説明

カメラ付き運転監視装置

【課題】簡単な操作で画像データを再生させて、容易かつ迅速に記録された撮影画像などの内容を確認することが可能なカメラ付き運転監視装置を提供する。
【解決手段】装置本体2に設けられた操作部6の入力によりビデオ出力部5から画像データを再生したビデオ信号を出力させて、モニタMに少なくとも記録された撮影画像を表示させるので、別途パーソナルコンピュータを用いることなく、簡単な操作で画像データが再生されて、容易かつ迅速に記録された撮影画像などの内容を確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて、運転を監視するカメラ付き運転監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に搭載されて、車両の運転状況を撮影し撮影画像を得るカメラおよび車両の加速度や速度などを検知するセンサを有し、記録された各データにより運転を監視するカメラ付き運転監視装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
従来の装置では、得られた撮影画像のデータやセンサデータは、例えば装置に出し入れ可能なメモリーカードに記録されることによって、または通信接続等の手段によって、運転管理センターなどの別の場所に設置されたパーソナルコンピュータ(PC)に取り込まれ、記録された撮影画像やセンサデータがPCのモニタに表示されてその内容が確認されていた。
【特許文献1】特許第3044025号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の装置では、撮影画像のデータやセンサデータは別置きのPCで再生されてモニタに表示されるので、特に撮影画像の内容を現場で迅速に確認することができなかった。
【0005】
また、使用するPCに、予め得られた各データを読み込み、モニタに表示させる専用のソフトウエアをインストールしておく必要があり、このPC操作も面倒であった。
【0006】
本発明は、前記の問題点を解決して、簡単な操作で画像データを再生させて、容易かつ迅速に記録された撮影画像などの内容を確認することが可能なカメラ付き運転監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明にかかるカメラ付き運転監視装置は、車両に搭載されて、車両の運転状況を撮影し撮影画像を得るカメラ、車両の少なくとも加速度を検知するセンサ、および制御部を有する装置本体を備え、記録された各データに基づき運転を監視するカメラ付き運転監視装置であって、前記装置本体は、記録された画像データを再生してビデオ信号を出力するビデオ出力部と、所定入力の操作を行う操作部とを備え、前記制御部は、前記操作部の入力により前記ビデオ出力部からビデオ信号を出力させて、モニタに少なくとも記録された撮影画像を表示させる。
【0008】
この構成によれば、装置本体に設けられた操作部の入力によりビデオ出力部から画像データを再生したビデオ信号を出力させて、モニタに少なくとも記録された撮影画像を表示させるので、別途パーソナルコンピュータを用いることなく、簡単な操作で画像データが再生されて、容易かつ迅速に記録された撮影画像などの内容を確認することができる。
【0009】
好ましくは、前記制御部は、画像データをメモリに記録する録画モードと、メモリに記録された画像データを再生する再生モードとを設定するモード設定部を備え、前記操作部の入力により再生モードに切り換えられたときに、前記ビデオ出力部からビデオ信号を出力させて、前記モニタに少なくとも記録された撮影画像を表示させる。したがって、録画モードから再生モードに簡単に切り換えられて、容易かつ迅速に記録された撮影画像などの内容を確認することができる。
【0010】
好ましくは、前記画像データは、前記撮影画像のデータおよび前記センサからのセンサデータを含み、前記制御部が、前記操作部の入力により前記モニタに記録された撮影画像およびセンサデータを表示させる。したがって、容易かつ迅速に記録された撮影画像およびセンサデータの内容を確認することができる。
【0011】
好ましくは、前記記録された撮影画像は複数の動画シーンであり、前記制御部が、前記操作部の入力により再生モードに切り換えられたときに前記モニタに各動画シーンのうちの静止画をそれぞれ表示させ、前記操作部の入力により各静止画から任意の静止画を選択させて、前記モニタに当該動画シーンを表示させる。したがって、容易かつ迅速に記録された各動画シーンの内容を確認することができる。
【0012】
好ましくは、前記装置本体を車両に着脱自在に保持する保持部を有し、この保持部に、車両から該装置本体が取り外されたときに該装置本体の記録動作を停止させるように作動するタンパスイッチが設けられている。したがって、装置本体を車両から取り外したときの操作が簡単になる。
【0013】
好ましくは、前記モニタがビデオ入力部を有する汎用の外部モニタである。したがって、装置の低コスト化を図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るカメラ付き運転監視装置を示す概略構成図である。図1(A)のように、本装置1は、例えば車両Aのフロントガラスの内側のような前面部に固定具Fを用いて車両Aに搭載されて、車両Aの運転状況を撮影し撮影画像を得るCCDカメラのようなカメラ3および車両Aの少なくとも加速度を検知するセンサ部4(図2)を有する装置本体2を備え、記録された各データにより運転を監視するものである。
