説明

ポリマー溶液を基板上に塗布する方法及び装置

ポリマー溶液を基板、例えば半導体ウェーハ上に塗布する方法及び装置を提供する。本発明による方法は、基板を用意するステップを有する。ポンプを用いてポリマー溶液を基板の表面上に小出しする。ポンプは、バッファタンク及びポリマー溶液源と直列に連結され、ポンプは、ポリマー溶液を小出しするために、連続流路内のポリマー溶液をポリマー溶液源及びバッファタンクから引き出す。ポリマー溶液源は、ポリマー溶液をポリマー溶液源からバッファタンク内に移送することができる圧力源に連結されている。バッファタンクは、ポンプが空気を引き込んでこれを基板の表面上に小出しするのを防止するためにポリマー溶液を比較的一定のレベルに維持するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示内容は、ポリマー溶液、例えばフォトレジストポリマー溶液を基板、例えばシリコン基板の表面全体に塗布する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の製造では、マスクに施された幾何学的形状を半導体ウェーハの表面に転写する。しかる後、これら幾何学的形状に対応し又は幾何学的形状相互間の領域に対応した半導体ウェーハをエッチングにより除去する。半導体ウェーハへのマスクからの形状の転写は、典型的には、リソグラフィプロセスを含む。これは、感光性プレポリマー溶液を半導体ウェーハに塗布するステップを含む。プレポリマー溶液中の溶剤を蒸発により除去し、その結果得られたポリマーフィルムをベーキング(焼成)する。フィルムを、所望の幾何学的パターンを支持したフォトマスクを通して放射線、例えば紫外線に当てる。次に、ウェーハを現像液中に浸漬することにより、感光性物質中の像を現像する。感光性物質の性状に応じて、現像プロセス中に露出し又は露出していない領域を除去する。しかる後、ウェーハをエッチング液中に入れ、このエッチング液は、感光性物質によっては保護されていない領域を除去する。感光性物質は、エッチングプロセスに対するこれらの抵抗に起因して、フォトレジストとも呼ばれている。これら感光性物質は例えば、紫外線、電子ビーム、x線又はイオンビーンに対して敏感である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フォトレジスト溶液を基板上に小出しするための装置及び方法が開発された。典型的には、この装置は、フォトレジスト溶液の入ったリザーバに連結されているポンプを有する。リザーバをフォトレジスト溶液源からのフォトレジスト溶液で満たすのがよい。典型的には、フォトレジスト溶液をフォトレジスト溶液源からリザーバ内に移送するのに真空源を用いるのがよい。現行の装置及び方法に関する問題の1つは、基板に塗布されたフォトレジストのフォトレジスト膜が不均一であるということにある。例えば、フォトレジスト溶液源が低レベル状態にあり、交換が必要とされる場合、微小な泡及び空気が、装置に入り込む場合があり、それによりフォトレジスト膜の不均一性を生じさせる。加うるに、フォトレジスト溶液を移送するために真空が用いられる場合、はねかけ(splattering)がリザーバ中に生じがちであり、それにより、ポリマー溶液の粘度が経時的に変化し又は増大し、結果的に得られる膜のレベリングを阻害する。これにより、フォトレジスト膜の厚さに関する不均一性が生じる。
【0004】
フォトレジスト溶液(又は他のポリマー溶液)のコストが高いので、塗布プロセスの効率を上げてポリマー溶液の消費量を最小限に抑える方法を案出することが望ましい。さらに、フォトレジスト層の厚さの均一性は、集積回路の製造における重要な基準である。厚さの均一性は、半導体ウェーハ上への幾何学的形状の満足のいく再現を保証する。
【0005】
開示内容は添付の図面の図に実施形態により非限定的に示されている。添付の図中、同一の符号は同様な要素を示している。本発明は、以下の説明及び本発明の実施形態を示すために用いられている添付の図面を参照することにより最もよく理解できる。
【0006】
説明対象の実施形態の特徴は、特許請求の範囲に具体的に記載されている。これら実施形態は、以下の説明及び添付の図面を参照することにより最もよく理解され、図中、互いに実質的に同じ部品は、同一の参照符号で示されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一特徴では、一実施形態は、基板の表面にポリマー溶液を塗布する方法を含み、この方法では、基板を用意する。バッファタンク及びポリマー溶液源に直列に連結されたポンプを有する塗布装置を用いて、ポリマー溶液を基板上に小出しし、ポンプは、ポリマー溶液を小出しするために、連続流路内のポリマー溶液をポリマー容器源及びバッファタンクから引き出す。ポリマー溶液源は、ポリマー溶液をポリマー溶液源からバッファタンク内に移送することができる圧力源に連結されている。バッファタンクは、ポンプが空気を基板の表面上に小出しするのを防止するために、ポリマー溶液のレベルを比較的一定に維持するようになっている。バッファタンクは、それが所定レベルまで満たされるので、ポンプがポリマー溶液を引き出しても、ポリマー溶液のレベルを比較的一定に維持するようになっており、ポンプは、連続流路内のポリマー溶液をポリマー溶液源から引き出す。かくして、バッファタンク内のポリマー溶液は、比較的一定のレベルに維持される。
【0008】
本発明の別の特徴では、実施形態は、ポリマー溶液塗布装置を含む。ポリマー溶液塗布装置は、基板を支持する基板ステーションを有する。基板ステーションは、回転自在であるのがよい。ポリマー溶液を基板の表面の全体に小出しするポンプが設けられる。ポンプに直列に連結されたバッファタンク及びポリマー溶液源が設けられ、バッファタンクは、ポリマー溶液源とポンプとの間に連結される。ポンプは、連続流路内のポリマー溶液をポリマー溶液源及びバッファタンクから導き出し又は引き出すよう構成されている。バッファタンクは、ポンプが空気を引き込んでこれを基板の表面上に小出しするのを防止するようポンプ溶液のレベルを比較的一定に維持するようになっている。瞬時弁が、ポリマー溶液原に結合されている。瞬時弁は、要求された時にバッファタンクを満たすように、ポリマー溶液源内へのガスの圧力の制御された供給を可能にする。瞬時弁は又、オペレータがガス源を移動するのを忘れた場合、ガスをポリマー溶液源内に連続的に供給することを防止するために使用できる。圧力がポリマー溶液源に加えられると、幾分かのポリマー溶液が移送されてバッファタンクを所定レベルまで満たす。
