説明

デジタルゲージ付きの光学コンパレータ

観察スクリーンに背後から投射するように構成された光学コンパレータは、検査されるテスト部品の光学画像を観察スクリーンに投射する光学プロジェクタと、画素化テンプレートパターンの光学画像を同観察スクリーンに投射するビデオプロジェクタとを結合する。このテンプレートパターンは、テスト部品の描画された設計仕様を含む。テスト部品の形状を設計された形状と視覚的に比較するために、テスト部品の画像と画素化テンプレートパターンの画像が、観察スクリーンに同時に投射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学計測の分野に関し、特にテスト部品をテスト部品のテンプレート(template)や他の表示と比較する光学画像化システムによる、テスト部品の計測に関する。
【背景技術】
【0002】
光学コンパレータ、特にテスト部品の影の画像(すなわちネガティブ画像)または斜めに照らされた画像を、テスト部品のテンプレートに重なり合うようにしてスクリーンに投射するタイプの光学コンパレータは、視覚的に照合できる形で測定結果を提供することにより、確固とした信頼できる測定の形態として広く利用されている。投射されるテスト部品のエッジのフィーチャと、テンプレートに示された同フィーチャの1つまたはそれ以上の公差境界との差は、コンパレータのスクリーンに明瞭に現れる。コンパレータのスクリーンに現れるテスト部品の較正された画像に対してテスト部品の動きをモニタリングすることにより、数値データを導くこともできる。この数値は、テスト部品のエッジをテンプレートの境界に対して視覚的に検査することにより得られた評価、またはスクリーンに表れた少なくともほぼ知られたサイズの他のエッジフィーチャを視覚的に検査することにより得られた評価と比べて、妥当かどうかを確かめることができる。
【0003】
視覚的な比較の精度は、テンプレートが作られる精度に大きく依存する。光学コンパレータの光学系は、光学プロジェクションシステムの観察口(viewing aperture)内に取り付けられたテスト部品の歪みの無い画像を実現するために、注意深く較正され、光学的に補正される。しかしながら、異なるテスト部品のために異なるテンプレートを必要とし、また、対応するテスト部品群間の関連するエッジフィーチャの範囲を測定するために、チャートゲージの形態をなすより複雑なテンプレートを作成しなければならないこともある。同一のテスト部品の多数の視野(view)やエッジフィーチャを測定するために、複数のテンプレートが求められこともある。テンプレートは要求される精度で製作するためのコストが高く、使用可能な状態でテンプレートを保管するための場所と取り扱いを必要とする。新しいテンプレートを注文したりテンプレートを取り替えるための時間も必要とする。また、テスト部品の形状や公差の些細な訂正でも、新しいテンプレートを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
視覚による同様の比較をコンピュータのモニターで行うために、光学投射コンパレータを、デジタルカメラをベースとするコンパレータに置き換える努力がなされてきた。最も有益なのは、テスト部品の意図した輪郭を定義するコンピュータ支援設計(CAD)仕様(specifications)から、境界情報を引き出すことにより、物理的なテンプレートを、コンピュータモニタ上で生じるテスト部品のデジタル表示で置き換えることである。デジタルカメラにより得られたテスト部品のデジタル画像は、デジタル的に生成されたテンプレートと比較するために、同じコンピュータのモニタ上で生成される。しかしながら、コンピュータのモニタで表示した画素化された(pixilated)画像は、コンピュータスクリーン上に現れた所定の大きさの画像を比較する際の精度を制限する。テンプレートとテスト部品の両者を同じ尺度に合わせる必要があるため、テンプレートとテスト部品の解像度が異なるデジタル倍率で互いに合わせられる。したがって、通常レベルでの微細な比較は困難である。この微細な比較は、同じ大きさの視野範囲においてより小さなセグメントの視覚検査を必要とする。テスト部品の画像のデジタル変換は、さらなる系統的なエラーやランダムなエラーの原因となり、このようなエラーは、測定の信頼性を減じるとともに、テスト部品の実際の画像を参照データと比較することによって得られた確実性をも減じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
好ましい実施例の中での本発明は、光学コンパレータの観察スクリーンにテスト部品の画像を光学的に投射すると同時に、同じスクリーンに光学的に投射するためにデジタル的にテンプレートを発生させる。テスト部品が観察スクリーンに投射される際の精度は、主として照明と投射の光学系により得られ、テスト部品の画像のデジタル画素化を介在することにより制限されることはない。テンプレートは、同じ観察スクリーンに光学的に投射されるが、スクリーン上での投射された画素サイズを考慮してデジタル的に生成される。このようにして本発明は、物理的テンプレートの必要性を無くしながら、光学コンパレータに関連する信頼性と確実性を保つことができる。テスト部品とデジタル的に生成されたテンプレートの光学投射の結合は、重なった色を基にした比較を可能にする。この比較は、テスト部品が公差内にあるか否かに関する、より簡易に認識可能な指標を提供する。
【0006】
本発明にかかわる光学コンパレータの一態様は、観察スクリーンと、上記観察スクリーンに検査対象となるテスト部品の光学画像を投射する光学プロジェクタと、テスト部品の描画された設計仕様(illustrated specifications)を含む画素化された(pixilated)テストパターンの光学画像を投射するビデオプロジェクタを備えている。このビデオプロジェクタは、好ましくは上記画素化テストパターンを発生させるデジタルディスプレイエンジンを含む。第1照明器がテスト部品を照らし、第2照明器が上記デジタルディスプレイエンジンを照らす。上記光学プロジェクタと上記ビデオプロジェクタは、テスト部品の画像と画素化テンプレートパターンの画像が上記観察スクリーンに一致した尺度で同時に投射されるように、連携している。
【0007】
(a)テスト部品の設計仕様を含む1つまたはそれ以上のデジタルCADファイルと(b)上記ビデオプロジェクタの上記デジタルディスプレイエンジンとの間のプログラム駆動インターフェイスは、上記デジタルCADファイルにおける上記設計仕様を、上記観察スクリーンにおいて投射されたテスト部品の光学画像と比較すべき、描画された形態での画素化テンプレートパターンに変換する。例えば、数値的に定義された公差を有する公称境界(nominal boundary)として上記デジタルCADファイルに表されたテスト部品の境界に関する情報は、画素化テンプレートパターンにおいて、テスト部品の他のCAD参照フィーチャに関して適正に位置された公差帯域に変換することができる。
【0008】
光学上の比較を強化するために、テスト部品の光学画像と画素化テンプレートの光学画像は異なる色で投射される。例えば、テスト部品のネガティブ画像が緑色等の第1の色で投射され、画素化された公差帯域の画像が赤等の第2の色で投射される。投射は好ましくは色加算であり、テスト部品の投射されたネガティブ画像において、投射された公差帯域内にある部分が、黄色等の第3の色を呈する。貫通穴等のフィーチャは、環状の赤色の帯が環状の黄色の帯を囲んでいる時に、公差内にあると見ることができる。遮断されていない外側の赤色の帯は、公差域の外側の限界が破られていないことを示す。この外側限界の破れは、赤色の帯における交差域外への緑色の破壊によって示される。遮断されていない中間の黄色の帯は、公差域の内側の限界が破られていないことを示す。この内側の限界の破れは、黄色の帯における交差域外への黒色の破断によって示される。このような簡単に見分けられる色テストに基づいて、フィーチャが公差内にあるか否かを決定するために、個々のテスト部品の複数のフィーチャを同時にまたはほぼ同時に検査することができる。
【0009】
