説明

ナビゲーション装置

【課題】画面を分割することなく、複数の地図画面を簡単に切り替えて分かりやすく表示するナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】目的地を設定し、現在地から目的地までの推奨経路を探索した後、現在地タブ21、目的地タブおよびルート全体タブを表示する。現在地タブ21が選択されると、現在地付近の地図画面を表示する。目的地タブが選択されると、目的地付近の地図画面を表示する。ルート全体タブが選択されると、推奨経路の全体の地図画面を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の地図画面を表示可能なナビゲーション装置が従来知られている。たとえば特許文献1には、画面を二分割して、一方には自車位置付近の地図画面を表示し、もう一方には目的地付近の地図画面を表示することにより、複数の地図画面を同時に表示するナビゲーション装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−241175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるナビゲーション装置では、画面を二分割しているため、それぞれの画面において表示される地図画面の大きさは、本来の画面サイズの半分しかない。そのため、地図の範囲が狭く、ユーザにとって分かりにくい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によるナビゲーション装置は、各種の地図画面にそれぞれ対応する複数のタブを、表示モニタの一画面内に地図画面と共に表示するタブ表示制御手段と、タブ表示制御手段により表示された複数のタブのいずれかをユーザの操作に応じて選択するタブ選択手段と、タブ選択手段により選択されたタブに対応する地図画面を表示モニタに表示する地図表示制御手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1のナビゲーション装置において、自車両の現在地を検出する現在地検出手段をさらに備え、タブ表示制御手段は、現在地検出手段により検出された現在地付近の地図画面を表示するための現在地タブを表示し、地図表示制御手段は、タブ選択手段により現在地タブが選択されたときに、現在地付近の地図画面を表示するものである。
請求項3の発明は、請求項2のナビゲーション装置において、目的地を設定する目的地設定手段と、現在地検出手段により検出された現在地から、目的地設定手段により設定された目的地までの推奨経路を探索する推奨経路探索手段とをさらに備える。そして、タブ表示制御手段は、目的地付近の地図画面を表示するための目的地タブ、および推奨経路の全体の地図画面を表示するためのルート全体タブのうち、少なくともいずれか一つまたはその両方を表示し、地図表示制御手段は、タブ選択手段により目的地タブが選択されたときに、目的地付近の地図画面を表示し、タブ選択手段によりルート全体タブが選択されたときに、推奨経路の全体の地図画面を表示するものである。
請求項4の発明は、請求項3のナビゲーション装置において、タブ表示制御手段は、目的地設定手段により目的地が設定されていない場合、目的地タブおよびルート全体タブを表示しないこととするものである。
請求項5の発明は、請求項3または4のナビゲーション装置において、推奨経路の途中に経由地を設定する経由地設定手段をさらに備え、タブ表示制御手段は、経由地付近の地図画面を表示するための経由地タブを表示し、地図表示制御手段は、タブ選択手段により経由地タブが選択されたときに、経由地付近の地図画面を表示するものである。
請求項6の発明は、請求項5のナビゲーション装置において、タブ表示制御手段は、経由地設定手段により複数の経由地が設定されている場合、その経由地の設定数に応じた数の経由地タブを表示し、地図表示制御手段は、タブ選択手段により複数の経由地タブのいずれかが選択されたときに、その選択された経由地タブに対応する経由地付近の地図画面を表示するものである。
請求項7の発明は、請求項5または6のナビゲーション装置において、タブ表示制御手段は、経由地設定手段により経由地が設定されていない場合、経由地タブを表示しないこととするものである。
請求項8の発明は、請求項3〜7いずれか一項のナビゲーション装置において、タブ表示制御手段は、推奨経路上の渋滞地点を表示するための渋滞タブを表示し、地図表示制御手段は、タブ選択手段により渋滞タブが選択されたときに、渋滞地点付近の地図画面を表示するものである。
請求項9の発明は、請求項8のナビゲーション装置において、タブ表示制御手段は、推奨経路上に複数の渋滞地点がある場合、その渋滞地点の数に応じた数の渋滞タブを表示し、地図表示制御手段は、タブ選択手段により複数の渋滞タブのいずれかが選択されたときに、その選択された渋滞タブに対応する渋滞地点付近の地図画面を表示するものである。
