説明

トランジスタ基板及びトランジスタ基板の製造方法

【課題】微結晶シリコンをチャネル領域として用い、良好にリーク電流を抑制することが可能なトランジスタを備えるトランジスタ基板及びトランジスタ基板の製造方法を提供する。
【解決手段】トランジスタ基板におけるトランジスタ100は、基板11と、ゲート電極112と、ゲート絶縁膜113と、半導体層(チャネル領域)114と、ドレイン領域116、ソース領域117と、ドレイン電極118と、ソース電極119と、を備える。ドレイン領域116と半導体層114が接触する箇所及びソース領域117と半導体層114が接触する箇所のうち少なくとも一方は、ゲート電極112と比較し、薄膜トランジスタ100のチャネル長方向に外側に位置するように形成されている。このようにストッパ膜115を形成することにより、電界の急激な変化を抑制することができ、良好にリーク電流を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランジスタを備えるトランジスタ基板及びトランジスタ基板の製造方法に関する。本発明は特に、微結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor,以下、TFT)を備えるトランジスタ基板及びトランジスタ基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示パネル、有機EL(electroluminescence)素子を用いた表示パネル等の駆動素子として、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)が用いられている。また、従来、TFTのチャネル領域として機能する半導体層として、一般に非晶質シリコン(a−Si)が用いられている。
【0003】
しかし、a−Siはオン電流が比較的低いため、オン電流を向上させることを目的として、例えば特許文献1に開示されているように、微結晶シリコン(以下、μc−Si)を用いる試みがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−322845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のTFTのチャネル領域を単純に微結晶シリコンに置き換えただけでは、オフ領域(Vgsが負電圧の領域)のリーク電流が増大する欠点がある。これは、微結晶シリコン中に多くの欠陥が存在しており、電界が集中する(電圧勾配が急峻な)ドレイン端の空乏層部で図12に示すように欠陥を核に電子正孔対(図12に示すh,e)が発生するためである。
【0006】
また、特許文献1では、微結晶シリコンを有するTFTのリーク電流を低減させるため、微結晶シリコンとアモルファスシリコンとの積層構造とする構成が開示されている。しかし、リーク電流を十分低下させるためにはアモルファスシリコンを厚く形成する必要があり、結果として生産性が低下する、ゲート電圧を大きく負に振った際のリーク電流は低減するものの電流の最小値が増加する、という問題がある。
【0007】
また、このようにリーク電流が大きい微結晶シリコンTFT を、液晶表示装置のスイッチング素子として、また、有機ELを用いたディスプレイのスイッチング素子として用いると画質低下の要因となるという問題がある。
【0008】
このため、微結晶シリコンをチャネル領域に用いたTFTのリーク電流を抑制することが求められている。
【0009】
本発明は、上述した実情を鑑みてなされたものであり、微結晶シリコンをチャネル領域として用い、良好にリーク電流を抑制することが可能なトランジスタを備えるトランジスタ基板及びトランジスタ基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るトランジスタを有するトランジスタ基板は、
ゲート電極と、
前記ゲート電極と対向して設けられ、微結晶シリコンから形成された半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層の間に設けられたゲート絶縁膜と、
前記半導体層と対向して設けられたドレイン電極と、
前記半導体層と対向して設けられたソース電極と、
前記半導体層と、前記ドレイン電極及び前記ソース電極と、の間に、それぞれ前記半導体層と接触するように設けられたドレイン領域及びソース領域と、を備え、
前記ドレイン領域と前記半導体層が接触する箇所及び前記ソース領域と前記半導体層が接触する箇所のうち少なくとも一方は、前記ゲート電極形成領域よりもチャネル長方向に外側に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0011】
前記半導体層は、微結晶シリコンから形成された層と、該層上に設けられアモルファスシリコンから形成された層と、を備えてもよい。
【0012】
前記ドレイン領域と前記半導体層が接触する箇所及び前記ソース領域と前記半導体層が接触する箇所が前記ゲート電極形成領域よりもチャネル長方向に外側に位置するように形成されている第1のトランジスタと、前記ドレイン領域と前記半導体層が接触する箇所のみが前記ゲート電極形成領域よりもチャネル長方向に外側に位置するように形成されている第2のトランジスタと、前記第2のトランジスタのソース電極が接続された第1電極と前記第1電極と対向して設けられる第2電極との間に発光層を備えた発光画素と、を有してもよい。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るトランジスタを有するトランジスタ基板の製造方法は、
