説明

信号変換装置、映像投影装置及び映像投影システム

【課題】複数の映像投影装置の特性に応じて、多階調化を実現する信号変換装置、映像投影装置及び映像投影システムを提供する。
【解決手段】投影画像を重ねて表示する複数の映像投影装置を構成する各映像投影装置に映像信号を供給する信号変換装置は、前記複数の映像投影装置のうち少なくとも1つの映像投影装置に対し、前記少なくとも1つの映像投影装置が有する光変調素子の光変調特性を表す特性情報を送信する特性情報送信部と、前記特性情報送信部により送信される特性情報に基づいて、前記各映像投影装置に対応した信号変換処理を入力映像信号に対して行い、該信号変換処理後の映像信号を前記各映像投影装置に供給する信号変換処理部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号変換装置、映像投影装置及び映像投影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像信号のデジタル化が進み、HDV(High-Definition Video)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)、映像デジタル信号の記録に関する規格等の種々の規格が策定さている。これらの規格は、現在の映像出力機器及び撮像機器の高性能化や将来の性能向上を見越して、これまで以上の色再現域や広いダイナミックレンジ、多くの階調が表現可能な規格となっている。
【0003】
このような規格に準拠した映像出力機器として、プラズマディスプレイや液晶表示装置のように、アナログ信号で階調表現するものや、PWM(Pulse Width Modulation)制御で階調表現するものがある。アナログ信号で階調表現する場合には、理論上は無限の階調を実現できる可能性があるものの、現実的には多階調を正確に再現することは困難である。また、PWM制御で階調表現する場合には、ミラー等の物理的な可動機構の可動速度が限界に達して高い分解能が得ることが困難となり、また、高速に画素をオンオフ制御するための画素密度を上げることが困難な状況となっている。
【0004】
これに対して、映像投影装置としてのプロジェクタは、直視型ディスプレイとは異なり、スクリーン上で複数の投影映像を簡単に重ねて表示できる。そこで、この特性を利用して、同一の映像を複数のプロジェクタでスクリーン上に重ねて表示することで輝度の向上を図ることが行われる。例えば特許文献1には、2つのプロジェクタの投影映像を重ねることで、階調数を増やす技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−125317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、2つのプロジェクタが1階調ごとに投射する光の光量が略同等となるように映像を投影したり、一方のプロジェクタが1階調ごとに投射する光の光量に対して他方のプロジェクタが1階調ごとに投射する光の光量が略整数倍となるように映像を投影したりする。そのため、プロジェクタが有する光変調素子の非線形性や映像を見る人の眼の特性の非線形性を考慮すると、特許文献1に開示されているように投影しても、多階調化の効果が低いと考えられる。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、複数の映像投影装置の特性に応じて、多階調化を実現する信号変換装置、映像投影装置及び映像投影システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、投影画像を重ねて表示する複数の映像投影装置を構成する各映像投影装置に映像信号を供給する信号変換装置であって、前記複数の映像投影装置のうち少なくとも1つの映像投影装置に対し、前記少なくとも1つの映像投影装置が有する光変調素子の光変調特性を表す特性情報を送信する特性情報送信部と、前記特性情報送信部により送信される特性情報に基づいて、前記各映像投影装置に対応した信号変換処理を入力映像信号に対して行い、該信号変換処理後の映像信号を前記各映像投影装置に供給する信号変換処理部とを含む信号変換装置に関係する。
【0009】
本発明によれば、複数の映像投影装置の投影画像を重ねて表示する場合に、映像投影装置が有する光変調素子の特性情報を送信して光変調素子の光変調特性を制御し、この特性情報に基づいて、各映像投影装置に対応した信号変換処理を入力映像信号に対して行い、該信号変換処理後の映像信号を前記各映像投影装置に供給するようにしたので、多階調化を実現できるようになる。
【0010】
