説明

信号再生装置

【課題】受信したDVB−ASI信号からジッタなどによる位相変動を抑制したクロックを再生可能とする。
【解決手段】47コード検出器4で受信信号のTSパケットから検出される47hコードパルスEは、分周器14でn分周された後、位相差検出回路15に供給され、PLL回路の分周器8からのクロックF1との位相差K(=Δφ)が検出される。位相差分割・記憶回路16では、この位相差Kから分割位相差Lが生成される。位相代替処理回路17では、47hコードパルスEがクロックF1よりも位相の進みがあると、分割位相差Lにより、クロックF1よりΔφ/n進んだ位相代替パルスMを生成し、47hコードパルスEがクロックF1よりも位相の遅れがあると、分割位相差Lにより、クロックF1よりもΔφ/n遅れた位相代替パルスMを生成し、クロックF1とともに、夫々PLL回路の位相比較器5に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MPEG(Motion Picture Experts Group)規格などの圧縮符号化方式に基づいて形成された映像信号や音声信号などの放送データのパケット化されたTS(Transport Stream)の信号(TS信号)を、地上デジタル放送信号として、受信する信号再生装置に係り、特に、受信した地上デジタル放送信号からクロックを再生する信号再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像信号や音声信号からなる放送番組信号を無線伝送する場合、従来、アナログFM(Frequency Modulation:周波数変調)方式による方法で伝送していたが、近年、QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)方式やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)方式などのデジタル変調方式による無線デジタル伝送方式が用いられるようになってきている。
【0003】
このようなデジタル伝送方式を用いて放送番組信号を一般家庭に伝送(放送)する場合、かかるデジタル放送番組信号(デジタルデータ)をスタジオから、例えば、東京タワーなどに設けられた無線中継装置に送るためのSTL(Studio to Transmitter Link)や無線中継装置間でデジタル放送番組信号を伝送するTTL(Transmitter to Transmitter Link)が用いられており、これらSTLやTTLの日本国内の地上デジタル放送用としては、映像信号や音声信号などの放送データを、MPEG規格などによる圧縮符号化方式に基づいて形成された約32Mbpsの伝送ビットレートのパケット化されたTS信号を上記のデジタル変調方式で変調して伝送するISDB−T(Integrated Service Digital Broadcasting-Terrestrial)方式が用いられるが、さらに、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses)の規格に従って、これと8MHzのクロックとを伝送する2線式が採られている。これに対し、日本や米国を除くほとんどの地域では、DVB(Digital Video Broadcasting)規格に従って上記のようにパケット化されたTS信号のみを伝送する1線式が採られている。
【0004】
なお、ISDB−T方式は、地上デジタル放送において、1つのチャンネルを13セグメント(1セグメントは429KHzの周波数帯域)に区分し、伝送するデータに応じて1〜複数セグメントが使用できるようにした方式である。例えば、携帯機器に対しては1セグメントを使用し、通常画質のテレビジョンに対しては4セグメント、ハイビジョンに対しては12セグメント夫々使用される。
【0005】
一方、中継現場で取得した放送用素材をスタジオに伝送する場合、この中継現場から基地局(無線中継装置)を経てスタジオに伝送されるが、この無線中継装置,スタジオ間では、TSL(Transmitter to Studio Link)の無線伝送回線が用いられ、上記の無線伝送方式が用いられる。これに対し、中継現場から無線中継装置への無線伝送システムとしては、中継カメラ側に設けられた送信用のFPU(Field Pickup Unit)装置と無線中継装置側に設けられた受信用のFPU装置とからなる無線伝送システム(信号再生装置)が用いられる。
【0006】
図11はFPU装置を用いた従来のTSLの無線伝送システムの一例を示すブロック構成図であって、100は送信側のFPU(FPU−TX)装置、101はインタフェース、102は変調部、103はコンバータ、104は送信アンテナ、105は受信アンテナ、106は受信側のFPU(FPU−RX)装置、107はコンバータ、108は復調部、109はインタフェースである。
【0007】
同図において、この従来例は、ARIBの規格によるものであって、図示しない中継用カメラ装置からの映像信号や音声信号からなる送信データDATA-tと送信クロックCK-tとがFPU−TX装置100に供給される。かかるFPU−TX装置100では、伝送ビットレートが60Mbpsや44Mbpsの送信データDATA-tを処理するものとする。また、この場合の送信クロックCK-tは44MHzである。
【0008】
FPU−TX装置100において、かかる44Mbpsの送信データDATA-tと44MHzの送信クロックCK-tとはインタフェース101から入力される。入力された送信データDATA-tは、変調部102により、送信クロックCK-tを基に、エネルギー拡散変調,リードソロモン符号化,インターリーブ,畳込み符号化,64QAM変調などの処理がなされ、コンバータ103でマイクロ波帯の信号に変換されて送信用アンテナ104から送信される。
【0009】
一方、受信(即ち、基地局(無線中継装置))側のFPU−RX装置106では、FPU−TX装置100から送信されたマイクロ波信号を受信アンテナ105で受信し、コンバータ107でもとの周波数帯の信号に変換した後、復調部108により、64QAM復調,ビタビ復号,デインターリーブ,リードソロモン復号,エネルギー逆拡散変調などの処理がなされてもとの44Mbpsのデータ(受信データ)DATA-rとし、インタフェース109から出力する。また、このインタフェース109では、復調されたデータDATA-rから44MHzのクロックCK-rを抽出し、受信データDATA-rとともに出力する。この受信データDATA-rとクロックCK-rとが、TSLにより、図示しないスタジオ(放送局)に伝送される。
【0010】
図12はFPU装置を用いた従来のTSLの無線伝送システムの他の例を示すブロック構成図であって、200は送信側のFPU(FPU−TX)装置、201はシリアル・パラレル変換/レートコンバータ、202は変調部、203はコンバータ、204は送信アンテナ、205は受信アンテナ、206は受信側のFPU(FPU−RX)装置、207はコンバータ、208は復調部、209はパラレル・シリアル変換/レートコンバータである。
【0011】
同図において、この従来例は、DVBの規格によるものであって、図示しない中継用カメラ装置からの映像信号や音声信号からなる伝送ビットレートが44Mbpsのシリアルな送信データDVB-tがFPU−TX装置200に供給される。FPU−TX装置200では、この送信データDVB-tがシリアル・パラレル変換/レートコンバータ201でシリアル・パラレル変換されるとともに、付加的なパケット(NULLパケット)の挿入,削除によって所定の伝送ビットレートに変換され、さらに、変調部202で、例えば、OFDM変調され、コンバータ203でマイクロ波信号に変換されて送信用アンテナ204から送信される。
【0012】
