説明

ナビゲーション装置、および渋滞情報表示方法

【課題】 交差点における渋滞状況を表示して使用者に提示すること。
【解決手段】 車線数判定部105bは、交差点検出部105aで検出した交差点手前の道路の車線数、および各車線の進行可能方向を判定する。渋滞状況判定部105cは、VICS情報受信装置103で受信した渋滞情報に基づいて、交差点手前の道路、および各車線の進行可能方向に延在する交差点先の道路における渋滞状況を判定し、渋滞状況表示部105dは、交差点先の道路における渋滞状況と、各交差点先の道路を進行可能方向に含む交差点手前の道路の各車線における渋滞状況とを対応付けてモニタに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点における渋滞情報を表示することができるナビゲーション装置、およびナビゲーション装置における渋滞情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
次のようなナビゲーション装置が特許文献1によって知られている。このナビゲーション装置によれば、VICSセンターから受信した渋滞情報に基づいて、車線ごとの渋滞情報をモニタに表示した地図上に表示する。
【0003】
【特許文献1】特開平6−348997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置においては、リンク単位で車線ごとの渋滞情報を地図上に表示するため、交差点などでは、運転者は、交差点の手前の道路と交差点の先の道路との連続した渋滞情報を把握するのが困難であるという問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、交差点における渋滞状況を表示する渋滞情報表示方法であって、交差点手前の道路の車線数、および交差点手前の道路における各車線の進行可能方向を検出し、交差点手前の道路の渋滞情報、および各車線の進行可能方向に延在する交差点先の道路の渋滞情報を取得し、取得した渋滞情報に基づいて、交差点手前の道路の渋滞状況、および交差点先の道路の渋滞状況をモニタ上に設定した表示領域内に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、交差点手前の道路の渋滞状況、および交差点先の道路の渋滞状況をモニタ上に設定した表示領域内に表示するようにした。これによって、運転者は、表示領域内の表示を確認することによって、交差点手前の道路と交差点先の道路との連続した渋滞状況を把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本実施の形態におけるナビゲーション装置の一実施の形態を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、車両に搭載され、自車両の車速を検出する車速センサ101と、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信して自車両の現在位置を検出するGPSユニット102と、渋滞情報を含むVICS情報を受信(取得)するVICS情報受信装置103と、複数のスケール(縮尺率)の地図データが格納された地図ディスク104aを読み取るディスク読取装置104と、後述する種々の処理を実行する制御装置105と、地図ディスク104aから読み込んだ自車両周辺の地図を表示し、地図ディスク104から読み込んだ地図やVICS情報受信装置103で受信した渋滞情報を表示するモニタ106と、運転者に対するガイダンス音声や経路誘導音声を出力するスピーカー107とを備えている。
【0008】
地図ディスク104aには、複数のスケール(縮尺率)の地図データが格納されており、格納されている地図データは、道路をノードとリンクで表現した道路データを含み、この道路データでは、交差点にノードが対応し、各ノード間を結ぶ線分がリンクに対応する。この実施の形態では、各ノードには識別番号としてノードIDが付与されており、各リンクには識別番号としてリンクIDが付与されている。地図データはさらに、各リンクの車線数や、各リンクの交差点における進行可能方向を含んでいる。例えば、あるリンクが片側3車線の道路であれば、左側車線は左折および直進が可能、中央車線は直進可能、右側車線は右折可能といった進行可能方向に関する情報を含んでいる。
【0009】
モニタ106は、使用者がモニタ表面を押圧することによって操作可能なタッチパネル106aを有しており、使用者はこのタッチパネル106aを使用して、ナビゲーション装置100を操作して、目的地を設定したり、その他の種々の操作を行うことができる。
【0010】
制御装置105は、交差点検出部105aと、車線数判定部105bと、渋滞状況判定部105cと、渋滞状況表示部105dとを有している。交差点検出部105aは、GPSユニット102からの出力に基づいて地図上における自車両の現在位置を検出し、地図データを参照して、自車両から進行方向に所定距離以内、例えば30m以内に交差点が存在するか否かを判定する。
