説明

プロスタグランジンD2が介在する疾患を処置するためのCRTh2受容体のモジュレーター

本発明は、呼吸器疾患を処置するための有用な医薬化合物である置換された酸、それを含む医薬的組成物、及びその製法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は呼吸器疾患を処置するために有用な医薬化合物としての置換された酸、それを含有する医薬的組成物、及びその製法に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願1170594号は、オーファン受容体CRTH2に対するリガンドであるプロスタグランジンD2が介在する病状の処置に有用な化合物を確認する方法を開示する。英国特許1356834号は、抗炎症作用、鎮痛作用及び解熱作用を有すると記述する一連の化合物を開示する。ある種の酸がCRTH2受容体において活性であることが見出され、その結果、喘息及びCOPDを含む様々な呼吸器疾患の処置に有用である可能性が期待される。
【発明の開示】
【0003】
本発明は第一の側面では、式(I):
【化1】

[式中:
XはYCR又はCR=CRである;
Aはアリール又はヘテロアリールであるが、この基は要すれば水素、ハロゲン、CN、OH、SH、ニトロ、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)、OR、NR又はC1〜6アルキルから独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよく、後ろの1個の基は要すればハロゲン原子1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
【0004】
Bはアリール又はヘテロアリールであるが、この基は要すれば水素、ハロゲン、CN、OH、SH、ニトロ、CO、COR、SO、OR、SR、SOR、 SONR10、CONR10、NR10、NHSO、NRSO、NRCO、NHCOR、NRCOR、NRCONR、NRSONR、アリール、ヘテロアリール、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル又はC1〜6アルキルから独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよく、後ろの4個の基は要すればハロゲン、C〜Cシクロアルキル、OR、NR、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)、CONR、NRCOR、SONR及びNRSOから独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
X及びBはアリール又はヘテロアリール環に相互にオルト位で結合している;
Yは結合、O、S(O)(ここにnは0、1又は2である)、NR又はCRである;
及びRは独立に水素原子、ハロゲン、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル又はC1〜6アルキル基を示すが、後ろの4個の基は要すればハロゲン、C〜Cシクロアルキル、NR、OR、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)から独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;又は
及びRは一緒になって要すればO、S、NR11から選択された原子1個又はそれ以上を含んでいてもよい3〜8員環を形成できるが、それ自体は要すればC〜Cアルキル又はハロゲン1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
及びRは独立に水素又はC1〜6アルキルを示す;
はC1〜6アルキル又はC〜Cシクロアルキルであるが、この基は要すればハロゲン原子1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
【0005】
及びRは独立に水素原子、C〜Cアルキル又はC〜Cシクロアルキルを示すが、この基は要すればハロゲン原子1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
はアリール、ヘテロアリール、C〜Cシクロアルキル又はC1〜6アルキルを示すが、後ろの2個の基は要すればハロゲン、C〜Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OR及びNR、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)、CONR、NRCOR、SONR及びNRSOから独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
及びR10は独立にアリール又はヘテロアリール、水素、C〜Cシクロアルキル又はC1〜6アルキルを示すが、後ろの2個の基は要すればハロゲン、C〜Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OR及びNR、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)、CONR、NRCOR、SONR及びNRSOから独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;又は
及びR10はそれらが結合する窒素原子と一緒になって要すればO、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)、NR11から選択される原子1個又はそれ以上を含んでいてもよい3〜8員飽和ヘテロ環を形成することができるが、それ自体は要すればハロゲン又はC〜Cアルキルで置換されていてもよいものとする;及び
11は水素原子、C1〜6アルキル、C〜Cシクロアルキル、SO又はCOC〜Cアルキルを示す;
但し、次の要件を満たすものとする:
●YがOであり、A=フェニルである時には、Bはアリール、又は窒素原子1個又はそれ以上を含む6員ヘテロ芳香環、又はO、N、S原子1個又はそれ以上を含む6,6−又は6,5−縮合二環式環ではないものとする;及び
●YがOであり、Bがフェニル、又はO、N、S原子1個又はそれ以上を含む6,6−又は6,5−縮合二環式環である時には、Aはアリールではないものとする]
で示される化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物を提供する。
【0006】
アリールの例はフェニル及びナフチルを含む。
ヘテロアリールは、要すればN、S、Oから選択されるヘテロ原子1個又はそれ以上を含んでいてもよい、5〜7員芳香環又は6,6−又は6,5−縮合二環式環であると定義される。この二環式環は炭素又は窒素を通じて結合していてもよく、5又は6員環を通して結合してもよく、さらに完全に又は部分的に飽和していてもよい。
【0007】
その例には次のものを含む:ピリジン、ピリミジン、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、フラン、イソオキサゾール、ピロール、イソチアゾール及びアズレン、ナフチル、インデン、キノリン、イソキノリン、インドール、インドリジン、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、1H−インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、ベンズオキサゾール、プリン、4H−キノリジン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8−ナフチリジン、プテリジン及びキノロン。
【0008】
アリール又はヘテロアリール基は要すれば、次のものから独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されることもできる:水素、ハロゲン、CN、OH、SH、ニトロ、CO、SO、OR、SR、SOR、SONR10、CONR10、NR10、NHSO、NRSO、NRCO、NHCOR、NRCOR、NRCONR、NRSONR、アリール、ヘテロアリール、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル又はC1〜6アルキル。この後ろの4個の基は要すれば次の基から独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする:ハロゲン、C〜Cシクロアルキル、OR、NR、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)、CONR、NRCOR、SONR及びNRSO
【0009】
本明細書の記載において別段の記載がない限り、アルキル又はアルケニル基又は置換基内のアルキル又はアルケニル部分は直線状であっても分枝状であってもよい。
【0010】
、R及びR及びR10について定義されるヘテロ環は飽和ヘテロ環を意味し、その例はモルホリン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン及びピペラジンを含む。
【0011】
好適な態様ではXはYCRである。好ましくは、XはCHCH、CHS、CHNH、CHNMe、CHO、CH、CH=CH又はCHCHOである。本発明の一態様ではXはCHCH、CHS、CHNH、CHNMe、CH、CH=CHである。
【0012】
好ましくは、Aはフェニル又は窒素原子1個又はそれ以上を含む6員ヘテロ芳香環であり、特に、酸に対してパラ位でハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、アミノ又はC1〜3アルキルで置換されたピリジルである。
【0013】
好ましくは、Bはイソオキサゾリル、フェニル、チエニル、フリル、ピラゾリル又はインドリルであって、いずれも要すれば前記のように置換されていてもよい。
【0014】
A基及びB基のための好適な置換基は本明細書に例示したものである。
好ましくは、R及びRは独立に水素又はC1〜3アルキルである。
【0015】
本発明の好適な化合物は次の化合物及びその医薬的に許容される塩を含む:
(4−クロロ−2−イソオキサゾール−5−イルフェノキシ)酢酸;
N−(5−クロロビフェニル−2−イル)グリシン;
3−(5−クロロビフェニル−2−イル)プロパン酸;
(2E)−3−(5−クロロビフェニル−2−イル)アクリル酸;
N−(5−クロロビフェニル−2−イル)−N−メチルグリシン;
(5−クロロビフェニル−2−イル)酢酸;
{[5−クロロ−4'−(エチルチオ)ビフェニル−2−イル]チオ}酢酸;
[5−クロロ−4'−(エチルスルホニル)−2'−メチルビフェニル−2−イル]酢酸;
N−[4'−(エチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]グリシン;
3−[4'−(エチルスルホニル)−2'−メチル−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
({2−[4−(エチルスルホニル)−2−メチルフェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)酢酸;
[2−(2−シアノ−3−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[2−(2−フリル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[2−(2−クロロ−3−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[2−(2,5−ジクロロ−3−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[2−(2−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[2−(3−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[2−(5−アセチル−2−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[(5−クロロ−3'−シアノビフェニル−2−イル)チオ]酢酸;
(2S)−2−[2−[1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパン酸;
(2S)−2−[4−(トリフルオロメチル)−2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェノキシ]プロパン酸;
(2S)−2−[2−[1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパン酸;
(2S)−2−[2−{1−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル}−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパン酸;
【0016】
N−[4−クロロ−2−(5−メトキシ−1H−インドール−1−イル)フェニル]グリシン;
N−[4−クロロ−2−(5−シアノ−1H−インドール−1−イル)フェニル]グリシン;
({2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)酢酸;
{[2−(3−シアノフェニル)ピリジン−3−イル]オキシ}酢酸;
(2S)−2−({2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)プロパン酸;
{[6−アミノ−2−(3−シアノフェニル)ピリジン−3−イル]オキシ}酢酸;
N−{4−クロロ−2−[5−(メチルスルホニル)−1H−インド−ル−1−イル]フェニル}グリシン;
3−[4'−(メチルスルホニル)−3',5−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−(5−クロロ−3'−シアノビフェニル−2−イル)プロパン酸;
3−[2',5−ジクロロ−4'−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[3'−フルオロ−4'−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[2'−クロロ−4'−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[4'−(エチルスルホニル)−3',5−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[3'−シアノ−5'−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[3'−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[5−クロロ−3'−フルオロ−4‘−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[5−クロロ−4'−(ピリジン−2−イルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸。
【0017】
式(I)で示される化合物のある種のものは立体異性体として存在できる。本発明は式(I)で示される化合物の幾何異性体及び光学異性体の全て及びラセミ体も含むその混合物を包含するものと理解される。互変異性体及びその混合物も本発明の一部分を形成する。
【0018】
前記式(I)で示される化合物はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物に変換してもよい。好ましくは、それらは次のようなものである:塩基付加塩(たとえばナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチルジアミン、メグルミン、トロメタミン又はプロカインなどとの塩);又は酸付加塩(たとえば塩酸塩、臭化水素酸塩、燐酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、くえん酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩など)。
【0019】
本発明の製法においては、出発物質又は中間体の化合物に存在するある種の官能基は保護基によって保護する必要があるかもしれないことを当業者は認識することになろう。そこで、式(I)で示される化合物の製法は、適当な段階での保護基1個又はそれ以上の除去を含むかもしれない。官能基の保護及び脱保護は‘Protective Groups in Organic Chemistry', edited by J. W. F. McOmie, Plenum Press (1973) 及び ‘Protective Groups in Organic Synthesis', 3rd edition, T. W. Greene & P. G. M. Wuts, WileyInterscience (1999) に詳記されている。
【0020】
式(I)で示される化合物は、式(II):
【化2】

[式中、
YはO、S又はNRである;及び
A及びBは式(I)について定義した通りであるか、又はその保護誘導体である]
で示される化合物と式(III):
【化3】

[式中、
及びRは式(I)について定義した通りであるか、又はその保護誘導体である;
12はH又はC〜C10アルキル基である;及び
Lは脱離基である]
で示される化合物との反応によって製造できるが、この製造は要すればその後に任意の順序で次の操作を含んでいてもよい:
●保護基の除去;
●エステル基R12から対応する酸への加水分解;
●スルフィドからスルホキシド又はスルホンへの酸化;及び
●医薬的に許容される塩の形成。
【0021】
この反応は、たとえばDMFのような適当な溶媒中で、たとえば炭酸カリウムなどのような塩基を使用して実施できる。適当な基R12はたとえばメチル、エチル又はt−ブチルのようなC1〜6アルキル基を含む。適当な基Lは、たとえばハロ、特に塩素又は臭素のような脱離基である。Lは、例えばトリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチルを用いて化合物(II)と Mitsunobu 反応を進行させることができるようにヒドロキシ基であってもよい。エステル基R12の加水分解は、例えばメチル及びエチルエステルの水性水酸化ナトリウムを用いる処理及びt−ブチルエステルのたとえばトリフルオロ酢酸のような酸を用いる処理など常法を用いて実行できる。
【0022】
式(I)で示される化合物は、式(IV)で示される化合物と式(V)で示される化合物との Suzuki 反応と、それに続く保護基の除去によって製造できる:
【化4】

[式中、
A、B及びXは式(I)について定義した通りであるか、又はその保護誘導体である;
Eがハロゲン、メシレート又はトリフレートである時には、Dはボロン酸又はエステルであるか、あるいはEがボロン酸又はエステルである時には、Dはハロゲン、メシレート又はトリフレートである]。
【0023】
この反応はたとえばジオキサンのような適当な溶媒中、たとえば[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムのようなパラジウム触媒とたとえばフッ化セシウムのような塩基とを使用して、好ましくは高温で実施できる。
【0024】
同様にして、式(II)で示される化合物は、Pが水素又は保護基である式(VI)で示される化合物の Suzuki 反応によっても製造できる。
【0025】
式(VII):
【化5】

で示される化合物は方法A又は方法Bによって製造してもよい。
【0026】
方法A
【化6】

酸を初めに例えばDCM中塩化オキサリルを用いて室温で酸塩化物に変換し、次にたとえばトリエチルアミンのような塩基の存在下に3−メチル−3−オキセタンメタノールと反応させてエステルを得る。次にこのオキセタンエステルを−78℃〜RTにおいてDCM中で三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートを用いて転位させてOBOエステルを得る。これをたとえばsec−ブチルリチウムのような塩基を低温で用いて脱プロトン化し、続いて硼酸トリメチルで反応をクエンチして保護ジ酸を得、これをHCl、次に水酸化ナトリウムで処理して脱保護する。
【0027】
方法B
【化7】

式(VIII)で示される化合物とピナコールとをたとえばジエチルエーテルのような適当な溶媒中、室温で攪拌してボレートエステルとすることができる。ベンジル基をRTで触媒としてパラジウム/炭素を用いる水素化によって除去し、次に塩基又は Mitsunobu 条件を用いて式(III)で示される化合物でアルキル化する。たとえばHCl又はトリフルオロ酢酸のような酸で処理して保護基を除く。
【0028】
Yが結合である式(I)で示される化合物は一般経路Aを用いて製造され得る:
【化8】

