説明

ナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法ならびに端末装置

【課題】候補経路を探索する際に、喫煙に関する経路コストを考慮した経路を探索するとともに、喫煙所等に関する付加情報を案内する。
【解決手段】ナビゲーションシステム10は、喫煙所の位置および喫煙所が接続されるリンクのリンクコストを含む喫煙所データを蓄積した喫煙所データベース36と、喫煙経路探索手段391と、案内経路データ編集手段32と、を備え、経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、喫煙経路探索手段391は、喫煙所データベース36に蓄積された喫煙所データを経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、案内経路データ編集手段32は、候補経路中に含まれる喫煙所の位置を案内経路データに付加する。また、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベース37を備え、タバコ販売場所を含む候補経路を案内できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、徒歩や自動車あるいは公共交通機関を利用して、任意の出発地から目的地に至る候補経路を探索して案内するナビゲーションシステムに関するものであり、特に、候補経路を探索する際に、喫煙に関する経路コストを考慮した経路を探索して案内するとともに喫煙に関する付加情報を案内するようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法ならびに端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0005】
情報配信サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0006】
交通機関を利用する経路を探索する経路探索システムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースと、これに基づいて交通ネットワークをデータベース化したデータを備えている。そして、これらのデータベースを参照して、乗り継ぎ(乗換え)を含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段(個々の電車や路線バス)を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(出発地駅、目的地駅、路線、列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0007】
また、交通機関に関する検索、案内を行うシステムとして、携帯電話などの端末装置から交通機関の路線情報や時刻表情報を案内する情報配信サーバに接続して所望の出発駅、出発時刻、目的駅などを指定して、乗車可能な路線や列車、電車などの交通手段の情報配信を受け、端末装置に表示することができる案内システムも提供されている。一般に端末装置からこのような利用を行う場合には、ダウンロードしたい情報の存在する場所を特定するためのURL(Uniform Resource Locator)やドメイン名などのアドレス情報を端末装置に入力して当該アドレスにより特定される情報配信サーバ(情報サイト)にアクセスして所望の情報をダウンロードする構成がとられている。
【0008】
交通機関を利用した経路探索、経路案内をするナビゲーションシステムなどにおける経路探索用のデータは、車載用ナビゲーションシステムや歩行者用ナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータと同様に交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、所要時間がリンクコストのデータとして加えられる。更に、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。
【0009】
徒歩経路に加えて交通機関を用いた経路を探索するナビゲーションシステムは、例えば、下記の特許文献2(特開2000−258184号公報)に開示されている。この特許文献2に開示されたナビゲーションシステムは、出発地点から目的地点までの経路を、地点をノード、地点間をリンクとして交通ネットワークを表現し、コンピュータを用いてラベル確定法により最短コスト条件下で探索する交通ネットワーク経路探索方法を用いるものである。
【0010】
そして、出発地点および目的地点から利用する交通機関の駅までの経路として、出発地点および目的地点から利用する交通機関の駅までの直線距離、および目的地点から利用する交通機関の駅までの直線距離を緯度経度情報を用いて求め、該直線距離を変数として平均コストを算出し、前記平均コストが指定したコストの範囲内に含まれるすべての利用交通機関の駅を求め、歩行経路を決定し、求められた歩行経路を交通機関の交通ネットワーク経路に組み込んで総合交通ネットワークを表現し、コンピュータを用いてラベル確定法により求めるコスト条件下で探索するように構成されている。
【0011】
従って端末装置に配信される案内経路データには、利用者が指定した経路探索条件である出発地から目的地までの路線経路や乗車を案内するバス、電車、列車およびその時刻が含まれ、運行時刻表や駅に掲示されるいわゆる駅貼り時刻表などがそのまま、あるいは必要部分が画面表示できる表示データなどの形式に加工されて端末装置に配信される。端末装置では案内経路のデータや運行時刻表あるいは駅貼り時刻表を表示して経路や乗車すべき交通手段を確認することができる。
【0012】
交通機関を利用した経路案内においては、各駅の構造、すなわち、ホームの階段や駅改札口の位置と、運行される電車の編成とをデータベースに蓄積しており、経路案内において乗車車両の位置やドアの位置を案内するようにしたナビゲーションシステムも提案されている。例えば、下記の特許文献3(特開2003−182579号公報)に開示された発明がある。
【0013】
特許文献3に開示された最適経路探索装置の発明は、路線網データに、路線間の乗換駅につき、入線側路線及び入線方向と、出線側路線及び出線方向の組み合わせ別に、入線側路線での最適乗換車両位置情報を含めておき、指定探索条件に応じて出発地から目的地まで最短時間で移動できる最適な経路を探索し、最適経路上で乗換えを行うべき駅があるとき、路線網データから最適な経路上での当該乗換え駅での入線側路線及び入線方向と、出線側路線及び出線方向を判別したのち入線側路線での最適乗換車両位置情報を検索し、最適経路情報に付加するように構成したものである。
【0014】
また、鉄道の乗車券に記録した二次元コードを端末装置で読み取ってサーバから二次元コードに対応した案内情報をダウンロードして端末装置の表示手段に表示するようにした旅客案内システムが下記の特許文献4(特開2006−201842号公報)に開示されている。この旅客案内システムにおいては、二次元コードに対応した案内情報に駅構内の売店や喫煙所の位置を案内する情報を含めることができる。
【0015】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2000−258184号公報(図3、図3)
【特許文献3】特開2003−182579号公報(図3、図6)
