作業車両
【課題】走行安定性の向上、製造コストの低減、変速性能の向上、ミッドマウント対地作業機25の揚げスペース確保等を簡単に達成できるようにした作業車両を提供しようとするものである。
【解決手段】前輪6及び後輪7にて走行自在に支持された走行機体2に、対地作業機25,31を装設する作業車両において、原動機5を搭載した走行機体2の前部に変速機8を配置し、原動機5の動力が変速機8を介して前輪6に伝達されるように構成したものである
【解決手段】前輪6及び後輪7にて走行自在に支持された走行機体2に、対地作業機25,31を装設する作業車両において、原動機5を搭載した走行機体2の前部に変速機8を配置し、原動機5の動力が変速機8を介して前輪6に伝達されるように構成したものである
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばフロントローダなどの土工作業機又はロータリ耕耘作業機などの農作業機を着脱可能に装設して、土工作業又は農作業などの対地作業を行うトラクタ等の作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、前輪及び後輪にて走行自在に支持した走行機体に、フロントローダ機などを装設するトラクタがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−112233号公報
【特許文献2】特開2004−330982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術では、走行機体の前部にエンジンを設け、走行機体の後部にミッションケースを設け、エンジンからミッションケースを介して後輪に駆動力を伝達していた。走行機体の前部にフロントローダを装設した場合、走行機体の前方側が後方側よりも重くなる。そのため、ローダ作業において、バケット荷重によって走行機体が前傾姿勢になり、後輪の接地圧力が不足する等の走行性能上の問題がある。したがって、走行機体の後部にバランス用ウエイト(ロータリ耕耘作業機など)を搭載して、走行機体の前後バランスを是正する必要がある等の問題がある。また、前輪と後輪の間に芝刈り機を搭載した場合、エンジンからミッションケースに駆動力を伝達する伝動機構が芝刈り機の上方に配置されるから、伝動機構によって芝刈り機の持上げ高さが制限される等の問題がある。
【0005】
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施した作業車両を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明の作業車両は、前輪及び後輪にて走行自在に支持された走行機体に、対地作業機を装設する作業車両において、原動機を搭載した前記走行機体の前部に変速機を配置し、前記原動機の動力が前記変速機を介して前記前輪に伝達されるように構成したものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記原動機としてのエンジンを、前記走行機体の前部に搭載したものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記変速機としての走行用油圧ポンプ及び油圧モータを備え、前記走行機体に前記走行用油圧ポンプを配置し、前記前輪が支持されたフロントアクスルケースに前記走行用油圧モータを配置し、操縦ハンドルにて操舵する前記前輪が前記走行用油圧モータによって駆動されるように構成したものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記走行用油圧ポンプを主変速制御する主変速操作具と、前記走行用油圧モータを副変速制御する副変速操作具とを設けたものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記原動機としての電動モータを、前記走行機体の前部に搭載したものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、前輪及び後輪にて走行自在に支持された走行機体に、対地作業機を装設する作業車両において、原動機を搭載した前記走行機体の前部に変速機を配置し、前記原動機の動力が前記変速機を介して前記前輪に伝達されるように構成したものであるから、前記走行機体の前部重量によって前記前輪の接地圧力を維持して、前記前輪の移動推進力を簡単に確保できる。走行安定性の向上、製造コストの低減、変速性能の向上、ミッドマウント対地作業機の揚げスペース確保等を簡単に達成できる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、前記原動機としてのエンジンを、前記走行機体の前部に搭載したものであるから、前記走行機体の後部に走行用油圧ポンプを搭載して、機体の前後バランスを維持したり、前記エンジンに前記走行用油圧ポンプを直結して、駆動部のコンパクト化やコスト低下を図れる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、前記変速機としての走行用油圧ポンプ及び油圧モータを備え、前記走行機体に前記走行用油圧ポンプを配置し、前記前輪が支持されたフロントアクスルケースに前記走行用油圧モータを配置し、操縦ハンドルにて操舵する前記前輪が前記走行用油圧モータによって駆動されるように構成したものであるから、前記フロントアクスルケースを利用して前記走行用油圧モータをコンパクトに設置できる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、前記走行用油圧ポンプを主変速制御する主変速操作具と、前記走行用油圧モータを副変速制御する副変速操作具とを設けたものであるから、製造コストの低減、変速性能の向上等を簡単に達成できる。