説明

サーボモータ及びエンコーダ

【課題】回転軸の偏心による軸振れや振動等が生じた場合でも、エンコーダの位置検出精度の低下を抑制できるようにする。
【解決手段】モータの回転軸106と共に回転可能に設けられた回転ディスク202と、回転ディスク202の位置を検出する検出部を回転ディスク202に対して固定しつつ支持する反負荷側ブラケット103と、回転ディスク202を回転自在に反負荷側ブラケット103に支持させる反負荷側軸受105と、回転軸106と回転ディスク202とに連結され、回転ディスク202の回転軸106に対する径方向の相対位置の変動を弾性変形することにより許容しつつ、回転軸106の回転力を回転ディスク202に伝達可能な弾性伝達部材300とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータとエンコーダを備えたサーボモータ、及びそのエンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
モータの回転軸の回転角度を光学的に検出するエンコーダを備えたサーボモータが知られている。エンコーダは、位置検出用のパターンが形成された回転ディスクと、光源から出射され上記パターンの作用を受けた光を受光する受光素子が設けられた基板とを有している。回転ディスクは回転軸にハブを介して固定されており、基板はモータの反負荷側ブラケットに固定されている。
【0003】
回転ディスクとハブの連結構造として、従来、回転ディスクの中央部に嵌合孔を設け、当該回転ディスクをハブを圧入するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この回転ディスクでは、嵌合孔の周辺の板厚を他の部分よりも薄くすると共に、スリットを設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−234103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般にモータにおいては、回転軸の加工精度や組立精度等の要因により、反負荷側において回転軸の偏心による軸振れや振動等を生じる場合がある。回転軸にこのような軸振れや振動等が生じた場合、回転軸にハブを介して固定された回転ディスクと反負荷側ブラケットに固定された基板との間に偏心や面振れ、振動等による相対位置の変動が生じ、エンコーダの位置検出精度が低下してしまう。
【0006】
上記従来技術においては、回転ディスクの嵌合孔周辺の板厚を薄くすると共にスリットを設けることで、ハブと回転ディスクとの間にクリアランスが生じるのを防止し、回転軸と回転ディスクの同軸度のずれを抑制可能としている。しかしながら、回転ディスクを回転軸に取り付けた後は同軸度を保ちつつ固定されるため、上述した回転軸の軸振れや振動等が生じた場合には、回転ディスクと基板との間に相対位置の変動が生じ、エンコーダの位置検出精度が低下してしまうという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、回転軸の偏心による軸振れや振動等が生じた場合でも、エンコーダの位置検出精度の低下を抑制することができるサーボモータ及びエンコーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、モータの回転軸と共に回転可能に設けられた回転ディスクと、
上記回転ディスクの位置を検出する検出部を上記回転ディスクに対して固定しつつ支持する固定部と、
上記回転ディスクを回転自在に上記固定部に支持させる軸受と、
上記回転軸と上記回転ディスクとに連結され、上記回転ディスクの上記回転軸に対する径方向の相対位置の変動を弾性変形することにより許容しつつ、上記回転軸の回転力を上記回転ディスクに伝達可能な弾性伝達部材と、を有する
ことを特徴とするサーボモータが提供される。
【0009】
また、上記弾性伝達部材は、
回転方向の剛性が径方向の剛性よりも高くなるように構成されてもよい。
【0010】
また、上記弾性伝達部材は、
上記回転軸側に固定される内輪部材と、
上記回転ディスク側に固定される外輪部材と、
上記内輪部材と上記外輪部材との間に設けられ、上記回転軸の径方向をR方向、軸方向をZ方向、回転方向をθ方向とする円柱座標系において、R−Z断面による断面形状が少なくとも1つの頂点を有する円環状の板バネ部材と、を備えてもよい。
【0011】
また、上記板バネ部材は、
上記内輪部材より径方向外側に向かって延設された内環部と、
上記外輪部材より径方向内側に向かって延設された外環部と、
上記内環部と上記外環部との間で、軸方向に対し傾斜して延設された筒部と、を有し、
上記R−Z断面による断面形状は、略S字状であり、上記内環部と上記筒部との間、及び、上記外環部と上記筒部との間が、鋭角に湾曲されて形成された2つの頂点を有してもよい。
【0012】
また、上記板バネ部材は、
上記R−Z断面の断面形状における少なくとも1つの上記頂点の位置が、上記θ方向に沿った所定の間隔ごとに、上記Z方向に周期的に変動するように構成されてもよい。
【0013】
また、上記弾性伝達部材は、