ゲート電極と、
前記ゲート電極と対向して設けられ、微結晶シリコンから形成された半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層の間に設けられたゲート絶縁膜と、
前記半導体層上に設けられたドレイン電極と、
前記半導体層上に設けられたソース電極と、
前記半導体層と、前記ドレイン電極及び前記ソース電極との間に、それぞれ設けられたドレイン領域及びソース領域と、を備えたトランジスタを有するトランジスタ基板の製造方法であって、
前記ドレイン領域と前記半導体層が接触する箇所及び前記ソース領域と前記半導体層が接触する箇所のうち少なくとも一方を、前記ゲート電極形成領域よりもチャネル長方向に外側に位置するように形成することを特徴とする。
【0014】
前記半導体層上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程を備え、
前記絶縁膜形成工程は、
絶縁材料から形成された膜を形成する工程と、
前記膜上にレジストを塗布し、前記絶縁膜に対応するレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをベークするベーク工程と、
前記レジストパターンを介してエッチングを施す工程と、を備え、
前記レジストパターン形成工程では、前記ゲート電極をマスクとして、前記基板の他方の面側から前記レジストを露光し、
前記ベーク工程において前記レジストパターンが前記ゲート電極と比較し、周方向に外側に延伸するようにベークすることによって、前記絶縁膜の前記チャネル長方向の長さを前記ゲート電極の前記チャネル長方向の長さより長くなるように前記絶縁膜を形成してもよい。
【0015】
前記レジストパターン形成工程では、前記基板の他方の面側から斜め方向に前記レジストを露光してもよい。
【0016】
前記微結晶シリコンは、アモルファスシリコンを成膜した後、レーザーを照射することにより形成してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、微結晶シリコンを用いた半導体層上に形成され、半導体層を介してゲート電極と対向するストッパ膜をゲート電極と比較してチャネル長方向に外側に延伸するように形成することにより、良好にリーク電流を抑制することが可能なトランジスタを備えるトランジスタ基板及びトランジスタ基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態に係る薄膜トランジスタの断面図である。
【図2】本実施形態の薄膜トランジスタのドレイン領域近傍の準位を模式的に示す図である。
【図3】薄膜トランジスタの変形例を示す図である。
【図4】薄膜トランジスタの変形例を示す図である。
【図5】トランジスタ基板の構成例を示す図である。
【図6】画素の駆動回路の等価回路図である。
【図7】有機EL素子の構成例を示す平面図である。
【図8】図7に示すVIII−VIII線断面図である。
【図9A】トランジスタ基板の製造方法を説明する図である。
【図9B】トランジスタ基板の製造方法を説明する図である。
【図9C】トランジスタ基板の製造方法を説明する図である。
【図9D】トランジスタ基板の製造方法を説明する図である。
【図9E】トランジスタ基板の製造方法を説明する図である。
【図9F】トランジスタ基板の製造方法を説明する図である。
【図9G】トランジスタ基板の製造方法を説明する図である。
【図9H】トランジスタ基板の製造方法を説明する図である。
【図10A】トランジスタ基板の製造方法の変形例を示す図である。
【図10B】トランジスタ基板の製造方法の変形例を示す図である。
【図10C】トランジスタ基板の製造方法の変形例を示す図である。
【図10D】トランジスタ基板の製造方法の変形例を示す図である。
【図10E】トランジスタ基板の製造方法の変形例を示す図である。
【図11A】トランジスタ基板の製造方法の変形例を示す図である。
【図11B】トランジスタ基板の製造方法の変形例を示す図である。
【図11C】トランジスタ基板の製造方法の変形例を示す図である。
【図12】従来の薄膜トランジスタのソース領域近傍の準位を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係るトランジスタを備えるトランジスタ基板及びトランジスタ基板の製造方法について、図を用いて説明する。本実施形態では、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)をボトムエミッション型の有機EL(electroluminescence)素子を駆動するための素子として利用する構成を例に挙げて説明する。
【0020】
なお、本実施形態中で、微結晶シリコン(μc−Si)とは、結晶粒径が、概ね50〜100nmの結晶性シリコンである。
【0021】
本実施形態に係る薄膜トランジスタ100の断面図を図1に示す。薄膜トランジスタ100は、基板11と、ゲート電極112と、ゲート絶縁膜113と、半導体層(チャネル領域)114と、ストッパ膜115と、ドレイン領域116、ソース領域117と、ドレイン電極118と、ソース電極119と、を備える。
【0022】
基板11は、絶縁性を備える材料から形成され、例えばガラス基板等が用いられる。
【0023】