各種対地作業に適した移動速度を容易に得ることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記原動機としての電動モータを、前記走行機体の前部に搭載したものであるから、前記電動モータに前記走行用油圧ポンプを直結して、駆動部のコンパクト化やコスト低下を図ることができる。排気ガス対策などが不要になり、かつ軽量化などを容易に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態を示すトラクタの外観側面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】同側面説明図である。
【図4】同前車輪部の平面説明図である。
【図5】同駆動系統図である。
【図6】本発明の第2実施形態を示すトラクタの外観側面図である。
【図7】同平面図である。
【図8】同側面説明図である。
【図9】同前車輪部の平面説明図である。
【図10】同駆動系統図である。
【図11】本発明の第3実施形態を示すトラクタの駆動系統図である。
【図12】図3の変形構造を示す側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態を図面に基づいて詳述する。図1はトラクタ1の外観側面図、図2は同平面図、図3は同正面図である。トラクタ1の進行方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく進行方向に向かって右側を単に右側と称する。トラクタ1の車体フレーム2の前部に、フロントアクスルケース3を介して、一対の左右前輪6が支持されている。トラクタ1の車体フレーム2の後部に、リヤアクスルケース4を介して、一対の左右後輪7が支持されている。
【0018】
車体フレーム2の前部には、原動機としてのエンジン5が搭載されている。エンジン5にミッションケース8が付設されている。エンジン5からミッションケース8を介して前輪6に駆動力を伝達することにより、トラクタ1は前後進走行するように構成されている。エンジン5はボンネット9にて覆われている。
【0019】
ボンネット9の上面後部には、操縦ハンドル11を有する操縦コラム部10が配置されている。この場合、操縦ハンドル11を回動操作すると、その操作量(回動量)に応じて左右前輪6が操舵されるように構成されている。車体フレーム2後部の上面に操縦座席14が設けられている。操縦座席14の左側方に主変速レバー12を配置する。操縦座席14の左側方に副変速レバー13を配置する。なお、操縦座席14の後方には、トラクタ1の転倒時にオペレータを保護するためのロプスフレーム15が設けられている。
【0020】
車体フレーム2の前部でフロントアクスルケース3上部には、エンジン5からの動力を変速して前輪6や後輪7等に伝達するためのミッションケース8が配置されている。ミッションケース8には、フロントアクスルケース3が左右外向きに突出するように装着されている。エンジン5と、フロントアクスルケース3と、ミッションケース8は、一体的に固着されている。リヤアクスルケース4の左右端側に左右の後輪7が回転可能に取付けられている。車体フレーム2にローリング軸16を介してリヤアクスルケース4の左右幅中央部を連結させ、ローリング軸16回りにリヤアクスルケース4が回転して、左右の後輪7が互いに相反する方向に上下動するように構成している。なお、左右の後輪7間の上方に操縦座席14が位置する。
【0021】
図1、図3に示す如く、車体フレーム2の下部であって前輪6と後輪7との間には、芝刈り機25がリンク杆26を介して垂直方向に昇降動可能に装着されている。芝刈り機25は、下向き開口椀状のモアケース28内に、水平回転可能な一対のロータリ刈刃30を備えている(図5参照)。車体フレーム2の後部に集草ボックス27を設けている。モアケース28の上面側から後ろ向きに刈草排出用の排出ダクト29を延長させ、集草ボックス27に排出ダクト29を連通させている。ロータリ刈刃30にて刈り取られた刈草は、ロータリ刈刃30の回転にて生ずる搬送風によって、排出ダクト29から集草ボックス27に排出される。
【0022】
車体フレーム2の前部にはフロントローダ31を備えている。フロントローダ31は、ボンネット9を挟んで左右両側に配置されたローダポスト32と、各ローダポスト32の上端に上下揺動可能に連結された左右一対のリフトアーム33と、左右リフトアーム33の先端部に上下揺動可能に連結されたバケット34とを有している。
【0023】
各ローダポスト32とこれに対応したリフトアーム33との間には、リフトアーム33を上下揺動させるためのリフトシリンダ36がそれぞれ設けられている。左右リフトアーム33の長手中途部間をつなぐ横フレーム37とバケット34との間には、バケット34を上下揺動させるためのバケットシリンダ38が設けられている。この場合、操縦座席14のオペレータがローダレバー(図示省略)を操作することによって、リフトシリンダ36やバケットシリンダ38が伸縮作動し、リフトアーム33やバケット34を上下揺動させる。
【0024】
