説明

ナビゲーション装置

【課題】登録地または登録ルートの情報と、更新された地図データとの間で不整合が生じないナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】メッシュデータが更新され、そのメッシュデータに対応するメッシュ領域に登録地が含まれる場合、登録地更新画面60が表示される。登録地の更新を行う場合、登録地更新画面60のYESボタン61を押圧する。表示画面には、地図70に重ねて、メッシュデータに対応するメッシュ領域M01〜M60が表示される。メッシュ領域M01〜M60を押圧すると、押圧されたメッシュ領域M01〜M60に含まれる登録地の中で、登録地の入口のリンクIDが地図の更新により変更される登録地がリスト80として表示される。リスト80に表示された登録地の中で、「○○小学校」82を押圧すると、「○○小学校」の入口リンクが更新される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から地図データを取得して、内部に記憶している地図データを更新するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に登録されたユーザ固有の登録地点情報に基づいて、自動的に選択された対象領域の更新地図データを通信で取得して、地図記憶装置に格納する車載ナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−121371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来のナビゲーション装置では、地図データが更新されたとき、更新された地図データと登録地点情報との間で不整合を生ずる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明のナビゲーション装置は、地図を網目状線であるメッシュにより区画された各メッシュ領域に対応して作成されたメッシュデータから構成される地図データを記憶する記憶手段と、更新された更新メッシュデータを外部から受信する受信手段と、受信手段により受信された更新メッシュデータを用いて、地図データ記憶手段により記憶された地図データを更新する地図データ更新手段と、ユーザにより登録された登録地の情報を記憶する登録地記憶手段と、地図データ更新手段によって更新された地図データに基づいて、登録地記憶手段によって記憶された登録地の情報を更新する登録地更新手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、登録地記憶手段により記憶されている登録地のリンクまたはノードの情報が、地図データ更新手段によって更新された地図データにおける登録地のリンクまたはノードの情報と異なる登録地を表示モニタに表示する登録地表示手段を備え、登録地更新手段は、登録地表示手段により表示された登録地の中からユーザにより選択された登録地のリンクまたはノードの情報を更新することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、地図に重ねてメッシュを表示モニタに表示するメッシュ表示手段を備え、登録地更新手段は、メッシュに区分けされたメッシュ領域の中からユーザにより選択されたメッシュ領域内に存在する登録地の情報を更新することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載のナビゲーション装置において、登録地更新手段は、ユーザにより選択されたメッシュ領域内に存在する登録地の中からユーザにより選択された登録地の情報を更新することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、登録地更新手段は、更新されたメッシュデータに、更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域の登録地が存在しなくなっている場合、登録地記憶手段により記憶されている登録地の中から存在しなくなっている登録地を削除することを特徴とする。
(6)請求項6の発明のナビゲーション装置は、地図を網目状線であるメッシュにより区画された各メッシュ領域に対応して作成されたメッシュデータから構成される地図データを記憶する記憶手段と、更新された更新メッシュデータを外部から受信する受信手段と、受信手段により受信された更新メッシュデータを用いて、地図データ記憶手段により記憶された地図データを更新する地図データ更新手段と、ユーザにより登録された登録ルートの情報を記憶する登録ルート記憶手段と、地図データ更新手段によって更新された地図データに基づいて、登録ルート記憶手段によって記憶された登録ルートの情報を更新する登録ルート更新手段とを備えることを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項6に記載のナビゲーション装置において、地図データ更新手段によって更新された地図データを用いて推奨経路を探索する探索手段を備え、登録ルート更新手段は、登録ルートの出発地および目的地を、出発地および目的地として探索手段により探索された推奨経路に基づいて、登録ルートの情報を更新することを特徴とする。
