説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション装置の選曲方法及び楽曲配信システム

【課題】同じ地理的状況で同じ曲が繰り返し再生されるのを抑制することができるナビゲーション装置、ナビゲーション装置の選曲方法及び楽曲配信システムを提供する。
【解決手段】車両に搭載されたナビゲーション装置において、自車位置を演算するナビゲーションコンピュータ10と、過去に再生した楽曲の再生履歴データ26を、再生時の地理的状況と関連付けて記憶する再生履歴記憶部25と、再生対象の楽曲の再生リストを作成し、再生リストのうち、再生待ちの楽曲が、過去に再生された地理的状況と同じ状況下で再生されるか否かを再生履歴データ26に基づき予測するとともに、楽曲が過去に再生された地理的状況下で再生されると予測される場合に、該楽曲の順番を変更するオーディオコンピュータ20とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション装置の選曲方法及び楽曲配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種オーディオ装置を用いて音楽を聴くとき、ユーザはその時の状況と音楽とを関連付けて記憶する傾向がある。ナビゲーションシステムを用いて運転中に音楽を再生する場合、移動する車室内で音楽を聴くため、その音楽を聞いた状況が強く印象に残る。特許文献1には、この傾向を利用して、ある地点において以前再生した曲を繰り返す装置が記載されている。
【特許文献1】特開2004−178666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記したシステムでは、過去に再生された位置で同じ音楽を聴くことにより、その時の状況をユーザに思い出させる利点を有するものの、ランダム再生(シャッフル再生)を好むユーザ、通勤中等に音楽を聴くユーザが、その機能を利用した場合、飽きてしまい、十分に楽しむことができないと考えられる。即ち、ランダム再生を好むユーザは、思いがけない楽曲の組み合わせを期待しているため、同じ位置で同じ曲を聴くことを好まないと想定される。また、同じ行程を頻繁に運転する場合、同じ位置で同じ曲が再生されると、頻繁に同じ曲を聴くことになる。
【0004】
特に、最近のナビゲーションシステムでは、楽曲データを格納する記憶媒体の容量が増加し、数千曲〜数万曲の楽曲データが記憶されることがある。このような場合、ユーザは、記憶した曲全てを把握できず、記憶された楽曲データの中には一度も再生されない曲も存在する。従って、大容量の記憶媒体を具備したナビゲーションシステムでは、ランダム再生機能の利用度が高まる。しかし、通常のランダム再生機能を用いても、同じ場所で同じ曲が再生されることがあるため、異なる状況で異なる曲を再生する機能が望まれる。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、同じ地理的状況で同じ曲が繰り返し再生されるのを抑制することができるナビゲーション装置、ナビゲーション装置の選曲方法及び楽曲配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両に搭載されたナビゲーション装置において、自車位置を演算する自車位置演算手段と、過去に再生した楽曲の再生履歴データを、再生時の自車位置に基づく地理的状況と関連付けて記憶する再生履歴データ記憶手段と、再生対象の楽曲の再生リストを作成する再生リスト作成手段と、前記再生リストのうち、再生待ちの楽曲が、該楽曲が過去に再生された地理的状況と同じ状況下で再生されるか否かを前記再生履歴データに基づき予測する予測手段と、楽曲が過去に再生された前記地理的状況下で再生されると予測される場合に、該楽曲の順番を変更するリスト編集手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記予測手段は、再生待ちの楽曲がこれから再生される地区と、その楽曲が過去に再生された地区とを比較し、各区域が重複するか否かを判断し、前記リスト編集手段は、これから再生され
る地区と、過去に再生された地区が重複する場合に、該楽曲の順番を変更することを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記予測手段は、再生待ちの楽曲が再生開始される予測再生位置を算出するとともに、各楽曲が過去に再生された距離範囲を示す過去再生範囲を前記再生履歴データに基づき算出し、次に再生される楽曲の前記予測再生位置が、該楽曲の前記過去再生範囲に含まれるか否かを判断し、前記リスト編集手段は、前記予測手段が、該楽曲の前記予測再生位置と前記過去再生範囲に含まれると判断した場合に、該楽曲の順番を変更することを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記予測手段は、各楽曲が過去に再生された過去再生道路を前記再生履歴データに基づき取得し、再生待ちの楽曲が、前記過去再生道路上で再生されるか否かを予測し、前記リスト編集手段は、前記予測手段が、該楽曲が前記過去再生道路上で再生されると予測した場合に、該楽曲の順番を変更することを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のナビゲーション装置において、前記予測手段は、再生待ちの楽曲の前記過去再生道路が、前記車両が現在走行している道路であるか否かを判断することを要