説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置及びナビゲーション用プログラムを記録した記録媒体

【課題】GPSの利用が困難な地域において、目標地点まで移動するためのナビゲーションシステム、ナビゲーション装置及びナビゲーション用プログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】ナビゲーションシステムは、GPS受信機と測量機器3とコンパスデータ処理装置4とからなる。コンパスデータ処理装置4の表示部8には、地図情報Zが表示されるとともに、座標データが既知の任意の目標地点Gと開始地点Sとが設定される。そして、開始地点S又は当該開始地点Sを基に既知点となった所定地点と、現在地点との相対位置関係(距離データ及び方位角データ)を取得するといった、いわゆるコンパス測量の手法により、現在地点の座標データを算出し、これを基に目標地点Gまで移動するためのナビゲーション情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標地点まで移動するためのナビゲーションシステム、ナビゲーション装置及びナビゲーション用プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、目標地点まで移動するためのナビゲーションシステムとしては、複数の衛星から発信される電波を受信して所定地点における位置を検出可能なGPS(全地球測位システム)を利用したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
GPSを利用したナビゲーションシステムでは、例えば複数(4個以上)の衛星から発信される電波を所定地点において同時刻にGPS受信機で受信し、衛星とGPS受信機との距離を基にGPS受信機の位置を特定することにより所定地点における座標データを取得する。これを基に、使用者の移動とともに時々刻々変化する現在地点と目標地点との隔たりを地図上に表示しながら、使用者の目標地点への到達を補助する。
【0004】
近年、森林などの測量を行う測量分野においても、測量地点まで到達するために、このようなナビゲーションシステムが必要とされている。
【特許文献1】特開2004−28916号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、GPSを利用したナビゲーションシステムでは、自然条件や衛星状態などによって座標データを取得できない場合がある。特に、林間部では樹木が障害物となって衛星からの良好な電波受信が難しい。結果として、GPSを利用したナビゲーションシステムは、森林などのGPSを利用困難な地域では使用できない問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、GPSの利用が困難な地域において、目標地点まで移動するためのナビゲーションシステム、ナビゲーション装置及びナビゲーション用プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0008】
手段1.座標データが既知の所定の既知点を目標地点として設定する目標地点設定手段と、
所定の既知点を開始地点として設定する開始地点設定手段と、
前記開始地点又は当該開始地点を基に既知点となった所定地点から現在地点までの距離データと、前記開始地点又は前記所定地点に対する前記現在地点の水平角データとを少なくとも取得する相対位置取得手段と、
前記開始地点又は前記所定地点の座標データと、少なくとも前記距離データ及び水平角データとを基に、前記現在地点の座標データを算出する絶対位置取得手段と、
前記現在地点の座標データ及び前記目標地点の座標データを基に、前記現在地点から前記目標地点までのナビゲーション情報を求めるナビゲーション情報取得手段と、
少なくとも前記各種地点の座標データ及びナビゲーション情報を記憶可能なデータ記憶手段と、
少なくとも前記ナビゲーション情報を表示可能な表示手段とを備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【0009】
上記手段1によれば、既知点である開始地点又は当該開始地点を基に既知点となった所定地点と、現在地点との相対位置関係(距離データ及び水平角データ)を取得するといった、いわゆるコンパス測量等の手法により、現在地点の座標データを算出し、これを基に目標地点まで移動するためのナビゲーション情報を取得することができる。その結果、GPSの利用が困難な地域においても、現在地点から目標地点までのナビゲーションが可能となる。なお、上記座標データとは、少なくとも緯度・経度情報からなる位置データである。つまり、地図を参照して、又は、GPSや測量機器等を用いて座標データ(緯度・経度情報等)を既に取得した地点などが既知点となる。以下の手段においても同様であるが、上記開始地点等から次に移動する地点(以下、進路地点という)の距離や水平角を測定しつつ進んでいく場合には、進路地点の距離や水平角を測定する測位者が現在いる地点である上記開始地点等を現在地点としてみることもできるため、上記手段において「現在地点」とあるのを「進路地点」などの文言に置き換えたとしても、上記手段の機能が変化するものでもなく、何ら差し支えない。また、水平角(水平角データ・水平角情報)としては、例えば方位角(方位角データ・方位角情報)、方向角(方向角データ・方向角情報)、内角(内角データ・内角情報)などが挙げられる。