【0011】
車線数判定部105bは、交差点検出部105aによって自車両から所定距離以内に交差点が存在すると判定された場合に、ディスク読取装置104で読み込んだ地図データに基づいて、交差点における走行中の道路の車線数、および各車線の進行可能方向を判定する。
【0012】
渋滞状況判定部105cは、VICS情報受信装置103を介して受信したVICS情報に基づいて、交差点検出部105aによって検出された交差点における走行中の道路の渋滞状況、および各車線から各方向へ延在する道路の渋滞状況を「渋滞」、「混雑」、および「渋滞なし」の3段階で判定する。すなわち当該交差点に相当するノードと接続される全てのリンクにおける渋滞状況を判定する。
【0013】
例えば、図2に示す例においては、自車両の現在位置2aから所定距離以内に交差点2bが存在する場合に、交差点2bに相当するノードに接続している全てのリンク2c〜2fの渋滞状況を判定する。これによって、交差点2bの手前の道路2cの渋滞状況、交差点2bの直進先の道路2dの渋滞状況、交差点2bの左折先の道路2eの渋滞状況、および交差点2bの右折先の道路2fの渋滞状況を把握することが可能となる。
【0014】
渋滞状況表示部105dは、渋滞状況判定部105cで判定した渋滞状況を、図2に示す交通情報表示領域2g(表示領域)内に表示する。図2における交通情報表示領域2gは、車線数判定部105bによって、交差点2bにおける走行中の道路は3車線であると判定した場合の具体例を示したものであり、交通情報表示領域2gは、車線数分の車線領域1〜3を有する車線情報表示領域2hと、各車線領域に対応した渋滞状況表示領域4〜6を有する進行方向別の渋滞状況を表示するための進行方向別渋滞状況表示領域2iとを含んでいる。
【0015】
車線情報表示領域2hは、それぞれの車線に対応した左車線領域1、中央車線領域2、および右車線領域3とを有しており、それぞれの車線領域内には、各車線の進行可能方向を表すシンボルが表示されている。また、進行方向別渋滞状況表示領域2iは、車線領域1〜3のそれぞれの上部に隣接して、各車線領域1〜3と対となる渋滞状況表示領域4〜6を有しており、渋滞状況表示領域4〜6には、各車線の進行可能方向の渋滞状況を表示する。なお、交差点における車線数が2車線の場合、あるいは4車線以上の場合には、各交差点における車線数に応じて、その車線数分の車線領域、および渋滞状況表示領域を表示する。
【0016】
例えば、交差点2bにおいて、左側車線の進行可能方向が直進または左折である場合には、左車線領域1と対となる左渋滞状況表示領域4に交差点2bの先の直進方向および左折方向の渋滞状況を表示する。中央車線の進行可能方向が直進である場合には、中央車線領域2と対となる中央渋滞状況表示領域5に交差点2bの先の直進方向の渋滞状況を表示する。また、右側車線の進行可能方向が右折である場合には、右車線領域3と対となる右渋滞状況表示領域6に交差点2bの先の右折方向の渋滞状況を表示する。
【0017】
この交通情報表示領域2gに交通情報を表示するに当たって、渋滞状況表示部105dは、まず、渋滞状況判定部105cで判定した交差点2bの先の渋滞状況を進行方向別渋滞状況表示領域2iに表示する。本実施の形態では、その渋滞状況、すなわち渋滞の度合いに応じて、進行方向別渋滞状況表示領域2i内の渋滞状況表示領域4〜6を色分けして表示する。例えば、交差点先の渋滞状況が「渋滞」であれば渋滞状況表示領域内を赤色に変更(着色)し、渋滞状況が「混雑」であれば渋滞状況表示領域を黄色に変更する。また、渋滞状況が「渋滞なし」であれば渋滞状況表示を初期色、すなわち地図データが有する道路色のままとする。
【0018】
なお、左渋滞状況表示領域4のように、進行可能方向が2方向あり、それぞれの渋滞状況が異なる場合には、渋滞が激しい方(渋滞の度合いが高い方)の進行可能方向に合わせて渋滞状況表示領域の色を変化させるようにする。
【0019】
例えば、渋滞状況判定部105cによって、交差点2bの直進先の道路2dの渋滞状況が「渋滞なし」、交差点2bの左折先の道路2eの渋滞状況が「混雑」、交差点2bの右折先の道路2fの渋滞状況が「渋滞」であると判定された場合には、進行可能方向に左折を含む左渋滞状況表示領域4を赤色に、進行可能方向に右折を含む右渋滞状況表示領域6を黄色(またはオレンジ)に変化させ、進行方向に直進のみを含む中央渋滞状況表示領域5を初期色のままとする。
【0020】
渋滞状況表示部105dは、上述した交差点先のいずれか進行方向が「渋滞」または「混雑」であるときに、交差点手前の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」である場合には、交差点手前の渋滞状況と交差点先の渋滞状況との関連性を車線情報表示領域2hに表示する。すなわち、交差点先の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」であり、同時に交差点手前の渋滞状況も「渋滞」または「混雑」である場合には、交差点先における「渋滞」または「混雑」の影響を受けて、交差点手前も「渋滞」または「混雑」していると考えることができる。換言すれば、交差点先の「渋滞」または「混雑」が交差点手前までつながっていると考えることができる。
