説明

ナビゲーション装置

【課題】営業時間中か否かを把握するのが容易で、営業時間外であってもその施設の位置を把握することが可能な地図表示を出力すること。
【解決手段】ディスプレイ160上に施設表示を含む地図表示を出力するナビゲーション装置100において、前記地図表示の表示状態を制御する表示制御手段112と、各施設表示に対応する各施設の営業時間に関する情報を記憶する施設情報記憶手段114と、前記施設情報記憶手段に記憶される施設情報に基づいて、施設が営業中か否かを判断する営業状態判断手段114とを備え、前記表示制御手段は、地図表示中の施設の位置に施設表示を表示させる際、前記営業状態判断手段による判断結果に基づいて、該施設が営業中か否かに応じて異なる施設表示を選択することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ上で施設表示を含む地図表示を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、施設の位置データおよびジャンルデータを記憶する記憶手段と、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、施設ジャンルを選択する選択手段と、施設の位置データおよびジャンルデータ、車両の現在位置、選択された施設のジャンルに基づいて、現在位置周辺の選択されたジャンルの施設を検索する施設検索手段と、を備え、前記記憶手段は、施設の営業データを記憶し、前記施設検索手段は、さらに営業データに基づいて現在位置周辺の施設を検索することを特徴とする車両用ナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−185455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の発明では、営業時間外の施設が検索結果から削除されるため、ユーザは、当該削除された施設に係る施設表示を全く見ることができなくなり、不便である。例えば、ユーザが、営業時間外であってもその施設の位置を頼りにして当該施設の近くまで行きたいと思うこともあり、かかる場合、地図表示内にその施設表示が全く見えないとユーザは不便を感じうる。
【0004】
そこで、本発明は、営業時間中か否かを把握するのが容易で、且つ、営業時間外であってもその施設の位置を把握することが可能な地図表示を出力することができるナビゲーション装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、第1の発明は、ディスプレイ上に施設表示を含む地図表示を出力するナビゲーション装置において、
前記地図表示の表示状態を制御する表示制御手段と、
各施設表示に対応する各施設の営業時間に関する情報を記憶する施設情報記憶手段と、
前記施設情報記憶手段に記憶される施設情報に基づいて、施設が営業中か否かを判断する営業状態判断手段とを備え、
前記表示制御手段は、地図表示中の施設の位置に施設表示を表示させる際、前記営業状態判断手段による判断結果に基づいて、該施設が営業中か否かに応じて異なる施設表示を選択することを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、第1の発明に係るナビゲーション装置において、指定された施設表示に係る施設を目的地として経路を設定する経路設定手段を更に備え、
前記施設表示が、該施設が営業中か否かに拘らず、指定可能とされることを特徴とする。
これにより、例えば、ユーザが、営業時間外の施設を目的地に設定して当該施設の近くまで行きたいと思う場合に、当該営業時間外の施設を目的地として経路設定することが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、営業時間中か否かを把握するのが容易で、且つ、営業時間外であってもその施設の位置を把握することが可能な地図表示を出力することができるナビゲーション装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0009】
図1は、本発明の一実施例に係る車両用ナビゲーション装置の主要構成を示すシステム構成図である。本実施例の車両用ナビゲーション装置100は、ナビゲーションECU110を中心として構成されている。
【0010】
ナビゲーションECU110は、ハードウェア構成としては、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータを中心として構成されている。
【0011】
ナビゲーションECU110には、車速を検出する車速検出手段120が接続される。車速検出手段120は、車両の車輪に設けられる車輪速センサであってよい。車速検出手段120からの車速情報は、ナビゲーションECU110に周期的に入力される。
【0012】
ナビゲーションECU110には、入力装置122が接続される。入力装置122は、後述の表示装置160におけるタッチパネルであってもよいし、リモコン等であってもよい。ユーザは、入力装置122を介して、例えばルート案内のための目的地を入力したり、目的地周辺の地図表示を要求したりする。入力装置122を介して入力される各種入力信号は、ナビゲーションECU110に入力され処理される。
