説明

クロック信号生成回路、及び半導体装置

【課題】製造プロセスにおけるばらつきが原因による同期期間や同期期間終了後の自走期間において、周波数が変動することがなく、安定した動作を実現し、また安価な半導体装置を提供する。
【解決手段】第1の基準クロック信号を生成する基準クロック信号生成回路と、第1基準クロックの信号及び同期信号を用いて第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第1のカウンタ回路と、第1のカウンタ回路の計数値を用いて第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第2のカウンタ回路と、第1のカウンタ回路の計数値を用いて第1の基準クロック信号を分周し、第2の基準クロック信号を生成する第1の分周回路と、第2の基準クロック信号を分周し、クロック信号を生成する第2の分周回路と、を有するクロック生成回路を半導体装置に搭載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクロック信号を生成する回路に関する。また、そのようなクロック信号を生成する回路を搭載する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、超小型ICチップと、無線通信用のアンテナを組み合わせた半導体装置(RFIDタグ、無線タグ、IDタグ、RFタグともいわれる)が脚光を浴びている。この半導体装置は、無線通信装置(リーダライタ、携帯電話、またはパーソナルコンピュータなど、無線による通信が可能であるもの)を使った通信信号の授受により、データを書き込む、またはデータを読み出す等のデータの送受信を非接触で行うことができる。
【0003】
無線信号によりデータの送受信を行う半導体装置の応用分野として、例えば、流通業界における商品管理が挙げられる。現在では、バーコードなどを利用した商品管理が主流であるが、バーコードは光学的に読み取るため、遮蔽物があるとデータを読み取れない場合がある。一方、無線通信装置を用いて非接触でデータの送受信を行う方式では、半導体装置のデータを無線で読み取るため、無線による通信信号が遮蔽物を通過するのであれば遮蔽物があっても読み取ることができる。従って、商品管理の効率化、低コスト化などが期待されている。その他、乗車券、航空旅客券、料金の自動精算など、広範な応用が期待されている。このように、無線通信によりデータの送受信を行う小型の半導体装置により人や物を識別、管理する仕組みはRFID(Radio Frequency Identification)と呼ばれ、IT化社会の基盤技術として注目が高まっている。
【0004】
RFID技術は、ユビキタス・コンピューティング時代における中心技術の1つである。しかしながら、RFID技術の根幹を担うRFIDタグには、次のような課題がある。例えば、物理的柔軟性、高機密性、経済性などである。これらの要求に対し、フレキシブル基板またはガラス基板上に形成した、HF帯域(13.56MHz)の無線信号を用いる半導体装置(以下、HF版無線通信CPU)などが挙げられる(非特許文献1参照)。
【0005】
さらに上記HF版無線通信CPU以上に、より機能的なRFIDシステムを構築するために、RFIDタグに高機能化が要求され続けている。例えば、通信距離の延伸、低消費電力化、暗号機能の強化(耐サイドチャネル攻撃)などである。例えば耐サイドチャネル攻撃機能としては、Transformed Masking Method(非特許文献2参照)などが挙げられる。
【非特許文献1】H. Dembo et al. ”RFCPUs on Glass and Plastic Substrates Fabricated by TFT Transfer Technology,” IEDM Tech. Dig. Papers, pp. 1067−1069, 2005.
【非特許文献2】M. Akkar and C. Giraud, ”An implementation of DES and AES, secure against some attacks,” Proceedings of CHES 2001, LNCS 2162, pp. 309−318, 2001.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
無線信号によりデータの送受信を行う半導体装置には、通信距離の延伸、低消費電力化、チップの小型化、暗号通信の高信頼性など、非常に高い性能が要求される。通信距離の延伸には、例えば、UHF帯域(915MHz)の無線信号を用いることが挙げられる。UHF帯域の無線信号は、HF帯域の無線信号より、原理的に長距離通信が可能であるため、通信距離の延伸に対して有効である。しかしながら、UHF帯の通信信号を用いる場合には、半導体装置内部において、安定したクロック信号の生成など、回路設計上の課題も多いため、HF版無線通信CPUから大幅に設計を見直す必要がある。
【0007】
また、クロック信号を生成するクロック信号生成回路としては、一般的にPLL回路が用いられることが多い。PLL回路は、電圧制御発振回路(Voltage Control Oscillator:VCO)、ループフィルタ回路、位相比較回路、分周回路などから構成される。しかしながら、無線信号によりデータの送受信を行う半導体装置に搭載する場合には、安定したクロック信号を得ることは難しい。例えば、同期期間終了後の自走期間において、VCOにおける電源電圧が変動する場合がある。また、同期期間中にクロック信号の周波数が安定値に達しない場合もある。これらは、製造プロセスにおけるチップばらつきなどに起因するが、クロック信号の周波数が変動もしくは非規定値となることを意味する。したがって、半導体装置の誤動作につながる。さらに、無線信号によりデータの送受信を行う半導体装置には、安価に提供することも求められるため、むやみに高価な製造プロセスを適用することはできない。
【0008】
本発明は、上記の問題を鑑みなされたもので、安定したクロック信号を供給することができるクロック信号生成回路を備えることにより、動作の安定した半導体装置を安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一は、第1の基準クロック信号及び同期信号が入力され、同期信号を用いて第1のリセット信号を生成し、第1のリセット信号に従い第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第1のカウンタ回路と、第1のカウンタ回路に接続され、第1の基準クロック信号が入力され、第1のカウンタ回路の計数値を用いて第2のリセット信号を生成し、第2のリセット信号に従い第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第2のカウンタ回路と、第1のカウンタ回路に接続され、第1の基準クロック信号及び第1のリセット信号が入力され、第1のリセット信号に従い第1の基準クロック信号を分周することにより第2の基準クロック信号を生成する第1の分周回路と、第1のカウンタ回路及び第2のカウンタ回路に接続され、第1のリセット信号及び第2のリセット信号のいずれかが入力され、入力されたいずれかのリセット信号を第3のリセット信号として第2の分周回路に出力するリセット信号生成回路と、第1の分周回路及びリセット信号生成回路に接続され、第2の基準クロック信号及び第3のリセット信号が入力され、第3のリセット信号に従い第2の基準クロック信号を分周することにより、クロック信号を生成する第2の分周回路と、を有するクロック信号生成回路である。
【0010】
本発明の信号生成回路において、第1のカウンタ回路、第2のカウンタ回路、第1の分周回路、及び第2の分周回路のそれぞれは、フリップフロップ回路と、ラッチ回路、NOT回路、AND回路、OR回路、NAND回路、及びNOR回路のいずれか一つまたは複数と、を有する構成とすることができる。
【0011】
本発明の一は、第1の電源電圧を用いて第2の電源電圧を生成する定電圧回路と、定電圧回路に接続され、第2の電源電圧を用いて第1の基準クロック信号を生成する基準クロック信号生成回路と、基準クロック信号生成回路と接続され、第1の基準クロック信号及び同期信号が入力され、同期信号を用いて第1のリセット信号を生成し、第1のリセット信号に従い第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第1のカウンタ回路と、基準クロック信号生成回路及び第1のカウンタ回路に接続され、第1の基準クロック信号が入力され、第1のカウンタ回路の計数値を用いて第2のリセット信号を生成し、第2のリセット信号に従い第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第2のカウンタ回路と、基準クロック信号生成回路及び第1のカウンタ回路に接続され、第1の基準クロック信号及び第1のリセット信号が入力され、第1のリセット信号に従い第1の基準クロック信号を分周することにより第2の基準クロック信号を生成する第1の分周回路と、第1のカウンタ回路及び第2のカウンタ回路に接続され、第1のリセット信号及び第2のリセット信号のいずれかが入力され、入力されたいずれかのリセット信号を第3のリセット信号として第2の分周回路に出力するリセット信号生成回路と、第1の分周回路及びリセット信号生成回路に接続され、第2の基準クロック信号及び第3のリセット信号が入力され、第3のリセット信号に従い第2の基準クロック信号を分周することにより、クロック信号を生成する第2の分周回路と、を有するクロック信号生成回路である。
【0012】
本発明のクロック信号生成回路において、第1のカウンタ回路、第2のカウンタ回路、第1の分周回路、及び第2の分周回路のそれぞれは、フリップフロップ回路と、ラッチ回路、NOT回路、AND回路、OR回路、NAND回路、及びNOR回路のいずれか一つまたは複数と、を有することを特徴とするクロック信号生成回路と、を有するものであってもよい。
【0013】
本発明の一は、アンテナと、クロック信号生成回路と、アンテナから受信した信号から電源電圧を生成するRF回路と、アンテナから受信した信号の演算処理を行うロジック回路と、を有し、アンテナを介して無線通信装置との無線による信号の送受信を行う半導体装置であって、クロック信号生成回路は、電源電圧を基に生成された第1の基準クロック信号及び同期信号が入力され、同期信号を用いて第1のリセット信号を生成し、第1のリセット信号に従い第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第1のカウンタ回路と、第1のカウンタ回路に接続され、第1の基準クロック信号が入力され、第1のカウンタ回路の計数値を用いて第2のリセット信号を生成し、第2のリセット信号に従い第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第2のカウンタ回路と、第1のカウンタ回路に接続され、第1の基準クロック信号及び第1のリセット信号が入力され、第1のリセット信号に従い第1の基準クロック信号を分周することにより第2の基準クロック信号を生成する第1の分周回路と、第1のカウンタ回路及び第2のカウンタ回路に接続され、第1のリセット信号及び第2のリセット信号のいずれかが入力され、入力されたいずれかのリセット信号を第3のリセット信号として第2の分周回路に出力するリセット信号生成回路と、第1の分周回路及びリセット信号生成回路に接続され、第2の基準クロック信号及び第3のリセット信号が入力され、第3のリセット信号に従い第2の基準クロック信号を分周することにより、クロック信号を生成する第2の分周回路と、を有する半導体装置である。
【0014】
