説明

モータ駆動装置,モータ駆動方法、及び電動ブレーキ装置

【課題】モータの回転数がほぼ0(ゼロ)の際にトルクを継続して発生させるような製品では、モータの回転位置に従って出力電圧を一定値に保つため、特定素子に電流が集中して流れる状態が保持される。特定素子に電流が集中すると、その特定素子温度が上昇し、インバータ装置の温度フェールが生じやすくなり、素子寿命低下等の問題が生じる。
【解決手段】モータ駆動装置における電力変換器において、モータロック状態のとき、スイッチング回路の1相のみパルス幅制御を行うように巻線への通電制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動装置,モータ駆動方法、及び電動ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今では、様々な用途にモータが用いられており、モータが駆動する対象の特性によって、モータの構造,制御内容をそれぞれ異ならせるのが一般的である。高速回転を主目的とするもの、低速回転の回転数の正確さを目的とするもの、回転トルクの大きさを重視するもの、低速時のトルクを重視するものなど、目的は様々であり、その目的に応じてモータの構造や制御が選択される。例えばモータの回転速度を重視するものがある一方で、モータの回転数がほぼ0(ゼロ)の駆動領域におけるトルクの大きさを重視するものがある。
【0003】
後者としては、例えば自動車のブレーキ装置にモータを設け、モータの回転出力を軸方向の押し付け力に変換することにより、摩擦パッドを介して自動車等の回転ディスクに制動力を付与する構成の電動ブレーキ装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−257389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなモータには、永久磁石ブラシレスモータ等の交流電圧を電源とする3相または多相の交流モータが多く用いられ、交流電圧を印加するために複数のスイッチング素子からなるインバータ装置が用いられる。インバータ装置のスイッチング素子は、正弦波パルス幅変調制御によってオン/オフを制御されるのが一般的である。正弦波パルス幅変調制御は、インバータ出力電圧が正弦波状になるように、全素子のオン/オフのパルス幅及び、タイミングを制御する方法であり、常時全スイッチング素子がオン/オフしている。
【0006】
ところが、上記で例示した電動ブレーキ装置は、モータ回転を軸方向の押し付け力に変換することによって摩耗パッドを回転ディスクに押し付けているので、押し付ける隙間がゼロでかつブレーキ力を維持した状態では、モータ回転がほぼ停止(回転停止状態を含む、回転角速度、またはモータ回転数がごく小さい値以下を示す状態)のまま、所定の一定電圧を出力することになる(以下、このような状態を「モータロック」とする)。
【0007】
この場合、制動力が作用している際にはモータの回転数はほぼ0(ゼロ)であるが、当該制動力を維持するためには、モータが所定の大きさ以上のトルクを連続して出力する必要がある。モータ回転時はインバータ出力電圧を周期的に変化させるのでスイッチング素子の発熱が平準化されるのに対し、モータロック時はモータの回転位置に従って出力電圧を一定値に保つため、特定素子に電流が集中して流れる状態が保持されることになる。特定素子に電流が集中すると、その特定素子温度が上昇し、インバータ装置の温度フェールが生じやすくなり、素子寿命低下等の問題が生じる。
【0008】
また、自動車補機用モータ駆動装置は設置空間の制限が多いので、水冷や強制風冷等積極的な冷却方法を取り付けられず、モータ駆動装置を小さくするためには装置の損失低減が必須条件である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するべく、モータロック状態のとき、スイッチング回路の1相のみパルス幅制御を行うように巻線への通電制御を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、装置全体の損失が低減され、装置の温度フェールの可能性が低くなり、素子寿命の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、3相巻線をステータに有するモータを用いた電動ブレーキを例に挙げ説明するが、本発明は3相に限らず、多相巻線を用いたモータにも同様の原理で適用できる。また、自動車用の電動ブレーキに限らず、他の一般のアクチュエータに適用できる。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態をなすモータ駆動装置を搭載した電動ブレーキ装置のシステム概略図を示す。
