説明

エポキシ樹脂及びポリエステル系発泡性組成物

a)1以上のエポキシ樹脂、b)1以上の硬化剤、c)1以上の発泡剤及びd)1以上のポリエステルを含む発泡性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂及びポリエステル含有発泡性、硬化性組成物に関する。そのような組成物は、改善した流動特性を有することができ、強化及び/又は補強構造部材等(例えば、強化及び/又は補強薄壁建築部品)として有用であり、金属表面と接触に際して耐食性があるフォームを製造することができる。
【背景技術】
【0002】
いくつかの産業(例えば、自動車産業)では、強くて軽量である部品を必要としていることが知られている。強度及び軽量の間のこのバランスをとる1つの試みは、中空金属部品を提供することである。しかし、中空金属部品は容易にひずむ。従って、中空部品の空洞での構造フォームの存在がそのような部品の強度及び補強性を改善することができることも知られている。同様に、ドア、屋根部品、エンジンフード又はトランク蓋等の自動車本体の平らな部品について、発泡性又は非発泡性エポキシ樹脂又はポリウレタン樹脂系の層状ラミネートをこれら部品に適用し、ともに堅固にそれらを結合させることにより、これらの部品の強度及び補強性を増加させることも知られている。
【0003】
そのようなフォームは、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、発泡剤及び中空ガラスマイクロスフェアのようなフィラーを含むかもしれない。好ましくは、これらのフォームは、約20〜40lb/ft(約0.30〜0.80g/cc)の密度を有し、175℃を上回る、より好ましくは、200℃を上回る加熱に耐えることができるものである。任意成分は、硬化剤、加工助剤、安定化剤、着色剤及び紫外線吸収剤を含む。
【0004】
構造フォームの特別な組成は、広く変化させることができる。例えば、構造強化及び補強分野で有用な発泡性エポキシ樹脂系組成物は、以下の米国特許と出願に記載されている。第5,575,526号、第5,755,486号、第6,403,222号、第6,376,564号、第6,348,513号、第6,218,442号、第6,103,784号、第6,573,309号、第2004-0266899号及び第2006-188726号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)。
【0005】
構造強化フォームの1つの特徴は、硬化する際、それらはガスポケット(セル)を作る発泡性樹脂として硬化を開始するということである。通常の環境条件にさらされると、これらのセルは塩及び水を閉じ込めるかもしれない。塩及び水は、金属部品(一般にフォームと接触している)を腐食し、結果として生じる金属酸化物がフォームの金属への接着能を低下させる。結局、フォームは金属部品から分離し、それによって部品を脆弱化させる。従って、そのような腐食条件に対する耐性を向上させた新しい構造強化フォームを開発することが望まれる。
【0006】
今日、三次元構造フォーム部品は、通常射出成形プロセスによって製造される。30℃を上回る温度での材料の粘着性のために、射出成形による部品の製造用の原料は、粒状形態で用いることができない。それでも、このプロセスによって部品を製造し得るために、射出成形装置の原料供給に費用のかさむ改良をしなければならない。特別な供給システムが必要であり、それゆえに、すべての市販の射出成形装置で部品を製造することはできない。
【0007】
より高い融点を有する処方が、約40℃に軟化点を高めるために用いられ、よって、構造フォーム部品が、金型に充填するために、より高い温度で、射出成型装置で加工されている。よって、組成物の硬化反応が開始するが、95℃を上回る温度は可能ではなく、これは、機械の閉塞をもたらすであろう。
【0008】
この分野で認識されている問題を考慮して、発明者は、補強及び/又は強化板金又は金属中空物のための成形物を製造するための発泡性組成物の開発に努力しており、それは、
45℃まで粘着性でなく(つまり、非粘着性である)、
好ましいパッケージングを可能にし、
顆粒化が可能であり、
寸法安定な部品を与え、
以前から知られている組成物と比較して機械的特性を低減せず、
成形物が発泡、硬化及び金属表面に付着した際、良好な耐食性を示し、及び/又は
成形プロセスに対する標準的な射出成形装置の使用を可能とする。
【発明の開示】
【0009】
驚くべきことに、構造強化フォームの処方に添加されると、ポリエステルが、腐食抑制剤として作用し得ることを新たに見出した。つまり、ポリエステルの存在が、補強フォームと接触する金属表面(特に、スチールのような鉄金属を含む表面)で起こる腐食量を低減する。そのような表面に接着するポリエステル改変フォームは、ポリエステルを含まないフォームと比較して、腐食環境条件への暴露(例えば、塩水及び湿気への暴露)の後、かなり増加した接着強度を示すことができる。また、発泡性組成物へのポリエステルの導入は、さらに、容易に小球化することができる発泡性組成物を提供するという予想外の利点を有し、45℃までの温度で非粘着性の表面を有し、従来の機械を使って、望ましい寸法安定を有する形状又は構成に射出成形することができる。
【0010】
発泡性組成物は、1以上のポリエステルに加えて、1以上のエポキシ樹脂、1以上の硬化剤及び1以上の発泡剤を含むことができる。発泡性組成物は、さらに1以上のフィラー、特に、中空ガラスマイクロスフェア、ガラス繊維及び/又は雲母フィラーを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の発泡性組成物は、1以上のポリエステルの存在を特徴とする。適切なポリエステルは、ポリマー又はオリゴマーの骨格に複数のエステル結合を含み、室温で液体(0℃未満のガラス転移温度)であってもよく、ガラス様(固体)及びアモルファス(0℃を超えるガラス転移温度)又は結晶(例えば、40〜125℃、好ましくは50〜90℃の融点を有する)であってもよい、オリゴマー及びポリマー物質を含有する。そのような物質は、例えば、400〜20000又は1000〜6000の範囲の数平均分子量を有するかもしれないが、より高分子量のポリエステルを使用することもできる。ポリエステルの末端基の性質は重要であると考えられていないが、ポリエステルポリオール(末端OH基を有するポリエステル)は、本発明において特に適していると見出されたポリエステルの1種である。必要に応じて、使用されるポリエステルのタイプは、特定のニーズに合致させるために発泡性組成物の特性を変化するように選択することができる。例えば、比較的低い溶融粘度を有するが、中等度に高い融点(例えば、50〜90℃)を有する結晶ポリエステルを利用することは、室温での発泡性組成物の表面粘着性を低減させる手助けになり、発泡性組成物を容易に加工することを可能にし、存在する潜在硬化剤及び/又は発泡剤の時期尚早の活性化を回避するために十分に低い、昇温(典型的には、約60〜100℃)での取り扱い(例えば、射出成形)を可能にする。
【0012】
本発明の特定の実施形態では、ポリエステルは、室温(すなわち18〜25℃、好ましくは22℃)で固体であり、2000〜9000の分子量(Mn)、50〜100℃の融点を有する。結晶質、部分的に結晶質、あるいは硝子体でもあるアモルファスポリエステルが特に好ましい。ポリエステルは、水酸基を有していてもよく、例えば、ポリエステルは、50〜10、好ましくは40〜15mgKOH/gの水酸基価を有することができる。それらの酸価は、可能な限り低くすべきであり、2〜5mgKOH/gを上回ってはならない。
【0013】
