説明

ウエハ保持装置

【課題】検査中にウエハの裏面に障害なく接近することを許容し、ウエハ上にかかる応力を最小化するウエハ保持装置を提供する。
【解決手段】ウエハ保持装置に確保される少なくとも1つのスペーサー34を有する第1プレート、少なくとも1つのフィンガー38を有する第2プレート24であって、第2プレート24が第1プレートに関して開き位置にある場合には、フィンガー38がリップ36から離れて位置し、および第2プレート24が第1プレートに関して閉じ位置にある場合には、フィンガー38およびリップ36が協同してフィンガー38およびリップ36の間にあるウエハWの規定部分を固定するように、少なくとも1つのフィンガー38が第2プレート24上に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2004年7月12日に出願された米国仮出願シリアル番号60/587,571号に関し、この出願から優先権主張を行い、参照としてここに組み込まれる。
【0002】
本発明は概して、円盤状の物体を握持するためのメカニズムに関し、さらに詳しくは、半導体およびマイクロ電子デバイスの製造時に使用されるタイプのディスク状のウエハを固定および操作するためのメカニズムに関する。
【背景技術】
【0003】
我々の経済活動のほとんどすべての分野および個人生活においては、マイクロエレクトロニクスの使用によるほぼ指数関数的な成長を伴って、集積回路および半導体デバイスに対する要求は急速に成長して来た。これを維持するために、製造者はマイクロ電子デバイスを組み込む商品の、依然増え続ける需要に見合うように製造能力を持続的に促進するように努力してきた。
【0004】
利益(すなわち、製造能力に対する有効なマイクロ電子デバイス生産高の割合)増収のために、さらには、それらの商品の品質を高めるために、製造者は欠陥のあるマイクロ電子デバイスを識別し、識別された欠陥の根本的な原因を判断することを助けるために、自動化された検査工程および方法へと次第に変わってきている。これらの自動化検査方法の使用により、製造者は事実上、製造品の多くが有効であることを確実にし得る製造能力を上げてきている。また、それら製品の需要がさらに増えると、製造者の収入を維持しおよび増加するので、製造物をより高い品質にすることは製造者に有効である。
【0005】
マイクロ電子デバイス自体を検査することに加えて、マイクロ電子デバイスが製造されるシリコンウエハの裏面およびエッジを検査する傾向が増えている。マイクロ電子デバイスが製造されるウエハの裏面検査は、ウエハ自体において、またはウエハ裏面の電子デバイスにおいて欠陥を識別し得る。ウエハの裏面上の欠陥を識別することによって、製造者は、製造過程において迅速に問題を把握することが可能になり、次のデバイス製造の利益増加するために解決し得る、製造工程における問題を指摘するのに有効であり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在の裏面検査システムの1つの問題は、ウエハ表(おもて)面が、ウエハの余分な操作を考慮せず、その上に形成される傷つきやすい構造を有するという事実からでている。概して、貴重なウエハおよびその上に形成されたマイクロ電子デバイスを傷つけ、壊すことは非常に容易である。この危険は、操作器によりしっかりと握持され得るウエハ上の位置が、単にウエハのエッジのみであるという事実によりさらに複雑になる。一般的に製造者は、3mmおよび10mmの間の幅でウエハの外周周りのエッジ除外範囲を考慮する。ただし、これらの寸法は製造者およびアプリケーション間でしばしば変わる。
【0007】
ウエハ検査の産業において使用される現在存在するシステムの1つは、米国特許番号6,204,917号に記述される。このデバイスは溝が掘られた一組のホイールを有し、空気軸受表面上でウエハが回転して、カメラがその表面および裏面を同時に検査する。この設計の有する1つの問題点は、ウエハがエッジ回転しそれが回転すると、ウエハの表面を汚し得る部分が形成され得るということである。この設計の有する他の問題点は、エッジ部分に接触する回転部分がスリップし得るのでウエハの回転角を正確に予測することが困難であるということである。
【0008】
他のシステムは、3軸のロボット装置、またはX軸,Y軸およびZ軸として一般的に言及される3つの直交軸についてウエハを回転させる遠隔操縦器を組み合わせた周知の画像手段を活用している。このような1つのシステムの実施例はISN3300であり、これはLeica Microsystems of Wetzlar(独国)により市販されている。このシステムは、検査中にウエハを遠隔操作するためにロボットを使用している。このような遠隔操作の結果として、ウエハがいくらか曲がるので、ウエハ自体またはその上に形成されたマイクロ電子構造を損傷し得、それゆえ、このような遠隔操作は多くの製造業者には好まれない。
【0009】
したがって、検査中にウエハの裏面に障害なく接近することを許容し、ウエハ上にかかる応力を最小化するウエハ保持システムに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ウエハ保持装置に固定される少なくとも1つのスペーサーを有する第1プレートであって、該スペーサーが該第1プレートから離れて伸び、およびその先端から半径方向内側へ伸びる少なくとも1つのリップを有する第1プレート;
ウエハ保持装置に接続される少なくとも1つのフィンガーを有する第2プレートであって、該第2プレートが該第1プレートとほぼ同一平面にあり、および該スペーサーのリップおよび上部プレート間にほぼ位置し、該リップおよび第1プレートの間の距離により、下部プレートが上部プレートに関して移動可能となり、第2プレートが該第1プレートに関して開き位置にある場合には、該フィンガーが該リップから離れて位置し、および該第2プレートが該第1プレートに関して閉じ位置にある場合には、該フィンガーおよび該リップが協同的にフィンガーおよびリップの間にあるウエハ規定部分を握持するように、少なくとも1つのフィンガーが該第2プレート上に配置される該第2プレート、
を有するウエハ保持装置を包含し得る。また、本発明は、前記ウエハの外周付近、および前記ウエハのエッジ除外ゾーンの1以上の位置においてウエハを握持するためのウエハ保持手段であって、該ウエハがほぼ水平方向に保持される手段、前記ウエハ保持装置を移動するための前記ウエハ保持装置に接続される駆動手段、および前記ウエハがイメージメカニズム関して移動する場合に、前記ウエハの画像をキャプチャーする画像化手段を有する、ウエハ表面検査システムを包含し得る。さらに本発明は、ウエハ保持装置と前記ウエハとの間で実質的に無関係な動きがあるように外周付近のみのウエハを握持する工程、ウエハの水平面を維持しながら、前記ウエハの表面に実質的に垂直な軸周りにウエハを回転する工程、および前記ウエハの表面が画像化メカニズムを通過して回転する場合に、ウエハの表面の画像をキャプチャーする工程、を有するウエハの表面検査方法を包含し得る。さらに本発明は、上部握持要素および下部握持要素が第1の開き位置および閉じ位置を有するウエハ保持装置であって、該上部握持要素および該下部握持要素が、該第1の開き位置の場合に、ウエハを受け取るように適合され、該ウエハがこれと握持要素との間に固定される場合には、該ウエハおよび該握持要素との間で相対運動がないような形式で、該ウエハのエッジ除外ゾーン内で該ウエハの端を握持することに適応し、該上部握持要素および下部握持要素はさらに実質的に該ウエハの下側の全体領域が検査メカニズムに対してアドレス可能であるように適合されている、ウエハ保持装置を包含し得る。