請求項10の発明は、請求項8または9のナビゲーション装置において、タブ表示制御手段は、推奨経路上に渋滞地点がない場合、渋滞タブを表示しないこととするものである。
請求項11の発明は、請求項1のナビゲーション装置において、タブ表示制御手段は、予め設定されている複数のタブのうち、所定の条件に合致するタブのみを表示するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、画面を分割することなく、複数の地図画面を簡単に切り替えて分かりやすく表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1に示すナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17およびディスクドライブ18を備えている。ディスクドライブ18には、地図データが記録されたDVD−ROM19が装填される。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行することにより、各種の処理や制御を行う。この制御回路11により、DVD−ROM19に記録された地図データに基づいて、後述するような方法による地図画面の表示や、目的地の設定、設定された目的地までの推奨経路の探索などの様々な処理が行われる。
【0009】
現在地検出装置14は、自車両の位置する現在地を検出する。現在地検出装置14は、たとえば、自車両の進行方向を検出するための振動ジャイロセンサ14a、車速を検出するための車速センサ14bおよびGPS衛星からのGPS信号を受信するためのGPSセンサ14cからなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出される現在地に基づいて、経路探索開始点を決定したり、地図上に表示する自車位置マークの位置を決定したりすることができる。
【0010】
画像メモリ15は、制御回路11から出力される画像データを一時的に格納する。画像メモリ15に格納された画像データに基づいて、表示モニタ16において様々な画像表示が行われる。表示モニタ16には、ユーザのタッチパネル操作を検出するためのタッチパネル16aが組み合わされている。ユーザが表示モニタ16上のいずれかの位置を指などによりタッチすると、そのタッチパネル操作がタッチパネル16aによって検出され、タッチ位置の情報が制御回路11に出力される。制御回路11は、タッチパネル16aからのタッチ位置情報に基づいて、表示モニタ16に表示されている画像のどの部分がタッチされたかを判断し、その判断結果に応じた処理を実行する。これにより、ナビゲーション装置1において様々な動作が実行される。
【0011】
入力装置17は、各種の入力スイッチを有しており、操作パネルやリモコンなどによって実現される。ユーザは、入力装置17の操作、あるいは上記のようなタッチパネル操作により、目的地としたい場所の住所や電話番号、施設名称などを入力することで、該当する場所を地図データから検索し、目的地に設定することができる。あるいは、地図画面上で特定の地点を指定したり、予め登録された登録地のいずれかを選択したりすることで、目的地を設定することもできる。
【0012】
ディスクドライブ18は、装填されたDVD−ROM19より地図データを読み出す。この地図データには、目的地までのルート探索に用いられる経路計算データや、交差点名称および道路名称など、設定された経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられる経路誘導データ、さらに道路を表す道路データなどが含まれている。また、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図形状を表す背景データなども地図データに含まれている。
【0013】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。
【0014】
なお、ここではDVD−ROMを用いた例について説明しているが、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスク、メモリーカードなどから地図データを読み出すこととしてもよい。あるいは、外部より携帯電話回線などを介して送信される地図データを受信し、その地図データを用いることとしてもよい。すなわち、地図データの取得にはどのような方法を用いてもよい。
【0015】
前述のようにしてユーザに目的地が設定されると、ナビゲーション装置1は、現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、現在地から目的地までのルート探索を行う。ルート探索の結果求められた推奨経路は、その表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路とは区別して地図上に表される。これにより、ユーザは表示モニタ16に表示される地図画面において、目的地までの推奨経路を容易に認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このようにして、目的地までのルート案内が行われる。