適切なポリエステルは、限定されることなく、例えば、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、スベリン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、3,3−ジメチルグルタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、二量体脂肪酸又はそれらの混合物のようなジ又はトリカルボン酸(脂肪族、芳香族、不飽和及び/又は飽和酸を含む)と、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、オクタン−1,8−ジオール、デカン−1,10−ジオール、ドデカン−1,12−ジオール、二量体脂肪アルコール、グリセロール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン又はそれらの混合物等の低分子量ジオール又はトリオール(脂肪族、芳香族、飽和及び/又は不飽和ジオール又はトリオールを含む)との縮合によって得られる液体、ガラス様及びアモルファス又は結晶質ポリエステルを含む。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のオリゴマー又はポリマーのような複数の反復エーテル含有部位(例えば、オキシアルキレン基)(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコール)を含むジオール又はトリオールの使用は、ポリエーテルエステル(また、ポリエステルエーテルともいう)を提供し、それは、本発明のポリエステル成分としての使用にも適する。
【0014】
また、ε−カプロラクトンに基づくポリエステル(ポリカプロラクトンとしても知られている)及びオレオケミカル(oleochemical)起源のポリエステルポリオールを用いてもよい。オレオケミカルポリエステルポリオールは、例えば、少なくとも部分的にオレフィン化した不飽和脂肪酸と炭素数1〜12の1以上のアルコールとを含有する脂肪酸混合物のエポキシ化トリグリセリドの完全な開環及びそれに続く炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルエステルポリオールを形成するためにトリグリセリド誘導体の部分エステル交換によって得ることができる。ブロック構造を有するポリエステルは、本発明においても用いることができ、少なくとも1つのポリマーブロックがポリエステルブロックであり、少なくとも1つのポリマーブロックがポリエステル以外のポリマー(例えば、ポリエーテル)であるブロック共重合体を含む。
【0015】
特に好ましいポリエステルは、少なくとも本発明のある実施形態のために、50℃までの温度で固体であり、60〜80℃の狭い温度範囲で液体に急激に変化するものを含む。射出成形プロセスでは、これは、約80〜95℃の処理温度で、そのようなポリエステルを用いて製造された発泡性組成物の粘度の顕著な低下をもたらす。同様に、それらから製造された成形部品を冷却することにより、ポリエステルの固化ステップは、好ましくは、射出金型を開けることができ、寸法安定部品を得ることができるため、リバーシブルである。
【0016】
適切なポリエステルは、市販品源から容易に入手することができ、例えば、アモルファスポリエステル類のDYNACOLL 7100シリーズ、液体ポリエステル類のDYNACOLL 7200シリーズ及び特に結晶質のポリエステル類のDYNACOLL 7300シリーズ等のDYNACOLL 7000シリーズ(Degussa/Creanovaによって供給される)を含む。他の適切な市販のポリエステル類は、GRILTEX D1582E のようなEMS-Griltechから入手可能なGRILTEX コポリエステルを含む。
【0017】
十分なポリエステルを、発泡性組成物から形成された構造強化フォームが金属部品の表面と接触する際に起こる腐食の程度を低減するために、発泡性組成物に取り込むことができる。ポリエステルの最適量は、使用のために選択されるポリエステルの性質及び金属表面の種類、他の要因等によって多少変化するが、通常の実験で容易に決定することができる。しかし、これまで、発泡性組成物の総重量に対して約0.1〜約20重量%の範囲でのポリエステルの総量が、一般に有効であることを見出している。加熱された際、周囲温度での発泡性組成物の表面粘着性を改変及び/又はその流動特性を改変する目的でポリエステルが添加される場合、同程度のポリエステル濃度が、通常用いられる。
【0018】
ポリエステルに加えて、好ましい発泡性処方は、約35重量%〜約60重量%の1以上のエポキシ樹脂、約10重量%〜約60重量%の1以上のフィラー(これらフィラー又はいずれかの他のフィラーを、腐食耐性、表面粘着性及び/又は加工特性を改善するために、ポリエステルのために存在させることが必要ではないが、中空ガラスマイクロスフェア、雲母フィラー、炭酸カルシウム及び/又はガラス繊維が特に好ましい)、約0.1重量%〜約5重量%の1以上の発泡剤及び約0.1重量%〜約15重量%の1以上の硬化剤を含有することができる。
【0019】
また、発泡性組成物は、他の添加物(例えば、発泡剤活性/促進剤、粘着促進剤(例えば、シラン)、強化/柔軟剤、チキソトロピー/流動制御剤、着色剤及び安定化剤)の有効量を含有していてもよい。ともに混合した場合、発泡及び硬化前に、いずれかの好ましい形状に容易に成形又は形成することができる粘稠度の発泡性組成物を提供すし、寸法安定性及び好ましくは室温で非粘着性である処方成分を選択することが特に有利である。
【0020】
1分子につき平均1以上(好ましくは約2以上)のエポキシ基を有する、公知の又は文献記載のエポキシ樹脂のいずれかを、本発明のエポキシ樹脂成分として利用することができる。
【0021】
分子につき少なくとも2つの1,2−エポキシ基を有する多数のポリエポキシドが、適切なエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂は、例えば、the Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, Volume 6, pp. 322-382 (1986)第2版の「Epoxy Resins」の章に記載されている。これらポリエポキシドのエポキシ当量は、例えば、150〜50000、好ましくは170〜5000の範囲で変化させることができる。基本的に、ポリエポキシドは、飽和、不飽和、環状もしくは鎖状、脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環式ポリエポキシド化合物とすることができる。典型的なエポキシ樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、ピロカテコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタンもしくは1,5−ヒドロキシナフタレン等の多水酸基フェノール、あるいは、グリセリン及びポリエチレングリコール等の多水酸基のアルコールと、エピクロルヒドリン等のハロエポキシドとの反応によって得られるポリグリシジルエーテル;p−ヒドロキシ安息香酸又はβ−ヒドロキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリン等との反応によって得られるグリシジルエーテルエステル;フタル酸、テトラヒドロフタル酸又はテレフタル酸等のポリカルボン酸とエピクロロヒドリン等との反応によって得られるポリグリシジルエステル;エポキシ化フェノール−ノボラック樹脂(また、フェノールノボラック化合物のポリグリシジルエーテルとも呼ばれる);エポキシ化ポリオレフィン;グリシジル化アミノアルコール化合物及びアミノフェノール化合物、ヒダントインジエポキシド並びにウレタン改変エポキシ樹脂を含む。
【0022】
エポキシ樹脂の混合物は、例えば、液体(室温で)、半固体及び/又は固体エポキシ樹脂の混合物を使用することが望ましい場合に、使用することができる。市販源のエポキシ樹脂のいずれかが、本発明の使用のために適している。好ましくは、エポキシ樹脂は、約150〜1000(例えば、約300〜約700)のエポキシド当量分子量を有する。