【0011】
(項目1) ウエハ保持装置に固定される少なくとも1つのスペーサーを有する第1プレートであって、該スペーサーが該第1プレートから離れて伸び、およびその先端から半径方向内側へ伸びる少なくとも1つのリップを有する第1プレート;
ウエハ保持装置に接続される少なくとも1つのフィンガーを有する第2プレートであって、該第2プレートが該第1プレートとほぼ同一平面にあり、および該スペーサーのリップおよび上部プレート間にほぼ位置し、該リップおよび第1プレートの間の距離により、下部プレートが上部プレートに関して移動可能となり、第2プレートが該第1プレートに関して開き位置にある場合には、該フィンガーが該リップから離れて位置し、および該第2プレートが該第1プレートに関して閉じ位置にある場合には、該フィンガーおよび該リップが協同的にフィンガーおよびリップの間にあるウエハ規定部分を握持するように、少なくとも1つのフィンガーが該第2プレート上に配置される該第2プレート、
を有するウエハ保持装置。
【0012】
(項目2) その間に実質的に空気の停留空間が形成されるように、前記第2プレートが前記第1プレートおよび前記第2プレートの間に固定されるウエハに十分近くに配置される、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0013】
(項目3) 前記ウエハ保持装置を回転するために、前記第1プレートに接続されるドライブ装置をさらに有する、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0014】
(項目4) 前記ドライブ装置が、前記第1プレートに接続されるモーターをさらに有する、請求項3に記載のウエハ保持装置。
【0015】
(項目5) 前記モーターが、空気軸受により前記第1プレートに接続される、請求項4に記載のウエハ保持装置。
【0016】
(項目6) 前記モーターがブラシレスな電気モードを有する、請求項4に記載のウエハ保持装置。
【0017】
(項目7) 少なくとも1つのカラムにおいて、第2プレートがウエハ保持装置に接続され、該カラムが該第1プレートにおける少なくとも1つの孔を通過し、該カラムおよび該孔が、該カラムが該孔内で直線的に往復運動することを許容するように形成されおよび配置され、該カラムが、ヨークに接続される該第2プレートに接続されるカラム端と反対側に遠位端を有し、該ヨークがアクチュエーターと係合するように形成および配置され、該ヨークおよび該カラムにより、該アクチュエーターの運動が該第2プレートへ伝達され、該アクチュエーターが開き位置および閉じ位置の間で該第2プレートを作動するように適合されている、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0018】
(項目8) 少なくとも2つのカラムにより、前記第2プレートが前記ヨークに接続される、請求項7に記載のウエハ保持装置。
【0019】
(項目9) 前記ウエハ保持装置の回転位置に関係なく、前記ヨークが前記アクチュエーターと係合するように適合される、請求項7に記載のウエハ保持装置。
【0020】
(項目10) 前記アクチュエーターが少なくとも2つのシリンダであり、該少なくとも2つのシリンダが、前記ウエハ保持装置に関して静止している構造物に接続される、請求項7に記載のウエハ保持装置。
【0021】
(項目11) 前記アクチュエーターが第1位置に付勢され、前記第2プレートに接続される付勢機構によって、それが前記第2プレートが閉じ位置に向かって付勢されることを許容する、請求項7に記載のウエハ保持装置。
【0022】
(項目12) 前記少なくとも2つのシリンダが油圧式シリンダおよび空気圧式シリンダのうちの1つである、請求項10に記載のウエハ保持装置。
【0023】
(項目13) 互いに約120°開いた位置に前記ウエハを握持するように適合される3つのフィンガーを有する、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0024】
(項目14) 少なくとも1つのフィンガーが中実構造である、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0025】
(項目15) 前記フィンガーの接触面がウエハと接触する場合に、接触面を有するフィンガーの一部が弾性的に変形するように、前記少なくとも1つのフィンガーが、該フィンガーに形成されるスロットを有する中実構造である請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0026】
(項目16) 前記フィンガーが前記ウエハと接触するようになる場合に、前記フィンガーが前記第2プレートに関して移動し得るように、前記少なくとも1つのフィンガーが前記第2プレートに弾性的に接続される、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0027】
(項目17) 前記第2のプレートがその閉じ位置にある場合、少なくとも1つのフィンガーが、ウエハに適用される圧力の大きさを弾性的に制限するように適合される、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0028】
(項目18) 前記少なくとも1つのフィンガーの弾性が、少なくとも1つのフィンガーによって、前記ウエハに適用される圧力を最大37オンスに制限する、請求項17に記載のウエハ保持装置。
【0029】
(項目19) 前記第2のプレートをその閉じ位置に付勢するために、前記第1プレートおよび第2プレートのうち少なくとも1つに接続される付勢機構をさらに有する、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0030】
(項目20) 前記付勢機構が、前記第1プレートおよび前記第2プレートの間に配置されるスプリングである、請求項19に記載のウエハ保持装置。
【0031】
(項目21) 前記少なくとも1つのフィンガーが、前記第2のプレートが閉じ位置にある場合に、前記第1プレートと前記第2プレートと間の誤配置の規定量を弾性的に収容するように適合される、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0032】
(項目22) 前記第1プレートが、前記第2プレートのほぼ上側に向けられる、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0033】
(項目23) 前記第1プレートが、前記第2プレートのほぼ下側に向けられる、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0034】
