説明

メモリ集積化を用いる高感度光走査

【課題】自動式光学検査(AOI)の為の改良されたシステムおよび方法、更に、2次元センサを採用する改良された画像化技術および装置を提供する。
【解決手段】非連続の照明を提供する光源と、検査すべき対象物の複数の少なくとも部分的に重なり合う二次元画像フレームを、あるフレーム速度で取得するように動作する二次元の光センサアレイと、前記二次元画像フレームを受信し、検査すべき前記対象物の表現を生成するために重なり合った部分を結合するように、前記表現の検査に基づいて検査すべき前記対象物上の欠陥の報告を提供するよう動作する欠陥分析器と、を備える検査システムであって、前記非連続の照明と、前記フレーム速度とが、概ね同期している、検査システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般には走査光学系およびセンサに関し、詳細には2次元センサアレイを採用する走査技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板のような対象物の画像を取得する為のスキャナシステムが、画像化および自動式光学検査の分野で良く知られている。
【0003】
いくつかの従来のスキャナシステムは、センサ素子の直線的なアレイを備えている。他の従来のスキャナシステムは、センサ素子の2次元のアレイを備える。2次元のセンサ素子アレイを採用するいくつかのシステムは、対象物の画像を取得する為に、例えば時間遅延積分(TDI)動作モードで動作するよう構成されている。2次元のセンサ素子アレイを採用する他のシステムは、対象物の重なり合っていない一連の画像を取得するように構成されている。
【0004】
TDIシステムは、光走査の分野では良く知られている。このようなシステムにおいてセンサアレイは、そのアレイの行に垂直な方向でアレイまたは対象物のどちらかを移動させることによって、プリント回路基板のような対象物を走査する。走査スピードとアレイクロックは、それぞれのアレイ列において多数のセンサ素子が対象物上の同じ点からの光を順番に取り込むように同期させられる。それぞれの列内のセンサ信号が対象物上の各点について合計され、それによって対象物の画像が、向上した信号/ノイズ比を伴って提供されるように、センサアレイが対象物を通過するときに電荷が蓄積される。
【0005】
一般のTDIセンサは、新たに蓄積される電荷が列内の前の行に蓄積された電荷に加えられるように電荷をセンサアレイの各列に沿って転送することによって、センサ信号が合計されるようにする電荷結合素子(CCD)テクノロジに基づいている。CMOSセンサアレイのようなフォトダイオードアレイに基づく他のTDIシステムもまた当技術分野で知られている。
【0006】
その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許5,750,985および米国特許5,909,026は共に、TDIタイプ機構に採用することができるセンサを記載している。
【0007】
その開示が参照により本明細書に組み込まれる、出願人の同時係属の、2002年5月10日出願、名称“凝視アレイセンサを採用する光検査システム(Optical Inspection System Employing a Staring Array Scanner)”の米国特許出願シリアル番号10/141,988は、2次元センサアレイを採用する検査システムについて記載している。
【特許文献1】米国特許第5,750,985号明細書
【特許文献2】米国特許第5,909,026号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第10/141,988号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明のいくつかの側面の目的は、自動式光学検査(AOI)の為の改良されたシステムおよび方法を提供することである。
【0009】
本発明のいくつかの側面の更なる目的は、2次元センサを採用する改良された画像化技術および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の広範な側面によれば、CMOS集積回路上に形成される少なくとも2次元のセンサアレイが、電気回路の画像のような対象物を表す画像を取得する為に採用される。少なくとも部分的に重なり合う画像が取得され、対象物上の対応の位置に関連する、重なり合う画像中の画素が、対象物の合成画像を形成する為に加え合わされる。合成画像は、例えば対象物の欠陥を検査するのに特に有用である。本明細書で用いられるときCMOS集積回路という用語は、一般に、CCDタイプ光センサ以外のフォトダイオードまたは光ゲートのようなフォトセンサを備えるあらゆる好適な集積回路を含んでいる。
【0011】
本発明の好ましい実施形態において、2次元画像化装置は、2次元センサアレイと、そのアレイ中のセンサ素子の行と列に対応する行と列に配列されたセルを有するメモリとを備える。アレイが対象物上を走査するときに合成画像を提供する為に、アレイおよびメモリはメモリ積算モードで動作するよう構成されている。アレイクロックの各周期で(すなわち、センサアレイが画像フレームを取得する毎に)、各センサ素子で受信された信号はデジタル化され、メモリのセルの一つに格納された値に加えられる。動的入力ポインタは、センサアレイの各行に対して、アレイのその行内のセンサ素子からの信号を加えるべきメモリ内の行を示す。入力ポインタは、センサが対象物上の同一の位置を通過するとき取り込まれた、アレイ中の同一の列内の多数のセンサからの信号の合計を各メモリセルが受信するような形式で、アレイクロックの各周期で進められる。動的出力ポインタもまた、積算が完了したメモリの行を示す為に各周期で更新され、そのため、メモリ積算信号が読み出し可能である。
【0012】
この動的入力ポインタおよび動的出力ポインタの使用により、好ましくはアクティブ画素CMOSセンサ素子を用いて、センサアレイ、メモリおよびメモリ集積化ロジックをシングルチップ上に効率良く共に実装することが可能になる。動的ポインタ方式によって、アレイを走査させる方向をポインタの方向を逆にすることによって簡単に逆にすることも可能になり、その結果、対象物を、例えば2方向性の曲がりくねったパターンで走査することができる。