上記デジタルCADファイルと上記ビデオプロジェクタの上記デジタルディスプレイエンジンとの間のインターフェイスは、テスト部品の投射画像と画素単位未満での比較(sub-pixel comparison)を行うために、所定倍率での上記画像化テンプレートパターンの解像度限界を補償するテンプレート構造を生成する。例えば、上記画素化テンプレートにおいて、境界線の位置を、左右に互い違いに配列された画素組(laterally staggered sets of pixels)によって、より正確に表示することができる。意図された境界を表す公称の線は、互い違いの画素組から、観察スクリーンで互い違いの画素組を正確に二分するとみなされる線として、暗示されている。左右に互い違いに配された画素組は、意図された交差帯域を跨ぐ量だけ横方向に離れている。テスト部品の投射画像はエッジは、画素数によって制限されない解像度で表されており、上記画像化テンプレートパターンにおける左右に互い違いに配列された画素組を、破断画素のディメンジョンの異なるサイズの領域に分割することができる。これら分割された領域が、境界や公差帯域を表す画素の解像度よりも高い解像度で、境界や公差帯域に対するエッジの位置をより正確に決定するために、比較できる。このような、多数画素の境界の能力向上は色制御と組み合わせることができ、1つの色で投射された境界または交差帯域と他の色で投射されたテスト画像との間の重なり領域をより簡単に識別する。
【0010】
好ましくは、画素化テンプレートパターンの画像を観察スクリーンに投射する光学系は、テスト部品の画像を観察スクリーンに投射する光学系から次の作用を得られるように十分に独立している。すなわち、テスト部品の画像の倍率の変化は、観察スクリーンに投射される尺度変更された(rescale)画素化テンプレートパターンを描くために用いられるピクセルの数に、影響を与えない。ビデオプロジェクタのデジタルディスプレイエンジンは、観察スクリーン上に同じ光学倍率で投射されるテンプレートパターンのより小さな部位のデジタル画像を、同数の画素を用いて生成することにより、テンプレートパターンを拡大することができる。テンプレートパターンのより小さな部位が同数の画素により生成されるので、観察スクリーンに投射された拡大テストパターンの解像度が高まる。換言すれば、観察スクリーン上での目に見えるピクセル間のスペースは、拡大された倍率の尺度にしたがって、より小さな距離を表す。
【0011】
光学プロジェクタは、第1光軸に沿ってテスト部品の画像を観察スクリーンへ投射することができる。ビデオプロジェクタは画素化テンプレートの画像を、上記第1光軸に対して傾斜した第2光軸に沿って観察スクリーンへ投射することができる。区分化レンズ(例えばフレネルレンズ)やグレーティング(格子:grating)等の光学系を観察スクリーンに重ねて、上記第1、第2の光軸に沿って観察スクリーンに到達した投射画像の光エネルギーを結合して、観察スクリーンから共通の観察軸に沿って発する光エネルギーにすることができる。観察スクリーンの全域にわたって色とコントラストのより均一な比較のために、光学プロジェクタとビデオプロジェクタにより生成される画像間の光エネルギーのアライメント(整列:alignment)が、提供される。
【0012】
経済的で光学的なアライメントのために、光学プロジェクタとビデオプロジェクタは、ある光学系を共有する。例えば、光学プロジェクタとビデオプロジェクタの光路はビームスプリッタで結合することができ、これにより、テスト部品の光学画像と画素化テンプレートパターンの両者を同一の光軸に沿って観察スクリーンに投射することができる。
【0013】
テスト部品の画像化されたフィーチャの角度方向を測定するために、回動調節可能なレチクルが観察スクリーンにアライメントされる。連携リンクがレチクルとビデオプロジェクタとの間に提供され、これにより、画素化テンプレートパターンの画像が観察スクリーン上で上記レチクルの回動調節とマッチングするように回る。好ましくは、光学プロジェクタとビデオプロジェクタは、レチクルの中心点が画素化テンプレートの中心点に一致するように、較正される。好ましくは、光学プロジェクタは、観察スクリーンに投射されるテスト部品の画像の倍率を変更するための倍率調節器を含む。観察スクリーン上での画素化テンプレートパターンの画像を、観察スクリーン上でのテスト部品の画像の倍率変更にマッチングした倍率に変更するように、他の連携リンクを倍率調節器とビデオプロジェクタとの間に提供することができる。
【0014】
好ましくは、コンピュータにより発生された他の画像も上記観察スクリーンに投射できるように、ビデオプロジェクタがコンピュータに接続されている。この観察スクリーン上の画像は、上記コンピュータとのコミュニケーションプロトコルをサポートする対話式ディスクトップを含んでいる。例えば、テスト部品または光学コンパレータに関するデータを含むファイルは、インターフェイスを介してアクセスされ、その結果は観察スクリーンに表示される。
【0015】
設計仕様に対してテスト部品を比較するための本発明の光学コンパレータの他の態様は、テスト部品を取り付けるサポートと、テスト部品の描画された設計仕様を含む画素化テンプレートパターンを生成するデジタル画像生成器とを備えている。第1照明器がテスト部品を照らし、第2照明器がデジタル画像生成器を照らす。画像化光学系は、上記テスト部品と画素化テンプレートパターンを視覚的に比較するために、重なり合うテスト部品の光学画像とテンプレートパターンの光学画像を、合致した尺度で観察スクリーンに投射する。
【0016】
画像化光学系は、上記テスト部品の画像を生成する第1対物系と、上記画素化テンプレートパターンの画像を生成する第2対物系と、上記第1、第2対物系により生成された画像を結合するためのビーム結合器とを含むことができる。上記画素化テンプレートパターンをテスト部品にスケーリング(尺度合わせ)するために、上記第2対物系は第1対物系より屈折力を高くすることができる。上記第1、第2の照明器は、テスト部品とデジタル画像生成器を異なる色で照明する。ビデオプロジェクタのデジタルディスプレイエンジンは、上記画素化テンプレートパターンを発生させるために、個々に制御可能な要素の配列を含む。上記デジタルディスプレイエンジンは、直接に又はフォーカス光学系を介して観察スクリーンにテンプレートパターンを描くビーム操縦装置を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例にしたがって構成された、テスト部品を検査するための光学コンパレータを示す図であり、この光学コンパレータにおいて、光学プロジェクタとビデオプロジェクタが共通の観察スクリーンへの異なる光路をたどる。
【0018】
【図2A】観察スクリーンの正面図であり、テスト部品の投射された画像を示す。
【図2B】観察スクリーンの正面図であり、画素化テンプレートパターンの投射された画像を示す。
【図2C】観察スクリーンの正面図であり、視覚的に比較するためにテスト部品と画素化テンプレートパターンの投射された画像を結合させたものを、一部を切り取り拡大して示す。
【0019】
【図3A】境界を形成するための互い違いのピクセル組(互い違いのピクセル群:alternating pixel sets)を示す図であり、この境界に対して、テスト部品の境界を画素単位未満の解像度で測定できる。
【図3B】公差帯域を形成するための互い違いのピクセル組を示す図であり、この交差帯域に対して、テスト部品の境界を画素単位未満の解像度で測定できる。
【0020】
【図4】観察スクリーンの側面図であり、最適な観察位置の範囲にわたって観察するためにテスト部品の画像と画素化テンプレートパターンの画像を組み合わせるフレネルレンズの効果を示す。
【0021】
【図5】他の光学コンパレータを示す図であり、この光学コンパレータは、テスト部品の画像と画素化テンプレートパターンの画像を共通の光路に沿って観察スクリーンに投射するために、光学プロジェクタとビデオプロジェクタのある光学系を結合している。
【0022】
【図6】さらに他の光学コンパレータを示す図であり、この光学コンパレータは、テスト部品の画像と画素化テンプレートパターンの画像を共通の光路に沿って観察スクリーンに投射するために、拡大レンズの前で光学プロジェクタとビデオプロジェクタを結合している。
【0023】
【図7】テンプレートパターンの画像を観察スクリーンに投射するためのレーザープロジェクタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1において破線でアウトラインが表示されている光学コンパレータ10は、テスト部品14を支持するための複軸ステージ12(多軸ステージ:multi-axis stage)を備えている。この複軸ステージ12は、3つの直交する移動(すなわち直線的動き)軸X,Y,Zを有するものとして示されているが、より少ない移動軸を有するものであってもよいし、1つまたはそれ以上の回動(すなわち角度的動き)軸を追加してもよい。これら回動軸も好ましくは直交している。種々の手動制御手段(図示しない)を上記複軸ステージ12と連携させて、テスト部品14の位置を調節することができる。複軸ステージ12は、検査対象のテスト部品14を自動的に位置決めし及び/又は移動させるためのモータ、アクチュエータ等を備えていてもよい。さらに、少なくとも直線移動軸XおよびYは、テスト部品14の位置の変化を測定するための目盛付きのリニアエンコーダ(図示しない)を装備するのが好ましい。