本発明の一は、アンテナと、クロック信号生成回路と、アンテナから受信した信号から第1の電源電圧を生成するRF回路と、アンテナから受信した信号の演算処理を行うロジック回路と、を有し、アンテナを介して無線通信装置との無線信号による信号の送受信を行う半導体装置であって、クロック信号生成回路は、第1の電源電圧を用いて第2の電源電圧を生成する定電圧回路と、定電圧回路に接続され、第2の電源電圧を用いて第1の基準クロック信号を生成する基準クロック信号生成回路と、基準クロック信号生成回路と接続され、第1の基準クロック信号及び同期信号が入力され、同期信号を用いて第1のリセット信号を生成し、第1のリセット信号に従い第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第1のカウンタ回路と、基準クロック信号生成回路及び第1のカウンタ回路に接続され、第1の基準クロック信号が入力され、第1のカウンタ回路の計数値を用いて第2のリセット信号を生成し、第2のリセット信号に従い第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第2のカウンタ回路と、基準クロック信号生成回路及び第1のカウンタ回路に接続され、第1の基準クロック信号及び第1のリセット信号が入力され、第1のリセット信号に従い第1の基準クロック信号を分周することにより第2の基準クロック信号を生成する第1の分周回路と、第1のカウンタ回路及び第2のカウンタ回路に接続され、第1のリセット信号及び第2のリセット信号のいずれかが入力され、入力されたいずれかのリセット信号を第3のリセット信号として第2の分周回路に出力するリセット信号生成回路と、第1の分周回路及びリセット信号生成回路に接続され、第2の基準クロック信号及び第3のリセット信号が入力され、第3のリセット信号に従い第2基準クロックの信号を分周することにより、クロック信号を生成する第2の分周回路と、を有する半導体装置である。
【0015】
本発明の半導体装置において、第1のカウンタ回路、第2のカウンタ回路、第1の分周回路、及び第2の分周回路のそれぞれは、フリップフロップ回路と、ラッチ回路、NOT回路、AND回路、OR回路、NAND回路、及びNOR回路のいずれか一つまたは複数と、を有するものであってもよい。
【0016】
本発明の半導体装置において、RF回路は、電源回路、復調回路、及び変調回路を有していてもよい。
【0017】
本発明の半導体装置において、ロジック回路は、制御回路、中央演算装置、ROM、及びRAMを有していてもよい。
【0018】
本発明は、入力された第1の基準クロック信号及び同期信号を用いて第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第1のカウンタ回路と、第1のカウンタ回路の計数値を用いて第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第2のカウンタ回路と、第1のカウンタ回路の計数値を用いて第1の基準クロック信号を分周し、第2の基準クロック信号を生成する第1の分周回路と、第2の基準クロック信号を分周し、クロック信号を生成する第2の分周回路と、を備えたクロック信号生成回路を用いて同期期間終了後の自走期間においても、一定の周波数のクロック信号を生成する半導体装置を作製することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、安定したクロック信号を生成することができ、動作が安定したクロック信号生成回路、及びクロック信号生成回路を備えた半導体装置を安価に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
【0021】
本実施の形態では、本発明におけるクロック信号生成回路について説明する。
【0022】
本発明におけるクロック信号生成回路のブロック図を図1に示す。図1において、クロック信号生成回路(クロックジェネレータともいう)100は、定電圧回路(レギュレータともいう)101と、基準クロック信号生成回路102と、カウンタ群103と、を有する。カウンタ群103は、第1のカウンタ回路104と、第2のカウンタ回路105と、第1の分周回路106と、第2の分周回路107と、リセット信号生成回路108と、を有する。
【0023】
次にクロック信号生成回路100における各構成の接続関係について説明する。
【0024】
定電圧回路101は、基準クロック信号生成回路102と接続され、基準クロック信号生成回路102は、第1のカウンタ回路104、第2のカウンタ回路105、及び第1の分周回路106と接続される。第1のカウンタ回路104は、第2のカウンタ回路105、第1の分周回路106、及びリセット信号生成回路108と接続され、第2のカウンタ回路105は、リセット信号生成回路108と接続され、第1の分周回路106は、第2の分周回路107と接続される。
【0025】
定電圧回路101は、第1の電源電圧(VDDCG)109から、電圧値が一定である第2の電源電圧(VDDRO)110を生成し、基準クロック信号生成回路102に供給する機能を有する。
【0026】
基準クロック信号生成回路102は、第2の電源電圧110を用いて、周波数fROを有する第1の基準クロック信号(CLKRO)111を生成する機能を有する。基準クロック信号生成回路102として、例えばリングオシレータまたは水晶発振器などを用いることができる。なお、以下の説明では、第1の基準クロック信号111の周波数は、同期(SYNC)期間及び非同期(非SYNC)期間において、それぞれfROS及びfRONSとする。
【0027】
第1のカウンタ回路104は、同期期間において、周期Tで有効となる同期信号(SYNC)112を用いて第1のリセット信号(RSTMASTER)113を生成すると共に、第1のリセット信号113をリセット信号として、第1の基準クロック信号111における立ち上がりのエッジ数を計数する。なお、ここで、(nT0−1)/fROS≦T<(nT0+1)/fROSの関係が成り立つ。不等号は、Tを量子化したことによる誤差を含むことを意味する。
【0028】
なお、本明細書において、信号が有効となる(アサートするともいう)とは、電気回路における信号または論理が有効となる(アクティブになる)ことと同義である。電気回路の場合、電圧レベルを制御することにより電流の向きや電流の有無などが決定し、電流の向きや電流の有無によってオンまたはオフを表現するが、目的に応じてこの表現方法が混在して使用されているため、解釈が困難である。従って信号が有効または無効であるかにより表現することにより電圧レベルに関わらずに信号の状態を表現できる。
【0029】
第2のカウンタ回路105は、同期期間及び非同期期間において、第1の基準クロック信号111における立ち上がりのエッジ数をnT0個計数する度に、第2のリセット信号(RSTSLAVE)114を生成する。つまり、第2のリセット信号114は、周期T0NS=nT0/fRONSのパルス信号となる。
【0030】
第1の分周回路106では、第1のリセット信号113をリセット信号として第1の基準クロック信号111を分周し、第2の基準クロック信号(CLKSYS)115を生成する。
【0031】
本実施の形態において、リセット信号生成回路108は、OR回路により構成されており、第1のカウンタ回路104、または第2のカウンタ回路105からリセット信号が入力された場合に第3のリセット信号116を第2の分周回路107に出力する機能を有する。
【0032】
第2の分周回路107は第2の基準クロック信号115で駆動し、第3のリセット信号(RSTPH=RSTMASTERまたはRSTSLAVE)116をリセット信号とし、第2の基準クロック信号115を分周し、ロジック回路のクロック信号(PH)117を生成する。
【0033】
なお、ここで、Tは通信規格により決められる値である。また、nT0、nSYSは、設計仕様により決める整数値である。
【0034】
次にクロック信号生成回路100の動作について、図8及び図16のタイミングチャートを用いて、より詳しく説明する。なお、図8において、第1の信号波形801は同期信号112の信号波形、第2の信号波形802は第1のカウンタ回路104の計数値、第3の信号波形803は第2のカウンタ回路105の計数値、第4の信号波形804は第1のリセット信号113の信号波形、第5の信号波形805は第2のリセット信号114の信号波形、第6の信号波形806は第2の基準クロック信号115の信号波形、及び第7の信号波形807はクロック信号117の信号波形としてそれぞれ対応する。
【0035】
同期期間(SYNC期間)808では、同期信号112は、第1の信号波形801に示すように、それぞれ周期Tにおいて信号が有効となることにより、第1のカウンタ回路104では、同期信号112を用いて第4の信号波形804のような第1のリセット信号113を生成する。具体的には、同期信号112を、第1の基準クロック信号111を用いて動作させるフリップフロップ回路に入力することで、第1の基準クロック信号111に同期させた信号を生成する。
【0036】
第1のカウンタ回路104では、第1のリセット信号113をリセット信号として、第1の基準クロック信号111における立ち上がりのエッジ数を計数する。計数値(カウント値)は、第2の信号波形802のようになる。なお、計数は、次に同期信号112が有効となるまで続き、この時点での計数値nT0を第2のカウンタ回路105及び第1の分周回路106に供給する。
【0037】
なお、本明細書において計数するとは、単位時間あたりの信号における立ち上がりのエッジの数をカウントすることと同義である。
【0038】
非同期期間(非SYNC期間)809では、同期信号112が無効な状態であるため、第1のカウンタ回路104は、計数し続けることになる。また、第1のリセット信号113が生成されないため、計数値nT0は更新されない。
【0039】
第2のカウンタ回路105では、第1のカウンタ回路104で計数された計数値nT0を正常な値か否かを判定し、正常な値と判定した場合には、第1の基準クロック信号111における立ち上がりのエッジ数の計数を始める。なお、計数値については、矢印118及び矢印119で示すように、第2のカウンタ回路105で計数を行う期間の直前の期間Tにおいて、第1のカウンタ回路104で計数された計数値nT0まで計数を行い、nT0の値まで計数するたびに、第5の信号波形805のような第2のリセット信号114を生成し、計数値をリセットし、計数を再開する。つまり、第2のカウンタ回路105のカウンタ値は、第3の信号波形803のようになる。ここで、計数値nT0が正常な値か否かの判定は、例えば計数値nT0の計数値が、あらかじめ仕様で決められた範囲内であるかどうかを判定することである。また、判定は、計数値nT0が更新された時に行うものとする。
【0040】
一方、非同期期間809のように、第1のカウンタ回路104で計数された計数値nを正常な値でないと判定した場合には、矢印120及び矢印121で示すように、第1のカウンタ回路104における正常な値ではない計数値を計数した期間Tの直前の期間Tにおいて計数された正常な値である計数値nT0に従って、計数を行う。
【0041】
第1の分周回路106では、第1のカウンタ回路104における計数値nT0を正常な値か否かを判定し、正常な値と判定した場合には、第1のリセット信号(RSTMASTER)をリセット信号として、第1の基準クロック信号111を分周し、パルス数がnSYS個の第2の基準クロック信号115を生成する。具体的には、分周比m=INT(nT0/nSYS)で第1の基準クロック信号111を分周する。ここで、INTとは、nT0をnSYSで割った値のうち、小数点以下を切り捨て、整数のみを表す関数である。
【0042】
また、設計パラメータであるnSYSは、2のn乗(nは自然数)とすることが望ましい。nSYSを2のn乗とすることで、計数値nT0の下位nビットを除いた上位ビットを分周比とすることができ、また、除算回路など、大規模な回路を必要としないので、クロック信号生成回路100のチップ面積を縮小できる。なお、第2の基準クロック信号115の信号波形は第6の信号波形806のようになる。ここで、計数値nT0が正常な値か否かの判定は、例えば計数値nT0の計数値が、あらかじめ仕様で決められた範囲内であるかどうかを判定することである。また、判定は、計数値nT0が更新された時に行うものとする。