【0013】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、センサアレイはカラーフィルタを備え、それにより、アレイによって取得されたメモリ積算画像はカラー画像を含む。カラーフィルタは、アレイの連続した行が異なる色の光りを受信できるように、通常は赤−緑−青の繰り返しのパターンで配列されるのが好ましい。或いはカラーフィルタは、例えばいくつかの赤の行に、いくつかの緑の行、いくつかの青の行が続くような、連続した行のグループが異なる色の光りを受信するように配列されていても良い。動的入出力ポインタは、各色毎に提供される。動的ポインタの構成、および対象物に対するアレイのスキャン速度は、同等のモノクロメモリ積算画像のものと等しい最大限の解像度を持つカラーメモリ積算画像、または、減少した解像度を持つがスループット(すなわち、画像取り込みの速度)はモノクロメモリ積算画像のものと等しいカラーメモリ積算画像のどちらかを与えるよう選択されても良い。
【0014】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、2次元イメージャ(imager)は、通常、プリント回路基板、フラットパネルディスプレイ、電子組立基板、その他同様な物などの対象物の特性を評価する為に、AOIシステムにおいて用いられる。上述のメモリ積算イメージャの特徴は、モノクロまたはカラー画像化モードにおいて、システムが高速で且つ高感度で動作することを可能にすることである。
【0015】
本発明は、図面と共に、その好ましい実施形態の詳細な記載によって更に十分に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1Aは、本発明の好ましい実施形態による、プリント回路基板22の自動式光学検査(AOI)の為のシステム20の図である。ここでは、基板22が例証として示されているが、システム20は、フラットパネルディスプレイ、電子部品が搭載されたプリント回路基板、相互接続デバイス(interconnect device)、および移動型ウェブ(moving web)のような他の対象物の検査にも同様に適用することができる。電気回路および基板という用語は、本明細書で用いられるとき、一般に、検査すべきあらゆる好適な物を含む。以下で更に詳細に記載されるように、本発明の原理は、航空監視のような他のデジタル画像化の分野にも適用することができる。
【0017】
システム20は、少なくとも2次元の光センサアレイが集積されたCMOS集積回路画像化素子26を中核にして作られたカメラ24を用いて基板22の画像を取り込む。本発明の実施形態によれば、画像化素子26は、メモリ積算動作モードで動作することができる。対物レンズ28は、カメラ24が平行移動ステージ32により基板面上を走査するとき、基板22の画像を素子26上に形成する。カメラは、双方向の曲がりくねったパターンで表面を走査し、それによって全表面が所望の解像度レベルで画像化されるのが好ましい。或いは、カメラ24が静止している間に基板22が平行移動しても良く、または、基板とカメラの両方が、代表的には相互に直交する方向で平行移動しても良い。光源(不図示)は、基板22がカメラ24により画像化されているとき、好ましくは概ね連続的な照明を提供することにより、または、画像化素子26により取得される画像フレームのフレームレートに概ね同期した非連続的な照明を提供することにより基板22を照明する。
【0018】
カメラ制御部30は、素子26のタイミングと動作を統制し、画像データを素子26から画像プロセッサ、つまりアナライザ34に渡す。画像プロセッサは、基板22内の欠陥つまり不良を特定しおよび識別する為に画像データを分析する。本発明の好ましい実施形態によれば、プロセッサ34は、イスラエル、ヤフネのオルボテック株式会社から販売されている、Inspire 9060(登録商標)およびSK-75(登録商標)AOIシステムを含む様々なAOIシステムで用いられているような画像処理ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせを備える。それに代わるものとして又は追加として、プロセッサ34は、この目的の為の好適な入力回路およびソフトウェアを持つ汎用コンピュータ、ハードウェア組込みのロジック、および/またはプログラマブルデジタルシグナルプロセッサから成っていても良い。システム20により検査される各基板に関し、プロセッサ34は、基板が許可されていることの通知、または、基板内で見つけられた欠陥の(マップのような)通知のいずれかをディスプレイ36または他の出力インタフェースを経由して出力する。
【0019】
図1Bは、本発明の好ましい実施形態によるシステム20の動作を概略的に表す簡単な図である。図1Cは、図1Bに見られる合成画像発生器の動作の更に詳細な図である。画像化素子26は、CMOS集積回路上に形成された少なくとも2次元の光センサ42のアレイ40を備える。画像化素子26は、通常、基板22のような検査すべき対象物に相当する画像データ220の形式で検査出力を生成する。欠陥アナライザ234は、画像化素子26から画像データを受信し、基板22上の欠陥を報告する欠陥報告236を画像データ220の分析に応じて提供する。
【0020】
図1Bに見られるように、画像化素子26は、基板22の走査の間、基板22の複数の画像を取得する。240、242、244、246および248を指定された、連続的に取得された画像を代表する5つが、図1Bに見られる。
【0021】
本発明の実施形態によれば、画像240−248は、基板22の一部分を走査する間に画像化素子26によって連続的に取得されるデジタル画素画像である。簡単のために5つの画像のみ示されている。通常はもっと多くの画像が取得される。画像240−248のそれぞれは、画像化素子26により取得された基板22の各画像が少なくとも部分的に他の画像と重なり合うような、基板22についての相互に埋め合わせされる部分に相当する。画像間の相互のずれは1ピクセルであっても良いが、それより大きくても良い。
