説明

ドグクラッチ装置及び動力伝達装置

【課題】バックラッシなどのガタがあっても一対の係合部材の位相を精度良く合わせることが可能なドグクラッチ装置を提供する。
【解決手段】外周面41aに歯列43が形成されるように複数の歯44が設けられるハブ41と、ハブ41と同軸かつ回転不能にケース70に設けられ、ハブ41の歯列43と噛み合う歯列45が設けられるプランジャ47とを備え、ハブ41の歯列43とプランジャ47の歯列45とが噛み合う係合状態及びハブ41の外周面41aがケース70の壁面71と対向するようにハブ41とプランジャ47とが離間する解放状態に切り替え可能なドグクラッチ装置40において、ハブ41の各歯44の先端には中央部が最も高くなるように形成された凸部44aがそれぞれ設けられ、解放状態においてハブ41の外周面41aが対向するケース70の壁面71には解放状態のハブ41の歯列43に測定点Pが設定される磁気抵抗素子センサ53が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれが歯列を有する一対の係合部材を備え、係合状態においてこれら一対の係合部材の歯列を互いに噛み合わせるドグクラッチ装置、及び動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
係合状態において一対の係合部材のそれぞれに設けられた歯列を互いに噛み合わせるドグクラッチが知られている。このドグクラッチでは、歯列(以下、ドグ歯と称することもある。)の噛み合いが解除されている解放状態から歯列を噛み合わせる係合状態に切り替える際、一方の係合部材の歯と歯の間に他方の係合部材の歯が入り込むように一対の係合部材の相対回転数をそれぞれ調整する必要がある。そこで、それぞれにドグ歯が設けられた一対の係合部材である一対の歯車を係合させる際に一方の歯車のドグ歯と他方の歯車のドグ歯とを噛み合い可能な状態にすべく、まず一方の歯車を最大トルクで駆動するフィードフォワード制御を行い、このフィードフォワード制御中にこの一方の歯車の回転状態がトルクの符号を反転させることなくその制御をフィードバック制御に切り替え可能な範囲内か否か判断し、回転状態が範囲内であると判断した場合に一方の歯車の制御をフィードバック制御に切り替えて一対の歯車を噛み合い可能な状態にする回転体制御装置が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2、3が存在する。
【0003】
【特許文献1】特開2005−278225号公報
【特許文献2】特開2006−38136号公報
【特許文献3】特開2004−345527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
周知のように回転体に形成されて互いに噛み合わされる歯列は、噛み合い時に相手の歯列との間に隙間いわゆるバックラッシが生じるように設けられる。特許文献1の装置では各歯車の回転状態をモータの回転軸に取り付けたエンコーダにて検出してこれらの歯車の位相を合わせているが、これらのエンコーダではバックラッシを考慮した各歯車の回転状態を検出することができないため、一対の歯車を噛み合い可能な状態にする際にこれらの歯車に位相のずれが生じるおそれがある。また、ドグクラッチは一対の係合部材の一方を固定して使用することがあり、この場合は他方の係合部材の回転数をゼロ、すなわち他方の係合部材の回転を停止させて一対の係合部材を係合させる。一対の係合部材の回転状態をエンコーダにて検出してこれらの係合部材の位相を合わせる装置では、このように一対の係合部材の回転を停止させて係合させる場合、バックラッシの影響によってエンコーダの検出値から演算された一対の係合部材の相対位置と実際の相対位置との間でずれが生じるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、バックラッシなどのガタがあっても一対の係合部材の位相を精度良く合わせることが可能なドグクラッチ装置及び動力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のドグクラッチ装置は、外周面に全周に亘って歯列が形成されるように複数の歯が設けられ、軸線回りに回転する第1係合部材と、前記第1係合部材と同軸かつ回転不能にケースに設けられ、前記第1係合部材の歯列と噛み合う歯列が形成されるように複数の歯が内周面に全周に亘って設けられる第2係合部材と、を備え、前記第1係合部材及び前記第2係合部材の少なくとも一方を軸線方向に移動させることにより前記第1係合部材の歯列と前記第2係合部材の歯列とが噛み合う係合状態及び前記第1係合部材の外周面が前記ケースの壁面と対向するように前記第1係合部材と前記第2係合部材とが離間する解放状態に切り替え可能なドグクラッチ装置において、前記第1係合部材に設けられる複数の歯の先端には、中央部が最も高くなるように形成された凸部がそれぞれ設けられ、前記解放状態において前記第1係合部材の外周面が対向する前記ケースの壁面には、前記解放状態の前記第1係合部材の外周面に形成された歯列に測定点が設定される距離検出手段が設けられていることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
