説明

乾式洗浄装置、乾式洗浄システム、乾式洗浄方法及び乾燥装置

【課題】廃棄物の洗浄効率を向上させることを目的とする。
【解決手段】廃棄物を洗浄する乾式洗浄装置10であって、前記廃棄物と加熱した洗浄材とを混合して攪拌するための攪拌空間21が設けられたケース体20と、前記攪拌空間内で前記廃棄物と前記加熱した洗浄材とを混合して攪拌する攪拌部材27とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄プラスチック等のプラスチック類、コンクリートガラ、木片等の廃棄物を乾燥し、乾式で洗浄する乾式洗浄装置、乾式洗浄システム、乾式洗浄方法及び乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、廃棄プラスチック等の廃棄物を洗浄する装置として特許文献1に開示された廃プラスチック物処理装置が知られている。この廃プラスチック物処理装置では、破砕機により破砕した廃プラスチックをコンベアにて搬送する途中で、洗浄水噴射装置から水を噴射させて廃プラスチックに付着した残留物を洗い流す。更に、その後、空気噴射装置から空気を噴射させて廃プラスチックに付着している水滴を除去するように構成されている。このように構成することにより、廃プラスチック等の廃棄物の洗浄を行うことができ、衛生上好ましい状態で処理することができるものである。
【0003】
【特許文献1】特開2001−252924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した廃プラスチック物処理装置によれば、廃プラスチックを洗浄するために大量の水が必要になると共に、空気噴射装置により廃プラスチックに付着した水滴を除去するために空気を噴射させるための電力が必要になるために処理コストが上昇してしまうという問題がある。
また、上述したような複数の処理工程が必要となる他、更に水分を完全に乾燥させる処理工程を追加する場合、大量の温風を付与する必要があり、莫大なエネルギーコストを要することになる。また、単位量当たりの洗浄効率は著しく低下してしまう。
一方、このような問題は、廃プラスチックを洗浄する場合に限られない。近年、土壌汚染対策法の施行により、汚染土壌を掘り起こし、浄化することが多く行われている。このとき、主流の方策として、掘り起こした汚染土壌を水により洗浄している。しかしながら、汚染土壌には、コンクリート、ガラ、石、木片、その他固形物等が含まれており、全てを洗浄するには、多量の水が必要になり、莫大なエネルギーコストを要することになる。
【0005】
本発明は上述したような問題点に鑑みてなされたものであって、廃棄物の洗浄効率を向上させることを目的とする。
また、廃棄物に水分が付着している場合にあっては、廃棄物の乾燥及び洗浄を同時に行い、処理効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、廃棄物を洗浄する乾式洗浄装置であって、前記廃棄物と加熱した洗浄材とを混合して攪拌するための攪拌空間が設けられたケース体と、前記攪拌空間内で前記廃棄物と前記加熱した洗浄材とを混合して攪拌する攪拌部材とを有することを特徴とする。
また、本発明は、廃棄物を洗浄する乾式洗浄システムであって、前記廃棄物と加熱した洗浄材とを混合して攪拌するための攪拌空間が設けられたケース体と、前記攪拌空間内で前記廃棄物と前記加熱した洗浄材とを混合して攪拌する攪拌部材とを備える乾式洗浄装置と、前記洗浄材を加熱する加熱装置とを有することを特徴とする。
また、本発明は、廃棄物を洗浄する乾式洗浄方法であって、前記廃棄物と加熱した洗浄材とを混合させる混合ステップと、前記混合ステップにより混合された前記廃棄物と前記加熱した洗浄材とを攪拌する攪拌ステップとを有することを特徴とする。
また、本発明は、廃棄物を洗浄する乾燥装置であって、前記廃棄物と加熱した洗浄材とを混合して攪拌するための攪拌空間が設けられたケース体と、前記攪拌空間内で前記廃棄物と前記加熱した洗浄材とを混合して攪拌する攪拌部材とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、廃棄物と加熱した洗浄材とを混合して攪拌することにより、廃棄物の洗浄効率を向上させることができる。
また、廃棄物に水分が付着している場合にあっては、廃棄物と加熱した洗浄材とを混合して攪拌することにより、廃棄物の乾燥と洗浄とを同時もしくは連続的に行い、処理効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る乾式洗浄システム(以下、洗浄システムという)100の概略構成について図1及び図2を参照して説明する。本実施形態の乾式洗浄システム100は、特に、廃棄物として廃棄プラスチックを洗浄する場合に用いられて好適である。以下では、廃棄物として廃棄プラスチックを洗浄する場合について説明する。
図1は、洗浄システム100の全体の構成を示す側面図である。図2は、洗浄システム100の全体の構成を示す正面図である。なお、図2は、図1に示す矢視A方向からみた図であって、後述する投入部を省略して示している。本実施形態の洗浄システム100は、乾式洗浄装置10、搬送装置50、加熱装置60、垂直搬送装置70、集塵装置80を含んで構成されている。ここで、各装置の概略について説明する。
【0009】
まず、乾式洗浄装置(以下、洗浄装置という)10は、投入口から投入された廃棄プラスチックと加熱した洗浄材とを混合して攪拌し、廃棄プラスチックを洗浄する役割を有する。また、廃棄プラスチックに水分が付着している場合には、洗浄すると共に水分を除去して乾燥させる役割を有する。
また、洗浄装置10では、廃棄プラスチックと洗浄材とを分離して、廃棄プラスチックを吹出口から排出し、洗浄材及び塵や埃や汚れ等を開口部から落下させる。
搬送装置50は、洗浄装置10の開口部から落下した洗浄材及び塵や埃や汚れ等を加熱装置60まで搬送する。
【0010】
加熱装置60は、搬送装置50により搬送された洗浄材を予め定められた温度に加熱すると共に、垂直搬送装置70まで搬送する。
垂直搬送装置70は、加熱した洗浄材を洗浄装置10の投入口まで搬送し、投入口に洗浄材を投入する。
また、集塵装置80は、洗浄装置10の開口部から落下した洗浄材のうち、洗浄材と、洗浄材以外の塵や埃や汚れ等を選別する。
洗浄システム100は、上述したような装置による処理を経て、廃棄プラスチックを乾燥させると共に、廃棄プラスチックを洗浄する。また、廃棄プラスチックを洗浄するときに使用された洗浄材は、加熱されて再度、使用される。
【0011】
次に、各装置の構成について詳細に説明する。まず、洗浄装置10の構成について、図1〜図5を参照して、説明する。なお、説明の便宜上、各図において、洗浄装置10の前方をFrとし、後方をRrとして示している。
まず、図1及び図2に示すように、洗浄装置10は、基台11によって床面から離間させた状態で配設されている本体カバー13を有している。本体カバー13は、図2に示すように、内部を中空状とする断面略矩形状にして形成され、長手方向を水平方向にして配設されている。この本体カバー13は、略筒状に形成されたスクリーンとしてのケース体20全体を包囲するように構成されている。
【0012】
ここで、本体カバー13の前方には、廃棄プラスチックと洗浄材としての加熱した砂とをケース体20内に投入するための投入部14が一体的に設けられている。また、本体カバー13の後方には、廃棄プラスチックを排出するための吹出部15が、一体的に設けられている。
