説明

レベルシフト回路、スイッチング素子駆動回路及びインバータ装置

【課題】レベルシフト回路のdv/dt等に起因するコモンモードノイズによる誤判定を抑制し、ロバスト性の高いスイッチング素子駆動回路及びインバータ装置を提供する。
【解決手段】レベルシフト回路のオフセットが設けられたセット用負荷の信号レベルとリセット用負荷との信号レベルとを比較し、セット用負荷のレベルがリセット用負荷のレベルに比べ前記オフセットより低くなったことを判定して前記セットパルスを検出する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に用いられるレベルシフト回路、半導体スイッチング素子の駆動回路及びインバータ装置などの電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インバータなどの電力変換装置において、負荷を駆動するための電力用スイッチング素子は、主電源端子間に直列に接続されている。低い側の電力用スイッチング素子(以下、下アームスイッチング素子と称す)と、高い側の電力用スイッチング素子(以下、上アームスイッチング素子と称す)との中点が負荷に接続されている。このような装置においては、上アームスイッチング素子の基準電位は、電位的に浮動の状態で駆動される。このため、上アームスイッチング素子の駆動制御は、下アームスイッチング素子の基準電位側からレベルシフトと呼ばれる回路により伝達される。
【0003】
図7に、特許文献1で示された従来技術のスイッチング素子駆動回路のレベルシフト部を示す。下アームから電流変換され伝達された、セットパルス信号及びリセットパルス信号は、セット抵抗9R1及びリセット抵抗9R2で電圧変換され、インバータゲート937、938を介してRSフリップフロップ931に伝達される。また、上アーム基準電位の電圧変動(dv/dt)などにより、前記インバータゲート937,938が同相モードで誤動作した場合に後段のRSフリップフロップ931に誤信号の伝達を阻止するためにマスク信号回路940の出力との論理をとることで実現している。
【0004】
特許文献1によれば、同相モードによる誤動作を回避するために、マスク信号回路940の入力信号レベルをセット抵抗9R1及びリセット抵抗9R2より電位差ΔV低くすることにより、マスク信号回路側のインバータゲートのしきい値など高くなってもマスク信号がパルス信号より狭くならないようにしている。
【0005】
更に、特許文献2によれば、マスク信号との論理でも除去できない狭いパルスをRSフリップフロップの前段に設けたアナログのローパスフィルタで除去して誤動作を防止している。
【0006】
また、特許文献3によれば、セット信号とリセット信号との差を出力する比較回路を備え、その差が設定値以上のときに正規の信号とみなす技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−273715号公報
【特許文献2】特開2007−235245号公報
【特許文献3】特開2005−304113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献3に開示された実施例によれば、セットパルス信号とリセットパルス信号との差を出力するオペアンプを設けて、前記オペアンプの出力を比較回路で比較する構成になっているために回路構成が複雑になってしまう。
【0008】
本発明では、dv/dtによる誤動作の排除と、これを実現する回路を簡素化したレベルシフト回路、また、これを備えるスイッチング素子駆動回路、更には、これを用いたインバータ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明のレベルシフト回路は、第1の基準電位及び前記第1の基準電位に対し浮動電位となる第2の基準電位と、前記第1の基準電位側にあり、前記第1の基準電位側から前記第2の基準電位側へ伝達する制御パルス信号の立ち上がりエッジに対応するセットパルス及び立ち下がりエッジに対応するリセットパルスを発生するパルス発生回路と、前記セットパルスを電流に変換する第1のスイッチング素子及び前記リセットパルスを電流に変換する第2のスイッチング素子と、前記第2の基準電位側にあり、前記第1のスイッチング素子で電流に変換された信号を電圧に変換するセット用負荷及び前記第2のスイッチング素子で電流に変換された信号を電圧に変換するリセット用負荷と、前記第1および第2の負荷の信号レベルから、前記セットパルスを検出するセットパルス検出回路及び前記リセットパルスを検出するリセットパルス検出回路と、前記セットパルス検出回路の出力信号及び前記リセットパルス検出回路の出力信号から前記制御パルス信号を再生するパルス再生回路と、を備えており、前記セットパルス検出回路は、オフセットが設けられた前記セット用負荷と前記リセット用負荷との信号レベルを比較し、前記セット用負荷のレベルが前記リセット用負荷のレベルに比べ前記オフセットより低くなったことを判定して前記セットパルスを検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、dv/dtなどによるコモンモードによる誤作動を防止できるため、レベルシフト回路動作のロバスト性を本質的に向上できる。