【0025】
バックライト照明器15(プロフィール照明器)は、照明ビーム17を出力する。図示のバックライト照明器15は、上記ビーム17を発する光源16と、この照明ビーム17を照明軸19に沿って平行にするコリメータ18とを有する。上記光源16は、発光ダイオード、白熱ランプ、アークランプ等、多くの形態をとることができる。光源16が広帯域光源の場合には、照明ビーム17のスペクトル成分(spectral content)を制限するために、分光フィルタ20(spectral filter)を用いることができる。光源が不完全に又は不均一にしかバックライト照明器15の所望の射出瞳(exit pupil)を満たさない場合には、1つまたはそれ以上の拡散体(diffuser:図示しない)を用いて、照明ビーム17全域にわたって十分な均質性を達成することができる。例えば、コリメータ18の焦点面に第1拡散体を設け、コリメータ18とテスト部品14との間に第2拡散体を設ける。効率を高めるために、反射体を光源16と組み合わせることもできる。照明器15からの照明ビーム17は、好ましくは平行光で均質で単色(好ましくは緑色のスペクトル)であり、光学コンパレータでは一般的である。共軸の面照明のための明視野照明器(brightfield illuminator for co-axial surface illumination)や、傾斜した面照明のための暗視野照明器(darkfield illuminator for oblique surface illumination)を含む、公知の他のタイプの照明器を装備してもよい。
【0026】
背後から照らされたテスト部品14(好ましくは予め決定された設計仕様にしたがって製造されているもの)は、テスト部品14の物理的アウトラインに合致したパターンで、照明ビーム17の一部を阻止する。光学プロジェクタ21は、照明軸19に沿って伝播する照明ビーム17の残りの部分を集め、テスト部品14のネガティブ光学画像24を光学投射ビーム25として、観察スクリーン38、すなわち透過式の背面投射スクリーン(transmitting rear projection screen)に投射する。例えば図2A参照。観察スクリーン38は、好ましくはつや消し36(frosting)を有しており、視野角にわたり、投射されたテスト部品14のネガティブ画像が見られる観察面を提供する。
【0027】
光学プロジェクタ21の前側リレーレンズ22は、テスト部品14の影パターンを受け、テスト部品14の最初の画像を形成するための対物系として機能する。この最初の画像は、最終的にテスト部品14のネガティブ画像として観察スクリーン38に中継される。テスト部品14の中間画像29を形成するために、第2のリレーレンズ27が光学プロジェクタ21の光路23に沿い、2つのビーム全反射ミラー26,28間に配置され、第1のリレーレンズ22と協働する。テスト部品14のサイズに関連する投影ネガティブ画像の全体サイズは、拡大レンズ30(magnification lens)によって制御することができる。この拡大レンズ30は、ターレット32に設けられた屈折力の異なる複数のレンズ31を含み、個々のレンズ31を回動させて上記光路23に一致(alignment)させる。大きな全反射ミラー34は、投射ビーム25の向きを、上記観察スクリーン38と直交する光学投射軸35に沿うように変え、これによりテスト部品14のネガティブ光学画像24を観察スクリーン38上に形成する。
【0028】
観察スクリーン38には、画素化テンプレートパターン44の大きく拡大された光学画像54も投射される(図2B参照)。この光学画像54は、好ましくはテスト部品14のネガティブ画像24が観察スクリーン38が投射される色とは対照的な色を呈している。画素化テンプレートパターン44は、ビデオプロジェクタ40内においてデジタルディスプレイエンジン42によって生じさせることができる。このデジタルディスプレイエンジン42は好ましくは、液晶ディスプレイ(LCD)やデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等の形態をなす空間光変調器(spatial light modulator)である。例えばビデオプロジェクタ40は、マイクロミラーの配列技術を組み込んだテキサスインストルメント社のDLPプロジェクタ(登録商標)にすることができる。ビデオプロジェクタ40は高解像度の画素数が好ましいが、ピクセル解像度と光学的な鮮明さが得られるのであればコストを勘案して選択することができる。
【0029】
ビデオプロジェクタ40の投射レンズ46は、画素化テンプレートパターン44の大きく拡大された光学画像54を観察スクリーン38に投射する。光学画像54を運ぶビデオ投射ビーム47は、観察スクリーン38の法線に対して傾いたビデオ投射軸45に沿って伝播する。ビデオ投射ビーム47の傾斜は、画素化テンプレートパターン44の投射画像54にいわゆるキーストーン歪み(台形の歪み)を与えることが一般的には予想される。しかし、画素化テンプレートパターン44に関連する投射レンズ46は、予想されるキーストーン歪みを補償するように構成することができ、これにより、画素化テンプレートパターン44の画像54を重大な歪みを伴うことなく観察スクリーン38に投射することができる。例えば、画素化テンプレートパターン44を投射レンズ46の対物面に対して傾斜させることにより、予想される歪みを補正することができる。あるいは、アスチグマチックレンズ(astigmatic lens)を投射レンズ46に組み込んで、同様の補正をすることができる。残りのキーストーン誤差は、投射画像54の最初の画像較正の時またはその後の再較正の時に、ビデオプロジェクタ40を制御するソフトウエアにより補正することができる。
【0030】
ビデオプロジェクタ40は図1に示すように画素化テンプレートパターン44のデジタル画像54を観察スクリーン38の背面に直接投射するが、ビデオプロジェクタ40を光学コンパレータ10内の異なる位置に配するために、上記画像54を1つまたはそれ以上のミラー(図示しない)を介して投射することもできる。1つまたはそれ以上のミラーは、デジタル画像54の中心を観察スクリーン38の中心に合わせるために調節可能とすることができる。このようなビデオプロジェクタ40の光路を屈曲させるためのミラーの使用により、観察スクリーン38での画像の回転が生じるが、これは較正の工程で、ビデオプロジェクタ40を制御するソフトウエアにより補正することができる。
【0031】
アライメントマーク49(図2A−図2C参照)を含む回動可能なレチクル板(角度定規、分度器(protractor))48が、観察スクリーンに重なっている。このレチクル板48は、画素化テンプレートパターン44の画像54をテスト部品14のネガティブ画像24に角度的に揃えるための基準を提供したり、テスト部品14のステージモーションを測定するためのものである。エンコーダ50は、回動可能なレチクル板48の角度位置を監視する。レチクル板48の測定された角度位置は、連携リンク51を介して画素化テンプレートパターン44の角度配置に較正することができ、これにより、画素化テンプレートパターン44の画像の角度配置がレチクル板48の角度配置に追随する。
【0032】
画素化テンプレートパターン44を発生させるための情報は、1つまたはそれ以上の、デジタルマシンで読み取り可能なファイル56から生じる。このファイル56は、コンピュータ支援設計(CAD)システム等によって得られるテスト部品14の設計仕様を含む。例えば、デジタルファイル56の情報は、テスト部品14の三次元モデルを含んでいる。この三次元モデルは、テスト部品14の製造を導くための幾何学表示やフィーチャ表示を伴い、ワイヤフレームモデル、サーフェイスモデル、ソリッドモデルを含む種々の方法で表現することができる。一般的に、CADモデルはモデル化されたテスト部品の意図された寸法を固有に定義するが、公差を添えなければならないこともある。一般的に透視図からのテスト部品の2次元輪郭表示から、表示テンプレート(すなわちeCADテンプレート)に変換するために、上記デジタルファイル56(例えばCADファイル)は、コンピュータ58に直接受け入れることができる。この表示テンプレートは、所望の画素化テンプレートパターン44として全体または一部が再生される。上記デジタルファイル56を別のコンピュータで変換し、上記コンピュータ58に変換された形態で移すようにしてもよい。デジタルファイル56または他のどこかから導入した公差情報は、(eCAD)表示テンプレート内でテスト部品14の二次元輪郭表示に組み込まれ、テスト部品14の意図された輪郭境界を置換したり増やす。(eCAD)表示テンプレート内でのテスト部品14の輪郭表示の全部又は一部は、デジタルディスプレイエンジン42により再生することができる。テスト部品14をその意図された形状と比較するために、種々の対称または非対称の形態でのテスト部品14の画像24と画素化テンプレートパターン44の画像54とを比較しながら、(eCAD)表示テンプレート内での公差境界表示を調節することができる。この調節には、公差領域を広げたり縮めることを含む。
