説明

フォトマスク洗浄システム

【課題】検査の定量性を確保するとともに、作業効率を改善するフォトマスク洗浄システムを提供する。
【解決手段】フォトマスクを洗浄する洗浄装置と、フォトマスクに付着している異物を検出する異物検出手段を有し洗浄装置により洗浄されたフォトマスクを検査する検査装置と、検査装置による検査結果に基づいてフォトマスクに異物が付着している箇所を再生部位として指示する指示手段を有し当該フォトマスクを再生する再生装置と、洗浄装置、検査装置および再生装置との間でフォトマスクを運搬する運搬装置と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトリソグラフィプロセスに用いるフォトマスクを洗浄するフォトマスク洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトマスクは、例えばフラットパネルディスプレイやカラーフィルタなどの製造プロセスにおいて広く利用されている。例えば、フォトマスクは、フラットパネルディスプレイの製造時のフォトリソグラフィプロセス、より具体的には露光プロセスなどにおいて各種のパターン形成に用いられている。このフォトマスクは、複数回用いられると、洗浄装置にて表面に付着したゴミなどの異物を除去する洗浄が行われる。その後、フォトマスクは、例えば特許文献1のように作業者が目視により異物などを検査するマクロ検査装置に移送されて検査をした後、洗浄装置では取り除けないほど強固に付着した異物の除去すなわちフォトマスクの再生が行われている。このフォトマスクの再生は、一般的には作業者により手作業で行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−064667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、目視によるマクロ検査の場合は、例えば作業者により検査結果にばらつきが生じ定量性に欠けるという問題や、フラットパネルディスプレイ用のフォトマスクでは外形が大きいため異物が付着している箇所の特定が困難であるなどの問題がある。さらには、異物の付着であるのかフォトマスクのパターンの破損であるのか判断が困難であり、パターンの破損であるにも関わらずフォトマスクの再生が試みられた場合には作業効率の悪化を招くという問題もある。
【0005】
本発明は、検査の定量性を確保するとともに、作業効率を改善するフォトマスク洗浄システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、フォトリソグラフィプロセスに用いるフォトマスクを洗浄するフォトマスク洗浄システムであって、前記フォトマスクを洗浄する洗浄装置と、前記フォトマスクに付着している異物を検出する異物検出手段を有し、前記洗浄装置により洗浄された前記フォトマスクを検査する検査装置と、前記フォトマスクに異物が付着している箇所を再生部位として指示する指示手段を有し、前記検査装置による検査結果に基づいて当該フォトマスクを再生する再生装置と、前記洗浄装置、前記検査装置および前記再生装置との間で前記フォトマスクを運搬する運搬装置と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記指示手段は、前記再生部位を可視的に指示することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記洗浄装置は枚葉型の洗浄装置であり、前記検査装置は、マクロ検査装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載した発明によれば、フォトマスクは、洗浄装置、検査装置および再生装置との間で運搬装置により運搬される。つまり、検査装置は、洗浄装置と同一ラインにインラインで、換言すると、作業者によらず自動でフォトマスクの検査が可能に設けられている。つまり、フォトマスクは、洗浄が終了したすぐの状態で検査装置にて検査が行われる。そして、この検査は、検査装置により自動で行われる。検査の定量性を確保することができるとともに、目視による検査に比べて再生部位を見落とすおそれが低減され、より詳細且つ正確な検査を行うことができる。
また、再生装置は、検査装置による検査結果、すなわち、異物検出手段により検出された異物が付着している箇所を再生部位として指示するので、容易に再生部位を特定することができ、作業効率を改善することができる。
【0009】
請求項2に記載した発明によれば、指示手段は可視的に再生部位を指示するので、再生装置において作業者がフォトマスクの再生をする場合であっても、容易にフォトマスク上の再生部位を特定することができる。
【0010】