【0021】
このため、交差点2bの先のいずれかの進行可能方向の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」であるときに、交差点2bの手前の渋滞状況も「渋滞」または「混雑」である場合には、交差点2bで「渋滞」または「混雑」している交差点先を進行可能方向に含む交差点手前の車線に対応する車線領域1〜3を、その渋滞状況に応じて色分けして表示する。
【0022】
なお、車線領域1〜3の色分け方法は、渋滞状況表示領域4〜6の色分け方法と同様とし、例えば、交差点2bの手前の渋滞状況が「渋滞」であれば車線領域を赤色に変更し、渋滞状況が「混雑」であれば車線領域を黄色に変更する。また、渋滞状況が「渋滞なし」であれば車線領域を初期色のままとする。これによって、交差点2bの先の渋滞状況と、交差点2bの手前の渋滞状況とを、交差点2bの手前の車線ごとにその進行可能方向と関連付けて表示することが可能となる。
【0023】
図3〜7に、交差点2bの先の渋滞状況と交差点2bの手前の渋滞状況とを関連付けて交通情報表示領域2gに表示した場合の複数パターンの具体例を示す。
【0024】
図3は、交差点2bの左折先の道路2eの渋滞状況が「渋滞」、交差点2bの右折先の道路2fの渋滞状況が「混雑」であるときに、交差点2bの手前の道路2cの渋滞状況が「渋滞」である場合のモニタ106への表示例を示す図である。
【0025】
この図3に示す例では、交通情報表示領域2g内の車線情報表示領域2h、および進行方向別渋滞状況表示領域2iにおいて、進行可能方向に左折を含む左渋滞状況表示領域4、およびそれと対となる左車線領域1を赤色に変化させる。また、進行可能方向に右折を含む右渋滞状況表示領域6を黄色に変化させ、それと対となる右車線領域3を赤色に変化させる。そして、進行可能方向に直進のみを含む中央渋滞状況表示領域5、およびそれと対となる中央車線領域2を初期色のままとする。
【0026】
図4は、交差点2bの直進先の道路2dの渋滞状況が「渋滞」であるときに、交差点2bの手前の道路2cの渋滞状況が「渋滞」である場合のモニタ106への表示例を示す図である。
【0027】
この図4に示す例では、交通情報表示領域2g内の車線情報表示領域2h、および進行方向別渋滞状況表示領域2iにおいて、進行可能方向に直進を含む左渋滞状況表示領域4および中央渋滞状況表示領域5と、それぞれと対となる左車線領域1および中央車線領域2とを赤色に変化させる。また、進行可能方向に直進を含まない右渋滞状況表示領域6、およびそれと対となる右車線領域3を初期色のままとする。
【0028】
図5は、交差点2bの直進先の道路2dの渋滞状況が「混雑」、交差点2bの右折先の道路2fの渋滞状況が「渋滞」であるときに、交差点2bの手前の道路2cの渋滞状況が「渋滞」である場合のモニタ106への表示例を示す図である。
【0029】
この図5に示す例では、交通情報表示領域2g内の車線情報表示領域2h、および進行方向別渋滞状況表示領域2iにおいて、進行可能方向に直進を含む左渋滞状況表示領域4および中央渋滞状況表示領域5を黄色に変化させ、それぞれと対となる左車線領域1および中央車線領域2を赤色に変化させる。また、進行可能方向に右折を含む右渋滞状況表示領域6、およびそれと対となる右車線領域3を赤色に変化させる。
【0030】
図6は、交差点2bの左折先の道路2eの渋滞状況が「混雑」であるときに、交差点2bの手前の道路2cの渋滞状況が「渋滞」である場合のモニタ106への表示例を示す図である。この図6に示す例では、交通情報表示領域2g内の車線情報表示領域2h、および進行方向別渋滞状況表示領域2iにおいて、進行可能方向に左折を含む左渋滞状況表示領域4を黄色に変化させ、それと対となる左車線領域1を赤色に変化させる。また、進行可能方向に左折を含まない中央渋滞状況表示領域5および右渋滞状況表示領域6と、それぞれにと対となる中央車線領域2および右車線領域3を初期色のままとする。
【0031】
図7は、交差点2bの右折先の道路2fの渋滞状況が「渋滞」であるときに、交差点2bの手前の道路2cの渋滞状況が「渋滞」である場合のモニタ106への表示例を示す図である。この図7に示す例では、交通情報表示領域2g内の車線情報表示領域2h、および進行方向別渋滞状況表示領域2iにおいて、進行可能方向に右折を含む右渋滞状況表示領域6、およびそれと対となる右車線領域3を赤色に変化させる。また、進行可能方向に右折を含まない左渋滞状況表示領域4および中央渋滞状況表示領域5と、それぞれと対となる左車線領域1および中央車線領域2を初期色のままとする。
【0032】