(8)請求項8の発明は、請求項6または7に記載のナビゲーション装置において、登録ルート更新手段は、更新メッシュデータに対応するメッシュ領域を通る登録ルートにおける登録ルートの情報を更新することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、受信されたメッシュデータを用いて、地図データを更新した場合、更新された地図データに基づいて、ユーザにより登録された登録地または登録ルートの情報を更新するようにした。これにより、登録地を目的地として推奨経路を探索した場合、または登録ルートにしたがって経路案内を行う場合、更新された地図データとの間で不整合が生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
−第1の実施形態−
図1は、本発明の第1の実施形態による地図更新システムを説明するための図である。図1の地図更新システムは、車両に設けられたナビゲーション装置1と情報センタ2とを含む。ナビゲーション装置1と情報センタ2とはネットワーク3を介して接続している。この地図更新システムでは、情報センタ2は、ナビゲーション装置1に対して、更新したメッシュデータを送信する。ナビゲーション装置1は、このメッシュデータ受信し、このメッシュデータを使用して記憶装置に記憶している地図データを更新する。
【0007】
ナビゲーション装置1の詳細については後述する。情報センタ2はサーバ21と通信装置22とを備える。サーバ21は地図データを記憶する。地図データは、所定の地図を網目状の区画に区切った単位で作成される。以下、所定の地図を網目状に区画した1つの単位をメッシュ領域と呼び、該網目状の線をメッシュと呼ぶ。また、地図データの中で1つのメッシュ領域に対応するデータを、以下、メッシュデータと呼ぶ。複数のメッシュデータが集合したものを地図データと呼ぶ。
【0008】
メッシュデータは、道路データ、背景データ、道路ネットワークデータおよび施設データを含む。道路データは、地図上の道路を表示するためのデータであり、背景データは、道路以外の地図の背景を表示するためのデータである。道路ネットワークデータは、推奨経路の探索で使用されるリンクやノードのデータであり、施設データは施設を検索するために使用するデータである。
【0009】
メッシュデータには、付属情報としてメッシュIDとバージョン情報とが含まれている。メッシュIDは、どのメッシュ領域のメッシュデータであるかを認識できるようにするための識別符号である。バージョン情報は、サーバに記憶されているメッシュデータがいつ更新されたものであるかを認識できるようにするための符号である。情報センタ2は、通信装置22を用いて、サーバ21に記憶したメッシュデータをナビゲーション装置1に送信することができる。
【0010】
図2を参照して、メッシュデータに含まれる施設データ30について説明する。メッシュデータにおける施設データ30は、図3に示すように、施設種別32に区分けされ、区分けされた施設種別32ごとにそれぞれの施設33に関する情報34a〜34iを格納する。施設データ30には、施設33に関する情報として、施設を識別するための施設ID34a、施設の経度・緯度座標34b、住所34c、名称34d、フランチャイズチェーン名などのグループ名34e、営業時間34f、施設の詳細情報を記載したテキストデータ34g、入口リンクID34hの情報および情報更新日時34iが格納されている。
【0011】
施設データ30における施設を目的地として設定して推奨経路を探索する場合、入口リンクIDに対応するリンクを後述する経路探索終了点に設定する。これにより、敷地面積の広い施設(学校、公園など)であっても施設の入口へ経路案内を行うことができる。
【0012】
図3は、地図更新システムを構成するナビゲーション装置1を説明するための図である。このナビゲーション装置1は、地図データを記憶しており、情報センタ2から送信されたメッシュデータを用いてその地図データを更新することができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19、タッチパネルコントロール部110、通信装置111およびデータ記憶装置112を有している。データ記憶装置112には、地図データが記憶されている。
【0013】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11は、データ記憶装置112に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行う。そして、その処理結果を推奨経路として表示モニタ16に表示する。
【0014】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定する。また、現在地検出装置14により検出された車両の現在地が自車位置マークとして地図上に表示される。
【0015】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはデータ記憶装置112に記憶された地図データに基づいて、制御回路11において適宜生成される。
【0016】