(項目24) 前記ウエハ保持装置がウエハを握持し、ほぼ水平方向に該ウエハを保持する、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0035】
(項目25) 前記フィンガーおよび前記リップが、前記ウエハと前記フィンガーおよび前記リップと間において実質的に無関係に移動することを特徴とする方式でウエハを保持する、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0036】
(項目26) 前記第2のプレートがその閉じ位置にある場合に、前記フィンガーが、前記ウエハのエッジ除外ゾーンのみで接触するウエハ接触面を有する、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0037】
(項目27) 前記ウエハ保持装置により握持されたウエハが、前記ウエハのエッジ除外ゾーンの範囲内のみで支持される、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【0038】
(項目28) 前記ウエハの外周付近、および前記ウエハのエッジ除外ゾーンの1以上の位置においてウエハを握持するためのウエハ保持手段であって、該ウエハがほぼ水平方向に保持される手段;
前記ウエハ保持装置を移動するための前記ウエハ保持装置に接続される駆動手段;および
前記ウエハがイメージメカニズム関して移動する場合に、前記ウエハの画像をキャプチャーする画像化手段;
を有する、ウエハ表面検査システム。
【0039】
(項目29) 前記ウエハ保持手段が:
少なくとも1つの固定されたスペーサーを有する第1プレートであって、該スペーサーが該第1プレートから離れて広がり、そこから半径方向内側に広がる少なくとも1つのリップを有する第1プレート;
接続される少なくとも1つのフィンガーを有する第2プレートであって、該第2プレートが、該第1プレートとほぼ同一平面にあり、該スペーサーのリップおよび上部プレートの間にほぼ位置し、前記リップおよび該第1プレート間の距離が、下部プレートが上部プレートに関して動くことを許容するようにあり、該第2プレートが該第1プレートに関して開き位置の場合に、該フィンガーが該リップから離れて位置し、かつ該第2プレートが該第1プレートに関して閉じ位置にある場合、該フィンガーおよび該リップが共同してウエハの規定部分を握持するように、該フィンガーが該第2のプレート上に位置する、第2プレート;
をさらに有する、請求項28に記載のウエハの表面検査システム。
【0040】
(項目30) 開き位置および閉じ位置相互間の前記第2プレートを移動するために該第2プレートに接続されるアクチュエーター手段をさらに有する、請求項29に記載のウエハの表面検査システム。
【0041】
(項目31) その閉じ位置に向けて前記第2プレートを付勢するための付勢手段をさらに有する、請求項29に記載のウエハの表面検査システム。
【0042】
(項目32) ウエハ保持装置と前記ウエハとの間で実質的に無関係な動きがあるように外周付近のみのウエハを握持する工程;
ウエハの水平面を維持しながら、前記ウエハの表面に実質的に垂直な軸周りにウエハを回転する工程;および
前記ウエハの表面が画像化メカニズムを通過して回転する場合に、ウエハの表面の画像をキャプチャーする工程、
を有するウエハの表面検査方法。
【0043】
(項目33) 前記ウエハの表面の変形を特徴付ける工程;および
前記ウエハ変形の特徴由来のデータを使用して、ウエハの表面の画像が実質的な焦点を保持することを確実にするために、焦点メカニズムを調節する工程、
を包含する、請求項32に記載のウエハの表面検査方法。
【0044】
(項目34) ウエハ表面の変形を特徴付けることが:
少なくとも一部でウエハの物理的特長、および固定されたウエハの境界条件に基づくウエハの表面の予測変形をモデリングする工程;
形状データを得るために実際のウエハの少なくともある一部を計測する工程;および
該形状データを使用して、ウエハ表面の予測変形のモデルを正規化する工程、
を有する、請求項33に記載のウエハ表面検査方法。
【0045】
(項目35) 上部握持要素および下部握持要素が第1の開き位置および閉じ位置を有するウエハ保持装置であって、該上部握持要素および該下部握持要素が、該第1の開き位置の場合に、ウエハを受け取るように適合され、該ウエハがこれと握持要素との間に固定される場合には、該ウエハおよび該握持要素との間で相対運動がないような形式で、該ウエハのエッジ除外ゾーン内で該ウエハの端を握持するように適合され、該上部握持要素および下部握持要素はさらに実質的に該ウエハの下側の全領域が検査メカニズムに対してアドレス可能であるように適合されている、ウエハ保持装置。
【0046】
(項目36) 請求項35に記載のウエハ保持装置であって、前記上部握持要素および前記握持要素がそれぞれ:
第1プレートに固定される少なくとも1つのスペーサーを有する該第1プレートであって、該スペーサーが該第1プレートから離れて伸び、および該第1プレートの遠位端から半径方向内側へ伸びる少なくとも1つのリップを有する第1プレート;および
第2プレートに接続される少なくとも1つのフィンガーを有する該第2プレートであって、該第2プレートが該第1プレートとほぼ同一平面であり、およびほぼ該スペーサーのリップおよび該上部プレートの間に位置し、該リップと該第1プレートとの間の距離が該下部プレートが上部プレートに関して移動することを許容するようにあり、該少なくとも1つのフィンガーが、該第2プレートが該第1プレートに関して該開き位置である場合には、該フィンガーが該リップから離れて位置し、該第2プレートが該第1プレートに関して閉じ位置にある場合には、該フィンガーおよび該リップが該フィンガーおよび該リップの間でウエハの規定部分を協同して握持するように第2プレート上に位置する、第2プレート、を有するウエハ保持装置。
【0047】
(項目37) 前記上部握持要素および前記下部握持要素が約120°離れた3箇所で該ウエハを握持する、請求項35に記載のウエハ保持装置。
【0048】
次に示す本発明の詳細な説明では、この明細書の一部を形成する添付図面について言及し、例示によって、本発明が実施される特定の実施形態が明細書中に示される。図面中、同じ番号は、いくつかの図を通して、実質的に同じ構成要素を記載する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に十分詳細に記載される。他の実施形態は利用され得、構造的、論理的、電気的改変が、本発明の範囲から逸脱することなくなされ得る。それゆえ、次の詳細な説明は、限定的な意味では捉えられず、および本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲およびその均等物によってのみ定義される。
【0049】