【特許文献4】特開2006−201842号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、近年ではタバコの喫煙に関して健康上の問題が指摘されている。すなわち、喫煙者や喫煙者の出す煙による受動喫煙などにより肺癌や心筋梗塞などの病気の発症率が高くなることなどから、世界的に禁煙の動きが進んでいる。日本でも健康増進法が施行されたことにより、公共の場所、室内での喫煙場所が厳しく制約され、所定の喫煙場所以外での喫煙を禁止している場所が多くなってきている。公共交通機関、例えば、鉄道の駅構内や空港内においてはホーム上の特定位置や駅構内の特定位置に喫煙場所が設けられている。また、路上喫煙(歩き煙草)を禁止している区市町村も多数ある。
喫煙は個人の嗜好に関するものであるから喫煙を嫌う人も、愛煙家も存在する。愛煙家にとっては、鉄道などの公共交通機関を用いて移動する途中、特に、乗換え駅などで所定の喫煙場所で喫煙する時間が取れると好ましい。
【0017】
上記特許文献1や特許文献2に開示されたナビゲーションシステムにおいては、経路探索用ネットワークデータベースに蓄積されたリンクコストを累積して最適経路や複数の候補経路を探索するため、経路の途中においてユーザが一定の自由な時間を設定した経路探索を行うことができないという問題点があった。例えば、ユーザが愛煙家であった場合、乗換え駅で喫煙のための時間を移動コストとして加えるような経路探索を行うことはできなかった。
【0018】
また、上記特許文献3に開示されたナビゲーションシステムにおいては、経路探索によって得た候補経路において、乗換えや降車に便利な車両位置を案内することはできるが、駅構内やホームの喫煙所の位置の近くに停車する車両を案内することはできないという問題点があった。上記特許文献4に開示された旅客案内システムにおいては、駅構内の売店とともに喫煙所の位置を知ることはできるが、所定の出発地から目的地までの経路探索時に最適経路や候補経路上の案内とともに経路途中の駅における喫煙所の位置案内を受けることができないという問題点があった。更に、上記特許文献3や特許文献4に開示されたシステムにおいて、ユーザが所望する喫煙時間を考慮した経路探索を行うことができないという問題点もあった。
【0019】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく、種々検討を重ねた結果、ナビゲーションシステムに、喫煙所の位置や接続ノードから喫煙所までの経路コストに喫煙時間を加味した喫煙コストを蓄積した喫煙所データベースと、タバコ類の販売場所の位置や接続ノードからタバコ販売場所までの経路コストにタバコ購入時間を加味した喫煙関連コスト、販売銘柄などの喫煙関連情報を蓄積した販売場所データベースを備え、出発地から目的地までの経路探索において、喫煙所やタバコ販売場所に立ち寄る喫煙コストを加味した探索を行うようになせば、上記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0020】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、任意の出発地から目的地に至る候補経路を探索して案内するナビゲーションシステムにおいて、候補経路を探索する際に、喫煙に関する経路コストを考慮した候補経路を探索して案内するとともに喫煙に関する付加情報を案内するようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法ならびに端末装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、喫煙所の位置および喫煙所が接続されるリンクのリンクコストを含む喫煙所データを蓄積した喫煙所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所の位置を案内経路データに付加することを特徴とする。
【0022】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは更に、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースを備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データと、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加することを特徴とする。
【0023】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データと、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置とともに喫煙関連情報を案内経路データに付加することを特徴とする。
【0024】
本願の請求項4にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含まない喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれるタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加することを特徴とする。
【0025】
また、本願の請求項5にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段を備え、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段を有する端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、喫煙所の位置および喫煙所が接続されるリンクのリンクコストを含む喫煙所データを蓄積した喫煙所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所の位置を案内経路データに付加することを特徴とする。
【0026】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項5にかかる経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは更に、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースを備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データと、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加することを特徴とする。
【0027】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる経路探索サーバにおいて、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データと、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置とともに喫煙関連情報を案内経路データに付加することを特徴とする。
【0028】
本願の請求項8にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段を備え、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段を有する端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含まない喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれるタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加することを特徴とする。