ここで、洗浄装置10の断面図を示す図3を参照すると、投入部14の投入口14aは、上方かつ斜め前方に向かって開口している。また、投入部14には、廃棄プラスチックを投入したときに、廃棄プラスチックを本体カバー13内に案内するための傾斜部14bが形成されている。
一方、吹出部15の吹出口15aは、下方かつ斜め後方に向かって開口している。また、吹出部15には、本体カバー13内から後方に送り出された廃棄プラスチックを吹出口15aに案内するための傾斜部15bが形成されている。
【0013】
更に、本体カバー13の上方には、本体カバー13内の空気を排気する排気ダクト16が上方を開口させて、複数(4つ)設けられている。排気ダクト16内には、フィルタ17が配設されている。フィルタ17は、本体カバー13内から空気を排気するときに、空気内に含まれている汚れ成分を、濾過した上で排気する。
また、本実施形態では、図3に示すようにそれぞれの排気ダクト16内に、誘引ファン18が設けられている。誘引ファン18は、本体カバー13内の空気を強制的に誘引して排気する。このように強制的に排気することにより、後述するようにケース体20の廃棄プラスチックの流れを整流(排気することは遠心力方向の作用を増大させ、擦り合わせ効果により洗浄効果を高める)させることができる。更に、本実施形態の誘引ファン18は、例えば回転速度を調整すること等により、排気量を調整可能にして構成されている。
【0014】
また、本体カバー13の下方には、加熱した砂が落下する落下部19が、一体的に設けられている。落下部19には、下方に向かって開口する開口部19aが落下部19の長手方向に亘って形成されている。
【0015】
次に、ケース体20について図2〜図4を参照して説明する。
ケース体20は、上述したように略筒状に形成され、筒状内部は、投入口14aから投入された廃棄プラスチックと加熱した砂とを混合して攪拌するための攪拌空間21が形成される。本実施形態の攪拌空間21は、前半部分の第一の攪拌空間21aと後半部分の攪拌空間21bとが略水平状態で隣り合うように構成されている。より具体的に説明すると、第一の攪拌空間21aと第二の攪拌空間21bとは、仕切り部材23によって両者の空間を仕切るように構成されている。
【0016】
仕切り部材23は、第一の攪拌空間21aと第二の攪拌空間21bとの境界のうち、上部側のみを仕切っている。具体的には、ケース体20内の斜視図を示す図4を参照すると、仕切り部材23は、略半円状に形成され、攪拌空間21の略上半分を仕切るように配設されている。したがって、第一の攪拌空間21a内で混合されている廃棄プラスチックと加熱した砂とは、仕切り部材23の下部のみを通過して、第二の攪拌空間21bに送り出される。このように仕切り部材23を配設することで、廃棄プラスチックが多量に第二の攪拌空間21bに送り出されることを邪魔し、第一の攪拌空間21aでの滞留時間を確保することができる。更に、仕切り部材23は、加熱した砂により温められた空気を第一の攪拌空間21a内に篭らせることができる。
また、図3及び図4に示すように、仕切り部材23は、上側が前方に傾斜するように配設されている。したがって、この傾斜により、混合された廃棄プラスチックと加熱した砂とは、適度に促されて、第二の攪拌空間21bに案内される。
【0017】
また、ケース体20の周面には、加熱した砂や埃や汚れ等が排出される排出孔22が複数、設けられている。この排出孔22の径は、加熱した砂や埃や汚れ等は排出するが、廃棄プラスチックは排出しない大きさに形成されている。
この排出孔22は、第一の攪拌空間21aを形成するケース体20aと第二の攪拌空間21bを形成するケース体20bとの間で、配設する位置が異なっている。具体的には、排出孔22は、ケース体20aの周面よりも、ケース体20bの周面に多く設けられている。言い換えると、排出孔22の総開口面積は、ケース体20aの周面よりも、ケース体20bの周面の方が広くなるように形成されている。
本実施形態では、図3及び図4に示すように、ケース体20aでは、周面のうち下部周面に排出孔22が設けられている。また、ケース体20bでは、全周面に排出孔22が設けられている。このように、第一の攪拌空間21aと第二の攪拌空間21bとで排出孔22を設ける位置を異ならせることで、後述するように攪拌空間内での役割を分担させることができる。
【0018】
また、洗浄装置10は、図2及び図3に示すように、ケース体20の中心を挿通する回転軸24が設けられている。回転軸24は、基台11から立設させたベアリングユニット25a及びケース体20に配置されたベアリングユニット25bを介して回転可能に軸支されている。また、回転軸24の前方には、駆動部としてのモータ26が接続されている。したがって、モータ26を駆動させることにより回転軸24を回転させることができる。なお、本実施形態では、回転軸24とモータ26の出力軸は同軸で接続されているが、アイドルギアやベルト等を介して間接的に接続されていてもよい。
【0019】
また、回転軸24には、攪拌部材として、複数の攪拌羽根28から構成される回転羽根27が複数、設けられている。回転羽根27は、それぞれ適宜の間隔で離間し、攪拌空間21内で回転軸24と同期して回転する。回転羽根27が回転することにより、ケース体20内で混合された廃棄プラスチックと加熱した砂とを攪拌させることができる。本実施形態の回転羽根27は、図3に示すように、第一の攪拌空間21a内及び第二の攪拌空間21b内にそれぞれ3つずつ設けられている。なお、回転羽根27を設ける数や間隔は、上述した場合に限られず、適宜、攪拌させる廃棄プラスチックの汚れ具合等に応じて変更することができる。
【0020】
また、本実施形態の回転羽根27は、図4に示すように、十字状に4つの攪拌羽根28が取り付けられている。また、隣り合う回転羽根27の攪拌羽根28は、攪拌羽根28の位相がずれている。すなわち、正面から見た場合(図4に示す矢印B方向から見た場合)、隣り合う回転羽根27において、後方に位置する攪拌羽根28は、前方に位置する攪拌羽根28に重ならないように構成されている。なお、本実施形態では、前後の攪拌羽根28は、位相を略45度ずらして配置している。このように、攪拌羽根28の位相をずらすことにより攪拌空間21内に乱流を発生させ、廃棄プラスチックと加熱した砂とが、より攪拌されるように構成できる。
【0021】
次に、攪拌羽根28に注目すると、各攪拌羽根28は、図4に示すように、プレート状に形成されていて、ケース体20の内周面に至る程の長さを有している。
また、回転羽根27の攪拌羽根28は、回転軸24の軸線方向に対して角度調整可能に構成されている。ここで、図5を参照して、攪拌羽根28の角度調整機構について、説明する。図5は、回転羽根27を分解した分解斜視図である。
図5に示すように回転羽根27には、回転軸24に固定された回転台29を有している。回転台29の外周には、攪拌羽根28を取り付けるための取付部としての取付孔30が形成されている。一方、攪拌羽根28の基端側には、取付孔30に嵌め込まれる取付部としての円状突起31が形成されている。ここで、攪拌羽根28を図5に示す矢印C方向のうち所望する角度に回転させた状態で、攪拌羽根28の円状突起31を回転台29の取付孔30に嵌め合わせる。次に、固定ボルト34を回転台29に穿設されたネジ孔32を介して螺合する。すると、固定ボルト34の先端が攪拌羽根28の円状突起31に突き当たり、攪拌羽根28が所望の角度に調整された状態で回転台29に固定される。
【0022】
このように、各攪拌羽根28は、回転台29に対して、それぞれ自由に角度を調整できる。ここでは、図4に示すように、攪拌羽根28を回転軸24の軸線方向に対して、平行となる角度(0度)から直交する角度(90度)までの間の角度θ(例えば、45度)で傾けて取り付ける。すると、回転羽根27が回転したときに、ケース体20の周方向に向かう気流と共に、回転軸24の軸線方向であって後方に向かう気流をも発生させることができる。