ゲート電極112は、導電性を有する材料、例えば、Mo膜、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlNdTi合金膜、MoNb合金膜等から形成され、基板11上に形成される。
【0024】
ゲート絶縁膜113は、絶縁性を有する材料、例えばSiNから形成され、基板11及びゲート電極112を覆うように形成される。
【0025】
半導体層114は、微結晶シリコンから形成される。半導体層114は、ゲート絶縁膜113上に形成され、半導体層114上にはストッパ膜115とソース領域117とドレイン領域116とが形成される。本実施形態では、ストッパ膜115のドレイン領域116及び/又はソース領域117側の端、ゲート電極112と比較し、薄膜トランジスタ100のチャネル長方向に外側に位置するように形成する。これにより、半導体層114はストッパ膜115に覆われているが、ゲート電極112とは対向しない領域を有する。尚、チャネル長とは、ドレイン領域116と半導体層114の接する部分からソース領域117と半導体層114の接する部分までの最短距離である。
【0026】
また、半導体層114は、微結晶シリコンから形成された1つの層だけでなく、図3に示すように、微結晶シリコン層114aと、アモルファスシリコン(a−Si、好ましくは水素化アモルファスシリコンa−Si:H)層114bとの2層を重ねてもよい。アモルファスシリコン層114bの厚みは、微結晶シリコン層114a表面の凹凸を緩和し、良好な接合面を得るため、10〜50nm程度の厚みとすることが好ましい。このように形成しても、従来の微結晶シリコン層とアモルファスシリコン層との積層構造のように、アモルファスシリコン層を厚く形成する必要がなく、生産性に与える影響は小さい。また、アモルファスシリコン層が厚くなりすぎないため、薄膜トランジスタ100の電流の最小値が増加するという問題も生じない。
【0027】
ストッパ膜115は、半導体層114の上面に形成される。ストッパ膜115は、絶縁性を有する材料から形成され、例えばSiNから形成される。本実施形態では、ストッパ膜115は、半導体層114を介してゲート電極112と対向するように設けられ、ゲート電極112と比較して幅が広く、電流の流れる方向に沿って(図1の左右方向)、ゲート電極端よりも外側に位置するように形成されている。換言すれば、ストッパ膜115のドレイン領域116及びソース領域117側の端は、ゲート電極112と比較し、薄膜トランジスタ100のチャネル長方向に外側に位置するように形成されている。このため、半導体層114のドレイン領域とソース領域との間のチャネル領域中には、ストッパ膜115に覆われているが、ゲート電極112と対向しない領域が形成される。この領域は、ゲート電圧が印加された際もチャネルが形成されず、図1に点線で示す高抵抗な領域(高抵抗領域120)として機能する。チャネル領域とドレイン領域及び/又はソース領域との間に、この高抵抗領域120を配することで、図2に模式的に示すように、チャネル領域と、ドレイン領域及び/又はソース領域との間で急激な電位の変化を抑制することができる。欠陥を核に発生する電子正孔対の発生確率は電界に対して指数関数的に変化するため、例えば図12に示す従来の薄膜トランジスタのような電位の急激な変化がある場合、欠陥を核に電子正孔対が発生する確率が高いが、本実施形態の構成では、図2に示すように電位の変化が緩和されることにより、電子正孔対の発生確率を低下させることができる。これにより、薄膜トランジスタ100内のリーク電流を低減させることが可能となる。
【0028】
なお、図1に示すように本実施形態ではストッパ膜115の端がドレイン領域116及びソース領域117の方向に外側に延伸するように形成する構成を例に挙げているが、詳細に後述するように、TFTの電流の流れる方向が一方である場合は、図4に示すように、ストッパ膜115のドレイン領域116側の端のみが、薄膜トランジスタ100のチャネル長方向に外側に位置するように形成されてもよい。
【0029】
ドレイン領域116は、例えばドープされたアモルファスシリコンから形成される。ドレイン領域116は、半導体層114とドレイン電極118との間に設けられる。
【0030】
ソース領域117は、例えばドープされたアモルファスシリコンから形成される。ソース領域117は、半導体層114とソース電極119との間に設けられる。
【0031】
なお、図1に示す薄膜トランジスタ100は、半導体層114上に、ストッパ膜115を形成した上で、ソース領域、ドレイン領域となるアモルファスシリコン層、ソース電極、ドレイン電極となる金属膜を形成し、エッチングを施すため、ソース電極119、ソース領域117及び半導体層114と、ドレイン電極118、ドレイン領域116及び半導体層114と、の外形がほぼ同じ形状に形成される。しかし、これに限られず、半導体層114上にストッパ膜を形成した上で、アモルファスシリコン層を形成し、エッチングを施し、ソース領域及びドレイン領域を形成した上で、金属膜を形成し、ソース電極、ドレイン電極の形状にエッチングを施してもよい。
【0032】
また、ゲート電極112の端とドレイン領域116又はソース領域117の端との距離は、リーク電流を低減させるという点からは離れていた方が良いが、あまり離れすぎるとオン電流が低下するので、0.2〜2μm程度が適切である。
【0033】
ドレイン電極118は、ドレイン領域116上に形成され、例えばアルミニウム−チタン(AlTi)/Cr、AlNdTi/CrまたはCr等のソース−ドレイン導電層から形成されている。
【0034】