データ記憶装置112は、フラッシュメモリやハードディスクなどの書き換え可能な不揮発性記録媒体によって構成され、地図データをメッシュ領域単位で記憶する。地図データを構成するメッシュデータには、上述したように、道路データと、背景データと、道路ネットワークデータと、施設データとが含まれている。
【0017】
ナビゲーション装置1は、メッシュデータのバージョン情報によって、データ記憶部112に記憶されているメッシュデータが最新のものであるかを判定することができる。具体的には、データ記憶装置112に記憶されているメッシュデータのバージョン情報と、情報センタ2から送信されたバージョン情報とを比較することによって判定する。
【0018】
メッシュデータのメッシュIDによって、ナビゲーション装置1は、情報センタ2から受信したメッシュデータとデータ記憶装置112に記憶しているメッシュデータとの対応関係を認識することができる。これにより、古いメッシュデータを、新しいメッシュデータに置き換えることによって、地図データを更新することができる。したがって、地図データを更新するとき、データ記憶装置112に記憶されている地図データの全てを新しい地図データに置き換える必要がない。
【0019】
ナビゲーション装置1は、施設データ30に格納された施設を登録し、その登録した施設を目的地として設定することができる。ここで、施設の登録とは、ユーザがその施設を簡単に呼び出せるようにデータ記憶装置112に施設を記憶させることである。本発明の実施形態では、登録された施設は、図4に示す登録地データ40としてデータ記憶装置112に記憶され、これにより簡単に呼び出せるようにしている。なお、登録された施設についてフラグを設定することにより、登録された施設を簡単に呼び出せるようにしてもよい。登録地データ40には、登録地名称41、入口リンクID42の情報、メッシュID43の情報および施設ID44の情報が含まれる。登録地データ40は、施設データ30の情報より作成される。登録地名称41は、施設データ30の名称の情報34dに対応し、入口リンクID42の情報は、施設データ30の入口データ34hの情報に対応する。メッシュID43の情報は、施設データ30のメッシュID31の情報に対応し、施設ID44の情報は、施設データ30の施設ID34aの情報に対応する。
【0020】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路案内したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などのために操作される操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18を操作することにより、目的地を設定する。
【0021】
目的地がユーザによって設定されると、目的地に経路探索終了点が設定される。そして、道路ネットワークデータを用いて経路探索開始点から経路探索終了点までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは道路地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、経路案内を行う。
【0022】
タッチパネル19は、表示モニタ16の表面に積層される透明のタッチスイッチであり、表示モニタ16に表示される画像はタッチパネル19を通して表示される。したがって、表示モニタ16の表示画面を押圧しようとするとタッチパネル19が押圧される。タッチパネル19は、タッチパネル19上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出し、タッチパネルコントロール部110はタッチパネル19の押圧位置を算出する。表示モニタ16に表示された各種ボタンや表示メニューなどを指などで押圧しようとするとタッチパネル19は押圧され、各種ボタンや表示メニューに定義された処理が実行される。
【0023】
通信装置111はネットワーク3に向けて無線通信を行う装置である。これにより、情報センタ2との間で情報の送受を行うことができる。
【0024】
次に、図4〜図7を参照して本発明の第1の実施形態における登録地データ40の更新操作について説明する。図5は、登録地のひとつである○○小学校の入口リンクを説明するための図である。符号51は○○小学校50の正門を示す。正門51に至るリンクが○○小学校の入口リンクとなる。図5(a)は、地図データを更新する前の○○小学校50の入口リンクを説明するための図である。図5(a)に示すように、正門51に至るリンクはリンクL30であるので、図4に示すように、○○小学校の入口リンクはリンクL30となる。図5(b)は、地図データを更新した後の○○小学校50の入口リンクを説明するための図である。図5(b)に示すように、正門51に至るリンクはリンクL60であるので、○○小学校の入口リンクはリンクL60となる。
【0025】
登録地を目的地として設定し、推奨経路を探索する場合、登録地データ40から登録地の入口リンクを読み出し、その入口リンクを施経路探索終了点として設定する。登録地の中から「○○小学校」を呼び出して、目的地として設定し、推奨経路を探索する場合、経路探索終了点はリンクL30になる。上述したように、更新された地図データでは、○○小学校の入口リンクはリンクL60であるので、更新された地図データを用いて○○小学校までの推奨経路を探索することができない。このように、登録地データ40と更新された地図データとの間に不整合が生ずると、登録地までの推奨経路を探索することができないという問題が発生する。このような問題を解消するために、本発明の第1の実施形態では、地図データが更新されたとき、登録地データ40の更新も行うようにする。
