説明

イン・サイチュ生成塩化チタンの金属熱還元法

目的とする純金属 M 又は純金属合金 MxNy を製造する方法で、その方法はグラファイトで作られているアノード、あるいは、目的としている金属の金属酸化物と炭素とのコンポジットで作られているアノードを使用して、アルカリ金属ハライド又はアルカリ土類金属ハライド AX 又は AX2 の溶融塩電解質を電気分解し、カソードの所でアルカリ金属又はアルカリ土類金属 A を放出せしめ、且つ、アノードの所で発生期の塩素ガスを放出せしめ、それにより、目的とする金属のハロゲン化物 MXn 及び/又は NXn を生成せしめ、カソードで得られたアルカリ金属又はアルカリ土類金属 A でもって、金属ハライド MXn 及び/又はNXn を、別々にあるいは一緒にのいずれかで、金属熱還元せしめて、目的としている金属 M 又は金属合金 MxNy を粒子の形態で製造することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属の製造法に関するものである。本発明は、チタン及びチタンの合金の製造に関連して特別な実用性を有するもので、そうした実用性に関連して説明されるが、その他の実用性も意図され包含される。
【0002】
チタンの固有の性状としては軽量であり、高い耐食性を持ち、合金化された場合高い強度を示し、そして適度の剛性を有することなどから、多くの用途のための選択される金属とされる。スチールよりも40%以上軽くて、高い腐食耐性を示すことから、チタンはスチールの望ましい代替物とされている。しかしながら、チタンが高コストであることから、多くの防衛部門、運輸や耐食性の用途においてその応用が制限されている。チタン金属を製造するための最初の商業性のあるプロセスは、1910年にレンスクラー・ポリテクニク・インスティテュート(Renssclaer Polytechnic Institute)のハンター教授(Professor Hunter)により示されているように、四塩化チタンをナトリウムで還元することを含んでいた(ハンター法: Hunter Process)。その後、1932年には、クロール(Kroll)が四塩化チタンをマグネシウム還元することによりチタンを製造した-クロール法(Kroll Process)。このクロール法は、その後米国で工業化せしめられた。今日、世界中ではチタンは、ハンター法より好まれて、クロール法により製造されている。クロール法を工業的に実施する場合には、おおよそ900℃に保持された空気非存在下のスチール製のレトルト(金属製造用蒸留容器)の中に液体のマグネシウムが入れられ、四塩化チタンをその頂部から液体のマグネシウムの中に混合して、次式:
【0003】
【化1】

【0004】
に従って、チタン金属と塩化マグネシウムを製造する。該MgCl2はレトルトから取り除かれ、別のセルの中で電気分解せしめられて、四塩化チタンを還元するためのマグネシウムを産生せしめられる。クロール法の全体を模式的に図1に示す。ハンター法とクロール法の両者の欠点は、それらがバッチ式で行われることから、チタンが高価となることである。
また、スポンジ状の物質が製造され、それは直接には使用できるものでなく、均一な金属の板、ビレット、棒、鋳造部品を得るために精製したり、合金化したりするために溶解せしめなければならなかったり、あるいは、さらに粉末に加工処理されなければならない。クロール法によりチタンを製造するための相当な据付されたキャパシティーがあるが、生成せしめられたチタンの製造コストは、4.00ドル/453.592グラム($4.00/lb)を上回るものである。クロール法を経由する新たなキャパシティーは、10ドル/453.592グラム($10/lb)をかなり上回るところの非常に資本集約型のものである。クロール法は70年以上の間工業的な製造法であったので、資本にかかるコストあるいは運用のコストを大きくかなりな程度まで減少せしめることはできそうもない。その結果、クロール法を通してより低価格のチタンとする可能性は低い。
【0005】
チタンをその鉱石から取り出すためのエネルギーは、アルミニウムをその鉱石から取り出すのに必要なものの約10%の範囲内にある。それ故に、理論的には、アルミニウムと近いコストでチタンを製造することが可能であるとされる。アルミニウムは、電気分解で生成されるので、低コストのチタンを電気的に製造することが可能とされる。事実、クロール(Kroll)は電気分解法はチタンを生成する金属(マグネシウム)熱還元法に置き換わるであろうと予言している。しかしながら、過去70年にわたって、電気分解でチタンを生成するために過剰に多くというほどの研究がなされてきた。主には、供給原料は四塩化チタン(TiCl4)であったが、TiCl4は共有結合型の結合を示し、溶融塩中には溶解しない。チタンは電気的に陰性であることから、イオン化可能な水素を有していない媒体で且つ溶融塩電解質になる媒体中で電気分解をしなければならない。チタンは多原子価を示し、電気分解システムにおいては不均一化することになり、非常に劣ったクローン効率又はファラディー効率に導くことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第10/828,641号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Tetsushi N.Deura,et.al.,Metallurgical and Materials Transactions B,Vol.29B,Dec.1998,pp.1167−1174;Ryosuke O.Suzuki,et.al
【非特許文献2】Tetsushi N.Deura,et.al.,Metallurgical and Materials Transactions B,Vol.30B,June 1999,pp.403−410
【非特許文献3】Akic Friwa及びSatoru Takays,JOM,Oct.2005,pp.56−60
