説明

交通情報配信方法、交通情報配信装置および車載端末装置

【課題】地図情報が更新されたとき、その更新に伴って更新される統計交通情報の量を削減し、その配信に要する通信時間とコストを低減する。
【解決手段】交通情報配信装置10において、更新影響道路リンク抽出部14は、地図情報記憶部21の地図情報が変更されたとき、道路リンクの更新によってリンク旅行時間などの統計交通情報の値が影響を受けると予測される道路リンクを更新影響道路リンクとして抽出する。統計交通情報誤差評価部15は、抽出された更新影響道路リンクについて、統計交通情報記憶部22に記憶されている日種および時間帯ごとの統計交通情報の、現況交通情報受信部19を介して得られる実績交通情報に対する誤差を評価する。更新統計交通情報生成部16は、その誤差が大きいときの日種および時間帯の実績交通情報のみを更新統計交通情報とし、車載端末装置50へ配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路交通状況に係る交通情報をカーナビゲーション装置などの車載端末装置に配信する交通情報配信方法および交通情報配信装置、並びに、その配信された交通情報を受信し、表示装置に表示する車載端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの車両にカーナビゲーション装置が搭載されるようになった。カーナビゲーション装置は、道路の地図情報、各道路における渋滞状況やリンク旅行時間などの交通状況に係る交通情報を記憶装置に記憶し、その記憶した地図情報や交通情報に基づき、ユーザが設定する目的地までの最短経路などを探索し、探索した最短経路などの情報を表示装置に表示する。なお、本明細書では、以下、交差点を「ノード」といい、そのノードで区分された道路を「道路リンク」または単に「リンク」といい、リンクの車両による平均の走行所要時間を「リンク旅行時間」という。
【0003】
通常、カーナビゲーション装置が記憶している地図情報や交通情報は、ユーザが車両またはカーナビゲーション装置を購入したときに、その販売業者などによって提供されたものである。一方、道路は、日々、新しいものが建設され、また、拡幅などの改修が加えられており、そのため、道路地図の実態は頻繁に変化するものであるといえる。そこで、車両またはカーナビゲーション装置の販売業者などは、その販売店やサービスセンタなどにおいて、例えば、半年や1年に1回など定期的に最新の地図情報や交通情報などを更新するサービスを行っている。
【0004】
また、近年は、携帯電話などの通信回線を介して、インターネットなどに接続可能なカーナビゲーション装置が実用に供されている。そのようなカーナビゲーション装置においては、インターネットなどに接続された情報配信センタなどから配信される地図情報や交通情報などの更新情報を受信することができる。しかしながら、地図情報にしても交通情報にしても国内全地域の情報を一度に配信するとなると、その配信情報量が膨大なものとなるため、その通信時間や通信コストがかさむことになる。
【0005】
そこで、その配信情報量を削減するために、配信する地図情報や交通情報が対象とする地域をその車両が走行している周辺の地域に限定したり(例えば、特許文献1)、また、カーナビゲーション装置がそのとき有している地図情報や交通情報に対して変化した部分の情報(差分情報)のみを配信したり(例えば、特許文献2)することが従来から行われていた。
【特許文献1】特開2003−42771号公報
【特許文献2】特開2006−84257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のようにして配信する地図情報や交通情報の情報量を削減することができるようになったものの、実際には、特許文献1に開示された例のように、地図情報の更新情報の配信は行われているが、それに対応する交通情報の配信は行われていない。この特許文献1に開示された例に限らず、地図情報の更新に対応する交通情報の更新情報が配信されない理由の1つは、例えば、新しい道路が開通しても、開通間もない道路では、その道路の渋滞情報やリンク旅行時間などの実績値が得られていないことが多いからである。従って、このような場合、そのカーナビゲーション装置によって探索される最短経路は、必ずしも最短経路でない場合が生じる。これは、ユーザにとっては、カーナビゲーション装置における経路案内の魅力が薄れることを意味する。
【0007】
また、特許文献2には、交通情報の差分配信の例が開示されているが、そこで配信の対象とされている交通情報は、現況の交通情報であり、カーナビゲーション装置が最短経路探索を行うための交通情報ではない。この例の場合、最短経路などの探索は、情報配信センタ側で行うとしている。一般に、最短経路探索を行うためには、現況の交通情報のほかその現況の交通情報を日種(例えば、休日、平日、五十日など)ごと、時間帯ごとに統計をとって得られた統計交通情報が必要とされている。なお、車両またはカーナビゲーション装置の販売業者などが提供する交通情報には、この統計交通情報が含まれている。
【0008】
現況の交通情報の場合には、1項目の交通情報(例えば、リンク旅行時間)の値は、1つの道路リンクに対して1つしか存在しないが、統計交通情報の場合には、1項目の交通情報の値は、1つの道路リンクに対して、(日種の数)×(時間帯の数)だけ存在することになる。従って、統計交通情報は、現況の交通情報に比べ、その情報量が格段に多い。そのため、統計交通情報をカーナビゲーション装置などに配信することは、携帯電話の通信回線などによっては事実上行われていない。
【0009】
以上、従来技術を鑑みると、今なお、従来技術には、地図情報が更新されたとき、その更新に応じた統計交通情報の更新をどのようにして行い、また、その統計交通情報をどのようにして差分配信以上に削減すればよいかという課題があることが分かる。すなわち、本発明の目的は、地図情報が更新されたとき、その更新に応じて更新する更新統計交通情報の情報量を大幅に削減することが可能な交通情報配信方法、交通情報配信装置および車載端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明においては、(1)地図情報において更新された道路リンクについて、その道路リンクが更新(追加、分割、変更、削除など)されたことによって、統計交通情報の値(リンク旅行時間など)が影響を受けると予測される道路リンクを更新影響道路リンクとして抽出し、(2)その抽出した更新影響道路リンクについて、その道路リンクの地図情報の変更後に得られた実績交通情報の平均値に対する統計交通情報の値の誤差が所定の値より大きいか否かを、日種ごとかつ時間帯ごとに評価し、(3)その誤差が所定の値より大きいと評価された道路リンク、日種および時間帯については、その道路リンク、日種および時間帯に対する統計交通情報の値を、それと同じ道路リンク、日種および時間帯に対する実績交通情報の平均値によって更新することによって、更新統計交通情報を生成し、(4)このようにして生成した更新統計交通情報を車載端末装置に配信するようにした。
【0011】
以上本発明によれば、まず第1に、更新統計交通情報を、地図情報における道路リンクの更新によってその統計交通情報の値が影響を受けると予測される道路リンク(更新影響道路リンク)の統計交通情報に限定した。これによって、統計交通情報の更新の対象となる道路リンクが地図情報で更新された道路リンクの近傍の多くとも数10の道路リンクに限られるので、更新統計交通情報の情報量を大きく削減することができる。
【0012】
また、第2に、更新影響道路リンクの統計交通情報についても、その日種および時間帯の統計交通情報が実績交通情報に対する誤差が大きいときのみ、その統計交通情報を更新するようにした。すなわち、道路リンク追加などの影響を受けにくい、例えば、夜間や早朝の統計交通情報を更新しなくてすむので、更新統計交通情報の情報量をさらに削減することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上、本発明によれば、地図情報が更新されたとき、その更新に応じて更新する更新統計交通情報の情報量を大幅に削減することができ、その結果、その更新統計交通情報の配信に要する通信時間とコストを低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0015】
<全体構成>
まず、図1を用いて、全体構成の概略について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る交通情報配信装置および車載端末装置のブロック構成の例を示した図である。
【0016】
図1に示すように、交通情報配信装置10は、インターネットや公衆電話回線網などを含む通信ネットワーク(図示せず)を介して、地図センタ30および交通情報センタ40に接続されるとともに、携帯電話などの無線の通信回線(図示せず)を介して、車両に搭載されたカーナビゲーション装置のような車載端末装置50に接続されている。
【0017】
ここで、地図センタ30は、道路などが新設されたり改修されたりしたときに、地図情報を更新し、その更新した最新の地図情報を、適宜、交通情報配信装置10へ配信する。また、交通情報センタ40は、道路に設置した路上センサや道路を走行中のプローブカーなどから得られる情報を収集し、その収集した情報をリアルタイムで処理して、現況の道路の交通情報(リンク旅行時間や渋滞長など)として、所定の時間ごとに交通情報配信装置10へ配信する。
【0018】
続けて図1を参照して、交通情報配信装置10および車載端末装置50をそれぞれ構成するブロックの機能の概略について説明する。なお、これらのブロックのさらに詳細な機能または処理内容については、図2以降の図を用いて説明する。
【0019】
(交通情報配信装置10のブロック構成および機能概要)
交通情報配信装置10は、最新地図情報受信部11、差分地図情報生成部12、地図情報更新部13、更新影響道路リンク抽出部14、統計交通情報誤差評価部15、更新統計交通情報生成部16、配信要求情報受信部17、更新地図・交通情報配信部18、現況交通情報受信部19などの処理機能ブロックと、地図情報記憶部21、統計交通情報記憶部22、日種カレンダ記憶部23、実績交通情報記憶部24、差分地図情報記憶部25、更新影響道路リンク記憶部26、更新指示情報記憶部27、更新統計交通情報記憶部28などの記憶機能ブロックと、を含んで構成される。