【0016】
次に、ナビゲーション装置1における地図画面の表示方法について説明する。ナビゲーション装置1は、たとえば現在地周辺の地図と目的地周辺の地図など、複数の地図画面をユーザが簡単に切り替えて表示できるようにするため、タブ地図表示と呼ばれる表示方法により地図画面の表示を行う。タブ地図表示による地図画面の表示では、その時点で表示可能な地図画面の種類に応じて、複数のタブと呼ばれる選択部分が表示モニタ16に表示される。このとき、地図画面と共に複数のタブが、表示モニタ16の一画面内に同時に表示される。そして、ユーザが入力装置17の操作またはタッチパネル操作によりいずれかのタブを選択すると、その選択されたタブに対応する地図画面が表示モニタ16に表示され、地図画面が切り替えられる。
【0017】
図2は、目的地が設定され、その目的地までの推奨経路が探索されたときに、表示モニタ16において表示される地図画面の例である。ここでは、「現在地」と書かれた現在地タブ21をユーザが選択したときに表示される現在地付近の地図画面例を示している。なお、太線で示された道路は、目的地までの推奨経路を表している。この図2の地図画面では、現在地を示す自車位置マーク31が表示され、その自車位置マーク31から所定範囲内の地図が表示されている。
【0018】
図2の地図画面において、現在地タブ21以外のタブをユーザが選択すると、その選択したタブに応じた地図画面に切り替えられる。図3は、「目的地」と書かれた目的地タブ22をユーザが選択したときに表示される目的地付近の地図画面例を示している。この図3の地図画面では、目的地を示す目的地マーク32が表示され、その目的地マーク32から所定範囲内の地図が表示されている。
【0019】
図4は、「ルート全体」と書かれたルート全体タブ23をユーザが選択したときに表示される推奨経路の全体の地図画面例を示している。この図4の地図画面では、自車位置マーク31から目的地マーク32まで至る推奨経路の全体を含む範囲の地図が表示されている。
【0020】
以上説明したように、目的地が設定され、その目的地までの推奨経路が探索されると、それに応じて、現在地タブ21、目的地タブ22およびルート全体タブ23が、表示モニタ16の一画面内に同時に、地図画面と共に表示される。これらのタブ21〜23の中からいずれかをユーザが選択すると、それに応じて、図2〜4に示したような各種の地図画面のうちいずれかが表示される。これにより、現在地付近の地図画面、目的地付近の地図画面および推奨経路の全体の地図画面を簡単に切り替えて、元の画面サイズにより分かりやすく表示することができる。
【0021】
ナビゲーション装置1は、以上説明した図2〜4の地図画面以外にも、そのときの状況に応じて、様々な地図画面を切り替えて表示することができる。その例を図5および図6に示す。図5は、経由地が設定されているときに表示モニタ16に表示される地図画面例である。ここでは、「経由地1」と書かれた経由地タブ24をユーザが選択したときの地図画面の例を示している。この地図画面では、現在地から目的地に至る推奨経路の途中に設定された2つの経由地のうちいずれか一方、たとえば現在地に近い方の経由地を示す経由地マーク33が表示されており、その経由地マーク33から所定範囲内の地図が表示されている。なお、図5の地図画面において、「経由地2」と書かれた経由地タブ25をユーザが選択すると、もう一方の経由地付近の地図画面へと切り替えられる。
【0022】
図5では、2つの経由地が設定され、それに対応して2つの経由地タブ24および25が表示された場合の画面例を示しているが、経由地タブの数は2つとは限らず、経由地の設定数に応じて変化する。すなわち、ナビゲーション装置1において1つまたは2つ以上の経由地が設定されると、その経由地の設定数に応じて、1つまたは2つ以上の経由地タブが表示モニタ16に表示される。そして、いずれかの経由地タブがユーザに選択されると、その選択された経由地タブに対応する経由地付近の地図画面が表示される。
【0023】
図6は、推奨経路上に渋滞が発生しているときに表示される渋滞地点付近の地図画面例である。推奨経路上に渋滞が発生すると、それに応じて「渋滞」と書かれた渋滞タブ26が表示モニタ16に表示される。この渋滞タブ26をユーザが選択すると、図6のような地図画面が表示される。この地図画面では、矢印34、35および36により渋滞の状況を表している。矢印34〜36の位置は渋滞の発生地点をそれぞれ表し、矢印34〜36の向きは渋滞の方向をそれぞれ表し、矢印34〜36の長さは渋滞の距離をそれぞれ表している。これらの渋滞状況に関する情報は、FM多重放送やビーコンなどにより提供されるVICS情報から入手することができる。
【0024】