【0022】
このように、図1Bにみられるように、画像化素子26により第1番目の画像フレームで画像240が取得される。基板22が画像化素子26に対して矢印250の方向に1画素進んだ後、第2番目の画像フレームで画像242が取得される。基板22が画像化素子26に対して矢印250の方向に1画素さらに進んだ後、第3番目の画像フレームで画像244が取得される。基板22が画像化素子26に対して矢印250の方向に1画素さらに進んだ後、第4番目の画像フレームで画像246が取得される。基板22が画像化素子26に対して矢印250の方向に1画素さらに進んだ後、第5番目の画像フレームで画像248が取得される。このシーケンスは、少なくとも部分的に重なり合った画像が基板22の全部分について取得されるまで続行される。
【0023】
合成画像発生器252は、アレイ240により生成された部分的に重なり合う画像、例えば画像240−248を共に合成するよう動作し、また、合成画像データ260をアナライザ234に供給するよう動作する。合成画像データ260は、画像240−248と比較して向上した信号/ノイズ比を有する画像220を形成する。画像220は、基板22内の欠陥を検出する為に欠陥アナライザ234によって使用される。
【0024】
本発明の実施形態によれば、画像発生器252は、この場合に必要であるわけではないが、画像化素子26上に一体化して形成される。図1Bに見られるように、画像240−248のそれぞれは比較的弱い画像である一方、画像240−248の合成の結果である画像220は、導体249に相当する画像部分の増強した濃さに見られるように、かなり強い画像から成る。
【0025】
合成画像発生器の動作は、図1Cからいっそう良く理解されるであろう。画像240−248のそれぞれにおける対応の画素254は、画素の強さを向上させる為、つまり信号対ノイズを向上させる為に加え合わされる。画像242内における画素254は、画像240における対応の画素254に加えられ、第1の合成画像274がもたらされる。画像242は、画像240に対してずれており、順次加えられる画素の行276を含んでいることが分かる。なお、表現の簡単の為の図1C内での画像の方向付けにより、行は実際には列として見える。第1の合成画像274内の行276の左側における画素254は、行276内の画素よりも濃い。
【0026】
画像244内における画素は、第1の合成画像274における対応の画素に加えられ、第2の合成画像278がもたらされる。画像244は、第1の合成画像274に対してずれており、順次加えられる画素の行280を含んでいることが分かる。第2の合成画像278内の行276の左側における画素は、行276内の画素よりも濃く、また行276内の画素は行280内の画素よりも濃い。
【0027】
画像246内における画素は、第2の合成画像278における対応の画素に加えられ、第3の合成画像282がもたらされる。画像246は、第2の合成画像278に対してずれており、順次加えられる画素の行284を含んでいることが分かる。第3の合成画像282内の行276の左側における画素は、行276内の画素よりも濃く、行276内の画素は行280内の画素よりも濃く、また、行280内の画素は行284内の画素よりも濃い。
【0028】
画像248内における画素は、第3の合成画像282における対応の画素に加えられ、第4の合成画像286がもたらされる。画像248は、第3の合成画像282に対してずれており、順次加えられる画素の行288を含んでいることが分かる。第4の合成画像286内の行276の左に向における画素は、行276内の画素よりも濃く、行276内の画素は行280内の画素よりも濃く、行280内の画素は行284内の画素よりも濃く、また、行284内の画素は行288内の画素よりも濃い。
【0029】
上記プロセスは、所望の量の対応の画素が加え合わされ、合成画像内に階調度が形成されるまで逐次的に続行される。各フレームの最後に、複数の画素を加え合わせた結果を備える画素のラインが画像データ260(図1B)として提供される。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態における特徴は、各画像240−248内で加え合わされる値はデジタル値だということである。デジタル値は、光センサ42とつながった少なくとも1つのA/Dコンバータによって提供される。A/Dコンバータはそれぞれの光センサ42とつながっていても良い。さらに、それぞれのA/Dコンバータが複数の光センサ42とつながっていても良い。例えば、それぞれのA/Dコンバータが光センサの行とつながっているものである。
【0031】
画像化素子26のアーキテクチャの好ましい実施形態、機能、および動作について以下で更に詳細に記載する。一般に、画像化素子26は、A/Dコンバータの出力を一時的に格納するよう動作する複数のデジタルレジスタと、通常はメモリセルアレイを含み光センサアレイから提供される画像データを格納するデジタルメモリと、デジタルレジスタの出力を、デジタルメモリ内に格納された対応の画像データに加えるよう動作する複数のデジタル加算器とを備える。
【0032】
更に、本発明の実施形態によれば、画像240−248のような画像を加え合わせることは、1ライン単位で実行中に行なわれ、合成画像は、それぞれの新たな画像240−248が取得され、前に格納された合成画像に加えられるときに動的に変化するという繰り返しのやり方でメモリアレイ中に格納される。
【0033】
図1Bに見られる画像240−248は、概してアレイ40上に形成される画像に対応していることが注目される。通常これらの画像は連続した画像フレームの取得の間では格納されない。画像化素子26の以下の詳細な議論から理解されるであろうように、画像240−248内のそれぞれのラインは、図1Cを参照して説明したように取り出され、前に格納された合成画像内の対応のラインに加えられる。
【0034】