[式中、Lは脱離基である]。
【0029】
ホルミル基は、たとえばエタノール中の水素化硼素ナトリウムのような適当な還元剤を用いてアルコールに還元され得る。このアルコールは、たとえば塩化メタンスルホニルとトリエチルアミンとを用いてメシレートのような脱離基に変換され、次にシアニドで置換され得る。このニトリルは、例えば高温で水酸化カリウムなど塩基性条件下に加水分解して酸とすることができる。
【0030】
Y=CR、且つX=CR=CRである式(I)で示される化合物は一般経路Bを用いて製造できる:
【化9】

【0031】
あるいは、Y=CRである式(I)で示される化合物は一般経路B(i)を用いても製造できる:
【化10】

【0032】
さらなる側面では、本発明は式(I)で示される化合物、その医薬的に許容される塩又は溶媒和物の医療における使用を提供する。
【0033】
式(I)で示される化合物は医薬、特にCRTh2受容体活性のモジュレーターとしての活性を有し、PGD及びその代謝物の過剰産生又は非制御的産生によって悪化するか又はそれに起因するヒト及び非ヒト動物の病状/疾患の処置(治療又は予防)において使用できる。そのような病状/疾患の例を以下に示す:
【0034】
1. 呼吸管:気管の閉塞性疾患であって、次のものを含む:気管支性、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬物誘発性(アスピリン及びNSAID−誘発性を含む)及びダスト誘発性の喘息であって、間欠性及び持続性及び全ての重症度のもの及び他の原因による気管過敏症;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性及び好酸球性気管支炎を含む気管支炎;肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性繊維症;サルコイドーシス;農夫肺及び関連疾患;過敏性肺炎;次のものを含む肺繊維症:原因不明線維化肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗新生物療法及び結核及びアスペルギルス症及びその他の真菌感染症を含む慢性感染症に併発する繊維症;肺臓移植合併症;肺血管系の脈管性疾患及び血栓性疾患、及び肺高血圧症;気管の炎症性及び分泌性病状に関連する慢性咳の処置を含む鎮咳作用及び医原性咳;薬物性鼻炎及び血管運動神経性鼻炎を含む急性及び慢性鼻炎;神経性鼻炎(花粉症)を含む通年性鼻炎及び季節性アレルギー性鼻炎;鼻茸;感冒を含む急性ウイルス性感染症;及び呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザウイルス、コロナウイルス(SARSも含む)及びアデノウイルスに起因する感染症;
【0035】
2. 骨及び関節:骨関節炎/骨関節症を含み又はそれに関連する原発性及び続発性双方の関節炎、例えば、先天的股異形成;頸椎炎及び腰椎炎、及び腰痛及び頚部痛;リューマチ性関節炎及びスティル病;強直性脊椎炎を含む血清反応陰性脊椎関節症、乾癬性関節炎、反応性関節炎及び未分化脊椎関節症;敗血症性関節炎及び他の感染症関連関節症及び骨疾患であってたとえば次のようなもの:脊椎カリエス(Potts' disease)及びポンセ症候群(Poncet's syndrome)を含む結核;急性及び慢性結晶誘発滑膜炎であって次を含むもの:尿酸痛風、ピロリン酸カルシウム沈着病及びカルシウムアパタイト関連腱、滑液嚢及び滑膜の炎症;ベーチェット病;原発性及び二次性シェーグレン症候群;全身性硬化症及び限局性強皮症;全身性紅斑性狼瘡、混合性結合組織病、及び未分化結合組織病;皮膚筋炎及び多発性筋炎を含む炎症性筋疾患;リウマチ性多発筋痛;関節の所在に拘らず特発性炎症性関節炎及び関連症候群及びリウマチ熱及びその全身性併発症を含む若年性関節炎;脈管炎であって次を含むもの:巨細胞動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発性動脈炎、顕微鏡的多発性動脈炎;及び脈管炎であって次に関連するもの:ウイルス感染症、過敏反応、クリオグロブリン、及びパラプロテイン;腰痛;家族性地中海熱、マックル・ウェルズ症候群、及び家族性アイルランド熱、菊池病;薬剤誘発性関節痛、腱炎、及び筋疾患;
【0036】
3. 怪我[例えばスポーツでの怪我]又は病気に起因する筋骨格疾患の疼痛及び結合組織リモデリング:関節炎(例えばリューマチ性関節炎、骨関節炎、痛風性又は結晶性関節症)、その他の関節病(たとえば椎間板変性又は側頭下顎関節変性のようなもの)、骨リモデリング病(たとえば骨粗しょう症、パジェット病又は骨壊死のようなもの)、多発性軟骨炎、強皮症、混合結合組織疾患、脊椎関節症又は歯周病(たとえば歯周炎のようなもの);
【0037】
4. 皮膚:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎又はその他の湿疹様皮膚炎及び遅延型過敏反応;植物性及び光線性皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイドーシス、円板状紅斑性狼瘡、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、じんましん、血管性浮腫、血管炎、中毒疹、皮膚好酸球増多症、円形脱毛症、男性型禿頭症、スウィート症候群、ウェーバー−クリスチャン症候群、多形性紅斑;感染性及び非感染性双方の蜂巣炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非メラノーマ皮膚癌及びその他の異形成変形;固定薬疹を含む薬剤誘発疾患;
【0038】
5. 眼:眼瞼炎;通年性及び春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎;虹彩炎;前部ブドウ膜炎及び後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;自己免疫;網膜に影響を与える変性又は炎症性疾患;交感性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;ウイルス性、真菌性及び細菌性を含む感染症;
【0039】
6. 胃腸管:舌炎、歯肉炎、歯周炎;逆流性を含む食道炎;好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎を含む大腸炎、直腸炎、肛門掻痒症;セリアック病、過敏性腸症候群、及び腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー(例えば片頭痛、鼻炎又は湿疹);
【0040】
7. 腹部:自己免疫性、アルコール性及びウイルス性を含む肝炎;肝線維症及び肝硬変;胆嚢炎;急性膵炎及び慢性膵炎;
【0041】
8. 生殖泌尿器:間質性腎炎及び糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;急性及び慢性(間質性)膀胱炎及びハンナー潰瘍を含む膀胱炎;急性及び慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎及び卵管炎;外陰膣炎;ペイロニー病;勃起不全(男性及び女性双方の);
【0042】
9. 同種移植拒絶反応:急性及び慢性拒絶反応、例えば腎臓、心臓、肝臓、肺臓、骨髄、皮膚又は角膜の移植後又は輸血後の拒絶反応;又は慢性移植片対宿主病;
【0043】
10. 中枢神経系:CJD及びnvCJDを含むアルツハイマー病及びその他の認知症;アミロイド沈着症;多発性硬化症及びその他の脱髄性症候群;脳動脈硬化症及び脳脈管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;急性及び慢性疼痛(中枢か末梢かの起源に拘らず急性、間欠性又は持続性のもの)であって次のものを含む:内臓痛、頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、非定型顔面痛、関節痛及び骨痛、癌及び腫瘍の浸潤に起因する疼痛、神経障害性疼痛症候群であって次のものを含むもの:糖尿病性、ヘルペス後、及びHIV関連神経障害;神経サルコイドーシス;悪性、感染性又は自己免疫過程性の中枢神経系及び末梢神経系の合併症;
【0044】
11. その他の自己免疫性及びアレルギー性疾患:これには次のものを含む:橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質症候群;
【0045】
12. 炎症性又は免疫性成分を持つ他の疾患;これには後天性免疫不全症候群(AIDS)、ハンセン病、セザリー症候群及び腫瘍随伴症候群を含む;
【0046】
13. 心臓血管:冠状動脈及び末梢循環に影響を与えるアテローム性動脈硬化症;心嚢炎;心筋炎、心筋類肉腫を含む炎症性及び自己免疫性心筋症;虚血再潅流性傷害;感染性(例えば梅毒性)を含む心内膜炎、弁膜炎及び大動脈炎;全身性血管炎;静脈炎を含む近位血管及び末梢血管の疾患及び深部静脈血栓症を含む血栓症、及び静脈瘤の合併症;
【0047】
14. 腫瘍学:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸及び大腸、胃、皮膚及び脳の腫瘍及び、たとえばホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫のような骨髄及びリンパ球増殖系に影響を与える悪性腫瘍(白血病を含む)を含む一般的な癌の処置;転移性疾患及び腫瘍再発及び腫瘍随伴症候群の予防及び処置を含む;及び
【0048】
15. 胃腸管:セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎(microscopic colitis)、非定型性大腸炎、過敏性腸疾患、過敏性腸症候群、非炎症性下痢、たとえば偏頭痛、鼻炎及び湿疹など腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー;
【0049】
16. PGD又はその代謝物の濃度上昇に関連する疾患。
【0050】
そこで、本発明は治療における使用のための本明細書に前記した式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物を提供する。
【0051】
好ましくは本発明の化合物は、ケモカイン受容体がCRTh2受容体サブファミリーに属する疾病を処置するために使用される。
【0052】
本発明の化合物で処置できる特定の病状は喘息、鼻炎及び、PGD又はその代謝物の濃度が上昇するその他の疾病である。本発明の化合物が喘息を処置するために使用されるのは好適である。
【0053】
さらなる側面では、本発明は、本明細書に前記した式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物の、治療用薬剤の製造における使用を提供する。
【0054】
本発明はさらに、そこでは本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩又は本発明の化合物を含有する医薬組成物又は製剤と、別の治療用薬剤(複数を含む)とを、同時に又は逐次に又は混合製剤として、前記病状1種又はそれ以上を処置するために投与する併用療法に関する。
【0055】
特に、たとえば(これに限定するものでないが)リューマチ性関節炎、骨関節炎、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬及び炎症性腸疾患のような炎症性疾患の処置のために、本発明の化合物を次に列挙する薬剤と組合せてもよい:
【0056】
非ステロイド抗炎症剤(以下NSAIDと記載)であって、これは次のようなものを含む:局所投与か全身投与かの何れでもよいが、非選択的シクロオキシゲナーゼCOX−1/COX−2阻害剤(たとえば次のようなものである:ピロキシカム、ジクロフェナク;たとえばナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン及びイブプロフェンのようなプロピオン酸類、たとえばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾンのようなフェナメート類、たとえばフェニルブタゾンのようなピラゾロン類、たとえばアスピリンのようなサリチレート類);選択的COX−2阻害剤(たとえばメロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルマロコキシブ、パレコキシブ及びエトリコキシブのようなもの);シクロオキシゲナーゼ阻害一酸化窒素供与体(CINOD);グルココルチコステロイド(局所、経口、筋肉内、脈管内又は関節内経路の何れでもよい);メトトレキセート;レフルノミド;ヒドロキシクロロキン;d−ペニシラミン;オーラノフィンその他の非経腸用又は経口用金製剤;鎮痛剤;ジアセレイン;たとえばヒアルロン酸誘導体のような関節内療法剤;及びたとえばグルコサミンのような栄養補助剤。
【0057】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩と次のような薬剤との併用に関する:サイトカイン又はアゴニスト又はサイトカイン機能拮抗剤(サイトカインシグナル伝達経路に作用する薬剤、たとえばSOCS系モジュレーターのような薬剤を含む)。後者には次のようなものを含む:α−、β−、及びγ−インターフェロン;I型インスリン様生長因子(IGF−1);IL1〜IL17を含むインターロイキン類(IL);及びたとえばアナキンラのようなインターロイキン拮抗剤又は阻害剤;たとえば抗TNFモノクローナル抗体(例えばインフリキシマブ、アダリムマブ及びCDP−870)のような腫瘍壊死因子α(TNF−α)阻害剤及び免疫グロブリン分子(たとえばエタネルセプトのようなもの)を含むTNF受容体拮抗剤及びたとえばペントキシフィリンのような低分子量薬剤。
【0058】
これに加え、本発明は本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とB−リンパ球を標的とするモノクローナル抗体(たとえばCD20(リツキシマブ)、MRA−aIL16R及びT−リンパ球、CTLA4−Ig、HuMaxIl−15のようなもの)との併用に関する。
【0059】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とケモカイン受容体機能のモジュレーターとの併用に関する。後者にはたとえば次のようなものの拮抗剤がある:CCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10及びCCR11(C−Cファミリー);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4及びCXCR5(C−X−Cファミリー)及びCXCR1(C−X−Cファミリー)。
【0060】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害剤との併用に関する。後者には次のようなものを含む:ストロメライシン、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼ並びにアグリカナーゼ;特にコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)及びストロメライシン−3(MMP−11)及びMMP−9及びMMP−12。たとえばドキシサイクリンのような薬剤も含む。
【0061】
本発明はさらに本発明の化合物又はその 医薬的に許容される塩とロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤又は5−リポキシゲナーゼ活性化プロテイン(FLAP)拮抗剤との併用に関する。後者にはたとえば次のようなものが含まれる:ジロートン;ABT−761;フェンレウトン;テポキサリン;Abbott−79175;Abbott−85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド類;2,6−ジ−t−ブチルフェノールヒドラゾン類;たとえばZeneca ZD−2138のようなメトキシテトラヒドロピラン類;化合物B−210661;たとえばL−739010のようなピリジニル置換2−シアノナフタレン化合物;たとえばL−746530のような2−シアノキノリン化合物;又はたとえばMK−591、MK−886及びBAY x 1005のようなインドール又はキノリン化合物。
【0062】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とロイコトリエン(LT)B4、LTC4、LTD4及びLTE4に対する受容体拮抗剤との併用に関する。後者は次のようなものから構成される群から選択される:たとえばL−651392のようなフェノチアジン−3−オン類;たとえばCGS−25019cのようなアミジノ化合物;たとえばオンタゾラストのようなベンゾキサラミン類;たとえばBIIL284/260のようなベンゼンカルボキシイミダミド;及びたとえばザフィルカスト、アブルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(MK−679)、RG−12525、Ro−245913、イラルカスト(CGP45715A)、及びBAYx 7195のような化合物。
【0063】
本発明はなお本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とホスホエステラーゼ(PDE)阻害剤との併用に関する。後者はたとえば次のようなメチルキサンタニン類を含む:テオフィリン及びアミノフィリン;次を含む選択的PDEイソ酵素阻害剤:PDE4阻害剤、PDE4Dのアイソフォームの阻害剤又はPDE5の阻害剤。
【0064】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とヒスタミン1型受容体拮抗剤との併用に関する。後者はたとえば次のようなものである:セチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アクリバスチン、テルフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、レボカバスチン、クロロフェニラミン、プロメタジン、シクリジン又はミゾラスチン。これは経口投与、局所投与又は非経腸投与される。
【0065】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とプロトンポンプ阻害剤(たとえばオメプラゾールのようなもの)又は2型胃保護ヒスタミン受容体拮抗剤との併用に関する。
【0066】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とヒスタミン4型受容体の拮抗剤との併用に関する。
【0067】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とα−1/α−2アドレノレセプターアゴニスト血管収縮交感神経興奮剤との併用に関する。後者はたとえば次のようなものである:プロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、ナファゾリン塩酸塩、オキシメタゾリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩、キシロメタゾリン塩酸塩、トラマゾリン塩酸塩又はエチルノルエピネフリン塩酸塩。
【0068】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とムスカリン受容体(M1、M2及びM3)拮抗剤を含む抗コリン作用性薬剤との併用に関する。後者はたとえば次のようなものである:アトロピン、ヒヨスチン、グリコピロレート、臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン又はテレンゼピン。
