説明

ゲルマニウム受光器およびその製造方法

【課題】シリコンからなる集積回路とゲルマニウム受光器との集積化がより容易に行えるようにする。
【解決手段】シリコン層101の上に形成された第1ゲルマニウム層102と、第1ゲルマニウム層102の上に形成された第2ゲルマニウム層103と、第2ゲルマニウム層103の上に第2ゲルマニウム層103の上面を覆って形成されたシリコンキャップ層104とを少なくとも備える。第1ゲルマニウム層102および第2ゲルマニウム層103は、周囲が絶縁層105により覆われている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲルマニウムの層とシリコンとの層から構成したゲルマニウム受光器およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリコン基板の上に形成された光導波路を基本とする平面導波型光回路は、光分岐,光スイッチ,波長フィルターなどの光通信のキー部品に広く利用されている。また、光デバイスの大幅な小型化、高集積化、さらにはシリコン電子素子との融合を目的に、近年では、シリコンからなるコアを用いたシリコン導波路が用いられるようになっている。シリコンは電子回路(シリコン集積回路)で広く使われている材料であり、シリコン導波路は、いわゆるCMOSプロセスで形成できることから、シリコン導波路を使うことで光回路とシリコン集積回路とを同一シリコン基板上に作製することが可能となる。
【0003】
このような光回路とシリコン集積回路とを融合させるためには、受光器の集積が不可欠となるが、シリコン集積回路上で、通信波長帯である1.6μm程度までの波長の近赤外光を検出するためには、シリコン半導体より禁制帯幅の狭いゲルマニウム半導体を利用することになる。シリコン集積回路上のゲルマニウム受光器としては、p型ゲルマニウム層とn型ゲルマニウム層との間にノンドープのi型ゲルマニウム層を吸収層として形成したものがある。
【0004】
上述したゲルマニウム受光器は、エピタキシャル成長によって、p型ゲルマニウム層,i型ゲルマニウム層,およびn型ゲルマニウム層が、シリコン基板から順に積層され、pin構造とされている。このpin構造に上方から空間を介して光が照射されると光電流が流れる。また、光導波路を組み合わせる場合は、横方向から光が照射され、光電流が流れるようになっている。
【0005】
この種の受光器として、非特許文献1に記載の受光器がある。この受光器は、層厚約1μmのi型ゲルマニウム層をp型シリコン基板上へ形成した後、形成したi型ゲルマニウム層の0.2μmの深さまでリンなどのn型不純物をイオン注入することにより、n型ゲルマニウム層を最表面に形成し、pin構造としている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】G. Masini, et al. ,"High-Performance p-i-n Ge on Si Photodetectors for the Near Infrared: From Model to Demonstration",IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, VOL.48, NO.6, pp.1092-1096, 2001.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、シリコン光回路や電子回路などのシリコン集積回路とゲルマニウムによる受光器とを集積する場合、次に示すような問題がある。
【0008】
ゲルマニウムは、酸化やエッチングがされやすい性質がある。このため、標準的なアニール炉での熱処理中にゲルマニウムが酸化・蒸発し、表面荒れやゲルマニウム膜厚の減少により受光器の作製が困難になるという問題がある。また、ゲルマニウムは、シリコンプロセスにおいて一般的に用いられているRCA洗浄や硫酸・過酸化水素混合液洗浄に耐性がない。このため、これらの洗浄を行うことができず、金属や有機物の汚染原子の除去ができないためシリコン集積回路の性能が低下するという問題もある。上述した熱処理や洗浄処理などで除去されたゲルマニウムがシリコン集積回路に付着すると汚染原子となり、シリコン集積回路の性能が低下するという問題もある。これらの問題は、ゲルマニウム受光器とシリコン集積回路の集積化を困難にしている。
【0009】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、シリコンからなる集積回路とゲルマニウム受光器との集積化がより容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るゲルマニウム受光器は、シリコン層の上に形成された第1ゲルマニウム層と、この第1ゲルマニウム層の上に形成された第2ゲルマニウム層と、この第2ゲルマニウム層の上に第2ゲルマニウム層の上面を覆って形成されたシリコンキャップ層とを少なくとも備え、第1ゲルマニウム層および第2ゲルマニウム層の一方はノンドープとされ、他方は第1導電型とされ、ノンドープとされた第1ゲルマニウム層の側のシリコン層、もしくはノンドープとされた第2ゲルマニウム層の側のシリコンキャップ層は、第2導電型とされ、第1導電型とされた第2ゲルマニウム層の側のシリコンキャップ層、もしくは第1導電型とされた第1ゲルマニウム層の側のシリコン層は、第1導電型とされている。