このとき、上述した角度調整機構により攪拌羽根28の角度を調整することで、後方に向かう気流を調整することができるので、攪拌空間21内で攪拌されている廃棄プラスチックと加熱した砂とを吹出部15側に送り出す速度等を制御することができる。
【0023】
また、回転羽根27には、図5に示すように、回転台29及び攪拌羽根28の基端を覆う保護カバー33が着脱可能に取り付けられる。保護カバー33は、回転台29や攪拌羽根28の基端に廃棄プラスチックが絡まないように保護する。保護カバー33は、各回転羽根27に対してそれぞれ取り付けられる。
【0024】
次に、上述したように構成される洗浄装置10で行われる洗浄処理について説明する。
まず、モータ26を駆動させて、第一の攪拌空間21a内及び第二の攪拌空間21b内で回転羽根27を回転させておく。また、排気ダクト16に設けられている誘引ファン18も同様に駆動させておく。
次に、投入口14aから、廃棄プラスチックと加熱した砂とを投入する。ここでは、廃棄プラスチックは、例えば野外で放置される等の要因により水分が付着しているものとする。また、投入する砂は、プラスチックが溶融する温度より低い温度で加熱している。なお、ここでは、廃棄プラスチックとして、予め選別して適度の大きさに切断したフィルム状の廃棄プラスチックを投入するものとする。また、廃棄プラスチックと加熱した砂とは、攪拌空間21で混合されやすくするために、同時に投入することが好ましい。
【0025】
次に、投入口14aから投入された廃棄プラスチックと加熱した砂とは、第一の攪拌空間21a内に入り込む。第一の攪拌空間21a内では、複数の回転羽根27による回転によって、廃棄プラスチックと加熱した砂とは、混合された状態で攪拌される。このとき、主に第一の攪拌空間21a内では、廃棄プラスチックと加熱した砂とが混じり合い、擦り合うことにより、加熱した砂が廃棄プラスチックに付着した水分を吸収していく。なお、砂は、表面積が多大であるために、廃棄プラスチックと混じり合いやすく、廃棄プラスチックに付着した水分を瞬時に吸収することができる。
更に、第一の攪拌空間21a内は、加熱した砂によって高温になっている。また、仕切り部材23が第二の攪拌空間21bとの境界の上部を仕切っていることから、第一の攪拌空間21a内の上方は、特に熱が篭っている。したがって、水分が付着されていた廃棄プラスチックは、攪拌されている中で急速に乾燥していく。
【0026】
また、第一の攪拌空間21aでは、上述したように、下部周面にのみ排出孔22が形成されている。したがって、回転羽根27によってケース体20aの中心から外周方向に向かう気流が発生している場合であっても、気流によって周方向に飛び散る砂の多くは、排出孔22が形成されていないケース体20aの内周面とぶつかるだけであり、第一の攪拌空間21aから排出されることがない。したがって、第一の攪拌空間21aでは、加熱した砂は、廃棄プラスチックを乾燥させる役割に従事することができる。
【0027】
一方、加熱した砂のうち、廃棄プラスチックの水分を吸収した砂は、温度が低下すると共に水分により重量が増加するために、除々に自重によりケース体20aの下方に移動していく。その結果、ケース体20aの下部に形成されている排出孔22から、下方に落下する。その後、本体カバー13に形成されている落下部19の開口部19aを介して洗浄装置10から搬送装置50に落下する。なお、排出孔22は、廃棄プラスチックの大きさよりも小さな径であるために、廃棄プラスチックは排出されず、砂のみが排出される。
【0028】
また、第一の攪拌空間21aでは、上述したように、攪拌羽根28の傾きにより、回転軸24の軸線方向であって吹出部15に向かう気流が発生している。したがって、廃棄プラスチックと加熱した砂とは、回転を伴いながら、第一の攪拌空間21aの後方に向かって送り出される。このとき、前後で隣り合う回転羽根27の攪拌羽根28は、位相をずらしているので、廃棄プラスチックと加熱した砂とが、後方の攪拌羽根28と衝突しやすくさせて、より攪拌できるようになっている。この効果は、第二の攪拌空間21bにおいても同様である。
【0029】
また、仕切り部材23は、後方への気流によって、廃棄プラスチックと加熱した砂とが多量に第二の攪拌空間21bに送り出されることを防止して、第一の攪拌空間21aでの滞留時間を確保する。また、仕切り部材23の傾斜により、廃棄プラスチックと加熱した砂とを、第二の攪拌空間21bへの移動を適度に促し、第二の攪拌空間21bに案内する。
【0030】
また、誘引ファン18では、本体カバー13、延いては第一の攪拌空間21a内の空気を強制的に誘引するので、後方への気流による廃棄プラスチックと砂との送り出し速度を緩和し、第一の攪拌空間21aの廃棄プラスチックと砂との流れを整流させる。この効果は、第二の攪拌空間21bにおいても同様である。
このように、主に、第一の攪拌空間21aでは、水分を含んだ廃棄プラスチックと加熱した砂とを混合させることにより、廃棄プラスチックを乾燥させることができる。このとき、乾燥させる役割を終え、水分を含んだ砂は、早期に第一の攪拌空間21aから排出されるので、廃棄プラスチックを乾燥させる効率が上がる。
【0031】
次に、仕切り部材23の下部から送り出された廃棄プラスチックと加熱した砂とは、第二の攪拌空間21b内に入り込む。第二の攪拌空間21b内も同様に、複数の回転羽根27による回転によって、廃棄プラスチックと加熱した砂とは、混合された状態で攪拌される。なお、このとき、主に、第二の攪拌空間21b内では、廃棄プラスチックと加熱した砂とが混じり合い、擦り合うことにより、加熱した砂が廃棄プラスチックに付着した塵や埃や汚れ等を洗浄する。更に、第二の攪拌空間21b内では、混合された廃棄プラスチックと加熱した砂とを分離する。
【0032】
具体的には、第二の攪拌空間21b内では、加熱した砂が、廃棄プラスチックと擦り合うことにより、廃棄プラスチックに付着した塵や埃や汚れ等を削り落としていく。また、回転羽根27の攪拌羽根28は遠心力方向の作用を惹起して、廃プラスチックをケース体に衝突及び擦り合わせが生じ、この衝撃等により、廃棄プラスチックに付着した塵や埃や汚れ等が叩き落とされる。更に、回転羽根27により発生する予測できない乱流によって、廃棄プラスチックは様々な形状に変化するので、その変化時の衝撃により、廃棄プラスチックに付着した塵や埃や汚れ等が除去される。
このとき、攪拌羽根28は、可撓性を有する材質(例えばウレタンゴム等)で構成されているので、所定以上に過大な量の廃棄プラスチックが投入されたとしても、柔軟に対応でき、攪拌羽根28が破損したりすることを防止することができる。また、攪拌羽根28が、廃棄プラスチックと衝突したときに、必要以上に破砕状態にすることを防止することができる。
なお、上述したような廃棄プラスチックによる洗浄は、第一の攪拌空間21a内においても、廃棄プラスチックが乾燥されるに従い、徐々に行われる。
【0033】
また、第二の攪拌空間21bでは、上述したように、全周面に排出孔22が形成されている。したがって、回転羽根27によってケース体20bの周方向に向かう気流が発生していることから、上述した洗浄と同時に、気流によって周方向に飛び散る砂が、排出孔22を通して、第二の攪拌空間21b内から排出されていく。このとき、洗浄により削り落とされた塵や埃や汚れ等は、砂と同様に、排出孔22を通して、第二の攪拌空間21bから排出される。なお、廃棄プラスチックも同様に、周方向に飛散するものがあるが、排出孔22は、廃棄プラスチックの大きさよりも小さな径であるために、砂のみが排出される。
