説明

ナビゲーション装置、ナビゲーションプログラム

【課題】インフラをいたずらに圧迫することなく容易に地図データの変更を行うことが可能なナビゲーション装置と提供することを課題とする。
【解決手段】ナビゲーション装置は、地図データと、地図データ取得表示手段と、地図変更情報取得手段と、地図表示変更手段と、を備える。前記地図データは、地図情報として利用することができない利用不可モードと地図情報として利用することができる利用可モードの2つのモードを有する所定の地図情報を含む。地図変更情報手段は、放送により配信されてなる地図の変更情報を受信する。地図表示変更手段は、変更情報を受信すると、所定の地図情報における2つのモードを切り替える。このようにすることで、ナビゲーション装置は、変更があった地図データそのものを受信する必要はなくなり、インフラに対する圧迫を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データの変更を行うのに好適なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、地図データはCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)又はDVD−ROM(DVD-Read Only Memory)などの地図データ記録媒体に記憶されているものが使用されていた。即ち、ナビゲーション装置は、CD−ROMやDVD−ROMなどの地図データ記録媒体のドライブユニットを備え、車両の移動に応じて車両の現在位置付近の地図データを地図データ記録媒体から読み出し、車両の運転席付近に取り付けられた液晶モニタなどに表示していた。
【0003】
しかし、地図データの供給源をそのような記録媒体とすると、地図データの更新が頻繁に行えないという問題が生じる。地図データは、高速道路などの新たな道路網の整備などに応じて更新される。また、ナビゲーション装置において使用される地図データには、道路データの他に、付近の施設や店舗(例えば、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド)などの情報が含められている。最近では、比較的頻繁に新しい店舗ができたり、古い店舗が無くなったりする傾向があるので、常に最新の情報を得ようとすれば、頻繁に地図データ記録媒体を買い換える必要があり、これはユーザにとっては負担となる。
【0004】
このような問題を解決するために、下記の特許文献1には、更新された地図データたる地図更新データを放送波により送信する地図更新データ配信装置を設け、ナビゲーション装置には放送波を受信する受信手段を設け、放送波により送信された地図更新データを受信することにより、地図データの更新を行う技術が記されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−12957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の地図更新データ配信装置は、地図更新データを全てのユーザのナビゲーション装置が受信していない限り、蓄積され続ける地図更新データ全てを送信し続けなければならず、インフラをいたずらに圧迫する可能性が高くなってしまう。また、ユーザ自身が常に地図更新データをインストールしない限り、地図データの地図情報の陳腐化は進んでしまう。
【0007】
一方で、地震などの災害が発生した場合には、ナビゲーション装置が、インフラをいたずらに圧迫することなく、地図データ中における避難場所などの地図情報や当該避難場所までの最短経路を表示画面に表示する要請もある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題には、上記のようなものが挙げられる。本発明は、インフラをいたずらに圧迫することなく容易に地図データの変更を行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、ナビゲーション装置において、地図情報として利用することができない利用不可モードと地図情報として利用することができる利用可モードの2つのモードを有する所定の地図情報を含む地図データと、放送により配信されてなる前記所定の地図情報の変更情報を受信する地図変更情報受信手段と、受信した前記変更情報を基に、前記所定の地図情報における前記2つのモードを切り替える地図表示変更手段と、を備えることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の1つの観点では、ナビゲーション装置は、地図情報として利用することができない利用不可モードと地図情報として利用することができる利用可モードの2つのモードを有する所定の地図情報を含む地図データと、放送により配信されてなる前記所定の地図情報の変更情報を受信する地図変更情報受信手段と、受信した前記変更情報を基に、前記所定の地図情報における前記2つのモードを切り替える地図表示変更手段と、を備える。
【0011】
上記のナビゲーション装置は、地図データと、地図変更情報取得手段と、地図表示変更手段と、を備える。前記地図データは、地図情報として利用することができない利用不可モードと地図情報として利用することができる利用可モードの2つのモードを有する所定の地図情報を含む。前記地図変更情報受信手段は、例えば、放送波を受信することのできる通信装置であり、放送により配信されてなる地図の変更情報を受信する。ここでいう地図の変更情報とは、例えば、地図の更新情報や災害情報であり、前記所定の地図情報のID情報や、前記所定の地図情報の利用可又は利用不可を指示するコマンド情報を含む。前記地図表示変更手段は、例えば、システムコントローラであり、前記変更情報を受信すると、前記変更情報を基に、言い換えると、前記所定の地図情報の利用可又は利用不可を指示するコマンド情報を基に、前記所定の地図情報における前記2つのモードを切り替える。このようにすることで、ナビゲーション装置は、地図データに変更があった場合であっても、変更があった地図データそのものを受信する必要はなくなり、インフラに対する圧迫を抑えることができ、容易に地図データを変更することができる。