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のナビゲーション装置において、目的地までの経路を探索する経路探索手段をさらに備え、前記予測手段は、前記経路に基づき、前記車両が、再生待ちの楽曲の前記過去再生道路に進入すると判断した場合に、現在走行している道路と前記過去再生道路との交差点を基準とした変更準備範囲を設定し、再生待ちの曲が再生される予測再生位置が、その楽曲の該変更準備範囲に含まれるか否かを判断することを要旨とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、車両の自車位置を演算する自車位置演算手段を用いて、再生対象の各楽曲を選曲するナビゲーション装置の選曲方法であって、過去に再生された楽曲の再生履歴データを、再生時の自車位置に基づく地理的状況と関連付けて記憶するとともに、前記再生履歴データに基づき、再生待ちの楽曲が、該楽曲が過去に再生された地理的状況と同じ状況下で再生されるか否かを判断し、該楽曲が過去に再生された地理的状況下で再生されると予測すると、該楽曲が再生される順番を変更することを要旨とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、車両に搭載されたナビゲーション装置と、楽曲データを記憶する楽曲記憶手段と、前記ナビゲーション装置が過去に再生した楽曲の再生履歴データを、再生時の自車位置に基づく地理的状況と関連付けて記憶する再生履歴データ記憶手段と、前記ナビゲーション装置にネットワークを介して接続された楽曲配信サーバとから構成された楽曲配信システムであって、前記楽曲配信サーバが、再生対象の楽曲の再生リストを作成する再生リスト作成手段と、前記再生リストのうち、再生待ちの楽曲が、該楽曲が過去に再生された地理的状況と同じ状況下で再生されるか否かを前記再生履歴データに基づき予測する予測手段と、楽曲が過去に再生された前記地理的状況下で再生されると予測される場合に、該楽曲の順番を変更するリスト編集手段と、前記再生リストに基づき、前記楽曲記憶手段に記憶された前記楽曲データを前記ナビゲーション装置に配信する配信手段とを備えたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、ナビゲーション装置は、再生待ちの楽曲が、過去に再生された地理的状況で再生されるか否かを予測するようにした。そして、過去に再生された地理的状況で再生されると予測される場合に、その楽曲の順番を繰り下げるようにした
。このため、各楽曲を、過去に再生された状況と異なる状況下で再生することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、再生待ちの楽曲がこれから再生される地区と、その楽曲が過去に再生された地区とを比較し、各地区が重複する場合に再生リストを編集するようにした。このため、例えば複数の市町村を通過する場合に、同じ市町村で同じ曲を再生しないようにすることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、次の楽曲の予測再生位置と、過去再生範囲とが重複した場合に、再生リストを編集するようにした。このため、車両が比較的短い距離を走行する場合でも、同じ状況下で同じ曲を再生しないようにすることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、再生待ちの楽曲が、過去に再生された道路上で再生されるか否かを予測し、過去再生道路上で再生されると予測した場合に再生リストを編集するようにした。このため、高速道路、国道等で長距離移動を行う場合に、同じ状況下で同じ曲を再生しないようにすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、現在走行している道路上で過去に再生された楽曲が、同じ道路上で再生されないようにすることができるので、同じ道路を頻繁に走行する場合に、ドライバーを飽きさせないようにすることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、車両が、再生待ちの楽曲の過去再生道路に進入する際に、その交差点を基準とした変更準備範囲を設定する。そして、予測再生位置が、その変更準備範囲に入った場合に、再生リストを編集する。このため、車両が右左折する前に、右左折先の道路で再生された楽曲を予め回避することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、再生待ちの楽曲が、過去に再生された地理的状況で再生されるか否かを予測するようにした。そして、過去に再生された地理的状況で再生されると予測される場合に、その楽曲の順番を繰り下げるようにした。このため、各楽曲を、過去に再生された状況と異なる状況下で再生することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、楽曲配信サーバは、再生待ちの楽曲が、過去に再生された地理的状況で再生されるか否かを予測するようにした。そして、過去に再生された地理的状況で再生されると予測される場合に、その楽曲の順番を繰り下げるようにした。このため、ナビゲーション装置に配信する各楽曲を、過去に再生された状況と異なる状況下で再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図9に従って説明する。