【0023】
ビスフェノールAのグリシジルエーテルに基づくエポキシ樹脂の使用は、特に有利である。エポキシ樹脂は、好ましくは1分子につき平均約2つのエポキシ基を含み、発泡性組成物及び最終硬化フォームの双方の好ましい特性の組み合わせを提供するように選択すべきである。本発明の特定の実施形態では、発泡性組成物は、室温で固体であり及び/又は700より大きな分子量(Mn)を有する少なくとも1つのエポキシ樹脂を含有する。
【0024】
本発明で利用されるエポキシ樹脂の硬化は、そのような樹脂を硬化させるために当該分野で公知の化学材料のいずれかの添加によって達成してもよい。そのような材料は、時々、ここでは「硬化剤curatives」と称し、また、硬化剤(curing agent)、硬化剤(hardener)、活性化剤、触媒又は促進剤として当該分野で知られた物質を含む。特定の硬化剤が触媒作用によって硬化を促進する一方、多成分は、樹脂の反応に直接関与し、合成樹脂の縮合、鎖拡張及び/又は架橋によって形成される熱硬化性ポリマーネットワークに取り込まれる。窒素を含有する化合物である少なくとも1つの硬化剤を使用することが特に好ましい。そのような硬化剤(エポキシ樹脂を硬化することに有用な他の硬化剤とともに)は、上述したEncyclopedia of Polymer Science and Engineeringの章に記載されている。好ましくは、本発明の熱発泡性、熱硬化性組成物において有用な硬化剤のための選択基準の一つは、本来、樹脂系において室温で低溶解性物質であり、その結果、固体で、細かい粉末硬化剤がここで優先され、特に、ジシアンジアミドが適している。これは、室温で組成物の良好な貯蔵安定性を確実にする。
【0025】
硬化剤として有用な適切な窒素含有化合物は、アミノ化合物、アミン塩類及び第四アンモニウム化合物を含む。それらは、以下の化合物から選択することができる。グアニジン、置換グアニジン、置換尿素、メラミン樹脂、グアナミン誘導体、環状第三アミン、芳香族アミン及び/又はそれらの混合物。硬化剤は、化学量論的に硬化反応に取り込まれるかもしれず、それらはまた、触媒的に活性かもしれない。置換グアニジンの例は、メチルグアニジン、ジメチルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、メチルイソビグアニジン、ジメチルイソビグアニジン、テトラメチルイソビグアニジン、ヘキサメチルイソビグアニジン、ヘプタメチルイソビグアニジンであり、特にシアノグアニジン(ジシアンジアミド)である。
【0026】
アルキル化ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂又はメトキシメチルエトキシメチルベンゾグアナミンが、適当なグアナミン誘導体の典型例として挙げることができる。特に好ましい窒素含有化合物の種類は、アミン−エポキシ付加物、イミダゾール、尿素及びグアニジンを含む。本発明の1つの好ましい実施形態では、これらの窒素含有化合物の2以上の異なる種類が組合せて用いられる。
【0027】
触媒活性置換尿素は、上述した硬化剤に加えて又は代わりに用いることができる。これらは、特に、p−クロロフェニル−N,N−ジメチルウレア(モニュロン)、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア(フェヌロン)又は3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチルウレア(ジウロン)である。原則として、第三アクリル又はアルキルアミン、例えば、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノ)フェノール、ピペリジン又はピペリジン誘導体等を用いることができるが、多くの場合、これらは発泡性組成物において極端に高い溶解性を有するため、一成分系の有効な貯蔵安定性はここで成し遂げられない。
【0028】
さらに、種々の、好ましくは固体イミダゾール誘導体を、触媒活性促進剤として用いることができる。それらは、代表的には、2−エチル−2−メチルイミダゾール、N−ブチルイミダゾール、ベンズイミダゾール並びにN−C1〜C12アルキルイミドゾール又はN−アリールイミダゾールが挙げられる。また、アミノ化合物及びエポキシ樹脂の付加物は、上述した硬化剤への適当な促進剤添加物である。適切なアミノ化合物は、第三脂肪族、芳香族、環状アミンである。典型的な適切なエポキシ化合物は、ビスフェノールA又はFあるいはレゾルシノールのグリシジルエーテルに基づくポリエポキシドである。
【0029】
そのような付加物の特定の例は、第三アミン(例えば、2−ジメチルアミノエタノール、N−置換ピペラジン、N−置換ホモピペラジン、ビスフェノールA又はFあるいはレゾルシノールのジ又はポリグリシジルエーテルにおけるN−置換アミノフェノール)である。
【0030】
そのようなアミン−エポキシ付加物は、当該分野で公知であり、例えば、米国特許第3,756,984号、第4,066,625号、第4,268,656号、第4,360,649号、第4, 542,202号、第4,546,155号、第5,134,239号、第5,407,978号、第5,543,486号、第5,548,058号、第5,430,112号、第5,464,910号、第5,439,977号、第5,717,011号、第5,733,954号、第5,789,498号、第5,798,399号及び第5,801,218号に記載されており、全趣旨を参照することによりここに取り込む。
【0031】
そのようなアミン−エポキシ付加物は、1以上のアミン化合物と1以上のエポキシ化合物との間の反応生成物である。カルボン酸無水物、カルボン酸、フェノールノボラック樹脂、水、金属塩類等は、アミン−エポキシ付加物の製造のさらなる反応物として利用されるかもしれず、又は一旦アミン及びエポキシを反応させた付加物を改変するために利用されるかもしれない。好ましくは、付加物は、室温で本発明のエポキシ樹脂成分に不溶性であるが、加熱によって硬化速度を増加させる促進剤として機能し、可溶性になる固体である。いかなる種類のアミンも用いることができる(少なくとも1つの第二級窒素原子を含む複素環式アミン及び/又はアミンとともに)が、イミダゾール化合物が特に好ましい。
【0032】
実例となるイミダゾールは、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等を含む。他の適切なアミンは、限定されないが、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾール、プリン及びトリアゾールを含む。いかなるエポキシ化合物も、付加物のためのほかの原料として用いることができ、エポキシ樹脂成分に関して上述したそれらのような、単官能基、二官能基、多官能エポキシ化合物を含む。適切なアミン−エポキシ付加物は、味の素社、シェル、Pacific Anchor Chemical Company及び旭化成工業社から市販されている。商標AJICURE PN-40、AJICURE PN-23、AJICURE PN-50及びAJICURE AH-300で、味の素から販売されている製品が、特に本発明のために好ましい。
【0033】
他のグアニジン化合物も利用することができるが、ジシアンジアミド(商標DICYでAir Products & Chemicalsから市販されている)も、特に好ましい硬化剤である。また、硬化システムは、単独で又は他の種類の硬化剤(特に、ジシアンジアミドのようなグアニジン)との組み合わせで、1以上の尿素を含むことができる。適切な尿素は、アルキル及びアリール置換尿素を含む。そのような尿素の多くは、例えば、N,N’−ジメチル尿素(Air Productsによって商標AMICURE URで販売されている)が有用である。イミダゾールは、他のクラスの適切な硬化剤を構成する、2−エチル−4−メチルイミダゾールのようなアルキル及びアリール置換イミダゾールを含む。