まず図1では、ウエハの裏面検出システム10の一実施形態が見られ得る。このシステム10は、ウエハWの裏面の画像を取り込むための画像メカニズム100に関して、ウエハWを握持および移動するためのウエハ保持装置20を有し、これらのメカニズムの両方が、この実施形態においてフレームまたはシャーシ12に搭載される。一実施形態では、ウエハ保持装置20は垂直軸周りに回転し、一方、他の実施形態では、ウエハ保持装置は、x軸、y軸、および/またはz軸の方向にウエハ保持装置を直線的に動かすように適合される移動台(示されていない)に接続される。さらに他の実施形態では、ウエハ保持装置は、4自由度(例えば、X,Yおよび/またはZ方向線形移動および/または1以上の軸周りの回転方向)までもつ移動台に搭載され得る。
【0050】
ウエハハンドラH(つまり、操作器)、または当業者に知られた種類の他のメカニズムによって、ウエハWは、該ウエハ保持装置20から出し入れされる。システム10に対するウエハWの挿入は、図2に模式的に示される。ウエハ保持装置20、画像メカニズム100およびウエハハンドラは、スタンドアロンのマニュアルモードで操作され得、ほとんどの実施形態においては、図2から図4に示されるように、これらのメカニズムが1以上のコントローラー16に通信接続され得ることが理解され、これらのコントローラーは好ましくは協調して作用して、このウエハWの動きをウエハ検査システム10に組み込み、この動きは、ウエハ保持装置20によるウエハWの固定または握持、画像システム100によるウエハWの少なくとも1つの裏面および表面の画像化、および画像化されたウエハWのシステム10からの取り出しである。1以上のコントローラー16上で実行するソフトウェアは、ある実施形態では、欠陥などに対してウエハWの裏面の画像を検査し、付加的なソフトウェアまたは診断オペレーターにこれらの欠陥を報告する。
【0051】
図2は、メカニズム20の回転軸に平行である平面にそって垂直に切断されたウエハ保持装置20の一実施形態の断面を示す。メカニズム20は、図3に最もよく見られるように、それらの間にあるウエハWを、柔軟にしかし確実に固定するために、協同して作用する上部プレート22および下部プレート24を有する。ある実施形態では、ウエハ保持装置20は、ウエハWがその間に固定された状態で、ウエハWの裏面を画像メカニズム100に示すために回転し、この画像メカニズム100は、検査の目的で、1以上のウエハWの裏面のイメージを取り込む。他の実施形態では、ウエハ保持装置20は回転しないが、その中にあるウエハWを固定し、画像メカニズム100が、その要求されるイメージを取り込むためにウエハWの裏面に関して動く。
【0052】
図2のように、開いたウエハ受け取り位置では、上部および下部プレート22、24は互いに離れて配置され、その位置ではウエハWがプレート22および24の間に挿入され得、およびそこから取り出され得る。一実施形態においては、上部プレート22は垂直に固定されるが、つまりこのことから、システム10のシャーシ12に関して垂直方向に動かないということになる。これらの実施形態では、下部プレート24は上部プレート22に関して移動する。上部プレート22が、固定された下部プレート24に関して動く場所で、ウエハ保持装置はまた作用し得ることが理解される。
【0053】
ある実施形態では、上部および下部プレート22および24は、画像メカニズム100に関してプレートを回転するためのドライブメカニズム29に接続される。図2および図3でよく見られる特定の一実施形態では、プレート22および24は、プレート22および24をシャーシ12に接続し、およびプレートを回転するための機動電源にプレート22および24の接続手段を提供する機械サポート21によって支持されている。
【0054】
図2および図3の実施形態において、プレート22は、機械サポート21のシャフト26に接続される。シャフト26は、上部プレート22の表面からほぼ垂直に伸び、および、好ましくは、シャフトおよびプレートは概して、同じ回転軸回りを共に回転するようにプレートにほぼ同心に配置される。機械サポート21のシャフト26は、ベアリング28によって、シャーシ12に可転可能に接続される。ベアリング28は、例えばボールまたはローラーベアリングのようなどのような有効な型式であり得る。しかしながら、ベアリング28はシャフト26および上部プレート22の回転を可能にする手段を提供するだけでなく、ある実施形態においては、シャフトおよび上部プレートの垂直方向の動きも制限することが理解される。一実施形態では、ベアリング28とシャフト26との間、およびベアリング28とシャーシ12との間のわずかな接触、つまり圧力の適合は、シャフト26の垂直方向の動きを制限するのには十分である。他の実施形態では、スラスト・ベアリング(示されていない)が、シャフト26の垂直方向の動きを制限するために使用され得る。
【0055】
回転エンコーダー30はシャフト26とシャーシ12との間で接続され、シャフト26からの半径方向の位置(つまり、ここではウエハWの半径方向の位置)が正確に知られることを確実にする。一実施形態では、回転エンコーダー30は磁気回転エンコーダーであり得、光学回転エンコーダーまたは当業者に知られた他の有効な種類の回転エンコーダーが、シャフト26からの半径方向を感知および出力するために利用され得ることが理解される。図2においては、回転エンコーダー30のリードヘッド31aは、該リードヘッド31aがシャフト26に接続されるエンコードストリップ31bをアドレスするためにシャフト26に近接して配置される。シャフト26が回転するにしたがって、エンコードストリップ31bがリードヘッド31aを通って動くので、リードヘッド31aは直接的にまたは間接的に、シャフトからの半径位置を与えるデータ(つまり、ここではウエハWのデータ)を出力する。
【0056】
ドライブ29はさらに、機械サポート21に、特にそのシャフト26に接続される電源、つまりモーター32を有する。モーター32は、シャフト26(ここでは、ウエハ保持装置)を回転するように適合されている。図2に記載される実施形態において示されるように、ドライブ29のモーター32の出力33は、ベルト、チェーンまたはギア伝達によって、シャフト26に連結され得、これらのすべては、プーリー、つまりシーブ(sheave)38の周りを通るベルト35によって比喩的に示される。適切なガーディング(guarding)またはシールディング(図示せず)をベルト周りに備え得る。
【0057】
上述のように、ウエハ保持装置20の一実施形態では、上部プレート22はシャフト26に接続され、それゆえその垂直方向の位置に固定される。他方、下部プレート24は、ウエハWを選択的に握持および開放するために上部プレート22に関して動くように適合される。図2に示されるように、下部プレート24は上側にあり、開き位置では、下部プレート24は上部プレート22の近くに配置される。図3では、下部プレート24は下側に示され、閉じ位置では、下部プレートは上部プレート22から離れて配置される。上部プレート22は、その外周に複数のスペーサー34を固定している。他の実施形態においてスペーサー34は、それ自体で有効な形状を有し得、したがって、他の一般形状も有する空間を形成し得ることが理解されるが、一般的には、スペーサー34は上部プレート22から離れて下方向に伸び、その間にほぼ円柱状の空間を規定する。それぞれのスペーサー34は、内側の半径方向に伸びるリップ36を有する。スペーサー34のリップ36は、下部プレート24に対向し、下部プレートの下方向の移動限界を規定する。ウエハWは下部プレート24と、上部プレート22から伸びているスペーサー34のリップ36との間で固定される。