図1に示すように、車両に搭載されたナビゲーション装置1は、自車位置演算手段、経路探索手段としてのナビゲーションコンピュータ10、再生リスト作成手段、予測手段及びリスト編集手段としてのオーディオコンピュータ20を備えている。ナビゲーションコンピュータ10は、CPU、メモリ等を備え、GPS受信部11から、緯度・経度等の座標を示す位置検出信号を入力する。また、車両に設けられた車速センサ30及びジャイロ31から車速パルス、角速度をそれぞれ入力する。そして、ナビゲーションコンピュータ10は、これらの信号に基づき、電波航法及び自律航法を組み合わせて自車位置を特定する。
【0023】
また、ナビゲーション装置1は、地理データ記憶部12を備えている。地理データ記憶部12は、内蔵されたハードディスク、又は光ディスク等の外部記憶媒体である。この地
理データ記憶部12には、目的地までの経路を探索するための各経路ネットワークデータ(以下、経路データ13という)と、出力手段としてのディスプレイ32に、地図画面を出力するための各地図描画データ14とが格納されている。
【0024】
経路データ13は、全国を各区域に区画したリージョン毎のデータであって、図2に示すように、ノードデータ13a、リンクデータ13b、リンクコスト13c、接続データ13d等を有している。ノードデータ13aは、交差点、道路の端点等を示す各ノードの番号等の識別データ、隣接するノードの識別データ等を有している。リンクデータ13bは、リンクIDや、道路種別、通行規制等を示すデータ等を有している。リンクコスト13cは、リンク長、平均旅行時間等から構成されるデータ群である。接続データ13dは、各リンクの接続先のリンクを示すデータである。
【0025】
ナビゲーションコンピュータ10は、この経路データ13を用いて、目的地と現在の自車位置とを接続する案内経路を探索する。このとき、リンクコスト13cのリンク長、平均旅行時間等を用い、最短距離となる案内経路、走行時間が最も短縮化される案内経路、経費が縮小できる案内経路等のように、複数の経路を探索する。
【0026】
また、図3に示すように、地図描画データ14は、全国の地図を分割したメッシュ14a毎に格納され、広域の地図から狭域の地図まで各階層毎に分かれている。図3に示すように、メッシュ14a毎の各描画データ14bは、ヘッダ14c、道路レイヤ14d、背景レイヤ14e、地図属性レイヤ14fを有している。ヘッダ14cは、その描画データ14bの階層、エリア等を示し、管理目的のデータである。道路レイヤ14dは、道路の形状を示す形状補間データ、幅員等を示すデータである。背景レイヤ14eは、道路、市街地、河川等を描画するためのデータである。地図属性レイヤ14fは、その描画データが対応する、地区としての行政区域(国、都道府県、市町村等)、道路名及び道路種別(国道、県道等)、道路名等のデータであって、地図上に文字を描画する際に用いられる。
【0027】
ナビゲーションコンピュータ10は、自車位置周辺の地図描画データ14を読み出して、その地図描画データ14をディスプレイ32に出力し、地図画面を表示する。また、ディスプレイ32は、感圧式又は静電式のタッチパネルであって、ユーザの入力操作に基づく信号をナビゲーションコンピュータ10及びオーディオコンピュータ20にそれぞれ出力する。
【0028】
オーディオコンピュータ20は、DSP(Digital Signal Processor)等からなり、タッチパネル操作又はディスプレイ32に隣接する操作スイッチ33(図1参照)の押釦操作に基づき、楽曲再生を行う。オーディオコンピュータ20は、CDプレーヤ21にCDが挿入されると、CDから楽曲データ23を読み出して、楽曲記憶部22に各楽曲データ23を記憶する。
【0029】
図4に示すように、楽曲データ23は、カテゴリ24と関連付けて記憶されている。例えば、「CD1」のカテゴリ24には、「楽曲A」、「楽曲B」等複数の楽曲データ23が関連付けられて記憶されている。また、「お気に入り」のカテゴリ24には、「楽曲R」、「楽曲A」、「楽曲B」等が関連付けられて記憶されている。
【0030】
オーディオコンピュータ20は、タッチパネル操作により「お気に入り」のカテゴリ24が選択されると、そのカテゴリ24に分類された楽曲データ23を、記憶された順番に再生する。また、タッチパネル操作により「お気に入り」のカテゴリ24が選択され、且つランダム再生が選択されると、そのカテゴリ24に分類された楽曲データ23を、公知の方法により無作為に並び替え、再生リストL(図7参照)を生成する。そして、再生リストLに基づき、楽曲データを可聴周波に変換し、音場補正、増幅等を行った後、各フロ
ントスピーカ35,36、リヤスピーカ37,38等から出力する。また、カテゴリを指定しないでランダム再生が指定された場合、カテゴリ24に関わらず楽曲データ23を無作為に並び替え、再生リストLを生成する。
【0031】
また、楽曲を再生すると、オーディオコンピュータ20は、再生履歴データ26を再生履歴記憶部25に記憶する。図5に示すように、再生履歴データ26は、楽曲識別子26a、再生時刻26b、再生開始位置26cを有している。楽曲識別子26aは、各楽曲データ23の識別子である。再生時刻26bは、楽曲データ23が再生開始された時刻である。再生開始位置26cは、その楽曲データ23が再生開始された位置を示し、本実施形態では、国、都道府県、市町村等、再生開始された時点の車両の行政区域を示す。この行政区域のデータは、自車位置に基づき、地図描画データ14から取得することができる。再生履歴データ26は、所定期間の間記憶されているが、記憶された時点からの経過時間が所定期間が経過した場合には、その再生履歴データ26は消去される。
