説明

パワーMOSFETと電池監視装置

【課題】信頼性と新規機能を実現したパワーMOSFETと、部品点数の削減や多機能化を可能とした電池監視装置を提供する。
【解決手段】パワーMOSFETは、半導体基板の第1主面と第2主面にソース,ドレインが形成され、半導体基板の厚み方向に流れる電流を制御するようゲート絶縁膜及び上記第1主面側に第1接続電極が設けられたゲート電極が形成され、上記第1主面側に一端が上記ソース電極に接続可能にされ、他端が第2接続電極に接続された抵抗素子が設けられる。ソース端子と上記ソースを接続し、ゲート端子と上記ゲート電極を接続し、上記検出端子と上記第2接続電極を接続する。電池監視装置の充放電経路に上記パワーMOSFETを用い、上記抵抗素子を監視ICやエラーアンプに必要な保護用に用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パワーMOSFETと電池監視装置に関し、例えば例えばリチウムイオン二次電池に利用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、電池の過充電及び過放電等を監視する電池監視装置が設けられる。本願出願人においては、先に特開2006−208152号公報において、信頼性の改善に向けた電池監視装置を提案している。同公報に記載の電池監視装置は、細長の実装基板に監視ICとパワーMOSFET及び抵抗やコンデンサ等が搭載されて構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−208152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図17には、本願発明に先立って検討された電池パックの概略ブロック図が示されている。抵抗R2は監視ICを外部から過電圧が加えられたときに監視ICに過電流が流れて破壊するのを防止する抵抗である。抵抗R3は電流検出用で、そこに発生する電圧をエラーアンプAMPで検知し、充電器又は負荷側に検知信号SOを出力する。この検知信号SOは、例えば電池の残量を知るために用いられる。この抵抗R3は、監視ICやパワーMOSFETとは別に前記実装基盤に搭載された外部素子とされる。上記抵抗R3を監視ICやパワーMOSFET上に取り込もうとした場合、抵抗R3には大きな電流(1Aから10A程度)が流れることを考慮する必要があるので、モノリシックICのチップに入れることは困難である。また、抵抗R2を監視ICに内蔵することは、チップサイズの増大となり、コストが上がるデメリットがある。
【0005】
上記抵抗R3は、半導体上に形成するのではなく、ボンディングワイヤを使用することを検討した。図18において、100はスイッチ素子としてのパッケージである。101は、上記パッケージ100の裏面側に設けられるドレイン端子であり、102はソース端子であり、103はゲート端子である。200はパワーMOSFETを構成する半導体チップである。上記半導体チップ200のゲート電極203は、ボンディングワイヤ106によって上記ゲート端子103に接続される。上記半導体チップ200のソース電極202は、ボンディングワイヤ103によって上記ソース端子102に接続される。
【0006】
図18のように、パワーMOSFETのソース電極202とソース端子102との間を接続するボンディングワイヤ105の抵抗成分を利用して電流検出抵抗R3として用いる。このようなボンディングワイヤ105を使用すると大電流を流すことが出来、さらに抵抗値をボンディングワイヤ105の長さで調整ができるメリットがある。このようなボンディングワイヤ105で抵抗R3を構成する場合には、検出端子104が設けられる。つまり、検出端子104とソース端子102の間の差電圧を高入力インピーダンスのエラーアンプAMPで検出することができる。
【0007】
しかしながら、パワーMOSFETは大きな電流を流す能力を有するため、電池パック端子P+,P−に、本来とは異なる充電器が接続される等によって予期しない過大な電圧が印加された場合など、上記パワーMOSFETの検出端子104側にも大きな電流が流れることになる。このように検出端子104にも大きな電流が流れると、それに接続されるエラーアンプAMPが壊れたり、検出用ワイヤ107が焼損したりしてしまう可能性がある。電池パックの信頼性を確保するためには、検出端子104とエラーアンプAMPの間に電流制限用の抵抗が必要となるので、部品点数が増加してしまうという問題が生じる。また、前記のように電池監視装置は、電池パックの小型化や高機能化等に向けて部品点数の削減が有益である。
【0008】
この発明の目的は、信頼性と新規機能を実現したパワーMOSFETを提供することにある。この発明の他の目的は、部品点数の削減や多機能化を可能とした電池監視装置を提供することにある。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される1つの実施例は、以下の通りである。パワーMOSFETは、半導体基板の第1主面に形成されたソース領域となる半導体領域及びソース電極と、上記半導体基板の第2主面に形成されたドレイン領域となる半導体領域及びドレイン電極と、上記半導体基板の第1主面と第2主面間の厚み方向に流れる電流を制御するよう形成されたゲート絶縁膜及び上記第1主面側に第1接続電極が設けられたゲート電極を有する。上記第1主面側には、一端が上記ソース電極に接続可能にされ、他端が第2接続電極に接続された抵抗素子が設けられる。ソース端子と上記ソース電極とが第1ボンディングワイヤにより接続される。ゲート端子と上記ゲート電極の接続電極が第2ボンディングワイヤにより接続される。検出端子と上記第2接続電極とが第3ボンディングワイヤにより接続される。上記ソース端子、ゲート端子、ドレイン端子及び検出端子が外部端子とされる。