【0013】
電動ブレーキ装置30は、例えば永久磁石ブラシレスモータからなるモータ20の回転力をピストンの押し付け力に変換して図示しないパッドなどによりディスクブレーキ40を押し付ける装置であり、モータ20にはモータ駆動装置10を一体に取り付けた状態である。
【0014】
バッテリ80は各モータ駆動装置10とブレーキ制御装置50に電源を供給している。以下、電動ブレーキシステムの動作について説明する。運転者がブレーキペダル70を踏むと、ブレーキセンサ60が運転者の要求制動力を読み取り、ブレーキ制御装置50へ運転者の要求性動力を伝達する。
【0015】
ブレーキ制御装置50は、運転者の要求制動力から、各ブレーキ装置の制動力指令値を演算し、各ブレーキ装置のモータ駆動装置10へ伝達する。
【0016】
モータ駆動装置10は制動力指令値に従い、モータ20に適切な駆動電圧を供給数する。駆動電圧は、例えば、パルス幅変調された3相交流電圧である。
【0017】
モータ20に駆動電圧が加わることにより、モータ20が回転し、モータ回転力が、図示しない回転直動変換装置、例えばボールねじやボールアンドランプ機構によりディスクブレーキを押し付ける直動推力に変換され、ディスクブレーキ40を押し付けて制動力を得る。
【0018】
図2は、図1のモータ駆動装置およびその周辺のブロック構成図を示す。
【0019】
モータ駆動装置10は、2個のスイッチング素子を1相分とした、3相分のスイッチング素子からなる電力変換回路と、前記スイッチング素子を駆動するドライバIC90と、前記ドライバIC90へ、スイッチング素子のオン/オフ指令を伝達する制御部100からなる。図2において、スイッチング素子はMOSFETを示しているが、IGBTとダイオードの組み合わせとしてもかまわない。
【0020】
制御部100は、ブレーキ制御装置50からの制動力指令値に加え、電力変換回路からモータ20への接続線に設けた電流センサ200からの信号から求められる電力変換回路の出力電流や、ディスクブレーキ40への押付力、さらに、モータ20のロータ101の磁極位置情報を検出または推定により入手する位置センサ111,112,113からのモータロータの磁極位置情報から、スイッチング素子S1〜S6のオン/オフタイミングを演算し、ドライバIC90を経由して、S1〜S6のオン/オフを制御する。
【0021】
図3は、図1の例でモータロックを行ったときの、その前後の指令出力電圧と各スイッチング素子のオン/オフパターンを示す。
【0022】
図3の時間t1までの間では、モータが回転しているので、スイッチング素子S1〜
S6は、出力電圧指令に従い、例えば正弦波パルス幅変調制御によって、全素子がオンオフを繰り返している。
【0023】
時間t1のタイミングでモータ回転数がゼロに近くなり、ロックしたタイミングである。モータロックした場合は、トルク指令値とモータロータの磁極位置に応じた一定電圧を出力し続ける。本図では、V,W相がプラス電圧、U相がマイナス電圧を出力するよう電圧指令が固定されている。
【0024】
本実施形態では、モータロック時にU,V,W相の内、1相のみパルス幅変調制御を行う。図3においてモータがロックした時間t1以降、スイッチング素子S1はオフ、スイッチング素子S3はオン、スイッチング素子S4はオフ、スイッチング素子S5はオン、スイッチング素子S6はオフに固定し、スイッチング素子S2のみがパルス幅変調を行っている。
【0025】
図3の時間t1以降の電流の流れの向きを説明する。電源VBからスイッチング素子
S3からモータステータ巻線LV,同LU,スイッチング素子S2へと流れると同時に、スイッチング素子S5からモータステータ巻線LW,同LU,スイッチング素子S2へ流れる。スイッチング素子S3及びS5からモータステータ巻線へ流れる電流は、全てS2を通して、電源が戻るので、S2のパルス幅変調のみ、つまり1相変調のみでステータ巻線3相へ通電する電流を制御できる。