さらに、図4に示す如く、左右の前輪6を方向転換させる操舵用油圧シリンダ41を備える。操縦ハンドル11の左右方向の回転操作量に比例して操舵用油圧シリンダ41が伸縮作動し、タイロッド42及びナックルアーム43を介してキングピン44回りに左右の前輪6を方向転換させ、トラクタ1の進路を変更するように構成している。なお、フロントアクスルケース3に操舵用油圧シリンダ41が支持されている。また、フロントアクスルケース3と、エンジン5と、ミッションケース8は、車体フレーム2に固定支持されている。
【0025】
また、図5に示す如く、エンジン5の前側方に突出させた出力軸51(クランク軸)に油圧無段変速機52の変速用油圧ポンプ53が連結されている。油圧無段変速機52の変速用油圧モータ54が変速用油圧ポンプ53に閉ループ油圧回路を介して接続されている。変速用油圧ポンプ53の斜板55に主変速レバー12が連結されている。変速用油圧モータ54の変速出力軸56にミッションケース8内のギヤ式副変速機構57が連結されている。フロントアクスルケース3内の差動ギヤ機構58に、ギヤ式副変速機構57を介して変速出力軸56が連結されている。
【0026】
即ち、油圧無段変速機52と、ギヤ式副変速機構57と、差動ギヤ機構58を介して、エンジン5の出力軸51から駆動力が左右の前輪6に伝達され、トラクタ1が前進又は後進移動する。主変速レバー12の操作によって変速出力軸56の回転数が無段階に変更され、副変速レバー13の操作によってギヤ式副変速機構57の回転数が多段階に変更される。
【0027】
さらに、図5に示す如く、エンジン5の後側方に突出させた出力軸51(クランク軸)に、プーリ61,62及びベルト63を介して、PTO軸64が連結されている。PTO軸64上に設けたPTOクラッチ65の入り操作によって、エンジン5の駆動力がPTO軸64に伝達されるように構成している。PTO軸64にモア駆動軸66を介して芝刈り機25のロータリ刈刃30が連結されている。即ち、エンジン5の回転動力によってロータリ刈刃30が一定回転作動し、芝草などを刈取って集草ボックス27に収集する。
【0028】
図1〜図5に示す如く、前輪6及び後輪7にて走行自在に支持された走行機体としての車体フレーム2に、対地作業機としての芝刈り機25又はフロントローダ31を装設する作業車両において、原動機としてのエンジン5を搭載した走行機体2の前部に変速機としてのミッションケース8を配置し、エンジン5の動力がミッションケース8を介して前輪6に伝達されるように構成したものであるから、車体フレーム2の前部重量によって前輪6の接地圧力を維持して、前輪6の移動推進力を簡単に確保できる。走行安定性の向上、製造コストの低減、変速性能の向上、芝刈り機(ミッドマウント対地作業機)25の揚げスペース確保等を簡単に達成できる。
【0029】
さらに、図12は、図3の変形構造を示す側面説明図であり、図3に示すローリング軸16に代えて、左右の懸架板ばね体18を備える。車体フレーム2に連結軸19を介して左右の懸架板ばね体18の一端側を連結する。車体フレーム2に連結リンク20を介して左右の懸架板ばね体18の他端側を連結する。左右の懸架板ばね体18の中間部にリヤアクスルケース4の左右両端部を締結する。左右の懸架板ばね体18の変形によって左右の後輪7が昇降動する。
【0030】
一方、リヤアクスルケース4の上面に昇降ガイド体21を立設させる。車体フレーム2に昇降ガイド体21を係脱させるロックピン体22を設ける。ロックレバー23の操作によって、車体フレーム2に昇降ガイド体21を係止した場合、車体フレーム2にリヤアクスルケース4が一体的に固定され、フロントローダ31作業などにおいて、トラクタ1の姿勢を安定させた状態で、大荷重の対地作業が可能になる。ロックレバー23の操作によって、車体フレーム2に対して昇降ガイド体21を離脱させた場合、車体フレーム2に対してリヤアクスルケース4が自由に昇降動し、芝刈り機25作業などにおいて、凹凸の激しい路面の走行が可能になる。
【0031】
次に、図6〜図10を参照して、本発明の第2実施形態のトラクタ1を説明する。図6はトラクタ1の外観側面図、図7は同平面図、図8は同正面図である。第1実施形態と同様に、トラクタ1の車体フレーム2の前部に、フロントアクスルケース3を介して、一対の左右前輪6が支持されている。トラクタ1の車体フレーム2の後部に、リヤアクスルケース4を介して、一対の左右後輪7が支持されている。車体フレーム2の前部には、原動機としてのエンジン5が搭載されている。エンジン5はボンネット9にて覆われている。
【0032】
また、第1実施形態と同様に、ボンネット9の上面後部には、操縦ハンドル11を有する操縦コラム部10が配置されている。車体フレーム2後部の上面に操縦座席14が設けられている。操縦座席14の左側方に主変速レバー12を配置する。操縦座席14の左側方に副変速レバー13を配置する。車体フレーム2の下部であって前輪6と後輪7との間には、芝刈り機25がリンク杆26を介して垂直方向に昇降動可能に装着されている。車体フレーム2の前部にはフロントローダ31を備えている。
【0033】
さらに、図6〜図10に示す如く、第1実施形態に示したミッションケース8を省き、主変速用油圧ポンプ71と、副変速用油圧モータ72を備える。排出ダクト29が支持された車体フレーム2後部に主変速用油圧ポンプ71を搭載する。エンジン5に自在継ぎ手軸73を介して主変速用油圧ポンプ71を連結する。エンジン5によって主変速用油圧ポンプ71が駆動される。主変速用油圧ポンプ71の斜板74に主変速レバー12が連結されている。副変速用油圧モータ72の斜板75に副変速レバー13が連結されている。
【0034】