【0069】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とβ−アドレナリン受容体アゴニスト(β受容体サブタイプ1−4を含む)との併用に関する。後者はたとえば次のようなものである:イソプレナリン、サルブタモール、ホルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロールメシレート又はピルブテロール又はそれらのキラルエナンチオマー。
【0070】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とたとえばクロモグリク酸ナトリウム又はネドクロミルナトリウムのようなクロモン類との併用に関する。
【0071】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とグルココルチコイドとの併用に関する。後者はたとえば次のようなものである:フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、ブデソニド、フルチカゾンプロピオネート、シクレソニド又はモメタゾンフロエート。
【0072】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩と核ホルモン受容体を調節する薬剤との併用に関する。後者はたとえばPPARのようなものである。
【0073】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩と免疫グロブリン(Ig)又はIg製剤又は拮抗剤又はIg機能を調節する抗体との併用に関する。後者はたとえば抗IgE(例えばオマリズマブ)のようなものである。
【0074】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩と他種の全身性又は局所的に投与する抗炎症剤との併用に関する。後者はたとえばサリドマイド又はその誘導体、レチノイド、ジトラノール又はカルシポトリオールのようなものである。
【0075】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とアミノサリチレート類及びスルファピリジン合剤との併用に関する。後者はたとえば次のようなものである:スルファサラジン、メサラジン、バルサラジド及びオルサラジン;及びたとえばチオプリンのような免疫調節剤及びブデソニドなどのコルチコステロイド。
【0076】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩と抗菌剤との併用に関する。後者はたとえば次のようなものである:ペニシリン誘導体、テトラサイクリン類、マクロライド類、ベータラクタム類、フルオロキノロン類、メトロニダゾール、吸入用アミノグリコシド;アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビル、アマンタジン、リマンタジン、リバビリン、ザナマビル及びオセルタマビルを含む抗ウイルス剤;たとえばインジナビル、ネルフィナビル、リトナビルのようなプロテアーゼ阻害剤;たとえばジダノシン、ラミブジン、スタブジン、ザルシタビン又はジドブジンのようなヌクレオシド逆転写酵素阻害剤;又はたとえばネビラピン又はエファビレンツのような非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤。
【0077】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩と心血管作動薬との併用に関する。後者はたとえば次のようなものである:カルシウムチャネル遮断剤、β−アドレナリン受容体遮断薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン−2受容体の拮抗剤;たとえばスタチン類又はフィブレート類のような高脂血症剤;たとえばペントキシフィリンのような血球形態学のモジュレーター;及びたとえば血小板凝集阻害剤のような血栓溶解剤又は抗凝血剤。
【0078】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩とCNS剤との併用に関する。後者はたとえば次のようなものである:抗うつ剤(たとえばサートラリンのようなもの)、抗パーキンソン病剤(たとえばデプレニル、L−ドーパ、ロピニロール、プラミペキソールのようなもの、たとえばセレギン及びラサギリンのようなMAOB阻害剤、たとえばタスマーのようなcomP阻害剤、A−2阻害剤、ドパミン再吸収阻害剤、NMDA拮抗剤、ニコチンアゴニスト、ドパミンアゴニスト又は神経型一酸化窒素合成酵素阻害剤)、又はたとえばドネペジル、リバスチグミン、タクリン、COX−2阻害剤、プロペントフィリン又はメトリフォネートのような抗アルツハイマー剤。
【0079】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩と急性又は慢性疼痛処置用薬剤との併用に関する。後者はたとえば次のようなものである:中枢性又は末梢性に作用する鎮痛剤(例えばオピオイド又はその誘導体)、カルバマゼピン、フェニトイン、ナトリウムバルプロエート、アミトリプチリン又はその他の抗うつ剤、パラセタモール又は非ステロイド消炎剤。
【0080】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩と非経腸投与用又は局所投与用(吸入も含む)局所麻酔剤との併用に関する。後者はたとえばリグノカイン又はその誘導体のようなものである。
【0081】
本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩はたとえばラロキシフェンのようなホルモン剤、又はたとえばアレンドロネートのようなビホスホネートを含む抗骨粗しょう症剤と併用して使用することもできる。
【0082】
本発明はさらに本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩と次の薬剤との併用に関する:
(i) トリプターゼ阻害剤;
(ii) 血小板活性化因子(PAF)拮抗剤;
(iii) インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;
(iv) IMPDH阻害剤;
(v) VLA−4拮抗剤を含む接着分子阻害剤;
(vi) カテプシン;
(vii) カイネース阻害剤たとえばチロシンキナーゼ(たとえばBtk、Itk、Jak3又はMAP、例えばゲフィチニブ又はイマチニブメシレートのようなもの)、セリン/トレオニンのキナーゼ(たとえばMAPキナーゼたとえばp38、JNK、プロテインキナーゼA、B又はC又はIKKのようなもの)、又は細胞周期制御に関与するキナーゼ(たとえばサイクリン依存性キナーゼのようなもの)のようなものの阻害剤;
(viii) グルコース−6−ホスフェート脱水素酵素阻害剤;
(ix) キニン−B.sub1.−又はB.sub2.−受容体拮抗剤;
(x) 抗痛風剤、例えばコルヒチン;
(xi) キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例えばアロプリノール;
(xii) 尿酸排泄剤、例えばプロベネシド、スルフィンピラゾン又はベンズブロマロン;
(xiii) 成長ホルモン分泌促進剤;
(xiv) トランスフォーミング増殖因子(TGFβ);
(xv) 血小板由来増殖因子(PDGF);
(xvi) 線維芽細胞増殖因子例えば塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF);
(xvii) 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);
(xviii) カプサイシンクリーム;
(xix) たとえばNKP−608C、SB−233412(タルネタント)又はD−4418のようなタキキニンNK.sub1又はNK.sub3受容体拮抗剤;
(xx) たとえばUT−77又はZD−0892のようなエラスターゼ阻害剤;
(xxi) TNF−α転換酵素阻害剤(TACE);
(xxii) 誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害剤;
(xxiii) TH2細胞上に発現される化学誘引物質受容体−相同分子(たとえばCRTH2拮抗剤のようなもの);
(xxiv) P38の阻害剤;
(xxv) Toll様受容体機能を調節する薬剤(TLR)、
(xxvi) プリン作動性受容体活性を調節する薬剤、例えばP2X7のようなもの;又は
(xxvii) 転写因子活性化の阻害剤、たとえばNFkB、API又はSTATSのようなもの。
【0083】
本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩は現存する癌治療剤との併用によって使用することもできる。後者は例えば次に示すような適当な薬剤である:
【0084】
(i) 内科的腫瘍学で使用される次のような抗増殖剤/抗新生物剤又はその併用:アルキル化剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロランブシル、ブスルファン又はニトロソウレア類);抗代謝剤(例えば次のものなどの抗葉酸剤:5−フルオロウラシル又はテガフールなどのフルオロピリミジン類、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、ゲムシタビン又はパクリタキセル);抗腫瘍抗生物質(例えば次のものなどのアントラサイクリン類:たとえばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン又はミトラマイシン);抗分裂剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン又はビノレルビンのようなビンカアルカロイド、又はたとえばタキソール又はタキソテールのようなタキソイド);又はトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエトポシド、テニポシド、アムサクリン、トポテカン又はカンプトテシン類のようなエピポドフィロトキシン類);
【0085】
(ii) 細胞増殖抑制剤たとえば次のようなもの:アンチエストロゲン(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン又はイドキシフェン)、エストロゲン受容体下方制御剤(例えばフルヴェストラント)、アンチアンドロゲン(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミド又は酢酸シプロテロン)、LHRH拮抗剤又はLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、リュープロレリン又はブセレリン)、プロゲストゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール(vorazole)又はエキセメスタン)又はたとえばフィナステリドのような5α−還元酵素阻害剤;
【0086】
(iii) 癌細胞の浸潤を阻害する薬剤(例えばマリマスタットなどメタロプロテイナーゼ阻害剤又はウロキナーゼ・プラスミノーゲン活性化剤受容体機能の阻害剤);
【0087】
(iv) 増殖因子機能の阻害剤、例えば:増殖因子抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツズマブ又は抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシル転移酵素阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤又はセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤、上皮増殖因子ファミリーの阻害剤(例えばN−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI774)又は6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI1033))のようなEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤;血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤;又は肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤のようなもの;
【0088】
(v) 抗血管形成剤たとえば次のようなものである:血管内皮細胞増殖因子の効果を阻害するもの(例えば抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベハシズマブ、WO 97/22596, WO 97/30035, WO 97/32856又はWO 98/13354)に開示されている化合物など、又は別の機序によって作用する化合物(例えばリノミド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤又はアンギオスタチン)など;
【0089】
(vi) 血管損傷剤、たとえばコンブレタスタチンA4又はWO 99/02166, WO 00/40529, WO 00/41669, WO 01/92224, WO 02/04434又はWO 02/08213に開示されている化合物のようなもの;
【0090】
(vii) アンチセンス療法で使用される薬剤、例えば前記標的の一つに指向するもの、たとえばISIS2503、抗ras−アンチセンスのようなもの;
【0091】
(viii) 遺伝子療法の手法、例えば異常遺伝子を置換する手法、に使用される薬剤、たとえば異常p53又は異常BRCA1又はBRCA2、GDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)の手法、たとえばシトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ又は細菌ニトロ還元酵素を用いるようなもの、及び化学療法又は放射線療法に対する患者の認容性を増大する手法、たとえば多剤耐性遺伝子療法のようなもの;又は
【0092】
(ix) 免疫療法の手法、例えば患者腫瘍細胞の免疫原性を亢進させる生体外及び生体内手法などに使用する薬剤:例えばインターロイキン−2、インターロイキン−4又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子のようなサイトカインの遺伝子移入など;T細胞アレルギーを低減する手法;遺伝子移入免疫細胞、たとえばサイトカイン遺伝子移入樹枝状細胞のようなものを用いる手法;サイトカイン遺伝子移入腫瘍細胞系列を使用する手法;及び抗イディオタイプ抗体を使用する手法;などに使用する薬剤である。
【0093】
更にさらなる側面では、本発明は、本明細書に前記した式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物の、CRTh2受容体活性の調節が役立つヒトの疾患又は病状を処置するための薬剤の製造における使用を提供する。
【0094】
本明細書の文脈では特段の指示がなければ、用語「治療」は「予防」も包含するものとする。用語「治療的な」及び「治療的に」も同様に理解すべきである。
【0095】
本発明はさらに、本明細書に前記した式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩、溶媒和物又はプロドラッグの治療的有効量を患者に投与することを含む、PGD又はその代謝物が介在する[このプロスタノイドがその受容体(特にCRTh2受容体)に結合して起す]疾患を処置する方法を提供する。
【0096】
本発明はまた、本明細書に前記した式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物の治療的有効量を、炎症性疾患に罹患した又は罹患の恐れがある患者に投与することを含む炎症性疾患、特に乾癬、を処置する方法を提供する。
【0097】
前記治療的使用のために投与される用量は、勿論、採用する化合物、投与形態、所望の処置及び適応される疾患に依存して変化する。
前記治療的使用のために投与される用量は、勿論、採用する化合物、投与形態、所望の処置及び適応される疾患に依存して変化する。
【0098】
式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ及び医薬的に許容される塩及び溶媒和物はそれ自体で使用されてもよいが、一般的には式(I)で示される化合物/塩/溶媒和物(活性成分)と医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤又は担体とを組合せた医薬的組成物の形態で投与される。投与形態に依存して、この医薬的組成物は活性成分を好ましくは0.05〜99%w(重量百分率)、より好ましくは0.05〜80%w、なお好ましくは0.10〜70%w及びさらに好ましくは0.10〜50%wを含有することとなろう。この百分率は全て全組成物重量に基づく重量百分率である。
【0099】
本発明は、本明細書に前記した式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物を、医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤又は担体を組合せて含む医薬的組成物を提供する。
【0100】
この医薬的組成物は溶液、懸濁剤、ヘプタフルオロアルカンエアロゾル剤及び乾燥粉末製剤の形態で局所(たとえば肺及び/又は気管又は皮膚に)投与してもよく;又は全身的に、たとえば錠剤、カプセル剤、シロップ剤、粉剤又は顆粒剤などの形態で経口投与;又は溶液又は懸濁剤の形態で非経腸投与;又は皮下投与;又は坐剤の形での直腸投与又は経皮投与されてもよい。好ましくは本発明の化合物は経口投与される。
【0101】
本発明を以下に非限定的実施例によって例示するが、別段の記載がなければ次のようにして表記する:
【0102】
(i) 記載があれば、1H−NMRのデータは主な判定用プロトンについてδ値の形で、内部基準としてのテトラメチルシラン(TMS)からのppmとして記載した;
【0103】
(ii) 質量スペクトル(MS):一般に親質量を示すイオンのみを記載した。特段の記載がない限り、イオンの質量は陽荷電の分子イオン(M+H)+である;
【0104】
(iii) 各実施例及び方法の化合物はカナダのAdvanced Chemical Development社によるACD/name(version 6.0)を用いて命名した;
【0105】
(iv) 別段の記載がなければ、逆相HPLCはSymmetry、NovaPak 又は Ex−Terra 逆相シリカカラムを用いて行った;
【0106】
(v) 溶媒はMgSO又はNaSOで乾燥した。
【0107】
(vi) 次の略号を用いる:
EtOAc → 酢酸エチル。
DCM → ジクロロメタン。
NMP → N−メチルピロリジン。
DMF → N,N−ジメチルホルムアミド。
THF → テトラヒドロフラン。
MCPBA → 3−クロロ過安息香酸(Aldrich社製77% max)。
Pd(dppf)Cl → [1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタンとの錯体。
RT → 室温。
RPHPLC → 逆相HPLC。
wt → 重量。
【実施例】
【0108】
実施例1
(4−クロロ−2−イソオキサゾール−5−イルフェノキシ)酢酸
【化11】