【0058】
スペーサー34は、それらの間にある下部プレート24を受容するのに十分遠くに離れて配置される。さらに、スペーサー22は、図3に示されるように、ウエハWが、その間に挿入可能であるような形式で配置される。図6によく見られるウエハ保持装置20の一実施形態では、上部プレート22は3つのスペーサー34を備えており、そのうち2つは突起37を持つリップ36を有し、この突起は前方に突出してウエハWの支持を提供しおよびフィンガー38に対向する。リップ36は、ウエハWの外周の大部分を支持し得るか、または、フィンガー38に対向するのみでウエハWを支持し得ることに注目したい。一実施形態では、ウエハWがスペーサー34とリップ36との間に挿入される間は、上部プレート22の外周の可変部分周りに伸びる1以上のスペーサーが使用され得、リップ36はスペーサー34および下部プレート24から内側にのびる。したがって、ある実施形態では、ウエハWは、その外周の2点、3点、4点等の位置に、実質的に外周全体で固定され得る。固定機構の一実施形態が図6に示される。
【0059】
一実施形態では、ウエハWは、リップ36と下部プレート24との間で直接固定される。図に示されるような他の実施形態では、下部プレート24は複数のフィンガー38を備え、これらはリップ36に対向し、それらの間にあるウエハWを固定する。フィンガー38が組み込まれる実施形態においては、ウエハWは、一般的には接触範囲が制限されるので、複数点として最もよく特徴付けられる離接位置に固定される。複数のフィンガー38が提供され得る。さらに、リップ36は表面の範囲を制限するように適応され得るが、これはリップ36が、対向するフィンガー38の接触範囲と実質的に同じである範囲上のウエハWと接触するためである。
【0060】
図5aから図5cは、フィンガー38のいくつかの実施形態を示す。フィンガー38は、図示されてない他の方法で適合し得ることに注目されたい。したがって、本発明は、まさに示されているこれらの実施形態に制限されない。図5aは、フィンガー38の理想的な実施形態を示す。フィンガー38の実施形態のそれぞれは、フィンガー38を下部プレート24、一定の実施形態では、ボルトまたは他のファスナーの孔への接続に必要なこれらの構造を組み込むベース部分40を有する。チップ42は、ベース部分40から下方に伸び、接触面43を有する。チップ42、および具体的には接触面43は、平面状、円状、面状、または他の形状または大きさであり得る。フィンガー38は、鉄材または非鉄材、プラスチック、および混合材のような材料から形成され得る。
【0061】
フィンガー38によってウエハWに適用される圧力を制限することが望まれるので、一定の実施形態では、ウエハWに関して下部プレート24の位置は慎重に制御され、適用される圧力を制限する。他の実施形態では、フィンガー38は、フィンガー38の接触面43の表面積の大きさを考慮に入れ、ウエハWに適用される圧力の大きさを制限する既定の弾性を有するように適応される。一実施形態では、ウエハWに適用される圧力は、約37オンスに制限される。図5aに示されるフィンガー38の実施形態は固体構造であり、ウエハWへの適用を慎重に制御し得る場合には、相対的に剛な材料から形成され得、フィンガー38の弾性変形の増加により下部プレート24からフィンガー38へ伝達される過度の力が補正される場合には、相対的に弾性材料から形成され得る。図5bはフィンガー38の一実施形態を示し、このフィンガー38はここに形成されるコンプライアンススロット44を有する。このスロット44は、フィンガー38のチップ42がフィンガー38の弾性定数または固有弾性を修正することにより適用し得る力の大きさを制限する。フィンガー38によって圧力がウエハWに適用されるので、フィンガー38は、スロット44があるために柔軟性をもつので、ウエハWに適用される圧力を制限する。図5において最もよく見られる他の実施形態では、これとは別に、柔軟性がない、硬質なフィンガー38が弾性構造39によって下部プレート24に接続され得、この弾性構造39は、フィンガー38と下部プレート24との間で、相対運動を許容する。フィンガー38によりウエハWにかかる応力は、下部プレート24および接触面43の表面積によりフィンガー38に適用された力の結果物であるので、一般的には、ある実施形態において、フィンガー38の弾性は、接触面43の表面積と逆の関係を有することが理解されることに注目されたい。弾性またはコンプライアントフィンガー38を使用するさらなる利益は、プレート22と24との間で誤配置がある場合に、弾性またはコンプライアントフィンガーは、ウエハWに適用される圧力を制限する間に誤配置に対応し得ることである。しかし、ウエハ保持装置20の他の利益は、ウエハWはプレート22、24との間の相対運動を実質的に除くような方法で固定され、ウエハWがその間で固定されるということである。
【0062】
プレート22、24は、ウエハ保持装置20上から落ち得る粒子から、プレート22と24との間で固定されるウエハWの表面を保護するように作用する。さらに、ウエハWは複数のプレートの間に固定され、下部プレート24はウエハWの表面に相対的に近く配置されるので、ウエハWの表面の上の空気の流れを回避または少なくとも阻害する澱んだ空気を伴う間隙が、下部プレート24およびウエハWの間で作られる。この澱んだ空気を伴う間隙は、ウエハWの表面上に存在するようになるエアーボーム(airbome)微粒子および混入物に対する障害物として作用する。
【0063】
下部プレート24は、上部プレート22に形成される孔50に通している複数の支持カラム48によって、支持および上げ下げされる。多いに越したことはないが、少なくとも1つの支持カラム48が必要とされる。一実施形態では、下部プレート24は、3つの支持カラム48に支持される。支持カラム48の滑らかな垂直運動を確保するために、およびカラムの横方向の運動を最小化するために、孔50は直線ベアリングまたはブシング(bushing)52を備え得る。支持カラム46のそれぞれの先端は、制御ヨーク(control yoke)54に接続される。垂直力を制御ヨーク54に適用する場合、下部プレート24は、上部プレート22に関して垂直に移動させられ得る。この方式では、上部プレート22と下部プレート24との間でウエハWを安全に保持するために必要とされる固定力が適用および開放され得る。
【0064】