上記内輪部材と上記外輪部材との間に並列して設けられた複数の上記板バネ部材を有してもよい。
【0014】
また、上記弾性伝達部材は、
上記板バネ部材の表面の少なくとも一部に設けられた振動吸収材を有してもよい。
【0015】
また、上記弾性伝達部材は、
上記回転軸側に固定される内輪部材と、
上記回転ディスク側に固定される外輪部材と、
上記内輪部材と上記外輪部材との間に設けられ、ゴム材料で構成された円環状のラバー部材と、を備えてもよい。
【0016】
また、上記ラバー部材は、
径方向中央部に少なくとも1つの凹部を有してもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、サーボモータに備えられたエンコーダであって、
上記サーボモータの回転軸と共に回転可能に設けられた回転ディスクと、
上記サーボモータの固定部により上記回転ディスクに対して固定しつつ支持された、上記回転ディスクの位置を検出する検出部と、
上記回転軸と上記回転ディスクとに連結され、上記回転ディスクの上記回転軸に対する径方向の相対位置の変動を弾性変形することにより許容しつつ、上記回転軸の回転力を上記回転ディスクに伝達可能な弾性伝達部材と、を有する
ことを特徴とするエンコーダが提供される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、回転軸の軸振れや振動等が生じた場合でも、エンコーダの位置検出精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係るサーボモータの概略構成について説明するための縦断面図である。
【図2】弾性伝達部材の板バネ部材の外観を表す斜視図である。
【図3】弾性伝達部材のR−Z断面を表す断面図である。
【図4】弾性伝達部材の板バネ部材の他の形状の外観を表す斜視図である。
【図5】他の形状の板バネ部材を備えた弾性伝達部材のR−Z断面を表す断面図である。
【図6】弾性伝達部材の板バネ部材のさらに他の形状の外観を表す斜視図である。
【図7】さらに他の形状の板バネ部材を備えた弾性伝達部材のR−Z断面を表す断面図である。
【図8】3つの形状の板バネ部材について行った剛性についてのシミュレーション結果を表す図である。
【図9】反負荷側軸受に予圧を与える変形例に係るサーボモータの概略構成について説明するための縦断面図である。
【図10】回転方向に波打つ形状とする変形例に係る板バネ部材の外観を表す斜視図である。
【図11】複数の板バネ部材を有する変形例に係る弾性伝達部材のR−Z断面を表す断面図である。
【図12】板バネ部材の表面に振動吸収材を設ける変形例に係る弾性伝達部材のR−Z断面を表す断面図である。
【図13】R−Z断面に3つの頂点を有する形状とした板バネ部材を有する弾性伝達部材のR−Z断面を表す断面図である。
【図14】板バネ部材の代わりにラバー部材を有する変形例に係る弾性伝達部材のR−Z断面を表す断面図である。
【図15】板バネ部材の代わりにラバー部材を有する変形例に係る弾性伝達部材のR−Z断面を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
まず、本発明の一実施形態について説明する前に、モータとエンコーダを備えたサーボモータにおいて本願発明者等が想到した問題等について説明する。
【0021】
一般にモータにおいては、回転軸等の部品の加工精度や各部品の組立精度等の要因により、反負荷側において回転軸の偏心による軸振れや振動等を生じる場合がある。回転軸にこのような軸振れや振動等が生じた場合、回転軸にハブを介して固定された回転ディスクと反負荷側ブラケットに固定された基板との間に偏心や面振れ、振動等による相対位置の変動が生じ、エンコーダの位置検出精度が低下してしまう。
【0022】
このような回転ディスクと基板との相対位置の変動は、特にモータの回転軸に回転ディスクが直接的に連結されるいわゆる「ビルトインタイプ」のエンコーダが使用される場合に生じ易い。なぜなら、回転軸の軸振れや振動等が直接的に回転ディスクに伝わるからである。
【0023】
このような回転ディスクと基板との相対位置の変動を抑えるために、回転軸等の部品の加工精度や各部品の組立精度を上げることも考えられる。しかしながら、この場合には、回転軸と基板との間に、エンコーダによる位置検出精度の確保のために厳しい幾何公差が要求されることとなり、さらに、モータへのエンコーダの組込工程の難易度が増すことによる組立工程の増大を招く結果となる。
【0024】
本願発明者等は、サーボモータやエンコーダの信頼性向上におけるこれらの点などに想到し、更に鋭意研究を行った結果、本発明に想到した。なお、ここで挙げた点等は、本発明が解決する課題の一例であって、本発明がこの例に限定されるものではない。以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0025】
<サーボモータ>
まず、図1を参照しつつ、本実施形態に係るサーボモータの構成の概略について説明する。図1に示すように、サーボモータSMは、モータ100と、このモータ100の反負荷側に配置されたエンコーダ200とを有している。