【0012】
上記のナビゲーション装置の一態様は、前記所定の地図情報は、予め利用不可モードとされた地図情報であり、前記変更情報は、前記所定の地図情報を利用可モードとすることを指示する更新情報であり、前記地図表示変更手段は、受信した前記更新情報を基に、前記所定の地図情報を利用可モードとする。これにより、ナビゲーション装置は、地図情報の陳腐化を防ぐことができると共に、地図データに変更があった場合であっても、変更があった地図データそのものを受信する必要はなくなるので、インフラに対する圧迫を抑えることができる。
【0013】
上記のナビゲーション装置の好適な実施例は、前記所定の地図情報は、予め利用可モードとされた地図情報であり、前記変更情報は、前記所定の地図情報を利用不可モードとすることを指示する更新情報であり、前記地図表示変更手段は、受信した前記更新情報を基に、前記所定の地図情報を利用不可モードとする。
【0014】
上記のナビゲーション装置の他の一態様は、前記地図表示変更手段は、前記更新情報を受信すると、前記地図データが更新されたことを前記表示画面に表示する。具体的には、前記地図表示変更手段は、前記更新情報に係る、更新通知用のテキスト情報を表示するコマンド情報を基に、更新通知用のテキスト情報を表示する。これにより、ユーザは、地図データが更新されたことを認識することができる。
【0015】
上記のナビゲーション装置の更なる他の一態様は、前記地図表示変更手段は、前記所定の地図情報が、前記地図データに存在しない場合には、ユーザに最新の地図データが発行されていることを前記表示画面に表示する。このように、ナビゲーション装置は、新しい地図データが発行されたことを通知することで、最新の地図データをインストールするように促すことができる。
【0016】
上記のナビゲーション装置の好適な実施例は、前記所定の地図情報は、道路又は/及び建物を示す地図情報である。
【0017】
上記のナビゲーション装置の更なる他の一態様は、前記変更情報は、前記所定の地図情報を避難場所として表示することを指示する第1のコマンド情報を含む災害情報であり、前記地図表示変更手段は、受信した前記災害情報に係る前記第1のコマンド情報を基に、前記所定の地図情報を避難場所として表示する。これにより、ユーザは、避難場所を認識することができる。
【0018】
上記のナビゲーション装置の更なる他の一態様は、前記災害情報は、前記避難場所までの最短経路を探索して前記表示画面に表示することを指示する第2のコマンド情報を含み、前記地図表示変更手段は、受信した前記災害情報に係る第2のコマンド情報を基に、前記避難場所までの最短経路を探索して前記表示画面に表示する。これにより、ナビゲーション装置は、ユーザに対し、避難場所までの経路を知らせることができ、前記避難場所へ誘導することができる。
【0019】
上記のナビゲーション装置の更なる他の一態様は、前記災害情報は、災害の状況が記されたテキスト情報を有すると共に、前記テキスト情報を前記表示画面に表示することを指示する第3のコマンド情報を含み、前記地図表示変更手段は、受信した前記災害情報に係る第3のコマンド情報を基に、前記災害情報に係るテキスト情報の内容を前記表示画面に表示する。これにより、ユーザは、災害の具体的な状況をいち早く知ることができる。
【0020】
本発明の他の観点では、地図情報として利用できない利用不可モードと地図情報として利用できる利用可モードの2つのモードを有する所定の地図情報を含む地図データを備えるナビゲーション装置により実行されるプログラムは、放送により配信されてなる前記所定の地図情報の変更情報を受信する地図変更情報受信手段、受信した前記変更情報を基に、前記所定の地図情報における前記2つのモードを切り替える地図表示変更手段、として前記ナビゲーション装置を機能させる。このようにしても、ナビゲーション装置は、地図データに変更があった場合に、変更があった地図データそのものを受信する必要はなくなり、インフラに対する圧迫を抑えることができる。
【実施例】
【0021】
[第1実施例]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、以下の説明は、本発明を車両用の通信型ナビゲーション装置(以下、単に「ナビゲーション装置」という。)に適用した例を示す。
【0022】
(ナビゲーション装置)
図1に、第1実施例に係るナビゲーション装置の利用状況を模式的に示す。図1において、ナビゲーション装置7は車両5に搭載されている。ナビゲーション装置7は、複数の衛星4からの電波を受信することにより、自車位置を測位する。また、ナビゲーション装置7は、通信機能を利用して、地図情報提供センタ6より放送波により配信されてなる地図情報の変更情報を取得する。この地図情報の変更情報については後に詳述する。
【0023】
図2に、ナビゲーション装置7の構成を示す。図2に示すように、ナビゲーション装置7は、自立測位装置10、GPS受信器18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備えて構成されている。
【0024】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を含んで構成されている。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。
【0025】
距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0026】
GPS受信器18は、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられるべき複数のGPS衛星からの測位用のデータを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する部分である。