1以上のアクチュエーター56によって、力が制御ヨーク54に適用される。アクチュエーター56は、二重または単一作用油圧または空気圧シリンダ、ソレノイド、ボールねじ(ball screw)メカニズム、または当業者に知られた他のタイプの直線アクチュエーターであり得る。図2に示される実施形態において、アクチュエーター56は単一作用空気圧シリンダである。それぞれのアクチュエーターは、ボディー(body)58を有し、このボディーはこれを通る気筒59をもつ。ピストンヘッド60は、気筒59内に収容され、および圧縮空気またはその他のガスが、ピストンヘッド60とショルダー61および62のそれぞれとの間の気筒59に導入されると、上部ショルダー61および下部ショルダー62の間を往復可能である。ピストンヘッド60に取り付けられたシャフト63は、アクチュエーター56から制御ヨーク54へ原動力を伝達する。シャフト63は、シャフトに取り付けられる止めワッシャーを有し、このワッシャーは、上部の力が制御ヨーク54の回転を制限することなく、ここに適用されることを許容するように、制御ヨーク54に係合して、制御ヨーク54が上部プレート22および下部プレート24とともに回転する。他方、アクチュエーター56は一般的に、システム10のシャーシ12に固定される。明らかなように、好ましい実施形態では、図7により、制御ヨーク54は輪状であり、ヨーク断面のみが見られる。
【0065】
一実施形態では、バネ66は、上部プレート22と下部プレート24との間に配置され、下方向つまり閉じ位置に下部プレート22を偏らせる。結果として、力の損失が存在し、およびシステム10が停止するとしても、ウエハWは、上部プレート22と下部プレート24との間に安全に固定されたままである。バネ66が省略される実施形態においては、バネ66の作用を増大しまたはバネ66を置換するのと同様に、アクチュエーター56にバネ荷重をかけ得る(示されていない)ことに注目されたい。ある実施形態では、上部プレート22は概して、少なくとも一部にバネ部分66を有する円筒ハウジング68を備える。同様にして、ある実施形態では、下部プレート24は概して、バネ部分66を少なくとも一部に有する円筒状のハウジング70を有し得る。上述したある実施形態では、上部プレートおよび下部プレートのそれぞれのハウジング68および70は、バネ66を完全に内蔵するように伸縮して重なりあう。他の実施形態では、ハウジング68および70は部分的にのみ伸縮して重なりあう。
【0066】
一実施形態では、ウエハ保持装置20は、図4によく見られるように、駆動メカニズム80によって支持および回転される。駆動メカニズム80は、上部プレート22の上面に直接接続される空気軸受82を有する。内蔵モーター84は、空気軸受82の上面に接続される。空気源(示されていない)は、ウエハ保持装置20を支持するために、およびその円滑な回転を促進するために、空気軸受に接続される。回転力は、内蔵モーター84から伝達され、この内蔵モーターは、一実施形態において、空気軸受82を通って、ウエハ保持装置20の上部プレートに通じるブラシレス電気モーターである。
【0067】
一実施形態では、内蔵モーター84は、1以上の永久磁石87を確保する回転器86を有する。回転器86は固定器88内に配置され、固定器は、電源と電気的に接続される1以上のコイル89をその中に有している。コイル89は選択的に、回転器の磁石88と相互作用するために電圧を印加され、ここに回転運動を与える。空気軸受を通して、ウエハ保持装置20を、回転電源と接続することの一つの利益は、ウエハ保持装置20に強いられる垂直運動がほとんどないということである。その結果として、メカニズム20に固定されるウエハWは、ウエハを偏らせ得る垂直力をほとんど受けない。
【0068】
図4に示される一実施形態におけるウエハ保持装置20の回転位置は、図2および図3中に示される実施形態とともに記載される種類の回転符号器30により、直接決定される。特には、リードヘッド31aは内蔵モーター84の固定器に接続され、回転器86に接続された符号化リング(encoding ring)31bに係合する。
【0069】
使用時には、ウエハ保持装置20は、図2に示されるように、開き位置から開始する。この位置においては、下部プレート24は上部プレート22の近くに移動し、その結果、フィンガー38がリップ36から離れて動く。その後、ウエハWは、ウエハ保持装置またはウエハ移送メカニズムHにより、または操作器により、フィンガー38とリップ36との間に挿入され得る。いったんウエハWが、上部プレート22と下部プレート24との間の所望位置にあると、下部プレート24は、図3に見られるように、その開き位置から閉じ位置に移るように作用する。図3において、ウエハWは、その性質に依存する位置の規定数により、およびフィンガー38およびリップ36の規定数により、下部プレート24のフィンガー38と上部プレート22のリップ36との間に固定される。このゾーンの外側からウエハWを固定するように、リップ36およびフィンガー38を組立ておよび配置することは可能であるが、これがよくあらわされる実施形態では、ウエハWは、そのエッジ排除ゾーン(図6にEとして参照される)として上記されるものでのみ固定されることに注目されたい。
【0070】
いったんウエハWが、ウエハ保持装置20のプレートの間に固定されると、保持装置20は、このウエハWの表面全体(本実施形態では、ウエハWの下面つまり裏面)を画像化する画像メカニズム100に関して回転する。ウエハ保持装置20の再設定のみによって、ウエハ表面にアクセスし、画像化することも可能であることが理解される。一実施形態では、画像メカニズム100は、面走査カメラ、および関連する光学縦列を有し、および他の実施形態では、画像メカニズム100は、直線走査カメラおよび関連する光学縦列を有する。ある実施形態では、画像メカニズム100は、ウエハWが回転するにつれ、ウエハWに関して高速で動く。他の実施形態では、画像メカニズム100は、ウエハWが回転するのとは反して、固定し続ける。
【0071】
ウエハ保持装置20およびその中に固定されるウエハWは、上述されるドライブ29または80、または当業者に知られたタイプの他の回転電源により回転される。回転符号器30は、ウエハWの回転位置をトラックし、画像メカニズム100によって取り込まれる画像によりその位置を整合する。ウエハ表面の画像は個々に検査または調査され得、またはステッチ(stitch)され得、またはそうでなければ1回で表面全体を見るために、ウエハの裏面を大きな画像に併合することに注目されたい。さらに、画像システム100により取り込まれる画像に関するデータが、リモートコンピュータまたは他の処理装置に伝送された後に、このような検査は、コントローラー16上のシステム10内または遠隔的に起こり得る。
【0072】
半導体デバイスの製造時に使用される種類のウエハを固定するためのウエハ保持装置は明細書中に記載される。このメカニズムは、半径方向に内側にオフセットして伸びる、少なくとも1つのリップを定義する複数のオフセットをもつ第1プレートを有する。第2のプレートは、第2のプレートに接続される1以上のフィンガーが、第1プレートから決定するリップに対向するように、第1プレート、および一般的には第1プレートとリップとの間に隣接して配置される。第2のプレートが閉じ位置に移動する場合、少なくとも1つのリップ、および1以上のフィンガーが協同して、その間にあるウエハの端を固定する。ウエハ保持装置は、ウエハの画像を取り込むための画像メカニズムが起動する前に、ウエハを回転させるドライブに接続される。
【0073】
(結論)