【0032】
また、オーディオコンピュータ20は、楽曲を再生すると、この再生履歴データ26に基づき、同じ再生位置で同じ楽曲が再生されないように、再生リストLを編集する。例えば、図6に示すように、自車位置Pが、「C市」にある場合、過去に「C市」で再生した「楽曲D」、「楽曲E」は再生しないように再生リストLを編集する。自車位置Pが「B市」にあるときは、過去に「B市」で再生した「楽曲A」、「楽曲B」、「楽曲C」は、再生しないように再生リストLを編集する。
(処理手順)
次に本実施形態の処理手順について、図8及び図9に従って説明する。図8に示す処理手順は、ランダム再生が指定された際の処理手順である。まず、オーディオコンピュータ20は、再生カテゴリが指定されているか否かを判断する(ステップS1)。
【0033】
再生カテゴリが指定されていると判断すると(ステップS1においてYES)、指定されたカテゴリ24に分類された楽曲データ23をランダム選曲して、再生リストLを生成する(ステップS2)。再生カテゴリが指定されていないと判断すると(ステップS1においてNO)、全楽曲データ23を対象としてランダム選曲し、再生リストLを生成する(ステップS3)。
【0034】
再生リストLを生成すると、ステップS4〜ステップS7を、再生リストLの楽曲が終了するまで繰り返す。ステップS4では、オーディオコンピュータ20は、ナビゲーションコンピュータ10から自車位置を取得し、再生履歴記憶部25から、自車位置がある地区の再生履歴データ26を読み出す(ステップS5)。具体的には、自車位置が「C市」にある場合、「C市」を再生開始位置26cとして有する再生履歴データ26を取得する。
【0035】
そして、オーディオコンピュータ20は、再生リストLのうち、次に再生する曲が、過去にその地区で再生されているか否かを判断し(ステップS5)、次の曲が過去にその地区で再生されている場合には(ステップS5においてYES)、再生リストを編集する(ステップS6)。例えば、図6に示すように、車両が「C市」にいる際に、図7(a)に示すリストLに基づき「楽曲C」を再生しているとする。そして、「楽曲C」を再生中、且つ次に再生する楽曲が「楽曲A」である状態で、車両が「B市」に進入したとする。この場合、オーディオコンピュータ20は、次に再生される「楽曲A」が、過去に「C市」で再生された楽曲であると判断し(ステップS5においてYES)、再生リストLを編集する(ステップS6)。再生リストLを編集する場合、例えばその楽曲の再生される順番を、再生リストLの最終に位置付ける。そして、「楽曲A」の順番が繰り下げられた結果、「楽曲A」の次に位置していた「楽曲D」の順番が繰り上げられる。そして、次に再生する楽曲が、「C市」で再生された曲でなくなるまで、編集を行う。
【0036】
そして、次に再生される曲が、自車位置がある区域でなくなると、その楽曲を再生する(ステップS7)。編集を行っても、再生リストLに残っている曲全てが、自車位置を含む区域で過去再生された曲である場合等、避けきれなくなった場合には、その時点で次の順番に位置付けられた曲を再生する。そして、上記したように、再生リストLが終了するまで上記した処理を繰り返す。
【0037】
次に、再生履歴データ26の記憶処理について図9に従って説明する。この再生履歴データ26の記憶処理は、ランダム再生の場合に限らず、楽曲が再生された際に行われる。まず、オーディオコンピュータ20は、新たな楽曲が再生開始されたか否かを判断する(ステップS10)。次の楽曲が再生開始されたと判断されたと判断すると(ステップS10においてYES)、オーディオコンピュータ20は、再生履歴データ26を生成する(ステップS11)。このとき、楽曲識別子26aを楽曲データ23から取得するとともに、再生時刻26b、再生開始位置26cをナビゲーションコンピュータ10から取得する。再生履歴データ26を生成すると、この再生履歴データ26を再生履歴記憶部25に記憶する(ステップS12)。これにより、再生履歴記憶部25に再生履歴データ26が蓄積される。
【0038】
第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1の実施形態では、オーディオコンピュータ20は、次に再生される楽曲が、過去に再生された地区で再生されるか否かを予測するようにした。そして、過去に再生された地区で再生されると予測される場合に、その楽曲の順番を繰り下げるようにした。このため、各楽曲を、過去に再生された状況と異なる状況下で再生することができる。即ち、ドライバーがランダム再生を選択している際に、曲順の並び替えだけでなく、過去に再生された地理的状況を加味した選曲を行うことができる。このため、通勤時等、同じ道程を頻繁に走行する場合に、再生頻度の低い曲を再生できるので、特に効果を発揮することができる。また、特定の場所で異なる曲を再生することにより、ユーザにこれまでとは異なる印象を与えることができるので、ユーザを飽きさせずに、楽しませることができる。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図10〜図13に従って説明する。尚、第2の実施形態は、第1の実施形態のデータ構成及び処理手順を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0040】