また本発明に係る信号変換装置では、前記特性情報送信部は、前記複数の映像投影装置のうちの第1及び第2の映像投影装置に対し、互いに異なる特性情報を送信することができる。
【0011】
本発明によれば、複数の映像投影装置の投影画像を重ねて表示する場合に、高輝度側であるか低輝度側であるかにかかわらず全領域にわたって、階調数を確実に増加させることができ、階調表現を細かく制御することができるようになる。
【0012】
また本発明に係る信号変換装置では、前記第1の映像投影装置が有する光変調素子の光変調特性を表す特性情報は、前記第2の映像投影装置が有する光変調素子の光変調特性を表す特性情報により求められる関数の逆関数から得られた情報であってもよい。
【0013】
本発明によれば、高輝度領域や低輝度領域の全領域にわたって確実に階調を細かく制御できるようになる。
【0014】
また本発明に係る信号変換装置では、前記入力映像信号で表現可能な階調数が、前記各映像投影装置に供給される映像信号で表現可能な階調数よりも多くてもよい。
【0015】
本発明によれば、上記の効果に加えて、入力映像信号の階調数が多い場合であっても、階調数が少ない安価なプロジェクタを用いることができ、低コストで多階調な映像を高精度に制御できるようになる。
【0016】
また本発明は、上記のいずれか記載の信号変換装置と、前記信号変換装置からの映像信号に基づいて映像を投射する投射部とを含む映像投影装置に関係する。
【0017】
本発明によれば、複数の映像投影装置の投影画像を重ねて表示する場合に、これらの映像投影装置の特性に応じて、多階調化を実現できるようになる。
【0018】
また本発明に係る映像投影装置では、スクリーンに投影された他の映像投影装置の投影画像の輝度を検出する輝度検出部を含み、前記入力映像信号を前記映像投影装置に供給すると共に、前記輝度検出部により検出された輝度に基づいて前記入力映像信号を変換した映像信号を用いて映像を投射することができる。
【0019】
本発明によれば、他の映像投影装置が、その特性情報を受信して、受信した特性情報に基づいて映像表示する機能を持たない場合であっても、複数の映像投影装置の特性に応じて、多階調化を実現できるようになる。
【0020】
また本発明は、上記のいずれか記載の信号変換装置と、前記信号変換装置からの映像信号に基づいて画像を投影する複数の映像投影装置とを含み、前記複数の映像投影装置を構成する各映像投影装置による投影画像を重ねて表示する映像投影システムに関係する。
【0021】
本発明によれば、複数の映像投影装置の特性に応じて、多階調化を実現する映像投影システムを提供できるようになる。
【0022】
また本発明に係る映像投影システムでは、前記複数の映像投影装置のうちの第1の映像投影装置が前記信号変換装置に対し、前記第1の映像投影装置の光変調素子の光変調特性を表す特性情報を送信し、前記信号変換装置が、前記複数の映像投影装置のうちの第2の映像投影装置に対し、前記第1の映像投影装置の光変調素子の特性情報に対応した特性情報を送信することができる。
【0023】
本発明によれば、映像投影システムに、特性情報を受信して、受信した特性情報に基づいて映像表示する機能を持たない映像投影装置を含む場合であっても、複数の映像投影装置の特性に応じて、多階調化を実現できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0025】
また、以下では、説明の簡素化のために、本発明に係る映像投影システムが2つの映像投影装置を含むものとして説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明に係る映像投影システムが3つの映像投影装置を含んでもよい。
【0026】
〔実施形態1〕
図1に、本発明に係る実施形態1における映像投影システムの構成例のブロック図を示す。
【0027】
実施形態1における映像投影システム10は、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2、信号変換装置50を含む。更に映像投影システム10は、スクリーンSCR及び映像信号生成装置80の少なくとも1つを含んでもよい。第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2は、信号変換装置50からの映像信号に対応した画像を重ねて表示するようにスクリーンSCRに投影する。より具体的には、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2の各プロジェクタは、光変調素子と投射部とを含み、光変調素子において光源からの光を映像信号に基づいて変調し、変調後の光を投射部によりスクリーンSCRに投射する。
【0028】