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
我々の公開されている先行の特許文献1において、出発原料として酸化チタン類を使用してチタンを製造する電気分解法を開示している。この電気分解法では、TiO2を酸化の程度がより低いものに炭素熱還元し、そして該酸化の程度がより低いものは、アノードとしての炭素源の存在下に、次なる反応式:
【0009】
【化2】

【0010】
に従い、アノードの所でCO及び/又はCO2を与えると共に、カソードの所で低い原子価のチタンイオンを放出して電解採取されることとなる。本プロセスによりチタンを製造することができ、製品の想定されるコストはクロール法の場合のおおよそ1/2である。しかしながら、伝統的なクロール(Kroll)の金属熱還元法は50年以上にわたり使用されてきたので、それに対して好みがあったり、あるいは、親密度が存在する。
【0011】
上記クロール法を連続的に行うことが試みられている。例えば、非特許文献1、非特許文献2そして非特許文献3を参照。これらの先行技術の著者は、少なくともいくらかの塩化マグネシウム (MgCl2)を含有している溶融塩を利用し、その溶融塩の上にマグネシウム金属を浮遊せしめ、そして、TiCl4を頂部から導入する典型的なクロール法に代えて、TiCl4を底部から導入することをしている。それらの反応は、クロール法〔反応(1)〕と同じであり、連続した操作を許容し、伝統的なバッチ式クロール法を除去するような方法でそのプロセスを構築することを目指している。しかしながら、毒性があり、腐食性で、且つ、湿度に敏感なTiCl4を、別途生成させたり、扱うということを止めることができないし、マグネシウム還元剤を製造するための別途の電気化学プラントを除去することもできない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、目的とする金属 M 又は金属合金 MxNy を製造する方法であって、炭素又は不活性な物質からなるアノード、あるいは、目的としている金属の金属酸化物と炭素とのコンポジットからなるアノードを使用して、アルカリ金属ハライド又はアルカリ土類金属ハライド, AX 又は AX2 の溶融塩電解質を電気分解し、カソードの所でアルカリ金属又はアルカリ土類金属 A を放出せしめ、且つ、アノードの所で発生期の塩素ガスを放出せしめ、それにより、目的とする金属のハロゲン化物 MXn 及び/又は NXn を生成せしめ、カソードで得られたアルカリ金属又はアルカリ土類金属 A でもって、金属ハライド MXn 及び/又はNXn を、別々にあるいは一緒にのいずれかで、金属熱還元せしめて、目的としている金属 M 又は金属合金 MxNy を粒子の形態で製造することを特徴とする方法を提供するものである。
【0013】
本発明の更なる特徴点及び利点は、以下の詳細な記載と添付の図面を参照して理解されよう。図面において、同じ符号は同じもの又は同様なものを示している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、先行技術のクロール法を示している概略図である。
【図2】図2は、本発明を実施するための電気化学セルの断面図を示す。
【図3】図3は、化学的理論量の炭素と結合してコンポジットのアノードを形成する炭素熱還元されたTiO2のX線回折パターンを示すものである。
【図4】図4は、本発明を実施するための別の電気化学セルについて図2と同様な図を示すものである。
【図5】図5は、本発明を実施するための別の電気化学セルについて図2と同様な図を示すものである。
【図6】図6は、本発明を実施するための別の電気化学セルについて図2と同様な図を示すものである。
【0015】
本発明は、目的とする金属、例えば、チタンの酸化物と炭素とを、原子的に結合した状態又は結合していない状態で含んでいるコンポジットのアノードを利用し、そして、それは、少なくとも充分な塩化マグネシウム(MgCl2)又は別のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、例えば、NaCl、LiCl、KCl、NaF、LiF、KF又はMgF2、CaCl2、CaF2を含有している溶融塩の中で電気分解せしめられて、カソードの所でマグネシウムを電析せしめ、そして、アノードの所の遊離せしめられた塩素を酸化チタンと炭素とのコンポジットのアノードと反応させ、アノードの所で一酸化炭素のガスを発生せしめると共に塩化チタンを生成せしめるということを含むものである。本発明を説明することのできる反応メカニズムは、次のようなものである。
【0016】
【化3】

【0017】
上記の式はその収支があっているものではない。というのは、アノードは、TiO2、TiO、Ti2O3、及び/又は、出発原料であるTiO2や炭素の炭素熱還元プロセスの条件を包含したアノード形成プロセスに依存するようにして炭素やTiOx-C1-xの固溶体を伴う一連の酸化物を含有することができ、アノードの所で生成される塩化チタン(TiClx)においてはx = 2、3又は4を含むことができるからである。しかしながら、炭塩素化反応の間、塩素は強力な酸化作用を持っているので、TiCl4のみが生成される。加えて、TiCl3は450℃で昇華する固体であり、そして、TiCl2は1100℃で溶融する固体であり、それらはアノードの区画からガスとして逃げていくということがないものである。塩化チタンの金属熱還元反応は、マグネシウムイオンあるいはマグネシウム金属のいずれからもイン・サイチュ(in-situ)で進行する。該生成される塩化チタンは、アノードの所で遊離せしめられる塩素イオンのアノード反応の速度に依存しており、該遊離塩素イオンは該TiO/Cと直接的に反応するか、又は、Cl2ガスを形成し、次にTiO/Cと反応して、TiClx (x = 2、3又は4)を形成するというものである。重要なことは、本電気分解ポテンシャルは、マグネシウムがカソードの所で電解析出せしめられ、そして、ある種の塩素体がアノードの所で生成せしめられ、アノードのTiO/C組成物と反応し、塩化チタンを生成し、その塩化チタンは析出せしめられたマグネシウムにより還元されて、チタンとMgCl2を生成せしめるために充分に高いものであるということである。そして当該MgCl2は電気分解されてマグネシウムに再生されると共に電気分解で塩素を遊離させるというサイクルを行うことで再生される。