図2は、本発明の好ましい実施形態による、メモリ積算画像化素子26の構造を模式的に示すブロック図である。素子26は、最も好ましくはCMOSプロセスを用いて単一集積回路(IC)チップとして製造されるのが好ましい。センサアレイ40は、アクティブ画素センサであるセンサ素子42の2次元マトリクスを備えるのが好ましい。それぞれのフレームで(すなわち、アレイクロックの各周期で)、各素子42は、それに入射する光の強度に比例する信号を生成する。信号は、通常、センサアレイから列デコーダ54を介して読み出され、A/D(アナログ−デジタル)コンバータのアレイ44によりデジタル化され、次に、センサアレイ40の列あたり1レジスタで、レジスタアレイ46中に一時的に格納される。それに代わるものとして、センサ素子42は、例えばその開示が参照により本明細書に組み込まれる、Kleinfelderらによって書かれ、ISSCC2001で提示された“画素レベルメモリを持つ10,000フレーム/s 0.18um CMOS デジタルピクセルセンサ”のようなデジタルピクセルセンサを備えていても良い。この場合、アレイ40の出力は既にデジタル化されており、A/Dコンバータ44は必要ではない。
【0035】
レジスタアレイ46に保持されているデジタル信号値は、加算器アレイ48によってメモリ50の行内の対応の蓄積値と加え合わされる。メモリ50は、通常は、高速スタティックまたはダイナミックランダムアクセスメモリ(SRAMまたはDRAM)、または、他のあらゆる好適なタイプのメモリを含む。加算結果はメモリの同一の行に再び格納される。この読出し/加算/格納の動作は、通常、1フレームあたり1回、メモリ50内のそれぞれのセルについて実行される。これは、メモリセルが同一のアレイ列内の所定数の異なる素子42から得られる信号の合計を含むまで、所定のフレーム数にわたり各回でアレイ40内の異なる行からの信号を加えつつ、繰り返される。センサ素子とメモリセルと各周期における連携は、以下で述べるように動的ポインタのシステムによって制御される。異なる素子42からの値の必要な合計数がメモリ50のある行について実行された後、その行における結果は、出力レジスタのアレイ52に読み出される。これらのデータは、次に、プロセッサ34への読出しの為に、レジスタから出力ポート56に同期して出力される。
【0036】
本発明の好ましい実施形態において、図2に見られるように、行タイミングブロック58は、A/Dコンバータアレイ44、レジスタアレイ46、加算器アレイ48およびメモリ50の対応の動作と共に、アレイ40による画像フレームの取り込みと読み出しの同期の維持を担う。行タイミングは、以下で記載するように、加算器48で加え合わされた素子42からのそれらの値が基板22上での同一の位置に対応するように、走査するカメラ24の速度に同期している。ブロック58は、加算と読み出しの為にメモリ50の行を選択する際に使用される動的ポインタの位置を制御し、また、所望の効果を達成する為にメモリ行デコーダをも含んでいる。ブロック58はまた、素子42から各フレームにおいて行単位で信号を読み出す為に、および各フレームの最後にアレイ40をリセット制御ブロック62を介してリセットする為に行デコーダおよびドライバ60を制御する。
【0037】
図3は、本発明の好ましい実施形態による素子26の詳細を示すブロック図である。この簡略化された実施形態において、アレイ40およびメモリ50はそれぞれ4つの行を備えていると仮定されている。アレイ40内の各列に関して、メモリ50内に対応のセル列がある。簡単のため、同様にこれらの列の4つのみが示されている。
【0038】
各センサ素子42は、通常はフォトダイオードまたはフォトゲート(photogate)である光検出器(つまり光センサ)70、例えば選択トランジスタ(不図示)をも含むアクティブアンプ72を備える。アンプは、対応の光検出器により格納された電荷を列出力ライン76に読み出す為に、行選択ライン74によって起動される。光検出器70は、それらが発生するリセットサーマル(kTC)ノイズのレベルを低減するために、低容量に設計されているのが好ましい。好ましい実施形態によれば、各画素はまた、リセット制御器62によって個別に制御されるリセット回路(不図示)を備える。更に、各センサ素子は、光検出器から電荷が転送されそれがアレイから読み出されるまで保持するコンデンサ(不図示)のような別個の電荷蓄積素子を備えていても良い。更なる選択肢として、上述のように、各センサ素子は組込みのA/Dコンバータ(不図示)を備えていても良い。カメラ24で受光された光を各センサ素子42の範囲内で光検出器70上に合焦させる為の、アレイと一体化されたマイクロレンズの使用のような、当技術分野で知られた他の手段が、アレイ40の感度および信号/ノイズ比を向上させる為に使用されても良い。
【0039】
A/Dコンバータ44は、アレイ40の列あたり一つのA/Dコンバータを備える。更に、A/Dコンバータはそれぞれの素子42とつながっていても良い。行タイミングブロック58で生成される行クロックの各周期で、コンバータ78は、その対応のアレイ40の列内の連続した素子42からの信号をデジタル化する。デジタル化された値は、加算器82によってメモリ50内の選択されたセル84の内容と加算されるまで、レジスタアレイ46中のレジスタ80に保持される。加算器82によって出力される合計は、その加数が読み出されたメモリ50内の同一のセルに再び書き込まれる。メモリセル84はアレイ40内のセンサ素子42の列に対応する列状に配列される。本実施形態において、セル84は、アレイ40内の4つの行の素子42に対応して4つの行に配列される。セル84が行クロックの各周期で加算器82により合計する為に読み出されることになる行は、入力ポインタ88で決定される。完全なフレームがアレイ40から読み出され、デジタル化され、メモリ50内の適切なセルに加えられた後、ポインタ88は次のフレームの為の新しい位置に進む。その結果、メモリ50内の各セル84は、アレイ40の対応の列内における4つのセンサ素子42全てによって生成された信号の合計を受信することになる。
【0040】
