説明

モータ及び揺動コンベヤ

【課題】揺動コンベヤを駆動し、揺動コンベヤのトレーの前進速度、後退速度及び加速度を簡単に変更することができるモータの提供。
【解決手段】所定角度回転する都度パルス信号を出力する手段24を有し、その出力したパルス信号に基づき、回転速度を制御するモータ23。モータ軸又はモータ軸に連動する回転軸に設けられた基準点を検出する基準点検出器43と、基準点検出器43が基準点を検出してから、パルス信号又はパルス信号に基づく信号を計数する計数手段22aと、回転速度を、基準点検出器43が基準点を検出したときにN2とし、計数手段22aの計数値がC1に到達したときに加速してN1(>N2)とし、計数手段22aの計数値がC2(>C1)に到達したときに減速してN2とし、基準点検出器43が基準点を再度検出したときに、計数手段22aをリセットする速度制御手段22とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転速度を制御する手段を有するモータ、及びこのモータにより駆動する揺動コンベヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来の揺動コンベヤを模式的に説明する為の模式図である。
この揺動コンベヤは、誘導モータ122、及び誘導モータ122の回転速度を減速する減速機121を有する減速機付モータ(ギヤードモータ)102の出力軸に、円ではない特殊な形状の特殊歯車A51が連結されている。特殊歯車A51には、円ではない他の特殊な形状の特殊歯車B52が咬合し、特殊歯車B52の回転軸にはクランク11の一端が連結されている。
【0003】
クランク11の他端には、リンク12の一端が回転自在に連結され、リンク12の他端は、クランク11の回転運動に応じて往復運動するスライダ13に、回動自在に連結されている。クランク11、リンク12及びスライダ13は、回転運動を往復運動に変換するスライダ・クランク機構1を構成している。
スライダ13には、搬送物を載置する為のトレー4が固設されている。
誘導モータ122は、交流電源を与えられ、略一定の回転速度で回転する。一方、特殊歯車A51及び特殊歯車B52の咬合による変速比は、連続的に変化しており、特殊歯車A51が、誘導モータ122により略一定の回転速度で回転していても、特殊歯車B52の回転速度は、低速→加速→高速→減速→低速となって、周期的に変化する。
【0004】
以下に、このような構成の揺動コンベヤの動作を、それを模式的に示す図10の説明図を参照しながら説明する。尚、図10では、説明を容易にする為に、クランク11の1回転を、45度の回転角度毎の8ステップ(S1〜S8)で示している。
クランク11が1回転するとき、トレー4は1往復(前進/後退)する。クランク11の回転速度は、クランク11が1回転する間に、低速→加速→高速→減速→低速と変化する。
クランク11は、リンク12と一直線になるとき、高速で回転し、リンク12と重なるとき、低速で回転するように、特殊歯車B52及びリンク12と連結されている。
【0005】
クランク11が、トレー4が後退する方向の半回転側を回転している場合(ステップS1〜S4)、クランク11は低速で回転する。このとき、トレー4は、ステップS1からステップS2の間は、減速しながら後退し、ステップS2で(一瞬)停止する。また、トレー4は、ステップS2からステップS4の間は、加速しながら前進する。
トレー4は、ステップS2の前後で後退から前進へ移動方向が変わるが、このとき、クランク11は、トレー4上の搬送物14が後退方向へ滑らないような低速で回転する。
【0006】
クランク11は、ステップS4からステップS5の間は、低速から加速し、トレー4は、加速しながら前進する。このとき、クランク11は、トレー4上の搬送物14が後退方向へ滑らないように加速し、ステップS5で高速に達する。
クランク11は、ステップS5からステップS8の間は、高速で回転する。このとき、トレー4は、ステップS5からステップS6の間は、トレー4上の搬送物14が前進方向へ滑るように、減速しながら前進し、ステップS6で(一瞬)停止する。トレー4は、ステップS6からステップS8の間は、トレー4上の搬送物14が前進方向へ滑るように、加速しながら後退する。
【0007】
トレー4は、ステップS6の前後で前進から後退へ移動方向が変わるが、このとき、クランク11の回転速度が速ければ速い程、多くの搬送物14がトレー4から排出される。
クランク11は、ステップS8からステップS1の間は、高速から減速し、トレー4は、減速しながら後退する。このとき、クランク11は、トレー4上の搬送物14が後退方向へ滑らないように減速し、ステップS1で再び低速に達する。
【0008】
特許文献1には、低速、高速の切換えを伴いほぼ水平往復動可能に設置されたトラフと、一方向へ連続運転されるモータに連繋された可変速式の減速機と、この減速機の定速入力軸側、変速出力軸側に各々連繋され、クラッチを介して接続、休止状態に交互に切換えられる高速用駆動機構、可変速低速用駆動機構とを備えた往復式コンベヤーが開示されている。高速用駆動機構、可変速低速用駆動機構それぞれに共通のひとつの被駆動軸に異速切換え用検出機構を介して半周毎に異速切換えを伴い一方向へ連続回転される駆動軸を備え、トラフを駆動軸に連動体を介して連繋し、トラフの往復移動速度について、高速を一定にし低速を変更可能に設定する。