【0020】
ここで、交通情報配信装置10は、図示しない演算処理装置(以下、後記の車載端末装置50の演算処理装置と区別するため、「演算処理装置C」という)と、半導体メモリやハードディスク装置などからなる図示しない記憶装置と、を備えたコンピュータによって構成される。そして、前記の各処理機能ブロック11〜19の機能は、その演算処理装置Cが記憶装置に格納された所定のプログラムを実行することによって実現される。また、各記憶機能ブロック21〜28の機能は、演算処理装置Cが記憶装置に所定の情報を格納したり、記憶装置から所定の情報を読み出したりすることによって実現される。
【0021】
図1において、最新地図情報受信部11は、地図センタ30から、適宜、配信される最新地図情報を受信する。差分地図情報生成部12は、最新地図情報受信部11が受信した最新地図情報と地図情報記憶部21に記憶されている地図情報とを比較し、その差分情報である差分地図情報を生成し、生成した差分地図情報を差分地図情報記憶部25に格納する。また、地図情報更新部13は、差分地図情報生成部12が差分地図情報を差分地図情報記憶部25に格納した後、最新地図情報受信部11が受信した最新地図情報によって、地図情報記憶部21が記憶している地図情報を更新する。
【0022】
一方、現況交通情報受信部19は、交通情報センタ40から所定の時間ごとに配信される現況交通情報を受信し、受信した現況交通情報を、逐次、実績交通情報記憶部24に蓄積する。また、図示しない統計交通情報生成部は、日種カレンダ記憶部23に記憶されている日種カレンダに基づき、実績交通情報記憶部24に蓄積された現況交通情報を日種ごとかつ時間帯ごとに統計処理をし、その統計処理によって求めた統計交通情報を統計交通情報記憶部22に格納する。
【0023】
なお、地図情報更新部13による地図情報記憶部21の地図情報の更新は、最新地図情報受信部11が最新地図情報を受信するたびに行ってもよいが、例えば、図示しない統計交通情報生成部が統計交通情報記憶部22の統計交通情報を一括して更新するときに同期して更新するようにしてもよい。
【0024】
次に、更新影響道路リンク抽出部14は、差分地図情報記憶部25を参照して、地図情報において更新された道路リンク(以下、更新道路リンクという)の情報を読み出す。そして、その更新道路リンクについて、その更新道路リンクが現実に更新(新設、削除、分割、変更など)されたことによって、その交通量(リンク旅行時間や渋滞長などの統計交通情報)が影響を受けると予測される他の道路リンクを、更新影響道路リンクとして抽出し、その抽出した更新影響道路リンクを更新影響道路リンク記憶部26に格納する。
【0025】
なお、更新道路リンクについては、その統計交通情報は、以前には存在しないか、当然変化することになるので、更新影響道路リンク抽出部14は、統計交通情報を更新することを指示する指示情報として、その更新道路リンクの情報を更新指示情報記憶部27に格納する。
【0026】
統計交通情報誤差評価部15は、更新影響道路リンク抽出部14によって抽出された更新影響道路リンクについて、その道路リンクに対して統計交通情報記憶部22に記憶されている統計交通情報(リンク旅行時間、渋滞長など)の値を、更新道路リンクが実際に更新された以降に実績交通情報記憶部24に蓄積されている実績交通情報の平均値と比較して評価する。
【0027】
すなわち、統計交通情報誤差評価部15は、更新影響道路リンク抽出部14によって抽出された更新影響道路リンクについて、日種ごとかつ時間帯ごとに、更新道路リンクが更新された以降に得られた実績交通情報の平均値を真値として、統計交通情報記憶部22に記憶されている統計交通情報の値の誤差を求める。そして、その誤差が所定の値よりも大きい更新影響道路リンクについては、その統計交通情報を更新することを指示する指示情報として、その道路リンクの情報と日種および時間帯の情報とを更新指示情報記憶部27に格納する。
【0028】
更新統計交通情報生成部16は、更新指示情報記憶部27に格納された統計交通情報を更新することを指示する指示情報を読み出して、その指示情報が示す道路リンク、日種および時間帯に対する統計交通情報の値を、それと同じ道路リンク、日種および時間帯に対する前記実績交通情報の平均値によって更新するための更新統計交通情報を生成し、生成した更新統計交通情報を更新統計交通情報記憶部28へ格納する。
【0029】
また、配信要求情報受信部17は、車載端末装置50から送信される地図情報や統計交通情報の更新に係る問合せ情報を受信し、その問合せ情報に含まれる更新情報があるか否かを示す更新有無情報を車載端末装置50へ返信する。続いて、配信要求情報受信部17が車載端末装置50から送信される配信要求情報を受信すると、更新地図・交通情報配信部18は、その配信要求情報に従って、差分地図情報記憶部25に記憶されている差分地図情報や更新統計交通情報記憶部28に記憶されている更新統計交通情報を車載端末装置50へ配信する。
【0030】
(車載端末装置50のブロック構成および機能概要)
図1に示すように、車載端末装置50は、操作入力部51、配信要求情報設定部52、配信要求情報送信部53、更新地図・交通情報受信部54、地図・交通情報更新部55、経路探索部56、自車位置検出部57などの処理機能ブロックと、地図情報記憶部61、統計交通情報記憶部62、日種カレンダ記憶部63などの記憶機能ブロックと、を含んで構成される。
【0031】
ここで、車載端末装置50は、図示しない演算処理装置(以下、「演算処理装置T」という)と、半導体メモリやハードディスク装置などからなる図示しない記憶装置と、を備えたコンピュータによって構成される。そして、前記の各処理機能ブロック51〜57の機能は、演算処理装置Tが記憶装置に格納された所定のプログラムを実行することによって実現される。また、各記憶機能ブロック61〜63の機能は、演算処理装置Tが記憶装置に所定の情報を格納したり、記憶装置から所定の情報を読み出したりすることによって実現される。
【0032】
図1において、操作入力部51は、図示しないスイッチやボタンやリモコン装置などから入力される情報を入力し、その入力した情報によって、配信要求情報設定部52や経路探索部56などの機能を制御する。配信要求情報設定部52は、操作入力部51によって入力される情報に基づき、交通情報配信装置10に対する地図情報や統計交通情報の更新に係る問合せ情報や配信要求情報を設定する。
【0033】
配信要求情報送信部53は、配信要求情報設定部52によって設定された地図情報や統計交通情報の更新に係る問合せ情報や配信要求情報を交通情報配信装置10へ送信するとともに、交通情報配信装置10から送信される更新有無情報を受信する。また、更新地図・交通情報受信部54は、交通情報配信装置10から送信される差分地図情報や更新統計地図情報を受信し、また、地図・交通情報更新部55は、その受信した差分地図情報や更新統計地図情報によって、地図情報記憶部61に記憶されている地図情報や統計交通情報記憶部62に記憶されている統計交通情報を更新する。
【0034】
自車位置検出部57は、図示しないGPS(Global Positioning System)受信機などから入力される情報に基づき、自車位置(車載端末装置50を搭載している車両の位置)を検出する。経路探索部56は、自車位置検出部57によって検出される自車位置から操作入力部51によって設定される目的地までの誘導経路を、地図情報記憶部61、統計交通情報記憶部62、日種カレンダ記憶部63などを参照して探索し、その探索した誘導経路やその誘導経路を含む地図を表示部58によりLCD(Liquid Crystal Display)などからなる図示しない表示装置に表示する。
【0035】
<ブロックの詳細な機能の説明>
続いて、交通情報配信装置10および車載端末装置50を構成する主要なブロックについて、その機能または処理内容を詳細に説明する。
【0036】
(差分地図情報の生成)
まず、図2〜図5を用いて、交通情報配信装置10における差分地図情報生成部12の処理の詳細について説明する。
【0037】
図2は、本実施形態に係る地図情報記憶部21に記憶される地図情報の構成の例を示した図である。図2に示すように、地図情報は、更新日付、データバージョンからなるヘッダ部と、複数のメッシュデータからなるデータ部と、によって構成される。ここで、データバージョンとは、地図情報の更新バージョンを識別する情報である。また、メッシュとは、日本などの地図を所定の大きさのメッシュ状に区分したときの1区画の地図をいい、メッシュデータとは、その地図をあらわす情報をいう。
【0038】
図2において、各メッシュデータは、メッシュIDとリンク情報とノード情報とによって構成される。ここで、メッシュIDは、メッシュを識別する情報であり、また、リンク情報は、交差点などで区分された道路(リンク、または、道路リンクという)に係る情報であり、ノード情報は、交差点など道路をリンクに区分するもの(ノードという)に係る情報である。なお、メッシュデータは、地図をあらわす情報であるので、リンク情報やノード情報のほかに、海岸、山、川などの地形図を表す情報や、建物や施設などの位置を表す情報が含まれてもよい。
【0039】
リンク情報は、当該メッシュに含まれるすべてのリンクのそれぞれの詳細なリンク情報(図2のリンク番号j情報(j=1,…,n))によって構成される。そして、その詳細なリンク情報は、道路種別(国道、県道などの区分)、リンクID、リンク長、始点ノード番号、終点ノード番号、始点ノード座標、終点ノード座標、補間点数、補間点座標の列などからなる情報である。ここで、始点ノード座標、終点ノード座標、補間点座標は、緯度と経度などによって表された地図上の絶対位置を示す情報である。また、補間点座標の列によって、カーブまたは屈曲したリンクを表すことができる。
【0040】
また、ノード情報は、当該メッシュに含まれるすべてのノードのそれぞれの詳細なノード情報(図2のノード番号j情報(j=1,…,m))によって構成される。そして、その詳細なノード情報は、ノード座標、接続リンク数、接続リンク番号の列などからなる情報である。
【0041】