【0010】
手段2.前記ナビゲーション情報取得手段は、前記ナビゲーション情報として、少なくとも前記現在地点から前記目標地点までの距離情報と、前記現在地点を基にした前記目標地点の水平角情報とを求めることを特徴とする手段1に記載のナビゲーションシステム。
【0011】
上記手段2によれば、少なくとも距離情報及び水平角情報によりナビゲーションを行うこととなる。従って、例えばナビゲーション情報として地図情報上に目標地点までの経路情報を表示する場合に比べて、制御の簡素化やデータ容量の削減を図ることができる。もちろん、上記座標データに高度情報を含めた場合、相対位置取得手段によって所定地点から現在地点までの高低差データが取得されることによって、ナビゲーション情報取得手段は、現在地点から目標地点までの高低差情報を含んだ三次元のナビゲーション情報を取得する。
【0012】
手段3.地図情報を記憶する地図情報記憶手段を備え、
前記表示手段において前記地図情報を表示可能とするとともに、当該表示された地図情報に合わせて前記各種地点を表示可能としたことを特徴とする手段1又は2に記載のナビゲーションシステム。
【0013】
上記手段3によれば、地図情報や各種地点を表示することで、ナビゲーション情報や地理的状況を把握しやすくなり、利便性の向上を図ることができる。
【0014】
手段4.所定地点を指定可能な入力手段を備えたことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【0015】
上記手段4によれば、例えば座標データの数値を入力して所定地点を指定することや、表示された地図情報上において所定地点を指定することが可能となり、利便性の向上を図ることができる。この場合、上記目標地点設定手段や開始地点設定手段は、入力手段により指定された地点を開始地点や目標地点として設定することとなる。
【0016】
手段5.GPSから所定地点の座標データを取得するGPSデータ取得手段を備え、
前記開始地点設定手段は、前記GPSから取得した座標データに対応する地点を前記開始地点として設定可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【0017】
上記手段5によれば、GPSの利用が可能な地点又は状況においては、距離データ及び水平角データを取得するコンパス測量などの作業を行うことなく、GPSを利用して比較的容易に所定地点の座標データを取得することができる。結果として、利便性の向上を図ることができる。
【0018】
手段6.前記相対位置取得手段は、少なくとも距離を測定する測距手段と、水平角を測定する測角手段とを含み、
前記測距手段及び測角手段により測定された距離データ及び水平角データを取得することを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【0019】
上記手段6によれば、測距手段や測角手段といった、従来のコンパス測量等において用いられる手段により、比較的容易にナビゲーションシステムを実現することができる。なお、測距手段や測角手段としては各種測量機器が考えられる。例えば、測距手段としての巻尺、測角手段としての方位角計測機能を合わせ持つレーザーレンジファインダなど、また、測距手段としての光波距離計、測角手段としての内角計測機能を合わせ持つトータルステーションなどが挙げられる。
【0020】
手段7.前記現在地点が前記目標地点から所定範囲内にあるか否かを判別する判別手段を備え、
前記現在地点が前記目標地点から所定範囲内となった場合に、その旨を報知する又はナビゲーションを終了することを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【0021】
上記手段7によれば、使用者が目標地点に近づいたことを把握しやすくなり、利便性の向上を図ることができる。
【0022】
手段8.座標データが既知の所定の既知点を目標地点として設定する目標地点設定手段と、
所定の既知点を開始地点として設定する開始地点設定手段と、
前記開始地点又は当該開始地点を基に既知点となった所定地点から現在地点までの距離データと、前記開始地点又は前記所定地点に対する前記現在地点の水平角データとを少なくとも取得する相対位置取得手段と、
前記開始地点又は前記所定地点の座標データと、少なくとも前記距離データ及び水平角データとを基に、前記現在地点の座標データを算出する絶対位置取得手段と、
前記現在地点の座標データ及び前記目標地点の座標データを基に、前記現在地点から前記目標地点までのナビゲーション情報を求めるナビゲーション情報取得手段と、
少なくとも前記各種地点の座標データ及びナビゲーション情報を記憶可能なデータ記憶手段と、
少なくとも前記ナビゲーション情報を表示可能な表示手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【0023】
上記手段8によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。
【0024】
手段9.前記ナビゲーション情報取得手段は、前記ナビゲーション情報として、少なくとも前記現在地点から前記目標地点までの距離情報と、前記現在地点を基にした前記目標地点の水平角情報とを求めることを特徴とする手段8に記載のナビゲーション装置。
【0025】
上記手段9によれば、上記手段2と同様の作用効果が奏される。
【0026】
手段10.地図情報を記憶する地図情報記憶手段を備え、