【0033】
コンピュータ58は、好ましくは多数の役割を実行するように構成されている。その役割は、(a)テスト部品14の(DXF)CADファイルを導入すること、(b)コンピュータモニタ59にCADファイルを開くこと、(c)測定単位をチェックし、イングリッシュ系とSIメートル系との間での変換手段を提供すること、(d)不要なCADフィーチャを削除する手段を提供すること、(e)必要なCADフィーチャだけを選択する手段を提供すること、(f)(eCAD)表示テンプレートを構築する手段を提供すること、(g)(eCAD)表示テンプレートを校訂し記憶すること、を含む。
【0034】
テスト部品14の二次元CAD図は、CAD図の背景を黒に変え、CAD図の線を特殊な色、線幅、形態に変えることにより、(eCAD)表示テンプレート内における所望の輪郭表示に変換される。例えば、ある線の幅を広げて公差帯域を表すことができる。線を、テスト部品14の輪郭画像と比較するのに最も適切な形態に変換するため、他の所定のスタイルを定義することもできる。
【0035】
図2Aにおいて、テスト部品14のネガティブ画像24は、照明パターンに対応した領域が影ゾーン(好ましくは黒い背景に対して緑色)で示されている。この照明パターンは、テスト部品14の観察スクリーンへの光学投射によって生じる。テスト部品14は外側の輪郭境界62(この輪郭境界62を越えて光が通過する)と、6つの貫通穴フィーチャ64(ここを光が通過する)とを有している。図2Bにおいて、画素化テンプレートパターン44は、照らされたフィーチャを表す破線と影ゾーン(好ましくは黒の背景に対して赤色の光を呈する)で示されている。この画素化テンプレートパターンは、テスト部品14の意図された外側輪郭境界に対応する境界線66と、テスト部品14の貫通穴フィーチャの最小寸法と最大寸法を設定する公差帯域68を含む。
【0036】
図2Cの一部拡大断面図において、画素化テンプレートパターン44の投射画像54がテスト部品14の投射画像24と重なっている。テスト部品14の画像化された境界62は、画素化テンプレートパターン44の画像化された境界66を少し越えて広がっている。これはアライメントエラーか公差条件からの外れのいずれかであることを示している。画像化されたテスト部品14の貫通穴フィーチャ64と、画素化テンプレートパターン44の画像化された公差帯域68との重なり領域70は、色減算を示すグレーの、より暗い影で示される。しかし、テスト部品14と画素化テンプレートパターン44の投射画像24,54の緑色と赤色は、好ましくは色加算によって組み合わされて、より明るい黄色になる。
【0037】
1つを除く全ての貫通穴フィーチャ64は公差範囲内である。公差範囲内であることは2つの方法で示される。第1に、重なり領域70は貫通穴フィーチャ64を全周にわたって囲んでいる。これにより、貫通穴フィーチャ64の最小径が公差帯域68内にあることが確かめられる。第2に、公差帯域68が全周にわたって重なり領域70を囲んでおり、貫通穴フィーチャ64には公差帯域68を超えて突出する部分が無い。これにより、貫通穴フィーチャの最大径が公差帯域68内に収まっていることが確かめられる。
【0038】
しかし、符号64’で示される貫通穴フィーチャは、上記2つの観点から公差範囲外である。第1に、重なり領域70’は貫通穴フィーチャ64’を完全に囲んでいない。第2に、貫通穴フィーチャ64’の一部は重なり領域70’を超えて突出している。このように、貫通穴フィーチャ64’の一部が最小径公差に合致せず、貫通穴フィーチャ64’の他の部分が最大径公差に合致せず、これらは貫通穴フィーチャ64’の位置が間違っていることに起因する。色加算を表示する赤・緑・黒色のスキームにおいて、囲っている黄色の重なり領域70における黒による破断は、最小径に関する公差条件からの逸脱を示し、囲っている赤色の公差帯域68における緑による破断は、最大径に関する公差条件から逸脱を示す。
【0039】
テスト部品14の投射されたネガティブ画像24の光学解像度はかなり高くすることができ、プロジェクタの光学系の光伝送機能によって大きく制限されるが、画素化テンプレートパターン44の投射画像54は、画素化テンプレートパターン44の原画像を発生するデジタルディスプレイエンジン42の画素密度により制限される。すなわち、仮にビデオプロジェクタ40の光学系が光学プロジェクタ21の光学系と同様に良くても、最初の画素化テンプレートパターン44を発生させる画素の密度が、画素化テンプレートパターン44の投射画像54の解像度を制限する。観察スクリーン38上での投射画像54における画素間のスペースは、画素化テンプレートパターン44の画素間のスペースと、観察スクリーン38を実質的に満たすことが求められている投射レンズ46の倍率とに起因して生じるものである。これに比べて、通常の光学プロジェクタによるテスト部品14の投射画像の倍率に関連した解像度のロスは、取るに足らないものであると見込まれる。
【0040】
光学コンパレータ10は、異なる倍率でテスト部品を検査するように構成するのが好ましい。拡大レンズ30は、異なる屈折力のレンズ31のターレット32を備えている。これらレンズ31は回転して投射光路に位置される。画素化テンプレートパターン44の投射画像54の解像度は制限されるが、この投射画像54の距離の単位で表された解像度は、テスト部品14の投射ネガティブ画像24の倍率に合致した倍率に対応している。画素化テンプレートパターン44の画像54を投射する光学系が、テスト部品14のネガティブ画像24を投射する光学系から独立しているので、投射画像54の倍率の要求される変化は、(eCAD)表示テンプレートのより小さな部分をデジタルディスプレイエンジン42でより大きなサイズで発生させることによって達成することができる。ビデオプロジェクタ40のデジタルディスプレイエンジン42は、(eCAD)表示テンプレートのより小さな部分のデジタル画像を同数の画素を用いて発生させることにより、このテンプレートパターン44を拡大することができる。このテンプレートパターンは観察スクリーン38に等しい光学倍率で投射される。投射視野を満たすために同数、同サイズの画素が用いられるため、テンプレートパターン44の投射画像の解像度は、画素化テンプレートパターン44を発生させる尺度と直に関係する。例えば、倍率が2倍であれば、画素化テンプレートパターン44の投射画像の解像度も2倍となる。
【0041】
テンプレートパターンの解像度は倍率と直に対応するが、画素化テンプレートパターン44の投射画像の解像度は、テスト部品14と画素化テンプレートパターン44の投射画像24,54を比較するために与えられた尺度に制限される。与えられた倍率での測定精度を向上させるために、境界線と公差帯域を表す画素は、図3A,図3Bに示すように横方向に(左右に)互い違いに配された画素組(laterally staggered sets)で構成することができる。大きく拡大した境界線72の一部分が図3Aに示されており、左右に互い違いに配された画素組74,76で構成されており、これら画素組74,76は、これらの間に潜在的な公称の(名目の)境界線78を定義することができる。互い違いに配された画素組74,76は隣接する画素間で潜在的な境界78を定義する。テスト部品14のエッジ境界80は、左右に互い違いに配された画素組74,76を、破断された画素(画素破片、画素断片:fractional pixel)のディメンジョン(寸法、大きさ、規模:dimensions)の、異なる寸法領域(size areas)に分ける。この相対的な寸法の評価により、エッジ境界80を潜在的な境界78とより正確に比較することができる。
【0042】
同様に、公差帯域82の境界を、図3Bに示すように左右に互いに違いにオフセットされた画素組84,86によって表わすことができる。画素組84,86の内側のエッジは、公差帯域82の外側の限界での潜在的な境界を定義する。テスト対象のエッジ境界90による、意図された公差帯域82の破壊は、より明瞭になる。画素化された境界線72または公差帯域82と画像化されたテスト部品14との間における、重なりの色加算又は色減算の組み合わせは、目による比較をより強調することができる。
【0043】