図3は、本実施形態に係る差分地図情報記憶部25に記憶される差分地図情報の構成の例を示した図である。図3に示すように、差分地図情報は、複数のメッシュデータによって構成される。そして、その各メッシュデータは、メッシュIDと1つ以上の更新情報とによって構成され、さらに、その1つの更新情報は、データバージョン、変更日付、差分情報、変更後リンク情報、変更後ノード情報によって構成される。ここで、データバージョンは、変更情報を識別する情報である。
【0042】
また、図3において、差分情報は、複数の変更IDによって構成され、その1つの変更IDは、変更前リンク番号、更新種別、変更後リンク番号1、変更後リンク番号2、追加リンク番号、分割位置情報などによって構成される。この情報の構成から分かるように、1つの変更IDは、道路の変更の対象となったリンクに対応するように設けられ、変更前リンク番号は、その変更の対象となったリンクを識別する情報である。また、更新種別は、次に、図4を用いて説明する道路の変更形態の類型を表した情報である。
【0043】
また、図3において、変更後リンク情報および変更後ノード情報は、差分情報に含まれる変更IDによって示される道路の変更によって変更されたリンクおよびノードに係る情報であり、その詳細な構成情報は、図2で説明した詳細なリンク情報および詳細なノード情報と同じである。
【0044】
図4は、本実施形態に係る道路の変更形態の類型の例を示した図である。図4に示すように、道路の変更形態としては、追加、分割、変更、削除の4つの類型を想定することができる。
【0045】
ここで、図4(a)は、道路の追加と分割の例を示したもので、リンクL1がリンクL11とリンクL12とに分割され、その分割された位置から新しいリンクL13が追加されている。この場合、その分割点は、新しいノードとして追加される。また、図4(b)は、道路変更の例を示したもので、この場合、ノード情報の変更はないが、リンク情報における補間点座標が変更される。また、図4(c)は、道路削除の例を示したもので、この例ではリンクL5が削除されている。この場合、リンクL5の分岐点のノードは残されているが、そのノードは削除してもよい。そのときには、リンクL3およびリンクL4は、1つのリンクに統合される。
【0046】
図5は、本実施形態に係る差分地図情報生成部12における差分地図情報生成処理の流れの例を示した図である。図5に示すように、交通情報配信装置10の演算処理装置Cは、地図センタ30から配信される最新地図情報を受信すると(ステップS11)、その最新地図情報と地図情報記憶部21に記憶されている地図情報との間の差分地図情報の生成を開始する。
【0047】
ここで、最新地図情報および地図情報記憶部21に記憶されている地図情報は、いずれも図2に示したようにメッシュデータとしてメッシュごとに分割されているので、演算処理装置Cは、その双方のメッシュデータをメッシュデータの数だけ繰り返して比較する。図5では、その繰り返し処理をメッシュループ(ステップS12およびステップS16)として表している。すなわち、メッシュループは、演算処理装置Cが2つのループの間に挟まれた処理をメッシュの数だけ繰り返し実行することを表している。なお、同様のループの意味は、以下の図面においても同じである。
【0048】
そこで、演算処理装置Cは、ステップS11に引き続いて、メッシュループ(ステップS12〜ステップS16)を実行する(ステップS12)。すなわち、演算処理装置Cは、当該メッシュの最新地図情報(メッシュデータ)と地図情報記憶部21に記憶されている地図情報(メッシュデータ)とを比較する(ステップS13)。そして、最新地図情報のリンク情報に変更があったときには(ステップS14でYes)、その変更されたリンク情報により、当該メッシュの差分地図情報を生成する(ステップS15)。また、最新地図情報のリンク情報に変更がなかったときには(ステップS14でNo)、差分地図情報の生成処理(ステップS15)をスキップする。
【0049】
なお、差分地図情報の生成処理(ステップS15)においては、変更のあったリンク情報ごとに、変更ID(図3参照)が作成され、その変更に絡んで変更されたリンク情報およびノード情報について、それぞれ変更後リンク情報および変更後ノード情報が作成される。また、このとき受信した最新地図情報に対応して、1つの更新情報が作成され、そのデータバージョンは、最新地図情報に付されたデータバージョンがコピーされる。
【0050】
(更新影響道路リンクの抽出)
以上のようにして、差分地図情報が生成されると、次には、更新影響道路リンクを抽出する。以下、図6〜図9を用いて、更新影響道路リンク抽出部14の処理の詳細について説明する。
【0051】
図6は、本実施形態に係る更新影響道路リンク記憶部26に記憶される更新影響道路リンク情報の構成の例を示した図である。図6に示すように、更新影響道路リンク情報は、複数のメッシュデータによって構成され、各メッシュデータは、1つ以上の更新影響道路リンクに係るリンク情報(図6では、リンク番号1,リンク番号2,…,と記載)によって構成される。また、更新影響道路リンクに係るリンク情報は、リンクID、更新種別、データバージョン、更新日付、日種ごとの評価済みフラグによって構成される。ここで、更新種別は、図4で示した道路の変更形態の類型を示した情報であり、また、日種ごとの評価済みフラグは、次に実行する統計交通情報誤差評価処理で使用するフラグである。
【0052】
図7は、本実施形態に係る更新指示情報記憶部27に記憶される更新指示情報の構成の例を示した図である。図7に示すように、更新指示情報は、複数のメッシュデータによって構成され、各メッシュデータは、道路の変更形態に係る更新種別ごとのリンク情報(追加・削除リンク情報、変更・分割リンク情報、並行・接続リンク情報など)によって構成される。さらに、その更新種別ごとのリンク情報は、1つ以上のリンク情報(図7では、リンク番号1,リンク番号2,…,と記載)によって構成される。
【0053】
図7において、各リンク情報は、更新種別によってその構成が異なるが、いずれの場合もその基本構成として、リンクID、更新種別、データバージョン、更新日付を有する。すなわち、更新種別が追加・削除リンクの場合には、そのリンク情報は、基本構成だけによって構成されるが、更新種別が変更・分割リンクの場合には、基本構成に変更・分割前リンクIDが追加された構成となる。また、並行・接続リンクの場合には、基本構成に更新を要する時間帯情報および日種の情報が追加された構成となる。
【0054】
図8は、本実施形態に係る更新影響道路リンク抽出部14における更新指示情報の登録および更新影響道路リンク抽出の処理の流れの例を示した図である。図8に示すように、交通情報配信装置10の演算処理装置Cは、差分地図情報記憶部25に記憶されている差分地図情報をメモリに読み込む(ステップS21)。ここで、「読み込む」とは、ディスク装置などに書き込まれている情報を読み出して、RAM(Random Access Memory)などの高速の半導体メモリに格納することをいい、以下、本明細書で同じように用いる。
【0055】
次に、演算処理装置Cは、差分地図情報(図3参照)のメッシュデータごとにメッシュループ(ステップS22〜ステップS31)を繰り返し実行する。
【0056】
演算処理装置Cは、そのメッシュループにおいて、差分地図情報(図3参照)の当該メッシュデータの更新情報を参照して、そのデータバージョンまたは更新日時により最新の更新情報があるか否かを判定し、最新の更新情報があったときには(ステップS23でYes)、演算処理装置Cは、差分地図情報の変更IDごとに変更IDループ(ステップS24〜ステップS30)を繰り返し実行する。また、最新の更新情報がなかったときには(ステップS23でNo)、その変更IDループの処理をスキップする。
【0057】
次に、演算処理装置Cは、その変更IDループにおいて、変更IDの更新種別が追加または削除であるか否かを判定し(ステップS25)、その更新種別が追加または削除であったときには(ステップS25でYes)、追加・削除リンク情報を更新指示情報記憶部27に登録し(ステップS26)、更新影響道路リンク抽出処理を実行する(ステップS27:更新影響道路リンク抽出処理の詳細については、図9を用いて説明)。また、変更IDの更新種別が追加または削除でもなく(ステップS25でNo)、変更または分割であったときには(ステップS28でYes)、変更・分割リンク情報を更新指示情報記憶部27に登録する(ステップS29)。また、その更新種別が変更または分割でもなかったときには(ステップS28でNo)、ステップS29の処理をスキップする。
【0058】
図9は、図8における更新影響道路リンク抽出処理(ステップS27)の詳細な処理の流れの例を示した図である。演算処理装置Cは、ステップS26(図8参照)で登録した追加・削除リンク情報のリンクIDを取り出し、そのリンクIDに対応する追加または削除リンクの始点および終点によって基準ベクトルを形成する(ステップS41)。
【0059】
次に、演算処理装置Cは、地図情報記憶部21を参照して、当該追加または削除リンクを含むメッシュを中心メッシュとする3×3=9メッシュ内に含まれるすべてのリンクについて、基準ベクトルとの間のベクトル角θを算出する(ステップS42)。そして、その中から、ベクトル角の絶対値|θ|が所定の値より小さく(例えば、|θ|<45度)、かつ、道路種別が追加または削除リンクの道路種別と同等以上であるリンクを更新影響道路リンクとして抽出する(ステップS43)。さらに、演算処理装置Cは、追加または削除リンクの上流側および下流側にそれぞれ所定の次数以内(例えば、5次以内)のリンクとして接続されるリンクを更新影響道路リンクとして抽出する(ステップS44)。なお、ここでいう次数とは、当該リンクが、追加または削除リンクに接続するまでに自分自身を含め経由するリンクの数をいう。次に、演算処理装置Cは、以上のようにして抽出した更新影響道路リンクを更新影響道路リンク記憶部26に登録する(ステップS45)。
【0060】
(統計交通情報の誤差評価および更新統計交通情報の生成)
続いて、図10〜図15を用いて、統計交通情報誤差評価部15および更新統計交通情報生成部16の処理の詳細について説明する。
【0061】