一方、受信(即ち、基地局(無線中継装置))側のFPU−RX装置206では、FPU−TX装置200から送信されたマイクロ波信号が受信アンテナ205で受信され、コンバータ207でもとの周波数帯の信号に変換した後、復調部208でOFDM復調され、パラレル・シリアル変換/レートコンバータ209でもとの44Mbpsの伝送ビットレートのシリアルなデータ(受信データ)DVB-rに変換されて出力される。
【0013】
ところで、以上のような放送伝送システムにおいて、上記のSTLやTTLが不具合な状態になると、一般家庭などへの地上デジタル放送ができなくなる。このような事態を回避する方法として、かかるSTLやTTLの代替システムとして上記のFPU装置で構成された信号再生装置を使用可能とした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0014】
この特許文献1に記載の技術は、送信側のFPU装置に送信用のMPEG規格で圧縮されて放送番組信号の32.5Mbps(より正確には、32.5079Mbps)のTS信号を44.5MbpsのTS信号に変換するレート変換部を設け、かつ中継現場から無線中継装置への伝送に用いる場合には、かかる伝送レートの変換が行われないように構成したものであり、受信側のFPU装置でも、これに対応する構成としたものである。
【0015】
ところで、特許文献1に記載の技術のように、送信側での処理と受信側での処理とを同期させることが必要であり、このためには、通常、送信側から受信側にクロックが送られ、受信側では、このクロックを基に、受信した信号の処理が行われる。また、送信側でも、伝送レートの変換を行なう場合には、入力された32.5Mbpsの送信用の放送番組信号のTS信号を44.7MbpsのTS信号にレート変換する場合、この入力されたTS信号に同期したクロックを周波数変換する必要がある。
【0016】
一方、MPEG規格のTS信号を伝送する方式の1つの規格として、DVB−ASI(Digital Video Broadcasting-Asynchronous Serial Interface)規格が知られている。これは、270Mbpsの非同期なクロックに上記のMPEG規格の32.5MbpsのTS信号を乗せて伝送するものである。かかるDVB−ASI規格でTS信号(以下、これをDVB−ASI信号という)をスタジオから送信所(無線中継装置)に送信するSTLの場合、このTS信号とともに、このTS信号のクロック周波数(=32.5079MHz)の1/4の8.127MHzのクロックと、TS信号の各フレームの開始タイミングを示すフレーム同期信号Fsyncとが送信される。
【特許文献1】特開2006ー33236
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ところで、STLでスタジオから送信所にDVB−ASI信号を送る場合、図11,図12でも説明したように、このDVB−ASI信号はマイクロ波帯の電波信号で送られる。このため、送信所では、スタジオからの直進する電波が受信されることになる。但し、地球の丸みにより、直進する電波を受信できる限界は100km程度である。本土から100kmを越える距離離れた離島との間にSTLを構成する場合、マイクロ波帯でDVB−ASI信号を伝送することができない。これを可能とするために、海底光ファイバを利用してDVB−ASI信号を光伝送することが考えられる。
【0018】
しかしながら、光ファイバ装置は、通常、TS信号のみを伝送するタイプのものが多く、クロックやTS信号のフレーム開始を示すフレーム信号Fsyncの伝送には対応していない。そこで、送信所側では、受信したTS信号からクロックを再生し、これを利用してフレーム信号Fsyncを生成することが考えられる。
【0019】
ところが、DVB−ASI信号は非同期であることから、受信側の送信所でこのDVB−ASI信号を処理する際にサンプリング誤差などが蓄積し、稀ではあるが、その発生周期が一時的に変動することがあり、かかるDVB−ASI信号からPLL(Phase Locked Loop:位相ロックループ)回路を用いてクロックを再生すると、そのVCO(Voltage Controled Oscilator:電圧制御型発振器)への制御電圧が一時的に大きく揺れ、再生クロックに大きなジッタ(位相変動)が発生して、後段の処理装置に大きな影響を及ぼすことになる。
【0020】
本発明の目的は、かかる問題を解消し、受信したDVB−ASI信号からジッタなどによる位相変動を抑制したクロックを再生でき、このDVB−ASI信号の周期の変動を除去することができるようにした信号再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明は、47h(16進数)コードで始まるTSパケットからなるTS信号から、PLL回路を用いて、TS信号の正規のクロックを再生する信号再生装置であって、TS信号のTSパケット毎に47hコードを検出し、47hコードのタイミングで47hコードパルスを出力する47hコード検出器と、47hコードパルスをn分周(nは2以上の整数)する分周器と、PLL回路の分周器からの位相基準クロックと分周器からの分周出力パルスとの位相差Δφを検出する位相差検出回路と、位相差検出回路で検出された位相差Δφをn個の位相差に分割し、47hコードパルスが位相基準クロックよりも位相が進んでいるときと47hコードパルスが位相基準クロックよりも位相が遅れているときとでの合計した大きさがΔφであるn個の分割位相差を生成し、記憶保持する位相差分割・記憶回路と、位相差分割・記憶回路で生成された分割位相差をもとに、47hコードパルスが位相基準クロックよりも位相が進んでいるときには、位相差基準クロック毎に、位相基準クロックよりも分割位相差だけ位相が進んだ位相代替パルスを生成し、47hコードパルスが位相基準クロックよりも位相が遅れているときには、位相差基準クロック毎に、位相基準クロックよりも分割位相差だけ位相が遅れた位相代替パルスを生成する位相代替処理回路とを設け、位相代替処理回路で生成された位相代替パルスと位相基準クロックとをPLL回路を構成する位相比較器に供給することを特徴とする信号再生装置。
【0022】
また、本発明は、47h(16進数)コードで始まるTSパケットからなるTS信号から、PLL回路を用いて、TS信号の正規のクロックを再生する信号再生装置であって、TS信号のTSパケット毎に47hコードを検出し、47hコードのタイミングで47hコードパルスを出力する47hコード検出器と、47hコードパルスをn分周(nは2以上の整数)する分周器と、PLL回路の分周器からの位相基準クロックと分周器からの分周出力パルスとの位相差Δφを検出する位相差検出回路と、位相差検出回路で検出された位相差Δφをn分割し、47hコードパルスが位相基準クロックよりも位相が進んでいるときと47hコードパルスが位相基準クロックよりも位相が遅れているときとでのΔφ/nの大きさのn個の分割位相差を生成し、記憶保持する位相差分割・記憶回路と、位相差分割・記憶回路で生成された分割位相差をもとに、47hコードパルスが位相基準クロックよりも位相が進んでいるときには、位相基準クロックよりもΔφ/nだけ位相が進んだ位相代替パルスを生成し、47hコードパルスが位相基準クロックよりも位相が遅れているときには、位相基準クロックよりもΔφ/nだけ位相が遅れた位相代替パルスを生成する位相代替処理回路とを設け、位相代替処理回路で生成された位相代替パルスと位相基準クロックとをPLL回路を構成する位相比較器に供給するものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、TS信号のみの伝送であっても、ジッタなどのTS信号の位相変動による影響が低減された安定したクロックやフレーム信号を再生することができ、しかも、かかるクロックはTS信号の位相変動に追従することになって、TS信号の書込,読み出しが行なわれるメモリでの読み出しをこのクロックをもとに行なう場合、このメモリでの書込アドレスが読出アドレスを追い越したり、読出アドレスが書込アドレスを追い越したりすることを防止することができて、正常なデータを出力することを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