【0027】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置7全体の制御を行うように構成されている。
【0028】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信器18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルスの他、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0029】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0030】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。また、本発明においては、原則としては、地図データは最初に装置側のデータ記憶ユニット36に予め記憶させておく(以下、この処理を「プリインストール」とも呼ぶ)必要がある。このプリインストールは、システムコントローラ20が、地図データが入っているCD又はDVDといったディスク33より、地図データを読み出した後、当該地図データをデータ記憶ユニット36に記憶することにより行われる。ディスクドライブ31は、このプリインストールが行われる際、地図データが入っているCD−ROM又はDVD−ROMから地図データを読み出すのにも用いられる。
【0031】
データ記憶ユニット36は、主として地図データを記憶するユニットである。プリインストールが行われる際、CD−ROM又はDVD−ROMから読み出された地図データは、このデータ記憶ユニット36に記憶される。
【0032】
通信装置38は、例えば、放送波39を受信することが可能な放送波受信チューナであり、通信用インタフェース37を介して、地図情報提供センタ6から放送された、地図データの変更情報を受信可能に構成されている。
【0033】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示画面に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36より地図データを読み出し、表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36より読み出された地図データを、ディスプレイなどの表示画面に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM )等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備えて構成されている。ディスプレイ44は、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0034】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0035】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。
【0036】
(更新情報による地図の更新)
まず、地図情報提供センタ6より放送された地図データの変更情報の一例として、道路や建物が新たに完成したといった更新情報が放送された場合の例について述べる。
【0037】
図3は、データ記憶ユニット36に記憶される地図データ70の構造を示す。ナビゲーション装置7に対し、基本的な地図データがプリインストールされると、データ記憶ユニット36には、図3に示す構造を有する地図データ70が記憶されることとなる。地図データ70は、現存している道路や建物などの地図情報より構成される通常の地図データ(以下、単に「通常地図データ」と称す)71と、将来完成する予定である道路や建物などの地図情報より構成される地図データ(以下、単に「事前取得地図データ」と称す)72より構成される。
【0038】
事前取得地図データ72は、具体的には、国や地方自治体が発行している道路計画図や都市計画図などを基にして作成され、将来完成するであろうと思われる道路や建物などの地図情報より構成される。ユーザが地図データをナビゲーション装置7にインストールした段階では、このような道路や建物は、まだ完成しておらず、ユーザが使用できる状況にない。そのため、当該道路や建物などの地図情報を地図上に表示することは、ユーザを間違った方向に誘導してしまう可能性があるため、適当ではない。従って、この段階では、ナビゲーション装置7は、事前取得地図データ72に係る地図情報を表示画面に表示しない。以下、道路を例にとって具体的に述べる。
【0039】
図4(a)は、地図データ70に係る地図を表示した一例を示し、図4(b)は、地図情報のID情報の一例を示す。図4(a)に示す地図に係る地図データは、道路73a、73b、73c、建物74といった地図情報を有する。建物74の地図情報は、例えば施設や店舗(例えば、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド)などの建物の地図情報である。ここで、実線で示す、道路73a、建物74は、通常地図データに係る地図情報であり、破線で示す、道路73b、73cは、事前取得地図データに係る地図情報である。つまり、道路73a、建物74は現存しており、ユーザが使用できる状況にあるが、道路73b、73cは、まだ完成しておらず、ユーザが使用できる状態にない。
【0040】
図4(a)の地図に示すように、地図情報には夫々、ID情報が割り当てられている。例えば、図4(a)の地図の例では、道路73aには「r2253421」が、道路73bには「r2253450」が、道路73cには「r2253460」が、建物74には「p2253311」が、夫々割り当てられている。
【0041】