また、第1実施形態に示したギヤ式副変速機構57を省く。副変速用油圧モータ72の変速出力軸56に、フロントアクスルケース3内の差動ギヤ機構58を介して左右前輪6が連結されている。即ち、主変速用油圧ポンプ71と、副変速用油圧モータ72と、差動ギヤ機構58を介して、エンジン5の出力軸51から駆動力が左右の前輪6に伝達され、トラクタ1が前進又は後進移動する。主変速レバー12の操作によって主変速用油圧ポンプ71の回転数が無段階に変更され、副変速レバー13の操作によって副変速用油圧モータ72の回転数が多段階に変更される。
【0035】
図8、図9に示す如く、車体フレーム2にローリング軸16を介してフロントアクスルケース3の左右幅中央部を連結させ、ローリング軸16回りにフロントアクスルケース3が回転して、左右の前輪6が互いに相反する方向に上下動するように構成している。また、フロントアクスルケース3の左右幅中央部にギヤケース76を介して副変速用油圧モータ72を固着している。
【0036】
図8、図10に示す如く、主変速用油圧ポンプ71の入力軸77に、プーリ61,62及びベルト63を介して、PTO軸64が連結されている。PTO軸64上に設けたPTOクラッチ65の入り操作によって、エンジン5の駆動力がPTO軸64に伝達されるように構成している。PTO軸64にモア駆動軸66を介して芝刈り機25のロータリ刈刃30が連結されている。なお、入力軸77上にチャージポンプ78を設け、フロントローダ31を作動させるためのローダバルブユニット79にチャージポンプ78から高圧油を供給するように構成している。
【0037】
図1、図6に示す如く、前記原動機としてのエンジン5を、車体フレーム2の前部に搭載したものであるから、図1のように、エンジン5にミッションケース8を直結して、駆動部のコンパクト化やコスト低下を図れる。また、図6のように、車体フレーム2の後部に走行用油圧ポンプとしての主変速用油圧ポンプ71を搭載して、機体の前後バランスを維持できる。
【0038】
図8〜図10に示す如く、前記変速機としての主変速用油圧ポンプ71及び副変速用油圧モータ72を備え、車体フレーム2に主変速用油圧ポンプ71を配置し、前輪6が支持されたフロントアクスルケース3に副変速用油圧モータ72を配置し、操縦ハンドル11にて操舵する前輪6が副変速用油圧モータ72によって駆動されるように構成したものであるから、フロントアクスルケース3を利用して副変速用油圧モータ72をコンパクトに設置できる。
【0039】
次に、図11を参照して、本発明の第3実施形態のトラクタ1を説明する。第2実施形態のエンジン5に代えて、原動機としての電動モータ81を備える。電動モータ81の出力軸82に、自在継ぎ手軸73を介して主変速用油圧ポンプ71を連結する。第2実施形態と同様に、電動モータ81の回転駆動力によって、前輪6と、芝刈り機25又はフロントローダ31を作動させるように構成している。
【0040】
図10、図11に示す如く、主変速用油圧ポンプ71を主変速制御する主変速操作具としての主変速レバー12と、副変速用油圧モータ72を副変速制御する副変速操作具としての副変速レバー13とを設けたものであるから、製造コストの低減、変速性能の向上等を簡単に達成できる。各種対地作業に適した移動速度を容易に得ることができる。
【0041】
図11に示す如く、前記原動機としての電動モータ81を、車体フレーム2の前部に搭載したものであるから、前記電動モータ81に主変速用油圧ポンプ71を直結して、駆動部のコンパクト化やコスト低下を図ることができる。排気ガス対策などが不要になり、かつ軽量化などを容易に達成できる。電動モータ81を駆動源として、前輪6又は、芝刈り機25又はフロントローダ31を、低騒音又は低公害にて駆動できる。畜舎におけるフロントローダ作業などに活用できる。
【符号の説明】
【0042】
2 車体フレーム(走行機体)
3 フロントアクスルケース
5 エンジン(原動機)
6 前輪
7 後輪
8 ミッションケース(変速機)
12 主変速レバー(主変速操作具)
13 副変速レバー(副変速操作具)
25 芝刈り機(ミッドマウント対地作業機)
31 フロントローダ(対地作業機)
71 主変速用油圧ポンプ(走行用油圧ポンプ)
72 副変速用油圧モータ(走行用油圧モータ)
81 電動モータ(原動機)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばフロントローダなどの土工作業機又はロータリ耕耘作業機などの農作業機を着脱可能に装設して、土工作業又は農作業などの対地作業を行うトラクタ等の作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、前輪及び後輪にて走行自在に支持した走行機体に、フロントローダ機などを装設するトラクタがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−112233号公報
【特許文献2】特開2004−330982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術では、走行機体の前部にエンジンを設け、走行機体の後部にミッションケースを設け、エンジンからミッションケースを介して後輪に駆動力を伝達していた。走行機体の前部にフロントローダを装設した場合、走行機体の前方側が後方側よりも重くなる。そのため、ローダ作業において、バケット荷重によって走行機体が前傾姿勢になり、後輪の接地圧力が不足する等の走行性能上の問題がある。したがって、走行機体の後部にバランス用ウエイト(ロータリ耕耘作業機など)を搭載して、走行機体の前後バランスを是正する必要がある等の問題がある。また、前輪と後輪の間に芝刈り機を搭載した場合、エンジンからミッションケースに駆動力を伝達する伝動機構が芝刈り機の上方に配置されるから、伝動機構によって芝刈り機の持上げ高さが制限される等の問題がある。