【0034】
本発明の好ましい実施形態の一つでは、ジシアンジアミド(好ましくは、発泡性組成物の総重量に対して約0.5〜5重量%)が、硬化システムにおいて、アミン−エポキシ付加物(好ましくは、約0.05〜3重量%)と組み合わせて使用される。
【0035】
硬化システム(つまり、特定の硬化剤及びそのような硬化剤の量)は、長期間にわたる通常の貯蔵条件下で、顕著な発泡性組成物の硬化を触媒しないように選択しなければならない。さらに、通常、発泡性組成物が、中等度に上昇した温度で、顕著な硬化又は発泡性組成物の成分の反応が起こらないで成形することができる(例えば、射出成形によって)硬化システムを選択することが好ましい。
【0036】
化学的発泡剤及び物理的発泡剤の双方が適しており、潜在的な(熱活性化する)発泡剤が特に好ましく、発泡剤の選択又は本発明で使用する発泡剤は特に重要であるとは考えられていない。しかし、特に、ポリ塩化ビニリデンコポリマー又はアクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマーのようなポリマーからなるシェルが、低級アルキル炭化水素のような揮発性発泡剤を封入する、拡張可能な中空プラスチックマイクロスフェアであることが好ましい。そのような拡張可能なマイクロスフェアは、「Dualite」、「Micropearl」又は「Expancel」の名前で、それぞれ、ヘンケル社(以前、Pierce & Stevens)、マツモト又はAkzo Nobelから商業的に入手することができる。
【0037】
特に良好な性能を提供するアゾジカルボナミド(時々、1,1’−アゾビスホルムアミド、AZDC又はADCと呼ばれる)及びスルホニルヒドラジドとともに、当該分野で公知のいずれの化学発泡剤を採用してもよい。本発明の一実施形態では、アゾジカルボナミドが優位に利用され、より好ましくは、単独の発泡剤であるが、スルホニルヒドラジドとの混合物を好ましく又は特定の目的のために使用することができる。アゾジカルボナミドは、いくつかの商業源から入手可能である。例えば、韓国のドンジンケミカルによる商標UNICELL、Uniroyal Chemicalによる商標CALOGENが挙げられる。アゾジカルボナミドの「活性化」又は「改変」形態も有利に用いることができる。適切なスルホニルヒドラジド発泡剤は、限定されないが、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニフヒドラジド)(商標CELOGEN OT(Uniroyal Chemical)で販売)、p−トルエンスルホニルヒドラジド(商標CELOGEN TSH(Uniroyal Chemical)で販売)等が挙げられる。他の適切な化学発泡剤は、限定されないが、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホヒドラジド、ベンゼン−1,3−ジスルホヒドラジド及びp−トルエンスルホニルセミカルバジドが挙げられる。発泡剤の粒径は、硬化フォーム中で望ましいフォーム特性を与えるように調整することができる。より小粒径は、例えば、より均一なセル構造を有するフォームを提供する傾向がある。
【0038】
発泡剤の量は、発泡性組成物に望ましい発泡性の程度を与えるために、必要に応じて調整又は変化させることができる。例えば、発泡剤及び発泡剤の量(他の可変物とともに)は、発泡性組成物が、加熱された際、少なくとも10%、25%、50%、100%、150%、200%又はそれ以上の容積で発泡するように選択することができる。一般に、発泡性組成物は、活性化によって50〜300%又は100〜200%の容積を与えるように配合される。本発明の特定の実施形態では、発泡性組成物は、合計少なくとも0.1重量%又は少なくとも0.5重量%の1以上の発泡剤を含有していてもよく、合計10重量%以下又は5重量%以下の1以上の発泡剤を含有していてもよい。
【0039】
また、いずれかの処方では、発泡剤からのガスの放出が起こる温度を低下させるために、発泡剤活性化剤又は促進剤を使用することが好ましい。適切な発泡剤活性化剤は、限定されないが、尿素(例えば、表面被覆、油処理尿素、商標BIK-OTでUniroyal Chemicalsから販売)、多価アルコール、有機酸、アミン及び鉛、亜鉛、スズ、カルシウム及びカドミウム酸化物及び塩類(カルボン酸塩を含む)。一般に、最適な量は、選択された活性剤/促進剤、発泡剤の量、硬化温度及び他の変数によって異なるが、発泡性組成物の重量に対して発泡剤活性化剤は、約0.1%〜約2%で使用される。貯蔵安定性がそれによって悪影響を受けているかもしれないため、過剰な活性剤が用いられてはならない。
【0040】
そのようなフィラーは、有用な特徴を得られた構造強化フォームに与えるため、1以上のガラスフィラーを発泡性組成物に含むことが好ましい。例えば、中空ガラスマイクロスフェアを、良好な強度及び剛性を維持しながら、フォームの密度を低減するために添加することができる。市販の中空ガラスマイクロスフェア(時々、ガラスマイクロバルーン又はマイクロバブルとも呼ばれる)は、呼称B38、C15、K20及びVS 5500で利用可能なものを含む適切なグレードで、商標SCOTCHLITEにてMinnesota Mining & Manufacturingから販売されている材料を含む。ガラスマイクロスフェアは、約5〜200μm(好ましくは70μm以下)の範囲の径を有していることが好ましい。
【0041】
中空ガラスマイクロスフェアの粉砕強度は、硬化した熱硬化性フォーム又はそのようなフォームを含有する強化構造部材の所望の特徴に従って選択することができる。本発明の特に望ましい実施形態では、中空ガラスマイクロスフェアは、発泡性組成物の約1〜約30重量%で含有される。ガラス繊維は、それが標準的な強化フォームの強度及び剛性を増大することを助けるため、もう一つの好ましい種類のガラスフィラーである。ガラス繊維は、切断され、粉砕され、または他の適切な物理形態としてもよい。
【0042】
また、他のタイプのフィラーが、任意に発泡性組成物に含有されていてもよい。マイカは特に好ましいフィラーである。好ましくは、マイカ含有(「雲母状」)フィラーを、他のタイプのフィラーとともに用いることができる。特に、ここで非常に好ましいフィラーは、低重金属含有量の白雲母−雲母及びクォーツのいわゆる2成分フィラーである。
【0043】
熱硬化可能な樹脂の分野において知られている従来の有機又は無機のいずれかのフィラーを用いることができ、それは、例えば、シリカ(フュームド又は焼成シリカを含み、また、それらは、チキソトロピー又は流動性制御剤としても機能することができる)、炭酸カルシウム(被覆及び/又は沈殿炭酸カルシウム、また、それらは、特に、微細粒子及び顆粒又は沈殿チョークの形態である場合、チキソトロピー又は流動性制御剤として作用することができる)、ガラス繊維以外の繊維(例えば、ウォラストナイト繊維、炭素繊維、セラミック繊維、アラミド繊維)、アルミナ、カーボンブラック(また、顔料としても機能する)、カルシウム炭酸マグネシウム、バライト、アルミニウムマグネシウムケイ酸カルシウムタイプのシリケートフィラー(例えば、ウォラストナイト、亜塩素酸塩)、クレイ、砂、金属(例えば、アルミニウム粉末)、ガラスマイクロスフェア以外のマイクロスフェア(例えば、セラミックマイクロスフェア、熱可塑性樹脂マイクロスフェア、熱硬化性樹脂マイクロスフェア及びカーボンマイクロスフェア(その全ては固体又は中空、膨張性又は膨張可能であってもよい)等を含む。
【0044】
特に好ましい実施形態では、発泡性組成物は、アラミド繊維、炭素繊維、金属繊維(例えば、アルミニウム)、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維又はポリエステル繊維に基づく短い繊維を含み、これらの繊維は、好ましくは、0.5〜6mmの繊維長及び5〜20μmの径を有するパルプ状繊維又は短繊維であることが好ましい。ここで、特に好ましいものは、アラミド繊維タイプのポリアミド繊維又はポリエステル繊維である。