【0011】
上記ゲルマニウム受光器において、第2導電型とされたシリコン層の上にノンドープとされた第1ゲルマニウム層が形成され、第1ゲルマニウム層の上に第1導電型とされた第2ゲルマニウム層が形成され、第2ゲルマニウム層の上に第1導電型とされたシリコンキャップ層が形成されているようにしてもよい。この場合、シリコン層の上に形成された第2導電型とされた第3ゲルマニウム層を備え、この第3ゲルマニウム層の上に第1ゲルマニウム層が形成されているようにしてもよい。
【0012】
上記ゲルマニウム受光器において、第1導電型とされたシリコン層の上に第1導電型とされた第1ゲルマニウム層が形成され、第1ゲルマニウム層の上にノンドープとされた第2ゲルマニウム層が形成され、第2ゲルマニウム層の上に第2導電型とされたシリコンキャップ層が形成されているようにしてもよい。
【0013】
また、本発明に係るゲルマニウム受光器の製造方法は、酸化シリコンからなる下部クラッド層の上にシリコンからなるシリコンコアを形成する第1工程と、一部のシリコンコアに第1導電型の不純物を導入して第1導電型領域を形成する第2工程と、下部クラッド層の上にシリコンコアを覆うように上部クラッド層を形成する第3工程と、シリコンコアの第1導電型領域の一部が露出する開口部を上部クラッド層に形成する第4工程と、第1導電型領域の露出部に接してゲルマニウム層を選択的に形成する第5工程と、ゲルマニウム層の上にゲルマニウム層の上面を覆ってシリコンキャップ層を形成する第6工程と、ゲルマニウム層の上層に第2導電型の不純物を導入して第2導電型領域を形成し、少なくともゲルマニウム層および第2導電型領域を含んで構成されたゲルマニウム受光器を形成する第7工程とを少なくとも備える。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、第2ゲルマニウム層の上面を覆って形成されたシリコンキャップ層を備えるようにしたので、シリコンからなる集積回路とゲルマニウム受光器との集積化がより容易に行えるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の構成例について示す構成図である。
【図2A】層厚200nmのシリコンキャップ層を設けたGe−pin構造の透過電子顕微鏡断面写真である。
【図2B】図2Aに示したゲルマニウム受光器の暗状態での電流−電圧特性を示す特性図である。
【図2C】図2Aに示したゲルマニウム受光器の波長−受光効率特性を示す特性図である。
【図3A】本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の製造方法を説明するための工程図である。
【図3B】本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の製造方法を説明するための工程図である。
【図3C】本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の製造方法を説明するための工程図である。
【図3D】本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の製造方法を説明するための工程図である。
【図3E】本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の製造方法を説明するための工程図である。
【図3F】本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の製造方法を説明するための工程図である。
【図3G】本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の製造方法を説明するための工程図である。
【図3H】本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の製造方法を説明するための工程図である。
【図3I】本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の製造方法を説明するための工程図である。
【図3J】本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の製造方法を説明するための工程図である。
【図3K】本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の製造方法を説明するための工程図である。