図10は、本実施形態に係る現況交通情報受信部19によって受信される現況交通情報の構成の例を示した図である。図10に示すように、現況交通情報は、複数のメッシュデータによって構成され、各メッシュデータは、複数のリンク情報によって構成される。また、各リンク情報は、リンクID、リンク長、代表渋滞情報、リンク旅行時間、複数の区間情報などによって構成される。また、各区間情報は、渋滞度、先頭位置、区間長などによって構成される。なお、代表渋滞状況は、区間情報の渋滞情報を統合または要約した情報である。
【0062】
図11は、本実施形態に係る統計交通情報記憶部22に記憶される統計交通情報の構成の例を示した図である。統計交通情報は、現況交通情報受信部19によって受信された現況交通情報が実績交通情報記憶部24に蓄積された上で、日種ごとかつ時間帯ごとに統計処理された情報である。また、渋滞状況は、その程度を示す数、または、渋滞長で表される。
【0063】
図11に示すように、統計交通情報は、日種(日種1,日種2,…,日種Mで表している)ごとの複数のメッシュデータによって構成され、各メッシュデータは、複数のリンク情報によって構成されている。また、各リンク情報は、リンクIDと1日の時間帯ごとの統計データによって構成され、各時間帯の統計データは、リンク旅行時間と渋滞状況とによって構成されている。
【0064】
図12は、本実施形態に係る更新統計交通情報記憶部28に記憶される更新統計交通情報の構成の例を示した図である。更新統計交通情報は、車載端末装置50へ送信されて、その車載端末装置50が保持する統計交通情報を更新するための統計交通情報の差分情報である。
【0065】
図12に示すように、更新統計交通情報は、複数のメッシュデータによって構成され、各メッシュデータは、複数のリンク情報によって構成される。また、各リンクデータは、リンクID、リンク長、データバージョン、更新日付、作成日付、日種ごとのデータ部によって構成される。ここで、データバージョンは、当該リンク情報を作成したときのバージョン情報であり、作成日付は、その統計データを作成したときの日付である。また、更新日付は、当該リンクが地図情報において更新されたときの更新日付である。
【0066】
図12において、日種ごとのデータ部は、母数、時間帯情報、複数の時間帯ごとの統計データによって構成され、各統計データは、リンク旅行時間と渋滞情報とによって構成されている。ここで、母数とは、統計交通データを算出するために使用した実績交通情報の日数である。一般に、母数は、大きければ大きいほど、その統計データの信頼度が向上する。また、時間帯情報は、後続する統計データが存在する時間帯を限定する情報である。例えば、時間帯情報が7:00〜20:30であるときには、統計データはその範囲の時間帯についてのみ、統計データが存在する。
【0067】
図13は、本実施形態に係る統計交通情報誤差評価部15における統計交通情報誤差評価の処理の流れを示した図である。この統計交通情報誤差評価処理を開始するときには、更新影響道路リンク抽出部14の処理によって抽出された更新影響道路リンクが更新影響道路リンク記憶部26に登録された状態にある。そこで、交通情報配信装置10の演算処理装置Cは、まず、更新影響道路リンク記憶部26から更新影響道路リンクを読み込み(ステップS51)、次いで、日種カレンダ記憶部23から日種カレンダを読み込む(ステップS52)。
【0068】
続いて、演算処理装置Cは、読み込んだ更新影響道路リンク情報(図6参照)のメッシュデータおよびリンク情報について、メッシュループ(ステップS53〜ステップS63)を実行し、さらに、そのメッシュループにおいて、そのリンク情報を処理するリンク情報ループ(ステップS54〜ステップS62)を実行する。
【0069】
そこで、演算処理装置Cは、リンク情報ループの処理として、まず、更新影響道路リンク情報における当該リンク情報の評価済みフラグに評価未実施日種があるか否かを判定する(ステップS55)。その判定の結果、評価未実施日種があったときには(ステップS55でYes)、演算処理装置Cは、さらに、実績交通情報記憶手段に蓄積されている実績交通情報に、更新日付以降で評価未実施日種に属する実績交通情報があるか否かを判定する(ステップS56)。
【0070】
その判定の結果、更新日付以降で評価未実施日種に属する実績交通情報があったときには(ステップS56でYes)、演算処理装置Cは、その判定を満たす実績交通情報を読み込む(ステップS57)とともに、対応する日種の統計交通情報を読み込む(ステップS58)。このとき、ステップS56の判定を満たす実績交通情報が複数あったときには、その平均をとって実績交通情報とする。
【0071】
次に、演算処理装置Cは、時間帯ごとに、実績交通情報の値(または、平均値)を真値とした統計交通情報の値の誤差を算出し(ステップS59)、その誤差が所定の値以上のとき、その時間帯情報を更新指示情報記憶部27に登録する(ステップS60)。そして、その登録した日種の評価済みフラグを評価済みに設定する(ステップS61)。
【0072】
一方、演算処理装置Cは、評価済みフラグに評価未実施日種がなかったとき(ステップS55でNo)、または、更新日付以降で評価未実施日種に属する実績交通情報がなかったときには(ステップS56でNo)、ステップS57〜ステップS61の処理をスキップする。
【0073】
以上により、統計交通情報の誤差評価処理を終えると、演算処理装置Cは、次に、更新統計情報生成処理を実行する。図14は、本実施形態に係る更新統計交通情報生成部16における更新統計情報生成処理の流れを示した図である。図14に示すように、演算処理装置Cは、まず、更新指示情報記憶部27から更新指示情報を読み込み(ステップS71)、日種カレンダ記憶部23から日種カレンダを読み込む(ステップS72)。
【0074】
続いて、演算処理装置Cは、読み込んだ更新指示情報(図7参照)のメッシュデータおよびリンク情報について、メッシュループ(ステップS73〜ステップS85)を実行し、さらに、そのメッシュループにおいて、そのリンク情報を処理するリンク情報ループ(ステップS74〜ステップS84)を実行する。
【0075】
そこで、演算処理装置Cは、リンク情報ループの処理として、まず、当該リンク情報の更新種別が削除であるか否かを判定する(ステップS75)。その判定の結果、更新種別が削除でなかったときには(ステップS75でNo)、実績交通情報記憶部24から更新日付以降の実績交通情報を読み込む(ステップS76)。そして、演算処理装置Cは、日種カレンダを参照して、実績交通情報を日種ごとに分類する(ステップS77)。
【0076】
次に、演算処理装置Cは、日種ごとにその実績交通情報があるか否かを判定し(ステップS78)、実績交通情報があったときには(ステップS78でYes)、さらに、更新種別が追加、分割または変更であるか否かを判定する(ステップS79)。その判定の結果、更新種別が追加、分割または変更でなかったときには(ステップS79でNo)、そのリンクは、並行または接続リンクということになるので、並行・接続リンク情報のリンク情報の時間帯情報によって指示される日種と時間帯について、演算処理装置Cは、その分類した実績交通情報に基づき(実績交通情報が複数あるときには、その平均値をとる)、当該日種および時間帯の統計データを作成し(ステップS80)、作成した統計データを更新統計交通情報記憶部28のリンク情報のデータ部に格納する。
【0077】
また、更新種別が追加、分割または変更であったときには(ステップS79でYes)、演算処理装置Cは、前記の分類した実績交通情報に基づき(実績交通情報が複数あるときには、その平均値をとる)、その日種ごとに全時間帯の統計データを作成し(ステップS81)、作成した統計データを更新統計交通情報記憶部28のリンク情報のデータ部に格納する。
【0078】
また、ステップS78で実績交通情報がなかったときには(ステップS78でNo)、演算処理装置Cは、空間補間処理を行って(ステップS82)、そのリンクの統計交通情報を近隣のリンクの統計交通情報から推測する。なお、空間補間処理の詳細な処理の流れについては、次に図15を用いて説明する。
【0079】
また、ステップS75において、更新種別が削除であったときには(ステップS75でYes)、演算処理装置Cは、更新統計交通情報に当該リンクを削除リンクとして登録する(ステップS83)。なお、図12に示した更新統計交通情報の構成において、データ部がないリンク情報は、削除リンクであるとする。
【0080】
図15は、図14における空間補間処理の詳細な処理の流れの例を示した図である。図15に示すように、空間補間処理においては、演算処理装置Cは、まず、当該リンクの下流接続リンクに有意の統計交通情報があるか否かを判定する(ステップS91)。その判定の結果、有意の統計交通情報があったときには(ステップS91でYes)、その下流リンクの交通情報の値で、当該リンクの統計交通情報を補間する(ステップS92)。
【0081】
また、当該リンクの下流接続リンクに有意の統計交通情報がなかったときには(ステップS91でNo)、演算処理装置Cは、さらに、上流接続リンクに有意の統計交通情報があるか否かを判定する(ステップS93)。その判定の結果、有意の統計交通情報があったときには(ステップS93でYes)、その上流リンクの交通情報の値で、当該リンクの統計交通情報を補間する(ステップS94)。
【0082】
また、当該リンクの上流接続リンクにも有意の統計交通情報がなかったときには(ステップS93でNo)、演算処理装置Cは、さらに、当該リンクに並行するリンクに有意の統計交通情報があるか否かを判定する(ステップS95)。その判定の結果、並行するリンクに有意の統計交通情報があったときには(ステップS95でYes)、その並行リンクの交通情報の値で、当該リンクの統計交通情報を補間する(ステップS96)。
【0083】
また、当該リンクの並行するリンクにも有意の統計交通情報がなかったときには(ステップS95でNo)、演算処理装置Cは、当該リンクを含むメッシュ内の他のリンクの統計交通情報で、当該リンクの統計交通情報を補間する(ステップS97)。その場合、その補間値としては、他のリンクの統計交通情報の値の平均値などが用いられる。
【0084】
演算処理装置Cは、以上のようにして統計交通情報の補間値を、日種ごと時間帯ごとに求め、その求めた補間値を更新統計交通情報のデータ部(図12参照)に格納する。