図8は、本実施の形態におけるナビゲーション装置100の処理を示すフローチャートである。図8に示す処理は、車両のイグニションスイッチがオンされることによって、ナビゲーション装置100の電源がオンされると起動するプログラムとして制御装置105により実行される。
【0033】
ステップS10において、交差点検出部105aは、GPSユニット102からの出力に基づいて地図上における自車両の現在位置を検出して、ステップS20へ進み、地図データを参照して、自車両から進行方向に所定距離以内、例えば30m以内に交差点が存在するか否かを判断する。自車両から所定距離以内に交差点が存在すると判断した場合には、ステップS30へ進む。
【0034】
ステップS30では、車線数判定部105bは、ディスク読取装置104で読み込んだ地図データに基づいて、交差点検出部105aで検出した交差点における走行中の道路の車線数、および各車線の進行可能方向を判定(検出)して、ステップS40へ進む。
【0035】
ステップS40では、渋滞状況判定部105cは、VICS情報受信装置103を介して受信したVICS情報に基づいて、交差点における走行中の道路、すなわち交差点手前の道路の渋滞状況、および各車線の進行可能方向に延在するそれぞれの道路、すなわち交差点先の各道路の渋滞状況を、上述したように「渋滞」、「混雑」、および「渋滞なし」の3段階で判定する。その後、ステップS50へ進む。
【0036】
ステップS50では、交差点先のいずれかの道路の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」であるか否かを判断する。その結果、交差点先のいずれの道路の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」ではない、すなわち交差点先の全ての道路の渋滞状況が「渋滞なし」であると判断した場合には、後述するステップS90へ進む。これに対して、交差点先のいずれかの道路の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」であると判断した場合には、ステップS60へ進む。
【0037】
ステップS60では、渋滞状況表示部105dは、上述したように、交差点先の道路のうち、渋滞状況が「渋滞」である道路を進行可能方向に含む渋滞状況表示領域4〜6の色を赤色に変化させ、渋滞状況が「混雑」である道路を進行可能方向に含む渋滞状況表示領域4〜6の色を黄色(またはオレンジ)に変化させる。その後、ステップS70へ進む。
【0038】
ステップS70では、交差点手前の道路の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」であるか否かを判断する。その結果、交差点手前の道路の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」でないと判断した場合には、後述するステップS90へ進む。これに対して、交差点手前の道路の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」であると判断した場合には、ステップS80へ進む。
【0039】
ステップS80では、渋滞状況表示部105dは、上述したように、「渋滞」または「混雑」している交差点先を進行可能方向に含む交差点手前の車線に対応する車線領域1〜3を、その渋滞状況に応じて色分けして表示する。例えば、「渋滞」または「混雑」している交差点先を進行可能方向に含む交差点手前の車線に対応する車線領域1〜3を、交差点手前の道路の道路状況が「渋滞」である場合には赤色に変化させ、「混雑」である場合には黄色に変化させる。その後、ステップS90へ進む。
【0040】
ステップS90では、車両のイグニションスイッチがオフされたか否かを判断する。イグニションスイッチがオフされないと判断した場合には、ステップS10へ戻って処理を繰り返す。これに対して、イグニションスイッチがオフされたと判断した場合には、処理を終了する。
【0041】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)自車両から所定距離以内に交差点が存在する場合に、交差点の先の道路の渋滞状況と、自車両が走行中の道路の各車線の渋滞状況とを交通情報表示領域2g内に表示するようにした。これによって、使用者は、交差点先の道路の渋滞状況と交差点手前の道路における渋滞状況と交通情報表示領域2g内で関連付けて把握することができる。
【0042】
(2)交差点先の道路の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」であり、交差点手前の道路の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」である場合に、交差点先の道路の渋滞状況と交差点手前の道路の渋滞状況とを関連付けて表示するようにした。これによって、交差点先の道路が「渋滞」または「混雑」している場合には、交差点先の影響を受けてその手前の道路も「渋滞」または「混雑」している可能性が高いことを加味して、使用者に交差点先の道路と交差点手前の道路との渋滞状況を関連付けて表示することが可能となる。
