説明

コラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体及びその製造方法

【課題】 副作用が弱く、優れたコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体を提供する。また、このキサントン誘導体の製造方法を提供する。
【解決手段】 副作用が弱く、優れたコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体とは、酸化還元電位がマイナス10mV〜マイナス700mVであり、コラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体である。この誘導体はキサントンの水酸基に、システイン、アラニン、システインからなるトリペプチドがエステル結合している。システイン、アラニン、システインはペプチド結合している。その製造方法は、マンゴスチン果皮粉末またはサラシア粉末に大豆粉末及び納豆菌を添加し、発酵させた発酵液を濾過後、得られたろ液をアルカリ還元させる工程からなり、主たる工程は発酵工程及びアルカリ還元工程である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、酸化還元電位がマイナス10mV〜マイナス700mVであるコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
炎症は、種々の疾患に共通する疾病であり、一方、炎症によって癌、動脈硬化、肺炎、肝炎などの様々な疾患が誘発される。炎症の症状と生体反応としては、発熱、発赤、疼痛、かゆみ、肉芽化などである。肉芽化を促進し、傷を早期に修復することが炎症を抑制するための方法の一つである。特に、この肉芽化にはコラーゲンの生成が関与している。
【0003】
また、癌の発症にも、コラーゲンの減少が関与しており、癌が拡大する際にはコラーゲンが減少した被膜を癌組織が破壊して浸潤し、転移する。したがって、コラーゲンを産生させることにより、癌の浸潤を抑制することが可能である。
【0004】
さらに、肌の老化防止にもコラーゲンは重要であり、コラーゲンの低下により、シワが形成され、タルミが生じる。肌の健康のために、コラーゲン産生を促進する工夫、食品、化粧品や方法が美容業界や化粧品業界で要望されている。
【0005】
コラーゲンの減少は過剰な酸化ストレスや紫外線照射が原因であり、この酸化ストレスを軽減する還元作用を有する物質がコラーゲン増加作用を併せ持つことにより、生成されたコラーゲンを安定的に維持するという特徴も有する。
【0006】
コラーゲンの産生を増加させ、還元作用を呈する物質の探索が進められているものの、副作用が少なく、効果が強いものは、発明されておらず、医薬品業界、化粧品業界、美容業界では新規成分の開発が期待されている。
【0007】
安全性を配慮した場合、化学合成された副作用の強い物質に比べて安全性の高い天然物由来の成分が期待されている。特に、食経験が豊富な植物に着目されている。
【0008】
たとえば、マンゴスチンはタイやマレーシアなどの東南アジアで伝承的に民間薬として利用されており、かつ、食経験が豊富な果実である。その有用成分はキサントンである。キサントンには200種類以上の類似した構造体が知られており、キサントンについては世界中の研究者が1000以上の研究を報告している。
【0009】
また、マンゴスチンやキサントンの抗炎症作用や抗癌作用は広く知られているものの、一方、マンゴスチンやキサントンによるコラーゲン産生に関する研究は少ない。また、還元作用が強いキサントンについても、知られていない。
【0010】
キサントンと皮膚に関する発明として皮膚の審美的外観を改善するための方法の発明がある。ここでは、キサントン誘導体によるコラーゲンおよび/またはエラスチンの消失について報告されている(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
また、スキンケア組成物に関する発明では、フェノール化合物としてのキサントンを含有する組成物と皮膚のコラーゲン濃度の増大についての発明がある(例えば、特許文献2参照)。
【0012】
さらに、ペトロセリン酸を中心としてフェノール化合物としてのキサントンがコラーゲンの増大を起こすという発明がある(例えば、特許文献3参照)。
【0013】
加えて、キサントンと皮膚改善に関する発明としてキサントン誘導体並びにそれを含む皮膚外用剤及び医薬組成物の発明がある(例えば、特許文献4参照)。
【0014】
しかし、いずれの発明においても、キサントン誘導体の構造とコラーゲン産生を特定したものではなく、還元作用を呈するコラーゲン増加作用を持つキサントンについての報告は見当たらない。
【0015】
