説明

プラズマ発生装置およびCVD装置

【課題】金属機能物質粒子ガスを生成し、当該生成金属機能物質粒子ガスをCVDチャンバー側に供給することが可能なプラズマ発生装置を提供する。
【解決手段】プラズマ発生装置は、電極セルと、当該電極セルを囲繞する筐体とを備えている。前記電極セルは、第一の電極3と、放電空間6と、第二の電極1と、誘電体2a,2bと、平面視において中央部に形成された貫通口PHとを、有する。円筒形状の絶縁筒部21が、貫通口PHの内部に配設されており、円筒形状の絶縁筒部21側面部に噴出孔21xを有する。さらに、プラズマ発生装置は、絶縁筒部21の空洞部21Aに配設される導電性部材を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原料ガスから高エネルギーを有するプラズマ励起ガス(活性ガス、ラジカルガス)を高濃度で、多量に生成することができるプラズマ発生装置、および当該プラズマ発生装置内で、出力したプラズマ励起ガスをターゲット材に衝突させ、被堆積物質粒子のスパッタ反応をさせ、堆積処理物質粒子をCVD装置に効率良く導くようにしたCVD装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造において、半導体チップ内で、回路配線相当になる低インピーダンスの高導電膜、回路の配線コイル機能や磁石機能を有する高磁性膜、回路のコンデンサ機能を有する高誘電体膜および電気的な漏洩電流の少ない高絶縁機能を有する酸化や窒化による高絶縁膜などの高機能膜の成膜方法には、熱CVD(化学気相成長:Chemical Vapor Deposition)装置、光CVD装置またはプラズマCVD装置が用いられており、特に、プラズマCVD装置が多々使用されている。例えば、熱・光CVD装置よりも、プラズマCVD装置の方が、成膜温度を低くでき、かつ、成膜速度が大きく短時間の成膜処理ができるなどの利点がある。
【0003】
たとえば、窒化膜(SiON、HfSiONなど)や酸化膜(SiO2,HfO2)などのゲート絶縁膜を半導体基板に成膜する場合には、プラズマCVD装置を用いた以下の技術が一般的に採用されている。
【0004】
つまり、NH3(アンモニア)やN2、O2、O3(オゾン)などのガスとシリコンやハフニウム物質の金属前駆体ガスとが、CVD処理装置などの成膜処理チャンバーに直接供給される。当該成膜処理チャンバーでは、熱や触媒等による化学反応が促進され、前駆体ガスを解離させ、解離させた前駆体からの金属粒子を添加したNH3(アンモニア)やN2、O2、O3(オゾン)などのガスによって酸化や窒化物にして、被処理体である半導体ウェハー上に堆積させることで、高機能膜を成膜している。
【0005】
そのため、CVD処理装置では、成膜処理チャンバー内で直接的に、高周波プラズマやマイクロ波プラズマが発生させられ、ウェハー基板はラジカルガスや高エネルギーを有したプラズマイオンや電子に晒された状態で、当該ウェハー基板上には、窒化膜や酸化膜等の高機能膜が成膜される。
【0006】
なお、プラズマCVD装置の構成が開示されている先行文献として、たとえば特許文献1が存在する。
【0007】
しかしながら、プラズマCVD装置内の成膜処理では、上記のように、ウェハー基板がプラズマに直接晒される。したがって、当該ウェハー基板は、プラズマ(イオンや電子)による半導体機能の性能を低下させる等のダメージを大きく受ける、という問題が常に生じていた。
【0008】
他方、熱・光CVD装置を用いた成膜処理では、ウェハー基板はプラズマ(イオンや電子)によるダメージを受けず、高品質の窒化膜や酸化膜等の高機能膜が成膜される。しかしながら、当該成膜処理では、高濃度で、かつ多量の窒素ラジカルガス源や酸素ラジカル源を得ることが困難であり、結果として、成膜時間が非常に長く要するという問題がある。
【0009】
最近の熱・光CVD装置では、原料ガスとして、熱や光の照射によって解離しやすい、NH3ガスやO3ガスの高濃度のものを用い、CVDチャンバー内に加熱触媒体を設けている。これにより、当該熱・光CVD装置では、触媒作用でチャンバー内のガスの解離が促進し、窒化膜や酸化膜等の高機能膜の成膜時間の短縮化も図れているが、大幅な成膜時間の改善は困難である。
【0010】
そこで、プラズマによるウェハー基板に対するダメージを軽減でき、成膜時間の短縮化が可能な装置として、リモートプラズマ型成膜処理装置が存在する(たとえば、特許文献2参照)。
【0011】
当該特許文献2に係る技術では、プラズマ生成領域と被処理材処理領域とが、隔壁(プラズマ閉込電極)により分離されている。具体的に、特許文献2に係る技術では、高周波印加電極とウェハー基板が設置された対向電極との間に、当該プラズマ閉込電極を設けることで、中性活性種だけをウェハー基板上に供給させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−266489号公報
【特許文献2】特開2001−135628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、半導体用のウェハー成膜に関する特許文献2に係る技術では、被処理材(ウェハー基板)に対するプラズマダメージの抑制は完全ではなく、また装置構成が複雑になる。
【0014】
また、リモートプラズマ型成膜処理装置の場合には、プラズマ発生装置側で、窒化や酸化等の金属機能物質粒子ガスを生成させ、当該生成した金属機能物質粒子ガスをCVDチャンバーに供給し、当該CVDチャンバーでは、加熱状態の被処理材に対する成膜を行う機能のみに特化させることが好ましい。つまり、CVDチャンバー内において、成膜以外に、金属機能物質粒子ガスの生成などを行うことは、好適な金属機能物質粒子を得る条件と好適な成膜条件の2種の条件をCVDチャンバー内で実現することは難しく、好ましくない。
【0015】
そこで、本発明は、金属機能物質粒子ガスを生成し、当該生成金属機能物質粒子ガスをCVDチャンバー側に供給することが可能な、プラズマ発生装置を提供することを目的とする。さらには、本発明は、当該プラズマ発生装置を利用し、被処理材に対するプラズマダメージを防止することができる、CVD装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明に係るプラズマ発生装置は、電極セルと、前記電極セルに交流電圧を印加する電源部と、前記電極セルを囲繞する筐体と、前記筐体外部から前記筐体内に原料ガスを供給する原料ガス供給部とを、備えており、前記電極セルは、第一の電極と、放電空間を形成するように、前記第一の電極と対面している第二の電極と、前記放電空間に面する前記第一の電極の主面および前記放電空間に面する前記第二の電極の主面の少なくとも何れか一方に配置される誘電体と、平面視において中央部に形成され、前記第一の電極と前記第二の電極とが対面する対面方向に貫通している貫通口とを、有しており、円筒形状であり、前記貫通口の内部に配設されており、当該円筒形状の側面部に噴出孔を有する、絶縁筒部と、前記絶縁筒部の空洞部に配設される導電性部材とを、さらに備えている。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るプラズマ発生装置は、電極セルと、前記電極セルに交流電圧を印加する電源部と、前記電極セルを囲繞する筐体と、前記筐体外部から前記筐体内に原料ガスを供給する原料ガス供給部とを、備えており、前記電極セルは、第一の電極と、放電空間を形成するように、前記第一の電極と対面している第二の電極と、前記放電空間に面する前記第一の電極の主面および前記放電空間に面する前記第二の電極の主面の少なくとも何れか一方に配置される誘電体と、平面視において中央部に形成され、前記第一の電極と前記第二の電極とが対面する対面方向に貫通している貫通口とを、有しており、円筒形状であり、前記貫通口の内部に配設されており、当該円筒形状の側面部に噴出孔を有する、絶縁筒部と、前記絶縁筒部の空洞部に配設される導電性部材とを、さらに備えている。