【0026】
図6は、登録地データ40の更新操作を説明するための図である。メッシュデータが更新され、そのメッシュデータに対応するメッシュ領域について登録地データ40に格納されている施設が含まれる場合、図6(a)に示すように、登録地更新画面60が地図70に重ねて表示される。登録地更新画面60には、「地図データを更新しました。この更新は登録地に影響を与える可能性があります。登録地の更新を行いますか。」という問い合わせの文章とともに、YESボタン61とNOボタン62とが表示される。
【0027】
ユーザは、登録地の更新を行う場合、YESボタン61を押圧する。その結果、図6(b)に示すように、地図70に重ねてメッシュが表示され、これによりメッシュデータに対応するメッシュ領域M01〜M60が表示される。更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域M26〜M28,M36〜M38は、表示色を変えて表示される。また、登録地71a〜71lも地図70重ねて表示される。
【0028】
ユーザがメッシュ領域M26〜M28,M36〜M38を押圧すると、押圧されたメッシュ領域M26〜M28,M36〜M38に含まれる登録地が抽出される。抽出された登録地について、施設ID34a,44(図3、図4参照)を手がかりとして、登録地データ40の入口リンクID42(図4参照)は、更新されたメッシュデータに含まれる施設データ30の入口リンクID34h(図3参照)と照合される。そして、図6(c)に示すように、押圧されたメッシュ領域M26〜M28,M36〜M38に含まれる登録地の中で、登録地データ40の入口リンクID42(図4参照)が施設データ30の入口リンクID34h(図3参照)と異なる登録地がリスト80として表示される。リスト80とともに登録地の更新処理を終了させるための終了ボタン81が表示される。
【0029】
リスト80に表示された登録地の中で、「○○小学校」82を押圧すると、更新されたメッシュデータに含まれる施設データ30の入口リンク34hと照合して、図7に示すように、登録地データ40における「○○小学校」の入口リンク42が、L30からL60へ更新される。
【0030】
ユーザは、登録地の更新を行わない場合、NOボタン62を押圧する。その結果、メッシュM01〜M60は表示されず、登録地更新画面60も消去される。
【0031】
次に、本発明の第1の実施形態における登録地データ40の更新処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。図8の処理は、データ記憶装置112に記憶された地図データが更新された後、地図が表示モニタ16の表示画面に表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0032】
ステップS801では、更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域内に登録地は存在するか否かを判定する。登録地データ40のメッシュID43(図4参照)を、更新されたメッシュデータにおける施設データ30のメッシュID31(図3参照)と照合して上述の判定を行う。更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域内に登録地は存在する場合はステップS801が肯定判定され、ステップS802へ進む。更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域内に登録地は存在しない場合はステップS801が否定判定され、登録地データ40の更新処理を終了する。
【0033】
ステップS802では、登録地更新画面(図6(a)参照)を地図に重ねて表示モニタ16の表示画面に表示する。ステップS803では、登録地更新画面(図6(a)参照)に表示されたYESボタンが押圧されたか否かを判定する。YESボタンが押圧された場合はステップS803が肯定判定され、ステップS804へ進む。YESボタンが押圧されない場合はステップS803が否定判定され、ステップS810へ進む。
【0034】
ステップS804では、メッシュ領域と登録地を地図上に表示する(図6(b)参照)。ステップS805では、更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域が押圧されたか否かを判定する。更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域が押圧された場合はステップS805が肯定判定され、ステップS806へ進む。更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域が押圧されない場合はステップS805が否定判定され、登録地データ40の更新処理を終了する。
【0035】