4−クロロ−2−(5−イソオキサゾリル)フェノール(0.43g)、炭酸カリウム(0.304g)及びブロモ酢酸t−ブチルエステル(0.43g)をDMF(8ml)中、RTで18時間激しく攪拌した。混合物を酢酸エチルと水との間に分配し、有機層を水で洗浄し、乾燥し、溶媒を減圧蒸発した。残渣をDCM(5ml)とトリフルオロ酢酸(5ml)との混合物に溶解し、2時間放置後に減圧蒸発した。残渣をジエチルエーテルで磨砕し、濾過した。収量:0.29g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 13.27 (1H, s), 8.73 (1H, s), 7.87 (1H, d), 7.55-7.52 (1H, m), 7.29 (1H, d), 7.21 (1H, d), 4.91 (2H, s).
MS: APCI (-ve) 252 (M-1).
【0109】
実施例2
N−(5−クロロビフェニル−2−イル)グリシン
【化12】

(i) 5−クロロビフェニル−2−アミン
2−ブロモ−4−クロロアニリン(4g)、炭酸ナトリウム(6.1g)フェニルボロン酸(2.93g)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.5g)の混合物をジオキサン(30ml)中で48時間加熱還流し、次に冷却した。混合物を酢酸エチルと水との間に分配し、有機層を水で洗浄し、乾燥し、溶媒を減圧蒸発した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、5〜10%酢酸エチル/イソヘキサンで溶離した。収量:0.99g。
MS: APCI (+ve) 204/6.
【0110】
(ii) N−(5−クロロビフェニル−2−イル)グリシン酸t−ブチルエステル
工程(i)の生成物(0.94g)、酢酸ナトリウム(0.5g)及びブロモ酢酸t−ブチルエステル(0.6ml)の混合物をエタノール(20ml)中で5時間加熱還流した。酢酸ナトリウム(1g)とブロモ酢酸t−ブチルエステル(1.2ml)を追加し、混合物を一夜加熱還流した。溶媒を減圧蒸発し、残渣を酢酸エチルと水との間に分配し、有機層を水で洗浄し、乾燥し、溶媒を減圧蒸発した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、5%酢酸エチル/イソヘキサンで溶離した。収量:0.775g。
MS: APCI (-ve) 260 (M-1-tBu).
【0111】
(iii) N−(5−クロロビフェニル−2−イル)グリシン
工程(ii)の生成物(0.77g)をDCM(20ml)とトリフルオロ酢酸(10ml)とに溶かし、RTで4時間攪拌し、次に減圧濃縮した。残渣を2M水酸化ナトリウム溶液とジエチルエーテルとの間に分配し、水層をpH4まで酸性とし、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水で洗浄し、乾燥し、減圧蒸発した。残渣をRPHPLCで精製した。収量:0.048g。
1H-NMR: DMSO-d6: δ 12.70 (1H, s), 7.52-7.39 (5H, m), 7.19 (1H, dd), 7.01 (1H, d), 6.57 (1H, d), 5.02 (1H, brs), 3.83 (2H, s).
MS: APCI (+ve) 262.
【0112】
実施例3
3−(5−クロロビフェニル−2−イル)プロパン酸
【化13】

(i) 5−クロロビフェニル−2−カルボアルデヒド
副題化合物は4−クロロ−2−ヨードベンズアルデヒドを使用して実施例2/工程(i)の方法によって製造した。
1H-NMR: CDCl3: δ 9.92 (1H, s), 7.97 (1H, d), 7.51-7.35 (7H, m).
【0113】
(ii) t−ブチル(2E)−3−(5−クロロビフェニル−2−イル)アクリレート
水素化ナトリウム(60重量%油中分散液、0.2g)をP,P−ジメチルホスホノ酢酸t−ブチルエステル(1.16g)の乾燥DMF(20ml)溶液に0〜5℃で加えた。30分後、工程(i)の生成物(0.93g)のDMF(5ml)溶液を加え、混合物をRTまで温めた。3時間後、混合物を水でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水で洗浄し、乾燥し、溶媒を減圧蒸発した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、5%酢酸エチル/イソヘキサンで溶離した。収量:1.22g。
MS: APCI (+ve) 259 (M+1-tBu).
【0114】
(iii) 3−(5−クロロビフェニル−2−イル)プロパン酸
工程(ii)の生成物(0.35g)と10%Pd/C(0.05g)とをエタノール(10ml)と酢酸エチル(10ml)との混合物中、2バールで8時間水素化し、次にセライトで濾過した。溶媒を減圧留去し、残渣をDCM(10ml)とトリフルオロ酢酸(3ml)との混合物に溶解し、RTで5時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をジエチルエーテル/イソヘキサンで磨砕し、次に濾取した。収量:0.045g。
1H-NMR CDCl3: δ 7.45-7.20 (8H, m), 2.88 (2H, t), 2.41 (2H, t).
MS: APCI (-ve) 259/261.
【0115】
実施例4
(2E)−3−(5−クロロビフェニル−2−イル)アクリル酸
【化14】

実施例3/工程(ii)の生成物(0.25g)をDCM(10ml)とトリフルオロ酢酸(3ml)とに溶解し、RTで4時間攪拌し、次に減圧濃縮した。残渣をジエチルエーテル/イソヘキサンで磨砕し、次に濾過した。収量:0.061g。
1H-NMR CDCl3: δ 7.72 (1H, d), 7.65 (1H, d), 7.48-7.28 (7H, m), 6.36 (1H, d).
MS: APCI (-ve) 257/9.
【0116】
実施例5
N−(5−クロロビフェニル−2−イル)−N−メチルグリシン
【化15】

実施例2/工程(ii)の生成物(1.2g)と炭酸水素ナトリウム(0.77g)とを硫酸ジメチル(5ml)中で90℃に2時間加熱した。混合物を2M塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥し、減圧濃縮した。残渣をRPHPLCで精製した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.54-7.27 (6H, m), 7.13-7.06 (2H, m), 3.46 (2H, s), 2.66 (3H, s).
MS: ESI (-ve) 274.
【0117】
実施例6
(5−クロロビフェニル−2−イル)酢酸
【化16】

(i) 5−クロロ−2−(クロロメチル)ビフェニル
水素化ホウ素ナトリウム(0.21g)を実施例3/工程(i)の生成物(1.15g)のメタノール(20ml)溶液に加え、RTで2時間攪拌した。混合物を水でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を乾燥し、減圧濃縮した。残渣をDCM(20ml)に溶解し、次に塩化チオニル(0.45ml)を加え、RTで2時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をジエチルエーテルと水との間に分配した。有機層を乾燥し、減圧濃縮して油状物を得た。収量:1.5g。
【0118】
(ii) (5−クロロビフェニル−2−イル)酢酸
工程(i)の生成物(1.5g)、シアン化ナトリウム(0.32g)及び18−クラウン−6(触媒量)をアセトニトリル(20ml)中で5時間加熱還流した。混合物を酢酸エチルと水との間に分配し、 有機層を乾燥し、溶媒を減圧蒸発した。残渣をエタノール(5ml)に溶解し、次に水酸化カリウム(0.3g)及び水(15ml)を加え、混合物を10時間加熱還流した。混合物を2M塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥し、減圧濃縮した。残渣をRPHPLCで精製した。収量:0.08g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 12.32 (1H, bs), 7.48-7.26 (8H, m), 3.32 (2H, s).
MS: ESI (-ve) 245 (M-1).
【0119】
実施例7
{[5−クロロ−4'−(エチルチオ)ビフェニル−2−イル]チオ}酢酸
【化17】

(i) 5−クロロ−4'−(エチルチオ)ビフェニル−2−アミン
副題化合物は4−(エチルチオ)ベンゼンボロン酸を用いる実施例2/工程(i)の方法によって製造した。
MS: ESI (+ve) 264.
【0120】
(ii) {[5−クロロ−4'−(エチルチオ)ビフェニル−2−イル]チオ}酢酸
亜硝酸ナトリウム(0.735g)の水(5ml)の溶液を工程(i)の生成物(2.8g)と濃塩酸(12ml)と水(30ml)との混合液に加え、混合物を5℃で攪拌した。混合物を15分間攪拌し、次にチオグリコール酸(0.74ml)を加え、続いて炭酸水素ナトリウム(2.25g)の水(25ml)の溶液を加えた。混合物を100℃に1時間加熱し、水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。水層を2M塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥し、減圧濃縮した。残渣をRPHPLCで精製した。収量:0.025g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.45-7.26 (7H, m), 3.74 (2H, s), 3.07-3.00 (2H, q), 1.30-1.27 (3H, t).
MS: ESI (-ve) 337 (M-1).
【0121】
実施例8
{[5−クロロ−4'−(エチルチオ)ビフェニル−2−イル]チオ}酢酸
【化18】

(i) 4−ブロモ−3−メチルフェニルエチルサルファイド
臭素(2.2ml)を1−(エチルチオ)−3−メチルベンゼン(6.6g)の酢酸(30ml)溶液に0℃で加えた。混合物をRTで2時間攪拌し、次に減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、ジクロロメタンで溶離した。収量:6.6g。
1H-NMR CDCl3: δ 7.43-6.97 (3H, m), 2.97-2.87 (2H, q), 2.36 (3H, s), 1.40-1.27 (3H, t).
【0122】
(ii) 2−[4−(エチルチオ)−2−メチルフェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
工程(i)の生成物(1g)、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.94ml)、トリエチルアミン(2.4ml)及び塩化[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)とDCMとの1:1複合体(0.16g)をジオキサン(20ml)中で10時間85℃に加熱した。混合物を塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を乾燥し、減圧濃縮し、残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、50%ジクロロメタン/イソヘキサンで溶離した。収量:0.7g。
1H-NMR CDCl3: δ 7.67-7.65 (1H, d), 7.08-7.05 (2H, m), 2.94-2.92 (2H, q), 2.50 (3H, s), 1.43-1.27 (15H, m).
【0123】
(iii) (4−クロロ−2−ヨードフェニル)アセトニトリル
4−クロロ−2−ヨードベンジルクロリド(4g)、シアン化ナトリウム(0.672g)及び18−クラウン−6(触媒量)をアセトニトリル(40ml)中で20時間加熱還流した。混合物をジエチルエーテルと水との間に分配し、有機層を乾燥し、溶媒を減圧蒸発した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、ジエチルエーテル/イソヘキサン(1:5)で溶離した。収量:2g。
1H-NMR CDCl3: δ 7.88-7.33 (3H, m), 3.79 (2H, s).
【0124】
(iv) [5−クロロ−4'−(エチルチオ)−2'−メチルビフェニル−2−イル]アセトニトリル
工程(ii)の生成物(0.6g)、工程(iii)の生成物(0.59g)、フッ化セシウム(0.69g)及び塩化[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)とDCMとの1:1複合体(0.08g)をジオキサン(20ml)中で20時間90℃に加熱した。混合物を酢酸エチルと水との間に分配し、有機層を乾燥し、溶媒を減圧蒸発した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、25%ジエチルエーテル/イソヘキサンで溶離した。収量:0.6g。
MS: ESI (-ve) 300 (M-1).
【0125】
(v) {[5−クロロ−4'−(エチルチオ)ビフェニル−2−イル]チオ}酢酸
工程(iv)の生成物(0.6g)と水酸化カリウム(0.135g)とをエタノール(10ml)及び水(10ml)中で72時間加熱還流した。混合物を2M塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥し、減圧濃縮した。残渣をDCM(10ml)溶解し、MCPBA(0.215g)を加え、混合物を1時間RTで攪拌し、次に減圧濃縮した。残渣をRPHPLCで精製した。収量:0.03g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.84-7.25 (6H, m), 3.53-3.16 (4H, m), 2.10 (3H, s), 1.15-1.09 (3H, t).
MS: ESI (-ve) 351 (M-1).
【0126】
実施例9
N−[4'−(エチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]グリシン
【化19】