第二の攪拌空間21bから排出された加熱した砂及び塵等は、ケース体20bと本体カバー13との間の隙間を通り、本体カバー13に形成されている落下部19の開口部19aを介して洗浄装置10から搬送装置50に落下する。
一方、洗浄された廃棄プラスチックは、回転羽根27による後方に向かう気流により、吹出部15へ送り出されることにより、加熱した砂と廃棄プラスチックとを分離させて、それぞれ別々に取り出すことができる。
【0034】
このように、主に、第二の攪拌空間21bでは、廃棄プラスチックと加熱した砂とを混合させて、攪拌させることにより高い洗浄力で、廃棄プラスチックを洗浄することができる。また、廃棄プラスチックと加熱した砂とを分離して、別々に取り出すことができる。
上述したように、本実施形態による洗浄装置10によれば、廃棄プラスチックを洗浄するときに、洗浄液等を用いて洗浄する必要がないので、洗浄液による洗浄及び乾燥させる工程が必要なく、瞬時に洗浄を行うことができる。したがって、洗浄効率を向上させることができ、処理コストを削減させることができる。また、洗浄液による洗浄及び乾燥させる工程が必要ないので、洗浄装置自体が大型化することがない。更に、廃棄プラスチックに水分が含んでいる場合であっても、廃棄プラスチックの乾燥と洗浄とを同時もしくは連続的に行うことにより、処理効率を向上させることができる。このように、本実施形態による洗浄装置10によれば、絶対的に安価、省スペース及び省処理時間を実現することができる。
【0035】
また、本実施形態による洗浄装置10によれば、第一の攪拌空間21aにおいて、主に廃棄プラスチックの乾燥を行い、第二の攪拌空間21bにおいて、主に廃棄プラスチックを洗浄するように構成されている。このように、洗浄装置10に廃棄プラスチックの乾燥の工程を設定しているので、洗浄を効率よく、行うことができる。すなわち、水分が付着されたまま洗浄を行うと、単に汚れが拡大してしまうおそれがあるためである。
【0036】
なお、上述に限られず、廃棄プラスチックの水分の付着具合によっては、第一の攪拌空間21a内での乾燥が間に合わず、第二の攪拌空間21b内で廃棄プラスチックが乾燥する場合がある。このように、洗浄装置10は、乾燥装置として用いることもできる。
逆に、第一の攪拌空間21a内で早期に廃棄プラスチックが乾燥した場合は、第一の攪拌空間21a内で既に洗浄が行われる場合がある。この場合には、廃棄プラスチックに水分が付着していない場合も当てはまる。
なお、水分の付着具合等により、廃棄プラスチックの送り出し速度を調整したい場合は、例えば、攪拌羽根28の傾きの角度を調整したり、モータ26の回転速度を調整したり、誘引ファン18による攪拌空間21内の空気を誘引する量を調整したりすればよい。
【0037】
なお、上述した説明では、洗浄装置10のケース体20は、断面を略円形とする場合について説明したが、この場合に限られず、断面を正八角形等の多角形状とする筒状であってもよい。
また、上述した説明では、回転羽根27の攪拌羽根28は、例えばウレタンゴム等の可撓性を有する材質により形成されている場合について説明したが、この場合に限られず、鉄製や硬質プラスチック製の攪拌羽根28を用いてもよい。すなわち、砂の洗浄効果、及び攪拌羽根28の角度による遠心力と排出方向への送り出し力で発生する擦り合せ効果、及び誘引ファン18の作用による排出速度調整効果、の相乗効果により攪拌羽根28の材質は問われない。
【0038】
次に、洗浄システム100において、乾燥及び洗浄に使用された砂を収集し、再び加熱して、再利用する構成及び処理動作について説明する。
上述したように、洗浄装置10の開口部19から落下した砂及び塵や埃や汚れ等は、搬送装置50に落下する。ここで、搬送装置(搬送部)50は、ベルトコンベア50を用いている。
ベルトコンベア50は、図1及び図2に示すように、洗浄装置10の落下部19の直下に配設されている。ベルトコンベア50は、砂及び塵や埃や汚れ等を収集して所定位置まで搬送する。本実施形態のベルトコンベア50は、加熱装置60まで搬送し、加熱装置60の加熱面に落下させる。
【0039】
また、ベルトコンベア50の端部には、図1に示すように、集塵装置(集塵部)80が設けられている。集塵装置80は、ベルトコンベア50の端部から落下する落下物から、洗浄装置10で再利用する砂を除いて、ノズルから吸引する。すなわち、集塵装置80では、再使用することができる砂の重量より軽いものを吸引できるように、吸引力を設定しておくことにより、砂より軽量の塵や埃や汚れ等の不要物のみを吸引する。このように集塵装置80は、再利用する砂と不要物とを選別する。
【0040】
なお、洗浄装置10によって洗浄に使用された砂のうち、削り落とされて小さくなってしまった砂は、洗浄効果が低下する。したがって、集塵装置80は、この段階で塵や埃や汚れ等と共に小さくなった砂も吸引する。集塵装置80によって、吸引された塵や埃や汚れ等は、バグフィルター等により集塵し、廃棄する。なお、ベルトコンベア50の端部から落下する落下物に空気を送風することで、集塵装置80による吸引による不要物の選別を補助することができる。
【0041】
次に、加熱装置(加熱部)60は、加熱面に落下した砂を加熱する。本実施形態の加熱装置60は、図1に示すように熱盤61が設けられている。熱盤61は、内部に充填された熱媒体により加熱されている。また、加熱装置60は、再利用する砂を加熱しながら、垂直搬送装置70まで、移送する。具体的には、加熱装置60の熱盤61は、垂直搬送装置70に向かって、自らが振動を発することにより、砂を移送する。
なお、加熱面に落下した砂には、上述したように廃棄プラスチックに付着した水分を吸収している砂も含まれている。したがって、加熱装置60では、砂を移送しながら、吸収した水分を蒸発させると共に乾燥させた上で、加熱する。このとき、加熱装置60は、振動を伴いながら移送するので、砂を加熱面全体に亘って、散らばらせることができる。したがって、加熱装置60は、効率よく砂を加熱することができる。
なお、加熱装置60は、廃棄プラスチックに付着された水分を乾燥させるのに必要な温度以上であって、廃棄プラスチックが溶融してしまう温度以下の範囲で、加熱する。
【0042】
次に、垂直搬送装置(垂直搬送部)70は、加熱装置60により加熱した砂を洗浄装置10の投入口14aに搬送する。本実施形態の垂直搬送装置70は、いわゆる垂直バケットコンベア70であって、図1及び図2に示すように、複数のバケット71が洗浄装置10の投入部14を囲むようにして、循環できるように構成されている。垂直バケットコンベア70の下方に位置するバケット71は、加熱装置60により移送され落下した砂を受け取ることができる位置を通過する。また、垂直バケットコンベア70の上方に位置するバケット71は、投入部14の上方を通過すると共に、通過するときに図2に示すように、バケット71が反転して、加熱した砂を投入口14a内に投入できるように構成されている。したがって、垂直バケットコンベア70では、加熱した砂を上昇させ、洗浄装置10の投入口14aに投入する処理を自動的に行うことができる。
【0043】
このように、本実施形態に係る洗浄システム100によれば、洗浄装置10によって洗浄するときに用いられた砂を収集すると共に、再び加熱して再利用することができる。したがって、砂を無駄にすることがないので、廃棄プラスチックを洗浄する処理コストを削減させることができる。また、洗浄材として、低コストである砂を用いることで、廃棄プラスチックを洗浄する処理コストをより削減することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、洗浄材として加熱した砂を用いる場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、人工的に生成した洗浄材を用いてもよい。