実施形態1における第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2の各プロジェクタは、光変調素子の階調特性(光変調特性)を規定する特性情報を記憶しており、各プロジェクタに映像信号が入力されると、該特性情報に基づき映像信号に対応した透過率(変調率)で光変調素子を駆動する。図1では、各プロジェクタの階調特性を規定する特性情報は、書き換え可能に構成されており、特性情報が書き換えられたときには書き換え後の特性情報に基づいて光変調素子の透過率が変化するようになっている。
【0029】
映像信号生成装置80は、スクリーンSCRに投影するコンテンツ画像を生成し、該コンテンツ画像に対応した映像信号を生成する。映像信号生成装置80によって生成された映像信号は、入力映像信号として信号変換装置50に入力される。
【0030】
信号変換装置50は、映像投影システム10としての階調特性(光変調特性)により得られる輝度を有する画素を表示するように、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2のそれぞれに特性情報を送信する。これに加えて、信号変換装置50は、各プロジェクタに送信した特性情報に対応して映像信号生成装置80からの入力映像信号を各プロジェクタに応じて変換し、変換後の映像信号を各プロジェクタに出力する。即ち、図1では、信号変換装置50は、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2に特性情報を送信すると共に、映像信号生成装置80からの入力映像信号を第1のプロジェクタPJ1向けに変換した映像信号を第1のプロジェクタPJ1に出力すると共に、該入力映像信号を第2のプロジェクタPJ2向けに変換した映像信号を第2のプロジェクタPJ2に出力する。
【0031】
そして、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2は、それぞれ、各投影画像内の画素の位置が一致するように投影画像をスクリーンSCRに投射する。これにより、映像投影システム10は、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2により入力映像信号に対応する出力目標輝度を有する画像を表示する。このように、実施形態1では、各プロジェクタの光変調特性を指定すると共に、指定した各プロジェクタの光変調特性に対応した映像信号を入力させる。
【0032】
図2に、図1の第1のプロジェクタPJ1の構成例のブロック図を示す。なお、第1のプロジェクタPJ1は、図2の構成をすべて含むものでなくてもよい。図2では、第1のプロジェクタPJ1の構成例を示すが、第2のプロジェクタPJ2も第1のプロジェクタPJ1と同様の構成を有することができる。
【0033】
第1のプロジェクタPJ1は、光変調部及び投射部としての機能を実現する光学系ブロック100と、光学系ブロック100を制御するための制御ブロック180とを含む。
【0034】
光学系ブロック100は、光源110、光変調素子130(光変調部)を含み、光源110により発生した光が光変調素子130に照射され、制御ブロック180からの制御信号に基づいて光変調素子130が光変調率を変更することで投射画像を生成することができる。
【0035】
制御ブロック180は、映像信号受信部182、信号解析部184、出力信号変換部186、出力信号処理部188、光変調素子駆動部190、制御部192、特性情報記憶部194、光源駆動部196、特性情報受信部198を含む。
【0036】
映像信号受信部182は、信号変換装置50からの映像信号の受信インタフェース処理を行う。信号解析部184は、映像信号受信部182により受信された映像信号を解析して、第1のプロジェクタPJ1内の処理用の信号形式に変換する変換処理を行う。このような変換処理としては、例えばインターレース形式の映像信号をプログレッシブ形式の映像信号に変換する処理がある。特性情報記憶部194は、第1のプロジェクタPJ1が有する光変調素子130の光変調特性(階調特性、ガンマ特性)の特性情報を記憶している。この特性情報は、第1のプロジェクタPJ1に入力される映像信号に対する第1のプロジェクタPJ1の光変調素子の光変調率を規定する情報である。特性情報記憶部194は、外部から送信されてきた特性情報に書き換え可能に構成されている。
【0037】
出力信号変換部186は、特性情報記憶部194に記憶された特性情報に応じて、信号解析部184からの映像信号をガンマ変換し、ガンマ変換後の映像信号を出力するようになっている。従って、外部から送られてくる特性情報が特性情報記憶部194に一度記憶され、出力信号変換部186は、特性情報記憶部194に記憶された特性情報に応じたガンマ変換を行うことができる。