本発明の特定の実施形態を明細書中に示し、および記載したが、同目的を達成しようとするいずれの置換物も、示された特定の実施形態に代替され得ることは当業者によって理解される。本発明の多くの適応は、当業者にとって明らかである。したがってこの適用は、本発明の適応物または変形物に及ぶことが意図される。本発明は、添付された請求の範囲およびその均等物にのみに制限されるということが明白に意図される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態による、ウエハ保持装置を有するウエハ検査システムの斜視図である。
【図2】ウエハ保持装置の実施形態の模式的な立断面を示しており、該ウエハ保持装置がウエハを受容するために配置され、該ウエハ保持装置がウエハの裏面を画像化するための画像メカニズムついて示される。
【図3】図2のウエハ保持装置の模式的な立断面であり、該ウエハ保持装置がウエハを固定した状態を示す。
【図4】ウエハ保持装置の他の実施形態の模式的な断面図であり、そのメカニズム中で、ウエハ保持装置を支持する空気軸受によってウエハ保持装置に接続される。
【図5】図5Aは、ウエハ保持装置の固定フィンガーの一実施形態を示す。図5Bは、ウエハ保持装置の固定フィンガーの第2の実施形態を示す。図5Cは、ウエハ保持装置の固定フィンガーの第3の実施形態を示す。
【図6】ウエハを固定するためのフィンガーの配置を示す、ウエハ保持装置の一実施形態の模式的な底図である。
【図7】ウエハ保持装置の一実施形態の一部の模式的な拡大断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ保持装置に固定される少なくとも1つのスペーサーを有する第1プレートであって、該スペーサーが該第1プレートから離れて伸び、およびその先端から半径方向内側へ伸びる少なくとも1つのリップを有する第1プレート;
ウエハ保持装置に接続される少なくとも1つのフィンガーを有する第2プレートであって、該第2プレートが該第1プレートとほぼ同一平面にあり、および該スペーサーのリップおよび上部プレート間にほぼ位置し、該リップおよび第1プレートの間の距離により、下部プレートが上部プレートに関して移動可能となり、第2プレートが該第1プレートに関して開き位置にある場合には、該フィンガーが該リップから離れて位置し、および該第2プレートが該第1プレートに関して閉じ位置にある場合には、該フィンガーおよび該リップが協同的にフィンガーおよびリップの間にあるウエハ規定部分を握持するように、少なくとも1つのフィンガーが該第2プレート上に配置される該第2プレート、
を有するウエハ保持装置。
【請求項2】
その間に実質的に空気の停留空間が形成されるように、前記第2プレートが前記第1プレートおよび前記第2プレートの間に固定されるウエハに十分近くに配置される、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項3】
前記ウエハ保持装置を回転するために、前記第1プレートに接続されるドライブ装置をさらに有する、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項4】
前記ドライブ装置が、前記第1プレートに接続されるモーターをさらに有する、請求項3に記載のウエハ保持装置。
【請求項5】
前記モーターが、空気軸受により前記第1プレートに接続される、請求項4に記載のウエハ保持装置。
【請求項6】
前記モーターがブラシレスな電気モードを有する、請求項4に記載のウエハ保持装置。
【請求項7】
少なくとも1つのカラムにおいて、第2プレートがウエハ保持装置に接続され、該カラムが該第1プレートにおける少なくとも1つの孔を通過し、該カラムおよび該孔が、該カラムが該孔内で直線的に往復運動することを許容するように形成されおよび配置され、該カラムが、ヨークに接続される該第2プレートに接続されるカラム端と反対側に遠位端を有し、該ヨークがアクチュエーターと係合するように形成および配置され、該ヨークおよび該カラムにより、該アクチュエーターの運動が該第2プレートへ伝達され、該アクチュエーターが開き位置および閉じ位置の間で該第2プレートを作動するように適合されている、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項8】
少なくとも2つのカラムにより、前記第2プレートが前記ヨークに接続される、請求項7に記載のウエハ保持装置。
【請求項9】
前記ウエハ保持装置の回転位置に関係なく、前記ヨークが前記アクチュエーターと係合するように適合される、請求項7に記載のウエハ保持装置。
【請求項10】
前記アクチュエーターが少なくとも2つのシリンダであり、該少なくとも2つのシリンダが、前記ウエハ保持装置に関して静止している構造物に接続される、請求項7に記載のウエハ保持装置。
【請求項11】
前記アクチュエーターが第1位置に付勢され、前記第2プレートに接続される付勢機構によって、それが前記第2プレートが閉じ位置に向かって付勢されることを許容する、請求項7に記載のウエハ保持装置。
【請求項12】
前記少なくとも2つのシリンダが油圧式シリンダおよび空気圧式シリンダのうちの1つである、請求項10に記載のウエハ保持装置。
【請求項13】
互いに約120°開いた位置に前記ウエハを握持するように適合される3つのフィンガーを有する、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項14】
少なくとも1つのフィンガーが中実構造である、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項15】
前記フィンガーの接触面がウエハと接触する場合に、接触面を有するフィンガーの一部が弾性的に変形するように、前記少なくとも1つのフィンガーが、該フィンガーに形成されるスロットを有する中実構造である、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項16】
前記フィンガーが前記ウエハと接触するようになる場合に、前記フィンガーが前記第2プレートに関して移動し得るように、前記少なくとも1つのフィンガーが前記第2プレートに弾性的に接続される、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項17】
前記第2のプレートがその閉じ位置にある場合、少なくとも1つのフィンガーが、ウエハに適用される圧力の大きさを弾性的に制限するように適合される、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのフィンガーの弾性が、少なくとも1つのフィンガーによって、前記ウエハに適用される圧力を最大37オンスに制限する、請求項17に記載のウエハ保持装置。
【請求項19】
前記第2のプレートをその閉じ位置に付勢するために、前記第1プレートおよび第2プレートのうち少なくとも1つに接続される付勢機構をさらに有する、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項20】