ここでいうコラーゲン産生作用を示し、還元作用を特徴とするキサントン誘導体は、トリペプチドとの結合が構造的な特徴であり、また、マンゴスチン果皮またはサラシア粉末から発酵処理と還元処理を行うという工程を特徴とした製造方法からなる発明について以下に説明する。
【特許文献1】特表2005−518399
【特許文献2】特表2003−505492
【特許文献3】特表2003−505491
【特許文献4】特開2007−153773
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
化学的に合成されたコラーゲンを産生させる物質としては、FOYなどのプロテアーゼ阻害剤などの化学物質があるものの、これらの化学合成した物質には副作用が存在し、利用者のQOLを低下させ、その使用量と使用期間が限定されるという問題がある。
【0017】
一方、天然由来の物質についてその安全性は高いものの、コラーゲン産生作用が軽度であり、酸化ストレスによるコラーゲン消失までも回復できないという問題がある。そこで、副作用が弱く、コラーゲン産生作用の優れた天然物由来物質が望まれている。
【0018】
この発明は上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、副作用が弱く、優れたコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体を提供することである。
【0019】
また、マンゴスチン果皮粉末またはサラシア粉末に大豆粉末及び納豆菌を添加し、発酵させた発酵液をアルカリ還元させる工程からな効率的なコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体を効率良く製造する製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、酸化還元電位がマイナス10mV〜マイナス700mVである下記の式(1)で示されるコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体に関するものである。
【0021】
【化1】

【0022】
請求項2に記載の発明は、マンゴスチン果皮粉末またはサラシア粉末に大豆粉末及び納豆菌を添加し、発酵させた発酵液をアルカリ還元させる工程からなる請求項1に記載のコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体の製造方法に関するものである。
【発明の効果】
【0023】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
【0024】
請求項1に記載のキサントン誘導体によれば、副作用が弱く、優れたコラーゲン産生作用が発揮される。
【0025】
請求項2に記載の製造方法によれば、効率良くキサントン誘導体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、この発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
【0027】
まず、酸化還元電位がマイナス10mV〜マイナス700mVである下記の式(1)で示されるコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体について説明する。
【0028】
【化2】

【0029】
ここでいうキサントン誘導体とは、キサントン類に属し、かつ、水酸基に、トリペプチドがエステル結合している構造を示し、前記の式(1)で示される。
【0030】
また、前記の式(1)で示されるキサントン誘導体は、イソプレニル基を有しているという特徴を有し、アルファ−マンゴスチンの誘導体である。
【0031】
さらに、水酸基に結合しているトリペプチドは、システインとアラニンとシステインであり、これらはペプチド結合により結合している。さらに、システインのカルボキシル基とキサントン骨格の水酸基がエステル結合している。
【0032】
このキサントン誘導体は、キサントンとしての骨格による脂溶性部分とトリペプチドによる水溶性部分の両者の性質を呈することから、腸管からの吸収や皮膚からの吸収が高く、血中に移行しやすいという薬理学的利点を有することから、好ましい。
【0033】
このキサントン誘導体は、細胞膜に働き、脂溶性と水溶性の両方の性質を持ちつつ、細胞の核内やミトコンドリア内に侵入でき、コラーゲン産生系の標的部位に働くことができることから好ましく、かつ、吸収、動態に優れている点からさらに好ましい。
【0034】
また、このキサントン誘導体は、過剰に摂取した場合、エステラーゼにより分解されてトリペプチドとキサントンに分解され、トリペプチドはさらにアミノ酸、二酸化イオウと炭酸ガスに分解されて腎臓から排泄されることから、安全性が高く、より好ましい。
【0035】