まず、図6により、本発明による信号再生装置の基本構成について説明する。
なお、図6において、1はS/P(シリアル/パラレル)変換器、2はFPGA(Field Programmable Gate Array)、3はメモリ、4は47hコード検出器、5は位相比較器、6はLPF(ローパスフィルタ)、7はVCO(電圧制御型発振器)、8は分周器、9はASI変調器、10はフレーム検出器、11,12は2分周器、13は270MHz発振器である。
【0025】
同図において、例えば、図12に示す受信側のFPU装置206から出力されるシリアルのDVB−ASI信号AはS/P変換器1に供給され、パラレルのDVB−ASI信号に変換されてメモリ3に供給される。なお、この場合、図12においては、FPU−TX200,FPU−RX装置206間の送信は、例えば、光ファイバを介して行なわれるものであるが、これに限るものではない。
【0026】
ここで、シリアルDVB−ASI信号AのTS信号は、クロック周波数が32.5079MHz(クロック周期=1/32.5079μsec)で、図7に示すように、204バイト(=1632ビット)のTSパケットの配列からなるものである。このTSパケットは、8バイトのヘッダと196バイトのデータ及びパリティとから構成されており、ヘッダは、先頭に1バイトの16進数「47」を表わす47hコードが付加され、これに次いで、データの有効,無効(NULLパケット)を識別するための3バイトのPID(Packet IDentifier:パケットID)などから構成されている。
【0027】
シリアルのDVB−ASI信号Aは、図8(a)に示す上記の32.5079MHzのクロック周波数のシリアルのTS信号で図8(b)に示す270MHzのクロックが変調されたものである。
【0028】
S/P変換器1(図6)は、クロック周波数が270MHzのシリアルDVB−ASI信号Aを、図8(c)に示すように、その10ビット(クロック)毎に8ビット(32.5079MHzのクロック周波数のTSパケットの1ビットに相当する期間での270MHzのクロックのビット数)のパラレル信号に変換する。従って、得られたパラレルDVB−ASI信号のクロック周波数は、図8(d)に示すように、27MHzとなる。
【0029】
図9は図6における各部の信号を示すタイミング図であって、以下、図9を用いて図6での各部の動作を説明する。
【0030】
S/P変換器1は、入力されるクロック周波数が270MHzのシリアルDVB−ASI信号A(図9(a))を、図8で説明したようにTSパケット毎にパラレル化した、クロック周波数が27MHzのパラレルDVB−ASI信号B(図9(b))に変換し、出力するとともに、この27MHzの周波数のクロック(27MクロックC:図9(c))も出力する。シリアルのTSパケットは、図7に示すように、1632ビットからなり、その期間はほぼ50μsec(=1632ビット/32.5079Mbps)であり、これが8ビットパラレルのデータが204個(=1632ビット/8)からなるパラレルデータとなるが、このパラレルのTSパケットの期間はほぼ7.5μsec(=204個/27MHz)である。従って、ほぼ50μsecのシリアルTSパケットが7.5μsecのパラレルTSパケットに変換されることになる。
【0031】
そこで、1つのシリアルTSパケットがパラレルTSパケットに変換されると、次のシリアルTSパケットが始まるまでシリアル/パラレル変換処理が休止され、次のシリアルTSパケットが始まると、このシリアルTSパケットのシリアル/パラレル変換処理が行なわれる。得られたパラレルDVB−ASI信号B(図9(b))では、ほぼ50μsec毎に7.5μsecのパラレルTSパケットからなる間欠的な信号となる。
【0032】
このようにして、S/P変換器1では、シリアルのDVB−ASI信号Aのシリアル/パラレル変換処理が行なわれるが、得られたパラレルDVB−ASI信号Bでの間欠的なパラレルTSパケットの期間(上記の7.5μsecの期間:有効期間)を表わす7.5μsecのEN(ENable:イネーブル)信号D(図9(d))も作成されて出力される。
【0033】
クロック周波数が27MHzのパラレルDVB−ASI信号B(図9(b))と、シリアルDVB−ASI信号Aのクロック周波数270MHzを10分周した27MHzのクロック(27Mクロック)C(図9(c))と、EN信号D(図9(d))とは、FPGA2に形成されているメモリ3に供給される。
【0034】
ここで、FPGA2には、メモリ3とともに、分周器8と、フレーム検出器10と、2分周器11,12とが形成されているが、これらはFPGA2によって構成されたものに限定されるものではなく、DSP(Digital Signal Processor)でこれらの機能を持たせるようにしてもよいし、これらとして専用ICで構成したものを用いるようにしてもよく、特に限定されるものではない。
【0035】
位相比較器5とLPF6とVCO7と分周器8は、パラレルDVB−ASI信号Bの47hコードから分周基準クロックF2を生成するためのPLL回路を構成しており、これに47hコード検出器4が設けられている。
【0036】
S/P変換器1からのパラレルDVB−ASI信号Bと27MクロックCとEN信号Dとはメモリ3に供給され、27MクロックCを書込クロックとして、パラレルTS信号BでのEN信号Dで決まる有効期間の部分の信号、即ち、パラレルTSパケットが順次書き込まれる。また、パラレルDVB−ASI信号Bと27MクロックCとEN信号Dとは47hコード検出器4に供給され、パラレルDVB−ASI信号BのシリアルTSパケットの先頭を示す47hコードが検出され、この検出タイミングで47hコードパルスE(図9(e))が出力される。この47hコード検出器4では、27MクロックCとEN信号Dとを用いて、パラレルTS信号B毎に16進数「47」の47hコードが検出され、47hコードパルスEが生成出力されるものであって、この47hコードパルスEは32.5079MHzで1632周期のパルス、即ち、ほぼ19.9kHzのパルスである。
【0037】
この47hコードパルスEは、位相比較器5に供給される。この位相比較器5は、LPF6,VCO7及び分周器8とともに、PLL回路を形成しており、VCO7は32.5079MHzの基準クロックFを発生する。この基準クロックFは分周器8で1632分周されてほぼ19.9kHzの位相基準クロックF1が生成され、位相比較器5に供給されて47hコード検出器4からの47hコードパルスEと位相比較される。その位相誤差信号はLPF6で平滑処理され、制御電圧としてVCO7に供給される。VCO7はこの制御電圧によって制御され、これにより、VCO7から出力される基準クロックFの位相,周波数が47hコードパルスEに同期する。
【0038】
分周器8からは、また、VCO7からの32.5079MHzの基準クロックFを4分周した8.127MHzの分周基準クロックF2が得られる。
【0039】
分周器8からの分周基準クロックF2は2分周器11で2分周され、これによって得られたこの4.0635MHzのクロックが読出クロックとして、メモリ3から上記のパラレルTSパケットが順番に連続して読み出される。これによると、1つのパラレルTSパケットは204個の8ビットパラレルデータからなるから、1パラレルTSパケット読出期間は、
