乾燥剤を備えたディスプレイ装置
乾燥剤が集積されたMEMS装置を提供するためのシステム及び方法が提供される。一実施形態では、乾燥剤を備えたドライ組成物が、MEMS装置のバックプレート又は基板上にインパクトスプレーされて、基板と融合する。他の実施形態では、乾燥剤は、その乾燥剤がインパクトスプレーされる表面に接着するようにインパクトスプレーされる。更に他の実施形態では、インパクトスプレーされた表面は、乾燥剤で含浸される。更に他の実施形態では、乾燥剤は、適切な無機バインダと組み合わせられて、その後、その乾燥剤がインパクトスプレーされる表面に接着するようにインパクトスプレーされる。更に他の実施形態では、乾燥剤は、所望の粒径の粉末に微粒化又は粉砕されて、その後、表面上にインパクトスプレーされる。従って、乾燥剤の粒子又は粉末は、インパクトスプレープロセスを介してターゲット表面上に融合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、微小電気機械システム(MEMS,microelectromechanical system)及び有機発光ダイオード(OLED,organic light−emitting diode)装置に係り、特に、MEMS及びOLED装置をパッケージングするための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び、電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び/又は、他の微小機械加工プロセス(基板及び/又は堆積させた物質層の一部をエッチングしたり、電気的及び電気機械的装置を形成するための層を追加したりする)を用いて、形成され得る。MEMS装置の一種類は、干渉変調器と呼ばれる。本願において、干渉変調器、干渉光変調器という用語は、光干渉原理を用いて光を選択的に吸収及び/又は反射する装置を指称する。特定の実施形態において、干渉変調器は、一対の導電性板を備える。その一対の導電性板の一方又は両方は、その全体または一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号の印加に対して相対的に動くことができる。特定の実施形態において、一方の板は、基板上に堆積させた静止層を備え、他方の板は、空隙によって静止層から離隔された金属膜を備え得る。本願において詳述されるように、他方の板に対する一方の板の位置によって、干渉変調器に入射する光の光学干渉を変化させることができる。このような装置は広範な応用を有し、こうした種類の装置の特性を利用及び/又は変更する分野において有用であり、その特徴を、既存の製品を改善し、また、未だ開発されていない新規製品を創作するのに活かすことができる。
【0003】
乾燥剤が、MEMS及びOLED装置では一般的に使用されて、ディスプレイ装置の内部環境を、その装置の動作寿命の間乾燥させておく。乾燥剤は、多様な形態、形状、及びサイズのものであり得る。例えば、CaO及びゼオライト等の物質は、装置パッケージ内部の湿気を吸収するために薄いパッチや薄い硬化ペースト状で使用され得る。その物質は、例えば、感圧接着剤でバックプレート等のディスプレイ装置の表面に取り付け可能である。パッチ及びペーストは、典型的には80〜200マイクロメートルの厚さで適用される。従って、ディスプレイ装置パッケージ内部の乾燥剤及び可動素子の両方に対して十分な空間を提供しなければならないので、パッチ及びペーストが、装置の最小厚さを制限する。ディスプレイパッケージの厚さを実質的に増大させることなくパッチ又はペーストの乾燥剤用の空間を設けるために、追加の製造ステップを採用し得る。例えば、キャビティをディスプレイ基板内に化学的にエッチングして、その設けられたキャビティ内に乾燥剤を堆積させることができる。
【0004】
また、パッチ及びペーストの乾燥剤の有効性は、そうした乾燥剤がマトリクス状のバインダと共に提供されることによっても、制限されて、例えば、テフロン(登録商標)バインダは、15から20%の埋め込み乾燥剤を含む。しかしながら、表面に乾燥剤を適用するためにバインダや溶媒を用いることは、敏感なMEMSの構成要素の存在下にあっては最適なものではない。何故ならば、バインダや溶媒は、蒸発するとディスプレイパッケージ内に汚染物質を放出し得るからである。また、乾燥剤を適用するための溶液処理を用いると、ディスプレイパッケージ内に汚染物質のガスを放出することにもつながる。
【0005】
更に、パッチ及びペーストの乾燥剤の有効性は、ディスプレイ装置パッケージの全表面にわたって均一に適用されないことによって、更に制限される。そうした乾燥剤は、典型的には、ディスプレイ装置の表面の一つの領域を覆い他の領域を覆わないように取り付けられる。一部領域に乾燥剤が存在して他の領域に乾燥剤が存在しないこと、及び、敏感な干渉変調器の構成要素に対する乾燥剤の近接性は、変調器の電気機械的振る舞いを損ない、装置の性能を低下させ得る。
【0006】
ディスプレイ装置の寸法の絶え間ない減少は、ディスプレイ装置パッケージ内部の環境を管理するのに利用可能な方法を制限する。何故ならば、パッケージ構造内部に乾燥剤を配置するための領域が少なくなるからである。水蒸気の流入に対して敏感なパッケージング構造の領域は、パッケージ構造のサイズが減少しても、同じであるか僅かにしか減少しないものであり得るが、対照的に、乾燥剤用に利用可能な領域は劇的に減少する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/191568号明細書
【特許文献2】米国特許第7315115号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10224780号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態は、電子装置パッケージである。パッケージは、電子装置を有する第一の基板と、第一の基板とバックプレートカバーとの間においてパッケージ内部に電子装置を封止するバックプレートカバーと、バックプレートカバー又は第一の基板の少なくとも一部の上に融合した乾燥剤とを含む。一実施形態では、乾燥剤は、実質的にドライなゼオライト物質である。他の実施形態では、ゼオライト物質は、略3オングストローム、又は代わりに略3から10オングストロームの間の細孔径を有する。更に他の実施形態では、バックプレートカバー又は第一の基板は、略0.5から5.0マイクロメートルの間の厚さの乾燥剤の層を含む。
【0009】
他の実施形態は、電子装置の製造方法である。本方法は、電子装置を有する第一の基板を提供するステップと、バックプレートカバーを提供するステップと、バックプレートカバー又は第一の基板の一部の上に乾燥剤を融合させるステップと、バックプレートカバーを第一の基板に結合させて電子装置を形成するステップとを含む。一実施形態では、乾燥剤を融合させるステップは、乾燥剤をインパクトスプレーするステップを含む。他の実施形態では、本方法は、バックプレートカバーの一部に選択的に乾燥剤をインパクトスプレーするためにバックプレートカバー上にマスクを提供するステップを含む。更に他の実施形態では、乾燥剤を融合させるステップは、乾燥剤をプラズマスプレーするステップを含む。
【0010】
更に他の実施形態は、ディスプレイ装置を支持するための支持手段と、ディスプレイ装置を覆いパッケージを形成するための被覆手段と、パッケージを乾燥させるための乾燥手段とを含む電子ディスプレイであり、乾燥手段は、被覆手段上に融合した乾燥剤を有する。
【0011】
更に他の実施形態は、パッケージであり、そのパッケージは、第二の表面に対して封止された第一の表面と、パッケージ内部の表面の少なくとも一部の上に融合した乾燥剤とを含む。他の実施形態は、表面に乾燥剤を接着させる方法である。本方法は、表面上に乾燥剤をインパクトスプレーして、乾燥剤が表面に融合されるようにするステップを含む。更に他の実施形態では、融合乾燥剤を備えた表面が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一番目の干渉変調器の可動反射層が緩和位置にあり、二番目の干渉変調器の可動反射層が作動位置にある干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を示す等角図である。
【図2】3×3干渉変調器ディスプレイを組み込む電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉変調器の実施形態の一例に対する可動ミラーの位置対印加電圧の図である。
【図4】干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用可能な行及び列の電圧の組の図である。
【図5A】図2の3×3干渉変調器ディスプレイの表示データのフレームを描くために使用可能な行及び列の信号用のタイミング図の一例を示す。
【図5B】図2の3×3干渉変調器ディスプレイの表示データのフレームを描くために使用可能な行及び列の信号用のタイミング図の一例を示す。
【図6A】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1の装置の断面図である。
【図7B】干渉変調器の代替実施形態の断面図である。
【図7C】干渉変調器の他の代替実施形態の断面図である。
【図7D】干渉変調器の更に他の代替実施形態の断面図である。
【図7E】干渉変調器の更なる代替実施形態の断面図である。
【図8】バックプレートカバーと融合した乾燥剤を備えた干渉変調器の一実施形態の断面図である。
【図8A】バックプレートカバーの凹部内に融合した乾燥剤を備えた干渉変調器の一実施形態の断面図である。
【図9】基板に融合した乾燥剤を示す走査型顕微鏡写真である。
【図10】バックプレートカバーに乾燥剤を融合させる方法の一実施形態の側面図である。
【図11】バックプレートカバーに乾燥剤を融合させる方法の一実施形態を示す等角図である。
【図12】基板に乾燥剤を融合させる方法の他の実施形態を示す等角図である。
【図13】バックプレートカバーと融合した乾燥剤を示す走査型顕微鏡写真である。
【図14】ガラス上にインパクトスプレーされた乾燥剤の水分吸収を示す線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な記載は、特定の実施形態に対するものである。しかしながら、本願の教示は、多種多様な方法で応用可能である。本説明においては、全体にわたり同様の部分には同様の参照符号を付した図面を参照する。動的な画像(例えば、ビデオ)又は静的な画像(例えば、静止画)や、文字又は図表の画像を表示するように設計されているあらゆる装置において、本実施形態を実装可能である。更に、携帯電話、無線装置、PDA、携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、置時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(例えば、走行距離計等)、コックピット制御機器及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、自動車の後方ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電光掲示板または電光サイン、プロジェクタ、建築物、パッケージング、審美的構造(例えば、宝石に対する画像表示)等の多種多様な電子機器において又はこれらに関連して、本実施形態を実施可能であるが、これらに限定されるものではない。本願で説明されるものと同様の構造のMEMS装置を、電子スイッチ装置等のディスプレイ以外の応用においても使用可能である。
【0014】
本実施形態は、乾燥剤が集積されたMEMS装置を提供するためのシステム及び方法に関する。一実施形態では、乾燥剤を備えたドライ組成物は、MEMS装置のバックプレート又は基板上にインパクトスプレー(衝撃スプレー)される。この実施形態では、乾燥剤は、基板に融合され得る。一実施形態では、乾燥剤は、その乾燥剤がインパクトスプレーされる表面に接着するように、インパクトスプレーされる。他の実施形態では、インパクトスプレーされた表面は、乾燥剤で含浸される。更に他の実施形態では、乾燥剤は、適切な無機バインダと組み合わせられて、その後、その乾燥剤がインパクトスプレーされる表面に接着するようにインパクトスプレーされる。更に他の実施形態では、乾燥剤は、所望の粒径の粉末に微粒化又は粉砕されて、その後、表面上にインパクトスプレーされる。従って、乾燥剤の粒子又は粉末は、インパクトスプレープロセスを介してターゲット表面上に融合する。特定の理論に縛られるものではないが、速度又は圧力下における比較的ドライな乾燥剤組成物の接触は、乾燥剤の融解及びターゲット表面への融合をもたらすと考えられる。これは、比較的ウェットな乾燥剤を積層させて、乾燥剤が層へと乾燥するのを待つこと等の他の方法とは異なる。この乾燥プロセスは、表面の頂部の上の乾燥剤の層を生じさせるが、その層は極めて除去され易い。一方、表面に融合した乾燥剤は、後述のように非常に薄い層とされ得る。
【0015】
一部実施形態では、乾燥剤を融合させることは、フラットコーティングで単に積層された乾燥剤と比較して、より大きな表面積を有する乾燥剤層を生成する。更に、後述のように乾燥剤を表面上にインパクトスプレーすることに含まれる力に起因して、より精製された形の乾燥剤を、本願で説明される実施形態において使用することができる。従って、インパクトスプレーされた乾燥剤の乾燥性能は、インパクトスプレーされていない乾燥剤と比較して、平方ミリメートル当たりで大きくなり得る。
【0016】
干渉MEMSディスプレイ素子を備えた干渉変調器ディスプレイの一実施形態を、図1に示す。この装置において、画素は、明状態または暗状態のどちらかである。明(“緩和”、“オープン”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分を使用者に反射する。暗(“作動”、“クローズ”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の僅かしか使用者に反射しない。実施形態に応じて、“オン”及び“オフ”状態の光の反射性を逆にしてもよい。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成可能であり、白黒に加えてカラーディスプレイが可能である。
【0017】
図1は、画像ディスプレイの一続きの画素の内の二つの隣接する画素を示す等角図である。ここで、各画素は、MEMS干渉変調器を備えている。一部実施形態では、干渉変調器ディスプレイは、これら干渉変調器の行列のアレイを備える。各干渉変調器は、互いに可変で制御可能な距離に配置された一対の反射層を含み、少なくとも一つの可変寸法を備えた共鳴光学ギャップを形成する。一実施形態において、反射層の一方は、二つの位置の間を移動し得る。第一の位置(緩和位置と称する)では、可動反射層は、固定された部分反射層から比較的離れた位置に在る。第二位置(作動位置と称する)では、可動反射層は、部分反射層により近づいて隣接する位置に在る。これら二つの層から反射される入射光は、可動反射層の位置に応じて、建設的にまたは破壊的に干渉して、各画素に対して全体的な反射状態または非反射状態のどちらかがもたらされる。
【0018】
図1に示される画素アレイの一部は、二つの隣接する干渉変調器12a及び12bを含む。左側の干渉変調器12aでは、可動反射層14aが、光学積層体16a(部分反射層を含む)から所定の距離離れた緩和位置で示されている。右側の干渉変調器12bでは、可動反射層14bが、光学積層体16bに隣接した作動位置で示されている。
【0019】
本願において、光学積層体16a及び16b(まとめて光学積層体16と称する)は典型的に複数の多重層を備え、インジウム錫酸化物(ITO,indium tin oxide)等の電極層、クロム等の部分反射層、及び、透明誘電体を含み得る。従って、光学積層体16は、導電性であり、部分的には透明で部分的には反射性であり、例えば、透明基板20上に上述の層を一層以上堆積させることによって、製造可能である。部分反射層は、多様な金属、半導体、誘電体等の部分反射性である多様な物質から形成可能である。部分反射層は一層以上の物質層で形成可能であり、各層は単一の物質または複数の物質の組み合わせで形成可能である。
【0020】
一部実施形態では、光学積層体16の層が平行なストリップにパターニングされて、以下で説明するようなディスプレイ装置の行電極を形成し得る。可動反射層14a、14bは、ポスト18の上面と、ポスト18間に堆積させた介在犠牲物質の上面とに堆積させた列を形成する堆積金属層(一層または複数層)の一続きの平行なストリップ(16a及び16bの行電極に直交する)として形成され得る。犠牲物質がエッチングされると、画定されたギャップ19によって、可動反射層14a、14bが光学積層体16a、16bから離隔される。反射層14用には、アルミニウム等の高導電性及び反射性物質を使用可能であり、そのストリップが、ディスプレイ装置の列電極を形成し得る。図1は縮尺どおりではない点に留意されたい。一部実施形態では、ポスト18間の間隔が10〜100μmのオーダとなり得る一方で、ギャップ19が1000オングストローム未満のオーダとなり得る。
【0021】
電圧が印加されていないと、図1の画素12aに示されるように、可動反射層14aと光学積層体16aとの間にギャップ19が残ったままであり、可動反射層14aは、機械的に緩和状態にある。一方で、選択された行と列に電位(電圧)の差が印加されると、対応する画素の行電極と列電極の交差する部分に形成されるキャパシタが帯電して、静電力が電極を互いに引き寄せる。電圧が十分に高いと、可動反射層14が変形して、光学積層体16に押し付けられる。光学積層体16内の誘電体層(図1に示さず)は、短絡を防止して、図1の右側の作動画素12bに示されるように、層14と層16との間の間隔を制御することができる。印加される電位差の極性に関わり無く、挙動は同じである。
【0022】
図2から図5は、ディスプレイ応用における干渉変調器のアレイを用いるためのプロセス及びシステムの一例を示す。
【0023】
図2は、干渉変調器を組み込み得る電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。電子装置はプロセッサ21を含み、そのプロセッサ21は、ARM(登録商標)、Pentium(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)等の汎用のシングルチップまたはマルチチップのマイクロプロセッサであり、又は、デジタル信号プロセッサや、マイクロコントローラやプログラマブルゲートアレイ等の専用マイクロプロセッサであり得る。従来技術のように、プロセッサ21は、一つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得る。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、eメールプログラムや、他のソフトウェアアプリケーション等の一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
【0024】
一実施形態では、プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するようにも構成されている。一実施形態では、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に示されるアレイの断面図は、図2の線1‐1に沿って示されている。図2には明確性のため、干渉変調器の3×3のアレイが示されているが、ディスプレイアレイ30は多数の干渉変調器を含み得て、また、列と行とで異なる数の干渉変調器を含み得る(例えば行毎に130画素で、列毎に190画素)ことには留意されたい。
【0025】