このキサントン誘導体は、皮膚細胞や血管細胞に働き、細胞内のコラーゲンタンパク質合成系を刺激して、コラーゲンを産生させる。また、還元作用により皮膚細胞や血管細胞の安定性を維持し、皮膚や組織を強固にさせるという利点を有する。
【0036】
また、このキサントン誘導体は、皮膚細胞の線維芽細胞や間質細胞に対し作用してコラーゲン産生を促進し、肌の弾性を増加させ、かつ、皮膚の再生を促進させる。
【0037】
このキサントン誘導体は、酸化還元電位がマイナス10mV〜マイナス700mVである。酸化還元電位がマイナス10mVより酸化域にあると、還元力が発揮されない。また、酸化還元電位がマイナス700mVより還元域にあると、還元力が不安定である。
【0038】
この酸化還元電位がマイナス10mV〜マイナス700mVの領域は安定した強い還元作用が発揮される領域であり、酸化生成物によるコラーゲンの分解を抑制し、かつ、シワの原因物質となる酸化脂質を消去させる。
【0039】
このマイナス10mV〜マイナス700mVの酸化還元電位は、アルカリ還元やイオン還元装置により作り出される。一方、酸化還元電位がプラスである場合、酸化により組織が障害されるおそれがあり、酸化還元電位がマイナスであることは、酸化を抑制し組織を防御する利点に優れている。
【0040】
このキサントン誘導体は酸化還元電位がマイナスであることから、皮膚の酸化や紫外線などの酸化ストレスを減少させ、肌を効果的に防御する。ここでいうコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体は、発酵により有用生物内で生合成され、さらに、植物細胞、動物細胞、酵母、微生物による自然発酵でも得られる。
【0041】
また、植物発酵させた後に、抽出してこのキサントン誘導体を得ることができる。特に、マンゴスチン果皮、果肉、茎または根、サラシアの樹皮、葉や茎などの植物体から抽出により得ることができる。
【0042】
また、前記のキサントン誘導体をマンゴスチン果皮、またはサラシアの樹皮や葉とともに発酵させ、アルカリ還元させて得ることができる。たとえば、マンゴスチン果皮またはサラシアの粉砕物、大豆粉砕物及び納豆菌を添加して発酵させた発酵物をアルカリ還元化して得ることは、廃棄物として廃棄されるマンゴスチン果皮、サラシアを有効利用できることから好ましい。
【0043】
さらに、植物から抽出する場合、マンゴスチン果皮、果肉や樹皮、サラシアの樹皮や葉、緑茶葉、ドクダミ、ギョウジャニンニク、タマネギ、ニンニク、大豆、ギジギシ、カンゾウ、ツリフネソウ、ハナイカダ、大麦若葉、葛の花、トウガラシ、梨、栗、タラ、ワサビ、ワラビ、稲、小麦、トウモロコシ、ダイコン、菜の花、サクラ、マツ、アオキ、アカネ、アカメガシワ、アケビ、アマチャズル、アマドコロ、アロエ、イカリソウ、イタドリ、イノコズチ、イブキジャコウソウ、ウコギ、ウツボグサ、ウド、ウメ、ウラジロガシ、エビスグサ、オウレン、オオバコ、オケラ、オクラ、オトギリソウ、オナモミ、オミナエシ、カキドオシ、カラスウリ、カラスビシャク、カワラケツメイ、カワラナデシコ、カンアオイ、キクイモ、キキョウ、キササゲ、キハダ、キランソウ、キンミズヒキ、クガイソウ、クコ、クサボケ、クズ、クチナシ、コウホネ、コブシ、サイカチ、サボンソウ、サルトリイバラバッケツ、サンシュユ、ジャノヒゲ、シラン、スイカズラ、セリ、センブリ、タムシバ、タラノキ、タンポポ、チガヤ、ツリガネニンジン、ツワブキ、ドクダミ、トチノキ、トチバニンジン、ナンテン、ノイバラ、ハコベ、ハトムギ、ハハコグサ、ヒキオコシ、ヒシ、ヒトツバ、ビワ、フキ、フクジュソウ、フジ、マタタビ、メハジキ、ヤマノイモ、ユキノシタ、ヨモギ、リンドウ、レンギョウ、ロウバイ、ワレモコウなどの葉、茎、花または根は、入手しやすいことから好ましい。
【0044】
藻類から抽出する場合、アオサ、アオノリ、アマノリ、アラメ、イワノリ、エゴノリ、オゴノリ、カワノリ、エナガオニコンブ、ガゴメコンブ、ナガコンブ、ホソメコンブ、マコンブ、ミツイシコンブ、リシリコンブ、スイゼンジノリ、テングサ、トサカノリ、ヒジキ、ヒトエグサ、フノリ、マツモ、ムカデノリ、オキナワモズク、モズク、ワカメ、クキワカメ、メカブワカメの葉部、茎または根は、入手しやすいことから好ましい。
【0045】
マンゴスチン果皮またはサラシアの葉、大豆とともに、乳酸菌、ビール酵母、納豆菌または枯草菌を発酵させて得ることができる。また、マンゴスチン果皮またはサラシアの葉を大豆とともに、乳酸菌、ビール酵母、納豆菌または枯草菌を発酵させて得られた発酵物をアルカリ還元して得ることができる。この操作によって得られる生成物は還元力及び抗酸化力の強い状態を維持し、酸化に対して強い抵抗力と構造に安定性が高いことから好ましい。
【0046】
ここでいうコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体は、液体または粉末して得られ、医薬品素材、食品素材、化粧品素材として利用できる。