【0038】
出力信号処理部188は、出力信号変換部186により行われたガンマ変換後の映像信号をラスタ変換する。光変調素子駆動部190は、出力信号処理部188の処理結果の映像信号に対応した光変調素子制御信号を生成し、該光変調素子制御信号を光変調素子130に出力する。光源駆動部196は、制御部192からの指示に基づいて、光源110を制御するための光源制御信号を生成し、該光源制御信号を光源110に対して出力する。更に、特性情報受信部198は、外部(図1では信号変換装置50)から送信される特性情報の受信インタフェース処理を行う。制御部192は、上記の構成を有する制御ブロック180内の各部の制御を司る。
【0039】
図3に、図2の光学系ブロック100の構成例を示す。図3では、図2の光学系ブロック100が、いわゆる3板式の構成例を示しているが、本発明に係る映像投影装置としてのプロジェクタが、いわゆる3板式のものに限定されるものではない。
【0040】
光学系ブロック100は、光源110及び光変調素子130の他に、インテグレータレンズ112、114、偏光変換素子116、重畳レンズ118、R用ダイクロイックミラー120R、G用ダイクロイックミラー120G、反射ミラー122、R用フィールドレンズ124R、G用フィールドレンズ124G、リレー光学系140、クロスダイクロイックプリズム160、投射レンズ170(広義には投射部)を含む。図3では、3板式であるため、光変調素子130として、R用液晶パネル130R(第1の光変調部)、G用液晶パネル130G(第2の光変調部)、B用液晶パネル130B(第3の光変調部)が採用される。R用液晶パネル130R、G用液晶パネル130G及びB用液晶パネル130Bとして用いられる液晶パネルは、透過型の液晶表示装置である。リレー光学系140は、リレーレンズ142、144、146、反射ミラー148、150を含む。
【0041】
光源110は、例えば超高圧水銀ランプにより構成され、少なくともR成分の光、G成分の光、B成分の光を含む光を射出する。光源110は、図2の光源駆動部196から光源制御信号により駆動制御される。インテグレータレンズ112は、光源110からの光を複数の部分光に分割するための複数の小レンズを有する。インテグレータレンズ114は、インテグレータレンズ112の複数の小レンズに対応する複数の小レンズを有する。重畳レンズ118は、インテグレータレンズ112の複数の小レンズから射出される部分光を重畳する。
【0042】
また偏光変換素子116は、偏光分離膜とλ/2板とを有し、p偏光を透過させると共にs偏光を反射させ、p偏光をs偏光に変換する。この偏光変換素子116からのs偏光が、重畳レンズ118に照射される。
【0043】
重畳レンズ118によって重畳された光は、R用ダイクロイックミラー120Rに入射される。R用ダイクロイックミラー120Rは、R成分の光を反射して、G成分及びB成分の光を透過させる機能を有する。R用ダイクロイックミラー120Rを透過した光は、G用ダイクロイックミラー120Gに照射され、R用ダイクロイックミラー120Rにより反射した光は反射ミラー122により反射されてR用フィールドレンズ124Rに導かれる。
【0044】
G用ダイクロイックミラー120Gは、G成分の光を反射して、B成分の光を透過させる機能を有する。G用ダイクロイックミラー120Gを透過した光は、リレー光学系140に入射され、G用ダイクロイックミラー120Gにより反射した光はG用フィールドレンズ124Gに導かれる。
【0045】
リレー光学系140では、G用ダイクロイックミラー120Gを透過したB成分の光の光路長と他のR成分及びG成分の光の光路長との違いをできるだけ小さくために、リレーレンズ142、144、146を用いて光路長の違いを補正する。リレーレンズ142を透過した光は、反射ミラー148によりリレーレンズ144に導かれる。リレーレンズ144を透過した光は、反射ミラー150によりリレーレンズ146に導かれる。リレーレンズ146を透過した光は、B用液晶パネル130Bに照射される。
【0046】
R用フィールドレンズ124Rに照射された光は、平行光に変換されてR用液晶パネル130Rに入射される。R用液晶パネル130Rは、光変調素子(光変調部)として機能し、R用映像信号に基づいて透過率(通過率、変調率)が変化するようになっている。従って、R用液晶パネル130Rに入射された光(第1の色成分の光)は、R用映像信号に基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。
【0047】
