説明

ナビゲーション装置

【課題】ユーザが経路を迅速に修正することが可能となるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】CPU41は、推奨経路を液晶ディスプレイ15に表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)に、推奨経路の手入力修正を要求する要求指示が、タッチパネル18又は操作部14を介して入力された場合には(S13:YES)、走行履歴データテーブル51に基づいて、この推奨経路から所定距離以内(例えば、約1km以内の距離である。)に過去に所定回数以上走行した精通リンクを抽出する。そして、この推奨経路から所定距離以内(例えば、約1km以内の距離である。)に精通リンクが有る場合には、この精通リンクを中心とする所定範囲内の地域(例えば、精通リンクを中心とする半径約3km以内の地域である。)を精通地域として液晶ディスプレイ15の道路地図上に識別可能に表示する(S14:YES〜S15)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推奨経路を修正することが可能なナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、推奨経路を修正することが可能なナビゲーション装置に関して種々提案されている。
例えば、ユーザが以前、液晶ディスプレイに表示されている道路地図上をなぞることによって指定した経路で、経路誘導を行った経路及び経路誘導の情報を手描き履歴データとして記憶するデータ記憶部を備えている。そして、ユーザは、任意の手描き履歴データを選択して液晶ディスプレイに経路を表示し、経路上の一部をなぞって消した後、再び道路をなぞって経路を指定しなおす。その後、この修正した経路を推奨経路として案内するように構成されたナビゲーション装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−322781号公報(段落(0006)〜(0036)、図1〜図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたナビゲーション装置では、経路の修正を行う場合には、ユーザが地図上に表示されている経路を確認して、修正したい箇所を探す必要が有り、当該経路の修正に手間がかかるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ユーザが修正を行うべき地域を容易に判断でき、経路を迅速に修正することが可能となるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係るナビゲーション装置は、地図情報を記憶する地図情報記憶手段(25)と、目的地を入力する目的地入力手段(14)と、現在の自車位置から前記目的地までの推奨経路を前記地図情報に基づいて探索する経路探索手段(13)と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報を読み出して道路地図として前記推奨経路と共に表示する表示手段(13、15)と、自車の走行履歴を記憶する走行履歴記憶手段(27)と、前記推奨経路の修正を指示する修正指示を入力する修正指示入力手段(18)と、前記修正指示が入力された場合には、前記自車の走行履歴に基づいて前記推奨経路の周辺に過去に所定回数以上走行した精通リンクがあるか否かを判定する判定手段(13)と、前記推奨経路の周辺に前記精通リンクがあると判定された場合には、該精通リンクを含む所定範囲の地域を精通地域として設定する精通地域設定手段(13)と、前記精通地域設定手段によって設定された前記精通地域を前記表示手段に表示されている道路地図上に識別可能に表示するように制御する表示制御手段(13)と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置(1)において、前記精通地域を指定する指定手段(18)を備え、前記表示制御手段(13)は、前記指定手段を介して前記精通地域が指定された場合には、この指定された精通地域を含む範囲を拡大表示するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
前記構成を有する請求項1に係るナビゲーション装置では、ユーザが修正指示入力手段を介して表示されている推奨経路の修正を指示する修正指示を入力した場合には、この推奨経路の周辺に過去に所定回数以上走行した精通リンクがあれば、この精通リンクを含む所定範囲の地域が精通地域として識別可能に表示される。
従って、経路の周辺に過去に所定回数以上走行した精通リンクがあれば、この精通リンクを含む所定範囲の地域が精通地域として識別可能に表示される。これにより、ユーザは表示された精通地域に基づいて、修正を行うべき地域を迅速に決定して、経路を効率的に修正することが可能となる。
【0008】
また、請求項2に係るナビゲーション装置では、ユーザが指定手段を介して精通地域を指定した場合には、この指定された精通地域を含む範囲が拡大表示されるため、ユーザは以前、走行した道路を正確に把握して、修正経路を迅速に指定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係るナビゲーション装置を具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0010】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや地図情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17と、液晶ディスプレイ15の表面に装着されたタッチパネル18とから構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。