【0029】
また、本願の請求項9にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段を備え、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段を有する端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバをも用いた経路探索方法において、
前記経路探索サーバは、喫煙所の位置および喫煙所が接続されるリンクのリンクコストを含む喫煙所データを蓄積した喫煙所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段が、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索する経路探索ステップと、前記案内経路データ編集手段が、候補経路中に含まれる喫煙所の位置を案内経路データに付加する案内経路データ編集ステップとを有することを特徴とする。
【0030】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項9にかかる経路探索方法において、
前記経路探索サーバは更に、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースを備え、
前記経路探索ステップは、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データと、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索する処理を含み、前記案内経路データ編集ステップは、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加する処理を含むことを特徴とする。
【0031】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項10にかかる経路探索方法において、
前記案内経路データ編集ステップは更に、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置とともに喫煙関連情報を案内経路データに付加する処理を含むことを特徴とする。
【0032】
本願の請求項12にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段を備え、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段を有する端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバを用いた経路探索方法において、
前記経路探索サーバは、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含まない喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段が、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索する経路探索ステップと、前記案内経路データ編集手段が、候補経路中に含まれるタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加する案内経路データ編集ステップとを有することを特徴とする。
【0033】
本願の請求項13にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段と、喫煙所の位置および喫煙所が接続されるリンクのリンクコストを含む喫煙所データを蓄積した喫煙所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、経路探索要求に喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所の位置を案内経路データに付加する経路探索サーバにネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、経路探索サーバに送信する経路探索要求に、喫煙モードの経路探索であることを設定する手段を有することを特徴とする。
【0034】
本願の請求項14にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段と、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、経路探索要求に喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれるタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加する経路探索サーバにネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、経路探索サーバに送信する経路探索要求に、喫煙モードの経路探索であることを設定する手段を有することを特徴とする。
【0035】
本願の請求項15にかかる発明は、請求項13または請求項14にかかる端末装置において、前記喫煙モードの経路探索であることを設定する手段は更に、喫煙するまたは喫煙しないことを条件として設定する手段を含むことを特徴する。
【発明の効果】
【0036】
請求項1にかかる発明においては、ナビゲーションシステムは、喫煙所の位置および喫煙所が接続されるリンクのリンクコストを含む喫煙所データを蓄積した喫煙所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所の位置を案内経路データに付加する。
【0037】
このような構成によれば、喫煙コストを経路探索用のネットワークデータに加えて経路探索することによって、喫煙所への立ち寄り、喫煙時間を含む経路探索ができるようになる。
【0038】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
ナビゲーションシステムは更に、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースを備え、前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データと、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加する。
【0039】
このような構成によれば、喫煙所への立ち寄り、タバコ販売場所への立ち寄りの双方を加味した経路探索が可能になるから、案内された販売場所で好みのタバコを購入し、案内された喫煙所で休憩をとり、喫煙して目的地に移動することができるようになる。
【0040】
請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データと、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置とともに喫煙関連情報を案内経路データに付加する。
【0041】
このような構成によれば、案内経路データに喫煙所、タバコ類の販売場所とともに、喫煙に関する関連情報、例えば、健康上の注意事項や禁煙場所の情報など、禁煙に繋がる様な情報を提供することにより、禁煙を促進し、非喫煙者への受動喫煙を減少させることができるようになる。
【0042】