図10に示すように、第2の実施形態の再生履歴データ26の再生開始位置26cには、その楽曲が再生開始された地点のデータが記憶されている。再生開始位置のデータとしては、リンク番号を用いることができる。また、GPS受信部11、自律航法及び地図描画データ14を用いたマップマッチングにより算出した座標を用いることができる。
【0041】
次に、本実施形態の処理手順について図11に従って説明する。まず、オーディオコンピュータ20は、第1の実施形態と同様に、再生カテゴリが指定されたか否かを判断する(ステップS1)。再生カテゴリが指定されている場合には(ステップS1においてYES)、そのカテゴリ24に対応する楽曲データ23の再生リストLを作成し(ステップS2)、再生カテゴリが指定されていない場合には(ステップS1においてNO)、全曲対象の再生リストLを作成する(ステップS3)。
【0042】
再生カテゴリが作成されると、オーディオコンピュータ20は、自車位置周辺の再生履歴データ26を、再生履歴記憶部25から読み出す(ステップS20)。例えば、目的地までの経路が設定されている場合には、その経路上であって、自車位置から所定距離(例えば4km)前方までの再生開始位置26cを有する再生履歴データ26を読み出す。経
路が設定されていない場合には、自車位置を中心とした所定半径(例えば4km)の範囲内の再生開始位置26cを有する再生履歴データ26を読み出す。
【0043】
再生履歴データ26を読み出すと、オーディオコンピュータ20は、図12に示す過去再生範囲を算出する(ステップS21)。過去再生範囲Z1は、再生開始位置26cから1曲の楽曲が再生終了するまでに車両が到達可能な範囲である。本実施形態では、車両の平均時速を40km、1曲の平均演奏時間を5分とすると、1曲の平均演奏時間に車両が進むことができる距離が平均4kmであるため、過去再生範囲Z1を、再生開始位置26cを中心とした半径4kmの範囲に設定しているが、4km以外の距離でもよい。
【0044】
さらに図12に示すように、オーディオコンピュータ20は、予測再生位置としての移動可能範囲Z2を算出する(ステップS22)。移動可能範囲Z2は、自車位置Pで楽曲の再生を開始した場合に、その曲が再生終了するまでに車両が到達可能な範囲である。換言すると、移動可能範囲Z2の円周上の位置は、次の楽曲が再生開始される予測再生位置を示す。このとき、過去再生範囲Z1と同様に、自車位置Pを中心に半径4kmの範囲を車両の移動可能範囲Z2とする。
【0045】
次に、オーディオコンピュータ20は、移動可能範囲Z2が、次の曲の過去再生範囲Z1と重複するか否かを判断する(ステップS23)。そして、重複する場合には(ステップS23においてYES)、再生リストLを編集する(ステップS6)。例えば、図13(a)に示す再生リストLに基づき、自車位置Pで「楽曲C」を再生しているとする。このとき、「楽曲C」が再生終了すると、次には「楽曲A」が再生される予定になっている。一方、図12に示すように、現在再生されている「楽曲C」は少なくとも移動可能範囲Z2内で再生終了となる。また、移動可能範囲Z2の近くには「楽曲A」の過去再生範囲Z1がある。図12に示すように、移動可能範囲Z2と、次に再生される予定の「楽曲A」の過去再生範囲Z1とが重複する場合、「楽曲A」の過去再生範囲Z1内で、「楽曲C」が再生終了となり、「楽曲A」が再生開始されてしまう可能性がある。このため、移動可能範囲Z2が、次の曲の過去再生範囲Z1と重複する場合、図13(b)に示すように、「楽曲A」の順番を繰り下げて、再生リストLを編集する。尚、移動可能範囲Z2が、次の曲(ここでは「楽曲A」)以外の曲の過去再生範囲Z1と重複する場合には、再生リストLを編集しない。
【0046】
編集リストLを編集する場合には、図13(b)に示すように、次の順番よりも下位の任意の順番に「楽曲A」を挿入しても良いし、順番を1つ繰り下げてもよい。或いは、最終順位に繰り下げてもよい。
【0047】
再生リストLを編集した場合(ステップS6)、或いはステップS22で移動可能範囲Z2が次の曲の過去再生範囲Z1と重複しないと判断すると(ステップS23においてNO)、その再生リストLに基づき、楽曲を再生する(ステップS7)。そして、その再生リストLの楽曲が全て終了するまで上記した処理(ステップS20〜S23,S6,S7)を繰り返す。
【0048】
従って、第2の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(2)第2の実施形態では、オーディオコンピュータ20は、予測再生位置を示す移動可能範囲Z2が、次の楽曲が過去に再生された過去再生範囲Z1と重複するか否かを判断するようにした。そして、移動可能範囲Z2が過去再生範囲Z1と重複する場合に、その楽曲の順番を繰り下げるようにした。このため、各楽曲を、過去に再生された状況と異なる状況下で再生することができる。即ち、車両が比較的短距離を走行する場合でも、ドライバーがランダム再生を選択している際に、曲順の並び替えだけでなく、その場所で過去に再生されていない曲を再生するので、ユーザにこれまでとは異なる印象を与えることが
できる。このため、ユーザを飽きさせずに、楽しませることができる。
【0049】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図14〜図16に従って説明する。尚、第2の実施形態は、第1の実施形態のデータ構成及び処理手順を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0050】