【0010】
本願において開示される他の1つの実施例は、以下の通りである。電池監視装置は、実装基板に搭載された半導体装置とを有する。上記半導体装置は、監視すべき電池の充放電経路に挿入されたパワーMOSFETが形成されたパワーMOSFETチップと、上記パワーMOSFETのスイッチ制御信号を形成し、かかるパワーMOSFETで発生する電圧を検出する電圧検出電極を有する監視ICチップが搭載基板に搭載される。上記パワーMOSFETチップは、半導体基板の第1主面において形成されたソース領域となる半導体領域及びソース電極と、半導体基板の第2主面において形成されたドレイン領域となる半導体領域及びドレイン電極と、上記半導体基板の第1主面と第2主面間の厚み方向に流れる電流を制御するよう形成されたゲート絶縁膜及び上記第1主面側に第1接続電極が設けられたゲート電極とを有する。上記第1主面側には、一端が上記ソース電極に接続可能にされ、他端が第2接続電極に接続された抵抗素子が設けられる。搭載基板のソース端子と上記ソース電極が第1ボンディングワイヤにより接続され、上記第1接続電極と上記監視ICの対応する制御信号が出力される電極とが第2ボンディングワイヤにより接続され、上記第2接続電極と上記検出端子とが第3ボンディングワイヤにより接続され、上記電圧検出電極と上記電圧検出端子とが第4ボンディングワイヤにより接続される。上記ソース端子、検出端子及び上記電圧検出端子は、それぞれ上記半導体装置の外部端子に接続され、上記検出端子と上記電圧検出端子とは半導体装置の外部で接続される。
【発明の効果】
【0011】
第1ボンディングワイヤに流れる電流で発生した電圧を検出端子とソース端子を用いて検知可能としつつ、上記抵抗素子を、上記電圧検出を行うエラーアンプの保護抵抗等とするように信頼性と新規機能を実現したパワーMOSFETが得られる。上記パワーMOSFETを電池監視装置に適用して部品点数の削減や多機能化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明に係るパワーMOSFETの一実施例の概略図である。
【図2】図1のパワーMOSFETチップの一実施例の概略説明図である。
【図3】この発明に係るパワーMOSFETを用いた電流スイッチ回路の一実施例の回路図である。
【図4】この発明に係るパワーMOSFETチップの他の一実施例の概略平面図である。
【図5】図4のパワーMOSFETチップを用いたパワーMOSFETの一実施例の概略図である。
【図6】この発明に係る電池監視装置の一実施例の全体構成図である。
【図7】この発明に係る電池監視装置の他の一実施例の全体構成図である。
【図8】この発明に係る電池監視装置の他の一実施例の全体構成図である。
【図9】この発明に係る電池監視装置の他の一実施例の全体構成図である。
【図10】この発明に係るパワーMOSFETチップの更に他の一実施例の概略平面図である。
【図11】この発明に係る電池監視装置の他の一実施例の全体構成図である。
【図12】この発明に係る電池監視装置が搭載されたリチウムイオン二次電池パックの模式図である。
【図13】この発明に係る電池監視装置の一実施例の説明図である。
【図14】この発明が適用された電池監視装置が搭載された電池パックの一実施例のブロック図である。
【図15】この発明が適用された電池監視装置が搭載された電池パックの他の一実施例のブロック図である。
【図16】この発明に係る監視ICの一実施例のブロック図である。
【図17】本願発明に先立って検討された電池パックの概略ブロック図である。
【図18】本願発明に先立って検討されたパワーMOSFETの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面に沿って、この発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0014】
図1には、この発明に係るパワーMOSFETの一実施例の概略図が示されている。同図においては、パッケージ100にパワーMOSFETチップ200を組み立てた状態が透視して表している。パワーMOSFETチップ100は、第1主面側にソース電極202、ゲート用の接続電極203、抵抗素子201、抵抗用の接続電極204が形成される。抵抗205は、一端が上記ソース電極202に接続され、他端が上記接続電極204に接続される。この抵抗205は、後述するような電流制限用であり、数KΩ〜数十KΩ程度の抵抗値にされる。
【0015】
パッケージ100は、同図の表面側である第1主面側にソース端子102、ゲート端子103及び検出端子104を有する。同図の裏面側である第2主面側には、点線で示したようにドレイン端子101が設けられる。上記ソース電極と上記ソース端子との間は、パワーMOSFETのソース−ドレイン間に流れる大きな電流を流すことができるよう複数本からなるボンディングワイヤ105が設けられる。上記ゲート用の接続電極203と上記ゲート端子103との間は、ボンディングワイヤ106により接続される。そして、上記抵抗用の接続電極204と検出端子104との間は、ボンディングワイヤ107により接続される。上記ソース端子102、ゲート端子103及び検出端子104と、裏面側のドレイン端子101は、それぞれがパッケージ100の外部端子に接続されている。