ステップS806では、押圧されたメッシュ領域内の登録地の中から入口リンクが変更された登録地を抽出する。入口リンクが変更されたか否かの判定は、押圧されたメッシュ内の登録地について、登録地データ40の入口リンクID42(図4参照)を施設データ30の入口リンクID34h(図3参照)と照合することにより行われる。ステップS807では、抽出した登録地をリスト表示する(図6(c)参照)。
【0036】
ステップS808では、リストの中から登録地が押圧されたか否かを判定する。登録地が押圧された場合はステップS808が肯定判定され、ステップS809へ進む。登録地が押圧されない場合はステップS808が否定判定され、ステップS811へ進む。ステップS809では、押圧された登録地について、登録地データ40の入口リンクID42(図4参照)を施設データ30の入口リンクID34h(図3参照)に変更する。そして、ステップS808に戻る。
【0037】
ステップS810では、登録地更新画面のNOボタンが押圧されたか否かを判定する(図6(a)参照)。NOボタンが押圧された場合はステップS810が肯定判定され、登録地データ40の更新処理を終了する。NOボタンが押圧されない場合はステップS810が否定判定され、ステップS803に戻る。
【0038】
ステップS811では、登録地のリストとともに表示された終了ボタンが押圧されたか否かを判定する(図6(c)参照)。終了ボタンが押圧された場合はステップS811が肯定判定され、登録地データ40の更新処理を終了する。終了ボタンが押圧されない場合はステップS811が否定判定され、ステップS808に戻る。
【0039】
以上の第1の実施形態におけるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)受信されたメッシュデータを用いて、記憶された地図データを更新した場合、更新された地図データに基づいて、ユーザにより登録された登録地の情報を更新するようにした。これにより、登録地を目的地として推奨経路を探索しても、更新された地図データとの間で不整合が生じない。
【0040】
(2)ユーザにより登録された登録地のリンクの情報が、更新された地図データにおける登録地のリンクの情報と異なる登録地を表示モニタ16に表示し、表示された登録地の中からユーザにより選択された登録地の情報を更新するようにした。これにより、ユーザは、地図データの更新により情報の更新が必要な登録地を容易に選択することができるとともに、登録地の更新が必要であると考える登録地を選択して更新することができる。
【0041】
(3)地図に重ねてメッシュを表示モニタ16に表示し、表示されたメッシュ領域の中からユーザにより選択されたメッシュ領域内に存在する登録地の情報を更新するようにした。これにより、ユーザは、登録地の更新が必要であると考える地域を選択して更新することができる。
【0042】
(4)地図に重ねてメッシュを表示モニタ16に表示し、ユーザにより選択されたメッシュ領域内に存在する登録地の中からユーザにより選択された登録地の情報を更新するようにした。これにより、ユーザは、登録地の更新が必要であると考える地域を選択して更新することができる。
【0043】
以上の第1の実施形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)ユーザが登録地更新表示画面60のYESボタン61を押圧し、地図70に重ねて表示されたメッシュ領域M01〜M60を押圧し、リスト80との中から登録地を押圧すると、登録地データ40が更新されるようにした。しかし、ユーザがそのような操作をしなくても、自動的に登録地データ40が更新されるようにしてもよい。登録地の更新のし忘れを防止することができ、便利である。
【0044】
(2)登録地の入口リンクIDに基づいて、登録地の情報が地図の更新により変わったか否かを判定するようにした。しかし、登録地の情報が地図データの更新により変わったことを判定できるものであれば、その判定を行うための対象は、入口リンクIDに限定されない。たとえば、登録地の入口に対応するノード(入口ノード)が登録地データに格納されている場合、入口ノードの変更により、登録地の情報が地図の更新により変わったことを判定するようにしてもよい。
【0045】
(3)登録地データにおけるリンクまたはノードの情報であれば、地図データの更新により変更する登録地データの情報は入口リンクIDに限定されない。たとえば、上述(3)の変形例の場合、登録地の入口に対応するノード(入口ノード)を更新されたメッシュデータの情報に基づいて変更するようにしてもよい。登録地データにおけるリンクまたはノードの情報は登録地を経路探索の目的地や経由地に設定するとき必要になるので、更新された地図データとの間の不整合を防止できる。
【0046】
(4)登録地データの情報であれば、地図データの更新により変更する登録地データの情報は入口リンクIDに限定されない。たとえば、登録地名称41を更新されたメッシュデータの情報に基づいて変更するようにしてもよい。登録地データに基づいて登録地の検索を行う場合、検索された登録地の名称と、地図上に表示されているその登録地の名称が異なってしまうというような、更新された地図データとの間の不整合を防止できる。
【0047】