ID情報は、図4(b)に示すように、オブジェクトIDと、属性IDより構成される。オブジェクトIDは、地図情報を識別するための番号であり、各地図情報で互いに異なる番号となる。属性IDは、当該地図情報について、利用可モードとなっているか、利用不可モードとなっているかを決定するものである。ここで、地図情報が利用可モードとなっているとは、ナビゲーション装置7が、当該地図情報を利用することができること、例えば、当該地図情報を、画面に表示することや音声案内すること、経路探索を行う際に用いることができることをいう。また、地図情報が利用不可モードとなっているとは、ナビゲーション装置7が、当該地図情報を利用することができないこと、例えば、当該地図情報を、表示画面に表示することができず、経路探索を行う際に用いることができないことをいう。例えば、本実施例では、ID情報の下1桁が属性IDに割り当てられており、各地図情報は、属性IDが「0」となるときは、利用不可モードとされ、属性IDが「1」となるときは、利用可モードとされる。このことから分かるように、事前取得地図データ72に係る地図情報は、予め、利用不可モードとされるため、属性IDが「0」に設定される。
【0042】
ナビゲーション装置7は、地図情報の属性IDが「0」又は「1」のどちらになっているかを判定し、例えば、当該属性IDが「0」となるときは、当該地図情報を表示画面に表示せず、「1」となるときは、当該地図情報を表示画面に表示する。このようにすることで、ナビゲーション装置7は、実線で示す道路73a、建物74を表示画面に表示する一方、破線で示す道路73b、73cを表示画面に表示しないとすることができる。
【0043】
なお、各オブジェクトIDに属性IDを関連付ける方法としては、上述のように、各オブジェクトIDに属性IDを付加する代わりに、オブジェクトIDが属性IDの値で分類されたテーブルを用いるとしてもよい。
【0044】
本実施例に係るナビゲーション装置7は、地図情報提供センタ6より放送された地図情報の更新情報を受信すると、当該更新情報を基に地図情報の利用不可モード又は利用可モードの2つのモードを切り替える。このようにすることで、ナビゲーション装置7は、地図データに変更があった場合であっても、変更があった地図データそのものを受信する必要はなくなる。以下に具体的に述べる。
【0045】
図5(a)は、ナビゲーション装置7が更新情報を受信する前に表示される地図を示し、図5(b)は、ナビゲーション装置7が更新情報を受信した後に表示される地図を示す。図5(a)、(b)の地図において、破線で示されている地図情報は、表示画面に表示されていない地図情報である。なお、以下に示す地図においても、破線で示されている地図情報は、表示画面に表示されない地図情報であるとする。
【0046】
図5(a)の吹き出し91は、地図情報提供センタ6より放送された更新情報の内容を示している。地図情報提供センタ6より放送される地図情報の更新情報は、具体的には、2つの情報、即ち、変更するべき地図情報のID情報と、当該地図情報を利用可モードとするのか、又は利用不可モードとするのかを指示するコマンド情報より構成される。ここで、コマンド情報とは、具体的には、コマンドIDである。ナビゲーション装置7は、予め、コマンドIDに対応した動作手順をプログラムなどにより保持し、コマンド情報としてコマンドIDを受信すると、当該受信したコマンドIDに対応する動作を行う。以下では、一例として、ナビゲーション装置7は、コマンドIDが「A」となるときは、当該地図情報を利用可モードにし、コマンドIDが「B」となるときは、当該地図情報を利用不可モードとすることとする。
【0047】
例えば、現在、表示画面上には表示されていない道路73bが、実際に完成して、ユーザが使用できる状況となった場合、地図情報提供センタ6は、道路73bを表示画面上に表示することを指示する更新情報を放送する。具体的には、地図情報提供センタ6は、更新情報として、道路73bのID情報と、当該ID情報に係る地図情報を利用可モードにする指示を行うコマンド情報、即ちコマンドID「A」を放送する。
【0048】
ナビゲーション装置7は、更新情報を受信すると、当該更新情報に係るID情報と、データ記憶ユニット36における地図データ70の地図情報のID情報を照会する。ナビゲーション装置7は、当該更新情報に係るID情報と合致するID情報を有する地図情報を、データ記憶ユニット36における地図データ70に見つけた場合には、更新情報に係るコマンド情報たるコマンドIDが「A」となっていることから、当該地図情報のID情報における下一桁の属性IDを「0」から「1」に設定する。つまり、図5(b)の地図に示すように、道路73bのID情報は、「r2253450」から「r2253451」に設定される。このようにすることで、ナビゲーション装置7は、道路73bを表示することができると共に経路探索に用いることも可能となり、地図データを更新することができる。これにより、ナビゲーション装置7は、地図情報の陳腐化を防ぐことができると共に、地図データに変更があった場合であっても、変更があった地図データそのものを受信する必要はなくなるので、インフラに対する圧迫を抑えることができる。
【0049】
また、逆に、現在表示画面上には表示されている道路や建物が、廃止されたり、取り壊されたりしてユーザが使用できない状況となった場合には、地図情報提供センタ6は、更新情報として、廃止されたり、取り壊されたりした対象の地図情報のID情報と、当該ID情報に係る地図情報を利用不可モードにする指示を行うコマンド情報、即ちコマンドID「B」を放送する。
【0050】
ナビゲーション装置7は、更新情報を受信すると、当該更新情報に係るID情報と、データ記憶ユニット36における地図データ70の地図情報のID情報を照会する。ナビゲーション装置7は、当該更新情報に係るID情報と合致するID情報を有する地図情報を、データ記憶ユニット36における地図データ70に見つけた場合には、更新情報に係るコマンド情報たるコマンドIDが「B」となっていることから、当該地図情報のID情報における下一桁の属性IDを「1」から「0」に設定する。このようにすることで、ナビゲーション装置7は、取り壊されたり、廃止されたりした道路や建物の表示を表示画面に表示するのを止め、非表示とすることができる。また、このようにすることで、ナビゲーション装置7は、取り壊されたり、廃止されたりした道路を経路探索に用いるのを止めることができる。