【0007】
本発明のドグクラッチ装置によれば、距離検出手段にて歯列の歯の凹凸を検出することができるので、その時点において距離検出手段と対向する位置に歯列の歯があるのか歯と歯の間の部分があるのかを検出できる。また、第1係合部材の歯の先端に中央部が最も高い凸部をそれぞれ設けたので、距離検出手段にて検出された距離が最も小さいときにその凸部の中央部が距離検出手段と対向する位置にあると判断できる。このように距離検出手段によって第1係合部材の歯列の位置を特定できるので、バックラッシなどのガタがあっても第1係合部材と第2係合部材との位相を精度良く合わせることができる。
【0008】
本発明のドグクラッチ装置の一形態においては、前記距離検出手段は、前記測定点が前記軸線方向から見て第2係合部材に設けられたいずれかの歯とその歯の隣の歯との間の溝の中心線と重なる位置に設定されるように前記ケースの壁面に設けられていてもよい(請求項2)。このように距離検出手段を設けることにより、距離検出手段によって検出された距離が最も小さくなったときが第1係合部材と第2係合部材とが噛み合い可能な状態になっていると判断できる。
【0009】
本発明のドグクラッチ装置の一形態において、前記凸部は、歯の前記第1係合部材の周方向の両端から前記中央部に向かって漸次高くなるように形成されており、前記ドグクラッチ装置を前記解放状態から前記係合状態に切り替える所定の係合条件が成立した場合、まず前記第1係合部材の回転を停止させ、次に前記距離検出手段にて検出される距離の変化量が増加するまで前記第1係合部材を所定方向に所定角度ずつ回転させ、前記距離検出手段にて検出された距離の変化量が増加した後は前記第1係合部材を前記所定方向とは逆の方向に前記所定角度回転させ、その後前記ドグクラッチ装置を前記係合状態に切り替える係合制御手段をさらに備えていてもよい(請求項3)。このように第1係合部材の回転位置を制御することにより、距離検出手段によって凸部の中央部の位置を特定することができるので、第1係合部材の歯列の状態を精度良くより特定できる。そのため、第1係合部材と第2係合部材との位相をより精度良く合わせた後、ドグクラッチ装置を係合状態に切り替えることができる。
【0010】
この形態において、前記所定角度には、前記第1係合部材の歯列と前記第2係合部材の歯列とを噛み合わせたときに前記第1係合部材の歯と前記第2係合部材の歯との間に形成される隙間以下の角度が設定されてもよい(請求項4)。所定角度をこのように設定することにより、第1係合部材を無駄に回転させることなく第1係合部材と第2係合部材との位相を速やかに合わせることができる。また、第1係合部材の歯列と第2係合部材の歯列とが互いに干渉しないように位相を合わせることができる。
【0011】
本発明のドグクラッチ装置の一形態においては、前記ドグクラッチ装置を前記係合状態から前記解放状態に切り替える所定の解放条件が成立した場合、まず前記第1係合部材の歯と前記第2係合部材の歯との間に作用するトルクを低減させ、その後前記ドグクラッチ装置を前記解放状態に切り替える解放制御手段をさらに備えていてもよい(請求項5)。このようにドグクラッチ装置を係合状態から解放状態に切り替える際に第1係合部材の歯と第2係合部材の歯との間に作用するトルクを低減させることにより、ドグクラッチ装置を係合状態から解放状態に速やかに切り替えることができる。
【0012】
本発明の動力伝達装置は、入力軸に伝達された動力を遊星歯車機構を介して出力軸に出力する動力伝達装置において、上述したドグクラッチ装置を備え、前記第1係合部材が前記遊星歯車機構のサンギア、キャリア及びリングギアの3つの要素のうちのいずれか一つの要素と接続されていることにより、上述した課題を解決する(請求項6)。
【0013】
本発明の動力伝達装置によれば、上述したドグクラッチ装置を備えているので、バックラッシなどのガタがあっても第1係合部材と第2係合部材の位相を精度良く合わせることができる。また、第1係合部材が遊星歯車機構の3つの要素のいずれか一つの要素と接続されているので、ドグクラッチ装置の状態を係合状態及び解放状態に切り替えることにより接続されている要素の回転を禁止させたり許可したりすることができる。そのため、入力軸から出力軸に伝達される動力の変更幅を広げることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上に説明したように、本発明のドグクラッチ装置によれば、距離検出手段によって第1係合部材の歯列の位置を特定できるので、バックラッシなどのガタがあっても第1係合部材と第2係合部材の位相を精度良く合わせることができる。本発明の動力伝達装置は、このドグクラッチ装置を備えているので、同様の作用効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の一形態に係る動力伝達装置としてのトランスミッションのスケルトン図を示している。