【図4】図3A〜図3Kを用いて説明した製造方法により、シリコン導波路に集積して作製したゲルマニウム受光器の電流電圧特性を、導波路に光を入射した場合としない場合とで比較したものである。
【図5】集積デバイスの光顕微鏡写真である。
【図6】図5を用いて説明した集積デバイスに波長1560nmの光を入射し、可変光減衰器への注入電流を変えることで変化させた光強度を、集積しているゲルマニウム受光器とチップ外のパワーメータとで検出し、比較した結果を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるゲルマニウム受光器の構成例について示す構成図である。図1では、ゲルマニウム受光器の一部断面を模式的に示している。図1に例示するゲルマニウム受光器は、シリコン層101の上に形成された第1ゲルマニウム層102と、第1ゲルマニウム層102の上に形成された第2ゲルマニウム層103と、第2ゲルマニウム層103の上に第2ゲルマニウム層103の上面を覆って形成されたシリコンキャップ層104とを少なくとも備える。本実施の形態では、第1ゲルマニウム層102および第2ゲルマニウム層103は、周囲が絶縁層105により覆われている。絶縁層105は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコンなどの絶縁材料から構成されていればよい。また、ポリイミド樹脂など、絶縁性を有する有機材料から構成してもよい。
【0017】
ここで、例えば、第1ゲルマニウム層102がノンドープ(i型)とされ、第2ゲルマニウム層103がn型とされ、ノンドープとされた第1ゲルマニウム層102の側のシリコン層101は、p型とされ、n型とされた第2ゲルマニウム層103の側のシリコンキャップ層104は、n型とされている。
【0018】
また、第2ゲルマニウム層103がノンドープとされ、第1ゲルマニウム層102がn型とされ、ノンドープとされた第2ゲルマニウム層103の側のシリコンキャップ層104はp型とされ、第1ゲルマニウム層102の側のシリコン層101が、n型とされていてもよい。
【0019】
また、シリコン層101の上に形成されたp型とされた第3ゲルマニウム層(不図示)を備えるようにし、この第3ゲルマニウム層の上に第1ゲルマニウム層102が形成されているようにしてもよい。この場合、第1ゲルマニウム層102がノンドープとされ、第2ゲルマニウム層103がn型とされ、ノンドープとされた第1ゲルマニウム層102の側のシリコン層101は、p型とされ、n型とされた第2ゲルマニウム層103の側のシリコンキャップ層104は、n型とされていればよい。
【0020】
上述したように第3ゲルマニウム層を備える場合、次に示すように各層を構成すればよい。
【0021】
まず、第3ゲルマニウム層および第2ゲルマニウム層103は、例えば層厚100nm程度とすればよい。これらは、よく知られたエピタキシャル成長により形成すればよく、成長温度は通常600℃程度で行えばよい。第3ゲルマニウム層をp型とする場合、ドーピング材料には、B(ボロン)など用いればよい。また、n型とする第2ゲルマニウム層103のドーピング材料には、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)などを用いればよい。
【0022】
下地のシリコン層101に接した第3ゲルマニウム層のドーピングは、成長中にドーピング材料を含むガスを導入することにより行えばよい。シリコン層101がドーピングされている場合は、シリコン層101にドーピングされている不純物を、結晶成長や成長後の熱処理工程により拡散させることで、第3ゲルマニウム層へ不純物を導入することができる。
【0023】
また、第2ゲルマニウム層103のドーピングも、この層を結晶成長しているときにドーピング材料を含むガスを導入することにより行えばよい。また、この上に形成するシリコンキャップ層104を形成した後に、イオン注入法によりドーピング材料を導入しても良い。
【0024】
第1ゲルマニウム層102は、例えば、層厚100nm〜10μmとすればよい。この層の層厚が、100nmより薄くなると、0.5V程の逆方向電圧で第1ゲルマニウム層102中の電界強度が破壊電界0.1 MV/cmに達し、受光器として動作しなくなる。一方、ゲルマニウムのエピタキシャル成長で、均一な膜厚を維持できる限界の厚さは10μm程度である。従って、第1ゲルマニウム層102は、最大でも層厚10μm程度とした方がよい。
【0025】
シリコンキャップ層104は、不純物が導入されている第2ゲルマニウム層103からの拡散により不純物を導入してもよく、また、イオン注入法によりドーピング材料を打ち込んでも良い。イオン注入法の場合、例えば、650℃以下の熱処理を行い、ドーピング材料の活性化と結晶性の回復を行う。
【0026】