また、本実施形態では、廃棄プラスチックを乾燥、洗浄する場合について説明したが、本実施形態による洗浄システム100は、乾燥力及び洗浄力が強力であるために、例えば、埋立廃棄物等も処理することができる。
また、本実施形態では、廃棄プラスチックとしてフィルム状の廃棄プラスチックを乾燥、洗浄する場合について説明したが、廃棄プラスチック以外のプラスチック、例えば硬質プラスチックを乾燥、洗浄してもよい。この場合、本実施形態による洗浄装置によれば、加熱した洗浄材によって、硬質プラスチックの洗浄に加えて、硬質プラスチックの表面の劣化した部分を除去する除去装置として機能させることもできる。
【0045】
また、本実施形態では、洗浄システム100として、洗浄装置10、搬送装置50、加熱装置60、垂直搬送装置70、集塵装置80を含んで構成されている場合について説明したが、この場合に限らない。例えば、洗浄装置10に、搬送装置50、加熱装置60、垂直搬送装置70、集塵装置80の少なくとも何れか1つが一体的に構成されていてもよい。すなわち、洗浄装置10に、搬送部50、加熱部60、垂直搬送部70、集塵部80の少なくとも何れか1つが設けられていてもよい。
【0046】
(第2の実施形態)
以下、本実施形態に係る乾式洗浄システム(以下、洗浄システムという)200の概略構成について図6を参照して説明する。本実施形態の乾式洗浄システム200は、特に、廃棄物としてコンクリートガラ、石、その他固形物等を洗浄する場合に用いられて好適である。以下では、廃棄物として汚染泥土が付着したコンクリートガラ(以下、ガラという)を洗浄する場合について説明する。
図6は、洗浄システム200の全体の構成を示す側面図である。本実施形態の洗浄システム200は、乾式洗浄装置110、搬送装置150、加熱装置160、垂直搬送装置170を含んで構成されている。ここで、各装置の概略について説明する。
【0047】
まず、乾式洗浄装置(以下、洗浄装置という)110は、投入口から投入されたガラに付着した汚染泥土を払い落とす。また、洗浄装置110は、ガラと洗浄材と混合して攪拌し、ガラを洗浄する。更に、洗浄装置110は、ガラと洗浄材とを分離して、ガラを排出し、洗浄材を落下させる。
【0048】
搬送装置150は、洗浄装置110から落下した洗浄材を加熱装置160まで搬送する。
加熱装置160は、搬送装置150により搬送された洗浄材を予め定められた温度に加熱すると共に、垂直搬送装置170まで搬送する。
垂直搬送装置170は、加熱した洗浄材を洗浄装置110の供給口まで搬送し、供給口に洗浄材を投入する。
洗浄システム200は、上述したような装置による処理を経て、ガラ等の廃棄物を洗浄する。また、廃棄物を洗浄するときに使用された洗浄材は、加熱されて再度、使用される。
【0049】
次に、洗浄装置110の構成について、図6〜図10を参照して、説明する。なお、説明の便宜上、各図において、洗浄装置110の前方をFrとし、後方をRrとして示している。
まず、図6に示すように、洗浄装置110は、基台111a、111bによって床面から離間した状態で配設されている。基台111a、111bの間には、略筒状に形成されたケース体としての回転体120が回転可能に支持されている。また、回転体120は、後方に向かうに従って下方に傾斜している。この傾斜は、例えば、基台111a、111bの脚部に取り付けられたアジャスター112等を用いて調整することができる。すなわち、洗浄装置110には、回転体120の傾斜を調整可能な調整部が設けられている。このアジャスター112を調整することにより回転体120に投入されたガラの排出速度を調整することができる。
【0050】
また、回転体120は、第一の回転体120a、第二の回転体120b、第三の回転体120cが接続して一体的に構成されている。基台111aに近接した第一の回転体120aと、基台111bに近接した第三の回転体120cとは、中空の金属製の網状構造、すなわちトロンメル状に形成されている。一方、第二の回転体120bは、中空の金属製の略筒状に形成されている。また、回転体120の外周であって、各回転体120a、120b、120cの境界には、回転体120の外周に沿って形成された凸部上に、ギア121a、121bが配設されている。
【0051】
基台111aには、回転体120内にガラを上方から投入するために投入部113が取り付けられている。また、基台111bには、駆動部としてのモータ114が設けられている。モータ114の回転軸115は、回転体120に配設されたギア121a、121bと噛合するギア116a、116bが配設されている。したがって、モータ114を駆動させることにより、回転体120を図6に示す矢印D方向に回転させることができる。なお、回転体120を回転させる駆動方法は、この場合に限られず、チェーンで駆動させる等、どのような方法であってもよい。
【0052】
次に、回転体120内の構成について図7〜図10を参照して説明する。
回転体120の側断面図を示す図7及び回転体120内の斜視図を示す図8に示すように、回転体120の内部には、投入部113から投入されたガラを攪拌するための攪拌空間122が形成されている。本実施形態の攪拌空間122は、第一の攪拌空間122aと、第二の攪拌空間122bと、第三の攪拌空間122cとが水平状態で連続して構成されている。ここで、第一の攪拌空間122a、第二の攪拌空間122b、第三の攪拌空間122cは、それぞれ第一の回転体120a、第二の回転体120b、第三の回転体120cによって構成される。
【0053】
また、それぞれ第一の攪拌空間122a、第二の攪拌空間122b、第三の攪拌空間122cには、各攪拌空間内でガラを効率よく巻き上げたり、ガラを次の攪拌空間に送り出したりするための攪拌部材としてのフィン123が複数設けられている。具体的には、フィン123は、第一の回転体120a、第二の回転体120b、第三の回転体120cの内周面に取り付けられている。フィン123は、金属製であって、側面視で矩形板状に形成されている。ここで、第一の攪拌空間122aに配設されているフィン123を取り上げて、フィン123の配列位置について説明する。なお、第二の攪拌空間122b及び第三の攪拌空間122cでも同様の配列位置で取り付けられている。
【0054】
第一の攪拌空間122aには、フィン123a、123b、123cが、それぞれ排出方向に所定間隔の隙間を有して取り付けられている。まず、第一の攪拌空間122aの入り口から1段目に取り付けられている複数のフィン123aは、図7の矢印E方向からみた図9に示すように、回転体120aの軸心F方向に向かって、突出するように取り付けられている。複数のフィン123aは、軸心Fに対して、対称となる位置に4つ配列されている。また、第一の攪拌空間122aの入り口から2段目に取り付けられている複数のフィン123bも同様に、第一の回転体120aの軸心Fに対して、対称となる位置に4つ配設されている。なお、2段目のフィン123bは、図9に示すように1段目のフィン123aに対して軸心Fから、一定角度(例えば、45度)、位相をずらして取り付けられている。すなわち、正面からみた場合、排出方向に隣り合うフィン123において、前後の複数のフィン123が重ならないように構成されている。
【0055】