【0009】
本発明の別の特徴では、実施形態は、基板の表面にポリマー溶液を塗布する方法を含む。この方法は、基板を回転可能な基板ステーション上に固定するステップを有する。バッファタンク及びポリマー溶液源に直列に連結されたポンプを有する塗布装置を用いて、ポリマー溶液を基板の表面上に小出しする。ポンプは、連続流路内のポリマー溶液をポリマー溶液源及びバッファタンクから引き出して、ポリマー溶液を基板の表面上に小出しする。バッファタンク内のポリマー溶液のレベルを一定に維持して、ポンプが空気を基板の表面上に小出しすることを防止する。ポリマー溶液を表面上に小出ししながら基板をスピン又は回転させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
例示の実施形態を特定の形態及び技術を参照して説明する。当業者であれば理解されるように、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内に含まれた状態で種々の変更及び改造を行うことができる。加うるに、周知の要素、ポンプ、センサ、管、方法ステップ等は詳細には記載されていない。以下の説明及び図面は、本発明の例示であり、本発明を限定するものと解釈されてはならない。
【0011】
本発明の実施形態は、基板、例えば半導体ウェーハの表面にポリマー溶液、例えばフォトレジスト溶液を塗布する方法及び装置に関する。加うるに、これら実施形態は、ポリマー溶液を基板に被着させたときに形成される被膜の厚さの均一性を向上させ、かかる溶液の無駄を減少させる方法及び装置に関する。特に、これら方法及び装置を、特に、集積回路の製造に用いられる半導体ウェーハ及び半導体ウェーハの表面へのフォトレジストプレポリマー溶液の塗布に関連して説明する。集積回路製造に用いられる膜(フィルム)又は被膜は、フォトレジスト層には限定されず、例えば、有機平坦化フィルム、反射防止膜、シロキサンSOG(spin-on-glass)膜、ポリイミド膜及びポリイミドシロキサン膜のような物質を含む場合があることは理解されよう。
【0012】
一実施形態では、ポリマー溶液、例えばフォトレジスト溶液は、約10重量%〜約50重量%の溶質含有量を有する。一実施形態では、フォトレジスト溶液は、遠紫外フォトレジストポリマーである。
【0013】
図1は、ポリマー溶液塗布装置、即ち、コーティング装置100を示しており、この塗布装置を用いると、ポリマー層、例えばフォトレジストを基板、例えば半導体ウェーハ120に塗布することができる。一実施形態では、ポリマー溶液塗布装置100は、ポンプ102、イネーブル弁104、バッファタンク106、ポリマー溶液源108、圧力源110及び瞬時弁112を有している。ポンプ102、ポリマー溶液源108及びバッファタンク106は、互いに直列に連結されており、したがって、ポリマー溶液をウェーハ120の表面上に小出しするために、ポンプ102がポリマー溶液を導き出し又は引き出すとき、ポンプは、連続流路内のポリマー溶液をポリマー溶液源108からバッファタンク106を通して引き出す。一実施形態では、ポンプ102からの小出しライン114が、ポリマー溶液をウェーハ120の上に小出しするために設けられている。小出しライン114は、当該技術分野において知られているように、ポリマー溶液をウェーハ120の上に小出しする小出しヘッド(図示せず)を有するのがよい。流体ライン130(例えば、管類)が、ポリマー溶液源108をバッファタンク106に連結している。流体ライン128(例えば、管類)が、バッファタンク106をポンプ102に連結している。流体ライン130は、ポリマー溶液源108からポンプ102への連続流路の実現を可能にするよう常時開いている。流体ライン130,128及び小出しライン114は、互いに連通状態にある。
【0014】
依然として図1を参照すると、ポリマー溶液源108は、ウェーハ120上に塗布すべきポリマー溶液(例えば、フォトレジスト溶液)を収容している。バッファタンク106も又、ウェーハ120上に塗布すべきポリマー溶液を収容している。バッファタンク106は、ポンプ102が常時ポリマー溶液を導き又は引き込み、且つ、例えばポリマー溶液源108が低い又は実質的に空であるときに空気を導かない又は引き込まないことを確保するために、ポリマー溶液のバッファゾーンとしての役目を果たす。一実施形態では、バッファタンク106は、0〜500ccの容量を有するよう形作られている。他の適当な容量が可能である。「低い又は実質的に空の」という表現は、ポリマー溶液源108内の液体レベルが不十分であることに起因して、ポンプ102が空気を引き込むようになるポリマー溶液源108内のレベルを意味している。バッファタンク106は、ポリマー溶液の一様な流れをもたらす。というのは、バッファタンク106を設けなければ、ポリマー溶液源が低く又は実質的に空であるときにポリマー溶液源を交換すると、流れが乱され、ウェーハ120に塗布される塗膜の汚染及び/又は不均一性が生じることになるからである。例えば、ポリマー溶液源108が低い又は実質的に空であるとき、バッファタンク106により、ポリマー溶液源108の交換のためにより多くの時間をかけることができる。バッファタンク106は、一定の流れをポリマー溶液に与える。バッファタンク106は又、ポンプ102が空気を小出しライン114中へ引き込むのを防止するのに十分なあらかじめ定められたポリマー溶液のレベルを、比較的一定に維持する。連続流路内の流体がポリマー溶液源108からバッファタンク106を通して導き出され又は引き出されるので、バッファタンク106内のポリマー溶液レベルは、比較的一定のままである。加うるに、バッファタンク106を設けなければ、ウェーハ120は、ポリマー溶液であらかじめ処理され又はあらかじめ濡らされる必要がある。バッファタンク106が設けられているので、ウェーハ120をあらかじめ処理する必要性がない。かくして、ウェーハ120を塗布するのに必要なポリマー溶液が少なくて済み、それにより、特にポリマー溶液がフォトレジスト溶液である場合、コストを節約することができる。