【0026】
全素子をスイッチングしている制御方法に比べ、本実施形態においては、モータロック時のスイッチング素子が1つしかないので、モータ駆動装置におけるスイッチング素子全体の損失を低減し、電力変換効率を向上できる。
【0027】
図4は、図1の例でモータロックを行ったときの、モータロータの電気角の関係から1相変調2相通電する波形を示す。
【0028】
図4はモータがロックした時間t2以降、スイッチング素子S1はオフ、スイッチング素子S2はオン、スイッチング素子S4はオフ、スイッチング素子S5はオフ、スイッチング素子S6はオフに固定し、スイッチング素子S3のみがパルス幅変調を行っている。
【0029】
図4の時間t2以降の電流の流れの向きを説明する。電源VBからスイッチング素子
S3からモータステータ巻線LV,同LU,スイッチング素子S2へと流れる。スイッチング素子S5,S6はオフに固定しているので、1相変調でステータ巻線2相への通電電流を制御している。
【0030】
図3,図4のように、モータロータの電気角の位置による通電パターンの違いを図5を用いて説明する。
【0031】
図5は、図1の例で、モータロータ電気角に対する、モータロック時の通電パターンを示す。
【0032】
電気角360°を12モード(M1〜M12)に分割し、各モードにおけるスイッチング素子S1〜S6の通電パターンが、オン,オフ,パルス幅変調(PWM)のいずれかを示している。電気角はU相電圧を基準に記述している。12モードは、通電相が2相,3相が交互に来るように電気角を設定している。
【0033】
モードM1は、U相電圧,W相電圧がプラス方向に同一、V相電圧のみがマイナス方向に向いているとして、V相電圧の波高値前後15°の範囲で設定している。モードM1において、S2,S3,S6をオフに固定し、S1,S5をオンに固定、S4をパルス幅制御することで、1相変調3相通電を実現している。
【0034】
モードM2は、W相電圧をゼロ、U相電圧=−(V相電圧)の関係にあるとして、W相電圧がゼロクロスポイントの前後15°の範囲を設定している。モードM2においては、S2,S3,S5,S6をオフに固定し、S4をオンに固定、S1をパルス幅変調することで、U相からV相へ電流が流れる1相変調2相通電を行っている。
【0035】
尚、パルス幅変調するスイッチング素子をS4に変更し、S1をオンに固定しても、同じく電流を制御できる。
【0036】
以下モードM3〜M12は前2モードに類似した通電パターンを構成している。本実施形態は、図5に示す12モードの範囲を設定することで、1相変調による3相通電モードと2相通電モードの組み合わせを実現し、電気角で12分割した範囲でモータのロックトルクを効率よく出力できる。
【0037】
次にモータロックの判別方法について説明する。
【0038】
図6は、図1の例における、推力,モータ回転数,モータ駆動装置の出力電流の関係を示す。
【0039】
実推力値は、ピストンの直動推力情報を検出または推定により入手する推力値入手手段から入手する。ここでは推力値入手手段である推力センサ120(図2に記載)からの信号で実推力値を求め、モータ回転数は位置入手手段である位置センサ111〜113から求め、出力電流は電流値入手手段である電流センサ200から求められる。
【0040】
ブレーキをかけ始めた、つまり制動力指令値から計算される推力指令が時間t3において入力されると、モータ駆動装置から電流が出力され、モータが回転する。モータ回転は推力指令とともに上昇するが、ブレーキパッドがディスクブレーキに接触すると回転数は減少し、時間t4には速度ゼロに近くなる。時間t4において、速度ゼロになると、実推力は推力指令値に近くなり、時間t4以降出力電流が一定になる。
【0041】
時間t4においてモータ回転数がゼロになり、モータがロックする。モータロック判定前は正弦波パルス幅制御を行い、モータロック判定後は1相変調制御に切り替える。切り替え時のショック緩和のため、モータロックの判定は、モータ回転がゼロになり、かつ実推力値が推力指令値に近づいた時間t4からある程度時間をおいた時間t5で判定し、1相変調に切り替えるほうが好ましい。
【0042】
ブレーキを解除し始める、すなわち推力指令がゼロになる時間t5においては、速やかに正弦波パルス幅制御に切り替え、応答よくブレーキを解除する。