前記表示手段において前記地図情報を表示可能とするとともに、当該表示された地図情報に合わせて前記各種地点を表示可能としたことを特徴とする手段8又は9に記載のナビゲーション装置。
【0027】
上記手段10によれば、上記手段3と同様の作用効果が奏される。
【0028】
手段11.所定地点を指定可能な入力手段を備えたことを特徴とする手段8乃至10のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【0029】
上記手段11によれば、上記手段4と同様の作用効果が奏される。
【0030】
手段12.複数のGPS衛星からの電波に基づき自身の位置を測位するGPS受信機から送信される所定地点の座標データを受信するGPSデータ受信手段を備え、
前記開始地点設定手段は、前記受信した座標データに対応する地点を前記開始地点として設定可能に構成されていることを特徴とする手段8乃至11のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【0031】
上記手段12によれば、上記手段5と同様の作用効果が奏される。この場合、従来のGPS受信機を利用することができ、より安価にナビゲーションを実現できる。
【0032】
手段13.複数のGPS衛星からの電波に基づき自身の位置を測位し、所定地点の座標データを取得するGPSデータ取得手段を備え、
前記開始地点設定手段は、前記GPSから取得した座標データに対応する地点を前記開始地点として設定可能に構成されていることを特徴とする手段8乃至11のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【0033】
上記手段13によれば、上記手段5と同様の作用効果が奏される。この場合、GPS受信機能を一体化した構成とし、GPS受信機を別途携帯するような手間を軽減することができる。
【0034】
手段14.前記相対位置取得手段は、前記開始地点又は前記所定地点から前記現在地点までの距離を測定する所定の測距手段から送信される距離データ、及び、前記開始地点又は前記所定地点に対する前記現在地点の水平角を測定する所定の測角手段から送信される水平角データを受信して取得することを特徴とする手段8乃至13のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【0035】
上記手段14によれば、上記手段6と同様の作用効果が奏される。従来の測距手段や測角手段を利用することができ、より安価にナビゲーションを実現できる。
【0036】
手段15.前記相対位置取得手段は、少なくとも距離を測定する測距手段と、水平角を測定する測角手段とを含み、
前記測距手段及び測角手段により測定された距離データ及び水平角データを取得することを特徴とする手段8乃至13のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【0037】
上記手段15によれば、上記手段6と同様の作用効果が奏される。測距手段や測角手段の機能を一体化した構成とし、測距手段や測角手段を別途携帯するような手間を軽減することができる。
【0038】
手段16.前記現在地点が前記目標地点から所定範囲内にあるか否かを判別する判別手段を備え、
前記現在地点が前記目標地点から所定範囲内となった場合に、その旨を報知する又はナビゲーションを終了することを特徴とする手段8乃至15のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【0039】
上記手段16によれば、上記手段7と同様の作用効果が奏される。
【0040】
手段17.座標データが既知の所定の既知点を目標地点として設定する手順と、
所定の既知点を開始地点として設定する手順と、
前記開始地点又は当該開始地点を基に既知点となった所定地点から現在地点までの距離データと、前記開始地点又は前記所定地点に対する前記現在地点の水平角データとを少なくとも取得する手順と、
前記開始地点又は前記所定地点の座標データと、少なくとも前記距離データ及び水平角データとを基に、前記現在地点の座標データを算出する手順と、
前記現在地点の座標データ及び前記目標地点の座標データを基に、前記現在地点から前記目標地点までのナビゲーション情報を求める手順と、
少なくとも前記各種地点の座標データ及びナビゲーション情報を所定のデータ記憶手段に記憶する手順と、
少なくとも前記ナビゲーション情報を所定の表示手段において表示する手順とを実行するためのプログラムを記録した記録媒体。
【0041】
上記手段17によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。
【0042】
手段18.前記ナビゲーション情報として、少なくとも前記現在地点から前記目標地点までの距離情報と、前記現在地点を基にした前記目標地点の水平角情報とを求めることを特徴とする手段17に記載の記録媒体。
【0043】
上記手段18によれば、上記手段2と同様の作用効果が奏される。
【0044】
手段19.所定の地図情報記憶手段に記憶された地図情報を前記表示手段において表示する手順と、
当該表示された地図情報に合わせて前記各種地点を表示する手順とを実行するためのプログラムを記録した手段17又は18に記載の記録媒体。
【0045】
上記手段19によれば、上記手段3と同様の作用効果が奏される。
【0046】
手段20.所定の入力手段により所定地点を指定する手順を実行するためのプログラムを記録した手段17乃至19のいずれかに記載の記録媒体。
【0047】