【0015】
依然として図1を参照すると、一実施形態では、流体センサ118が、バッファタンク106から延びる通気ライン122に組み込まれている。流体センサ118は、泡又は微小な泡がバッファタンク106内に存在しているかもしれないことの指示を出すために、バッファタンク106及び/又は通気ライン122内の流体レベルを検出する。流体センサ118は、放出弁124と流体連通状態にあるように構成され、したがって、泡又は微小泡をバッファタンク106内で検出すると、放出弁124を開いて泡を無くすことを可能にする。泡又は微小泡除去プロセスは、新たなポリマー溶液源108が設置されるとき、又は、ポリマー溶液が脱ガスされることが必要なとき、望ましい場合が多い。放出弁124は、泡を放出させるのにオペレータが開く必要のある手動式放出弁であるのがよい。変形例として、放出弁124は、泡が検出されたときに開かれるよう自動的にトリガが作動されるよう構成されていてもよいし、流体センサ118が泡の存在を検出した結果として要求に応じて開かれるよう構成されていてもよい。
【0016】
依然として図1を参照すると、イネーブル弁104は、バッファタンク106とポンプ102との間に連結されている。イネーブル弁104は、流体ライン128内に設けられ、この流体ライン128は、バッファタンク106とポンプ102との間のポリマー溶液の導管としての役目を果たす。イネーブル弁104を、バッファタンク106から出る出口に組み込んでもよい。イネーブル弁104が開かれると、ポンプ102は、連続流路内のポリマー溶液をバッファタンク106及びポリマー溶液源108から引き出すことができ、ポリマー溶液をウェーハ120上に小出しすることができる。加えて、ポリマー溶液源108が低い又は実質的に空であることを塗布装置100が指示したとき、イネーブル弁104は、それが閉鎖されるように構成されている。イネーブル弁104は、ポリマー溶液源108が低い又は実質的に空であることを塗布装置100が指示したときに自動的に閉鎖されるように構成されていてもよい。実質的に低いということは、ポリマー溶液源100内のポリマー溶液が非常に少なく、ポンプ102が引き続いてポリマー溶液源108から引き出しを続けるときに空気がライン中へ引き込まれる場合のあることを指示している。
【0017】
依然として図1を参照すると、一実施形態では、流体センサ126が、ポリマー溶液源108に接続されている。流体センサ126は、ポリマー溶液源108内の流体レベルを検出するよう構成されている。流体センサ126は又、イネーブル弁104を閉鎖させてポンプ102がポリマー溶液を引き出すのを防止するために、検出結果をコントローラ又は制御装置(図示せず)に送るように構成されている。
【0018】
一実施形態では、塗布装置100は、小出しライン114と連通状態にある温度制御装置116を有している。温度制御装置116は、ポリマー溶液の小出し温度のモニタを可能にする。一実施形態では、ポリマー溶液は、約10℃〜30℃の温度で小出しされる。
【0019】
一実施形態では、塗布装置100は、ポンプ102に直列に配置された小出し弁132を有している。一実施形態では、小出し弁132は、ウェーハ120上へのポリマー溶液の小出し量を制御するよう構成されている。小出し弁132は、ポリマー溶液の小出し量を制御するようポンプ102と協働するのがよい。小出し弁132は又、ポリマー溶液の小出しを遮断するよう構成されたものであるのがよい。加うるに、小出し弁132は又、小出しプロセスが完了し又はこれとは異なる仕方で停止すると、ポリマー溶液が小出しライン114内に吸い戻されてウェーハ120上への過剰の又は望ましくない滴下を防止するよう吸い戻し機能を有するよう構成されたものであるのがよい。
【0020】
依然として図1を参照すると、圧力源110は、バッファタンク106へのポリマー溶液の移送に合わせて僅かな大きさの圧力をポリマー溶液源108中に加えるよう設けられている。一実施形態では、不活性ガス、例えば窒素(N2)が、ポリマー溶液源108内へ流され、ポリマー溶液源108内に僅かの圧力(例えば、約10psi以下)を生じさせ、それにより、ポリマー溶液をバッファタンク106に押し出し又は移送する。一実施形態では、不活性ガス(例えば、N2)は、約1〜5sccmの量で流される。不活性ガスをポリマー溶液源108内に流してポリマー溶液の移送を生じさせることにより、バッファタンク106内に微小な泡が生じる場合がある。上述したように、泡を放出ライン124を通って抜くのがよい。
【0021】
図1に示すように、瞬時弁112は、圧力源110とポリマー溶液源108との間に配置されている。瞬時弁112は、過剰な不活性ガスがポリマー溶液源108内に流れるのを防止するよう機能する。例えば、オペレータは、圧力をポリマー溶液源108内に加える弁をオンにし、移送の完了後、弁をオフにするのを不注意にも怠る場合がある。不活性ガスをポリマー溶液源108に引き続き流入させることにより、微小な泡が生じる場合があり、これら微小な泡は次に、バッファタンク106内に移動して、溶液の汚染及び不均一性を生じさせる場合がある。一実施形態では、瞬時弁112は、ポリマー溶液源108内への不活性ガスの流入を可能にするためにオペレータが弁112を手動で押し下げることが必要な手動式の弁である。一実施形態では、オペレータは、弁112を数秒間(例えば、5秒間)押して、ポリマー溶液をバッファタンク106内に移送するのに十分に高い圧力をポリマー溶液源108内に生じさせる。別の実施形態では、瞬時弁112は、所定の期間の間のみ(例えば、約5秒間)オンになるように構成され、その結果、過剰な不活性ガスがポリマー溶液源108内へ流れ込まない。
【0022】
圧力を加えてポリマー溶液をバッファタンク106内に移送することにより、バッファタンク106内のポリマー溶液の濃度が不均一になることを防止する。例えば、真空源(図示せず)を用いてバッファタンク106内へのポリマー溶液の移送を生じさせる場合、真空レベルがあまりに高過ぎると、バッファタンクの壁にポリマー溶液のしぶきがかかる場合がある。乾燥した溶液は、後で、溶液濃度の変化を生じさせる場合がある。