【0016】
図2には、図1のパワーMOSFETチップの一実施例の概略説明図が示されている。図2(A)は、概略断面図であり、図2(B)は、その等価回路図である。図2(A)において、パワーMOSFETは、特に制限されないが、トレンチ構造のMOSFETとされる。MOSFETのドレイン領域となる単結晶シリコンのようなN型半導体基板210上に、MOSFETのチャネル層となるP型拡散層211が形成される。このP型拡散層211の上には、MOSFETのソース領域となるN型拡散層212が形成される。特に制限されないが、高濃度にされるN型半導体基板上に、低濃度N型エピタキシャル層が形成され、このエピタキシャル層に、上記P型拡散層211が形成され、更にその上部に高濃度のN型拡散層212が拡散形成される。ドレイン領域210は、高耐圧化等のために上記高濃度のN型半導体基板及びその上に形成された上記低濃度N型エピタキシャル層とで構成される。
【0017】
上記チャネル層としてのP型拡散層211を貫通し、上記ドレイン領域(エピタキシャル層)210に達するよう溝(トレンチ)が形成され、この溝の内側に熱酸化により薄いゲート酸化膜213が形成される。そして、上記溝のゲート絶縁膜213の内側に導電性のポリシリコンが充填されて、所定の形状にパターンニングされてゲート電極214が形成される。このゲート電極214は、図示しないが、平面的にみるとストライプ状ハニカム形状、あるいは櫛形状や格子状に形成される。
【0018】
この実施例では、上記ゲート電極214とソース領域212の間には、保護素子としてのツェナーダイオード206が設けられる。また、上記ソース領域212にはポリシリコンで形成された抵抗205の一端が接続される。電極202,203は、アルミニュウム等で構成され、電極及び接続配線とされる。上記ストライプ状ハニカム形状、あるいは櫛形状や格子状部において、ゲート電極214同士を接続する配線(202)と、ソース領域212同士を接続する配線(203)は、窒化シリコン膜のような絶縁膜により電気的に分離されている。半導体基板210は、ドレイン領域として用いられ、裏面側にドレイン電極となる導体層201が全体的に形成されている。図示しないけれども、MOSFETのチャネル層となるP型拡散層211は、上記ソース電極202に接続されてチャネル層にバイアス電圧が与えられる。
【0019】
図2(B)の等価回路図に示されているように、この実施例のパワーMOSFETチップは、MOSFETを構成するドレイン電極201、ゲート接続電極203、及びソース接続電極202の他に、ゲート,ソース間に設けられたツェナーダイオード206、及びソースと検出電極204の間に設けられた抵抗205(R2)を有する。なお、このパワーMOSFETが図1のような搭載基板100に搭載されたときには、外部端子であるソース端子と上記ソース接続電極202との間にボンディングワイヤ105が設けられるので、かかるボンディングワイヤ205が前記抵抗R3に利用される。
【0020】
この実施例では、パワーMOSFETチップ上に検出端子に接続される新たなパッド204が設けられ、電流制限抵抗205を介してパワーMOSFETのソース202に繋がる。この電流制限抵抗205は、トレンチ構造のパワーMOSFETの製造プロセスにおけるポリシリコンや半導体の拡散抵抗等を用いて容易に実現できる。
【0021】
前記図18に示したように、トレンチ構造のパワーMOSFETは、ソースパッド202は多数のMOSFETのセルのソース電極をアルミニュウム(AL)等のような配線で一つに接続した構造である。このソース202電極に対して、新たに設けられた検出端子204に接続するワイヤをボンディングすることは容易である。しかし、このようにすると前述した検出端子の過電流による破壊に対する保護効果は得られない。このため、この実施例では、パワーMOSFETチップ200において、ソースパッド202と検出用パッド204との間に電流制限抵抗205が内蔵される。
【0022】
図3には、この発明に係るパワーMOSFETを用いた電流スイッチ回路の一実施例の回路図が示されている。この実施例のパワーMOSFETは、ドレイン端子101、ゲート端子103、及びソース端子102の他に、センス(検出)端子104を備えており、MOSFETのソース電極202とソース端子102との間には、前記ボンディングワイヤ105で構成された抵抗R3が設けられる。また、上記センス端子104と上記ソース電極202との間には、電流制限抵抗R2(205)が設けられる。
【0023】
上記MOSFETのドレイン(101)−ソース(102)経路に流れる電流は、上記ボンディングワイヤ107で構成された抵抗R3の電圧降下を、上記ソース端子102とセンス端子104との間に設けられたエラーアンプAMPで検出することにより監視することができる。例えば、前記のように電池の残量を知るために用いられる。電池の残量が少なくなり、それに対応して流れる電流が小さくなることを検出することができる。逆に、エラーアンプAMPの設定により、上記パワーMOSFETの許容電流を超えるような電流が流れることを検知し、この検出信号を負荷回路側に伝えて電流経路を遮断させる等のような機能を付加することもできる。
【0024】