【0018】
したがって、絶縁筒部の空洞部で、絶縁筒部の噴出孔から噴出されたプラズマ励起ガスを、導電性部材に当てる(粒子衝突をさせる)ことで、スパッタ化した粒子金属を生成しにし、かつプラズマ励起ガスと粒子金属とを接触させることができる。導電性部材にプラズマ励起ガスを衝突させ、両者が接触すると、スパッタ化した粒子金属と化学反応が起こり、当該化学反応により、窒化や酸化等の金属機能物質粒子ガスが生成される。つまり、本発明に係るプラズマ発生装置は、金属機能物質粒子ガスを生成し、当該生成した金属機能物質粒子ガスを、CVDチャンバー側に供給することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1に係るCVD装置300の全体構成を示す断面図である。
【図2】電極セルの構成を示す拡大断面図である。
【図3】ガス出力フランジ14cの構成を示す拡大斜視図である。
【図4】実施の形態2に係るプラズマ発生装置における、絶縁筒部21内部等の構成を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0021】
<実施の形態1>
本実施の形態では、本発明に係るプラズマ装置をCVD装置に適用した構成について説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係るCVD装置300の構成を示す断面図である。また、図1の一点破線で囲まれた領域の拡大断面図を、図2に示す(図2には、電極セルの詳細な断面構成が開示されている)。ここで、図2では、図面簡略化のために、導電性部材42の図示を省略している。
【0023】
図1に示すように、CVD装置300は、プラズマ発生装置100、CVDチャンバー200および排気ガス分解処理装置28を備えている。
【0024】
まず、本発明に係るプラズマ発生装置100の構成について説明する。
【0025】
図1に示すように、プラズマ発生装置100において、複数の電極セルは、図面の上下方向に積層されている。図2の拡大断面図には、2つの電極セルが示されている。図2を用いて、積層構造の電極セルの構成を説明する。
【0026】
図1,2の上下方向から眺めた各電極セルの平面形状はドーナツ形状である。つまり、当該電極セルの平面視外形は略円盤状であり、当該電極セルの中心部には、当該上下方向(電極セルの積層方向)に貫通した貫通口PHが穿設されている。
【0027】
各電極セルは、低圧電極1、誘電体2a,2b、高圧電極3、絶縁板4、および高圧冷却板5から構成されている。そして、図1,2の上下方向(高圧電極3と低圧電極1とが対面する方向)に、複数の電極セルが積層している。
【0028】
ここで、各電極セルの平面視形状は、上記の通り、貫通口PHを有する円形である。したがって、各部材1,2a,2b,3,4,5は、平面視外形が円形である板状であり、各部材1,2a,2b,3,4,5の中央部には、上記貫通口PHが各々設けられている。
【0029】
図2に示すように、低圧電極1および高圧電極3には、交流電源17による交流電圧が印加される。ここで、低圧電極1は、後述する、連結ブロック9、高圧冷却板5および筺体16と共に、固定電位(接地電位)となる。
【0030】
低圧電極1の主面上には、誘電体2aが配置されている。つまり、低圧電極1の主面上には、誘電体2aの一方の主面が接している。なお、誘電体2aの当該一方の主面には、導電体が塗布・印刷・蒸着等されている。また、誘電体2aと放電空間6だけ隔てて、当該誘電体2aと対面して、誘電体2bが配置されている。つまり、誘電体2aの他方の主面は、放電空間6だけ隔てて、誘電体2bの一方の主面と対面している。ここで、誘電体2aと誘電体2bとの間には、図示していない複数のスペーサが存在しており、当該スペーサにより、放電空間6の空隙が保持・固定されている。なお、放電空間6の図2の上下方向の寸法は、たとえば0.05mm〜数mm程度である。
【0031】
また、誘電体2bの他方の主面上には、高圧電極3が配置されている。つまり、誘電体2bの他方の主面上には、高圧電極4の一方の主面が接している。なお、誘電体2bの当該他方の主面には、導電体が塗布・印刷・蒸着等されている。また、高圧電極3の他方の主面上には、絶縁板4の一方の主面が接している。さらに、当該絶縁板4の他方の主面には、高圧冷却板5が接している。
【0032】
本実施の形態では、絶縁板4や高圧冷却板5を設けた積層構成の1実施例を示している。しかしながら、絶縁板4や高圧冷却板5を省いた構成での積層構成も、当然採用することができる。
【0033】
ここで、導電体が塗布等された誘電体2a、図示していないスペーサおよび導電体が塗布等された誘電体2bは、一体構成のものを採用できる。
【0034】
なお、図2に示すように、各電極セルにおいて、低圧電極1と高圧電極3とは、各誘電体2a,2bと放電空間6を介して、対面している。つまり、放電空間6に面する低圧電極1の主面および放電空間6に面する高圧電極3の主面の各々に、各誘電体2a,2bが配置されている。放電空間6の両面を放電によって、耐スパッタ性かつ非導電性の高い物質として、誘電体物質は有効であるため、本実施の形態では、当該両誘電体2a,2bを設ける構成を採用している。ここで、図2の構成と異なり、誘電体2aおよび誘電体2bの何れか一方のみは、省略することが可能である。
【0035】
各構成1,2a,2b,3,4,5を有する電極セルは、上記の通り、当該各構成の積層方向に、貫通口PHが穿設されている。ここで、各電極セルが有する貫通口PHが、電極セルの積層方向に連結され、一続きの貫通孔が形成されている。本願明細書では、当該一続きの貫通孔を、「貫通連孔」と称することとする。上記から分かるように、貫通連孔は、前記積層方向に延設している。
【0036】
また、図2に示すように、本実施の形態では、上下に隣接する電極セルにおいて、1つの低圧電極1は共通の構成要素となっている(当該、一つの低圧電極1を共通の構成要素とする二つの電極セルを、電極セル対と称する)。これは、電極セルにおいて低圧電極1を共通に使用する構成を採用することで、部品数を削減することができる。当該部品数の削減を目的としない場合には、低圧電極1を共通に使用しない構成を採用してもかまわない。
【0037】
図2の構成では、1つの電極セル対の構造が開示されており、当該電極セル対が、図2の上下方向に、複数積層されている。なお、各低圧電極1と各高圧冷却板5との間には、各連結ブロック9が介在している。つまり、各電極セルの側方には、各連結ブロック9が存在している。当該連結ブロック9の存在により、各電極セルにおいて、低圧電極1から高圧冷却板5までの寸法を一定に保持することができる。ここで、連結ブロック9は、電極セルの全側方に配設されているのではなく、図2に示すように、電極セルの一部の側方(図2の断面図の左側)にのみ配設されている。