(5)更新されたメッシュデータに、更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域の登録地が存在しなくなっている場合、登録地データ40からその登録地を削除するようにしてもよい。これにより、存在しなくなった施設を目的地として設定するのを防止することができる。
【0048】
−第2の実施形態−
本発明の第2の実施形態では、地図データの更新に伴い、予め探索され登録されている登録ルートを更新するようにした。ここで、登録ルートは、ユーザが以前探索した推奨経路を簡単に呼び出せるようにデータ記憶装置112に記憶させた経路である。本発明の第2の実施形態では、登録ルートは、後述の登録ルートデータとしてデータ記憶装置112に記憶され、これにより簡単に呼び出せるようにしている。本発明の第2の実施形態による地図更新システムおよびナビゲーション装置の構成は、第1の実施形態による地図更新システムおよびナビゲーション装置1の構成と共通する。したがって、本発明の第2の実施形態による地図更新システムおよびナビゲーション装置1の構成についての説明は省略する。
【0049】
登録ルートは図9に示す登録ルートデータ90としてデータ記憶装置112に記憶されている。登録ルートデータ90には、各登録ルートの出発地名称91a、出発地の入口リンクID91b、出発地のメッシュID91c、出発地の施設ID91d、目的地名称91e、目的地の入口リンクID91f、目的地のメッシュID91g、目的地の施設ID91hおよび登録ルートを構成するリンクのリンクID91iの情報が含まれる。
【0050】
次に、図10および図11を参照して本発明の第2の実施形態における登録ルートデータ90の更新操作について説明する。図10は、登録ルートとメッシュ領域との間の関係を説明するための図である。符号71は登録ルートを示し、符号72は登録ルート71の出発地を示し、符号73は登録ルート71の目的地を示す。メッシュ領域M01〜M60の中で表示態様が異なるメッシュ領域M25,M26,M35,M36は、更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域である。
【0051】
登録ルート71は、更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域M26,M35、M36を通るので、登録ルートと地図データとの間で不整合が発生している可能性がある。たとえば、出発地の入口リンクや目的地の入口リンクが地図データの施設データ30における入口リンクと異なっていたり、登録ルート71を構成するリンクにおけるリンクIDの一部が、地図データからなくなっていたりする場合がある。このような場合、更新された地図データを用いて、登録ルートの経路案内を行うことができない。このような問題を解消するために、本発明の第2の実施形態では、地図データが更新された場合、登録ルートデータ90の更新を行う。
【0052】
図11は、登録地データ90の更新操作について説明するための図である。図10に示すように、登録ルート71が、更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域M26,M35、M36を通る場合、図11(a)に示すように、登録ルート更新画面100が地図70に重ねて表示される。登録ルート更新画面100には、「地図データを更新しました。この更新は登録ルートに影響を与える可能性があります。登録ルートの更新を行いますか。」という問い合わせの文章とともに、YESボタン101とNOボタン102とが表示される。
【0053】
ユーザは、登録ルートの更新を行う場合、YESボタン101を押圧する。その結果、登録ルートの中から更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域を通るものが抽出され、抽出された登録ルートがリスト200として表示される。リスト200には、各登録ルートがいかなるルートであるかを判別できるようにするため、図9の登録ルートデータ90に基づいて出発地名称91aと目的地名称91eとが表示される。リスト200とともに登録ルートの更新処理を終了させるための終了ボタン201が表示される。
【0054】
リスト200に表示された登録ルートの中で、登録ルート71に対応する登録ルートを選択すると、出発地72と目的地73との間の推奨経路が更新された地図データを用いて探索される。そして、その探索された推奨経路が、登録ルートとして登録ルートデータ90に上書で登録される。
【0055】
次に、本発明の第2の実施形態における登録ルートデータ90の更新処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。図12の処理は、データ記憶装置112に記憶された地図データが更新された後、地図が表示モニタ16の表示画面に表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0056】
ステップS1201では、登録ルートは、更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域を通過するか否かを判定する。登録ルートが更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域を通過する場合はステップS1201が肯定判定され、ステップS1202へ進む。登録ルートが更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域を通過しない場合はステップS1201が否定判定され、登録ルートデータの更新処理を終了する。