204×8/32.5079μsec=1632/32.5079μsec=約50μsec
であって、32.5079MHzのクロック周波数のシリアルTSパケットの期間長に等しい。これにより、メモリ3からはパラレルTSパケットが順次連続したクロック周波数32.5079/8MHzの8ビットパラレルデータ(32Mデータ)Gが読み出されることになる。この32MデータGはASI変調器9に供給され、270MHz発振器13からの270MHzのクロックを用いてパラレルのDVB−ASI信号H(図9(g))が生成され、次の送信所に送信される。
【0040】
また、メモリ3から読み出された32MデータGはフレーム検出器10に供給され、分周器8からの分周基準クロックF2を2分周器12でさらに2分周して得られる8分周クロックを用いてフレームの先頭を示すFsync信号Iが生成される。このFsync信号Iも、ASI変調器9からのパラレルDVB−ASI信号Hとともに、次の送信所に送信される。
【0041】
さらにまた、分周器8からの分周基準クロックF2も、ASI変調器9からのパラレルDVB−ASI信号Hやフレーム検出器10からのFsync信号Iとともに、次の送信所に送信される。
【0042】
図10は図6におけるPLL回路の動作を示すタイミング図である。
【0043】
図10(a)は位相基準クロックF1の位相を基準位相θSとして、この基準位相θSに対する47hコードパルスEの位相のずれ(位相差)が小さい場合の位相比較器5が出力する位相誤差電圧Δθを示すものであって、図10(a),(イ)に示すように、47hコードパルスEの位相が基準位相θSと一致する場合には、位相比較器5からの位相誤差電圧Δθは0である。この場合には、VCO7は現在の基準クロックFの位相,周波数をそのまま保持するように制御される。また、図10(a),(ロ)に示すように、47hコードパルスEの位相が基準位相θSよりも小さく進んでいる場合には、その位相差に応じた正の位相誤差電圧Δθが位相比較器5から出力され、これにより、VCO7は基準クロックFの周波数を上昇させて、位相基準クロックF1の基準位相θSが小さく進むように(左向きの短い矢印)、制御される。さらに、図10(a),(ハ)に示すように、47hコードパルスEの位相が基準位相θSよりも小さく遅れている場合には、その位相差に応じた負の位相誤差電圧Δθが位相比較器5から出力され、これにより、VCO7は基準クロックFの周波数を下降させて位相基準クロックF1の基準位相θSが小さく遅れるように(右向きの短い矢印)、制御される。このように、47hコードパルスEの位相と基準位相θSとの位相差が小さい場合には、小さい制御電圧により、47hコードパルスEと位相基準クロックF1とが位相同期するように、PLL回路が制御されることになる。
【0044】
図10(b)は位相基準クロックF1の位相、即ち、基準位相θSに対する47hコードパルスEの位相差が大きい場合の位相比較器5が出力する位相誤差電圧Δθを示すものであって、図10(b),(イ)に示すように、47hコードパルスEの位相が基準位相θSよりも大きく進む場合には、その位相差に応じた正の大きな位相誤差電圧Δθが位相比較器5から出力され、これにより、VCO7は基準クロックFの周波数を上昇させて位相基準クロックF1の基準位相θSが大きく進むように(左向きの長い矢印)、制御される。また、図10(b),(ロ)に示すように、47hコードパルスEの位相が基準位相θSよりも大きく遅れる場合には、その位相差に応じた負の大きな位相誤差電圧Δθが位相比較器5から出力され、これにより、VCO7は基準クロックFの周波数を下降させて位相基準クロックF1の基準位相θSが大きく遅れるように(右向きの長い矢印)、制御される。このように、47hコードパルスEの位相と基準位相θSとの位相差が大きい場合も、この場合、制御電圧は大きくなるが、47hコードパルスEと位相基準クロックF1とが位相同期するように、PLL回路が制御されることになる。
【0045】
このように、ジッタなどによって47hコードパルスの位相が大きく急変すると、これに応じてVCO7の制御電圧が変化して47hコードパルスEと位相基準クロックF1とが位相同期するようになるが、この際、VCO7の制御電圧が大きく急変してこのVCO7から出力される基準クロックFの周波数が急変し、これを分周して得られる位相基準クロックF1や分周基準クロックF2の周波数,位相が急変する。即ち、ジッタなどによって47hコードの位相が急変すると、位相基準クロックF1や分周基準クロックF2がその影響を大きく受けることになる。
【0046】
これに対し、本出願人は、47hコードパルスの位相を大きく急変させるジッタなどの位相変動が生じた場合、これを取り除いてPLL回路の制御を行なうようにした発明を提案した(特願2007ー209089号)。
【0047】
この発明は、位相基準クロックF1に対して、この位相基準クロックF1の位相を中心に所定の位相範囲が適正位相範囲として設定されており、47hコードパルスEの位相基準クロックF1に対する位相差がこの適正位相範囲内にあるときには、この47hコードパルスEと位相基準クロックF1とをPLL回路の位相比較器5に供給するものであるが、ジッタなどによって47hコードパルスEの位相基準クロックF1に対する位相差がこの適正位相範囲を超えるように大きい場合には、47hコードパルスEに代えて、位相基準クロックF1に対して基準クロックFの1クロック周期分遅れた代替パルスを位相比較器5に供給するものであり、これにより、47hコードパルスEのこの適正範囲を超えるような大きな位相変動分が除かれ、ジッタなどに影響されない分周基準クロックF2が得られることになる。
【0048】
ところで、本出願人によるこの発明では、2分周器11から出力されるメモリ3の読出クロックは47hコードパルスEの大きな位相変動の影響が除かれたものであるが、メモリ3の書込クロックCはかかる位相変動の影響を受けたものであり、メモリ3での書込アドレスが読出アドレスに対して進んだり、遅れたりすることになる。このため、ジッタの分布が時間的に非対称である場合、書込アドレスが読出アドレスを追い越したり、読出アドレスによって追い越されたりする場合もあり、メモリ3からデータの読み出しに異常が生ずるような事態も生ずることになる。
【0049】
本発明は、かかる問題を解消して、ジッタなどによる47hコードパルスEの大きな位相変動によって影響されない分周基準クロックF2を生成することができるようにするものであって、以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0050】
図1は本発明による信号再生装置の一実施形態を示すブロック構成図であって、14は分周器、15は位相差検出回路、16は位相差分割・記憶回路、17は位相代替処理回路であり、図6に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0051】
同図において、47hコード検出器4から出力される47hコードパルスEは、分周器14に供給されてその周波数が1/n(但し、nは2以上の整数)に分周され、47hコードパルスEの周期のn倍の周期(従って、図7に示すTSパケットの周期のn倍の周期)で47hコードパルスEに位相が同期した分周パルスJが得られる。この分周パルスJは位相差検出回路15に供給されて分周器8からの位相基準クロックF1とそのn周期毎に位相差Kが検出され、位相差分割・記憶回路16に供給される。この位相差分割・記憶回路16では、この供給された位相差Kを分割し、この分割して得られた位相差(分割位相差)Lを保持するとともに、位相基準クロックF1のタイミングで順に位相代替処理回路17に供給する。位相代替処理回路17は、この分割位相差Lをもとに、位相基準クロックF1から位相代替パルスMを生成し、位相基準クロックF1とともに、位相比較器5に供給する。位相比較器5は、この位相代替処理回路17からの位相代替パルスMと位相基準クロックF1とを位相比較し、位相誤差電圧Δθを検出して、LPF6を介し、VCO7に供給してこのVCO7の発振周波数を制御する。