図3は、図1の干渉変調器の例示的な実施形態に対する可動ミラー位置対印加電圧のダイアグラムを示す。MEMS干渉変調器に対しては、行/列の作動プロトコルは、図3に示されるような装置のヒステリシス特性を利用し得る。干渉変調器は、例えば、可動層を緩和状態から作動状態に変形させるのに、10ボルトの電位差を必要とし得る。一方で、この値よりも電圧が減少すると、電圧が10ボルト未満に下がっても、可動層がその状態を維持する。図3の例示的な実施形態では、可動層は、電圧が2ボルト未満に下がるまで完全には緩和しない。従って、電圧範囲(図3に示される例では略3から7V)が存在し、装置が緩和状態又は作動状態のどちらかで安定している印加電圧のウィンドウが存在する。これを本願では、“ヒステリシスウィンドウ”または“安定ウィンドウ”と称する。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイに対しては、行/列の作動プロトコルを以下のように構成可能である。即ち、行のストローブ中には、作動されるべきストローブ行の画素が略10ボルトの電圧の差に晒されて、緩和されるべき画素がゼロボルトに近い電圧の差に晒されるように構成可能である。ストローブ後には、画素が略5ボルトの安定状態又はバイアス電圧の差に晒されて、画素が、行のストローブによって与えられた状態を保つ。描かれた後には、各画素は、本実施例では3〜7ボルトの“安定ウィンドウ”内の電位差を見る。この特徴は、図1に示される画素構造を、同一の印加電圧条件の下において、作動または緩和の既存状態のどちらかで安定させる。干渉変調器の各画素(作動又は緩和状態)は本質的に、固定反射層及び可動反射層によって形成されたキャパシタであるので、ほぼ電力消費無く、ヒステリシスウィンドウ内の電圧において、この安定状態を保持することができる。印加電位が固定されていれば、本質的に電流は画素内に流れない。
【0026】
後述のように、典型的な応用では、画像のフレームは、第1番目の行の作動画素の所望の組に従った列電極の組にわたるデータ信号(それぞれ特定の電圧レベルを有する)の組を送信することによって、生成され得る。その後、行パルスが第1番目の行の電極に印加されて、データ信号の組に対応する画素を作動させる。その後、第2番目の行の作動画素の所望の組に対応するために、データ信号の組を変更する。その後、パルスが第2番目の行の電極に印加されて、データ信号に従って第2番目の行の適切な画素を作動させる。第1番目の行の画素は、第2番目の行のパルスによって影響されず、第1番目の行のパルスの間に設定された状態のままである。このことが、一続きの行全体に対して逐次的に反復されて、フレームを生成する。一般的に、秒毎の所望のフレーム数でこのプロセスを連続的に反復することによって、フレームがリフレッシュされ及び/又は新しい画像に更新される。画像のフレームを生成するための画素アレイの行電極及び列電極を駆動する多種多様なプロトコルが使用可能である。
【0027】
図4及び図5は、図2の3×3アレイ上に表示フレームを生成する作動プロトコルとして考えられるものの一つを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に対して使用され得る列及び行の電圧レベルの組として考えられるものの一つを示す。図4の実施形態において、画素を作動させることには、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を+ΔVに設定することが含まれ、それぞれ−5ボルトと+5ボルトに対応し得る。画素の緩和は、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を同じ+ΔVに設定して、画素に対する電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。行の電圧がゼロボルトに保たれている行においては、列が+Vバイアスであるか−Vバイアスであるかに関わらず、画素は元々の状態で安定である。また、図4に示されるように、上述のものとは逆極性の電圧も使用可能である。例えば、画素を作動させることは、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を−ΔVに設定することを含むことができる。この実施形態では、画素の緩和は、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を同じ−ΔVに設定して、画素に対して電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。
【0028】
図5Bは、図2の3×3アレイに印加される一続きの行及び列の信号を示すタイミング図であり、図5Aに示される表示配置がもたらされる。ここで、作動画素は非反射性である。図5Aに示されるフレームを描く前においては、画素はいずれの状態であってもよく、この例では、全ての行は最初0ボルトであり、全ての列は+5ボルトである。これらの印加電圧に対しては、全ての画素は、作動又は緩和のその時点での状態で安定である。
【0029】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)、(3,3)が作動している。これを達成するためには、行1に対する“ライン時間”中に、列1及び列2は−5ボルトに設定され、列3は+5ボルトに設定される。全ての画素が3〜7ボルトの安定ウィンドウ内のままであるので、これによっては、いずれの画素の状態も変化しない。その後、行1が、0から5ボルトに上がりゼロに戻るパルスで、ストローブされる。これによって、(1,1)及び(1,2)の画素を作動させて、(1,3)の画素を緩和する。アレイの他の画素は影響を受けない。要求どおりに行2を設定するため、列2を−5ボルトに設定し、列1及び列3を+5ボルトに設定する。その後、行2に印加される同じストローブによって、画素(2,2)を作動させて、画素(2,1)及び(2,3)を緩和する。ここでも、アレイの他の画素は影響を受けない。同様に、列2及び列3を−5ボルトに設定して、列1を+5ボルトに設定することによって、行3を設定する。行3のストローブは、行3の画素を図5Aに示されるように設定する。フレームを描いた後において、行の電位はゼロであり、列の電位は+5又は−5ボルトのどちらかを保つことができ、そうして、ディスプレイは図5Aの配置で安定である。同じ手順を、数十又は数百の行列のアレイに対して用いることができる。また、行及び列の作動を実施するために用いられるタイミング、シーケンス及び電圧レベルは、上述の基本原理内において多様に変更可能であり、上述の例は単に例示的なものであり、何らかの作動電圧方法を本願のシステム及び方法で使用可能である。
【0030】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ装置40の一実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイ装置40は例えば携帯電話である。しかしながら、ディスプレイ装置40の同一の構成要素又はその僅かな変形体は、テレビや携帯型メディアプレーヤー等の多種多様なディスプレイ装置の実例にもなる。
【0031】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力装置48と、マイク46とを含む。ハウジング41は、多種多様な製造方法のいずれかによって一般的には形成され、射出成形、真空成形が挙げられる。また、ハウジング41は、多種多様な物質のいずれかから形成可能であり、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、それらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、ハウジング41は、取り外し可能部(図示せず)を含む。該取り外し可能部は、色の異なる又は異なるロゴや画像やシンボルを含む他の取り外し可能部と交換可能である。
【0032】
例示的なディスプレイ装置40のディスプレイ30は、多種多様なディスプレイのいずれかであり得て、本願で説明されるような双安定性(bi−stable)ディスプレイが含まれる。他の実施形態では、ディスプレイ30は、当業者に周知なように、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、TFT LCD等のフラットパネルディスプレイや、CRTや他のチューブデバイス等の非フラットパネルディスプレイを含む。しかしながら、本願の実施形態を説明するために、ディスプレイ30は、本願で説明されるような干渉変調器ディスプレイを含む。
【0033】
図6Bに、例示的なディスプレイ装置40の一実施形態の構成要素を概略的に示す。図示されている例示的なディスプレイ装置40は、ハウジング41を含み、また、それに少なくとも部分的に封入される追加の構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態では、例示的なディスプレイ装置40は、送受信機47に結合されているアンテナ43を含むネットワークインターフェイス27を備える。送受信機47はプロセッサ21に接続されていて、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続されている。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば信号をフィルタリングする)ように構成可能である。調整ハードウェア52は、スピーカー45及びマイク46に接続されている。また、プロセッサ21は、入力装置48及びドライバ制御装置29にも接続されている。ドライバ制御装置29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合されている。アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合されている。電源50は、この特定の例示的なディスプレイ装置40の構成に必要とされるような全ての構成要素に電力を供給する。
【0034】
ネットワークインターフェイス27は、アンテナ43及び送受信機47を含み、例示的なディスプレイ装置40が、ネットワーク上の一つ以上の装置と通信できるようになっている。一実施形態では、ネットワークインターフェイス27は、プロセッサ21の要求を軽減するためにある程度の処理能力を有し得る。アンテナ43は、信号の送受信用として当業者に知られているアンテナのいずれかである。一実施形態では、アンテナは、IEEE802.11規格(IEEE802.11(a)、(b)又は(g)を含む)に準拠したRF信号を送受信する。他の実施形態では、アンテナは、BLUETOOTH規格に準拠したRF信号を送受信する。携帯電話の場合には、CDMA、GSM、AMPS、W‐CDMA等の無線携帯電話ネットワーク内で通信するために用いられる周知の信号を受信するようにアンテナが設計されている。送受信機47は、アンテナ43から受信した信号を前処理して、その後、信号がプロセッサ21によって受信されて、更に処理されるようにし得る。また、送受信機47は、プロセッサ21から受信した信号も処理して、その後、信号が、アンテナ43を介して例示的なディスプレイ装置40から送信されるようにし得る。
【0035】
代替的な一実施形態では、送受信機47が、受信機に交換可能である。更に他の代替的な実施形態では、ネットワークインターフェイス27が、プロセッサ21に送信されるべき画像データを記憶すること又は発生させることが可能な画像ソースに交換可能である。例えば、画像ソースは、画像データを含むDVDやハードディスクドライブや、画像データを発生するソフトウェアモジュールであり得る。
【0036】
プロセッサ21は一般的に、例示的なディスプレイ装置40の動作全体を制御する。プロセッサ21は、データ(ネットワークインターフェイス27や画像ソースからの圧縮画像データ等)を受信し、そのデータを生の画像データに処理するか、又は、生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。その後、プロセッサ21は、記憶用のフレームバッファ28に又はドライバ制御装置29に処理されたデータを送信する。生データは典型的に、画像内の各位置において画像特性を識別する情報を称する。例えば、このような画像特性は、色、彩度、グレイスケールレベルを含み得る。
【0037】
一実施形態では、プロセッサ21は、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するマイクロ制御装置、CPU、又は、論理ユニットを含む。調整ハードウェア52は一般的に、スピーカー45に信号を送信するための、また、マイク46から信号を受信するためのアンプ及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、例示的なディスプレイ装置40内の個別の構成要素であってもよく、プロセッサ21や他の構成要素に組み込まれたものであってもよい。
【0038】
ドライバ制御装置29は、プロセッサ21が発生させた生の画像データを、プロセッサから直接、又は、フレームバッファ28から受信し、アレイドライバ22に対する高速送信用に適切な生の画像データに再フォーマットする。特に、ドライバ制御装置29は、生の画像データを、ラスタ状フォーマットを有するデータフローに再フォーマットして、データフローが、ディスプレイアレイ30にわたる走査に適した時間オーダを有するようになる。その後、ドライバ制御装置29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送信する。LCD制御装置等のドライバ制御装置29は、独立型の集積回路(IC,integrated circuit)としてシステムプロセッサ21に附随していることが多いが、このような制御装置は多種多様な方法で実装可能である。このような制御装置は、ハードウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、アレイドライバ22と共にハードウェア内に完全に集積可能でもある。
【0039】
典型的には、アレイドライバ22は、ドライバ制御装置29からフォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを、波形の並列的な組に再フォーマットする。この波形の並列的な組は、ディスプレイの画素のx‐yマトリクスによってもたらされる数百の(数千のこともある)リードに対して、一秒間に何度も印加される。
【0040】
一実施形態では、ドライバ制御装置29、アレイドライバ22及びディスプレイアレイ30は、本願で説明されるあらゆる種類のディスプレイに対しても適合するものである。例えば、一実施形態では、ドライバ制御装置29は、従来のディスプレイ制御装置、又は、双安定性ディスプレイ制御装置(例えば、干渉変調器制御装置)である。他の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバ、又は、双安定性ディスプレイドライバ(例えば、干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバ制御装置29は、アレイドライバ22と集積される。このような実施形態は、携帯電話、腕時計、他の小型ディスプレイ等の高集積システムにおいて一般的である。更に他の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイ、または、双安定性ディスプレイアレイ(例えば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0041】
入力装置48によって、使用者が例示的なディスプレイ装置40の動作を制御することが可能になる。一実施形態では、入力装置48は、キーパッド(QWERTYキーボードや電話のキーパッド等)、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、感圧又は感熱膜を含む。一実施形態では、マイク46が、例示的なディスプレイ装置40用の入力装置になる。マイク46を用いて装置にデータを入力する場合には、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するために、使用者によって音声命令が提供され得る。
【0042】
電源50は、当該分野で周知の多種多様なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、一実施形態では、電源50は、ニッケル・カドミウム電池やリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。他の実施形態では、電源50は、再生可能エネルギー源、キャパシタ、又は、太陽電池であり、プラスチック太陽電池や太陽電池ペイントが挙げられる。他の実施形態では、電源50は、壁コンセントから電力を供給されるように構成されている。
【0043】
一部実施形態では、上述のように、電子ディスプレイシステム内の複数の位置に配置可能なドライバ制御装置に、制御プログラム可能性が備わっている。場合によっては、制御プログラム可能性は、アレイドライバ22に備わっている。上述の最適化は、如何なる数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素においても、また、多種多様な構成においても実施可能である。
【0044】
上述の原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は、多種多様なものであり得る。例えば、図7A〜図7Eは、可動反射層14とその支持構造体の五つの異なる実施形態を示す。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、金属物質のストリップ14が、直交して延伸する支持体18の上に堆積されている。図7Bでは、各干渉変調器の可動反射層14が、正方形又は矩形の形状であり、テザー32に対して、角でのみ支持体に取り付けられている。図7Cでは、可動反射層14が、正方形又は矩形の形状であり、フレキシブル金属を含み得る変形可能層34から懸架されている。変形可能層34は、該変形可能層34の周囲において、基板20に直接的又は間接的に接続する。この接続は、本願において、支持ポストと称される。図7Dに示される実施形態は、支持ポストプラグ42を有する。この支持ポストプラグの上に、変形可能層34が横たわる。図7A〜7Cのように、可動反射層14はギャップ上に懸架されている。しかしながら、変形可能層34と光学積層体16との間のホールを充填することによって、変形可能層34が支持ポストを形成してはいない。むしろ、支持ポストは、支持ポストプラグ42を形成するために用いられる平坦化物質から形成される。図7Eに示される実施形態は、図7Dに示される実施形態をベースにしたものであるが、図7A〜図7Cに示される実施形態、並びに、図示されていない追加の実施形態のいずれにおいても機能し得るものである。図7Eに示される実施形態では、金属又は他の導電性物質の追加的な層が用いられて、バス構造44を形成している。これによって、信号が、干渉変調器の背面に沿ってルーティングすることが可能になり、基板20上に形成しなければならなかった多数の電極を省略することが可能になる。
【0045】
図7に示されるような実施形態では、干渉変調器は、直視型装置として機能し、画像は透明基板20の前面から視られ、その反対側に変調器が配置されている。こうした実施形態では、反射層14は、変形可能層34を含む基板20に対向する反射層の側において、干渉変調器の一部を光学的に遮蔽する。これによって、遮蔽された領域を、画像の質に悪影響を与えずに、構成及び動作させることが可能になる。例えば、このような遮蔽によって、変調器の光学的特性を変調器の電気機械的特性(アドレシングや該アドレシングの結果による移動等)から分離する性能を提供する図7Eのバス構造44が可能になる。この分離可能な変調器の設計によって、変調器の電気機械的側面及び光学的側面用に用いられる構造設計及び物質が、互いに独立に選択され、また、機能することが可能になる。更に、図7C〜図7Eに示される実施形態は、反射層14の光学的特性をその機械的特性から切り離すこと(このことは、変形可能層34によって達成される)に因る追加的な利点を有する。これによって、光学的特性に関して、反射層14に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になり、また、所望の機械的特性に関して、変形可能層34に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になる。
【0046】
〈パッケージ内への乾燥剤の配置〉
集積乾燥剤を有するMEMS装置用の基本的なパッケージ構造の概略が図8Aに示されている。図8Aに示されるように、基本的なパッケージ構造70は、基板72と、バックプレートカバー又は“キャップ”74とを含み、干渉変調器アレイ76が、基板72上に形成されている。このキャップ74は、“バックプレート”とも称される。
【0047】