G用フィールドレンズ124Gに照射された光は、平行光に変換されてG用液晶パネル130Gに入射される。G用液晶パネル130Gは、光変調素子(光変調部)として機能し、G用映像信号に基づいて透過率(通過率、変調率)が変化するようになっている。従って、G用液晶パネル130Gに入射された光(第2の色成分の光)は、G用映像信号に基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。
【0048】
リレーレンズ142、144、146で平行光に変換された光が照射されるB用液晶パネル130Bは、光変調素子(光変調部)として機能し、B用映像信号に基づいて透過率(通過率、変調率)が変化するようになっている。従って、B用液晶パネル130Bに入射された光(第3の色成分の光)は、B用映像信号に基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。
【0049】
R用液晶パネル130R、G用液晶パネル130G及びB用液晶パネル130Bは、図2の光変調素子駆動部190からの光変調素子制御信号により、色成分毎に独立して変調率が制御される。
【0050】
クロスダイクロイックプリズム160は、R用液晶パネル130R、G用液晶パネル130G及びB用液晶パネル130Bからの入射光を合成した合成光を出射光として出力する機能を有する。投射レンズ170は、出力画像をスクリーンSCR上に拡大して結像させるレンズである。
【0051】
以上のように、光学系ブロック100において、R用液晶パネル130R、G用液晶パネル130G及びB用液晶パネル130Bを第1〜第3の光変調部とすると、第1の光変調部は、第1の色成分の映像信号に基づいて第1の色成分の光を変調し、第2の光変調部は、第2の色成分の映像信号に基づいて第2の色成分の光を変調し、第3の光変調部は、第3の色成分の映像信号に基づいて第3の色成分の光を変調する。
【0052】
第1〜第3の光変調部としてのR用液晶パネル130R、G用液晶パネル130G及びB用液晶パネル130Bは、それぞれ光変調特性(階調特性、ガンマ特性)を有する。この光変調特性は、映像信号により特定される入力信号値に対する透過率(輝度)(広義には変調率)の変化を示す特性である。実施形態1では、所望の出力目標輝度が得られるように、信号変換装置50が、各プロジェクタが有する光変調素子としての各液晶パネルの光変調特性を指定し、指定した光変調特性に応じた映像信号に変換して各プロジェクタに振り分ける。
【0053】
図4に、実施形態1における信号変換装置50の構成例のブロック図を示す。図4において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0054】
信号変換装置50は、特性情報送信部52と、信号変換処理部54とを含む。特性情報送信部52は、映像投影システム10を構成する第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2のうち少なくとも1つのプロジェクタに対し、当該プロジェクタに入力される映像信号に対する当該プロジェクタの光変調素子の光変調率を規定する特性情報を送信する。信号変換処理部54は、特性情報送信部52により送信される特性情報に基づいて、映像投影システム10を構成する第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2の各プロジェクタに対応した信号変換処理を入力映像信号に対して行い、該信号変換処理後の映像信号を各プロジェクタに供給する。
【0055】
特性情報送信部52は、例えば各プロジェクタの電源投入直後に起動される起動シーケンスにおいて特性情報を送信してもよいし、該起動シーケンスで各プロジェクタに対して特性情報の送信要求を行った後に各プロジェクタからの承認を待って特性情報を送信してもよい。
【0056】
信号変換装置50は、更に、映像信号受信部56、信号解析部58、制御部60、映像信号出力部62、変換テーブル記憶部64を含んでもよい。映像信号受信部56は、映像信号生成装置80からの入力映像信号の受信インタフェース処理を行う。信号解析部58は、映像信号受信部56により受信された映像信号を解析して、信号変換装置50内の処理用の信号形式に変換する変換処理を行う。このような変換処理としては、例えばインターレース形式の映像信号をプログレッシブ形式の映像信号に変換する処理がある。
【0057】