ソース電極119は、ソース領域117上に形成され、例えばアルミニウム−チタン(AlTi)/Cr、AlNdTi/CrまたはCr等のソース−ドレイン導電層から形成されている。
【0035】
本実施形態の薄膜トランジスタは、微結晶シリコンからなる半導体層上に設けられたストッパ膜の一方もしくは両方の端が、ゲート電極端よりもチャネル長方向に外側に位置する。これにより、ソース端又はドレイン端での電界集中を緩和することができ、リーク電流を低減させることができる。
【0036】
次に、本実施形態の薄膜トランジスタ100が用いられるトランジスタ基板10について説明する。
【0037】
トランジスタ基板10は、発光画素基板(画素基板)31と、発光画素基板31上にマトリクス状に配置された発光画素(有機EL素子)30と、発光画素30を封止する封止基板と、を備える。トランジスタ基板10では、画素基板31上に、図5に示すように、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に発する3つの発光画素30を一組として、この組が行方向に繰り返し複数個、例えばm個配列されるとともに、列方向に同一色の画素が複数個、例えばn個配列されている。このようにRGBの各色を発する画素がマトリクス状に、m×n個配列される。なお、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの発光画素30はデルタ配列であってもよい。また、発光画素30は単色であってもよい。
【0038】
発光画素回路DSは、図6に示すように、選択トランジスタTr11、発光駆動トランジスタTr12、キャパシタCs、有機EL素子30と、を備える。選択トランジスタTr11、発光駆動トランジスタTr12は、上述した本実施形態のTFTである。特に、本実施形態では選択トランジスタTr11は電流の流れる方向が定まらないため、図1に示すようにストッパ膜115のドレイン領域116及びソース領域117側の端は、ゲート電極112と比較し、薄膜トランジスタ100のチャネル長方向に外側に位置するように形成される。これに対し、発光駆動トランジスタTr12については、電流の流れる方向が一定であるため、図4に示すように、ストッパ膜115のドレイン領域116側の端のみが、薄膜トランジスタ100のチャネル長方向に外側に位置するように形成される。
【0039】
発光画素基板31上には、行方向に配列された複数の発光画素回路DSに接続されたアノードラインLaと、行方向に配列された複数の発光画素回路DSにそれぞれ接続された複数のデータラインLdと、行方向に配列された複数の発光画素回路DSのトランジスタTr11を選択する走査ラインLsと、が形成されている。
【0040】
図6に示すように選択トランジスタTr11は、ゲート端子が走査ラインLsに、ドレイン端子がデータラインLdに、ソース端子が接点N11にそれぞれ接続される。また、発光駆動トランジスタTr12は、ゲート端子が接点N11に接続されており、ドレイン端子がアノードラインLaに、ソース端子が接点N12にそれぞれ接続されている。キャパシタCsは、発光駆動トランジスタTr12のゲート端子及びソース端子に接続されている。なお、キャパシタCsは、発光駆動トランジスタTr12のゲート−ソース間に付加的に設けられた補助容量、もしくは発光駆動トランジスタTr12のゲート−ソース間の寄生容量と補助容量からなる容量成分である。また、有機EL素子30は、アノード端子(画素電極42)が接点N12に接続され、カソード端子(対向電極46)に基準電圧Vssが印加されている。
【0041】
走査ラインLsは、発光画素基板の周縁部に配置された走査ドライバ(図示せず)に接続されており、所定タイミングで行方向に配列された複数の発光画素30を選択状態に設定するための選択電圧信号(走査信号)が印加される。また、データラインLdは、発光画素基板の周縁部に配置されたデータドライバ(図示せず)に接続され、上記発光画素30の選択状態に同期するタイミングで発光データに応じたデータ電圧(階調信号)が印加される。行方向に配列された複数の発光駆動トランジスタTr12が、当該発光駆動トランジスタTr12に接続された有機EL素子30の画素電極(例えばアノード電極)に発光データに応じた発光駆動電流を流す状態に設定するように、アノードラインLa(供給電圧ライン)は、所定の高電位電源に直接又は間接的に接続されている。つまり、アノードラインLaは、有機EL素子30の対向電極46に印加される基準電圧Vssより十分電位の高い所定の高電位(供給電圧Vdd)が印加される。また、対向電極46は、例えば、所定の低電位電源に直接又は間接的に接続され、発光画素基板31上にアレイ状に配列された全ての発光画素(有機EL素子)30に対して単一の電極層により形成されており、所定の低電圧(基準電圧Vss、例えば接地電位GND)が共通に印加されるように設定されている。
【0042】