【0051】
また、ナビゲーション装置7は、予め、地図データの更新を知らせる更新通知用のテキスト情報をデータ記憶ユニット36に記憶しておき、更新情報を受信すると、当該テキスト情報を表示することで、地図データが更新されたことをユーザに知らせることができる。具体的には、ナビゲーション装置7は、更新情報に係るコマンド情報として、コマンドIDが「C」となるコマンド情報を受信したときは、データ記憶ユニット36に記憶してある更新通知用のテキスト情報を表示することとする。つまり、更新通知用のテキスト情報を表示する場合には、更新情報には、ID情報、コマンドIDが「A」又は「B」となるコマンド情報の他、コマンドIDが「C」となるコマンド情報も含まれる。例えば、ナビゲーション装置7は、「地図データが更新されました。」と書かれたテキスト情報を、予めデータ記憶ユニット36に記憶しておき、更新情報を受信する度に、図5(b)の枠92内に示すように、当該テキスト情報を表示画面に所定時間表示する。このようにすることで、ユーザは、地図データが更新されたことを認識することができる。
【0052】
次に、地図データが更新情報に係る地図情報自体を有していない場合について述べる。図6(a)は、ナビゲーション装置7が更新情報を受信する前に表示される地図を示し、図6(b)は、ナビゲーション装置7が更新情報を受信した後に表示される地図を示す。 図6(a)の地図に示すように、この例では、地図データ70が道路73bの地図情報自体を有していない。言い換えると、この例では、道路73bの地図情報を含む事前取得地図データが、ナビゲーション装置7にプリインストールされていない。
【0053】
地図情報提供センタ6は、更新情報として、道路73bのID情報と、当該ID情報に係る地図情報を利用可モードにする指示を行うコマンド情報を放送すると、ナビゲーション装置7は、当該更新情報を受信し、当該更新情報に係るID情報と、データ記憶ユニット36における地図データ70の地図情報のID情報を照会する。
【0054】
しかしながら、地図データ70は、道路73bの地図情報自体を有していないため、ナビゲーション装置7は、放送されたID情報と合致するID情報を有する地図情報を見つけることはできない。このため、ナビゲーション装置7は、道路73bを表示することはできない。
【0055】
この場合、ナビゲーション装置7は、図6(b)に示すように、「新しい地図データが発行されています。最新の地図データインストールしてください」といったテキスト情報をデータ記憶ユニット36に予め記憶しておき、放送されたID情報と合致するID情報を有する地図情報を見つけることができなかった場合には、当該テキスト情報を表示することとする。このようにすることで、ナビゲーション装置7は、ユーザに対し、新しい地図データが発行されたことを通知することができ、最新の地図データをインストールするように促すことができる。
【0056】
なお、上記の実施例では、更新される地図情報の例として道路を例に挙げたがこれに限られない。代わりに、又は、加えて、建物などの他の地図情報を更新される地図情報としてもよい。例えば、施設や店舗(例えば、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド)などの建物の地図情報を、受信した更新情報を基に、利用可モード又は利用不可モードにすることとしてもよい。
【0057】
また、上記の実施例では、ユーザに対し、テキスト情報を通知する場合、予め、当該テキスト情報をデータ記憶ユニット36に記憶しておくこととしているが、本発明の適用はこれに限られない。例えば、当該テキスト情報を予めデータ記憶ユニット36に記憶しておく代わりに、又は、加えて、後に第2実施例で述べるように、地図情報提供センタ6が、当該テキスト情報を、更新情報を構成する情報の一つとして放送し、ナビゲーション装置7は、受信した当該テキスト情報を表示画面に表示するとしてもよい。上記の実施例で述べたテキスト情報は、比較的、定型的なものとなる場合が多いので、予め、データ記憶ユニット36に記憶しておき、ナビゲーション装置7は、データ記憶ユニット36に記憶されているテキスト情報を表示することとしている。上記の実施例の場合には、このようにした方が、地図情報提供センタ6は、放送する必要のある情報量を少なくすることができ、好適である。
【0058】
さらに、上記の実施例では、プリインストールは、システムコントローラ20が、地図データが入っているCD又はDVDといったディスクより、地図データを読み出した後、当該地図データをデータ記憶ユニット36に記憶することにより行われるとしているが、本発明の適用はこれに限られない。例えば、システムコントローラ20が、地図データが入っているCD又はDVDといったディスクより、地図データを読み出す代わりに、又は、加えて、インターネットなどのネットワークなどを通じて外部の地図サーバなどから地図データを取得して、当該地図データをデータ記憶ユニット36に記憶するように構成することもできる。または、メモリカード等のコンパクトメディアより、地図データを取得して、当該地図データをデータ記憶ユニット36に記憶するように構成することもできる。
【0059】
(地図表示方法)
次に、地図を更新する場合における第1実施例に係る地図表示方法についてフローチャートを用いて述べる。図7は、第1実施例に係る地図表示方法のフローチャートを示す図である。
【0060】