【0052】
位相差分割・記憶回路16では、記憶した分割位相差Lを常時位相代替処理回路17に供給し、また、位相差検出回路15から新たな位相差Kが供給されると、これまで記憶されていた分割位相差Lをこの新たに供給された位相差Kから得られる新たな分割位相差Lに更新し、この新たな分割位相差Lを位相代替処理回路17に供給する。
【0053】
また、位相差検出回路15で検出される位相差Kは、分周器14からの分周パルスJと分周器8からの位相基準クロックF1との間の進み,遅れの位相関係に応じて、その進み,遅れを表わす正負の符号情報と大きさを表わす大きさ情報とからなるものである。位相差分割・記憶回路16で生成される分割位相差Lも、同様にして、符号情報L1と大きさ情報L2とからなっている。
【0054】
位相差分割・記憶回路16では、位相差検出回路15からの位相差Kについて、その大きさ情報が表わす位相差Δφをn個に分割する。そして、いま、47hコードパルスEが位相基準クロックF1に対してΔφだけ位相が進んでいるものとすると、そのときの分割位相差Lの符号情報L1をL1(+)とし、また、そのときの分割位相差Lの大きさ情報L2をL2(+)として、
Δφ/n,Δφ/n,……,Δφ/n,Δφ/n
のように、大きさがΔφ/nのn個の大きさ情報L2(+)を作成して記憶する。47hコードパルスEが位相基準クロックF1よりも位相Δφだけ遅れて符号情報L1がL1(−)であるときも、同様にして、Δφ/nのn個の大きさ情報L2(−)を作成して夫々記憶する。
【0055】
このように作成された符号情報L1(+),L1(−)に対するn個ずつの大きさ情報L2(+),L2(−)は、47hコードパルスEが位相基準クロックF1よりも位相Δφだけ進んで符号情報L1がL1(+)のとき、47hコードパルスEが47h検出器4から出力される毎に、Δφ/nの大きさ情報L2(+)が順に、符号情報L1(+)とともに、分割位相差Lとして、位相代替処理回路17に供給され、また、47hコードパルスEが位相基準クロックF1よりも位相Δφだけ遅れて符号情報L1がL1(−)のときも、47hコードパルスEが47h検出器4から出力される毎に、Δφ/nのn個の大きさ情報L2(−)が順に、符号情報L1(−)とともに、分割位相差Lとして、位相代替処理回路17に供給される。
【0056】
図2は図1における位相代替処理回路17の一具体例を示すブロック構成図であって、17a,17bは遅延手段、17c,17dは切替スイッチである。
【0057】
同図において、分周器8(図1)からの位相基準クロックF1は、遅延手段17a,17bに供給されるとともに、切替スイッチ17cの+端子と切替スイッチ17dの−端子とに供給される。また、遅延手段17aの出力パルスは切替スイッチ17cの−端子に供給され、遅延手段17bの出力パルスは切替スイッチ17dの+端子に供給される。切替スイッチ17c,17dは、位相差分割・記憶回路16から位相基準クロックF1のタイミングで供給される位相差Lの符号情報L1によって切替制御される。
【0058】
かかる切替スイッチ17cの切替制御により、47hコードパルスEが位相基準クロックF1に対してΔφだけ位相が進んでいる符号情報L1がL1(+)のときには、切替スイッチ17cが+端子側に閉じて、分周器8から供給される位相基準クロックF1を選択し、位相代替パルスMとして位相比較器5(図1)に供給する。また、47hコードパルスEが位相基準クロックF1に対してΔφだけ位相が遅れている符号情報L1がL1(−)のときには、切替スイッチ17cが−端子側に閉じて、分周器8から供給されて遅延手段17aで遅延された位相基準クロックF1を選択し、位相代替パルスMとして位相比較器5(図1)に供給する。
【0059】
なお、図2では図示しないが、位相代替処理回路17では、切替スイッチ17c,17dの切替タイミングが位相基準クロックF1のタイミングと一致しないように、この位相基準クロックF1を若干遅延させている。
【0060】
切替スイッチ17dの切替制御により、47hコードパルスEが位相基準クロックF1に対してΔφだけ位相が進んでいる符号情報L1がL1(+)のときには、切替スイッチ17dが+端子側に閉じて、分周器8から供給されて遅延手段17bで遅延された位相基準クロックF1を選択し、位相基準クロックF1として位相比較器5(図1)に供給する。また、47hコードパルスEが位相基準クロックF1に対してΔφだけ位相が遅れている符号情報L1がL1(−)のときには、切替スイッチ17dが−端子側に閉じて、分周器8から供給される位相基準クロックF1を選択し、位相基準クロックF1として位相比較器5(図1)に供給する。
【0061】
ここで、この具体例の場合、位相差分割・記憶回路16は、位相差検出回路15からΔφの位相差Kが供給されると、Δφ/nずつに分割してΔφ/nのn個の大きさ情報L2を作成して記憶し、分周器8から位相基準パルスF1が供給される毎に、Δφ/nの大きさ情報L2を、符号情報L1とともに、分割位相差Lとして遅延手段17a,17bに供給する。これにより、分周器8から供給される位相基準パルスF1は、遅延手段17aと遅延手段17bとでΔφ/nだけ遅延されて夫々切替スイッチ17c,17dに供給される。
【0062】
そこで、切替スイッチ17dの+端子に供給される遅延手段17bからの位相基準パルスF1に対して、分周器8から切替スイッチ17cの+端子に、位相代替パルスMとして、供給される位相基準パルスF1は位相がΔφ/nだけ進んだものとなり、また、分周器8から切替スイッチ17dの−端子に供給される位相基準パルスF1に対して、遅延手段17aからの切替スイッチ17cの−端子に、位相代替パルスMとして、供給される位相基準パルスF1は位相がΔφ/nだけ遅れたものとなる。
【0063】
このことからして、47hコードパルスEが位相基準クロックF1に対してΔφだけ位相が進んで符号情報L1がL1(+)のときには、切替スイッチ17c,17dが+端子側に閉じるから、切替スイッチ17dから位相比較器5に供給される位相基準パルスF1に対して、切替スイッチ17cから位相比較器5に供給される位相代替パルスMはΔφ/nだけ位相が進んだものとなり、これにより、分周器8から次に供給される位相基準パルスは、Δφ/nだけ位相が進んだものとなる。
【0064】
また、47hコードパルスEが位相基準クロックF1に対してΔφだけ位相が遅れて符号情報L1がL1(−)のときには、切替スイッチ17c,17dが−端子側に閉じるから、切替スイッチ17dから位相比較器5に供給される位相基準パルスF1に対して、切替スイッチ17cから位相比較器5に供給される位相代替パルスMはΔφ/nだけ位相が遅れたものとなり、これにより、分周器8から次に供給される位相基準パルスは、Δφ/nだけ位相が遅れたものとなる。
【0065】
このようにして、この具体例において、47hコードパルスEが位相基準クロックF1に対してΔφだけ位相が進んでいるときには、位相比較器5に位相基準パルスF1よりも位相がΔφ/nだけ進んだ位相代替パルスMが供給されることになり、47hコードパルスEが位相基準クロックF1に対してΔφだけ位相が遅れているときには、位相比較器5に位相基準パルスF1よりも位相がΔφ/nだけ遅れた位相代替パルスMが供給されることになる。これにより、分周器8からの位相基準パルスF1が47hコードパルスEの位相に順次近づいていくことになる。
【0066】