図14に示すように、第3の実施形態の再生履歴データ26の再生開始位置26cには、その楽曲が再生開始された過去再生道路のデータが記憶されている。過去再生道路のデータとしては、地図描画データ14の道路名、道路識別番号等を用いることができる。
【0051】
次に、本実施形態の処理手順について図15に従って説明する。まず、オーディオコンピュータ20は、第1及び第2の実施形態と同様に、再生カテゴリが指定されたか否かを判断する(ステップS1)。再生カテゴリが指定されている場合には(ステップS1においてYES)、そのカテゴリ24に対応する楽曲データ23の再生リストLを作成し(ステップS2)、再生カテゴリが指定されていない場合には(ステップS1においてNO)、全曲対象の再生リストLを作成する(ステップS3)。
【0052】
そして、オーディオコンピュータ20は、ナビゲーションコンピュータ10が経路探索を行い、経路上で右折又は左折を行うか否かを判断する(ステップS30)。まずナビゲーションコンピュータ10は、目的地までの経路上を走行しているか否かを判断する。そして、車両が経路上を走行している場合には、自車位置から所定距離内(例えば4〜10km)で右折地点又は左折地点があるか否かを判断する。経路探索を行っている場合であって、所定距離内に右折地点又は左折地点がある場合(ステップS30においてYES)、経路上であって、右折先又は左折先の道路を再生開始位置26cとして有する再生履歴データ26を再生履歴記憶部25から読み出す(ステップS31)。そして、図16に示す変更準備範囲Z3を算出するとともに(ステップS32)、移動可能範囲Z2を算出する(ステップS33)。変更準備範囲Z3は、右折先又は左折先の主要道路で過去に再生された楽曲を繰り下げる準備を行うための距離である。また変更準備範囲Z3は、経路上の主要道路と現在走行中の道路との交点を中心とした範囲に設定され、その半径は、移動可能範囲Z2と同様に4kmになっている。図16では、主要道路R1で過去に再生された楽曲が、「楽曲A」及び「楽曲B」であって、変更準備範囲Z3がそれらの「楽曲A」及び「楽曲B」に対して設定されている場合を示している。
【0053】
そして、オーディオコンピュータ20は、移動可能範囲Z2と、再生リストLの次の曲の変更準備範囲Z3とが重複するか否かを判断する(ステップS34)。そして、重複すると判断した場合(ステップS34においてYES)、再生リストLを編集する(ステップS6)。例えば、図13(a)に示す再生リストLに基づいて、自車位置Pでは「楽曲C」を再生しているとする。また、「楽曲C」が終了すると、次には「楽曲A」が再生される予定になっている。一方、図16に示すように、現在再生されている「楽曲C」は少なくとも移動可能範囲Z2で再生終了となり、移動可能範囲Z2を出ると、「楽曲A」が再生開始される。このため、移動可能範囲Z2と、次に再生される予定の「楽曲A」の変更準備範囲Z3とが重複する場合、「楽曲A」が主要道路R1に左折する前に再生開始されたとしても、左折し、主要道路R1に進入した後に再生終了しない可能性がある。このため、「楽曲A」の順番を繰り下げて再生リストLを編集する。
【0054】
ステップS34で、移動可能範囲Z2と、変更準備範囲Z3とが重複しない場合(ステップS34においてNO)、又は再生リストLを編集した場合(S7)、その再生リストLに基づいて楽曲の再生を行う(ステップS8)。
【0055】
一方、ステップS30で、そもそも経路探索を行っていない場合、前方所定距離内に右折地点又は左折地点がない場合(ステップS30においてNO)、自車位置の道路を再生開始位置26cとして有する再生履歴データ26を、再生履歴記憶部25から読み出す(ステップS35)。例えば、図16において、車両が左折を行い、主要道路R1上を走行している場合、主要道路R1を再生開始位置26cとして有する再生履歴データ26を読み出す。
【0056】
さらにオーディオコンピュータ20は、次の曲が、現在走行中の道路で過去に再生されているか否かを、読み出した再生履歴データ26に基づき判断する(ステップS36)。例えば次の曲が「楽曲B」である場合、主要道路R1では既にその「楽曲B」が再生されているので、次の曲が現在走行中の道路で過去に再生されていると判断し(ステップS36においてYES)、再生リストLを編集する(ステップS6)。
【0057】
ステップS36で次の曲が現在走行している道路で過去に再生されていない場合(ステップS36においてNO)、オーディオコンピュータ20は、その再生リストLに基づいて楽曲を再生する(ステップS7)。
【0058】
従って、第3の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(3)第3の実施形態では、オーディオコンピュータ20は、再生待ちの楽曲が、過去に再生された道路上で再生されるか否かを予測し、過去再生道路上で再生されると予測した場合に再生リストLを編集するようにした。このため、高速道路、国道等で長距離移動を行う場合に、過去と異なる音楽を再生して、ユーザにこれまでとは異なる印象を与えることができる。従って、ユーザを飽きさせずに、楽しませることができる。
【0059】
(4)第3の実施形態では、車両が経路上を走行している場合に、現在の道路と交差する新たな主要道路R1があるか否かを判断するようにした。そして、その交差点を基準とした変更準備範囲Z3を設定し、移動可能範囲Z2が、その変更準備範囲Z3に入った場合に、再生リストLを編集するようにした。このため、車両が右左折する前に、右左折先の道路で再生された楽曲を予め回避することができる。