【0043】
リセット信号生成回路108では、第1のカウンタ回路で生成される第1のリセット信号、または第2のカウンタ回路で生成される第2のリセット信号のいずれかが入力された場合に入力されたリセット信号が第3のリセット信号116として第2の分周回路107に出力される。
【0044】
第2の分周回路107では、第3のリセット信号116をリセット信号として第2の基準クロック信号115を分周し、且つ、第3のリセット信号116が次に有効となった期間までに、nPH個のパルスを生成する。ここで、nPHは、設計パラメータである。具体的には、第3のリセット信号116が有効となったら、第2の基準クロック信号115をあらかじめ設定した分周比での分周を開始してクロック信号117を生成する。同時にクロック信号117のパルス数を計数し、このパルス数がnPHに達したら、クロック信号117の生成を停止する。そして、次に第3のリセット信号116が有効となったら、クロック信号117の生成を再開する。なお、クロック信号117の信号波形は、第7の信号波形807のようになる。
【0045】
また、クロック信号117は、第3のリセット信号116が有効となった後、それぞれ2nPH回トグルする。すなわち、図16の信号波形810及び信号波形811に示すように、同期期間及び非同期期間において、平均周波数fPH=nPH/TのPH1の信号及び平均周波数fPHNS=nPH/T0NSのPH2の信号がそれぞれ得られる。
【0046】
なお、第2の分周回路107における分周動作は、図8における信号波形806の第2の基準クロック信号115及び信号波形807のクロック信号117に示すように、第1のリセット信号113を第3のリセット信号116として分周を開始しているが、第2のリセット信号114が第3のリセット信号116となる場合には、第2のリセット信号114を第3のリセット信号116として分周を開始する。
【0047】
なお、本実施の形態において第1のカウンタ回路104、第2のカウンタ回路105、第1の分周回路106、及び第2の分周回路107のそれぞれには、フリップフロップ回路と、ラッチ回路、NOT回路、AND回路、OR回路、NAND回路、及びNOR回路のいずれか一つまたは複数とを有する構成の回路を用いることにより、本実施の形態のクロック信号生成回路100において、計数または分周の各動作を行うことができる。
【0048】
以上のような構成にすることで、同期期間808及び非同期期間809において、周期Tにつき、パルス数nPH個の信号を生成することができる。すなわち、平均周波数が、1/nPHであるクロック信号117を生成することができる。
【0049】
ここで、本発明における半導体装置に搭載するクロック信号生成回路におけるクロック信号の周波数精度と周波数ばらつきについて考察する。
【0050】
まず、周波数精度は、Tを量子化したことによる誤差に起因する。すなわち、計数された第1の基準クロック信号111における立ち上がりのエッジ数nT0により、Tを計数したことによる”余り”の項である量子化誤差である。量子化誤差は、nT0の逆数に比例した大きさを持つ。そのため、nT0を大きく、すなわち、第1の基準クロック信号111の周波数を増大することで、相対的に小さくできる。すなわち、容易に周波数精度を上げられることがわかる。
【0051】
一方、周波数ばらつきは、同期期間及び非同期期間における第1の基準クロック信号111の周波数の違いに起因する。定量的には、TとT0NSとの関係より、(1−1/nT0)・(fRONS/fROS)≦(fPHNS/fPHS)<(1+1/nT0)・(fRONS/fROS)の関係が得られる。つまり、パルス数nT0を増大、すなわち、第1の基準クロック信号111の周波数を増大することにより周波数変動を相対的に低減することができる。本発明におけるクロック信号生成回路では、基準クロック信号生成回路102に供給する第2の電源電圧110を定電圧回路101から供給することで、第1の基準クロック信号111の周波数変動を低減することができる。
【0052】
以上のように、本実施の形態における複数のカウンタ回路及び複数の分周回路を備えたクロック信号生成回路により、周波数精度が高く、周波数ばらつきが非常に少ないクロック信号を生成することができる。
【0053】
また本発明により、例えばUHF帯域の無線通信においても安定した動作が実現できる半導体装置を安価に提供することができる。
(実施の形態2)
【0054】
本実施の形態では、上記実施の形態1に示したクロック信号生成回路を備えた半導体装置について説明する。
【0055】
本実施の形態における半導体装置の構成について、図3に示す。半導体装置300は、RF回路301、クロック信号生成回路302、ロジック回路303、及びアンテナ部318におけるアンテナ317により構成されている。なお、図3には示していないが、半導体装置300は、無線通信装置などの外部の回路とアンテナ317を介して無線信号の送受信を行っている。
【0056】
次に各回路の構成について説明する。RF回路301は、電源回路304、復調回路305、及び変調回路306を有している。また、クロック信号生成回路302は、定電圧回路307、リングオシレータ308、及びカウンタ群309を有している。また、ロジック回路303は、コントローラ313、CPU(中央演算装置ともいう)310、ROM(Read Only Memory)311、RAM(Random Access Memory)312、を有している。
【0057】
また、コントローラ313は、CPUインターフェース314、RFインターフェース315、及びメモリコントローラ316を有している。
【0058】
また、RF回路301において、電源回路304は、整流回路と保持容量とから構成され、第1の電源電圧をその他の回路に供給する機能を有する。復調回路305は、整流回路とLPF(ローパスフィルタ)とから構成され、通信信号からコマンドやデータを抽出する機能を有する。変調回路306は、送信データを変調する機能を有し、変調されたデータは、アンテナ317より送信信号として送信される。
【0059】
次に本実施の形態における半導体装置の動作について説明する。まず、外部の通信装置より送信された受信信号により、半導体装置300が受信信号を受信する。受信信号は、復調回路305で復調された後、コントローラ313におけるRFインターフェース315に入力される。RFインターフェース315に入力された受信信号は、CPUインターフェース314を介してCPU310で演算処理される。また、RFインターフェース315に入力された受信信号により、メモリコントローラ316を介してROM311、RAM312に対するアクセスを行う。
【0060】
そして、CPU310による演算処理、ROM311、RAM312におけるデータの入出力後に送信データを生成し、変調回路306で変調し、アンテナ317より送信信号を通信装置に送信する。
【0061】
なお、本実施の形態におけるクロック信号生成回路302に、上記実施の形態1において、図1に示したクロック信号生成回路100を適用することができる。ここで、定電圧回路101、基準クロック信号生成回路102、カウンタ群103は、それぞれ定電圧回路307、リングオシレータ308、カウンタ群309に対応する。
【0062】
以上のように、本発明のクロック信号生成回路を備えた半導体装置により、周波数精度が高く、周波数ばらつきが非常に少ないクロック信号を生成できる。
【0063】
また本発明のクロック信号生成回路を備えた半導体装置は、安定した動作を実現でき、例えばUHF帯域を用いた無線通信においても、安定した動作が実現できる半導体装置を安価に提供することができる。
(実施の形態3)
【0064】
本実施の形態では、上記実施の形態で示した半導体装置の作製方法の一例について説明する。本実施の形態においては、アンテナ回路を含む半導体装置を同じ基板上に設ける構成について説明する。
【0065】
まず、図9(A)に示すように、基板1901の表面に絶縁膜1902を形成し、絶縁膜1902を介して剥離層1903を形成し、続けて下地膜として機能する絶縁膜1904と半導体膜1905(例えば非晶質珪素を含む膜)を積層して形成する。なお、絶縁膜1902、剥離層1903、絶縁膜1904および半導体膜1905は、連続して形成することができる。
【0066】
なお、基板1901は、ガラス基板、石英基板、セラミック基板、金属基板(例えばステンレス基板など)、及びSi基板等の半導体基板から選択されるものである。他にもプラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、アクリルなどの基板を選択することもできる。
【0067】
また、本工程で剥離層1903は、絶縁膜1902を介して基板1901の全面に設けているが、必要に応じて、基板1901の全面に剥離層を設けた後に、フォトリソグラフィ法により選択的に設けてもよい。
【0068】
また、絶縁膜1902、絶縁膜1904は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の材料を用いて形成する。例えば、絶縁膜1902、1904を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成してもよい。絶縁膜1902は、基板1901から剥離層1903またはその上に形成される素子に不純物が混入するのを防ぐブロッキング層として機能し、絶縁膜1904は基板1901及び剥離層1903からその上に形成される素子に不純物が混入するのを防ぐブロッキング層として機能する。このように、ブロッキング層として機能する絶縁膜1902及び絶縁膜1904を形成することによって、基板1901からこの上に形成する素子にNaなどのアルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素などを含む不純物が悪影響を与えることを防ぎ、また、剥離層1903からこの上に形成する素子に剥離層1903に含まれる不純物が悪影響を与えることを防ぐことができる。なお、基板1901として石英を用いるような場合には絶縁膜1902及び絶縁膜1904を省略してもよい。
【0069】
また、剥離層1903は、金属膜や金属膜と金属酸化膜の積層構造等を用いることができる。金属膜としては、タングステン、モリブデン、チタン、タンタル、ニオブ、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムから選択された元素または当該元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる膜を単層または積層して形成する。また、これらの材料は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法等を用いて形成することができる。金属膜と金属酸化膜の積層構造としては、上述した金属膜を形成した後に、酸素雰囲気化またはNO雰囲気下におけるプラズマ処理、酸素雰囲気化またはNO雰囲気下における加熱処理を行うことによって、金属膜表面に当該金属膜の酸化物または酸化窒化物を設けることができる。例えば、金属膜としてスパッタ法やCVD法等によりタングステン膜を設けた場合、タングステン膜にプラズマ処理を行うことによって、タングステン膜表面にタングステン酸化物からなる金属酸化膜を形成することができる。他にも、例えば、金属膜(例えば、タングステン)を形成した後に、当該金属膜上にスパッタ法で酸化珪素等の絶縁膜を設けると共に、金属膜上に金属酸化物(例えば、タングステン上にタングステン酸化物)を形成してもよい。また、プラズマ処理として、例えば上述した高密度プラズマ処理を行ってもよい。また、金属酸化膜の他にも、金属窒化物や金属酸化窒化物を用いてもよい。この場合、金属膜に窒素雰囲気下または窒素と酸素雰囲気下でプラズマ処理や加熱処理を行えばよい。