【0038】
また、プラズマ発生装置100では、図2に示すように、上記貫通連孔の内部において、絶縁筒部21が配設されている。当該絶縁筒部21は、上記図2の上下方向に貫通した空洞部21Aを有する円筒形状である。つまり、絶縁筒部21の円筒軸方向は、電極セルの積層方向と平行となるように、絶縁筒部21は、貫通連孔内に配置されている(より具体的には、貫通連孔の軸方向と絶縁筒部21の円筒軸方向とは、一致している)。
【0039】
また、絶縁筒部21の側面部には、複数の微細な噴出孔(ノズル孔)21xが設けられている。ここで、図2の構成例では、各噴出孔21xは、放電空間6に面するように、絶縁筒部21に設けられている。また、各噴出孔21xの開口径は、放電空間6で生成された各荷電粒子が通過できる程度以上の大きさである。たとえば、各噴出孔21xの開口径は、放電空間6の図1,2の上下方向の寸法よりも大きいことが望ましい。ここで、絶縁筒部21は、石英またはアルミナ等製である。
【0040】
上記では、1本の複数の微細な噴出孔21xを設けた絶縁筒により、絶縁筒部21を構成する形態に言及している。しかしながら、複数の微細な噴出孔21xを設けたリング状の絶縁筒を貫通口PHに積層することにより、絶縁筒部21を構成する形態を採用しても良い。
【0041】
なお、放電空間6と空洞部21Aとの間に所望の圧力差を設定するという観点において、噴出孔21xは、孔径0.05mm〜0.3mm、孔長(絶縁筒部21の厚さと把握できる)0.3mm〜3mm、程度であることが望ましい。
【0042】
また、図2に示すように、前記貫通連孔の孔内部周側面部と絶縁筒部21の外側の周側面部とは、所定の間隔だけ離れている。つまり、電極セルの貫通口PH(または貫通連孔)の側面部と絶縁筒部21の側面部との間には、図2に示すように、管路22が設けられている。当該管路22を図2の上下方向から眺めると、環状の形状を有している。つまり、平面視における電極セルの貫通口PH(または貫通連孔)の側面部が外周となり、平面視における絶縁筒部21の側面部が内周となり、当該外周と当該内周との間が、平面視における環状の管路22となる。
【0043】
ここで、当該管路22は、前記外周側において各放電空間6と接続されている。そして、当該管路22の端部側は、筺体16の上面の内部を通って、当該筺体16の外部に存在する後述の自動圧力制御装置(Auto Pressure Controler:APC)26に接続される(図1参照)。
【0044】
また、高圧冷却板5、高圧電極3および低圧電極1は、導電体である。そして、高圧冷却板5の絶縁筒部21に対面する部分には、絶縁体5aが形成されている。また、高圧電極3の絶縁筒部21に対面する部分には、絶縁体3aが形成されている。また、低圧電極1の絶縁筒部21に対面する部分には、絶縁体1aが形成されている。
【0045】
つまり、各電極セルにおいて、絶縁筒部21に対面する部分は、部材4,2a,2bを含め、全て絶縁性材料となっている。このように、各電極セルの貫通連孔内に形成された管路22の内面は、全て絶縁性を有する。これにより、当該管路22内における放電空間6以外での放電(異常放電)等が防止される。
【0046】
また、図1,2の上下方向に積層している各連結ブロック9内には、冷媒が通る流路(図示せず)が形成されており、また、各高圧冷却板5内部および低圧電極1内部においても、流路(図示せず)が形成されている。外部から供給される冷媒は、連結ブロック9内の流路を流れ、各高圧冷却板5内部の流路および各低圧電極1内部の流路を循環し、当該連結ブロック9内の他の流路を介して、外部へと出力される。
【0047】
高圧冷却板5内の流路に一定温度に調整された冷媒が流れることにより、絶縁板4を介して、高圧電極3は一定温度に冷却される。また、低圧電極1内の流路に一定温度に調整された冷媒が流れることにより、低圧電極1自身が一定温度に冷却・保持され、間接的に放電空間6内のガス温度も一定温度に保持することができる。なお、冷媒は、たとえば、数℃〜25℃程度の範囲で一定温度に温度調整される。
【0048】
なお、放電空間6に供給されるガスの種類等に応じて、上記冷媒の代わりに、当該比較的高い温度(たとえば100℃〜200℃程度)の温度範囲で、一定温度調整された液体を採用しても良い。外部から供給される当該液体は、連結ブロック9内の流路を流れ、各高圧冷却板5内部の流路および各低圧電極1内部の流路を循環し、当該連結ブロック9内の他の流路を介して、外部へと出力される。
【0049】
各連結ブロック9内および低圧電極1内等の流路に一定温度に調整された液体が流れることにより、各連結ブロック9および低圧電極1等が一定温度に保持され、さらに低圧電極1を介して間接的に放電空間6内のガス温度も一定温度に保持される。
【0050】
また、本発明に係るプラズマ発生装置100では、放電空間6へ原料ガスを供給する管路75が配設されている。ここで、当該管路75は、電極セルが配設されていない筺体16内部の空間と接続すること無く、筺体16外から放電空間6へと直接接続される。つまり、管路75内を流れるガスは、筺体16内部の電極セルの外周領域へ供給されず、各電極セルの各放電空間6に直接供給される。
【0051】
図1,2に示すように、管路75は、筺体16の上部から、各連結ブロック9内に延設している。そして、各低圧電極1において管路75は分岐し、各低圧電極1内部に管路75は配設されている。
【0052】
ここで、管路75は、バッファ部75aを有している。当該バッファ部75aは、各低圧電極1内を周回するように配設されている。また、当該バッファ部75aの上記積層方向の寸法は、低圧電極1内に配設される管路75の他の部分の上記積層方向の寸法よりも、大きい。
【0053】
また、管路75は、噴出口75bを有している。当該噴出口75bは、低圧電極1および当該低圧電極1に接する各誘電体2aを貫通する。そして、各噴出口75bは、各電極セルの各放電空間6に接続されている。なお、図2に示すように、バッファ部75aと噴出口75bとは、管路75により接続されている。
【0054】
ここで、各低圧電極1および各誘電体2aの平面視形状は、円形である。当該噴出口75bは、当該円形の円周方向に沿って、各低電圧電極1および各誘電体2aにおいて複数配設されている。なお、円周方向に沿って配設されている各噴出口75bの間隔は、一定であることが望ましい。また、各噴出口75bは、放電空間6に面しているが、当該放電空間6の極力外側(つまり、絶縁筒部21の非存在側である電極セルの外周側)に配設されることが望ましい。これにより、噴出口75bから各放電空間6内に均等に活性ガスや金属前駆体ガスなどが放出され、当該放出された各ガスは、放電面の外周から内側(絶縁筒部21側)へ向かって逆放射状に伝搬される。
【0055】
なお、当然ではあるが、円周方向に沿って配設された各噴出口75bは各々、各低圧電極1内において、周回状に配設されたバッファ部75aと管路75を介して接続されている。
【0056】
上記構成の管路75は、筺体16外部に配設されたガス用MFC(Mass Flow Controller)76と接続されている。
【0057】
管路75の上記構成から分かるように、ガス用MFC76から出力された各種ガスは、筺体16の上部から入力し、各連結ブロック9内を伝搬し、各低圧電極1で分岐し、各低圧電極1内を伝搬する。そして、当該ガスは、バッファ部75a内で充満した後、筺体16内の電極セルの外周領域と接すること無く、噴出口75bから各放電空間6へと供給される。