請求項3に記載した発明によれば、検査装置にマクロ検査装置を採用しているので、異物の付着なのかあるいはパターンの破損なのかの判断が可能となる。そして、指示装置は異物が付着している再生部位を指示するので、パターンが破損している箇所に対して再生装置にて再生を試みることがない。したがって、作業の無駄を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態によるフォトマスク洗浄システムの構成を概略的に示す平面図
【図2】一実施形態による再生部位の指示態様を模式的に示す図
【図3】一実施形態によるフォトマスクの再生処理の流れを示す図
【図4】その他の実施形態による再生部位の指示態様を模式的に示す図その1
【図5】その他の実施形態による再生部位の指示態様を模式的に示す図その2
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態によるフォトマスク洗浄システムについて図1から図3を参照しながら説明する。
図1に示すように、フォトマスク洗浄システム10は、洗浄装置11、検査装置12、再生装置13、運搬装置14、および、各装置を一括して制御する主制御装置15を備えている。本実施形態で想定しているフォトマスク16は、例えばフラットパネルディスプレイやカラーフィルタなどの露光プロセスなどにおいて各種のパターン形成に用いられるものであり、種類によって異なるものの、その大きさは一辺が1000mmを越えるものもある。なお、図1では、フォトマスク16を仮想的に破線にて示している。
【0013】
洗浄装置11は、いわゆる枚葉型のスピン洗浄装置として周知の構成であり、洗浄槽17、液供給部18、およびそれらを制御する洗浄制御部19を有している。洗浄槽17は、概ね円筒状に形成されており、その内部に、フォトマスク16を支持する支持部20を有している。この支持部20は、図示しない駆動部により、フォトマスク16を支持した状態で回転駆動される。具体的には、主制御装置15と通信可能に接続された洗浄制御部19により、主制御装置15からの洗浄指令に基づいて、図示しない駆動部が駆動される。液供給部18は、フォトマスク16を洗浄する洗浄液などを供給するための複数の供給口21を備えており、フォトマスク16が回転している状態で洗浄液を供給する。液供給部18から供給される洗浄液には、洗浄成分を含む液体の他に、洗浄液による洗浄後に洗浄成分を洗い流すための例えば純水などの液体も含まれている。液供給部18から供給された液体は、洗浄槽17に設けられている排水口22から洗浄槽17の外部に排出される。なお、この液供給部18は、1台の洗浄槽17に対して複数設けてもよい。また、図示は省略するが、洗浄装置11には、清浄な窒素ガスや空気などのいわゆるクリーンエアを供給するクリーンエア供給部も設けられている。
【0014】
検査装置12は、本実施形態の場合、いわゆるマクロ検査装置であり、保持台23に保持されたフォトマスク16を撮像する撮像部24(いわゆるカメラ)、および撮像部24で撮像した画像あるいは映像に基づいてフォトマスク16に異物が付着しているか否かを判定する判定手段としての検査制御部25を有している。これら撮像部24および判定手段としての検査制御部25により、異物検出手段が構成されている。ここで、マクロ検査装置そのものは周知の構成のものを採用可能であるので詳細な説明は省略するが、例えば、図示しない光源から照射された光の散乱、反射、回折あるいは透過などの物理現象を利用して、検査対象物であるフォトマスク16の外観を撮像部24により撮像し、フォトマスク16の表面に付着した異物を判定する。検査制御部25は、主制御装置15と通信可能に接続されており、検査結果を主制御装置15に送信する。本実施形態の場合、検査装置12は、撮像部24で撮像した画像あるいは映像に例えば画像処理を施すことにより、フォトマスク16のパターンの破損も検出可能である。つまり、検査装置12は、フォトマスク16に付着した異物の検出が可能であるとともに、パターンの破損の検出も可能である。なお、検査装置12は、例えば可視光以外の電磁波や超音波などの他の手法を用いるものであってもよい。
【0015】
また、本実施形態の場合、検査装置12は、主制御装置15からの検査指令に基づいて検査を実行する。具体的には、検査装置12は、上記した光源の制御、検査箇所の特定、当該検査箇所を撮像する撮像部24の制御、および検査の実行など、フォトマスク16の検査に要する制御を自動且つ自律的に行うことができる。つまり、本実施形態の検査装置12においては作業者による作業は必要がない。なお、検査装置12における検査の自動化手法は、周知の技術を用いることができるため詳細な説明は省略する。
【0016】