上記手段20によれば、上記手段4と同様の作用効果が奏される。
【0048】
手段21.複数のGPS衛星からの電波に基づき自身の位置を測位するGPS受信機から送信される所定地点の座標データを受信する手順と、
前記受信した座標データに対応する地点を前記開始地点とする手順とを実行するためのプログラムを記録した手段17乃至20のいずれかに記載の記録媒体。
【0049】
上記手段21によれば、上記手段12と同様の作用効果が奏される。
【0050】
手段22.複数のGPS衛星からの電波に基づき自身の位置を測位し、所定地点の座標データを取得する手順と、
前記GPSから取得した座標データに対応する地点を前記開始地点とする手順とを実行するためのプログラムを記録した手段17乃至20のいずれかに記載の記録媒体。
【0051】
上記手段22によれば、上記手段13と同様の作用効果が奏される。
【0052】
手段23.前記開始地点又は前記所定地点から前記現在地点までの距離を測定する所定の測距手段から送信される距離データ、及び、前記開始地点又は前記所定地点に対する前記現在地点の水平角を測定する所定の測角手段から送信される水平角データを受信する手順を実行するためのプログラムを記録した手段17乃至22のいずれかに記載の記録媒体。
【0053】
上記手段23によれば、上記手段14と同様の作用効果が奏される。
【0054】
手段24.前記開始地点又は前記所定地点から前記現在地点までの距離を測定する手順と、
前記開始地点又は前記所定地点に対する前記現在地点の水平角を測定する手順とを実行するためのプログラムを記録した手段17乃至22のいずれかに記載の記録媒体。
【0055】
上記手段24によれば、上記手段15と同様の作用効果が奏される。
【0056】
手段25.前記現在地点が前記目標地点から所定範囲内にあるか否かを判別する手順と、
前記現在地点が前記目標地点から所定範囲内となった場合に、その旨を報知する手順又はナビゲーションを終了する手順とを実行するためのプログラムを記録した手段17乃至24のいずれかに記載の記録媒体。
【0057】
上記手段25によれば、上記手段7と同様の作用効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下に、コンパス測量を利用したナビゲーションシステムの一実施形態について図面を参照して説明する。
【0059】
図1に示すように、本実施形態におけるナビゲーションシステム1は、GPS受信機2と、測量機器3と、ナビゲーション装置としてのコンパスデータ処理装置4とから構成されている。
【0060】
GPS受信機2は、複数のGPS衛星より電波を受信するアンテナを内蔵しており、当該アンテナを介して所定間隔(例えば1秒間隔)で電波を収集して自身の位置を測位し、その座標データをコンパスデータ処理装置4へ送信する。なお、本実施形態における座標データは、緯度・経度情報や平面直角のXY座標情報等からなる絶対位置データである。
【0061】
測量機器3は、コンパス内蔵型のレーザーレンジファインダであって、レーザー光を用いて距離測定を行うとともに、磁北基準の方位角を測定する。より詳しくは、既知点からレーザー光を出力し、測量地点に置かれた反射板で反射されたレーザー光を受光部で受光し、出力時と入力時におけるレーザー光の位相差から既知点と測量地点との距離を測定するとともに、コンパスにより既知点に対する測量地点の方位角を測定する。そして、このように測定されたコンパス測量データ(相対位置データ)としての距離データ及び方位角データをコンパスデータ処理装置4へ送信する。測量機器3が本実施形態における測距手段及び測角手段を構成する。方位角(方位角データ)が本実施形態における水平角(水平角データ)に相当する。
【0062】
コンパスデータ処理装置4は、携帯情報端末(いわゆるPDA)であって、GPS受信機2から座標データを受信可能なGPSデータ受信手段としてのGPS受信部5と、測量機器3から距離データ及び方位角データを受信可能な相対位置取得手段としての測量受信部6と、各種データや地図情報などが記憶される記憶部7と、地図情報やナビゲーション情報などを表示可能な表示手段としての表示部8と、使用者による入力操作が可能な入力手段としての入力部9と、これらを制御する制御部10とから構成されている。本実施形態では、GPS受信機2とGPS受信部5、測量機器3と測量受信部6がそれぞれ所定のシリアルケーブルを介して接続される。また、システムの観点で見れば、GPS受信機2及びGPS受信部5により本実施形態におけるGPSデータ取得手段が構成され、測量機器3及び測量受信部6により相対位置取得手段が構成されていると言える。また、制御部10が本実施形態における目標地点設定手段、開始地点設定手段、ナビゲーション情報取得手段、判別手段を構成している。
【0063】
記憶部7には、各種地点の座標データ、距離データ、方位角データ、ナビゲーション情報などの各種データが随時保存されるとともに、地図情報などが予め記憶されている。つまり、記憶部7が本実施形態におけるデータ記憶手段及び地図情報記憶手段を構成する。
【0064】
また、入力部9は、表示部8(例えば液晶パネル)上に貼られた透明のタッチパネル(感圧シート)により構成されている。そして、当該タッチパネルをポインティングデバイス等によって押圧することにより、押圧されたタッチパネル上の座標点が制御部10によって認識される。
【0065】
次に、上記構成よりなるナビゲーションシステム1及びコンパスデータ処理装置4における処理の流れを図2のフローチャートを参照して説明する。