【0015】
図2に示すように、装置本体2は、前記カメラ3およびセンサ部4のほかに、ビデオ出力部5、操作部6、各データを記録する内部のメモリ7、状態表示部8、本装置1に電源を供給する電源部9、および全体を制御する制御部(CPU)10を備えている。なお、内部のメモリ7のほかに各データを記録する、装置本体2に出し入れ可能に設けられたメモリーカードを別途有してもよい。
【0016】
センサ部4は、加速度、GPS、速度などの各種センサ情報を検出して、車両Aの運転状況に関するセンサデータを得る。状態表示部8は、電源部9の電源オン・オフやメモリ7のメモリ動作状態などについてLED等で表示したり、音声等で表示する。
【0017】
ビデオ出力部5は、記録された画像データを再生してビデオ信号を出力する。操作部6は、後述する再生モードの切り換えなどの所定入力の操作を行う。また、装置本体2と、記録された撮影画像などを表示するモニタMとは、モニタMへの電源供給用およびビデオ出力用の接続コードC(図1(B))を介して接続される。ビデオ出力用コードにはビデオ出力端子が設けられており、モニタMのビデオ入力部Maに接続される。
【0018】
この例では、モニタMは、装置本体2とは別に設けられたビデオ入力部Ma付きの汎用のテレビモニタであるが、ビデオ入力部付きのナビゲーションシステムのモニタMを兼用させるようにしてもよいし、装置本体2に内蔵させるようにしてもよい。
【0019】
図2の制御部10は信号処理部11およびモード設定部12を備えている。信号処理部11はカメラ3からの映像信号やセンサ部5からの検知信号を処理して、撮影画像のデータやセンサデータを得る。モード設定部12は、画像データをメモリ7に記録する録画モードと、メモリ7に記録された画像データを再生する再生モードとを設定する。このモード切換は操作部6の入力により行われる。
【0020】
制御部10は、操作部6の入力により再生モードに切り換えられたときに、前記ビデオ出力部5からビデオ信号を出力させて、モニタMに記録された撮影画像およびセンサデータを表示させる制御を行う。また、制御部10は、ビデオ出力部5とモニタMを接続コードCで接続したときに、モニタMの初期画面に画像データを再生するための操作部6の操作内容を表示させる。この操作内容にしたがってその後の操作が行われる。
【0021】
図1(B)に示すように、本装置1は、装置本体2を車両Aの前面部(フロントガラス内側)に着脱自在に保持する保持部(ホルダ)Hを有し、この保持部Hに、車両Aの前面部から該装置本体2が取り外されたときに、該装置本体2の記録動作を停止させるように作動する例えばマグネットスイッチやメカニカルスイッチ等のようなタンパスイッチSが設けられている。装置本体2が車両Aの前面部に取り付けられた状態では操作部6の操作がしにくいようなときに、従来では、電源部9の電源オフにするなどの操作をして装置本体2を車両Aから取り外す必要があったが、装置本体2を車両Aから取り外したときに電源部9の電源オンのままでも装置本体2の記録動作を停止するので、その都度、電源オフにするなどの操作が不要となり、操作が簡単になる。
【0022】
図3は、制御部10による画像データの再生動作を示す。図3(A)は操作部6の一例、図3(B)、(C)はモニタMの表示内容の一例を示す。この例では、メモリ7に記録された画像データのうちカメラ3の撮影画像のデータは複数、例えば5つの動画シーンである。画像データにはセンサ部4のセンサデータも含まれる。メモリ7内で各動画シーンやセンサデータは例えば時間経過とともに順次上書きされる。
【0023】
操作部6は、図3(A)のように、例えば録画再生モード変更および画像選択決定ボタン(中央ボタン)6aと、上下左右画像選択ボタン(カーソル)6bとからなる十字カーソルキーである。
【0024】
まず、操作部6の中央ボタン6aの長押しの入力で再生モードに切り換えられて、図3(B)のように、モニタMに再生選択画面が表示され、5つの動画シーンの代表画面の静止画が5つサムネール(画像縮小見本)表示される。
【0025】
つぎに、操作部6のカーソル6bを上下左右に操作して、モニタMに表示された5つの静止画から任意の静止画を選択し、中央ボタン6aを押してその静止画における動画シーンの再生を決定する。これにより、図3(C)のように、モニタMに当該動画シーンが再生される。図示していないが、記録されたセンサデータも別途再生される。再生が終了すると、所定時間後に自動的に録画モードに切り変えられる。
【0026】
したがって、従来のように撮影画像のデータやセンサデータを別置きのPCで再生する必要がなく、装置本体2をモニタMに接続するだけで、車両A内で直ちに記録された動画シーンやセンサデータがモニタMに表示されるので、容易かつ迅速に記録された各動画シーンやセンサデータの内容を確認することができる。
【0027】
以下、図4のフローチャートを用いて、記録再生動作を説明する。
まず、録画モードで記録動作が開始され(ステップS1)、操作部6により再生モードに切り換えられて、記録停止操作がされたか否かが確認される(ステップS2)。記録停止操作がされていない場合には画像記録待機、及び記録動作を行い(ステップS3)、ステップS2に戻る。
【0028】