【0023】
一実施形態では、コントローラ(例えば、コンピュータで動作するプロセッサ又はマイクロプロセッサ)(図示せず)が、塗布装置100の構成要素の動作を制御するために塗布装置10内に設けられている。例えば、コントローラは、ポリマー溶液の流量、ポンプ102、小出し弁132、イネーブル弁102及び瞬時弁112の機能を制御することができる。コントローラは又、センサ126によりポリマー溶液源108内のレベルがポリマー溶液を引き出し又は導き出すのに不十分なことが分かった場合、弁104の閉鎖を制御することができる。コントローラは又、例えば、不活性ガスをポリマー溶液源108内に流してポリマー溶液をバッファタンク106内に移送するために、瞬時弁112が所定の期間の間(例えば、1〜7秒間)開放状態に保つよう瞬時弁112を制御することができる。コントローラは又、塗布装置100のバッファタンク106のガス抜き、塗布装置100の小出しライン114、小出し弁132等の温度を制御することができる。コントローラをコンピュータ又はこれに類似した機械の中に納めるのがよい。コントローラは、塗布装置100の塗布(コーティング)及び/又は動作を実施するようプログラムされた1組の命令によって動作するのがよい。
【0024】
一実施形態では、ポリマー溶液塗布装置100は、多数のウェーハを塗布するよう改造されている。図2に示すように、ポリマー溶液塗布装置200は、多数のウェーハの塗布に対応するよう順応している。一実施形態では、ポリマー溶液源108だけが設けられている。ポリマー溶液塗布装置200は、ポンプ102が2個のウェーハ、即ち、ウェーハ120及びウェーハ140の塗布のためにポリマー溶液を引き出すよう構成されている点を除き、全ての点においてポリマー溶液塗布装置100と同一である。この図に示すように、ポンプ102は、2つの小出し弁132,133に連結されており、これら小出し弁132,133はそれぞれ、ポリマー溶液を小出しライン114,115に小出しする。小出しライン114は、上述したようにウェーハ120の表面を塗布するようにポリマー溶液を小出しし、同様に、小出しライン115は、ウェーハ140の表面を塗布するようポリマー溶液を小出しする。温度制御装置116は、小出しライン114に関して小出し温度をモニタし、温度制御装置117は、小出しライン115に関して小出し温度をモニタする。
【0025】
一実施形態では、ポリマー溶液塗布装置100は、多数のポンプを用いて多数のウェーハを塗布するよう改造されている。図3に示すように、ポリマー溶液塗布装置300は、1つのポリマー溶液源108及び多数のポンプ(ポンプ102,103)を用いて多数のウェーハの塗布に順応するよう構成されている。一実施形態では、各ポンプは、1つのウェーハについて小出しを制御するために用いられている。ポリマー溶液塗布装置300は、ポンプ102に加えて、別のポンプを用いるウェーハ140の塗布に順応するポンプ103が含まれる点を除き、全ての点においてポリマー溶液塗布装置100と同様である。この形態は、小出しライン114,115の各々がポリマー溶液を互いに異なる流量及び互いに異なる時点で小出しすることができる点において、塗布装置200とは異なっている。かくして、塗布装置300は、多数のウェーハの塗布においてより大きな自由度の実現を可能にしている。塗布装置300は、塗布装置100の構成要素の全てを有し、それに加えて、塗布装置300は、小出し弁133に連結されたポンプ103を有し、この小出し弁133は、ポリマー溶液を小出しライン115に小出しする。小出しライン115は、ウェーハ140の表面を塗布するために、ポリマー溶液を小出しする。温度制御装置117は、小出しライン115について小出し温度をモニタする。
【0026】
一実施形態では、塗布装置用に別のポリマー溶液源が設けられている。追加のポリマー溶液源を設けることにより、塗布装置のためのバックアップポリマー溶液源が提供される。図4に示すように、ポリマー溶液塗布装置400は、ポリマー溶液源109を備えている。ポリマー溶液塗布装置400は、追加のポリマー溶液源109が追加されていることを除き、全ての点でポリマー溶液塗布装置100と同様である。ポリマー溶液源109は、上述したポリマー溶液源108と同様の関連した構成要素を全て備えている。ポリマー溶液源109のための追加のバッファタンク107が設けられている。ポリマー溶液塗布装置100と同様、ポリマー溶液源109、バッファタンク107及びポンプ102は、互いに直列に連結されている。上述したように、ポンプ102は、ポリマー溶液をポリマー溶液源108から連続した流路で引き出すことができることに加えて、ポリマー溶液をポリマー溶液源109から連続した流路で引き出すことも可能である。
【0027】
一実施形態では、ポリマー溶液をバッファタンク107に移送するために、僅かな大きさの圧力をポリマー圧力源109中に加える圧力源111が設けられている。一実施形態では、不活性ガス、例えば窒素(N2)を、ポリマー溶液源109に流入させ、ポリマー溶液源109内に僅かの圧力(例えば、約10psi(0.069MPa)以下)を生じさせ、それにより、ポリマー溶液をバッファタンク107に押し出し又は移送する。瞬時弁113は、圧力源111とポリマー溶液源109との間に配置された手動制御弁である。瞬時弁113は、過剰な不活性ガスをポリマー溶液源109に流入させることを防止するように機能する。ポリマー溶液源109内への不活性ガスをの連続流により、微小な泡を生じさせ、次いで、微小な泡は、バッファタンク107内に移動して、溶液の汚染及び不均一性を生じさせる場合がある。一実施形態では、ポリマー溶液源109内への不活性ガスの流入を可能にするために、瞬時弁113は、オペレータが瞬時弁113を手動を押し下げること必要な手動式の弁である。一実施形態では、オペレータは、瞬時弁113を数秒間(例えば、5秒間)押して、ポリマー溶液をバッファタンク107内に移送するのに十分に高い圧力をポリマー溶液源109内に生じさせる。別の実施形態では、瞬時弁113は、過剰な不活性ガスがポリマー溶液源109内へ流れ込まないように所定の期間(例えば、約5秒間)だけオンするようにプログラムされるように構成されている。
【0028】