デジタルディスプレイエンジン42で形成された画像は、好ましくは画素化テンプレートパターンに制限されず、コンピュータで生成された多くのグラフィックやテキストのうちのいずれかを含むことができる。例えば、テスト部品14に関する情報(コンパレータをセットアップしたりテスト部品14を検査するための指令を含む)を、観察スクリーン38に投射することができる。実際のところ、観察スクリーン38は、コンピュータ58のための対話式ディスクトップとすることができる。例えば、観察スクリーン38で位置を見ることができるコンピュータのマウス(図示しない)は、メニューを操作し、ファイルを開いたり閉じたりするために用いることができる。コンピュータ58に情報を入力するために、キーボード(図示しない)も同様にコンピュータ58に接続することができる。この情報は観察スクリーン38で表示され、見ることができる。
【0044】
観察スクリーン38から発する光の方向を調節するために、上記レチクル板48に加えて、図4に示すレンズプレート92をも観察スクリーン38に重ねることができる。このレンズプレート92は、セグメントに分けられたレンズかグレーティング(grating:格子)の形態を取ることができ、好ましくは、画像化された光を最適な観察位置の範囲にわたって方向付けするように構成されたフレネルレンズとする。上記レンズプレート92は、異なる投射軸35,45に沿って観察スクリーン38に到達した光学投射ビーム25とビデオ投射ビーム47の光エネルギーを結合し、観察スクリーン38から発せられた結合光エネルギーを、共通の観察軸94に沿うように方向付けすべく、構成することができる。投射ビーム25,47の光エネルギーを揃えることにより、最適な観察位置の範囲にわたり、観察スクリーン38の全域にわたって、より均一な色とコントラストの比較を行うことができる。
【0045】
本発明にしたがう他の光学コンパレータ100が、図5に示されている。光学コンパレータ10の構成要素と共通する光学コンパレータ100の構成要素には、同じ参照番号を付す。例えば、コンパレータ100は、同じ取付ステージ12、バックライト照明器15(輪郭照明器)、透過性の観察スクリーン38を有している。前側のリレーレンズ102は、照明器15からのパターン化された光を集めテスト部品14のネガティブ画像を形成するために、光学プロジェクタ104の対物系として機能する。拡大レンズ30は、光学投射ビーム106内で投射されるネガティブ画像の、観察スクリーン38上でのサイズを変える。ビームスプリッタ108と全反射ミラー110は、光学投射ビーム106の向きを変えて、観察窓38と直交する観察軸112に沿わせる。
【0046】
ビデオプロジェクタ118のデジタルディスプレイエンジン116内において、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)122を照らすために、別の光源114(好ましくは、1つ以上の(赤色の)発光ダイオード(LEDである)がコンデンサ120を通して働く。関連するプロセッサドライバ124は、コンピュータ58からの指令を受け、上記デジタルマイクロミラーデバイス122の作用を制御して、画素化テンプレートパターン等のデジタル画像を発生させる。上記デジタルマイクロミラーデバイス122はミラー列を含んでおり、このミラー列は、ビデオ投射ビーム126内において所望の光の空間的分配を実現するために位置を切り換えられるように、プロセッサドライバ124によって個々に制御される。個々に制御可能なミラーは、1つの位置において、入射光の一部をビデオ投射ビーム126の軸127に沿う方向に反射する。個々に制御可能なミラーは、他の位置において、入射光の残りの部分をビームダンプ130に向かって軸129に沿うように反射する。投射レンズ132は、デジタルマイクロミラーデバイス122によって生じた画素化パターンの拡大画像54を、観察スクリーン38に投射するために形成する。ビームスプリッタ108はビデオ投射ビーム126を光学投射ビーム106と結合し、これらを一緒に観察スクリーン38に向かい投射軸112に沿って伝送する。
【0047】
ビデオプロジェクタ118を光学プロジェクタ104と統合することにより、ビデオ投射ビーム126と光学投射ビーム106の両者を、共通の投射軸112に沿って観察スクリーン38に到達させることができる。投射画像間の相対照度は広い視野角範囲にわたって一致している。
【0048】
ビームスプリッタ108を介して裏側で働くズームレンズ134は、背後から照らされたテスト部品14の画像と前方から照らされたデジタルマイクロミラーデバイス122の画像を、カメラ136へ送る。ビデオプロセッサ138は、個々のテスト部品の検査を監視するために、カメラ136とコンピュータ58とを接続する。テスト部品14と画素化テンプレートパターン44の両方の画像がカメラ136によりデジタル的に捕捉されるので、直接的な数字上の比較が可能であり、少なくとも、近似的にこれら画像を揃えて計り、画像をスケーリングし、検査プロトコルを管理し、結果を記録することができる。しかし、より精密な測定と比較は、観察スクリーン38上での視覚的照合により行うのが好ましい。この観察スクリーン38ではテスト部品14の画像24の解像度は、デジタル近似化の影響を受けない。
【0049】
本発明にしたがう光学コンパレータの他の実施例が図6に示されている。光学コンパレータ10または100と共通の特徴については同符号を付す。光学コンパレータ100と同様に、光学コンパレータ150の前側のリレーレンズ152は光学プロジェクタ154の対物系として機能し、照明器15からのパターン化された光を集め、テスト部品14のネガティブ画像を形成する。拡大レンズ30は、観察スクリーン38に投射される光学投射ビーム156内でのネガティブ画像のサイズを変更する。光学投射ビーム156は、ビームスプリッタ158を通過し、全反射ミラー160,162によって、観察スクリーン38と直交する投射軸164に沿う方向に変えられる。
【0050】
ビデオプロジェクタ165のための他のデジタルディスプレイエンジン166は、空間光変調器としてバックライト液晶ディスプレイ(LCD)168を有している。光源170(好ましくは1つまたはそれ以上の赤色の発光ダイオードからなる)からの光は、液晶ディスプレイ168を均等に照らすコンデンサ172を通る。ディスプレイ168内で並べられた液晶セルは、プロセッサドライバ174によって個別に制御することができ、これにより、液晶ディスプレイ168のセルを通って光を通過可能にしたり通過不能にすることができる。プロセッサドライバ174はコンピュータ58からの情報を受けて、所望の画素化テンプレートパターン44等の画像を、液晶ディスプレイ168に生じさせる。投射レンズ176は、液晶ディスプレイ168により発生した画素化テンプレートパターン44の拡大画像をビデオ投射ビーム178内に形成し、監察スクリーンに投射する。上記ビームスプリッタ158は、ビデオ投射ビーム178を光学投射ビーム156と結合し、一緒に投射軸164に沿って観察スクリーン38に送る。
【0051】
光学コンパレータ10,100と異なり、光学コンパレータ150の拡大レンズ30は、テスト部品14の投射画像24と、デジタルディスプレイエンジン166により発生した画素化テンプレートパターン44の投射画像54の両方を拡大する。この構成は、高倍率において画素化テンプレートパターン44の解像度が低くても許容される場合に、光学投射ビーム156とビデオ投射ビーム178の結合を簡単にするために有用である。
【0052】
テスト部品の描画された設計仕様を含む画素化テンプレートパターン44は、光学コンパレータ10,100,150内に、様々な程度で組み込むことができる。例えば、画素化テンプレートパターン44はテスト部品14の画像24と連携したりしなかったり、複軸ステージ12と連携したりしなかったり、回動可能なレチクル板48と連携したりしなかったり、光学プロジェクタ21又は104の倍率(例えばターレット32の回動位置)と連携したりしなかったりすることができる。
【0053】
連携しない状態では、画素化テンプレートパターン44の倍率と位置付け・方向付け(orientation)は、ビデオプロジェクタ40,118内で設定することができる。操作者は、静止している画素化テンプレートパターン44に対してテスト部品14を動かすことができ、これにより、従来のスクリーンに重ねられた物理的なテンプレートを用いて比較するのと同様の視覚上の比較をすることができる。操作者が、画素化テンプレートパターン44の境界を越えているテスト部品14の一部を検査したい場合には、画素化テンプレートパターン44は(eCAD)表示テンプレートから再生して、テスト部品14の他の部分(相対的に変位した部分)を表すことができる。対応するテンプレートの変位を制御するために、キーボードやマウス(図示しない)からコンピュータ58への入力を行うことができる。
【0054】