(i) 4'−(エチルチオ)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−アミン
副題化合物は4−(エチルチオ)ベンゼンボロン酸及び2−ヨード−4−トリフルオロメチルアニリンを用いて実施例8/工程(ii)の方法によって製造した。
MS: ESI (-ve) 272 (M-1).
【0127】
(ii) 4'−(エチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−アミン
MCPBA(18.8g)を工程(i)の生成物(13g)のDCM(100ml)溶液に加え、RTで一夜攪拌した。混合物をDCM/メタ次亜硫酸ナトリウム水溶液との間に分配し、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で洗い、乾燥し、減圧濃縮した。収量:9.0g。
1H-NMR CDCl3: δ 8.03-7.35 (6H, m), 6.83-6.80 (1H, d), 4.15-4.04 (2H, bs), 3.21-3.14 (2H, q), 1.36-1.31 (3H, t).
【0128】
(iii) N−[4'−(エチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]グリシン酸エチル
四塩化チタン(DCM中1M)溶液(1.51ml)を工程(ii)の生成物(0.5g)、グリオキサル酸エチル溶液(0.3ml)及びトリエチルアミン(0.21ml)とDCM(10ml)との混合物に加え、RTで1時間攪拌した。混合物を水で洗浄し、乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、80%ジエチルエーテル/イソヘキサンで溶離した。収量:0.35g。
1H-NMR CDCl3: δ 8.04-6.60 (7H, m), 4.77-4.73 (1H, t), 4.25-4.18 (2H, q), 3.93-3.91 (2H, d), 3.22-3.14 (2H, q), 1.37-1.23 (6H, 2xt).
【0129】
(iv) N−[4'−(エチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]グリシン
水酸化ナトリウム(0.033g)の水(10ml)の溶液を工程(iii)の生成物(0.35g)のメタノール(10ml)溶液に加え、RTで一夜攪拌した。混合物を2M塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し、減圧蒸発し、残渣をRPHPLCで精製した。収量:0.13g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.99-7.29 (6H, m), 6.69-6.67 (1H, d), 5.78 (1H, t), 3.69 (2H, m), 3.41-3.32 (2H, q), 1.17-1.14 (3H, t).
MS: ESI (-ve) 386 (M-1).
【0130】
実施例10
3−[4'−(エチルスルホニル)−2'−メチル−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
【化20】

(i) 3−[2−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸メチル
3−[2−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸(2.04g)をあらかじめ調製しておいた塩化アセチル(0.48ml)のメタノール(30ml)溶液に加え、RTで2時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮した。収量:1.8g。
1H-NMR CDCl3: δ 7.80-7.26 (3H, m), 3.69-3.68 (3H, s), 3.15-3.10 (2H, t), 2.70-2.65 (2H, t).
【0131】
(ii) 3−[4'−(エチルチオ)−2'−メチル−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸メチル
副題化合物は工程(i)の生成物を用いて実施例8/工程(ii)の方法によって製造した。
1H-NMR CDCl3: δ 7.81-7.01 (6H, m), 3.60 (3H, s), 3.02-2.96 (2H, q), 2.85-2.65 (2H, t), 2.42-2.38 (2H, t), 2.01 (3H, s), 1.38-1.20 (3H, t).
【0132】
(iii) 3−[4'−(エチルスルホニル)−2'−メチル−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
副題化合物は工程(ii)の生成物を用いて実施例9/工程(ii)及び工程(iv)の方法によって製造した。収量:0.186g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.87-7.37 (6H, m), 3.38-3.31 (2H, q), 2.63-2.46 (1H, m), 2.09 (3H, s), 2.04-1.96 (2H, t), 1.54-1.24 (1H, m), 1.21-1.05 (3H, t).
MS: ESI(-ve) 399 (M-1).
【0133】
実施例11
({2−[4−(エチルスルホニル)−2−メチルフェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)酢酸
【化21】

(i) [(2−ヨード−6−メチルピリジン−3−イル)オキシ]酢酸t−ブチル
6−ヨード−2−ピコリン−5−オール(0.25g)、炭酸カリウム(0.15g)及びブロモ酢酸t−ブチル(0.17ml)をDMF(2ml)中、RTで一夜攪拌した。反応を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥し、減圧濃縮した。収量:0.28g。
【0134】
(ii) ({2−[4−(エチルスルホニル)−2−メチルフェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)酢酸
標記化合物は工程(i)の生成物を用いて実施例8/工程(iv)、実施例9/工程(ii)及び実施例4の方法によって製造した。収量:0.175g。
1H-NMR CDCl3: δ 7.80-7.73 (2H, m), 7.53 (1H, d), 7.42 (1H, d), 7.28 (1H, d), 4.73 (2H, s), 3.32 (2H, q), 2.48(3H, s), 2.13 (3H, s), 1.17 (3H, s).
MS: APCI (+ve) 350.
【0135】
実施例12
[2−(2−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸
【化22】

(i) [4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸
4−ヒドロキシベンゾ−トリフルオリド(10g)のテトラヒドロフラン(150ml)溶液を攪拌しつつ、これに水素化ナトリウム(60重量%油中分散液、2.96g)を−78℃で加えた。冷浴を除き、混合物を1時間攪拌し、次にブロモ酢酸メチル(7ml)を加えた。1時間後、水を加え、テトラヒドロフランを減圧留去し、残渣を酢酸エチルと2M塩酸との間に分配した。有機層を減圧濃縮し、残渣をテトラヒドロフラン(120ml)に溶解した。メタノール(30ml)、水(30ml)及び濃水酸化ナトリウム溶液(6ml)を加え、混合物をRTで一夜攪拌した。有機層を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルと2M塩酸との間に分配した。有機物を分離し、乾燥し、減圧濃縮した。収量:12.42g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 13.13 (1H, s), 7.65 (2H, d), 7.10 (2H, d), 4.80 (2H, s).
MS: APCI (-ve) 219 (M-1).
【0136】
(ii) [4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸(3−メチル−3−オキセタニル)メチルエステル
塩化オキサリル(14ml)を工程(i)の生成物(12.42g)とN、N−ジメチルホルムアミド(2滴)とのジクロロメタン(100ml)溶液に加え、RTで72時間攪拌した。混合物を減圧蒸発し、残渣をジクロロメタン(100ml)に溶解し、次にトリエチルアミン(20ml)と3−メチル−3−オキセタンメタノール(17ml)を加えた。2時間後、混合物を水で洗浄し、減圧蒸発し、残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、ジクロロメタンで溶離した。収量:14.2g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.66 (2H, d); 7.14 (2H, d); 4.98 (2H, s), 4.34 (2H, d); 4.24 (2H, s); 4.19 (2H, d), 1.21 (3H, s).
【0137】
(iii) 4−メチル−1−[[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン
三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(1.48ml)を工程(ii)の生成物(14.2g)のジクロロメタン溶液に−78℃で加えた。冷浴を除き、混合物を3時間攪拌し、次にトリエチルアミン(6.2ml)を加えた。混合物を半容まで減圧濃縮し、次に濾過した。濾液を減圧蒸発し、次に残渣をシリカクロマトグラフィー(精製トリエチルアミン1カラム容を予備的に流したシリカ)で精製し、ジクロロメタンで溶離した。収量:11.1g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.62 (2H, d); 7.14 (2H, d); 4.04 (2H, s); 3.91 (6H, s); 0.77 (3H, s).
MS: APCI (+ve) 305 (M+1).
【0138】
(iv) [2−ボロノ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸
工程(iii)の生成物(9.44g)のTHF(100ml)溶液を攪拌しつつ、これにsec−ブチルリチウムの溶液(66ml、1.4Mシクロヘキサン中)を10分間にわたって滴加し、−78℃で攪拌した。3時間後、混合物を5分間に−40℃まで温め、次に−78℃まで冷却した。硼酸トリメチル(14.1ml)を加え、10分後、反応を2M塩酸でクエンチした。混合物をRTに温め、有機層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を集めて減圧濃縮した。残渣をメタノール(500ml)に溶解し、次にボンドエルート−NH樹脂(180g)を加え、混合物を0.5時間振り混ぜ、次に濾過した。樹脂を10%酢酸/メタノールで洗い、洗液を減圧濃縮し、高真空下に乾燥した。残渣をメタノール(50ml)、テトラヒドロフラン(50ml)及び飽和水酸化ナトリウム水溶液(2ml)に溶解し、30分間放置後、2M塩酸(50ml)を加え、有機層を減圧濃縮した。残留する水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を分離し、乾燥し、減圧濃縮した。収量:5.05g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.07 (1H, s); 7.89 (2H, d); 7.75 (2H, dd); 7.14 (1H, d); 4.85 (2H, s).
MS: APCI (-ve) 263 (M-1).
【0139】
(v) [2−(2−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸
工程(iv)の生成物(0.1g)、2−ブロモチオフェン(0.12g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.046g)及び炭酸ナトリウム(0.12g)の混合物をメタノール(2ml)中、CEMマイクロ波(150Wまでの可変ワット数)で100℃に10分間加熱した。混合物をSCX樹脂(スルホン酸樹脂)に注入し、カラムをメタノールで洗い、次に生成物をメタノール/アンモニアで溶離した。メタノール/アンモニア濾液を減圧濃縮し、次にボンドエルート−NH樹脂に負荷した。樹脂をメタノールで洗い、次に生成物をメタノール/酢酸で溶離した。メタノール/酢酸濾液を濃縮し、残渣をRPHPLCで精製した。収量:0.039g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.96 (1H, d), 7.83 (1H, d), 7.64 (1H, d), 7.64 (1H, s), 7.23 (1H, d), 7.16 (1H, dd), 4.97 (2H, s)
MS: APCI (-ve) 301 (M-1).
【0140】
実施例13〜18
本実施例化合物は実施例12と類似の方法で合成した。
【0141】
実施例13
[2−(2−シアノ−3−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸
【化23】

1H-NMR DMSO-d6: δ 8.08 (1H, d), 7.60 (1H, d), 7.47 (1H, s), 7.65 (1H, d), 7.19 (1H, d), 4.59 (2H, s).
【0142】
実施例14
[2−(2−クロロ−3−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸
【化24】

1H-NMR DMSO-d6: δ 7.77 (1H, d), 7.65 (1H, s), 7.49 (1H, d), 7.31 (1H, d), 7.11 (1H, d), 4.52 (2H, s).
MS: APCI (+ve) 335 (M+1).
【0143】
実施例15
[2−(2,5−ジクロロ−3−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸
【化25】

1H-NMR DMSO-d6: δ 7.70 (1H, d), 7.64 (1H, s), 7.41 (1H, s), 7.16 (1H, d), 4.62 (2H, s).
【0144】
実施例16
[2−(3−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸
【化26】

1H-NMR DMSO-d6: δ 8.13 (1H, s), 7.87 (1H, s), 7.63 (2H, d), 7.61 (1H, d), 7.19 (1H, d), 4.86 (2H, s).
MS: APCI (-ve) 301 (M-1).
【0145】
実施例17
[2−(5−アセチル−2−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸
【化27】

1H-NMR DMSO-d6: δ 8.33 (1H, d), 7.92 (1H, d), 7.57 (1H, s), 7.59 (1H, d), 7.28 (1H, d), 4.72 (2H, s), 2.50 (3H, s) (under DMSO).
MS: APCI (-ve) 343 (M-1).
【0146】
実施例18
[2−(2−フリル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸
【化28】

1H-NMR DMSO-d6: δ 8.92 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.74 - 7.71 (m, 1H), 7.52 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.25 - 7.21 (m, 1H), 7.09 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.42 (s, 2H).
MS: APCI (-ve) 285 (M-1).
【0147】
実施例19
(2S)−2−[4−(トリフルオロメチル)−2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾ−ル−4−イル)フェノキシ]プロパン酸
【化29】

(i) ベンジル・2−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)フェニルエーテル
ベンジルブロミド(7.44ml)を2−ブロモ−4−トリフルオロメチルフェノール(16.75g)と炭酸カリウム(9.6g)との混合物にアセトニトリル(250ml)中で加えた。RTで一夜攪拌後、溶媒を減圧留去し、残渣をイソヘキサンと水との間に分配した。有機層を分離し、1M水酸化ナトリウム溶液、塩水で洗い、乾燥し、 減圧濃縮して油状物を得た。ピペリジン(2ml)を油状物に加え、次に混合物をジエチルエーテルと2M塩酸との間に分配し、有機層を分離し、塩水で洗い、乾燥し、 減圧濃縮した。収量:15.6g。
1H-NMR CDCl3: δ 7.83 (1H, d); 7.53-7.30 (6H, m); 6.98 (1H, d); 5.22 (2H, s).
【0148】
(ii) [2−(ベンジルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸
工程(i)の生成物(THF15ml中10g、5ml)溶液をマグネシウム削片とTHF(10ml)との混合物に加えた。反応が開始した時に反応温度を50℃に維持する速度で残りの溶液を加えた。1時間後、溶液を硼酸トリメチル(6.8ml)のTHF(15ml)溶液に0℃で加えた。混合物RTまで温め、2時間攪拌し、次に水に注入した。沈殿を濾過し、シリカクロマトグラフィーで精製し、20%酢酸エチル/イソヘキサンで溶離した。収量:4.5g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.02 (2H, s), 7.76 (1H, d), 7.70 (1H, m), 7.50 (2H, d), 7.41 (2H, m), 7.34 (1H, m), 7.21 (1H, d), 5.25 (2H, S).
【0149】
(iii) 4,4,5,5−テトラメチル−2−[2−(フェニルメトキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3,2−ジオキサボロラン
ピナコール(1.82g)を工程(ii)の生成物(4.54g)のジエチルエーテル(40ml)溶液に加え、RTで20時間攪拌した。反応液をジエチルエーテル(100ml)で希釈し、塩水で洗い、乾燥(MgSO)し、減圧濃縮した。収量:5.7g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.82 (d, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.6 (d, 2H), 7.4 (t, 2H), 7.32 (d, 1H), 7.27 (d, 1H), 5.24 (s, 2H), 1.32 (s, 12H).
【0150】
(iv) 2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)フェノール
10%Pd/C(0.5g)を工程(iii)の生成物のEtOAc(80ml)溶液に加え、RT、1バールで1時間水素化し、さらに3バールで3時間水素化した。触媒を濾去し、濾液を濃縮して固体の生成物を得た。収量:4.2g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 9.99 (d, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.63 (d, 1H), 6.99 (d, 1H), 1.3 (d, 12H).
【0151】
(v) 2−[2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−(2S)−プロパン酸・1,1−ジメチルエチルエステル
工程(iv)の生成物(2.86g)、R−乳酸t−ブチル(1.46g)及びトリフェニルホスフィン(2.62g)のTHF(50ml)溶液を攪拌しつつ、これにアゾジカルボン酸ジエチル(1.97ml)を0℃で加えた。混合物をRTまで温め、RTで一夜攪拌し、次に溶媒を減圧蒸発した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、酢酸エチル/イソヘキサンで溶離した。収量:4.0g。
【0152】
(vi) 2−[2−ボロノ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−(2S)−プロパン酸
TFA(10ml)を工程(v)の生成物(4.0g)のDCM(100ml)溶液に加え、30分間攪拌した。溶媒を蒸発し、残渣を1M塩酸(30ml)とアセトニトリル(30ml)との混合物に溶解した。1時間後、混合物を蒸発乾固し、1M水酸化ナトリウムに溶解し、エーテルで洗い、濃塩酸でpH2に調整した。水層はジエチルエーテルで抽出し、ジエチルエーテル層を塩水で洗い、乾燥(MgSO)し、減圧濃縮した。収量:2.0g。粗製の物質を工程(vii)に進めた。
【0153】
(vii) (2S)−2−[4−(トリフルオロメチル)−2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェノキシ]プロパン酸
工程(vi)の生成物(0.1g)、4−ブロモ−1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール(0.068g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.05g)、炭酸カリウム(0.2g)の混合物をジオキサン(2ml)中、CEMマイクロ波(150Wまでの可変ワット量)で100℃に20分間加熱した。溶媒を蒸発し、残渣をRPHPLCで精製した。収量:0.005g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.52 (1H, dd), 7.30 (1H, d), 6.95 (1H, d), 4.55 (1H, q), 3.68 (3H, s), 2.15 (3H, s), 2.04 (3H, s), 1.35 (3H, d).
MS: APCI (-ve) 341 (M-1).
【0154】
実施例20
(2S)−2−[2−[1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパン酸
【化30】