請求項4にかかる発明においては、ナビゲーションシステムは、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含まない喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれるタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加する。
【0043】
このような構成によれば、喫煙関連コストを経路探索用のネットワークデータに加えて経路探索することによって、タバコ販売場所への立ち寄り、タバコ購入時間を含む経路探索ができるようになる。
【0044】
このような構成によれば、案内経路データに喫煙所、タバコ類の販売場所とともに、喫煙に関する関連情報、例えば、健康上の注意事項や禁煙場所の情報など、禁煙に繋がる様な情報を提供することにより、禁煙を促進し、非喫煙者への受動喫煙を減少させることができるようになる。
【0045】
また、請求項5ないし請求項8にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項4にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバを提供することができるようになる。請求項9ないし請求項12にかかる発明においては、それぞれ請求項5ないし請求項8にかかる経路探索サーバを実現するための経路探索方法を提供することができるようになる。また、請求項13、請求項14、請求項15にかかる発明においては、請求項1ないし請求項4にかかるナビゲーションシステムを構成する端末装置を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0047】
図1は、本発明にかかるナビゲーションシステム10の構成を示すシステム構成図である。図1に示すようにナビゲーションシステム10は、ネットワーク12を介して接続される端末装置20と経路探索サーバ30を備えて構成されている。このナビゲーションシステム10は、各種カテゴリに属するPOIの所在地やサービス内容などの詳細情報を提供するPOI情報配信サーバ50、音楽や各種画像などのコンテンツその他の情報を提供する各種の情報配信サーバ51などを備えて構成されている。
【0048】
経路探索サーバ30はPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51からネットワーク12を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。
【0049】
本発明にかかるナビゲーションシステム10は、上記の構成に限られるものではなく、経路探索サーバ30はナビゲーションサービス機能とともにPOI所在場所の地図を配信する地図配信サーバの機能を有していてもよい。また、端末装置20も携帯電話を用いることができ、またPDAや音楽プレイヤーや携帯ゲーム機などの携帯機器、あるいは、パーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。
【0050】
図1に示す経路探索サーバ30は、地図データベース34、経路探索用ネットワークデータベース35を備え、端末装置20から経路探索要求があると、探索用ネットワークデータベース35を参照して経路を探索する。そして経路探索の結果により得た最適経路や候補経路の案内経路データを端末装置20に送信する一般的なナビゲーション機能を有している。また、端末装置20から所望の地点やPOIを指定して地図データの取得要求があると、地図データベース34を参照して該当する地図データを読み出して端末装置20に配信する。
【0051】
また、本発明の実施例にかかる経路探索サーバ30は、道路、建物、駅構内に設置された喫煙所の位置などの喫煙所データを蓄積した喫煙所データベース36を備えている。喫煙所データベース36には各喫煙所の位置情報の他、各喫煙所が接続されるリンクの移動所要時間に喫煙に要する平均的時間を加味した喫煙コストが喫煙所ごとに蓄積されている。ここでいうリンクは、経路探索用のネットワークデータとして蓄積されたリンクであり、喫煙コストを経路探索用のネットワークデータに加えて経路探索することによって、喫煙所への立ち寄り、喫煙時間を含む経路探索ができるようになる。
【0052】
また、本発明の実施例にかかる経路探索サーバ30は、道路、建物、駅構内に設置されたタバコ販売場所(売店やタバコ自動販売機)の位置などを蓄積した販売場所データベース37を備えている。販売場所データベース37には各販売場所の位置情報の他、各販売場所が接続されるリンクの移動所要時間にタバコ購入に要する平均的時間を加味した喫煙関連コスト、販売銘柄、値段、税金、ニコチンやタールの量などの喫煙関連情報が販売場所ごとに蓄積されている。
【0053】
ここでいうリンクは、経路探索用のネットワークデータとして蓄積されたリンクであり、喫煙関連コストを経路探索用のネットワークデータに加えて経路探索することによって、タバコ販売場所への立ち寄り、タバコ購入時間を含む経路探索ができるようになる。購入時間コストはわずかなものであり省くこともできる。なお、喫煙コストや喫煙関連コストはユーザの経路探索要求において所望のコストを設定できるようにしてもよい。例えば、ユーザが所望する喫煙時間をコストとして指定して喫煙所データベースの喫煙コストに反映させてもよい。
【0054】
一方、端末装置20は、経路探索サーバ30に経路探索要求を送る場合に、メニュー画面などを用いて喫煙所での喫煙やタバコの販売場所での購入など、喫煙を考慮した経路探索を要求する喫煙モードを設定することができる。この設定をしない場合は、通常の経路探索の要求になる。また、喫煙モードの設定時には、喫煙を要求するモードと喫煙を要求しないモードの設定ができる。喫煙を要求するモードは喫煙場所に立ち寄り喫煙する時間(コスト)を加味した経路探索要求である。喫煙を要求しないモードはタバコ販売場所に立ち寄りタバコを購入する場合の経路探索要求である。どちらの要求も設定されない場合には喫煙所への立ち寄り、タバコ販売場所への立ち寄りの双方を加味した経路探索要求になる。
【0055】
経路探索サーバ30は、端末装置20から、喫煙モードを設定した経路探索要求があると、喫煙所データベース36や販売場所データベース37を参照して、喫煙所を含む案内経路の探索および/またはタバコの販売場所を含む案内経路の探索を行い端末装置20に送信する。経路に交通機関を利用した区間が含まれる場合、交通喫煙所やタバコの販売場所を案内する駅は、乗換え駅や乗降駅、あるいは喫煙モードの設定時に設定された駅である。また、徒歩や自動車による移動区間においては、パーキングエリアや主要建物周辺、あるいは、所定の経路コストの区切り(距離や時間)ごとに喫煙場所やタバコ販売場所のデータを加えて案内する。
【0056】
喫煙経路探索の詳細について説明する前に、交通機関による移動経路を含む経路の一般的な探索方法について説明する。経路探索用ネットワークデータベース35には、徒歩や自動車による移動経路を探索するための道路ネットワークデータと公共交通機関を利用した移動経路を探索するための交通ネットワークデータが蓄積されている。経路探索手段39は、この経路探索用ネットワークデータベース35を参照して、徒歩や自動車による経路あるいは徒歩と交通機関を併用した経路を探索する。
【0057】
道路ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、道路が図2に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0058】