【0058】
ここで、上記冷媒(温度調整された液体)の通る流路と当該管路76とは、別個独立の経路である。
【0059】
電極セルが配設されていない筺体16内部の空間と接触すること無く、筺体16外から放電空間6へと直接、原料ガスを供給する管路75(75a,75bも含む)の内面(内壁)には、活性ガスに対して化学反応で腐食等が生じない不動態膜や化学反応性に強い、白金膜や金膜が形成されている。
【0060】
なお、各流路および管路75の気密性を担保するために、連結ブロック9と高圧冷却板5との接続部および連結ブロック9と低圧電極1との接続部には、Oリング等の気密手段が配設されている。
【0061】
図1に示すように、プラズマ発生装置100は、筺体16を備えている。当該筺体16は、たとえばアルミニウム製またはSUS製である。そして、内部の気密性が担保された筺体16の内部に、複数の電極セルが積層された状態で配置される。つまり、積層状態の各電極セルは、筺体16の上下面および側面により覆われている。なお、筺体16の側面部と各電極セルの側面部との間には、空間が存在する。また、筺体16の底面部と各電極セルの最下部との間にも、空間が存在する。そして、図1に示すように、積層された電極セルは、締め付け部材8を用いて、筺体16の上面に固着されている。
【0062】
また、プラズマ発生装置100は、図2で示した交流電源17を備えており、図1に示すように、当該交流電源17は、インバータ17aと高圧トランス17bとから構成されている。
【0063】
インバータ17aでは、入力される60Hzの交流電圧に対して、周波数変換処理実施し、15kHzの交流電圧として、高圧トランス17bに対して出力する。そして、当該高圧トランス17bでは、入力される200〜300Vの交流電圧に対して、昇圧処理を実施し、数kV〜数十kVの交流電圧を出力する。
【0064】
高圧トランス17bの一方端は、電気供給端子15を介して、各高圧電極3に接続される。他方、高圧トランス17bの他方端は、筺体16に接続される。なお、筺体16と高圧冷却板5と連結ブロック9と低圧電極1とは、電気的に接続されており、固定電位(接地電位)に設定されている。なお、図2の構成からも分かるように、高圧冷却板5と高圧電極3とは、絶縁板4により電気的に絶縁されている。
【0065】
また、図1に示すように、プラズマ発生装置100は、ガス供給部20、ガス用MFC24およびサブガス用MFC25を、備えている。さらに、上述したように、プラズマ発生装置100は、ガス用MFC76も備えている。
【0066】
本実施の形態では、ガス用MFC76からは、原料ガスとして活性ガスが出力される。CVDチャンバー200内に載置された被処理材18に対する処理に応じて、オゾンガス、アンモニアガスまたは窒素酸化物ガスなどの活性ガスが、ガス用MFC76から、管路75に向けて出力される。なお、当該活性ガスを不活性ガスと共に供給しても良い。
【0067】
また、本実施の形態では、ガス用MFC76からは、原料ガスとして、窒化や酸化等の金属機能物質粒子ガス(高機能絶縁膜)を得るための金属前駆体(プリカーサ)ガスを出力されても良い。ハフニウムなどの金属を蒸気化してなる金属前駆体ガスが、ガス用MFC76から、管路75に向けて出力されても良い。また、金属前駆体ガスを不活性ガスと共に供給しても良い。
【0068】
ガス供給部20は、筺体16の側面に設けられている。当該ガス供給部20は、筺体16外部から当該筐体16内に、所定のガスを供給する。具体的に、所定のガスは、ガス供給部20を通って、電極セルの外周部(つまり、筺体16内における積層状態の電極セルが配置されていない領域)へと供給される。
【0069】
ガス用MFC24からは、原料ガスとして、窒素ガス、酸素ガスおよび不活性ガスが供給され、サブガス用MFC25からは、希ガス(ヘリウムガスやアルゴンガスなど)が供給される。図1に示すように、途中の管路において原料ガスと希ガスとが混合する。そして原料ガスおよび希ガスは、ガス供給部20に入力される。
【0070】
ここで、ガス用MFC24は、放電空間6における反応のために、原料ガスを筺体16内に供給しても良く、または、キャリアガスとして、当該所定のガスを筺体16内に供給しても良い。
【0071】
なお、本実施の形態では、ガス供給部20は、原料ガスを希ガスと共に、筺体16内に供給するが、原料ガスのみを筺体16に供給する場合であっても良い。
【0072】
また、図1に示すように、プラズマ発生装置100は、自動圧力制御装置26を備えている。上述したように、自動圧力制御装置26は、図2で示した管路22と接続されている。さらに、上述したように、環状の管路22の外周側の側面部は、放電空間6と接続されている。当該構成により、管路22を介して、自動圧力制御装置26により、各放電空間6は、一定の圧力に保持されている。たとえば、当該自動圧力制御装置26により、各放電空間6は、0.03MPa(メガパスカル)〜0.3MPaの圧力範囲内において、圧力が一定に保持されている。
【0073】
さらに、本実施の形態では、プラズマ発生装置100は、減圧装置27を備えている。図1の構成では、減圧装置27は、CVDチャンバー200を介して、絶縁筒部21の空洞部21Aと接続されている。当該減圧装置27は、たとえば真空ポンプを採用できる。当該構成により、減圧装置27は、絶縁筒部21の空洞部21A内の圧力を大気圧より低い圧力に減圧(たとえば、1〜5000Pa(パスカル))することができる。なお、図1の構成例では、上記の通り、減圧装置27はCVDチャンバー200にも接続されているので、当該減圧装置27により、当該CVDチャンバー200内部の圧力も、たとえば1〜5000Pa程度に減圧される。
【0074】
上記構成のプラズマ発生装置100において、二つのガス出力フランジ14b,14cを介して、絶縁筒部21の端部は、CVDチャンバー200の上面(被処理材18の処理面と対面する面)と接続される(図1参照)。つまり、ガス出力フランジ14b,14cは、絶縁筒部21の空洞部21AとCVDチャンバー200内との繋手となる。当該構成から分かるように、絶縁筒部21の空洞部21A内のガス等は、ガス出力フランジ14b,14cを介して、CVDチャンバー200内に供給可能である(当該ガスの流れは、減圧装置27の吸引力により、発生可能である)。
【0075】
CVDチャンバー200内部の反応室には、半導体ウェハーなどの被処理材18が載置される。CVDチャンバー200内で被処理材18は、絶縁筒部21の空洞部21A内から伝搬されたガスにより、晒される。これにより、被処理材18の表面に、所望の高機能膜を成膜することができる。
【0076】
また、CVDチャンバー200の側面部には、排気ガス出力口30が設けられており、当該排気ガス出力口30は、さらに、減圧装置27に接続されている。減圧装置27は、絶縁筒部21の空洞部21A内およびCVDチャンバー200内を減圧する。また、当該減圧の動作により、絶縁筒部21の空洞部21A→ガス出力フランジ14b,14c内→CVDチャンバー200内→排気ガス出力口30→減圧装置27という、ガスや粒子等の流れを発生させることもできる。
【0077】