出力ポインタ92は、セル84がアレイ40の対応の列における4つのセンサ素子42の全てからの合計された信号を含むメモリ50内の行86を示す為に用いられる。行クロックの各周期で、これらのセルの内容が、出力レジスタアレイ52中のレジスタ90に読み出される。1行のセルの内容が読み出された後、セルはゼロにリセットされる。それから、次のフレームの間、これらのメモリセルのヌルの内容がセンサアレイ40の第1の行内のセンサ素子からの信号を加算されるように、入力ポインタ88は前進する。それぞれの次に起きるフレームで、セルが再びセンサアレイの4つの行の全てからの信号の合計を含み読み出し可能になるまで、ポインタは前進し加算が実行される。出力ポインタは、読み出されることになるメモリ50の次の行を指し示す為に各フレームにおいて同様に前進する。
【0041】
図4は、本発明の好ましい実施形態による、ポインタ88および92の使用を説明する、センサアレイ40の一つの列102、メモリ50の一つの列104を模式的に示すブロック図である。前出の図に示される実施形態において、全ての列は全く同様に扱われ、よって図4に示される例は、アレイ全体の取り扱いを代表するものとなる。任意の対象物100は、それぞれa-dを指定された4つの連続したフレームでアレイ40の列102に画像化される。図の明確化の為、対象物は、列102の上に重ね合わされずに、列102の横に並んで示されている。アレイ40の4つの連続したフレームにおいて列102の平行移動した位置にある対象物の位置は、連続したバー100a、100b、100cおよび100dで示されている。したがって、アレイ40のアレイクロックは、対象物上でのアレイの走査(またはアレイの下での対象物の移動)の速度に同期しており、それによって、対象物は連続したフレームのそれぞれで1画素だけ前進する。言い換えると、第1の画像フレームでセンサ素子42a上に画像化される対象物100上の点は、第2のフレームにおいて次のセンサ素子42b上に画像化され、そして同様に第4フレームでは素子42dまで達する。
【0042】
入力ポインタ88は、センサ素子42aからの信号が加えられることになるメモリ50のセル84を指し示すよう各フレームにおいて設定される。4つの連続したフレーム(バー100a−dに対応している)のそれぞれにおける入力ポインタの位置は、図4においてそれぞれポインタ88a,88b,88cおよび88dで示されている。素子42b,42c,および42dからの信号は列104の内の後続のセルに書き込まれ、最後のセル(84d)に達したとき列の先頭に戻り繰り返される。4つの連続したフレームにおけるセンサ素子42とメモリセル84との関係は、第1フレーム(バー100a)については実線の矢印で、第2のフレーム(バー100b)においては破線の矢印で、第3のフレーム(バー100c)においては破線−点線の矢印で、また第4のフレーム(バー100d)においては点線の矢印で示されている。
【0043】
出力ポインタ92は各フレームにおいて、センサ素子42dからの信号が加えられるメモリ50内のセル84を指すように設定される。このセルは、加算器82からの信号が再び書き込まれた後は、対象物100上の連続した画素のそれぞれについて、列102内の4つのセンサ素子42a−42dの全てからの信号の合計を含むであろう。したがって、このセルの内容は、レジスタ90に読み出すことができ、それからゼロにリセットすることができる。4つの連続したフレームのそれぞれにおける出力ポインタの位置は、図4においてそれぞれポインタ92a,92b,92cおよび92dで示されている。出力ポインタ92が1つのフレームにおいてあるセルを指すとき、入力ポインタ88は、次のフレームにおいてその同じセルを指すであろう。したがって、アレイクロックの次の周期で、セルは、対象物上の新たな画素から取り込まれた、センサ素子42aからの画像データの蓄積を始めるであろう。
【0044】
図5は、本発明の好ましい実施形態による、画像化素子26の動作と関連するタイミング信号を示すタイミング図である。この図は、素子のアレイクロックの2周期分、すなわち2フレーム分の動作を表している。各フレームは残留電荷をセンサ素子42から除去する為にセンサアレイ40をリセットすることによって始まり、次に、センサ素子がフレームの残りで電荷を蓄積することが可能になる。センサ素子によって生成される信号は、アレイの行1からNまでアレイ40から行単位で読み出される。上記のように、信号値はデジタル化されメモリ50に加えられる。
【0045】
全ての加算が完了した後、合計されたデータは、ポインタ92で示されるメモリ50の行86内のセル84から読み出される。ポインタ88および92は、次に、次のフレームのそれらの位置に進められる。アレイ40の全ての行が読み出された後(ポインタが進められる前であっても)、アレイをリセットすることができ、また、プロセスを再び開始することができる。
【0046】
アレイ40の行1からNまでを読み出す順序の為に、行の積分時間は一定ではない。行1は最も短い積分時間を有し、行Nは最も長い積分時間を有する。(図5に示されるタイミングパターンは、センサ素子42が、全ての行の積分時間を一定にすることを可能にする、追加のコンデンサまたは内部A/Dコンバータのようないかなる内部電荷蓄積構造をも含まないということを仮定している。)しかしながら、メモリ50内の全てのセルが、アレイ40中の対応の列内の全てのセンサ素子からの信号を受信し合計するので、累積の積分時間は、カメラ24により走査される全ての画素について同一である。
【0047】
図6は、本発明の別の好ましい実施形態による、画像化素子26の動作に関連するタイミング信号を示すタイミング図である。この実施形態は、各センサ素子42からの信号が各フレームで2回アレイ40から読み出されること、すなわち、一度は連続的な順番で前方に行1からNまで、次に再び連続的な順番で逆に行Nから1まで読み出されることを除いて、図5に示されるものと同様である。このやり方は、画素の応答のさらに良い均一性を達成するのに有用である。センサ素子42の読み出しは、非破壊的、すなわち、アレイ全体がリセットされるまで素子からの電荷を取り除くことなしに各センサ素子から信号が読み出されることが好ましい。
【0048】