図3(a)は図2における遅延手段17a,17bの一具体例を示すブロック構成図であって、181〜18m(但し、mは、m<nの整数)はDFF(D型フリップフロップ)、19はセレクタである。また、図3(b)はこの具体例の動作を示すタイミング図である。
【0067】
図3(a)に示す具体例は、m個のDFF181〜18mが直列接続され、これらDFF181〜18mのQ端子から出力される出力パルスQ1〜Qmのいずれかをセレクタ19が選択する構成をなしている。
【0068】
各DFF181〜18mには、CK端子に入力されるクロックCKとして、例えば、図1におけるVCO7から出力される基準クロックFが供給され、この基準クロックFの立上りタイミングでD端子から入力されるデータDが取り込まれ、Q端子から出力される出力パルスQのレベル(“H”(ハイレベル),“L”(ローレベル))を取り込まれたデータDのレベルに設定する。
【0069】
初段のDFF181の入力データDは分周器8(図1)からの位相基準クロックF1であり、2段目のDFF182に入力されるデータDは初段のDFF181のQ端子からの出力パルスQ1であり、3段目のDFF183に入力されるデータDは2段目のDFF182のQ端子からの出力パルスQ2である。このように、2段目以降のDFF18i(但し、i=2,3,……,m)では、その前段のDFF18i-1から出力される出力パルスQi-1がデータDとして供給される。
【0070】
次に、この具体例の動作を図3(b)を用いて説明する。
【0071】
クロックCKとしての基準クロックFの周期をTSとすると、位相基準クロックF1のパルス幅(期間)TWは、この周期TSよりも短いが、この周期TSにほぼ等しいパルス幅である。これにより、基準クロックFの1つが位相基準クロックF1の期間(レベルが“H”)TW内に存在することになる。即ち、位相基準クロックF1の1周期毎に、必ず基準クロックFの1つが位相基準クロックF1の期間TW内に存在することになる。
【0072】
そこで、図3(b)において、初段のDFF181に位相基準クロックF1がデータDとして供給されると、位相基準クロックF1の期間TW内に供給されるクロックCKとしての基準クロックF(1)の立上りエッジで位相基準クロックF1の期間TWのレベル“H”が取り込まれ、このDFF181のQ端子はレベル“H”となる。そして、次に基準クロックF(2)が供給されると、位相基準クロックF1の期間TWを経過しているので、このDFF181のQ端子はレベル“L”となる。従って、DFF181のQ端子からは、位相基準クロックF1の期間TW内に供給される基準クロックF(1)の立上りエッジに位相同期し、この基準クロックFの周期TSにほぼ等しいパルス幅TQの出力パルスQ1が出力される。
【0073】
このDFF181のQ端子からのレベル“H”の出力パルスQ1はデータDとして2段目のDFF182に供給される。このDFF182では、この供給される出力パルスQ1の立上りエッジ直後に供給される基準クロックF(2)の立上りエッジでこのパルスQ1のレベル“H”が取り込まれて、このDFF182のQ端子はレベル“H”となり、次に基準クロックF(3)が供給されると、パルスQ1の期間TQを経過しているので、このDFF182のQ端子はレベル“L”となる。これにより、DFF182のQ端子からは、DFF181のQ端子からのレベル“H”の出力パルスQ1の期間TQ内に供給される基準クロックF(2)の立上りエッジに位相同期し、この基準クロックFの周期TSにほぼ等しいパルス幅TQの出力パルスQ2が出力される。従って、このDFF182のQ端子からの出力パルスQ2は、DFF181のQ端子からの出力パルスQ1から基準クロックFの1周期TSだけ位相が遅れたものである。
【0074】
以下同様にして、DFF182のQ端子からの出力パルスQ2がデータDとして供給されるDFF183では、そのQ端子からこのパルスQ2よりも基準クロックFの1周期TSだけ位相が遅れたパルスQ3が出力されることになり、位相基準クロックF1の1周期中に、各DFF181,182,183,……,18mから、順次、基準クロックFの1周期TS分ずつ順次位相が遅れるm個のパルスQ1,Q2,Q3,……,Qmが得られることになる。即ち、DFF181からの出力パルスQ1は位相基準クロックF1と同相のパルスであり、DFF182からの出力パルスQ2は位相基準クロックF1よりも基準クロックFの1周期TSだけ位相が遅れたパルスであり、DFF183からの出力パルスQ3は位相基準クロックF1よりも基準クロックFの周期TSの2倍だけ位相が遅れたパルスであり、……、DFF18mからの出力パルスQmは位相基準クロックF1よりも基準クロックFの周期TSのm倍だけ位相が遅れたパルスである。
【0075】
これらDFF181,182,183,……,18mからの出力パルスQ1,Q2,Q3,……,Qmはセレクタ19に供給され、そのうちの位相差分割・記憶回路16(図1)からのそのときの大きさ情報L2に該当するパルスQj(但し、j=1,2,3,……,m)が選択される。ここで、この該当するパルスQjとは、位相基準クロックF1よりもこの大きさ情報L2のΔφ/nの位相だけ位相遅れしたパルスである。
【0076】
セレクタ19で選択されたパルスは、図2での切替スイッチ17cの−端子(遅延手段17aの場合)、あるいは切替スイッチ17dの+端子(遅延手段17bの場合)に供給される。
【0077】
このようにして、図2における遅延手段17a,17bからは、位相基準クロックF1よりも、このとき設定される大きさ情報L2の分割位相差Δφ/nだけ位相が遅れたパルスが得られることになる。
【0078】
図4(a)は図2における遅延手段17a,17bの他の具体例を示すブロック構成図であって、20はレジスタ、21は一致検出器、22は乗算器、23はカウンタ、24はアンドゲートである。また、図4(b)はこの具体例の動作を示すタイミング図である。
【0079】
図4(a)に示す具体例は、レジスタ20と一致検出器21と乗算器22とカウンタ23とアンドゲート24とから構成されるものである。
【0080】
レジスタ20には、位相差分割・記憶回路16(図1)から分割位相差Lの大きさ情報L2が供給される毎に、この大きさ情報L2が蓄積される。この蓄積された大きさ情報L2は、一致検出器21に供給される。
【0081】
一方、レベル“H”の位相基準クロックF1は、クリアパルスCLとしてカウンタ23に供給されるとともに、レベル反転されてアンドゲート24にも供給される。このアンドゲート24には、基準クロックFも供給されており、図4(b)に示すように、レベル反転された位相基準クロックF1の期間TWを除いて、カウンタ23にクロックCKとして供給される。
【0082】
なお、この具体例においても、図3に示す具体例と同様に、クロックCKとしての基準クロックFの周期をTSとすると、位相基準クロックF1のパルス幅(期間)TWは、この周期TSよりも短いが、この周期TSにほぼ等しいパルス幅である。これにより、基準クロックFの1つが位相基準クロックF1の期間(レベルが“H”)TW内に存在することになる。即ち、位相基準クロックF1の1周期毎に、必ず基準クロックFの1つが位相基準クロックF1の期間TW内に存在することになる。
【0083】
カウンタ23は、レベル“H”の位相基準クロックF1の立上りエッジ(前エッジ)のタイミングでクリアされ、次いでアンドゲート24を介して基準クロックFが供給されると、この基準クロックFが供給される毎に値1から1ずつカウントアップしていく。従って、このカウンタ23のカウント値Nは、位相基準クロックF1が供給される毎に値0にクリアされるものであって、位相基準クロックF1が供給された後の基準クロックFの入力個数を表わすものである。
【0084】