【0009】
特許文献2には、コンベアのトレーに沿って品物を移動させる為の差動インパルス型コンベアが開示されている。差動インパルス型コンベアに、駆動機構及びコンベアのトレー内での好ましくない振動と機械的なノックを減少させる仕方で動力を与える為に改良された駆動機構を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特公昭61−10369号公報
【特許文献2】特許第4049394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した揺動コンベヤでは、搬送物14の種類、及びトレー4上の油等の液体の付着により、搬送物14のトレー4上での滑り具合が異なる。搬送物14のトレー4上での滑り具合が悪くなると、搬送能力が低下する。その対策として、クランク11の高速回転時の回転速度を更に上昇させるか、加速時の加速度を大きくして加速時間を短くする必要がある。
また、逆に、搬送物14のトレー4上での滑り具合が良過ぎると、トレー4が前進するときに、搬送物14がトレー4上で滑り後退する。その対策として、クランク11の加速時の加速度を小さくして加速時間を長くする必要がある。
【0012】
また、搬送物14のトレー4上での滑り具合が良過ぎると、トレー4の後退端で移動方向が後退から前進に切替わるときに、搬送物14がトレー4上で滑り後退する。その対策として、クランク11の低速回転時の回転速度を更に低下させる必要がある。
上述したような4つの対策を実施するには、特殊歯車A51、特殊歯車B52の形状及び歯数を変える必要があり、新たに、特殊歯車A51、特殊歯車B52を製作し直さなければならないという問題がある。
【0013】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、第1発明乃至第4発明では、揺動コンベヤを駆動し、揺動コンベヤのトレーの前進速度、後退速度及び加速度を簡単に変更することができるモータを提供することを目的とする。
第5発明乃至第7発明では、トレーの前進速度、後退速度及び加速度を簡単に変更することができる揺動コンベヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1発明に係るモータは、ロータが所定角度回転する都度パルス信号を出力する手段を有し、該手段が出力したパルス信号に基づき、回転速度を制御するように構成してあるモータにおいて、モータ軸又は該モータ軸に連動する回転軸に設けられた基準点を検出する基準点検出器と、該基準点検出器が基準点を検出してから、前記パルス信号又は該パルス信号に基づく信号を計数する計数手段と、回転速度を、前記基準点検出器が基準点を検出したときにN2とし、前記計数手段の計数値がC1に到達したときに加速してN1(>N2)とし、前記計数手段の計数値がC2(>C1)に到達したときに減速してN2とし、前記基準点検出器が基準点を再度検出したときに、前記計数手段をリセットする速度制御手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
このモータでは、出力する手段が、ロータが所定角度回転する都度パルス信号を出力し、その出力したパルス信号に基づき、回転速度を制御するように構成してある。基準点検出器が、モータ軸又はモータ軸に連動する回転軸に設けられた基準点を検出し、基準点検出器が基準点を検出してから、計数手段が、パルス信号又はパルス信号に基づく信号を計数する。速度制御手段が、回転速度を、基準点検出器が基準点を検出したときにN2とし、計数手段の計数値がC1に到達したときに加速してN1(>N2)とし、計数手段の計数値がC2(>C1)に到達したときに減速してN2とする。基準点検出器が基準点を再度検出したときに、計数手段をリセットする。
【0016】
第2発明に係るモータは、前記C1,C2,N1,N2,N2からN1への加速時の加速度、及びN1からN2への減速時の加速度のそれぞれの設定を受付ける手段を更に備えることを特徴とする。
【0017】
第3発明に係るモータは、供給される電圧を平滑する平滑コンデンサを更に備え、減速するときの回生電力を、前記平滑コンデンサに蓄電するように構成してあることを特徴とする。
【0018】
このモータでは、供給される電圧を平滑する平滑コンデンサを更に備え、減速するときの回生電力を、平滑コンデンサに蓄電する。
【0019】
第4発明に係るモータは、モータ軸又は該モータ軸に連動する回転軸に設けられた基準点を検出して検出信号を出力する基準点検出器を備え、該基準点検出器が出力した検出信号に基づき、回転速度を制御するように構成してあるモータにおいて、前記基準点検出器に対向する位置に設けられ、前記基準点を検出する第2基準点検出器と、回転速度を、前記基準点検出器が基準点を検出したときにN2とし、前記第2基準点検出器が基準点を検出したときにN1(>N2)とする速度制御手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