【0026】
モータ100は、筐体としてのフレーム101と、このフレーム101の負荷側に配置された負荷側ブラケット102と、フレーム101の反負荷側に配置された反負荷側ブラケット103と、負荷側ブラケット102に外輪が嵌合された負荷側軸受104と、反負荷側ブラケット103に外輪が嵌合された反負荷側軸受105と、負荷側軸受104と反負荷側軸受105により回転自在に支持された中空状の回転軸106とを備えている。図1に示す例では、負荷側軸受104及び反負荷側軸受105として転がり軸受を用いている。
【0027】
回転軸106の外周には、回転軸106と同一軸心となるように回転子107が設けられ、フレーム101の内周には、固定子108が設けられている。これら回転子107と固定子108とは、所定の間隙を有して径方向に対向するように配置されている。
【0028】
エンコーダ200は、回転軸106の反負荷側の端部に弾性伝達部材300を介して設けられたハブ201と、このハブ201に設けられた回転ディスク202と、反負荷側ブラケット103に設けられた基板203とを備えている。回転ディスク202は中央部に貫通孔2021を有しており、当該貫通孔2021を介して回転軸106内に配線等を引き回すことが可能となっている。
【0029】
回転ディスク202は、例えば光を透過又は吸収する材質で形成される。この回転ディスク202の基板203側の表面には、例えば反射率の高い材質を蒸着するなどの方法により位置検出用パターン(図示省略)が形成されている。また基板203の回転ディスク202側の表面には、回転ディスク202の回転や位置を検出する検出部が設けられる。より具体的に、光学式エンコーダである本実施形態の場合には、基板203の表面には、検出部の一例として、光源(図示省略)及び受光素子(図示省略)が設けられている。エンコーダ200は、光源から出射され位置検出用パターンの作用を受けた光を受光素子で受光することにより、モータ100の回転軸106の回転角度等を光学的に検出する。なお、本実施形態では、光学式エンコーダの場合について説明しているが、磁気式のエンコーダやレゾルバである場合には、回転ディスク202に対応する構成が形成される一方、基板203には、これらの検出部が設けられることになる。
【0030】
ハブ201は、反負荷側軸受105の内輪に嵌合されており、この反負荷側軸受105により回転自在に支持されている。その結果、反負荷側軸受105は回転ディスク202を回転自在に反負荷側ブラケット103に支持させており、反負荷側ブラケット103は、上記検出部が設けられた基板203を回転ディスク202に対して固定しつつ支持する構成となっている。なお、反負荷側ブラケット103が、特許請求の範囲に記載の固定部の一例に相当し、反負荷側軸受105が、特許請求の範囲に記載の軸受の一例に相当する。以上により、回転軸106は、負荷側においては負荷側軸受104により直接的に支持され、反負荷側においては弾性伝達部材300及びハブ201を介して反負荷側軸受105により支持される構成となっている。
【0031】
弾性伝達部材300は、回転軸106とハブ201との間に介在して設けられており、内周側が回転軸106に連結されると共に、外周側がハブ201を介して回転ディスク202に連結されている。この弾性伝達部材300は、弾性変形することにより回転ディスク202の回転軸106に対する径方向の相対位置の変動を許容しつつ、回転軸106の回転力を回転ディスク202に伝達する。この弾性伝達部材300の詳細については、後述する。
【0032】
なお、以上においては、光源と受光素子の両方を回転ディスク202の一方側に配置し、光源から出射された光を回転ディスク202に反射させて受光素子に受光させる、いわゆる「反射型エンコーダ」の場合を一例として説明したが、光源と受光素子を回転ディスク202を挟んでその一方側と他方側に配置し、光源から出射された光を回転ディスク202を通過させて受光素子に受光させる、いわゆる「透過側エンコーダ」としてもよい。この場合、基板203に受光素子を設け、回転ディスク202の基板203とは反対側に光源を配置すればよい。
【0033】
また、以上では基板203を回転ディスク202の負荷側に配置した場合を一例として説明したが、基板203を回転ディスク202の反負荷側に配置した構成としてもよい。
【0034】
また、以上では回転軸106を中空軸としたが、中実軸としてもよい。但し、本実施形態は、中空軸を用いたサーボモータSMである場合に特に有効である。なぜなら、中空軸は中実軸よりも剛性が小さいため、反負荷側において回転軸106の偏心による軸振れや振動等を生じ易いからである。
【0035】
また、以上では負荷側軸受104及び反負荷側軸受105として転がり軸受を用いるようにしたが、反負荷側軸受105については負荷側軸受104と比べて負荷が小さいため、転がり軸受でなくともよく、例えばハブ201の外周面と摺動しつつ支持するすべり軸受を用いてもよい。
【0036】
また、以上では特に記載しなかったが、サーボモータSMがブレーキを有する構造としてもよい。この場合、例えばフレーム101の内側における回転子107及び固定子108と反負荷側ブラケット103との間に設けることが可能である。