【0045】
本発明によれば、特に軽量の構造物の製造のために熱発泡性、熱硬化可能組成物を用いることを目的とする。従って、発泡性組成物が、1以上のいわゆる軽量フィラーを含むことが特に好ましく、それらは、金属中空スフェア(例えば、スチール中空スフェア等)、ガラス中空スフェア、フライアッシュ(フィライト:fillite)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂又はポリエステル系プラスチック中空スフェア、(メタ)アクリレートコポリマー、ポリスチレン、スチレン(メタ)アクリレートコポリマー、特に塩化ポリビニリデンの壁材料を有する発泡性中空マイクロスフェア、ならびにアクリルニトリル及び/又は(メタ)アクリレートとの塩化ビニリデンコポリマー(例えば、炭酸カルシウム又はシリカ等の超微粒子材料で被覆された発泡性中空マイクロスフェアを含み、それは、例えば、ヘンケルコーポレーションから市販されているマイクロスフェア「Dualite」ブランドを含む)、セラミック中空スフェア又は粉砕ナッツシェル(例えば、カシューナッツ、ココナッツ又はピーナッツシェルのシェル)等の天然素材の有機軽量材料、ならびにコルク粉末又はコークダストからなる群から選択される。特に、中空マイクロスフェアに基づく軽量フィラーが好ましく、それは硬化成形基材マトリクスの成形物の圧縮強度を保証する。
【0046】
さらに、本発明の発泡性組成物は、1以上の超微細熱可塑性ポリマー粉末を含んでいてもよい。その熱可塑性ポリマー粉末は、原則として、多数の超微粒子ポリマー粉末から選択することができ、例えば、酢酸ビニルポモポリマー、酢酸ビニルコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニルホモポリマー(PVC)又は塩化ビニルと酢酸ビニル及び/又は(メタ)アクリレートのコポリマー、スチレンホモ又はコポリマー、(メタ)アクリレートホモ又はコポリマー(例えば、ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルアクリレートコポリマー)、ポリオレフィン、ポリエーテル又はポリビニルブチラール等が挙げられる。特に好ましい熱可塑性ポリマーは、カルボキシル基、カルボン酸無水物基又はイミダゾール基等の官能基を含み及び/又はコア/シェル構造を有する。熱可塑性ポリマー粉末は、一般に、1mm以下、好ましくは350μ以下、より好ましくは100μ以下の平均粒径を有する。
【0047】
また、発泡性組成物は、1以上の固体ゴムを含んでいてもよい。そのような添加物は、発泡性組成物から製造される熱硬化性フォームを強化し、フォームに、ストレスの下でひびが入る傾向を低減する。ここで用いられるように、用語「ゴム」は、ゴム及び弾性体の双方を含む。適切なゴムは、熱可塑性ならびに熱硬化性(反応性)ゴムを含む。一実施形態では、固体ゴムが利用され、一般に、100,000以上の分子量Mnを有する。実例となる種類のゴムは、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル−ブタジエンゴム(例えば、ブタジエンアクリロニトリルゴム、例えば、Zeon Chemicalsから入手可能なNIPOL 1411、を含む)、ブチルゴム、ポリイソプレン、天然ゴム、ポリブタジエン、クロロブチルゴム(ネオプレン)、イソブチレンポリマー、アルファ−オレフィンエラストマー、エチレン−プロピレンエラストマー、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)ゴム、ポリウレタンゴム等を含む。イソプレン−アクリロニトリル又はブタジエン−アクリロニトリルコポリマーに基づく部分的に架橋した固体ゴムが、特に適している。熱可塑性ブロックコポリマーは、本発明に用いられるゴムの1つの特に好ましい種類である。そのような材料は、1以上の柔軟又はエラストマー部分(「B」)に共有結合で結合した1以上のベース部分(「A」)を含む。A部分は、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリカーボネート等とすることができる。B部分は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(エチレン−コブチレン)、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル等とすることができる。ブロックコポリマーは、線状、分岐状、放射状又は星構造を有していてもよく、例えば、一般的な構造A−B−A、(A−B)n等に相当することができる。SIS、SEBS及びSBSブロックコポリマーは、例えば、そのような材料の特定の種類である。A−B−Cスチレン−ブタジエン−メタクリレート(SBM)トリブロックコポリマー(例えば、Arkemaから市販されているNANOSTRENGTH E20硬化剤)を、本発明において利用することができる。固体ゴムの含有量は、総発泡性組成物の0〜15重量%、好ましくは2〜10重量%の範囲とすることができる。
【0048】
他の任意の成分は、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、アクリル等の希釈剤(反応性又は非反応性)、溶剤及び可塑剤、粘着性付与剤、ワックス、油、硬化剤又は柔軟剤(例えば、脂肪族ジエポキシド、ポリアミノアミド、液状ポリスルフィドポリマー、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー等の液体ニトリルゴムを含む液状ゴム、それらはカルボキシ基、アミン基等で官能化されていてもよい)、架橋剤/湿潤剤/粘着促進剤(例えば、シラン)、ポリエステル以外の腐食抑制剤(例えば、有機チタネート及び有機ジルコネート)、金属凝固剤、着色剤(例えば、カーボンブラック等の染料及び顔料)、安定化剤(例えば、酸化防止剤、UV安定化剤)等を含む。
【0049】
任意に、発泡性組成物は、反応性希釈剤を含んでいてもよい。本発明の文脈では、反応希釈剤は、脂肪族又は芳香族構造を有する低粘度物質(グリシジルエーテル又はグリシジルエステル)であり、それはエポキシ基を含む。その反応性希釈剤は、一方、軟化点より高い発泡性組成物の粘度を低減するために機能し、他方、射出成形においてプレゲル化プロセスを制御する。本発明に用いられる反応性希釈剤の典型例は、C6〜C14モノアルコール又はアルキルフェノールのモノ、ジ又はトリグリシジルエーテル並びにカシューナッツシェル油のモノグリシジルエーテル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールのグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル;及びC6〜C24カルボン酸のグリシジルエステル又はそれらの混合物である。
【0050】
発泡性組成物の個々の成分の割合は、加工特性、柔軟性、必要な剛化性及び基材に結合した接着性に関して、それらから形成される成形又はラミネートに必要とされる必要条件の範囲に従う比較的広範な限定内で変化させることができる。
【0051】
本発明の好ましい発泡性組成物は、以下の成分を含む。
エポキシ樹脂 35〜60重量%
ポリエステル 0.1〜10重量%
ゴム/強化剤 0〜6重量%(例えば、0.1〜5重量%)
硬化剤/触媒 0.1〜10重量%
接着ポリマー(例えば、シラン) 0〜2重量%(例えば、0.05〜1重量%)
発泡剤 0.1〜10重量%
フィラー 0〜60重量%(例えば、25〜50重量%)
本発明の他の実施形態は、以下の発泡性組成物を含む。
【0052】
a) 固体エポキシ樹脂 2〜60重量%
b) ポリエステル 1〜30重量%、好ましくは5〜15重量%
c) 固体ゴム 0〜15重量%、好ましくは2〜10重量%