この実施例のように、パワーMOSFETに流れる電流を検知するための抵抗R3を半導体上に作成するのではなく、パッケージのボンディングワイヤを使用することにより、MOSFETのドレイン−ソース経路を通して大電流を流すことが出来、さらに抵抗値をボンディングワイヤ205の長さで調整ができるメリットがある。そして、前記電流制限抵抗R2(205)を内蔵させることにより、誤って予期しない過大な電圧が印加された場合などにおいても、エラーアンプAMPが壊れたり、検出用ワイヤ107が焼損したりしてしまうことが防止できる。
【0025】
図4には、この発明に係るパワーMOSFETチップの他の一実施例の概略平面図が示されている。この実施例では、1つの半導体基板上に2つのパワーMOSFETが形成される。1つのパワーMOSFET(M1)は、前記図1と同様なゲート電極G1(203)、ソース電極S1(202)とセンス電極SN(204)及びセンス電極SN(204)とゲート電極(202)との間に設けられた抵抗R(205)を有している。他の1つのMOSFET(M2)は、上記図1と同様なゲート電極G2(303)、ソース電極S2(302)を有している。上記2つのMOSFETM1とM2のドレイン同士は、共通にされた半導体基板及び裏面側のソース電極で相互に接続されている。このようにドレイン同士が接続された2つのMOSFETM1とM2により、双方向に流れる電流を選択的にスイッチ(遮断)することができる。
【0026】
図5には、上記図4のパワーMOSFETチップを用いたパワーMOSFETの一実施例の概略図が示されている。この実施例では上記図4のような2つのパワーMOSFETに対応してパッケージ100には次のような外部端子が設けられている。パッケージ100の右側にはMOSFETM1に対応してゲート端子103、検出端子104及びソース端子102が設けられる。パッケージの左側には追加されたMOSFETM2に対応してゲート端子113及びソース端子112が設けられる。上記ソース電極S1(202)と上記ソース端子102との間はボンディングワイヤ105により接続され、上記ソース電極S2(302)と上記ソース端子112との間はボンディングワイヤ115により接続される。上記ゲート用の接続電極G1(203)とゲート端子103との間はボンディングワイヤにより接続され、ゲート用の接続電極G2(303)と上記ゲート端子113との間もボンディングワイヤにより接続される。そして、上記抵抗用の接続電極SN(204)と検出端子104との間も同様にボンディングワイヤにより接続される。
【0027】
リチウムイオン電池では充電スイッチ用と放電スイッチ用の2個のパワーMOSFETを、それぞれのドレインを共通として直列に接続して使用する。この実施例のパワーMOSFETにおいては、電流のセンス端子はどちらか一方にあれば良いので、MOSFETM1側に電流のセンス端子104が設けられている。制限用抵抗R2(205)が接続されたソース電極S1(202)とソース端子102をつなぐボンディングワイヤ105が電池を流れる電流を検出するセンス抵抗R3となる。双方のパワーMOSFETM1、M2にセンス端子を設けるのに比較してパワーMOSFETのチップサイズを小さくすることができる。
【0028】
図6には、この発明に係る電池監視装置の一実施例の全体構成図が示されている。この実施例の電池監視装置は、特に制限されないが、細長の実装基板に搭載された1つの半導体装置1PKG、抵抗素子R1、コンデンサC1,C2及びエラーアンプAMP及びそれらを接続する配線により構成される。実装基板は、例えば、ガラス・エポキシ樹脂基板等からなる配線基板であり、電池パックの側面に搭載可能となるように細長くなっている。実装基板は、リチウムイオン二次電池等の電池パック側に接続される端子B+、B−と、充電器又はラップトップ型マイクロコンピュータや携帯電話装置のような負荷側に接続される端子P+,P−を有している。
【0029】
上記半導体装置1PKGは、1つの搭載基板に監視ICチップ(CONT)とパワーMOSFETチップ(SW)とが搭載され、ボンディングワイヤにより2つのチップ間及びチップと外部端子との間が接続される。上記パワーMOSFETチップは、前記図5の実施例のパワーMOSFETチップと同様に、直列形態に接続されたパワーMOSFETM1,M2及び電流制限抵抗R2を有している。
【0030】
監視ICは、電源端子VCCと接地端子GNDを有する。IDT端子は、過電流電圧検出入力、充電過電流検出入力及びCHG出力の負極(接地電位)側電源端子であり、放電電流が増加してIDT端子の入力電圧が過電流検出電圧、又は短絡電流検知電圧を超えると、DCH出力がロウレベル(接地側電圧)になり、放電経路遮断用のMOSFETM2のゲートをロウレベルにしてオフ状態にする。その後、入力電圧が上記過電流検出電圧以下になるとDCH出力がハイレベル(電源電圧)になり、上記MOSFETM2がオン状態になって過電流状態から復帰する。CHG端子は、充電経路遮断用のMOSFETM1のゲートに供給される制御信号を出力し、端子B+,B−に接続される電池セルの電圧が正常のときにはハイレベル(VCC)となり、上記MOSFETM1をオン状態にし、過充電状態または過大な充電電圧が検出されるとロウレベル(IDT)になり、上記MOSFETM1をオフ状態にする。
【0031】
上記半導体装置1PKGにおいて、監視IC(CONT)の電源端子(電極)VCCと、それに対応した外部端子401は、ボンディングワイヤにより接続される。また、監視ICの接地端子(電極)GNDと、それに対応した外部端子403は、ボンディングワイヤにより接続される。上記監視ICのDCH出力(電極)は、ボンディングワイヤによりパワーMOSFETチップ(SW)の放電経路遮断用のMOSFET(M2)のゲート電極303に直接接続される。上記監視ICのCHG出力(電極)は、ボンディングワイヤによりパワーMOSFETチップ(SW)の充電経路遮断用のMOSFET(M1)のゲート電極203に直接接続される。