また、本発明に係るプラズマ発生装置100は、図1に示すように、キャリアガス供給部201をさらに備えている。当該キャリアガス供給部201は、絶縁筒部21の空洞部21Aに接続され、筺体16外から当該空洞部21A内にキャリアガスを供給する。キャリアガス供給部201は、供給管路201Aとフランジ部201Bとから構成されている。
【0078】
図1に示すように、絶縁筒部21は、締め付け部材8を貫通し、さらに筺体16の下面も貫通するように、配設されている。ここで、締め付け部材8と筺体16の下面との間において、絶縁筒部21は、筺体16内の空間に露出するが、当該露出している絶縁筒部21には、噴出孔21xは穿設されていない。
【0079】
上記のように、筺体16の下面からは、絶縁筒部21の端部側が露出している(つまり、筺体16の外側の下面において、絶縁筒部21の空洞部21Aが臨んでいる)。フランジ部201Bは、当該空洞部21Aと接続するように、筺体16の外側において当該筺体16の下面に固着されている。
【0080】
また当該フランジ部201Bの側面部には、供給管路201Aが接続され、当該供給管路201Aからは、不活性ガスなどのキャリアガスが供給される。供給管路201Aから供給されたキャリアガスは、フランジ部201B内を介して、絶縁筒部21の空洞部21Aに供給される。
【0081】
また、本発明に係るプラズマ発生装置100では、図1に示すように、導電性部材42を備えている。当該導電性部材42は、絶縁筒部21の空洞部21Aに配設されている。つまり、導電性部材42の側面は、所定の空間だけ離れて絶縁筒部21により囲繞されている。
【0082】
導電性部材42は、絶縁筒部21の空洞部21の延設方向に沿って配設されている。また、導電性部材42は、図1に示すように、電極セルの積層方向において、空洞部21Aのほぼ全域に渡って配設されており、全ての噴出孔21xの開口面には、当該導電性部材42が対面している。
【0083】
ここで、導電性部材42は棒状であり、当該導電性部材42は、ハフニウム、ケイ素およびチタンなどの、金属または半導体から構成される。つまり、ここで、半導体は、金属性電気伝導を有するが、通常の金属より電気抵抗が大きい元素である。
【0084】
また、図1に示すように、減圧装置27および自動圧力制御装置26は、排気ガス分解処理装置28に接続されている。したがって、減圧装置27および自動圧力制御装置26から出力されたガス等は、排気ガス分解処理装置28によって分解処理される。なお、当該分解処理されたガスは、処理ガス301として、排気ガス分解処理装置28から排気される。
【0085】
次に、プラズマ発生装置100の動作を含む本実施の形態に係るCVD装置300の動作について説明する。
【0086】
図1において、ガス用MFC76から、活性ガスなどの原料ガスが供給される。当該供給された原料ガスは、管路75に入力され、管路75内を通って、各放電空間6へと直接供給される(つまり、筺体16内の放電空間6以外の空間と接すること無く、放電空間6へと原料ガスは供給される)。
【0087】
また、ガス用MFC24からは、放電空間6における反応に寄与する原料ガスまたはキャリアガスとして機能するガスなどが供給され、サブガス用MFC25からは、希ガスが供給される。当該供給された原料ガス等および希ガスは、ガス供給部20に入力する前に、合流し混合される。そして、当該混合されたガスは、ガス供給部20から、プラズマ発生装置100の筺体16内部(つまり、筺体16内における積層状態の電極セルが配置されていない領域)へと供給される。
【0088】
そして、当該供給された混合されたガスは、当該筺体16内に充満する。当該筺体16内に充満した混合されたガスは、平面視外形が円形である電極セルの外周方向から、各電極セルに形成された各放電空間6内に侵入する。
【0089】
一方、図2に示すように、各電極セルにおいて、高圧電極3と低圧電極1との間には、交流電源17による高周波の交流電圧が印加されている。電極1,3に対する当該交流電圧の印加により、各電極セルにおける各放電空間6内に、大気圧付近の一定圧力下で、高周波プラズマから成る誘電体バリア放電(無声放電)が均一に発生する。
【0090】
誘電体バリア放電が発生している各放電空間6において、上記のように、原料ガスなどが供給される。すると、当該誘電体バリア放電により、各放電空間6内において供給原料ガスの放電解離反応が起こる。
【0091】
たとえば、原料ガスとして、オゾンガス、アンモニアガスや窒素酸化物ガスなどの活性ガスが、管路75を介して供給され、原料ガスとして、酸素や窒素などの不活性ガスが、ガス供給部20を介して供給されたとする。
【0092】
この場合には、放電空間6内における誘電体バリア放電により、供給された酸素や窒素などの不活性ガスやオゾンやアンモニアガス等の活性ガスから、放電によって解離された多量で高濃度のプラズマ励起ガスが生成される。なお、管路75を介して原料ガスとして活性ガスが供給されているので、酸素や窒素などの不活性ガスよりも、放電によってプラズマ励起ガスに解離されやすく、結果として、多量で高濃度のプラズマ励起ガスが発生する。したがって、被処理材18に対して、高濃度の活性ガスを晒すことができる。
【0093】
さて、自動圧力制御装置26により、各放電空間6は一定の圧力Paに保持されており、他方で、真空ポンプ等の減圧装置27により、絶縁筒部21の空洞部21A内の圧力Pbは、放電空間6内の圧力Paよりも小さく設定されている(Pa>Pb)。
【0094】
例えば、放電空間6内の圧力Paを大気圧(100kPa)付近とし、絶縁筒部21の空洞部21A内の圧力Pbを40kPa(約300Torr)以下の真空圧力に設定している。
【0095】
このように、減圧装置27により空洞部21A内の圧力Pbが大気圧より低く減圧されているので、各放電空間6と、絶縁筒部21の微細な噴出孔21xを介して空洞部21Aとの間に、圧力差(Pa−Pb)が発生する。よって、噴出孔21xからは、当該圧力差に起因して、放電空間6から空洞部21Aへガスの噴出する流れを発生させることができる。
【0096】
したがって、厚みの薄い絶縁筒部21の壁に微細な噴出孔21xを設け、上記圧力差(Pa−Pb)を設ける構成を採用することより、各放電空間6で生成されたプラズマ励起ガスなどは、プラズマ励起ガスが通過する噴出孔21xの壁面と、プラズマ励起ガスとの接触時間は非常に短くでき、噴出孔21xにおけるガスとの接触面積を極小に出来る。
【0097】
また、ノズル条の噴出孔21xにおいて、断熱膨張効果を利用して、プラズマ励起ガスを空洞部21Aに噴出させている。したがって、噴出孔21xの内壁とプラズマ励起ガスとの衝突による減衰量や、発熱による減衰量を極力抑制でき、当該減衰量が抑制されたプラズマ励起ガスは、高速に空洞部21Aへと導ける。
【0098】
つまり、平面視外形が円形である電極セルの放電空間6内に供給された各ガスは、当該電極セルの中心部へ向かって逆放射状に進み、当該進む間に誘電体バリア放電に晒され、プラズマ励起ガスが生成され、当該生成されたプラズマ励起ガスは、減衰量を極力抑制した状態で、電極セルの中心部である絶縁筒部21の空洞部21A内に噴出さし、空洞部21A内で合流する。
【0099】
また、空洞部21Aでは、成膜に有効な真空度に減圧されている。そして、複数の噴出孔21xから噴出したプラズマ励起ガスが、当該空洞部21Aにおいて合流する。このため、当該合流によるプラズマ励起ガス減衰量は、大気中での合流よりも、ガス粒子間衝突が非常に少なく押えることができる。つまり、プラズマ励起ガスの数段の減衰量抑制が、可能となる。