【0057】
ステップS1202では、登録ルート地更新画面(図11(a)参照)を地図に重ねて表示モニタ16の表示画面に表示する。ステップS1203では、登録ルート更新画面(図11(a)参照)に表示されたYESボタンが押圧されたか否かを判定する。YESボタンが押圧された場合はステップS1203が肯定判定され、ステップS1204へ進む。YESボタンが押圧されない場合はステップS1203が否定判定され、ステップS1209へ進む。
【0058】
ステップS1204では、登録ルートの中から、更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域を通る登録ルートを抽出する。ステップS1205では、抽出した登録ルートを表示モニタ16にリスト表示する。ステップS1206では、リストの中の登録ルートが押圧されたか否かを判定する(図11(b)参照)。リストの中の登録ルートが押圧された場合はステップS1206が肯定判定され、ステップS1204へ進む。リストの中の登録ルートが押圧されない場合はステップS1206が否定判定され、ステップS1210へ進む。
【0059】
ステップS1207では、登録ルートと出発地および目的地を変えず、更新された地図データを用いて推奨経路を探索する。ステップS1208では、探索された推奨経路を、登録データ90の登録ルートとして登録する。そして、ステップS1206に戻る。
【0060】
ステップS1209では、登録ルート更新画面のNOボタンが押圧されたか否かを判定する(図11(a)参照)。NOボタンが押圧された場合はステップS1209が肯定判定され、登録ルートデータの更新処理を終了する。NOボタンが押圧されない場合はステップS1209が否定判定され、ステップS1203に戻る。
【0061】
ステップS1210では、登録ルートのリストとともに表示された終了ボタンが押圧されたか否かを判定する(図11(b)参照)。終了ボタンが押圧された場合はステップS1210が肯定判定され、登録ルートデータの更新処理を終了する。終了ボタンが押圧されない場合はステップS1210が否定判定され、ステップS1206に戻る。
【0062】
以上の第2の実施形態におけるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)受信されたメッシュデータを用いて、地図データを更新した場合、更新された地図データに基づいて、登録ルートの情報を更新するようにした。これにより、登録ルートにしたがって経路案内を行うとき、更新された地図データとの間で不整合が生じない。
【0063】
(2)登録ルートの出発地および目的地を、出発地および目的地として探索された推奨経路に基づいて、登録ルートの情報を更新するようにした。これにより、地図データが更新されても、常に登録ルートを出発地から目的地の間の最適経路にすることができる。
【0064】
(3)更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域を通る登録ルートにおける登録ルートの情報を更新するようにした。これにより、ユーザは、地図データの更新により更新する必要のある登録ルートを選んで更新することができる。
【0065】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0066】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0067】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の地図データ記憶手段はデータ記憶装置112に対応し、受信手段は通信装置111に対応する。地図データ更新手段は制御回路11およびデータ記憶装置112に対応し、登録地記憶手段はデータ記憶装置112に対応する。登録地更新手段は制御回路11およびデータ記憶装置112に対応し、登録地表示手段およびメッシュ表示手段は制御回路11に対応する。登録ルート記憶手段はデータ記憶装置112に対応し、登録ルート更新手段は制御回路11およびデータ記憶装置112に対応する。探索手段は制御回路11に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1の実施形態の地図更新システムを説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における施設データを説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における登録地データを説明するための図である。
【図5】○○小学校の入口リンクを説明するための図である。
【図6】登録地データの更新操作を説明するための図である。
【図7】更新された登録地データを説明するための図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における登録地データの更新処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態における登録ルートデータを説明するための図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における登録ルートとメッシュとの間の関係を説明するための図である。