【0037】
<弾性伝達部材>
次に、図2及び図3を参照しつつ、弾性伝達部材300の構成の概略について説明する。
図3に示すように、弾性伝達部材300は、回転軸106の外周に嵌合により固定される内輪部材301と、回転ディスク202側であるハブ201の内周に嵌合により固定される外輪部材302と、内輪部材301と外輪部材302との間に設けられた板バネ部材310とを有している。
【0038】
(板バネ部材の一形状)
図2に示すように、板バネ部材310は円環状の板バネ部材であり、例えば金属材料又は樹脂材料等で構成されている。この板バネ部材310は、内輪部材301より径方向外側に向かって延設された内環部311と、外輪部材302より径方向内側に向かって延設された外環部312と、内環部311と外環部312との間で、回転軸106の軸方向に対し傾斜して延設された筒部313とを有している。図1及び図2に示すように、回転軸106の径方向をR方向、軸方向をZ方向、回転方向をθ方向とする円柱座標系において、板バネ部材310のR−Z断面による断面形状は、図3に示すように略S字状であり、内環部311と筒部313との間、及び、外環部312と筒部313との間が、鋭角に湾曲されて形成された2つの頂点を有している。
【0039】
なお、上記では内環部311を筒部313の負荷側、外環部312を筒部313の反負荷側に配置しているが、反対に内環部311を筒部313の反負荷側、外環部312を筒部313の負荷側に配置した板バネ形状としてもよい。この場合、筒部313の軸方向に対する傾斜は、図3とは反対に負荷側に向けて回転軸106に近づくような傾斜とすればよい。
【0040】
(板バネ部材の他の形状)
次に、図4及び図5を参照しつつ、板バネ部材の他の形状の例について説明する。
板バネ部材320が円環状の板バネ部材であり、例えば金属材料又は樹脂材料等で構成されている点は、前述の板バネ部材310と同様である。この板バネ部材320は、内輪部材301に設けられた内環部321と、外輪部材302に設けられた外環部322とを有している。この板バネ部材320のR−Z断面による断面形状は、図5に示すように略U字状(図5上では逆U字状ともいう。)であり、内環部321と外環部322との間が湾曲されて形成された1つの頂点を有している。
【0041】
なお、上記では板バネ部材320の断面形状を負荷側方向に開放した形状(逆U字状)としたが、反対に反負荷側方向に開放した形状(U字状)としてもよい。
【0042】
上記形状の板バネ部材320を有する弾性伝達部材300を備えたサーボモータSMの構成については、図1における板バネ部材310を板バネ部材320に置き換えたのみであるので、図示を省略する。
【0043】
(板バネ部材のさらに他の形状)
次に、図6及び図7を参照しつつ、板バネ部材のさらに他の形状の例について説明する。
板バネ部材330が円環状の板バネ部材であり、例えば金属材料又は樹脂材料等で構成されている点は、前述の板バネ部材310,320と同様である。この板バネ部材330は、内輪部材301より径方向外側に向かって延設された内環部331と、外輪部材302より径方向内側に向かって延設された外環部332と、内環部331と外環部332との間で、回転軸106の軸方向に対し略平行に延設された筒部333とを有している。この板バネ部材310のR−Z断面による断面形状は、図7に示すように、内環部331と筒部333との間、及び、外環部332と筒部333との間が、略直角に湾曲されて形成された2つの頂点を有している。
【0044】
なお、上記では内環部331を筒部333の負荷側、外環部332を筒部333の反負荷側に配置しているが、反対に内環部331を筒部333の反負荷側、外環部332を筒部333の負荷側に配置した板バネ形状としてもよい。
【0045】
以上のような形状である板バネ部材310,320,330は、いずれもR−Z断面による断面形状が少なくとも1つの頂点を有するような形状であることによって、回転方向の剛性(ねじり剛性)を高く保ちつつ、径方向の剛性(曲げ剛性及びねじり剛性)については低い性質を有している。したがって、弾性伝達部材300は、板バネ部材310,320,330のいずれかを備えることによって、回転方向の剛性が径方向の剛性よりも高くなるように構成され、弾性変形することにより回転ディスク202の回転軸106に対する径方向の相対位置の変動を許容しつつ、回転軸106の回転力をハブ201(回転ディスク202)に伝達することが可能となっている。
【0046】
(板バネ部材の剛性のシミュレーション結果)
本願発明者等は、上述した3つの形状の板バネ部材について、剛性及び応力についてのシミュレーションを行った。このシミュレーション結果について、図8を用いて説明する。
【0047】