【0060】
尚、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、経路データ13、地図描画データ14、楽曲データ23は上記したデータ構成に限定されず、その他のデータ構成でもよい。
【0061】
・第2の実施形態では、過去再生範囲Z1を、再生開始位置26cを中心とした半径4kmの範囲としたが、図18に示すように、再生開始位置Sから再生終了位置Eまでの線状の範囲としてもよい。
【0062】
・再生履歴データ26は、図17に示すように、地区26d毎に、過去再生された楽曲識別子26aを格納し、各楽曲識別子26a毎に、再生時刻26b、再生開始位置26cを格納するようにしてもよい。このようにすると、車両がある地区に入った場合に、その地区26dに対応する再生履歴データ26を容易に読み出すことができる。また、地区26d毎でなくても、道路毎でもよい。
【0063】
・再生履歴データ26は、記憶された時点からの経過時間が所定期間が経過した場合には、その再生履歴データ26は消去されるとしたが、第1及び第3の実施形態では、各行政地区又は道路に対し例えば最大5つの再生履歴データ26を記憶するようにしてもよい。そして、再生履歴データ26が5つ以上になると、古い順からその再生履歴データ26を消去するようにしてもよい。
【0064】
・上記実施形態では、過去再生範囲Z1を、過去再生地点を中心とした円状の範囲としたが、楽曲の長さに応じた過去再生範囲Z1を設定してもよい。例えば、楽曲の長さに所定係数を掛けた値を半径とする過去再生範囲Z1としてもよい。また、移動可能範囲Z2、変更準備範囲Z3についても同様に設定してもよい。
【0065】
・上記実施形態では、過去再生範囲Z1を、過去再生地点を中心とした円状の範囲としたが、図18に示すように線状に表すようにしてもよい。この過去再生範囲Z1は、再生開始位置Sを始点とし、再生終了位置Eを終点としている。そして、次の曲の線状の過去再生範囲Z1と、車両の移動可能範囲Z2とが重複した場合に、再生リストLを編集するようにしてもよい。
【0066】
・上記実施形態では、ランダム再生が選択された際に、ランダムに再生リストを作成し、次の曲がこれから再生される位置が、過去に再生された位置と重複する否かを判断するようにしたが、最初に作成されるリストは、ランダムに作成されたリストでなくてもよい。即ち、常に所定の順番で並べられたリストであっても、過去に再生された地点で、同じ曲が再生されることがないので、ランダム機能を奏することができる。
【0067】
・上記実施形態では、再生履歴記憶部25がナビゲーション装置1に設けられ、オーディオコンピュータ20側で再生リストLの編集を行う構成であるが、この構成に限定されない。即ち、ナビゲーションコンピュータ10が、再生リストLの編集を行うようにしてもよい。また、本発明を、図19に示すように、ナビゲーション装置1に楽曲データ23を配信する楽曲配信システムSYに具体化してもよい。例えば、再生履歴データ26を記憶する再生履歴記憶部25を、車両Cに搭載されたナビゲーション装置1とネットワークNを介して接続される楽曲配信サーバSVに設けるようにしてもよい。楽曲配信サーバSVは、再生リスト作成手段、予測手段、リスト編集手段及び配信手段としてのCPU50、ROM51、RAM52、通信I/F53を備え、この通信I/F53を介してナビゲーション装置1から再生履歴データ26を受信する。ナビゲーション装置1は、ネットワークNを構成する基地局N1等から楽曲データ23を受信する。また、楽曲配信サーバSVが、楽曲記憶部22に記憶された楽曲データ23をナビゲーション装置1に配信する場合には、楽曲配信サーバSVのCPU50が再生リストLの編集を行うようにしてもよい。また、楽曲記憶部22及び再生履歴記憶部25は、再生リストLを生成する楽曲配信サーバSVと別のサーバに格納するようにしてもよい。このようにすると、ナビゲーション装置1の処理負荷を軽減するとともに、ナビゲーション装置1の記憶容量への負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態のナビゲーションシステムの構成を示すブロック図。
【図2】経路データのデータ構成の説明図。
【図3】地図描画データのデータ構成の説明図。
【図4】楽曲データのデータ構成の説明図。
【図5】再生履歴データのデータ構成の説明図。
【図6】過去再生地区と選曲方法の処理手順の説明図。
【図7】(a)は最初の再生リスト、(b)、(c)は編集済みの再生リストの説明図。
【図8】第1の実施形態の選曲方法の処理手順の説明図。
【図9】再生履歴データの記憶処理の手順の説明図。
【図10】第2の実施形態の再生履歴データの説明図。
【図11】第2の実施形態の選曲方法の処理手順の説明図。
【図12】過去再生範囲と移動可能範囲の説明図。
【図13】(a)は最初の再生リスト、(b)は編集済みの再生リストの説明図。
【図14】第3の実施形態の再生履歴データの説明図。
【図15】第3の実施形態の選曲方法の処理手順の説明図。
【図16】変更準備範囲と移動可能範囲の説明図。
【図17】別例の再生履歴データのデータ構成の説明図。
【図18】別例の過去再生範囲の説明図。
【図19】別例の楽曲配信システムの概略図。
【符号の説明】
【0069】