(i) 1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル・トリフルオロメタンスルホネート
1−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−オール(1.14g)とトリエチルアミン(0.50ml)とのDCM(25ml)溶液を攪拌しつつ、これにトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.15ml)を0℃で滴加した。2時間後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.5ml)を追加し、DCM層を水で洗浄し、乾燥し、減圧蒸発した。収量:2g。
1H-NMR CDCl3: δ 6.43 (1H, s), 3.90 (3H, s).
【0155】
(ii) (2S)−2−[2−[1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパン酸
副題化合物は工程の生成物(i)を用いて実施例19の方法によって製造した。収量:0.015g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.78 (1H, d), 7.64 (1H, d), 7.11 (1H, d), 6.86 (1H, s), 4.77 (1H, q), 3.88 (3H, s), 1.39 (3H, d).
MS: APCI (-ve) 381 (M-1).
【0156】
実施例21
(2S)−2−[2−[1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパン酸
【化31】

標記化合物は実施例20の方法によって製造した。収量:0.03g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.17 (1H, d), 7.64 (1H, dd), 7.53 (1H, s), 7.16 (1H, d), 4.99 (1H, q), 4.05 (3H, s), 1.54 (3H, d).
MS: APCI (-ve) 381 (M-1).
【0157】
実施例22
(2S)−2−[2−{1−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル}−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパン酸
【化32】

(i) 4−ブロモ−N,N,3−トリメチル−1H−ピラゾール−1−スルホンアミド
カリウムt−ブトキシドの溶液(THF中1M溶液、18ml)を4−ブロモ−3−メチルピラゾール(2.91g)のTHF(20ml)溶液に加えた。混合物をRTで20分間攪拌し、次にジメチルスルファモイルクロリド(1.94ml)を加え、一夜攪拌した。溶媒を減圧蒸発し、残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、20%酢酸エチル/イソヘキサンで溶離した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.47 (1H, s), 2.85 (6H, s), 2.23 (3H, s).
【0158】
(ii) (2S)−2−[2−{1−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル}−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパン酸
副題化合物は工程(i)の生成物を使用して実施例19の方法によって製造した。収量:0.05g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.40 (1H, s), 7.64 - 7.60 (2H, m), 7.07 (1H, d), 4.83 (1H, q), 2.87 (6H), 2.31 (3H, s), 1.42 (3H, d).
MS: APCI (-ve) 420 (M-1).
【0159】
実施例23
{[2−(3−シアノフェニル)ピリジン−3−イル]オキシ}酢酸
【化33】

(i) [(2−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]酢酸エチル
2−ブロモ−3−ヒドロキシピリジン(1g)、炭酸カリウム(0.873g)及びブロモ酢酸エチル(0.64ml)の混合物をDMF(10ml)中、RTで一夜攪拌し、次に水中に注入した。混合物をジエチルエーテルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、減圧濃縮した。収量1.4g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.00 (1H, dd), 7.46 (1H, dd), 7.38 (1H, dd), 4.99 (2H, s), 4.17 (2H, q), 1.21 (3H, t).
【0160】
(ii) {[2−(3−シアノフェニル)ピリジン−3−イル]オキシ}酢酸
工程(i)の生成物(0.7g)、3−シアノベンゼンボロン酸(0.39g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、2M炭酸ナトリウム溶液(8ml)の混合物をエタノール(8ml)及びトルエン(16ml)中、80℃で24時間加熱した。混合物を酢酸エチルと塩水との間に分配し、有機層を分離し、乾燥し、減圧濃縮した。残渣をRPHPLCで精製した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.45 (1H, dd), 8.36 - 8.31 (2H, m), 7.87 (1H, dt), 7.67 (1H, dt), 7.59 (1H, dd), 7.43 (1H, dd), 4.90 (2H, s).
MS: ESI (-ve) 253.
【0161】
実施例24
({2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)酢酸
【化34】

(i) [2−クロロ−4−(メチルチオ)フェニル]ボロン酸
n−ブチルリチウム溶液(ヘキサン中2.5M、390ml)を2.5時間にわたって4−ブロモ−3−クロロメチルチオフェノール(232g)及びトリイソプロピルボレート(224ml)のTHF(750ml)とトルエン(1L)との溶液に−70℃で滴加した。1時間攪拌後、混合物を放置して−30℃まで温め、2M塩酸(1L)を加えて反応をクエンチした。混合物を68時間攪拌し、有機層を分離し、水層をt−ブチルメチルエーテルで抽出した。有機層を集めて水で洗浄し、乾燥し、減圧濃縮して固体を得、これを2%t−ブチルメチルエーテル/イソヘキサン中で粉砕した。収量:149g。
1H-NMR CDCl3: δ 7.80 (1H, d); 7.16 (1H, s); 7.13 (1H, d); 6.35 (2H, s); 2.49 (3H, s).
【0162】
(ii) 2−[2−クロロ−4−(メチルチオ)フェニル]−6−メチルピリジン−3−オール
副題化合物は工程(i)の生成物及び6−ヨード−2−ピコリン−5−オールを使用して実施例23/工程(ii)の方法によって製造した。収量:0.4g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 9.64 (1H, s), 7.34 (1H, d), 7.26 (2H, d), 7.18 (1H, d), 7.09 (1H, d), 2.37 (3H, s), 2.54 (3H, s).
【0163】
(iii) ({2−[2−クロロ−4−(メチルチオ)フェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)酢酸エチル
副題化合物は工程(ii)の生成物を用いて実施例23/工程(i)の方法によって製造した。収量:0.25g。
【0164】
(iv) ({2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)酢酸
工程(iii)の生成物(0.25g)及びMCPBA(0.28g)のDCM(5ml)溶液をRTで一夜攪拌し、次に溶媒を減圧留去した。残渣を1M水酸化ナトリウム水溶液(1ml)とTHFに溶解し、混合物とをRTで72時間攪拌した。混合物をRPHPLCで精製した。収量:0.03g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.04 (1H, d), 7.93 (1H, dd), 7.75 (1H, d), 7.33 (1H, d), 7.25 (1H, d), 4.45 (2H, s), 3.34 (3H, s), 2.42 (3H, s).
MS: APCI (-ve) 354 (M-1).
【0165】
実施例25
(2S)−2−({2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)プロパン酸
【化35】

(i) 2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−メチルピリジン−3−オール
トリフルオロ酢酸(0.26ml)を実施例24/工程(ii)の生成物(0.447g)のDCM(20ml)の溶液に加えた。5分後、MCPBA(0.77g)を加え、混合物をRTで一夜攪拌し、次に炭酸水素ナトリウム水溶液、塩水で洗い、乾燥し、減圧濃縮した。収量:0.3g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 9.91 (1H, s), 8.04 (1H, d), 7.92 (1H, dd), 7.64 (1H, d), 7.25 (1H, d), 7.17 (1H, d), 3.34 (3H, s), 2.39 (3H, s).
【0166】
(ii) (2S)−2−({2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)プロパン酸
副題化合物は工程(i)の生成物を用いて実施例19/工程(v)〜工程(vi)の方法によって製造した。収量:0.26g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.07 (1H, d), 7.96 (1H, dd), 7.73 (1H, d), 7.41 (1H, d), 7.33 (1H, d), 4.92 (1H, q), 3.35 (3H, s), 2.44 (3H, s), 1.38 (3H, d).
MS: APCI (-ve) 368 (M-1).
【0167】
実施例26
{[6−アミノ−2−(3−シアノフェニル)ピリジン−3−イル]オキシ}酢酸
【化36】

(i) 3−(6−アミノ−3−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾニトリル
副題化合物は6−ブロモ−5−メトキシ−2−ピリジンアミン及び3−シアノフェニルボロン酸を用いて実施例23/工程(ii)の方法によって製造した。収量:0.3g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.25 (1H, m), 8.23 (1H, ddt), 7.79 (1H, dt), 7.62 (1H, td), 7.41 (1H, d), 6.53 (1H, d), 5.68 (2H, s), 3.74 (3H, s).
【0168】
(ii) 3−(6−アミノ−3−ヒドロキシピリジン−2−イル)ベンゾニトリル
三臭化ホウ素(DCM中1M、4.6ml)を工程(i)の生成物(0.26g)のDCM(10ml)溶液に0℃で加え、RTまで温め、5日間攪拌し、次に3時間加熱還流し、冷却し、氷を加えて反応を止めた。生成した沈殿を濾過し、乾燥した。収量:0.14g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 9.25 (1H, s), 8.42-8.37 (2H, m), 7.74 (1H, dt), 7.60 (1H, td), 7.14 (1H, d), 6.44 (1H, d), 5.47 (2H, s).
【0169】
(iii) {[6−アミノ−2−(3−シアノフェニル)ピリジン−3−イル]オキシ}酢酸
副題化合物は工程(ii)の生成物を用いて実施例19/工程(v)〜工程(vi)の方法によって製造した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.36 (1H, t), 8.24 (1H, dt), 7.89 (1H, dt), 7.72-7.60 (2H, m), 6.73 (1H, d), 4.72 (2H, s).
【0170】
実施例27
N−[4−クロロ−2−(5−メトキシ−1H−インドール−1−イル)フェニル]グリシン
【化37】

(i) 1−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−5−メトキシ−1H−インド−ル
4−クロロ−2−フルオロ−ニトロベンゼン(1.19g)、5−メトキシインドール(1g)及び炭酸カリウム(0.94g)の混合物をNMP(7ml)中、60℃で4時間、続いて70℃で16時間加熱した。混合物をジエチルエーテルと水との間に分配し、有機層を分離し、水で洗浄し、2M水酸化ナトリウム溶液、塩水で洗い、乾燥し、減圧蒸発した。収量:1.48g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.22 (1H, d), 7.93 (1H, d), 7.80 (1H, dd), 7.49 (1H, d), 7.16 (1H, d), 7.02 (1H, d), 6.80 (1H, dd), 6.65 (1H, d), 3.78 (3H, s).
【0171】
(ii) 4−クロロ−2−(5−メトキシ−1H−インドール−1−イル)アニリン
工程(i)の生成物(1.48g)及び鉄粉(1.5g)を酢酸中、RTで16時間攪拌し、続いてセライトで濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣を酢酸エチルと炭酸カリウム水溶液との間に分配し、有機層を分離し、乾燥し、減圧濃縮した。収量:0.838g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.36 (1H, d), 7.21 (1H, dd), 7.15 (1H, d), 7.10 (1H, d), 6.92 (2H, m), 6.79 (1H, dd), 6.59 (1H, d), 4.91 (2H, s), 3.77 (3H, s).
【0172】
(iii) N−[4−クロロ−2−(5−メトキシ−1H−インドール−1−イル)フェニル]グリシン酸エチル
工程(ii)の生成物(0.838g)、酢酸ナトリウム(0.76g)及びブロモ酢酸エチル(0.51ml)をエタノール(6ml)中、24時間加熱還流した。混合物を酢酸エチルと水との間に分配し、有機層を分離し、塩水で洗い、乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、10〜20%酢酸エチル/イソヘキサンで溶離した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.38 (1H, d), 7.34 (1H, dd), 7.17 (2H, m), 7.00 (1H, d), 6.80 (1H, dd), 6.76 (1H, d), 6.65 (1H, d), 4.99 (1H, t), 4.09 (2H, q), 3.92 (2H, d), 3.79 (3H, s), 1.18 (3H, t).
【0173】
(iv) N−[4−クロロ−2−(5−メトキシ−1H−インドール−1−イル)フェニル]グリシン
工程(iii)の生成物をTHF(3ml)及び2M 水性水酸化ナトリウム(4ml)中、RTで3時間攪拌し、次にジエチルエーテルと水との間に分配した。水層を酸性化し、酢酸エチルで抽出し、有機抽出物を乾燥し、減圧濃縮した。残渣はRPHPLCで精製した。収量:0.13g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.39 (1H, d), 7.34 (1H, dd), 7.18 (1H, d), 7.17 (1H, d), 7.01 (1H, d), 6.79 (1H, dd), 6.76 (1H, d), 6.65 (1H, dd), 4.86 (1H, t), 3.84 (2H, d), 3.79 (3H, s).
MS: APCI (-ve) 329 (M-1).
【0174】
実施例28
N−[4−クロロ−2−(5−シアノ−1H−インドール−1−イル)フェニル]グリシン
【化38】