図8において、剛性Pは、外輪部材302を固定し、内輪部材301にラジアル荷重を付加することにより計算した。捩れ剛性Qは、外輪部材302を固定し、内輪部材301にθr方向(回転軸106に垂直な軸を中心とした回転方向)にモーメント荷重を付加することにより計算した。捩れ剛性Rは、外輪部材302を固定し、内輪部材301にθz方向(回転軸106を中心とした回転方向)にモーメント荷重を付加することにより計算した。また、応力Sは、ラジアル方向負荷時の単位変形当たりの最大ミーゼス応力を表し、応力Tは、θr方向捩れ負荷時の単位変形当たりの最大ミーゼス応力を表し、応力Uは、θr方向捩れ単位変形当たりの最大ミーゼス応力を表す。なお、各項目の値は、板バネ部材320の値を1.0とした場合の比較値となっている。
【0048】
剛性P及び捩れ剛性Qは、板バネ部材310,320,330の径方向への変形のし難さを表しており、この値が小さいほど、回転軸106と回転ディスク202との径方向の相対位置の変動の許容量が増し、優位となる。一方、捩れ剛性Rは、板バネ部材310,320,330の回転方向への変形のし難さを表しており、この値が大きいほど、ハブ201(回転ディスク202)に対する回転軸106の回転力の伝達誤差が小さくなり、優位となる。したがって、R/(P・Q)を計算してこれを剛性評価結果とした。図8に示すように、R/(P・Q)の値は板バネ部材310,320,330の順に大きく、この順番で優位であることが判る。
【0049】
また、応力S,T,Uは、板バネ部材310,320,330が各方向に弾性変形する際に板バネ部材内に発生する応力を表しており、この値が小さいほど、疲労安全率が増し、優位となる。したがって、1/(S・T・U)を計算してこれを単位変化当たりの応力評価結果とした。図8に示すように、1/(S・T・U)の値は板バネ部材310,320,330の順に大きく、この順番で優位であることが判る。
【0050】
また、上記剛性評価結果と応力評価結果の積であるR/(U・P・S・Q・T)を計算し、これを総合評価結果とした。図8に示すように、R/(U・P・S・Q・T)の値は板バネ部材310,320,330の順に大きく、この順番で優位であることが判る。
【0051】
<効果の例>
以上説明した本実施形態のサーボモータSMにおいては、回転軸106とハブ201との間に弾性伝達部材300が介在して設けられている。弾性伝達部材300は、仮に回転ディスク202の中心と回転軸106の回転中心とに偏心があった場合でも、弾性変形することにより、回転軸106と回転ディスク202との径方向の相対位置の変動を許容しつつ、回転軸106の回転力を回転ディスク202に伝達する。これにより、回転軸106の偏心による軸振れや振動等が生じた場合でも、弾性伝達部材300が弾性変形することによってハブ201及び回転ディスク202に偏心や面振れ、振動等を生じるのを抑制することができる。その結果、回転ディスク202と基板203との間の相対位置の変動を抑制できる。その一方で、回転方向には、加減速時に加速度に応じた比較的小さな力が加わるのみで影響の大きな弾性変形は起こらずに回転軸106の回転力は回転ディスク202に伝達される。その結果、回転ディスク202は回転軸106と共に一体的に回転することができる。したがって、回転軸106の偏心による軸振れや振動等が生じた場合でも、エンコーダ200の位置検出精度の低下を抑制することができる。またその結果、エンコーダ200における位置検出精度の確保のために要求される回転軸106等のサーボモータSMの各部品の幾何公差の許容値を低減することが可能となり、さらに、モータ100へのエンコーダ200の組込工程の難易度を低減できることによる工程削減も可能となる。
【0052】
また、本実施形態では特に、弾性伝達部材300が、回転方向の剛性が径方向の剛性よりも高くなるように構成されている。これにより、加減速による回転方向への弾性変形を抑えながらも、偏心による回転軸106と回転ディスク202との径方向の相対位置の変動をより多く許容しつつ、回転ディスク202に対する回転軸106の回転力の伝達誤差をより小さくすることができる。
【0053】
また、本実施形態では特に、弾性伝達部材300が、内輪部材301及び外輪部材302と、これらの間に設けられ、R−Z断面による断面形状が少なくとも1つの頂点を有する円環状の板バネ部材(例えば、板バネ部材310,320,330)を備えている。このような形状の板バネ部材は、回転方向のねじり剛性は高く、径方向のねじり剛性は低い性質を有するため、回転軸106と回転ディスク202との径方向の相対位置の変動をより多く許容しつつ、回転ディスク202に対する回転軸106の回転力の伝達誤差をより小さくすることができる。
【0054】
また、本実施形態では特に、弾性伝達部材300が、板バネ部材310を備えることにより、以下の効果を奏する。すなわち、弾性伝達部材300の円環状の板バネ部材が、弾性変形することにより回転軸106と回転ディスク202との径方向の相対位置の変動を許容する際や、加減速による回転方向への弾性変形をする際には、板バネ部材内に応力が発生する。この応力が大きいと、繰り返し応力の作用による板バネの疲労が増大し、信頼性が低下する。本実施形態では、図8に示すように応力評価結果が最も高い板バネ部材310を備えることにより、板バネ部材310内に発生する応力Sを他の形状よりも小さくすることが可能であり、板バネ部材310の疲労安全率の最大化を図り、信頼性を向上することができる。また、図8に示すように板バネ部材310は剛性評価結果が最も高いため、回転軸106と回転ディスク202との径方向の相対位置の変動を許容しつつ、回転ディスク202に対する回転軸106の回転力の伝達誤差の最小化を図ることができる。