カウンタ23のカウント値Nは、乗算器22に供給され、カウント値Nが時間長TDに変換される。ここで、位相基準クロックF1の周期をTF1とすると、この位相基準クロックF1は基準クロックFを1632分周したものであるから、基準クロックFの周期TS(位相基準クロックF1に対する基準クロックFの1個分の位相差)は、
S=TF1/1632
となる。従って、カウンタ23が位相基準クロックF1によってクリアされてからカウント値NがNとなるまでに要する時間TDは、
D=N・TF1/1632
となり、図4(b)に示すように、カウンタ23のカウントとともに増加する。この時間TDは一致検出器21に供給される。一致検出器21は、この時間TDとレジスタ20からの大きさ情報L2とを比較し、両者が一致したとき、あるいは予め規定された誤差値の範囲内で一致するとき、図4(b)に示すように、一致パルスPを出力する。この一致パルスPは位相基準クロックF1から分割位相差Lの大きさ情報L2の位相遅れのパルスであり、図2での遅延手段17aの出力として、切替スイッチ17cの−端子に供給され、あるいは図2での遅延手段17bの出力として、切替スイッチ17dの+端子に供給される。
【0085】
このようにして、一致検出器21からは、位相基準クロックF1から分割位相差Lの大きさ情報L2の位相遅れのパルスが得られることになる。
【0086】
図5は図1におけるPLL回路の動作を示すタイミング図であって、図1に対応する信号には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0087】
図5(a)は47hコードパルスEが位相基準クロックF1と位相基準クロックF1とが位相同期した状態(正常位相の状態)を示すものであって、47hコード検出器4からの47hコードEが位相基準クロックF1と位相が同期している場合には、位相差検出回路15から出力される位相差信号Kは、その大きさ情報がΔφ=0であり、符号情報は正または負である(なお、大きさ情報がΔφ=0であるときには、符号情報は正または負のいずれかに決めておくが、以下では、符号情報は正とする)。従って、位相差分割・記憶回路16で記憶され、また、位相代替処理回路17に供給される分割位相差Lは、符号情報L1がL1(+)で大きさ情報L2が0である。
【0088】
そこで、位相代替処理回路17では、図2において、Δφ/n=0の大きさ情報L2(+)が遅延手段17a,17bに夫々供給され、夫々に遅延量0が設定される。そこで、分周器8からこれら遅延手段17a,17bに供給される位相基準パルスF1は遅延されないで出力される。遅延手段17aの出力パルスは切替スイッチ17cの−端子に供給され、遅延手段17bの出力パルスは切替スイッチ17dの+端子に供給される。また、分周器8からの位相基準パルスF1は、切替スイッチ17cの+端子と切替スイッチ17dの−端子とに供給される。このとき、L1(+)の符号情報L1が切替スイッチ17c,17dに供給されるから、切替スイッチ17c,17dは+端子側に閉じている。このため、切替スイッチ17cでは、分周器8からの位相基準パルスF1が位相代替パルスMとして選択され、また、切替スイッチ17dでは、遅延手段17bの出力パルスが位相基準パルスF1として選択され、夫々位相比較器5(図1)に供給される。このとき、遅延手段17bの遅延量は0に設定され、これに供給される位相基準クロックF1は遅延されないで出力されるから、切替スイッチ17cから位相比較器5に供給される位相代替パルスMと切替スイッチ17cから位相比較器5に供給される位相基準クロックF1とは同相である。
【0089】
このようにして、正常位相の状態では、図5(a)に示すように、位相代替パルスMは47hコードパルスEと位相が同期したものであり、位相比較器5からLPF6に供給される位相誤差信号Δθは0となる。
【0090】
図5(b)は47hコードパルスEが位相基準クロックF1よりも位相がΔφだけ進んでいる状態(位相が進んだ状態)を示すものであって、位相差検出回路15から出力される位相差信号Kは、その大きさ情報がΔφであり、符号情報は正である。従って、位相差分割・記憶回路16で記憶され、また、位相代替処理回路17に供給される分割位相差Lは、符号情報L1がL1(+)であって、大きさ情報L2(+)はΔφ/nである。
【0091】
図2に示す位相代替処理回路17では、符号情報L1がL1(+)であるとき、Δφ/nの大きさ情報L2(+)が供給される遅延手段17bでΔφ/nだけ位相が遅延された位相基準クロックF1が切替スイッチ17dで、位相基準クロックF1として、選択されて位相比較器5(図1)に供給される。また、これとともに、分周器8からの位相基準クロックF1が切替スイッチ17cで選択され、位相代替パルスMとして、位相比較器5(図1)に供給される。
【0092】
これにより、位相比較器5で位相基準クロックF1と位相比較する位相代替パルスMは、常に位相基準クロックF1よりもΔφ/nだけ位相が進んだパルスとなる。
【0093】
なお、図5(b)では、最初の位相代替パルスMについて示しているが、これ以降の(n−1)個の位相代替パルスMについても、位相比較器5で位相比較する位相基準クロックF1との位相差はΔφ/nである。
【0094】
このようにして、47hコードパルスEの位相が進んだ状態では、位相代替パルスMは位相基準クロックF1よりもΔφ/nだけ位相が進んだものであり、位相差Δφに対して充分位相差が減縮された位相代替パルスMが位相比較器5に供給されることになる。位相比較器5からLPF6に供給される位相誤差信号Δθは、この位相差に応じたものとなり、47hコードパルスEを直接位相比較器5に供給する場合(図6)に比べ、VCO7から出力される基準クロックFの周波数変動はわずかなものとなる。従って、この基準クロックFの47hコードパルスEでの大きくて急激なジッタによる影響が大幅に低減されることになる。
【0095】
図5(c)は47hコードパルスEが位相基準クロックF1よりも位相がΔφだけ遅れている状態(位相が遅れた状態)を示すものであって、位相差検出回路15から出力される位相差信号Kは、その大きさ情報がΔφであり、符号情報は負である。従って、位相差分割・記憶回路16で記憶され、また、位相代替処理回路17に供給される分割位相差Lは、符号情報L1がL1(−)であって、大きさ情報L2(−)はΔφ/nである。
【0096】
図2に示す位相代替処理回路17では、符号情報L1がL1(−)であるとき、Δφ/nの大きさ情報L2(−)が供給される遅延手段17aでΔφ/nだけ位相が遅延された位相基準クロックF1が、位相代替パルスMとして、切替スイッチ17cで選択されて位相比較器5(図1)に供給される。また、これとともに、分周器8からの位相基準クロックF1が切替スイッチ17dで選択され、位相比較器5(図1)に供給される。
【0097】
これにより、位相比較器5で位相基準クロックF1と位相比較する位相代替パルスMは、常に位相基準クロックF1よりもΔφ/nだけ位相が遅れたパルスとなる。
【0098】
なお、図5(c)では、最初の位相代替パルスMについて示しているが、これ以降の(n−1)個の位相代替パルスMについても、位相比較器5で位相比較する位相基準クロックF1との位相差はΔφ/nである。
【0099】
このようにして、47hコードパルスEが位相基準クロックF1よりも位相が遅れた状態では、位相代替パルスMは、位相基準クロックF1がΔφ/nだけ位相遅延され、従って、位相基準クロックF1よりもΔφ/nだけ位相が遅れたものであり、位相差Δφに対して充分位相差が減縮された位相代替パルスMが位相比較器5に供給されることになる。位相比較器5からLPF6に供給される位相誤差信号Δθは、この位相差に応じたものとなり、47hコードパルスEを直接位相比較器5に供給する場合(図6)に比べ、VCO7から出力される基準クロックFの周波数変動はわずかなものとなる。従って、この基準クロックFの47hコードパルスEでの大きく急変するジッタによる影響が大幅に低減されることになる。