なお、渋滞が複数の場所で発生している場合は、前述の経由地タブと同様に、その渋滞地点数に応じた数の渋滞タブが図6の地図画面において表示される。こうして表示される複数の渋滞タブのいずれかをユーザが選択すると、その選択された渋滞タブに対応する渋滞地点付近の地図画面が表示される。
【0025】
以上説明したような方法により地図画面を表示する際に、ナビゲーション装置1の制御回路11において実行される処理のフローチャートを図7に示す。このフローチャートは、状況に応じた地図画面をいつでも表示できるようにするため、ナビゲーション装置1の動作開始と共に実行開始され、ナビゲーション装置1の動作中は常時実行される。
【0026】
ステップS10では、図2の符号21に示すような現在地タブを表示モニタ16に表示する。次のステップS20では、目的地が設定されているか否かを判定する。目的地が設定されている場合はステップS30へ進み、図2の符号22に示すような目的地タブと、符号23に示すようなルート全体タブとを表示する。ステップS30を実行したらステップS40へ進む。一方、ステップS20において目的地が設定されていないと判定した場合は、ステップS30を実行せずにステップS40へ進む。この場合、目的地タブおよびルート全体タブの表示は行われない。
【0027】
ステップS40では、経由地が設定されているか否かを判定する。少なくとも一つの経由地が設定されている場合はステップS50へ進み、図2の符号24および25に示すような経由地タブを、その経由地の設定数に応じた数だけ表示する。ステップS50を実行したらステップS60へ進む。一方、ステップS40において経由地が設定されていないと判定した場合は、ステップS50を実行せずにステップS60へ進む。この場合、経由地タブの表示は行われない。
【0028】
ステップS60では、推奨経路上に渋滞地点があるか否かを判定する。少なくとも一つの場所で渋滞が発生している場合はステップS70へ進み、図6の符号26に示すような渋滞タブを、その渋滞地点数に応じた数だけ表示する。ステップS70を実行したらステップS80へ進む。一方、ステップS60において推奨経路上に渋滞地点がないと判定した場合は、ステップS70を実行せずにステップS80へ進む。この場合、渋滞タブの表示は行われない。
【0029】
ステップS80では、以上説明したステップS10〜S70の処理により表示されたタブのいずれかが、ユーザの操作に応じて選択されたか否かを判定する。いずれかのタブが選択された場合はステップS90へ進む。ステップS90では、ステップS80で選択されたタブに対応する地図画面を表示モニタ16に表示することで、その地図画面への切り替えを行う。これにより、図2〜6に示したような地図画面のいずれかが表示される。なお、このとき切り替え後の地図画面を素早く表示できるようにするため、表示中の各タブに対応する地図画面の描画処理を予め実行しておくなどの措置を行うことが好ましい。あるいは、各タブに対応する地図画面を重ね合わせて表示モニタ16に表示し、その中で選択されたタブに対応する地図画面を最前面に表示することにより、切り替え後の地図画面を素早く表示できるようにしてもよい。ステップS90を実行したらステップS20へ戻り、上記のような処理を繰り返す。
【0030】
一方、ステップS80においていずれのタブも選択されていないと判定した場合は、そのままステップS90を実行せずにステップS20へ戻る。これにより、現在の地図画面がそのまま表示モニタ16に表示され続ける。なお、ステップS80を最初に実行する場合は、初期画面として所定の地図画面、たとえば現在地付近の地図画面を必ず表示した後に、ステップS20へ戻るようにすることが好ましい。このようにして、タブ地図表示による地図画面がナビゲーション装置1において表示される。
【0031】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)各種の地図画面にそれぞれ対応する複数のタブを、表示モニタ16の一画面内に地図画面と共に表示する(ステップS10、S30、S50、S70)。そして、表示された複数のタブのいずれかをユーザの操作に応じて選択し(ステップS80)、選択されたタブに対応する地図画面を表示モニタ16に表示する(ステップS90)こととした。このようにしたので、画面を分割することなく、複数の地図画面を簡単に切り替えて分かりやすく表示することができる。
【0032】
(2)現在地タブ21を表示し(ステップS10)、この現在地タブ21が選択されたときに、現在地付近の地図画面をステップS90において表示することとした。このようにしたので、現在地付近の地図画面に簡単に切り替えることができる。
【0033】
(3)目的地タブ22を表示し(ステップS30)、この目的地タブ22が選択されたときに、目的地付近の地図画面をステップS90において表示することとした。また、ルート全体タブ23を表示し(ステップS30)、このルート全体タブ23が選択されたときに、推奨経路の全体の地図画面をステップS90において表示することとした。このようにしたので、目的地付近の地図画面や推奨経路の全体の地図画面に簡単に切り替えることができる。