【0018】
本発明の一連の反応は連続したもので、TiO/Cのアノードを連続的に供給しながらチタン粉末を生成することができる。該チタン粉末は該塩の中に沈殿せしめられ、フィルター又はサイクロンを通してのサイフォン処理やポンプ処理によるか、あるいは、その他の同様なプロセスにより連続的に取り出される。伝統的なクロール法により製造されるチタンスポンジと異なり、本反応スキームを通してチタン粉末が製造され、当該チタン粉末を直接使用して、標準的な粉末冶金技術を使用して部品を作ることができる。電気分解の下でTiOxC1-xからなるコンポジットのアノードを使用すると、マグネシウムを析出させ且つアノードの所で塩素を放出せしめることが可能なポテンシャルよりも少ないポテンシャルでアノードからチタンイオンを放出せしめ、カソードの所でそれを析出せしめることによりチタンを電解採取することができる。しかしながら、溶融塩中のチタンイオンの活性は、溶融塩中の成分としてMgCl2を使用する場合マグネシウムの活性よりかなり低いものである。溶融塩中でのマグネシウムのより大きな活性と充分に高いポテンシャルにより、マグネシウムが析出せしめられ且つ塩素が放出せしめられて塩化チタンが形成され、該塩化チタンはコンポジットのアノードからのチタンの析出に優先して化学的にマグネシウムにより還元せしめられることとなる。
【0019】
該反応/電気分解の温度は、マグネシウムの融点より上であるべきで、典型的には、TiCl4を溶融されたマグネシウムと混合するクロール法における典型的な温度である900℃の範囲にあることになる。本発明においては、当該塩は電気分解の開始時において溶融されたマグネシウムの層で覆われてアノードの所で生成されるTiClxのいかなる放出や遊離もないようにし、該TiClxがマグネシウムと接触して、Tiに化学還元されたり、MgCl2を形成するようにすることが望まれる。
【0020】
実際に発生している上記式3、4、5及び6の反応を確証するため、TiClxがアノードの所で生成され、COが発生せしめられているか否か、そして、マグネシウムがカソードの所で析出せしめられていることを判別できるようにコンポジットのアノードとカソードとを離すようにして実験を行った。実験装置の構成は、図2に示すようにした。おおよそ1.64Vから1.8VのところでTiO/Cアノードからの可能である反応は、温度に依存して、カソードの所でチタンを生成し、そして、アノードの所でCOを生成するというものである。MgCl2を分解してアノードの所でMg及びClが析出する電圧は、2.50 Vである。コンポジットのアノードとカソードとの間のポテンシャルは、Mgの析出とアノードの所でのClの放出を保証するように2.5ボルト(V)を超えたところのものであるべきである。必要に応じて、アノードとカソードとの間にある溶融塩電解質の抵抗、アノードとカソードの鉛の中や結線の中での電圧の低下、そして、電極における何らかの過電圧を克服するように2.5ボルトより高い電圧とされる。
【0021】
図2で示されている実験装置における電気分解実験で選ばれた塩を分解する処理は、100% MgCl2についてのものである。アノードの周りの石英管を使用し、当該管の所にアルゴンガスを吹き入れることにより、コンポジットのアノードの所で生成しているガスを捕集した。該コンポジットのアノードは、1モルの炭素と1モルのTiO2とを混ぜ合わせ、空気の非存在下に1800℃に加熱することで製造された。図3に示されたX線回折法(XRD)によって該アノードを分析した結果は、それが元素状酸素の含有量19%、炭素の含有量7%であるTiO.6C.4の固溶体化合物であることを示していた。粒子の形態や樹脂結合剤に含まれる炭素の形態での更なる炭素が添加されることにより、酸素と炭素とが化学量論的に均衡せしめられている状態で、そしていくらかの炭素はチタンに化学的に結合せしめられてさえしており、それをTi2OCと表すことができるが、そうした状態の化学量論量の炭素が提供されている。2.5Vよりも大きなポテンシャルでの電気分解では、アノードガスを分析すると、COとTiCl4であることが示された。カソードの周囲ではマグネシウム金属のビーズが回収された。
【0022】
これらの別々にされている電極で反応をすることにより、塩化マグネシウムは電気分解により分離せしめられてカソードの所でマグネシウムを生成せしめ、アノードの所での反応により、TiCl4とCOを生成せしめることが示された。本実験はそれを繰り返しても同じ結果を得ることができるし、NaCl-KCl-MgCl2を含有している塩においても、本実験を行うことにより同じ結果を得ることができた。炭素熱還元反応を防止するよう1100℃にまで加熱するだけの処理をしたTiO2-Cのアノードを使用して、2.5Vより大きな電圧で電気分解を行った。そのアノードガスはTiCl4とCOであった。かくして、酸化チタンと炭素の配合物を含有しているコンポジットのアノードをマグネシウムハロゲン化物中で使用すると、電気分解-金属熱還元工程が組み合わされてチタンを生成することができることがわかった。塩素は強力な酸化作用を持っているので炭塩素化反応の間、TiCl4のみが生成される。もしチタンイオンがプラス2価の状態なら直接チタンを生成するために必要なのは2個の電子であるというのと対比されるごとく、TiCl4を還元するためのマグネシウムを生成させるのには2個の電子が必要とされるのであって、何ら更なる電気的なエネルギーを利用する必要はなく、チタンに関して何らの不均化反応もない。本発明の電気分解でアノードの所でTiCl4をイン・サイチュ(in-situ: その場所で)生成せしめ、それをマグネシウムで還元して、有毒なTiCl4を別途生産することやその移動、貯蔵などに伴う問題、さらには、マグネシウムや塩化マグネシウムを取り扱ったり、マグネシウム用電気分解セルに移送することの必要性なしに、金属熱還元する。