また、アノードラインLaと走査ラインLsとは、各トランジスタTr11、Tr12のソース電極、ドレイン電極とを形成するソース−ドレイン導電層を用いてこれらソース電極、ドレイン電極とともに形成される。データラインLdは、各トランジスタTr11、Tr12のゲート電極となるゲート導電層を用いてゲート電極とともに形成される。データラインLdとドレイン電極Tr11dとの間の絶縁膜41には、図7に示すように、コンタクトホール61が形成され、データラインLdとドレイン電極Tr11dとはコンタクトホール61を介して導通している。走査ラインLsとゲート電極Tr11gの両端との間の絶縁膜41には、それぞれコンタクトホール62、63が形成され、走査ラインLsとゲート電極Tr11gとはコンタクトホール62、63を介して導通している。ソース電極Tr11sとゲート電極Tr12gとの間の絶縁膜41には、コンタクトホール64が形成され、ソース電極Tr11sとゲート電極Tr12gとはコンタクトホール64を介して導通している。なお、絶縁膜41は、絶縁性材料、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜等から形成され、データラインLd、ゲート電極Tr11g及びゲート電極Tr12gを覆うように発光画素基板31上に形成される。
【0043】
次に、有機EL素子30は、図8に示すように、画素電極42と、正孔注入層43と、インターレイヤ44と、発光層45と、対向電極46と、を備える。正孔注入層43と、インターレイヤ44と、発光層45とが、電子や正孔がキャリアとなって輸送されるキャリア輸送層となる。キャリア輸送層は、列方向に配列された層間絶縁膜47、隔壁48の間に配置されている。
【0044】
各発光画素の発光画素基板31上には、ゲート導電層をパターニングしてなる選択トランジスタTr11、発光駆動トランジスタTr12のゲート電極Tr11g、Tr12gが形成されている。各発光画素に隣接した発光画素基板31上には、ゲート導電層をパターニングしてなり、列方向に沿って延びるデータラインLdが形成されている。
【0045】
画素電極(アノード電極)42は、透光性を備える導電材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)、ZnO等から構成される。各画素電極42は隣接する他の発光画素30の画素電極42と層間絶縁膜47によって絶縁されている。
【0046】
層間絶縁膜47は、絶縁性材料、例えばシリコン窒化膜から形成され、画素電極42間に形成され、トランジスタTr11、Tr12や走査ラインLs、アノードラインLaを絶縁保護する。層間絶縁膜47には略方形の開口部47aが形成されており、この開口部47aによって発光画素30の発光領域が画される。更に層間絶縁膜47上の隔壁48には列方向(図7の上下方向)に延びる溝状の開口部48aが複数の発光画素30にわたって形成されている。
【0047】
隔壁48は、絶縁材料、例えばポリイミド等の感光性樹脂を硬化してなり、層間絶縁膜47上に形成される。隔壁48は、図7に示すように列方向に沿った複数の発光画素の画素電極42をまとめて開口するようにストライプ状に形成されている。なお、隔壁48の平面形状は、これに限られず各画素電極42毎に開口部をもった格子状であってもよい。
【0048】
正孔注入層43は、画素電極42上に形成され、発光層45に正孔を供給する機能を有する。正孔注入層43は正孔(ホール)注入・輸送が可能な有機高分子系の材料から構成される。また、有機高分子系のホール注入・輸送材料を含む有機化合物含有液としては、例えば導電性ポリマーであるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とドーパントであるポリスチレンスルホン酸(PSS)を水系溶媒に分散させた分散液であるPEDOT/PSS水溶液を用いる。
【0049】
インターレイヤ44は正孔注入層43上に形成される。インターレイヤ44は、正孔注入層43の正孔注入性を抑制して発光層45内において電子と正孔とを再結合させやすくする機能を有し、発光層45の発光効率を高めるために設けられている。
【0050】
発光層45は、インターレイヤ44上に形成されている。発光層45は、アノード電極42とカソード電極46との間に電圧を印加することにより光を発生する機能を有する。発光層45は、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の高分子発光材料、例えばポリパラフェニレンビニレン系やポリフルオレン系等の共役二重結合ポリマーを含む発光材料から構成される。また、これらの発光材料は、適宜水系溶媒あるいはテトラリン、テトラメチルベンゼン、メシチレン、キシレン等の有機溶媒に溶解(又は分散)した溶液(分散液)をノズルコート法やインクジェット法等により塗布し、溶媒を揮発させることによって形成する。
【0051】
また、対向電極(カソード電極)46は、ボトムエミッション型の場合、発光層45側に設けられ、導電材料、例えばLi、Mg、Ca、Ba等の仕事関数の低い材料からなる電子注入性の下層と、Al等の光反射性導電金属からなる上層を有する積層構造である。なお、有機EL素子30がトップエミッション型の場合、対向電極46は、発光層45側に設けられ、10nm程度の膜厚の極薄い例えばLi、Mg、Ca、Ba等の仕事関数の低い材料からなる光透過性低仕事関数層と、100nm〜200nm程度の膜厚のITO等の光反射性導電層を有する透明積層構造である。本実施形態では、対向電極46は複数の発光画素30に跨って形成される単一の電極層から構成され、例えば接地電位である共通電圧Vssが印加されている。
【0052】
次に、本実施形態の薄膜トランジスタ100と、この薄膜トランジスタを用いたトランジスタ基板10の製造方法を図9A〜図9Hを用いて説明する。ここでは、選択トランジスタTr11は発光駆動トランジスタTr12と同一工程によって形成されるので、選択トランジスタTr11の形成の説明を一部省略する。
【0053】