変換テーブル記憶部64には、予め映像投影システム10としての階調特性(光変調特性)を実現するために映像投影システム10を構成する第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2の各プロジェクタの光変調特性を規定する特性情報が記憶されている。また、変換テーブル記憶部64には、信号解析部58からの映像信号に対し、各プロジェクタの光変調特性に応じた変換後の映像信号が記憶された変換テーブルが記憶されている。従って、特性情報送信部52は、変換テーブル記憶部64に記憶された特性情報を各プロジェクタに送信する。また、信号変換処理部54は、変換テーブル記憶部64に記憶された変換テーブルに従って、信号解析部58からの映像信号を、各プロジェクタ用の変換後の映像信号に変換する。
【0058】
映像信号出力部62は、信号変換処理部54により行われた信号変換処理後の映像信号を所与の出力形式に変換する処理を行う。映像信号出力部62の出力信号が、映像投影システム10を構成する第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2に対して供給される。制御部60は、上記のような信号変換装置50の各部の制御を司る。
【0059】
図5(A)、図5(B)に、実施形態1における特性情報の説明図を示す。
【0060】
図5(A)に示すように、例えば、各プロジェクタが有する光変調素子の光変調特性は、映像信号により規定される入力信号値に対応して光変調素子の透過率(変調率)が変化する様子を示す特性である。図5(A)では、横軸に入力信号値、縦軸に透過率を表している。縦軸の透過率は、当該光変調素子を有するプロジェクタによる投影画像の輝度と等価なパラメータである。
【0061】
実施形態1における特性情報は、図5(A)に示す光変調特性を規定する情報群である。当該光変調素子を制御する光変調素子制御信号の信号値の範囲(動作電圧範囲)が決まるため、図5(B)に示すように、上記の信号値の範囲内をN(Nは2以上の自然数)等分し、(N+1)個の各信号値における透過率の並びを、図5(A)に示す光変調特性を規定する特性情報を表す情報群とすることができる。
【0062】
図4の特性情報送信部52は、例えば図5(B)に示す特性情報を、各プロジェクタに送信する。より具体的には、特性情報送信部52は、投影画像の画素毎に、図5(B)に示す特性情報を送信する。更に具体的には、特性情報送信部52は、投影画像の画素を構成するR成分のサブ画素、G成分のサブ画素及びB成分のサブ画素の色成分毎に設けられた図5(B)に示す特性情報を送信する。なお、投影画像内に予めサンプリング画素を定めておき、特性情報送信部52は、このサンプリング画素の特性情報を公知の補間処理方法により補間して画像内の各画素の特性情報を算出した後に、補間処理後の特性情報を送信するようにしてもよい。
【0063】
図6に、図4の変換テーブル記憶部64に記憶される変換テーブルの説明図を示す。
【0064】
変換テーブル記憶部64に記憶される変換テーブルには、入力映像信号(信号解析部58による解析後の映像信号)により規定される入力信号値に対して、第1のプロジェクタPJ1に出力すべき出力信号値、第2のプロジェクタPJ2に出力すべき出力信号値が登録されている。入力映像信号が与えられると、当該入力映像信号に対応して記憶されている第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2用の出力信号値が取り出される。そして、各プロジェクタ用の出力信号値に対応した映像信号が、後段の映像信号出力部62に出力される。
【0065】
なお、図6では、入力信号値が12ビット、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2への出力信号値が8ビットとなっている。即ち、入力映像信号で表現可能な階調数が、各プロジェクタに供給される映像信号で表現可能な階調数よりも多い。こうすることで、入力コンテンツの階調数が多い場合であっても、階調数が少ない安価なプロジェクタを用いることができ、低コストで多階調な映像を高精度に制御できるようになる。
【0066】
次に、実施形態1における映像投影システム10の効果について説明する。
【0067】
図7(A)、図7(B)に、実施形態1における映像投影システム10の効果の説明図を示す。図7(A)、図7(B)は、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2に同じ光変調特性を指定した場合の効果の一例を表している。
【0068】
図8に、実施形態1における映像投影システム10の効果の他の説明図を示す。図8は、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2が異なる光変調特性を指定した場合の効果の一例を表している。
【0069】
なお、図7(A)、図7(B)では、高い透過率ほど入力信号値の変化量が小さい特性(即ち、低い透過率ほど入力信号値の変化量が大きい特性)であるものとして示しているが、低い透過率ほど入力信号値の変化量が小さい特性(即ち、高い透過率ほど入力信号値の変化量が大きい特性)であってもよい。
