説明

ナビゲーション装置

【課題】ユーザのニーズに対してより必要充分な範囲内において、サーバから詳細な地図を取得する「ナビゲーション装置」を提供する。
【解決手段】各区域の詳細地図データの地図データ提供システム3の詳細地図データベース31における蓄積の有無を示す詳細地図データ有無情報を予め記憶装置11に格納する。誘導経路設定時に、詳細地図データ有無情報を参照して、目的地周辺の区域や誘導経路の周辺の道路網が複雑な区域であって、詳細地図データが詳細地図データベース31に格納されている区域を取得提案区域に設定する。そして、各取得提案区域を地図画像401上で表示し、各取得提案区域の詳細地図データ取得の要否の指示をユーザから受付け、取得を指示された取得提案区域の詳細地図データを、地図データ提供システム3の詳細地図データベース31からダウンロードし、記憶装置11に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されたナビゲーション装置において、予め記憶している地図よりも詳細な地図を選択的に取得する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されたナビゲーション装置において、地図を表示する技術としては、予め詳細度のことなる地図を表す複数の地図データを記憶し、ユーザから指定された地図表示の拡大率に応じて、拡大率が大きいほど詳細度の大きい地図を表す地図データを用いて地図の表示を行う技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
また、車両に搭載されたナビゲーション装置において、目的地が設定されたときに、ナビゲーション装置が予め記憶している地図よりも詳細な目的地周辺の地図を、サーバから通信を介して取得する技術も知られている(たとえば、特許文献2)。
【特許文献1】特開平7-190789号公報
【特許文献2】特開平11-230761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献2記載の技術によれば、目的地周辺については、サーバから取得した詳細な地図を用いてよりきめ細やかな案内を行うことができる。しかしながら、詳細な地図を取得しない目的地周辺以外の区域については、このようなきめ細やかな案内を行うことができないために、必ずしも充分にユーザのニーズに応えられない場合があった。一方で、小容量の記憶装置しか備えていないナビゲーション装置においては、サーバから取得して保持できる詳細な地図の量には自ずと制限がある。
【0005】
そこで、本発明は、ナビゲーション装置において、ユーザのニーズに対して、より必要充分な範囲内において、サーバから詳細な地図を取得することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載されたナビゲーション装置に、地図を表す地図データを記憶した記憶装置と、前記地図データが表す地図よりも詳細な地図である詳細地図を表す詳細地図データを、当該詳細地図データを蓄積した詳細地図データサーバから無線通信を介してダウンロードし、前記記憶装置に格納する詳細地図ダウンロード手段と、ユーザによって設定された目的地までの経路を誘導経路として探索する探索手段と、前記詳細地図データダウンロード手段を用いた前記詳細地図データの取得を制御する詳細地図取得制御手段とを備え、前記記憶装置に、各区域について、当該区域の詳細地図データが前記詳細地図データサーバに蓄積されているか否かを表す詳細地図データ有無情報を記憶し、前記詳細地図取得制御手段において、前記目的地周辺の区域の詳細地図データが前記詳細地図データサーバに蓄積されていることを前記詳細地図データ有無情報が表す場合に、当該区域の詳細地図データの取得の要否をユーザに問い合わせ、詳細地図データの取得をユーザから指示された場合に、当該区域の詳細地図データの前記詳細地図データサーバからのダウンロード及び前記記憶装置への格納を、前記詳細地図データダウンロード手段に実行させるようにしたものである。
【0007】
または、前記詳細地図取得制御手段において、前記詳細地図取得制御手段の動作に代えて、前記誘導経路周辺の道路網が複雑な区域であって、前記詳細地図データ有無情報が当該区域の詳細地図データが前記詳細地図データサーバに蓄積されていることを表している区域の詳細地図データの取得の要否をユーザに問い合わせ、詳細地図データの取得をユーザから指示された場合に、当該区域の詳細地図データの前記詳細地図データサーバからのダウンロード及び前記記憶装置への格納を、前記詳細地図データダウンロード手段に実行させる動作を行わせるようにしたものである。