このトランスミッション10は車両に搭載され、内燃機関(以下、エンジンと称することがある。)100、第1モータジェネレータ(MG)200、及び第2モータジェネレータ(MG)300のそれぞれで発生した動力を車両の走行状態に応じて適切に駆動輪に伝達するものである。なお、第1MG200及び第2MG300は電動機及び発電機として機能させることが可能な周知のものである。第1MG200のステータ201は車体に固定され、ロータ202がトランスミッション10に接続される。また、第2MG300も同様にステータ301が車体に固定され、ロータ302がトランスミッション10に接続されている。トランスミッション10は、第1遊星歯車機構20と、第2遊星歯車機構30と、ドグクラッチ装置40と、第2MG300のロータ202とトランスミッション10の出力軸11とを接続する第2MG減速部60とを備えている。また、トランスミッション10は、第1遊星歯車機構20、第2遊星歯車機構30及びドグクラッチ装置40が内部に配置されるケース70を備えている。なお、図1において軸線Axより上半分はドグクラッチ装置40が解放状態の場合の図であり、下半分はドグクラッチ装置40が係合状態の場合の図である。
【0016】
第1遊星歯車機構20は、第1MG200のロータ202と一体回転するように設けられ、内部をエンジン100のクランク軸101が貫通する中空状のサンギア軸21と、サンギア軸21と一体回転するサンギア22と、サンギア22と噛み合いつつその周囲を公転する複数の遊星ギア(プラネタリギア)23、23と、遊星ギア23と噛み合うリングギア24と、遊星ギア23をサンギア軸21の軸線Axの回りに回転自在に支持し、エンジン100のクランク軸101と一体回転するキャリア25とを備えている。第2遊星歯車機構30は、ドグクラッチ装置40の第1係合部材としてのハブ41が一体回転するように設けられ、内部をクランク軸101と同軸に設けられる出力軸11が貫通する中空状のサンギア軸31と、サンギア軸31と一体回転するサンギア32と、サンギア32と噛み合いつつその周囲を公転する複数の第1遊星ギア33、33と、第1遊星ギア33、33と噛み合う第2遊星ギア34、34と、第2遊星ギア34と噛み合うリングギア35と、第1遊星ギア33及び第2遊星ギア34をサンギア軸32の軸線Axの回りに回転自在に支持し、第1遊星歯車機構20のリングギア24と一体回転可能に設けられるキャリア36とを備えている。すなわち、第2遊星歯車機構30は、サンギア32とリングギア35とが第1遊星ギア33及び第2遊星ギア34を介して接続されるダブルピニオンプラネタリギアである。図1に示したように第1遊星歯車機構20の遊星ギア23は、第2遊星歯車機構30のリングギア35とこのリングギア35が回転するとその回転と連動してサンギア22の公転するように連結部材37で連結されている。なお、これらの遊星歯車機構20、30は周知のトランスミッションに設けられるものと同じでよいため、詳細な説明は省略する。なお、このトランスミッション10においては、クランク軸101及びサンギア軸21から動力が入力されるので、これらが本発明の入力軸に相当する。
【0017】
ドグクラッチ装置40は、ハブ41と、ケース70に固定される固定部42とを備えている。図2及び図3は、ドグクラッチ装置40の一部を拡大して示す図である。なお、図3は、図2のドグクラッチ装置40を図2の矢印III方向から見た図である。図3に示したようにハブ41にはその外周面41aに歯列43が形成されるように複数の歯44が全周に亘って設けられている。各歯44の先端には、中央部が最も高くなるように形成された凸部44aがそれぞれ設けられている。図3に示したように凸部44aは、歯44の周方向の両端から中央部に向かって漸次高くなるように、すなわち尖鋭形状になるように形成されている。
【0018】
固定部42は、ハブ41と同軸に配置され、内周面47aに歯列45が形成されるように複数の歯46が形成される第2係合部材としてのプランジャ47と、プランジャ47を軸線Ax方向、すなわち図2の左右方向に往復動自在かつ軸線Ax回りに回転不能に支持するサポートメンバ48と、を備えている。サポートメンバ48は、プランジャ47の歯列45がハブ41の歯列43と噛み合う係合位置、すなわち図1の下半分の図に示した位置とハブ41の外周面41aがケース70の壁面71と対向するようにハブ41とプランジャ47とが離間する解放位置、すなわち図1の上半分の図に示した位置との間でプランジャ47を移動させることが可能なようにプランジャ47を支持している。また、固定部42は、ケース70に固定されるヨーク49、50と、これらヨーク49、50にて支持される電磁コイル部51と、ヨーク49とプランジャ47との間に設けられ、プランジャ47を図2の左方向に付勢するリターンスプリング52とを備えている。
【0019】