【0023】
MgCl2の電気分解で塩素化される亜酸化チタン-炭素電極を製造することは必ずしも必要ではない。アノードで塩素が放出されると、TiO2-C電極、又は、例えば、Ti3O5、Ti2O3などのその他のチタンの還元された酸化物は、それが炭素と化学量論的に混合されて、アノードとして使用された場合、それでもってTiClx化合物の生成が可能となる。また、該アノードは、放出された塩素がTiOx-Cと反応してTiCl4を生成するための一つの固体状の本体を持つものであるという必要はない。例えば、TiOx-C粉末が充填された多孔性炭素の容器を使用でき、そして、MgCl2の電気分解でアノード上に放出される塩素は、TiOx-C粉末と反応してTiCl4を生成する。これは、TiO2と炭素を含有しているアノードを形成し、MgCl2の電気分解で塩素を放出せしめて、それを塩素化せしめるといった非常な柔軟な態様を提供する。
【0024】
マグネシウムは、アノードの所でTi-O-Cのコンポジットからイン・サイチュで生成されるTiCl4を還元するための一番重要なものとして提供される。TiCl4は、溶融塩電解質に溶解できる如何なるマグネシウムイオン及び/又はマグネシウム金属によっても還元されるし、同様にカソードの所で生成される金属によっても還元される。そして溶融塩よりもマグネシウムは密度がより低いことから溶融塩の表面上に構築される。MgCl2やその他のハライド溶融塩中のマグネシウムの溶解度は、750〜1000℃の操作温度では、0.19〜0.9モルパーセントの範囲であることが文献により報告されている。
【0025】
その他の金属は、それが塩化チタンや酸化チタンに比べてその酸化物や塩化物を形成する自由エネルギーがより高いものであるならそれを還元剤として使用してよい。例えば、カルシウムの場合、その塩化物あるいはそのフッ化物におけるその溶解度は、その他の可能性のある還元剤金属の多くのものよりも高い。塩化カルシウム中でのカルシウムイオン及び/又は金属の溶解度は、おおよそ800〜1000℃の範囲では、4モル%までおおよそ上昇する。カルシウムの溶融ハライド中でのカルシウムのより大きな溶解度により、TiClxは該CaCl2の中で可溶性であるか、ガス又はTiCl4はそのCaCl2の表面に浮いているカルシウム金属の所まで通過して、TiCl4をより効率的に還元せしめることができる。
【0026】
カルシウムがその塩化物(その理論上の分解を起こす電圧は3.01Vである)から析出せしめられ且つ塩素がアノード上に放出せしめられて該析出されたカルシウム/可溶性のカルシウムによる還元のためのTiClxを作り出すのと競争してチタンがコンポジットのTi-O-Cのアノードから析出せしめられるという可能性を避けるため、該Ti-O-Cの組成物は溶融塩のレベル(溶融塩の液面)の上方丁度のところまで上昇せしめられることができて、該放出された塩素はTi-O-Cを通って上方へ行って、TiCl4を生成せしめる。塩素について調べるために溶融塩の中のアノードを、グラファイトまたは溶融塩中アノードで溶解性にはならないといった何らかの電気伝導体、及び/又は、放出される塩素と反応しないといった何らかの電気伝導体とすることができる。Ti-O-Cという組成の物は、該塩のレベルの上のところに含まれていて、CaCl2の電気分解から放出される塩素と反応するもので、そのTi-O-C組成の物は、TiCl4とCO/CO2を与えるといった酸化チタンと炭素との比率を有しており、TiO2-C、Ti3O5-C、Ti2O3-C、TiO-C、Ti2OC、TiOCといったものであることが可能である。より低度の酸化物は低温では非常に発熱性でTiCl4を生成せしめるが、一方、TiO2-Cはより高い温度では吸熱性となる。
【0027】
カソードで析出せしめられたカルシウムはCaCl2中での溶解度が高いことに起因し、アノードの所で生成された塩素と逆の反応を起こして、クーロン効率(Columbic efficiency)を減少させるということが知られている。しかしながら、可溶性のカルシウムと反応するようにTiCl4が該CaCl2塩に戻されると、アノードの塩素との逆の反応の可能性は減少せしめられる。また、TiCl4を作り出すように塩素を上方且つアノードから離れるようにTi-O-Cを封じ込めたものの中に向けるための邪魔板(バッフル板)を使用すると、該可溶性のカルシウムが塩素のいずれかと逆の反応をするといった可能性を減少させる。
【0028】
チタン合金粉末を製造するためには、その他の合金形成元素の塩化物が該戻ってくるTiCl4と配合せしめられ、それはTiCl4と一緒に還元されて、それぞれの粒子の中に合金の組成を生成せしめることとなる。例えば、三塩化アルミニウム、三塩化バナジウム及び三塩化ホウ素が配合されると、Ti-Al-V-Bの合金が生成される。各塩化物の相対的な量は、その合金、例えば、Ti-6A1-4V-O.5Bの組成を決定する。当該ハロゲン化物のあるものは、液体のTiCl4と混和性があり、該液体のTiCl4が当該CaCl2塩に戻される前に混ぜることができる。その他の合金形成元素、例えば、Cu、Be、Mg、Al、B、Sc、Y、La、Si、Sn、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe及びMnの金属ハロゲン化物は、該TiCl4の戻る流れと混ぜ合わされて、該カルシウムによって一緒に還元されて均一に合金化されている粉末を生成するものであってよい。
【0029】