再生装置13は、フォトマスク16を載置する載置台26、指示手段としてのレーザ指示器27(いわゆるレーザポインタ)、およびレーザ指示器27を制御する再生制御部28を有している。再生制御部28は、主制御装置15からの指令にもとづいて、レーザ指示器27の向き、レーザ光の照射を制御する。より具体的には、再生制御部28は、主制御装置15を経由して取得する検査装置12による検査結果、すなわち、フォトマスク16に付着している異物の位置に基づいて、図1および図2に模式的に示すように、異物が付着している箇所を再生が必要な再生部位Pとして指示する。このとき、レーザ指示器27は、可視光にて再生部位Pを指示する。すなわち、本実施形態では、レーザ指示器27により指示された再生部位Pを作業者が手作業で再生することを想定している。フォトマスク16は洗浄装置11にて洗浄されることから、異物の除去すなわちフォトマスク16の再生が必ずしも必要でない場合がある。換言すると、洗浄装置11で洗浄しても除去できないほど強固に異物が付着することが少ないため再生工程までをも自動化しているラインは少なく、一般的には作業者による手作業でフォトマスク16の再生が行われている。
【0017】
運搬装置14は、図1に示すように、移動レール29上に設けられており、折りたたみ式のアーム部30を備えている。運搬装置14は、移動レール29上を図1に矢印にて示すように往復移動可能に設けられている。この運搬装置14は、主制御装置15からの運搬指令に基づいて、フォトマスク16を運搬する。具体的には、運搬装置14は、アーム部30の先端側にフォトマスク16を把持するための図示しないハンドが設けられており、アーム部30を伸縮させることにより、フォトマスク16を図示しない保管場所から洗浄装置11へ、洗浄が終わったフォトマスク16を洗浄装置11から検査装置12へ、検査が終わったフォトマスク16を検査装置12から再生装置13へと運搬する。つまり、本実施形態では、検査装置12は洗浄装置11により実施される洗浄工程と同一ラインに設けられており、フォトマスク16の検査はインラインで行われる。
【0018】
主制御装置15は、図示しないCPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェースなどを有する周知のコンピュータで構成されており、ROMなどに記憶されているコンピュータプログラムに従って、フォトマスク洗浄システム10の全体を制御する。具体的には、主制御装置15は、上記したように洗浄装置11の洗浄制御部19、検査装置12の検査制御部25、再生装置13の再生制御部28、および運搬装置14と接続されており、各工程を実行するための指令を出力する。具体的には、主制御装置15は、例えば洗浄制御部19に対して、洗浄装置11の支持部20の回転駆動や液供給部18からの洗浄液の供給などを実行させるための洗浄指令、検査制御部25に対して図示しない光源の点灯や撮像部24による撮像などを実行させるための検査指令、再生制御部28に対してレーザ指示器27の指示位置の調整およびレーザ光の照射などを実行させるための指令、運搬装置14に対してフォトマスク16の運搬を実行させるための指令などを出力する。なお、各装置の各制御部には、主制御装置15からの指令を受信する受信手段が設けられている。
このような構成のフォトマスク洗浄システム10は、いわゆるクリーンルーム内に設置されている。
【0019】
次に、上記した構成のフォトマスク洗浄システム10の作用について、上記した各装置により行われる処理を含む再生処理の流れとともに説明する。なお、以下の工程は、本実施形態では各装置により行われるものであるが、説明の簡略化のため主制御装置15を主体として説明する。
主制御装置15は、図3に示すように、まずステップ1において、洗浄装置11によりフォトマスク16を洗浄する洗浄工程を実施する。この洗浄工程では、上記したような洗浄液によるフォトマスク16の洗浄、純水などによる洗浄成分の除去、およびクリーンエアによるフォトマスク16の乾燥などが行われる。この時点で、フォトマスク16は、その表面に付着したゴミなどの異物がほぼ除去される。
【0020】
続いて、主制御装置15は、洗浄装置11にて洗浄および乾燥が実施されたフォトマスク16を運搬装置14にて検査装置12に運搬する。そして、主制御装置15は、ステップS2において、検査装置12によりフォトマスク16の検査を行う検査工程が行われる。この検査工程では、撮像部24で撮像した画像あるいは映像に基づいて、上記したようにフォトマスク16に付着している異物の検出、および、フォトマスク16のパターンの破損の検出をおこなうことにより、フォトマスク16の検査が行われる。続いて、主制御装置15は、ステップS3において、検査装置12による検査結果に基づいてフォトマスク16の再生が必要であるか否かを判定する。