【0034】
(4)目的地が設定されていない場合(ステップS20)、ステップS30を実行せずに目的地タブ22およびルート全体タブ23を表示しないこととした。このようにしたので、存在しない地図画面に切り替えるための不要なタブが表示されるのを防ぎ、ユーザが操作に戸惑わないようにすることができる。
【0035】
(5)経由地タブ24と25を表示し(ステップS50)、この経由地タブ24または25が選択されたときに、経由地付近の地図画面をステップS90において表示することとした。このようにしたので、経由地付近の地図画面に簡単に切り替えることができる。
【0036】
(6)複数の経由地が設定されている場合、ステップS50において、その経由地の設定数に応じた数の経由地タブを表示する。そして、その複数の経由地タブのいずれかが選択されたときに、その選択された経由地タブに対応する経由地付近の地図画面をステップS90において表示することとした。このようにしたので、経由地が複数設定されている場合でも、その中でユーザが希望する経由地付近の地図画面に簡単に切り替えることができる。
【0037】
(7)経由地が設定されていない場合(ステップS40)、ステップS50を実行せずに経由地タブ24と25を表示しないこととした。このようにしたので、存在しない地図画面に切り替えるための不要なタブが表示されるのを防ぎ、ユーザが操作に戸惑わないようにすることができる。
【0038】
(8)渋滞タブ26を表示し(ステップS70)、この渋滞タブ26が選択されたときに、推奨経路上の渋滞地点付近の地図画面をステップS90において表示することとした。このようにしたので、推奨経路上の渋滞地点付近の地図画面に簡単に切り替えることができる。
【0039】
(9)推奨経路上に複数の渋滞地点がある場合、ステップS70において、その渋滞地点数に応じた数の渋滞タブを表示する。そして、その複数の渋滞タブのいずれかが選択されたときに、その選択された渋滞タブに対応する渋滞地点付近の地図画面をステップS90において表示することとした。このようにしたので、推奨経路上に渋滞地点が複数ある場合でも、その中でユーザが希望する渋滞地点付近の地図画面に簡単に切り替えることができる。
【0040】
(10)推奨経路上に渋滞地点がない場合(ステップS60)、ステップS70を実行せずに渋滞タブ26を表示しないこととした。このようにしたので、存在しない地図画面に切り替えるための不要なタブが表示されるのを防ぎ、ユーザが操作に戸惑わないようにすることができる。
【0041】
(11)予め設定されている目的地タブ、ルート全体タブ、経由地タブおよび渋滞タブのうち、ステップS20、S40およびS60の各条件に合致するタブのみを、ステップS10、S30、S50およびS70において表示することとした。このようにしたので、状況に応じて適切なタブを表示することができる。
【0042】
なお、上記の実施の形態で説明したもの以外でも、様々な種類の地図画面をタブ地図表示により表示することができる。たとえば、推奨経路上に存在する誘導地点付近の地図画面や、特定の施設付近の地図画面、所定時間後の自車両の走行予測地点付近の地図画面などを、以上説明したような方法により表示することができる。
【0043】
また、上記の実施の形態では、画面を分割せずに、一画面内に一つの地図画面を表示する場合のタブ地図表示による地図画面例について説明した。しかし、画面を分割し、その分割した画面の中で、同様の方法でタブ地図表示による地図画面の表示を行うこととしてもよい。さらに、上記の実施の形態ではタブの表示位置を画面上部としたが、タブの表示位置はこれに限定されない。タブと共に表示される地図画面の邪魔とならない限り、画面上のどの位置にタブを表示してもよい。
【0044】
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】現在地タブを選択したときに表示される現在地付近の地図画面の例である。
【図3】目的地タブを選択したときに表示される目的地付近の地図画面の例である。
【図4】ルート全体タブを選択したときに表示される推奨経路の全体の地図画面の例である。
【図5】経由地タブを選択したときに表示される経由地付近の地図画面の例である。
【図6】渋滞タブを選択したときに表示される推奨経路上の渋滞地点付近の地図画面の例である。
【図7】地図画面を表示する際に実行される処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1:ナビゲーション装置 11:制御回路
12:ROM 13:RAM
14:現在地検出装置 15:画像メモリ
16:表示モニタ 17:入力装置
18:ディスクドライブ 19:DVD−ROM
21:現在地タブ 22:目的地タブ
23:ルート全体タブ 24、25:経由地タブ
26:渋滞タブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の地図画面にそれぞれ対応する複数のタブを、表示モニタの一画面内に地図画面と共に表示するタブ表示制御手段と、