シリコンキャップ層104は、層厚1〜200nmとすればよい。シリコンキャップ層104は、第2ゲルマニウム層103に対する電極として機能させる。また、エピタキシャル成長後のデバイスプロセスで多用される硫酸・過酸化水素水の混合液や塩酸・過酸化水素水の混合液などによる洗浄において、シリコンキャップ層104は、表面から数原子層が酸化されて1nm程の酸化シリコン層に変化する。シリコンキャップ層104の層厚が薄く、上述した酸化が下層のゲルマニウム層にまで到達すると、ゲルマニウム層に損傷を与えることになる。例えば、ゲルマニウム層が酸化されると、受光器として動作しなくなる。従って、シリコンキャップ層104は、洗浄による酸化が下層にまで進行しないような十分な層厚に形成されていることが重要となる。
【0027】
また、洗浄により形成された薄い酸化シリコン層は、希フッ酸溶液や緩衝フッ酸液により除去することができるが、この処理の結果、シリコンキャップ層104が消滅すると、ゲルマニウム層が露出することになる。この状態を避けるためにも、シリコンキャップ層104は、層厚が1nmを超えているとよい。なお、上述した導電型を入れ替えてもよいことはいうまでもない。
【0028】
いずれにおいても、少なくとも2つのゲルマニウム層による3つの半導体層で、いわゆるpin構造が形成され、受光器として機能する。加えて、本実施の形態によれば、シリコンキャップ層104を備えており、ゲルマニウム層が露出していない状態となる。このため、シリコンキャップ層104を形成した後のプロセスにおいて、ゲルマニウム層に、表面荒れや層厚の減少などの損傷を与えることがなくなる。また、RCA洗浄や硫酸・過酸化水素混合液洗浄などにおいても、ゲルマニウム層が洗浄液に触れることがないので、これらの洗浄が行えるようになり、性能が低下が抑制できるようになる。このように、本実施の形態によれば、シリコンからなる集積回路とゲルマニウム受光器との集積化がより容易に行えるようになる。
【0029】
次に、シリコンキャップ層104を設けることによる効果を確認する。図2Aは、層厚200nmのシリコンキャップ層を設けたGe−pin構造の透過電子顕微鏡断面写真である。なお、図2Aでは区別がつかないが、ゲルマニウム層において、p型シリコン層側より、p型ゲルマニウム層、ノンドープゲルマニウム層、n型ゲルマニウム層が積層されている。この素子は、硫酸・過酸化水素水の混合液と希フッ酸溶液による繰り返し洗浄処理を3回行っている。しかしながら、シリコンキャップ層を備えているので、Ge−pin構造に損傷が生じないことがわかる。
【0030】
次に、本実施の形態におけるゲルマニウム受光器の電流−電圧特性について説明する。図2Bは、図2Aに示したゲルマニウム受光器の暗状態での電流−電圧特性を示す特性図である。図2Bより明らかなように、pin構造特有の整流特性が得られている。シリコンキャップ層が積層されても、良好な整流特性を実現できることがわかる。
【0031】
次に、本実施の形態におけるゲルマニウム受光器の波長−受光効率特性について説明する。図2Cは、図2Aに示したゲルマニウム受光器の波長−受光効率特性を示す特性図である。なお、図中の点線は理論特性を示している。図2Cよりわかるように、点線で示した理論特性と同様な大きな受光効率を示している。シリコンキャップ層が積層されても、十分な受光特性を実現できることがわかる。
【0032】
以下、本実施の形態におけるゲルマニウム受光器の製造方法例について、図3A〜図3Kを用いて説明する。以下では、ゲルマニウム受光器をシリコン細線導波路よりなるシリコン集積回路に集積して形成する場合について説明する。
【0033】
まず、図3Aに示すように、シリコン基板301上に酸化シリコン層302とシリコン層(表面シリコン層:SOI層)303とが積層された基板(SOI基板)を用意する。例えば、酸化シリコン層302は、層厚1〜4μm程度とされ、シリコン層303は、層厚200〜300nm程度とされている。
【0034】
次に、図3Bに示すように、シリコン層303の上に酸化シリコン層304を形成し、酸化シリコン層304の上にレジスト層305を形成する。例えば、SiH4およびO2をソースガスとしたよく知られたプラズマCVD法により、酸化シリコン層304が形成できる。また、紫外線感光レジストや電子線感光レジストなどを、回転塗布法などにより塗布することで、レジスト層305が形成できる。
【0035】
次に、よく知られたリソグラフィ技術によりレジスト層305をパターニングし、図3Cに示すように、レジストパターン351およびレジストパターン352を形成する。例えば、レジスト層305が紫外線感光レジストである場合、紫外線露光装置を用いて所望の形状のパターンの潜像を露光し、この後、現像することでレジストパターン351およびレジストパターン352が形成できる。また、レジスト層305が電子線感光レジストである場合、電子線露光装置を用いて所望の形状のパターンの潜像を露光し、この後、現像することでレジストパターン351およびレジストパターン352が形成できる。
【0036】
次に、レジストパターン351およびレジストパターン352をマスクとして酸化シリコン層304を選択的に除去し、マスクパターン341およびマスクパターン342を形成する。例えば、フッ化炭素系のエッチングガスを用いた反応性イオンエッチングにより、高い異方性を備えた状態で酸化シリコン層304をエッチングし、レジストパターン351およびレジストパターン352の形状を酸化シリコン層304に転写すれば、マスクパターン341およびマスクパターン342が形成できる。