ポリマー溶液塗布装置100と同様、ポリマー溶液塗布装置400は、ポリマー溶液源内の流体レベルを検出する流体センサ127を有している。ポリマー溶液源109が空であり又は実質的に低いときにポンプ102がポリマー溶液をポリマー溶液源109から引き出すのを防止するために、流体センサ127により、イネーブル弁105を閉鎖させる。加うるに、ポリマー溶液塗布装置400は、放出弁125を更に有し、この放出弁125を開いて、バッファタンク107内に生じ又は存在する泡又は微小な泡を無くす。センサ119がバッファタンク107内の泡を検出するとき、放出弁125を作動させる。
【0029】
一実施形態では、イネーブル弁104,105は、それと関連したセンサがそれと関連したポリマー溶液源内のポリマー溶液について実質的に低い又は空のレベルを検出すると、自動的にオフに切り換わる自動切り換え弁である。センサ126,127は、ポリマー溶液源108,109内のポリマー溶液レベルを検出して指示するために用いられる。かくして、例えば、ポリマー溶液源108内のポリマー溶液が実質的に低い又は空であることをセンサ126が検出すると、センサ126により、イネーブル弁104を閉鎖させると共に、ポンプ102の方向を別のポリマー溶液源、例えばポリマー溶液源109に切り換えさせる。かくして、ポリマー溶液源108が実質的に低い又は空の場合、ポンプ102は、ポリマー溶液源109からの吸い出しを行う。システム400は、塗布プロセスの作動停止時間を最小にすると共に、汚染(例えば、微小な泡)を確実に最小にする。
【0030】
一実施形態では、ポリマー溶液塗布装置400は、多数のポンプを用いて多数のウェーハを塗布するよう改造されている。図5に示すように、ポリマー溶液塗布装置500は、多数のポリマー溶液源(例えば、ポリマー溶液源108及びポリマー溶液源109)及び多数のポンプ(例えば、ポンプ102,103)を用いて、多数のウェーハの塗布を行うことができるよう構成されている。一実施形態では、各ポンプは、1つのウェーハのための小出しを制御するために用いられる。この構成は、小出しライン114,115の各々がポリマー溶液を互いに異なる流量及び互いに異なる時点で小出しすることができるという点において、塗布装置400とは異なっている。かくして、塗布装置500は、多数のウェーハを塗布する上でより大きな自由度を可能にしている。
【0031】
ポンプ102は、バッファタンク106及びポリマー溶液源108に直列に連結され、先の実施形態の場合と同様、ポリマー溶液をウェーハ120上に小出しするために、ポリマー溶液源108からバッファタンク106を通る連続流路がポンプ102によって引かれている。ポンプ103は、バッファタンク107及びポリマー溶液源109と直列に連結され、ポンプ溶液をウェーハ140上に小出しするために、ポリマー溶液源109からバッファタンク107を通る連続流路がポンプ103によって引かれている。ポンプ103は、ポリマー溶液を小出しライン115を介してウェーハ140上に小出しする。ポリマー溶液塗布装置400は、ポンプ102に加えて、ウェーハ140についてポリマー溶液の小出しを可能にするポンプ103が設けられていることを除き、全ての点においてポリマー溶液塗布装置100と同一である。加うるに、ポンプ103は、小出し弁133に連結され、この小出し弁133は、ポリマー溶液を小出しライン115内に小出しする。小出しライン115は、ポリマー溶液を小出しして、ウェーハ140の表面に塗布する。温度制御装置117は、小出しライン115について小出し温度をモニタする。
【0032】
一実施形態では、ポリマー溶液塗布装置400は、1つのポンプ102だけを用いて多数のウェーハを塗布するよう改造されている。図6に示すように、ポリマー溶液塗布装置600は、1つのポリマー溶液源108を用いて、多数のウェーハを塗布することができるよう構成されている。ポリマー溶液塗布装置600は、ポンプ102が2つのウェーハ、即ちウェーハ120及びウェーハ140の塗布のためのポリマー溶液を引き出すよう構成されている点を除き、全ての点においてポリマー溶液塗布装置400と同様である。この図に示すように、ポンプ102は、2つの小出し弁132,133に連結されており、これら小出し弁132,133はそれぞれ、ポリマー溶液を小出しライン114,115に小出しする。小出しライン114は、ポリマー溶液を小出してウェーハ120の表面を塗布し、小出しライン115は、ポリマー溶液を小出してウェーハ140の表面を塗布する。温度制御装置116は、小出しライン114について小出し温度をモニタし、温度制御装置117は、小出しライン115について小出し温度をモニタする。
【0033】
変形実施形態のいずれの場合とも同様、上述したような塗布装置の動作を制御するコントローラが塗布装置に設けられるのがよい。
【0034】
図7は、上述した例示の塗布装置の1つを用いて、ポリマー層、例えばフォトレジスト層を基板表面に塗布する方法700の例示の実施形態を示している。ボックス702において、基板を用意する。一実施形態では、基板は、集積回路の製造に用いられる半導体ウェーハである。基板は、当該技術分野において知られているように基板の上にパターン及び構造を有している。
【0035】
ボックス704では、ポリマー溶液を基板の上に小出しする。一実施形態では、ポリマー溶液は、集積回路の製造に用いられるフォトレジスト溶液である。他の実施形態では、ポリマー溶液としては、有機平坦化膜、反射防止膜、シロキサンSOG膜、ポリイミド膜、ポリイミドシロキサン膜及び典型的には集積回路の製造に用いられる他の膜を形成するために用いられる溶液が挙げられる。
【0036】
本発明の塗布装置の例示の実施形態のうちの1つ(例えば、塗布装置100,200,300,400,500又は600)を用いて、ポリマー溶液を小出しする。塗布装置は、上述したように、バッファタンク及びポリマー溶液源に直列に連結されたポンプを有する。ポリマー溶液源からバッファタンク及びポンプを通る連続した流路が存在する。かくして、ポンプがポリマー溶液源から吸い出しを行ってポリマー溶液を基板表面上に小出しするとき、ポリマー溶液は、ポリマー溶液源から連続流路内をポンプまで流れる。
【0037】