また、回路構成を簡素化できるため、コストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を使用して詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1に本実施例の3相インバータ装置の1相分を示す。他の2相分も同様である。主電源HV間に上アーム用電力用スイッチング素子(以下、「上アーム素子」と称す。)302と、下アーム用電力用スイッチング素子(以下、「下アーム素子」と称す。)301と、がトーテムポール接続(直列接続)され、ハーフブリッジを構成している。上アーム素子302と下アーム素子301の接続点5は、負荷6に接続されると共に、上アーム素子302を駆動する基準電位となる。
【0013】
上アーム素子302、および下アーム素子301は、それぞれ、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)2とFWD(フリーホイールダイオード)4およびIGBT1とFWD3で構成される。本実施例では、1相分の上下アーム素子301,302はパワーモジュール300に収められている。
【0014】
1相分の上下アームのスイッチング素子駆動回路100は、下アーム制御回路200、上アーム制御回路201、およびレベルシフト用IGBT10,11で構成される。VD1は下アーム制御回路200用の電源である。VD2は上アーム制御回路201の電源であり、VD1とはトランスにより絶縁されている。
【0015】
次に、駆動制御の流れを説明する。入力信号P_INは上位コントローラ(図示しない)から与えられる。本実施例では、入力信号P_INは下アーム駆動制御信号のみで、上下アームパルス発生回路30により上アーム用駆動制御信号を生成する。上アーム用駆動パルス信号は、パルスの立ち上がりタイミングに対応するセットパルス信号P_Sと、立ち下がりタイミングに対応するリセットパルス信号P_Rとをパルス発生回路30で生成する。
【0016】
セットパルス信号P_S及びリセットパルス信号P_Rにより、レベルシフト用IGBT10,11を駆動し、パルス信号を電流変換して、上アーム側のレベルシフト用負荷20〜23により電圧変換される。また、レベルシフト用負荷にはクランプ回路24,25が並列に接続される。
【0017】
セットパルス検出用コンパレータ50の非反転入力側には、セットパルス用負荷抵抗の高レベル側V_S(H)の信号を入力し、反転入力側には、リセットパルス用負荷抵抗の低レベル側V_R(L)の信号を入力する。同様に、リセットパルス検出用コンパレータ51の非反転入力側には、リセットパルス用負荷抵抗の高レベル側V_S(H)の信号を入力し、反転入力側には、セットパルス用負荷抵抗の低レベル側V_R(L)の信号を入力する。
【0018】
コンパレータ50,51の出力は、LPF(ローパスフィルタ)60,61を介して、RSフリップフロップ62に入力される。上アーム素子302はバッファ回路(DRV)63により駆動される。
【0019】
従来のレベルシフト回路は、セットパルス信号及びリセットパルス信号の何れにおいても、パルス信号をシングルエンドで検出するのが一般的であった。ここからは、本発明のポイントであるパルス信号検出の差動化について説明する。
【0020】
図2は、本実施例のコンパレータ50の一例を示す回路図である。セットパルス検出用コンパレータ50は、インタフェイス部92、スタンバイバイアス部91、差動対90、及びレベル変換部93から構成される。VD2は上アーム駆動用電源、VD3は上アーム制御回路用電源であり、VD2>VD3の関係にある。74と75及び80は定電流源である。
【0021】
差動対は、PMOSFET70,71と定電流源80及び負荷MOS72,73とで構成される。差動対入力レベルは、通常、抵抗76,77及び定電流源74,75とから成るバイアス回路により、所望のレベルにバイアスされている。差動対の入力レベルが同一の場合は、差動対の出力が”Lo”になるように負荷MOS72,73の定数などで不感帯を設定する。
【0022】