基板72及びバックプレート74は、封止剤78によって結合されて、パッケージ構造70を形成し、干渉変調器アレイ76が基板72、バックプレート74及び封止剤78によって密閉される。これは、バックプレート74と基72との間にキャビティ79を形成する。封止剤78は、従来のエポキシベース接着剤等の非気密性封止剤であり得る。他の実施形態では、封止剤78は、一日で略0.2〜4.7g mm/m2kPaの水蒸気の浸透率の範囲を有し得る封止剤の中で特に、ポリイソブチレン(ブチルゴムやPIBとも称される)、Oリング、ポリウレタン、薄膜金属溶接部、液体スピンオンガラス、はんだ、ポリマー、プラスチックであり得る。
【0048】
一般的に、パッケージ構造70内への水蒸気の浸透を最小化して、パッケージ構造内部の環境を制御することが望ましい。例えば、パッケージを気密的に封止することは、環境が装置の寿命にわたって一定であることを保証することができる。パッケージ内部の湿度が、湿気からの表面張力が干渉変調器の可動素子(図示せず)の復元力よりも高くなるレベルを超えると、可動素子は、永久的に表面にくっ付き得る。このような可動膜のくっ付きは装置を動作不能にする。OLED装置の場合、湿気は、金属電極の腐食を生じさせ得て、装置を動作不能にする。
【0049】
図8Aに示される実施形態では、パッケージ構造70は、キャビティ79内部の湿気を低下させるように構成されたインパクトスプレー乾燥剤80を含む。図8Bに示される実施形態では、パッケージ構造70は変更されたバックプレート74を含む。バックプレート74は、サンドブラストされて又は化学的にエッチングされて、バックプレートキャビティ75が形成される。そして、後述の方法を用いて、乾燥剤80を、バックプレートキャビティ75内に選択的にインパクトスプレーして、パッケージキャビティ79内の湿気を低下させることができる。当業者は、乾燥剤が気密的に封止されたパッケージに対しては必要でないものであり得るが、パッケージ内部の残留する湿気を制御するのに望ましいものであることを理解されたい。
【0050】
基板72は、半透明又は透明物質であり、その上に構築された薄膜MEMS装置を有することができるものであり得る。このような透明物質として、ガラス、プラスチック、透明ポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。干渉変調器アレイ76は、複数の膜変調器、又は分離可能型の複数の変調器を備え得る。当業者は、バックプレート74が、ガラス、金属箔、ポリマー、プラスチック、セラミック、半導体(例えばシリコン)等の適切な物質製であり得ることを理解されたい。
【0051】
パッケージ構造70の一部実施形態では、封止剤78は接着剤を含む。接着剤成分単独では適切な環境障壁として機能しないことがあり得る。何故ならば、接着剤成分は、最終的には、水蒸気及び/又は汚染物質をパッケージ構造70のキャビティ79内に浸透させるからである。従って、パッケージ構造70の特定の実施形態は、パッケージ構造70の内側のゲッタ、又は封止剤78中に取り込まれたゲッタを含む。ゲッタは、干渉変調器アレイ76又はパッケージ構造70組み立て後のパッケージング構成要素から放出される汚染物質ガス(接着剤が硬化する間に封止剤78中の接着剤からキャビティ79内に放出又は蒸発した物質等)をゲッタ機能で除去するように構成され得る。ゲッタは、特定の物質と化学反応するように構成された化学反応ゲッタであり得る。一部実施形態では、ゲッタは、環境中から封止剤78内に浸透した汚染物質、製造又は組み立て中に封止剤78から放出された物質、及び製造又は組み立て時に存在しているパッケージ構造70のキャビティ79内部の物質をゲッタ機能で除去するように構成される。
【0052】
後述の他の実施形態では、化学反応ゲッタ及び乾燥剤が両方ともパッケージ構造70内部に提供されて、水蒸気及び汚染物質ガスをゲッタ機能で除去する。化学反応ゲッタは、例えば酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、アルミ錯体を含み得る。特定の実施形態では、パッケージ構造70の一以上の構成要素(基板72、バックプレート74、封止剤78等)は、製造又は組み立て中に封止剤成分から放出される実質的に全ての物質(硬化中に接着剤から放出される物質等)をゲッタ機能で除去する又は捕捉するのに十分な量のゲッタを含む。
【0053】
当業者は、多様な方法で水蒸気及び汚染物質を捕捉する多様な物質を理解するものである。例えば、CaO等の物質は、化学吸着によって不可逆的に湿気を捕捉することができて、CaOは、水酸化カルシウムに変換される。他方、ゼオライト物質は、物理吸着によってその微細孔内に可逆的に湿気を捕捉することができる。ゼオライト物質は、パッケージ構造70に提供された後に加熱可能であり、その細孔内の湿気を放出して、再活性化して、水分子を再び吸収することができる。また、ゼオライト物質は、多様なタイプの汚染物質ガスを吸収するのにも使用可能である。例えば、特定の細孔径のゼオライト物質は、特定の汚染物質を捕捉するように選択可能である。略3オングストロームの細孔径のゼオライト物質を用いて、パッケージ構造内の水を捕捉可能である一方、4から5オングストロームのゼオライト物質は、メタン、窒素、及び/又は二酸化炭素を捕捉可能である。略10オングストロームの細孔径のゼオライト材料を、より長い鎖のより複雑な分子を捕捉するために選択可能である。
【0054】
当業者は、パッケージングされた装置に必要な乾燥剤物質の量が、パッケージングされた装置内の初期水分含量、パッケージ構成要素のガス放出可能性、装置のサイズ及び寿命、並びに装置内に湿気が侵入する速度に依存することを理解されたい。乾燥剤用に十分な空間を提供しなければならないので、パッケージングされた装置内部に必要な乾燥剤の量は、装置の最小厚さも制限する。
【0055】
図9は、バックプレート74の表面上に融合したインパクトスプレー乾燥剤80を備えたバックプレート74の断面の走査型電子顕微鏡像を提供する。他の実施形態では、乾燥剤80は、基板72上にインパクトスプレーされて、基板72と融合する。更に他の実施形態では、インパクトスプレーされた表面は乾燥剤80で含浸される。
【0056】
乾燥剤は、気密封止剤又は非気密封止剤を有するパッケージ用に使用され得る。気密封止剤を有するパッケージでは、乾燥剤は典型的に、パッケージの内部に残留する湿気を制御するのに用いられる。非気密封止剤を有するパッケージでは、乾燥剤は、環境からパッケージ内に移動する湿気を制御するのに使用可能である。一般的に、湿気を閉じ込めることができるが、干渉変調器アレイの光学特性に干渉しない物質が、乾燥剤80として使用可能である。適切な乾燥剤物質として、ゼオライト、分子篩、表面吸着剤、バルク吸着剤、化学反応体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
更に、固体状であることの代わりに、乾燥剤80は粉末状でもあり得る。粉末は、マトリクス状に適用される接着剤又はバインダと混合され得て、又は、後述のように、実質的に純粋な形でパッケージ内に直接取り込まれ得る。一部実施形態では、乾燥剤80のビーズ又はペレットは、適切な無機バインダを含む。このような乾燥剤の一例がゼオライトである。適切な無機バインダとして、ベントナイト、層状シリケート、MgOベースの物質、低炭素含有量の他の無機クレイが挙げられる。低炭素含有量のバインダは、パッケージ内部へ有害な有機化合物を一般的には放出しないという利点を提供することができる。本願で説明される実施形態では、乾燥剤80のビーズは、略10%から60%の間の無機バインダを含む。このような無機バインダは、溶媒及び界面活性剤フリーなものであり得る。ビーズは、20から30マイクロメートル等の所望の粒径に微粒化又は粉砕され得る。このドライ組成物乾燥剤は、インパクトスプレーによって、エチレングリコールや水等の溶媒、湿潤剤又はスラリー剤を用いずに、実質的に純粋な形でパッケージ内に直接取り込まれ得る。ウェット乾燥剤スラリーの粘度を制御するために一般的に使用されるエチレングリコールは、MEMS構成要素の望ましくないくっ付きを生じさせ得る。
【0058】
当業者は、乾燥剤80が、表面内に融合するために多様な方法を適用することができる。図9に示されるように、乾燥剤80がバックプレート74上にインパクトスプレーされる場合、乾燥剤は、バックプレート74に融合及び接着する薄くて均一なドライ組成物層を形成する。一部実施形態では、乾燥剤80は、バックプレート74にわたる粗面を生成するのに十分な力でインパクトスプレーされる。この粗面は、乾燥剤のより大きな表面積を提供するので、より多くの乾燥剤80がパッケージ環境内の湿気と接触することを可能にする。更に、実質的に純粋な乾燥剤が、バックプレート74にインパクトスプレーされて接着可能であるので、水を取り除く乾燥剤の性能が、乾燥剤を表面に付着させるのに用いられるバインダ又は他の化合物で希釈化された乾燥剤と比較して、高くなる。また、当業者は、乾燥剤80がパッケージ70内の異なる複数の表面に適用可能であり、表面の異なる複数の部分に適用可能であることも理解されたい。例えば、図8Aに示される実施形態では、まず、キャビティがバックプレート74に形成されて、その後、乾燥剤80がバックプレートのキャビティ内にインパクトスプレーされる。更に、乾燥剤は、MEMS装置の透明基板又は他の構成要素上にインパクトスプレーされ得る。
【0059】
これから、乾燥剤の性質を提供するようにMEMS装置の表面を変更する方法について詳述する。図10に示される一実施形態では、乾燥剤80をバックプレート74上にインパクトスプレーすることによって、乾燥剤80をバックプレート74と融合させる。乾燥剤80は、加圧スプレーノズル102から放出されて、バックプレート74に物理的に衝突して、乾燥剤80の薄層がバックプレート74上に堆積され融合される。バックプレート74は、ガラス、金属、セラミック、液晶ポリマー(LCP,liquid crystalline polymer)や透明ポリマー等のプラスチック等の物質製であり得るが、これらに限定されるものではない。乾燥剤80は、パッケージ構造70内の他の表面(基板72等)上にもインパクトスプレーされ得る。
【0060】
“サンドブラスト”は、物質表面を物理的に変更及び除去するために用いられる一般的な方法である。従来のサンドブラストでは、SiO2やAl2O3等の粉末を用いて、高圧ジェットノズルで固体物質をブラスト又は磨耗させる。これらの硬い粉末物質は、ターゲット表面に大きな衝撃力を与えて、表面をエッチングして物質を除去する。本願で説明されるインパクトスプレーは、従来のサンドブラストと特性を共有するが、バックプレート74の強度を妥協したりバックプレートを壊れ易くしたりするように過度に表面を磨耗させることがない。例えば、乾燥剤80は一般的に従来のサンドブラスト物質程は硬くなく、ターゲット表面に対する損傷が少ない。従って、バックプレート74上へ乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、乾燥剤をより少ない磨耗力でバックプレート74に衝突させて、バックプレート74上の薄層90に堆積させる。インパクトスプレーは、ドライ組成物乾燥剤物質のこの堆積した薄層を、バックプレート74上に融合させるか、又は結合させる。一部実施形態では、バックプレート74上にドライ乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、バックプレート74上に乾燥剤80の薄層90を構築することに加えて、基板物質の表面の一部エッチング又は除去を生じさせる。
【0061】
図9及び図10に示される例示的な実施形態では、バックプレート74上に乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、薄層90をバックプレート74に融合させる。このバックプレート74内への乾燥剤80の融合又は浸透は、バックプレート74を物理的に変更して、バックプレート74が、パッケージ構造70内部で乾燥剤物質として機能するようにする。
【0062】
図11に示される一実施形態では、マスク92がバックプレート74の一部の上に配置される。その後、乾燥剤80が、バックプレート74上にインパクトスプレーされて、マスク92によって覆われていないバックプレート74の部分上に乾燥剤80が融合される。図12に示される他の実施形態では、マスク92は、基板72の一部の上に配置される。マスク92によって覆われた部分は、例えば、封止剤78の外側に存在する基板72の領域104を備え得る。マスク92によって覆われた部分は、その上にMEMS装置が構築された基板72の領域106を追加的に備え得る。その後、乾燥剤80が基板72上にインパクトスプレーされて、乾燥剤80が、マスク92によって覆われていない基板72の部分上に融合される。結果として、基板72の部分108は、ドライ組成物乾燥剤80の薄層でコーティングされて、パッケージ構造70内部の乾燥剤物質として機能する。
【0063】
更に他の実施形態では、バックプレート74は、マスク92を用いずに、乾燥剤80でインパクトスプレーされる。パッケージ構造70内に密閉された全ての又は実質的に全てのバックプレート74が、乾燥剤80でインパクトスプレー可能であるので、乾燥剤の存在に起因するIMODの電気機械的性質の変化は、最小化されるか排除され得る。全ての又は実質的に全てのバックプレート表面の物理的性質を、乾燥剤として機能するように変更可能であるので、干渉変調器アレイ76は、一部領域における乾燥剤の存在と、他の領域における乾燥剤の不存在とを感知しない。従って、干渉変調器アレイ76の挙動は、乾燥剤の存在によって制御及び最適化可能である。
【0064】
乾燥剤80は、純粋な又は実質的に純粋な形でバックプレート74上に有利にインパクトスプレーされて、顕著な湿気吸収性能をもたらすことができる。15から20%の乾燥剤及び80から85%のバインダをマトリクス状で提供するパッチ又はペーストの乾燥剤とは異なり、バックプレート74上に純粋な又は実質的に純粋な形で乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、乾燥剤物質の湿気吸収性能を希釈化しない。一実施形態では、乾燥剤80は100%ゼオライト物質であり、バインダを有さない。他の例示的な実施形態では、ゼオライト物質の均一で薄いコーティングが、接着剤又はバインダを用いずにバックプレート74に適用される。他の実施形態では、60から99%のゼオライト物質を備えた乾燥剤80が、バックプレート74上にインパクトスプレーされる。
【0065】
更に他の実施形態では、ゼオライト物質及び適切な無機バインダを含むビーズ又はペレットが、まず所望の粒径に粉砕されて、その後、粉砕された乾燥剤のドライ組成物が、バックプレート74上にインパクトスプレーされる。一部実施形態では、ビーズ又はペレットは、略40パーセントから90パーセントの間のゼオライト物質と、略10パーセントから60パーセントの間の適切な無機バインダを含む。
【0066】
当業者は、乾燥剤80がゼオライト物質に限定されるものではなく、湿気を閉じ込めることができるが干渉変調器アレイの光学特性に干渉しない物質であれば乾燥剤80として利用可能であることを理解されたい。また、当業者は、バックプレート74が、60%以下のゼオライト又は他の湿気吸収物質を備えた乾燥剤80でインパクトスプレー可能であり、それでも、パッケージ構造70内部の乾燥剤物質として機能することも理解されたい。
【0067】
図13に示されるように、バックプレート74上に乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、バックプレート74と融合した乾燥剤の薄くて均一な層を生成し、バックプレート74の表面の領域94内との融合を含む。バックプレート74の表面が領域94を元々含む場合、このような領域は、乾燥剤80がインパクトスプレーされる表面積を増大させることができるので、パッケージ構造70内に与えられる乾燥剤80の量を増やすことができる。他の実施形態では、まず、バックプレート74の表面をエッチングして領域94のような領域をより多く生成し、その後、乾燥剤80でインパクトスプレーして、パッケージ構造70内に提供される乾燥剤80の量を更に増やす。
【0068】
当業者は、薄層90の厚さ、従ってパッケージングされた装置内の乾燥剤物質の量が、パッケージングされた装置内の初期水分含量、装置のサイズ及び寿命、及び湿気が装置内に侵入する速度に基づいて選択可能であることを理解されたい。バックプレート74の全表面を乾燥剤80でインパクトブラストする性能、純粋な又は純粋な形で乾燥剤80を提供すること、及びバックプレート74を粗面化して薄層90の表面積を増大させることの効果の全ては、個別に又は組み合わさって、乾燥剤80の湿気吸収性能の増大をもたらす。この湿気吸収性能の増大は、ディスプレイ装置の動作寿命にわたって湿気を吸収するのに必要な薄層90の厚さを最小化することができる。例えば、バックプレート74上に1から5マイクロメートルの厚さで乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、バックプレート74に40〜200マイクロメートルの厚さのパッチ又はペーストの乾燥剤を接着させるのと同じ湿気吸収性能をもたらすことができる。一実施形態では、乾燥剤80は、バックプレート74上に0.5から5マイクロメートルの厚さでインパクトスプレーされる。
【0069】
図14に示されるグラフは、乾燥剤80の一実施形態の湿気吸収性能を示す。略3オングストロームの細孔径を有する合成ゼオライト物質を備えた乾燥剤80は、略1マイクロメートルの厚さでガラス表面上にインパクトスプレーされる。その後、乾燥剤80は、二時間にわたって280℃でドライ窒素雰囲気で活性化される。図14に示されるグラフは、略1マイクロメートルの厚さの乾燥剤80の層によって吸収された水の量をミリグラム単位で示す。
【0070】
乾燥剤80の必要とされる厚さの顕著な減少によって、パッケージ構造70の全体的な厚さを顕著に減少させることが可能になる。また、バックプレート74上に乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、パッチ又はペーストの乾燥剤用の十分な空間を提供するためにバックプレート74内にキャビティをエッチングすることに伴う追加的な製造ステップ及び化学的汚染物質を排除することもできる。
【0071】
例示的な実施形態では、異なる細孔径の複数のゼオライト物質を、湿気及びガス汚染物質の両方を捕捉するために選択して、バックプレート74上にインパクトスプレーする。一実施形態では、略三オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質を提供して、パッケージ構造内の水分子等の三オングストローム以下の直径を有する汚染物質を捕捉する。同実施形態では、三オングストローム以上の細孔径を有するゼオライト物質も提供されて、メタン、窒素、及び/又は二酸化炭素を捕捉する。代替実施形態では、異なる細孔径の複数のゼオライト物質が選択されて、水分子及び汚染物質分子(10オングストローム以下の臨界寸法を有する溶媒及び炭化水素を含む)の両方を吸収する。
【0072】
一実施形態では、乾燥剤80の80%以上が、湿気を吸収する細孔径を有するゼオライト物質である。他の実施形態では、乾燥剤80の80%以上が、略2から3オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質である。更に他の実施形態では、乾燥剤80の80%以上が、略3オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質である。乾燥剤80の残りの20%は、湿気以外の物質(汚染物質ガス等)を吸収するように構成された細孔径を有するゼオライト物質を含み得る。他の実施形態では、乾燥剤80の90%以上が、略2から3オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質である。他の例示的な実施形態では、乾燥剤80の2から3%が、パッケージ構造70内部の接着剤及び/又はバインダによって放出される汚染物質ガスを捕捉するために5から10オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質を含む。他の例示的な実施形態では、乾燥剤80は、湿気を捕捉するためのゼオライト物質と、汚染物質ガスを捕捉するためのゼオライトではない化学ゲッタを含む。当業者は、本願で説明されるように、ゼオライト物質が無機バインダを含んでも含まなくてもよいことを理解されたい。
【0073】
一実施形態では、バックプレート74は、合成ゼオライト物質でインパクトスプレーされる。他の実施形態では、バックプレート74は、天然ゼオライト物質でインパクトスプレーされる。例示的な実施形態では、合成又は天然ゼオライト物質の80から90%が、略2から3オングストロームの細孔径を有し、そのゼオライト物質の10から20%が3オングストローム以上の細孔径を有する。他の例示的な実施形態では、乾燥剤80は、合成及び天然のゼオライト物質の両方を含む。
