果に含まれるすべてのアイテムの数を表すアイテム総数に基づいて、前記選択候補アイテムを変更するために必要なロータリセレクタの単位変位角を調整する単位変位角調整処理手段とを有することを特徴とするアイテム選択システム。
【請求項2】
前記単位変位角調整処理手段は、アイテム総数が第1の閾値未満である場合、単位変位角をあらかじめ設定された値とする請求項1に記載のアイテム選択システム。
【請求項3】
前記単位変位角調整処理手段は、アイテム総数が第1の閾値以上である場合、単位変位角をアイテム総数に基づいて算出する請求項1に記載のアイテム選択システム。
【請求項4】
前記単位変位角調整処理手段は、アイテム総数が第1の閾値より大きい第2の閾値以上である場合、単位変位角を第2の閾値に基づいて算出する請求項2に記載のアイテム選択システム。
【請求項5】
表示部、及び操作部を構成し、回転自在に配設されたロータリセレクタを有するアイテム選択システムのプログラムにおいて、コンピュータを、所定の項目を検索する検索処理手段、検索結果に含まれるアイテムを前記表示部の画面にリストで表示するとともに、前記ロータリセレクタの回転に対応させて、前記リストにおける所定のアイテムを選択候補アイテムとして表示する表示処理手段、及び検索結果に含まれるすべてのアイテムの数を表すアイテム総数に基づいて、前記選択候補アイテムを変更するために必要なロータリセレクタの単位変位角を調整する単位変位角調整処理手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−129331(P2009−129331A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305867(P2007−305867)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】