CaCl2溶融塩電解質(そこではCaが高い溶解度を有している)を利用することに加えて、カリウム(K)金属はKCl中で、例えば、おおよそ10モル%というようなより高い溶解度を有しているので、塩化カリウム(KCl)の電解質を使用することができる。KCl中でKがより大きな溶解度であることで、TiCl4及び/又はその他の金属の塩化物を良好に還元して、その他の金属あるいはチタンとの合金を生成することができる。例えば、アルミニウム、バナジウムやホウ素の塩化物をTiCl4 と配合すると、該KCl中でKが溶解すると同時に該塩化物の混合物を還元して合金の粒子を生成することになる。該カリウムは、該溶融KClを電気分解することにより生成されるもので、該溶融KClを電気分解するとカソード上でカリウムが生成され、且つ、アノード上で塩素が生成され、図4に示されているように、酸化チタンと炭素の結合したものと反応する。もちろん、KCl中でその溶解度を上回るといった過剰なKが該KClの表面に浮かんでいる場合での過剰なKも、また、利用されることができる。
【0030】
生成されたチタン、チタン合金あるいはその他の金属の粒子から該塩の電解質を分離することは、該金属の粒子を汚染しないように、特には酸化物又は他の間隙物で汚染されないようにして行われなければならない。小さなチタン基の粒子を水及び/又は酸で洗浄すると、過剰なバッシベーション酸素や窒素の混入の結果となる。該金属粒子から該塩の電解質を分離するための一つの有用な技術としては、真空エバポレーションが挙げられる。該塩の電解質をエバポレーション処理する温度では、温度にもよるが、金属の粒子の間で始まって金属粒子の流動性を破壊して焼結させることになる。塩化カリウムとフッ化リチウムとの塩の混合物は、個々の塩の何れもの蒸気圧温度曲線により予測されるよりも低い温度で真空エバポレーション処理されることができるということが見出された。低い温度でKCl-LiClの塩の混合物を真空エバポレーション処理して、生成された金属の粒子からそうした塩の電解質を容易に分離することを可能にするといったことを許容する見かけの共沸混合物が存在する。
【0031】
また、その他の様々な共晶塩混合物を使用してよく、それらのものとしては、次に限定されるものではないが、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化カリウム、フッ化ナトリウム及びフッ化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム及びフッ化ナトリム、そして、塩化ナトリウム、塩化カリウム及びフッ化ナトリウムが挙げられる。
【0032】
金属及び合金の粒子を製造する本プロセスは、電気化学的及び化学的還元のプロセスを組み合わせたものと考えられることができる。電気化学的な部分では、アルカリ、アルカリ土類又はそれらを組合せたものをそれらのハライド塩から製造するもので、カソードの所で金属を生成し、且つ、アノードの所で塩素を生成するものである。カソードの所の金属は溶融されたハライド塩中にある程度まで溶解可能であるか、あるいは、該塩の表面上に構築されてよい。アノードの所で生成された塩素は、酸化チタン-炭素の混合物の上を通って行ってTiCl4を生成し、そのTiCl4は溶融電解質中にリサイクルされてアルカリ金属、アルカリ土類金属又はそれらの合金により化学的に還元されるのであり、そのアルカリ金属、アルカリ土類金属又はそれらの合金は溶融塩電解質に可溶であってよいし、及び/又は、該溶融塩電解質の表面の上にあってもよい。
【0033】
本発明の一つの態様では、合金形成元素の酸化物を酸化チタン/亜酸化チタンと混合したり、あるいは、化学量論量の炭素と独立的に混合して、アノードで放出される塩素が酸化物と炭素の混合物の上を通って、合金形成元素の塩化物をイン・サイチュで生成せしめるものであってもよい。図4に示すように、該合金形成元素の塩化物は、独立している供給源から添加されてもよい。また、独立している供給源から、そして図4に示されているようにイン・サイチュからでなくTiCl4を添加することも可能である。
【0034】
本開示のプロセスを行うと、合金形成元素を新たに入ってくる流れに添加して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属により還元せしめたのと同じだけの数の合金元素を伴った合金粒子を生成することができる。該合金粒子中の合金形成元素の相対的な濃度は、可溶性の還元作用を持つ金属を含有しているハライド塩及び/又は溶融塩の表面に浮いている還元作用を持つ金属の中に放出される供給される物中の比率により制御される。
【0035】
カルシウムの場合の本発明の反応の全体は、式(7)に示すようになる。もしカリウムが還元作用を持つ金属である場合、原子価及び電子の移動が異なることを考慮すれば、同じ反応が起こる。
【0036】
【化4】

【0037】
さらに、溶融塩電解質中の塩化マグネシウムの分解のためのポテンシャルを超える所で電気分解せしめられているコンポジットのアノードを使用すると、チタン粒子を生成せしめることができるということを示すため、 図5に示したシステムで実験を行った。アノードの所で生成されるTiCl4のいかなるものもアノードの表面に上昇してしまうこと及びマグネシウム金属イオン又は集塊せしめられたマグネシウム金属のいずれもと接触しないということを防止するため、システムのガスは吹き込まれてコンポジットのアノードとセラミック製の管との間のアノードの表面の下方へ電解質を動かして、強制的に生成されたガスを外向き且つ上向きに通して、カソードの所で生成されるMg2+イオン及び/又は集塊せしめられたマグネシウム金属に接触せしめる。析出されたマグネシウムは該塩の表面まで上昇し、TiCl4が反応して次式の反応:
【0038】
【化5】

【0039】
によりチタン金属の粒子を与える。アノードの所で生成されるTiCl化合物におけるXの値は、2、3又は4であることができるので、上記等式は釣り合いが取れているものではない。もしアノードが連続して供給され、そしてTi粒子が周期的に又は連続して除去されるなら、本発明のプロセスは、バッチ式であるクロール法と異なり連続的なものである。
【0040】