このモータでは、基準点検出器が、モータ軸又はモータ軸に連動する回転軸に設けられた基準点を検出して検出信号を出力し、基準点検出器が出力した検出信号に基づき、回転速度を制御するように構成してある。基準点検出器に対向する位置に設けられた第2基準点検出器が、基準点を検出し、速度制御手段が、回転速度を、基準点検出器が基準点を検出したときにN2とし、第2基準点検出器が基準点を検出したときにN1(>N2)とする。
【0021】
第5発明に係る揺動コンベヤは、請求項1乃至4の何れか1つに記載されたモータと、搬送物を載置するトレーと、前記モータのモータ軸、又は該モータ軸に連動する回転軸とトレーとの間に連結され、前記モータ軸又は回転軸の回転運動を該トレーの往復運動に変換するスライダ・クランク機構とを備えることを特徴とする。
【0022】
この揺動コンベヤでは、請求項1乃至4の何れか1つに記載されたモータを備えている。トレーが搬送物を載置し、モータのモータ軸、又はモータ軸に連動する回転軸とトレーとの間に連結されたスライダ・クランク機構が、モータ軸又は回転軸の回転運動をトレーの往復運動に変換する。
【0023】
第6発明に係る揺動コンベヤは、前記N2からN1へ加速する際に要する加速時間の設定を受付ける手段を更に備えることを特徴とする。
【0024】
第7発明に係る揺動コンベヤは、前記N2及びN1のそれぞれの設定を受付ける手段を更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
第1発明乃至第4発明に係るモータによれば、揺動コンベヤを駆動し、揺動コンベヤのトレーの前進速度、後退速度及び加速度を簡単に変更することができるモータを実現することができる。
【0026】
第5発明乃至第7発明に係る揺動コンベヤによれば、トレーの前進速度、後退速度及び加速度を簡単に変更することができる揺動コンベヤを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るモータ及び揺動コンベヤの実施の形態の概略構成を模式的に示す模式図である。
【図2】図1に示すブラシレスDCモータ駆動装置の要部回路構成例を示すブロック図である。
【図3】図2に示すコンバータ及びインバータの構成例を示す回路図である。
【図4】図1に示す基準点検出器の他の設置例を示す説明図である。
【図5】本発明に係るブラシレスDCモータ、減速機及び揺動コンベヤの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係るブラシレスDCモータ、減速機及び揺動コンベヤの動作を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明に係る揺動コンベヤの動作を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明に係るモータ及び揺動コンベヤの実施の形態の概略構成を模式的に示す模式図である。
【図9】本発明に係る誘導モータ、減速機及び揺動コンベヤの動作を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明に係る揺動コンベヤの動作を模式的に示す説明図である。
【図11】従来の揺動コンベヤを模式的に説明する為の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係るモータ及び揺動コンベヤの実施の形態の概略構成を模式的に示す模式図である。
この揺動コンベヤは、ブラシレスDCモータ23、及びブラシレスDCモータ23の回転速度を減速する減速機21を有する減速機付モータ(ギヤードモータ)2の出力軸に、クランク11の一端が連結されている。
【0029】
クランク11の他端には、リンク12の一端が回転自在に連結され、リンク12の他端は、クランク11の回転運動に応じて往復運動するスライダ13に、回動自在に連結されている。クランク11、リンク12及びスライダ13は、回転運動を往復運動に変換するスライダ・クランク機構1を構成している。
スライダ13には、搬送物を載置する為のトレー4が固設されている。
ブラシレスDCモータ23は、ロータの例えば回転角度120度毎の位置を検出しロータ位置信号(パルス信号)を出力するロータ位置検出器24を有しており、ロータ位置検出器24が出力したロータ位置信号は、ブラシレスDCモータ駆動装置6に与えられる。
【0030】
クランク11の他端がトレー4から最も離隔した回転位置を通過するときに、基準点検出器43が、クランク11の他端を減速機付モータ2の出力軸の基準点として検出し、その基準点検出信号は、ブラシレスDCモータ駆動装置6に与えられる。
ブラシレスDCモータ駆動装置6は、与えられたロータ位置信号、及び基準点検出器43の基準点検出信号に基づき、ブラシレスDCモータ23を回転速度が低速→加速→高速→減速→低速となるように駆動制御する。
ブラシレスDCモータ駆動装置6には、揺動コンベヤの運転をオン/オフする運転スイッチ33が設けられている。
【0031】
尚、図4に示すように、基準点検出器43を減速機21のケーシング21a内に設ける構成としても良い。この場合、減速機21(減速機付モータ2)の出力軸21bに、基準点として突起部21cを設けておき、基準点検出器43は、突起部21cを検出する。
【0032】
図2は、図1に示すブラシレスDCモータ駆動装置6の要部回路構成例を示すブロック図である。