【0085】
(更新統計交通情報の配信)
以上、図2〜図15を用いて、交通情報配信装置10の更新統計交通情報記憶部28に更新統計交通情報が生成されるまでの処理について説明した。続いて、図16〜図26を用いて、交通情報配信装置10がその更新統計交通情報を車載端末装置50へ配信し、車載端末装置50における統計交通情報を更新する処理について詳しく説明する。
【0086】
図16は、本実施形態に係る車載端末装置50の地図情報記憶部61に記憶される地図情報の構成の例を示した図である。図16に示すように、車載端末装置50の地図情報記憶部61に記憶される地図情報の構成は、交通情報配信装置10の地図情報記憶部21に記憶される地図情報の構成(図2参照)とほとんど同じであるが、一部に相違がある。
【0087】
例えば、交通情報配信装置10の地図情報の場合には、データバージョンは、地図情報全体に付されているが、車載端末装置50の地図情報の場合には、メッシュデータごとに付されている。このようにすることにより、メッシュごとに地図情報を更新することができるようになる。従って、車載端末装置50は、当該車両が走行する範囲またはその近隣地域の地図に限定して更新地図情報の配信を受けることができ、配信に係る通信時間や通信費用を低減することができる。また、追加されたリンクやノードに対しては、追加リンク情報または追加ノード情報として、元のリンク情報またはノード情報に追加される。
【0088】
図17は、本実施形態に係る車載端末装置50の統計交通情報記憶部62に記憶される統計交通情報の構成の例を示した図である。車載端末装置50の統計交通情報記憶部62に記憶される統計交通情報の構成は、交通情報配信装置10の統計交通情報記憶部22に記憶される統計交通情報(図11参照)とほとんど同じであるが、一部に相違がある。
【0089】
例えば、車載端末装置50の統計交通情報の場合には、メッシュデータごとに統計データ更新日付と対応地図データバージョンとが付されている。これによって、メッシュごとに統計交通情報を更新することができるようになり、更新統計交通情報の配信に係る通信時間や通信費用を低減することが可能になる。また、統計データには、更新有無フラグと信頼度とが付され、統計データ(リンク旅行時間および渋滞状況)が更新されたときには、その統計データの信頼度を表すことができる。なお、統計データの信頼度は、交通情報配信装置10から配信される更新統計情報の統計データに含まれる母数によって定められる情報である。
【0090】
図18は、本実施形態に係る車載端末装置50における(a)配信モード設定画面、および、(b)ダウンロード確認画面の例を示した図である。図18(a)においては、車載端末装置50が交通情報配信装置10へ地図情報または更新統計交通情報の配信を求める配信モードを設定する(配信センタへの問合せ設定)。まず、配信要求情報欄では、配信を求める情報を選択する。すなわち、最新地図情報のボタンがONされていれば、最新地図情報の配信を求め、最新統計交通情報のボタンがONされていれば、最新統計交通情報の配信を求める。両方のボタンがONされていてもよい。
【0091】
また、検索範囲の欄では、交通情報配信装置10に対し配信を求める最新地図情報または最新統計交通情報の範囲、つまり、配信を求める最新地図情報または最新統計交通情報のメッシュデータを選択するための情報を設定する。ここでは、自車位置からの距離によってその範囲を設定する。
【0092】
また、自動問合せの欄では、車載端末装置50が交通情報配信装置10に情報の配信を求めるタイミングを設定する。すなわち、起動時のボタンがONされていた場合には、車載端末装置50は、電源投入などにより起動されたとき、配信を求めるための問合せ情報を交通情報配信装置10へ送信し、また、経路探索時のボタンがONされていた場合には、車載端末装置50は、経路探索部56により誘導経路の探索を行うとき、その問合せ情報を交通情報配信装置10へ送信する。
【0093】
また、以上のような情報を設定した上で、「設定ボタン」を押すと、その設定した情報が配信モード設定情報として車載端末装置50の記憶装置の所定の領域に記憶される。また、「センタ問合せ」を押すと、そのとき設定した情報に基づき、すぐに問い合わせ情報が交通情報配信装置10へ送信される。また、「戻る」ボタンを押すと、そのとき設定した情報は、すべてキャンセルされる。
【0094】
なお、図18以降においては、交通情報配信装置10を、しばしば「配信センタ」、または、単に「センタ」と表記し、車載端末装置50を、単に「端末」と表記することがある。
【0095】
図18(a)の表示画面により配信モードを設定した後、車載端末装置50が交通情報配信装置10に問合せ情報を送信すると、交通情報配信装置10からその問合せ情報に対する応答として、更新有無情報が送信される。そこで、その更新有無情報に地図情報または統計交通情報に「更新情報あり」の情報が含まれていたときには、車載端末装置50は、図18(b)のような表示画面を表示し、ユーザに対して、地図情報または統計交通情報の配信(ダウンロード)の確認を求める。そこで、ユーザが「ダウンロード」ボタンを押すと、地図情報または統計交通情報の配信が開始される。また、ユーザが「キャンセル」ボタンを押すと、地図情報または統計交通情報の配信指示はキャンセルされる。
【0096】
図19は、本実施形態に係る車載端末装置50の記憶装置に記憶される配信モード設定情報の構成の例を示した図である。図19に示すように、配信モード設定情報は、配信情報要求フラグ、検索範囲、問合せタイミングフラグによって構成される。ここで、配信情報要求フラグは、地図情報要求フラグおよび統計交通情報要求フラグによって構成される。また、問合せタイミングフラグは、起動時フラグおよび経路探索時フラグによって構成される。これらの配信モード設定情報は、それぞれ、図18(a)の配信モード設定画面における配信要求情報、検索範囲、自動問合せ設定の各欄の設定内容に応じて設定される。
【0097】
図20は、本実施形態において車載端末装置50が交通情報配信装置10に対して配信情報の有無を問合せるときの通信情報のフォーマットの例を示した図であり、(a)は、車載端末装置50(端末)から交通情報配信装置10(センタ)へ送信する問合せ情報のフォーマット、(b)は、交通情報配信装置10(センタ)から車載端末装置50(端末)へ送信する更新有無情報のフォーマットを示した図である。
【0098】
図20(a)に示すように、車載端末装置50が交通情報配信装置10へ送信する問合せ情報は、地図情報要求フラグ、統計交通情報要求フラグ、メッシュデータ数からなるヘッダ部と、複数のメッシュデータからなるデータ部と、によって構成される。また、各メッシュデータは、メッシュID、統計データ更新日付、地図データバージョンなどによって構成される。
【0099】
ここで、地図情報要求フラグおよび統計交通情報要求フラグは、配信モード設定情報(図19参照)の地図情報要求フラグおよび統計交通情報要求フラグをコピーした情報である。また、メッシュデータの統計データ更新日付および地図データバージョンは、統計交通情報記憶部62に記憶されている統計交通情報(図17参照)のメッシュデータの統計データ更新日付および地図データバージョンをコピーした情報である。
【0100】
また、図20(b)に示すように、交通情報配信装置10が車載端末装置50へ送信する更新有無情報は、複数のメッシュデータによって構成され、各メッシュデータは、メッシュID、更新地図情報有無フラグおよび更新統計交通情報有無フラグによって構成される。ここで、更新地図情報有無フラグは、地図情報記憶部21に記憶されている地図情報の当該メッシュIDと同じメッシュIDのメッシュデータに付された地図データバージョンが、車載端末装置50から送信された問合せ情報に含まれる当該メッシュIDの地図データバージョンより新しいことを示すフラグであり、当該メッシュデータについて、更新すべき地図情報があることを示す。また、更新統計交通情報有無フラグは、更新統計交通情報記憶部28に記憶されている更新統計交通情報の当該メッシュIDと同じメッシュIDのメッシュデータのリンク情報に付された更新日付が、車載端末装置50から送信された問合せ情報に含まれる統計データ更新日付より新しいことを示すフラグであり、当該メッシュデータについて、更新すべき統計交通情報があることを示す。
【0101】
図21は、本実施形態において車載端末装置50が交通情報配信装置10に対して配信情報を要求するときの通信情報のフォーマットの例を示した図であり、(a)は、車載端末装置50(端末)から交通情報配信装置10(センタ)へ送信する配信要求情報のフォーマット、(b)は、交通情報配信装置10(センタ)から車載端末装置50(端末)へ送信する更新地図情報および更新統計交通情報のフォーマットを示した図である。
【0102】
図21(a)に示すように、車載端末装置50が交通情報配信装置10へ送信する配信要求情報のフォーマットは、図20(a)に示した問合せ情報のフォーマットと実質的には同じである。ただし、実際に送信される配信要求情報の内容は、交通情報配信装置10から送信された更新有無情報の内容によって、問合せ情報とはその内容を変えても構わない。
【0103】
図21(b)に示すように、交通情報配信装置10が車載端末装置50へ送信する更新地図情報および更新統計交通情報は、地図情報更新フラグおよび統計交通情報更新フラグからなるヘッダ部と、更新地図情報および更新統計交通情報からなるデータ部と、によって構成される。ここで、地図情報更新フラグは、データ部に更新地図情報が付加されていることを示し、また、統計交通情報更新フラグは、データ部に更新統計交通情報が付加されていることを示す。
【0104】
なお、更新地図情報のメッシュデータは、差分地図情報記憶部25に記憶されている差分地図情報のメッシュデータのうち、配信要求情報に含まれる当該メッシュデータの地図データバージョンより新しいデータバージョンの更新情報によって構成されている。また、更新統計交通情報のメッシュデータは、更新統計交通情報記憶部28に記憶されている更新統計交通情報のメッシュデータのリンク情報のうち、そのリンク情報に付されている更新日付が配信要求情報に含まれる当該メッシュデータの更新日付よりも新しいリンク情報によって構成されている。