【0070】
ここで、階調を0.0〜1.0(0.0は最低輝度、1.0は最高輝度)の範囲で正規化された数値で表し、図7(A)に示すように、低輝度側(図7(A)では階調差が大きい領域)において、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2がそれぞれ表現可能な階調が例えば0、0.15、0.25、0.30、0.33、・・・であるものとする。このとき、実施形態1における映像投影システム10により表現可能な階調は、両方のプロジェクタの合成によって表現可能な階調となる。第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2の合成によって表現可能な階調は、一方のプロジェクタで表現可能な階調と両方のプロジェクタで表現可能な階調であるため、例えば0、0.15、0.25、0.30、0.33、0.40、0.45、・・・となり、一方のプロジェクタで表現可能な階調より表現可能な階調が多くなる。
【0071】
一方、図7(B)に示すように、高輝度側(図7(B)では階調差が小さい領域)において、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2がそれぞれ表現可能な階調が例えば0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、・・・であるものとする。このとき、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2の合成によって表現可能な階調は、例えば0.80、0.81、・・・、1.60、1.61、1.62、・・・となる。従って、両方のプロジェクタの階調差が小さい領域では、合成によって表現可能な階調差を両方のプロジェクタの階調差が大きい領域より一層小さくでき、階調表現を細かく制御することができるようになる。
【0072】
以上のように、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2の光変調特性が同一となるように指定したとしても、実施形態1のように両者を重ね合わせて表示することで階調数を増加させることができる。そのため、階調表現を細かく制御することができるようになる。
【0073】
これに対して、図8に示すように、第1のプロジェクタPJ1が表現可能な階調が例えば0、0.15、0.25、0.30、・・・、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、・・・であり、第2のプロジェクタPJ2が表現可能な階調が例えば0、0.01、0.02、0.03、・・・、0.62、0.65、0.70、0.80、0.95、・・・であり、両者のプロジェクタの光変調特性が異なるように指定したものとする。このとき、実施形態1における映像投影システム10により表現可能な階調は、両方のプロジェクタの合成によって表現可能な階調となる。第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2の合成によって表現可能な階調は、一方のプロジェクタで表現可能な階調と両方のプロジェクタで表現可能な階調であるため、例えば0.0、0.01、0.02、0.03、・・・、0.80、0.81、・・・、1.60、1.61、1.62、・・・となる。従って、両方のプロジェクタの階調差の大小にかかわらず全領域にわたって、合成後の階調差を小さくでき、階調表現を細かく制御することができるようになる。
【0074】
以上のように、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2の光変調特性が異なるように指定した場合には、実施形態1のように両者を重ね合わせて表示することで階調数を確実に増加させることができ、階調表現を細かく制御することができるようになる。しかも、図7(A)、図7(B)に示す場合より階調を細かく制御できるようになるので、実施形態1における信号変換装置50は、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2に対して互いに異なる特性情報を送信することが望ましい。
【0075】