光学プロジェクタ21または104の拡大屈折力に関する入力情報を用いて、画素化テンプレートパターン44として全体的に又は部分的に再生される(eCAD)表示テンプレートは、自動的にスケーリングされる(合致した尺度となる。同様に、回動可能なレチクル板48の回動位置に関する入力情報を用いて、画素化テンプレートパターン44は自動的に合致した向きにすることができる。画素化テンプレートパターン44の画像54は、(eCAD)表示テンプレートにおける2つのフィーチャの位置を、テスト部品14の同じ2つのフィーチャの位置と照合することにより、テスト部品14の画像に揃えることができる。さらに、複軸ステージ12による移動は、画素化テンプレートパターン44の移動(すなわち、基礎をなす(eCAD)表示テンプレートの異なる部位の再生)にスケーリングすることができる。フィーチャを揃えることとステージのスケーリングは、テスト部品14の画像24と画素化テンプレートパターン44の画像54とを結合し、それとともに、画素化テンプレートパターン44がステージ12によるテスト部品14の動きを追跡する。
【0055】
テスト部品14の画像24と画素化テンプレートパターン44の画像54の結合は、次のようにして実現される。(eCAD)表示テンプレートから、線、円、角等の第1の基準フィーチャを選択する。テスト部品の同一の基準フィーチャを観察スクリーンの光学中心線に揃え、出力文字列をコンピュータ58に送る。この文字列は好ましくは、オンボードのエンコーダから集められたデジタルの読み出し情報から発生する。この文字列は、ホームポジションからの複軸ステージ12のX,Y座標位置を特定する情報と、回動可能なレチクル板の回動角度Θを特定する情報と、光学プロジェクタ21又は104の拡大レンズ30の倍率を特定する情報と、eCADテンプレートを光学コンパレータ10,100,150の動き制御と連携すべきか否かを指示する情報と、を含むことができる。(eCAD)表示テンプレートから第2の基準フィーチャを選択する。テスト部品14の対応する基準フィーチャを観察スクリーンの光学中心線に揃え、同様の情報タイプの出力文字列をコンピュータ58に送る。上記情報に基づき、画素化テンプレートパターン44は、観察スクリーン上でテスト部品の角度に対応して回わり、(eCAD)表示テンプレートのスケーリングされた部位を操作者によって選択された光学プロジェクタ21又は104の倍率と同じ倍率で表示する。さらに、(eCAD)表示テンプレートは、テスト部品14の投射画像24に合致するように、観察スクリーンに対して自動的にスケーリングされセンター出しされる。
【0056】
ビデオプロジェクタ40,118,165により画素化テンプレートパターン44として再生された(eCAD)表示テンプレートは、好ましくは基礎をなすCAD図のネガティブが好ましい。例えば、図の背景を黒にし、テストパート14を画成する線は、コンピュータ58において操作者が選択する色にする。テスト部品14と(eCAD)表示テンプレートが一緒に結合されたら、コンピュータ58は、周期的に文字列におけるパラメータの変化を獲得するように構成することができる。これにより、操作者がテーブルポジションノブを回わしたりジョイスティックを操作する等により、いつテスト部品14を相対的に動かしたかを知ることができる。
【0057】
操作者は、結合モードまたは非結合モードのいずれかにおいて、テスト部品14と画素化テンプレートパターン44とを比較することができる。結合モードでは、画素化テンプレートパターン44の画像54は、移動ステージ12によって移動されるテスト部品14の画像24と一緒に動く。非結合モードでは、テスト部品14の画像24が観察スクリーン38を横切る方向に動いても、画素化テンプレートパターン44の画像54は観察スクリーン38上で静止している。どちらのモードでも、操作者が選択した倍率でテスト部品14の投射画像24と合致した視野を提供するために、画素化テンプレートパターン44の画像54は自動的にスケーリングされる。非結合モードでは、画素化テンプレートパターン44の画像の角度的な方向付けは、テスト部品14の方向付けから独立して、回動可能なレチクルプレート48の回動に追随するように設定することができる。操作者がテスト部品14を画素化テンプレートパターン44に対してベストフィットする位置に移動させた時に、操作者は、フィーチャ又はフィーチャ群の公称位置からの測定値として、ステージ12のX,Y座標値又は回動可能なレチクル板48の回動角度Θを表示することを選択できる。
【0058】
デジタルディスプレイエンジン42からの投射画像は、セットアップのための操作者への指令や他のメッセージを表示するために、表示スクリーン38上にウインドウを含むことができる。これら指令やメッセージは、検査工程を案内するために観察スクリーン38上でダイアログウインドウに投射することができる。この手段は、操作者が検査部品を正しい位置に置くのを助け、(eCAD)表示テンプレート上の重要なフィーチャへの注意を促す。混乱を避けるために、「結合」または「非結合」等の状態を示す情報も提供することができる。重要なフィーチャに関する数字のデータを提供するために、寸法及び/又は公差を、フライアウトを用いてフィーチャに添付することができる。コンピュータ58のソフトウエアは、ステージ12のX,Y軸移動におけるコンピュータ数値制御(CNC)を実行し、テスト部品14を移動シーケンスにしたがって相対的に自動的に移動させるための、「GO TO」ファンクションを提供することができる。
【0059】
ステージ12のX,Y軸移動におけるコンピュータ数値制御(CNC)のための上記「GO TO」ファンクションは、比較を行うべきテスト部品12の種々の予定箇所(destinations)を入力することにより、コンピュータ58にプログラムすることができる。選択されたスケールを有する視野(FOV)の円がeCAD表示テンプレートに重ねられた状態で、(eCAD)表示テンプレートの全て(または少なくとも所望の比較箇所を含むテンプレートの一部)を観察スクリーンに表示することができる。視野(FOV)の円を、eCAD表示テンプレートの画像を覆うように位置させることができ、この円の中心を、操作者が位置をセーブした時には、プログラムされた予定箇所にもってくることができる。
【0060】
テスト部品の他の領域を測定するために、操作者はFOV円をeCAD上の種々のポイントにドラッグし、後で又は直ぐに再生するためにこれらの位置をセーブすることができる。プログラム実行中に、ステージ位置のシーケンスが順々に進む。システムが「結合」モードの場合には、eCAD表示テンプレートから生じた画素化テンプレートパターン44は、テスト部品14の投射画像24の公称中心を覆う適切な位置に自動的に維持される。
【0061】
各移動の後で、操作者は「非結合」にし、ベストフィット状態が見つかるまでステージ12を動かしたりレチクル板48を回動させることにより、テスト部品24の画像54を公差内へ移動させることができる。操作者は、テスト部品14の画像と画素化テンプレートパターン44の画像を再結合するために、「続く」を選択し、次の予めプログラムされた次のステージ位置へと動かすことができる。
【0062】
ビデオプロジェクタ40,118,165のデジタルディスプレイエンジン42,116,166は、画素化テンプレートパターン44を発生させるために、好ましくは制御可能な要素の列を含んでいるが、同様のデジタルテンプレートパターンは通常のレーザープロジェクタのレーザービーム操縦装置によって発生させることができる。例えば図7に示すように、2つの直交する軸y’、z’を中心にして回動可能なレーザープロジェクタ180のミラー186は、テンプレートパターンを描くために、レーザー源182からの平行にされたレーザービーム184を操縦するのに用いることができる。コンピュータ58は、CADモデルから導かれた所望のテンプレートパターンを、レーザープロジェクタ180のために要求されるファイル形式に変換することができる。十分な画面書き換え数とともに十分な速度で作動している場合、レーザービーム184の制御された軌道は、テンプレートパターンの連続し輝いた画像を観察スクリーン38に投射することができる。テンプレートパターンの画像は直接にまたは中間の収束光学系188を介して観察スクリーン38に描くことができる。
【0063】
本発明の目的のために用いることができるタイプのレーザープロジェクタは、米国特許公開2009/0128717(Nagashima等)に記載されている。Nagashima等のレーザープロジェクタは多色で画像を投射するように構成されているが、本発明にしたがいテストパターンを投射するためには、単色でも十分である。Behanらへの米国特許7,433,796は、CAD/CAMタイプのアプリケーション等のツールを用いて生成したファスナーに関するエンジニアリングデータを幾何学データと非幾何学データに変換する、レーザープロジェクタとシステムを開示している。これらデータは、ファスナーとともに製造される対象物にレーザープロジェクタで投射される。上記Nagashima等の出願とBehanの特許は、参照によって組み込まれる。