このドグクラッチ装置40においては、電磁コイル部51への通電を実行して電磁コイル部51にて電磁力を発生させると、図1の下半分に示したようにプランジャ47を係合位置に移動させることができる。この際、図3に示したようにハブ41の歯列43とプランジャ47の歯列45とが噛み合うとドグクラッチ装置40が係合状態に切り替わる。一方、電磁コイル部51への通電を停止させると図1の上半分に示したようにリターンスプリング52によってプランジャ47が解放位置に戻される。そのため、ドグクラッチ装置40が解放状態に切り替わる。このようにドグクラッチ装置40の状態に切り替えは、電磁コイル部51の動作を制御することにて行われる。
【0020】
さらにドグクラッチ装置40は、ケース70の壁面71に設けられる距離検出手段としての磁気抵抗素子センサ(以下、MREセンサと称することがある。)53を備えている。MREセンサ53は、測定対象との距離に応じたセンサ周囲の磁場の変化に基づいて測定対象との距離を検出する周知のセンサでよいため、詳細な説明は省略する。図1及び図2に示したようにMREセンサ53は、解放状態におけるドグクラッチ装置40のハブ41の歯列43に測定点Pが設定されるようにケース70の壁面71に設けられる。また、図3に示したようにMREセンサ53は、測定点Pが図2の左右方向、すなわち軸線Ax方向から見た場合にプランジャ47の歯46と歯46の間の溝46aの中心線と重なるようにケース70の壁面71に設けられる。
【0021】
図4は、解放状態のドグクラッチ装置40においてハブ41が回転しているときにMREセンサ53から出力される信号の時間変化の一例を示している。上述したようにハブ41の各歯44には凸部44aが設けられているため、図5に示したようにその凸部44aの中央部が測定点Pを通過したときにMREセンサ53と測定点Pとの距離が最も小さくなる。MREセンサ53からは検出した距離に応じた信号が出力されており、距離が小さくなるほど出力信号も小さくなる。そのため、図4の時刻T1、T2、T3において凸部44aの中央部が測定点Pにあると判断できる。
【0022】
電磁コイル部51の動作は、モータジェネレータコントロールユニット(MGCU)80にて制御される。MGCU80は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータとして構成され、例えば要求される駆動力及び第1MG200、第2MG300に接続されたバッテリ(不図示)の充電状態などに基づいて第1MG200及び第2MG300が電動機又は発電機として機能するようにその動作を切り替える周知のコンピュータユニットである。これらの制御は、アクセル開度に対応する信号を出力するアクセル開度センサ81などMGCU80に接続される各種センサの出力信号を参照して行われる。また、MGCU80には、MREセンサ53が接続される。これらの他にも種々のセンサがMGCU80には接続されるが、それらの図示は省略した。
【0023】
エンジン100の制御は、エンジンコントロールユニット(ECU)90にて制御される。ECU90は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータとして構成され、各種センサの出力信号に基づいてエンジン100の運転状態を制御する周知のコンピュータユニットである。ECU90に接続されるセンサとしては、例えばクランク軸101の回転速度(回転数)に対応する信号を出力するクランク角センサ91、車両の速度に対応する信号を出力する車速センサ92等がある。その他にもECU90には各種センサが接続されるが、それらの図示は省略した。そして、図1に示したようにMGCU80とECU90とは、互いに情報を共有可能なように接続されている。
【0024】
MGCU80は、運転者から車両に要求された出力及び車両の走行状態等に応じてドグクラッチ装置40を係合状態及び解放状態のいずれの状態にて動作させるべきか判定し、状態の切り替えが必要な場合は動作させるべき状態に切り替わるように電磁コイル部51の動作を制御する。例えば、MGCU80は、ドグクラッチ装置40を解放状態から係合状態に切り替える所定の係合条件が成立した場合、まず第1MG200の回転数を制御してハブ41の各歯44とプランジャ47の各溝46aとの位相を合わせる制御を行う。なお以降、このように位相を合わせることを単にハブ41とプランジャ47の位相を合わせると称することがある。この制御においてMGCU80は、まずハブ41の回転が停止するように第1MG200の回転数を制御する。図6はドグクラッチ装置40が解放状態のときのトランスミッション10の共線図の一例を示している。図6の縦軸は回転数を示している。また、図6の符号S、C、Rは、それぞれ第1遊星歯車機構20のサンギア22、キャリア25、リングギア24を示し、符号S’、C’、R’は、それぞれ第2遊星歯車機構30のサンギア32、キャリア36、リングギア35を示している。MGCU80は、図6に一例を示したように第1MG200をエンジン100、第2MG300の回転とは逆方向に回転させてハブ41の回転を停止させる。以下、この制御を回転停止制御と称することがある。
【0025】