【0032】
パワーMOSFETチップ(SW)の放電経路遮断用のMOSFET(M2)のソース電極302は、電池パッグ側端子B−に接続されるソース端子112と複数のボンディングワイヤにより接続される。パワーMOSFETチップ(SW)の充電経路遮断用のMOSFET(M1)のソース電極202は、充電器/負荷側端子P−に接続されるソース端子102と複数のボンディングワイヤにより接続される。このボンディングワイヤは、抵抗R3としても用いられる。上記MOSFETM1のソース電極には、前記抵抗(R2)の一端と接続されており、抵抗(R2)他端側に接続された電極204は、ボンディングワイヤにより検出端子104に接続される。
【0033】
上記監視ICのIDT端子は、ボンディングワイヤにより電圧検出端子402に接続される。そして、外部において上記電圧検出端子402と上記検出端子104とが相互に接続される。また、上記検出端子104と上記ソース端子102との間の電圧は、エラーアンプAMPに入力される。このエラーアンプAMPの出力信号は、充電器/負荷側に設けられたセンス端子SOに伝えられる。このセンス端子SOの検知信号は、例えば前記のように電池の残量を知る等のために用いられる。
【0034】
この実施例では、上記パワーMOSFET(SW)に内蔵された抵抗R2は、一方において上記エラーアンプAMPの電流制限用抵抗としての役割と、上記監視ICの保護抵抗としての役割とを持つようにされる。これによって、実装基板には、上記監視ICのIDT端子に接続される保護抵抗を省略することができる。
【0035】
上記監視ICの電源端子401と接地端子403との間には、電源安定化のためのコンデンサC1が接続される。実装基板のB−とP−との間には、コンデンサC2が接続される。抵抗R1は、電圧端子B+(P+)と上記半導体装置1PKGの電源端子401の間に設けられる。
【0036】
この実施例のように、監視ICとパワーMOSFETのパッケージ内での配置およびボンディングは、パワーMOSFETチップ(SW)ゲート電極203,303は監視IC(CONT)を配置する側にあるほうがボンディングがしやすくなる。センス端子104も監視IC側と接続する場合があるため、センス電極204とゲート電極203もパワーMOSFETの同じ辺に配置するとボンディングがやりやすくなる。前記図4のパワーMOSFETチップのように電流制限用抵抗R(205)をセンス電極204とゲート電極203付近に配置することでセンス電極204からパワーMOSFET(M1)のソース電極202までの配線の引き回しが少なく、パワーMOSFETのチップサイズが最小となる設計が可能となる。
【0037】
図7には、この発明に係る電池監視装置の他の一実施例の全体構成図が示されている。この実施例では上記図6にあるエラーアンプAMP及び充電器/負荷側に設けられたセンス端子SOが取り除かれている。すなわち、電池残量を検出する機能が不要とされる電池パックに対応している。このとき、上記パワーMOSFETチップ(SW)に内蔵された抵抗(R2)は、外部端子402と104同士を接続することによって監視ICの保護抵抗としての役割を果たす。
【0038】
この実施例のように、パワーMOSFETとそれを制御する監視ICとを一つのパッケージに搭載した場合、MOSFETを外部から直接制御することができない。しかし、上記外部端子402と104は実装基板に形成された配線により接続される構成では、半導体装置1PKGが組み立てられた時においては外部端子402と104は分離されている。これにより外部端子402からテスト用信号を入力することによってMOSFETM1のオン/オフを制御する等が可能になり、MOSFETM1、M2に流れる電流が所望の特性を有するか否か試験等のために測定したい設定条件(MOSFETM1、M2のオン/オフ状態)を作り出すことができる。
【0039】
つまり、監視ICはVCC端子とIDT端子の予め設定された電圧を検出して、それぞれの状態に応じてDCH出力、CHG出力のハイレベル/ロウレベルを形成してそれぞれMOSFETM2、M1のゲートに供給する。この2端子(VCC、IDT)で多くの検出電圧(10個前後)と各検出電圧に対するスパイク回避時間が設定されており、これらの入出力関係は複雑である。この実施例では監視ICのIDTパッドの繋ぎがないので殆どの項目の特性を測定することが可能となる。このことは前記図6の実施例の半導体装置1PKGにおいても同様である。上記のような全試験を実施することにより、小型化を図りつつ、高信頼性の電池監視装置を得ることができる。
【0040】
図8には、この発明に係る電池監視装置の更に他の一実施例の全体構成図が示されている。この実施例では上記図7の実施例における上記検出端子104が削除されている。電極204は半導体装置1PKGの内部においてボンディングワイヤにより電圧検出端子402に接続される。これにより、検出端子104を削除しつつ上記図7同様の回路が実現される。この実施例では上記7図と比べて外部端子の数が少なくなり、かつ上記検出端子104と接続するための配線も必要でなくなるため、その分のコストが削減される。また、一つの端子に接続することで足りるため、製造により生じる不良の発生も抑えられる。また、テストも前期同様に可能である。