ブラシレスDCモータ駆動装置6は、交流電源8から交流電源電圧Eaを電源端子L1,L2間に与えられ、与えられた交流電源電圧Ea及び交流電流Iaは、コンバータ61により整流される。整流された交流電源電圧Ea及び交流電流Iaは、平滑コンデンサ62により平滑され、平滑された直流電圧Edは、インバータ64の電源端子P,Nに与えられると共に、制御電源回路20により制御用電圧Vccに降圧される。
【0033】
インバータ64は、電源端子P,Nに与えられた直流電圧Edを、U相、V相、W相の3相半波電圧に変換し、ブラシレスDCモータ23に与える。
ブラシレスDCモータ23が有するロータ位置検出器(パルス信号を出力する手段)24が出力したロータ位置信号(パルス信号)が、ブラシレスDCモータ駆動装置6の制御部(速度制御手段)22に与えられる。ロータ位置検出器24は、3相に合わせて、3つのホール素子を有しており、ブラシレスDCモータ23が1回転する間に、120度回転する毎に、計3個のロータ位置信号を出力する。
【0034】
制御部22に与えられたロータ位置信号は、駆動信号出力部22cに与えられると共に、位置パルス信号作成部22dへ与えられる。位置パルス信号作成部22dは、3逓倍回路であり、ロータ位置信号を与えられる都度、3個の位置パルス信号(信号)fを作成し出力する。出力された位置パルス信号fは、カウンタ(計数手段)22aで計数される。尚、位置パルス信号作成部22dを省略して、カウンタ22aがロータ位置信号を計数するように構成することも可能である。
【0035】
カウンタ22aの計数値は、目標回転速度設定部22bに与えられる。目標回転速度設定部22bは、与えられた計数値に基づき、ブラシレスDCモータ23の目標回転速度を定め、定めた目標回転速度の速度指令信号eを駆動信号出力部22cに与える。
駆動信号出力部22cは、与えられた速度指令信号e及びロータ位置信号に基づき、インバータ64の各スイッチング素子をオン/オフしてブラシレスDCモータ23を駆動する為の駆動信号を作成し、インバータ64に与える。
【0036】
制御部22には、基準点検出器43の接点信号が基準点検出信号として与えられ、また、運転スイッチ33の接点信号が与えられる。基準点検出信号は、計数値をクリア(リセット)する信号としてカウンタ22aに与えられる。
ブラシレスDCモータ駆動装置6は、目標回転速度設定部22bが設定すべきブラシレスDCモータ23の高速回転時の回転速度、低速回転時の回転速度、加速時の加速度(加速時間)及び減速時の加速度(減速時間)の設定を受付ける設定受付部25を備えている。
目標回転速度設定部22bは、設定受付部25が受付けた各設定、及び上述したカウンタ22aの計数値に基づき、ブラシレスDCモータ23の目標回転速度を定める。
【0037】
図3は、図2に示すコンバータ61(a)及びインバータ64(b)の構成例を示す回路図である。
コンバータ61は、ダイオード61aのアノード及びダイオード61cのカソードに電源端子L1が接続され、ダイオード61bのアノード及びダイオード61dのカソードに電源端子L2が接続された全波整流器である。ダイオード61a及びダイオード61bの各カソードは、平滑コンデンサ62のプラス端子Pに接続され、ダイオード61c及びダイオード61dの各アノードは、平滑コンデンサ62のマイナス端子Nに接続されている。
【0038】
インバータ64は、トランジスタ64uのエミッタ及びトランジスタ64xのコレクタにU相の出力端子が、トランジスタ64vのエミッタ及びトランジスタ64yのコレクタにV相の出力端子が、トランジスタ64wのエミッタ及びトランジスタ64zのコレクタにW相の出力端子がそれぞれ接続されている。トランジスタ64u,64v,64wの各コレクタは電源のプラス端子Pに接続され、トランジスタ64x,64y,64zの各エミッタは電源のマイナス端子Nに接続されている。トランジスタ64u,64v,64w,64x,64y,64zには、それぞれ還流ダイオードが逆並列に接続されている。
【0039】
駆動信号出力部22cは、与えられた速度指令信号e及びロータ位置信号に基づく駆動信号(6線)により、インバータ64を構成するトランジスタ(スイッチング素子)64u,64v,64w,64x,64y,64zをそれぞれオン/オフして、直流電圧Edを、U相、V相、W相の3相半波電圧に変換する。この際、各駆動信号の周期を徐々に短縮すれば、ブラシレスDCモータ23の回転速度は上昇し、各駆動信号の周期を徐々に延長すれば、ブラシレスDCモータ23の回転速度は低下する。
また、各駆動信号の1周期当たりの短縮量を大/小に変化させれば、ブラシレスDCモータ23の回転速度の加速に要する時間は短/長に変化し、各駆動信号の1周期当たりの延長量を大/小に変化させれば、ブラシレスDCモータ23の回転速度の減速に要する時間は短/長に変化する。
【0040】
以下に、このような構成のブラシレスDCモータ23、減速機21及び揺動コンベヤの動作を、それを示す図5のフローチャート及び図6のタイミングチャートを参照しながら説明する。
運転スイッチ33がオンにされ、運転信号がオンになると(S21)、目標回転速度設定部22bは、目標回転速度を低速N2に設定する(S23)。