【0066】
図2に示すように、コンパスデータ処理装置4は、先ずステップS101において記憶部7から地図情報Zを読出し、表示部8に表示する(図3参照)。
【0067】
次に、ステップS102において、目標とする地点を目標地点G(図3参照)として設定する。ここで目標地点Gの設定方法の一例を説明する。先ず表示部8に表示された地図情報Z上(入力部9)においてポインティングデバイス等により目標とする地点を指定する。そして、指定された地点の座標データを地図情報Zに照し合せて取得し、目標地点Gの座標データとして記憶部7に記憶する。つまり、地図情報Zを基に、座標データが既知の所定の既知点が目標地点Gとして指定される。目標地点Gの設定が完了すると、図3(a)に示すように表示部8に目標地点Gが表示される。ステップS102の処理機能が特に本実施形態における目標地点設定手段を構成する。
【0068】
ステップS103では、GPS受信機2が測位した座標データをGPS受信部5で受信し、この座標データを開始地点S(図3参照)の座標データとして記憶部7に記憶する。これにより、受信した座標データに対応する地点が開始地点Sとして設定され、図3(b)に示すように表示部8に開始地点Sが表示される。ステップS103の処理機能が特に本実施形態における開始地点設定手段を構成する。
【0069】
ステップS104では、開始地点Sを現在地点として登録する。開始地点Sの設定時は、当該開始地点Sから移動していないため、当該開始地点Sが現在地点として登録される。これにより、既知点である開始地点Sの座標データが現在地点の座標データとして記憶部7に記憶される。
【0070】
ステップS105では、現在地点の座標データ及び目標地点Gの座標データを基に、現在地点から目標地点Gまでのナビゲーション情報を求め、当該ナビゲーション情報を記憶部7に記憶する。なお、本実施形態では、ナビゲーション情報として、現在地点から目標地点Gまでの距離情報と、現在地点を基にした目標地点Gの方位角情報とが算出される。ステップS105の処理機能が特に本実施形態におけるナビゲーション情報取得手段を構成する。方位角情報が本実施形態における水平角情報に相当する。
【0071】
続くステップS106では、ナビゲーション情報である目標地点Gまでの距離情報と方位角情報とを表示部8に表示する。図3(b)等に示すように、表示部8の左上には、距離情報を表示するための表示領域L1と、方位角情報を表示するための表示領域L2とが設けられている。例えば、図3(b)では、距離情報が「138」m、方位角情報が「77」度と表示されている。使用者はこのナビゲーション情報を参考にして目標地点Gまで移動することが可能となる。
【0072】
続くステップS107では、登録された現在地点が目標地点Gから予め設定された設定範囲内(本実施形態では半径2.5m以内)にあるか否かを判別する。ステップS107の処理機能が特に本実施形態における判別手段を構成する。ここで、現在地点が目標地点Gから設定範囲内にあると判別された場合には、ナビゲーションを終了する。
【0073】
一方、現在地点が目標地点Gから設定範囲内にないと判別された場合には、使用者は目標地点Gまでさらに近づく必要があるため、前記ナビゲーション情報を参考に移動する。そして、ステップS108では、移動する地点(進路地点)においてGPS受信機2がGPS衛星からの電波を受信可能か否か判別する。ここで、受信可能と判別された場合には、ステップS103〜ステップS107の処理を繰り返し行う。つまり、GPSから座標データを取得できる地点においては、当該地点を常に開始地点Sとして設定する。
【0074】
一方、受信不能と判別された場合には、ステップS109において、登録された現在地点を基準にして、移動する地点(進路地点)のコンパス測量データを取得する。より詳しくは、測量機器3を使用してコンパス測量を行うことによって、開始地点S又は当該開始地点Sを基に既知点となった測量地点(例えば登録された現在地点)から、移動する地点(新たに現在地点となる最新の測量地点)までの距離と、開始地点S又は既知の測量地点に対する最新の測量地点の方位角を測定する。そして、この測量によって得た距離データと方位角データとを測量機器3から受信し、記憶部7に記憶する。なお、各測量地点で取得したコンパス測量データは時系列で順次保存されていく。ステップS109の処理機能が特に本実施形態における相対位置取得手段を構成する。
【0075】
続くステップS110では、開始地点S又は既知の測量地点の座標データと、前記距離データ及び方位角データとを基に、最新の測量地点の座標データを算出する。ステップS110の処理機能が特に本実施形態における絶対位置取得手段を構成する。
【0076】
ステップS111では、最新の測量地点の座標データを現在地点の座標データとして記憶部7に記憶し、最新の測量地点を現在地点として登録する。その後、上記ステップS105へ移行する。従って、新たな現在地点から目標地点Gまでのナビゲーション情報を求め(ステップS105)、ナビゲーション情報である目標地点Gまでの距離情報と方位角情報とを表示部8に表示する(ステップS106)。
【0077】
次に、表示部8における表示態様及びナビゲーション手順について図3を参照して説明する。地図情報Zは、緯度を縦軸、経度を横軸にして表示される。
【0078】