【0008】
このようなナビゲーション装置によれば、目的地周辺の区域や前記誘導経路周辺の道路網が複雑な区域などの、ユーザの詳細地図のニーズが大きいと推定される区域について、ユーザが容易に詳細地図の詳細地図データを詳細地図データサーバから取得することができるようになる。また、このような区域の詳細地図データが詳細地図データサーバに存在する場合にのみ、詳細地図データの取得の提案や、詳細地図データサーバへのアクセスを行うので、ユーザを無意に煩わせたり、詳細地図データサーバとの無意な通信を行ったりすることを排した効率的な詳細地図データの取得を行うことができる。
【0009】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載されたナビゲーション装置に、地図を表す地図データを記憶した記憶装置と、前記地図データが表す地図よりも詳細な地図である詳細地図を表す詳細地図データを、当該詳細地図データを蓄積した詳細地図データサーバから無線通信を介してダウンロードし、前記記憶装置に格納する詳細地図ダウンロード手段と、ユーザによって設定された目的地までの経路を誘導経路として探索する探索手段と、前記詳細地図データダウンロード手段を用いた前記詳細地図データの取得を制御する詳細地図取得制御手段とを備え、前記詳細地図取得制御手段において、前記誘導経路の当該誘導経路に沿った走行を行った場合の右左折の頻度が大きい区間周辺の区域であって、当該区域の詳細地図データが前記詳細地図データサーバに蓄積されている区域の詳細地図データの取得の要否をユーザに問い合わせ、詳細地図データの取得をユーザから指示された場合に、当該区域の詳細地図データの前記詳細地図データサーバからのダウンロード及び前記記憶装置への格納を、前記詳細地図データダウンロード手段に実行させるようにしたものである。
【0010】
このようなナビゲーション装置によれば、ユーザは、誘導経路に沿った走行を行った場合の右左折の頻度が大きい区間、すなわち、経路を誤りやすい区間の周辺の区域についての詳細地図を容易に取得することができるようになる。
なお、以上のような各ナビゲーション装置は、前記詳細地図取得制御手段において、前記区域の詳細地図データの取得の要否をユーザに問い合わせる際に、前記地図データが表す地図上で当該区域を示した画像を表示するように構成することも、ユーザが詳細地図データの取得の要否を簡易かつ適切に判定できるようにするする上で好ましい。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、ナビゲーション装置において、ユーザのニーズに対して、より必要充分な範囲内において、サーバから詳細な地図を取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る情報システムの構成を示す。
図示するように、情報システムは、各車両に搭載されるナビゲーション装置1と、各ナビゲーション装置1を無線通信を介して収容するWAN2と、WAN2を介して各ナビゲーション装置1に詳細地図の地図データを提供する地図データ提供システム3とを含んで構成される。
【0013】
また、地図データ提供システム3は、区域毎に設けられた当該区域の詳細地図を表す詳細地図データを蓄積した詳細地図データベース31、ナビゲーション装置1からの要求に応えて詳細地図データベース31に格納された詳細地図データを提供する詳細地図データサーバ32とを有している。
【0014】
次に、図2に各車両に搭載されるナビゲーション装置1の構成を示す。
図示するようにナビゲーション装置1は、制御装置10、操作部21と、表示装置22と、車両状態センサ23と、GPS受信機24と、携帯電話などと呼称される移動電話機などである無線通信装置25とを備えて構成される。ここで、車両状態センサ23は、角加速度センサや地磁気センサなどである方位センサや、車速パルスセンサなどである車速センサなどの各車両状態を検出する各種センサの集合である。
【0015】
また、ナビゲーション装置1の制御装置10は、フラッシュメモリやメモリカードなどの記憶装置11、現在状態算出部12、操作部21や表示装置22を用いたGUIを制御するGUI制御部13、ルート探索部14、メモリ15、制御部6、案内画像生成部17、通信制御部18とを有する。