【0011】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0012】
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時刻を検出する。また、方位センサ32は、地磁気センサやジャイロセンサ、或いは、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等により構成され、自車方位を検出する。また、距離センサ33は、例えば、自車の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等から構成され、自車の移動距離を検出する。
【0013】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、走行履歴データベース(交通DB)27及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0014】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。ここで、ナビ地図情報26には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。また、店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、駅、空港、フェリー乗り場等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDとともに記憶されている。
また、地図情報DB25の内容は、不図示の地図情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0015】
ここで、特に地図表示データとしては、約10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。また、約10km×10kmで区画された各2次メッシュ(以下、「メッシュ」という。)には、各メッシュを識別するメッシュIDがそれぞれ付されている。
【0016】
また、走行履歴DB27には、後述の過去に走行した経路に関する出発地及び目的地等の過去の走行履歴に関する情報を記憶した走行履歴データテーブル51(図2参照)が格納されている。
【0017】
また、図1に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の目的地までの推奨経路を修正する経路修正処理のプログラム(図3参照)等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0018】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17、タッチパネル18の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0019】
この操作部14は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0020】
また、液晶ディスプレイ15には、現在走行中の地図情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの推奨経路、推奨経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0021】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、推奨経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等がある。
【0022】
また、通信装置17は、地図情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、地図情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、通信装置17は地図情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報やサービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0023】
また、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の表面部に装着された透明なパネル状のタッチスイッチであり、液晶ディスプレイ15の画面に表示されたボタンや地図上を押下することによって各種指示コマンドを入力することが可能に構成されている。
【0024】
ここで、走行履歴DB27に格納される過去の走行履歴が記憶された走行履歴データテーブル51について図2に基づいて説明する。図2は走行履歴DB27に格納される走行履歴データテーブル51の一例を示す図である。
【0025】
図2に示すように、過去の走行履歴が記憶された走行履歴データテーブル51は、「日時」と、「出発地→目的地」と、「リンク列データ」とから構成されている。この「日時」には、走行した年月日及び走行開始時刻が記憶されている。また、「出発地→目的地」には、当該走行経路の始点(出発地)から終点(目的地)までの各出発地と目的地の一対の各座標位置(例えば、緯度と経度である。)が記憶されている。また、「リンク列データ」には、当該出発地から目的地まで走行した走行経路の始点から終点までの連続した各リンクのリンクIDが順次記憶されている。
【0026】
[経路修正処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、目的地までの推奨経路を修正する経路修正処理について図3乃至図6に基づいて説明する。