前記付勢機構が、前記第1プレートおよび前記第2プレートの間に配置されるスプリングである、請求項19に記載のウエハ保持装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つのフィンガーが、前記第2のプレートが閉じ位置にある場合に、前記第1プレートと前記第2プレートと間の誤配置の規定量を弾性的に収容するように適合される、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項22】
前記第1プレートが、前記第2プレートのほぼ上側に向けられる、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項23】
前記第1プレートが、前記第2プレートのほぼ下側に向けられる、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項24】
前記ウエハ保持装置がウエハを握持し、ほぼ水平方向に該ウエハを保持する、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項25】
前記フィンガーおよび前記リップが、前記ウエハと前記フィンガーおよび前記リップと間において実質的に無関係に移動することを特徴とする方式でウエハを保持する、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項26】
前記第2のプレートがその閉じ位置にある場合に、前記フィンガーが、前記ウエハのエッジ除外ゾーンのみで接触するウエハ接触面を有する、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項27】
前記ウエハ保持装置により握持されたウエハが、前記ウエハのエッジ除外ゾーンの範囲内のみで支持される、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項28】
前記ウエハの外周付近、および前記ウエハのエッジ除外ゾーンの1以上の位置においてウエハを握持するためのウエハ保持手段であって、該ウエハがほぼ水平方向に保持される手段;
前記ウエハ保持装置を移動するための前記ウエハ保持装置に接続される駆動手段;および
前記ウエハがイメージメカニズム関して移動する場合に、前記ウエハの画像をキャプチャーする画像化手段;
を有する、ウエハ表面検査システム。
【請求項29】
前記ウエハ保持手段が:
少なくとも1つの固定されたスペーサーを有する第1プレートであって、該スペーサーが該第1プレートから離れて広がり、そこから半径方向内側に広がる少なくとも1つのリップを有する第1プレート;
接続される少なくとも1つのフィンガーを有する第2プレートであって、該第2プレートが、該第1プレートとほぼ同一平面にあり、該スペーサーのリップおよび上部プレートの間にほぼ位置し、前記リップおよび該第1プレート間の距離が、下部プレートが上部プレートに関して動くことを許容するようにあり、該第2プレートが該第1プレートに関して開き位置の場合に、該フィンガーが該リップから離れて位置し、かつ該第2プレートが該第1プレートに関して閉じ位置にある場合、該フィンガーおよび該リップが共同してウエハの規定部分を握持するように、該フィンガーが該第2のプレート上に位置する、第2プレート;
をさらに有する、請求項28に記載のウエハの表面検査システム。
【請求項30】
開き位置および閉じ位置相互間の前記第2プレートを移動するために該第2プレートに接続されるアクチュエーター手段をさらに有する、請求項29に記載のウエハの表面検査システム。
【請求項31】
その閉じ位置に向けて前記第2プレートを付勢するための付勢手段をさらに有する、請求項29に記載のウエハの表面検査システム。
【請求項32】
ウエハ保持装置と前記ウエハとの間で実質的に無関係な動きがあるように外周付近のみのウエハを握持する工程;
ウエハの水平面を維持しながら、前記ウエハの表面に実質的に垂直な軸周りにウエハを回転する工程;および
前記ウエハの表面が画像化メカニズムを通過して回転する場合に、ウエハの表面の画像をキャプチャーする工程、
を有するウエハの表面検査方法。
【請求項33】
前記ウエハの表面の変形を特徴付ける工程;および
前記ウエハ変形の特徴由来のデータを使用して、ウエハの表面の画像が実質的な焦点を保持することを確実にするために、焦点メカニズムを調節する工程、
を包含する、請求項32に記載のウエハの表面検査方法。
【請求項34】
ウエハ表面の変形を特徴付けることが:
少なくとも一部でウエハの物理的特長、および固定されたウエハの境界条件に基づくウエハの表面の予測変形をモデリングする工程;
形状データを得るために実際のウエハの少なくともある一部を計測する工程;および
該形状データを使用して、ウエハ表面の予測変形のモデルを正規化する工程、
を有する、請求項33に記載のウエハ表面検査方法。
【請求項35】
上部握持要素および下部握持要素が第1の開き位置および閉じ位置を有するウエハ保持装置であって、該上部握持要素および該下部握持要素が、該第1の開き位置の場合に、ウエハを受け取るように適合され、該ウエハがこれと握持要素との間に固定される場合には、該ウエハおよび該握持要素との間で相対運動がないような形式で、該ウエハのエッジ除外ゾーン内で該ウエハの端を握持するように適合され、該上部握持要素および下部握持要素はさらに実質的に該ウエハの下側の全領域が検査メカニズムに対してアドレス可能であるように適合されている、ウエハ保持装置。
【請求項36】
請求項35に記載のウエハ保持装置であって、前記上部握持要素および前記握持要素がそれぞれ:
第1プレートに固定される少なくとも1つのスペーサーを有する該第1プレートであって、該スペーサーが該第1プレートから離れて伸び、および該第1プレートの遠位端から半径方向内側へ伸びる少なくとも1つのリップを有する第1プレート;および
第2プレートに接続される少なくとも1つのフィンガーを有する該第2プレートであって、該第2プレートが該第1プレートとほぼ同一平面であり、およびほぼ該スペーサーのリップおよび該上部プレートの間に位置し、該リップと該第1プレートとの間の距離が該下部プレートが上部プレートに関して移動することを許容するようにあり、該少なくとも1つのフィンガーが、該第2プレートが該第1プレートに関して該開き位置である場合には、該フィンガーが該リップから離れて位置し、該第2プレートが該第1プレートに関して閉じ位置にある場合には、該フィンガーおよび該リップが該フィンガーおよび該リップの間でウエハの規定部分を協同して握持するように第2プレート上に位置する、第2プレート、を有するウエハ保持装置。
【請求項37】
前記上部握持要素および前記下部握持要素が約120°離れた3箇所で該ウエハを握持する、請求項35に記載のウエハ保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−49880(P2006−49880A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−203706(P2005−203706)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(501018841)オーガスト テクノロジー コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】