【0070】
また、半導体膜1905は、スパッタリング法、LPCVD法、プラズマCVD法等により、25nm以上200nm以下(好ましくは30nm以上150nm以下)の厚さで形成する。
【0071】
次に、図9(B)に示すように、半導体膜1905にレーザビームを照射して結晶化を行う。なお、レーザビームの照射と、RTAまたはファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とを組み合わせた方法等により半導体膜1905の結晶化を行ってもよい。その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングして、結晶化した結晶質半導体膜1905a、結晶質半導体膜1905b、結晶質半導体膜1905c、結晶質半導体膜1905d、結晶質半導体膜1905e、及び結晶質半導体膜1905fを形成し、この結晶質半導体膜1905aから結晶質半導体膜1905fまでの各結晶質半導体膜を覆うようにゲート絶縁膜1906を形成する。
【0072】
なお、ゲート絶縁膜1906は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の材料を用いて形成する。例えば、ゲート絶縁膜1906を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成してもよい。
【0073】
結晶化された半導体膜1905a〜1905fの作製工程の一例を以下に簡単に説明すると、まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚50nm以上60nm以下の非晶質半導体膜を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニッケルを含む溶液を非晶質半導体膜上に保持させた後、非晶質半導体膜に脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を行って結晶質半導体膜を形成する。その後、レーザビームを照射し、フォトリソグラフィ法を用いることよって結晶質半導体膜1905a〜1905fを形成する。なお、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化を行わずに、レーザビームの照射だけで非晶質半導体膜の結晶化を行ってもよい。
【0074】
なお、結晶化に用いるレーザ発振器としては、連続発振型のレーザビーム(CWレーザビーム)やパルス発振型のレーザビーム(パルスレーザビーム)を用いることができる。ここで用いることができるレーザビームは、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、または多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、及びTaのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザ、及び金蒸気レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザビームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザビームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVOレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザのパワー密度は0.01MW/cm以上100MW/cm以下程度(好ましくは0.1MW/cm以上10MW/cm以下)が必要である。そして、走査速度を10cm/sec以上2000cm/sec以下程度として照射する。なお、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、または多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、Arイオンレーザ、またはTi:サファイアレーザは、連続発振をさせることが可能であり、モード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザビームを発振させると、半導体膜がレーザによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
【0075】
また、ゲート絶縁膜1906は、半導体膜1905a乃至半導体膜1905fに対し前述の高密度プラズマ処理を行い、表面を酸化または窒化することで形成しても良い。例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと、酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを導入したプラズマ処理で形成する。この場合のプラズマの励起は、マイクロ波の導入により行うと、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。この高密度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化または窒化することができる。
【0076】
このような高密度プラズマを用いた処理により、1nm以上20nm以下、代表的には5nm以上10nm以下の絶縁膜が半導体膜に形成される。この場合の反応は、固相反応であるため、当該絶縁膜と半導体膜との界面準位密度をきわめて低くすることができる。このような高密度プラズマ処理は、半導体膜(結晶性シリコンまたは多結晶シリコン)を直接酸化(または窒化)するため、形成される絶縁膜の厚さのばらつきを極めて小さくすることができる。加えて、結晶性シリコンの結晶粒界においても、強く酸化されることがないため、非常に好ましい状態となる。すなわち、ここで示す高密度プラズマ処理により半導体膜の表面を固相酸化することにより、結晶粒界において異常に酸化反応をさせることなく、均一性が良く、界面準位密度が低い絶縁膜を形成することができる。
【0077】
なお、ゲート絶縁膜1906は、高密度プラズマ処理によって形成される絶縁膜のみを用いても良いし、それにプラズマや熱反応を利用したCVD法で酸化シリコン、酸化窒化シリコン、または窒化シリコンの絶縁膜のいずれか一つまたは複数を堆積し、積層させても良い。いずれにしても、高密度プラズマで形成した絶縁膜をゲート絶縁膜の一部または全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを小さくすることができる。
【0078】
また、半導体膜に対し、連続発振レーザまたは10MHz以上の周波数で発振するレーザビームを照射しながら一方向に走査して結晶化させて得られた半導体膜1905a乃至半導体膜1905fは、そのビームの走査方向に結晶が成長する特性がある。その走査方向をチャネル長方向(チャネル形成領域が形成されたときにキャリアが流れる方向)に合わせてトランジスタを配置し、上記ゲート絶縁膜1906を組み合わせることで、特性ばらつきが小さく、しかも電界効果移動度が高い薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を得ることができる。
【0079】
次に、ゲート絶縁膜1906上に、第1の導電膜と第2の導電膜とを積層して形成する。ここでは、第1の導電膜は、CVD法やスパッタリング法等により、20nm以上100nm以下の厚さで形成する。第2の導電膜は、100nm以上400nm以下の厚さで形成する。第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、クロム、ニオブ等から選択された元素、またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成する。第1の導電膜と第2の導電膜の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル膜とタングステン膜、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電膜と第2の導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
【0080】
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極とゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、半導体膜1905a乃至半導体膜1905fの上方にゲート電極1907を形成する。ここでは、ゲート電極1907として、第1の導電膜1907aと第2の導電膜1907bの積層構造で設けた例を示している。
【0081】
次に、図9(C)に示すように、ゲート電極1907をマスクとして半導体膜1905a〜半導体膜1905fに、イオンドープ法またはイオン注入法により、n型を付与する不純物元素を低濃度に添加し、その後、フォトリソグラフィ法によりレジストからなるマスクを選択的に形成して、p型を付与する不純物元素を高濃度に添加する。n型を示す不純物元素としては、リンやヒ素等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロンやアルミニウムやガリウム等を用いることができる。ここでは、n型を付与する不純物元素としてリンを用い、1×1015/cm以上1×1019/cm以下の濃度で含まれるように半導体膜1905a乃至半導体膜1905fに選択的に導入し、n型を示す不純物領域1908を形成する。また、p型を付与する不純物元素としてボロンを用い、1×1019/cm以上1×1020/cm以下の濃度で含まれるように選択的に半導体膜1905c、1905eに導入し、p型を示す不純物領域1909を形成する。
【0082】
続いて、ゲート絶縁膜1906とゲート電極1907を覆うように、絶縁膜を形成する。絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素、珪素の酸化物または珪素の窒化物の無機材料を含む膜、及び有機樹脂などの有機材料を含む膜の一種または複数種を、単層または積層して形成する。次に、絶縁膜を垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、ゲート電極1907の側面に接する絶縁膜1910(サイドウォールともよばれる)を形成する。絶縁膜1910は、LDD(Lightly Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。
【0083】
続いて、フォトリソグラフィ法により形成したレジストからなるマスクと、ゲート電極1907および絶縁膜1910をマスクとして用いて、半導体膜1905a、半導体膜1905b、半導体膜1905d、半導体膜1905fにn型を付与する不純物元素を高濃度に添加して、n型を示す不純物領域1911を形成する。ここでは、n型を付与する不純物元素としてリン(P)を用い、1×1019/cm以上1×1020/cm以下の濃度で含まれるように半導体膜1905a、半導体膜1905b、半導体膜1905d、半導体膜1905fに選択的に導入し、不純物領域1908より高濃度のn型を示す不純物領域1911を形成する。
【0084】
以上の工程により、図9(D)に示すように、nチャネル型薄膜トランジスタ1900a、1900b、1900d、1900fとpチャネル型薄膜トランジスタ1900c、1900eが形成される。
【0085】