上述したように目標地点Gが設定されると、図3(a)に示すように地図情報Z上に「旗」印で目標地点Gが表示される。また、目標地点Gの周りには、目標地点Gを中心に同心円F1,F2が表示される。同心円F1,F2は、それぞれ目標地点Gを中心に半径2.5m,半径10mに対応する円となっている。同心円F1で画定される範囲は、上記ステップS107の判別処理における所定範囲に相当するものである。
【0079】
また、開始地点Sが設定されると、図3(b)に示すように地図情報Z上に「×」印で開始地点Sが表示される。続いて、ナビゲーション情報である目標地点Gまでの距離情報と方位角情報とが表示部8に表示される。図3(b)では、距離情報の表示領域L1に「138」mと表示され、方位角情報の表示領域L2に「77」度と表示されている。
【0080】
そして、使用者は、このナビゲーション情報を参考にして目標地点Gへ向けて進み出す。但し、森林などでは目標地点Gへ向けて直進できない地点もあるため、使用者は直進困難な地点を迂回しつつ進むこととなる。例えば、使用者は、図3(c)に示すように、開始地点Sから地点P1へ、地点P1から地点P2へ、地点P2から地点P3へと進んでいく。この際、使用者は、コンパス測量を行い各地点P1,P2,P3の座標データを取得することによって自身のいる現在地点を確認しつつ、各地点P1,P2,P3毎に新たなナビゲーション情報を取得して、新たに進む方向を判断していく。なお、図3(c)では、既に測量された地点(測量地点)P1,P2が「白丸」印で表示され、最新の測量地点すなわち現在地点として登録された地点P3が「黒丸」印で表示されている。そして、現在地点P3におけるナビゲーション情報として距離情報「89」m、方位角情報「82」度が表示されている。
【0081】
さらに、図3(d)に示すように、地点P3から地点P4,P5,P6,P7,P8,P9へと進み続け、目標地点Gから半径10m以内(同心円F2内)に達すると、ナビゲーション情報の表示(ステップS106)に合わせて、目標地点Gへ近づいた旨を表示部8において報知する。これに代えて、図示しないスピーカ等の音声発生手段を備え、これにより報知するようにしてもよい。さらに、目標地点Gから半径2.5m以内(同心円F1内)に達すると、ナビゲーションを終了する。
【0082】
以上詳述したように、既知点である開始地点S又は当該開始地点Sを基に既知点となった所定地点と、現在地点との相対位置関係(距離データ及び方位角データ)を取得するといった、いわゆるコンパス測量の手法により、現在地点の座標データを算出し、これを基に目標地点Gまで移動するためのナビゲーション情報を取得することができる。その結果、GPSの利用が困難な地域においても、現在地点から目標地点Gまでのナビゲーションが可能となる。
【0083】
また、GPSから取得した座標データに対応する地点を開始地点Sとして設定することができるため、GPSの利用が可能な地点又は状況においては、距離データ及び方位角データを取得するコンパス測量などの作業を行うことなく、GPSを利用して比較的容易に所定地点の座標データを取得することができる。
【0084】
さらに、従来のコンパス測量等において用いられる測量機器3を用いて、比較的容易にナビゲーションシステムを実現することができる。
【0085】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0086】
(a)上記実施形態におけるナビゲーションシステム1は、GPS受信機2と、測量機器3と、ナビゲーション装置としてのコンパスデータ処理装置4とから構成されている。ナビゲーションシステム及びナビゲーション装置は上記実施形態に限られるものではない。例えば、GPSを利用することなく、既知点からコンパス測量のみで目標地点まで進むナビゲーションシステムやナビゲーション装置に応用してもよい。ナビゲーションシステム(ナビゲーション装置)の応用例としては、例えば上記実施形態の構成からGPS受信機2及びGPS受信部5を省略した構成が挙げられる。また、GPS受信機及び測量機器の少なくとも一方の機能を備えたコンパスデータ処理装置、上記ナビゲーションを実現可能な測量機器やGPS受信機等に応用することができる。もちろん、上記ナビゲーションを実現するためのナビゲーション用プログラムや、当該ナビゲーション用プログラムを記録した記録媒体に応用することができる。
【0087】
(b)上記実施形態におけるGPS受信機2はアンテナ内蔵タイプのものであるが、もちろんアンテナが別体のGPS受信機を採用してもよい。
【0088】
(c)上記実施形態では、コンパスデータ処理装置4として携帯情報端末を採用している。これに限らず、例えばノート型パソコン等を採用してもよい。もちろん、タッチパネルの入力部8に代えて、マウスやキーボード等といった入力手段を採用してもよい。
【0089】
(d)上記実施形態では、測量機器3として、コンパス内蔵型のレーザーレンジファインダを採用している。これに限らず、例えばトータルステーション等を採用してもよい。また、測距手段と測角手段とを別体とした構成としてもよい。例えば、上記実施形態の構成から測量機器3及び測量受信部6を省略し、測距手段としての巻尺、測角手段としてのコンパスを用いて測量を行い、このコンパス測量データ(距離データ及び方位角データ)を所定の入力部から入力する構成としてもよい。また、上記実施形態では、水平角(水平角データ・水平角情報)として、方位角(方位角データ・方位角情報)を採用しているが、これに限らず、方向角(方向角データ・方向角情報)や内角(内角データ・内角情報)を採用した構成としてもよい。
【0090】