【0005】
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施した作業車両を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明の作業車両は、前輪及び後輪にて走行自在に支持された走行機体に、対地作業機を装設する作業車両において、原動機を搭載した前記走行機体の前部に変速機を配置し、前記原動機の動力が前記変速機を介して前記前輪に伝達されるように構成したものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記原動機としてのエンジンを、前記走行機体の前部に搭載したものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記変速機としての走行用油圧ポンプ及び油圧モータを備え、前記走行機体に前記走行用油圧ポンプを配置し、前記前輪が支持されたフロントアクスルケースに前記走行用油圧モータを配置し、操縦ハンドルにて操舵する前記前輪が前記走行用油圧モータによって駆動されるように構成したものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記走行用油圧ポンプを主変速制御する主変速操作具と、前記走行用油圧モータを副変速制御する副変速操作具とを設けたものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記原動機としての電動モータを、前記走行機体の前部に搭載したものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、前輪及び後輪にて走行自在に支持された走行機体に、対地作業機を装設する作業車両において、原動機を搭載した前記走行機体の前部に変速機を配置し、前記原動機の動力が前記変速機を介して前記前輪に伝達されるように構成したものであるから、前記走行機体の前部重量によって前記前輪の接地圧力を維持して、前記前輪の移動推進力を簡単に確保できる。走行安定性の向上、製造コストの低減、変速性能の向上、ミッドマウント対地作業機の揚げスペース確保等を簡単に達成できる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、前記原動機としてのエンジンを、前記走行機体の前部に搭載したものであるから、前記走行機体の後部に走行用油圧ポンプを搭載して、機体の前後バランスを維持したり、前記エンジンに前記走行用油圧ポンプを直結して、駆動部のコンパクト化やコスト低下を図れる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、前記変速機としての走行用油圧ポンプ及び油圧モータを備え、前記走行機体に前記走行用油圧ポンプを配置し、前記前輪が支持されたフロントアクスルケースに前記走行用油圧モータを配置し、操縦ハンドルにて操舵する前記前輪が前記走行用油圧モータによって駆動されるように構成したものであるから、前記フロントアクスルケースを利用して前記走行用油圧モータをコンパクトに設置できる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、前記走行用油圧ポンプを主変速制御する主変速操作具と、前記走行用油圧モータを副変速制御する副変速操作具とを設けたものであるから、製造コストの低減、変速性能の向上等を簡単に達成できる。各種対地作業に適した移動速度を容易に得ることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記原動機としての電動モータを、前記走行機体の前部に搭載したものであるから、前記電動モータに前記走行用油圧ポンプを直結して、駆動部のコンパクト化やコスト低下を図ることができる。排気ガス対策などが不要になり、かつ軽量化などを容易に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態を示すトラクタの外観側面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】同側面説明図である。
【図4】同前車輪部の平面説明図である。
【図5】同駆動系統図である。
【図6】本発明の第2実施形態を示すトラクタの外観側面図である。
【図7】同平面図である。
【図8】同側面説明図である。
【図9】同前車輪部の平面説明図である。
【図10】同駆動系統図である。
【図11】本発明の第3実施形態を示すトラクタの駆動系統図である。
【図12】図3の変形構造を示す側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態を図面に基づいて詳述する。図1はトラクタ1の外観側面図、図2は同平面図、図3は同正面図である。トラクタ1の進行方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく進行方向に向かって右側を単に右側と称する。トラクタ1の車体フレーム2の前部に、フロントアクスルケース3を介して、一対の左右前輪6が支持されている。トラクタ1の車体フレーム2の後部に、リヤアクスルケース4を介して、一対の左右後輪7が支持されている。