【0013】
ナビゲーションECU110には、自車位置検出手段130が接続される。自車位置検出手段130には、GPSアンテナ132が接続されている。自車位置は、GPS受信機によりGPSアンテナ132を介してGPS衛星が出力するGPS信号に基づいて測位・演算される。測位方法は、単独測位や相対測位(干渉測位を含む。)等の如何なる方法であってもよい。この際、自車位置は、車速センサやジャイロセンサ等の各種センサの出力や、ビーコン受信機及びFM多重受信機を介して受信される各種情報に基づいて補正されてよい。自車位置は、また、公知のマップマッチング技術により、不定期的に、地図データベース140内の地図データを用いて適宜補正されてよい。このようにして導出される自車位置情報は、演算周期毎に、ナビゲーションECU110に供給される。
【0014】
ナビゲーションECU110には、通信装置134が接続される。通信装置134は、外部の情報提供センタ200から各種情報(例えば後述の施設情報)を、無線通信を介して取得する。各種情報の取得は、ユーザからの指令に応じて実行されてよいし、定期的に実行されてもよい。
【0015】
ナビゲーションECU110には、表示装置160が接続される。表示装置160は、例えば液晶ディスプレイで構成され、車室内の適切な場所、好ましくは乗員(特に運転者)がそこに表示される画像ないし映像を視認しやすい場所に配置される。表示装置160は、典型的には、インストルメントパネルの上部や前面に配置される。表示装置160は、後述の地図表示の他、TVなどのメディアを映像出力するものであってもよいし、各種車載機器の操作画面を表示するものであってもよい。表示装置160の表示状態(特に地図表示)は、ナビゲーションECU110により制御される。
【0016】
ナビゲーションECU110には、地図データベース140が接続される。地図データベース140には、地図データが格納されている。地図データには、通常的なものと同様、道路分岐点(交差点)に対応するノードの座標情報、高速道路の合流点/分岐点に各々対応する各ノードの座標情報、隣接するノードを接続するリンク情報、各リンクに対応する道路の幅員情報、各リンクに対応する国道・県道・高速道路等の道路種別、各リンクの通行規制情報等の各種道路情報が含まれている。また、道路情報としては、各リンクの制限速度、一時停止線、駐車禁止区域、信号機の有無、踏み切りの有無、追い越し禁止区間、一方通行、スクールゾーン、Uターン禁止、事故多発地点情報等のような、注意地点を判断するために有用な情報を含んでよい。また、地図データベース140には、観光地や各種施設に関する情報を含むPOI(Point Of Interest)情報が格納されてよい。
【0017】
ナビゲーションECU110には、施設情報データベース142が接続される。施設情報データベース142は、地図データベース140と同様、書き換え可能な記憶装置(例えばハードディスク)により構成されてよい。
【0018】
図2は、施設情報データベース142に格納されるデータの一例を示す図である。施設情報データベース142には、施設毎に、その属性(例えばガソリンスタンドや、レストラン等の属性)、定休日、営業時間に関する情報が収録されると共に、電話番号等の補助情報が格納されている。尚、図2に示す例では、代表的な属性の施設について2,3個の例を示しているが、実際には、日本であれば北は北海道から南は沖縄まで、膨大な数の施設に係る同様のデータが格納されてよい。これらの情報うち、特に動的に変化しうる情報(営業時間)については、例えば各施設事業者の端末(図示せず)や外部の情報提供センタ200から通信装置134を介して、日毎に、又は、変化がある毎に、供給され、更新されてもよい。
【0019】
尚、地図データベース140に、同様の施設情報(即ちPOI情報)が含まれている場合には、施設情報データベース142は省略されてもよい。或いは、施設情報データベース142には、地図データベース140に含まれている施設情報の不足を補う情報が格納されてもよい。例えば、地図データベース140に施設の位置や属性に関する情報のみが格納されている場合、施設情報データベース142には、定休日、営業時間に関する情報が、地図データベース140の同施設に係るデータに対応付け(紐付け)された状態で、格納されてよい。
【0020】
また、施設情報データベース142には、必ずしも全国の施設情報が格納されている必要はなく、所定の地域の施設情報のみが格納されていても、或いは、初期状態では何も格納されていなくてもよい。これらの場合、必要な施設情報は、外部の情報提供センタ200等から適宜取得され、施設情報データベース142に格納されればよい。
【0021】
図1に戻るに、ナビゲーションECU110は、その主要な機能を実現する機能部として、表示制御部112と、営業状態判断部114と、経路設定部116と、データベース管理部118とを含む。
【0022】
表示制御部112は、後述のように、営業状態判断部114と協働して、表示装置160上における地図表示に含まれる施設表示の表示態様を適切に制御する。また、表示制御部112は、後述の経路設定部116の設定したルートに従って、表示装置160及び/又は音声出力装置(図示せず)を介して、ルート案内を行ってよい。