【0047】
医薬品素材として利用する場合、目的とするキサントン誘導体を分離精製することは、目的とするキサントン誘導体の純度が高まり、不純物を除去できる点から好ましい。
【0048】
分離用担体または樹脂により分離され、分取されることにより目的とするキサントン誘導体が得られる。分離用担体または樹脂としては、表面が後述のようにコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。0.1〜300マイクロmの粒度を有するものが好ましく、粒度が細かい程、精度の高い分離が行なわれるが、分離時間が長い欠点がある。
【0049】
例えば、逆相担体または樹脂として表面が疎水性化合物でコーティングされたものは、疎水性の高い物質の分離に利用される。陽イオン物質でコーティングされたものは陰イオン性に荷電した物質の分離に適している。また、陰イオン物質でコーティングされたものは陽イオン性に荷電した物質の分離に適している。特異的な抗体をコーティングした場合には、特異的な物質のみを分離するアフィニティ担体または樹脂として利用される。
【0050】
アフィニティ担体または樹脂は、抗原抗体反応を利用して抗原の特異的な調製に利用される。分配性担体または樹脂は、シリカゲル(メルク社製)等のように、物質と分離用溶媒の間の分配係数に差異がある場合、それらの物質の単離に利用される。
【0051】
これらのうち、製造コストを低減することができる点から、吸着性担体または樹脂、分配性担体または樹脂、分子篩用担体または樹脂及びイオン交換担体または樹脂が好ましい。さらに、分離用溶媒に対して分配係数の差異が大きい点から、逆相担体または樹脂及び分配性担体または樹脂はより好ましい。
【0052】
分離用溶媒として有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に耐性を有する担体または樹脂が用いられる。また、医薬品製造または食品製造に利用される担体または樹脂は好ましい。
【0053】
これらの点から吸着性担体としてダイヤイオン(三菱化学(株)社製)及びXAD−2またはXAD−4(ロームアンドハース社製)、分子篩用担体としてセファデックスLH−20(アマシャムファルマシア社製)、分配用担体としてシリカゲル、イオン交換担体としてIRA−410(ロームアンドハース社製)、逆相担体としてDM1020T(富士シリシア社製)がより好ましい。これらのうち、ダイヤイオン、セファデックスLH−20及びDM1020Tはさらに好ましい。
【0054】
得られた抽出物は、分離前に分離用担体または樹脂を膨潤化させるための溶媒に溶解される。その量は、分離効率の点から抽出物の重量に対して1〜50倍量が好ましく、3〜20倍量がより好ましい。分離の温度としては物質の安定性の点から4〜30℃が好ましく、10〜25℃がより好ましい。
【0055】
分離用溶媒には、水、または、水を含有する低級アルコール、親水性溶媒、親油性溶媒が用いられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが用いられるが、食用として利用されているエタノールが好ましい。
【0056】
セファデックスLH−20を用いる場合、分離用溶媒には低級アルコールが好ましい。シリカゲルを用いる場合、分離用溶媒にはクロロホルム、メタノール、酢酸またはそれらの混合液が好ましい。
【0057】
ダイヤイオン及びDM1020Tを用いる場合、分離用溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコールまたは低級アルコールと水の混合液が好ましい。
【0058】
コラーゲン産生作用を指標として目的とするキサントン誘導体を含む画分を採取して乾燥または真空乾燥により溶媒を除去し、目的とするキサントン誘導体を粉末または濃縮液として得ることは溶媒による影響を除外できることから、好ましい。
【0059】
医薬品として、注射剤または経口剤または塗布剤などの非経口剤として利用され、医薬部外品としては、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、石鹸、塗布剤、ゲル剤、歯磨き粉等に配合されて利用される。
【0060】
経口剤としては、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、ドリンク剤等が挙げられる。前記の錠剤及びカプセル剤に混和される場合には、結合剤、賦形剤、膨化剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤等とともに用いることができる。前記の錠剤は、シェラックまたは砂糖で被覆することもできる。
【0061】