まず、ガラス基板等からなる発光画素基板31(図1に示す基板11に相当)を用意する。次に、この発光画素基板31上に、スパッタ法、真空蒸着法等により例えば、Mo膜、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlNdTi合金膜、MoNb合金膜等からなるゲート導電膜を形成し、これを図9Aに示すように発光駆動トランジスタTr12のゲート電極112(Tr12g)の形状にパターニングする。この際、図示はしていないが、選択トランジスタTr11のゲート電極Tr11g、及びデータラインLdも形成する。続いて、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等によりゲート電極Tr12g及びデータラインLd上に絶縁膜41を形成する。
【0054】
次に、絶縁膜41(図1に示すゲート絶縁膜113に相当)上に、CVD法等により微結晶シリコン層81を形成する。この際、微結晶シリコン層は、成膜時に多結晶化する、いわゆるas depo μc−Siでも良いし、アモルファスシリコンを成膜した後にアニール処理を施して多結晶化させ、形成してもよい。なお、図3に示すように微結晶シリコン層114aとアモルファスシリコン層114bとの2層構造とする場合は、界面に不要な準位を形成しないよう、微結晶シリコンは、as depo μc−Siとし、アモルファスシリコンは、微結晶シリコンと同一の装置を用いて連続成膜することが好ましい。
【0055】
次に、微結晶シリコン層81上に、CVD法等により、図9Bに示すように窒化シリコン層82を形成する。続いて、窒化シリコン層82上に、レジスト83を成膜した上で、ストッパ膜の形状に対応するパターン84aを有するマスク84を介して、レジスト83を露光し、レジスト83を現像すると、図9Cに示すようにストッパ膜の形状に対応するレジスト83aが残存する。このレジスト83aを介し、ドライエッチングまたはウェットエッチングで窒化シリコン層82を加工した後、レジストを剥離することで、図9Dに示すように、ストッパ膜115が形成される。
【0056】
ついで、図9Eに示すように、n型不純物が含まれたアモルファスシリコン層85を堆積後、フォトリソグラフィ等によって下層の微結晶シリコン層81とともにアモルファスシリコン層85をエッチングしてドレイン領域、ソース領域、及び半導体層を形成する。
【0057】
なお、ここまでの工程は、従来の製造方法と比べてストッパ膜115のフォトマスクのパターンを変更しただけであり、マスクの枚数は増えないので、生産性には影響を与えない。
【0058】
次に、スパッタ法、真空蒸着法等により絶縁膜41上に、ITO等の透明導電膜、或いは光反射性導電膜及びITO等の透明導電膜を被膜後、フォトリソグラフィによってパターニングして画素電極42を形成する。
【0059】
続いて、絶縁膜41に貫通孔であるコンタクトホール61〜64を形成してから、例えば、Mo膜、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlNdTi合金膜、MoNb合金膜等からなるソース−ドレイン導電膜をスパッタ法、真空蒸着法等により被膜して、フォトリソグラフィによってパターニングして図9Fに示すようにドレイン電極Tr12d及びソース電極Tr12sを形成する。これと同時に、アノードラインLaを形成する。このとき、発光駆動トランジスタTr12のソース電極Tr12sはそれぞれ画素電極42の一部と重なるように形成される。
【0060】
続いて、図9Gに示すように発光駆動トランジスタTr12等を覆うようにシリコン窒化膜からなる層間絶縁膜47をCVD法等により形成後、フォトリソグラフィにより、開口部47aを形成する。次に、感光性ポリイミドを層間絶縁膜47を覆うように塗布し、隔壁48の形状に対応するマスクを介して露光、現像することによってパターニングし、図9Gに示すように開口部48aを有する隔壁48を形成する。
【0061】
続いて、正孔注入材料を含む有機化合物含有液を、連続して流すノズルプリンティング装置あるいは個々に独立した複数の液滴として吐出するインクジェット装置によって開口部47aで囲まれた画素電極42上に選択的に塗布する。続いて、発光画素基板31を大気雰囲気下で加熱し有機化合物含有液の溶媒を揮発させて、正孔注入層43を形成する。有機化合物含有液は加熱雰囲気で塗布されてもよい。
【0062】
続いて、ノズルプリンティング装置またはインクジェット装置を用いてインターレイヤ44となる材料を含有する有機化合物含有液を正孔注入層43上に塗布する。窒素雰囲気中の加熱乾燥、或いは真空中での加熱乾燥を行い、残留溶媒の除去を行ってインターレイヤ44を形成する。有機化合物含有液は加熱雰囲気で塗布されてもよい。
【0063】
次に、発光ポリマー材料(R,G,B)を含有する有機化合物含有液を、同様にノズルプリンティング装置またはインクジェット装置により塗布して窒素雰囲気中で加熱して残留溶媒の除去を行い、発光層45を形成する。有機化合物含有液は加熱雰囲気で塗布されてもよい。
【0064】
続いて、図9Hに示すように、発光層45まで形成した発光画素基板31に真空蒸着やスパッタリングで、Li,Mg,Ca,Ba等の仕事関数の低い材料からなる層と、Al等の光反射性導電層からなる2層構造の対向電極46を形成する。
【0065】
次に、複数の発光画素30が形成された発光領域の外側において、発光画素基板31上に紫外線硬化樹脂、又は熱硬化樹脂からなる封止樹脂を塗布し、図示しない封止基板と発光画素基板31と貼り合わせる。次に紫外線もしくは熱によって封止樹脂を硬化させて、発光画素基板31と封止基板とを接合する。