【0100】
一方、上述したように、絶縁筒部21の空洞部21A内には、金属機能物質を含む導電性部材42が配設されている。したがって、噴出孔21xを通って空洞部21A内に出力されたプラズマ励起ガスは、当該空洞部21A内において、導電性部材42に対して高速で衝突し、接触する。このように、導電性部材42にプラズマ励起ガスが衝突し、接触すると(つまり、導電性部材42に対するスパッタにより)、導電性部材42の金属物質が蒸発し、微粒子ガス化(金属粒子ガス)する。そして、プラズマ励起ガスと金属粒子ガスとの化学反応により、窒化や酸化等の金属機能物質粒子ガスが、多量に生成される。
【0101】
なお、導電性部材42の材質を変更することにより、上記一連の反応(スパッタ+化学反応)を通じて、種々の金属機能物質粒子ガスが、空洞部21Aにおいて生成できる。
【0102】
当該空洞部21Aで生成された各金属機能物質粒子ガスは、キャリアガス供給部201から空洞部21A内に供給されたキャリアガスに乗って、また減圧装置27による吸引力により、空洞部21Aおよびガス出力フランジ14b,14c内を通って、CVDチャンバー200内へと放出される。
【0103】
上記のように、CVDチャンバー200内には、被処理材18が載置されている。したがって、当該被処理材18に対して生成された金属機能物質粒子ガスが晒され、当該被処理材18に対して、種々の金属機能物質粒子の酸化または窒化などの高機能絶縁膜が成膜される。
【0104】
上記までの記載から分かるように、プラズマ発生装置100とCVDチャンバー200との組合せにより、多量の金属機能物質粒子ガスを生成した多量の金属機能物質粒子ガスの生成が非常に有効なリモートプラズマ型成膜処理装置(リモートプラズマ型CVD装置)が構成されている。
【0105】
次に、本実施の形態に係る発明の効果を説明する。
【0106】
本実施の形態に係るプラズマ発生装置100では、上述した構成により、絶縁筒部21の空洞部21Aで、絶縁筒部21の噴出孔21xから噴出されたプラズマ励起ガスと、導電性部材42とを高速で衝突(接触)させることができる。プラズマ励起ガスを導電性部材42に高速で衝突すると(つまり、プラズマ励起ガスによる導電性部材42のスパッタにより)、導電性部材42の表面から金属物質粒子が蒸発する。すると、当該金属物質粒子とプラズマ励起ガスとの化学反応により、窒化や酸化等の金属機能物質粒子ガスが生成される。つまり、プラズマ発生装置100は、金属機能物質粒子ガスを生成し、当該生成した金属機能物質粒子ガスを、絶縁筒部21を介して、CVDチャンバー200に供給することができる。
【0107】
また、本実施の形態に係るプラズマ発生装置100では、放電空間6と空洞部21Aとの間で圧力差ΔP(=Pa−Pb)を発生させている。よって、当該圧力差ΔPにより、電極セルの中心領域に存在する絶縁筒部21の真空状態の空洞部21A内に、生成したプラズマ励起ガスを噴出口21xを介して高速度で噴出させることができる。
【0108】
したがって、放電空間6から空洞部21Aに至るまでの間に、当該プラズマ励起ガス同士の衝突を抑制し、かつ、壁等に当該プラズマ励起ガスが衝突することも抑制できる。よって、プラズマ励起ガスの各種衝突による減衰量を抑制することができ、より効率良く当該空洞部21A内にプラズマ励起ガスを取り出すことができる。
【0109】
また、本実施の形態に係る発明では、減圧装置27により、絶縁筒部21の空洞部21A内の圧力を、40kPa(300Torr)以下の真空状態に設定できる。したがって、当該真空状態となった当該空洞部21A内に噴出されたプラズマ励起ガスは、当該プラズマ励起ガス同士の衝突を抑制しつつ、導電性部材42まで導かれ、当該導電性部材42と衝突する。当該衝突により、導電性部材42からスパッタされた金属微粒子ガスが発生し、プラズマ励起ガスは当該金属微粒子ガスと化学反応を起こす。当該化学反応により生成されたガス状の金属機能物質粒子にしたガスは、CVDチャンバー200内に供給される。よって、プラズマ励起ガス同士の衝突による減衰量を少なくでき、プラズマ励起ガスを高濃度および大流量に維持し、金属物質粒子との有効な化学反応を促進することができる。
【0110】
また、本実施の形態に係る発明では、電極セルにおいて、誘電体バリア放電を利用して、プラズマ励起ガスを生成している。なお、本実施の形態に係る発明では、生成したプラズマ励起ガスを圧損ΔPを持たせた噴出孔21xから、真空状態の空洞部21Aに放出させる方式を採用している。
【0111】
このため、プラズマ発生装置100の筺体16内の放電空間6は大気圧を保った放電が実現できる。これにより、本実施の形態に係る発明は、簡易な構成であるプラズマ発生装置100で、多量で高濃度のプラズマ励起ガスを生成することができ、生成したプラズマ励起ガスを減衰量を抑制しつつ、真空状態の空洞部21Aに供給している。よって、結果として、高濃度で多量のプラズマ励起ガスを、当該空洞部21A内に出力できる。
【0112】
また、本実施の形態に係るプラズマ発生装置100では、電極セルが配設されていない筺体16内部の空間と接続すること無く、当該筺体16外から各放電空間6へと直接、原料ガスを供給する管路75を、備えている。
【0113】
したがって、当該管路75を介して、放電空間6以外の筺体16内の空間と接すること無く、各放電空間6内に、直接、原料ガスを供給することができる。そのため、当該管路75に、ガス供給部20から不活性ガス等とは別に、活性ガスや金属前駆体ガスなども原料ガスとして放電空間6に供給することができる。
【0114】
通常、原料ガスとして、活性ガスや金属前駆体ガスを用いると、誘電体バリア放電によって、有効なプラズマ励起ガスを多量に生成することはできる。しかしんがら、装置内の放電部以外の周辺部品が腐食等で劣化したり、金属前駆体粒子が堆積したりして、装置の寿命が短くなり実現出来なかった。
【0115】
本実施の形態に係る発明では、当該管路75を介して、放電空間6以外の筺体16内の空間と接すること無く、各放電空間6内に、直接、原料ガスを供給している。これにより、活性ガスが電極セルの電極等の部品と接することを防止でき、当該活性ガスによる電極部の腐食を防止できる。また、金属前駆体ガスは、放電空間6に直接供給されるので、当該放電空間6以外の筺体16内の空間に、当該金属前駆体ガスに起因した堆積物が発生することも防止できる。
【0116】
以上により、本発明に係るプラズマ装置100では、上記腐食や堆積物等の不具合が生じないで、誘電体バリア放電によりプラズマ励起ガスを多量に生成することはできる活性ガスや金属前駆体ガスを、原料ガスとして供給することが可能となる。
【0117】
なお、活性化ガスを供給する管路面が腐食しないように、管路75(符号75a,75b含む)の内壁を、耐腐食性の不動態膜処理をすることが望ましい。また、管路75(符号75a,75b含む)内において金属前駆体ガスが結露しないように、当該管路75(符号75a,75b含む)内の温度を調整保持する温度調整部を備えることが、望ましい。たとえば、連結ブロック9内および低圧電極1内に、温度調整された液体が流れる流路を設ける。
【0118】
また、本願発明では、リモートプラズマ型成膜処理装置を提供している。つまり、原料ガスからプラズマ励起ガスを生成するプラズマ発生装置100と、当該生成したプラズマ励起ガスを用いて被処理材18に対して成膜処理を行うCVDチャンバー200とは、別個独立の装置である。