但し、以上の制御装置10は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他のグラフィックプロセッサやジオメトリックプロセッサ等の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたCPU回路であって良く、この場合、以上に示した制御装置10の各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。また、この場合、このようなプログラムは、記録媒体や適当な通信路を介して、制御装置10に提供されるものであって良い。
【0016】
さて、このようなナビゲーション装置1の制御装置10の記憶装置11には、地図データ提供システム3の詳細地図データベース31に格納された詳細地図データが表す詳細地図よりもおおまかに表された地図を表す地図データ、詳細地図データ有無情報が記録される。また、記憶装置11には、ナビゲーション装置1の制御装置10の制御部6が通信制御部18、無線通信装置25を介して詳細地図データサーバ32にアクセスすることにより地図データ提供システム3の詳細地図データベース31からダウンロードした詳細地図データと、ダウンロードした詳細地図データを管理するための詳細地図データ管理情報とが格納される。
【0017】
ここで、詳細地図データ有無情報は、図3aに示すように、地図データが地図を表す地理的範囲を複数に区切った各区域に各々対応して設けたエントリ(図中の各行)を有し、各エントリには、対応する区域を識別するための識別子と、対応する区域の詳細地図データが、地図データ提供システム3の詳細地図データベース31に格納されているかどうかを表す詳細地図データ存在有無と、対応する区域内の道路網が複雑であるかどうかを表す道路網複雑度が登録されている。道路網複雑度は、たとえば、区域内の交差点数や路線数などに基づいて、交差点数や路線数が多いほど道路網が複雑であるとすることにより定める。
【0018】
なお、この詳細地図データ有無情報は、地図データや詳細地図データの作成者によって作成され、地図データと共に提供され記憶装置11に格納される。または、詳細地図データ有無情報は、地図データ提供システム3が提供されるものとしてもよく。この場合には、ナビゲーション装置1の制御装置10の制御部6が通信制御部18、無線通信装置25を介して詳細地図データサーバ32にアクセスすることにより地図データ提供システム3から詳細地図データ有無情報をダウンロードして、記憶装置11に格納する。
【0019】
次に、図3bに示すように詳細地図データ管理情報は、地図データ提供システム3からダウンロードし記憶装置11に格納した詳細地図データの各々に対応して設けたエントリを有し、各エントリには対応する詳細地図データが表す地図の区域の識別子と、対応する詳細地図データの記憶装置11上の格納位置を示す詳細地図データパスとが格納される。
【0020】
さて、このような構成において、ナビゲーション装置1の現在状態算出部12は、以下の処理を繰り返し行う。
すなわち、現在状態算出部12は、車両状態センサ23やGPS受信機24の出力から推定される現在位置に対して、記憶装置11から読み出した地図データや詳細地図データが示す前回決定した現在位置の周辺の地図や詳細地図とのマップマッチング処理などを施して、現在位置として最も確からしいリンク上の位置の座標と、現在の進行方向として最も確からしい方向とを、それぞれ現在位置、現在進行方位として決定し、メモリ15に設定する。
【0021】
また、制御部6は、ユーザから操作部21、GUI制御部13を介して目的地の設定を受付け、これをメモリ15にセットする。そして、目的地までの誘導経路をルート探索部14に探索させる。ルート探索部14は、必要地理的範囲の地図データや詳細地図データを記憶装置11から読み出し、メモリ15に設定されている現在位置から目的地までの最小コストの経路を、距離最小、時間最小などの複数のコストモデルの各々に基づいて探索し、探索した経路を誘導経路とし、誘導経路の経路データを誘導経路データとして、メモリ15にセットする。
【0022】
また、制御部6は、メモリ15にセットされた現在位置が目的地近傍となったならば、目的地到着と判定し、メモリ15にセットされている目的地と誘導経路をクリアする処理も行う。
また、制御部6は、定期的に、地図表示範囲を算出し、表示装置22の表示画面上への、算出した地図表示範囲の案内画像の表示を案内画像生成部17に要求する処理を繰り返し行う。地図表示範囲の算出は、当該地図表示範囲がメモリ15にセットされた現在位置周辺の範囲となり、当該地図表示範囲を設定されている表示地図縮尺で表した地図のサイズが、表示装置22の表示画面サイズに適合するサイズとなるように、地図表示範囲を算定することにより行う。