【0064】
透過型の観察スクリーンの背後に画像を投射する代わりに、光学コンパレータの光学プロジェクタとビデオプロジェクタは反射型の観察スクリーンの前面に画像を投射するように構成してもよい。本発明の教示内において、多くの他の変形や変更が可能であることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察スクリーンと、
上記観察スクリーンに検査対象となるテスト部品の光学画像を投射する光学プロジェクタと、
テスト部品の描画された設計仕様を含む画素化テストパターンの光学画像を投射するビデオプロジェクタであって、上記画素化テストパターンを発生させるデジタルディスプレイエンジンを含むビデオプロジェクタと、
テスト部品を照らす第1照明器および上記デジタルディスプレイエンジンを照らす第2照明器とを備え、
上記光学プロジェクタと上記ビデオプロジェクタは、テスト部品の画像と画素化テンプレートパターンの画像が上記観察スクリーンに一致した尺度で同時に投射されるように、連携していることを特徴とする光学コンパレータ。
【請求項2】
さらに、(a)テスト部品の設計仕様を含む1つまたはそれ以上のデジタルファイルと(b)上記ビデオプロジェクタの上記デジタルディスプレイエンジンとの間に、プログラム駆動インターフェイスを備え、このインターフェイスは、上記デジタルファイルにおける上記設計仕様を、上記観察スクリーンにおいて投射されたテスト部品の光学画像と比較すべき、描画された形態での画素化テンプレートパターンに変換することを特徴とする請求項1に記載の光学コンパレータ。
【請求項3】
上記プログラム駆動インターフェイスは、上記デジタルファイルにおけるテスト部品の境界に関する情報を、画素化テンプレートパターンにおける1つまたはそれ以上の公差帯域に変換することを特徴とする請求項2に記載の光学コンパレータ。
【請求項4】
上記テスト部品の光学画像が第1の色で投射され、上記画像化テンプレートにおける1つまたはそれ以上の公差帯域の光学画像が、第2の色で投射されることを特徴とする請求項3に記載の光学コンパレータ。
【請求項5】
上記の投射されるテスト部品と公差帯域の第1、第2の色が、色加算され、テスト部品の投射画像において投射された公差帯域内にある部分が、観察スクリーンにおいて第3の色を呈することを特徴とする請求項4に記載の光学コンパレータ。
【請求項6】
上記1つまたはそれ以上のデジタルファイルと上記ビデオプロジェクタの上記デジタルディスプレイエンジンとの間に配された上記プログラム駆動インターフェイスは、テスト部品の投射画像と画素単位未満での比較を行うために、上記画像化テンプレートパターンの解像度限界を補償するテンプレート構造を生成することを特徴とする請求項2に記載の光コンパレータ。
【請求項7】
上記画素化テンプレートにおいて、境界線が左右に互い違いに配列された画素組によって表示されることを特徴とする請求項6に記載の光学コンパレータ。
【請求項8】
上記観察スクリーンに投射された上記テスト部品の光学画像が、テスト部品のエッジフィーチャを再現し、このエッジフィーチャは、上記画像化テンプレートパターンにおける左右に互い違いに配列された画素組を、破断画素のディメンジョンの異なるサイズの領域に分割するのに十分な解像度を有し、これら領域が、上記境界線を表す画素の解像度よりも高い解像度で、境界線に対するエッジフィーチャの位置をより正確に決定すべく、比較可能であることを特徴とする請求項7に記載の光学コンパレータ。
【請求項9】
上記画素化テンプレートパターンにおいて、上記公差帯域が左右に離れて配置されたピクセル組によって表示されることを特徴とする請求項6に記載の光学コンパレータ。
【請求項10】
上記観察スクリーンに投射された上記テスト部品の光学画像が、テスト部品のエッジフィーチャを再現し、このエッジフィーチャは、上記画像化テンプレートパターンにおける左右に互い違いに配列された画素組を、破断画素のディメンジョンの異なるサイズの領域に分割するのに十分な解像度を有し、これら領域が、上記公差帯域を表す画素の解像度よりも高い解像度で、公差帯域に対するエッジフィーチャの位置をより正確に決定すべく、比較可能であることを特徴とする請求項9に記載の光学コンパレータ。
【請求項11】
上記テスト部品の画像の倍率変化が、これに合致する尺度で観察スクリーンに投射されるべく尺度変更された画像化テンプレートパターンの画素サイズを、有意に増大させないように、上記観察スクリーンに上記画素化テンプレートパターンの画像を投射するビデオプロジェクタの光学系が、上記観察スクリーンにテスト部品の画像を投射する光学プロジェクタの光学系から十分に独立していることを特徴とする請求項1に記載の光学コンパレータ。
【請求項12】
上記デジタルディスプレイエンジンは、ほぼ同じ光学倍率で上記観察スクリーンに投射されるほぼ同数の画素を用いて、上記テンプレートパターンのより小さな部分のデジタル画像を発生させることにより、観察スクリーンに表れる画素化テンプレートパターンを拡大し、これによりテンプレートパターンのより小さい部分がより高い解像度で再現されることを特徴とする請求項11に記載の光学コンパレータ。
【請求項13】
上記ビデオプロジェクタと光学プロジェクタは、上記観察スクリーンに向かい共通の光学軸に沿って画素化テンプレートパターンとテスト部品の画像を投射するための、少なくとも一つの光学系を共有することを特徴とする請求項11に記載の光学コンパレータ。
【請求項14】
上記ビデオプロジェクタと上記光学プロジェクタは、ビームスプリッタで結合されるそれぞれの光路を有していることを特徴とする請求項13に記載の光学コンパレータ。
【請求項15】
上記光学プロジェクタが上記テスト部品の画像を第1の光軸に沿って上記観察スクリーンに投射し、上記ビデオプロジェクタが上記画素化テンプレートパターンを、上記第1の光軸に対して傾いた第2の光軸に沿って上記観察スクリーンに投射することを特徴とする請求項11に記載の光学コンパレータ。
【請求項16】
さらに上記観察スクリーンに整列された光学系を備え、この光学系は第1、第2の光軸に沿って観察スクリーンに達する投射画像の光エネルギーを結合して、共通の観察軸に沿って上記観察スクリーンから発射される光エネルギーにすることを特徴とする請求項15に記載の光学コンパレータ。
【請求項17】
上記観察スクリーンに上記テスト部品の影の画像を投射するために、上記第1照明器は上記テスト部品を背後から照らすことを特徴とする請求項1に記載の光学コンパレータ。
【請求項18】
上記第1照明器は、上記テスト部品を第1の色の光で照らし、上記第2照明器は上記デジタルディスプレイエンジンを第2の色の光で照らすことを特徴とする請求項17に記載の光学コンパレータ。
【請求項19】
さらに、
上記テスト部品の画像化されたフィーチャの角度方向を測定するために、上記観察スクリーンに整列された回転調節可能なレチクルと、
上記レチクルの回動調節に合わせて画素化テンプレートパターンの画像を観察スクリーン上で回すように、上記レチクルと上記ビデオプロジェクタとの間を接続する連携リンクと、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光学コンパレータ。
【請求項20】
上記光学プロジェクタと上記ビデオプロジェクタは、レチクルの中心点が画素化テンプレートパターンの中心点に対応するように較正されることを特徴とする請求項19に記載の光学コンパレータ。
【請求項21】
さらに、
上記観察スクリーンに投射される上記テスト部品の画像の倍率を変えるために上記光学プロジェクタ内に配された倍率調節器と、
上記画素化テンプレートパターンの上記観察スクリーン上での画像の倍率が、上記観察スクリーン上での上記テスト部品の画像の倍率変化に合わせて変わるように、上記倍率調節器と上記ビデオプロジェクタとの間を接続する連携リンクと、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光学コンパレータ。
【請求項22】
さらに、上記ビデオプロジェクタがコンピュータにより発生された画像を上記観察スクリーンに投射できるように、上記ビデオプロジェクタとコンピュータとの間を接続する連携リンクを備えたことを特徴とする請求項1に記載の光学コンパレータ。
【請求項23】
上記ビデオプロジェクタが、上記コンピュータとのコミュニケーションプロトコルをサポートする対話式ディスクトップの画像を、上記観察スクリーンに投射することを特徴とする請求項22に記載の光学コンパレータ。
【請求項24】
テスト部品を検査する方法であって、
第1光源から上記テスト部品を照らす工程と、
照らされた上記テスト部品の光学画像を観察スクリーンに投射する工程と、