【0074】
当業者は、乾燥剤80をインパクトスプレーする特定の条件及びパラメータを変更及び最適化して、特定の厚さの薄層90を生成することができることを理解されたい。例えば、バックプレート74を乾燥剤80でインパクトスプレーする時間の長さは、層90の厚さに影響する。バックプレート74からのノズル102の高さは、バックプレート74上の乾燥剤80の厚さ及び薄層90の均一性に影響する。乾燥剤80をバックプレート74に印加する圧力は、乾燥剤80がバックプレート74に物理的に衝突して融合する程度、及び層90の厚さに影響し得る。バックプレート74の温度を上昇させることも、表面に対する乾燥剤粒子の接着を補助し得る。乾燥剤の形態も、層90の生成及び厚さに影響を与え得る。例えば、10マイクロメートルのサイズの粒子から実質的に構成された乾燥剤80でバックプレート74をインパクトスプレーすることは、バックプレート74上への乾燥剤80のインパクト(衝撃)、又は領域94が生成される程度を減じ得る。従って、一実施形態では、乾燥剤80がバックプレート74と融合する程度は、乾燥剤80がバックプレート74に衝突する力に直接関係する。
【0075】
また、乾燥剤80及び関連する無機バインダ物質の組成も、層90の形成及び厚さに影響を与え得る。乾燥剤80は、例えば適切な無機バインダを含み得る。適切なバインダとして、ベントナイト、層状シリケート、MgOベース物質、炭素汚染の傾向の低い他の無機クレイ等のクレイが挙げられる。表1は、インパクトスプレーされたゼオライト乾燥剤表面の一例のX線光電子分光法(XPS,X−ray photoelectron spectroscopy)からのデータを示す。下記に示されるように、乾燥剤の炭素含有量は非常に低くて、略3%である。
【0076】
【表1】
【0077】
当業者は、パッケージ構造70内部の蒸気又は汚染物質の放出が、パッケージ内部の可動部のくっ付きをもたらして、装置を動作不能にし得ることを理解されたい。一部実施形態では、乾燥剤80は、適切な無機バインダと組み合わされた後に、表面上にインパクトスプレーされる。他の実施形態では、適切な無機バインダを既に含んでいる市販の乾燥剤のペレット又はビーズを、所望の粒径の粉末に微粒化又は粉砕した後に、表面上にインパクトスプレーする。適切な粒径は、一部実施形態では20から30マイクロメートルである。適切な無機バインダを備えた乾燥剤を使用する例示的な実施形態では、乾燥剤及びバインダの組み合わせが表面上にインパクトスプレーされてパッケージ構造70が封止された後に、観測可能な汚染物質の放出は生じない。一部実施形態では、有機放出蒸気の減少又は排除は、パッケージ構造70内の可動膜上に蒸気が堆積することを防止又は低減する。
【0078】
また、当業者は、ディスプレイ装置のサイズが増大すると、バックプレート74の表面積も増大し、乾燥剤80でインパクトスプレー可能であるより大きな表面積が提供されることも理解されたい。この乾燥剤80が提供されるバックプレート74の表面積の増大は、乾燥剤80をより薄い層90で適用することを可能にする。ノズル102の高さ、乾燥剤がブラストされる圧力、及び乾燥剤80の形態は、層90の厚さを減少させるように変更可能である。例示的な一実施形態では、ディスプレイ装置のサイズ及びバックプレート74の表面積が増大すると、層90の必要な厚さが減少する。
【0079】
一実施形態では、乾燥剤80は、実質的に平坦なバックプレート74(平滑なガラス等)上にインパクトスプレーされる。このようなインパクトスプレーは、バックプレート74上に融合した乾燥剤80の薄くて均一な層の堆積に加えて、バックプレート74からの一部物質の僅かなエッチング又は除去をもたらし得る。他の実施形態では、乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、バックプレート74のエッチング、又はバックプレート74からの物質の除去をもたらさない。他の例示的な実施形態では、まずバックプレート74の表面が、従来のサンドブラスト法を用いた低インパクトスプレーで粗面化されて、その後、乾燥剤80でインパクトスプレーされる。
【0080】
他の実施形態では、ディスプレイを製造する方法は、乾燥剤80を所望の粒径の粉末に微粒化又は粉砕するステップと、表面(バックプレートカバー等が挙げられるがこれに限られない)を、粉砕された乾燥剤微粒子の流れに晒して、乾燥剤をその表面上に融合させるステップを含む。一部実施形態では、乾燥剤80は、20から30マイクロメートルの間の粒径に粉砕される。他の実施形態では、ビーズ又はペレットの乾燥剤80は適切な無機バインダを含む。ビーズは、略20から30マイクロメートルの間の粒径に粉々にされて又は粉砕されて、その後、表面上にインパクトスプレーされる。例示的な実施形態では、乾燥剤80は、略10パーセントから60パーセントの間のバインダを含む。
【0081】
また、当業者は、関係する接触表面が適切なはり付き防止剤で処理されると、特定のMEMS装置が最良に動作することを理解されたい。粒径10オングストローム以上のゼオライト物質を略20パーセントから40パーセントの間で有する乾燥剤80の一実施形態は、適切なはり付き防止剤(フッ素化界面活性剤、シラン、クロロシラン、官能化炭化水素等が挙げられるがこれらに限定されない)を提供する制御可能手段を提供する。一実施形態では、乾燥剤80は、略2から3オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質を60パーセントから80パーセント備え、且つ略10オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質を20パーセントから40パーセント備える。
【0082】
また、当業者は、表面に対して乾燥剤を融合させる方法が、本願で説明される特定の実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。一部実施形態では、例えば、乾燥剤80をバックプレート74上に融合させるのに、熱スプレーとしても知られるプラズマスプレーが使用され得る。本願で説明される粉末化されたドライ乾燥剤は、プラズマトーチから発する高温プラズマジェット内に導入可能である。プラズマジェットは、10000Kのオーダの温度に達し得る。乾燥剤80は、プラズマジェット内に融解して、バックプレート74に向けて伝えられる。衝突時には、乾燥剤の融解した小滴が、平らになり、急速に凝固して、堆積物を形成する。インパクトスプレーによって生成される乾燥剤の薄くて均一なコーティングと同様に、プラズマスプレーによって生成される堆積物は、バックプレート74と融合して接着する。インパクトスプレーと同様に、複数の因子が、バックプレート74上に堆積した乾燥剤層の厚さに影響する。このような因子として、乾燥剤80の形態及び組成、プラズマガスの組成及び流速、バックプレート74からプラズマトーチまでの距離が挙げられる。
【0083】
〈実験1〉
従来のパッチ又はペーストの乾燥剤の湿気吸収性能を、本願で説明される乾燥剤処理されたバックプレートの湿気吸収性能と比較した。例えば、150マイクロメートルの厚さの乾燥剤パッチを含むパッケージ構造は、ディスプレイ装置の動作寿命中に3ミリグラムの水を吸収した。次に、バックプレートを、実質的に純粋な3オングストロームのゼオライト物質でインパクトスプレーして、厚さ1マイクロメートルの純粋なゼオライト物質の薄層を生成した。インパクトスプレーされた表面を水及び他の洗浄剤で洗浄して、ドライ環境で焼成して、残留水分を除去した。そして、乾燥剤処理されたバックプレートを、干渉変調器パッケージ構造に組み込んだ。結果物のガラスバックプレートは、MEMS装置内においてin−situ乾燥剤のように機能して、その装置の動作寿命中に略2.5ミリグラムの水を吸収した。
【0084】
〈実験2〉
バックプレートにマスクを適用して、その後、バックプレートを粉末状の純粋なゼオライト物質の乾燥剤でインパクトスプレーした。インパクトスプレー後に、バックプレートを温水で洗浄してマスクを除去した。そして、バックプレートを試験して、乾燥剤がバックプレートに対して融合している程度を求めた。その試験により、従来のパッチ又はペーストの乾燥剤を用いたパッケージ構造に対して汚染物質粒子の数の増大がないことが明らかになった。更なる試験により、パックプレートが硬い表面のままであるような程度で乾燥剤がバックプレートに融合していることが明らかになった。乾燥剤は、バックプレートから洗い落ちず、又は、ディスプレイ装置の動作寿命中にキャビティ内に粉末粒子を放出しなかった。
【0085】
当業者は、本願で説明されるインパクトスプレー法がMEM装置に限定されるものではないことを理解されたい。本願で説明される乾燥剤処理された表面は、OLEDやLCD装置等の湿気又はバインダ又は溶媒のガス放出に敏感なディスプレイ装置において使用可能である。更に、当業者は、本願で説明される乾燥剤処理が、ガラス表面に限定されるものではなく、セラミック、ポリマー、金属等の物質(これらに限定されるものではない)に対して採用可能であることを理解されたい。更に、インパクトスプレーは、バックプレートに限定されるものではなく、ディスプレイパッケージの何らかの表面を、ディスプレイパッケージの乾燥剤として機能するように変更可能であることを理解されたい。例えば、基板72又は封止剤78が、乾燥剤物質でインパクトスプレーされ得る。
【0086】
当業者は、本願で開示される実施形態に関して説明される多様な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実現されることを理解されたい。多様な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップについて、それらの機能性に関しては一般的に説明してきた。その機能性がハードウェアとして又はソフトウェアとして実現されるかどうかは、特定の応用、及びシステム全体に課される設計制限に依存する。当業者は、そうした状況下におけるハードウェアとソフトウェアとの可換性、各特定の応用に対する機能性を如何にして最善に実現するのかという点を認識されたい。例えば、本願で開示される実施形態に関して説明される多様な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップは、デジタルシグナルプロセッサ(DSP,digital signal processor)、特定用途集積回路(ASIC,application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA,field programmable gate array)、他のプログラマブル論理装置、離散ゲート又はトランジスタロジック、離散ハードウェア構成要素(例えば、レジスタ及びFIFO等)、一組のファームウェア命令を実行するプロセッサ、従来のプログラマブルソフトウェアモジュール、プロセッサ、又はこれらの組み合わせと共に、実現又は実施され得る。
【0087】
プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、その代わりに、プロセッサは、従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械でもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD‐ROM、又は当該分野において既知の他の形式の記憶媒体内に存在し得る。更に、当業者は、上記説明全体にわたって参照可能なデータ、指示、命令、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップが、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁性粒子、光場若しくは光学的粒子、又はこれらの組み合わせによって表されることを理解されたい。
【0088】
好ましい実施形態についての上記説明は、当業者が開示される実施形態を作製又は使用することを可能にするために提供されるものである。当業者には、これらの実施形態に対する多様な変更が容易に理解されるものであり、本願で説明される一般的な原理は、発明力がなくても、他の実施形態に適用可能である。従って、開示される実施形態は、本願で示される実施形態に限定されることを意図したものではなく、本願で開示される原理及び新規特徴と矛盾しない最大限の範囲で認められるものである。
【符号の説明】
【0089】
70 パッケージ構造
72 基板
74 バックプレート、キャップ
76 干渉変調器アレイ
78 封止剤
70 キャビティ
80 乾燥剤
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、微小電気機械システム(MEMS,microelectromechanical system)及び有機発光ダイオード(OLED,organic light−emitting diode)装置に係り、特に、MEMS及びOLED装置をパッケージングするための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び、電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び/又は、他の微小機械加工プロセス(基板及び/又は堆積させた物質層の一部をエッチングしたり、電気的及び電気機械的装置を形成するための層を追加したりする)を用いて、形成され得る。MEMS装置の一種類は、干渉変調器と呼ばれる。本願において、干渉変調器、干渉光変調器という用語は、光干渉原理を用いて光を選択的に吸収及び/又は反射する装置を指称する。特定の実施形態において、干渉変調器は、一対の導電性板を備える。その一対の導電性板の一方又は両方は、その全体または一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号の印加に対して相対的に動くことができる。特定の実施形態において、一方の板は、基板上に堆積させた静止層を備え、他方の板は、空隙によって静止層から離隔された金属膜を備え得る。本願において詳述されるように、他方の板に対する一方の板の位置によって、干渉変調器に入射する光の光学干渉を変化させることができる。このような装置は広範な応用を有し、こうした種類の装置の特性を利用及び/又は変更する分野において有用であり、その特徴を、既存の製品を改善し、また、未だ開発されていない新規製品を創作するのに活かすことができる。
【0003】
乾燥剤が、MEMS及びOLED装置では一般的に使用されて、ディスプレイ装置の内部環境を、その装置の動作寿命の間乾燥させておく。乾燥剤は、多様な形態、形状、及びサイズのものであり得る。例えば、CaO及びゼオライト等の物質は、装置パッケージ内部の湿気を吸収するために薄いパッチや薄い硬化ペースト状で使用され得る。その物質は、例えば、感圧接着剤でバックプレート等のディスプレイ装置の表面に取り付け可能である。パッチ及びペーストは、典型的には80〜200マイクロメートルの厚さで適用される。従って、ディスプレイ装置パッケージ内部の乾燥剤及び可動素子の両方に対して十分な空間を提供しなければならないので、パッチ及びペーストが、装置の最小厚さを制限する。ディスプレイパッケージの厚さを実質的に増大させることなくパッチ又はペーストの乾燥剤用の空間を設けるために、追加の製造ステップを採用し得る。例えば、キャビティをディスプレイ基板内に化学的にエッチングして、その設けられたキャビティ内に乾燥剤を堆積させることができる。
【0004】
また、パッチ及びペーストの乾燥剤の有効性は、そうした乾燥剤がマトリクス状のバインダと共に提供されることによっても、制限されて、例えば、テフロン(登録商標)バインダは、15から20%の埋め込み乾燥剤を含む。しかしながら、表面に乾燥剤を適用するためにバインダや溶媒を用いることは、敏感なMEMSの構成要素の存在下にあっては最適なものではない。何故ならば、バインダや溶媒は、蒸発するとディスプレイパッケージ内に汚染物質を放出し得るからである。また、乾燥剤を適用するための溶液処理を用いると、ディスプレイパッケージ内に汚染物質のガスを放出することにもつながる。
【0005】
更に、パッチ及びペーストの乾燥剤の有効性は、ディスプレイ装置パッケージの全表面にわたって均一に適用されないことによって、更に制限される。そうした乾燥剤は、典型的には、ディスプレイ装置の表面の一つの領域を覆い他の領域を覆わないように取り付けられる。一部領域に乾燥剤が存在して他の領域に乾燥剤が存在しないこと、及び、敏感な干渉変調器の構成要素に対する乾燥剤の近接性は、変調器の電気機械的振る舞いを損ない、装置の性能を低下させ得る。
【0006】
ディスプレイ装置の寸法の絶え間ない減少は、ディスプレイ装置パッケージ内部の環境を管理するのに利用可能な方法を制限する。何故ならば、パッケージ構造内部に乾燥剤を配置するための領域が少なくなるからである。水蒸気の流入に対して敏感なパッケージング構造の領域は、パッケージ構造のサイズが減少しても、同じであるか僅かにしか減少しないものであり得るが、対照的に、乾燥剤用に利用可能な領域は劇的に減少する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/191568号明細書
【特許文献2】米国特許第7315115号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10224780号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態は、電子装置パッケージである。パッケージは、電子装置を有する第一の基板と、第一の基板とバックプレートカバーとの間においてパッケージ内部に電子装置を封止するバックプレートカバーと、バックプレートカバー又は第一の基板の少なくとも一部の上に融合した乾燥剤とを含む。一実施形態では、乾燥剤は、実質的にドライなゼオライト物質である。他の実施形態では、ゼオライト物質は、略3オングストローム、又は代わりに略3から10オングストロームの間の細孔径を有する。更に他の実施形態では、バックプレートカバー又は第一の基板は、略0.5から5.0マイクロメートルの間の厚さの乾燥剤の層を含む。
【0009】
他の実施形態は、電子装置の製造方法である。本方法は、電子装置を有する第一の基板を提供するステップと、バックプレートカバーを提供するステップと、バックプレートカバー又は第一の基板の一部の上に乾燥剤を融合させるステップと、バックプレートカバーを第一の基板に結合させて電子装置を形成するステップとを含む。一実施形態では、乾燥剤を融合させるステップは、乾燥剤をインパクトスプレーするステップを含む。他の実施形態では、本方法は、バックプレートカバーの一部に選択的に乾燥剤をインパクトスプレーするためにバックプレートカバー上にマスクを提供するステップを含む。更に他の実施形態では、乾燥剤を融合させるステップは、乾燥剤をプラズマスプレーするステップを含む。
【0010】
更に他の実施形態は、ディスプレイ装置を支持するための支持手段と、ディスプレイ装置を覆いパッケージを形成するための被覆手段と、パッケージを乾燥させるための乾燥手段とを含む電子ディスプレイであり、乾燥手段は、被覆手段上に融合した乾燥剤を有する。
【0011】
更に他の実施形態は、パッケージであり、そのパッケージは、第二の表面に対して封止された第一の表面と、パッケージ内部の表面の少なくとも一部の上に融合した乾燥剤とを含む。他の実施形態は、表面に乾燥剤を接着させる方法である。本方法は、表面上に乾燥剤をインパクトスプレーして、乾燥剤が表面に融合されるようにするステップを含む。更に他の実施形態では、融合乾燥剤を備えた表面が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一番目の干渉変調器の可動反射層が緩和位置にあり、二番目の干渉変調器の可動反射層が作動位置にある干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を示す等角図である。
【図2】3×3干渉変調器ディスプレイを組み込む電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉変調器の実施形態の一例に対する可動ミラーの位置対印加電圧の図である。
【図4】干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用可能な行及び列の電圧の組の図である。
【図5A】図2の3×3干渉変調器ディスプレイの表示データのフレームを描くために使用可能な行及び列の信号用のタイミング図の一例を示す。