【0041】
図9には、この発明に係る電池監視装置の更に他の一実施例の全体構成図が示されている。この実施例の電池監視装置は、上記半導体装置1PKGにおいて、監視IC(CONT)の接地端子(電極)GNDに対応した外部端子403が省略される。つまり、監視ICの接地電極GNDには、ボンディングワイヤを介してパワーMOSFET(SW)のソース端子112から接地電位が与えられる。このような半導体装置1PKG内にて上記のような接続を行うことにより、前記図6〜図8等の実施例のように、上記監視ICに対応した外部端子403と、それをパワーMOSFET(SW)のソース端子112に接続するような外部配線とを省略することができる。これにより、実装基板の更なる小型化等が可能になる。
【0042】
図10には、この発明に係るパワーMOSFETチップの更に他の一実施例の概略平面図が示されている。この実施例では、前記図4と同様に1つの半導体基板上に2つのパワーMOSFET(M1)(M2)が形成される。この実施例では、前記図4と同様なセンス電極SN(204)に一端が接続された抵抗R(205)の他端には、接続電極SN2(207)に接続される。つまり、抵抗R(205)の上記他端を前記図4の実施例のように固定的にソース電極S1(202)に接続されるのではなく、上記のように新たに設けられた接続電極SN2(207)に接続される。前記図4と同じような構成する場合には、この接続電極SN2(207)は、ボンディングワイヤにより上記ゲート電極S1と接続される。
【0043】
この実施例では、上記ボンディングワイヤにより上記抵抗R(205)の両端電極SN1(204)とSN2(207)を任意の個所に接続することができる。つまり、パワーMOSFETチップを他の制御用IC等と1つの半導体装置1PKGに組み込むときに、ボンディングワイヤの接続個所の選択により他の任意の役割を持たせることができる。
【0044】
図11には、この発明に係る電池監視装置の更に他の一実施例の全体構成図が示されている。この実施例の電池監視装置は、上記半導体装置1PKGにおいて、前記監視IC(CONT)と前記図10に示したようなパワーMOSFETチップ(SW)とが組み込まれる。つまり、抵抗の一端の接続電極207は、ボンディングワイヤによりMOSFET(M1)のゲート電極203に接続される。そして、抵抗の他端の接続電極204は、ボンディングワイヤにより監視ICのCHG出力(電極)に接続される。
【0045】
このようにパワーMOSFETチップに設けられた抵抗を前記MOSFETM1のゲート電極に接続する保護抵抗として用いたので、監視ICのIDT電極に接続された外部端子402と、上記MOSFETM1のソース端子102の間には、外部抵抗R2が設けられる。他の構成は、前記実施例7等と同様である。この実施例では、パワーMOSFETM1のゲート保護のために抵抗を設ける場合に実装基板上に搭載される抵抗素子を削減することができる。
【0046】
前記のような双方向の電流経路をスイッチするパワーMOSFETにおいて、パワーMOSFETチップに内蔵した抵抗素子を、1つの用途では前記パワーMOSFETに流れる電流をセンスする場合のセンス端子に接続して、センス端子に接続されるエラーアンプ等の保護や、監視ICと組み合わせたときのIDT端子に接続される電流制限抵抗として利用できる。他の1つの用途では、パワーMOSFETのゲート保護抵抗に利用することができる。
【0047】
図12には、この発明に係る電池監視装置が搭載されたリチウムイオン二次電池パックの模式図が示されている。電池監視装置は、実装基板の裏面側に前記監視ICと上記パワーMOSFETチップが搭載された半導体装置1PKGと、前記抵抗及びコンデンサとが搭載される。表面側には、充電器/負荷に接続される電極P+,P−が設けられる。また、前記図6の実施例のようにセンス端子SOを持つものは、それに対応した電極が設けられる。
【0048】
特に制限されないが、偏平形状のリチュウムイオン二次電池パックの上側側面に、前記電池監視装置が搭載される。電池監視装置の実装基板の裏面側の電極B+,B−は、例えば薄い細長のアルミニュウム等からなる配線手段によりリチュウムイオン二次電池パック41の正極と負極に接続される。電池パックの小型や薄型化のために、上記実装基板は小型あるいはより細長く形成される傾向にある。このため、前記のような実装基板に搭載される電子部品点数が少なくなること、及び配線が少なくなることは極めて有益である。
【0049】
図13には、この発明に係る電池監視装置の一実施例の説明図が示されている。図13において、(A)に裏面側が示され、(B)に上面側が示されている。(A)の裏面図において、細長の実装基板の中央部分に前記監視ICとパワーMOSFETチップが搭載された半導体装置1PKGが搭載される。実装基板の両側には電池との接続に用いられる電極B−とB+が設けられる。そして、上記電極B−,B+と上記半導体装置1PKGの間のスペースに前記コンデンサC1,C2あるいは抵抗R1が搭載される。実際には、上記電極B−,B+、コンデンサC1,C2及び抵抗R1と上記半導体装置1PKGとの間を接続するプリント配線も設けられが、同図ではプリント配線が省略されている。(B)の上側には、前記充電器/負荷に接続される電極P+,P−が形成されている。
【0050】