【0023】
経路設定部116は、通常的なナビゲーション装置における経路設定部と同様であってよく、ユーザにより入力される目的地に対して、現在の車両位置からの最適なルートを探索・設定する。例えば、ユーザは、表示装置160上における地図表示に含まれる施設表示のうち、所望の施設表示を目的地として指定すると(入力装置122がタッチパネルの場合、施設表示をタッチして指定すると)、これに応答して、経路設定部116は、指定された施設表示の位置を目的地として、最適なルートを探索・設定する。このようなGUI(graphical user interface)による目的地の指定方法は、ユーザにとって便利であるが、例えばリモコンなどを用いて名称や住所を入力して目的地を指定することが可能とされてもよい。
【0024】
データベース管理部118は、地図データベース140及び/又は施設情報データベース142内の情報を管理する。例えば、データベース管理部118は、上述の如く通信装置134を介して必要な情報を取得したり、取得した情報を用いて、地図データベース140及び/又は施設情報データベース142内の情報を更新・変更したりする。
【0025】
図3は、ナビゲーションECU110の表示制御部112及び営業状態判断部114により実現される主要処理の流れを示すフローチャートである。本処理ルーチンは、例えば、ユーザから入力装置122を介して、表示装置160上に地図表示を行うように指令を受けた場合に起動され、所定周期毎に繰り返し実行されるものであってよい。
【0026】
ステップ10では、ナビゲーションECU110の表示制御部112は、ユーザからの入力装置122を介した指示に応じて、表示装置160上に表示すべき地図データを、地図データベース140から読み出す。例えば指令が現在地周辺の地図表示の要求である場合、表示制御部112は、自車位置検出手段130からの自車位置情報に基づいて、自車位置を含む所定エリアの地図データを、地図データベース140から読み出す。また、例えば指令が目的地周辺の地図表示の要求である場合、表示制御部112は、入力された目的地の位置情報に基づいて、目的地を含む所定エリアの地図データを、地図データベース140から読み出す。このようにして読み出した地図データは、図示しないRAMに一時的に記憶されてよい。
【0027】
ステップ11では、ナビゲーションECU110の表示制御部112は、上記のステップ10で読み出した地図データのエリアに含まれる施設に係る施設情報を、施設情報データベース142から読み出す。このようにして読み出した施設情報は、図示しないRAMに一時的に記憶されてよい。表示制御部112は、施設情報を読み出すと、その旨を営業状態判断部114に通知する。
【0028】
ステップ12では、営業状態判断部114は、表示制御部112による施設情報の読み出しに応答して、読み出された施設情報に基づいて、当該施設情報に含まれる各種施設が、営業時間外か否かを判断する。営業時間外か否かは、特に現在地周辺の地図表示の場合には、簡易的に、現在時刻との対比により判断されてもよい。一方、現在地から遠方の地点の地図表示の場合には、営業時間外か否かは、車速等に基づいて予測される到着予定時刻との関係を考慮して判断されてもよい。営業状態判断部114は、営業時間外である施設に関するデータについて、営業時間外であることを示す付加情報を付与する等して、その判断結果を表示制御部112が利用できるようにする。
【0029】
ステップ13では、表示制御部112は、表示装置160上に表示されるべき地図表示を描画し、描画した地図表示を表示装置160上に出力する。この際、表示制御部112は、表示装置160上に表示されるべき地図表示に含まれる施設表示について、施設が営業時間外であるか否かに応じて、異なる態様で描画を行う。例えば、表示制御部112は、営業時間外である施設に係る施設表示については、例えば輝度、コントラスト、トーンや色等を調整することで、通常時の施設表示(即ち、営業時間内である施設に係る施設表示)よりも、目立たない態様で描画する。この場合、営業時間外である施設に係る施設表示は、通常時の施設表示と同様、施設の属性毎に、予め用意されていてもよいし、通常時の施設表示用のデータを加工して生成されてもよい。或いは、表示制御部112は、営業時間内の施設に係る施設表示については、例えば輝度、コントラスト、トーンや色等を調整することで、営業時間外の施設に係る施設表示よりも、目立つ態様(強調した態様)で描画してもよい。このようにして描画された地図表示は、表示装置160上に表示(出力)されることになる。
【0030】
ステップ14では、表示制御部112は、自車位置検出手段130からの自車位置情報を用いて、現在表示している地図表示のエリアと自車位置との関係に基づいて、表示装置160上に表示されるべき地図表示を更新すべきか否かを判断する。尚、今回の処理ルーチンが初回の場合には否定判定となる。また、地図表示を更新すべき場合としては、車両の走行に伴い現在の自車位置が変化して地図表示を更新すべき場合や、ユーザからの指令(例えばスクロール操作等)に伴い地図表示を更新すべき場合が想定される。いずれにしても、地図表示を更新すべき場合には、ステップ15に進み、それ以外の場合には、ステップ16に進む。