1…ナビゲーション装置、10…自車位置演算手段、経路探索手段としてのナビゲーションコンピュータ、20…再生リスト作成手段、予測手段及びリスト編集手段としてのオーディオコンピュータ、23…楽曲データ、25…再生履歴データ記憶手段としての再生履歴記憶部、26…再生履歴データ、26d…地区、50…再生リスト作成手段、予測手段、リスト編集手段及び配信手段としてのCPU、C…車両、N…ネットワーク、L…再生リスト、P…自車位置、R1…過去再生道路としての主要道路、SV…楽曲配信サーバ、SY…楽曲配信システム、Z1…過去再生範囲、Z2…予測再生位置としての移動可能範囲、Z3…変更準備範囲。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたナビゲーション装置において、
自車位置を演算する自車位置演算手段と、
過去に再生した楽曲の再生履歴データを、再生時の自車位置に基づく地理的状況と関連付けて記憶する再生履歴データ記憶手段と、
再生対象の楽曲の再生リストを作成する再生リスト作成手段と、
前記再生リストのうち、再生待ちの楽曲が、該楽曲が過去に再生された地理的状況と同じ状況下で再生されるか否かを前記再生履歴データに基づき予測する予測手段と、
楽曲が過去に再生された前記地理的状況下で再生されると予測される場合に、該楽曲の順番を変更するリスト編集手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記予測手段は、再生待ちの楽曲がこれから再生される地区と、その楽曲が過去に再生された地区とを比較し、各区域が重複するか否かを判断し、
前記リスト編集手段は、これから再生される地区と、過去に再生された地区が重複する場合に、該楽曲の順番を変更することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記予測手段は、
再生待ちの楽曲が再生開始される予測再生位置を算出するとともに、各楽曲が過去に再生された距離範囲を示す過去再生範囲を前記再生履歴データに基づき算出し、
次に再生される楽曲の前記予測再生位置が、該楽曲の前記過去再生範囲に含まれるか否かを判断し、
前記リスト編集手段は、
前記予測手段が、該楽曲の前記予測再生位置と前記過去再生範囲に含まれると判断した場合に、該楽曲の順番を変更することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記予測手段は、各楽曲が過去に再生された過去再生道路を前記再生履歴データに基づき取得し、再生待ちの楽曲が、前記過去再生道路上で再生されるか否かを予測し、
前記リスト編集手段は、
前記予測手段が、該楽曲が前記過去再生道路上で再生されると予測した場合に、該楽曲の順番を変更することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーション装置において、
前記予測手段は、再生待ちの楽曲の前記過去再生道路が、前記車両が現在走行している道路であるか否かを判断することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項4に記載のナビゲーション装置において、
目的地までの経路を探索する経路探索手段をさらに備え、
前記予測手段は、
前記経路に基づき、前記車両が、再生待ちの楽曲の前記過去再生道路に進入すると判断した場合に、現在走行している道路と前記過去再生道路との交差点を基準とした変更準備範囲を設定し、再生待ちの曲が再生される予測再生位置が、その楽曲の該変更準備範囲に含まれるか否かを判断することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
車両の自車位置を演算する自車位置演算手段を用いて、再生対象の各楽曲を選曲するナビゲーション装置の選曲方法であって、
過去に再生された楽曲の再生履歴データを、再生時の自車位置に基づく地理的状況と関連付けて記憶するとともに、
前記再生履歴データに基づき、再生待ちの楽曲が、該楽曲が過去に再生された地理的状況と同じ状況下で再生されるか否かを判断し、該楽曲が過去に再生された地理的状況下で再生されると予測すると、該楽曲が再生される順番を変更することを特徴とするナビゲーション装置の選曲方法。
【請求項8】
車両に搭載されたナビゲーション装置と、楽曲データを記憶する楽曲記憶手段と、 前記ナビゲーション装置が過去に再生した楽曲の再生履歴データを、再生時の自車位置に基づく地理的状況と関連付けて記憶する再生履歴データ記憶手段と、前記ナビゲーション装置にネットワークを介して接続された楽曲配信サーバとから構成された楽曲配信システムであって、
前記楽曲配信サーバが、
再生対象の楽曲の再生リストを作成する再生リスト作成手段と、
前記再生リストのうち、再生待ちの楽曲が、該楽曲が過去に再生された地理的状況と同じ状況下で再生されるか否かを前記再生履歴データに基づき予測する予測手段と、
楽曲が過去に再生された前記地理的状況下で再生されると予測される場合に、該楽曲の順番を変更するリスト編集手段と、
前記再生リストに基づき、前記楽曲記憶手段に記憶された前記楽曲データを前記ナビゲーション装置に配信する配信手段と
を備えたことを特徴とする楽曲配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−146701(P2008−146701A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−329800(P2006−329800)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】