【0105】
図22は、本実施形態に係る車載端末装置50における配信要求情報送信処理の流れの例を示した図である。図22に示すように、車載端末装置50の演算処理装置Tは、まず、図18(a)の配信モード設定画面によって設定された配信モード設定情報を読み込む(ステップS101)。演算処理装置Tは、次に、自車位置を中心に検索範囲設定値(配信モード設定情報の検索範囲の情報として設定された値)を半径とした円に触れるメッシュを特定する(ステップS102)。そして、演算処理装置Tは、統計交通情報記憶部62および地図情報記憶部61を参照して、前記特定したメッシュの統計交通情報の更新日付および地図情報のデータバージョンに基づき、問合せ情報(図20(a)参照)を生成し、その生成した問合せ情報を交通情報配信装置10へ送信する(ステップS103)。
【0106】
次に、演算処理装置Tは、その問合せ情報に対するセンタ(交通情報配信装置10)から応答があるのを待って(ステップS104)、センタから応答があったときには(ステップS104でYes)、応答としてセンタが送信した更新有無情報を受信する(ステップS105)。なお、更新有無情報のフォーマットは、図20(b)に示したとおりである。
【0107】
次に、演算処理装置Tは、受信した更新有無情報を参照して、地図情報および統計交通情報のメッシュデータに更新情報があるか否かを判定し(ステップS106)、更新情報があったときには(ステップS106でYes)、図18(b)のようなダウンロード確認画面を表示する(ステップS107)。そして、演算処理装置Tは、そのダウンロード確認画面において、ダウンロードボタンの押下を受付けたときには(ステップS108でYes)、前記受信した更新有無情報に基づき、配信要求情報を生成し(ステップS109)、生成した配信要求情報をセンタ(交通情報配信装置10)へ送信し(ステップS110)、配信要求情報送信処理を終了する。
【0108】
一方、ステップS106の判定で、更新情報がなかったときには(ステップS106でNo)、演算処理装置Tは、更新情報なしのメッセージを表示画面に表示し(ステップS111)、配信要求情報送信処理を終了する。また、ステップS108でダウンロードボタンの押下を受け付けなかったときには(ステップS108でNo)、そのまますぐに配信要求情報送信処理を終了する。
【0109】
図23は、本実施形態に係る交通情報配信装置10における問合せ情報受信処理の流れの例を示した図である。図23に示すように、交通情報配信装置10の演算処理装置Cは、車載端末装置50から送信される問合せ情報を受信すると(ステップS121)、その問合せ情報に含まれる地図情報要求フラグが1であるか否かを判定する(ステップS122)。その判定の結果、地図情報要求フラグが1であったときには(ステップS122でYes)、演算処理装置Cは、メッシュループ(ステップS123〜ステップS126)を実行する。
【0110】
そのメッシュループにおいて、演算処理装置Cは、当該メッシュの差分地図情報(メッシュデータ)を読み込む(ステップS124)。そして、その差分地図情報のデータバージョン(更新情報に含まれるデータバージョン:図3参照)のほうが問合せ情報に含まれるデータバージョンよりも新しいとき、更新有無情報の更新地図情報有無フラグを1にする(ステップS125)。
【0111】
また、ステップS122における判定の結果、地図情報要求フラグが1でなかったときには(ステップS122でNo)、演算処理装置Cは、メッシュループ(ステップS123〜ステップS126)の処理をスキップする。
【0112】
続いて、演算処理装置Cは、問合せ情報に含まれる統計交通情報要求フラグが1であるか否かを判定する(ステップS127)。その判定の結果、統計交通情報要求フラグが1であったときには(ステップS127でYes)、演算処理装置Cは、メッシュループ(ステップS128〜ステップS133)を実行する。
【0113】
そのメッシュループにおいて、演算処理装置Cは、当該メッシュの更新統計交通情報(メッシュデータ:図12参照)を読み込み(ステップS129)、そのメッシュデータに含まれるリンク情報について、リンク情報ループ(ステップS130〜ステップS132)を実行する。そして、そのリンク情報ループにおいて、演算処理装置Cは、更新統計交通情報の作成日付のほうが問合せ情報に含まれる統計データ更新日付よりも新しいとき、更新有無情報の更新統計交通情報有無フラグを1にする(ステップS131)。
【0114】
また、ステップS127における判定の結果、統計交通情情報要求フラグが1でなかったときには(ステップS127でNo)、演算処理装置Cは、メッシュループ(ステップS128〜ステップS133)の処理をスキップする。
【0115】
続いて、演算処理装置Cは、以上のようにして設定した更新地図情報有無フラグおよび更新統計交通情報有無フラグに基づき、更新有無情報を生成し、生成した更新有無情報を車載端末装置50へ送信し(ステップS134)、問合せ情報受信処理を終了する。
【0116】
図24は、本実施形態に係る交通情報配信装置10における更新地図情報・統計交通情報生成処理の流れの例を示した図である。図24に示すように、演算処理装置Cは、車載端末装置50から送信される配信要求情報を受信すると(ステップS141)、その配信要求情報に含まれる地図情報要求フラグが1であるか否かを判定する(ステップS142)。その判定の結果、地図情報要求フラグが1であったときには(ステップS142でYes)、演算処理装置Cは、メッシュループ(ステップS143〜ステップS146)を実行する。
【0117】
そのメッシュループにおいて、演算処理装置Cは、当該メッシュの差分地図情報(メッシュデータ)を読み込む(ステップS144)。そして、当該メッシュについて、配信要求情報に含まれるデータバージョンより新しい差分地図情報をマージして、更新地図情報を生成する(ステップS145)。ここで、差分地図情報をマージするとは、差分地図情報記憶部25に記憶された差分情報の更新情報をマージすることをいう。ただし、その更新情報に付されたデータバージョンは、配信要求情報に含まれる当該メッシュのデータバージョンより新しいものに限る。
【0118】
また、ステップS142における判定の結果、地図情報要求フラグが1でなかったときには(ステップS142でNo)、演算処理装置Cは、メッシュループ(ステップS143〜ステップS146)の処理をスキップする。
【0119】
続いて、演算処理装置Cは、配信要求情報に含まれる統計交通情報要求フラグが1であるか否かを判定する(ステップS147)。その判定の結果、統計交通情報要求フラグが1であったときには(ステップS147でYes)、演算処理装置Cは、メッシュループ(ステップS148〜ステップS153)を実行する。
【0120】
そのメッシュループにおいて、演算処理装置Cは、当該メッシュの更新統計交通情報(メッシュデータ:図12参照)を読み込み(ステップS149)、そのメッシュデータに含まれるリンク情報について、リンク情報ループ(ステップS150〜ステップS152)を実行する。そして、そのリンク情報ループにおいて、演算処理装置Cは、当該リンク情報の作成日付が配信要求情報に含まれる更新日付より新しく、かつ、地図データバージョンがそのリンク情報に対応しているとき、当該リンク情報を配信情報(図21(b)参照)に追加する(ステップS151)。
【0121】
また、ステップS147における判定の結果、統計交通情情報要求フラグが1でなかったときには(ステップS147でNo)、演算処理装置Cは、メッシュループ(ステップS148〜ステップS153)の処理をスキップする。
【0122】
以上の処理により、演算処理装置Cは、更新地図情報および更新統計交通情報を含んだ車載端末装置50への配信情報(図21(b)参照)が生成されたことになる。
【0123】
図25は、本実施形態に係る車載端末装置50における更新地図情報受信後の地図情報更新処理の流れの例を示した図である。図25に示すように、車載端末装置50の演算処理装置Tは、交通情報配信装置10から配信される更新地図情報を受信すると(ステップS161)、地図情報更新フラグが1であるか否かを判定する(ステップS162)。その判定の結果、地図情報更新フラグが1であったときには(ステップS162でYes)、演算処理装置Tは、メッシュループ(ステップS163〜ステップS174)を実行する。
【0124】
そのメッシュループにおいて、演算処理装置Tは、地図情報記憶部61および統計交通情報記憶部62から当該メッシュの地図情報および統計交通情報を読み込む(ステップS164)。そして、その地図情報(メッシュデータ)のデータバージョンと更新日付を更新し(ステップS165)、統計交通情報の対応地図データバージョンを更新する(ステップS166)。
【0125】
次に、演算処理装置Tは、差分地図情報の変更IDについて、変更IDループ(ステップS167〜ステップS173)を実行する。その変更IDループにおいて、演算処理装置Tは、当該変更IDに含まれる更新種別が削除であるか否かを判定する(ステップS168)。その判定の結果、更新種別が削除でなかったときには(ステップS168でNo)、演算処理装置Tは、変更前リンク番号の情報を地図情報と統計交通情報とから削除し(ステップS169)、変更後リンク情報と変更後ノード情報とを地図情報に追加し(ステップS170)、さらに、統計交通情報の変更後リンク情報の統計データに不明値設定情報を追加し(ステップS171)、当該変更IDループを終える。
【0126】
また、ステップS168の判定の結果、更新種別が削除であったときには(ステップS168でYes)、演算処理装置Tは、地図情報と統計交通情報とから当該リンク情報を削除し(ステップS172)、当該変更IDループを終える。
【0127】
また、ステップS162の判定の結果、地図情報更新フラグが1でなかったときには(ステップS162でNo)、演算処理装置Tは、メッシュループ(ステップS163〜ステップS174)の実行をスキップする。
【0128】
以上の図25に示した処理を演算処理装置Tが実行することによって、地図情報記憶部61に記憶されている地図情報が最新のものに更新される。
【0129】