前記タブ表示制御手段により表示された複数のタブのいずれかをユーザの操作に応じて選択するタブ選択手段と、
前記タブ選択手段により選択されたタブに対応する地図画面を前記表示モニタに表示する地図表示制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1のナビゲーション装置において、
自車両の現在地を検出する現在地検出手段をさらに備え、
前記タブ表示制御手段は、前記現在地検出手段により検出された現在地付近の地図画面を表示するための現在地タブを表示し、
前記地図表示制御手段は、前記タブ選択手段により前記現在地タブが選択されたときに、前記現在地付近の地図画面を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2のナビゲーション装置において、
目的地を設定する目的地設定手段と、
前記現在地検出手段により検出された現在地から、前記目的地設定手段により設定された目的地までの推奨経路を探索する推奨経路探索手段とをさらに備え、
前記タブ表示制御手段は、前記目的地付近の地図画面を表示するための目的地タブ、および前記推奨経路の全体の地図画面を表示するためのルート全体タブのうち、少なくともいずれか一つまたはその両方を表示し、
前記地図表示制御手段は、前記タブ選択手段により前記目的地タブが選択されたときに、前記目的地付近の地図画面を表示し、前記タブ選択手段により前記ルート全体タブが選択されたときに、前記推奨経路の全体の地図画面を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3のナビゲーション装置において、
前記タブ表示制御手段は、前記目的地設定手段により目的地が設定されていない場合、前記目的地タブおよび前記ルート全体タブを表示しないことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3または4のナビゲーション装置において、
前記推奨経路の途中に経由地を設定する経由地設定手段をさらに備え、
前記タブ表示制御手段は、前記経由地付近の地図画面を表示するための経由地タブを表示し、
前記地図表示制御手段は、前記タブ選択手段により前記経由地タブが選択されたときに、前記経由地付近の地図画面を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5のナビゲーション装置において、
前記タブ表示制御手段は、前記経由地設定手段により複数の経由地が設定されている場合、その経由地の設定数に応じた数の経由地タブを表示し、
前記地図表示制御手段は、前記タブ選択手段により前記複数の経由地タブのいずれかが選択されたときに、その選択された経由地タブに対応する経由地付近の地図画面を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項5または6のナビゲーション装置において、
前記タブ表示制御手段は、前記経由地設定手段により経由地が設定されていない場合、前記経由地タブを表示しないことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項3〜7いずれか一項のナビゲーション装置において、
前記タブ表示制御手段は、前記推奨経路上の渋滞地点を表示するための渋滞タブを表示し、
前記地図表示制御手段は、前記タブ選択手段により前記渋滞タブが選択されたときに、前記渋滞地点付近の地図画面を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項8のナビゲーション装置において、
前記タブ表示制御手段は、前記推奨経路上に複数の渋滞地点がある場合、その渋滞地点数に応じた数の渋滞タブを表示し、
前記地図表示制御手段は、前記タブ選択手段により前記複数の渋滞タブのいずれかが選択されたときに、その選択された渋滞タブに対応する渋滞地点付近の地図画面を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項8または9のナビゲーション装置において、
前記タブ表示制御手段は、前記推奨経路上に渋滞地点がない場合、前記渋滞タブを表示しないことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項1のナビゲーション装置において、
前記タブ表示制御手段は、予め設定されている複数のタブのうち、所定の条件に合致するタブのみを表示することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−129972(P2008−129972A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316620(P2006−316620)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】