なお、nチャネル型薄膜トランジスタ1900aは、ゲート電極1907と重なる半導体膜1905aの領域にチャネル形成領域が形成され、ゲート電極1907及び絶縁膜1910と重ならない領域にソース領域またはドレイン領域を形成する不純物領域1911が形成され、絶縁膜1910と重なる領域であってチャネル形成領域と不純物領域1911の間に低濃度不純物領域(LDD領域)が形成されている。また、nチャネル型薄膜トランジスタ1900b、薄膜トランジスタ1900d、薄膜トランジスタ1900fも同様にチャネル形成領域、低濃度不純物領域及び不純物領域1911が形成されている。
【0086】
また、pチャネル型薄膜トランジスタ1900cは、ゲート電極1907と重なる半導体膜1905cの領域にチャネル形成領域が形成され、ゲート電極1907と重ならない領域にソース領域またはドレイン領域を形成する不純物領域1909が形成されている。また、pチャネル型薄膜トランジスタ1900eも同様にチャネル形成領域及び不純物領域1909が形成されている。なお、ここでは、pチャネル型薄膜トランジスタ1900c、1900eには、LDD領域を設けていないが、pチャネル型薄膜トランジスタにLDD領域を設けてもよいし、nチャネル型薄膜トランジスタにLDD領域を設けない構成としてもよい。
【0087】
次に、図10(A)に示すように、半導体膜1905a、半導体膜1905b、半導体膜1905c、半導体膜1905d、半導体膜1905e、半導体膜1905f、ゲート電極1907等を覆うように、絶縁膜を単層または積層して形成し、当該絶縁膜上に薄膜トランジスタ1900aから薄膜トランジスタ1900fまでの各トランジスタのソース領域またはドレイン領域を形成する不純物領域1909、1911と電気的に接続する導電膜1913を形成する。絶縁膜は、CVD法、スパッタリング法、SOG法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等により、珪素の酸化物及び珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、及びエポキシ等の有機材料、シロキサン材料のいずれか一種または複数種を単層または積層で形成する。ここでは、当該絶縁膜を2層で設け、1層目の絶縁膜1912aを窒化酸化珪素膜で形成し、2層目の絶縁膜1912bを酸化窒化珪素膜で形成する。また、導電膜1913は、半導体膜1905a〜1905fのソース電極またはドレイン電極を形成する。
【0088】
なお、絶縁膜1912a、1912bを形成する前、または絶縁膜1912a、1912bのうちの1つまたは複数の薄膜を形成した後に、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体膜の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザニール法またはRTA法などを適用するとよい。
【0089】
また、導電膜1913は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム、タングステン、チタン、タンタル、モリブデン、ニッケル、白金、銅、金、銀、マンガン、ネオジム、炭素、及びシリコンから選択された元素、またはこれらの元素を主成分とする合金材料または化合物材料で、単層または積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分とし、ニッケルを含む材料、またはアルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方または両方とを含む合金材料などを用いることができる。導電膜1913は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、またはモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜1913を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。
【0090】
次に、導電膜1913を覆うように、絶縁膜1914を形成し、当該絶縁膜1914上に、半導体膜1905a、1905fのソース電極またはドレイン電極を形成する導電膜1913とそれぞれ電気的に接続する導電膜1915a、1915bを形成する。また、半導体膜1905b、1905eのソース電極またはドレイン電極を形成する導電膜1913とそれぞれ電気的に接続する導電膜1916a、1916bを形成する。なお、導電膜1915a、1915bと導電膜1916a、1916bは同一の材料で同時に形成してもよい。導電膜1915a、1915bと導電膜1916a、1916bは、上述した導電膜1913に用いることのできる材料のいずれかを用いて形成することができる。
【0091】
続いて、図10(B)に示すように、導電膜1916a、1916bにアンテナとして機能する導電膜1917a、1917bが電気的に接続されるように形成する。
【0092】
なお、絶縁膜1914は、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y>0)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコンと酸素との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
【0093】
また、導電膜1917a、1917bは、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム、チタン、銀、銅、金、白金、ニッケル、パラジウム、タンタル、モリブデンから選択された元素、またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層構造または積層構造で形成する。
【0094】
例えば、スクリーン印刷法を用いてアンテナとして機能する導電膜1917a、1917bを形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷することによって設けることができる。導電体粒子としては、銀、金、銅、ニッケル、白金、パラジウム、タンタル、モリブデン及びチタン等のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散剤又は被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電膜の形成にあたり、導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150℃以上300℃以下の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電膜を得ることができる。また、はんだや鉛フリーのはんだを主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだや鉛フリーはんだは、低コストであるといった利点を有している。
【0095】
次に、図10(C)に示すように、導電膜1917a、1917bを覆うように絶縁膜1918を形成した後、薄膜トランジスタ1900a〜1900f、導電膜1917a、1917b等を含む層(以下、素子形成層1919と記す)を基板1901から剥離する。ここでは、レーザビーム(例えばUV光)を照射することによって、薄膜トランジスタ1900a〜1900fを避けた領域に開口部を形成後、物理的な力を用いて基板1901から素子形成層1919を剥離することができる。また、基板1901から素子形成層1919を剥離する前に、形成した開口部にエッチング剤を導入して、剥離層1903を選択的に除去してもよい。エッチング剤は、フッ化ハロゲンまたはハロゲン化合物を含む気体または液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として三フッ化塩素(ClF)を使用する。そうすると、素子形成層1919は、基板1901から剥離された状態となる。なお、剥離層1903は、全て除去せず一部分を残存させてもよい。こうすることによって、エッチング剤の消費量を抑え剥離層の除去に要する処理時間を短縮することが可能となる。また、剥離層1903の除去を行った後にも、基板1901上に素子形成層1919を保持しておくことが可能となる。また、素子形成層1919が剥離された基板1901を再利用することによって、コストの削減をすることができる。
【0096】
絶縁膜1918は、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y>0)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。
【0097】
本実施の形態では、図11(A)に示すように、レーザビームの照射により素子形成層1919に開口部を形成した後に、当該素子形成層1919の一方の面(絶縁膜1918の露出した面)に第1のシート材1920を貼り合わせた後、基板1901から素子形成層1919を剥離する。
【0098】
次に、図11(B)に示すように、素子形成層1919の他方の面(剥離により露出した面)に、第2のシート材1921を貼り合わせた後、加熱処理と加圧処理の一方または両方を行って第2のシート材1921を貼り合わせる。第1のシート材1920、第2のシート材1921として、ホットメルトフィルム等を用いることができる。
【0099】
また、第1のシート材1920、第2のシート材1921として、静電気等を防止する帯電防止対策を施したフィルム(以下、帯電防止フィルムと記す)を用いることもできる。帯電防止フィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム、及び帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルム等が挙げられる。帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよいし、両面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよい。さらに、片面に帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が設けられた面をフィルムの内側になるように層に貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。なお、帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に設けてあればよい。ここでの帯電防止可能な材料としては、金属、インジウムと錫の酸化物(ITO)、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤等の界面活性剤用いることができる。また、他にも帯電防止材料として、側鎖にカルボキシル基および4級アンモニウム塩基をもつ架橋性共重合体高分子を含む樹脂材料等を用いることができる。これらの材料をフィルムに貼り付けたり、練り込んだり、塗布することによって帯電防止フィルムとすることができる。帯電防止フィルムで封止を行うことによって、商品として取り扱う際に、外部からの静電気等によって半導体素子に悪影響が及ぶことを抑制することができる。
【0100】
また本実施の形態では素子形成層1919を基板1901から剥離して利用する例を示しているが、剥離層1903を設けずに、基板1901上に上述の素子形成層1919を作製し、半導体装置として利用しても良い。なお基板1901として、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いる場合は、半導体膜として単結晶半導体膜を用いればよく、半導体膜の結晶化の工程の分の短縮を図ることが出来る。
【0101】