標記化合物は実施例27の方法によって製造した。収量:0.102g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.22 (1H, d), 7.66 (1H, d), 7.48 (1H, dd), 7.35 (1H, dd), 7.22 (1H, d), 7.18 (1H, d), 6.86 (1H, dd), 6.70 (1H, d), 4.85 (1H, s), 3.29 (2H, s).
MS: APCI (-ve) 324 (M-1).
【0175】
実施例29
N−{4−クロロ−2−[5−(メチルスルホニル)−1H−インドール−1−イル]フェニル}グリシン
【化39】

標記化合物は実施例27の方法によって製造した。収量:0.12g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 12.65 (1H, s), 8.28 (1H, d), 7.66 (1H, m), 7.65 (1H, d), 7.38 (1H, dd), 7.29 (1H, d), 7.23 (1H, d), 6.95 (1H, dd), 6.78 (1H, d), 5.06 (1H, t), 3.81 (2H, d), 3.18 (3H, s).
MS: APCI (-ve) 377 (M-1).
【0176】
実施例30
[(5−クロロ−3'−シアノビフェニル−2−イル)チオ]酢酸
【化40】

(i) [(2−ブロモ−4−クロロフェニル)チオ]酢酸
チオグリコール酸(0.43ml)を水素化ナトリウム(油中60重量%、0.5g)とDMSO(5ml)との混合物に滴加した。30分後、2−ブロモ−4−クロロ−1−フルオロベンゼン(0.58ml)を加え、混合物を3時間100℃に加熱した。冷却後、水を加え、混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層を乾燥し、減圧濃縮した。収量:0.957g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.76 (1H, d), 7.48 (1H, dd), 7.31 (1H, d), 3.93 (2H, s).
【0177】
(ii) [(2−ブロモ−4−クロロフェニル)チオ]酢酸メチル
(トリメチルシリル)ジアゾメタン溶液(ジエチルエーテル中2M、2ml)を工程(i)の生成物(0.68g)のメタノール(5ml)溶液に加え、10分間RTで攪拌した。溶媒を減圧留去して油状物を得た。収量:0.64g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.77 (1H, d), 7.47 (1H, d), 7.33 (1H, dd), 4.05 (2H, s), 3.66 (3H, s).
【0178】
(iii) [(5−クロロ−3'−シアノビフェニル−2−イル)チオ]酢酸
標記化合物は工程(ii)の生成物及び3−シアノフェニルボロン酸を用いて実施例8/工程(ii)及び実施例27/工程(iv)の方法によって製造した。収量:0.028g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 12.82 (1H, bs), 7.90 (2H, m), 7.76 (1H, dt), 7.67 (1H, t), 7.49 (2H, d), 7.38 (1H, t), 3.77 (2H, s).
MS: APCI (-ve) 302 (M-1).
【0179】
実施例31
3−[4'−(メチルスルホニル)−3',5−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
【化41】

(i) 3−[4'−(メチルチオ)−3',5−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸メチル
副題化合物は実施例10/工程(ii)の生成物及び4,4,5,5−テトラメチル−2−[4−(メチルチオ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3,2−ジオキサボロラン[WO 2004 089885A1]を用いて実施例8/工程(ii)及び実施例9/工程(ii)の方法で製造した。
1H-NMR CDCl3: δ 8.42 (1H, d), 7.86 (1H, s), 7.75 (1H, d), 7.67 (1H, d), 7.49 (1H, d), 7.45 (1H, s), 3.63 (3H, s), 3.27 (3H, s), 2.93 (2H, t), 2.52 (2H, t).
【0180】
(ii) 3−[4'−(メチルスルホニル)−3',5−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
標記化合物は実施例9/工程(iv)の方法により工程(i)の生成物を用いて製造した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 12.16 (1H, s), 8.32 (2H, d), 8.05 (1H, s), 8.01 (1H, d), 7.79 (1H, d), 7.68 (1H, d), 3.38 (3H, s), 2.82 (2H, t), 2.52 (2H, t).
MS: APCI (-ve) 439 (M-1).
【0181】
実施例32
3−(5−クロロ−3'−シアノビフェニル−2−イル)プロパン酸
【化42】

(i) (4−クロロ−2−ヨードベンジル)マロン酸
4−クロロ−2−ヨードトルエン(16.5g)、N−ブロモサクシンイミド(12.5g)、過酸化ベンゾイル(0.5g)及び酢酸エチル(300ml)をフラスコに入れ、ハロゲンランプで4時間照射し、冷却し、溶媒を減圧留去した。イソヘキサン(300ml)を加え、得られる固体を濾過した。濾液を減圧濃縮した。DMF(20ml)を加え、溶液をマロン酸ジメチルのナトリウム塩[マロン酸ジメチル(10.7ml)を水素化ナトリウム(60重量%、2.8g)のDMF(80ml)溶液に滴加し、1時間攪拌して製造]混合物に加えた。1時間攪拌後、混合物を2MのHClでクエンチし、エーテルと水との間に分配した。有機層を分離し、水で洗浄し、減圧濃縮した。残渣をメタノール(40ml)/THF(40ml)に溶解し、次に2M水酸化ナトリウム(100ml)と一夜攪拌し、次に還流下に6時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をエーテルで抽出した。水層を2MのHClで酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し、減圧濃縮した。収量:14.4g。
MS: ESI (-ve) 353 (M-1).
【0182】
(ii) 3−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)プロパン酸メチルエステル
工程(i)の生成物(14.4g)を130℃に2時間加熱し、次にRTに冷却した。メタノール(250ml)、次に塩化トリメチルシリル(30ml)を加え、混合物をRTで18時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、5%酢酸エチル/イソヘキサンで溶離した。収量9.84g。
1H-NMR CDCl3: δ 7.8 (1H, s), 7.26 (1H, d), 7.17 (1H, d), 3.68 (3H, s), 3.02 (2H, t), 2.61 (2H, t).
【0183】
(iii) 3−(5−クロロ−3'−シアノビフェニル−2−イル)プロパン酸メチル
副題化合物は工程(ii)の生成物及び3−シアノフェニルボロン酸を用いて実施例8/工程(iv)の方法によって製造した。
1H-NMR CDCl3: δ 7.71-7.68 (1H, m), 7.63-7.52 (3H, m), 7.32 (1H, d), 7.24 (1H, d), 7.18 (1H, s), 3.61 (3H, s), 2.84 (2H, t), 2.41 (2H, t).
【0184】
(iv) 3−(5−クロロ−3'−シアノビフェニル−2−イル)プロパン酸
標記化合物は工程(iii)の生成物を用い実施例9/工程(iv)の方法で製造した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 12.10 (1H, s), 7.91-7.86 (2H, m), 7.73-7.64 (2H, m), 7.46-7.4 (2H, m), 7.28 (1H, s), 2.72 (2H, m), 2.38 (2H, t).
MS: APCI (-ve) 439 (M-1).
【0185】
実施例33
3−[2',5−ジクロロ−4'−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
【化43】

(i) 3−[2',5−ジクロロ−4'−(メチルチオ)ビフェニル−2−イル]プロパン酸メチル
副題化合物は、実施例32/工程(iii)の生成物及び[2−クロロ−4−(メチルチオ)フェニル]ボロン酸[WO 2004 089885A1]を用いて、実施例8/工程(ii)の方法によって製造した。
1H-NMR CDCl3: δ 7.32-7.29 (2H, m), 7.25 (1H, d), 7.21 (1H, d), 7.17 (1H, s), 7.13-7.11 (1H, m), 3.6 (3H, s), 2.82-2.65 (2H, m), 2.53 (3H, s), 2.41 (2H, t).
【0186】
(ii) 3−[2',5−ジクロロ−4'−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸メチル
副題化合物は工程(i)の生成物を用いて実施例9/工程(ii)の方法によって製造した。
MS: ESI (+ve) 357 (M-OMe).
【0187】
(iii) 3−[2',5−ジクロロ−4'−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
標記化合物は工程(ii)の生成物を用いて実施例9/工程(iv)の方法によって製造した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 12.12 (1H, s), 8.14 (1H, s), 7.98 (1H, d), 7.66 (1H, d), 7.5-7.44 (2H, m), 7.24 (1H, s), 3.37 (3H, s), 2.68-2.35 (4H, m).
MS: APCI (-ve) 371 (M-1).
【0188】
実施例34
3−[3'−フルオロ−4'−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
【化44】

(i) 1−(4−ブロモ−2−フルオロベンゾイル)ピロリジン
塩化オキサリル(0.65ml)を4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸(1.5g)のDCM(20ml)溶液に加え、続いてDMF(触媒量)を加えた。混合物を1時間攪拌し、次にトルエンを加え、減圧蒸発した。残渣をDCM(20ml)に再度溶解し、ピロリジン(1.2ml)を加え、次に一夜攪拌した。混合物を水とDCMとの間に分配し、乾燥し、溶媒を留去して副題化合物を得た。収量:2g。
【0189】
(ii) 2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸
トリシクロヘキシルホスフィン(2.21g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(0.34g)及びジオキサン(30ml)をフラスコに入れ、30分間攪拌した。ビス(ピナコラト)ジボラン(1.96g)、工程(i)の生成物及び酢酸カリウム(1.12g)を加え、混合物を16時間攪拌した。混合物を水と酢酸エチルとの間に分配し、乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、50%酢酸エチル/イソヘキサンで溶離した。収量:9.84g。
MS: ESI (+ve) 320 (M+1).
【0190】
(iii) 3−[3'−フルオロ−4'−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
実施例10/工程(ii)の生成物(280mg)、工程(ii)の生成物(290mg)、塩化[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(33mg)、炭酸ナトリウム(190mg)及びジオキサン(10ml)をフラスコに入れ、90℃に16時間加熱した。反応混合物を2MのHClで希釈し、酢酸エチルで抽出し、乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を逆相HPLCで精製して標記化合物を得た。収量:30mg。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.78-7.26 (6H, m), 3.52-3.48 (2H, t), 2.88-2.83 (2H, t), 3.25-3.17 (2H, t), 2.44-2.38 (2H, t), 1.99-1.82 (4H, m).
MS: APCI (-ve) 408 (M-1).
【0191】
実施例35
3−[2'−クロロ−4'−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
【化45】

標記化合物は実施例10/工程(ii)の生成物及び[2−クロロ−4−(メチルチオ)フェニル]ボロン酸[WO 2004 089885A1]を用いて実施例8/工程(iv)及び実施例9/工程(iv)の方法によって製造した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 12.31 (1H, s), 8.165-8.16 (1H, s), 8.0 (1H, d), 7.8-7.66 (3H, m), 7.52 (1H, s), 3.37 (3H, s), 2.76-2.55 (2H, m), 2.46-2.32 (2H, t).
MS: APCI (-ve) 405 (M-1).
【0192】
実施例36
3−[4'−(エチルスルホニル)−3',5−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
【化46】

(i) 4−ブロモ−1−(エチルチオ)−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン
ナトリウムチオエトキシド(3.64g)及び5−ブロモ−2−フルオロベンゾトリフルオリド(7.71g)の混合物をDMF(15ml)中50℃で1.5時間加熱し、次に水に注入し、エーテルで抽出した。有機層を乾燥し、減圧濃縮した。収量:6.78g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 7.52(1H, d); 7.34(1H, dd); 7.11(1H, d); 2.93(2H, q), 1.33(3H, t).
【0193】
(ii) [4−(エチルチオ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸
n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.9M、10ml)を工程(i)の生成物(6.65g)及びホウ酸トリイソプロピル(6ml)のTHF(20ml)溶液に−78℃で滴加した。1時間攪拌し、次に水性HCl(16ml)を加えて反応をクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、50%ペトロール/エーテルで溶離した。収量:1.76g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.17 (1H, s), 7.89-7.69 (2H, m), 3.04 (2H, q), 1.03 (3H, t).
【0194】
(iii) 3−[4'−(エチルスルホニル)−3',5−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
標記化合物は実施例10/工程(ii)の生成物及び前工程(ii)の生成物を用いて実施例8/工程(iv)の方法及び実施例9/工程(iv)の方法によって製造した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.26-8.24 (1H, d), 8.06 (2H, t), 7.72-7.58 (3H, m), 3.46-3.41 (2H, t), 2.74-2.67 (2H, t), 2.12-2.08 (2H, t), 1.23-1.19 (3H, t).
MS: APCI (-ve) 453 (M-1).
【0195】
実施例37
3−[3'−シアノ−5'−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
【化47】

標記化合物は実施例10/工程(ii)の生成物及び(3−シアノ−5−フルオロフェニル)ボロン酸を用いて実施例8/工程(iv)の方法及び実施例9/工程(iv)の方法によって製造した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 12.31 (1H, s), 8.06-8.00 (2H, m), 7.79-7.77 (1H, d), 7.67-7.58 (3H, m), 2.7-2.66 (2H, t), 2.45-2.42 (2H, t).
MS: APCI (-ve) 336 (M-1).
【0196】
実施例38
3−[3'−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
【化48】

標記化合物は実施例10/工程(ii)の生成物及び(3−シアノフェニル)ボロン酸を用いて実施例8/工程(iv)の方法及び実施例9/工程(iv)の方法によって製造した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 12.32 (1H, s), 7.91-7.89 (2H, m), 7.75-7.54 (4H, m), 7.53 (1H, s), 2.7-2.83-2.79 (2H, t), 2.44-2.33 (2H, t).
MS: APCI (-ve) 318 (M-1).
【0197】
実施例39
3−[5−クロロ−3'−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
【化49】