以上から、トランジスタ基板10が製造される。
【0066】
このように本実施形態の薄膜トランジスタの製造方法では、微結晶シリコンからなる半導体層114上に設けられるストッパ膜115のドレイン領域116及び/又はソース領域117側の端を、ゲート電極112と比較し、薄膜トランジスタ100のチャネル長方向に外側に位置するように形成することにより、ドレイン領域116の端及び/又はソース領域117の端での電界集中を緩和することができ、リーク電流を低減させることができる。
【0067】
なお、上述した実施形態では、ストッパ膜115を形成する際、ストッパ膜上にレジストを塗布し、基板11上面からマスクを介して露光・現像することにより、ストッパ膜115に対応する形状にレジストを形成する構成を例に挙げて説明したが、これに限られず、レジスト83の露光にマスク84を用いなくともよい。
【0068】
例えば、図10Aに示すようにゲート電極112を形成した上で、上述した実施形態と同様にCVD法等により、図10Bに示すように、微結晶シリコン層81、窒化シリコン層82を形成する。次に、窒化シリコン層82上にレジスト83を塗布する。
【0069】
続いて、図10Bに示すように、基板11の下面から紫外線光を照射し、レジスト83の露光を行う。この場合、ゲート電極112は透光性を有しないため、ゲート電極112に対応する領域には光が当たらない。従って、ゲート電極112の形状に対し、自己整合的にレジスト83が露光される。なお、レジスト83としては、光があたらない領域のみが残存することが必要であるため、ポジ型のレジストを用いる。次に、現像を行うと、図10Cに示すようにゲート電極112の形に対応するレジスト83aが残存する。
【0070】
次に、レジスト83aをポストベークする際、レジスト83aが所定程度溶解するよう、温度、時間等を調整する。ポストベークは、例えば160℃で20分程度行う。このポストベークによりレジストの粘度が低下し、図10Dに示すように周囲に拡がる。レジスト83aは、例えば2μm程度、周囲に拡がる。
【0071】
この周囲に拡がったレジスト83aを利用し、窒化シリコン層82をエッチングすることにより、図10Eに示すように、左右に殆ど位置ずれが生じること無くゲート電極112よりも幅広のストッパ膜115を得ることができる。なお、これ以降の工程は、上述した実施形態と同様である。
【0072】
上述した実施形態の製造方法では、フォトリソグラフィの精度が充分でないと、ゲート電極112とストッパ膜115との位置関係にずれが生じる。ゲート電極112とストッパ膜115との位置関係はTFT特性に影響を与える。これに対し、図10A〜図10Eに示す方法では、ゲート電極112がマスクとして機能するため、より精度よくゲート電極112の形状に対応するレジスト83aを形成することが可能となる。特に、本実施形態のようにゲート電極112の位置、幅を元に、ストッパ膜115を幅広く形成することが肝心である本願発明では、位置合わせが容易となるこの方法は有益である。また、ベーク処理は多数の基板を同時に処理することが可能なので生産性への影響は少ない。
【0073】
また、図4に示すように、ドレイン端のみをチャネル長方向に、ゲート電極端よりも外側に位置させる構成の場合は、図11Aに示すように斜め方向から紫外線光を照射するとよい。この場合、図11Bに示すように、ゲート電極112から所定の距離だけずれた位置にレジスト83aが形成される。次に、図11Cに示すように、ベーク処理を行い、レジスト83aの粘度を低下させ、周囲に拡がるようにする。この際、紫外線光を照射する角度、レジスト83aをベーク処理する時間、温度等は、ストッパ膜115を形成する位置等から設定する。
【0074】
本発明は、上述した実施形態に限られず、様々な変形、及び応用が可能である。
【0075】
例えば、上述した実施形態では、ソース電極Tr12sを画素電極42の一部を覆うように形成するため、一旦、半導体層114、ドレイン領域116、ソース領域117を形成した上で、ソース−ドレイン導電膜を形成し、ドレイン電極118、ソース電極119を形成する構成を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、図9Eに示す工程で、アモルファスシリコン層85上にソース−ドレイン導電膜を形成した上で、ソース−ドレイン導電膜、アモルファスシリコン層85、微結晶シリコン層81を一括してエッチングすることも可能である。
【0076】
また、上述した実施形態では、トランジスタ基板の発光画素はRGBの各色を有する構成を例に挙げて説明したが、これに限られず単色の発光画素から構成されてもよい。この場合、隔壁48を省略してもよい。
【0077】
上述した実施形態では、有機EL素子の駆動に用いる構成を例に挙げて説明したが、液晶表示装置等に用いてもよい。
【0078】
また、上述した各実施形態では、有機EL素子を発光させる点灯回路は2つのトランジスタを備える例を挙げて説明したが、これに限らず、3つ以上のトランジスタを備えるものであってもよい。
【0079】
また、上述した各実施形態では、基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜を形成し、ゲート絶縁膜上に半導体層を形成する例を挙げて説明したが、これに限らず、ゲート絶縁膜、ゲート電極が半導体層上部に形成されているものであってもよい。
【符号の説明】
【0080】