また、3段目のフィン123cは、1段目のフィン123aと同じ位相になるように取り付けられている。そして、各フィン123a、123b、123cは、第一の回転体120aの軸線方向に対して、一方方向にやや傾斜して取り付けられている。すなわち、図9に示すように回転体120を正面から見ると、フィン123の側面が現れるような態様で取り付けられている。
このように配列されたフィン123により、第一の攪拌空間122aに投入されたガラは、第一の回転体120aが回転することで、フィン123と衝突して巻き上げられる。また、第一の攪拌空間122aに投入されたガラは、回転体120の傾斜と、フィン123の傾斜による案内とにより、排出方向に送り出される。このようなガラの動きは、第二の攪拌空間122b及び第三の攪拌空間122cでも同様である。
なお、第二の攪拌空間122bでは、排出方向の距離が長いために、第一の攪拌空間122a及び第三の攪拌空間122cよりも多くのフィン123が取り付けられている。なお、フィン123を設ける数や間隔は、上述した場合に限られず、適宜、変更してもよい。
【0056】
また、回転体120内には、スクリューコンベア124、砂噴射部130、圧縮空気供給管133が配設されている。
スクリューコンベア124は、洗浄材としての加熱した砂を第二の攪拌空間122bに搬送する洗浄材搬送部として機能する。スクリューコンベア124は、基台111aに支持され、基台111aから第一の攪拌空間122a内及び第二の攪拌空間122b内を通過して、第二の攪拌空間122bと第三の攪拌空間122cとの境界部にまで至っている。
【0057】
スクリューコンベア124の前方、すなわち第一の回転体120aの入り口には、加熱した砂を投入する供給口127が設けられている。供給口127から投入された加熱した砂は、スクリューコンベア124のパイプ126内に供給される。また、第二の攪拌空間122b内に位置するスクリューコンベア124のパイプ126の下方には、加熱した砂を下方に落下させる開口孔が設けられている。
このように構成されたスクリューコンベア124によれば、供給口127から投入された加熱した砂は、図示しないスクリュー駆動部がスクリュー125を回転することで、第二の攪拌空間122bにまで搬送された後、落下し、砂噴射部130に供給される。
【0058】
次に、砂噴射部130は、加熱した砂を第二の攪拌空間122bに勢いよく噴射する洗浄材噴射部として機能する。砂噴射部130は、第二の攪拌空間122bの排出方向に亘って、連続して複数、設けられている。具体的には、スクリューコンベア124のパイプ126の下側に複数、配置されている。パイプ126から落下した砂を砂噴射部130の受取ホッパ部128が、受け取り、蓄える。
【0059】
また、圧縮空気供給管133は、圧縮した空気を砂噴射部130のノズル129に供給する圧縮空気供給部として機能する。圧縮空気供給管133は、基台111bから第三の攪拌空間122c内を通過して、第二の攪拌空間122bに配置された各砂噴射部130にまで至っている。そして、図7を矢印E方向からみた図10の砂噴射部130の一部断面図に示すように、圧縮空気供給管133から、それぞれ分岐して各ノズル129の吹き出し口に圧縮した空気が至るようになっている。
このように構成された砂噴射部130及び圧縮空気供給管133により、圧縮空気供給管133から供給される空気と共に、ノズル129から加熱した砂を第二の攪拌空間122b内に放射状に勢いよく噴射させることができる。
【0060】
ここで、圧縮空気供給管133は、配設ダクト131内に沿って配設されている。配設ダクト131は、基台111bに支持され、基台111bから第三の攪拌空間122c内及び第二の攪拌空間122b内を通過して、第一の攪拌空間122aと第二の攪拌空間122bとの境界部にまで至っている。また、第二の攪拌空間122b内に位置する配設ダクト131は、圧縮空気供給管133と共に、砂噴射部130を包囲している。したがって、第二の攪拌空間122b内でガラが巻き上がった場合であっても、ガラが圧縮空気供給管133及び砂噴射部130に衝突して破損することを保護することができる。
なお、スクリューコンベア124、配設ダクト131内に配設された圧縮空気供給管133と砂噴射部130とは、間接的に基台111a、111bに取り付けられているので、常に位置は固定であって、回転体120が回転しても共に回転することはない。
【0061】
また、回転体120内には、内部支持枠140a、140bが配設されている。
内部支持枠140aは、第一の攪拌空間122aと第二の攪拌空間122bとの境界に設けられている。一方、内部支持枠140bは、第二の攪拌空間122bと第三の攪拌空間122cとの境界に設けられている。
【0062】
内部支持枠140a、140bは、図7、図8及び図10に示すように、厚みのある円板の下半円部分が外周部分141a、141bを残して円板の厚み方向に半円状の空間を有する形状に形成されている。また、内部支持枠140a、140bの上半円部分にはスクリューコンベア124のパイプ126及び配設ダクト131が嵌入される嵌入孔が設けられている。したがって、内部支持枠140a、140bは、パイプ126及び配設ダクト131を介して、間接的に基台111a、111bに取り付けられているので、常に位置は固定であって、回転体120が回転しても共に回転することはない。
【0063】
内部支持枠140a、140bのそれぞれ前方には、第一の攪拌空間122aと第二の攪拌空間122bとの空間を仕切る仕切り部材142a、第一の攪拌空間122aと第二の攪拌空間122bとの空間を仕切る仕切り部材142bが設けられている。仕切り部材142a、142bは、図10の二点鎖線及び図8に示すように下方に約1/3程度のみが貫通するように形成される。したがって、第一の攪拌空間122aから第二の攪拌空間122bにガラが送り出される場合、また、第二の攪拌空間122bから第三の攪拌空間122cにガラが送り出される場合、仕切り部材142a、142bの下方のみを通って送り出される。
【0064】
また、ガラが次の攪拌空間122に送り出されるとき、ガラが内部支持枠140a、140bの外周部分141a、141bに衝突して、破損しないように、外周部分141a、141bの内周面、すなわち半円状空間の内周面に、湾曲した保護板143a、143bが設置されている。
【0065】
また、内部支持枠140a、140bの周りには、それぞれ複数のローラ150a、150bが回転自在に支持されている。このローラ150a、150bは軸心方向を、回転体120の軸心方向と同一方向になるように配設されている。そして、ローラ150a、150bは、回転体120の凸部内の空間に嵌まり込むことにより、回転体120は、ローラ150a、150bに案内されて、円滑に回転することができる。
【0066】
次に、上述しように構成される洗浄装置110で行われる洗浄処理について説明する。
まず、モータ114を駆動させて、回転体120を回転させておく。また、供給口127から加熱した砂を投入してスクリューコンベア124を駆動させると共に、砂噴射部130を駆動させ、加熱した砂を噴射させる。
次に、投入部113から、汚染泥土が付着したガラを投入する。ここでは、ガラ及び付着した汚染泥土には、水分が付着しているものとする。
【0067】