また、前記のカプセル剤の場合には、上記の材料にさらに油脂等の液体担体を含有させることができる。前記のシロップ剤及びドリンク剤の場合には、甘味剤、防腐剤、色素香味剤等を含有させることができる。
【0062】
非経口剤としては、軟膏剤、クリーム剤、水剤等の外用剤の他に、注射剤が挙げられる。外用剤の基材としては、ワセリン、パラフィン、油脂類、ラノリン、マクロゴールド等が用いられ、通常の方法によって軟膏剤やクリーム剤等とすることができる。
【0063】
注射剤には、液剤があり、その他、凍結乾燥剤がある。これは使用時、注射用蒸留水や生理食塩液等に無菌的に溶解して用いられる。
【0064】
これらの医薬品中における前記のキサントン誘導体の含有量は、0.1〜20重量%が好ましく、1〜15重量%がより好ましく、5〜10重量%がさらに好ましい。
【0065】
前記のキサントン誘導体の含有量が0.1重量%未満の場合には、キサントン誘導体の含有量が少なすぎることから作用を十分に発揮することができない。また、20重量%を越える場合には、製剤の安定性に寄与している成分の含有量が相対的に低下する。
【0066】
前記の医薬品は、他の医薬品と併用することができる。たとえば、イソフラボンと併用することにより女性ホルモン調整作用と相互作用により相乗的なコラーゲン産生作用が得られることから好ましい。
【0067】
前記の食品製剤は、1日数回に分けて経口摂取される。1日の摂取量は0.1〜10gが好ましく、0.3〜5gがより好ましく、0.5〜3gがさらに好ましい。1日の摂取量が、0.1gを下回る場合、十分な効果が発揮されないおそれがある。1日の摂取量が、10gを越える場合、コストが高くなるおそれがある。上記の他に、飴、せんべい、クッキー、飲料、粉末等の形態で使用することができる。
【0068】
得られた食品製剤は、保健機能食品として、栄養機能食品や特定保健用食品として利用されることは好ましい。また、血管のコラーゲンを増加させ、動脈硬化に対する働きがある。かつ、還元作用により血中脂質や血管組織の酸化を防御し、血栓形成を防御する。さらに、癌組織の周囲の結合組織のコラーゲンを増加させることにより、癌の進展を防御し、かつ、転移を抑制する。
【0069】
得られた食品製剤をイヌやネコなどのペットに利用する場合、マンゴスチン果皮やサラシアの抽出物に消臭作用と抗菌作用があることから好ましい。
【0070】
化粧品として常法に従って界面活性化剤、溶剤、増粘剤、賦形剤等とともに用いることができる。例えば、油溶性クリーム、毛髪用ジェル、洗顔剤、美容液、化粧水、乳液等の形態とすることができる。化粧品の形態は任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状または粉末状として用いることができる。
【0071】
化粧品として1日数回に分けて塗布、清拭または噴霧される。1日の使用量は0.01〜5gが好ましく、0.05〜3gがより好ましく、0.1〜2gがさらに好ましい。1日の使用量が、0.01gを下回る場合、十分な効果が発揮されないおそれがある。1日の使用量が、5gを越える場合、コストが高くなるおそれがある。
【0072】
得られた化粧品は、皮膚のコラーゲン産生を促進し、肌のコラーゲンを増加させることから、皮膚の再生を促す働きがある。また、還元作用が呈することから、皮膚が紫外線や酸化ストレスによる障害から防御される作用が付加される点から好ましい。
【0073】
次に、マンゴスチン果皮粉末またはサラシア粉末に大豆粉末及び納豆菌を添加し、発酵させた発酵液をアルカリ還元させる工程からなるコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体の製造方法について説明する。
【0074】
ここでいうコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体とは、前記のキサントン誘導体であり、これはキサントン類に属して、かつ、水酸基に、トリペプチドがエステル結合した構造を示すという特徴を有する。
【0075】
さらに、水酸基に結合しているトリペプチドは、システインとアラニンとシステインである。システインのカルボキシル基とキサントン骨格の水酸基がエステル結合している。
【0076】
原料として用いるマンゴスチン果皮の粉砕物とは、マンゴスチン果皮の粉砕物である。マンゴスチンとは、学名Garcinia mangostanaで示され、ツバキ目オトギリソウ科フクギ属またはガルシニア属の樹木であり、東南アジア、南米、アフリカなどの熱帯地方で生育し、1年に1回〜数回、果実を結ぶ。
【0077】
ここで用いるマンゴスチン果皮は、東南アジア、南米、アフリカのいずれの地方産のものでも良い。
【0078】
マンゴスチンの用いる部位は、果皮であり、ヘタを含有しても良い。このマンゴスチン果皮は、食経験や民間薬としての利用経験が古く、安全性も確立されていることから、廃棄物を減らす点から果皮のすべてを用いることは好ましい。