【0043】
以上のような制御を行うことにより、モータ駆動装置の応答性を維持しつつ、電動ブレーキ装置におけるモータ駆動装置の損失を低減し、高効率化を図ることができる。
【実施例2】
【0044】
図7は、本発明の他の実施形態をなすスイッチング素子のオン/オフ制御を示す。
【0045】
図3と同様、モータロックを判定した時間t1で1相変調制御に切り替わり、スイッチング素子S2のみのパルス幅変調で通電制御している。
【0046】
スイッチング素子S2がオフの時、還流電流がスイッチング素子S1の寄生ダイオードを流れるので、モータロック時においても、S1,S2とも発熱する。スイッチング周期とスイッチング素子S1の通電時間の関係から、パルス幅制御を行っているS2の発熱がS1に比べ大きくなる場合があるので、時間t7において、変調相を切り替える制御を行う。すなわち、スイッチング素子S2をオンに固定し、S3,S5をパルス幅変調することで、モータロック時の電圧電流を制御する。
【0047】
このように変調相を切り替えることで、スイッチング素子S2のスイッチング損失分を減らすことが可能になる。
【0048】
尚、時間t7のタイミングは、制御部100において各スイッチング素子の発熱を計算し、発熱が分散するように決定するのが好ましい。
【0049】
上記のように、1相変調制御において、スイッチング素子の発熱が偏った場合、モータロックの最中に変調相を切り替えることで、スイッチング素子間の発熱を平準化できるので、スイッチング素子の長寿命化、つまり、モータ駆動装置の長寿命化を達成することが出来る。
【実施例3】
【0050】
図8は、本発明の他の実施形態をなすスイッチング素子のオン/オフ制御を示す。ここではモータロック時に推力指令が変動(減少)した時、通電幅を変える例を示す。
【0051】
図8は、図3の場合と同様に、時間t1において、モータロックと判断し、t1以降位相変調制御に切り替わる。時間t8において、ブレーキ指令が低下したとすると、出力電圧指令も減少するので、パルス幅変調幅をパルス幅W1からパルス幅W2に変化させている。モータロック中のモータトルクを減少させるのは、パルス幅を減少させることで対応できるので、電動ブレーキ装置において、パルス幅変動によるモータトルクの制御が可能である。
【0052】
このように、本実施形態によれば、モータ駆動装置における発熱損失が低減されているので、ブレーキを多用する自動車に適用すれば、長時間の連続的なブレーキの使用が可能になる。
【0053】
本発明のモータ駆動装置は、モータロック時に1相のみパルス幅変調制御を行う1相変調制御に切り替えるので、モータロック状態の多いモータ駆動装置において、装置全体の損失が低減される。従って、損失低減により、モータ駆動装置の温度フェールの可能性を低減し、素子寿命の向上を図ることが出来る。
【0054】
以上、電動ブレーキ装置におけるモータロック時の1相変調制御について説明したが、本発明は電動ブレーキ以外の電動アクチュエータへも適用できる。モータ駆動装置における発熱損失が低減されているので、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の駆動輪に駆動モータを設置する自動車の駆動モータの回生ブレーキと組み合わせて、長時間協調制御を行うことも、好適な適用例である。他の自動車補機に適用することも可能であり、また自動車に関連しない他の装置であっても、回転がゼロまたはゼロに近い状態でトルクを継続して発生させることが必要な対象であれば、同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態をなすモータ駆動装置を搭載した電動ブレーキ装置のシステム概略図を示す。
【図2】図1のモータ駆動装置およびその周辺のブロック構成図を示す。
【図3】図1の例でモータロックを行ったときの、その前後の指令出力電圧と各スイッチング素子のオン/オフパターンを示す。
【図4】図1の例でモータロックを行ったときの、モータロータの電気角の関係から1相変調2相通電する波形を示す。
【図5】図1の例で、モータロータ電気角に対する、モータロック時の通電パターンを示す。
【図6】図1の例における、推力,モータ回転数,モータ駆動装置の出力電流の関係を示す。