レベルシフト回路動作時の動作を説明する。レベルシフト駆動パルスP_Sにより、レベルシフト用IGBT10がオンすると、V_S(H)レベルが低下する。V_S(H)のレベルが、バイアスレベルからダイオード78のVF(順電圧降下)を差し引いたレベルより低くなるとPMOSFET70のVgsが増大し、負荷MOS72のドレイン電圧が上昇し、次段のレベル変換回路のNMOSFET81がオンして、更に次段のLPF60に”Lo”パルスが伝達される。
【0023】
インタフェイス部92をダイオードで構成することにより、コンパレータの入力レベルの範囲を適切に制限し、コンパレータの安定動作に寄与している。
入力レベルは、負荷抵抗の電圧レベルが、スタンバイバイアスレベルよりダイオードのVF分下がったレベルからクランプ回路24,25のクランプ電圧までの範囲に制限される。このため、上下アーム間逆サージ発生時の電流の逆流を阻止する効果もある。
【0024】
次にdv/dtなどのコモンモードノイズによる誤信号発生時の動作を説明する。上下アーム間基準電位が変動する時に、dv/dtと、レベルシフト用IGBTなどの寄生容量との積の電流がレベルシフト部に流れる。これにより、レベルシフト負荷には、セット側及びリセット側の何れにも電圧が生じる。
【0025】
本発明では、セットパルス検出用コンパレータ50では、非反転側の入力に反転側の入力より高い側のタップから入力しているため、同相モードでは、差動対の非反転入力のレベルが反転入力のレベルより低くならないため、誤検知を抑制できる。
【0026】
図6に差動化したレベルシフト回路動作を示す波形のイメージ図を示す。上アーム制御パルス信号の遷移タイミングからレベルシフトIGBT10,11駆動用のワンショットパルス信号を生成する。セットパルスはライズエッジから、また、リセットパルスはフォールから生成される。レベルシフト受信信号の高レベル側(V_S(H)及びV_R(H))を実線で、また低レベル側(V_S(L)及びV_R(L))を点線で示す。セットパルス検出用コンパレータ50の入力電位差は、V_(H)−V_R(L)となる。同様に、リセットパルス検出用コンパレータ51の入力電位差は、V_R(H)−V_S(L)となる。
【0027】
通常のレベルシフト駆動パルス発生時には、レベルシフト用負荷のセット側、もしくは、リセット側のいずれかにのみ信号が発生すため、コンパレータの非反転入力レベルが反転入力レベルより低くなりコンパレータ出力が反転する。
【0028】
一方、dv/dt発生時にはコモンモードで、セット側及びリセット側の双方のレベルシフト用負荷に信号が発生する。しかしながら、コンパレータの入力差分がしきい値側には振れないため、誤判定を防止できる。
【0029】
本波形イメージ図では、レベルシフト負荷のバラツキを考慮して、セット側に誤判定し易い場合(セット側負荷>リセット側負荷)を示している。このため、同相モード発生時のコンパレータ入力差分が、セット側とリセット側とで異なっている。
【0030】
このように、レベルシフト用負荷に設ける2つのタップのレベル比を抵抗や寄生容量のバラツキで発生する振幅バラツキの比より大きく設定することでコモンモード発生時の誤動作を防止できる。
【0031】
本発明の実施例1では、同相モードにおいて、従来のシングルエンドの検出では、セット側及びリセット側の双方とも誤って信号と判定していた問題を解決できる。
【実施例2】
【0032】
図3に、本実施例の3相インバータ装置の1相分を示す。概要は実施例1に類似するため、異なる部分について説明する。1相分上下アームのスイッチング素子駆動回路101は、1チップ化されている。
【0033】
駆動制御の流れを説明する。入力信号P_PIN,P_NINは、上位コントローラ(図示しない)から与えられる。上アーム用駆動パルス信号は、パルスの立ち上がりタイミングに対応するセットパルス信号P_Sと、立ち下がりタイミングに対応するリセットパルス信号P_Rとをパルス発生回路31で生成する。
【0034】
セットパルス信号P_S及びリセットパルス信号P_Rにより、レベルシフト用MOSFET12,13を駆動し、パルス信号を電流変換して、上アーム側のレベルシフト用負荷18,19により電圧変換される。セットパルス検出用コンパレータ52の非反転入力側には、セットパルス用負荷抵抗のV_S信号を入力し、反転入力側には、リセットパルス用負荷抵抗のV_R信号を入力する。
【0035】
同様に、リセットパルス検出用コンパレータ53の非反転入力側には、リセットパルス用負荷抵抗のV_S信号を入力し、反転入力側には、セットパルス用負荷抵抗のV_R信号を入力する。コンパレータ52,53の出力は、LPF60,61を介して、RSフリップフロップ62に入力される。上アーム素子302はバッファ回路(DRV)63により駆動される。
【0036】
本実施例では、レベルシフト駆動素子にMOSFETを用いているため、上下アーム間に逆サージが発生に伴う電流の逆流を阻止する目的から、ダイオード14,15を設けている、