d) 反応性希釈剤 0〜15重量%、好ましくは0〜10重量%
e) 硬化剤及び促進剤 0.5〜5重量%
f) 発泡剤 0.1〜5重量%
g) 雲母フィラー 0〜40重量%、好ましくは1〜 30重量%
h) 添加フィラー 5〜40重量%
i) ファイバー 0〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%及び
j) ピグメント 0〜1重量%
全成分の合計は100%である。
【0053】
エポキシ樹脂系の発泡性組成物を製造方法はこの産業において公知である。本発明の発泡性組成物を得るために、既知のプロセスのいずれの時点でも、単にポリエステルを添加する。本発明の発泡性組成物を製造するために、その成分は、従来のミキサーユニット(例えば、プラネタリーミキサー、ニーダー又は類似物)等を組み合わせてもよい。次いで、発泡剤、硬化剤及び/又は促進剤を添加する。ここでは、特に、発泡剤、硬化剤及び/又は促進剤の添加中又はその後に、材料温度が110℃、好ましくは、90℃を超えないように制御する。
【0054】
本発明の組成物は、単に粒状の形態で製造することができ、従って簡単に保存することができ、従来の容器、大きいバッグ、ドラム又は袋で輸送することができる。それらは、特別なホッパー、用量装置及び搬送装置なしで、従来の射出成型装置でさらに加工することができる。これらの組成物から製造することができる構造フォームは、エポキシ樹脂(すなわち、ポリエステルなし)ベースのすでに公知の組成物の良好な圧縮負荷又は屈曲負荷特性に匹敵する特性を有する。驚くべきことに、本発明の組成物は、射出成型装置の良好な流動動向にかかわらず、同時の流動力を伴う洗浄及び65℃での前処理溶液における自動車製造の間の中間製品の製造サイクルにおいて、いかなる流出又は洗浄も示さない。さらに、成形物又は顆粒の粘着性は、45℃以下では観察されなかった。
【0055】
現在までに知られている成形物と比較すると、本発明の組成物から製造される成形物は、改善された腐食動向を示し、さらに、より高い圧縮強度が、同程度の発泡で達成される。
【0056】
得られる発泡性組成物は、押出、成形(例えば、射出成形、オーバーモールド)又は手動等によって、所望の形状に成形することができる。発泡性組成物の量を、例えば、金属部品の適当な空洞に入れることができる。本発明の一実施形態では、1以上の発泡性組成物の一部は、空洞内の所望の位置及び方位において発泡性組成物を配置するために有用であるキャリアに接着させるか搭載させる。発泡性組成物は、好ましくは少なくとも約250°Fの温度(約120℃)、より好ましくは少なくとも約300°F(約150℃)の加熱によって形成及び硬化される。一般に、発泡性組成物を発泡させ、空洞内で1以上の金属表面と接触させ、そのような表面に結合する強力な粘着性を形成する。加熱は、一般に、望ましい発泡及び硬化の所望の程度を達成するために有効な時間行う。
【0057】
本発明の発泡組成物は、比較的軽量で、なお一層強く、熱硬化性フォームを必要とする、どのような最終適用にも利用することができる。しかし、発泡性組成物は、特に、ロッカー、柱、ポスト、フレームレール、バンパー、車両格納部、ラジエーター支持梁、ドア、強化梁等のような構造部材の強度を維持又は増加させるために、車両及び他の輸送手段の生産に有用である。発泡性組成物は、ドアパネル、フード、トランクふた、本体パネル等の薄い金属シートを強化又は補強する目的で、比較的平坦なシート又はパッチの形態において、任意に他の樹脂及び/又は強化材料の層と組み合わせて、使用することができる。そのような用途における構造フォームの使用は、例えば、米国の特許第6,406,078号、第6,341,467号、第6,332,731号、第6,287,666号、第6,270,600号、第6,237,304号、第6,168,226号、第6,165,588号、第6,096,403号、第6,068,424号、第6,058,673号、第5,888,600号、第5,884,960号、第6,455,126号、第6,451 ,231号、第H002,047号、第6,865,811号、第6,863,957号、第6,482,496号、第4,901 ,500号、第4,908,930号、第4,751,249号、第4,978,562号、第4,995,545号、第5,124,186号、第5,575,526号、第5,755,486号、第4,923,902号、第4,922,596号、第4,861 ,097号、第4,732,806号、第4,695,343号及び第4,610,836号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)。本発明の発泡組成物の他の用途は、ヘムフランジの接合、充填される基材間のギャップを有する基材の接合、並びに、高負荷を移し、溶接、ねじ止め又はリベット締めのような他の接合方法を置き換えるための同様の又は異なる材料の接合のような、構造接着が一般に使用される他の用途を含む。
【0058】
好ましくは、金属部品を強化及び/又は補強するために用いることができる熱的に発泡可能な成形物は、低圧及び低温での射出成形プロセスにおいて発泡性、熱的に硬化可能な組成物から製造される。
【0059】
本発明の成形物の1つの主な用途は、自動車組み立て産業において剛性及び補強部品、特に、本体フレーム、ドア、トランクふた又はデッキ、エンジンフード及び/又はルーフ部品等の白物又は本体部品に対するものである。
【0060】
このように、本発明の一実施形態は、金属部品、特に白物部品(台所器具又は機械)又は本体部品(特に輸送手段の本体部品)の強化及び/又は補強の方法を提供し、それは、以下の製造工程を含む。
【0061】
第1工程において、発泡性組成物の上述した成分を、110℃を下回る温度で均一に混合し、次いで、顆粒形状(例えば、押出しビーズ、細流又はリボンを複数の顆粒を与えるように切断することができる)に押出す。
【0062】
任意に、顆粒を、好ましくは容器、大きなバッグ、ドラム又は袋中で貯蔵する。成形品を製造するために、次いで、顆粒を、市販の射出成形装置のホッパー及び給送装置に輸送することができ、そこで、バインダー混合物を60〜110℃、好ましくは70〜90℃で、射出金型に、温度制御条件下で、注入する。金型において、任意に金属、熱硬化性又は熱可塑性サポート(それは、キャリアとも呼ばれるかもしれない)があり、発泡組成物をそこに注入する。次いで、モールディングを50℃を下回る温度に冷却し、発泡組成物の表面は、金型から取り出した際、非粘着性であり、発泡性成形物は、いかなる特別な装備も必要とせずに包装することができ、南国の夏でさえ、冷蔵トラックの必要なく、輸送に耐えることができる。
【0063】
最終用途のために、発泡性成形物を、例えば、輸送手段本体を補強する平坦な金属基体上に又は空洞に配置し、固定する。公知のように、ペンキオーブンの以降の加熱プロセスで、輸送手段本体を110℃〜200℃の温度にし、この加熱が発泡性成形物を50〜300%容積発泡させ、反応性樹脂マトリクスを硬化し、熱硬化性物質を形成する。
【0064】
したがって、本発明のさらなる目的物は、特に、本体フレーム、本体サポーター、本体柱等の平坦な金属シート及び/又は金属中空構造、特に中空本体部品、並びに、車両組み立て産業における本外部品間の広いギャップ及びクラック、あるいは白物用部品を補強及び強化する発泡性成形物への使用である。
【0065】
以下の具体的な実施形態は、本発明をより詳細に説明するものであり、実施例での選択は本発明の目的物の範囲に対していずれの限定も意味せず、それらは単に、説明する目的のための個々の実施形態及び有利な効果を示すものである。
特に言及しない限り、以下の実施例で与えられる全ての量は、重量部又は重量%である。
【0066】
実施例
実施例1〜2
本発明の具体的な発泡性組成物を表1に示す。
【0067】
【表1】

1EPON 1001 F (ビスフェノールAのジグリシジルエーテル;エポキシ当量重量525〜550;融点75〜80℃; Hexion Specialty Chemicals)