まず、情報提供センタ6は、ID情報とコマンド情報より構成される地図情報の更新情報を放送する(ステップS11)。ナビゲーション装置7は、通信装置38より地図情報の更新情報を受信する(ステップS12)。システムコントローラ20は、更新情報に係る地図情報が存在するか否か、即ち、地図データ70における複数の地図情報に係るID情報のうちから、通信装置38より受信した更新情報に係るID情報と一致するものがあるか否かを判定する(ステップS13)。システムコントローラ20は、地図データ70における複数の地図情報に係るID情報のうちから、通信装置38より受信した更新情報に係るID情報と一致するものがないと判定した場合には(ステップS13:No)、データ記憶ユニット36に予め記憶しているテキスト情報、例えば、「新しい地図データが発行されています。最新の地図データインストールしてください」といったテキスト情報を表示画面に表示し、ユーザに対し、最新の地図データをインストールするように促す(ステップS14)。
【0061】
一方で、システムコントローラ20は、地図データ70における複数の地図情報に係るID情報のうちから、通信装置38より受信した更新情報に係るID情報と一致するものを見つけた場合には(ステップS13:Yes)、当該ID情報に係る地図情報について、当該更新情報に係るコマンド情報を基に、ID情報の属性IDの設定を変えることにより、利用可モード又は利用不可モードへの切り替えを行う(ステップS15)。具体的には、コマンド情報たるコマンドIDが、当該ID情報に係る地図情報を利用可モードにする指示を行うものである場合には(コマンドID「A」)、システムコントローラ20は、当該ID情報に係る地図情報を利用可モードに設定するために、属性IDを「0」から「1」に設定する。一方、コマンド情報たるコマンドIDが、当該ID情報に係る地図情報を表示画面上において利用不可モードにする指示を行うものである場合には(コマンドID「B」)、システムコントローラ20は、当該ID情報に係る地図情報を利用不可モードに設定するために、属性IDを「1」から「0」に設定する。
【0062】
次に、システムコントローラ20は、更新情報に係るコマンド情報に、テキスト情報を表示する指示を行うものがある場合には(コマンドID「C」)、データ記憶ユニット36に予め記憶しているテキスト情報、例えば「地図データが更新されました。」といったテキスト情報を表示画面に所定時間表示し、ユーザに対し、地図データが更新されたことを知らせた後(ステップS16)。処理を終了する。
【0063】
以上に述べたようにすることで、ナビゲーション装置7は、地図情報の陳腐化を防ぐことができると共に、地図データに変更があった場合であっても、変更があった地図データそのものを受信する必要はなくなるので、インフラに対する圧迫を抑えることができる。
【0064】
[第2実施例]
次に本発明の第2実施例について述べる。第2実施例に係るナビゲーション装置の装置構成は、第1実施例に係るナビゲーション装置7の構成と同様の構成となる。
【0065】
第2実施例では、地図情報提供センタ6より放送された地図データの変更情報の一例として、地震などの災害が発生した場合における避難場所や避難場所までの誘導ルートの情報たる災害情報が放送された場合の例について述べる。
【0066】
図8(a)は、ナビゲーション装置7が災害情報を受信する前に表示される地図を示し、図8(b)は、ナビゲーション装置7が災害情報を受信した後に表示される地図を示す。
【0067】
図8(a)では、吹き出し91は、地図情報提供センタ6より放送された災害情報の内容を示している。地図情報提供センタ6より放送される災害情報は、避難場所のID情報と、当該ID情報に係る地図情報を、例えば、点滅等させることにより強調して表示するといった、避難場所として表示することを指示するコマンド情報(例えば、コマンドIDを「D」とする)、及び当該避難場所までの最短ルートを探索して表示することを指示するコマンド情報(例えば、コマンドIDを「E」とする)、ユーザに具体的な災害の状況を知らせるためのテキスト情報、放送される当該テキスト情報を表示することを指示するコマンド情報(例えば、コマンドIDを「F」とする)より構成される。図8(a)、(b)に示す例では、広場85が記されている。この広場85がユーザの現在いる地点から最も近い避難場所であるとする。
【0068】
ナビゲーション装置7は、災害情報を受信すると、当該災害情報に係るID情報と、データ記憶ユニット36における地図データ70の地図情報のID情報を照会する。ナビゲーション装置7は、当該災害情報に係るID情報と合致するID情報を有する地図情報を、データ記憶ユニット36における地図データ70に見つけた場合には、災害情報に係るコマンド情報のうち、当該地図情報を避難場所として表示することを指示するコマンド情報、即ちコマンドIDが「D」となっていることから、当該地図情報を避難場所として表示する。つまり、ここでは、ナビゲーション装置7は、広場85を避難場所として表示する。また、ナビゲーション装置7は、避難場所を示す地図情報の属性IDが利用不可を示す「0」となっている場合に、コマンド情報としてコマンドID「D」を受信した場合には、当該地図情報の属性IDを「1」とすることにより利用可とした後、当該地図情報を避難場所として表示する。このようにすることで、ナビゲーション装置7は、広場85を避難場所として表示することができ、ユーザは、避難場所を認識することができる。
【0069】
また、ナビゲーション装置7は、災害情報に係るコマンド情報のうち、避難場所までの最短ルートを探索して表示することを指示するコマンド情報、即ちコマンドIDが「E」となっていることから、ユーザが現在いる地点から避難場所である広場85までの最短経路を探索し、図8(b)の矢印84に示すように、当該最短経路をユーザに対し表示する。このようにすることで、ナビゲーション装置7は、ユーザに対し、避難場所までの経路を知らせることができ、避難場所へ誘導することができる。
【0070】