【図5B】図2の3×3干渉変調器ディスプレイの表示データのフレームを描くために使用可能な行及び列の信号用のタイミング図の一例を示す。
【図6A】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1の装置の断面図である。
【図7B】干渉変調器の代替実施形態の断面図である。
【図7C】干渉変調器の他の代替実施形態の断面図である。
【図7D】干渉変調器の更に他の代替実施形態の断面図である。
【図7E】干渉変調器の更なる代替実施形態の断面図である。
【図8】バックプレートカバーと融合した乾燥剤を備えた干渉変調器の一実施形態の断面図である。
【図8A】バックプレートカバーの凹部内に融合した乾燥剤を備えた干渉変調器の一実施形態の断面図である。
【図9】基板に融合した乾燥剤を示す走査型顕微鏡写真である。
【図10】バックプレートカバーに乾燥剤を融合させる方法の一実施形態の側面図である。
【図11】バックプレートカバーに乾燥剤を融合させる方法の一実施形態を示す等角図である。
【図12】基板に乾燥剤を融合させる方法の他の実施形態を示す等角図である。
【図13】バックプレートカバーと融合した乾燥剤を示す走査型顕微鏡写真である。
【図14】ガラス上にインパクトスプレーされた乾燥剤の水分吸収を示す線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な記載は、特定の実施形態に対するものである。しかしながら、本願の教示は、多種多様な方法で応用可能である。本説明においては、全体にわたり同様の部分には同様の参照符号を付した図面を参照する。動的な画像(例えば、ビデオ)又は静的な画像(例えば、静止画)や、文字又は図表の画像を表示するように設計されているあらゆる装置において、本実施形態を実装可能である。更に、携帯電話、無線装置、PDA、携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、置時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(例えば、走行距離計等)、コックピット制御機器及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、自動車の後方ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電光掲示板または電光サイン、プロジェクタ、建築物、パッケージング、審美的構造(例えば、宝石に対する画像表示)等の多種多様な電子機器において又はこれらに関連して、本実施形態を実施可能であるが、これらに限定されるものではない。本願で説明されるものと同様の構造のMEMS装置を、電子スイッチ装置等のディスプレイ以外の応用においても使用可能である。
【0014】
本実施形態は、乾燥剤が集積されたMEMS装置を提供するためのシステム及び方法に関する。一実施形態では、乾燥剤を備えたドライ組成物は、MEMS装置のバックプレート又は基板上にインパクトスプレー(衝撃スプレー)される。この実施形態では、乾燥剤は、基板に融合され得る。一実施形態では、乾燥剤は、その乾燥剤がインパクトスプレーされる表面に接着するように、インパクトスプレーされる。他の実施形態では、インパクトスプレーされた表面は、乾燥剤で含浸される。更に他の実施形態では、乾燥剤は、適切な無機バインダと組み合わせられて、その後、その乾燥剤がインパクトスプレーされる表面に接着するようにインパクトスプレーされる。更に他の実施形態では、乾燥剤は、所望の粒径の粉末に微粒化又は粉砕されて、その後、表面上にインパクトスプレーされる。従って、乾燥剤の粒子又は粉末は、インパクトスプレープロセスを介してターゲット表面上に融合する。特定の理論に縛られるものではないが、速度又は圧力下における比較的ドライな乾燥剤組成物の接触は、乾燥剤の融解及びターゲット表面への融合をもたらすと考えられる。これは、比較的ウェットな乾燥剤を積層させて、乾燥剤が層へと乾燥するのを待つこと等の他の方法とは異なる。この乾燥プロセスは、表面の頂部の上の乾燥剤の層を生じさせるが、その層は極めて除去され易い。一方、表面に融合した乾燥剤は、後述のように非常に薄い層とされ得る。
【0015】
一部実施形態では、乾燥剤を融合させることは、フラットコーティングで単に積層された乾燥剤と比較して、より大きな表面積を有する乾燥剤層を生成する。更に、後述のように乾燥剤を表面上にインパクトスプレーすることに含まれる力に起因して、より精製された形の乾燥剤を、本願で説明される実施形態において使用することができる。従って、インパクトスプレーされた乾燥剤の乾燥性能は、インパクトスプレーされていない乾燥剤と比較して、平方ミリメートル当たりで大きくなり得る。
【0016】
干渉MEMSディスプレイ素子を備えた干渉変調器ディスプレイの一実施形態を、図1に示す。この装置において、画素は、明状態または暗状態のどちらかである。明(“緩和”、“オープン”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分を使用者に反射する。暗(“作動”、“クローズ”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の僅かしか使用者に反射しない。実施形態に応じて、“オン”及び“オフ”状態の光の反射性を逆にしてもよい。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成可能であり、白黒に加えてカラーディスプレイが可能である。
【0017】
図1は、画像ディスプレイの一続きの画素の内の二つの隣接する画素を示す等角図である。ここで、各画素は、MEMS干渉変調器を備えている。一部実施形態では、干渉変調器ディスプレイは、これら干渉変調器の行列のアレイを備える。各干渉変調器は、互いに可変で制御可能な距離に配置された一対の反射層を含み、少なくとも一つの可変寸法を備えた共鳴光学ギャップを形成する。一実施形態において、反射層の一方は、二つの位置の間を移動し得る。第一の位置(緩和位置と称する)では、可動反射層は、固定された部分反射層から比較的離れた位置に在る。第二位置(作動位置と称する)では、可動反射層は、部分反射層により近づいて隣接する位置に在る。これら二つの層から反射される入射光は、可動反射層の位置に応じて、建設的にまたは破壊的に干渉して、各画素に対して全体的な反射状態または非反射状態のどちらかがもたらされる。
【0018】
図1に示される画素アレイの一部は、二つの隣接する干渉変調器12a及び12bを含む。左側の干渉変調器12aでは、可動反射層14aが、光学積層体16a(部分反射層を含む)から所定の距離離れた緩和位置で示されている。右側の干渉変調器12bでは、可動反射層14bが、光学積層体16bに隣接した作動位置で示されている。
【0019】
本願において、光学積層体16a及び16b(まとめて光学積層体16と称する)は典型的に複数の多重層を備え、インジウム錫酸化物(ITO,indium tin oxide)等の電極層、クロム等の部分反射層、及び、透明誘電体を含み得る。従って、光学積層体16は、導電性であり、部分的には透明で部分的には反射性であり、例えば、透明基板20上に上述の層を一層以上堆積させることによって、製造可能である。部分反射層は、多様な金属、半導体、誘電体等の部分反射性である多様な物質から形成可能である。部分反射層は一層以上の物質層で形成可能であり、各層は単一の物質または複数の物質の組み合わせで形成可能である。
【0020】
一部実施形態では、光学積層体16の層が平行なストリップにパターニングされて、以下で説明するようなディスプレイ装置の行電極を形成し得る。可動反射層14a、14bは、ポスト18の上面と、ポスト18間に堆積させた介在犠牲物質の上面とに堆積させた列を形成する堆積金属層(一層または複数層)の一続きの平行なストリップ(16a及び16bの行電極に直交する)として形成され得る。犠牲物質がエッチングされると、画定されたギャップ19によって、可動反射層14a、14bが光学積層体16a、16bから離隔される。反射層14用には、アルミニウム等の高導電性及び反射性物質を使用可能であり、そのストリップが、ディスプレイ装置の列電極を形成し得る。図1は縮尺どおりではない点に留意されたい。一部実施形態では、ポスト18間の間隔が10〜100μmのオーダとなり得る一方で、ギャップ19が1000オングストローム未満のオーダとなり得る。
【0021】
電圧が印加されていないと、図1の画素12aに示されるように、可動反射層14aと光学積層体16aとの間にギャップ19が残ったままであり、可動反射層14aは、機械的に緩和状態にある。一方で、選択された行と列に電位(電圧)の差が印加されると、対応する画素の行電極と列電極の交差する部分に形成されるキャパシタが帯電して、静電力が電極を互いに引き寄せる。電圧が十分に高いと、可動反射層14が変形して、光学積層体16に押し付けられる。光学積層体16内の誘電体層(図1に示さず)は、短絡を防止して、図1の右側の作動画素12bに示されるように、層14と層16との間の間隔を制御することができる。印加される電位差の極性に関わり無く、挙動は同じである。
【0022】
図2から図5は、ディスプレイ応用における干渉変調器のアレイを用いるためのプロセス及びシステムの一例を示す。
【0023】
図2は、干渉変調器を組み込み得る電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。電子装置はプロセッサ21を含み、そのプロセッサ21は、ARM(登録商標)、Pentium(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)等の汎用のシングルチップまたはマルチチップのマイクロプロセッサであり、又は、デジタル信号プロセッサや、マイクロコントローラやプログラマブルゲートアレイ等の専用マイクロプロセッサであり得る。従来技術のように、プロセッサ21は、一つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得る。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、eメールプログラムや、他のソフトウェアアプリケーション等の一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
【0024】
一実施形態では、プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するようにも構成されている。一実施形態では、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に示されるアレイの断面図は、図2の線1‐1に沿って示されている。図2には明確性のため、干渉変調器の3×3のアレイが示されているが、ディスプレイアレイ30は多数の干渉変調器を含み得て、また、列と行とで異なる数の干渉変調器を含み得る(例えば行毎に130画素で、列毎に190画素)ことには留意されたい。
【0025】
図3は、図1の干渉変調器の例示的な実施形態に対する可動ミラー位置対印加電圧のダイアグラムを示す。MEMS干渉変調器に対しては、行/列の作動プロトコルは、図3に示されるような装置のヒステリシス特性を利用し得る。干渉変調器は、例えば、可動層を緩和状態から作動状態に変形させるのに、10ボルトの電位差を必要とし得る。一方で、この値よりも電圧が減少すると、電圧が10ボルト未満に下がっても、可動層がその状態を維持する。図3の例示的な実施形態では、可動層は、電圧が2ボルト未満に下がるまで完全には緩和しない。従って、電圧範囲(図3に示される例では略3から7V)が存在し、装置が緩和状態又は作動状態のどちらかで安定している印加電圧のウィンドウが存在する。これを本願では、“ヒステリシスウィンドウ”または“安定ウィンドウ”と称する。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイに対しては、行/列の作動プロトコルを以下のように構成可能である。即ち、行のストローブ中には、作動されるべきストローブ行の画素が略10ボルトの電圧の差に晒されて、緩和されるべき画素がゼロボルトに近い電圧の差に晒されるように構成可能である。ストローブ後には、画素が略5ボルトの安定状態又はバイアス電圧の差に晒されて、画素が、行のストローブによって与えられた状態を保つ。描かれた後には、各画素は、本実施例では3〜7ボルトの“安定ウィンドウ”内の電位差を見る。この特徴は、図1に示される画素構造を、同一の印加電圧条件の下において、作動または緩和の既存状態のどちらかで安定させる。干渉変調器の各画素(作動又は緩和状態)は本質的に、固定反射層及び可動反射層によって形成されたキャパシタであるので、ほぼ電力消費無く、ヒステリシスウィンドウ内の電圧において、この安定状態を保持することができる。印加電位が固定されていれば、本質的に電流は画素内に流れない。
【0026】
後述のように、典型的な応用では、画像のフレームは、第1番目の行の作動画素の所望の組に従った列電極の組にわたるデータ信号(それぞれ特定の電圧レベルを有する)の組を送信することによって、生成され得る。その後、行パルスが第1番目の行の電極に印加されて、データ信号の組に対応する画素を作動させる。その後、第2番目の行の作動画素の所望の組に対応するために、データ信号の組を変更する。その後、パルスが第2番目の行の電極に印加されて、データ信号に従って第2番目の行の適切な画素を作動させる。第1番目の行の画素は、第2番目の行のパルスによって影響されず、第1番目の行のパルスの間に設定された状態のままである。このことが、一続きの行全体に対して逐次的に反復されて、フレームを生成する。一般的に、秒毎の所望のフレーム数でこのプロセスを連続的に反復することによって、フレームがリフレッシュされ及び/又は新しい画像に更新される。画像のフレームを生成するための画素アレイの行電極及び列電極を駆動する多種多様なプロトコルが使用可能である。
【0027】
図4及び図5は、図2の3×3アレイ上に表示フレームを生成する作動プロトコルとして考えられるものの一つを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に対して使用され得る列及び行の電圧レベルの組として考えられるものの一つを示す。図4の実施形態において、画素を作動させることには、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を+ΔVに設定することが含まれ、それぞれ−5ボルトと+5ボルトに対応し得る。画素の緩和は、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を同じ+ΔVに設定して、画素に対する電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。行の電圧がゼロボルトに保たれている行においては、列が+Vバイアスであるか−Vバイアスであるかに関わらず、画素は元々の状態で安定である。また、図4に示されるように、上述のものとは逆極性の電圧も使用可能である。例えば、画素を作動させることは、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を−ΔVに設定することを含むことができる。この実施形態では、画素の緩和は、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を同じ−ΔVに設定して、画素に対して電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。
【0028】
図5Bは、図2の3×3アレイに印加される一続きの行及び列の信号を示すタイミング図であり、図5Aに示される表示配置がもたらされる。ここで、作動画素は非反射性である。図5Aに示されるフレームを描く前においては、画素はいずれの状態であってもよく、この例では、全ての行は最初0ボルトであり、全ての列は+5ボルトである。これらの印加電圧に対しては、全ての画素は、作動又は緩和のその時点での状態で安定である。
【0029】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)、(3,3)が作動している。これを達成するためには、行1に対する“ライン時間”中に、列1及び列2は−5ボルトに設定され、列3は+5ボルトに設定される。全ての画素が3〜7ボルトの安定ウィンドウ内のままであるので、これによっては、いずれの画素の状態も変化しない。その後、行1が、0から5ボルトに上がりゼロに戻るパルスで、ストローブされる。これによって、(1,1)及び(1,2)の画素を作動させて、(1,3)の画素を緩和する。アレイの他の画素は影響を受けない。要求どおりに行2を設定するため、列2を−5ボルトに設定し、列1及び列3を+5ボルトに設定する。その後、行2に印加される同じストローブによって、画素(2,2)を作動させて、画素(2,1)及び(2,3)を緩和する。ここでも、アレイの他の画素は影響を受けない。同様に、列2及び列3を−5ボルトに設定して、列1を+5ボルトに設定することによって、行3を設定する。行3のストローブは、行3の画素を図5Aに示されるように設定する。フレームを描いた後において、行の電位はゼロであり、列の電位は+5又は−5ボルトのどちらかを保つことができ、そうして、ディスプレイは図5Aの配置で安定である。同じ手順を、数十又は数百の行列のアレイに対して用いることができる。また、行及び列の作動を実施するために用いられるタイミング、シーケンス及び電圧レベルは、上述の基本原理内において多様に変更可能であり、上述の例は単に例示的なものであり、何らかの作動電圧方法を本願のシステム及び方法で使用可能である。
【0030】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ装置40の一実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイ装置40は例えば携帯電話である。しかしながら、ディスプレイ装置40の同一の構成要素又はその僅かな変形体は、テレビや携帯型メディアプレーヤー等の多種多様なディスプレイ装置の実例にもなる。
【0031】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力装置48と、マイク46とを含む。ハウジング41は、多種多様な製造方法のいずれかによって一般的には形成され、射出成形、真空成形が挙げられる。また、ハウジング41は、多種多様な物質のいずれかから形成可能であり、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、それらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、ハウジング41は、取り外し可能部(図示せず)を含む。該取り外し可能部は、色の異なる又は異なるロゴや画像やシンボルを含む他の取り外し可能部と交換可能である。
【0032】
例示的なディスプレイ装置40のディスプレイ30は、多種多様なディスプレイのいずれかであり得て、本願で説明されるような双安定性(bi−stable)ディスプレイが含まれる。他の実施形態では、ディスプレイ30は、当業者に周知なように、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、TFT LCD等のフラットパネルディスプレイや、CRTや他のチューブデバイス等の非フラットパネルディスプレイを含む。しかしながら、本願の実施形態を説明するために、ディスプレイ30は、本願で説明されるような干渉変調器ディスプレイを含む。
【0033】
図6Bに、例示的なディスプレイ装置40の一実施形態の構成要素を概略的に示す。図示されている例示的なディスプレイ装置40は、ハウジング41を含み、また、それに少なくとも部分的に封入される追加の構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態では、例示的なディスプレイ装置40は、送受信機47に結合されているアンテナ43を含むネットワークインターフェイス27を備える。送受信機47はプロセッサ21に接続されていて、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続されている。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば信号をフィルタリングする)ように構成可能である。調整ハードウェア52は、スピーカー45及びマイク46に接続されている。また、プロセッサ21は、入力装置48及びドライバ制御装置29にも接続されている。ドライバ制御装置29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合されている。アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合されている。電源50は、この特定の例示的なディスプレイ装置40の構成に必要とされるような全ての構成要素に電力を供給する。