【0037】
図4は、本実施例のコンパレータ52の一例を示す回路図である。本実施例では、レベルシフト用負荷抵抗からの入力信号レベルは1レベルのみで、セットパルス側V_S、リセットパルス側V_Rである。コンパレータ52はインタフェイス部の非反転入力側のダイオード78’の段数が反転入力側のダイオード79の段数より多いという点が特徴である。コモンモードノイズによる誤信号発生時には、ダイオード段数差のVF分だけ、非反転入力のレベルが高くなるため、負荷抵抗に発生するバラツキ等による差電圧が前記VF分より小さければ誤判定を抑制できる。
【実施例3】
【0038】
図5は、本発明の実施例3のレベルシフト動作を示す回路構成図である。図5のコンパレータでは、定電流源75’を並列に構成し、スタンバイバイアスの設定値を、反転入力側が非反転入力側より低くなるように設定することで同相モード時の誤判定を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明の実施例1のインバータ装置1相分のブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施例1のセットパルス検出用コンパレータのレベルシフト動作を示す回路構成図である。
【図3】図3は、本発明の実施例2のインバータ装置1相分のブロック図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2のセットパルス検出用コンパレータのレベルシフト動作を示す回路構成図である。
【図5】図5は、本発明の実施例3のセットパルス検出用コンパレータのレベルシフト動作を示す回路構成図である。
【図6】図6は、本発明のレベルシフト回路動作を示す波形のイメージ図である。
【図7】図7は、従来例のレベルシフト回路の説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 下アームIGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)
2 上アームIGBT
3 FWD(フリーホイールダイオード)
4 FWD
5 接続点
6 負荷
10 レベルシフト用IGBT
11 レベルシフト用IGBT
12 レベルシフト用MOSFET
13 レベルシフト用MOSFET
18 上アーム側のレベルシフト用負荷
19 上アーム側のレベルシフト用負荷
20 上アーム側のレベルシフト用負荷
21 上アーム側のレベルシフト用負荷
22 上アーム側のレベルシフト用負荷
23 上アーム側のレベルシフト用負荷
24 クランプ回路
25 クランプ回路
30 パルス発生回路
31 パルス発生回路
50 セットパルス検出用コンパレータ
51 リセットパルス検出用コンパレータ
52 セットパルス検出用コンパレータ
53 リセットパルス検出用コンパレータ
60 LPF(ローパスフィルタ)
61 LPF(ローパスフィルタ)
62 RSフリップフロップ
63 バッファ回路(DRV)
64 バッファ回路(DRV)
70 PMOSFET
71 PMOSFET
72 負荷MOS
73 負荷MOS
74 定電流源
75 定電流源
76 抵抗
77 抵抗
78 ダイオード
79 ダイオード
80 定電流源
81 NMOSFET
82 定電流源
90 差電対
91 スタンバイバイアス部
92 インタフェイス部
93 レベル変換部
100 スイッチング素子駆動回路
101 スイッチング素子駆動回路
200 下アーム制御回路
201 上アーム制御回路
300 パワーモジュール
301 下アーム用電力用スイッチング素子(下アーム素子)
302 上アーム用電力用スイッチング素子(上アーム素子)
910 レベルシフト回路
911 電位差付加回路
912 電位差付加回路
930 伝達回路
931 RSフリップフロップ
933 NORゲート
934 NORゲート
935 NANDゲート
936 NANDゲート
937 インバータゲート
938 インバータゲート
9R1 セット抵抗
9R2 リセット抵抗
9T1 HNMOSトランジスタ(高耐圧電界効果トランジスタ)
9T2 HNMOSトランジスタ(高耐圧電界効果トランジスタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基準電位及び前記第1の基準電位に対し浮動電位となる第2の基準電位と、
前記第1の基準電位側にあり、前記第1の基準電位側から前記第2の基準電位側へ伝達する制御パルス信号の立ち上がりエッジに対応するセットパルス及び立ち下がりエッジに対応するリセットパルスを発生するパルス発生回路と、
前記セットパルスを電流に変換する第1のスイッチング素子及び前記リセットパルスを電流に変換する第2のスイッチング素子と、