第2光源からデジタルディスプレイエンジンを照らす工程と、
上記デジタルディスプレイエンジンで上記テスト部品を表す画素化テンプレートパターンを発生させる工程と、
上記画素化テンプレートパターンの光学画像を上記観察スクリーンに投射する工程と、
上記観察スクリーン上で、投射されたテスト部品の光学画像を、投射された画素化テンプレートパターンの光学画像と比較する工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項25】
投射された上記テスト部品の光学画像と上記画素化テンプレートパターンの画像とを共通の尺度にマッチングさせる工程を含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
上記テスト部品と画素化テンプレートパターンの光学画像を投射する工程は、テスト部品と画素化テンプレートの拡大像を投射する工程を含み、上記マッチングの工程は、上記テスト部品の投射光学画像の変更された倍率に合わせため、上記観察スクリーンに投射されるべく生成された画素化テンプレートパターンのサイズを変える工程を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
上記生成される画素化テンプレートパターンのサイズを変える工程は、ほぼ同じ光学倍率で上記観察スクリーンに投射されるほぼ同数の画素を用いて、上記テンプレートパターンのより小さな部分のデジタル画像を発生させることにより、観察スクリーンに表れる画素化テンプレートパターンを拡大し、これにより上記テンプレートパターンのより小さい部分をより高い解像度で再現する工程を含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
上記テスト部品の設計仕様を含む1つまたはそれ以上のデジタルファイルにアクセスする工程と、上記1つまたはそれ以上のデジタルファイルからの設計仕様を上記画素化テンプレートパターンに変換する工程を含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項29】
上記変換工程が、1つまたはそれ以上のデジタルファイルにおけるテスト部品の境界に関する情報を、画素化テンプレートパターンにおける1つまたはそれ以上の公差帯域に変換する工程を含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
上記テスト部品の光学画像を投射する工程は、テスト部品の光学画像を第1の色で上記観察スクリーンに投射する工程を含み、上記画素化テンプレートパターンの光学画像を投射する工程は、1つまたはそれ以上の上記公差帯域を第2の色で上記観察スクリーンに投射する工程を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
1つまたはそれ以上の公差帯域と重なる、テスト部品の投射された光学画像の一部は、第3の色を呈することを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
上記変換する工程は、1つまたはそれ以上のデジタルファイルにおける上記テスト部品の境界に関する情報を、上記画素化テンプレートパターンにおいて左右に互い違いに配列された画素組に変換する工程を含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項33】
上記テスト部品の光学画像を上記観察スクリーンに投射する工程は、上記画像化テンプレートパターンにおける左右に互い違いに配列された画素組を、破断画素のディメンジョンの、異なるサイズの領域に分割するために、テスト部品のエッジフィーチャを十分な解像度で再現し、これら領域が、境界線を表す画素の解像度よりも高い解像度で、境界線に対するエッジフィーチャの位置をより正確に決定すべく、比較されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
上記テスト部品の光学画像を投射する工程が、テスト部品の画像を第1の光軸に沿って上記観察スクリーンに投射する工程を含み、上記画素化テンプレートパターンの光学画像を投射する工程が、上記画素化テンプレートパターンの画像を第2の光軸に沿って上記観察スクリーンに投射する工程を含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項35】
上記第1、第2の光軸に沿って上記観察スクリーンに達する投射画像の光エネルギーを結合して、共通の観察軸に沿って上記観察スクリーンから発射される光エネルギーにする工程を含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
上記ビデオプロジェクタがコンピュータによって発生した画像を上記観察スクリーンに投射できるように、上記ビデオプロジェクタをコンピュータに接続する工程を含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項37】
上記画素化テンプレートパターンの光学画像を上記観察スクリーンに投射する工程が、上記コンピュータとのコミュニケーションプロトコルをサポートする対話式ディスクトップの画像を、上記観察スクリーンに投射する工程を含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
上記テスト部品を照らす工程が上記テスト部品を背後から照らす工程を含み、照らされたテスト部品の光学画像を投射する工程は照らされたテスト部品の影の画像を上記観察スクリーンに投射する工程を含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項39】
上記画素化テンプレートを発生させる工程は、上記デジタルディスプレイエンジン内の制御可能なマイクロミラー列からの光を選択的に反射する工程を含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
上記観察スクリーンに画素化テンプレートの光学画像を投射する工程。
【請求項41】
テスト部品を取り付けるサポートと、
上記テスト部品の描画された設計仕様を含むテンプレートパターンを生成するデジタル画像生成器と、
上記テスト部品を照らす第1照明器および上記デジタル画像生成器を照らす第2照明器と、
上記テスト部品と画素化テンプレートパターンを視覚的に比較するために、重なり合うテスト部品の光学画像とテンプレートパターンの光学画像を、合致した尺度で観察スクリーンに投射する投射光学系と、
を備えたことを特徴とする光学コンパレータ。
【請求項42】
上記投射光学系は、上記テスト部品の画像を生成する第1対物系と、上記画素化テンプレートパターンの画像を生成する第2対物系とを含むことを特徴とする請求項41に記載のコンパレータ。
【請求項43】
上記画素化テンプレートパターンの尺度をテスト部品にスケーリングするために、上記第2対物系は第1対物系より屈折力が高いことを特徴とする請求項42に記載のコンパレータ。
【請求項44】
上記第1、第2の照明器は、テスト部品とデジタル画像生成器を異なる色で照明することを特徴とする請求項41に記載のコンパレータ。
【請求項45】
上記デジタル画像生成器は、上記テンプレートパターンを発生させるために、個々に制御可能な要素の配列を含むことを特徴とする請求項41に記載のコンパレータ。
【請求項46】
上記デジタル画像生成器は、テンプレートパターンを描くビーム操縦装置を含むことを特徴とする請求項41に記載のコンパレータ。
【請求項47】
上記投射光学系がレーザープロジェクタを含み、上記ビーム操縦装置が、上記テンプレートパターンを上記観察スクリーンに投射するために、上記レーザープロジェクタ内に組み込まれていることを特徴とする請求項46に記載のコンパレータ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−532314(P2012−532314A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517522(P2012−517522)
【出願日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/032871
【国際公開番号】WO2011/002548
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(505377430)クオリティー ヴィジョン インターナショナル インコーポレイテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】Quality Vision International, Inc.
【Fターム(参考)】