図3は本実施例に係るナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、目的地までの推奨経路を修正する「経路修正処理」を示すフローチャートである。図4はCPU41が推奨経路を液晶ディスプレイ15に表示した一例を示す図である。図5はCPU41が推奨経路周辺の精通地域を液晶ディスプレイ15に表示した一例を示す図である。図6は推奨経路の修正を説明するための図である。
【0027】
尚、図3にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41により所定時間毎に(例えば、約10ミリ秒毎乃至100ミリ秒毎である。)実行される。
【0028】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、操作スイッチ等の操作部14の入力操作等によって、目的地が設定されたか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、目的地が設定されていない場合には(S11:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0029】
一方、目的地が設定された場合には(S11:YES)、CPU41は、その目的地の座標等をRAM42に一時格納後、S12の処理に移行する。S12において、CPU41は、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出してRAM42に記憶する。そして、CPU41は、自車位置からRAM42に記憶された目的地への経路探索をデータ記録部12のナビ地図情報26に基づいて、例えばダイクストラ法等によって行う。そして、CPU41は、自車位置から目的地まで探索した経路を推奨経路としてRAM42に記憶すると共に、この推奨経路を液晶ディスプレイ15に表示する。
【0030】
例えば、図4に示すように、CPU41は、液晶ディスプレイ15に表示された道路地図上に推奨経路61を表示すると共に、自車位置である出発地62及び目的地63を表示する。また、CPU41は、画面の上部に「推奨ルート」と表示し、推奨経路61を表示していることを報知する。また、CPU41は、画面の下部に、詳細ボタン65、ルート修正ボタン66、ルート確定ボタン67、5ルートボタン68及び広域ボタン69を表示する。
【0031】
この詳細ボタン65を押下すると、画面に表示されている道路地図が拡大表示される。また、ルート修正ボタン66を押下すると、推奨経路61の手入力修正の要求指示を入力することができる。また、ルート確定ボタン67を押下すると、推奨経路61が誘導経路として登録され、経路案内が開始される。また、5ルートボタン68を押下すると、出発地点62から目的地63までの最大5つのルートが表示される。また、広域ボタン69を押下すると、画面に表示されている道路地図が縮小されて、広域の道路地図が表示される。
【0032】
続いて、S13において、CPU41は、推奨経路の手入力修正を要求する要求指示が、推奨経路を液晶ディスプレイ15に表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)にタッチパネル18又は操作部14を介して入力されたか否かを判定する判定処理を実行する。例えば、CPU41は、図4に示されるルート修正ボタン66が、推奨経路61を液晶ディスプレイ15に表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)に押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。
【0033】
そして、推奨経路の手入力修正を要求する要求指示が、推奨経路を液晶ディスプレイ15に表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)に入力されていない場合には(S13:NO)、CPU41は、S20の処理に移行する。例えば、CPU41は、図4に示されるルート修正ボタン66が、推奨経路61を液晶ディスプレイ15に表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)に押下されなかった場合には(S13:NO)、CPU41は、S20の処理に移行する。
【0034】
一方、推奨経路の手入力修正を要求する要求指示が、推奨経路を液晶ディスプレイ15に表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)に入力された場合には(S13:YES)、CPU41は、S14の処理に移行する。S14において、CPU41は、推奨経路の周辺に精通地域があるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0035】
具体的には、先ず、CPU41は、走行履歴DB27に格納された走行履歴データテーブル51の「リンク列データ」に記憶されている各リンクのリンクIDから当該推奨経路の周辺、即ち、推奨経路から所定距離以内(例えば、約1km以内の距離である。)にあるリンクのリンクIDを順次抽出する。そして、CPU41は、同一リンクIDが所定回数以上(例えば、3回以上である。)抽出された場合には、このリンクIDに対応するリンクを過去に所定回数以上(例えば、3回以上である。)走行して精通した「精通リンク」としてRAM42に順次記憶する。その後、CPU41は、RAM42に「精通リンク」が記憶されているか否かを判定する。そして、RAM42に「精通リンク」が記憶されている場合には、CPU41は、推奨経路の周辺に精通地域があると判定する。一方、RAM42に「精通リンク」が記憶されていない場合には、CPU41は、推奨経路の周辺に精通地域が無いと判定する。