次にMGCU80は、ハブ41が所定方向、例えば図3において右回りに所定角度α分回転するように第1MG200の回転数を制御する。以降、この制御を進角制御と称することがある。所定角度αとしては、ハブ41の歯44とプランジャ47の歯46とを噛み合わせたときにハブ41の歯44とプランジャ47の歯46との間に形成される隙間の角度が設定される。すなわち、図3において隙間α1と隙間α2とを合計した角度が所定角度αに設定される。所定角度αをこのように設定することにより、ハブ41を無駄に回転させることなくハブ41とプランジャ47との位相を合わせることができる。また、ハブ41の歯列43とプランジャ47の歯列45とが互いに干渉しないように位相を会わせることができる。なお、所定角度αはこの角度に限定されず、ハブ41の歯44とプランジャ47の歯46との間に形成される隙間未満の適宜の角度を設定することができる。この場合も、同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
その後、MGCU80は、この進角制御の実行後にMREセンサ53が取得した距離と回転停止制御の実行後かつ進角制御の実行前にMREセンサ53が取得した距離とを比較する。そして、進角制御の実行後に取得した距離が進角制御の実行前に取得した距離以下の場合、MGCU80は再度進角制御を実行する。以降、MGCU80は、進角制御の実行前にMREセンサ53が取得した距離と進角制御の実行後にMREセンサ53が取得した距離とを比較し、実行前に取得した距離よりも実行後に取得した距離の方が大きくなるまで、言い換えるとMREセンサ53が取得した距離の変化量が増加するまで、進角制御を繰り返し実行する。図4に示したように凸部44aの中央部が測定点PにあるときにMREセンサ53にて取得される距離が最小になるため、前回取得した距離よりも今回取得した距離の方が大きくなった場合は、歯44の凸部44aの中央部が測定点Pを通過したと判断することができる。そこで、MGCU80は、MREセンサ53が取得した距離の変化量が増加したと判断した場合、ハブ41が所定方向とは逆の逆方向、例えば図3の左回りに所定角度α分回転するように第1MG200の回転数を制御する。なお、この所定角度αは、進角制御の所定角度αと同じ値が設定される。以下、この制御を遅角制御と称することがある。このようにハブ41を所定角度α分逆方向に回転させることにより、測定点Pの位置に凸部44aの中央部を合わせることができる。そして、上述したように測定点Pは軸線Ax方向から見た場合にプランジャ47の溝46aの中心線と重なるように設定されているため、このように測定点Pに凸部44aの中央部を合わせることにより、ハブ41の各歯44とプランジャ47の各溝46aとの位相を精度良く合わせることができる。
【0027】
一方、回転停止制御の実行後かつ進角制御の実行前にMREセンサ53が取得した距離よりもこの最初の進角制御の実行後にMREセンサ53が取得した距離の方が大きかった場合、MGCU80は遅角制御を実行する。以降、MGCU80は、遅角制御の実行前にMREセンサ53が取得した距離と遅角制御の実行後にMREセンサ53が取得した距離とを比較し、実行前に取得した距離よりも実行後に取得した距離の方が大きくなるまで、すなわちMREセンサ53が取得した距離の変化量が増加するまで、遅角制御を繰り返し実行する。その後、MGCU80は、MREセンサ53が取得した距離の変化量が増加したと判断した場合、進角制御を実行する。最初の進角制御の実行前にMREセンサ53が取得した距離よりも最初の進角制御の実行後にMREセンサ53が取得した距離の方が大きかった場合、測定点Pが歯44の凸部44aのうち中央部よりも図3の左側の部分に位置していると考えられる。そのため、このような場合は遅角制御を繰り返し実行し、MREセンサ53が取得した距離の変化量が増加したと判断した場合に進角制御を実行することにより、測定点Pの位置に凸部44aの中央部を合わせることができる。従って、このように制御することにより、ハブ41の各歯44とプランジャ47の各溝46aとの位相を精度良く合わせることができる。
【0028】
ハブ41の各歯44とプランジャ47の各溝46aとの位相を合わせた後、MGCU80は、電磁コイル部51への通電を実行してハブ41の歯44とプランジャ47の歯46とを噛み合わせ、これによりドグクラッチ装置40を係合状態に切り替える。
【0029】
また、MGCU80は、ドグクラッチ装置40を係合状態から解放状態に切り替える所定の解放条件が成立した場合、まずハブ41の歯44とプランジャ47の歯46との間に作用するトルクが略ゼロに調整されるように第1MG200の回転数を制御する。このようにトルクを制御するためには、図6に示したようにハブ41の回転数が略ゼロになるように第1MG200の回転数を制御すればよい。そのため、MGCU80は、回転停止制御を実行する。その後、電磁コイル部51への通電を停止してハブ41とプランジャ47とを離間させ、これによりドグクラッチ装置40を解放状態に切り替える。
【0030】
図7及び図8は、このようにドグクラッチ装置40の状態に切り替えるためにMGCU80がその動作中に所定の周期で繰り返し実行するドグクラッチ制御ルーチンを示している。