操作部6の中央ボタン6aにより再生モードに切り換えられて、記録停止操作がされた場合には、記録停止され、モニタMに図3(B)の再生選択画面が表示される(ステップS4)。次に、操作部6のカーソル6bにより再生、設定操作がされて(ステップS5)、モニタMに図3(C)の再生画面が表示され、所定時間後の再生終了の確認がされる(ステップS6)。再生終了の確認がされていない場合にはステップS5に戻る。再生終了の確認がされた場合には、再生停止、記録動作を行い(ステップS7)、ステップS2に戻る。
【0029】
これにより、本装置1は、装置本体2に設けられた操作部6の入力によりビデオ出力部5から画像データを再生したビデオ信号が出力されて、モニタMに少なくとも撮影画像を表示させるので、別途PCを用いることなく、簡単な操作で画像データが再生されて、容易かつ迅速に記録された撮影画像などの内容を確認することができる。
【0030】
なお、この実施形態では、モニタMに記録された撮影画像およびセンサデータを表示させているが、センサデータを省略してもよい。
【0031】
また、この実施形態では、保持部Hに、車両Aから装置本体2が取り外されたときに装置本体2の記録動作を停止させるように作動するタンパスイッチSが設けられているが、これを省略してもよい。
【0032】
なお、この実施形態では、モニタMに表示された各動画シーンの静止画から任意の静止画を選択させて当該動画シーンを再生させているが、これに代えて、各動画シーンの静止画およびこれに付加して各動画シーンにおけるセンサ部4で検知された危険運転の発生日時(または撮影日時)を表示させ、あるいは、この危険運転の発生日時(または撮影日時)の一覧表を表示させて、これから任意の静止画を選択させて当該動画シーンを再生させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】(A)は本発明の一実施形態に係るカメラ付き運転監視装置を示す概略側面図、(B)はその斜視図である。
【図2】図1のカメラ付き運転監視装置を示すブロック構成図である。
【図3】操作部とモニタの表示画面を示す図である。
【図4】記録再生動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0034】
1:カメラ付き運転監視装置
2:装置本体
3:カメラ
4:センサ部
5:ビデオ出力部
6:操作部
10:制御部
11:信号処理部
12:モード設定部
H:保持部
M:モニタ
S:タンパスイッチ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されて、車両の運転状況を撮影し撮影画像を得るカメラ、車両の少なくとも加速度を検知するセンサ、および制御部を有する装置本体を備え、記録された各データに基づき運転を監視するカメラ付き運転監視装置であって、
前記装置本体は、記録された画像データを再生してビデオ信号を出力するビデオ出力部と、所定入力の操作を行う操作部とを備え、
前記制御部は、前記操作部の入力により前記ビデオ出力部からビデオ信号を出力させて、モニタに少なくとも記録された撮影画像を表示させる、カメラ付き運転監視装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御部は、画像データをメモリに記録する録画モードと、メモリに記録された画像データを再生する再生モードとを設定するモード設定部を備え、前記操作部の入力により再生モードに切り換えられたときに、前記ビデオ出力部からビデオ信号を出力させて、前記モニタに少なくとも記録された撮影画像を表示させる、カメラ付き運転監視装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記画像データは、前記撮影画像のデータおよび前記センサからのセンサデータを含み、前記制御部が、前記操作部の入力により前記モニタに記録された撮影画像およびセンサデータを表示させる、カメラ付き運転監視装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記記録された撮影画像は複数の動画シーンであり、
前記制御部が、前記操作部の入力により再生モードに切り換えられたときに前記モニタに各動画シーンのうちの静止画をそれぞれ表示させ、前記操作部の入力により各静止画から任意の静止画を選択させて、前記モニタに当該動画シーンを表示させる、カメラ付き運転監視装置。
【請求項5】
請求項1において、
さらに、前記装置本体を車両に着脱自在に保持する保持部を有し、この保持部に、車両から該装置本体が取り外されたときに該装置本体の記録動作を停止させるように作動するタンパスイッチが設けられている、カメラ付き運転監視装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記モニタがビデオ入力部を有する汎用の外部モニタである、カメラ付き運転監視装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−293083(P2008−293083A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135290(P2007−135290)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000103736)オプテックス株式会社 (116)
【Fターム(参考)】