すなわち、図2において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図2では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0059】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図2において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0060】
図2ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0061】
これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータは以下のように構成されている。例えば、図3に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図3において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図3では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0062】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図3に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0063】
図3に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
【0064】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
【0065】
例えば、図3において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗換え回数などを累計して案内することになる。
【0066】
このようなネットワークデータを利用して経路探索サーバ30は経路探索条件に従って、出発地から目的地までの複数の候補経路を探索し、その結果を案内経路データとして端末装置20に送信する。経路探索条件に出発地の出発時刻が指定されている場合には目的地への到着時刻が、また、目的地への到着時刻が指定されている場合には、目的地に指定時刻に到着するための出発地の出発時刻が案内経路データに含まれ、端末装置20はこれらを表示手段26に経路の詳細とともに表示することができる。案内経路に乗換え駅が含まれる場合には、当該乗換え駅で乗換えるべき電車やその出発時刻も同様にして表示することができる。
【0067】
経路探索用のネットワークデータの経路コストに加算する喫煙コスト、喫煙関連コストは、前述したように喫煙所やタバコ販売場所への移動時間と喫煙したりタバコを購入したりする時間を加えた値である。喫煙経路探索においては、経路探索用ネットワークデータベース35に、喫煙所データベース36や販売場所データベース37の喫煙コストや喫煙関連コストを加えて経路探索することにより、喫煙所やタバコ販売場所を含む候補経路を探索することができる。
【0068】
喫煙所やタバコ類の販売場所が公共交通機関の駅構内に所在する場合は、前述した特許文献3に開示されたような駅構造などのデータを蓄積することで喫煙所やタバコ販売場所に停車する車両を含めて候補経路の案内をすることができる。
【0069】
図4は、図1のナビゲーションシステム10の詳細な構成を示す図である。端末装置20は、ナビゲーションサービスを受けることができる端末であり、制御手段201、通信手段21、GPS受信手段22、探索要求手段23、条件設定手段24、案内経路データ記憶手段25、表示手段26、操作入力手段27を備えて構成される。
【0070】
一方、経路探索サーバ30は、制御手段301、通信手段31、案内経路データ編集手段32、喫煙関連案内抽出手段33、地図データベース34、経路探索用ネットワークデータベース35、駅構造データベース36、販売場所データベース37、探索要求記憶手段38、経路探索手段39、喫煙経路探索手段391を備えて構成される。
【0071】
端末装置20において、制御手段201は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段21はネットワーク12を介して経路探索サーバ30などと通信データを送受信するための通信インターフェースである。
【0072】
GPS受信手段22はGPS衛星からの信号を受信して現在位置を緯度・経度で算出する。操作入力手段27は、キー、ダイヤル等からなり、端末装置20を操作するための入力を行い、また、出発地、目的地などの入力機能としても用いられる。表示手段26は液晶表示パネル等からなり、経路探索サーバ30から配信(送信)された案内経路や推奨経路あるいは地図の表示に使用されるものである。また、表示手段26はメニュー画面を表示し端末装置20を操作するための入力手段としても機能する。
【0073】
経路探索サーバ30から端末装置20に送信される案内経路、推奨経路などの案内データは地図データとともに案内経路データ記憶手段25に記憶され、案内経路データ記憶手段25に記憶された案内経路などの案内データや地図データは、必要に応じて読み出され、表示手段26に表示される。
【0074】
図5、図6は、経路探索条件入力画面の一例を示す図である。探索要求手段23は、操作入力手段27により入力された条件や操作に基づいて経路探索要求を経路探索サーバ30に送信する。経路探索サーバ30に経路探索要求する場合には、一般的な端末装置20と同様に、図5、図6に示すように表示手段26に表示されたメニューから、あるいは、操作入力手段から所望の出発地、目的地を設定して経路探索サーバ30に送信する。
【0075】
図5、図6に示す経路探索条件入力画面301には、出発地入力欄302、目的地入力欄303、時刻条件入力欄304、喫煙モードの経路探索をするか否かを設定するチェックボックス305、喫煙を要求するか否かを設定するチェックボックス306、307、喫煙場所での休憩場所を指定する休憩場所入力欄308、探索開始ボタン309が設けられている。
【0076】
経路探索サーバ30に喫煙モードを設定して経路探索を要求する場合には「喫煙モード探索」のチェックボックス305にチェックを入れる。このチェックボックス305にチェックを入れない場合は通常の経路探索要求になる。喫煙所の案内および喫煙時間を加味した案内を要求する場合は「喫煙する」のチェックボックス306にチェックを入れ、タバコ販売場所等の案内を要求する場合は「喫煙しない」のチェックボックス307にチェックを入れる。このチェックボックス306、307にチェックが入らない場合には喫煙所およびタバコ販売場所の両方を加味した経路探索要求になる。
【0077】
出発地と目的地の設定は、出発地入力欄302、目的地入力欄303に住所や電話番号あるいは駅名称、ビル名称などの地点名称、緯度・経度などを入力して設定する。すなわち、この入力欄は、原則としてフリーワード入力が可能であるが、住所、電話番号、POI(Point of Interest)の名称などで設定することできる。休憩場所入力欄308には、喫煙のためにあるいはタバコ購入のために移動経路中で休憩を取りたい所望の駅、例えば、乗換え駅や出発駅、目的駅などを指定する。指定なしの場合には乗換え駅が自動的に設定される。交通機関を利用した区間以外についても特定の建物やランドマーク、経由地点などを設定することができる。設定がない場合には候補経路中の所定の距離範囲、移動時間範囲の喫煙所やタバコ販売場所が案内ポイントして設定される。