【0018】
車体フレーム2の前部には、原動機としてのエンジン5が搭載されている。エンジン5にミッションケース8が付設されている。エンジン5からミッションケース8を介して前輪6に駆動力を伝達することにより、トラクタ1は前後進走行するように構成されている。エンジン5はボンネット9にて覆われている。
【0019】
ボンネット9の上面後部には、操縦ハンドル11を有する操縦コラム部10が配置されている。この場合、操縦ハンドル11を回動操作すると、その操作量(回動量)に応じて左右前輪6が操舵されるように構成されている。車体フレーム2後部の上面に操縦座席14が設けられている。操縦座席14の左側方に主変速レバー12を配置する。操縦座席14の左側方に副変速レバー13を配置する。なお、操縦座席14の後方には、トラクタ1の転倒時にオペレータを保護するためのロプスフレーム15が設けられている。
【0020】
車体フレーム2の前部でフロントアクスルケース3上部には、エンジン5からの動力を変速して前輪6や後輪7等に伝達するためのミッションケース8が配置されている。ミッションケース8には、フロントアクスルケース3が左右外向きに突出するように装着されている。エンジン5と、フロントアクスルケース3と、ミッションケース8は、一体的に固着されている。リヤアクスルケース4の左右端側に左右の後輪7が回転可能に取付けられている。車体フレーム2にローリング軸16を介してリヤアクスルケース4の左右幅中央部を連結させ、ローリング軸16回りにリヤアクスルケース4が回転して、左右の後輪7が互いに相反する方向に上下動するように構成している。なお、左右の後輪7間の上方に操縦座席14が位置する。
【0021】
図1、図3に示す如く、車体フレーム2の下部であって前輪6と後輪7との間には、芝刈り機25がリンク杆26を介して垂直方向に昇降動可能に装着されている。芝刈り機25は、下向き開口椀状のモアケース28内に、水平回転可能な一対のロータリ刈刃30を備えている(図5参照)。車体フレーム2の後部に集草ボックス27を設けている。モアケース28の上面側から後ろ向きに刈草排出用の排出ダクト29を延長させ、集草ボックス27に排出ダクト29を連通させている。ロータリ刈刃30にて刈り取られた刈草は、ロータリ刈刃30の回転にて生ずる搬送風によって、排出ダクト29から集草ボックス27に排出される。
【0022】
車体フレーム2の前部にはフロントローダ31を備えている。フロントローダ31は、ボンネット9を挟んで左右両側に配置されたローダポスト32と、各ローダポスト32の上端に上下揺動可能に連結された左右一対のリフトアーム33と、左右リフトアーム33の先端部に上下揺動可能に連結されたバケット34とを有している。
【0023】
各ローダポスト32とこれに対応したリフトアーム33との間には、リフトアーム33を上下揺動させるためのリフトシリンダ36がそれぞれ設けられている。左右リフトアーム33の長手中途部間をつなぐ横フレーム37とバケット34との間には、バケット34を上下揺動させるためのバケットシリンダ38が設けられている。この場合、操縦座席14のオペレータがローダレバー(図示省略)を操作することによって、リフトシリンダ36やバケットシリンダ38が伸縮作動し、リフトアーム33やバケット34を上下揺動させる。
【0024】
さらに、図4に示す如く、左右の前輪6を方向転換させる操舵用油圧シリンダ41を備える。操縦ハンドル11の左右方向の回転操作量に比例して操舵用油圧シリンダ41が伸縮作動し、タイロッド42及びナックルアーム43を介してキングピン44回りに左右の前輪6を方向転換させ、トラクタ1の進路を変更するように構成している。なお、フロントアクスルケース3に操舵用油圧シリンダ41が支持されている。また、フロントアクスルケース3と、エンジン5と、ミッションケース8は、車体フレーム2に固定支持されている。
【0025】
また、図5に示す如く、エンジン5の前側方に突出させた出力軸51(クランク軸)に油圧無段変速機52の変速用油圧ポンプ53が連結されている。油圧無段変速機52の変速用油圧モータ54が変速用油圧ポンプ53に閉ループ油圧回路を介して接続されている。変速用油圧ポンプ53の斜板55に主変速レバー12が連結されている。変速用油圧モータ54の変速出力軸56にミッションケース8内のギヤ式副変速機構57が連結されている。フロントアクスルケース3内の差動ギヤ機構58に、ギヤ式副変速機構57を介して変速出力軸56が連結されている。
【0026】
即ち、油圧無段変速機52と、ギヤ式副変速機構57と、差動ギヤ機構58を介して、エンジン5の出力軸51から駆動力が左右の前輪6に伝達され、トラクタ1が前進又は後進移動する。主変速レバー12の操作によって変速出力軸56の回転数が無段階に変更され、副変速レバー13の操作によってギヤ式副変速機構57の回転数が多段階に変更される。
【0027】
さらに、図5に示す如く、エンジン5の後側方に突出させた出力軸51(クランク軸)に、プーリ61,62及びベルト63を介して、PTO軸64が連結されている。PTO軸64上に設けたPTOクラッチ65の入り操作によって、エンジン5の駆動力がPTO軸64に伝達されるように構成している。PTO軸64にモア駆動軸66を介して芝刈り機25のロータリ刈刃30が連結されている。即ち、エンジン5の回転動力によってロータリ刈刃30が一定回転作動し、芝草などを刈取って集草ボックス27に収集する。
【0028】