【0023】
さて、このようにして制御部6から、案内画像の表示を要求された案内画像生成部17は、表示地図縮尺が所定縮尺より大きい場合には、記憶装置11に記憶されている地図データを利用地図データとして選択する。また、表示地図縮尺が所定縮尺以下である場合には、地図表示範囲内の区域の詳細地図データが記憶装置11に記憶されていれば、その詳細地図データを利用地図データとして選択し、地図表示範囲内の区域の詳細地図データが記憶装置11に記憶されていなければ記憶装置11に記憶されている地図データを利用地図データとして選択する。なお、詳細地図データが記憶装置11に記憶されている区域は、詳細地図データ管理情報より求まる。
【0024】
そして、利用地図データが示す、地図表示範囲内の地図を、表示装置22の表示画面サイズで描画して、地図画像を生成する。
また、案内画像生成部17は、描画した地図画像上に、メモリ15にセットされている現在位置を描画し、案内画像としてGUI制御部13を介して表示装置22に表示する。また、案内画像生成部17は、誘導経路が設定されている場合には、表示装置22に表示する案内画像中に、メモリ15にセットされた誘導経路データが示す誘導経路を地図画像上で示すルート図形を描画する。また、地図表示範囲内に目的地が含まれている場合には、表示装置22に表示する案内画像中に目的地を示す目的地マークの描画も行う。
【0025】
図4aは、このようにして表示地図縮尺が所定縮尺より大きい場合に、表示装置22の表示画面上に表示される案内画像の例を示すものであり、案内画像は、地図データが示す現在位置周辺のおおまかな地図を表す地図画像401上に、現在位置を表す現在位置マーク402と、地図表示範囲内の誘導経路を表すルート図形403と、目的地を表す目的地マーク404が地図画像401上に表されたものとなる。
【0026】
また、図4bは、このようにして表示地図縮尺が所定縮尺以下であって地図表示範囲内の区域の詳細地図データが記憶装置11に記憶されている場合に、表示装置22の表示画面上に表示される案内画像の例を示すものであり、この場合、案内画像は、詳細地図データが示す現在位置周辺の詳細な地図を表す地図画像401上に、現在位置を表す現在位置マーク402や、地図表示範囲内の誘導経路を表すルート図形403が表されたものとなる。なお、地図表示範囲内に目的地が含まれる場合には、目的地を表す目的地マークも地図画像401上に表されることになる。
【0027】
さて、ナビゲーション装置1の制御装置10の制御部6は、以上の動作に加えて、図5に示す詳細地図取得支援処理を行う。
ここで、この処理は、上述のように誘導経路データがメモリ15にセットされ誘導経路が設定されたときに起動される処理である。
さて、図示するように、この詳細地図取得支援処理では、まず、目的地周辺の区域(たとえば、目的地との間の距離が1km以内の地点を含む各区域)を候補区域に設定する(ステップ502)。次に、誘導経路の周辺区域(たとえば、誘導経路上の任意の地点を含む各区域)のうち、道路網複雑度が大である区域を詳細地図データ有無情報を参照して抽出し、候補区域とする(ステップ504)。また、誘導経路に沿った所定道程距走行あたりの右左折の頻度が所定頻度以上となる誘導経路上の区間の周辺区域(たとえば、当該区間内の任意の地点を含む各区域)を候補区域とする(ステップ506)。
【0028】
そして、候補区域のうちの、当該区域の詳細地図データが地図データ提供システム3の詳細地図データベース31に格納されており、かつ、当該区域の詳細地図データが記憶装置11に記憶されていない候補区域を取得提案区域に設定する(ステップ508)。なお、詳細地図データが地図データ提供システム3の詳細地図データベース31に格納されている区域は、詳細地図データ有無情報の詳細地図データ存在有無より、詳細地図データが記憶装置11に記憶されている区域は詳細地図データ管理情報より求めることができる。
【0029】
そして、次に、各取得提案区域を表示装置22に表示されている案内画像上で表す区域図形を、GUI制御部13を介して表示装置22に表示し(ステップ512)、各取得提案区域の詳細地図データ取得の要否を、GUI制御部13を介してユーザから受付ける(ステップ512)。
【0030】