【0078】
また、プルダウンボタンを操作して、これまでに端末装置20に登録した経路探索履歴や登録地点を呼び出して設定することもできる。時刻条件入力欄304には出発日時や目的地到着日時などの時刻条件を入力する。時刻条件の設定が必要ない場合には設定を省略することができる。必要な条件設定を終え、探索開始ボタン309を操作すると、経路探索要求が端末装置20から経路探索サーバ30に送信される。
【0079】
経路探索サーバ30は、端末装置20から経路探索要求があると、これを探索要求記憶手段38に一時記憶する。そして経路探索手段39は、探索要求記憶手段38に記憶した経路探索要求に従って経路探索用ネットワークデータベース35を参照して出発地から目的地までの複数の候補経路を探索する。経路探索要求が通常の経路探索の要求である場合、経路探索の結果得られた案内経路のデータを地図データベース34から読み出した地図データとともに端末装置20に送信する。この経路探索の方法は通常のナビゲーションシステムにおける経路探索サーバと同様の方法である。
【0080】
一方、経路探索要求が喫煙モードを設定した経路探索の要求(喫煙経路探索の要求)である場合、喫煙経路探索手段391は、経路探索用ネットワークデータベース35に喫煙所データベース36の喫煙コストおよび/または販売場所データベース37の喫煙関連コストを加えて候補経路を探索して案内経路データを端末装置20に送信する。
【0081】
タバコ販売場所の案内(喫煙モードにおいて「喫煙しない」が設定されている場合)が要求されている場合には、案内経路データ編集手段32は候補経路に含まれる販売場所について販売場所データベース37から喫煙関連情報を抽出して案内経路データに付加する。喫煙関連情報は、例えば、案内する販売場所で販売されているタバコの銘柄や価格のデータである。従って、ユーザは案内された販売場所で好みの銘柄のタバコを購入することができるか否かを知ることができるようになる。案内する喫煙関連情報の詳細については後述する。
【0082】
図7は、喫煙所データベース36に蓄積される喫煙所データの一構成例を示す図である。各喫煙所にはIDが付され、その位置情報が緯度・経度で記憶されている。各喫煙所は経路探索用ネットワークデータにおけるノードとして位置づけられ、経路探索用ネットワークデータの接続ノードと、この接続ノードから喫煙所ノードが接続されるリンクのID(接続リンクID)と、喫煙コストが蓄積される。喫煙コストは前記接続リンクのリンクコストに平均的な喫煙所要時間を加えたものである。
【0083】
図8は、販売場所データベース37に蓄積される喫煙関連情報の一構成例を示す図である。各販売場所にはIDが付され、その位置情報が緯度・経度で記憶されている。各販売場所は経路探索用ネットワークデータにおけるノードとして位置づけられ、経路探索用ネットワークデータの接続ノードと、この接続ノードから販売場所ノードが接続されるリンクのID(接続リンクID)と、喫煙関連コストが蓄積される。喫煙関連コストは前記接続リンクのリンクコストに平均的なタバコ購入の所要時間を加えたものである。
【0084】
また、各販売場所で販売しているタバコの銘柄(A、B、C等)ごとにその値段、税金、ニコチンやタールの量などの喫煙関連情報が蓄積されている。従って、候補経路に販売場所の情報を付加する際にこれらの喫煙関連情報も付加して端末装置20に案内することができる。喫煙関連情報には、他に、(1)がん発症率、(2)自動車移動の際に消費するガソリン代で購入可能なタバコ本数、(3)吸殻の路上へのポイ捨て禁止区域、などの情報を蓄積しておき、案内に加えることもできる。
【0085】
なお、経路探索サーバ30の探索要求記憶手段38には図示していないが、ユーザ領域(端末装置対応の領域)が備えられており、端末装置20からユーザが所望のデータを登録しておくことができる。例えば、喫煙モードの経路探索において、ユーザが通常愛用するタバコの銘柄を登録しておくことができる。このような登録データがある場合、喫煙経路探索手段391は、該当する銘柄のタバコを販売している販売場所を抽出して経路探索の対象にすることができる。
【0086】
このようにすれば、案内された販売場所はユーザが愛用する銘柄のタバコを販売している販売場所に限られるから、所望の銘柄のタバコを購入できないということがなくなる。また、経路探索において加えられる販売場所ノードの数を減らすことができ、経路探索処理の負荷が軽減される。また、健康上の注意を促すコメントや喫煙により負担している税額などについての注意を喚起することができる。
【0087】
喫煙経路探索要求において、「喫煙する」あるいは「喫煙しない」の何れも選択せずに単に喫煙モードの経路探索を要求した場合には、喫煙所およびタバコ類の販売場所の両方が案内されるから、ユーザが愛用するタバコの銘柄を登録しておけば、経路探索サーバ30が探索した案内経路において自分の好きなタバコを扱っている販売場所が案内されるから、案内された販売場所で好みのタバコを購入し、案内された喫煙所でタバコを吸って目的地に行くことができる。
【0088】
図9は、端末装置20において、案内経路データを表示する案内画面の一例を示す図であり、喫煙モード(喫煙あり)の経路探索をした場合の例を示す図である。図9においては喫煙経路探索モード表示402に「ON」が表示される。案内経路表示欄403には、候補経路が所要時間の短い順から、第1経路〜第N経路の順に表示される。コメント表示欄404には地図、経路表示のしかたがコメントとして表示される。案内経路表示欄403の表示は必要に応じてスクロールすることができ、第1経路以外の経路を参照することができる。
【0089】
そして、案内経路表示欄403には、候補経路ごとに喫煙所を案内するコメントが表示される。例えば、第1経路には「7両目3番ドア付近に乗車して下さい、喫煙所があります」というメッセージが表示される。第2経路以下についても同様である。端末装置20の利用者はこのメッセージに従って、表示された車両に乗車すれば駅到着時に喫煙所位置に降車することができる。この例は鉄道による移動区間を例にとったものであるが、徒歩区間でも同様に喫煙所を案内することができる。
【0090】
一方、図10は、端末装置において、案内経路データを表示する案内画面の一例を示す図であり、喫煙モード(喫煙なし)の経路探索をした場合の例を示す図である。図10においては図9と同様に喫煙経路路探索モード表示402に「ON」が表示される。案内経路表示欄403には、図9と同様に候補経路が所要時間の短い順から、第1経路〜第N経路の順に表示される。
【0091】
そして、案内経路表示欄403には、候補経路ごとにタバコ類を販売している売店や自動販売機などの販売場所を案内するコメントが表示される。例えば、第1経路には「7両目3番ドア付近にタバコ自動販売機があります」というメッセージが表示される。第2経路以下についても同様である。端末装置20の利用者はこのメッセージに従って、表示された車両に乗車すれば、駅到着時にタバコ自動販売機の設置位置に降車することができる。
【0092】
コメント表示欄404には地図、経路表示のしかたのコメントおよび案内された販売場所の詳細情報を表示させるコメントが表示される。また、案内経路表示欄404の表示は必要に応じてスクロールすることができ、第1経路以外の経路を参照することができる。このコメントの表示に従って、例えば、第1経路の「7両目3番ドア付近にタバコ自動販売機があります」というメッセージをクリックすると、図11に示す詳細表示画面が表示される。