合金形成元素を酸化物及び/又はオキシカーバイドとして含有するコンポジットのアノードを利用することによりチタンの合金を形成することが可能である。例えば、一般的な合金Ti-6A1-4Vを生成するためには、コンポジットのアノードはVCl4及びVOCl3を含有することができる。塩素がアノードの所で放出されると、TiCl4だけでなくAlCl3やVCl3もそれらがTiOxC1-X-Cと共に該アノードに含まれている比率で生成される。電解生成されたMgはTiCl4 を還元するだけでなく、VCl4とVOCl3も還元する、すなわち:
【0041】
【化6】

【0042】
コンポジットのアノード中の合金形成化合物のよく混じり合った混合物を使用して金属塩化物を形成し且つそれを還元すると、合金Ti-6A1-4Vを形成するような所望の比率のTi、Al及びVを含有しているチタン粒子を産生するであろう。もちろん、その他の合金形成元素がアノード中に含むようにされていて、塩素がアノードの所で放出された場合にそれらの塩化物を生成せしめ、Mgによる還元で粒子の形態のチタン合金を産生することができる。
【0043】
また、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどのその他の金属を、その塩化物からの電気分解により取得されて、アノードの所で生成されるTiCl4を還元する金属として、マグネシウムの代わりに使用することができる。
【0044】
本発明の塩化マグネシウムの電気分解を介してイン・サイチュでチタンを生成する手法は、連続的に行う循環式システム中で、イン・サイチュでTiCl4を生成し、マグネシウムでもって該TiCl4を還元するもので、標準的なクロール法でのコストの半分のコストであると見積もられるものである。
【0045】
マグネシウムを析出するポテンシャルより低いポテンシャルを維持するように本システムを操作することも可能である。特許文献1で教示するように、カソードの所でチタンを電解採取するように該コンポジットのアノードを使用することができる。該カソードは、典型的な場合、固体状の金属表面のもので、そのカソードの上の所を電解質がポンプで送られて、大量の物質が流れるようにもされている。別の形状のものとしては、より高純度のチタンを生成する結果を得ることができる液体のカソードを利用するものが挙げられる。多くの者により、例えば、Zn、Al、In、Pbなどの液体金属のカソードが試されてきたが、チタンはこれらの液体金属と化合物を形成し、純粋なチタンを分離することを非常に困難にしていた。クロール法(そこでは溶融されたマグネシウムがTiCl4を還元し、そして、生成されたチタンはその溶融マグネシウムとは反応しない)により確認されているように、マグネシウムはチタンと望ましくない生成物を形成しないということが知られている。しかしながら、マグネシウムは非常に密度が低いことから、通常の溶融塩の組成物の上に浮かぶのである。溶融マグネシウムをカソードとして利用し且つアノードガスのCO/CO2を分離するセルの配置が、図5に示されている。また、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどのその他の適合性のある液体の金属が、カソードとして使用できる。
【0046】
電気分解に適用されるポテンシャルの下で、アノードからのチタンイオンは溶液中に入っていき、液体金属のカソード-塩の界面の所で析出せしめられる。該アノードガスのCO/CO2は、析出しつつあるチタンと相互作用することなくアノードを上昇して出て行き、それにより析出せしめられたチタン粒子と逆の反応を起こしてしまうということを排除せしめている。液体金属のカソードの表面の所の形成されたチタン粒子は、該液体の塩の電解質よりも重いものであり、かくしてセルの底に沈殿する。ポンプによるリフト又はガスによるリフトによって、又は、ハイドロサイクロンを使用して周期的に除去するか、あるいは、サイフォンで取り出して、フィルターバスケット中に捕集せしめられる。連続的にアノードを供給することにより、連続的に操作してチタン粒子を産生することが可能となる。
【0047】
本発明は、発明を限定することを意図しない次なる実施例によりさらに記載且つ説明されよう。
【実施例】
【0048】
密封容器の中、丁度10μmHgよりも低い真空度の下で空気の非存在下に、塩化カルシウムを溶融せしめ、湿気を除去した後、固化し、精製されたアルゴンガスの気流の下で再度溶融せしめた。850℃の温度で、グラファイトのアノード及びカソードを該塩の中に浸漬し、2.8ボルトの電気分解を行って、塩化カルシウムを分解することなく酸化物やその他の不純物からその塩を精製せしめた。
【0049】
グラファイトのアノードは、該溶融塩のレベル(溶融塩の液面)の上方のグラファイトのアノードを取り囲んでいる多孔質炭素のコンテナーの中に懸濁されているTiOCの混合物を備えたもので、セルの中に設置されている。チタンのカソードが使用された。塩化カルシウムの分解電圧を超える電圧(3.3 V +セルの抵抗並びに過電圧)でもって電気分解を行って、カソードの所でカルシウムを沈着せしめた。カソードで生成されたカルシウムとアノードの所で塩素の逆の反応を防止するため、アノードを取り囲む炭素の多孔性のバリアーを使用した。多孔性である炭素のバリアーは、両極性となるのを避けるに充分な表面を有している。
【0050】
アノードの所で遊離せしめられる塩素は、TiO2と炭素の炭素熱還元反応で産生されたTiOCと反応した。ホスゲンに対する微量陽性テストに加えて、TiOCと塩素との反応で四塩化チタンが産生された。該四塩化チタンはリサイクルされて、カソードで産生されるカルシウムによって還元するために、カソードの区域にバブリングして吹き入れられた。TiCl4の流れの中に追加のアルミニウム、鉄、錫及びホウ素の金属塩化物を添加した。
【0051】
カソードの所で生成されたカルシウムは、おおよそ3〜4モルパーセントの濃度でCaCl2中に溶解しているか、あるいは、該CaCl2の表面に浮かんでいる過剰なカルシウムで、そのカルシウムは、配合されている金属の塩化物を還元して、チタン合金の粒子を生成せしめる。本例で産生された合金は、Ti-4.5Al-0.7Sn-2.5Fe-0.7Bからなるものであった。