図7は、本発明のさらに別の好ましい実施形態による、画像化素子26の動作に関連するタイミング信号を示すタイミング図である。前出の実施形態と同様に、各センサ素子を書くフレームにおいて2回読み出すことは、素子26のスピードを減少させるであろう。したがって、この実施形態においては、行を読み出す方向はフレーム間で交互になる。つまり、一旦は行1からNまでとなり次回は行Nから1までとなる。このやり方は、読み出しスピードを妥協することなしに、向上した画素の均一性を提供する。対象物22上での全ての点にわたり応答の均一性を確実にする為に、アレイ40は、偶数の行数を備えることが好ましい。
【0049】
図8は、本発明の更に別の好ましい実施形態による、画像化素子26の動作に関連するタイミング信号を示すタイミング図である。この実施形態において、アレイ40中の各センサ素子はコンデンサ、メモリセル、または積分の終了後にその電荷または信号を格納することができる他の内部要素を備えることを仮定している。したがって、一定の積分時間を、アレイ40の全ての素子に設定することができる。積分の期間の終わりに、全てのセンサ素子において光検出器により蓄積された電荷は、それぞれの内部蓄積素子に同時に転送される。次に、上述のように、信号は蓄積要素から読み出され、(必要であれば)デジタル化され、メモリ50内に合計される。その一方で、前の積分期間からの信号の処理が続行している間、光検出器はリセットされ、それらの次の積分期間が開始する。
【0050】
ここまで記載された実施形態はモノクロ画像化に向けられているけれども、システム20および画像化素子26は基板22のカラー画像の取り込みにも適用することができる。この目的の為の一つのやり方は、異なる色の光(通常は赤、緑、青)が連続したフレームのそれぞれにおいて又はいくつかの連続したフレームの間、基板を照明する為に用いられる、例えばアレイクロックと同期したカラーストロボ照明を用いることであろう。カラー画像を生成する為に、異なる色に対応する信号を受信し積算するよう、メモリ50は別々の部分に分けられなければならない。それぞれの部分内において、データは入力および出力ポインタを用いて上述とほぼ同じやり方で合計され読み出される。後続の図を参照して以下記載される別の選択肢としては、異なるカラーフィルタがアレイ40の別の行に適用されるものがある。もちろん、異なるカラーフィルタがセンサアレイの別々の列に適用されても良いが、この選択肢は、カメラ24の解像度を必然的に下げるのであまり望ましくはない。
【0051】
図9Aは、本発明の好ましい実施形態による、2次元走査カラー画像化素子に用いられるセンサアレイ106を示すブロック図である。上で図示し記載したように、この素子はほとんどの点で素子26に似ており、素子6の代わりにカメラ24内で用いることができる。したがって、カラー画像の取り込みに関する顕著な相違点のみをここでは記載する。
【0052】
図9Aに見られる好ましい実施形態において、アレイ106の行は3つのグループに分けられる。すなわち、赤い光を取り込むよう構成された行110、緑の光を取り込むよう構成された行112、および青い光を取り込むよう構成された行114である。通常、それぞれの行、または行のそれぞれのグループは、特定の行が検出することになっている波長の範囲のみを通過させる、当技術分野で知られるような好適なフィルタで覆われる。図9Aに示される行のそれぞれのグループは3つの行を備えることが示されているけれども、そのことに代えてそれぞれのグループはいっそう多い数の又はいっそう少ない数の行を含んでいても良い。行の数は、異なる色グループ間で一定である必要はない。例えば、一つの色についてのいっそう多い行数が、シリコンセンサの不均一な感度を補償する為、および画像全体の向上した解像度を提供する為に用いられても良い。異なる数のグループを有する、または異なる電磁波の波長を取り込むよう構成された、他のカラー方式が用いられても良い。
【0053】
図9Bは、本発明の好ましい実施形態による、アレイ106に基づく画像化を説明する、アレイ106の一つの列102内におけるセンサ素子、およびメモリ50内の対応の列104におけるメモリセル84の詳細を示すブロック図である。図の上部には、連続した対象物の位置が上述の図4において示されていたのと同様に、対象物100が、ステージ1からステージ9と表示されて、列102に対し9つの連続した位置のそれぞれで示されている。各ステージは、アレイ106の連続したフレーム、すなわちアレイクロックの一つの周期に対応する。対象物100は、アレイ106の解像度に対応する解像度で、I, II, III, ・・・, XVと表示された画素に分けられている。
【0054】
ステージIからIVまでのそれぞれに関して、図は、各メモリセル84内に保持された合計された信号とともに、入力ポインタ116および出力ポインタ118の位置を示している。3つの入力ポインタと3つの出力ポインタが、それぞれのカラーグループに対して一つという状態で提供される。各ステージで、1番目の赤、緑および青画素(R1,G1およびB1)からの信号は、それぞれの入力ポインタ116で示されるメモリセル内に読み込まれる。各色グループにおける残りの画素からの信号は、図4に示したものと同様のやり方で、列104内の次のメモリセルに合計される。このように、3つのフレームがメモリ内に集められた後(すなわち、3つのステージが経過した後)、あるメモリセルは、あるカラーグループ内の3つのセンサ素子の全てからの信号の合計を含んでいる。このセルは、出力ポインタ118により読出しを表示されている。下記表1は、各ステージでカラー値が列104から読み出される画素の一覧を表している。
【0055】
【表1】

【0056】
アレイ106により生成される赤、緑および青の出力は、(結果的に赤と青の出力の間で6つの行になる)3行だけ位置合わせがずれている。位置合わせは、赤の出力について6つのステージのバッファを加え、緑の出力について3つのステージのバッファを加えることによって簡単に修正することができる。これらのバッファは、2次元カラー走査画像化素子それ自身に内に、またはカメラ24内の別のチップ上に設けることができる。それに代わるものとして、位置合わせ調整は、先行のバッファリングなしにプロセッサ34によって実行されても良い。
【0057】