【図11】登録ルートデータの更新操作を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における登録ルートデータの更新処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1 ナビゲーション装置
2 情報センタ
3 ネットワーク
16 表示モニタ
19 タッチパネル
21 サーバ
22,111 通信装置
30 施設データ
40 登録地データ
90 登録ルートデータ
111 通信装置
112 データ記憶装置
M01〜M60 メッシュ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を網目状線であるメッシュにより区画された各メッシュ領域に対応して作成されたメッシュデータから構成される地図データを記憶する記憶手段と、
更新された更新メッシュデータを外部から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された更新メッシュデータを用いて、前記地図データ記憶手段により記憶された地図データを更新する地図データ更新手段と、
ユーザにより登録された登録地の情報を記憶する登録地記憶手段と、
前記地図データ更新手段によって更新された地図データに基づいて、前記登録地記憶手段によって記憶された登録地の情報を更新する登録地更新手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記登録地記憶手段により記憶されている前記登録地のリンクまたはノードの情報が、前記地図データ更新手段によって更新された地図データにおける前記登録地のリンクまたはノードの情報と異なる登録地を表示モニタに表示する登録地表示手段を備え、
前記登録地更新手段は、前記登録地表示手段により表示された登録地の中からユーザにより選択された登録地のリンクまたはノードの情報を更新することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
地図に重ねて前記メッシュを表示モニタに表示するメッシュ表示手段を備え、
前記登録地更新手段は、前記メッシュに区分けされた複数のメッシュ領域の中からユーザにより選択されたメッシュ領域内に存在する登録地の情報を更新することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記登録地更新手段は、ユーザにより選択された前記メッシュ領域内に存在する登録地の中からユーザにより選択された登録地の情報を更新することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記登録地更新手段は、前記更新されたメッシュデータに、前記更新されたメッシュデータに対応するメッシュ領域の登録地が存在しなくなっている場合、前記登録地記憶手段により記憶されている登録地の中から前記存在しなくなっている登録地を削除することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
地図を網目状線であるメッシュにより区画された各メッシュ領域に対応して作成されたメッシュデータから構成される地図データを記憶する記憶手段と、
更新された更新メッシュデータを外部から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された更新メッシュデータを用いて、前記地図データ記憶手段により記憶された地図データを更新する地図データ更新手段と、
ユーザにより登録された登録ルートの情報を記憶する登録ルート記憶手段と、
前記地図データ更新手段によって更新された地図データに基づいて、前記登録ルート記憶手段によって記憶された登録ルートの情報を更新する登録ルート更新手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6に記載のナビゲーション装置において、
前記地図データ更新手段によって更新された地図データを用いて推奨経路を探索する探索手段を備え、
前記登録ルート更新手段は、前記登録ルートの出発地および目的地を、出発地および目的地として前記探索手段により探索された推奨経路に基づいて、前記登録ルートの情報を更新することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載のナビゲーション装置において、
前記登録ルート更新手段は、前記更新メッシュデータに対応するメッシュ領域を通る登録ルートにおける登録ルートの情報を更新することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−229376(P2009−229376A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−77582(P2008−77582)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】