【0021】
主制御装置15は、検査装置12からフォトマスク16に異物が付着していないという検査結果が得られた場合には、再生が不要と判定し(S3:NO)、そのまま処理を終了する。この場合、フォトマスク16は、洗浄装置11にて異物などが完全に除去された状態であるといえる。なお、主制御装置15は、フォトマスク16のパターンが破損している場合も再生は不要と判定する。これは、フォトマスク16のパターンが破損している場合、ユーザ側ではその修理ができず、製造メーカにフォトマスク16を返送して修理することになるためである。つまり、修理時には製造メーカにて異物の除去などが行われるため、あえてユーザ側にて洗浄を行う必要はないことから、処理を終了する。
【0022】
これに対して、主制御装置15は、検査装置12からフォトマスク16に異物が付着しているという検査結果が得られた場合には、再生が必要であると判定し(S3:YES)、再生工程を実施する。この再生工程では、上記したように載置台26に載置されたフォトマスク16に対してレーザ指示器27から再生部位が指示される。そして、作業者は、指示された再生部位を、例えばアセトンなどの有機溶剤を用いて異物を除去して再生する。なお、異物の除去には、フォトマスク16が使用される環境に応じて、その都度適切な除去剤あるいは除去手法が採用される。これにより、洗浄装置11によっても除去できなかった強固に付着した異物が取り除かれる。なお、異物が複数箇所に付着しているという検査結果が得られた場合には、主制御部は、一箇所の再生が終了した後、次の再生部位の指示を指令する。そして、作業者は、その指示に従って再生を繰り返す。
このように、フォトマスク洗浄システム10は、フォトマスク16の洗浄、検査および再生を実施している。
【0023】
以上説明したフォトマスク洗浄システム10によれば、次のような効果を得ることができる。
フォトマスク16は、洗浄装置11、検査装置12および再生装置13との間で運搬装置14により運搬される。つまり、検査装置12は、洗浄装置11と同一ラインにインラインで設けられている。また、検査装置12は、上記したように自動化が図られており、作業者によらず自動でフォトマスク16の検査が可能である。このため、フォトマスク16は、洗浄が終了したすぐの状態で検査装置12にて検査が行われる。このとき、フォトマスク洗浄システム10がクリーンルーム内に設置されていることから、洗浄後に異物が付着するおそれが低減されている。そして、検査装置12によってフォトマスク16の検査を自動で行うことにより、作業者の熟練度などに左右されず、定量性を確保した状態で検査を行うことができる。
【0024】
また、検査工程を自動で行うことにより、検査に要する時間の短縮化を図ることができ、作業効率を改善することができる。
フラットパネルディスプレイ用などその外形が大きいフォトマスク16の場合、目視による検査では例えばフォトマスク16の外形に比べて微少なパターンの隙間に付着した異物などを見落とすおそれがある。そのような大型のフォトマスク16であっても、検査装置12により自動で検査を行うことにより、異物が付着した要再生部位を見落とすおそれを低減することができる。すなわち、より詳細、且つ、より正確な検査を行うことができ、洗浄後(再生後)のフォトマスク16の品質を向上させることができる。
【0025】
また、フォトマスク洗浄システム10では、検査装置12による検査結果、すなわち、異物検出手段により検出された異物が付着している箇所を再生が必要な再生部位として指示するので、容易に再生部位の位置を特定することができ、作業効率を改善することができる。
この場合、レーザ指示器27により可視的に再生部位を指示するので、再生装置13において作業者がフォトマスク16の再生をする場合において、容易にフォトマスク16上の再生部位を特定することができる。
【0026】
また、検査装置12にはマクロ検査装置を採用しているので、異物の付着なのか、パターンの破損なのかの判断が可能となる。そして、異物が付着している場合にのみ再生部位を指示し、パターンの破損の場合には再生が不要と判定しているので、パターンの破損を異物の付着と誤認して再生を試みることがなく、作業の無駄を削減することができる。したがって、作業効率を改善することができる。
【0027】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した一実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において次のように変形または拡張することができる。