【0037】
次に、レジストパターン351およびレジストパターン352を除去した後、マスクパターン341およびマスクパターン342をマスクとしてシリコン層303を選択的に除去し、図3Dに示すように、シリコンコア331およびシリコンコア332を形成する。例えば、塩素系またはフッ素系のエッチングガスを用いた反応性イオンエッチングにより、高い異方性を備えた状態でシリコン層303をエッチングし、マスクパターン341およびマスクパターン342の形状を酸化シリコン層304に転写すれば、シリコンコア331およびシリコンコア332が形成できる。シリコンコア331,シリコンコア332は、例えば、断面の形状が、幅300〜600nm,高さ200〜300nm程度に形成されればよい。
【0038】
この後、マスクパターン341およびマスクパターン342を除去することで、図3Eに示すように、酸化シリコン層302よりなる下部クラッド層の上に、シリコンコア331およびシリコンコア332が形成された状態が得られる。ここで、シリコンコア332には、上部に光吸収層としてのゲルマニウム層が形成されて受光器(光検出器)となる部分が形成される。本例では、この部分のシリコンコア332が、図1を用いて説明したシリコン層101に対応するものとなる。
【0039】
なお、マスクパターン341,342の除去は、例えば、濃度1%程度の薄いフッ酸溶液によるウエットエッチにより行えばよい。このとき、下層の酸化シリコン層302もある程度エッチングされる。マスクパターン341,342はシリコンコア331,332のエッチング後には数十nmと薄くなっているので、マスクパターン341,342のエッチングにおいて、酸化シリコン層302も厚さ数十nm程度エッチングされる。しかしながら、この程度の量であれば、酸化シリコン層302がエッチングされても影響はない。
【0040】
次に、よく知られたリソグラフィ技術により基板上に、一部のシリコンコア332が露出するレジストマスクを形成し、これをマスクにしたイオン注入技術により、一部のシリコンコア332にp型不純物を導入し、図3Fに示すように、酸化シリコン層302の上に、p型シリコンコア332aを形成する。p型シリコンコア332aは、光検出部とする領域である。なお、図示されていないが、他の領域においては、p型シリコンコア332aに連続してシリコンコア332が形成されている。
【0041】
次に、イオン注入したp型不純物の活性化および拡散のための熱処理を900℃〜1000℃程度の温度条件で行う。
【0042】
次に、図3Gに示すように、酸化シリコン層302の上に酸化シリコン膜306を形成し、形成した酸化シリコン膜306でシリコンコア331およびp型シリコンコア332a(シリコンコア332)が埋め込まれるようにする。酸化シリコン膜306は、上部クラッドとなる。
【0043】
酸化シリコン膜306の形成は、既に形成されているシリコンコア331およびp型シリコンコア332a(シリコンコア332)が、酸化されることで形状が崩れ、また、屈折率が変化しないような条件で行うことが重要である。例えば、酸化シリコン膜306をCVD法で形成する場合、よく知られた熱酸化がシリコンコア331およびp型シリコンコア332a(シリコンコア332)に生じない範囲の温度で行う。
【0044】
一般に、シリコンの酸化プロセスは、800−1200℃ で行われている(非特許文献4参照)ので、酸化性の雰囲気で行われるCVD法で酸化シリコン膜306を形成する場合、少なくとも800℃ よりも低い温度を条件とすることが重要となる。この条件においても、酸化をより抑制するという観点では、安全を見て、600℃ 以下の温度条件とすることが望ましいものと考えられる。
【0045】
ここで、低温での酸化シリコン膜306形成は、SiH4およびO2ガスを用いたECRプラズマCVD法により形成することができる。例えば、よく知られたECRプラズマCVD装置を用い、全圧が1Pa程度の条件でSiH4ガスおよびO2ガスを1:2程度の割合で導入し、マイクロ波パワー400WでECRプラズマを生成し、酸化シリコンを堆積すればよい。この方法によれば、200℃程度の低温の温度条件で、成膜速度0.15μm/min程度で、酸化シリコン膜306を形成することができる。また、形成される酸化シリコン膜306は、屈折率が1.46程度となる。なお、前述したように、シリコンコア331およびp型シリコンコア332a(シリコンコア332)の熱酸化が抑制できる範囲の温度条件であれば、他のプラズマCVD法で酸化シリコン膜306を形成してもよい。
【0046】
次に、酸化シリコン膜306に、p型シリコンコア332aにまで貫通する開口部361を形成する。例えば、公知のフォトリソグラフィ技術により、該当部に開口部を有するマスクパターンを形成し、このマスクパターンをマスクとして酸化シリコン膜306を選択的にエッチング除去することで、開口部361が形成できる。開口部361を形成した後に、上記マスクパターンは除去する。