【0031】
図7の制御ルーチンにおいてMGCU80は、まずステップS11でエンジン100の運転状態及び車両の走行状態を取得する。エンジン100の運転状態としてはクランク軸101の回転数、アクセル開度などが取得される。車両の走行状態としては、例えば車速が取得される。次のステップS12においてMGCU80は、ドグクラッチ装置40を解放状態から係合状態に切り替える所定の係合条件が成立したか否か判断する。所定の係合条件は、例えば運転者によってアクセルが開けられてトランスミッション10の状態をエンジン100の回転数が出力軸11の回転数より小さくなる、いわゆるオーバードライブ状態に切り替える必要がある場合に成立したと判断される。
【0032】
所定の係合条件が成立したと判断した場合はステップS13に進み、MGCU80はハブ41の回転状態を示す状態フラグFの値がハブ41とプランジャ47の位相合わせが終了していることを示す3か否か判断する。なお、この状態フラグFの値は、MGCU80の起動時、例えば運転者によってイグニッションスイッチがオンに切り替えられたときにリセットされる。このリセット時は状態フラグFに0が代入される。状態フラグFの値が3ではないと判断した場合はステップS14に進み、MGCU80は状態フラグFの値がハブ41の進角制御又は遅角制御を行ってハブ41とプランジャ47の位相を合わせていることを示す2か否か判断する。状態フラグFの値が2ではないと判断した場合はステップS15に進み、MGCU80は状態フラグFの値がハブ41の回転停止制御を行っていることを示す1か否か判断する。状態フラグFの値が1ではないと判断した場合はステップS16に進み、MGCU80はハブ41に対して回転停止制御を実行する。続くステップS17においてMGCU80は、まずMREセンサ53の検出値VMREを取得し、その後取得した検出値VMREの値を今回の制御ルーチンにて取得した距離(以下、今回検出距離と称することがある。)VM(i)に代入する。次のステップS18においてMGCU80は状態フラグFに1を代入する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。なお、今回検出距離VM(i)及び状態フラグFの各値はMGCU80のRAMに記憶され、今回の制御ルーチンが終了しても今回代入された値が保持される。
【0033】
ステップS15において状態フラグFの値が1であると判断した場合はステップS19に進み、MGCU80はハブ41の進角制御を実行する。続くステップS20においてMGCU80は、まずMREセンサ53の検出値VMREを取得し、次に今回検出距離VM(i)の値を前回の制御ルーチンにて取得した距離(以下、前回検出距離と称することがある。)VM(i−1)に代入し、その後検出値VMREの値を今回検出距離VM(i)に代入する。なお、前回検出距離VM(i−1)の値も今回検出距離VM(i)の値と同様にMGCU80のRAMに記憶され、今回の制御ルーチンが終了しても今回代入された値が保持される。続くステップS21においてMGCU80は状態フラグFに2を代入する。
【0034】
次のステップS22においてMGCU80は、今回検出距離VM(i)の値が前回検出距離VM(i−1)の値以下か否か判断する。今回検出距離VM(i)の値が前回検出距離VM(i−1)の値以下と判断した場合はステップS23に進み、MGCU80は方向フラグFDに以降も進角制御を繰り返し実行することを示す1を代入する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。なお、この方向フラグFDの値はMGCU80のRAMに記憶され、今回の制御ルーチンが終了しても今回代入された値が保持される。また、この方向フラグFDの値も状態フラグFと同様に、MGCU80の起動時、例えば運転者によってイグニッションスイッチがオンに切り替えられたときにリセットされる。このリセット時は方向フラグFDに0が代入される。
【0035】
一方、今回検出距離VM(i)の値が前回検出距離VM(i−1)の値より大きいと判断した場合はステップS24に進み、MGCU80は方向フラグFDに以降は遅角制御を繰り返し実行することを示す2を代入する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
【0036】
ステップS14において状態フラグFの値が2であると判断した場合は図8のステップS25に進み、MGCU80は方向フラグFDの値が1か否か判断する。方向フラグFDの値が1であると判断した場合はステップS26に進み、MGCU80はハブ41の進角制御を実行する。続くステップS27においてMGCU80は、まずMREセンサ53の検出値VMREを取得し、次に今回検出距離VM(i)の値を前回検出距離VM(i−1)に代入し、その後検出値VMREの値を今回検出距離VM(i)に代入する。次のステップS28においてMGCU80は、今回検出距離VM(i)の値が前回検出距離VM(i−1)の値以下か否か判断する。今回検出距離VM(i)の値が前回検出距離VM(i−1)の値以下と判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。一方、今回検出距離VM(i)の値が前回検出距離VM(i−1)の値より大きいと判断した場合はステップS29に進み、MGCU80はハブ41の遅角制御を実行する。次のステップS30においてMGCU80は、状態フラグFに3を代入する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