次に、投入部113から投入されたガラは、第一の攪拌空間122a内に入り込む。第一の攪拌空間122a内では、第一の回転体120aが回転しているので、ガラ同士で攪拌される。更に、第一の攪拌空間122a内には、フィン123a、123b、123cが第一の回転体120aと同様に回転しているために、ガラがフィン123と衝突する等して、巻き上げられる。このように、ガラ同士で擦れあったり、フィン123に衝突したり、巻き上げられたガラが落下したときに衝撃が発生したりすることにより、ガラに付着した汚染泥土や塵等は払い落とされる。払い落とされた汚染泥土や塵等、第一の回転体120aの網目より小さいものは第一の回転体120aから落下する。また、ガラは、回転体120の傾斜と、フィン123の傾斜による案内とにより、排出方向に送り出される。なお、第一の回転体120aから落下した汚染泥土や塵等は、図1に示す受取部117が受け取り、後に処理される。
【0068】
また、フィン123a、123b、123cの間の間隔は、それぞれ排出方向に所定間隔の隙間を有しているので、例えば、1段目のフィン123aと2段目のフィン123bの間に位置するガラは、巻き上がりが幾分停滞する。したがって、排出方向に送り出されるガラは、巻き上がり、停滞、巻き上がりが連続し、ガラの動きに緩急が生じ、より付着した汚染泥土等を払い落とす効果が向上する。また、隣り合うフィン123の位相がずれていることにより、ガラの巻き上がりに変化が生じ、更に付着した汚染泥土等を払い落とす効果が向上する。このように、第一の攪拌空間122aでは、ガラに付着した汚染泥土を、ある程度払い落とすことができる。
【0069】
次に、仕切り部材142aの下方から送り出されたガラは、第二の攪拌空間122b内に入り込む。第二の攪拌空間122b内では、上述したように砂噴射部130により、加熱した砂が勢いよく放射状に噴射されている。したがって、加熱した砂が、ガラと衝突する衝撃力により、サンドブラスト効果が生じて、付着した汚染泥土を剥がし落とし、洗浄される。また、第二の攪拌空間122bでは、第一の攪拌空間122aと同様に、第二の回転体120bが回転することによりフィン123が回転している。したがって、第二の攪拌空間122b内では、ガラと加熱した砂とは、混合された状態で攪拌される。このとき、ガラと加熱した砂とが混じり合い、擦り合うことにより、加熱した砂がガラに付着した水分、汚染泥土等に付着した水分等を吸収していく。なお、砂は、表面積が多大であるために、ガラと混じり合いやすく、ガラ等に付着した水分を瞬時に吸収することができる。
【0070】
更に、第二の攪拌空間122b内は、加熱した砂によって高温になっている。また、第二の攪拌空間122bは、略円筒状であり、更に仕切り部材142a、142bがそれぞれ第一の攪拌空間122a及び第三の攪拌空間122cの境界の上部を仕切っていることから、第二の攪拌空間122b内は、特に熱が篭っている。したがって、水分が付着されていたガラは、攪拌されている中で急速に乾燥していく。ガラを乾燥させた状態にすることにより、加熱した砂によるサンドブラスト効果が更に働いて、付着した汚染泥土を剥がし落とし易くなる。
【0071】
また、第二の攪拌空間122b内は、第一の攪拌空間122aと同様、フィン123により、ガラの動きに緩急が生じたり、ガラの巻き上がりに変化が生じたりするので、付着した汚染泥土等を払い落とす効果が向上する。なお、砂噴射部130は、第二の攪拌空間122bの上方に配置している。したがって、比重が大きいガラが上方にまで巻き上がることがないので、ガラが砂噴射部130に衝突することがない。
【0072】
次に、仕切り部材142bの下方から送り出されたガラ、汚染泥土、加熱した砂等は、第三の攪拌空間122c内に入り込む。第三の攪拌空間122c内も第一の攪拌空間122aと同様に、第三の回転体120cが回転することによりフィン123が回転しているので、ガラ、汚染泥土、加熱した砂等が混合された状態で攪拌される。このとき、洗浄により払い落とされた汚染泥土等及び加熱した砂は、第三の回転体120cの網目より小さいので、第三の回転体120cから搬送装置150に落下する。
一方、洗浄されたガラは、回転体120の傾斜とフィン123の傾斜による送り出しとにより、汚染泥土及び加熱した砂から分離されて、第三の回転体120cの後方から排出される。
【0073】
上述したように、本実施形態による洗浄装置110によれば、ガラを洗浄するときに、洗浄液等を用いて洗浄する必要がないので、洗浄液による洗浄及び乾燥させる工程が必要なく、瞬時に洗浄を行うことができる。したがって、洗浄効率を向上させることができ、処理コストを削減させることができる。
【0074】
なお、上述した説明では、洗浄装置110の第一の回転体120a、第二の回転体120b、第三の回転体120cの断面を略円形とする場合について説明したが、この場合に限られず、断面を正八角形等の多角形状とする筒状であってもよい。
また、上述した説明では、砂噴射部130から噴射させるものを加熱した砂である場合について説明したが、この場合に限られず、ガラの汚染泥土の付着度合いに応じて常温の砂等の洗浄材を用いてもよい。
また、上述した説明では、フィン123を回転体120の内周面に取り付ける場合について説明したが、この場合に限られず、フィン123が取り付けられていなくともよい。
【0075】
また、上述した説明では、砂噴射部130は、第二の攪拌空間122b内に配置する場合について説明したが、この場合に限られず、第二の回転体120bの上方に配置してもよい。この場合、第二の回転体120bを中空の金属製の網状構造により構成することで、砂噴射部から噴射された砂は、第二の回転体120bを通り抜けて、ガラに付着した汚染泥土を洗浄することができる。なお、砂噴射部130を第二の回転体120bの上方に配置すると、噴射された砂の数%は、第二の回転体120bの網状構造に衝突してしまい、洗浄効果が低下するものの、洗浄装置110の構造を簡略化することができる。
【0076】
次に、洗浄システム200において、洗浄に使用された砂を収集し、再び加熱して、再利用する構成及び処理動作について説明する。
洗浄装置110の第三の回転体120cの網状構造の網目から落下した砂等は、搬送装置150に落下する。ここで、洗浄したガラの汚染泥土の付着度合いが低く、汚染泥土があまり含まれていない場合、搬送装置(搬送部)150は、加熱装置160まで搬送し、加熱装置160の加熱面に落下させる。
加熱装置(加熱部)160は、加熱面に落下した砂を加熱しながら、垂直搬送装置170まで、移送する。
垂直搬送装置(垂直搬送部)170は、加熱装置160により加熱した砂を洗浄装置110の供給口127に投入する。
このように洗浄システム200を構成することで、洗浄装置110によって洗浄するときに用いられた砂を収集すると共に、再び加熱して再利用することができる。
【0077】
なお、第三の回転体120cから落下した砂に汚染泥土が多く含まれる場合には、この循環の過程において、落下した砂を散水洗浄させた後、加熱釜にて乾燥及び高温化させて再利用すればよい。
【0078】
なお、本実施形態では、洗浄材として加熱した砂を用いる場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、人工的に生成した洗浄材を用いてもよい。
また、本実施形態では、コンクリートガラを乾燥、洗浄する場合について説明したが、石、その他の固形物を洗浄する場合に用いることができる。また、付着物として汚染泥土を取り除く場合について説明したが、付着物として泥土や塵等を取り除く場合に用いてもよい。
【0079】
また、本実施形態では、洗浄システム200として、洗浄装置110、搬送装置150、加熱装置160、垂直搬送装置170を含んで構成されている場合について説明したが、この場合に限らない。例えば、洗浄装置110に、搬送装置150、加熱装置160、垂直搬送装置170の少なくとも何れか1つが一体的に構成されていてもよい。すなわち、洗浄装置110に、搬送部150、加熱部160、垂直搬送部170の少なくとも何れか1つが設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】第1の実施形態に係る洗浄システムの構成を示す側面図である。