【0036】
そして、推奨経路の周辺に精通地域が無い場合、即ち、推奨経路の周辺に「精通リンク」が無い場合には(S14:NO)、CPU41は、S16の処理へ移行する。
【0037】
一方、推奨経路の周辺に精通地域がある場合、即ち、推奨経路の周辺に「精通リンク」がある場合には(S14:YES)、CPU41は、S15の処理へ移行する。S15において、CPU41は、RAM42から「精通リンク」を読み出し、この「精通リンク」を中心とする所定範囲内(例えば、精通リンクを中心とする半径約3km以内の地域である。)の地域を当該推奨経路の精通地域としてRAM42に記憶する。また、CPU41は、このRAM42に記憶した精通地域を再度読み出し、この精通地域を液晶ディスプレイ15の道路地図上に識別可能に表示する。また、複数の精通地域が重複する場合には、CPU41は、この重複する複数の精通地域を結合し、一つの精通地域としてRAM42に記憶する。
【0038】
例えば、図5に示すように、推奨経路61の周辺に各精通地域75、76がある場合に、ユーザが画面の下部に表示されたルート修正ボタン66を、推奨経路61が表示されてから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)に指71で押下した場合には(S13:YES)、CPU41は、液晶ディスプレイ15に表示している道路地図上に各精通地域75、76を識別可能に表示する(S15)。また、CPU41は、画面の上部に「修正する地域を選択してください」と表示する。
【0039】
続いて、S16において、CPU41は、手入力によって推奨経路を修正する「手入力修正地域」が選択されたか否か、即ち、所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)にタッチパネル18を介して画面に表示された道路地図上を押下された信号が入力されたか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)にタッチパネル18を介して画面に表示された道路地図上を押下された信号が入力されなかった場合には(S16:NO)、CPU41は、S20の処理へ移行する。
【0040】
一方、所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)にタッチパネル18を介して画面に表示された道路地図上を押下された信号が入力された場合には(S16:YES)、CPU41は、画面の押下された座標位置を中心に所定範囲(例えば、画面の押下された座標位置を中心に約5km四方である。)の道路地図を予め定められた縮尺で拡大した手入力修正画面を表示後、S17の処理へ移行する。
【0041】
例えば、図6の上段に示すように、ユーザが図5において、液晶ディスプレイ15に表示される精通地域75内の推奨経路61上を指71で押下した場合には、CPU41は、この押下された座標位置を中心に所定範囲(例えば、約5km四方である。)の道路地図を予め定められた縮尺で拡大した手入力修正画面78を表示する。この場合、精通地域75を全て含む縮尺で手入力修正画面78を表示してもよい。また、CPU41は、この手入力修正画面78内に、推奨経路61を破線で識別可能に表示すると共に、ユーザが過去に所定回数以上走行した精通リンク75Aを波線で識別可能に表示する。また、CPU41は、画面の左上に、現在拡大表示している地域と推奨経路61の全ルートとを示す全体縮小表示画面81を表示する。また、CPU41は、画面の下部に、詳細ボタン82、確定ボタン83、全ルートに戻るボタン84、広域ボタン85を表示すると共に、画面右上にやり直しボタン86を表示する。
【0042】
この詳細ボタン82を押下すると、画面に表示されている道路地図が更に拡大表示される。また、確定ボタン83を押下すると、画面に表示されている推奨経路を修正した経路が誘導経路として登録され、経路案内が開始される。また、全ルートに戻るボタン84を押下すると、図4の表示状態に戻る。また、広域ボタン85を押下すると、画面に表示されている道路地図が縮小されて、広域の道路地図が表示される。また、やり直しボタン86を押下すると、タッチパネル18をなぞった軌跡に沿って表示された入力経路が消去される。
【0043】
続いて、S17において、CPU41は、画面に表示している手入力修正画面の縮尺を変更する指示信号が、当該手入力修正画面を表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)にタッチパネル18を介して入力されたか否かを判定する判定処理を実行する。例えば、図6に示す手入力修正画面78の詳細ボタン82又は広域ボタン85が押下された信号が、手入力修正画面78を表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)にタッチパネル18を介して入力されたか否かを判定する判定処理を実行する。
【0044】
そして、画面に表示している手入力修正画面の縮尺を変更する指示信号が、当該手入力修正画面を表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)にタッチパネル18を介して入力されなかった場合には(S17:NO)、CPU41は、S18の処理に移行する。S18において、CPU41は、手入力修正画面の縮尺をそのままにして表示し、ユーザがタッチパネル18上をなぞった軌跡に従って、画面に表示されている道路地図上のこの軌跡に対応する道路を「入力経路」として識別可能に表示する。
【0045】