このとき、運転信号がオンになり(図6(g)t0)、目標回転速度が低速N2に設定され(e)、目標回転速度設定部22bが出力する速度指令信号eはN2(e2)となって(f)ブラシレスDCモータ23が始動し、交流電源8からコンバータ61へ交流電流Iaが入力される(i)。コンバータ61へ交流電流Iaが入力されることにより、平滑されたコンバータ61の出力電圧(P−N間電圧)Edは略√2×Eaとなる(h)。
【0041】
この状態で、ブラシレスDCモータ23が回転し続け、減速機21の基準点検出器43が基準点を検出してオンになると(S25)、カウンタ22aが計数値をクリアし(S27)、位置パルス信号作成部22dが出力した位置パルス信号fの計数を開始する(S29)。
このとき、基準点検出器43の検出信号は、一瞬オフになった後、オンに復帰し(図6(a)t1a)、カウンタ22aの計数値がクリアされ、カウンタ22aが位置パルス信号f(b)の計数を開始する((c)(d)t1a)。
【0042】
カウンタ22aが計数した計数値(S29)が、加速開始点設定値Caに達すると(S31)、目標回転速度設定部22bは、目標回転速度を高速N1に設定する(S33)。
このとき、計数値が加速開始点設定値Caに達し(図6(c)t2)、目標回転速度が高速N1に設定され((e)t2)、目標回転速度設定部22bが出力する速度指令信号eは、N2(e2)(t2)から徐々にN1(e1)(t3)になり(f)、コンバータ61への交流電流Iaの振幅が大きくなる(i)。
【0043】
この状態で、ブラシレスDCモータ23が回転し続け、カウンタ22aが計数した計数値(S29)が、減速開始点設定値Cdに達すると(S35)、目標回転速度設定部22bは、目標回転速度を低速N2に設定する(S23)。
このとき、計数値が加速開始点設定値Cdに達し(図6(d)t4)、目標回転速度が低速N2に設定され((e)t4)、目標回転速度設定部22bが出力する速度指令信号eは、N1(e1)(t4)から徐々にN2(e2)(t5)になる(f)。
【0044】
ブラシレスDCモータ23が減速し始めると、ブラシレスDCモータ23に発生した回生電力が、インバータ64の各還流ダイオードを通じて、平滑コンデンサ62に充電され、コンバータ61の出力電圧Edは上昇する(h)。
電圧Edが上昇し、Ed≧√2×Eaになると(h)、交流電源8からコンバータ61への交流電流Iaは遮断される(i)。尚、ここでは、説明を簡単にする為に、コンバータ61のダイオードの順方向の電圧降下は無視している。
【0045】
ブラシレスDCモータ23は、減速を終了し、低速N2で回転し始めた((f)t5)後も、暫らくは、平滑コンデンサ62の蓄電電力により回転する((h)Te)。
この状態で、ブラシレスDCモータ23が回転し続け、基準点検出器43が基準点を検出してオンになると(S25)、カウンタ22aが計数値をクリアし(S27)、ロータ位置検出器24が出力した位置パルス信号(信号)fの計数を開始する(S29)。
このとき、基準点検出器43の検出信号は、一瞬オフになった後、オンに復帰し(図6(a)t6)、カウンタ22aの計数値がクリアされ、カウンタ22aが位置パルス信号f(b)の計数を開始する((c)(d)t6)。
【0046】
カウンタ22aが計数した計数値(S29)が、加速開始点設定値Caに達すると(S31)、目標回転速度設定部22bは、目標回転速度を高速N1に設定する(S33)。
このとき、計数値が加速開始点設定値Caに達し(図6(c))、目標回転速度が高速N1に設定され(e)、目標回転速度設定部22bが出力する速度指令信号eは、N2(e2)から徐々にN1(e1)になる(f)。
上記の過程で、平滑コンデンサ62の出力電圧Edが低下し、Ed<√2×Eaになると(h)、交流電源8からコンバータ61への交流電流Iaが復帰する(i)。この際、目標回転速度は高速N1に設定されているので(e)、交流電流Iaの振幅は大きくなる。以下、t1a〜t6の動作が繰り返される。
【0047】
以下に、上述したブラシレスDCモータ23及び減速機21(減速機付モータ2)の動作に応じた揺動コンベヤの動作を、それを模式的に示す図7の説明図を参照しながら説明する。尚、図7では、説明を容易にする為に、クランク11の1回転を、45度の回転角度毎の8ステップ(S1〜S8)で示している。
クランク11が1回転するとき、トレー4は1往復(前進/後退)する。クランク11の回転速度は、クランク11が1回転する間に、低速→加速→高速→減速→低速と変化する。
減速機付モータ2は、クランク11がリンク12と一直線になるとき、高速で回転し、クランク11がリンク12と重なるとき、低速で回転するように駆動制御される。
【0048】
クランク11が、トレー4が後退する方向の半回転側を回転している場合(ステップS1〜S4)、ブラシレスDCモータ23は低速N2で回転し(図6(e)t0〜t1〜t2)、クランク11は低速で回転する。このとき、トレー4は、ステップS1からステップS2の間は、減速しながら後退し、ステップS2で(一瞬)停止する。また、トレー4は、ステップS2からステップS4の間は、加速しながら前進する。
【0049】
トレー4は、ステップS2の前後で後退から前進へ移動方向が変わるが、このとき、クランク11が、トレー4上の搬送物14が後退方向へ滑らないような低速で回転するように、ブラシレスDCモータ23の回転速度N2は調節されている。