一実施形態では、基板をハウジング又はチャンバ内に配置し、このハウジング又はチャンバにより、チャンバ内の雰囲気を少なくとも部分的に溶剤分子で飽和させることを可能にする。このことは、塗布溶剤の単一層を基板の表面上に形成実現することによって、キャストフィルムの濡れ性を向上させることができる。加うるに、制御された塗布環境により厚さの均一性を向上させることができる。
【0038】
一実施形態では、ポリマー溶液を基板に塗布するためにスピンキャスト(spin-cast)法が用いられる。かくして、ポリマー溶液を小出しした後、基板をスピンさせ又は回転させて、溶液を基板の表面全体に広げる。基板を回転可能なチャック上に載せるのがよく、この回転可能なチャックは、スピンキャスト塗布に通常用いられている適当な回転速度を有する。溶液が基板表面上に広がった後、溶剤を蒸発させて、溶質の層が基板の表面上に残す。ポリマー溶液がフォトレジスト溶液である実施形態では、蒸発後、フォトレジスト層が基板表面上に形成される。
【0039】
別の実施形態では、ポリマー溶液を基板に塗布するために吹付塗布法が用いられる。ポリマー溶液を基板表面上に小出しするよう構成されたシャワーヘッドを用いて、ポリマー溶液を基板表面の上に小出ししてもよい。
【0040】
図8は、上述の例示の塗布装置のうちの1つを用いてポリマー層、例えばフォトレジスト層を基板表面に塗布する別の例示の実施形態としての方法800を示している。ボックス802において、基板を用意する。一実施形態では、基板は、集積回路の製造に用いられる半導体ウェーハである。基板は、当該技術分野において知られているように基板の上に形成されるパターン及び構造を有しているのがよい。
【0041】
ボックス804では、ポリマー溶液を基板の表面の上に小出しする。一実施形態では、ポリマー溶液は、集積回路の製造に用いられるフォトレジスト溶液である。他の実施形態では、ポリマー溶液としては、有機平坦化膜、反射防止膜、シロキサンSOG膜、ポリイミド膜、ポリイミドシロキサン膜及び典型的には集積回路の製造に用いられる他の膜を形成するために用いられる溶液が挙げられる。
【0042】
本発明の塗布装置の例示の実施形態のうちの1つ(例えば、塗布装置100,200,300,400,500又は600)を用いて、ポリマー溶液を小出しする。塗布装置は、上述したように、バッファタンク及びポリマー溶液源と直列に連結されたポンプを有する。ポリマー溶液源からバッファタンク及びタンクを通る連続流路が存在する。かくして、ポンプがポリマー溶液源から吸い出しを行ってポリマー溶液を基板表面の上に小出しするとき、ポリマー溶液は、ポリマー溶液源からポンプまで連続流路内を流れる。
【0043】
一実施形態では、基板をハウジング又はチャンバ内に配置し、このハウジング又はチャンバは、チャンバ内の雰囲気を少なくとも部分的に溶剤分子で飽和させることを可能にする。このことは、塗布溶剤の単一層を基板の表面上に実現することによって、キャストフィルムの濡れ性を向上させることができる。加うるに、制御された塗布環境であれば、厚さの均一性を向上させることができる。
【0044】
ボックス806では、基板をスピンさせ又は回転させて、ポリマー溶液を基板の表面全体に広げる。ポリマー溶液を小出しした後、又は、ポリマー溶液を基板上に小出しすると同時に、基板を回転させる。基板は、回転可能なチャック上に載せられるのがよく、この回転可能なチャックは、スピンキャスト塗布に通常用いられる適当な回転速度を有する。ボックス808において、溶液を基板表面上に小出しした後、溶剤を蒸発させ、溶質の層を基板の表面上に残す。ポリマー溶液がフォトレジスト溶液である実施形態では、蒸発後、フォトレジスト層が基板表面上に形成される。
【0045】
図9は、上述した例示の塗布装置のうちの1つを用いてポリマー層、例えばフォトレジスト層を基板表面に塗布する例示の実施形態としての方法900を示している。ボックス902において、基板を用意する。一実施形態では、基板は、集積回路の製造に用いられる半導体ウェーハである。基板は、当該技術分野において知られているように、基板の上に形成されたパターン及び構造を有する。
【0046】
ボックス904では、ポリマー溶液を基板の上に小出しする。一実施形態では、ポリマー溶液は、集積回路の製造に用いられるフォトレジスト溶液である。他の実施形態では、ポリマー溶液としては、有機平坦化膜、反射防止膜、シロキサンSOG膜、ポリイミド膜、ポリイミドシロキサン膜及び典型的には集積回路の製造に用いられる他の膜を形成するために用いられる溶液が挙げられる。
【0047】
本発明の塗布装置の例示の実施形態のうちの1つ(例えば、塗布装置100,200,300,400,500又は600)を用いて、ポリマー溶液を小出しする。塗布装置は、上述したように、バッファタンク及びポリマー溶液源と直列に連結されたポンプを有する。ポリマー溶液源からバッファタンク及びタンクを通る連続流路が存在する。かくして、ポリマー溶液を基板表面上に小出しするために、ポンプがポリマー溶液源から吸い出しを行うとき、ポリマー溶液は、ポリマー溶液源からポンプまで連続流路内を流れる。
【0048】
ボックス906では、ポリマー溶液をバッファタンクに移送する圧力をポリマー溶液源に加える。ポリマー溶液源が空になった状態又は実質的に低い状態になったとき、バッファタンクを、ポンプが空気を引き込むことを防止するのに適した所定のレベルまで満たす。一実施形態では、バッファタンクは、バッファタンク内のポリマー溶液を一定のレベルに維持し、それにより、ポリマー溶液源が低い又は実質的に空のときのポリマー溶液源の交換を容易にする。「低い又は実質的に空の」という表現は、ポリマー溶液源内の不十分な液体レベルに起因してポンプが空気を引き込む、ポリマー溶液源内のレベルを意味している。一実施形態では、ポリマー溶液の小出し前、バッファタンクを充填する。必要ならば、バッファタンクを小出しと同時に充填してもよい。
【0049】
一実施形態では、基板をハウジング又はチャンバ内に配置し、このハウジング又はチャンバは、チャンバ内の雰囲気を少なくとも部分的に溶剤分子で飽和させることを可能にする。このことは、塗布溶剤の単一層を基板の表面上に実現することによって、キャストフィルムの濡れ性を向上させることができる。加うるに、制御された塗布環境によって、厚さの均一性を向上させることができる。