以上のように、本実施の形態の作製方法を用いることにより、小型で、物理的形状に対する柔軟性を有し、且つ、安定した動作を実現できる本発明のクロック信号生成回路を備えた半導体装置を提供できる。
【0102】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
【0103】
本実施の形態では、単結晶基板に形成されたトランジスタを用いて、本発明の半導体装置を作製する例について説明する。
【0104】
まず図12(A)に示すように、半導体基板2300に、半導体素子を電気的に分離するための素子分離用絶縁膜2301を絶縁膜で形成する。素子分離用絶縁膜2301の形成により、トランジスタを形成するための領域(素子形成領域2302)と、素子形成領域2303とを電気的に分離することが出来る。
【0105】
半導体基板2300は、例えば、n型またはp型の導電型を有する単結晶シリコン基板、化合物半導体基板(GaAs基板、InP基板、GaN基板、SiC基板、サファイア基板、またはZnSe基板等)、及び貼り合わせ法またはSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法を用いて作製されたSOI(Silicon on Insulator)基板のいずれかを用いることができる。
【0106】
素子分離用絶縁膜2301の形成には、選択酸化法(LOCOS:Local Oxidation of Silicon法)またはトレンチ分離法等を用いることができる。
【0107】
また本実施の形態ではn型の導電型を有する単結晶シリコン基板を半導体基板2300として用い、素子形成領域2303にpウェル2304を形成した例を示している。半導体基板2300の素子形成領域2303に形成されたpウェル2304は、p型の導電型を付与する不純物元素を素子形成領域2303に選択的に導入することによって形成することができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)等を用いることができる。また半導体基板2300としてp型の導電型を有する半導体基板を用いる場合、素子形成領域2302にn型を付与する不純物元素を選択的に導入し、nウェルを形成すれば良い。
【0108】
なお本実施の形態では、半導体基板2300としてn型の導電型を有する半導体基板を用いているため、素子形成領域2302には不純物元素の導入を行っていない。しかし、n型を付与する不純物元素を導入することにより素子形成領域2302にnウェルを形成してもよい。n型を付与する不純物元素としては、リンやヒ素等を用いることができる。
【0109】
次に図12(B)に示すように、素子形成領域2302、2303を覆うように絶縁膜2305、2306をそれぞれ形成する。本実施の形態では、半導体基板2300を熱酸化することで素子形成領域2302、2303に形成された酸化珪素膜を、絶縁膜2305、2306として用いる。また、熱酸化により酸化珪素膜を形成した後、窒化処理を行うことによって酸化珪素膜の表面を窒化させて酸窒化珪素膜を形成し、酸化珪素膜と酸窒化珪素膜とが積層された層を絶縁膜2305、2306として用いても良い。
【0110】
他にも、上述したように、プラズマ処理を用いて絶縁膜2305、2306を形成してもよい。例えば、高密度プラズマ処理により半導体基板2300の表面を酸化または窒化することで、素子形成領域2302、2303に、絶縁膜2305、2306として用いる酸化珪素膜または窒化珪素膜を形成することができる。
【0111】
次に図12(C)に示すように、絶縁膜2305、2306を覆うように導電膜を形成する。本実施の形態では、導電膜として、順に積層された導電膜2307と導電膜2308とを用いた例を示している。導電膜は、単層の導電膜を用いていても良いし、3層以上の導電膜が積層された構造を用いていても良い。
【0112】
導電膜2307、2308として、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、クロム、ニオブ等を用いることが出来る。また導電膜2307、2308は、上記金属で形成された膜の他に、上記金属を主成分とする合金で形成された膜、或いは上記金属を含む化合物を用いて形成された膜を用いても良い。または、半導体膜に導電性を付与するリン等の不純物元素をドーピングした、多結晶珪素などの半導体を用いて形成しても良い。本実施の形態では、窒化タンタルを用いて導電膜2307を形成し、タングステンを用いて導電膜2308を形成する。
【0113】
次に図13(A)に示すように、積層して設けられた導電膜2307、2308を所定の形状に加工(パターニングなど)することによって、絶縁膜2305、2306上にゲート電極2309、2310を形成する。
【0114】
次に図13(B)に示すように、素子形成領域2302を覆うように、レジストでマスク2311を選択的に形成する。そして、素子形成領域2303に不純物元素を導入する。マスク2311に加えてゲート電極2310もマスクとして機能するので、上記不純物元素の導入により、pウェル2304にソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域2312と、チャネル形成領域2313が形成される。不純物元素は、n型を付与する不純物元素またはp型を付与する不純物元素を用いる。n型を付与する不純物元素としては、リンやヒ素等を用いることができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロンやアルミニウムやガリウム等を用いることができる。本実施の形態では、不純物元素として、リン(P)を用いる。
【0115】
次にマスク2311を除去した後、図13(C)に示すように、素子形成領域2303を覆うようにレジストでマスク2314を選択的に形成する。そして素子形成領域2302に不純物元素を導入する。マスク2314に加えてゲート電極2309もマスクとして機能するので、上記不純物元素の導入により、素子形成領域2302内の半導体基板2300において、ソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域2315と、チャネル形成領域2316が形成される。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素またはp型を付与する不純物元素を用いる。n型を付与する不純物元素としては、リンやヒ素等を用いることができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロンやアルミニウムやガリウム等を用いることができる。本実施の形態では、図13(C)で素子形成領域2303に導入した不純物元素と異なる導電型を有する不純物元素(例えば、ボロン)を導入する。
【0116】
次に図14(A)に示すように、絶縁膜2305、2306、ゲート電極2309、2310を覆うように絶縁膜2317を形成する。そして絶縁膜2317にコンタクトホールを形成し、不純物領域2312、2315を一部露出させる。次にコンタクトホールを介して不純物領域2312、2315と接続する導電膜2318を形成する。導電膜2318は、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。
【0117】
絶縁膜2317は、無機材料、有機材料、または有機材料と無機材料の混合材料を用いて形成することができる。例えば酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)に代表される炭素を含む膜、アクリル、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、またはベンゾシクロブテンなどを用いることができる。また絶縁膜2317はその材料に応じて、CVD法、スパッタ法、液滴吐出法または印刷法でなどで形成することが出来る。
【0118】
なお、本発明の半導体装置に用いるトランジスタは、本実施の形態において図示した構造に限定されるものではない。例えば、逆スタガ構造であっても良い。
【0119】
次に図14(B)に示すように層間膜2324を形成する。そして層間膜2324をエッチングすることによりコンタクトホールを形成し、導電膜2318の一部を露出させる。層間膜2324は樹脂には限定せず、CVD酸化膜など他の膜であっても良いが、平坦性の観点から樹脂であることが望ましい。また、感光性樹脂を用いて、露光現象によりエッチングを用いずにコンタクトホールを形成しても良い。次に層間膜2324上に、コンタクトホールを介して導電膜2318と接する配線2325を形成する。
【0120】
次にアンテナとして機能する導電膜2326を、配線2325と接するように形成する。導電膜2326は、銀、金、銅、パラジウム、クロム、白金、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、鉄、コバルト、亜鉛、錫、ニッケルなどの金属を用いて形成することが出来る。導電膜2326は、上記金属で形成された膜の他に、上記金属を主成分とする合金で形成された膜、或いは上記金属を含む化合物を用いて形成された膜を用いても良い。導電膜2326は、上述した膜を単層で用いても良いし、上述した複数の膜を積層して用いても良い。
【0121】
導電膜2326は、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、めっき法、フォトリソグラフィ法、蒸着法等を用いて形成することが出来る。
【0122】
なお本実施の形態では、アンテナを半導体素子と同じ基板上に形成する例について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。半導体素子を形成した後、別途形成したアンテナを、集積回路と電気的に接続するようにしても良い。この場合、アンテナと集積回路との電気的な接続は、異方導電性フィルム(ACF(Anisotropic Conductive Film))や異方導電性ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste))等で圧着させることにより電気的に接続することが出来る。また、他にも、銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合等を用いて接続を行うことも可能である。
【0123】
以上のように、本実施の形態の作製方法を用いることにより、トランジスタの特性のばらつきを抑えることができるため、半導体装置に用いるトランジスタの数を少なくすることができ、且つ、安定した動作を実現できる本発明のクロック信号生成回路を備えた半導体装置を提供できる。
【0124】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
【0125】
本実施の形態では、上記実施の形態におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の使用例について説明する。
【0126】
上記実施の形態におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の使用例について、図15に示す。半導体装置の用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図15(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図15(C)参照)、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図15(B)参照)、乗り物類(自転車等、図15(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、または電子機器(液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置、または携帯電話)等の物品、若しくは各物品に取り付ける荷札(図15(E)、図15(F)参照)等に設けて使用することができる。