例えば、図6の上段に示すように、手入力修正画面78の詳細ボタン82又は広域ボタン85が押下された信号が、手入力修正画面78を表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)にタッチパネル18を介して入力されなかった場合には(S17:NO)、CPU41は、手入力修正画面78の縮尺をそのままにして表示する。そして、CPU41は、ユーザが手入力修正画面78上を指71でなぞった軌跡に従って、この手入力修正画面78上のこの軌跡に対応する道路上に入力経路91を太い青線等で表示する(S18)。
【0046】
一方、画面に表示している手入力修正画面の縮尺を変更する指示信号が、当該手入力修正画面を表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)にタッチパネル18を介して入力された場合には(S17:YES)、CPU41は、S19の処理に移行する。S19において、CPU41は、タッチパネル18を介して入力された手入力修正画面の縮尺を変更する指示信号に従って、手入力修正画面の縮尺を変更して道路地図を表示し、ユーザがタッチパネル18上をなぞった軌跡に従って、画面に表示されている道路地図上のこの軌跡に対応する道路を「入力経路」として識別可能に表示する。
【0047】
例えば、図6の上段において、手入力修正画面78の詳細ボタン82又は広域ボタン85が押下された信号が、手入力修正画面78を表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)にタッチパネル18を介して入力された場合には(S17:YES)、CPU41は、タッチパネル18を介して入力された信号に従って、手入力修正画面78の縮尺を変更して道路地図を表示する。そして、CPU41は、ユーザが手入力修正画面78上を指71でなぞった軌跡に従って、この手入力修正画面78上のこの軌跡に対応する道路上に入力経路91を太い青線等で表示する(S19)。
【0048】
続いて、S20において、CPU41は、所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)に、上記S18又はS19で入力された「入力経路」に従って推奨経路を修正することを指示する経路決定指示が、タッチパネル18又は操作部14を介して入力されたか否かを判定する判定処理を実行する。
【0049】
そして、所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)に、経路決定指示がタッチパネル18又は操作部14を介して入力されていない場合には(S20:NO)、CPU41は、画面に表示されている上記S18又はS19で入力された「入力経路」を消去後、推奨経路の全ルートを液晶ディスプレイ15に再度表示して、S13以降の処理を再度実行する。
【0050】
例えば、図6の上段において、ユーザの指71が手入力修正画面78から離れてから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)に、確定ボタン83が押下されない場合には(S20:NO)、CPU41は、再度、図4の表示状態に戻り、S13以降の処理を再度実行する。また、ユーザが全ルートに戻るボタン84を押下した場合には(S20)、CPU41は、再度、図4の表示状態に戻り、S13以降の処理を再度実行する。
【0051】
一方、所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)に、経路決定指示がタッチパネル18又は操作部14を介して入力された場合には(S20:YES)、CPU41は、画面に表示されている上記S18又はS19で入力された「入力経路」の両端点を推奨経路に接続すると共に、この両端点間の推奨経路を消去して、推奨経路がこの「入力経路」を通るように修正し、経路案内を行う誘導経路としてRAM42に記憶後、当該処理を終了する。
これにより、ユーザは、この誘導経路の案内したがって、希望する入力経路を通過するように走行することが可能となる。
【0052】
例えば、図6の下段に示すように、ユーザが入力経路91を入力後、ユーザの指71が手入力修正画面78から離れてから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)に、確定ボタン83を押下した場合には(S20:YES)、CPU41は、この入力経路91の両端点を推奨経路61に接続すると共に、この両端点間の推奨経路61を消去して、推奨経路61がこの入力経路91を通るように修正し、経路案内を行う誘導経路93としてRAM42に記憶する。
【0053】
[上記実施例の効果]
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、推奨経路を液晶ディスプレイ15に表示してから所定時間内(例えば、約10秒乃至30秒以内である。)に、推奨経路の手入力修正を要求する要求指示が、タッチパネル18又は操作部14を介して入力された場合には(S13:YES)、走行履歴データテーブル51に基づいて、この推奨経路から所定距離以内(例えば、約1km以内の距離である。)に過去に所定回数以上走行した精通リンクを抽出する。そして、この推奨経路から所定距離以内(例えば、約1km以内の距離である。)に過去に所定回数以上走行した精通リンクが有る場合には、この精通リンクを中心とする所定範囲内の地域(例えば、精通リンクを中心とする半径約3km以内の地域である。)を精通地域として液晶ディスプレイ15の道路地図上に識別可能に表示する(S14:YES〜S15)。
【0054】
従って、経路の周辺に過去に所定回数以上走行した精通リンクがあれば、この精通リンクを含む所定範囲内の地域が精通地域として識別可能に表示される。これにより、ユーザは表示された精通地域に基づいて、修正を行うべき地域を迅速に決定して、経路を効率的に修正することが可能となる。
【0055】