この結果、案内画像には、取得提案区域を表す区域図形が、たとえば、図6の601-603のように表示される。ここで、この例において、区域図形602は、誘導経路上の右左折の頻度が大きい区間周辺の区域であることにより取得提案区域として選定された区域を表しており、区域図形603は、目的地周辺の区域であることにより取得提案区域として選定された区域を表している。また、区域図形601は、誘導経路周辺の道路網複雑度が大であることにより取得提案区域として選定された複数の区域を表しており、この例では、これら複数の取得提案区域が連続しているために、これら複数の取得提案区域を、一つの区域図形601でまとめて表している。
【0031】
また、取得提案区域の詳細地図データ取得の要否は、たとえば、図6に示すように、各区域図形601-603に対して、各々、区域図形によって表す取得提案区域の詳細地図データの取得を行うかどうかを受け付ける操作受付ウインドウ611-613を表示することなどにより行う。
【0032】
さて、図5に戻り、全ての取得提案区域について詳細地図データ取得が不要であることをユーザから指示されたならば(ステップ514)、区域図形の表示を消去し(ステップ520)、処理を終了する。
一方、いずれかの取得提案区域についての詳細地図データを取得することをユーザから指示されたならば(ステップ516)、取得を指示された取得提案区域についての詳細地図データを、通信制御部18、無線通信装置25を介して詳細地図データサーバ32にアクセスすることにより地図データ提供システム3の詳細地図データベース31からダウンロードし、記憶装置11に格納する(ステップ518)。そして、区域図形の表示を消去し(ステップ520)、処理を終了する。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、以上の実施形態は、地図データ提供システム3の詳細地図データベース31に、さらに、各区域の観光地図、地下街地図を格納し、ナビゲーション装置1において、詳細地図データ有無情報に各区域の観光地図、地下街地図の有無を登録して管理すると共に、詳細地図取得支援処理において、目的地周辺の区域の、記憶装置11に未記憶の観光地図、地下街地図を地図データ提供システム3の詳細地図データベース31からダウンロードして記憶装置11に格納し、ユーザの利用に供するようにしてもよい。
【0034】
また、以上の実施形態では、詳細地図データ有無情報に道路網複雑度を予め登録し、これに基づいて、詳細地図取得支援処理のステップ508において、誘導経路周辺区域の道路網複雑度を求めたが、この道路網複雑度は、当該ステップ508において、記憶装置11に記憶された地図データに基づいて求めるようにしてもよい。
【0035】
以上、本実施形態に係るナビゲーション装置1によれば、目的地周辺の区域や、前記誘導経路周辺の道路網が複雑な区域や、誘導経路に沿った走行を行った場合の右左折の頻度が大きい区間、すなわち、経路を誤りやすい区間の周辺の区域などの、ユーザの詳細地図のニーズが大きいと推定される区域について、ユーザが容易に詳細地図の詳細地図データを詳細地図データサーバ32から取得することができるようになる。また、このような区域の詳細地図データが詳細地図データサーバ32に存在する場合にのみ、詳細地図データの取得の提案や、詳細地図データサーバ32へのアクセスを行うので、ユーザを無意に煩わせたり、詳細地図データサーバ32との間の無意な通信を行ったりすることを排した効率的な詳細地図データの取得を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係る情報システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る詳細地図データ有無情報と詳細地図データ管理情報を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る詳細地図データ取得支援処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1…ナビゲーション装置、2…WAN、3…地図データ提供システム、6…制御部、10…制御装置、11…記憶装置、12…現在状態算出部、13…GUI制御部、14…ルート探索部、15…メモリ、17…案内画像生成部、18…通信制御部、21…操作部、22…表示装置、23…車両状態センサ、24…GPS受信機、25…無線通信装置、31…詳細地図データベース、32…詳細地図データサーバ、401…地図画像、402…現在位置マーク、403…ルート図形、404…目的地マーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載されたナビゲーション装置であって、
地図を表す地図データを記憶した記憶装置と、