10・・・トランジスタ基板、11・・・基板、30・・・発光画素(有機EL素子)、31・・・発光画素基板(画素基板)、41・・・絶縁膜、42・・・画素電極、43・・・正孔注入層、44・・・インターレイヤ、45・・・発光層、46・・・対向電極(カソード電極)、47・・・層間絶縁膜、48・・・隔壁、100・・・薄膜トランジスタ(TFT)、112・・・ゲート電極、113・・・ゲート絶縁膜、114・・・半導体層、115・・・ストッパ膜、116・・・ドレイン領域、117・・・ソース領域、118・・・ドレイン電極、119・・・ソース電極、120・・・高抵抗領域、La・・・アノードライン、Ls・・・走査ライン、Ld・・・データライン、Tr11・・・選択トランジスタ、Tr12・・・発光駆動トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート電極と、
前記ゲート電極と対向して設けられ、微結晶シリコンから形成された半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層の間に設けられたゲート絶縁膜と、
前記半導体層と対向して設けられたドレイン電極と、
前記半導体層と対向して設けられたソース電極と、
前記半導体層と、前記ドレイン電極及び前記ソース電極と、の間に、それぞれ前記半導体層と接触するように設けられたドレイン領域及びソース領域と、を備え、
前記ドレイン領域と前記半導体層が接触する箇所及び前記ソース領域と前記半導体層が接触する箇所のうち少なくとも一方は、前記ゲート電極形成領域よりもチャネル長方向に外側に位置するように形成されていることを特徴とするトランジスタを有するトランジスタ基板。
【請求項2】
前記半導体層は、微結晶シリコンから形成された層と、該層上に設けられアモルファスシリコンから形成された層と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のトランジスタを有するトランジスタ基板。
【請求項3】
前記ドレイン領域と前記半導体層が接触する箇所及び前記ソース領域と前記半導体層が接触する箇所が前記ゲート電極形成領域よりもチャネル長方向に外側に位置するように形成されている第1のトランジスタと、前記ドレイン領域と前記半導体層が接触する箇所のみが前記ゲート電極形成領域よりもチャネル長方向に外側に位置するように形成されている第2のトランジスタと、前記第2のトランジスタのソース電極が接続された第1電極と前記第1電極と対向して設けられる第2電極との間に発光層を備えた発光画素と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトランジスタを有するトランジスタ基板。
【請求項4】
ゲート電極と、
前記ゲート電極と対向して設けられ、微結晶シリコンから形成された半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層の間に設けられたゲート絶縁膜と、
前記半導体層上に設けられたドレイン電極と、
前記半導体層上に設けられたソース電極と、
前記半導体層と、前記ドレイン電極及び前記ソース電極との間に、それぞれ設けられたドレイン領域及びソース領域と、を備えたトランジスタを有するトランジスタ基板の製造方法であって、
前記ドレイン領域と前記半導体層が接触する箇所及び前記ソース領域と前記半導体層が接触する箇所のうち少なくとも一方を、前記ゲート電極形成領域よりもチャネル長方向に外側に位置するように形成することを特徴とするトランジスタを有するトランジスタ基板の製造方法。
【請求項5】
前記半導体層上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程を備え、
前記絶縁膜形成工程は、
絶縁材料から形成された膜を形成する工程と、
前記膜上にレジストを塗布し、前記絶縁膜に対応するレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをベークするベーク工程と、
前記レジストパターンを介してエッチングを施す工程と、を備え、
前記レジストパターン形成工程では、前記ゲート電極をマスクとして、前記基板の他方の面側から前記レジストを露光し、
前記ベーク工程において前記レジストパターンが前記ゲート電極と比較し、周方向に外側に延伸するようにベークすることによって、前記絶縁膜の前記チャネル長方向の長さを前記ゲート電極の前記チャネル長方向の長さより長くなるように前記絶縁膜を形成することを特徴とする請求項4に記載のトランジスタを有するトランジスタ基板の製造方法。
【請求項6】
前記レジストパターン形成工程では、前記基板の他方の面側から斜め方向に前記レジストを露光することを特徴とする請求項5に記載のトランジスタを有するトランジスタ基板の製造方法。
【請求項7】
前記微結晶シリコンは、アモルファスシリコンを成膜した後、レーザーを照射することにより形成することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のトランジスタを有するトランジスタ基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−287628(P2010−287628A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138511(P2009−138511)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】