(e)上記実施形態では、GPS受信機2とGPS受信部5、測量機器3と測量受信部6がそれぞれ所定のシリアルケーブルを介して接続されている。これに限らず、他種ケーブルで接続してもよい。また、有線に限らず、GPS受信機2とGPS受信部5、測量機器3と測量受信部6がそれぞれ無線によりデータの送受信を行う構成としてもよい。無線の例としては、赤外線を利用したIrDA仕様や、Bluetooth仕様等が挙げられる。また、GPS受信機能を有したカートリッジ等の媒体をコンパスデータ処理装置等に着脱可能な構成を採用してもよい。
【0091】
(f)上記実施形態では、緯度・経度情報からなる座標データを基に、距離情報及び方位角情報からなるナビゲーション情報を表示するように構成されている。これに限らず、座標データに高度情報を含め、コンパス測量データとして所定地点から現在地点までの高低差データを取得することによって、現在地点から目標地点Gまでの高低差情報を含んだ三次元のナビゲーション情報を表示するようにしてもよい。また、ナビゲーション情報として地図情報Z上に目標地点Gまでの経路情報を表示する構成としてもよい。逆に、地図情報Zを表示する機能を省略し、数値情報のみでナビゲーションを行う構成も可能である。
【0092】
(g)上記実施形態では、表示部8に表示された地図情報Z上(入力部9)においてポインティングデバイス等により目標とする地点を指定し、指定された地点の座標データを地図情報Zに照し合せて取得することにより、目標地点Gの座標データを取得している。また、GPS受信機2が測位した座標データをGPS受信部5で受信し、この座標データを開始地点Sの座標データとして取得している。目標地点Gや開始地点Sの座標データの取得方法はこれに限られるものではなく、例えば、GPS受信機や地図から座標を読み取り、その数値を所定の入力手段から入力して取得する方法や、既存の測量データを読み込んで、表示部に表示される既知の測量地点の中から所定地点を選択する方法などを採用してもよい。
【0093】
(h)上記実施形態では、目標地点Gから所定範囲内に達すると、自動的にナビゲーションを終了する構成となっているが、これに限らず、使用者の任意の判断で終了する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】一実施形態におけるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーションシステム(コンパスデータ処理装置)の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図3】(a)〜(d)は表示部の表示態様を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0095】
1…ナビゲーションシステム、2…GPS受信機、3…測量機器、4…ナビゲーション装置としてのコンパスデータ処理装置、5…GPSデータ受信手段としてのGPS受信部、6…相対位置取得手段としての測量受信部6、7…データ記憶手段,地図情報記憶手段としての記憶部、8…表示手段としての表示部、9…入力手段としての入力部、10…目標地点設定手段,開始地点設定手段,ナビゲーション情報取得手段,判別手段としての制御部、F1,F2…同心円、L1,L2…表示領域、G…目標地点、S…開始地点、Z…地図情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座標データが既知の所定の既知点を目標地点として設定する目標地点設定手段と、
所定の既知点を開始地点として設定する開始地点設定手段と、
前記開始地点又は当該開始地点を基に既知点となった所定地点から現在地点までの距離データと、前記開始地点又は前記所定地点に対する前記現在地点の水平角データとを少なくとも取得する相対位置取得手段と、
前記開始地点又は前記所定地点の座標データと、少なくとも前記距離データ及び水平角データとを基に、前記現在地点の座標データを算出する絶対位置取得手段と、
前記現在地点の座標データ及び前記目標地点の座標データを基に、前記現在地点から前記目標地点までのナビゲーション情報を求めるナビゲーション情報取得手段と、
少なくとも前記各種地点の座標データ及びナビゲーション情報を記憶可能なデータ記憶手段と、
少なくとも前記ナビゲーション情報を表示可能な表示手段とを備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
地図情報を記憶する地図情報記憶手段を備え、
前記表示手段において前記地図情報を表示可能とするとともに、当該表示された地図情報に合わせて前記各種地点を表示可能としたことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
GPSから所定地点の座標データを取得するGPSデータ取得手段を備え、
前記開始地点設定手段は、前記GPSから取得した座標データに対応する地点を前記開始地点として設定可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記相対位置取得手段は、少なくとも距離を測定する測距手段と、水平角を測定する測角手段とを含み、
前記測距手段及び測角手段により測定された距離データ及び水平角データを取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
座標データが既知の所定の既知点を目標地点として設定する目標地点設定手段と、
所定の既知点を開始地点として設定する開始地点設定手段と、