【0031】
ステップ15では、表示制御部112は、上記のステップ10で読み出した地図データに代わる新たなエリアの地図データが必要か否かを判断する。新たなエリアの地図データが必要となる場合としては、車両の長距離の走行に伴い必要となる地図データが変化した場合や、ユーザからの指令(例えばスクロール操作等)に伴い必要となる地図データが変化した場合が想定される。新たなエリアの地図データが必要な場合には、ステップ10に戻り、新たに必要となる地図データのエリアに応じて上記のステップ10及び11の処理が再び実行される。一方、新たなエリアの地図データが必要でない場合には、ステップ12乃至ステップ14の処理が再度実行される。これにより、ステップ13の処理により、表示装置160上の地図表示が更新されることになる。尚、ステップ12の処理は、一旦実行された後は、ステップ11により新たな地図データの読み出し及びそれに伴う施設情報の読み出しが行われるまで、スキップされてもよい。或いは、ステップ12の処理は、一旦実行された後においても、営業時間外か否かの判断結果が時間の経過と共に変化しうることを考慮して、上記のステップ10で読み出す地図データのエリアのサイズに依存して、定期的に実行されてもよい。
【0032】
ステップ16では、表示制御部112は、地図表示を終了すべき所定の終了条件を判断する。所定の終了条件は、例えばユーザから入力装置122を介して他の表示(例えばTV)の出力要求があった場合や、車両が停止した場合(イグニッションスイッチがオフされた場合)に満たされるものであってよい。所定の終了条件が満たされると、本処理ルーチンが終了され、満たされない場合には、ステップ14に戻る。
【0033】
図4は、上記のステップ13にて描画・出力される地図表示の表示画面一例を示す図である。図4には、自車の周辺の地図表示が示されており、格子状に区画された道路が線により示されている。また、図4に示す表示画面では、地図表示に含まれる施設A,B,Cが、それらの位置に対応した地図上の位置に表示されている。また、施設A,B,Cのうち、営業時間内の施設A,Bについては、通常時の見やすい表示態様で表示されており、営業時間外の施設Cについては、暗いトーンで表示されている。尚、図示の例では、施設A,B,Cの施設表示の外形(アイコン形状)は同一の家の形であるが、施設表示の外形は、施設A,B,Cの属性に応じて異なるものであってよい。
【0034】
このように、本実施例によれば、営業時間外の施設に係る施設表示を地図表示から完全に削除してしまうのではなく、営業時間内の施設に係る施設表示と識別可能な態様で表示するので、ユーザは、各施設が営業時間内か否かを容易に判断できるだけでなく、営業時間外の施設の位置を把握することもできる。これにより、例えば、ユーザが、営業時間外であってもその施設の位置を頼りにして当該施設の近くまで行きたいと思う場合にも、当該営業時間外の施設に係る施設表示の位置(地図上の位置)を頼りにして、経路を適切に選択することができる。また、本実施例によれば、施設が実在するにも拘らず当該施設に係る施設表示が表示されない場合にユーザが感じうる不信感ないし違和感を防止することもできる。
【0035】
また、本実施例において、目的地設定時の表示装置160の画面上で、営業時間外の施設に係る施設表示の位置に、例えば十字のカーソルを移動させて選択した場合に(或いは、施設表示にタッチした場合)、経路設定部116が、当該営業時間外の施設を目的地として認識し、案内経路を探索することとしてもよい。これにより、例えば、ユーザが、営業時間外であってもその施設の位置を頼りにして当該施設の近くまで行きたいと思う場合に、当該営業時間外の施設を目的地として設定することができ、ルート案内を受けることができる。即ち、特定の施設の付近まで来れば後の経路が分かる場合には、ユーザにとっては当該施設が営業時間外か否かは重要でなく、むしろ当該施設が目的地として設定できることや、当該施設が地図表示内に表示されていることが重要である。このような目的地の設定方法は、特に、目的地が友達の家や、地図表示に含まれるような有名な施設でない場合に多用される。本実施例によれば、このような目的地の設定方法を可能としつつ、当該特定の施設が営業時間外か否かが重要な他のユーザにとっても、有用な情報を与えることができる。
【0036】
ところで、一般的に、ユーザが最終目的地まで経路上における各種施設を利用する頻度は、ルート案内中か否かに関係なく高いことから、目的地まで経路上における各種施設が営業時間外か否かは、ルート案内中か否かに関係なくユーザにとって有用な情報となる。この点を考慮して、本実施例において、目的地設定時やルート案内中のみならず、ルート案内が行われていない場合にも、各施設表示は、各施設が営業時間外か否かに応じて異なる態様で表示されることとしてよい。これにより、ユーザは、ルート案内中か否かに関係なく、経路途中で立ち寄りうる施設の位置及び営業状態を容易に判断することができる。但し、上述のような施設表示の表示態様は、目的地設定時やルート案内中だけ実行することも勿論可能である。
【0037】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0038】