また、CPU41は、精通地域を表示後、タッチパネル18を介して画面に表示された道路地図上を押下された信号が入力された場合には(S16:YES)、CPU41は、画面の押下された座標位置を中心に所定範囲(例えば、画面の押下された座標位置を中心に約5km四方である。)の道路地図を予め定められた縮尺で拡大した手入力修正画面を表示する。そして、ユーザがタッチパネル18上をなぞった軌跡に従って、画面に表示されている道路地図上のこの軌跡に対応する道路を「入力経路」として識別可能に表示する(S17〜S18)。
【0056】
これにより、ユーザがタッチパネル18を介して画面に表示された精通地域の推奨経路上を押下した場合には、この指定された推奨経路上の座標位置を中心に精通地域を含む所定範囲(例えば、画面の押下された推奨経路上の座標位置を中心に約5km四方である。)が拡大された手入力修正画面が表示される。このため、ユーザは以前、走行した道路を正確に把握しつつ、タッチパネル18上をなぞって推奨経路を迅速に修正することが可能となる。
【0057】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0058】
(A)上記ステップ20において、経路決定指示がタッチパネル18又は操作部14を介して入力されていない状態で、走行が開始された場合には、CPU41は、上記S18又はS19で入力された「入力経路」に従って推奨経路を修正することを指示されたと判断する。そして、CPU41は、この「入力経路」の両端点を推奨経路に接続すると共に、この両端点間の推奨経路を消去して、推奨経路がこの「入力経路」を通るように修正し、経路案内を行う誘導経路としてRAM42に記憶するようにしてもよい。
【0059】
(B)また、上記ステップ14において、推奨経路の周辺に精通地域が無い場合、即ち、推奨経路の周辺に「精通リンク」が無い場合には(S14:NO)、CPU41は、ステップ20の処理へ移行するようにしてもよい。これにより、推奨経路の周辺に精通地域がある場合に限り、ユーザは推奨経路を修正できることとなり、不案内な地域における推奨経路の修正を自動的に行わないようにすることが可能となる。
【0060】
(C)また、上記ステップ12において、推奨経路の周辺に精通地域がある場合に限り、推奨経路の修正指示をタッチパネル18又は操作部14を介して入力できるようにすると共に、表示画面に「推奨経路を修正しますか?」と表示するようにしてもよい。これにより、推奨経路の周辺に精通地域がある場合に限り、ユーザは推奨経路を修正できることとなり、不案内な地域における推奨経路の修正を自動的に行わないようにすることが可能となる。
【0061】
(D)また、上記ステップ20で、例えば、図6に示すやり直しボタン86が押下された場合には、CPU41は、図5の表示状態に戻るようにしてもよい、つまり、ステップ14へ移行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】走行履歴DBに格納される走行履歴データテーブルの一例を示す図である。
【図3】ナビゲーション装置のCPUが実行する処理である、目的地までの推奨経路を修正する「経路修正処理」を示すフローチャートである。
【図4】CPUが推奨経路を液晶ディスプレイに表示した一例を示す図である。
【図5】CPUが推奨経路周辺の精通地域を液晶ディスプレイに表示した一例を示す図である。
【図6】推奨経路の修正を説明するための図である。
【符号の説明】
【0063】
1 ナビゲーション装置
11 現在地検出処理部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
14 操作部
15 液晶ディスプレイ
18 タッチパネル
25 地図情報DB
27 走行履歴DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 走行履歴データテーブル
61 推奨経路
75、76 精通地域
75A 精通リンク
91 入力経路
93 誘導経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
目的地を入力する目的地入力手段と、
現在の自車位置から前記目的地までの推奨経路を前記地図情報に基づいて探索する経路探索手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報を読み出して道路地図として前記推奨経路と共に表示する表示手段と、
自車の走行履歴を記憶する走行履歴記憶手段と、
前記推奨経路の修正を指示する修正指示を入力する修正指示入力手段と、
前記修正指示が入力された場合には、前記自車の走行履歴に基づいて前記推奨経路の周辺に過去に所定回数以上走行した精通リンクがあるか否かを判定する判定手段と、
前記推奨経路の周辺に前記精通リンクがあると判定された場合には、該精通リンクを含む所定範囲の地域を精通地域として設定する精通地域設定手段と、
前記精通地域設定手段によって設定された前記精通地域を前記表示手段に表示されている道路地図上に識別可能に表示するように制御する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記精通地域を指定する指定手段を備え、
前記表示制御手段は、前記指定手段を介して前記精通地域が指定された場合には、この指定された精通地域を含む範囲を拡大表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−249652(P2008−249652A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−94449(P2007−94449)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】