【0079】
マンゴスチン果皮は、新鮮な状態または乾燥したもののいずれでも用いられるが、乾燥された果実からは目的とするキサントン誘導体を得やすことから好ましい。
【0080】
また、原料として用いるサラシアとは、ニシキザ科サラシア属に属し、そもそも、インド、スリランカ、タイなどの東南アジア原産のつる性の植物であり、学名はSalacia oblonga、Salacia reticulata及びSalacia hainanensisのいずれでも良く、別名コタラヒム、コタラヒムブツ、ポンコランチのいずれでも良い。
【0081】
また、このサラシアはアジアを中心として食経験が豊富であり、利用された実績も高い。ここで用いるサラシアは、東南アジア、南米、アフリカ、日本のいずれの地方産のものでも良い。
【0082】
サラシアの用いる部位は、樹皮、根皮、葉、茎、根、種子、花のいずれの植物体でも良い。これらはいずれも、食経験や民間薬としての利用経験が古く、安全性も確立されていることから、好ましい。
【0083】
前記の植物体は、新鮮な状態または乾燥したもののいずれでも用いられるが、乾燥されたものは加工しやすい点から好ましい。
【0084】
採取されたマンゴスチン果皮とサラシアの樹皮や葉は水道水で洗浄されることは好ましい。
【0085】
マンゴスチン果皮またはサラシアは、粉砕される。すなわち、マンゴスチン果皮またはサラシアを乾燥後、粉砕機により粉砕されることは、反応を有効に実施できることから好ましい。
【0086】
乾燥機として西村鐵工所製のCDドライヤー、株式会社大川原製作所製のバイブロンやロートスルー、株式会社奈良機械製作所製の旋回気流乾燥機、トルネッシュドライヤー、流動層乾燥機、粉砕機として株式会社奈良機械製作所製の自由ミル、スーパー自由ミル、サンプルミル、ゴブリン、スーパークリーンミル、マイクロス、減圧乾燥機として東洋理工製の小型減圧乾燥機、株式会社マツイ製の小型減圧伝熱式乾燥機DPTH−40、エーキューエム九州テクノス株式会社製のクリーンドライVD−7、VD−20などが用いられる。
【0087】
原料となる大豆粉末は、日本産、中国産、アメリカ産、ロシア産などいずれの産地の大豆でも利用でき、使用に際して中山技術研究所製DM−6などの粉砕機で粉砕される。
【0088】
原料となる納豆菌とは、納豆や食品の加工用に用いられる枯草菌の一種である。納豆素本舗製の納豆菌は発酵に適していることから、好ましい。
【0089】
前記の発酵に関するそれぞれの添加量は、マンゴスチン果皮粉末またはサラシア粉末1重量に対し、大豆粉末は0.7〜3.5重量が好ましく、納豆菌は0.001〜0.05重量が好ましい。
【0090】
前記の発酵は清浄な培養用タンクで実施され、水道水により前記の材料を混合することは好ましい。
【0091】
また、この発酵は、33〜55℃に加温され、発酵は、24〜96時間行われる。発酵後に、以下の抽出を効率良く実施するために、水道水で希釈される。
【0092】
この発酵の工程によって、大豆由来のたんぱく質が分解されて得られたペプチドがマンゴスチン果皮やサラシア由来のキサントンと結合する。しかし、発酵工程では酸化された状態にあり、構造的に不安定である。キサントン誘導体の分解を防御させる目的で、還元させて酸化還元電位を低く維持することは、その構造が安定させる。
【0093】
前記の発酵により生成された発酵物は35〜55℃の温水で抽出され、この製造工程により、生成物を分解から守り、効率良く回収でき、かつ、次の工程を実施しやすい。
【0094】
得られた発酵物は真空乾燥や凍結乾燥などにより、濃縮することは、好ましい。
【0095】
この発酵物はアルカリ還元される。アルカリ還元の工程は、アルカリ還元装置やアルカリ還元整水器により実施されることが好ましい。たとえば、ゼマイティス製のアルカリ還元水・強酸化水連続生成器「プロテックATX−501」、エヌアイシー製のアルカリ還元水製造装置「テクノスーパー502」、マルタカ製「ミネリア・CE−212」、クレッセント製「アキュラブルー」、株式会社日本鉱泉研究所製「ミネラル還元整水器「元気の水」」などの装置が好ましい。これらの装置により発酵物はアルカリ還元される。
【0096】
この還元工程により、酸化還元電位がマイナス10mV〜マイナス700mVに還元され、目的とするキサントン誘導体が安定される。
【0097】
前記の還元反応物から、目的とするキサントン誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
【0098】
分離用担体または樹脂としては、表面がコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。適切な分離用溶媒により分離し、精製され、有機溶媒を除去して目的とするキサントン誘導体を得ることは好ましい。
【0099】