【0052】
如何なる数の金属塩化物もTiCl4 に添加されて、合金形成元素を溶融チタンに添加するといった伝統的な方法によっては製造することのできない合金を包含する所望される如何なる合金も産生させることができる。また、TiCl4は、アノードの所でイン・サイチュ(in-situ)産生させなければならないことはない。TiCl4は慣用の炭素-塩素化反応で産生させることもできる。また、TiOCの充分に高い堆積層(ベッド)を有しており、TiOCの塩素化において何らかのホスゲンがもれ出すのを防ぐことも可能であり、そこでは如何なる産生されたホスゲンもTiOCと完全に反応してTiCl4を生成する。
【0053】
本発明ではチタンの製造法に関連して記載したが、例えば、クロム、ハフニウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、タングステン、バナジウム、ジルコニウムなどのその他の興味のある高価値の金属をその目的とする金属の酸化物-炭素のコンポジットから成るアノードを使用して産生させるものであってもよい。さらに、本発明の精神並びに範囲を逸脱することなくその他の改変をなしてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的とする金属 M 又は金属合金 MxNy を製造する方法であって、炭素又は不活性な物質からなるアノード、あるいは、目的としている金属の金属酸化物と炭素とのコンポジットからなるアノードを使用して、アルカリ金属ハライド又はアルカリ土類金属ハライド AX 又は AX2 の溶融塩電解質を電気分解し、カソードの所でアルカリ金属又はアルカリ土類金属 A を放出せしめ、且つ、アノードの所で発生期の塩素ガスを放出せしめ、それにより、目的とする金属のハロゲン化物 MXn 及び/又は NXn を生成せしめ、カソードで得られたアルカリ金属又はアルカリ土類金属 A でもって、金属ハライド MXn 及び/又はNXn を、別々にあるいは一緒にのいずれかで、金属熱還元せしめて、目的としている金属 M 又は金属合金 MxNy を粒子の形態で製造することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記目的とする金属又は金属合金が粉末として生成されるものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アノードが、酸化チタン又は亜酸化チタン-炭素のコンポジットから形成されたもので、前記生成される金属が、チタンを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アノードが、酸化クロム-炭素のコンポジットから形成されたもので、前記生成される金属が、クロムを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アノードが、酸化ハフニウム-炭素のコンポジットから形成されたもので、前記生成される金属が、ハフニウムを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アノードが、酸化モリブデン-炭素のコンポジットから形成されたもので、前記生成される金属が、モリブデンを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アノードが、酸化ニオブ-炭素のコンポジットから形成されたもので、前記生成される金属が、ニオブを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アノードが、酸化タンタル-炭素のコンポジットから形成されたもので、前記生成される金属が、タンタルを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アノードが、酸化タングステン-炭素のコンポジットから形成されたもので、前記生成される金属が、タングステンを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記アノードが、酸化バナジウム-炭素のコンポジットから形成されたもので、前記生成される金属が、バナジウムを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記アノードが、酸化ジルコニウム-炭素のコンポジットから形成されたもので、前記生成される金属が、ジルコニウムを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記溶融塩電解質が、塩化リチウム、塩化ナトリウム及び塩化カリウムからなる群から選択されたアルカリ金属塩化物を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記溶融塩電解質が、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化カリウムからなる群から選択されたアルカリ金属フッ化物を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記溶融塩電解質が、塩化マグネシウム及び塩化カルシウムからなる群から選択されたアルカリ土類金属塩化物を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記溶融塩電解質が、フッ化マグネシウム及び塩化カルシウムを備えたフッ化カルシウムからなる群から選択されたアルカリ土類金属フッ化物を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記溶融塩電解質が、塩化リチウム-塩化カリウム、塩化リチウム-塩化ナトリウム、及び塩化ナトリウム-塩化カリウムからなる群から選択されたアルカリ金属塩化物の二元系混合物、又は、塩化ナトリウム、塩化リチウム及び塩化カリウムの四元系混合物を