【0047】
次に、開口部361の底部に露出したp型シリコンコア332aの上面に、選択的にゲルマニウムを堆積することで、図3Hに示すように、一部のp型シリコンコア332aの上にゲルマニウム層307を形成する。例えば、GeH4をソースガスとしたCVD法により、基板温度600℃の条件でゲルマニウムを堆積することで、p型シリコンコア332aの露出している上面に、選択的にゲルマニウムを堆積することができる。ゲルマニウム層307は、層厚1μm程度とすればよい。このように選択的なゲルマニウムの堆積によりゲルマニウム層307を形成することで、ゲルマニウム層307を形成するときに、エッチングなどのパターニング処理を行う必要がない。エッチングにより除去されたゲルマニウムは、シリコン集積回路に付着すると汚染原子となり、シリコン集積回路の性能が低下するが、このような問題が抑制できるようになる。
【0048】
次に、図3Iに示すように、開口部361にゲルマニウム層307が形成されている酸化シリコン膜306の上に、例えばポリシリコンからなる層厚20〜50nmのシリコン層308を形成する。例えば、ジシンランによるCVD法によりシリコンを堆積することで、シリコン層308が形成できる。シリコン層308はゲルマニウム層307の堆積とは別の装置で行ってもよいが、シリコン層308は化学的に活性なゲルマニウム層307の表面を保護する役割をもつので、ゲルマニウム層307堆積した後、同じ装置内で連続的にシリコンを堆積することで形成することが望ましい。また、このように連続的に堆積することで、ゲルマニウム層307の上ではシリコンがエピタキシャル成長し、結晶化した状態のシリコンが形成できる。このように結晶化したシリコンによれば、ポリシリコンに比較して、薬液処理などに対してより高い耐性が得られるようになる。
【0049】
次に、よく知られたリソグラフィ技術で、ゲルマニウム層307が形成されている領域が覆われるようなマスクを形成し、エッチングによってマスクされていない部分のシリコン層308を除去し、図3Jに示すように、ゲルマニウム層307を覆うシリコンキャップ層381を形成する。
【0050】
この後、よく知られたリソグラフィ技術でゲルマニウム層307の上面以外の部分にマスクを形成し、ゲルマニウム層307の上層およびシリコンキャップ層381にイオンインプラ技術を用いてn型不純物を導入し、n型ゲルマニウム層(第2導電型領域)307aを形成する。この結果、p型シリコンコア332a−ゲルマニウム層307(第1ゲルマニウム層102に対応)−n型ゲルマニウム層307a(第2ゲルマニウム層103に対応)により、いわゆるpin構造が形成される。なお、図3Jは、上記マスクを除去した後の状態を示している。
【0051】
次に、図3Kに示すように、まず、ECRCVD法などにより酸化シリコン膜310を形成する。酸化シリコン膜310は、ゲルマニウム層307,n型ゲルマニウム層307a,およびシリコンキャップ層381を覆うように形成する。次に、酸化シリコン膜310に、シリコンキャップ層381にまで到達する貫通孔および、p型シリコンコア332aにまで貫通する貫通孔を形成し、これら貫通孔に導電性材料を充填することで、電極311,312を形成する。電極311は、p型シリコンコア332aに接続し、電極312は、シリコンキャップ層381に接続する。これらのプロセスにより、p型シリコンコア332a,ゲルマニウム層307,およびn型ゲルマニウム層307aより構成されたゲルマニウム受光器がシリコン細線導波路と共に形成される。
【0052】
なお、上述では、「p型シリコンコア332a−ゲルマニウム層307−n型ゲルマニウム層307a」によりpin構造としたが、これに限るものではなく、例えば、ゲルマニウム層307のp型シリコンコア332aの側に、p型ゲルマニウム層を形成し、このp型ゲルマニウム層とゲルマニウム層307とn型ゲルマニウム層307aとで、pin構造としてもよい。この場合、p型シリコンコア332aよりゲルマニウム層307の下層部にp型不純物を拡散させることで、p型ゲルマニウム層を形成することができる。また、n型ゲルマニウム層307aを形成せずに、上記p型ゲルマニウム層とゲルマニウム層307とシリコンキャップ層381とで、pin構造としてもよい。
【0053】
ところで、上述では、シリコン細線導波路と集積したゲルマニウム受光器の製造方法例を説明したが、シリコン導波路に機能を持たせる目的で、シリコン細線導波路に電子デバイス構造を組み入れる場合は、図3Eを用いて説明したように、シリコンコア331およびシリコンコア332を形成した後で、よく知られたインプラ技術を用い、例えばシリコンコア331を挟むようにp型とn型の不純物を打ち込み、シリコンコア331の横方向にpinダイオード構造を形成すればよい。両脇に不純物領域を形成したシリコンコア331の部分は、ノンドープとしておく。このpin構造の形成では、pinダイオード部分の不純物の活性化および拡散のための熱処理を、図3Fを用いて説明したp型シリコンコア332aにおける不純物の活性化処理と同時に行えばよい。