分離用溶媒としてはメタノール、エタノール、クロロホルム、ヘキサン、酢酸エチル、ベンゼン、エーテルなどが用いられ、このうち、食品加工用エタノールまたは含水エタノールはその利用範囲が高いことから好ましい。
【0100】
このようにして得られたキサントン誘導体は、液体または粉末として得られる。
【0101】
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。
【実施例1】
【0102】
タイで栽培されたマンゴスチンより果皮を採取した。これを水洗後、乾燥機により乾燥し、粉砕機(クイジナート)により粉砕して、マンゴスチン果皮粉砕物1kgを得た。
【0103】
また、北海道産大豆をミキサー(クイジナート)に供し、大豆の粉砕物1kgを得た。これらを清浄な発酵タンク(滅菌された発酵用丸形20リットルタンク)の容器に、それぞれの1.5kgを入れてさらに、水道水5kgを添加し、攪拌した。
【0104】
これに、粉末納豆菌(納豆素本舗製)60gを発酵タンクに供し、攪拌後、38〜45℃の温度範囲で発酵させた。
【0105】
発酵過程の途中段階で4回攪拌した。発酵終了の判定には、目的とするキサントン誘導体またはその酸化物の生成を指標とした。
【0106】
その方法は、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)に発酵液を供して分析し、目的とする物質の生成を確認した。
【0107】
その結果、発酵48時間後に、目的とするキサントン誘導体が十分量生成されたため、発酵時間を48時間として発酵を終了させた。発酵液に40℃の温水3kgを添加した。
【0108】
この発酵液を珪藻土を敷いたろ過器に供し、ろ過した。得られたろ過液をセルラキッス(株式会社ゼノン製)に供し、アルカリ還元装置(ゼマイティス製のアルカリ還元水・強酸化水連続生成器「プロテックATX−501」)に供してアルカリ還元化させた。
【0109】
こうして得られたアルカリ還元物を日本エフディ製の凍結乾燥機に供し、目的とするキサントン誘導体を粉末として670g得た。これを検体1とした。
【0110】
以下に、サラシア粉末、大豆粉末と納豆菌から発酵後、アルカリ還元して得られるキサントン誘導体について述べる。
【実施例2】
【0111】
スリランカで栽培されたサラシアの樹皮と葉を採取した。これを水洗後、乾燥機により乾燥し、粉砕機(クイジナート)により粉砕して、サラシアの粉砕物1kgを得た。
【0112】
また、北海道産大豆をミキサーに供し、大豆の粉砕物1kgを得た。これらを清浄な発酵タンクに、それぞれの1kgを入れてさらに、水道水4kgを添加し、攪拌した。
【0113】
これに、粉末納豆菌(納豆素本舗製)50gを発酵タンクに供し、攪拌後、41〜45℃の温度範囲で発酵させた。
【0114】
発酵過程の途中段階で3回良く攪拌した。発酵終了の判定には、目的とするキサントン誘導体またはその酸化物の生成を指標とした。その方法は、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)に発酵液を供して分析し、目的とする物質の生成を確認した。
【0115】
その結果、発酵40時間後に、目的とするキサントン誘導体が十分量生成されたため、発酵時間を42時間とし、発酵を終了させた。これに40℃の温水4kgを添加した。
【0116】
この発酵液を珪藻土を敷いたろ過器に供し、ろ過した。得られたろ過液をセルラキッス(株式会社ゼノン製)に供し、アルカリ還元装置(ゼマイティス製のアルカリ還元水・強酸化水連続生成器「プロテックATX−501」)に供してアルカリ還元化させた。
【0117】
こうして得られたアルカリ還元物を日本エフディ製の凍結乾燥機に供し、目的とするキサントン誘導体を粉末として603g得た。これを検体2とした。
【0118】
以下に、キサントン誘導体の構造解析に関する試験方法及び結果について説明する。
(試験例1)
【0119】
上記のように得られた検体1及び検体2を抽出媒体に溶解し、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析し、さらに、核磁気共鳴装置(NMR、ブルカー製、AC−250)で解析した。
【0120】
構造解析の結果、検体1及び検体2から目的とするシステインとアラニンとシステインからなるトリペプチドを結合したキサントン誘導体が同定された。ここで分解して同定されたキサントン部位は、アルファーマンゴスチンであった。
【0121】
以下に、ヒト皮膚由来線維芽細胞を用いた実験について説明する。これはヒト皮膚由来の線維芽細胞を用いることにより、その活性化作用を評価する試験方法である。
(試験例2)
【0122】