【0034】
ネットワークインターフェイス27は、アンテナ43及び送受信機47を含み、例示的なディスプレイ装置40が、ネットワーク上の一つ以上の装置と通信できるようになっている。一実施形態では、ネットワークインターフェイス27は、プロセッサ21の要求を軽減するためにある程度の処理能力を有し得る。アンテナ43は、信号の送受信用として当業者に知られているアンテナのいずれかである。一実施形態では、アンテナは、IEEE802.11規格(IEEE802.11(a)、(b)又は(g)を含む)に準拠したRF信号を送受信する。他の実施形態では、アンテナは、BLUETOOTH規格に準拠したRF信号を送受信する。携帯電話の場合には、CDMA、GSM、AMPS、W‐CDMA等の無線携帯電話ネットワーク内で通信するために用いられる周知の信号を受信するようにアンテナが設計されている。送受信機47は、アンテナ43から受信した信号を前処理して、その後、信号がプロセッサ21によって受信されて、更に処理されるようにし得る。また、送受信機47は、プロセッサ21から受信した信号も処理して、その後、信号が、アンテナ43を介して例示的なディスプレイ装置40から送信されるようにし得る。
【0035】
代替的な一実施形態では、送受信機47が、受信機に交換可能である。更に他の代替的な実施形態では、ネットワークインターフェイス27が、プロセッサ21に送信されるべき画像データを記憶すること又は発生させることが可能な画像ソースに交換可能である。例えば、画像ソースは、画像データを含むDVDやハードディスクドライブや、画像データを発生するソフトウェアモジュールであり得る。
【0036】
プロセッサ21は一般的に、例示的なディスプレイ装置40の動作全体を制御する。プロセッサ21は、データ(ネットワークインターフェイス27や画像ソースからの圧縮画像データ等)を受信し、そのデータを生の画像データに処理するか、又は、生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。その後、プロセッサ21は、記憶用のフレームバッファ28に又はドライバ制御装置29に処理されたデータを送信する。生データは典型的に、画像内の各位置において画像特性を識別する情報を称する。例えば、このような画像特性は、色、彩度、グレイスケールレベルを含み得る。
【0037】
一実施形態では、プロセッサ21は、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するマイクロ制御装置、CPU、又は、論理ユニットを含む。調整ハードウェア52は一般的に、スピーカー45に信号を送信するための、また、マイク46から信号を受信するためのアンプ及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、例示的なディスプレイ装置40内の個別の構成要素であってもよく、プロセッサ21や他の構成要素に組み込まれたものであってもよい。
【0038】
ドライバ制御装置29は、プロセッサ21が発生させた生の画像データを、プロセッサから直接、又は、フレームバッファ28から受信し、アレイドライバ22に対する高速送信用に適切な生の画像データに再フォーマットする。特に、ドライバ制御装置29は、生の画像データを、ラスタ状フォーマットを有するデータフローに再フォーマットして、データフローが、ディスプレイアレイ30にわたる走査に適した時間オーダを有するようになる。その後、ドライバ制御装置29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送信する。LCD制御装置等のドライバ制御装置29は、独立型の集積回路(IC,integrated circuit)としてシステムプロセッサ21に附随していることが多いが、このような制御装置は多種多様な方法で実装可能である。このような制御装置は、ハードウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、アレイドライバ22と共にハードウェア内に完全に集積可能でもある。
【0039】
典型的には、アレイドライバ22は、ドライバ制御装置29からフォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを、波形の並列的な組に再フォーマットする。この波形の並列的な組は、ディスプレイの画素のx‐yマトリクスによってもたらされる数百の(数千のこともある)リードに対して、一秒間に何度も印加される。
【0040】
一実施形態では、ドライバ制御装置29、アレイドライバ22及びディスプレイアレイ30は、本願で説明されるあらゆる種類のディスプレイに対しても適合するものである。例えば、一実施形態では、ドライバ制御装置29は、従来のディスプレイ制御装置、又は、双安定性ディスプレイ制御装置(例えば、干渉変調器制御装置)である。他の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバ、又は、双安定性ディスプレイドライバ(例えば、干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバ制御装置29は、アレイドライバ22と集積される。このような実施形態は、携帯電話、腕時計、他の小型ディスプレイ等の高集積システムにおいて一般的である。更に他の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイ、または、双安定性ディスプレイアレイ(例えば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0041】
入力装置48によって、使用者が例示的なディスプレイ装置40の動作を制御することが可能になる。一実施形態では、入力装置48は、キーパッド(QWERTYキーボードや電話のキーパッド等)、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、感圧又は感熱膜を含む。一実施形態では、マイク46が、例示的なディスプレイ装置40用の入力装置になる。マイク46を用いて装置にデータを入力する場合には、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するために、使用者によって音声命令が提供され得る。
【0042】
電源50は、当該分野で周知の多種多様なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、一実施形態では、電源50は、ニッケル・カドミウム電池やリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。他の実施形態では、電源50は、再生可能エネルギー源、キャパシタ、又は、太陽電池であり、プラスチック太陽電池や太陽電池ペイントが挙げられる。他の実施形態では、電源50は、壁コンセントから電力を供給されるように構成されている。
【0043】
一部実施形態では、上述のように、電子ディスプレイシステム内の複数の位置に配置可能なドライバ制御装置に、制御プログラム可能性が備わっている。場合によっては、制御プログラム可能性は、アレイドライバ22に備わっている。上述の最適化は、如何なる数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素においても、また、多種多様な構成においても実施可能である。
【0044】
上述の原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は、多種多様なものであり得る。例えば、図7A〜図7Eは、可動反射層14とその支持構造体の五つの異なる実施形態を示す。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、金属物質のストリップ14が、直交して延伸する支持体18の上に堆積されている。図7Bでは、各干渉変調器の可動反射層14が、正方形又は矩形の形状であり、テザー32に対して、角でのみ支持体に取り付けられている。図7Cでは、可動反射層14が、正方形又は矩形の形状であり、フレキシブル金属を含み得る変形可能層34から懸架されている。変形可能層34は、該変形可能層34の周囲において、基板20に直接的又は間接的に接続する。この接続は、本願において、支持ポストと称される。図7Dに示される実施形態は、支持ポストプラグ42を有する。この支持ポストプラグの上に、変形可能層34が横たわる。図7A〜7Cのように、可動反射層14はギャップ上に懸架されている。しかしながら、変形可能層34と光学積層体16との間のホールを充填することによって、変形可能層34が支持ポストを形成してはいない。むしろ、支持ポストは、支持ポストプラグ42を形成するために用いられる平坦化物質から形成される。図7Eに示される実施形態は、図7Dに示される実施形態をベースにしたものであるが、図7A〜図7Cに示される実施形態、並びに、図示されていない追加の実施形態のいずれにおいても機能し得るものである。図7Eに示される実施形態では、金属又は他の導電性物質の追加的な層が用いられて、バス構造44を形成している。これによって、信号が、干渉変調器の背面に沿ってルーティングすることが可能になり、基板20上に形成しなければならなかった多数の電極を省略することが可能になる。
【0045】
図7に示されるような実施形態では、干渉変調器は、直視型装置として機能し、画像は透明基板20の前面から視られ、その反対側に変調器が配置されている。こうした実施形態では、反射層14は、変形可能層34を含む基板20に対向する反射層の側において、干渉変調器の一部を光学的に遮蔽する。これによって、遮蔽された領域を、画像の質に悪影響を与えずに、構成及び動作させることが可能になる。例えば、このような遮蔽によって、変調器の光学的特性を変調器の電気機械的特性(アドレシングや該アドレシングの結果による移動等)から分離する性能を提供する図7Eのバス構造44が可能になる。この分離可能な変調器の設計によって、変調器の電気機械的側面及び光学的側面用に用いられる構造設計及び物質が、互いに独立に選択され、また、機能することが可能になる。更に、図7C〜図7Eに示される実施形態は、反射層14の光学的特性をその機械的特性から切り離すこと(このことは、変形可能層34によって達成される)に因る追加的な利点を有する。これによって、光学的特性に関して、反射層14に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になり、また、所望の機械的特性に関して、変形可能層34に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になる。
【0046】
〈パッケージ内への乾燥剤の配置〉
集積乾燥剤を有するMEMS装置用の基本的なパッケージ構造の概略が図8Aに示されている。図8Aに示されるように、基本的なパッケージ構造70は、基板72と、バックプレートカバー又は“キャップ”74とを含み、干渉変調器アレイ76が、基板72上に形成されている。このキャップ74は、“バックプレート”とも称される。
【0047】
基板72及びバックプレート74は、封止剤78によって結合されて、パッケージ構造70を形成し、干渉変調器アレイ76が基板72、バックプレート74及び封止剤78によって密閉される。これは、バックプレート74と基72との間にキャビティ79を形成する。封止剤78は、従来のエポキシベース接着剤等の非気密性封止剤であり得る。他の実施形態では、封止剤78は、一日で略0.2〜4.7g mm/m2kPaの水蒸気の浸透率の範囲を有し得る封止剤の中で特に、ポリイソブチレン(ブチルゴムやPIBとも称される)、Oリング、ポリウレタン、薄膜金属溶接部、液体スピンオンガラス、はんだ、ポリマー、プラスチックであり得る。
【0048】
一般的に、パッケージ構造70内への水蒸気の浸透を最小化して、パッケージ構造内部の環境を制御することが望ましい。例えば、パッケージを気密的に封止することは、環境が装置の寿命にわたって一定であることを保証することができる。パッケージ内部の湿度が、湿気からの表面張力が干渉変調器の可動素子(図示せず)の復元力よりも高くなるレベルを超えると、可動素子は、永久的に表面にくっ付き得る。このような可動膜のくっ付きは装置を動作不能にする。OLED装置の場合、湿気は、金属電極の腐食を生じさせ得て、装置を動作不能にする。
【0049】
図8Aに示される実施形態では、パッケージ構造70は、キャビティ79内部の湿気を低下させるように構成されたインパクトスプレー乾燥剤80を含む。図8Bに示される実施形態では、パッケージ構造70は変更されたバックプレート74を含む。バックプレート74は、サンドブラストされて又は化学的にエッチングされて、バックプレートキャビティ75が形成される。そして、後述の方法を用いて、乾燥剤80を、バックプレートキャビティ75内に選択的にインパクトスプレーして、パッケージキャビティ79内の湿気を低下させることができる。当業者は、乾燥剤が気密的に封止されたパッケージに対しては必要でないものであり得るが、パッケージ内部の残留する湿気を制御するのに望ましいものであることを理解されたい。
【0050】
基板72は、半透明又は透明物質であり、その上に構築された薄膜MEMS装置を有することができるものであり得る。このような透明物質として、ガラス、プラスチック、透明ポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。干渉変調器アレイ76は、複数の膜変調器、又は分離可能型の複数の変調器を備え得る。当業者は、バックプレート74が、ガラス、金属箔、ポリマー、プラスチック、セラミック、半導体(例えばシリコン)等の適切な物質製であり得ることを理解されたい。
【0051】
パッケージ構造70の一部実施形態では、封止剤78は接着剤を含む。接着剤成分単独では適切な環境障壁として機能しないことがあり得る。何故ならば、接着剤成分は、最終的には、水蒸気及び/又は汚染物質をパッケージ構造70のキャビティ79内に浸透させるからである。従って、パッケージ構造70の特定の実施形態は、パッケージ構造70の内側のゲッタ、又は封止剤78中に取り込まれたゲッタを含む。ゲッタは、干渉変調器アレイ76又はパッケージ構造70組み立て後のパッケージング構成要素から放出される汚染物質ガス(接着剤が硬化する間に封止剤78中の接着剤からキャビティ79内に放出又は蒸発した物質等)をゲッタ機能で除去するように構成され得る。ゲッタは、特定の物質と化学反応するように構成された化学反応ゲッタであり得る。一部実施形態では、ゲッタは、環境中から封止剤78内に浸透した汚染物質、製造又は組み立て中に封止剤78から放出された物質、及び製造又は組み立て時に存在しているパッケージ構造70のキャビティ79内部の物質をゲッタ機能で除去するように構成される。
【0052】
後述の他の実施形態では、化学反応ゲッタ及び乾燥剤が両方ともパッケージ構造70内部に提供されて、水蒸気及び汚染物質ガスをゲッタ機能で除去する。化学反応ゲッタは、例えば酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、アルミ錯体を含み得る。特定の実施形態では、パッケージ構造70の一以上の構成要素(基板72、バックプレート74、封止剤78等)は、製造又は組み立て中に封止剤成分から放出される実質的に全ての物質(硬化中に接着剤から放出される物質等)をゲッタ機能で除去する又は捕捉するのに十分な量のゲッタを含む。
【0053】
当業者は、多様な方法で水蒸気及び汚染物質を捕捉する多様な物質を理解するものである。例えば、CaO等の物質は、化学吸着によって不可逆的に湿気を捕捉することができて、CaOは、水酸化カルシウムに変換される。他方、ゼオライト物質は、物理吸着によってその微細孔内に可逆的に湿気を捕捉することができる。ゼオライト物質は、パッケージ構造70に提供された後に加熱可能であり、その細孔内の湿気を放出して、再活性化して、水分子を再び吸収することができる。また、ゼオライト物質は、多様なタイプの汚染物質ガスを吸収するのにも使用可能である。例えば、特定の細孔径のゼオライト物質は、特定の汚染物質を捕捉するように選択可能である。略3オングストロームの細孔径のゼオライト物質を用いて、パッケージ構造内の水を捕捉可能である一方、4から5オングストロームのゼオライト物質は、メタン、窒素、及び/又は二酸化炭素を捕捉可能である。略10オングストロームの細孔径のゼオライト材料を、より長い鎖のより複雑な分子を捕捉するために選択可能である。
【0054】
当業者は、パッケージングされた装置に必要な乾燥剤物質の量が、パッケージングされた装置内の初期水分含量、パッケージ構成要素のガス放出可能性、装置のサイズ及び寿命、並びに装置内に湿気が侵入する速度に依存することを理解されたい。乾燥剤用に十分な空間を提供しなければならないので、パッケージングされた装置内部に必要な乾燥剤の量は、装置の最小厚さも制限する。
【0055】
図9は、バックプレート74の表面上に融合したインパクトスプレー乾燥剤80を備えたバックプレート74の断面の走査型電子顕微鏡像を提供する。他の実施形態では、乾燥剤80は、基板72上にインパクトスプレーされて、基板72と融合する。更に他の実施形態では、インパクトスプレーされた表面は乾燥剤80で含浸される。
【0056】
乾燥剤は、気密封止剤又は非気密封止剤を有するパッケージ用に使用され得る。気密封止剤を有するパッケージでは、乾燥剤は典型的に、パッケージの内部に残留する湿気を制御するのに用いられる。非気密封止剤を有するパッケージでは、乾燥剤は、環境からパッケージ内に移動する湿気を制御するのに使用可能である。一般的に、湿気を閉じ込めることができるが、干渉変調器アレイの光学特性に干渉しない物質が、乾燥剤80として使用可能である。適切な乾燥剤物質として、ゼオライト、分子篩、表面吸着剤、バルク吸着剤、化学反応体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
更に、固体状であることの代わりに、乾燥剤80は粉末状でもあり得る。粉末は、マトリクス状に適用される接着剤又はバインダと混合され得て、又は、後述のように、実質的に純粋な形でパッケージ内に直接取り込まれ得る。一部実施形態では、乾燥剤80のビーズ又はペレットは、適切な無機バインダを含む。このような乾燥剤の一例がゼオライトである。適切な無機バインダとして、ベントナイト、層状シリケート、MgOベースの物質、低炭素含有量の他の無機クレイが挙げられる。低炭素含有量のバインダは、パッケージ内部へ有害な有機化合物を一般的には放出しないという利点を提供することができる。本願で説明される実施形態では、乾燥剤80のビーズは、略10%から60%の間の無機バインダを含む。このような無機バインダは、溶媒及び界面活性剤フリーなものであり得る。ビーズは、20から30マイクロメートル等の所望の粒径に微粒化又は粉砕され得る。このドライ組成物乾燥剤は、インパクトスプレーによって、エチレングリコールや水等の溶媒、湿潤剤又はスラリー剤を用いずに、実質的に純粋な形でパッケージ内に直接取り込まれ得る。ウェット乾燥剤スラリーの粘度を制御するために一般的に使用されるエチレングリコールは、MEMS構成要素の望ましくないくっ付きを生じさせ得る。
【0058】
当業者は、乾燥剤80が、表面内に融合するために多様な方法を適用することができる。図9に示されるように、乾燥剤80がバックプレート74上にインパクトスプレーされる場合、乾燥剤は、バックプレート74に融合及び接着する薄くて均一なドライ組成物層を形成する。一部実施形態では、乾燥剤80は、バックプレート74にわたる粗面を生成するのに十分な力でインパクトスプレーされる。この粗面は、乾燥剤のより大きな表面積を提供するので、より多くの乾燥剤80がパッケージ環境内の湿気と接触することを可能にする。更に、実質的に純粋な乾燥剤が、バックプレート74にインパクトスプレーされて接着可能であるので、水を取り除く乾燥剤の性能が、乾燥剤を表面に付着させるのに用いられるバインダ又は他の化合物で希釈化された乾燥剤と比較して、高くなる。また、当業者は、乾燥剤80がパッケージ70内の異なる複数の表面に適用可能であり、表面の異なる複数の部分に適用可能であることも理解されたい。例えば、図8Aに示される実施形態では、まず、キャビティがバックプレート74に形成されて、その後、乾燥剤80がバックプレートのキャビティ内にインパクトスプレーされる。更に、乾燥剤は、MEMS装置の透明基板又は他の構成要素上にインパクトスプレーされ得る。