2DYNACOLL 7380 (Degussa/Creanova)
3NIPOL 1411 (Zeon Chemicals)
4DICY CG 1200 (Air Products & Chemicals)
5γ−プロポキシシラン
6AJICURE PN-50 (Ajinomoto)
7EXPANCEL 091 DIM 40 (Akzo Nobel)
8PPG 3075、3mm
9Mineralite
10VS 5500 (3M)
11ULTRA PFLEX (Specialty Minerals)
12CAB-O-SIL TS-720 フュームドシリカ (Cabot Chemical)
【0068】
発泡性組成物は、約80℃に加熱した二重のプラネタリーロスミキサーを用いて調製することができる。エポキシ樹脂、ポリエステル及びゴムを、まず混合し、発泡剤、ガラス繊維、マイカ及び任意に中空ガラスマイクロスフェアを添加する前に、20分間混合した。さらに15分間混合した後、残りの成分を加え、真空引きする前にさらに5分間混合し、さらに15分間混合する。実施例1の発泡性組成物は、177℃での30分間の加熱の後、約184%の発泡を示し、一方、実施例2の発泡性組成物は、同じ条件下、約134%の発泡を示した。
【0069】
実施例3〜5
実施例1及び2と同様の発泡性組成物を、ポリエステルとともに及びポリエステルなしで製造し、標準的な腐食サイクル条件にさらす前後の双方において、これら発泡性組成物から製造されたフォームの金属パネルに対する接着強度を評価した。以下の結果を得た。それらは、ポリエステルを発泡性組成物に組み込むことによって達成することができる耐食性における改善を示した。
【0070】
実施例3(比較例、ポリエステルなし)
初期接着強度:334psi
腐食サイクル暴露後の接着強度:44psi(86.8%ロス)
実施例4(本発明による:DYNACOLL 7380ポリエステル)
初期接着強度:411psi
腐食サイクル暴露後の接着強度:367psi(10.6%ロス)
【0071】
実施例5(本発明による:GRILTEX D 1582Eコポリエステル)
初期接着強度:436psi
腐食サイクル暴露後の接着強度:360psi(17.4%ロス)
実施例6〜8
以下の表2に示した組成物を、通気孔を備えたプラネタリー混合機で均一に混合し、70℃を超えない組成物温度を確保して、測定した。
【0072】
【表2】

【0073】
これらの組成物で得られた結果を表3に示す。
【0074】
【表3】

【0075】
注釈
1. ビスフェノールベースの室温固体エポキシ樹脂、分子量(Mn)1150、溶融温度65〜74℃、
2. ヒドロキシ基含有ポリエステル、分子量(Mn)3500、ヒドロキシ価30.5mgKOH/g、融点70℃、
3. 白雲母−マイカ及び石英の2成分フィラー、
4. チョーク、粉砕又は沈殿、
5. 発泡剤(プラスチック中空スフェア「Expancel 091 DU 140」、Akzo Nobel)
6. 微細粉砕促進剤(エポキシ及び第3級アミン基含有エポキシ樹脂のアミノ付加物)、
7. ジシアンジアミド、
8. パイロゲニックシリカCAB-O-SIL TS 720、Cabot、
9. アクリロニトリル/ブタジエンポリマー、38%AN含量、部分架橋、平均粒径0.1mm、
10. スクールグレートと同様に示す、スケール1〜5(1=非常によい、5=不十分)、
11. カタプラズマ試験:1.8mmの高弾性限界スチールにおけるD47 1165プジョー−シトロエン引張剪断強さに従った「濡れカタプラズマ」、加熱浸漬溶融亜鉛めっき、cは凝集破壊、a/cは%凝集フラクションの接着/凝集破壊、HOは開始値(古くない)、H7は7日カタプラズマ試験、H14は14日カタプラズマ試験、
12. 80〜140℃の間での振動測定での粘度
13. VDA (Verband Der Automobilindustrie e.V.)に従った構造フォーム及びスチールシートのサンドイッチデザインでの試験、「OK」は試験要件パス、「n.OK」は試験要件欠落。
【0076】
未硬化組成物の良好な形状安定性及び貯蔵安定性ならびにそれらの表面粘着性の欠損のため、顆粒を、良好な形状及び貯蔵安定性を備えるそのような組成物から製造することができ、標準的な射出成型装置で問題なく成形物に加工することができる。先行技術の組成物と比較すると、特に、フォードモーター社のAPGEテスト(30サイクル)に従う老化試験で、硬化成形物は、非常に良好な機械特性を示し、腐食特性を改善した。
【0077】
APGEサイクルは、15分間の塩水浸漬(5%食塩水)で行われ、続いて、室温で1時間45分のドリップ乾燥を行い、その後、50℃にて90%の相対湿度で、22時間貯蔵した。先行技術の組成物は、APGEテストでより劣った値を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)1以上のエポキシ樹脂、
b)1以上の硬化剤、
c)1以上の発泡剤及び
d)1以上のポリエステルを含む発泡性組成物。
【請求項2】
前記発泡性組成物から得られたフォームを金属表面に接触させた際、ポリエステルを含有しない類似の発泡性組成物から得られたフォームと比較して、1以上のポリエステルが、腐食を低減させるのに有効量存在する請求項1の発泡性組成物。
【請求項3】
少なくとも1つの、前記1以上のポリエステルが室温で固体である請求項1又は2の発泡性組成物。
【請求項4】
さらに少なくとも1つのフィラーを含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項5】
少なくとも1つの、前記1以上のポリエステルが50〜100℃の融点を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの、前記1以上のポリエステルが50〜80℃の融点を有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項7】
少なくとも1つの、前記1以上のポリエステルが、室温で、アモルファス、部分的な結晶質又は結晶質である請求項1〜6のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項8】
少なくとも1つの、前記1以上のポリエステルが水酸基を含む請求項1〜7のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項9】
少なくとも1つのポリエステルポリオールを含む請求項1〜8のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの結晶質ポリエステルポリオールを含む請求項1に記載の発泡性組成物。
【請求項11】
少なくとも1つのポリエステルが約400〜約20000の数平均分子量を有する請求項1〜10のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項12】
少なくとも1つのポリエステルが約1000〜約6000の数平均分子量を有する請求項1〜11のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項13】
少なくとも1つのエポキシ樹脂がポリヒドリックフェノールのグリシジルエーテルである請求項1〜12のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項14】
少なくとも1つのエポキシ樹脂がビスフェノールAのグリシジルエーテルである請求項1〜13のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項15】
室温で固体であり、分子量(Mn)が700より大である少なくとも1つのエポキシ樹脂を含む請求項1〜14のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項16】