前記開始地点又は当該開始地点を基に既知点となった所定地点から現在地点までの距離データと、前記開始地点又は前記所定地点に対する前記現在地点の水平角データとを少なくとも取得する相対位置取得手段と、
前記開始地点又は前記所定地点の座標データと、少なくとも前記距離データ及び水平角データとを基に、前記現在地点の座標データを算出する絶対位置取得手段と、
前記現在地点の座標データ及び前記目標地点の座標データを基に、前記現在地点から前記目標地点までのナビゲーション情報を求めるナビゲーション情報取得手段と、
少なくとも前記各種地点の座標データ及びナビゲーション情報を記憶可能なデータ記憶手段と、
少なくとも前記ナビゲーション情報を表示可能な表示手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
地図情報を記憶する地図情報記憶手段を備え、
前記表示手段において前記地図情報を表示可能とするとともに、当該表示された地図情報に合わせて前記各種地点を表示可能としたことを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
複数のGPS衛星からの電波に基づき自身の位置を測位するGPS受信機から送信される所定地点の座標データを受信するGPSデータ受信手段を備え、
前記開始地点設定手段は、前記受信した座標データに対応する地点を前記開始地点として設定可能に構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
複数のGPS衛星からの電波に基づき自身の位置を測位し、所定地点の座標データを取得するGPSデータ取得手段を備え、
前記開始地点設定手段は、前記GPSから取得した座標データに対応する地点を前記開始地点として設定可能に構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記相対位置取得手段は、前記開始地点又は前記所定地点から前記現在地点までの距離を測定する所定の測距手段から送信される距離データ、及び、前記開始地点又は前記所定地点に対する前記現在地点の水平角を測定する所定の測角手段から送信される水平角データを受信して取得することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記相対位置取得手段は、少なくとも距離を測定する測距手段と、水平角を測定する測角手段とを含み、
前記測距手段及び測角手段により測定された距離データ及び水平角データを取得することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
座標データが既知の所定の既知点を目標地点として設定する手順と、
所定の既知点を開始地点として設定する手順と、
前記開始地点又は当該開始地点を基に既知点となった所定地点から現在地点までの距離データと、前記開始地点又は前記所定地点に対する前記現在地点の水平角データとを少なくとも取得する手順と、
前記開始地点又は前記所定地点の座標データと、少なくとも前記距離データ及び水平角データとを基に、前記現在地点の座標データを算出する手順と、
前記現在地点の座標データ及び前記目標地点の座標データを基に、前記現在地点から前記目標地点までのナビゲーション情報を求める手順と、
少なくとも前記各種地点の座標データ及びナビゲーション情報を所定のデータ記憶手段に記憶する手順と、
少なくとも前記ナビゲーション情報を所定の表示手段において表示する手順とを実行するためのプログラムを記録した記録媒体。
【請求項12】
所定の地図情報記憶手段に記憶された地図情報を前記表示手段において表示する手順と、
当該表示された地図情報に合わせて前記各種地点を表示する手順とを実行するためのプログラムを記録した請求項11に記載の記録媒体。
【請求項13】
複数のGPS衛星からの電波に基づき自身の位置を測位するGPS受信機から送信される所定地点の座標データを受信する手順と、
前記受信した座標データに対応する地点を前記開始地点とする手順とを実行するためのプログラムを記録した請求項11又は12に記載の記録媒体。
【請求項14】
複数のGPS衛星からの電波に基づき自身の位置を測位し、所定地点の座標データを取得する手順と、
前記GPSから取得した座標データに対応する地点を前記開始地点とする手順とを実行するためのプログラムを記録した請求項11又は12に記載の記録媒体。
【請求項15】
前記開始地点又は前記所定地点から前記現在地点までの距離を測定する所定の測距手段から送信される距離データ、及び、前記開始地点又は前記所定地点に対する前記現在地点の水平角を測定する所定の測角手段から送信される水平角データを受信する手順を実行するためのプログラムを記録した請求項11乃至14のいずれかに記載の記録媒体。
【請求項16】
前記開始地点又は前記所定地点から前記現在地点までの距離を測定する手順と、
前記開始地点又は前記所定地点に対する前記現在地点の水平角を測定する手順とを実行するためのプログラムを記録した請求項11乃至14のいずれかに記載の記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−300603(P2006−300603A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−119766(P2005−119766)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(502400474)株式会社ファルコン (2)
【Fターム(参考)】