【0127】
本発明の半導体装置3000は、プリント基板に実装、表面に貼る、または埋め込むことにより、物品に固定される。例えば、本であれば紙に埋め込む、または有機樹脂からなるパッケージであれば当該有機樹脂に埋め込み、各物品に固定される。本発明の半導体装置3000は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後もその物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、または証書類等に本発明の半導体装置3000を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、または電子機器等に本発明の半導体装置を取り付けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。また、乗り物類であっても、本発明の半導体装置を取り付けることにより、盗難などに対するセキュリティを高めることができる。
【0128】
以上のように、本発明のクロック信号生成回路を備えた半導体装置を本実施の形態に挙げた各用途に用いることにより、例えば通信距離を延伸した場合においても、安定した動作を実現できるため、物品の認証性、またはセキュリティなどを高めることができる。
【0129】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【実施例1】
【0130】
本実施例では、本発明における半導体装置の一例として作製した無線通信機能を有するCPU(以下無線通信CPU)について説明する。
【0131】
本実施例では、UHF帯域(915MHz)の無線信号を用いた無線通信CPU(以下UHF版無線通信CPU)について説明する。UHF版無線通信CPUの通信規格は、Auto−ID Center Class I Region 1(North America)に部分準拠である。
【0132】
プラスチックUHF版無線通信CPUの写真を図2に示す。図2に示すように、本実施例ではアンテナにV字ダイポールアンテナを用いており、外付けで形成している。なお、本実施例におけるプラスチックUHF版無線通信CPUの回路構成については、図3に示した上記実施の形態2の回路構成のブロック図についての説明を援用する。
【0133】
次に本実施例の無線通信CPUにおけるクロック信号生成回路の主要信号波形データを図4に示す。なお、本実施例のクロック信号生成回路のブロック図は、上記実施の形態1に示した構成と同じものを適用できるため、上記実施の形態1に記載した説明を援用する。なお、本実施例では、クロック信号(PH)117は、デューティー比25%の2相ノンオーバーラップクロック、PH1とPH2とからなる。また、設計パラメータとして、T=14.25μs、nSYS=64、nPH=16、fPH=1.12MHz、を採用し、nT0=256、fROS,RONS=18MHz、を想定して、定電圧回路307及びリングオシレータ308の設計を行った。
【0134】
次に本実施例の無線通信CPUの動作について図4を用いて説明する。
【0135】
図4(A)は、SYNC期間の信号波形、図4(B)は、非SYNC期間の信号波形である。図4(A)と図4(B)の各PH1同士及び各PH2同士をそれぞれ比べると、それぞれ非常によく一致しており、本発明における半導体装置に搭載するクロック信号生成回路において生成するクロック信号が安定性に優れていることがわかる。
【0136】
次にUHF版無線通信CPUの設計概要を表1に示す。
【0137】
【表1】

【0138】
本実施例のUHF版無線通信CPUにおけるCPU310は、8ビットCISCアーキテクチャのCPUである。8ビットCISCアーキテクチャのCPUを用いることにより、HF版無線通信CPUに搭載したCPUに対して、1命令あたりに要するクロック数(ClockPer Instruction:CPI)を改善でき、演算性能を約4倍に向上し、回路規模を25%程度削減した。これにより、クロック周波数を約3分の1(1.12MHz)にして低消費電力化を達成しつつ、演算性能を約1.5倍に向上することができた。また、コントローラ313は、制御レジスタのアドレス領域をRAMに物理的に配置することにより、HF版無線通信CPUに比べて回路規模を30%程度削減できた。これにより、消費電力を大幅に低減できた。
【0139】
また、本実施例の無線通信CPUにおけるROM311は、容量が4KBのマスクROMであり、プログラム、ID番号などを格納している。ROM311では、読み出し時にプリチャージされるビットラインを細分化することで、低消費電力化を図っている。RAM312は、容量が512ByteのSRAMであり、CPU310の作業領域として使用する他、制御レジスタとしても使われる。また、RAM312では、16サブブロックに分割し、読み出し・書き込み時に1サブブロックのみ動作する構成とすることで、低消費電力化を図っている。このような工夫により、ROM311及びRAM312における消費電力は、HF版無線通信CPUの約4分の1になった。ROM311とRAM312は、HF版無線通信CPUに搭載したROMとRAMとに対して、それぞれ容量を2倍と8倍とに増大することができた。メモリ領域を増大したことにより、暗号処理機能に耐サイドチャネル攻撃機能もソフトウェアで搭載でき、暗号機能の強化ができた。なお、暗号処理ルーチンにはDES(Data Encryption Standard)を採用する。
【0140】
次に本実施例のUHF版無線通信CPUにおける無線通信についての測定結果を示す。
【0141】
まず本測定に使用した測定系について、図6に示す。図6において、測定系は、半導体装置601、アンテナ602、サーキュレータ603、スペクトラムアナライザ604、ファンクションジェネレータ605を有する。測定は、ファンクションジェネレータ605で送信信号を生成し、サーキュレータ603を介してアンテナ602より、無線信号として送信する。また、半導体装置601からの送信信号は、アンテナ602で受信し、サーキュレータ603を介してスペクトラムアナライザ604に入力される。
【0142】
次に測定結果について図5に示す。図5における測定結果は、ガラス基板上に作成したUHF版無線機能を有するCPUの応答信号波形をスペクトラムアナライザで測定した結果である。通信距離は、アンテナ出力が30dBmの場合で43cmである。また、チップ内部における消費電力は、内部生成電源電圧が1.5Vの場合で、0.54mWである。これは、HF版無線通信CPUの7分の1程度であり、この結果から低消費電力化に成功しているといえる。
【0143】
次にHF版無線通信CPU及びUHF版無線通信CPUの消費電力の測定結果を図7に示す。図7において、第1の結果700、第2の結果710が、それぞれHF版無線通信CPU、UHF版無線通信CPUにおける電源電圧1.8V時の消費電力であり、それぞれ4.1mW、0.81mWである。第1の結果700において、CPUの消費電力701、コントローラの消費電力702、ROMの消費電力703、RAMの消費電力704を帯グラフで示している。また、第2の結果710において、CPUの消費電力711、コントローラの消費電力712、ROMの消費電力713、RAMの消費電力714、クロック信号生成回路の消費電力715、定電圧回路の消費電力716を帯グラフで示している。なお、消費電力の測定は、ガラス基板上に作製した無線通信CPUについて測定し、各部ブロックにおける消費電力はシミュレーションより割合を求めた。図7より、UHF版無線通信CPUの消費電力は、HF版無線通信CPUの消費電力の5分の1程度に低減されている。なお、UHF版無線通信CPUは、より低電圧動作が可能であり、最低動作電圧の1.5Vでは、0.54mWと、非常に低い消費電力が実現されている。この結果より、本実施例において用いた設計方法により、低消費電力化が実現できたことがわかる。
【0144】
本発明のUHF版無線通信CPUでは、クロック信号生成回路により、TFTの特性ばらつきとは無関係な、安定した周波数のクロック信号の生成を実現した。また、CPUの演算効率向上、及びメモリ(ROM:Read Only Memory、RAM:Random Access Memory)のアクティブ領域の制御により低消費電力化を実現した。さらに、CPUとコントローラのトランジスタ数削減により、チップ面積縮小を実現しつつ、メモリの大容量化を実現した。メモリの大容量化により、耐サイドチャネル攻撃機能などもソフトウェアで搭載することが可能となり、暗号機能を強化することができた。
【0145】
以上のように、本発明のクロック信号生成回路を備えた半導体装置は、安定したクロック信号を生成することができ、例えばUHF帯域などを用いた無線通信であっても、安定した動作が実現できる半導体装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明におけるクロック信号生成回路のブロック図。
【図2】本発明におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の一例を示す図。
【図3】本発明におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の一例のブロック図。
【図4】本実施例における半導体装置に備えたクロック信号生成回路の信号波形を示す図。
【図5】本実施例における半導体装置に備えたクロック信号生成回路の無線信号波形を示す図。
【図6】本発明におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の一例の無線通信についての測定系のブロック図。
【図7】本発明におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の一例の電力測定結果を示す図。
【図8】本発明におけるクロック信号生成回路のタイミングチャート図。
【図9】本発明におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の作製方法を示す断面図。
【図10】本発明におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の作製方法を示す断面図。
【図11】本発明におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の作製方法を示す断面図。
【図12】本発明におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の作製方法を示す断面図。
【図13】本発明におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の作製方法を示す断面図。
【図14】本発明におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の作製方法を示す断面図。
【図15】本発明におけるクロック信号生成回路を備えた半導体装置の使用例を示す図。
【図16】本発明におけるクロック信号生成回路のタイミングチャート図。
【符号の説明】
【0147】
100 クロック信号生成回路
101 定電圧回路
102 基準クロック信号生成回路
103 カウンタ群
104 第1のカウンタ回路
105 第2のカウンタ回路
106 第1の分周回路
107 第2の分周回路
108 リセット信号生成回路
109 第1の電源電圧
110 第2の電源電圧
111 第1の基準クロック信号
112 同期信号
113 第1のリセット信号
114 第2のリセット信号
115 第2の基準クロック信号
116 第3のリセット信号
117 クロック信号
118 矢印