トレー4がステップS2で(一瞬)停止するとき、基準点検出器43が、減速機付モータ2の出力軸の基準点を検出してオンになり(図6(a)t1a(t6))、カウンタ22aが計数値をクリアし、位置パルス信号(信号)fの計数を開始する(図6(c)(d)t1a)。
【0050】
トレー4がステップS3を経由して加速しながら前進している間に、カウンタ22aの計数値が加速開始点設定値Caに達すると(図6(c)t2)、ブラシレスDCモータ23の目標回転速度が高速N1に設定され(図6(e)t2)、速度指令信号eは、N2(e2)(t2)から徐々にN1(e1)(t3)になる(図6(f))。
クランク11が、ステップS4で、トレー4の往復方向と直角になるときに、カウンタ22aの計数値が加速開始点設定値Caに達する(図6(c)t2)ように設定されている。クランク11は、ステップS4からステップS5の間は、低速から加速し、トレー4は、更に加速しながら前進する。このとき、クランク11は、トレー4上の搬送物14が後退方向へ滑らないように加速し、ブラシレスDCモータ23の回転速度もそのようにN1迄加速される(図6(f)t2〜t3)。
【0051】
クランク11は、ステップS5からステップS8の間は、高速で回転する。このとき、トレー4は、ステップS5からステップS6の間は、トレー4上の搬送物14が前進方向へ滑るように、減速しながら前進し、ステップS6で(一瞬)停止する。トレー4は、ステップS6からステップS8の間は、トレー4上の搬送物14が前進方向へ滑るように、加速しながら後退する。
【0052】
トレー4は、ステップS6の前後で前進から後退へ移動方向が変わるが、このとき、クランク11の回転速度が速ければ速い程、多くの搬送物14がトレー4から排出される。ブラシレスDCモータ23の高速時の回転速度N1もそのように調整されている(図6(f)t3〜t4)。
【0053】
トレー4がステップS7を経由して高速で後退している間に、カウンタ22aの計数値が減速開始点設定値Cdに達すると(図6(d)t4)、ブラシレスDCモータ23の目標回転速度が低速N2に設定され(図6(e)t4)、速度指令信号eは、N1(e1)(t4)から徐々にN2(e2)(t5)になる(図6(f))。
クランク11が、ステップS8で、トレー4の往復方向と直角になるときに、カウンタ22aの計数値が減速開始点設定値Cdに達する(図6(d)t4)ように設定されている。
【0054】
クランク11は、ステップS8からステップS1の間は、高速から減速し、トレー4は、減速しながら後退する。このとき、クランク11は、トレー4上の搬送物14が後退方向へ滑らないように減速し、ブラシレスDCモータ23の回転速度もそのようにN2迄減速する(図6(f)t4〜t5)。ブラシレスDCモータ23の回転速度が低速N2になったとき(図6(f)t5)、クランク11は、ステップS1で再び低速に達する。以下、ステップS1〜S8の動作が繰り返される。
【0055】
(実施の形態2)
図8は、本発明に係るモータ及び揺動コンベヤの実施の形態2の概略構成を模式的に示す模式図である。
この揺動コンベヤは、誘導モータ26、及び誘導モータ26の回転速度を減速する減速機21を有する減速機付モータ(ギヤードモータ)2aの出力軸に、クランク11の一端が連結されている。
【0056】
クランク11の他端には、リンク12の一端が回転自在に連結され、リンク12の他端は、クランク11の回転運動に応じて往復運動するスライダ13に、回動自在に連結されている。クランク11、リンク12及びスライダ13は、回転運動を往復運動に変換するスライダ・クランク機構1を構成している。
スライダ13には、搬送物を載置する為のトレー4が固設されている。
【0057】
トレー4の後退時に、クランク11が、トレー4の後退方向と直角になる回転位置を通過するときに、減速開始点検出器(基準点検出器)42が、クランク11の他端を減速機付モータ2aの出力軸の基準点として検出し、その検出信号は、モータ駆動装置3に与えられる。
トレー4の前進時に、クランク11が、トレー4の前進方向と直角になる回転位置を通過するときに、加速開始点検出器(第2基準点検出器)41が、クランク11の他端を減速機付モータ2aの出力軸の基準点として検出し、その検出信号は、モータ駆動装置3に与えられる。
【0058】
モータ駆動装置3は、与えられた減速開始点検出器42及び加速開始点検出器41の各検出信号に基づき、誘導モータ26を回転速度が低速→加速→高速→減速→低速となるように駆動制御する。
モータ駆動装置3は、交流電源が与えられ、与えられた交流電源を内蔵されたコンバータ30が変換し出力した直流電力を交流電力に変換する汎用インバータ31を備えている。汎用インバータ31は、誘導モータ26を高速で回転させる周波数f1と、誘導モータ26を低速で回転させる周波数f2とを切替え設定する設定メモリ35を備えており、周波数f1,f2は、速度制御部32により切替えられる。
【0059】
速度制御部32は、揺動コンベヤの運転のオン/オフ操作を受付ける運転スイッチ33と、誘導モータ26の回転速度を切替える速度切替スイッチ34とを備えている。速度切替スイッチ34は、減速開始点検出器42の検出信号により、設定メモリ35の設定を周波数f2に切替え、加速開始点検出器41の検出信号により、設定メモリ35の設定を周波数f1に切替える接点34b,34aを有している。
【0060】