【0055】
また、本実施形態では特に、板バネ部材310,320,330は、金属材料又は樹脂材料で構成されている。板バネ部材310,320,330を金属材料で構成することにより、強度を向上できると共に、高熱環境でも使用することができる。一方、板バネ部材310,320,330を樹脂材料で構成することにより、サーボモータSMの軽量化を図ることができる。
【0056】
<変更例等>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0057】
(1)反負荷側軸受に予圧を与える構造とする場合
上記実施形態では特に設けなかったが、反負荷側軸受に予圧を与える予圧付与部材を設けてもよい。
【0058】
図9に示すように、本変形例のサーボモータSMにおいては、反負荷側ブラケット103が、反負荷側軸受105の内輪及び外輪を内側より支持する軸受支持部1031を有している。また、反負荷側ブラケット103には、反負荷側軸受105の外輪に対し外側より予圧を付与する予圧付与部材109が設けられている。図示は省略するが、この予圧付与部材109は、例えば反負荷側ブラケット103に対してねじ込みにより固定される構造となっており、このねじ込み量を調整することにより予圧の調整を行うようになっている。また、本変形例のハブ201は、反負荷側軸受105の内輪に対し外側より予圧を付与する予圧付与部2011を有している。図示は省略するが、このハブ201も、例えば反負荷側ブラケット103に対してねじ込みにより固定される構造となっており、このねじ込み量を調整することにより予圧付与部2011による予圧の調整を行うようになっている。
【0059】
また本変形例においては、内輪部材301の軸方向両側に固定部材401が設けられている。これにより、弾性伝達部材300の軸方向のずれを防止できるようになっている。なお、この固定部材401を設ける代わりに、内輪部材301を回転軸106の外周に接着により固定してもよい。
【0060】
以上説明した変形例によれば、軸受支持部1031、予圧付与部材109、及び予圧付与部2011によって反負荷側軸受105に予圧を与えることにより、反負荷側軸受105の剛性によるハブ201及び回転ディスク202の保持機能を高めることができる。したがって、エンコーダ200の位置検出精度の低下をさらに抑制することができる。
【0061】
(2)板バネ部材を回転方向に波打つ形状とする場合
図10に示すように、本変形例の板バネ部材320Aは、前述の板バネ部材320のR−Z断面の断面形状における頂点の位置が、回転方向(θ方向)に沿った所定の間隔ごとに、軸方向(Z方向)に周期的に変動するように構成されている。その結果、板バネ部材320Aは回転方向に波打った形状の円環状部材となっている。これにより、回転方向(θ方向)の剛性を高めて、回転ディスク202に対する回転軸106の回転力の伝達誤差をより小さくすることができる。また、これにより、径方向(R方向)のねじり剛性をさらに低くすることが可能となるので、回転軸106と回転ディスク202との径方向の相対位置の変動をより多く許容することができる。
【0062】
なお、上記では板バネ部材320について波打たせた形状とした場合を一例として示したが、これに限らず、前述の板バネ部材310,330についてR−Z断面形状における少なくとも1つの頂点の位置が回転方向に沿った所定の間隔ごとに軸方向に周期的に変動するように構成し、波打たせた形状としてもよい。
【0063】
(3)弾性伝達部材が複数の板バネ部材を有する場合
上記実施形態では、弾性伝達部材300が単一の板バネ部材を有する場合を説明したが、これに限らず、複数の板バネ部材を有する構成としてもよい。
【0064】
図11に示すように、本変形例の弾性伝達部材300は、内輪部材301と外輪部材302との間に、軸方向に並列して設けられた2つの板バネ部材320を有している。このような構成とすることにより、内輪部材301と外輪部材302との間に単一の板バネ部材320を設ける場合(図5参照)に比べ、回転方向(θ方向)の剛性及び径方向(R方向)の剛性については同程度に保ちつつ、個々の板バネ部材320に作用する応力を小さくすることができる。その結果、板バネ部材320の疲労安全率を向上することができ、信頼性を向上できる。
【0065】
なお、上記では板バネ部材320を複数設けた場合を一例として示したが、これに限らず、前述の板バネ部材310,330を複数設けた構成としてもよい。また、板バネ部材の数は2つに限らず3つ以上としてもよい。さらに、上記では2つの板バネ部材320を同じ向き(負荷側に向かって開放した向き)に設けるようにしたが、これに限らず、互いに異なる向き(例えば2つの板バネ部材320がお互いの方向に開放する向き)となるように設けてもよい。また、上記のように同じ形状の板バネ部材同士でなく、異なる形状の板バネ部材を組み合わせて複数設けるようにしてもよい。