図1〜図5に示す如く、前輪6及び後輪7にて走行自在に支持された走行機体としての車体フレーム2に、対地作業機としての芝刈り機25又はフロントローダ31を装設する作業車両において、原動機としてのエンジン5を搭載した走行機体2の前部に変速機としてのミッションケース8を配置し、エンジン5の動力がミッションケース8を介して前輪6に伝達されるように構成したものであるから、車体フレーム2の前部重量によって前輪6の接地圧力を維持して、前輪6の移動推進力を簡単に確保できる。走行安定性の向上、製造コストの低減、変速性能の向上、芝刈り機(ミッドマウント対地作業機)25の揚げスペース確保等を簡単に達成できる。
【0029】
さらに、図12は、図3の変形構造を示す側面説明図であり、図3に示すローリング軸16に代えて、左右の懸架板ばね体18を備える。車体フレーム2に連結軸19を介して左右の懸架板ばね体18の一端側を連結する。車体フレーム2に連結リンク20を介して左右の懸架板ばね体18の他端側を連結する。左右の懸架板ばね体18の中間部にリヤアクスルケース4の左右両端部を締結する。左右の懸架板ばね体18の変形によって左右の後輪7が昇降動する。
【0030】
一方、リヤアクスルケース4の上面に昇降ガイド体21を立設させる。車体フレーム2に昇降ガイド体21を係脱させるロックピン体22を設ける。ロックレバー23の操作によって、車体フレーム2に昇降ガイド体21を係止した場合、車体フレーム2にリヤアクスルケース4が一体的に固定され、フロントローダ31作業などにおいて、トラクタ1の姿勢を安定させた状態で、大荷重の対地作業が可能になる。ロックレバー23の操作によって、車体フレーム2に対して昇降ガイド体21を離脱させた場合、車体フレーム2に対してリヤアクスルケース4が自由に昇降動し、芝刈り機25作業などにおいて、凹凸の激しい路面の走行が可能になる。
【0031】
次に、図6〜図10を参照して、本発明の第2実施形態のトラクタ1を説明する。図6はトラクタ1の外観側面図、図7は同平面図、図8は同正面図である。第1実施形態と同様に、トラクタ1の車体フレーム2の前部に、フロントアクスルケース3を介して、一対の左右前輪6が支持されている。トラクタ1の車体フレーム2の後部に、リヤアクスルケース4を介して、一対の左右後輪7が支持されている。車体フレーム2の前部には、原動機としてのエンジン5が搭載されている。エンジン5はボンネット9にて覆われている。
【0032】
また、第1実施形態と同様に、ボンネット9の上面後部には、操縦ハンドル11を有する操縦コラム部10が配置されている。車体フレーム2後部の上面に操縦座席14が設けられている。操縦座席14の左側方に主変速レバー12を配置する。操縦座席14の左側方に副変速レバー13を配置する。車体フレーム2の下部であって前輪6と後輪7との間には、芝刈り機25がリンク杆26を介して垂直方向に昇降動可能に装着されている。車体フレーム2の前部にはフロントローダ31を備えている。
【0033】
さらに、図6〜図10に示す如く、第1実施形態に示したミッションケース8を省き、主変速用油圧ポンプ71と、副変速用油圧モータ72を備える。排出ダクト29が支持された車体フレーム2後部に主変速用油圧ポンプ71を搭載する。エンジン5に自在継ぎ手軸73を介して主変速用油圧ポンプ71を連結する。エンジン5によって主変速用油圧ポンプ71が駆動される。主変速用油圧ポンプ71の斜板74に主変速レバー12が連結されている。副変速用油圧モータ72の斜板75に副変速レバー13が連結されている。
【0034】
また、第1実施形態に示したギヤ式副変速機構57を省く。副変速用油圧モータ72の変速出力軸56に、フロントアクスルケース3内の差動ギヤ機構58を介して左右前輪6が連結されている。即ち、主変速用油圧ポンプ71と、副変速用油圧モータ72と、差動ギヤ機構58を介して、エンジン5の出力軸51から駆動力が左右の前輪6に伝達され、トラクタ1が前進又は後進移動する。主変速レバー12の操作によって主変速用油圧ポンプ71の回転数が無段階に変更され、副変速レバー13の操作によって副変速用油圧モータ72の回転数が多段階に変更される。
【0035】
図8、図9に示す如く、車体フレーム2にローリング軸16を介してフロントアクスルケース3の左右幅中央部を連結させ、ローリング軸16回りにフロントアクスルケース3が回転して、左右の前輪6が互いに相反する方向に上下動するように構成している。また、フロントアクスルケース3の左右幅中央部にギヤケース76を介して副変速用油圧モータ72を固着している。
【0036】
図8、図10に示す如く、主変速用油圧ポンプ71の入力軸77に、プーリ61,62及びベルト63を介して、PTO軸64が連結されている。PTO軸64上に設けたPTOクラッチ65の入り操作によって、エンジン5の駆動力がPTO軸64に伝達されるように構成している。PTO軸64にモア駆動軸66を介して芝刈り機25のロータリ刈刃30が連結されている。なお、入力軸77上にチャージポンプ78を設け、フロントローダ31を作動させるためのローダバルブユニット79にチャージポンプ78から高圧油を供給するように構成している。
【0037】
図1、図6に示す如く、前記原動機としてのエンジン5を、車体フレーム2の前部に搭載したものであるから、図1のように、エンジン5にミッションケース8を直結して、駆動部のコンパクト化やコスト低下を図れる。また、図6のように、車体フレーム2の後部に走行用油圧ポンプとしての主変速用油圧ポンプ71を搭載して、機体の前後バランスを維持できる。
【0038】