前記地図データが表す地図よりも詳細な地図である詳細地図を表す詳細地図データを、当該詳細地図データを蓄積した詳細地図データサーバから無線通信を介してダウンロードし、前記記憶装置に格納する詳細地図ダウンロード手段と、
ユーザによって設定された目的地までの経路を誘導経路として探索する探索手段と、
前記詳細地図データダウンロード手段を用いた前記詳細地図データの取得を制御する詳細地図取得制御手段とを有し、
前記記憶装置は、各区域について、当該区域の詳細地図データが前記詳細地図データサーバに蓄積されているか否かを表す詳細地図データ有無情報を記憶し、
前記詳細地図取得制御手段は、前記目的地周辺の区域の詳細地図データが前記詳細地図データサーバに蓄積されていることを前記詳細地図データ有無情報が表す場合に、当該区域の詳細地図データの取得の要否をユーザに問い合わせ、詳細地図データの取得をユーザから指示された場合に、当該区域の詳細地図データの前記詳細地図データサーバからのダウンロード及び前記記憶装置への格納を、前記詳細地図データダウンロード手段に実行させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
自動車に搭載されたナビゲーション装置であって、
地図を表す地図データを記憶した記憶装置と、
前記地図データが表す地図よりも詳細な地図である詳細地図を表す詳細地図データを、当該詳細地図データを蓄積した詳細地図データサーバから無線通信を介してダウンロードし、前記記憶装置に格納する詳細地図ダウンロード手段と、
ユーザによって設定された目的地までの経路を誘導経路として探索する探索手段と、
前記詳細地図データダウンロード手段を用いた前記詳細地図データの取得を制御する詳細地図取得制御手段とを有し、
前記記憶装置は、各区域について、当該区域の詳細地図データが前記詳細地図データサーバに蓄積されているか否かを表す詳細地図データ有無情報を記憶し、
前記詳細地図取得制御手段は、前記誘導経路周辺の道路網が複雑な区域であって、前記詳細地図データ有無情報が当該区域の詳細地図データが前記詳細地図データサーバに蓄積されていることを表している区域の詳細地図データの取得の要否をユーザに問い合わせ、詳細地図データの取得をユーザから指示された場合に、当該区域の詳細地図データの前記詳細地図データサーバからのダウンロード及び前記記憶装置への格納を、前記詳細地図データダウンロード手段に実行させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
自動車に搭載されたナビゲーション装置であって、
地図を表す地図データを記憶した記憶装置と、
前記地図データが表す地図よりも詳細な地図である詳細地図を表す詳細地図データを、当該詳細地図データを蓄積した詳細地図データサーバから無線通信を介してダウンロードし、前記記憶装置に格納する詳細地図ダウンロード手段と、
ユーザによって設定された目的地までの経路を誘導経路として探索する探索手段と、
前記詳細地図データダウンロード手段を用いた前記詳細地図データの取得を制御する詳細地図取得制御手段とを有し、
前記詳細地図取得制御手段は、前記誘導経路の当該誘導経路に沿った走行を行った場合の右左折の頻度が大きい区間周辺の区域であって、当該区域の詳細地図データが前記詳細地図データサーバに蓄積されている区域の詳細地図データの取得の要否をユーザに問い合わせ、詳細地図データの取得をユーザから指示された場合に、当該区域の詳細地図データの前記詳細地図データサーバからのダウンロード及び前記記憶装置への格納を、前記詳細地図データダウンロード手段に実行させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1、2または3記載のナビゲーション装置であって、
前記詳細地図取得制御手段は、前記区域の詳細地図データの取得の要否をユーザに問い合わせる際に、前記地図データが表す地図上で当該区域を示した画像を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4記載のナビゲーション装置と、前記詳細地図データサーバとを有することを特徴とする情報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−47621(P2009−47621A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215450(P2007−215450)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】