【0119】
このように、プラズマ発生源と成膜処理領域とは完全に分離しているので、プラズマ源において電離して生成したイオンや電子等の荷電粒子が、当該処理領域に配置された被処理材18に衝突することを防止できる。これにより、多量でかつ高濃度のプラズマ励起ガスのみもしくは窒化や酸化等の金属機能物質粒子ガスを、被処理材18に接触させることができる。これにより、被処理材18に対するプラズマによるダメージを完全になくすことができ、効率よく、成膜ができる。さらに、CVDチャンバー200では、多量でかつ高濃度のプラズマ励起ガスのみもしくは窒化や酸化等の金属機能物質粒子ガスを供給することで、プラズマCVD処理が実施される。よって、被処理材18に対する成膜時間の短縮化を、図ることもできる。
【0120】
また、本実施の形態に係るプラズマ発生装置100は、各放電空間6は、絶縁筒部21と各放電空間6の出口側端部との間に存在する管路22を介して、自動圧力制御装置26に接続されている。そして、自動圧力制御装置26は、各放電空間6内の圧力を大気圧付近で一定に制御している。
【0121】
したがって、プラズマ発生装置100は、各放電空間6の圧力を、容易に一定値に管理。保持することができる。このように、プラズマ発生装置100は、放電空間6の圧力を所望圧力に管理出来る構成であるため、生成されるプラズマ励起ガスの発生性能が最適になるように、容易に管理・設定・維持することができる。また、プラズマ発生装置100では、各放電空間6内の圧力を一定にした状態で、誘電体バリア放電を発生させることができる。よって、各放電空間6において、励起準位が揃ったプラズマ励起ガスが生成される。これにより、CVDチャンバー200内の被処理材18において、より良質な高機能膜が成膜される。
【0122】
また、本実施の形態に係るプラズマ発生装置100では、低圧電極1内には、温度調整された一定温度の冷媒が流れる流路が形成されている。
【0123】
したがって、誘電体バリア放電により電極セルで発生した熱を、当該冷媒を介して放熱することができ、低圧電極1自身を一定温度に容易に管理・保持できる。さらに、当該低圧電極1が一定温度に保持されることに起因して、各放電空間6内における温度も、一定温度に容易に管理・保持することが可能となる。たとえば、各放電空間6内の温度は、プラズマ励起ガスの発生性能が最適になるように、管理・設定される。また、プラズマ発生装置100では、各放電空間6内の温度を一定にした状態で、誘電体バリア放電を発生させることができる。よって、各放電空間6において、励起準位が揃ったプラズマ励起ガスが生成される。これにより、CVDチャンバー200内の被処理材18において、より良質な高機能膜が成膜される。
【0124】
また、本実施の形態に係るプラズマ発生装置100では、ガス用MFC24のみならず、希ガスを出力するサブガス用MFC25をも備えている。そして、ガス供給部20から筺体16内に、原料ガスと希ガスとを混合して供給している。
【0125】
したがって、原料ガスとして種々の混合ガスを採用したとしても、誘電体バリア放電によるプラズマ励起ガスを効率良く生成できる効果があり、より多岐の金属機能物質粒子ガスを得ることが容易となる。また、希ガスも放電空間6を介して、真空圧の空洞部21Aに誘導される。したがって、空洞部21Aを含み当該空洞部21Aに至るまでのプラズマ励起ガスの移動経路において、プラズマ励起ガス同士の衝突による活性種の減衰が、希ガスによって抑制される。よって、プラズマ励起ガスの濃度・ガス流量が高められる。つまり、絶縁筒部21内に、プラズマ励起ガスを効率的に取り出すことができる。
【0126】
また、本実施の形態に係るプラズマ発生装置100では、電極セルは複数であり、各電極セルは、対面方向に積層している。そして、当該電極セルの積層により、当該電極セルの中心領域に、積層方向に延設した上記貫通連孔が構成されている。また、当該貫通連孔内には、当該積層方向に延請した上記絶縁筒部21が配置されている。
【0127】
したがって、複数の電極セルからプラズマ励起ガスを生成させることができ、当該生成したプラズマ励起ガスを、絶縁筒部21内の空洞部21Aで合流させることができる。よって、当該空洞部21Aにおいて、大流量のプラズマ励起ガスを取り出すことができる。なお、電極セルは図1,2の上下方向に積層されているので、プラズマ発生装置100の占有面積を増大させることなく、プラズマ励起ガスの生成量を大幅に増大させることができる。
【0128】
なお、絶縁筒部21の端部側において、シャワープレートを配設しても良い。より具体的には、CVDチャンバー200側に接続される、図1に示すガス出力フランジ14cとして、図3の拡大斜視図に示す構成のものを採用しても良い。
【0129】
図3に示すように、ガス出力フランジ14cは、シャワープレート14Sが設けられている。ここで、当該シャワープレート14Sには、複数の噴出孔14tが穿設されている。
【0130】
プラズマ発生装置100で発生した金属機能物質粒子ガスは、絶縁筒部21の空洞部21Aに噴出され、当該空洞部21Aおよびプラズマ発生装置100側のガス出力フランジ14bを通って、CVDチャンバー200側のガス出力フランジ14cに到達する。
【0131】
一方、当該ガス出力フランジ14c内には、シャワープレート14Sに隣接して、大容量のバッファ室が設けられている。つまり、図3において、バッファ室の上面がシャワープレート14Sとなる。
【0132】
当該ガス出力フランジ14cに到達した金属機能物質粒子ガスは、当該ガス出力フランジ14c内において一旦、大容量の当該バッファ室に充満する。そして、当該バッファ室から、シャワープレート14Sに設けられた複数の噴出孔14tを介して、金属機能物質粒子ガスは、CVDチャンバー200内に供給される。
【0133】
図3に示す構成のガス出力フランジ14cを採用することにより、シャワープレート14Sの各噴出孔14tからCVDチャンバー200内へ、均一に、金属機能物質粒子ガスを供給できる。したがって、CVDチャンバー200内に大面積の被処理材18を載置したとしても、当該大面積の被処理材18の表面に対して、均一に、金属機能物質粒子ガスを晒す(噴出する)ことができる。当該均一な金属機能物質粒子ガスの噴出により、大面積の被処理材18の表面には、均一で良質な高機能絶縁膜が成膜される。
【0134】
<実施の形態2>
本実施の形態に係るプラズマ発生装置100には、実施の形態1の構成に加えて、絶縁筒部21の空洞部21Aの壁面に形成された導電性膜43、導電性部材42と導電性膜43との間に電圧を印加する電圧印加器44とを、有する。以下の説明では、実施の形態1に係るプラズマ発生装置100と共通する構成については説明を省略し、本実施の形態で新たに追加された構成に関して、説明を行う。
【0135】
図4は、本実施の形態に係るプラズマ発生装置の絶縁筒部21内部の構成等を示す拡大断面図である。ここで、図4に示す構成では、図面簡略化のために、絶縁筒部21の周囲の構成(各電極1,3、誘電体2a,2b、放電空間6、絶縁体1a,3a,5a、高圧冷却板5、絶縁板4等の構成)は、図示を省略している。
【0136】