【0037】
一方、図8のステップS25において方向フラグFDの値が1以外であると判断した場合はステップS31に進み、MGCU80はハブ41の遅角制御を実行する。続くステップS32においてMGCU80は、まずMREセンサ53の検出値VMREを取得し、次に今回検出距離VM(i)の値を前回検出距離VM(i−1)に代入し、その後検出値VMREの値を今回検出距離VM(i)に代入する。次のステップS33においてMGCU80は、今回検出距離VM(i)の値が前回検出距離VM(i−1)の値以下か否か判断する。今回検出距離VM(i)の値が前回検出距離VM(i−1)の値以下と判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。一方、今回検出距離VM(i)の値が前回検出距離VM(i−1)の値より大きいと判断した場合はステップS34に進み、MGCU80はハブ41の進角制御を実行する。次のステップS35においてMGCU80は、状態フラグFに3を代入する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
【0038】
図7のステップS13で状態フラグFの値が3であると判断した場合は図8のステップS36に進み、MGCU80は電磁コイル部51への通電を実行してプランジャ47を係合位置に移動させ、ドグクラッチ装置40を係合状態に切り替える。なお、すでに電磁コイル部51への通電が実行されてドグクラッチ装置40が係合状態に切り替えられていた場合は、その状態を継続させる。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
【0039】
図7のステップS12で状態フラグFの値が1であると判断した場合は図8のステップS37に進み、MGCU80はドグクラッチ装置40を係合状態から解放状態に切り替える所定の解放条件が成立しているか否か判断する。所定の解放条件は、例えば運転者から車両に要求されたトルクの値がトランスミッション10をオーバードライブ状態に維持した状態で出力させることが可能なトルクの最大値より大きい場合に成立したと判断される。所定の解放条件が不成立と判断した場合は今回の制御ルーチンを終了する。一方、所定の解放条件が成立したと判断した場合はステップS38に進み、MGCU80はハブ41の回転停止制御を実行する。この回転停止制御により、ハブ41の歯44とプランジャ47の歯46との間に作用するトルクを略ゼロに調整できる。続くステップS39においてMGCU80は、電磁コイル部51への通電を停止させ、リターンスプリング50にてプランジャ47を解放位置に移動させる。これにより、ドグクラッチ装置40が解放状態に切り替わる。次のステップS40においてMGCU80は状態フラグFに0を代入するとともに方向フラグFDに0を代入する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
【0040】
以上に説明したように、本発明のドグクラッチ装置40では、MREセンサ53によってハブ41の歯列43の位置を特定でき、ドグクラッチ装置40を解放状態から係合状態に切り替える際はMREセンサ53の測定点Pにハブ41のいずれかの歯44の凸部44aの中央部が位置するようにハブ41の回転位置を制御するので、バックラッシなどのガタがあってもハブ41の歯44とプランジャ47の溝46aとの位相を精度良く合わせることができる。
【0041】
また、ドグクラッチ装置40を係合状態から解放状態に切り替える場合はハブ41の歯44とプランジャ47の歯46との間に作用するトルクを略ゼロに調整してからプランジャ47を解放位置に切り替えるので、ドグクラッチ装置40を速やかに解放状態に切り替えることができる。
【0042】
なお、図7及び図8の制御ルーチンにおいてステップS12〜S36の処理を実行することにより、MGCU80が本発明の係合制御手段として機能する。また、ステップS37〜S40の処理を実行することにより、MGCU80が本発明の解放制御手段として機能する。
【0043】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、ケースの壁面に設けられてハブとの距離を測定するセンサはMREセンサに限定されない。ハブに接触することなくハブとの距離を測定できる非接触式の種々のセンサを使用してよい。このようなセンサとしては、例えば測定対象に向けてレーザを照射して測定対象との距離を測定するレーザ距離センサを使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一形態に係る動力伝達装置としてのトランスミッションのスケルトン図。