図14には、この発明が適用された電池監視装置が搭載された電池パックの一実施例のブロック図示されている。この実施例は、リチウムイオン二次電池等の電池パックに適用される。この実施例の電池パックは、電池セルCELL、ヒューズFUSと電池監視装置から構成される。電池監視装置は、前記監視ICチップ(CONT)とパワーMOSFETチップ(SW)とが搭載された1つの半導体装置1PKGと、それに抵抗R1とコンデンサC1,C2が接続されて構成される。上記パワーMOSFETチップ(SW)は、直列形態に接続された2つのパワーMOSFETM1、M2と前記電流制限用抵抗R2を有している。電池セルCELLの正極+は、ヒューズFUSを介して電池パックの正極端子P+に接続される。電池セルCELLの負極−は、パワーMOSFETM2のソースと、監視ICの接地端子GNDに接続される。パワーMOSFETM2のドレインは、パワーMOSFETM1のドレインと接続される。パワーMOSFETM1のソースは、電池パックの負極端子P−に接続される。電池パックの正極端子P+と負極端子P−には、充電器あるいは負荷が接続される。
【0051】
図15には、この発明が適用された電池監視装置が搭載された電池パックの他の一実施例のブロック図示されている。電池残量の検知出力SOが設けられる。前記図6のような実施例とは異なり、MOSFETM1とM2の位置が入れ換えられる。この場合、MOSFETM1のソースに挿入された抵抗R3は、電池セルCELLの負極−側に接続されることになる。これに対応して、エラーアンプAMPの両入力には、上記抵抗R3の電圧降下を検知すべく、上記負極−側と、上記MOSFETM1のソースとの間の電圧差を抵抗R(前記電流制限抵抗205)を介した電圧が供給される。この実施例では、上記抵抗Rは、エラーアンプAMPの保護抵抗としての役割しか持たないので、監視ICのIDT端子には、保護用抵抗R2が外付部品として設けられる。
【0052】
図16は、前記監視ICの一実施例のブロック図が示されている。この実施例の監視ICは、特に制限されないが、基準電圧発生回路、制御回路、前記DCH端子、CHG端子に対応した駆動回路、上限電圧検山回路、下限電圧検出回路、発振器、発振器の発振パルスで動作する過充電タイマ、過放電タイマ、過電流タイマ、充電器電圧検出回路、放電電流,充電電流検出回路などから構成される。前記基準電圧発生回路で形成された基準電圧は、上記上限電圧検出回路、下限電圧検出回路、充電器電圧、放電電流、充電電流の各電圧検出回路の検出動作の基準として用いられる。
【0053】
この監視ICは、電池側の過大な充電状態を上限電圧検出回路で監視し、過大な放電状態を下限電圧検出回路で監視している。充電器の異常状態を充電器電圧検出回路、充電電流検出回路で監視し、負荷側の異常状態を放電電流検出回路で監視している。このような異常状態を検知すると、異常状態に応じた遅延時間をタイマ(過充電タイマ、過放電タイマ、過電流タイマ)で形成し、制御回路によりDCH信号を形成し、駆動回路を通してDCH出力を前記パワーMOSFETM2のゲートに伝えてオフ状態にし、あるいはCHG信号を形成し、駆動回路を通してCHG出力を前記パワーMOSFETM1のゲートに伝えてオフ状態にする。
【0054】
以上説明した本願発明に係る電池監視装置は、監視ICチップと上記パワーMOSFETチップを一つのパッケージに封止することで、実装基板での配線が少なくなり実装基板の配線パターンの引き回しが容易となる。この結果、実装不良の低減が可能となり信頼性の向上が図られる。そして、監視ICやエラーアンプAMPに対して異常電圧が印加されることによる破壊を防止する外付部品数が減り、かかる電流制限抵抗R2を半導体装置1PKG内で接続する構成とするために、実装基板と監視IC等との接続数が減ることとなり、素子トータルコストの低減が実現できる。この構成は、監視ICやパワーMOSFETの端子を半導体装置1PKGの外部ピンに出す必要が無くなる。あるいは外部ピンを出した場合でも配線長が短くなる。この結果、監視ICやパワーMOSFETが外部からのノイズ(静電気、電波ノイズ等)の影響を受けにくいという利点ももたらす。また、実装基板の軽量化、小型化が可能になる。
【0055】
パワーMOSFETは、前記のような監視ICと組み合わせるものの他、単独のパワーMOSFETとしても利用できる。この場合、図1の実施例ではMOSFETに流れる電流を検知する機能を有するので、エラーアンプ等を付加することにより、MOSFETに流れる電流を簡単に検知できる。パワーMOSFETとしては、各種保護回路を内蔵したものも存在するが、保護回路をパワーMOSFETに搭載すると検知電流が限定される等ように用途が限定される。これに対して、エラーアンプ等を付加する構成では、前記のような微小電流を検知するために用いることができるし、その反対にMOSFETを破壊してしまうような過大電流を検知するためにも用いることができる。
【0056】
以上本発明者によってなされた発明を、前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。電池監視装置は、前記監視ICと2つのパワーMOSFETチップとの組み合わせであってもよい。このうちの1つのパワーMOSFETチップは、前記図1のようなセンス端子を持つものとすればよい。監視ICは、前記のような充放電制御を行うものであれば何であってもよい。パワーMOSFETチップ又はパワーMOSFETは、前記電池監視装置の他、電流検知機能を持つパワーMOSFETチップ又はパワーMOSFETとして広く利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