【0059】
これから、乾燥剤の性質を提供するようにMEMS装置の表面を変更する方法について詳述する。図10に示される一実施形態では、乾燥剤80をバックプレート74上にインパクトスプレーすることによって、乾燥剤80をバックプレート74と融合させる。乾燥剤80は、加圧スプレーノズル102から放出されて、バックプレート74に物理的に衝突して、乾燥剤80の薄層がバックプレート74上に堆積され融合される。バックプレート74は、ガラス、金属、セラミック、液晶ポリマー(LCP,liquid crystalline polymer)や透明ポリマー等のプラスチック等の物質製であり得るが、これらに限定されるものではない。乾燥剤80は、パッケージ構造70内の他の表面(基板72等)上にもインパクトスプレーされ得る。
【0060】
“サンドブラスト”は、物質表面を物理的に変更及び除去するために用いられる一般的な方法である。従来のサンドブラストでは、SiO2やAl2O3等の粉末を用いて、高圧ジェットノズルで固体物質をブラスト又は磨耗させる。これらの硬い粉末物質は、ターゲット表面に大きな衝撃力を与えて、表面をエッチングして物質を除去する。本願で説明されるインパクトスプレーは、従来のサンドブラストと特性を共有するが、バックプレート74の強度を妥協したりバックプレートを壊れ易くしたりするように過度に表面を磨耗させることがない。例えば、乾燥剤80は一般的に従来のサンドブラスト物質程は硬くなく、ターゲット表面に対する損傷が少ない。従って、バックプレート74上へ乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、乾燥剤をより少ない磨耗力でバックプレート74に衝突させて、バックプレート74上の薄層90に堆積させる。インパクトスプレーは、ドライ組成物乾燥剤物質のこの堆積した薄層を、バックプレート74上に融合させるか、又は結合させる。一部実施形態では、バックプレート74上にドライ乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、バックプレート74上に乾燥剤80の薄層90を構築することに加えて、基板物質の表面の一部エッチング又は除去を生じさせる。
【0061】
図9及び図10に示される例示的な実施形態では、バックプレート74上に乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、薄層90をバックプレート74に融合させる。このバックプレート74内への乾燥剤80の融合又は浸透は、バックプレート74を物理的に変更して、バックプレート74が、パッケージ構造70内部で乾燥剤物質として機能するようにする。
【0062】
図11に示される一実施形態では、マスク92がバックプレート74の一部の上に配置される。その後、乾燥剤80が、バックプレート74上にインパクトスプレーされて、マスク92によって覆われていないバックプレート74の部分上に乾燥剤80が融合される。図12に示される他の実施形態では、マスク92は、基板72の一部の上に配置される。マスク92によって覆われた部分は、例えば、封止剤78の外側に存在する基板72の領域104を備え得る。マスク92によって覆われた部分は、その上にMEMS装置が構築された基板72の領域106を追加的に備え得る。その後、乾燥剤80が基板72上にインパクトスプレーされて、乾燥剤80が、マスク92によって覆われていない基板72の部分上に融合される。結果として、基板72の部分108は、ドライ組成物乾燥剤80の薄層でコーティングされて、パッケージ構造70内部の乾燥剤物質として機能する。
【0063】
更に他の実施形態では、バックプレート74は、マスク92を用いずに、乾燥剤80でインパクトスプレーされる。パッケージ構造70内に密閉された全ての又は実質的に全てのバックプレート74が、乾燥剤80でインパクトスプレー可能であるので、乾燥剤の存在に起因するIMODの電気機械的性質の変化は、最小化されるか排除され得る。全ての又は実質的に全てのバックプレート表面の物理的性質を、乾燥剤として機能するように変更可能であるので、干渉変調器アレイ76は、一部領域における乾燥剤の存在と、他の領域における乾燥剤の不存在とを感知しない。従って、干渉変調器アレイ76の挙動は、乾燥剤の存在によって制御及び最適化可能である。
【0064】
乾燥剤80は、純粋な又は実質的に純粋な形でバックプレート74上に有利にインパクトスプレーされて、顕著な湿気吸収性能をもたらすことができる。15から20%の乾燥剤及び80から85%のバインダをマトリクス状で提供するパッチ又はペーストの乾燥剤とは異なり、バックプレート74上に純粋な又は実質的に純粋な形で乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、乾燥剤物質の湿気吸収性能を希釈化しない。一実施形態では、乾燥剤80は100%ゼオライト物質であり、バインダを有さない。他の例示的な実施形態では、ゼオライト物質の均一で薄いコーティングが、接着剤又はバインダを用いずにバックプレート74に適用される。他の実施形態では、60から99%のゼオライト物質を備えた乾燥剤80が、バックプレート74上にインパクトスプレーされる。
【0065】
更に他の実施形態では、ゼオライト物質及び適切な無機バインダを含むビーズ又はペレットが、まず所望の粒径に粉砕されて、その後、粉砕された乾燥剤のドライ組成物が、バックプレート74上にインパクトスプレーされる。一部実施形態では、ビーズ又はペレットは、略40パーセントから90パーセントの間のゼオライト物質と、略10パーセントから60パーセントの間の適切な無機バインダを含む。
【0066】
当業者は、乾燥剤80がゼオライト物質に限定されるものではなく、湿気を閉じ込めることができるが干渉変調器アレイの光学特性に干渉しない物質であれば乾燥剤80として利用可能であることを理解されたい。また、当業者は、バックプレート74が、60%以下のゼオライト又は他の湿気吸収物質を備えた乾燥剤80でインパクトスプレー可能であり、それでも、パッケージ構造70内部の乾燥剤物質として機能することも理解されたい。
【0067】
図13に示されるように、バックプレート74上に乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、バックプレート74と融合した乾燥剤の薄くて均一な層を生成し、バックプレート74の表面の領域94内との融合を含む。バックプレート74の表面が領域94を元々含む場合、このような領域は、乾燥剤80がインパクトスプレーされる表面積を増大させることができるので、パッケージ構造70内に与えられる乾燥剤80の量を増やすことができる。他の実施形態では、まず、バックプレート74の表面をエッチングして領域94のような領域をより多く生成し、その後、乾燥剤80でインパクトスプレーして、パッケージ構造70内に提供される乾燥剤80の量を更に増やす。
【0068】
当業者は、薄層90の厚さ、従ってパッケージングされた装置内の乾燥剤物質の量が、パッケージングされた装置内の初期水分含量、装置のサイズ及び寿命、及び湿気が装置内に侵入する速度に基づいて選択可能であることを理解されたい。バックプレート74の全表面を乾燥剤80でインパクトブラストする性能、純粋な又は純粋な形で乾燥剤80を提供すること、及びバックプレート74を粗面化して薄層90の表面積を増大させることの効果の全ては、個別に又は組み合わさって、乾燥剤80の湿気吸収性能の増大をもたらす。この湿気吸収性能の増大は、ディスプレイ装置の動作寿命にわたって湿気を吸収するのに必要な薄層90の厚さを最小化することができる。例えば、バックプレート74上に1から5マイクロメートルの厚さで乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、バックプレート74に40〜200マイクロメートルの厚さのパッチ又はペーストの乾燥剤を接着させるのと同じ湿気吸収性能をもたらすことができる。一実施形態では、乾燥剤80は、バックプレート74上に0.5から5マイクロメートルの厚さでインパクトスプレーされる。
【0069】
図14に示されるグラフは、乾燥剤80の一実施形態の湿気吸収性能を示す。略3オングストロームの細孔径を有する合成ゼオライト物質を備えた乾燥剤80は、略1マイクロメートルの厚さでガラス表面上にインパクトスプレーされる。その後、乾燥剤80は、二時間にわたって280℃でドライ窒素雰囲気で活性化される。図14に示されるグラフは、略1マイクロメートルの厚さの乾燥剤80の層によって吸収された水の量をミリグラム単位で示す。
【0070】
乾燥剤80の必要とされる厚さの顕著な減少によって、パッケージ構造70の全体的な厚さを顕著に減少させることが可能になる。また、バックプレート74上に乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、パッチ又はペーストの乾燥剤用の十分な空間を提供するためにバックプレート74内にキャビティをエッチングすることに伴う追加的な製造ステップ及び化学的汚染物質を排除することもできる。
【0071】
例示的な実施形態では、異なる細孔径の複数のゼオライト物質を、湿気及びガス汚染物質の両方を捕捉するために選択して、バックプレート74上にインパクトスプレーする。一実施形態では、略三オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質を提供して、パッケージ構造内の水分子等の三オングストローム以下の直径を有する汚染物質を捕捉する。同実施形態では、三オングストローム以上の細孔径を有するゼオライト物質も提供されて、メタン、窒素、及び/又は二酸化炭素を捕捉する。代替実施形態では、異なる細孔径の複数のゼオライト物質が選択されて、水分子及び汚染物質分子(10オングストローム以下の臨界寸法を有する溶媒及び炭化水素を含む)の両方を吸収する。
【0072】
一実施形態では、乾燥剤80の80%以上が、湿気を吸収する細孔径を有するゼオライト物質である。他の実施形態では、乾燥剤80の80%以上が、略2から3オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質である。更に他の実施形態では、乾燥剤80の80%以上が、略3オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質である。乾燥剤80の残りの20%は、湿気以外の物質(汚染物質ガス等)を吸収するように構成された細孔径を有するゼオライト物質を含み得る。他の実施形態では、乾燥剤80の90%以上が、略2から3オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質である。他の例示的な実施形態では、乾燥剤80の2から3%が、パッケージ構造70内部の接着剤及び/又はバインダによって放出される汚染物質ガスを捕捉するために5から10オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質を含む。他の例示的な実施形態では、乾燥剤80は、湿気を捕捉するためのゼオライト物質と、汚染物質ガスを捕捉するためのゼオライトではない化学ゲッタを含む。当業者は、本願で説明されるように、ゼオライト物質が無機バインダを含んでも含まなくてもよいことを理解されたい。
【0073】
一実施形態では、バックプレート74は、合成ゼオライト物質でインパクトスプレーされる。他の実施形態では、バックプレート74は、天然ゼオライト物質でインパクトスプレーされる。例示的な実施形態では、合成又は天然ゼオライト物質の80から90%が、略2から3オングストロームの細孔径を有し、そのゼオライト物質の10から20%が3オングストローム以上の細孔径を有する。他の例示的な実施形態では、乾燥剤80は、合成及び天然のゼオライト物質の両方を含む。
【0074】
当業者は、乾燥剤80をインパクトスプレーする特定の条件及びパラメータを変更及び最適化して、特定の厚さの薄層90を生成することができることを理解されたい。例えば、バックプレート74を乾燥剤80でインパクトスプレーする時間の長さは、層90の厚さに影響する。バックプレート74からのノズル102の高さは、バックプレート74上の乾燥剤80の厚さ及び薄層90の均一性に影響する。乾燥剤80をバックプレート74に印加する圧力は、乾燥剤80がバックプレート74に物理的に衝突して融合する程度、及び層90の厚さに影響し得る。バックプレート74の温度を上昇させることも、表面に対する乾燥剤粒子の接着を補助し得る。乾燥剤の形態も、層90の生成及び厚さに影響を与え得る。例えば、10マイクロメートルのサイズの粒子から実質的に構成された乾燥剤80でバックプレート74をインパクトスプレーすることは、バックプレート74上への乾燥剤80のインパクト(衝撃)、又は領域94が生成される程度を減じ得る。従って、一実施形態では、乾燥剤80がバックプレート74と融合する程度は、乾燥剤80がバックプレート74に衝突する力に直接関係する。
【0075】
また、乾燥剤80及び関連する無機バインダ物質の組成も、層90の形成及び厚さに影響を与え得る。乾燥剤80は、例えば適切な無機バインダを含み得る。適切なバインダとして、ベントナイト、層状シリケート、MgOベース物質、炭素汚染の傾向の低い他の無機クレイ等のクレイが挙げられる。表1は、インパクトスプレーされたゼオライト乾燥剤表面の一例のX線光電子分光法(XPS,X−ray photoelectron spectroscopy)からのデータを示す。下記に示されるように、乾燥剤の炭素含有量は非常に低くて、略3%である。
【0076】
【表1】
【0077】
当業者は、パッケージ構造70内部の蒸気又は汚染物質の放出が、パッケージ内部の可動部のくっ付きをもたらして、装置を動作不能にし得ることを理解されたい。一部実施形態では、乾燥剤80は、適切な無機バインダと組み合わされた後に、表面上にインパクトスプレーされる。他の実施形態では、適切な無機バインダを既に含んでいる市販の乾燥剤のペレット又はビーズを、所望の粒径の粉末に微粒化又は粉砕した後に、表面上にインパクトスプレーする。適切な粒径は、一部実施形態では20から30マイクロメートルである。適切な無機バインダを備えた乾燥剤を使用する例示的な実施形態では、乾燥剤及びバインダの組み合わせが表面上にインパクトスプレーされてパッケージ構造70が封止された後に、観測可能な汚染物質の放出は生じない。一部実施形態では、有機放出蒸気の減少又は排除は、パッケージ構造70内の可動膜上に蒸気が堆積することを防止又は低減する。
【0078】
また、当業者は、ディスプレイ装置のサイズが増大すると、バックプレート74の表面積も増大し、乾燥剤80でインパクトスプレー可能であるより大きな表面積が提供されることも理解されたい。この乾燥剤80が提供されるバックプレート74の表面積の増大は、乾燥剤80をより薄い層90で適用することを可能にする。ノズル102の高さ、乾燥剤がブラストされる圧力、及び乾燥剤80の形態は、層90の厚さを減少させるように変更可能である。例示的な一実施形態では、ディスプレイ装置のサイズ及びバックプレート74の表面積が増大すると、層90の必要な厚さが減少する。
【0079】
一実施形態では、乾燥剤80は、実質的に平坦なバックプレート74(平滑なガラス等)上にインパクトスプレーされる。このようなインパクトスプレーは、バックプレート74上に融合した乾燥剤80の薄くて均一な層の堆積に加えて、バックプレート74からの一部物質の僅かなエッチング又は除去をもたらし得る。他の実施形態では、乾燥剤80をインパクトスプレーすることは、バックプレート74のエッチング、又はバックプレート74からの物質の除去をもたらさない。他の例示的な実施形態では、まずバックプレート74の表面が、従来のサンドブラスト法を用いた低インパクトスプレーで粗面化されて、その後、乾燥剤80でインパクトスプレーされる。
【0080】
他の実施形態では、ディスプレイを製造する方法は、乾燥剤80を所望の粒径の粉末に微粒化又は粉砕するステップと、表面(バックプレートカバー等が挙げられるがこれに限られない)を、粉砕された乾燥剤微粒子の流れに晒して、乾燥剤をその表面上に融合させるステップを含む。一部実施形態では、乾燥剤80は、20から30マイクロメートルの間の粒径に粉砕される。他の実施形態では、ビーズ又はペレットの乾燥剤80は適切な無機バインダを含む。ビーズは、略20から30マイクロメートルの間の粒径に粉々にされて又は粉砕されて、その後、表面上にインパクトスプレーされる。例示的な実施形態では、乾燥剤80は、略10パーセントから60パーセントの間のバインダを含む。
【0081】
また、当業者は、関係する接触表面が適切なはり付き防止剤で処理されると、特定のMEMS装置が最良に動作することを理解されたい。粒径10オングストローム以上のゼオライト物質を略20パーセントから40パーセントの間で有する乾燥剤80の一実施形態は、適切なはり付き防止剤(フッ素化界面活性剤、シラン、クロロシラン、官能化炭化水素等が挙げられるがこれらに限定されない)を提供する制御可能手段を提供する。一実施形態では、乾燥剤80は、略2から3オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質を60パーセントから80パーセント備え、且つ略10オングストロームの細孔径を有するゼオライト物質を20パーセントから40パーセント備える。
【0082】
また、当業者は、表面に対して乾燥剤を融合させる方法が、本願で説明される特定の実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。一部実施形態では、例えば、乾燥剤80をバックプレート74上に融合させるのに、熱スプレーとしても知られるプラズマスプレーが使用され得る。本願で説明される粉末化されたドライ乾燥剤は、プラズマトーチから発する高温プラズマジェット内に導入可能である。プラズマジェットは、10000Kのオーダの温度に達し得る。乾燥剤80は、プラズマジェット内に融解して、バックプレート74に向けて伝えられる。衝突時には、乾燥剤の融解した小滴が、平らになり、急速に凝固して、堆積物を形成する。インパクトスプレーによって生成される乾燥剤の薄くて均一なコーティングと同様に、プラズマスプレーによって生成される堆積物は、バックプレート74と融合して接着する。インパクトスプレーと同様に、複数の因子が、バックプレート74上に堆積した乾燥剤層の厚さに影響する。このような因子として、乾燥剤80の形態及び組成、プラズマガスの組成及び流速、バックプレート74からプラズマトーチまでの距離が挙げられる。
【0083】
〈実験1〉
従来のパッチ又はペーストの乾燥剤の湿気吸収性能を、本願で説明される乾燥剤処理されたバックプレートの湿気吸収性能と比較した。例えば、150マイクロメートルの厚さの乾燥剤パッチを含むパッケージ構造は、ディスプレイ装置の動作寿命中に3ミリグラムの水を吸収した。次に、バックプレートを、実質的に純粋な3オングストロームのゼオライト物質でインパクトスプレーして、厚さ1マイクロメートルの純粋なゼオライト物質の薄層を生成した。インパクトスプレーされた表面を水及び他の洗浄剤で洗浄して、ドライ環境で焼成して、残留水分を除去した。そして、乾燥剤処理されたバックプレートを、干渉変調器パッケージ構造に組み込んだ。結果物のガラスバックプレートは、MEMS装置内においてin−situ乾燥剤のように機能して、その装置の動作寿命中に略2.5ミリグラムの水を吸収した。
【0084】
〈実験2〉
バックプレートにマスクを適用して、その後、バックプレートを粉末状の純粋なゼオライト物質の乾燥剤でインパクトスプレーした。インパクトスプレー後に、バックプレートを温水で洗浄してマスクを除去した。そして、バックプレートを試験して、乾燥剤がバックプレートに対して融合している程度を求めた。その試験により、従来のパッチ又はペーストの乾燥剤を用いたパッケージ構造に対して汚染物質粒子の数の増大がないことが明らかになった。更なる試験により、パックプレートが硬い表面のままであるような程度で乾燥剤がバックプレートに融合していることが明らかになった。乾燥剤は、バックプレートから洗い落ちず、又は、ディスプレイ装置の動作寿命中にキャビティ内に粉末粒子を放出しなかった。
【0085】