汎用インバータ31は、低速(周波数f2)→高速(周波数f1)、高速(周波数f1)→低速(周波数f2)の切替えを行うときは、徐々に回転速度(周波数)を変化させる。
汎用インバータ31は、また、低速(周波数f2)及び高速(周波数f1)の変更を受付け、低速(周波数f2)→高速(周波数f1)、高速(周波数f1)→低速(周波数f2)の切替えに要する時間の変更を受付ける設定受付部36を備えている。
【0061】
汎用インバータ31は、出力する交流電力の1周期当たりの短縮量を大/小に変化させれば、誘導モータ26の回転速度の加速に要する時間は短/長に変化し、各駆動信号の1周期当たりの延長量を大/小に変化させれば、誘導モータ26の回転速度の減速に要する時間は短/長に変化する。
【0062】
以下に、このような構成の誘導モータ26、減速機21及び揺動コンベヤの動作を、それを示す図9のタイミングチャートを参照しながら説明する。
運転スイッチ33がオンにされ、運転信号がオンになると(図9(d)t0)、誘導モータ26の回転速度(インバータ出力周波数)が低速N2(f2)に設定され、誘導モータ26が回転し始める((c)t0)。
【0063】
この状態で、誘導モータ26が回転し続け((c)t1)、減速機21の加速開始点検出器41が基準点を検出して、検出信号が一瞬オンになった後、オフに復帰すると((a)t2)、速度切替スイッチ34の接点34aが閉(オン)に、接点34bが開(オフ)になる((e)t2)。これにより、誘導モータ26の回転速度(インバータ出力周波数)が高速N1(f1)に設定され、回転速度(インバータ出力周波数)が低速N2(f2)から高速N1(f1)に徐々に上昇する((c)t2〜t3)。
【0064】
誘導モータ26が高速N1(f1)で回転し続け((c)t3〜)、減速機21の減速開始点検出器42が基準点を検出して、検出信号が一瞬オンになった後、オフに復帰すると((b)t4)、速度切替スイッチ34の接点34aが開(オフ)に、接点34bが閉(オン)になる((e)t4)。これにより、誘導モータ26の回転速度(インバータ出力周波数)が低速N2(f2)に設定され、回転速度(インバータ出力周波数)が高速N1(f1)から低速N2(f2)に徐々に低下する((c)t4〜t5)。
【0065】
誘導モータ26が低速N2(f2)で回転し続け((c)t5)、減速機21の加速開始点検出器41が基準点を検出して、検出信号が一瞬オンになった後、オフに復帰すると((a)t6(t2))、速度切替スイッチ34の接点34aが閉(オン)に、接点34bが開(オフ)になる((e)t6(t2))。これにより、誘導モータ26の回転速度(インバータ出力周波数)が高速N1(f1)に設定され、回転速度(インバータ出力周波数)が低速N2(f2)から高速N1(f1)に徐々に上昇する((c)t6(t2)〜)。以下、t2〜t6の動作が繰り返される。
【0066】
以下に、上述した誘導モータ26及び減速機21(減速機付モータ2a)の動作に応じた揺動コンベヤの動作を、それを模式的に示す図10の説明図を参照しながら説明する。尚、図10では、説明を容易にする為に、クランク11の1回転を、45度の回転角度毎の8ステップ(S1〜S8)で示している。
クランク11が1回転するとき、トレー4は1往復(前進/後退)する。クランク11の回転速度は、クランク11が1回転する間に、低速→加速→高速→減速→低速と変化する。
減速機付モータ2aは、クランク11がリンク12と一直線になるとき、高速で回転し、クランク11がリンク12と重なるとき、低速で回転するように駆動制御される。
【0067】
クランク11が、トレー4が後退する方向の半回転側を回転している場合(ステップS1〜S4)、誘導モータ26は低速N2で回転し(図9(c)t0〜t1〜)、クランク11は低速で回転する。このとき、トレー4は、ステップS1からステップS2の間は、減速しながら後退し、ステップS2で(一瞬)停止する。また、トレー4は、ステップS2からステップS4の間は、加速しながら前進する。
【0068】
トレー4は、ステップS2の前後で後退から前進へ移動方向が変わるが、このとき、クランク11が、トレー4上の搬送物14が後退方向へ滑らないような低速で回転するように、誘導モータ26の回転速度N2は調節されている。
トレー4がステップS3を経由して加速しながら前進している間に、ステップS4で、減速機21の加速開始点検出器41が基準点を検出すると(図9(a)t2)、誘導モータ26の回転速度が高速N1に設定され、低速N2から高速N1に加速される(図9(c)t2〜t3)。
クランク11が、ステップS4で、トレー4の往復方向と直角になるとき、加速開始点検出器41が基準点を検出する(図9(a)t2)。
【0069】
誘導モータ26の回転速度が低速N2から高速N1に加速されるとき(図9(c)t2〜t3)、クランク11は、ステップS4からステップS5において、低速から高速に加速し、トレー4は、更に加速しながら前進する。このとき、クランク11は、トレー4上の搬送物14が後退方向へ滑らないように加速し、誘導モータ26の回転速度もそのようにN1迄加速される。
【0070】
クランク11は、ステップS5からステップS8の間は、高速で回転する。このとき、トレー4は、ステップS5からステップS6の間は、トレー4上の搬送物14が前進方向へ滑るように、減速しながら前進し、ステップS6で(一瞬)停止する。トレー4は、ステップS6からステップS8の間は、トレー4上の搬送物14が前進方向へ滑るように、加速しながら後退する。