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記溶融塩電解質が、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムからなる二元系混合物を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記溶融塩電解質が、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化カリウム、フッ化ナトリウム及びフッ化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム及びフッ化ナトリウム、及び塩化ナトリウム、塩化カリウム及びフッ化ナトリウムからなる群から選択されたアルカリ金属ハロゲン化物の共晶混合物を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記アルカリ土類金属が、マグネシウムを包含するものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記アルカリ土類金属が、カルシウムを包含するものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記アルカリ金属が、リチウムを包含するものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記アルカリ金属が、ナトリウムを包含するものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記アルカリ金属が、カリウムを包含するものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記アノードが、グラファイトで形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記アノードが、目的とする金属の酸化物と炭素とのコンポジットで形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記炭素のアノードの所で放出される発生期の塩素が、前記目的とする金属の酸化物と炭素とのコンポジットと反応せしめられ、前記目的とする金属のハロゲン化物を生成せしめることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記アノードの所で放出される発生期の塩素が、前記目的とする金属の酸化物と炭素とのコンポジットと反応せしめられ、前記目的とする金属のハロゲン化物を生成せしめることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記金属粒子が、サイフォンで吸い上げて移すことにより収穫されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記金属粒子が、フィルターバスケット上に収穫せしめられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記金属粒子が、ハイドロサイクロンを使用して収穫せしめられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記目的とする金属のハロゲン化物以外の金属ハロゲン化物を添加して合金金属を製造する工程を含んでいることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記添加される金属ハロゲン化物が、Cu、Be、Mg、Al、B、Sc、Y、La、Si、Sn、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe及びMnからなる群から選択された元素のハロゲン化物であることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記目的とする金属が、チタンであることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記金属酸化物が、Cu、Be、Mg、Al、B、Sc、Y、La、Si、Sn、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe及びMnからなる群から選択された元素の酸化物を含有していることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項35】
Cu、Be、Mg、Al、B、Sc、Y、La、Si、Sn、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe及びMnからなる群から選択された元素又は当該元素の一種以上のものの混合物でもって合金とされたチタンを含有しているチタン合金金属を製造するものであることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記製造される金属合金が、式Ti-6A1-4Vを有するものであることを特徴とする請求項31に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2010−516894(P2010−516894A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546555(P2009−546555)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/051512
【国際公開番号】WO2008/091806
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(501365022)マテリアルズ アンド エレクトロケミカル リサーチ コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】