119 矢印
120 矢印
121 矢印
300 半導体装置
301 RF回路
302 クロック信号生成回路
303 ロジック回路
304 電源回路
305 復調回路
306 変調回路
307 定電圧回路
308 リングオシレータ
309 カウンタ群
310 CPU
311 ROM
312 RAM
313 コントローラ
314 CPUインターフェース
315 RFインターフェース
316 メモリコントローラ
317 アンテナ
601 半導体装置
602 アンテナ
603 サーキュレータ
604 スペクトラムアナライザ
605 ファンクションジェネレータ
700 結果
701 消費電力
702 消費電力
703 消費電力
704 消費電力
710 結果
711 消費電力
712 消費電力
713 消費電力
714 消費電力
715 消費電力
716 消費電力
801 信号波形
802 信号波形
803 信号波形
804 信号波形
805 信号波形
806 信号波形
807 信号波形
808 同期期間
809 非同期期間
810 信号波形
811 信号波形
1900a 薄膜トランジスタ
1900b 薄膜トランジスタ
1900c 薄膜トランジスタ
1900d 薄膜トランジスタ
1900e 薄膜トランジスタ
1900f 薄膜トランジスタ
1901 基板
1902 絶縁膜
1903 剥離層
1904 絶縁膜
1905 半導体膜
1905a 半導体膜
1905b 半導体膜
1905c 半導体膜
1905d 半導体膜
1905e 半導体膜
1905f 半導体膜
1906 ゲート絶縁膜
1907 ゲート電極
1907a 導電膜
1907b 導電膜
1908 不純物領域
1909 不純物領域
1910 絶縁膜
1911 不純物領域
1912a 絶縁膜
1912b 絶縁膜
1913 導電膜
1914 絶縁膜
1915a 導電膜
1916a 導電膜
1917a 導電膜
1917b 導電膜
1918 絶縁膜
1919 素子形成層
1920 シート材
1921 シート材
2300 半導体基板
2301 素子分離用絶縁膜
2302 素子形成領域
2303 素子形成領域
2304 pウェル
2305 絶縁膜
2307 導電膜
2308 導電膜
2309 ゲート電極
2310 ゲート電極
2311 マスク
2312 不純物領域
2313 チャネル形成領域
2314 マスク
2315 不純物領域
2316 チャネル形成領域
2317 絶縁膜
2318 導電膜
2324 層間膜
2325 配線
2326 導電膜
3000 半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基準クロック信号及び同期信号が入力され、前記同期信号を用いて第1のリセット信号を生成し、前記第1のリセット信号に従い前記第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第1のカウンタ回路と、
前記第1のカウンタ回路に接続され、前記第1の基準クロック信号が入力され、前記第1のカウンタ回路の計数値を用いて第2のリセット信号を生成し、前記第2のリセット信号に従い前記第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第2のカウンタ回路と、
前記第1のカウンタ回路に接続され、前記第1の基準クロック信号及び前記第1のリセット信号が入力され、前記第1のリセット信号に従い前記第1の基準クロック信号を分周することにより第2の基準クロック信号を生成する第1の分周回路と、
前記第1のカウンタ回路及び前記第2のカウンタ回路に接続され、前記第1のリセット信号及び前記第2のリセット信号の一方が入力され、入力された一方のリセット信号を第3のリセット信号として出力するリセット信号生成回路と、
前記第1の分周回路及び前記リセット信号生成回路に接続され、前記第2の基準クロック信号及び前記第3のリセット信号が入力され、前記第3のリセット信号に従い前記第2の基準クロック信号を分周することにより、クロック信号を生成する第2の分周回路と、を有することを特徴とするクロック信号生成回路。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1のカウンタ回路、前記第2のカウンタ回路、前記第1の分周回路、及び前記第2の分周回路のそれぞれは、フリップフロップ回路と、
ラッチ回路、NOT回路、AND回路、OR回路、NAND回路、及びNOR回路のいずれか一つまたは複数と、を有することを特徴とするクロック信号生成回路。
【請求項3】
第1の電源電圧を用いて第2の電源電圧を生成する定電圧回路と、
前記定電圧回路に接続され、前記第2の電源電圧を用いて第1の基準クロック信号を生成する基準クロック信号生成回路と、
前記基準クロック信号生成回路と接続され、前記第1の基準クロック信号及び同期信号が入力され、前記同期信号を用いて第1のリセット信号を生成し、前記第1のリセット信号に従い前記第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第1のカウンタ回路と、
前記基準クロック信号生成回路及び前記第1のカウンタ回路に接続され、前記第1の基準クロック信号が入力され、前記第1のカウンタ回路の計数値を用いて第2のリセット信号を生成し、前記第2のリセット信号に従い前記第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第2のカウンタ回路と、
前記基準クロック信号生成回路及び前記第1のカウンタ回路に接続され、前記第1の基準クロック信号及び前記第1のリセット信号が入力され、前記第1のリセット信号に従い前記第1の基準クロック信号を分周することにより第2の基準クロック信号を生成する第1の分周回路と、
前記第1のカウンタ回路及び前記第2のカウンタ回路に接続され、前記第1のリセット信号及び前記第2のリセット信号の一方が入力され、入力された一方のリセット信号を第3のリセット信号として出力するリセット信号生成回路と、
前記第1の分周回路及び前記リセット信号生成回路に接続され、前記第2の基準クロック信号及び前記第3のリセット信号が入力され、前記第3のリセット信号に従い前記第2の基準クロック信号を分周することにより、クロック信号を生成する第2の分周回路と、を有することを特徴とするクロック信号生成回路。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1のカウンタ回路、前記第2のカウンタ回路、前記第1の分周回路、及び前記第2の分周回路のそれぞれは、フリップフロップ回路と、
ラッチ回路、NOT回路、AND回路、OR回路、NAND回路、及びNOR回路のいずれか一つまたは複数と、を有することを特徴とするクロック信号生成回路。
【請求項5】
アンテナと、
クロック信号生成回路と、
前記アンテナから受信した信号から電源電圧を生成するRF回路と、
前記アンテナから受信した信号の演算処理を行うロジック回路と、を有し、
前記アンテナを介して無線通信装置との信号の送受信を行う半導体装置であって、
前記クロック信号生成回路は、前記電源電圧を基に生成された第1の基準クロック信号及び同期信号が入力され、前記同期信号を用いて第1のリセット信号を生成し、前記第1のリセット信号に従い前記第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第1のカウンタ回路と、
前記第1のカウンタ回路に接続され、前記第1の基準クロック信号が入力され、前記第1のカウンタ回路の計数値を用いて第2のリセット信号を生成し、前記第2のリセット信号に従い前記第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第2のカウンタ回路と、
前記第1のカウンタ回路に接続され、第1の基準クロック信号及び第1のリセット信号が入力され、前記第1のリセット信号に従い前記第1の基準クロック信号を分周することにより第2の基準クロック信号を生成する第1の分周回路と、
前記第1のカウンタ回路及び前記第2のカウンタ回路に接続され、前記第1のリセット信号及び前記第2のリセット信号の一方が入力され、入力された一方のリセット信号を第3のリセット信号として出力するリセット信号生成回路と、
前記第1の分周回路及び前記リセット信号生成回路に接続され、前記第2の基準クロック信号及び前記第3のリセット信号が入力され、前記第3のリセット信号に従い前記第2の基準クロック信号を分周することにより、クロック信号を生成する第2の分周回路と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
アンテナと、
クロック信号生成回路と、
前記アンテナから受信した信号から第1の電源電圧を生成するRF回路と、
前記アンテナから受信した信号の演算処理を行うロジック回路と、を有し、
前記アンテナを介して無線通信装置との信号の送受信を行う半導体装置であって、
前記クロック信号生成回路は、前記第1の電源電圧を用いて第2の電源電圧を生成する定電圧回路と、
前記定電圧回路に接続され、前記第2の電源電圧を用いて第1の基準クロック信号を生成する基準クロック信号生成回路と、
前記基準クロック信号生成回路と接続され、前記第1の基準クロック信号及び同期信号が入力され、前記同期信号を用いて第1のリセット信号を生成し、前記第1のリセット信号に従い前記第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第1のカウンタ回路と、
前記基準クロック信号生成回路及び前記第1のカウンタ回路に接続され、前記第1の基準クロック信号が入力され、前記第1のカウンタ回路の計数値を用いて第2のリセット信号を生成し、前記第2のリセット信号に従い前記第1の基準クロック信号の立ち上がりのエッジ数を計数する第2のカウンタ回路と、
前記基準クロック信号生成回路及び前記第1のカウンタ回路に接続され、前記第1の基準クロック信号及び前記第1のリセット信号が入力され、前記第1のリセット信号に従い前記第1の基準クロック信号を分周することにより第2の基準クロック信号を生成する第1の分周回路と、
前記第1のカウンタ回路及び前記第2のカウンタ回路に接続され、前記第1のリセット信号及び前記第2のリセット信号の一方が入力され、入力された一方のリセット信号を第3のリセット信号として出力するリセット信号生成回路と、
前記第1の分周回路及び前記リセット信号生成回路に接続され、前記第2の基準クロック信号及び前記第3のリセット信号が入力され、前記第3のリセット信号に従い前記第2の基準クロック信号を分周することにより、クロック信号を生成する第2の分周回路と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6において、
前記第1のカウンタ回路、前記第2のカウンタ回路、前記第1の分周回路、及び前記第2の分周回路のそれぞれは、フリップフロップ回路と、
ラッチ回路、NOT回路、AND回路、OR回路、NAND回路、及びNOR回路のいずれか一つまたは複数と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれか一項において、
前記RF回路は、電源回路、復調回路、及び変調回路を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項5乃至請求項8のいずれか一項において、
前記ロジック回路は、制御回路、中央演算装置、ROM、及びRAMを有することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−219877(P2008−219877A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25212(P2008−25212)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】