【0100】
また、以上の実施形態では、図1において、位相差検出器15で検出された位相差Kの大きさ情報を表わす位相差Δφを、位相差分割・記憶回路16において、n個に等分割して、分割位相差LのΔφ/nの大きさ情報L2をn個作成し、これらを、次の位相差Kが供給されるまでの期間、順次位相代替処理回路17に供給し、位相基準クロックF1毎にこれにΔφ/nだけ進んだ、あるいはΔφ/nだけ遅れた、即ち、同じ位相だけ進んだ、あるいは遅れた位相代替パルスMを生成するようにしたが、これに限るものではなく、次の位相差Kが供給されるまでの期間での全位相差が位相差検出器15で検出された位相差Kの大きさ情報を表わす位相差Δφとなれば、次の位相差Kが供給されるまでの期間内での分割位相差Lの順次の大きさ情報L2を異ならせるようにしてもよい。
【0101】
例えば、次の位相差Kが供給されるまでの期間で、最初に分割位相差Lの大きさ情報L2を大きくして、位相代替パルスMの位相基準クロックF1に対する位相差を大きくし、時間の経過とともに、分割位相差Lの大きさ情報L2を小さくしていって位相代替パルスMの位相基準クロックF1に対する位相差を順次小さくしたり、次の位相差Kが供給されるまでの期間内で、その前半の期間、位相代替パルスMの位相基準クロックF1に対する位相差を大きい一定の値とし、その後半の期間、位相代替パルスMの位相基準クロックF1に対する位相差を小さい一定の値となるようにしたりするなど、位相差分割・記憶回路16で分割位相差Lの順次の大きさ情報L2が異なるようにすることもできる。
【0102】
以上のようにして、ジッタなどにより、47hコードパルスEの位相が大きく急変しても、これによって影響されない分周基準クロックF2を生成することができるし、また、ジッタなどによって47hコードパルスEの位相が大きく急変しても、47hコードパルスEのn周期にわたって分周基準クロックF2がこれに追従するように動作が行なわれるので、メモリ3で書込アドレスが読出アドレスに追いついたり、読出アドレスを追い越したりする事態を防止することができる。
【0103】
また、メモリ3から読み出された32MデータGからフレーム検出器10で生成されるフレームの先頭を示すFsync(フレーム同期)信号Iは、分周器8からの分周基準クロックF2を2分周器12でさらに2分周して得られる8分周クロックを用いて生成されるものであるから、このFsync信号Iも正常に再生できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明による信号再生装置の一実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】図1における位相代替処理回路の他の具体例を示すブロック構成図である。
【図3】図2における遅延手段の一具体例を示すブロック図である。
【図4】図2における遅延手段の他の具体例を示すブロック図である。
【図5】図1におけるPLL回路の動作を示すタイミング図である。
【図6】本発明による信号再生装置の基本構成を示すブロック構成図である。
【図7】シリアルTS信号のTSパケットのフォーマットを示す図である。
【図8】図6におけるS/P変換器の動作を示すタイミング図である。
【図9】図6における各部の信号を示すタイミング図である。
【図10】従来のPLL回路の動作を示すタイミング図である。
【図11】FPU装置を用いた従来のTSLの無線伝送システムの一例を示すブロック構成図である。
【図12】FPU装置を用いた従来のTSLの無線伝送システムの他の例を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
【0105】
1 S/P変換器
3 メモリ
4 47hコード検出器
5 位相比較器
6 LPF
7 VCO
8 分周器
9 ASI変調器
10 フレーム検出器
11,12 2分周器
13 270MHz発振器
14 分周器
15 位相差検出回路
16 位相差分割・記憶回路
17 位相代替処理回路
17a,17b 遅延手段
17c,17d 切替スイッチ
181〜18m DFF
19 セレクタ
20 レジスタ
21 一致検出器
22 乗算器
23 カウンタ
24 アンドゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
47h(16進数)コードで始まるTSパケットからなるTS信号から、PLL回路を用いて、該TS信号の正規のクロックを再生する信号再生装置であって、
該TS信号の該TSパケット毎に該47hコードを検出し、該47hコードのタイミングで47hコードパルスを出力する47hコード検出器と、
該47hコードパルスをn分周(nは2以上の整数)する分周器と、
該PLL回路の分周器からの位相基準クロックと該分周器からの分周出力パルスとの位相差Δφを検出する位相差検出回路と、
該位相差検出回路で検出された位相差Δφをn個の位相差に分割し、該47hコードパルスが該位相基準クロックよりも位相が進んでいるときと該47hコードパルスが該位相基準クロックよりも位相が遅れているときとでの合計した大きさがΔφであるn個の分割位相差を生成し、記憶保持する位相差分割・記憶回路と、
該位相差分割・記憶回路で生成された該分割位相差をもとに、該47hコードパルスが該位相基準クロックよりも位相が進んでいるときには、該位相差基準クロック毎に、該位相基準クロックよりも該分割位相差だけ位相が進んだ位相代替パルスを生成し、該47hコードパルスが該位相基準クロックよりも位相が遅れているときには、該位相差基準クロック毎に、該位相基準クロックよりも該分割位相差だけ位相が遅れた位相代替パルスを生成する位相代替処理回路と
を設け、
該位相代替処理回路で生成された該位相代替パルスと該位相基準クロックとを該PLL回路を構成する位相比較器に供給することを特徴とする信号再生装置。
【請求項2】
47h(16進数)コードで始まるTSパケットからなるTS信号から、PLL回路を用いて、該TS信号の正規のクロックを再生する信号再生装置であって、
該TS信号の該TSパケット毎に該47hコードを検出し、該47hコードのタイミングで47hコードパルスを出力する47hコード検出器と、
該47hコードパルスをn分周(nは2以上の整数)する分周器と、
該PLL回路の分周器からの位相基準クロックと該分周器からの分周出力パルスとの位相差Δφを検出する位相差検出回路と、
該位相差検出回路で検出された位相差Δφをn分割し、該47hコードパルスが該位相基準クロックよりも位相が進んでいるときと該47hコードパルスが該位相基準クロックよりも位相が遅れているときとでのΔφ/nの大きさのn個の分割位相差を生成し、記憶保持する位相差分割・記憶回路と、
該位相差分割・記憶回路で生成された該分割位相差をもとに、該47hコードパルスが該位相基準クロックよりも位相が進んでいるときには、該位相基準クロックよりもΔφ/nだけ位相が進んだ位相代替パルスを生成し、該47hコードパルスが該位相基準クロックよりも位相が遅れているときには、該位相基準クロックよりもΔφ/nだけ位相が遅れた位相代替パルスを生成する位相代替処理回路と
を設け、
該位相代替処理回路で生成された該位相代替パルスと該位相基準クロックとを該PLL回路を構成する位相比較器に供給することを特徴とする信号再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−62830(P2010−62830A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226030(P2008−226030)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】