前記第2の基準電位側にあり、前記第1のスイッチング素子で電流に変換された信号を電圧に変換するセット用負荷及び前記第2のスイッチング素子で電流に変換された信号を電圧に変換するリセット用負荷と、
前記第1および第2の負荷の信号レベルから、前記セットパルスを検出するセットパルス検出回路及び前記リセットパルスを検出するリセットパルス検出回路と、
前記セットパルス検出回路の出力信号及び前記リセットパルス検出回路の出力信号から前記制御パルス信号を再生するパルス再生回路と、を備えるレベルシフト回路において、
前記セットパルス検出回路は、オフセットが設けられた前記セット用負荷の信号レベルと前記リセット用負荷との信号レベルとを比較し、
前記セット用負荷のレベルが前記リセット用負荷のレベルに比べ前記オフセットより低くなったことを判定して前記セットパルスを検出することを特徴とするレベルシフト回路。
【請求項2】
請求項1に記載のレベルシフト回路において、
前記オフセットは、前記セット用負荷及び前記リセット用負荷のそれぞれのレベルが異なる2箇所以上のタップにより形成され、
前記セットパルス検出回路は、前記セット用負荷のレベルが高い側のタップと前記リセット用負荷のレベルが低い側のタップとの信号レベルを比較して前記セットパルスを検出することを特徴とするレベルシフト回路。
【請求項3】
請求項1に記載のレベルシフト回路において、
前記オフセットは、前記セット用負荷の信号レベルと前記リセット用負荷との信号レベルとを比較するコンパレータ内に設けられたオフセットにより形成され、
前記セット用負荷のレベルが前記リセット用負荷のレベルに比べ前記オフセットより低くなったことを前記オフセットが設けられたコンパレータが判定して前記セットパルスを検出することを特徴とするレベルシフト回路。
【請求項4】
請求項3に記載のレベルシフト回路において、
前記コンパレータに設けられたオフセットは、前記コンパレータの前記セット用負荷側と前記リセット用負荷側の入力端にそれぞれ設けられた異なる段数のダイオードにより形成されることを特徴とするレベルシフト回路。
【請求項5】
請求項3に記載のレベルシフト回路において、
前記コンパレータに設けられたオフセットは、前記コンパレータの前記セット用負荷側と前記リセット用負荷側の入力端にそれぞれ接続された異なるバイアス値により形成されることを特徴とするレベルシフト回路。
【請求項6】
主電源端子間に直列に接続された第1及び第2の電力用スイッチング素子を駆動制御するスイッチング素子駆動回路であり、
前記第1の電力用スイッチング素子の接地側電位を基準とする第1の基準電位側から前記第1及び第2の電力用スイッチング素子の接続点を基準とする第2の基準電位側へ制御パルス信号を伝達するレベルシフト回路を備えるスイッチング素子駆動回路において、
前記レベルシフト回路が請求項1に記載のレベルシフト回路であることを特徴とするスイッチング素子駆動回路。
【請求項7】
請求項6に記載のスイッチング素子駆動回路において、
前記レベルシフト回路の前記セットパルス検出用回路と、前記セット用負荷及びリセット用負荷との間にダイオードを設けたことを特徴とするスイッチング素子駆動回路。
【請求項8】
請求項6に記載のスイッチング素子駆動回路において、
前記レベルシフト回路の前記セットパルス検出用回路と、前記セット用負荷及びリセット用負荷との間にダイオードとバイアス回路を設けたことを特徴とするスイッチング素子駆動回路。
【請求項9】
請求項6に記載のスイッチング素子駆動回路において、
前記レベルシフト用スイッチング素子がIGBTまたはMOSFETであることを特徴とするスイッチング素子駆動回路。
【請求項10】
主電源端子間に直列に接続された第1及び第2のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子の接地側電位を基準とする第1の制御電源と、前記第1及び第2のスイッチング素子の接続点電位を基準電位とする第2の制御電源と、前記第2のスイッチング素子駆動制御信号を前記第1のスイッチング素子の接地電位を基準電位から、前記第1及び第2の電力用スイッチング素子の接続点電位を基準とする電位側へ伝達するレベルシフト回路と、前記第1及び第2のスイッチング素子を駆動するバッファ回路を備えるインバータ装置において、請求項1に記載のレベルシフト回路を用いたことを特徴とするインバータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−41818(P2010−41818A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201809(P2008−201809)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】