【0043】
(3)交差点先の道路の渋滞状況を自車両が走行中の道路の各車線の渋滞状況と関連付けて表示するために、交差点におけるそれぞれの車線に対応した車線領域1〜3と、各車線領域と対となり、各車線の進行可能方向に対応した渋滞状況表示領域4〜6とを設け、交差点手前、および交差点先の渋滞状況を、車線領域1〜3および渋滞状況表示領域4〜6に表示するようにした。これによって、使用者は交差点における車線ごとに、その進行可能方向の道路の渋滞状況を的確に把握することが可能となる。
【0044】
(4)渋滞状況表示領域4〜6を、それぞれが対応する車線領域1〜3の上部に表示(配置)して表示するようにした。これによって、使用者に対して、各車線領域と各渋滞状況表示領域との関連性を明確に示すことが可能となる。
【0045】
(5)車線情報表示領域2h、および進行方向別渋滞状況表示領域2iに渋滞状況を表示するに当たっては、それぞれに含まれる車線領域1〜3、および渋滞状況表示領域4〜6の色を、渋滞状況の度合いに応じて色分けして表示するようにした。これによって、使用者はモニタ106を注視しなくても渋滞状況を把握することができ、信号待ち時などの短い時間を利用して前方交差点付近の渋滞状況を把握することが可能となる。
【0046】
―変形例―
なお、上述した実施の形態のナビゲーション装置は、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、使用者はタッチパネル106aを使用してナビゲーション装置100を操作する例について説明したが、これに限定されず、例えばジョイスティックなどのその他の入力装置を設け、これらの入力装置を使用してナビゲーション装置100を操作するようにしてもよい。
【0047】
(2)上述した実施の形態では、各車線の渋滞状況、および各車線の進行可能方向における渋滞状況の度合いに応じて、各車線領域、および各渋滞状況表示領域の色を変化させる例について説明した。しかしこれに限定されず、各車線の渋滞状況、および各車線の進行可能方向における渋滞状況に基づいて、各車線領域、および各渋滞状況表示領域内にそれぞれの渋滞状況の度合いを示すアイコンなどのシンボルを表示するようにしてもよく、その他の渋滞状況の度合いを明示できる方法により表示してもよい。
【0048】
(3)上述した実施の形態では、渋滞状況表示領域は、各車線の進行可能方向の道路における渋滞状況を表示する例について説明した。しかしこれに限定されず、例えば、図2に示した例と同様に、地図データ上で交差点に相当するノードに、走行中の道路とともに、直進方向、左折方向、および右折方向のリンクが接続している場合には、渋滞状況表示領域をそれぞれの進行方向のリンクに対応させて、各進行方向の道路の渋滞状況を表示するようにしてもよい。
【0049】
すなわち、図2に示す例においては、左車線領域1と対となる左渋滞状況表示領域4に交差点2bの先の左折方向の渋滞状況を表示し、中央車線領域2と対となる中央渋滞状況表示領域5には交差点2bの先の直進方向の渋滞状況を表示する。また、右車線領域3と対となる右渋滞状況表示領域6に交差点2bの先の右折方向の渋滞状況を表示する。これによって、使用者は交差点先のどの進行方向の道路が「渋滞」または「混雑」しているかを的確に把握することができるようになる。
【0050】
(4)上述した実施の形態では、自車両から所定距離以内に交差点が存在する場合に、当該交差点における渋滞状況を表示する場合について説明した。しかしこれに限定されず、例えば使用者が指定した地図上の任意の交差点における渋滞状況を表示する場合にも適用可能である。
【0051】
(5)上述した実施の形態では、交差点先のいずれか進行方向が「渋滞」または「混雑」であるときに、交差点手前の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」である場合には、交差点手前の渋滞状況と交差点先の渋滞状況との関連性を車線情報表示領域2hに表示する例について説明した。しかしこれに限定されず、交差点先のいずれか進行方向が「渋滞」または「混雑」でない場合であっても、交差点手前の渋滞状況が「渋滞」または「混雑」である場合には、交差点手前の渋滞状況を車線情報表示領域2hに表示するようにしてもよい。
【0052】
(6)上述した実施の形態では、交通情報表示領域2gを、図2に示したように地図を表示したモニタ106上に表示するようにした。しかしこれに限定されず、その他の表示形態としてもよい。例えばモニタ106上の表示領域を2分割して一方に地図を表示し、一方に交通情報表示領域2gを表示するようにしてもよく、モニタ106に表示した地図上に半透明の交通情報表示領域2gを重畳して表示してもよい。また、モニタ106への表示を切り替え、交通情報表示領域2gのみを表示するようにしてもよい。