【図2】ドグクラッチ装置の一部を拡大して示す図。
【図3】ドグクラッチ装置を図2の矢印III方向から見た図。
【図4】解放状態のドグクラッチ装置においてハブが回転しているときにMREセンサから出力される信号の時間変化の一例を示す図。
【図5】解放状態のドグクラッチ装置におけるハブとMREセンサとの位置関係を示す図。
【図6】ドグクラッチ装置が解放状態のときのトランスミッションの共線図の一例を示す図。
【図7】MGCUが実行するドグクラッチ制御ルーチンを示すフローチャート。
【図8】ドグクラッチ制御ルーチンの一部を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0045】
10 トランスミッション(動力伝達装置)
11 出力軸
20 第1遊星歯車機構
21 サンギア軸(入力軸)
30 第2遊星歯車機構
32 サンギア
35 リングギア
36 キャリア
40 ドグクラッチ装置
41 ハブ(第1係合部材)
41a 外周面
43 歯列
44 歯
44a 凸部
45 歯列
46 歯
46a 溝
47 プランジャ(第2係合部材)
47a 内周部
53 磁気抵抗素子センサ(距離検出手段)
70 ケース
71 壁面
80 モータジェネレータコントロールユニット(係合制御手段、解放制御手段)
101 クランク軸(入力軸)
P 測定点
Ax 軸線
α 所定角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に全周に亘って歯列が形成されるように複数の歯が設けられ、軸線回りに回転する第1係合部材と、前記第1係合部材と同軸かつ回転不能にケースに設けられ、前記第1係合部材の歯列と噛み合う歯列が形成されるように複数の歯が内周面に全周に亘って設けられる第2係合部材と、を備え、前記第1係合部材及び前記第2係合部材の少なくとも一方を軸線方向に移動させることにより前記第1係合部材の歯列と前記第2係合部材の歯列とが噛み合う係合状態及び前記第1係合部材の外周面が前記ケースの壁面と対向するように前記第1係合部材と前記第2係合部材とが離間する解放状態に切り替え可能なドグクラッチ装置において、
前記第1係合部材に設けられる複数の歯の先端には、中央部が最も高くなるように形成された凸部がそれぞれ設けられ、
前記解放状態において前記第1係合部材の外周面が対向する前記ケースの壁面には、前記解放状態の前記第1係合部材の外周面に形成された歯列に測定点が設定される距離検出手段が設けられていることを特徴とするドグクラッチ装置。
【請求項2】
前記距離検出手段は、前記測定点が前記軸線方向から見て第2係合部材に設けられたいずれかの歯とその歯の隣の歯との間の溝の中心線と重なる位置に設定されるように前記ケースの壁面に設けられている請求項1に記載のドグクラッチ装置。
【請求項3】
前記凸部は、歯の前記第1係合部材の周方向の両端から前記中央部に向かって漸次高くなるように形成されており、
前記ドグクラッチ装置を前記解放状態から前記係合状態に切り替える所定の係合条件が成立した場合、まず前記第1係合部材の回転を停止させ、次に前記距離検出手段にて検出される距離の変化量が増加するまで前記第1係合部材を所定方向に所定角度ずつ回転させ、前記距離検出手段にて検出された距離の変化量が増加した後は前記第1係合部材を前記所定方向とは逆の方向に前記所定角度回転させ、その後前記ドグクラッチ装置を前記係合状態に切り替える係合制御手段をさらに備える請求項1又は2に記載のドグクラッチ装置。
【請求項4】
前記所定角度には、前記第1係合部材の歯列と前記第2係合部材の歯列とを噛み合わせたときに前記第1係合部材の歯と前記第2係合部材の歯との間に形成される隙間以下の角度が設定される請求項3に記載のドグクラッチ装置。
【請求項5】
前記ドグクラッチ装置を前記係合状態から前記解放状態に切り替える所定の解放条件が成立した場合、まず前記第1係合部材の歯と前記第2係合部材の歯との間に作用するトルクを低減させ、その後前記ドグクラッチ装置を前記解放状態に切り替える解放制御手段をさらに備える請求項1〜4のいずれか一項に記載のドグクラッチ装置。
【請求項6】
入力軸に伝達された動力を遊星歯車機構を介して出力軸に出力する動力伝達装置において、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のドグクラッチ装置を備え、
前記第1係合部材が前記遊星歯車機構のサンギア、キャリア及びリングギアの3つの要素のうちのいずれか一つの要素と接続されていることを特徴とする動力伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−133350(P2009−133350A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308068(P2007−308068)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】