さらに、ナビゲーション装置7は、災害情報に係るコマンド情報のうち、放送されるテキスト情報を表示することを指示するコマンド情報、即ちコマンドIDが「F」となっていることから、災害情報に係るテキスト情報を、図8(b)に示すように、表示画面に表示する。ここでは、災害情報に係るテキスト情報として、「○×地方にて震度6強の地震発生。○×地方付近を走行中の方は誘導に従って避難してください。」といった具体的な災害の状況を示すテキスト情報が放送され、表示画面に表示される。災害情報に係るテキスト情報は、ユーザに対し災害の具体的な状況を知らせる情報である必要があり、定型的な文章とはならないことが多い。従って、ナビゲーション装置7は、災害情報を受信した場合には、予めナビゲーション装置7側に記憶したテキスト情報を表示するのではなく、放送された災害情報に係るテキスト情報を表示することとしている。このようにすることで、ユーザは、災害の具体的な状況をいち早く知ることができる。
【0071】
(地図表示方法)
次に、災害情報を受信する場合における第2実施例に係る地図表示方法についてフローチャートを用いて述べる。図10は、第2実施例に係る地図表示方法のフローチャートを示す図である。
【0072】
まず、情報提供センタ6は、ID情報と、コマンド情報と、テキスト情報より構成される地図情報の災害情報を放送する(ステップS21)。ここでいう、コマンド情報は、当該ID情報に係る地図情報を避難場所として表示することを指示するコマンド情報、当該避難場所までの最短ルートを探索して表示することを指示するコマンド情報、放送されるテキスト情報を表示することを指示するコマンド情報の3つのコマンド情報を意味する。
【0073】
ナビゲーション装置7は、通信装置38より地図情報の災害情報を受信する(ステップS22)。システムコントローラ20は、通信装置38より受信した災害情報に係るID情報と一致するID情報を有する地図情報について、当該地図情報を避難場所として表示することを指示するコマンド情報(コマンドID「D」)を基に、当該地図情報を避難場所として点滅等させて表示する。これにより、ナビゲーション装置7は、災害情報に係るID情報と一致するID情報を有する地図情報、即ち避難場所を示す地図情報を表示することができる(ステップS23)。
【0074】
次に、システムコントローラ20は、当該避難場所までの最短ルートを探索して表示することを指示するコマンド情報(コマンドID「E」)を基に、当該避難場所までの最短経路を探索して当該最短経路を表示する(ステップS24)。さらに、システムコントローラ20は、放送されるテキスト情報を表示することを指示するコマンド情報(コマンドID「F」)を基に、災害情報に係るテキスト情報を表示することにより、ユーザに対し、災害の具体的な状況を知らせた後(ステップS25)、処理を終了する。
【0075】
以上に述べたようにすることで、ナビゲーション装置7は、インフラをいたずらに圧迫することなく、地図データ中における所定の地図情報を、表示画面上に避難場所として表示することができる。
【0076】
(変形例)
次に、第2実施例の変形例について述べる。第2実施例の変形例では、地図情報提供センタ6より放送された地図データの変更情報の一例として、事故が発生したといった事故情報が放送された場合の例について述べる。図9(a)は、ナビゲーション装置7が事故情報を受信する前に表示される地図を示し、図9(b)は、ナビゲーション装置7が事故情報を受信した後に表示される地図を示す。
【0077】
この場合、地図情報提供センタ6より放送される事故情報は、具体的には、4つの情報、即ち、事故の発生した道路のID情報と、当該道路を利用不可モードにすることを指示するコマンド情報(コマンドID「B」)、ユーザに具体的な事故の状況を知らせるためのテキスト情報、放送される当該テキスト情報を表示することを指示するコマンド情報(コマンドID「F」)より構成される。この例では、図9(a)に示す道路73cに事故が発生したとする。
【0078】
ナビゲーション装置7は、事故情報を受信すると、当該事故情報に係るID情報と、データ記憶ユニット36における地図データ70の地図情報のID情報を照会する。ナビゲーション装置7は、当該事故情報に係るID情報と合致するID情報を有する地図情報を、データ記憶ユニット36における地図データ70に見つけた場合には、当該地図情報を利用不可モードに指示するコマンド情報より、当該地図情報のID情報における下一桁の属性IDを「1」から「0」に設定する。つまり、ナビゲーション装置7は、道路73cの属性IDを「1」から「0」に設定する。このようにして、図9(b)の地図に示すように、道路73cのID情報は、「r2253461」から「r2253460」に設定される。このように、ナビゲーション装置7は、事故情報を受信すると、道路73cの表示を止めることとなると共に、道路73cは経路探索にも用いられないこととなるので、ユーザを、事故の発生した道路に誘導しなくて済む。
【0079】
ここで、ナビゲーション装置7は、放送される当該テキスト情報を表示することを指示するコマンド情報(コマンドID「F」)を基に、事故情報に係るテキスト情報(図9(b)で言うと「ABC道路は追突事故発生により通行止めです。復旧のめどは立っていません」と書かれたテキスト情報)を、図9(b)に示すように、表示画面に表示する。これにより、ユーザは、事故の具体的な状況をいち早く知ることができる。
【0080】
(応用例)
上述した各実施例では、変更情報は、放送波により配信されてなるとしているがこれに限られるものではない。この代わりに、例えば、ブロードバンド経由などによる他の放送手段によって配信されるとしてもよい。なお、この場合、ナビゲーション装置7は、当該他の放送手段に対応した受信装置を備えることはいうまでもない。
【0081】