【0050】
一実施形態では、ポリマー溶液を基板に塗布するために、スピンキャスト(spin-cast)法を用いる。かくして、ポリマー溶液を小出しした後、基板をスピンさせ又は回転させて、溶液を基板の表面全体に広げる。基板は、回転可能なチャック上に載せられ、この回転可能なチャックは、スピンキャスト塗布に通常用いられている適当な回転速度を有する。溶液を基板表面全体に広げた後、溶剤を蒸発させ、溶質の層を基板の表面上に残す。ポリマー溶液がフォトレジスト溶液である実施形態では、蒸発後、フォトレジスト層が基板表面上に形成される。
【0051】
別の実施形態では、ポリマー溶液を基板に塗布するために、吹付塗布法が用いられる。ポリマー溶液を基板表面上に小出しするよう構成されたシャワーヘッドを用いて、ポリマー溶液を基板表面上に小出しする。
【0052】
上述の方法のうちどれにおいても、同一の塗布装置を用いて、多数の基板を同時に又は互いに異なる時点で塗布することができる。例えば、上述したように、多数の基板を塗布するためのより多くの小出しラインを(例えば、塗布装置200内に)設けてもよい。加うるに、空の又は実質的に低い状態のポリマー溶液源からいっぱいの状態のポリマー溶液源に切り換えることを可能にするより多くのポリマー溶液源を設けてもよい。このように、空の又は実質的に低いポリマー溶液源を、塗布プロセスの邪魔をすることなしに交換することができる。
【0053】
例示の実施形態を開示したが、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲内に属したままの状態で開示した実施形態の改造例及び変形例を想到できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明のポリマー溶液塗布装置の実施形態を示す図である。
【図2】本発明のポリマー溶液塗布装置の別の実施形態を示す図である。
【図3】本発明のポリマー溶液塗布装置の別の実施形態を示す図である。
【図4】本発明のポリマー溶液塗布装置の別の実施形態を示す図である。
【図5】本発明のポリマー溶液塗布装置の別の実施形態を示す図である。
【図6】本発明のポリマー溶液塗布装置の別の実施形態を示す図である。
【図7】ポリマー溶液を基板の表面に塗布する例示の方法を示す図である。
【図8】ポリマー溶液を基板の表面に塗布する例示の方法を示す図である。
【図9】ポリマー溶液を基板の表面に塗布する例示の方法を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面にポリマー溶液を塗布する方法であって、
基板を用意するステップと、
塗布装置を用いてポリマー溶液を基板上に小出しするステップとを有し、
前記塗布装置は、バッファタンク及びポリマー溶液源に直列に連結されたポンプを有し、このポンプは、ポリマー溶液を小出しするために、連続流路内のポリマー溶液を前記ポリマー溶液源及び前記バッファタンクから引き出し、
前記ポリマー溶液源は、ポリマー溶液を前記ポリマー溶液源から前記バッファタンク内に移送することができる圧力源に連結され、
前記バッファタンクは、ポリマー溶液を比較的一定のレベルに維持する方法。
【請求項2】
更に、基板を回転させて、ポリマー溶液を広げるステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
更に、基板の表面上に小出しされたポリマー溶液から溶剤を蒸発させて、基板の表面上にポリマー層を形成するステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
ポリマー溶液は、フォトレジスト溶液である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
更に、基板を回転可能なチャックに取り付けるステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
更に、圧力を前記ポリマー溶液源に加えて、ポリマー溶液を前記バッファタンク内に移送するステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
更に、圧力源を前記ポリマー溶液源に結合するステップと、
前記圧力源と前記ポリマー溶液源との間に設けられた瞬時弁を用意するステップと、を有し、
前記瞬時弁は、圧力を前記ポリマー溶液源に加えることが可能であり、圧力を前記ポリマー溶液源に加えるには、前記瞬時弁の制御された作動が必要である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
圧力が圧力源から前記ポリマー溶液源に加えられ、
圧力を所定の期間にわたって前記ポリマー溶液源に手動で加えるのに瞬時弁が用いられる、請求項6記載の方法。
【請求項9】
更に、不活性ガスを前記ポリマー溶液源の中に流して、ポリマー溶液を前記バッファタンク内へ移送する前記圧力を生じさせるステップを有する、請求項6記載の方法。
【請求項10】
イネーブル弁が、前記バッファタンクと前記ポンプとの間に配置され、
前記イネーブル弁を開くことにより、ポリマー溶液を前記ポンプに流し、
前記ポリマー溶液源内のポリマー溶液レベルを検出するように構成され流体センサが、前記ポリマー溶液源に結合され、
前記流体センサは、前記ポリマー溶液源内のポリマー溶液レベルが実質的に低い又は空であると検出したとき、前記イネーブル弁を閉鎖することができる、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記ポンプは、少なくとも第2のバッファタンク及び第2のポリマー溶液源に直列に連結され、第2のイネーブル弁が、前記第2のバッファタンクと前記ポンプとの間に配置され、前記第2のイネーブル弁の開放により、ポリマー溶液が前記ポンプに流れることが可能であり、
前記第2のポリマー溶液源内のポリマー溶液レベルを検出するよう構成された第2の流体センサが、前記第2のポリマー溶液源に結合され、前記第2のセンサは、前記第2のポリマー溶液源内のポリマー溶液レベルが実質的に低い又は空であると検出したとき、前記第2のイネーブル弁を閉鎖することができる、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサは各々、前記ポンプのポンプ送り方向を、空の又は実質的に低い前記ポリマー溶液源から遠ざける方向に切り換えることができる、請求項11記載の方法。