【0053】
(7)上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100を車両に搭載する例について説明したが、これに限定されず、その他の移動体に搭載するようにしてもよく、または携帯情報端末やその他の情報機器に搭載するようにしてもよい。
【0054】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。
【0055】
特許請求の範囲の構成要素と実施の形態との対応関係について説明する。VICS情報受信装置103は渋滞情報取得手段に相当する。なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施の形態におけるナビゲーション装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】交通情報表示領域2gの表示例を示す第1の図である。
【図3】交通情報表示領域2gの表示例を示す第2の図である。
【図4】交通情報表示領域2gの表示例を示す第3の図である。
【図5】交通情報表示領域2gの表示例を示す第4の図である。
【図6】交通情報表示領域2gの表示例を示す第5の図である。
【図7】交通情報表示領域2gの表示例を示す第6の図である。
【図8】本実施の形態におけるナビゲーション装置100の処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0057】
100 ナビゲーション装置
101 車速センサ
102 GPSユニット
103 VICS情報受信装置
104 ディスク読取装置
104a 地図ディスク104a
105 制御装置
105a 交差点検出部
105b 車線数判定部
105c 渋滞状況判定部
105d 渋滞状況表示部
106 モニタ
106a タッチパネル
107 スピーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点における渋滞状況を表示するナビゲーション装置であって、
交差点手前の道路の車線数、および前記交差点手前の道路における各車線の進行可能方向を検出する交差点検出手段と、
前記交差点手前の道路の渋滞情報、および前記各車線の進行可能方向に延在する交差点先の道路の渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、
前記渋滞情報取得手段で取得した渋滞情報に基づいて、前記交差点手前の道路の渋滞状況、および前記交差点先の道路の渋滞状況をモニタ上に設定した表示領域内に表示する渋滞状況表示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記渋滞状況表示手段は、前記交差点検出手段で検出した交差点手前の道路の車線数分の車線領域を、前記交差点手前の道路の各車線に対応付けて前記表示領域内に表示し、前記交差点手前の道路の渋滞状況を、各車線ごとの渋滞状況として、それぞれの車線に対応した前記車線領域内に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記渋滞状況表示手段は、前記車線領域と対となる進行方向別の渋滞状況を表示する進行方向別領域を前記表示領域内に表示し、前記車線領域に対応する各車線の進行可能方向に含まれる前記交差点先の道路における渋滞状況を、それぞれの車線に対応した前記車線領域と対となる前記進行方向別領域内に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記渋滞状況表示手段は、前記進行方向別領域を、各進行方向別領域と対となる前記車線領域の上部に隣接して表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記渋滞状況表示手段は、渋滞状況をその渋滞の度合いに応じて色分けして表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
交差点における渋滞状況を表示する渋滞情報表示方法であって、
交差点手前の道路の車線数、および前記交差点手前の道路における各車線の進行可能方向を検出し、
前記交差点手前の道路の渋滞情報、および前記各車線の進行可能方向に延在する交差点先の道路の渋滞情報を取得し、
取得した前記渋滞情報に基づいて、前記交差点手前の道路の渋滞状況、および前記交差点先の道路の渋滞状況をモニタ上に設定した表示領域内に表示することを特徴とする渋滞情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−317159(P2006−317159A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−136996(P2005−136996)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】