図26は、本実施形態に係る車載端末装置50における更新統計交通情報受信後の統計交通情報更新処理の流れの例を示した図である。図26に示すように、車載端末装置50の演算処理装置Tは、交通情報配信装置10から配信される更新統計交通情報を受信すると(ステップS181)、統計交通情報更新フラグが1であるか否かを判定する(ステップS182)。その判定の結果、統計交通情報更新フラグが1であったときには(ステップS182でYes)、演算処理装置Tは、メッシュループ(ステップS183〜ステップS193)を実行する。
【0130】
そのメッシュループにおいて、演算処理装置Tは、統計交通情報記憶部62から当該メッシュの統計交通情報を読み込み(ステップS184)、その統計交通情報(メッシュデータ)の対応地図データバージョンと更新日付を更新する(ステップS185)。
【0131】
次に、演算処理装置Tは、更新統計交通情報のリンク情報について、リンク情報ループ(ステップS186〜ステップS192)を実行する。そのリンク情報ループにおいて、演算処理装置Tは、当該リンク情報に含まれる更新種別が削除であるか否かを判定する(ステップS187)。その判定の結果、更新種別が削除でなかったときには(ステップS187でNo)、演算処理装置Tは、統計交通情報記憶部62に記憶されている統計交通情報の当該リンク情報についての統計データのリンク旅行時間と渋滞状況とを更新し(ステップS188)、更新有無フラグを有に変更する(ステップS189)。さらに、更新統計交通情報の当該リンク情報の母数が所定数(例えば、10)未満であったとき、その統計データの信頼度を「低」とし、その母数が所定数(例えば、10)以上であったとき、その統計データの信頼度を「高」とする(ステップS190)。そして、その信頼度を統計交通情報の当該リンク情報の統計データに格納し、当該リンク情報ループを終える。
【0132】
また、ステップS187の判定の結果、更新種別が削除であったときには(ステップS187でYes)、演算処理装置Tは、地図情報と統計交通情報とから当該リンク情報を削除し(ステップS191)、当該変更IDループを終える。
【0133】
また、ステップS182の判定の結果、統計交通情報更新フラグが1でなかったときには(ステップS182でNo)、演算処理装置Tは、メッシュループ(ステップS183〜ステップS193)の実行をスキップする。
【0134】
以上の図26に示した処理を演算処理装置Tが実行することによって、統計交通情報記憶部62に記憶されている統計交通情報が最新のものに更新される。
【0135】
続いて、図27を参照して、車載端末装置50の統計交通情報記憶部62に記憶されている統計交通情報の利用の仕方の一例について説明する。ここで、図27は、車載端末装置50が経路探索部56で誘導経路を探索するときの誘導経路探索オプションを設定する表示画面の例を示した図である。
【0136】
図26までの図を用いて説明したように、統計交通情報記憶部62の統計交通情報は、道路が新設、改修または廃止されたときなどには、その影響を考慮した実績交通データに基づき更新される。しかしながら、例えば、道路が新設されて実績交通データを取得する間もなく統計交通情報が更新されたような場合には、その新設された道路の統計交通データは、実績交通データの母数が少ないために、その信頼性を充分に確保することができないことがある。
【0137】
そこで、本実施形態では、図17に示したように、統計交通情報記憶部62に記憶されている統計交通情報の各日種の各リンクの各時間帯の統計データは、リンク旅行時間、渋滞状況といった交通データそのもののほかに、その統計データが更新されたものであることを示す更新有無フラグと信頼度を示すデータとを有している。すなわち、本実施形態では、この信頼度を示すデータを用いて、ユーザがその信頼度の低い統計データを利用しないで済むようにすることができる。
【0138】
例えば、誘導経路を車載端末装置50は、ユーザが設定する目的地までの誘導経路を探索する前に、図27(a)のような誘導経路探索オプション設定の表示画面を表示する。そして、その表示画面には、経路探索を実施する条件、例えば、距離優先か/時間優先か、高速道路優先か/一般道路優先か、などを設定する条件とともに、実績データ数が少ない新しい道路を利用するか/利用しないかの条件を選択するためのボタンを表示するようにしておく。
【0139】
そこで、ユーザが、実績データ数が少ない新しい道路を「利用する」のボタンを押したときには、経路探索部56は、統計交通情報部62の統計交通情報におけるリンクの統計データの信頼度のデータの如何にかかわらず、そこに記憶されているリンク旅行時間を用いて誘導経路探索を行う。一方、ユーザが「利用しない」のボタンを押したときには、経路探索部56は、統計交通情報部62の統計交通情報における各リンクの統計データの信頼度のデータを判定し、その信頼度が「低」であったときには、そのリンクのリンク旅行時間に非常に大きな旅行時間を設定して誘導経路探索を行う。すなわち、経路探索部56は、そのリンク(つまり、実績データ数が少ない新しい道路)は、存在しないものとして誘導経路探索を行う。このようにして、ユーザは、信頼度の低い統計データの利用を回避することができる。
【0140】
なお、実績データ数が少ない新しい道路を利用するか/利用しないかの条件設定については、図27(b)のような表示画面を用いて行うこともできる。すなわち、車載端末装置50は、所定のメニュー画面によって経路探索を指示する入力を受け付けるたびに、図27(b)のような表示画面を表示して、ユーザに新しい道路を利用するか/利用しないかの情報の入力を求める。この場合、統計交通情報部62に記憶されている統計交通情報に信頼度が「低」のデータが含まれていないときには、図27(b)の表示画面の表示は省略してもよい。
【0141】
また、本実施形態においては、交通情報配信装置10が各リンク、各日種、各時間帯について取得した実績交通情報の数(母数)を統計交通情報記憶部28に記憶しておき(図12参照)、車載端末装置50がその母数に基づき、各リンク、各日種、各時間帯の統計データの信頼度を設定している(図26のステップS190)が、実績交通情報の数(母数)に代えて、実績交通情報に含まれる例えばリンク旅行時間の統計上の分散を交通データの信頼度の目安として利用してもよい。すなわち、交通情報配信装置10は、各リンク、各日種、各時間帯について取得した実績交通情報に含まれるリンク旅行時間の分散を求め、その分散の値を統計交通情報記憶部28に記憶しておく。そして、その統計交通情報を受信した車載端末装置50は、その分散の値が所定の値より大きいとき、統計データの信頼性が「低」と判定し、分散の値が所定の値以下のとき、統計データの信頼性が「高」と判定し、その結果を統計交通情報62に記憶する。
【0142】
以上、本実施形態によれば、交通情報配信装置10は、更新影響道路リンク抽出処理(図8および図9参照)を実行することによって、地図情報において更新されたリンクに対して、そのリンクの更新によってリンク旅行時間などの交通情報が影響を受けると予測される道路リンクを抽出し、その道路リンクの統計交通情報のみを更新するようにした。
【0143】
また、交通情報配信装置10は、統計交通情報誤差評価処理(図13参照)を実行することによって、前記抽出した更新影響道路リンクの日種ごとかつ時間帯ごとの統計データを、道路リンク更新後に得られた実績交通情報に基づき誤差評価し、その誤差が大きい日種ごとかつ時間帯ごとの統計交通情報のみを送信するようにした。
【0144】
以上のようにして、更新統計交通情報は、対象となるリンクを削減し(空間的削減)、日種および時間帯を削減する(時間軸上での削減)ことになるので、交通情報配信装置10から車載端末装置50に配信される更新統計交通情報の情報量を大きく削減することができる。その結果、配信に係る通信時間および通信費用を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の実施形態に係る交通情報配信装置および車載端末装置のブロック構成の例を示した図である。
【図2】本実施形態に係る地図情報記憶部に記憶される地図情報の構成の例を示した図である。
【図3】本実施形態に係る差分地図情報記憶部に記憶される差分地図情報の構成の例を示した図である。
【図4】本実施形態に係る道路の変更形態の類型の例を示した図である。
【図5】本実施形態に係る差分地図情報生成部における差分地図情報生成処理の流れの例を示した図である。
【図6】本実施形態に係る更新影響道路リンク記憶部に記憶される更新影響道路リンク情報の構成の例を示した図である。
【図7】本実施形態に係る更新指示情報記憶部に記憶される更新指示情報の構成の例を示した図である。
【図8】本実施形態に係る更新影響道路リンク抽出部における更新指示情報の登録および更新影響道路リンク抽出の処理の流れの例を示した図である。
【図9】図8における更新影響道路リンク抽出処理の詳細な処理の流れの例を示した図である。
【図10】本実施形態に係る現況交通情報受信部によって受信される現況交通情報の構成の例を示した図である。
【図11】本実施形態に係る統計交通情報記憶部に記憶される統計交通情報の構成の例を示した図である。
【図12】本実施形態に係る更新統計交通情報記憶部に記憶される更新統計交通情報の構成の例を示した図である。
【図13】本実施形態に係る統計交通情報誤差評価部における統計交通情報誤差評価の処理の流れを示した図である。
【図14】本実施形態に係る更新統計交通情報生成部における更新統計情報生成処理の流れを示した図である。
【図15】図14における空間補間処理の詳細な処理の流れの例を示した図である。
【図16】本実施形態に係る車載端末装置の地図情報記憶部に記憶される地図情報の構成の例を示した図である。
【図17】本実施形態に係る車載端末装置の統計交通情報記憶部に記憶される統計交通情報の構成の例を示した図である。
【図18】本実施形態に係る車載端末装置における(a)配信モード設定画面、および、(b)ダウンロード確認画面の例を示した図である。
【図19】本実施形態に係る車載端末装置の記憶装置に記憶される配信モード設定情報の構成の例を示した図である。
【図20】本実施形態において車載端末装置が交通情報配信装置に対して配信情報の有無を問合せるときの通信情報のフォーマットの例を示した図である。