図4に示すように、絶縁筒部21の空洞部21Aの内壁面には、導電性膜43が形成されている(濃い砂地部分参照)。当該導電性膜43としては、たとえば、金、銀、アルミニウム、モリブデンまたはタンタル等を採用することができる。当該導電性膜43は、塗布、蒸着、印刷等の方法で、絶縁筒部21の内壁面に成膜できる。
【0137】
さらに、図4に示すように、電圧印加器44が配設されている。当該電圧印加器44は、導電性部材42と導電性膜43との間に電圧を印加する。ここで、電圧印加器44は、たとえば1kV程度の直流電圧を印加する。なお、図4に示す構成例では、導電性部材42に「+」極性が印加され、導電性膜43に「−」の極性が印加されているが、その逆であっても良い。つまり、導電性部材42に「−」極性が印加され、導電性膜43に「+」の極性が印加されても良い。
【0138】
なお、プラズマ発生装置の放電空間6では、プラズマを利用した反応により、プラズマ励起ガスと共に、放電によって荷電粒子が生成される。絶縁筒部21に穿設される噴出孔21xには、プラズマ励起ガスが通過する他に、極一部の前記荷電粒子も通過する。
【0139】
以上のように、本実施の形態に係るプラズマ発生装置では、絶縁筒部21内に配設された導電性部材42と、絶縁筒部21の内壁面に形成された導電性膜43との間に、電圧を印加することができる。そして、噴出孔21xを通過した極一部の荷電粒子は、当該電圧印加による発生する電界により、加速され、導電性膜43に高速で衝突する。
【0140】
したがって、放電空間6で生成された極一部の荷電粒子は、絶縁筒部21内において導電性部材42に向かって電界加速し、導電性部材42の表面をスパッタリングする。当該スパッタリングにより、導電性部材42からは、被微粒子ガスが発生する。そして、当該被微粒子ガスとプラズマ励起ガスとが、絶縁筒部21内部で接触することにより化学反応が起こり、当該化学反応により、窒化や酸化等の金属機能物質粒子ガスが生成される。このように、本実施の形態では、導電性部材42のスパッタリングを行うことにより、実施の形態1の構成に比べて、絶縁筒部21内における金属機能物質粒子ガスの生成を促進させることができる。
【0141】
なお、導電性部材42に「+」極性が印加され、導電性膜43に「−」の極性が印加されている場合には、電子が導電性部材42に向かって電界加速する。他方、導電性部材42に「−」極性が印加され、導電性膜43に「+」の極性が印加されている場合には、プラスのイオンが導電性部材42に向かって電界加速する。
【符号の説明】
【0142】
1 低圧電極
1a,3a,5a 絶縁体
2a,2b 誘電体
3 高圧電極
4 絶縁板
5 高圧冷却板
6 放電空間
8 締め付け板
9 連結ブロック
PH 貫通口
14b,14c ガス出力フランジ
14S シャワープレート
14t 噴出孔
15 電気供給端子
16 筺体
17 交流電源
17a インバータ
17b 高圧トランス
18 被処理材
20 ガス供給部
21 絶縁筒部
21A 空洞部
21x 噴出孔
22 管路
24,76 ガス用MFC
25 サブガス用MFC
26 自動圧力制御装置
27 減圧装置
28 排気ガス分解処理装置
30 排気ガス出力口
42 導電性部材
43 導電性膜
44 電圧印加部
75 管路
75a バッファ部
75b 噴出口
100 プラズマ発生装置
200 CVDチャンバー
201 キャリアガス供給部
201A 供給管路
201B フランジ部
300 CVD装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極セルと、
前記電極セルに交流電圧を印加する電源部と、
前記電極セルを囲繞する筐体と、
前記筐体外部から前記筐体内に原料ガスを供給する原料ガス供給部とを、
備えており、
前記電極セルは、
第一の電極と、
放電空間を形成するように、前記第一の電極と対面している第二の電極と、
前記放電空間に面する前記第一の電極の主面および前記放電空間に面する前記第二の電極の主面の少なくとも何れか一方に配置される誘電体と、
平面視において中央部に形成され、前記第一の電極と前記第二の電極とが対面する対面方向に貫通している貫通口とを、
有しており、
円筒形状であり、前記貫通口の内部に配設されており、当該円筒形状の側面部に噴出孔を有する、絶縁筒部と、
前記絶縁筒部の空洞部に配設される導電性部材とを、
さらに備えている、
ことを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項2】
前記絶縁筒部の内壁には、
導電性膜が形成されており、
前記導電性部材と前記導電性膜との間に電圧を印加する電圧印加器を、
さらに備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
【請求項3】
前記放電空間の圧力を一定に保つ圧力制御装置を、
さらに備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
【請求項4】
前記第二の電極内には、
冷媒が流れる流路が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
【請求項5】
前記原料ガス供給部は、
前記原料ガスを希ガスと共に、供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
【請求項6】
前記電極セルは、
複数であり、
各電極セルは、
前記対面方向に積層している、
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
【請求項7】
前記絶縁筒部の端部側に配設されるシャワープレートを、
さらに備えている、
ことを特徴とする請求項6に記載のプラズマ発生装置。
【請求項8】
プラズマ発生装置と、
前記プラズマ装置に接続されるCVDチャンバーとを、
備えており、
前記プラズマ発生装置は、
電極セルと、
前記電極セルに交流電圧を印加する電源部と、
前記電極セルを囲繞する筐体と、
前記筐体外部から前記筐体内に原料ガスを供給する原料ガス供給部とを、
備えており、
前記電極セルは、
第一の電極と、
放電空間を形成するように、前記第一の電極と対面している第二の電極と、
前記放電空間に面する前記第一の電極の主面および前記放電空間に面する前記第二の電極の主面の少なくとも何れか一方に配置される誘電体と、
平面視において中央部に形成され、前記第一の電極と前記第二の電極とが対面する対面方向に貫通している貫通口とを、
有しており、
円筒形状であり、前記貫通口の内部に配設されており、当該円筒形状の側面部に噴出孔を有する、絶縁筒部と、
前記絶縁筒部の空洞部に配設される導電性部材とを、
さらに備えており、
前記CVDチャンバーは、
前記絶縁筒部の端部側に接続されている、
ことを特徴とするCVD装置。
【請求項9】
前記絶縁筒部の内壁には、
導電性膜が形成されており、
前記プラズマ発生装置は、
前記導電性部材と前記導電性膜との間に電圧を印加する電圧印加器を、
さらに備えている、
ことを特徴とする請求項8に記載のCVD装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−62270(P2013−62270A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197863(P2011−197863)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】