電流センス機能を持つパワーMOSFET及びリチウムイオン二次電池等のような各種二次電池に設けられる電池監視装置として広く利用できる。
【符号の説明】
【0058】
100…パッケージ、101…ドレイン端子、102,112…ソース端子、103,113…ゲート端子、104…検出端子、105〜107,115…ボンディングワイヤ、200,SW…パワーMOSFETチップ、201,205,R,R1,R2,R3…抵抗素子、202,302,S1,S2…ソース電極、203,303,G1,G2…ゲート電極、204,SN…抵抗用の接続電極、206…ツェナーダイオード、207,SN2…接続電極、210…半導体基板、211…P型拡散層、212…N型拡散層、213…ゲート絶縁膜、214…ゲート電極、401,403…外部端子、402…電圧検出端子、AMP…エラーアンプ、M1,M2…パワーMOSFET、C1,C2…コンデンサ、B+,B−…電極、P+…正極端子、P−…負極端子、CONT…監視ICチップ、VCC…電源端子、GND…接地端子、SO…センス端子、CELL…電池セル、FUS…ヒューズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の第1主面に形成されたソース領域となる半導体領域及びソース電極と、
上記半導体基板の第2主面に形成されたドレイン領域となる半導体領域及びドレイン電極と、
上記半導体基板の第1主面と第2主面間の厚み方向に流れる電流を制御するよう形成されたゲート絶縁膜及び上記第1主面側に第1接続電極が設けられたゲート電極と、
上記第1主面側に設けられ、一端が上記ソース電極に接続可能にされ、他端が第2接続電極に接続された抵抗素子と、
ソース端子、ゲート端子、ドレイン端子及び検出端子と、
上記ソース端子と上記ソース電極を接続する第1ボンディングワイヤと、
上記ゲート端子と上記ゲート電極の接続電極を接続する第2ボンディングワイヤと、
上記検出端子と上記第2接続電極を接続する第3ボンディングワイヤとを有し、
上記ソース端子、ゲート端子、ドレイン端子及び検出端子が外部端子とされる、
パワーMOSFET。
【請求項2】
請求項1において、
上記半導体主面には、上記第2主面において形成されたドレイン領域となる半導体領域及びドレイン電極を共通とし、
上記半導体基板の第1主面において形成されたソース領域となる半導体領域及びソース電極及び上記半導体基板の第1主面と第2主面間の厚み方向に流れる電流を制御するよう形成されたゲート絶縁膜及び上記第1主面側に第1接続電極が設けられたゲート電極がそれぞれ2組設けられ、一方の組のゲート電極及びソース電極に対応して上記抵抗素子と上記検出端子とが設けられ、
上記1組のソース端子、ゲート端子及び検出端子が外部端子とされ、
上記1組のソース端子間において双方向に電流を流すようにされる、
パワーMOSFET。
【請求項3】
実装基板と、
上記実装基板に搭載された半導体装置とを有し、
上記半導体装置は、
監視すべき電池の充放電経路に挿入されたパワーMOSFETが形成されたパワーMOSFETチップと、
上記パワーMOSFETのスイッチ制御信号を形成し、かかるパワーMOSFETで発生する電圧を検出する電圧検出電極を有する監視ICチップと、
上記パワーMOSFETチップと上記監視ICチップが搭載された搭載基板を含み、
上記パワーMOSFETチップは、
半導体基板の第1主面において形成されたソース領域となる半導体領域及びソース電極と、
半導体基板の第2主面において形成されたドレイン領域となる半導体領域及びドレイン電極と、
上記半導体基板の第1主面と第2主面間の厚み方向に流れる電流を制御するよう形成されたゲート絶縁膜及び上記第1主面側に第1接続電極が設けられたゲート電極と、
上記第1主面側に設けられ、一端が上記ソース電極に接続可能にされ、他端が第2接続電極に接続された抵抗素子とを含み、
上記搭載基板は、ソース端子、検出端子及び電圧検出端子を含み、
上記ソース端子と上記ソース電極は、第1ボンディングワイヤにより接続され、
上記第1接続電極と上記監視ICの対応する制御信号が出力される電極とが第2ボンディングワイヤにより接続され、
上記第2接続電極と上記検出端子とが第3ボンディングワイヤにより接続され、
上記電圧検出電極と上記電圧検出端子とが第4ボンディングワイヤにより接続され、
上記ソース端子、検出端子及び上記電圧検出端子は、それぞれ上記半導体装置の外部端子に接続され、
上記検出端子と上記電圧検出端子とは半導体装置の外部で接続される、
電池監視装置。
【請求項4】
請求項3において、
上記検出端子と上記ソース端子との間の電圧を検出するエラーアンプを更に有する、
電池監視装置。
【請求項5】
請求項3において、
上記検出端子と上記電圧検出端子とは、1つの外部端子で共用される、
電池監視装置。
【請求項6】
請求項5において、
上記実装基板は、電池監視に必要なコンデンサ及び抵抗素子を更に有する、
電池監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−267640(P2010−267640A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115136(P2009−115136)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000233169)株式会社日立超エル・エス・アイ・システムズ (327)
【Fターム(参考)】