正常ヒト成人皮膚繊維芽細胞(Fibrocell NHDF(AD)、クラボウ株式会社製)を専用培養液にて培養し、実施例1及び実施例2で得られた検体1及び検体2のそれぞれ0.1mg、0.3mg及び1mgを添加し、37℃で、48時間培養した。溶媒対照に対する細胞増殖数を計数し、さらに、コラーゲン量を抗体法(コンドレックス社製)により観察した。
【0123】
その結果、実施例1のキサントン誘導体の0.1mg、0.3mg及び1mgの増殖率は、それぞれ115%、189%及び245%であり、対照群に比して有意な増殖が認められた。
【0124】
さらに、実施例2のキサントン誘導体の0.1mg、0.3mg及び1mgの増殖率は、それぞれ119%、177%及び222%であり、対照群に比して有意な増殖が認められた。
【0125】
コラーゲン産生量の測定の結果、実施例1のキサントン誘導体の0.1mg、0.3mg及び1mgのコラーゲン産生率は、それぞれ120%、245%及び335%であり、対照群に比して有意なコラーゲン産生が認められた。
【0126】
さらに、実施例2のキサントン誘導体の0.1mg、0.3mg及び1mgのコラーゲン産生率は、それぞれ122%、256%及び319%であり、対照群に比して有意なコラーゲン産生が認められた。
【0127】
以上の結果から、検体1と検体2にはヒト皮膚由来線維芽細胞のコラーゲン産生が観察された。
【0128】
以下に、コラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体からなる化粧品の実施例について説明する。
【実施例3】
【0129】
清浄な化粧品用混合機にモノステアリン酸ポリエチレングリコール1g、親油型モノステアリン酸グリセリン2g、馬油エステル4g及びオレイン酸6gを加熱し、溶解した。
【0130】
得られた溶液に、実施例1で得られた検体1の20g、α−トコフェロール0.1g及び精製水90gを添加した。これらを溶解した後、冷却して化粧品として乳液を得た。これを実施例3の検体3とした。対照の化粧品として実施例1で得られた検体1の粉末のみを除外した乳液を調製した。
【0131】
以下に、化粧品の効果及び副作用について評価した試験例を示す。
(試験例3)
【0132】
30〜67才の健常女性の10人に、実施例3で得られた乳液7gを顔面右半分に、14日間塗布した。顔面左半分には実施例1のキサントン誘導体を除外した乳液を塗布した。
【0133】
塗布前及び塗布14日に、顔面左右それぞれの水分保持力(インテグラル製、CM825)及び皮膚弾性力(インテグラル製、衝撃波測定装置、RVM600)を測定した。
【0134】
その結果、実施例3の化粧品を塗布した顔面右半分の水分保持力は対照群の168%、及び皮膚弾性力は157%であり、いずれの値も改善された。皮膚弾性力は皮膚の角質剥離と皮膚の再生に依存しているため、キサントン誘導体による肌細胞のコラーゲン量が起因すると考えられた。
【0135】
これらの結果は、実施例3の化粧品は水分保持力と弾性力が向上されることが確認された。また、この化粧品の使用感は良好であり、副作用は認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明で得られる副作用が弱い、優れたコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体によれば、コラーゲンを改善する治療効果、癌発症の予防効果や肌の改善効果が期待される。本発明のキサントン誘導体は、医薬品、食品、サプリメント、化粧品に利用され、癌、動脈硬化を含む血管病変や肌の健康に悩む国民の生活を改善できる。したがって、本件は、医薬業界、食品業界、化粧品業界の発展に貢献できる発明である。
【0137】
さらに、マンゴスチン果皮やサラシアの樹皮や葉は廃棄物として焼却されて、環境破壊につながっている。このマンゴスチン果皮やサラシアを有効的に利用することにより、環境破壊を防御することができる。また、農業の資源の開拓と産業育成にもつながる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化還元電位がマイナス10mV〜マイナス700mVである下記の式(1)で示されるコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体。
【化1】

【請求項2】
マンゴスチン果皮粉末またはサラシア粉末に大豆粉末及び納豆菌を添加し、発酵させた発酵液をアルカリ還元させる工程からなる請求項1に記載のコラーゲン産生作用を呈するキサントン誘導体の製造方法。

【公開番号】特開2009−84169(P2009−84169A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253401(P2007−253401)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(504447198)
【Fターム(参考)】