【0093】
すなわち、図11に示す詳細情報画面には、自動販売機1、自動販売機2のように案内経路に含まれる販売場所において購入することができるタバコの銘柄、値段などが表示される。この詳細表示に健康上の注意事項や税額などの喫煙関連情報を表示させることもできる。経路案内を要求すると、喫煙所や販売場所の位置を含む案内経路(地図)が表示される。
【0094】
次に、本発明の実施例にかかる経路探索サーバ30における経路探索の動作手順を図12に示すフローチャートに基づいて説明する。先ず、経路探索サーバ30はステップS101の処理において端末装置20から経路探索要求を受信する。ステップS102の判定処理において通常の経路探索要求であるか喫煙モードの経路探索要求であるかを判定し、喫煙経路探索モードが設定されていない通常の経路探索要求であればステップS110の処理に進み、通常の経路探索、案内を行って処理を終了する。
【0095】
ステップS102の判定処理において喫煙経路探索モードが設定された要求であると判定された場合は、ステップS103、S104の判定処理において、喫煙要求(喫煙あり)が設定されているか、喫煙要求が設定されていない(喫煙なし)か、を判定する。喫煙要求が設定されていると判定された場合には、喫煙経路探索手段391は、ステップS106の処理に進み、経路探索用ネットワークデータベース35のネットワークデータに、喫煙所データベース36のデータを加えて候補経路を探索する。
【0096】
ステップS104の判定処理において喫煙要求が設定されていないと判定された場合には、喫煙経路探索手段391は、ステップS105の処理に進み、経路探索用ネットワークデータベース35のネットワークデータに、喫煙場所データベース37のデータを加えて候補経路を探索する。喫煙ありも喫煙なしも設定されていない場合には、ステップS107の処理に進む。ステップS107の処理では、経路探索用ネットワークデータベース35のネットワークデータに、喫煙所データベース36および喫煙場所データベース37のデータを加えて候補経路を探索する。
【0097】
ステップS105、ステップS106またはステップS107の処理において候補経路が探索されると、ステップS108の処理に進み、案内経路データ編集手段3は、候補経路のデータに、喫煙所や販売場所の案内、喫煙関連情報を示すコメントやメッセージを付加し、ステップS109の処理において編集された案内経路のデータを端末装置20に送信して処理を終了する。
【0098】
以上説明したように、本発明にかかるナビゲーションシステムによれば、経路案内において途中休憩で喫煙する時間と休憩所である喫煙所に立ち寄るコスト(喫煙コスト)とタバコ自動販売機などタバコ類の販売場所に立ち寄るコスト(喫煙関連コスト)を加味した経路探索、経路案内が可能なナビゲーション提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明によれば喫煙を加味した新たな経路案内サービスの提供をすることが可能となる。また、禁煙に繋がる様な情報を提供することにより、禁煙を促進し、非喫煙者への受動喫煙を著しく減少させることができると考えられ、国民の健康増進に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】道路ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図3】交通ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図4】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】端末装置において経路探索条件を入力するための入力画面の一例を示す図であり、喫煙モード(喫煙あり)の経路探索条件を入力した例を示す図である。
【図6】端末装置において経路探索条件を入力するための入力画面の一例を示す図であり、喫煙モード(喫煙なし)の経路探索条件を入力した例を示す図である。
【図7】喫煙所データベースに蓄積される喫煙所データの一構成例を示す図である。
【図8】販売場所データベースに蓄積される喫煙関連情報の一構成例を示す図である。
【図9】端末装置において、案内経路データを表示する案内画面の一例を示す図であり、喫煙モード(喫煙あり)の経路探索をした場合の例を示す図である。
【図10】端末装置において、案内経路データを表示する案内画面の一例を示す図であり、喫煙モード(喫煙なし)の経路探索をした場合の例を示す図である。
【図11】図10の案内画面において詳細表示が要求された場合に表示される詳細情報画面の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施例にかかる経路探索サーバにおける動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
10・・・・ナビゲーションシステム
12・・・・ネットワーク
20・・・・端末装置
201・・・制御手段
21・・・・通信手段
22・・・・GPS受信手段
23・・・・探索要求手段
24・・・・条件設定手段
25・・・・案内経路データ記憶手段
26・・・・表示手段
27・・・・操作入力手段
30・・・・経路探索サーバ
301・・・制御手段
31・・・・通信手段
32・・・・案内経路データ編集手段
33・・・・喫煙関連案内抽出手段
34・・・・地図データベース
35・・・・経路探索用ネットワークデータベース
36・・・・喫煙所データベース
37・・・・販売場所データベース
38・・・・探索要求記憶手段
39・・・・経路探索手段
391・・・喫煙経路探索手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、喫煙所の位置および喫煙所が接続されるリンクのリンクコストを含む喫煙所データを蓄積した喫煙所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所の位置を案内経路データに付加することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記ナビゲーションシステムは更に、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースを備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データと、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データと、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置とともに喫煙関連情報を案内経路データに付加することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含まない喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれるタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段を備え、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段を有する端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、喫煙所の位置および喫煙所が接続されるリンクのリンクコストを含む喫煙所データを蓄積した喫煙所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所の位置を案内経路データに付加することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項6】