【図21】本実施形態において車載端末装置が交通情報配信装置に対して配信情報を要求するときの通信情報のフォーマットの例を示した図である。
【図22】本実施形態に係る車載端末装置における配信要求情報送信処理の流れの例を示した図である。
【図23】本実施形態に係る交通情報配信装置における問合せ情報受信処理の流れの例を示した図である。
【図24】本実施形態に係る交通情報配信装置における更新地図情報・統計交通情報生成処理の流れの例を示した図である。
【図25】本実施形態に係る車載端末装置における更新地図情報受信後の地図情報更新処理の流れの例を示した図である。
【図26】本実施形態に係る車載端末装置における更新統計交通情報受信後の統計交通情報更新処理の流れの例を示した図である。
【図27】本実施形態に係る車載端末装置が経路探索部で誘導経路を探索するときの誘導経路探索オプションを設定する表示画面の例を示した図である。
【符号の説明】
【0146】
10 交通情報配信装置
11 最新地図情報受信部
12 差分地図情報生成部
13 地図情報更新部
14 更新影響道路リンク抽出部
15 統計交通情報誤差評価部
16 更新統計交通情報生成部
17 配信要求情報受信部
18 更新地図・交通情報配信部
19 現況交通情報受信部
21 地図情報記憶部
22 統計交通情報記憶部
23 日種カレンダ記憶部
24 実績交通情報記憶部
25 差分地図情報記憶部
26 更新影響道路リンク記憶部
27 更新指示情報記憶部
28 更新統計交通情報記憶部
30 地図センタ
40 交通情報センタ
50 車載端末装置
51 操作入力部
52 配信要求情報設定部
53 配信要求情報送信部
54 更新地図・交通情報受信部
55 交通情報更新部
56 経路探索部
57 自車位置検出部
58 表示部
61 地図情報記憶部
62 統計交通情報記憶部
63 日種カレンダ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路交通状況に係る所定の交通情報を車両に搭載された車載端末装置に個別に配信するコンピュータの交通情報配信方法であって、
前記コンピュータは、
所定の地域の道路リンクの地図情報を記憶した地図情報記憶手段と、
前記道路リンクについて所定の時間ごとに取得される現況の実績交通情報を、日時情報で識別する時系列の情報として記憶する実績交通情報記憶手段と、
前記実績交通情報記憶手段に記憶された実績交通情報に基づき、その実績交通情報を日種ごとかつ時間帯ごとに統計処理した統計交通情報を記憶する統計交通情報記憶手段と、
を備え、
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報において前記道路リンクの地図情報が更新されたときには、その地図情報の更新によって統計交通情報の値が影響を受けると予測される他の道路リンクを更新影響道路リンクとして抽出する更新影響道路リンク抽出ステップと、
前記更新影響道路リンク抽出ステップにおいて抽出された更新影響道路リンクについて、前記道路リンクの地図情報の変更後に得られた実績交通情報の平均値に対する前記統計交通情報の値の誤差が所定の値より大きいか否かを、日種ごとかつ時間帯ごとに評価する統計交通情報誤差評価ステップと、
前記統計交通情報誤差評価ステップにおいて前記誤差が前記所定の値より大きいと評価された前記道路リンク、日種および時間帯については、その道路リンク、日種および時間帯に対する前記統計交通情報の値を、それと同じ道路リンク、日種および時間帯に対する前記実績交通情報の平均値によって更新するための更新統計交通情報を生成する更新統計交通情報生成ステップと、
前記更新統計交通情報生成ステップにおいて生成された更新統計交通情報を前記車載端末装置に配信する更新統計交通情報配信ステップと、
を実行すること
を特徴とする交通情報配信方法。
【請求項2】
前記コンピュータは、
前記更新影響道路リンク抽出ステップにおいて、
前記地図情報の更新対象の道路リンクを含む所定の範囲内にある道路リンクであって、
その道路リンクが所定数以下の他の道路リンクを介して前記更新対象の道路リンクに接続している道路リンク、または、
その道路リンクの方向が前記更新対象の道路リンクの方向に対してなす角度が所定の角度より小さい道路リンク
を更新影響道路リンクとして抽出すること
を特徴とする請求項1に記載の交通情報配信方法。
【請求項3】
前記コンピュータは、
前記更新統計交通情報配信ステップにおいては、
前記更新統計交通情報生成ステップで生成された更新統計交通情報の生成日時情報が、前記車載端末装置から送信された更新要求情報に含まれるその車載端末装置が有する更新統計交通情報の生成日時情報より新しいときに、前記更新統計交通情報を前記車載端末装置に配信すること
を特徴とする請求項1に記載の交通情報配信方法。
【請求項4】
道路交通状況に係る所定の交通情報を車両に搭載された車載端末装置に個別に配信する交通情報配信装置であって、
所定の地域の道路リンクの地図情報を記憶した地図情報記憶手段と、
前記道路リンクについて所定の時間ごとに取得される現況の実績交通情報を、日時情報で識別する時系列の情報として記憶する実績交通情報記憶手段と、
前記実績交通情報記憶手段に記憶された実績交通情報に基づき、その実績交通情報を日種ごとかつ時間帯ごとに統計処理した統計交通情報を記憶する統計交通情報記憶手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報において前記道路リンクの地図情報が更新されたときには、その地図情報の更新によって統計交通情報の値が影響を受けると予測される他の道路リンクを更新影響道路リンクとして抽出する更新影響道路リンク抽出手段と、
前記更新影響道路リンク抽出手段によって抽出された更新影響道路リンクについて、前記道路リンクの地図情報の変更後に得られた実績交通情報の平均値に対する前記統計交通情報の値の誤差が所定の値より大きいか否かを、日種ごとかつ時間帯ごとに評価する統計交通情報誤差評価手段と、
前記統計交通情報誤差評価手段によって前記誤差が前記所定の値より大きいと評価された前記道路リンク、日種および時間帯については、その道路リンク、日種および時間帯に対する前記統計交通情報の値を、それと同じ道路リンク、日種および時間帯に対する前記実績交通情報の平均値によって更新するための更新統計交通情報を生成する更新統計交通情報生成手段と、
前記更新統計交通情報生成手段によって生成された更新統計交通情報を前記車載端末装置に配信する更新統計交通情報配信手段と、
を備えたこと
を特徴とする交通情報配信装置。
【請求項5】
前記更新影響道路リンク抽出手段は、
前記地図情報の更新対象の道路リンクを含む所定の範囲内にある道路リンクであって、
その道路リンクが所定数以下の他の道路リンクを介して前記更新対象の道路リンクに接続している道路リンク、または、
その道路リンクの方向が前記更新対象の道路リンクの方向に対してなす角度が所定の角度より小さい道路リンク
を更新影響道路リンクとして抽出すること
を特徴とする請求項4に記載の交通情報配信装置。
【請求項6】
前記更新統計交通情報配信手段は、
前記更新統計交通情報生成手段によって生成された更新統計交通情報の生成日時情報が、前記車載端末装置から送信された更新要求情報に含まれるその車載端末装置が有する更新統計交通情報の生成日時情報より新しいときに、前記更新統計交通情報を前記車載端末装置に配信すること
を特徴とする請求項4に記載の交通情報配信装置。
【請求項7】
入力装置と表示装置とを備え、交通情報配信装置から配信される道路交通状況に係る交通情報を受信して、その受信した交通情報を表示装置に表示する車載端末装置であって、
所定の地域の道路リンクの地図情報を記憶した地図情報記憶手段と、
前記道路リンクについて所定の時間ごとに取得された現況の実績交通情報に基づき、その実績交通情報を日種ごとかつ時間帯ごとに統計処理した統計交通情報を記憶した統計交通情報記憶手段と、
前記交通情報配信装置に対して更新統計交通情報の配信を求める情報である配信要求情報を設定する配信要求情報設定手段と、
前記交通情報配信装置へ前記配信要求情報を送信する配信要求情報送信手段と、
前記配信要求情報を受信した前記交通情報配信装置から配信される更新統計交通情報を受信する更新統計交通情報受信手段と、
前記受信した更新統計交通情報に基づき前記統計交通情報記憶手段に記憶している統計交通情報を更新する統計交通情報更新手段と、
を備え、
前記配信要求情報設定手段は、
前記入力装置から入力される情報に基づき、前記交通情報配信装置に配信を求める更新統計交通情報の対象地域を指定する情報を、前記配信要求情報に設定すること
を特徴とする車載端末装置。
【請求項8】
前記更新統計交通情報受信手段は、
前記交通情報配信装置から配信すべき更新統計交通情報があることを示す情報を受信したときに、前記表示装置に前記更新統計交通情報の配信の受け入れ可否を選択する選択ボタンを表示し、前記入力装置を介して入力された前記更新統計交通情報の配信の受け入れ可否の選択情報を前記交通情報配信装置に送信すること
を特徴とする請求項7に記載の車載端末装置。
【請求項9】
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報と、前記統計交通情報記憶手段に記憶された統計交通情報と、前記入力装置から入力される目的地の情報と、に基づき、その目的地までの誘導経路を探索し、その探索した誘導経路を前記表示装置に表示する経路探索手段を、さらに、備え、
前記経路探索手段は、
前記誘導経路を探索する前に、前記統計交通情報記憶手段に記憶されている統計交通情報のうち統計上の信頼度が低い統計交通情報の利用可否を選択するボタンを、前記表示装置に表示し、前記入力装置から利用否を示すボタンを選択する入力がされたときには、前記統計上の信頼度が低い統計交通情報を除外して前記誘導経路の探索を行うこと
を特徴とする請求項7に記載の車載端末装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−152577(P2008−152577A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340530(P2006−340530)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】