一実施形態では再生部位をレーザ指示器27により直接的にピンポイントで指示するようにしたが、例えば、図4に示すように、載置台26に図示X方向およびY方向にメモリなどを設けておき、指示手段としての電光表示器40に再生部位のXY座標を表示するようにしてもよい。この場合、電光表示器40により支持されるX座標およびY座標の交点が再生部位Pとなる。なお、電光表示器40は、例えば液晶表示器などであってもよい。
【0028】
あるいは、図5に示すように、指示手段としてのレーザ指示器50からフォトマスク16に対して線分状の縦方向指示線Lxおよび横方向指示線Lyを照射し、その交点にて再生部位Pを指示するようにしてもよい。これらのような構成によっても、作業者は、再生部位Pを容易に把握することができる。すなわち、指示手段は、作業者に可視的に再生部位を指示可能な構成であれば、様々な構成のものを採用することができる。
【0029】
一実施形態ではレーザ指示器27により再生部位Pを指示するようにしたが、レーザに限らず、作業者が視認可能且つ再生部位Pを特定可能な可視光によるものであればよい。
一実施形態では1台ずつの洗浄装置11、検査装置12および再生装置13に対して1台の運搬装置14を設けた例を示したが、複数の洗浄装置11や検査装置12などに対して共通の運搬装置14を設けてもよい。また、再生が必ずしも必要ではないこともあるので、複数の洗浄装置11や検査装置12に対して1台の再生装置13を設けてもよい。すなわち、洗浄装置11、検査装置12、再生装置13および運搬装置14は、設置スペースや作業量などを鑑みて、適宜その台数を変更してもよい。
【0030】
一実施形態では撮像部24を2台、レーザ指示器27を1台設けた構成を例示したが、それらの台数はフォトマスク16の大きさや作業効率を考慮して適宜必要な台数を設置すればよい。
一実施形態では、各装置に制御部を設けた例を示したが、各装置には制御部を設けず主制御装置15により全ての制御を行う構成としてもよい。
一実施形態では作業者が手作業でフォトマスク16の再生を行ったが、自動で、すなわち、ロボットなどにより再生する構成としてもよい。この場合、指示手段は、再生部位Pの位置情報をデータとして出力することで、ロボットなどに再生部位Pを指示(通知)すればよい。
【0031】
一実施形態のようにレーザ指示器27により再生部位Pを指示する場合、作業者が再生部位Pを特定した後には、レーザ指示器27による指示、すなわち、レーザ光の照射を停止してもよい。これにより、レーザ光が作業者に照射されるおそれを低減でき作業者の安全を確保できるとともに、作業中に不要な光が再生部位Pに照射されて作業効率が悪化することを防止できる。この場合、レーザ指示器27の指示を停止するための停止操作手段を載置台26の近傍や作業者が所持可能な小型端末などに設けるとよい。
【符号の説明】
【0032】
図面中、10はフォトマスク洗浄システム、11は洗浄装置、12は検査装置、13は再生装置、14は運搬装置、16はフォトマスク、24は撮像部(異物検出手段)、25は検査制御部(異物検出手段)、27はレーザ指示器(指示手段)、40は電光表示器(指示手段)、50はレーザ指示器(指示手段)、Pは再生部位を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトリソグラフィプロセスに用いるフォトマスクを洗浄するフォトマスク洗浄システムであって、
前記フォトマスクを洗浄する洗浄装置と、
前記フォトマスクに付着している異物を検出する異物検出手段を有し、前記洗浄装置により洗浄された前記フォトマスクを検査する検査装置と、
前記フォトマスクに異物が付着している箇所を再生部位として指示する指示手段を有し、前記検査装置による検査結果に基づいて当該フォトマスクを再生する再生装置と、
前記洗浄装置、前記検査装置および前記再生装置との間で前記フォトマスクを運搬する運搬装置と、
を備えたことを特徴とするフォトマスク洗浄システム。
【請求項2】
前記指示手段は、前記再生部位を可視的に指示することを特徴とする請求項1記載のフォトマスク洗浄システム。
【請求項3】
前記洗浄装置は枚葉型の洗浄装置であり、
前記検査装置は、マクロ検査装置であることを特徴とする請求項1または2記載のフォトマスク洗浄システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−45797(P2013−45797A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180445(P2011−180445)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(594191434)東朋テクノロジー株式会社 (9)
【Fターム(参考)】