【図2】第1の実施形態に係る洗浄システムの構成を示す正面図である。
【図3】第1の実施形態に係る洗浄装置の断面図である。
【図4】第1の実施形態に係るケース体内の構成を示す斜視図である。
【図5】第1の実施形態に係る回転羽根の構成を示す斜視図である。
【図6】第2の実施形態に係る洗浄システムの構成を示す側面図である。
【図7】第2の実施形態に係る洗浄装置の断面図である。
【図8】第2の実施形態に係る回転体内の構成を示す斜視図である。
【図9】第2の実施形態に係る回転体の正面断面図である。
【図10】第2の実施形態に係るフィンの配列を示す正面図である。
【符号の説明】
【0081】
100 洗浄システム
10 洗浄装置
13 本体カバー
14a 投入口
15a 吹出口
20 ケース体
21 攪拌空間
21a 第一の攪拌空間
21b 第二の攪拌空間
22 排出孔
23 仕切り部材
24 回転軸
26 駆動装置(モータ)
27 攪拌部材(回転羽根)
28 攪拌羽根
50 搬送装置(搬送部)
60 加熱装置(加熱部)
70 垂直搬送装置(垂直搬送部)
80 集塵装置(集塵部)
200 洗浄システム
110 洗浄装置
120 ケース体
121 攪拌空間
121a 第一の攪拌空間
121b 第二の攪拌空間
121c 第三の攪拌空間
114 駆動装置(モータ)
123 攪拌部材(フィン)
150 搬送装置(搬送部)
160 加熱装置(加熱部)
170 垂直搬送装置(垂直搬送部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を洗浄する乾式洗浄装置であって、
前記廃棄物と加熱した洗浄材とを混合して攪拌するための攪拌空間が設けられたケース体と、
前記攪拌空間内で前記廃棄物と前記加熱した洗浄材とを混合して攪拌する攪拌部材とを有することを特徴とする乾式洗浄装置。
【請求項2】
前記ケース体は、略筒状に形成され、
前記ケース体の周面には、前記加熱した洗浄材が前記ケース体の攪拌空間から外周方向に向かって排出される複数の排出孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乾式洗浄装置。
【請求項3】
前記ケース体は、第一の攪拌空間と第二の攪拌空間とが略水平方向に隣り合って設けられ、
前記排出孔は、前記第一の攪拌空間を構成するケース体の周面よりも第二の攪拌空間を構成するケース体の周面に多く設けられていることを特徴とする請求項2に記載の乾式洗浄装置。
【請求項4】
前記排出孔は、前記第一の攪拌空間を構成するケース体の下部周面と前記第二の攪拌空間を構成するケース体の全周面とに設けられていることを特徴とする請求項3に記載の乾式洗浄装置。
【請求項5】
前記第一の攪拌空間と前記第二の攪拌空間とを仕切る仕切り部材が設けられ、
前記仕切り部材は、前記第一の攪拌空間と前記第二の攪拌空間との境界の上部を仕切ることを特徴とする請求項3又は4に記載の乾式洗浄装置。
【請求項6】
前記ケース体の周りを包囲する本体カバーを更に有し、
前記本体カバーの下部には、前記排出孔から排出された洗浄材が落下する開口部が設けられていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の乾式洗浄装置。
【請求項7】
前記排出孔から排出された洗浄材を加熱する加熱部を更に有することを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の乾式洗浄装置。
【請求項8】
前記加熱部は、前記排出孔から排出された洗浄材を、前記廃棄物が溶融する温度よりも低い温度に加熱することを特徴とする請求項7に記載の乾式洗浄装置。
【請求項9】
前記攪拌空間に前記廃棄物を投入する投入口と、
前記投入口に前記加熱部により加熱した洗浄材を搬送する垂直搬送部とを更に有することを特徴とする請求項7又は8に記載の乾式洗浄装置。
【請求項10】
前記攪拌部材は、複数の攪拌羽根から構成され、前記ケース体の長手方向に沿って配設された回転軸に設けられた回転羽根であって、
前記複数の攪拌羽根は、前記ケース体の長手方向に対して角度調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の乾式洗浄装置。
【請求項11】
前記ケース体を回転させる駆動部を更に有し、
前記攪拌部材は、前記ケース体の内周面に設けられた複数のフィンであることを特徴とする請求項1に記載の乾式洗浄装置。
【請求項12】
前記攪拌空間内には、前記加熱した洗浄材を噴射させる洗浄材噴射部が設けられていることを特徴とする請求項1又は11に記載の乾式洗浄装置。
【請求項13】
前記洗浄材は、砂及び砂に類する人工的なものであることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の乾式洗浄装置。
【請求項14】
廃棄物を洗浄する乾式洗浄システムであって、
前記廃棄物と加熱した洗浄材とを混合して攪拌するための攪拌空間が設けられたケース体と、前記攪拌空間内で前記廃棄物と前記加熱した洗浄材とを混合して攪拌する攪拌部材とを備える乾式洗浄装置と、
前記洗浄材を加熱する加熱装置とを有することを特徴とする乾式洗浄システム。
【請求項15】
廃棄物を洗浄する乾式洗浄方法であって、
前記廃棄物と加熱した洗浄材とを混合させる混合ステップと、
前記混合ステップにより混合された前記廃棄物と前記加熱した洗浄材とを攪拌する攪拌ステップとを有することを特徴とする乾式洗浄方法。
【請求項16】
前記廃棄物に水分が付着している場合において、
前記攪拌ステップでは、前記加熱した洗浄材により、前記廃棄物に付着した水分を吸収して、前記廃棄物を乾燥させる乾燥ステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の乾式洗浄方法。
【請求項17】
前記攪拌ステップでは、前記廃棄物と前記加熱した洗浄材とに分離する分離ステップを含むことを特徴とする請求項15又は16に記載の乾式洗浄方法。
【請求項18】
前記分離ステップにより分離された洗浄材を収集する収集ステップと、
前記収集ステップにより収集された洗浄材を再び加熱する加熱ステップとを更に有することを特徴とする請求項17に記載の乾式洗浄方法。
【請求項19】
前記攪拌ステップでは、ケース体内に設けられた攪拌羽根が、前記廃棄物と前記加熱した洗浄材とを攪拌するのみではなく、前記攪拌羽根で惹起される遠心力方向の風力と前記攪拌羽根の取付角度により排出方向に送り出されることによる二つの作用によって、前記廃棄物が前記ケース体に擦り合わされることにより、前記廃棄物を洗浄することを特徴とする請求項15乃至18に記載の乾式洗浄方法。
【請求項20】
廃棄物を洗浄する乾燥装置であって、
前記廃棄物と加熱した洗浄材とを混合して攪拌するための攪拌空間が設けられたケース体と、
前記攪拌空間内で前記廃棄物と前記加熱した洗浄材とを混合して攪拌する攪拌部材とを有することを特徴とする乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−127532(P2010−127532A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302936(P2008−302936)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(507309699)
【Fターム(参考)】