【0054】
以上説明したように、シリコン細線導波路とゲルマニウム受光器とを集積する製造において、リソグラフィおよびエッチング工程が繰り返し行われることになるが、この後には硫酸・過酸化水素水の混合液や塩酸・過酸化水素水の混合液などによる洗浄を行うことが必須になる。ゲルマニウムは、この洗浄に用いられる溶液に耐性がないため、従来は集積作製することが実質的にできない状態であった。これに対し、本実施の形態によれば、ゲルマニウムの上にシリコンキャップ層を有する受光器構造にしているので、デバイスプロセスで多用される硫酸・過酸化水素水の混合液や塩酸・過酸化水素水の混合液などによる洗浄においてゲルマニウム層が傷むことがない。この結果、ゲルマニウム受光器の良好な特性を維持したままシリコン導波路やシリコン細線導波路型光デバイスとの集積ができるようになる。
【0055】
図4は、図3A〜図3Kを用いて説明した製造方法により、シリコン導波路に集積して作製したゲルマニウム受光器の電流電圧特性を、導波路に光を入射した場合としない場合とで比較したものである。光を入射しない場合(b)、逆電圧を印加したときにゲルマニウム受光器から得られる電流(暗電流)は60nAと非常に小さい値を示した。暗電流が小さいことは、作製された光検出器が微弱な光も検出できる高い検出感度を持っていることを示している。
【0056】
一方、導波路の片端から光ファイバーを使って光を導入した場合(a)は、ゲルマニウム受光器からの電流が約3桁以上増加している。入射した光が導波路を伝わってゲルマニウム受光器に到達し、これによって光検出器で大きい光電流が発生したことを示している。
【0057】
図4の結果から、本実施の形態によれば、シリコンキャップ層を備えることで、ゲルマニウム受光器を作製集積してもゲルマニウム層が傷むことがなく、高品質のゲルマニウム層が維持されていることがわかる。図4の結果より、本実施の形態によれば、ゲルマニウム受光器をシリコン導波路と作製集積しても、ゲルマニウム受光器は、単体作製と同等の性能を持ち、導波路を伝搬した光をゲルマニウム受光器が感度よく検出できていることが確認された。
【0058】
次に、本発明における他の実施の形態について説明する。以下では、電子デバイス構造をもった機能デバイスとの集積例として、本発明によるゲルマニウム受光器(Ge光受光器)を、シリコン可変光減衰器と集積して作製した例について説明する。図5は、集積デバイスの光顕微鏡写真である。なお、図5は、シリコンキャップ層を備えていない状態を示している。シリコン可変光減衰器は、シリコン細線導波路にpinダイオードを組み入れ、コア内にキャリアを注入しそのキャリアの光吸収により伝搬光を減衰させるものである。作製は図3A〜図3Kを用いて説明した製造方法と同様にして行い、図3Eを用いて説明した工程の後に不純物のインプラ(導入)を行い、シリコンコア331にpinダイオード(電子デバイス)を作製している。
【0059】
この集積デバイスの寸法は、平面方向に1.2×0.3mm程度であり、導波路コアは断面600×200nm、スラブ厚は100nmとした。この構造は、リブ型シリコン細線導波路である。
【0060】
可変光減衰器とゲルマニウム受光器の特性を評価できるように、可変光減衰器とゲルマニウム受光器との間に、多モード干渉型(MMI)の2分岐素子を配置し、可変光減衰器からの光を分けてチップ外の光ファイバーにも取り出せる構成としている。
【0061】
ゲルマニウム受光器を、ゲルマニウム層の上にシリコンキャップ層を備える本発明の構造とすることで、pinダイオード(電子デバイス)と集積しても、集積作製プロセスにおいて必ず必要になる洗浄工程において、ゲルマニウム層はシリコンキャップ層で保護されてるため傷むことがなく、ゲルマニウム受光器とシリコン光減衰器とのモノリシック集積が可能になる。
【0062】
図6は、上述した集積デバイスに波長1560nmの光を入射し、可変光減衰器への注入電流を変えることで変化させた光強度を、集積しているゲルマニウム受光器とチップ外のパワーメータとで検出し、比較した結果である。ゲルマニウム受光器の光電流(黒丸)とパワーメータの光パワー(黒四角)の変化がよく一致していることがわかる。この結果は、可変光減衰器でのキャリア注入による光強度減衰を、ゲルマニウム光受光器が正しくモニターしていることを示している。このように、本発明におけるゲルマニウム受光器は、電子デバイス構造を有するシリコン可変光減衰器とモノリシック集積しても良好に動作していることが確認された。
【0063】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形が実施可能であることは明白である。
【0064】