【図7】本発明の他の実施形態をなすスイッチング素子のオン/オフ制御を示す。
【図8】本発明の他の実施形態をなすスイッチング素子のオン/オフ制御を示す。
【符号の説明】
【0056】
10…モータ駆動装置、20…永久磁石ブラシレスモータ、30…電動ブレーキ装置、40…ディスクブレーキ、50…ブレーキ制御装置、60…ブレーキセンサ、70…ブレーキペダル、80…バッテリ、90…ドライバIC、100…制御部、101…モータロータ、111,112,113…位置センサ、120…推力センサ、200…電流センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3相の巻線を有するステータ及び永久磁石を有するロータより構成されたブラシレスモータの駆動装置であって、
前記巻線への通電を行う複数のスイッチング素子を有するスイッチング回路と、
前記ブラシレスモータがモータロック状態のとき、前記スイッチング回路の1相のみパルス幅制御を行うように前記巻線への通電制御を行う制御部と、
を有するモータ駆動装置。
【請求項2】
請求項1記載のモータ駆動装置であって、
前記ロータの位置情報を入手する位置入手手段を有し、
前記制御部は、前記位置入手手段から入手したロータの位置を基準とした前記巻線への印加電圧の内1相の印加電圧が波高値近傍である場合は、当該1相のスイッチング回路においてパルス幅制御を行い、他の相のスイッチング回路はオン状態を保持するモータ駆動装置。
【請求項3】
請求項2記載のモータ駆動装置であって、
前記波高値近傍とは、前記1相の印加電圧が波高値位置前後電気角15°以内の範囲であるモータ駆動装置。
【請求項4】
請求項1記載のモータ駆動装置であって、
前記ロータの位置情報を入手する位置入手手段を有し、
前記制御部は、前記位置入手手段から入手したロータの位置を基準とした前記巻線への印加電圧の内1相の印加電圧が0(ゼロ)近傍である場合は、当該1相のスイッチング回路をオフ状態に保持し、他の相のスイッチング回路のうちいずれか1相のスイッチング回路においてパルス幅制御を行い、さらにその他の相のスイッチング回路をオン状態に保持するモータ駆動装置。
【請求項5】
請求項4記載のモータ駆動装置であって、
前記0(ゼロ)近傍とは、当該1相の印加電圧が0位置前後電気角15°以内の範囲である駆動装置。
【請求項6】
請求項1記載のモータ駆動装置であって、
前記制御部は、モータロック時において、前記パルス幅制御を行う相を切り替えるとともに、常に前記巻線のうちいずれか1相のみがパルス幅制御を行うように制御するモータ駆動装置。
【請求項7】
少なくとも3相の巻線を有するステータ及び永久磁石を有するロータより構成されたブラシレスモータの駆動方法であって、
前記ブラシレスモータがモータロック状態のとき、前記巻線への通電を行う複数のスイッチング素子のうち1相のみパルス幅制御を行うように前記巻線への通電制御を行うモータ駆動方法。
【請求項8】
少なくとも3相の巻線を有するステータ及び永久磁石を有するロータより構成されたブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータの回転をピストンの直動推力に変換する回転直動変換機構と、
前記ピストンの推力によりディスクブレーキを押し付ける機構と、
前記巻線への通電を行う複数のスイッチング素子を有するスイッチング回路と、
前記ブラシレスモータがモータロック状態のとき、前記スイッチング回路の1相のみパルス幅制御を行うように前記巻線への通電制御を行う制御部と、
を有する電動ブレーキ装置。
【請求項9】
請求項8記載の電動ブレーキ装置であって、
前記ピストンの直動推力情報を入手する推力値入手手段を有し、
前記制御部は、前記ブラシレスモータの回転数が一定値以下かつ前記推力値入手手段からの推力値が所定値以上になった場合、モータロック状態と判断する電動ブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−228768(P2007−228768A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−49484(P2006−49484)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】