(i) 4−ブロモ−2−フルオロ−1−(フェニルチオ)ベンゼン
亜硝酸イソアミル(2.02ml)を4−フルオロ−2−クロロアニリン(2g)、ジフェニルジスルフィド(2.22g)、及びアセトニトリル(30ml)の混合物に加え、60℃で2時間攪拌した。反応混合物を濃縮して副題化合物を得た。収量:1.04g。
1H-NMR CDCl3: δ 7.5-7.38 (4H, m), 7.26-7.21 (3H, m), 7.08-6.9 (1H, m).
【0198】
(ii) 4−ブロモ−2−フルオロ−1−(フェニルスルホニル)ベンゼン
MCPBA(4.17g)を工程(i)の生成物(1.04g)のジクロロメタン(20ml)溶液に加え、2時間攪拌した。反応混合物をメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液、次に炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った。有機層を乾燥し、次に減圧濃縮して副題化合物を得た。収量:1.15g。
1H-NMR CDCl3: δ 7.5-7.38 (4H, m), 7.26-7.20 (3H, m), 7.02 (1H, m).
【0199】
(iii) 3−[5−クロロ−3'−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
標記化合物は実施例32/工程(ii)の生成物及び工程(ii)の生成物を用いて実施例8/工程(iv)の方法及び実施例9/工程(iv)の方法によって製造した。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.12-8.06 (1H, t), 8.01-7.93 (2H, m), 7.8-7.62 (3H, m), 7.51-7.29 (4H, m), 7.14-7.13 (1H, s), 2.73-2.69 (2H, t), 2.40-2.63 (2H, t).
MS: APCI (-ve) 417 (M-1).
【0200】
実施例40
3−[5−クロロ−4'−(ピリジン−2−イルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
【化50】

(i) 2−[(4−ブロモフェニル)チオ]ピリジン
水素化ナトリウム(60重量%、0.211g)を4−ブロモベンゼンチオール(1g)のDMF(20ml)溶液に加え、30分間攪拌し、次に2−クロロピリジン(0.5ml)を加えた。反応混合物を80℃で20時間攪拌した。反応混合物を2M水酸化ナトリウムで希釈し、酢酸エチルで抽出し、次に有機層を乾燥し、減圧蒸発した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、50%エーテル/イソヘキサンで溶離した。収量:1g。
【0201】
(ii) 2−[(4−ブロモフェニル)スルホニル]ピリジン
副題化合物は工程(i)の生成物を用いて実施例39/工程(ii)の方法によって製造した。
MS: ESI (+ve) 299 (M+H).
【0202】
(iii) 3−[5−クロロ−4'−(ピリジン−2−イルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸
工程(ii)の生成物(0.6g)、テトラキスパラジウムトリフェニルホスフィン(0)(0.23g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1g)、酢酸カリウム(0.88g)及びDMF(20ml)をフラスコに添加し、4時間90℃で攪拌した。実施例9/工程(iv)の生成物(0.6g)とフッ化セシウム(1モル当量)とを加え、90℃で8時間攪拌した。反応物を冷却し、水で希釈し、次に酢酸エチル抽出し、乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーで精製し、ジエチルエーテルで溶離した。この生成物を6N−HCl(20ml)に溶解し、80℃に4時間加熱し、次に炭酸水素ナトリウム溶液を加えて反応をクエンチした。酢酸エチルで抽出し、乾燥し、濃縮した。残渣を逆相HPLCで精製して標記化合物を得た。収量:0.1g。
1H-NMR DMSO-d6: δ 8.74-8.72 (1H, m), 8.27-8.24 (1H, d), 8.19-8.15 (1H, t), 8.04-8.01 (2H, d), 7.69-7.63 (1H, m), 7.61 (2H, d), 7.44-7.43 (2H, m), 7.41 (1H, s), 2.71-2.65 (2H, t), 2.37-2.32 (2H, t).
MS: APCI (-ve) 400 (M-1).
【0203】
薬理データ
リガンド結合検定
[H]PGDはPerkin Elmer Life Sciences社から100〜210Ci/ミリモルの放射能を持つものを購入した。その他の試薬は全て分析級とした。
【0204】
rhCRTh2/Gα16を発現するHEK細胞を常法により、10%ウシ胎児血清(HyClone社)、1mg/mlゲネチシン、2mMのL−グルタミン及び1%非必須アミノ酸を添加したDMEM中に保持した。膜を製造するために、接着遺伝子移入HEK細胞を2層組織培養ファクトリー(Fisher、カタログ番号TKT-170-070E)でコンフルエンスまで増殖させた。受容体発現の最高レベルを培養の最終18時間に500mM酪酸ナトリウムを存在させること」によって誘導した。接着細胞は燐酸緩衝食塩水(PBS、ファクトリー当り50ml)で一回洗浄し、ファクトリー当り50mlの氷冷膜ホモジナイズ緩衝液[20mMのHEPES(pH7.4)、0.1mMジチオスレイトール、1mMのEDTA、0.1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド及び100μg/mlバチトラシン]を加えて脱着した。細胞を220×g、10分間4℃で遠心分離してペレット化し、原容積の半容量の新鮮な膜ホモジェネート化緩衝液に再度懸濁し、次にPolytronホモゲナイザーを用いて2×20秒間バーストによって破壊したが、この全工程ではチューブを氷中に保持した。非破壊細胞を220×g、10分間4℃で遠心分離して除去し、膜分画を90000×g、30分間4℃で遠心分離してペレット化した。最終ペレットを細胞ファクトリー当り膜ホモジナイズ緩衝液4mlに再度懸濁し、蛋白質含量を測定した。膜は適量に分けて−80℃で保存した。
【0205】
全検定はCorning透明底白色96穴NBSプレート(Fisher)中で行った。検定前に、SPA/PVT/WGAビーズ(Amersham)にCRTh2を含むHEK細胞膜をコーティングした。このコーティングのためにはビーズを膜とインキュベーションしたが、典型的にはビーズ1mg当り膜蛋白質25μgを4℃で一夜定常的に攪拌した(最適コーティング濃度は膜の各バッチ毎に測定した)。ビーズを遠心分離(800×g、7分、4℃)してペレット化し、検定緩衝液(5mM塩化マグネシウム添加50mMのHEPES、pH7.4)で1回洗い、最後に検定緩衝液にビーズ濃度10mg/mlになるように再度懸濁した。
【0206】
各検定液は検定緩衝液に6.25nMの[H]PGD液20μL、検定緩衝液中膜飽和SPAビーズ20μL、及び化合物溶液又は13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD(非特異的結合を測定するためのDK−PGD、Cayman chemical company)10μLを添加したものである。すなわち、化合物及びDK−PGDはDMSOに溶解し、同溶媒で必要最終濃度の100×に希釈した。検定緩衝液を加えて最終濃度10%DMSO(ここでは化合物は必要な最終濃度の10×であった)とし、この溶液を検定プレートに加えた。検定用プレートをRTで2時間インキュベーションし、Wallac Microbeta液体シンチレーションカウンター(ウェル当り1分)でカウントした。
【0207】
式(I)で示される化合物は10μM以下(<)のIC50値を示す。特に、実施例11はpIC50=7.2を示し、実施例22はpIC50=8.0を示し、及び実施例31はpIC50=7.4を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
XはYCR又はCR=CRである;
Aはアリール又はヘテロアリールであるが、この基は要すれば水素、ハロゲン、CN、OH、SH、ニトロ、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)、OR、NR又はC1〜6アルキルから独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよく、この後ろの1個の基は要すればハロゲン原子1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
Bはアリール又はヘテロアリールであるが、この基は要すれば水素、ハロゲン、CN、OH、SH、ニトロ、CO、COR、SO、OR、SR、SOR、SONR10、CONR10、NR10、NHSO、NRSO、NRCO、NHCOR、NRCOR、NRCONR、NRSONR、アリール、ヘテロアリール、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル又はC1〜6アルキルから独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよく、この後ろの4個の置換基は要すればハロゲン、C〜Cシクロアルキル、OR、NR、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)、CONR、NRCOR、SONR及びNRSOから独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
X及びBは相互にオルト位で該アリール環又はヘテロアリール環に結合する;
Yは結合、O、S(O)(ここにnは0、1又は2である)、NR又はCRである;
及びRは独立に水素原子、ハロゲン、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル又はC1〜6アルキル基を示すが、後ろの4個の基は要すればハロゲン、C〜Cシクロアルキル、NR、OR、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)から独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
又は
及びRは一緒になって要すればO、S、NR11から選択された原子1個又はそれ以上を含んでいてもよい3〜8員環を形成できるが、それ自体は要すればC〜Cアルキル又はハロゲン1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
及びRは独立に水素又はC1〜6アルキルを示す;
はC1〜6アルキル又はC〜Cシクロアルキルであるが、この基は要すればハロゲン原子1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
及びRは独立に水素原子、C〜Cアルキル又はC〜Cシクロアルキルを示すが、この基は要すればハロゲン原子1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
はアリール、ヘテロアリール、C〜Cシクロアルキル又はC1〜6アルキルを示すが、後ろの2個の基は要すればハロゲン、C〜Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OR及びNR、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)、CONR、NRCOR、SONR及びNRSOから独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
及びR10は独立にアリール又はヘテロアリール、水素、C〜Cシクロアルキル又はC1〜6アルキルを示すが、後ろの2個の基は要すればハロゲン、C〜Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OR及びNR、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)、CONR、NRCOR、SO2NR及びNRSOから独立に選択された置換基1個又はそれ以上で置換されていてもよいものとする;
又は
及びR10はそれらが結合する窒素原子と一緒になって要すればO、S(O)(ここに、nは0、1又は2である)、NR11から選択される原子1個又はそれ以上を含んでいてもよい3〜8員飽和ヘテロ環を形成できるが、それ自体は要すればハロゲン又はC〜Cアルキルで置換されていてもよいものとする;及び
11は水素原子、C1〜6アルキル、C〜Cシクロアルキル、SO又はCOC〜Cアルキルを示す;
但し:
●YがOであり、A=フェニルである時には、Bはアリール、又は窒素原子1個又はそれ以上を含む6員へテロ芳香環、又はO、N、S原子1個又はそれ以上を含む6,6−又は6,5−縮合二環式環ではないものとする;及び
●YがOであり、Bがフェニル、又はO、N、S原子1個又はそれ以上を含む6,6−又は6,5−縮合二環式環である時には、Aはアリールではないものとする]
で示される化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
【請求項2】
Aが、酸に対してパラ位でハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、アミノ又はC1〜3アルキルで置換されているフェニル又は窒素原子1個又はそれ以上を含む6員ヘテロ芳香環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、酸に対してパラ位でハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、アミノ又はC1〜3アルキルで置換されているフェニル又はピリジルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
XがCHCH、CHS、CHNH、CHNMe、CHO、CH、CH=CH又はCHCHOである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
XがCHCH、CHS、CHNH、CHNMe、CH又はCH=CHである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Bが、いずれも要すれば請求項1に定義した通りに置換されていてもよいフェニル、ピラゾール、チエニル、フリル又はインドリルである、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
次の化合物から選択される請求項1に記載の化合物及びその医薬的に許容される塩:
(4−クロロ−2−イソオキサゾール−5−イルフェノキシ)酢酸;
N−(5−クロロビフェニル−2−イル)グリシン;
3−(5−クロロビフェニル−2−イル)プロパン酸;
(2E)−3−(5−クロロビフェニル−2−イル)アクリル酸;
N−(5−クロロビフェニル−2−イル)−N−メチルグリシン;
(5−クロロビフェニル−2−イル)酢酸;
{[5−クロロ−4'−(エチルチオ)ビフェニル−2−イル]チオ}酢酸;
[5−クロロ−4'−(エチルスルホニル)−2'−メチルビフェニル−2−イル]酢酸;
N−[4'−(エチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]グリシン;
3−[4'−(エチルスルホニル)−2'−メチル−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
({2−[4−(エチルスルホニル)−2−メチルフェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)酢酸;
[2−(2−シアノ−3−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[2−(2−フリル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[2−(2−クロロ−3−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[2−(2,5−ジクロロ−3−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[2−(2−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[2−(3−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[2−(5−アセチル−2−チエニル)−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸;
[(5−クロロ−3'−シアノビフェニル−2−イル)チオ]酢酸;
(2S)−2−[2−[1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパン酸;
(2S)−2−[4−(トリフルオロメチル)−2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェノキシ]プロパン酸;
(2S)−2−[2−[1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパン酸;
(2S)−2−[2−{1−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル}−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパン酸;
N−[4−クロロ−2−(5−メトキシ−1H−インドール−1−イル)フェニル]グリシン;
N−[4−クロロ−2−(5−シアノ−1H−インドール−1−イル)フェニル]グリシン;
({2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)酢酸;
{[2−(3−シアノフェニル)ピリジン−3−イル]オキシ}酢酸;
(2S)−2−({2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−メチルピリジン−3−イル}オキシ)プロパン酸;
{[6−アミノ−2−(3−シアノフェニル)ピリジン−3−イル]オキシ}酢酸;
N−{4−クロロ−2−[5−(メチルスルホニル)−1H−インドール−1−イル]フェニル}グリシン;
3−[4'−(メチルスルホニル)−3',5−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−(5−クロロ−3'−シアノビフェニル−2−イル)プロパン酸;
3−[2',5−ジクロロ−4'−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[3'−フルオロ−4'−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[2'−クロロ−4'−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[4'−(エチルスルホニル)−3',5−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[3'−シアノ−5'−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[3'−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[5−クロロ−3'−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸;
3−[5−クロロ−4'−(ピリジン−2−イルスルホニル)ビフェニル−2−イル]プロパン酸。
【請求項8】
治療における使用のための、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1〜請求項7に定義した式(I)で示される化合物又は医薬的に許容される塩の治療的有効量を患者に投与することを含む、プロスタグランジンD2が介在する疾患を処置する方法。
【請求項10】
請求項1〜請求項7に定義した式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物の治療的有効量を患者に投与することを含む、たとえば喘息及び鼻炎のような呼吸器疾患に罹患した患者又は罹患の恐れがある患者における呼吸器疾患を処置する方法。

【公表番号】特表2008−515866(P2008−515866A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535229(P2007−535229)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【国際出願番号】PCT/GB2005/003794
【国際公開番号】WO2006/037982
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】