例えば、上述の実施の形態では、CVD法で酸化シリコン膜を堆積して上部クラッド層を形成する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、クラッド層として酸窒化シリコン膜を用いることもできる。SiH4,O2ガスにN2を追加したガスを用いることで、酸化シリコン膜の場合と同じ方法を使って低温で酸窒化シリコン膜を堆積できる。
【0065】
また、CVD法に限らず、スパッタ法で堆積することで、上部クラッド層を形成する場合についても、本発明が適用可能である。スパッタ法によっても、シリコンコアにおける熱酸化が抑制される温度条件の範囲で、酸化シリコン膜や酸窒化シリコン膜を形成することができる。また、シリコンキャップ層は、ポリシリコンに限るものではなく、単結晶シリコン、アモルファスシリコンであってもよいことはいうまでもない。なお、いうまでもないが、p型およびn型を入れ替えてもよい。
【符号の説明】
【0066】
101…シリコン層、102…第1ゲルマニウム層、103…第2ゲルマニウム層、104…シリコンキャップ層、105…絶縁層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン層の上に形成された第1ゲルマニウム層と、
この第1ゲルマニウム層の上に形成された第2ゲルマニウム層と、
この第2ゲルマニウム層の上に前記第2ゲルマニウム層の上面を覆って形成されたシリコンキャップ層と
を少なくとも備え、
前記第1ゲルマニウム層および前記第2ゲルマニウム層の一方はノンドープとされ、他方は第1導電型とされ、
ノンドープとされた前記第1ゲルマニウム層の側の前記シリコン層、もしくはノンドープとされた前記第2ゲルマニウム層の側の前記シリコンキャップ層は、第2導電型とされ、
第1導電型とされた前記第2ゲルマニウム層の側の前記シリコンキャップ層、もしくは第1導電型とされた前記第1ゲルマニウム層の側の前記シリコン層は、第1導電型とされている
ことを特徴とするゲルマニウム受光器。
【請求項2】
請求項1記載のゲルマニウム受光器において、
第2導電型とされた前記シリコン層の上にノンドープとされた前記第1ゲルマニウム層が形成され、
前記第1ゲルマニウム層の上に第1導電型とされた前記第2ゲルマニウム層が形成され、
前記第2ゲルマニウム層の上に第1導電型とされた前記シリコンキャップ層が形成されている
ことを特徴とするゲルマニウム受光器。
【請求項3】
請求項2記載のゲルマニウム受光器において、
前記シリコン層の上に形成された第2導電型とされた第3ゲルマニウム層を備え、
この第3ゲルマニウム層の上に前記第1ゲルマニウム層が形成されている
ことを特徴とするゲルマニウム受光器。
【請求項4】
請求項1記載のゲルマニウム受光器において、
第1導電型とされた前記シリコン層の上に第1導電型とされた前記第1ゲルマニウム層が形成され、
前記第1ゲルマニウム層の上にノンドープとされた前記第2ゲルマニウム層が形成され、
前記第2ゲルマニウム層の上に第2導電型とされた前記シリコンキャップ層が形成されている
ことを特徴とするゲルマニウム受光器。
【請求項5】
酸化シリコンからなる下部クラッド層の上にシリコンからなるシリコンコアを形成する第1工程と、
一部の前記シリコンコアに第1導電型の不純物を導入して第1導電型領域を形成する第2工程と、
前記下部クラッド層の上に前記シリコンコアを覆うように上部クラッド層を形成する第3工程と、
前記シリコンコアの前記第1導電型領域の一部が露出する開口部を前記上部クラッド層に形成する第4工程と、
前記第1導電型領域の露出部に接してゲルマニウム層を選択的に形成する第5工程と、
前記ゲルマニウム層の上に前記ゲルマニウム層の上面を覆ってシリコンキャップ層を形成する第6工程と、
前記ゲルマニウム層の上層に第2導電型の不純物を導入して第2導電型領域を形成し、少なくとも前記ゲルマニウム層および前記第2導電型領域を含んで構成されたゲルマニウム受光器を形成する第7工程と
を少なくとも備えることを特徴とするゲルマニウム受光器の製造方法。

【図1】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図3J】
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【図3K】
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【図4】
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【図6】
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【図2A】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−181874(P2011−181874A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47588(P2010−47588)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】