図8〜図10に示す如く、前記変速機としての主変速用油圧ポンプ71及び副変速用油圧モータ72を備え、車体フレーム2に主変速用油圧ポンプ71を配置し、前輪6が支持されたフロントアクスルケース3に副変速用油圧モータ72を配置し、操縦ハンドル11にて操舵する前輪6が副変速用油圧モータ72によって駆動されるように構成したものであるから、フロントアクスルケース3を利用して副変速用油圧モータ72をコンパクトに設置できる。
【0039】
次に、図11を参照して、本発明の第3実施形態のトラクタ1を説明する。第2実施形態のエンジン5に代えて、原動機としての電動モータ81を備える。電動モータ81の出力軸82に、自在継ぎ手軸73を介して主変速用油圧ポンプ71を連結する。第2実施形態と同様に、電動モータ81の回転駆動力によって、前輪6と、芝刈り機25又はフロントローダ31を作動させるように構成している。
【0040】
図10、図11に示す如く、主変速用油圧ポンプ71を主変速制御する主変速操作具としての主変速レバー12と、副変速用油圧モータ72を副変速制御する副変速操作具としての副変速レバー13とを設けたものであるから、製造コストの低減、変速性能の向上等を簡単に達成できる。各種対地作業に適した移動速度を容易に得ることができる。
【0041】
図11に示す如く、前記原動機としての電動モータ81を、車体フレーム2の前部に搭載したものであるから、前記電動モータ81に主変速用油圧ポンプ71を直結して、駆動部のコンパクト化やコスト低下を図ることができる。排気ガス対策などが不要になり、かつ軽量化などを容易に達成できる。電動モータ81を駆動源として、前輪6又は、芝刈り機25又はフロントローダ31を、低騒音又は低公害にて駆動できる。畜舎におけるフロントローダ作業などに活用できる。
【符号の説明】
【0042】
2 車体フレーム(走行機体)
3 フロントアクスルケース
5 エンジン(原動機)
6 前輪
7 後輪
8 ミッションケース(変速機)
12 主変速レバー(主変速操作具)
13 副変速レバー(副変速操作具)
25 芝刈り機(ミッドマウント対地作業機)
31 フロントローダ(対地作業機)
71 主変速用油圧ポンプ(走行用油圧ポンプ)
72 副変速用油圧モータ(走行用油圧モータ)
81 電動モータ(原動機)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪及び後輪にて走行自在に支持された走行機体に、対地作業機を装設する作業車両において、
原動機を搭載した前記走行機体の前部に変速機を配置し、前記原動機の動力が前記変速機を介して前記前輪に伝達されるように構成したことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記原動機としてのエンジンを、前記走行機体の前部に搭載したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記変速機としての走行用油圧ポンプ及び油圧モータを備え、前記走行機体に前記走行用油圧ポンプを配置し、前記前輪が支持されたフロントアクスルケースに前記走行用油圧モータを配置し、操縦ハンドルにて操舵する前記前輪が前記走行用油圧モータによって駆動されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項4】
前記走行用油圧ポンプを主変速制御する主変速操作具と、前記走行用油圧モータを副変速制御する副変速操作具とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項5】
前記原動機としての電動モータを、前記走行機体の前部に搭載したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項1】
前輪及び後輪にて走行自在に支持された走行機体に、対地作業機を装設する作業車両において、
原動機を搭載した前記走行機体の前部に変速機を配置し、前記原動機の動力が前記変速機を介して前記前輪に伝達されるように構成したことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記原動機としてのエンジンを、前記走行機体の前部に搭載したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記変速機としての走行用油圧ポンプ及び油圧モータを備え、前記走行機体に前記走行用油圧ポンプを配置し、前記前輪が支持されたフロントアクスルケースに前記走行用油圧モータを配置し、操縦ハンドルにて操舵する前記前輪が前記走行用油圧モータによって駆動されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項4】
前記走行用油圧ポンプを主変速制御する主変速操作具と、前記走行用油圧モータを副変速制御する副変速操作具とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項5】
前記原動機としての電動モータを、前記走行機体の前部に搭載したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−56446(P2012−56446A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201617(P2010−201617)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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