図10は、本発明の好ましい実施形態による、2次元カラー走査画像化素子内の検出器素子およびメモリセルを示すブロック図である。この実施形態において、赤の行110、緑の行112および青の行114は、周期的な切替、つまりRGB/RGB/RGB/RGBで、交互配置される。それに代わるものとして、RGBG/RGBG、その他のような他の交互配置のパターンが用いられても良い。素子の動作の各ステージにおいて、対象物100上の各画素は、行110、112および114それぞれにおけるセンサ素子によって同時に画像化される。したがって、赤、緑および青色の画像は、バファリングの必要なしに相互に位置合わせされる。対象物上での画像化アレイの走査とアレイクロックとは、各フレームから次のフレームまで対象物100が1つの周期で行グループに等しい距離だけ、すなわち、3つのセンサ素子だけ前進するようにタイミングが合わせられる。その結果、この実施形態に基づく走査システムは、図9Aおよび9Bの実施形態と比較してスループットは高いが解像度は低いであろう。
【0058】
前出の実施形態における場合のように、1番目の赤、緑および青のセンサ信号(R1,G1およびB1)が各ステージにおいて書き込まれる予定の、3つの入力ポインタ116が提供される。3つの出力ポインタ118は、合計された画素の値が読み出される予定のセルを示している。RGBサイクルが4回繰り返すこの実施形態に関して、ポインタはステージ1,2,3および4と表示された4つのフレームが完了した後、それらの開始の値に戻る。
【0059】
図11A,B,およびCは、本発明の好ましい実施形態による2次元カラー走査画像化素子における検出器素子およびメモリセルを表すブロック図である。ここでもまた、前出の実施形態と同様に、赤、緑および青のセンサ素子の行は、センサアレイ内で交互に配置され、3色の全てにおける出力画素値は、相互に位置合わせされている。しかしながら、この実施形態において、減少したスピードと拡大されたメモリサイズという犠牲により最大限の解像度は維持される。図11A−Cに示されるやり方で動作するように構成される画像化素子は、同様に高いスループットであるが低い解像度である図10のモードで動作するようにソフトウェアで(またはファームウェア)で書き換えることができる。
【0060】
図11A−Cの実施形態におけるメモリは、センサアレイの各列102について3つの列104を備える。列104は、メモリセル84の3つのセクション、すなわち、図11Aにおけるセクション120、図11Bにおけるセクション122および図11Cにおけるセクション124に構成されるのが好ましい。各セクションにおけるメモリセルの数は、センサアレイにおけるセンサ素子の数に等しい。各セクションにおけるメモリセルの列は、対象物100における3つごとの画素の3色全てからのセンサ信号を集めバッファするように構成される。したがって、連続した各ステージにおいて、各色についての入力ポインタ116は、例えば、第1の青センサ素子(B1)からの信号がステージ1においてセクション124に供給され、ステージ2においてセクション122に供給され、ステージ3においてセクション120に供給されるように、一つのセクションから次のセクションまでシフトする。これらの信号値は、それぞれ画素VII(ステージ1)、画素VIII(ステージ2)、画素IX(ステージ3)に属する。次の青センサ素子(B2およびB3)からの信号値は、青入力ポインタからそれぞれ3または6画素ずらされたメモリセルに合計される。緑および赤信号は同様に取り扱われる。各ステージにおいて、一つの色がセクションのそれぞれに供給される。この方式によれば、メモリセルのそれぞれは、3つのステージ毎に一度だけ読み出されおよび書き込まれる。他の2つのステージの間、セルは単に前の値を保持する。まお、明瞭の為、それぞれのステージで更新されるメモリセルだけが示されている。
【0061】
各ステージにおいて、出力ポインタ118は、3つのセクションの内の一つから読み出されるべき3つの隣接するメモリセル84を示している。出力ポインタは、各周期においてセクションからセクションへと切り替えられる。各ステージで読み出される3つのセルは、それぞれ、メモリから同時に読み出される画素のうちの一つの、赤、緑および青の画素値を含む。バッファリングはメモリ自身内で実行されるので、外部のバッファリングは必要ではない。下記の表2は、各ステージで値が読み出される画素の一覧を表している。
【0062】
【表2】

【0063】
上述の好ましい実施形態は可視光の検出に特に関連しているけれども、本発明の原理は他のタイプの放射の検出、および特に赤外および紫外光の検出に同様に適用されても良い。したがって、上述の“色”とは、異なる波長帯を指すものとして一般に解釈されるべきである。
【0064】
このように上述の好ましい実施形態は、例証として挙げられており、本発明は上記に特に示され記載されてきたものには限定されないことが理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上で記載された様々な特徴の組み合わせおよびサブコンビネーションの両方をも含み、また、当業者であれば上記の明細書を読むや否や想起するであろう及び従来技術には開示されていない、それらの変形および部分的な変更をも含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1A】図1Aは、本発明の好ましい実施形態による、自動式光学検査(AOI)の為のシステムの模式的な図である。
【図1B】図1Bは、本発明の好ましい実施形態による図1Bのシステムの動作を概略的に表す簡略化した図である。
【図1C】図1Cは、図1Bに見られる合成画像発生器の動作を示す更に詳細な図である。
【図2】図2は、本発明の好ましい実施形態による、2次元画像化素子を模式的に示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の好ましい実施形態による、図2の画像化素子の詳細を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施形態による、図2の画像化素子における、メモリポインタの使用を説明するブロック図である。
【図5】本発明の好ましい実施形態による、図2の素子の動作を示すタイミング図である。
【図6】本発明の好ましい実施形態による、図2の素子の動作を示すタイミング図である。