【0066】
(4)板バネ部材の表面に振動吸収材を設ける場合
図12に示すように、本変形例の弾性伝達部材300は、板バネ部材320の表面の少なくとも一部(この例では板バネ部材320の開放側端面を除く表面)に設けられた振動吸収材303を有している。この振動吸収材303は、例えばゴム材料で構成されている。これにより、板バネ部材320周辺の振動を吸収し、サーボモータSMの振動をさらに抑制することができる。
【0067】
なお、上記では板バネ部材320の表面に振動吸収材303を設けた場合を一例として示したが、これに限らず、前述の板バネ部材310,330の表面に振動吸収材303を設けてもよい。また、上記では板バネ部材320の表面と裏面の両面に振動吸収材303を設けたが、一方側の面のみに設けてもよい。
【0068】
(5)板バネ部材をR−Z断面に3つの頂点を有する形状とする場合
上記実施形態では、板バネ部材のR−Z断面による断面形状が1つ又は2つの頂点を有する場合について説明したが、これに限らず、3つ以上の頂点を有する形状としてもよい。
【0069】
図13に示すように、本変形例の板バネ部材340は、内輪部材301に設けられた第1内環部341と、この第1内環部341に接続された第2内環部342と、外輪部材302に設けられた第1外環部343と、この第1外環部343に接続された第2外環部344とを有している。この板バネ部材340のR−Z断面による断面形状は、図13に示すように略M字状であり、第1内環部341と第2内環部342との間、第1外環部343と第2外環部344との間、第2内環部342と第2外環部344との間が湾曲されて形成された3つの頂点を有している。
【0070】
このような形状である板バネ部材340によれば、R−Z断面による断面形状が3つの頂点を有しているので、回転方向のねじり剛性を高く保ちつつ、径方向の剛性を前述の板バネ部材310,320,330よりもさらに低くすることが可能である。これにより、回転ディスク202に対する回転軸106の回転力の伝達誤差を小さくしつつ、回転軸106と回転ディスク202との径方向の相対位置の変動の許容量をさらに増大することができる。
【0071】
なお、上記では板バネ部材330の断面形状を負荷側方向に開放した略M字状としたが、反対に反負荷側方向に開放した略W字状としてもよい。また、板バネ部材の屈曲回数をさらに増やし、R−Z断面形状が有する頂点の数をさらに増やしてもよい。
【0072】
(6)弾性伝達部材がラバー部材を有する場合
上記実施形態では、弾性伝達部材300が金属材料又は樹脂材料で構成された板バネ部材を有する場合を説明したが、板バネ部材の代わりに、ゴム材料で構成されたラバー部材を有する構成としてもよい。本変形例の構成について図14及び図15を用いて説明する。
【0073】
図14及び図15に示すように、弾性伝達部材300は、内輪部材301及び外輪部材302と、これらの間に設けられ、ゴム材料で構成された円環状のラバー部材350,360とを備えている。図14に示す例では、ラバー部材350は、径方向中央部が径方向両側よりも軸方向の厚みが小さくなるように構成されており、言い換えれば、負荷側及び反負荷側の両面において径方向中央部に円弧状の1つの凹部351を有する構成となっている。また図15に示す例では、ラバー部材360は、負荷側及び反負荷側の両面において径方向中央部に矩形状の2つの凹部361を有する構成となっている。
【0074】
なお、上記のラバー部材の形状は一例であり、要求仕様等に応じて別の形状としてもよい。例えば、凹部の数を3つ以上としてもよいし、凹部の形状をさらに他の形状(三角形や台形等)としてもよい。
【0075】
上記構成の弾性伝達部材300によれば、ラバー部材350,360が弾性変形することにより、回転軸106と回転ディスク202との径方向の相対位置の変動を許容しつつ、回転軸106の回転力を回転ディスク202に伝達することができる。また、ラバー部材350,360が径方向中央部に少なくとも1つの凹部351,361を有するので、ラバー部材350,360の径方向の剛性をより小さくすることができる。その結果、回転方向の剛性が径方向の剛性よりも高くなる構成を確実に実現できる。
【0076】
(7)その他
以上では、弾性伝達部材300が板バネ部材又はラバー部材を有する構成について説明したが、この他にも、例えば流体を封入した弾性容器体(液体が封入されたゴムチューブ等)を内輪部材301と外輪部材302との間に設けた構成等も考えられる。このような構成としても、弾性伝達部材は弾性変形することにより回転軸106と回転ディスク202との径方向の相対位置の変動を許容しつつ、回転軸106の回転力を回転ディスク202に伝達することが可能である。
【0077】
また、弾性伝達部材300の板バネ部材を金属材料で構成する場合には、形状記憶合金を用いてもよい。これにより、例えば所定の温度までは板バネ部材が弾性変形して回転軸106と回転ディスク202との相対位置の変動を許容するが、所定の温度を超えたら板バネ部材が元の形状に戻ることで弾性変形しなくなり、回転軸106と回転ディスク202との相対位置の変動を許容しなくなる、といった構成が可能となる。