以上に説明したように、本実施例では、ナビゲーション装置は、地図情報として利用することができない利用不可モードと地図情報として利用することができる利用可モードの2つのモードを有する所定の地図情報を含む地図データと、放送により配信されてなる前記所定の地図情報の変更情報を受信する地図変更情報受信手段と、受信した前記変更情報を基に、前記所定の地図情報における前記2つのモードを切り替える地図表示変更手段と、を備える。このようにすることで、このようにすることで、ナビゲーション装置は、地図データに変更があった場合であっても、変更があった地図データそのものを受信する必要はなくなり、インフラに対する圧迫を抑えることができ、容易に地図データを変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置の利用状況を示す図である。
【図2】ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】データ記憶ユニットにおける地図データの構造を示す図である。
【図4】地図データに係る地図と地図情報のID情報の一例を示す図である。
【図5】更新情報を受信する前後に表示される地図を示す図である。
【図6】更新情報を受信する前後に表示される地図を示す図である。
【図7】第1実施例に係る地図表示処理を示すフローチャートである。
【図8】災害情報を受信する前後に表示される地図を示す図である。
【図9】事故情報を受信する前後に表示される地図を示す図である。
【図10】第2実施例に係る地図表示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
5・・・車両
6・・・地図情報提供センタ
20・・・システムコントローラ
31・・・ディスクドライブ
36・・・データ記憶ユニット
37・・・通信用インターフェース
38・・・通信装置
40・・・表示ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報として利用することができない利用不可モードと地図情報として利用することができる利用可モードの2つのモードを有する所定の地図情報を含む地図データと、
放送により配信されてなる前記所定の地図情報の変更情報を受信する地図変更情報受信手段と、
受信した前記変更情報を基に、前記所定の地図情報における前記2つのモードを切り替える地図表示変更手段と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記所定の地図情報は、予め利用不可モードとされた地図情報であり、
前記変更情報は、前記所定の地図情報を利用可モードとすることを指示する更新情報であり、
前記地図表示変更手段は、受信した前記更新情報を基に、前記所定の地図情報を利用可モードとすることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記所定の地図情報は、予め利用可モードとされた地図情報であり、
前記変更情報は、前記所定の地図情報を利用不可モードとすることを指示する更新情報であり、
前記地図表示変更手段は、受信した前記更新情報を基に、前記所定の地図情報を利用不可モードとすることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記地図表示変更手段は、前記更新情報を受信すると、前記地図データが更新されたことを前記表示画面に表示することを特徴とする請求項2又は3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記地図表示変更手段は、前記所定の地図情報が、前記地図データに存在しない場合には、ユーザに最新の地図データが発行されていることを前記表示画面に表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置
【請求項6】
前記所定の地図情報は、道路又は/及び建物を示す地図情報であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記変更情報は、前記所定の地図情報を避難場所として表示することを指示する第1のコマンド情報を含む災害情報であり、
前記地図表示変更手段は、受信した前記災害情報に係る前記第1のコマンド情報を基に、前記所定の地図情報を避難場所として表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記災害情報は、前記避難場所までの最短経路を探索して前記表示画面に表示することを指示する第2のコマンド情報を含み、
前記地図表示変更手段は、受信した前記災害情報に係る前記第2のコマンド情報を基に、前記避難場所までの最短経路を探索して前記表示画面に表示することを特徴とする請求項7に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記災害情報は、災害の状況が記されたテキスト情報を有すると共に、前記テキスト情報を前記表示画面に表示することを指示する第3のコマンド情報を含み、
前記地図表示変更手段は、受信した前記災害情報に係る前記第3のコマンド情報を基に、前記災害情報に係るテキスト情報の内容を前記表示画面に表示することを特徴とする請求項7又は8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
地図情報として利用できない利用不可モードと地図情報として利用できる利用可モードの2つのモードを有する所定の地図情報を含む地図データを備えるナビゲーション装置により実行されるプログラムであって、
放送により配信されてなる前記所定の地図情報の変更情報を受信する地図変更情報受信手段、
受信した前記変更情報を基に、前記所定の地図情報における前記2つのモードを切り替える地図表示変更手段、として前記ナビゲーション装置を機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−178781(P2007−178781A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378172(P2005−378172)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】