【0071】
トレー4は、ステップS6の前後で前進から後退へ移動方向が変わるが、このとき、クランク11の回転速度が速ければ速い程、多くの搬送物14がトレー4から排出される。誘導モータ26の高速時の回転速度N1もそのように調整されている(図9(c)t3〜t4)。
トレー4がステップS7を経由して高速で加速しながら後退している間に、ステップS8で、減速機21の減速開始点検出器42が基準点を検出すると(図9(b)t4)、誘導モータ26の回転速度が低速N2に設定され、高速N1から低速N2に減速される(図9(c)t4〜t5)。
クランク11が、ステップS8で、トレー4の往復方向と直角になるとき、減速開始点検出器42が基準点を検出する(図9(b)t4)。
【0072】
誘導モータ26の回転速度が高速N1から低速N2に減速されるとき(図9(c)t4〜t5)、クランク11は、ステップS8からステップS1において、高速から低速に減速し、トレー4は、減速しながら後退する。このとき、クランク11は、トレー4上の搬送物14が後退方向へ滑らないように減速し、誘導モータ26の回転速度もそのように低速N2迄減速する(図9(c)t4〜t5)。誘導モータ26の回転速度が低速N2になったとき(図9(c)t5)、クランク11は、ステップS1で再び低速に達する。以下、ステップS1〜S8の動作が繰り返される。
【符号の説明】
【0073】
1 スライダ・クランク機構
2,2a 減速機付モータ(ギヤードモータ)
3 モータ駆動装置
4 トレー
6 ブラシレスDCモータ駆動装置
11 クランク
13 スライダ
21 減速機
22 制御部(速度制御手段)
22a カウンタ(計数手段)
22b 目標回転速度設定部
22c 駆動信号出力部
22d 位置パルス信号作成部
23 ブラシレスDCモータ(モータ)
24 ロータ位置検出器(パルス信号を出力する手段)
25,36 設定受付部
26 誘導モータ
30,61 コンバータ
31 汎用インバータ
32 速度制御部(速度制御手段)
34 速度切替スイッチ
35 設定メモリ
41 加速開始点検出器(第2基準点検出器)
42 減速開始点検出器(基準点検出器)
43 基準点検出器
62 平滑コンデンサ
64 インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータが所定角度回転する都度パルス信号を出力する手段を有し、該手段が出力したパルス信号に基づき、回転速度を制御するように構成してあるモータにおいて、
モータ軸又は該モータ軸に連動する回転軸に設けられた基準点を検出する基準点検出器と、該基準点検出器が基準点を検出してから、前記パルス信号又は該パルス信号に基づく信号を計数する計数手段と、回転速度を、前記基準点検出器が基準点を検出したときにN2とし、前記計数手段の計数値がC1に到達したときに加速してN1(>N2)とし、前記計数手段の計数値がC2(>C1)に到達したときに減速してN2とし、前記基準点検出器が基準点を再度検出したときに、前記計数手段をリセットする速度制御手段とを備えることを特徴とするモータ。
【請求項2】
前記C1,C2,N1,N2,N2からN1への加速時の加速度、及びN1からN2への減速時の加速度のそれぞれの設定を受付ける手段を更に備える請求項1記載のモータ。
【請求項3】
供給される電圧を平滑する平滑コンデンサを更に備え、減速するときの回生電力を、前記平滑コンデンサに蓄電するように構成してある請求項1又は2記載のモータ。
【請求項4】
モータ軸又は該モータ軸に連動する回転軸に設けられた基準点を検出して検出信号を出力する基準点検出器を備え、該基準点検出器が出力した検出信号に基づき、回転速度を制御するように構成してあるモータにおいて、
前記基準点検出器に対向する位置に設けられ、前記基準点を検出する第2基準点検出器と、回転速度を、前記基準点検出器が基準点を検出したときにN2とし、前記第2基準点検出器が基準点を検出したときにN1(>N2)とする速度制御手段とを備えることを特徴とするモータ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1つに記載されたモータと、搬送物を載置するトレーと、前記モータのモータ軸、又は該モータ軸に連動する回転軸とトレーとの間に連結され、前記モータ軸又は回転軸の回転運動を該トレーの往復運動に変換するスライダ・クランク機構とを備えることを特徴とする揺動コンベヤ。
【請求項6】
前記N2からN1へ加速する際に要する加速時間の設定を受付ける手段を更に備える請求項5記載の揺動コンベヤ。
【請求項7】
前記N2及びN1のそれぞれの設定を受付ける手段を更に備える請求項5又は6記載の揺動コンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−12194(P2012−12194A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152145(P2010−152145)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000150800)株式会社ツバキエマソン (102)
【Fターム(参考)】