【図7】本発明の好ましい実施形態による、図2の素子の動作を示すタイミング図である。
【図8】本発明の好ましい実施形態による、図2の素子の動作を示すタイミング図である。
【図9A】図9Aは、本発明の好ましい実施形態による、2次元走査カラー画像化素子に用いられるセンサアレイを模式的に示すブロック図である。
【図9B】図9Bは、本発明の好ましい実施形態による、図9Aの素子内の検出器素子およびメモリセルの詳細を模式的に示すブロック図である。
【図10】図10は、本発明の別の好ましい実施形態による、カラー2次元画像化素子内の検出器素子およびメモリセルを模式的に示すブロック図である。
【図11A】本発明の更に別の好ましい実施形態によるカラー2次元画像化素子内の検出器素子およびメモリセルを模式的に表すブロック図である。
【図11B】図11Aの画像化素子内のメモリセルの内容を模式的に表すブロック図である。
【図11C】図11Aの画像化素子内のメモリセルの内容を模式的に表すブロック図である。
【符号の説明】
【0066】
20 システム
22 プリント回路基板
24 カメラ
26 画像化素子
28 対物レンズ
30 カメラ制御部
32 平行移動ステージ
34 プロセッサ
36 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非連続的な照明を提供する光源と、
検査すべき対象物の、少なくとも部分的に重なり合う複数の二次元画像フレームを、あるフレーム速度で取得するように動作する二次元の光センサアレイを有し、前記非連続の照明と、前記フレーム速度とが、概ね同期しており、
さらに、前記二次元画像フレームを受信し、重なり合った部分を結合して、検査すべき前記対象物の表象を生成し、前記表象を検査して、検査すべき前記対象物上の欠陥の報告を提供するよう動作する欠陥分析器、を備える検査システム。
【請求項2】
前記二次元の光センサアレイがCMOS集積回路上に配置されている請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記二次元の光センサアレイが、複数のディジタル画像を提供し、各ディジタル画像は、複数のピクセルにより構成される、請求項1に記載の検査システム。
【請求項4】
前記対象物の前記表象が複数のピクセルで構成されたディジタル表象を含み、前記表象が、異なる二次元画像フレームの重なり合った部分の対応するピクセルを結合することにより形成される、請求項3に記載の検査システム。
【請求項5】
前記複数の二次元画像フレームのうちの各二次元画像フレームが、前記複数の二次元画像フレームのうちの別の二次元画像フレームと少なくとも部分的に、少なくともピクセルの単一の列において重なり合う、請求項1に記載の検査システム。
【請求項6】
前記複数の二次元画像フレームのうちの各二次元画像フレームが、実質的に、前記複数の画像フレームのうちの別の二次元画像フレームと重なり合う、請求項5に記載の検査システム。
【請求項7】
前記複数の二次元画像フレームのうちの各二次元画像フレームが、 実質的に前記複数の二次元画像フレームのうちの別の二次元画像フレームと重なり合うが、少なくともピクセルの単一の列は重ならない、請求項6に記載の検査システム。
【請求項8】
対象物を検査する方法であって、
非連続的な照明で検査すべき対象物を照射することと、
前記検査すべき対象物の複数の少なくとも部分的に重なり合う二次元画像フレームを、あるフレーム速度で取得することと、
前記二次元画像フレームの重なり合った部分を結合することにより、前記検査すべき対象の表象を生成することと、
前記表象の検査に基づいて検査すべき前記対象物上の欠陥を報告することと、
を含み、
前記非連続な照明と前記フレーム速度での取得とが、概ね同期している、方法。
【請求項9】
取得することが、CMOS集積回路上に配置された二次元の光センサアレイを用いて行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記二次元画像フレームを取得することは、複数のディジタル画像を取得することを含み、各ディジタル画像が複数のピクセルにより構成されている、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記対象物の表象を生成することが、複数のピクセルで構成されたディジタル表象を生成することを含み、前記表象が、異なる二次元画像フレームの重なり合った部分における対応するピクセルを結合することにより生成される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の二次元画像フレームのうちの各二次元画像フレームが、前記複数の二次元画像フレームのうちの別の二次元画像フレームと、少なくとも部分的に、少なくともピクセルの単一の列において、重なり合う、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の二次元画像フレームのうちの各二次元画像フレームが、前記複数の画像フレームのなかの別の二次元画像フレームとほぼ重なり合う、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の二次元画像フレームのうちの各二次元画像フレームが、前記複数の二次元画像フレームのうちの別の二次元画像フレームとほぼ重なり合うが、少なくともピクセルの単一の列では重ならない、請求項13に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【公開番号】特開2008−241718(P2008−241718A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106115(P2008−106115)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【分割の表示】特願2003−507534(P2003−507534)の分割
【原出願日】平成14年6月23日(2002.6.23)
【出願人】(501005438)オルボテック リミテッド (14)
【Fターム(参考)】