当業者は、本願で説明されるインパクトスプレー法がMEM装置に限定されるものではないことを理解されたい。本願で説明される乾燥剤処理された表面は、OLEDやLCD装置等の湿気又はバインダ又は溶媒のガス放出に敏感なディスプレイ装置において使用可能である。更に、当業者は、本願で説明される乾燥剤処理が、ガラス表面に限定されるものではなく、セラミック、ポリマー、金属等の物質(これらに限定されるものではない)に対して採用可能であることを理解されたい。更に、インパクトスプレーは、バックプレートに限定されるものではなく、ディスプレイパッケージの何らかの表面を、ディスプレイパッケージの乾燥剤として機能するように変更可能であることを理解されたい。例えば、基板72又は封止剤78が、乾燥剤物質でインパクトスプレーされ得る。
【0086】
当業者は、本願で開示される実施形態に関して説明される多様な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実現されることを理解されたい。多様な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップについて、それらの機能性に関しては一般的に説明してきた。その機能性がハードウェアとして又はソフトウェアとして実現されるかどうかは、特定の応用、及びシステム全体に課される設計制限に依存する。当業者は、そうした状況下におけるハードウェアとソフトウェアとの可換性、各特定の応用に対する機能性を如何にして最善に実現するのかという点を認識されたい。例えば、本願で開示される実施形態に関して説明される多様な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップは、デジタルシグナルプロセッサ(DSP,digital signal processor)、特定用途集積回路(ASIC,application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA,field programmable gate array)、他のプログラマブル論理装置、離散ゲート又はトランジスタロジック、離散ハードウェア構成要素(例えば、レジスタ及びFIFO等)、一組のファームウェア命令を実行するプロセッサ、従来のプログラマブルソフトウェアモジュール、プロセッサ、又はこれらの組み合わせと共に、実現又は実施され得る。
【0087】
プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、その代わりに、プロセッサは、従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械でもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD‐ROM、又は当該分野において既知の他の形式の記憶媒体内に存在し得る。更に、当業者は、上記説明全体にわたって参照可能なデータ、指示、命令、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップが、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁性粒子、光場若しくは光学的粒子、又はこれらの組み合わせによって表されることを理解されたい。
【0088】
好ましい実施形態についての上記説明は、当業者が開示される実施形態を作製又は使用することを可能にするために提供されるものである。当業者には、これらの実施形態に対する多様な変更が容易に理解されるものであり、本願で説明される一般的な原理は、発明力がなくても、他の実施形態に適用可能である。従って、開示される実施形態は、本願で示される実施形態に限定されることを意図したものではなく、本願で開示される原理及び新規特徴と矛盾しない最大限の範囲で認められるものである。
【符号の説明】
【0089】
70 パッケージ構造
72 基板
74 バックプレート、キャップ
76 干渉変調器アレイ
78 封止剤
70 キャビティ
80 乾燥剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置を備えた第一の基板と、
バックプレートカバーであって、前記第一の基板と該バックプレートカバーとの間においてパッケージ内部に前記電子装置を封止するバックプレートカバーと、
前記バックプレートカバー又は前記第一の基板の少なくとも一部の上に融合している乾燥剤とを備えた電子装置パッケージ。
【請求項2】
前記乾燥剤が実質的にドライなゼオライト物質を備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項3】
前記ゼオライト物質が略3オングストロームの細孔径を有する、請求項2に記載の電子装置パッケージ。
【請求項4】
前記ゼオライト物質が略3から10オングストロームの間の細孔径を有する、請求項2に記載の電子装置パッケージ。
【請求項5】
前記バックプレートカバー又は前記第一の基板が、略0.5から5.0マイクロメートルの間の厚さの乾燥剤の層を備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項6】
前記乾燥剤が、略3オングストロームの細孔径を有する第一のゼオライト物質と、略3から10オングストロームの間の細孔径を有する第二のゼオライト物質とを備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項7】
前記乾燥剤の略60パーセント以上が、前記第一のゼオライト物質を備える、請求項6に記載の電子装置パッケージ。
【請求項8】
前記乾燥剤が、前記第二のゼオライト物質を略10パーセントから40パーセントの間で備える、請求項6に記載の電子装置パッケージ。
【請求項9】
前記乾燥剤の略60パーセントから80パーセントが前記第一のゼオライト物質を備え、前記乾燥剤の略20パーセントから40パーセントが前記第二のゼオライト物質を備え、前記第二のゼオライト物質が略10オングストロームの細孔径を有する、請求項6に記載の電子装置パッケージ。
【請求項10】
前記第二のゼオライト物質が、フッ素化界面活性剤、シラン、クロロシラン、又は官能化炭化水素を備える、請求項9に記載の電子装置パッケージ。
【請求項11】
前記乾燥剤が、略40パーセントから90パーセントの間のドライなゼオライト物質と、略10パーセントから60パーセントの間のドライな無機バインダとを備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項12】
前記無機バインダが、ベントナイト、シリケート、酸化マグネシウム、及び無機クレイのうち一つを備える、請求項11に記載の電子装置パッケージ。
【請求項13】
前記乾燥剤が、ゼオライト、分子篩、表面吸着剤、バルク吸着剤、及び化学反応体のうち少なくとも一つを備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項14】
前記乾燥剤が、無機酸化物、金属、及び蛍光体のうち一つを備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項15】
前記電子装置がディスプレイ装置を備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項16】
前記電子装置がMEMS装置を備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項17】
前記ディスプレイ装置が有機発光ダイオード装置を備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項18】
前記ディスプレイ装置が干渉変調器ディスプレイ装置を備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項19】
前記電子装置と通信して、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと通信するように構成されたメモリ装置とを更に備えた請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項20】
前記電子装置に少なくとも一つの信号を送信するように構成されたドライバ回路を更に備えた請求項19に記載の電子装置パッケージ。
【請求項21】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部を送信するように構成された制御装置を更に備えた請求項20に記載の電子装置パッケージ。
【請求項22】
前記プロセッサに前記画像データを送信するように構成された画像ソースモジュールを更に備えた請求項19に記載の電子装置パッケージ。
【請求項23】
前記画像ソースモジュールが、受信機、送受信機、及び送信機のうち少なくとも一つを備える、請求項22に記載の電子装置パッケージ。
【請求項24】
入力データを受信して、前記プロセッサと前記入力データを通信するように構成された入力装置を更に備えた請求項19に記載の電子装置パッケージ。
【請求項25】
電子装置を備えた第一の基板を提供するステップと、
バックプレートカバーを提供するステップと、
前記バックプレートカバー又は前記第一の基板の少なくとも一部の上に乾燥剤を融合させるステップと、
前記バックプレートカバーを前記第一の基板に結合させて、電子装置を形成するステップとを備えた電子装置の製造方法。
【請求項26】
前記乾燥剤を融合させるステップが、前記乾燥剤をインパクトスプレーするステップを備える、請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記バックプレートカバーの一部を前記乾燥剤で選択的にインパクトスプレーするために、前記バックプレートカバーの上にマスクを提供するステップを更に備えた請求項25に記載の製造方法。
【請求項28】
前記乾燥剤を融合させるステップが、前記乾燥剤をプラズマスプレーするステップを備える、請求項25に記載の製造方法。
【請求項29】
前記電子装置がMEMS装置を備える、請求項25に記載の製造方法。
【請求項30】
前記電子装置が干渉変調器アレイを備える、請求項29に記載の製造方法。
【請求項31】
前記電子装置が有機発光ダイオード装置を備える、請求項25に記載の製造方法。
【請求項32】
前記電子装置が携帯電話を備える、請求項25に記載の製造方法。
【請求項33】
前記電子装置がディスプレイ装置を備える、請求項25に記載の製造方法。
【請求項34】
ディスプレイ装置を支持するための支持手段と、
前記ディスプレイ装置を覆いパッケージを形成するための被覆手段と、
前記パッケージを乾燥させるための乾燥手段とを備えた電子ディスプレイであって、
前記乾燥手段が、前記被覆手段上に融合した乾燥剤を備える、電子ディスプレイ。
【請求項35】
前記支持手段が透明基板を備える、請求項34に記載の電子ディスプレイ。
【請求項36】
前記被覆手段がバックプレートを備える、請求項34に記載の電子ディスプレイ。
【請求項37】
前記乾燥手段が、インパクトスプレーされた乾燥剤を備える、請求項34に記載の電子ディスプレイ。
【請求項38】
前記インパクトスプレーされた乾燥剤がゼオライトを備える、請求項37に記載の電子ディスプレイ。
【請求項39】
融合された乾燥剤を備えた表面。
【請求項40】
前記表面が第二の表面に対して封止されてパッケージを形成し、前記乾燥剤が前記パッケージ内部に融合している、請求項39に記載の表面。
【請求項41】
前記乾燥剤がゼオライトである、請求項39に記載の表面。
【請求項42】
前記表面がガラス表面を備える、請求項39に記載の表面。
【請求項43】
表面に乾燥剤を融合させる方法であって、
表面を提供するステップと、
前記表面上に乾燥剤をインパクトスプレーするステップとを備え、前記乾燥剤が前記表面に融合する、方法。
【請求項44】
前記表面がガラスである、請求項43に記載の方法。
【請求項1】
電子装置を備えた第一の基板と、
バックプレートカバーであって、前記第一の基板と該バックプレートカバーとの間においてパッケージ内部に前記電子装置を封止するバックプレートカバーと、
前記バックプレートカバー又は前記第一の基板の少なくとも一部の上に融合している乾燥剤とを備えた電子装置パッケージ。
【請求項2】
前記乾燥剤が実質的にドライなゼオライト物質を備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項3】
前記ゼオライト物質が略3オングストロームの細孔径を有する、請求項2に記載の電子装置パッケージ。
【請求項4】
前記ゼオライト物質が略3から10オングストロームの間の細孔径を有する、請求項2に記載の電子装置パッケージ。
【請求項5】
前記バックプレートカバー又は前記第一の基板が、略0.5から5.0マイクロメートルの間の厚さの乾燥剤の層を備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項6】
前記乾燥剤が、略3オングストロームの細孔径を有する第一のゼオライト物質と、略3から10オングストロームの間の細孔径を有する第二のゼオライト物質とを備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項7】
前記乾燥剤の略60パーセント以上が、前記第一のゼオライト物質を備える、請求項6に記載の電子装置パッケージ。
【請求項8】
前記乾燥剤が、前記第二のゼオライト物質を略10パーセントから40パーセントの間で備える、請求項6に記載の電子装置パッケージ。
【請求項9】
前記乾燥剤の略60パーセントから80パーセントが前記第一のゼオライト物質を備え、前記乾燥剤の略20パーセントから40パーセントが前記第二のゼオライト物質を備え、前記第二のゼオライト物質が略10オングストロームの細孔径を有する、請求項6に記載の電子装置パッケージ。
【請求項10】
前記第二のゼオライト物質が、フッ素化界面活性剤、シラン、クロロシラン、又は官能化炭化水素を備える、請求項9に記載の電子装置パッケージ。
【請求項11】
前記乾燥剤が、略40パーセントから90パーセントの間のドライなゼオライト物質と、略10パーセントから60パーセントの間のドライな無機バインダとを備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項12】
前記無機バインダが、ベントナイト、シリケート、酸化マグネシウム、及び無機クレイのうち一つを備える、請求項11に記載の電子装置パッケージ。
【請求項13】
前記乾燥剤が、ゼオライト、分子篩、表面吸着剤、バルク吸着剤、及び化学反応体のうち少なくとも一つを備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項14】
前記乾燥剤が、無機酸化物、金属、及び蛍光体のうち一つを備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項15】
前記電子装置がディスプレイ装置を備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項16】
前記電子装置がMEMS装置を備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項17】
前記ディスプレイ装置が有機発光ダイオード装置を備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項18】
前記ディスプレイ装置が干渉変調器ディスプレイ装置を備える、請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項19】
前記電子装置と通信して、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと通信するように構成されたメモリ装置とを更に備えた請求項1に記載の電子装置パッケージ。
【請求項20】
前記電子装置に少なくとも一つの信号を送信するように構成されたドライバ回路を更に備えた請求項19に記載の電子装置パッケージ。
【請求項21】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部を送信するように構成された制御装置を更に備えた請求項20に記載の電子装置パッケージ。
【請求項22】
前記プロセッサに前記画像データを送信するように構成された画像ソースモジュールを更に備えた請求項19に記載の電子装置パッケージ。
【請求項23】
前記画像ソースモジュールが、受信機、送受信機、及び送信機のうち少なくとも一つを備える、請求項22に記載の電子装置パッケージ。
【請求項24】
入力データを受信して、前記プロセッサと前記入力データを通信するように構成された入力装置を更に備えた請求項19に記載の電子装置パッケージ。
【請求項25】
電子装置を備えた第一の基板を提供するステップと、
バックプレートカバーを提供するステップと、
前記バックプレートカバー又は前記第一の基板の少なくとも一部の上に乾燥剤を融合させるステップと、
前記バックプレートカバーを前記第一の基板に結合させて、電子装置を形成するステップとを備えた電子装置の製造方法。
【請求項26】
前記乾燥剤を融合させるステップが、前記乾燥剤をインパクトスプレーするステップを備える、請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記バックプレートカバーの一部を前記乾燥剤で選択的にインパクトスプレーするために、前記バックプレートカバーの上にマスクを提供するステップを更に備えた請求項25に記載の製造方法。
【請求項28】
前記乾燥剤を融合させるステップが、前記乾燥剤をプラズマスプレーするステップを備える、請求項25に記載の製造方法。
【請求項29】
前記電子装置がMEMS装置を備える、請求項25に記載の製造方法。
【請求項30】
前記電子装置が干渉変調器アレイを備える、請求項29に記載の製造方法。
【請求項31】
前記電子装置が有機発光ダイオード装置を備える、請求項25に記載の製造方法。
【請求項32】
前記電子装置が携帯電話を備える、請求項25に記載の製造方法。
【請求項33】
前記電子装置がディスプレイ装置を備える、請求項25に記載の製造方法。
【請求項34】
ディスプレイ装置を支持するための支持手段と、
前記ディスプレイ装置を覆いパッケージを形成するための被覆手段と、
前記パッケージを乾燥させるための乾燥手段とを備えた電子ディスプレイであって、
前記乾燥手段が、前記被覆手段上に融合した乾燥剤を備える、電子ディスプレイ。
【請求項35】
前記支持手段が透明基板を備える、請求項34に記載の電子ディスプレイ。
【請求項36】
前記被覆手段がバックプレートを備える、請求項34に記載の電子ディスプレイ。
【請求項37】
前記乾燥手段が、インパクトスプレーされた乾燥剤を備える、請求項34に記載の電子ディスプレイ。
【請求項38】
前記インパクトスプレーされた乾燥剤がゼオライトを備える、請求項37に記載の電子ディスプレイ。
【請求項39】
融合された乾燥剤を備えた表面。
【請求項40】
前記表面が第二の表面に対して封止されてパッケージを形成し、前記乾燥剤が前記パッケージ内部に融合している、請求項39に記載の表面。
【請求項41】
前記乾燥剤がゼオライトである、請求項39に記載の表面。
【請求項42】
前記表面がガラス表面を備える、請求項39に記載の表面。
【請求項43】
表面に乾燥剤を融合させる方法であって、
表面を提供するステップと、
前記表面上に乾燥剤をインパクトスプレーするステップとを備え、前記乾燥剤が前記表面に融合する、方法。
【請求項44】
前記表面がガラスである、請求項43に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図8A】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図8A】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図9】
【公表番号】特表2012−518277(P2012−518277A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550151(P2011−550151)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/022281
【国際公開番号】WO2010/093522
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.GSM
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/022281
【国際公開番号】WO2010/093522
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.GSM
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]