【0078】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0079】
100 モータ
101 フレーム
102 負荷側ブラケット
103 反負荷側ブラケット(固定部)
104 負荷側軸受
105 反負荷側軸受(軸受)
106 回転軸
107 回転子
108 固定子
109 予圧付与部材
200 エンコーダ
201 ハブ
202 回転ディスク
203 基板
300 弾性伝達部材
301 内輪部材
302 外輪部材
303 振動吸収材
310 板バネ部材
311 内環部
312 外環部
313 筒部
320 板バネ部材
321 内環部
322 外環部
323 筒部
330 板バネ部材
330A 板バネ部材
331 内環部
332 外環部
350 ラバー部材
351 凹部
360 ラバー部材
361 凹部
SM サーボモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの回転軸と共に回転可能に設けられた回転ディスクと、
前記回転ディスクの位置を検出する検出部を前記回転ディスクに対して固定しつつ支持する固定部と、
前記回転ディスクを回転自在に前記固定部に支持させる軸受と、
前記回転軸と前記回転ディスクとに連結され、前記回転ディスクの前記回転軸に対する径方向の相対位置の変動を弾性変形することにより許容しつつ、前記回転軸の回転力を前記回転ディスクに伝達可能な弾性伝達部材と、を有する
ことを特徴とするサーボモータ。
【請求項2】
前記弾性伝達部材は、
回転方向の剛性が径方向の剛性よりも高くなるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のサーボモータ。
【請求項3】
前記弾性伝達部材は、
前記回転軸側に固定される内輪部材と、
前記回転ディスク側に固定される外輪部材と、
前記内輪部材と前記外輪部材との間に設けられ、前記回転軸の径方向をR方向、軸方向をZ方向、回転方向をθ方向とする円柱座標系において、R−Z断面による断面形状が少なくとも1つの頂点を有する円環状の板バネ部材と、を備えている
ことを特徴とする請求項2に記載のサーボモータ。
【請求項4】
前記板バネ部材は、
前記内輪部材より径方向外側に向かって延設された内環部と、
前記外輪部材より径方向内側に向かって延設された外環部と、
前記内環部と前記外環部との間で、軸方向に対し傾斜して延設された筒部と、を有し、
前記R−Z断面による断面形状は、略S字状であり、前記内環部と前記筒部との間、及び、前記外環部と前記筒部との間が、鋭角に湾曲されて形成された2つの頂点を有している
ことを特徴とする請求項3に記載のサーボモータ。
【請求項5】
前記板バネ部材は、
前記R−Z断面の断面形状における少なくとも1つの前記頂点の位置が、前記θ方向に沿った所定の間隔ごとに、前記Z方向に周期的に変動するように構成されている
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のサーボモータ。
【請求項6】
前記弾性伝達部材は、
前記内輪部材と前記外輪部材との間に並列して設けられた複数の前記板バネ部材を有している
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のサーボモータ。
【請求項7】
前記弾性伝達部材は、
前記板バネ部材の表面の少なくとも一部に設けられた振動吸収材を有している
ことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のサーボモータ。
【請求項8】
前記弾性伝達部材は、
前記回転軸側に固定される内輪部材と、
前記回転ディスク側に固定される外輪部材と、
前記内輪部材と前記外輪部材との間に設けられ、ゴム材料で構成された円環状のラバー部材と、を備えている
ことを特徴とする請求項2に記載のサーボモータ。
【請求項9】
前記ラバー部材は、
径方向中央部に少なくとも1つの凹部を有している
ことを特徴とする請求項8に記載のサーボモータ。
【請求項10】
サーボモータに備えられたエンコーダであって、
前記サーボモータの回転軸と共に回転可能に設けられた回転ディスクと、
前記サーボモータの固定部により前記回転ディスクに対して固定しつつ支持された、前記回転ディスクの位置を検出する検出部と、
前記回転軸と前記回転ディスクとに連結され、前記回転ディスクの前記回転軸に対する径方向の相対位置の変動を弾性変形することにより許容しつつ、前記回転軸の回転力を前記回転ディスクに伝達可能な弾性伝達部材と、を有する
ことを特徴とするエンコーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−38923(P2013−38923A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173207(P2011−173207)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】