前記経路探索サーバは更に、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースを備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データと、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加することを特徴とする請求項5に記載の経路探索サーバ。
【請求項7】
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データと、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置とともに喫煙関連情報を案内経路データに付加することを特徴とする請求項6に記載の経路探索サーバ。
【請求項8】
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段を備え、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段を有する端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含まない喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれるタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項9】
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段を備え、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段を有する端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバをも用いた経路探索方法において、
前記経路探索サーバは、喫煙所の位置および喫煙所が接続されるリンクのリンクコストを含む喫煙所データを蓄積した喫煙所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含む喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段が、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索する経路探索ステップと、前記案内経路データ編集手段が、候補経路中に含まれる喫煙所の位置を案内経路データに付加する案内経路データ編集ステップとを有することを特徴とする経路探索方法。
【請求項10】
前記経路探索サーバは更に、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースを備え、
前記経路探索ステップは、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データと、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索する処理を含み、前記案内経路データ編集ステップは、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加する処理を含むことを特徴とする請求項9に記載の経路探索方法。
【請求項11】
前記案内経路データ編集ステップは更に、候補経路中に含まれる喫煙所およびタバコ販売場所の位置とともに喫煙関連情報を案内経路データに付加する処理を含むことを特徴とする請求項10に記載の経路探索方法。
【請求項12】
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段を備え、前記経路探索手段が探索した候補経路を表示する表示手段を有する端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバを用いた経路探索方法において、
前記経路探索サーバは、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、
前記経路探索要求に喫煙要求を含まない喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段が、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索する経路探索ステップと、前記案内経路データ編集手段が、候補経路中に含まれるタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加する案内経路データ編集ステップとを有することを特徴とする経路探索方法。
【請求項13】
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段と、喫煙所の位置および喫煙所が接続されるリンクのリンクコストを含む喫煙所データを蓄積した喫煙所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、経路探索要求に喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記喫煙所データベースに蓄積された喫煙所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれる喫煙所の位置を案内経路データに付加する経路探索サーバにネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、経路探索サーバに送信する経路探索要求に、喫煙モードの経路探索であることを設定する手段を有することを特徴とする端末装置。
【請求項14】
出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて経路探索用ネットワークデータを参照して候補経路を探索する経路探索手段と、タバコ販売場所の位置およびタバコ販売場所が接続されるリンクのリンクコストを含む販売場所データを蓄積した販売場所データベースと、喫煙経路探索手段と、案内経路データ編集手段と、を備え、経路探索要求に喫煙モードが設定されている場合、前記喫煙経路探索手段は、前記販売場所データベースに蓄積された販売場所データを前記経路探索用ネットワークデータに加えて候補経路を探索し、前記案内経路データ編集手段は、候補経路中に含まれるタバコ販売場所の位置を案内経路データに付加する経路探索サーバにネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、経路探索サーバに送信する経路探索要求に、喫煙モードの経路探索であることを設定する手段を有することを特徴とする端末装置。
【請求項15】
前記喫煙モードの経路探索であることを設定する手段は更に、喫煙するまたは喫煙しないことを条件として設定する手段を含むことを特徴する請求項13または請求項14に記載の端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−170192(P2008−170192A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1738(P2007−1738)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】