例えば、上述の実施例では、営業時間外か否かに応じて施設表示の表示態様を、施設表示(アイコン)の輝度や明るさ等を調整して変化させているが、営業時間外の施設に係る施設表示のサイズを、相対的に小さくしてもよいし、逆に、営業時間内の施設に係る施設表示のサイズを、相対的に大きくしてもよい。或いは、営業時間外の施設に係る施設表示を点滅させたり、逆に、営業時間内の施設に係る施設表示を点滅させたりしてもよい。
【0039】
また、上述の実施例では、営業時間外か否かに応じて2通りの表示態様を実現しているが、例えば情報の信頼性等(例えば情報の入手時期の古さ)に起因して、特定の施設が営業時間内であるか否かが不明な場合に、その旨がユーザに分かるように、当該特定の施設に係る施設表示を、第3の表示態様で、表示することとしてもよい。これにより、ユーザは、営業時間外か否かの判断結果の信頼性を考慮して、当該施設に行くか否かを決定することができる。例えば、ユーザは、現在の車両位置から最も近い位置にあるが営業時間内であることが不確かなガソリンスタンドに敢えて行かず、次に遠い位置にあるが営業時間内であることが確実なガソリンスタンドに行くといった具合に、情報の信頼性に応じた判断を行うことができる。
【0040】
また、上述の実施例では、営業状態判断部114は、施設情報データベース142から読み出された施設情報に含まれる各施設が、営業中か否かを一括して判断しているが、地図表示の更新毎に、新たな地図表示に含まれる施設に対して随時判断していってもよいし、或いは、処理負担が増加するものの、施設情報データベース142内の全施設情報に含まれる全施設に対して予め一括的に判断してもよい。
【0041】
また、上述の実施例では、表示制御部112の実行する処理及び営業状態判断部114の実行する処理を形式的に区分しているが、一方の処理の一部が他方により実行されてもよい。或いは、営業状態判断部114は、外部の情報提供センタ200に設定されてもよい。これにより、車両側の処理負荷を低減しつつ、情報提供センタ200で信頼性の高い施設情報を一括管理することができる。同様に、施設情報は、外部の情報提供センタ200で一括管理され、各車両にダウンロードないし配信されて施設情報データベース142に保持されることとしてもよい。
【0042】
また、上述の実施例において、地図データベース140及び施設情報データベース142は、一のデータベースに統合されてもよい。
【0043】
また、上述の実施例は、車両用のナビゲーション装置100に関するものであるが、本発明は、車両に限られず、他の移動体(例えば人が携帯する携帯電話等の携帯端末)用のナビゲーション装置としても具現化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例に係る車両用ナビゲーション装置の主要構成を示すシステム構成図である。
【図2】施設情報データベース142に収録されるデータの一例を示す表図である。
【図3】ナビゲーションECU110の表示制御部112及び営業状態判断部114により実現される主要処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図3のステップ13にて描画・出力される地図表示(及びそれに含まれる施設表示)の表示画面一例を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
100 車両用ナビゲーション装置
110 ナビゲーションECU
112 表示制御部
114 営業状態判断部
116 経路設定部
118 データベース管理部
120 車速検出手段
122 入力装置
130 自車位置検出手段
132 GPSアンテナ
134 通信装置
140 地図データベース
142 施設情報データベース
160 表示装置
200 情報提供センタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ上に施設表示を含む地図表示を出力するナビゲーション装置において、
前記地図表示の表示状態を制御する表示制御手段と、
各施設表示に対応する各施設の営業時間に関する情報を記憶する施設情報記憶手段と、
前記施設情報記憶手段に記憶される施設情報に基づいて、施設が営業中か否かを判断する営業状態判断手段とを備え、
前記表示制御手段は、地図表示中の施設の位置に施設表示を表示させる際、前記営業状態判断手段による判断結果に基づいて、該施設が営業中か否かに応じて異なる施設表示を選択することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
指定された施設表示に係る施設を目的地として経路を設定する経路設定手段を更に備え、
前記施設表示が、該施設が営業中か否かに拘らず、指定可能とされることを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−333698(P2007−333698A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169184(P2006−169184)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】