少なくとも1つの発泡剤が中空発泡性プラスチックマイクロスフェアを含む請求項1〜15のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項17】
少なくとも1つの硬化剤が窒素含有化合物である請求項1〜16のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項18】
さらに、雲母フィラー、ガラス繊維、炭酸カルシウム及び中空ガラスマイクロスフェアからなる群から選択される少なくとも1つのフィラーを含む請求項1〜17のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項19】
さらに、フィラー、柔軟剤/強化剤、発泡剤活性化剤、チキソトロピー剤/レオロジー制御剤、着色剤、粘着促進剤及び安定化剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含む請求項1〜18のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項20】
さらに、イソプレンコポリマー固体ゴム及びブタジエンコポリマー固体ゴムからなる群から選択される少なくとも1つの柔軟剤/強化剤を含む請求項1〜19のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項21】
ポリエステルは、発泡性組成物の総重量に対して、約0.1重量%〜約10重量%の量で存在する請求項1〜20のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項22】
ポリエステルは、発泡性組成物の総重量に対して、約1重量%〜約8重量%の量で存在する請求項1〜20のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項23】
さらに、部分的に架橋されたイソブレン−アクリロニトリルコポリマー固体ゴム及び部分的に架橋されたブタジエン−アクリロニトリルコポルマー固体ゴムからなる群から選択される少なくとも1つの柔軟剤/強化剤を含む請求項1〜22のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項24】
さらに、C6〜C14モノアルコールのモノグリシジルエーテル、乾燥カシューナッツ油のモノグリシジルエーテル、アルキルフェノールのモノグリシジルエーテル、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールのジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、テトラプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、1,4−ブチレングリコールのジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのジ及びトリグリシジルエーテル及びC6〜C24のカルボン酸のグリシジルエステルからなる群から選択される少なくとも1つの反応性希釈剤を含む請求項1〜23のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項25】
ジシアナミドが、発泡性組成物の総重量に対して、5重量%以下の少なくとも1つの硬化剤として用いられる請求項1〜24のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項26】
さらに、少なくとも1つの雲母状フィラーを含む請求項1〜25のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項27】
少なくとも1つの発泡剤が、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボナミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホン酸ヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホヒドラジド、ベンゼン−1,3−ジスルホヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド及び発泡性中空マイクロスフェアからなる群から選択される請求項1〜26のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項28】
さらに、アラミド繊維、カーボン繊維、メタル繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維及びそれらの混合物からなる群から選択される繊維を含む請求項1〜27のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項29】
a) 固体エポキシ樹脂 2〜60重量%、
b) ポリエステル 1〜30重量%、
c) 固体ゴム 0〜15重量%、
d) 反応性希釈剤 0〜15重量%、
e) 硬化剤及び促進剤 1.5〜5重量%、
f) 発泡剤 0.1〜5重量%、
g) 雲母状フィラー 0〜40重量%、
h) 添加フィラー 5〜40重量%、
i) ファイバー 0〜30重量%、及び
j) ピグメント 0〜1重量%
を含有し、全成分の合計が100重量%である発泡性組成物。
【請求項30】
a) 固体エポキシ樹脂 2〜60重量%、
b) 固体ポリエステル 5〜15重量%、
c) 固体ゴム 2〜10重量%、
d) 反応性希釈剤 0〜10重量%、
e) 硬化剤及び促進剤 1.5〜5重量%、
f) 発泡剤 0.1〜5重量%、
g) 雲母状フィラー 1〜30重量%、
h) 添加フィラー 5〜40重量%、
i) ファイバー 0.5〜10重量%、及び
j) ピグメント 0〜1重量%
を含有し、全成分の合計が100重量%である発泡性組成物。
【請求項31】
発泡性組成物が顆粒形態である請求項1〜30のいずれか1つに記載の発泡性組成物。
【請求項32】
請求項1〜30のいずれかの発泡性組成物を含む射出成形物。
【請求項33】
請求項1〜30のいずれかの発泡性組成物を加熱及び硬化することによって得られるフォーム。
【請求項34】
固体物品と請求項33のフォームとからなる複合材料。
【請求項35】
少なくとも1つの金属部品及び請求項33のフォームとからなり、前記フォームは少なくとも1つの金属部品の表面に接着してなる複合材料。
【請求項36】
a) 少なくとも1つの請求項1〜30の発泡性組成物の成分を110℃以下、好ましくは80〜95℃の温度で混合し、
b) 発泡性組成物を110℃以下、好ましくは80〜95℃の温度で押出し、顆粒化し、任意に金属ベルト上で冷却し、
c) 顆粒を冷却し、
d) 任意に顆粒を、好ましくは、容器、バッグ、ドラム又は袋中で貯蔵し、
e) 顆粒を射出成形機に供給し、
f) 110℃未満の温度で顆粒を溶融させて溶融物を形成し、溶融物を射出成形機の所望の金型に注入して発泡性、熱的硬化性成形物を形成し、及び
g) 成形物を冷却し、金型から成形物を取り出すことを含む発泡性、熱的硬化性成形物の製造方法。
【請求項37】
請求項36の方法によって形成された発泡性、熱的硬化性成形物。
【請求項38】
部品の強化及び/又は補強を行う請求項37の成形物の使用。

【公表番号】特表2010−513572(P2010−513572A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514493(P2009−514493)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/070398
【国際公開番号】WO2007/143646
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】