【請求項13】
ポリマー溶液塗布装置であって、
基板を支持する基板ステーションと、
ポリマー溶液を基板の表面の上に小出しするポンプと、
前記ポンプに直列に連結されたバッファタンク及びポリマー溶液源と、を有し、
前記バッファタンクは、前記ポリマー溶液源と前記ポンプとの間に連結され、
前記ポンプは、連続流路内のポリマー溶液を前記ポリマー容器源及び前記バッファタンクから引き出し、
前記バッファタンクは、ポリマー溶液を比較的一定のレベルに維持し、
更に、ポリマー溶液を前記バッファタンク内に移送するために前記ポリマー溶液源に加えられる圧力を制御する瞬時弁を有し、前記圧力は、所定の期間だけ加えられるポリマー溶液塗布装置。
【請求項14】
前記瞬時弁は、圧力が前記ポリマー溶液源内に流れることを可能にするために、前記瞬時弁を押し下げるオペレータを必要とする、請求項13記載のポリマー溶液塗布装置。
【請求項15】
イネーブル弁が、前記バッファタンクと前記ポンプとの間に配置され、前記イネーブル弁を開くことにより、ポリマー溶液が前記ポンプに流れることを可能にし、
前記ポリマー溶液源内のポリマー溶液レベルを検出するよう構成された流体センサが、前記ポリマー溶液源に結合され、前記流体センサは、前記ポリマー溶液源内のポリマー溶液レベルが実質的に低い又は空であると検出したとき、前記イネーブル弁を閉鎖することができる、請求項13記載のポリマー溶液塗布装置。
【請求項16】
更に、前記ポンプに直列に連結された少なくとも1つの第2のバッファタンク及び1つの第2のポリマー溶液源を有する、請求項15記載のポリマー溶液塗布装置。
【請求項17】
更に、第2のイネーブル弁及び第2のセンサを有し、
前記第2のイネーブル弁は、前記第2のバッファタンクと前記ポンプとの間に配置され、前記第2のイネーブル弁の開放により、ポリマー溶液は、前記ポンプに流れることが可能であり、
前記第2の流体センサは、前記第2のポリマー溶液源に結合され、前記第2のポリマー溶液源内のポリマー溶液レベルを検出するよう構成され、前記第2のセンサは、前記第2のポリマー溶液源内のポリマー溶液レベルが実質的に低い又は空であると検出したとき、前記第2のイネーブル弁を閉鎖することができる、請求項16記載のポリマー溶液塗布装置。
【請求項18】
前記イネーブル弁及び前記第2のイネーブル弁は各々、前記ポンプのポンプ送り方向を、空の又は実質的に低い前記ポリマー溶液源から遠ざける方向に切り換えることができる、請求項16記載のポリマー溶液塗布装置。
【請求項19】
ポリマー溶液は、フォトレジストポリマーである、請求項13記載のポリマー溶液塗布装置。
【請求項20】
前記基板ステーションは、回転可能なチャック上に配置されている、請求項13記載のポリマー溶液塗布装置。
【請求項21】
ポリマー溶液を前記バッファタンク内へ移送するための圧力が前記ポリマー溶液源に加えられる、請求項13記載のポリマー溶液塗布装置。
【請求項22】
前記圧力を生じさせるために、不活性ガスが前記ポリマー溶液源内に流される、請求項21記載のポリマー溶液塗布装置。
【請求項23】
基板の表面にポリマー溶液を塗布する方法であって、
基板を回転可能な基板ステーション上に固定するステップと、
ポンプを用いて、ポリマー溶液を基板の表面上に小出しするステップと、を有し、
ポリマー溶液を小出しする前記ステップは、バッファタンク及びポリマー溶液源に直列に連結されたポンプを有する塗布装置を用いてポリマー溶液を引き出すステップを有し、前記ポンプは、ポリマー溶液を基板の表面上に小出しするために、連続流路内のポリマー溶液を前記ポリマー溶液源及び前記バッファタンクから引き出し、
更に、前記バッファタンク内のポリマー溶液を一定レベルに維持するステップと、、
基板をスピンさせて、小出しされたポリマー溶液を表面全体に塗布するステップとを有する方法。
【請求項24】
更に、前記ポリマー溶液源に結合されている瞬時弁を押し下げて、不活性ガスを前記ポリマー溶液源内に供給し、前記ポンプが空気を引き込むのを防止するのに十分な量のポリマー溶液を前記バッファタンク内に移送するステップを有し、前記瞬時弁は、不活性ガスをポリマー溶液源に供給するのに手動による作動を必要とする、請求項23記載の方法。
【請求項25】
更に、第1のバッファタンク及び第1のポリマー溶液源を前記ポンプに直列に連結するステップを有し、前記第1のバッファタンクは、前記第1のポリマー溶液源と前記ポンプとの間に連結され、
更に、第2のバッファタンク及び第2のポリマー溶液源を前記ポンプに直列に連結するステップを有し、前記第2のバッファタンクは、前記第2のポリマー溶液源と前記ポンプとの間に連結され、
更に、前記第1のポリマー溶液源及び前記第2のポリマー溶液源の各々について、ポリマー溶液レベルを検出するセンサを用意するステップと、
前記センサ及び前記ポンプと連通状態にあるイネーブル弁を用意するステップと、を有し、前記イネーブル弁は、前記ポンプの方向を空の前記ポリマー溶液源から遠ざける方向にすることができる、請求項23記載の方法。
【請求項26】
更に、基板を回転させて、ポリマー溶液を広げるステップを有する、請求項23記載の方法。
【請求項27】
更に、基板の表面上に小出しされたポリマー溶液から溶剤を蒸発させ、基板の表面上にポリマー層を形成するステップを有する、請求項23記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−523471(P2007−523471A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546972(P2006−546972)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/033903
【国際公開番号】WO2005/069077
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(503195263)エーエスエムエル ホールデイング エヌ.ブイ. (232)
【Fターム(参考)】