なお、実施形態1では、映像投影システム10が2つの映像投影装置としてのプロジェクタを含むが、3以上の複数の映像投影装置を含んでもよい。この場合、信号変換装置は、各映像投影装置による投影画像を重ねて表示する複数の映像投影装置に映像信号を供給するものであって、複数の映像投影装置のうち少なくとも1つの映像投影装置に対し、当該映像投影装置に入力される映像信号に対する当該映像投影装置の光変調素子の光変調率を規定する特性情報を送信する特性情報送信部と、特性情報送信部により送信される特性情報に基づいて、各映像投影装置に対応した信号変換処理を入力映像信号に対して行い、該信号変換処理後の映像信号を各映像投影装置に供給する信号変換処理部とを含むことができる。そして、特性情報送信部は、複数の映像投影装置のうちの第1及び第2の映像投影装置に対し、互いに異なる特性情報を送信することが望ましい。
【0076】
〔実施形態2〕
実施形態1では、すべての入力信号値に対応して第1及び第2のプロジェクタ用の出力信号値を変換テーブル記憶部に記憶させておくものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る実施形態2では、変換テーブル記憶部の記憶情報を削減して、より一層の低コスト化を実現しつつ、多階調な映像を高精度に制御できるようにする。
【0077】
このような実施形態2における映像投影システム、映像投影装置としてのプロジェクタの構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。実施形態2における信号変換装置の構成が、実施形態1における信号変換装置の構成と異なる。
【0078】
図9に、本発明に係る実施形態2における信号変換装置の構成例のブロック図を示す。図9において、図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0079】
実施形態2における信号変換装置200は、図1の信号変換装置50に代えて実施形態1における映像投影システム10に適用できる。実施形態2における信号変換装置200は、図4の信号変換装置50の構成に加えて、補間部66を含むと共に、変換テーブル記憶部64に代えて変換テーブル記憶部68を含むことができる。
【0080】
実施形態2において、変換テーブル記憶部68には、入力映像信号に対応して予め複数のプロジェクタを構成する各プロジェクタに供給する映像信号が登録されており、信号解析部58からの入力映像信号に対応した各プロジェクタに対応する映像信号が、変換テーブル記憶部68を検索することで取得される。そして、補間部66が、取得された映像信号を補間し、補間処理後の映像信号を参照して信号変換処理部54が信号変換処理を行う。
【0081】
図10に、図9の変換テーブル記憶部68の説明図を示す。
【0082】
変換テーブル記憶部68には、入力映像信号により規定される入力信号値に対して、第1のプロジェクタPJ1に出力すべき出力信号値、第2のプロジェクタPJ2に出力すべき出力信号値が登録された記憶情報が記憶されている。このとき、入力信号値は、取り得る値の全部ではなく、離散的な値である。その一方、変換テーブル記憶部68には、入力信号値に対応してフラグが記憶されており、そのフラグ情報に応じて、どちらの出力信号値で補間すべきかが指定される。
【0083】
例えば、入力信号値0x010に対応して記憶されるフラグが0のとき、補間部66は、入力信号値0x010〜0x018の間の入力信号値に対して、第1のプロジェクタPJ1の出力信号値である0x01(入力信号値が0x010に対応する出力信号値)、0x03(入力信号値が0x018に対応する出力信号値)を用いて、公知の補間処理(例えばニアレストネーバー法、バイリニア法等)で補間する一方、第2のプロジェクタPJ2の出力信号値として0x00(入力信号値0x010に対応)を出力する。
【0084】
また、例えば、入力信号値0x020に対応して記憶されるフラグが1のとき、補間部66は、入力信号値0x020〜0x028の間の入力信号値に対して、第2のプロジェクタPJ2の出力信号値である0x01(入力信号値が0x020に対応する出力信号値)、0x05(入力信号値が0x028に対応する出力信号値)を用いて、公知の補間処理(例えばニアレストネーバー法、バイリニア法等)で補間する一方、第1のプロジェクタPJ1の出力信号値として0x04(入力信号値0x020に対応)を出力する。
【0085】
以上のように補間された出力信号値が、信号変換処理部54における信号変換処理に用いられる。従って、入力映像信号が与えられると、当該入力映像信号に対応して記憶されている第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2用の出力信号値が取り出される。この際、必要に応じてフラグを参照し、いずれか一方をそのまま出力すると共に、他方を、補間処理により得られた出力信号値を出力する。そして、各プロジェクタ用の出力信号値に対応した映像信号が、後段の映像信号出力部62に出力される。
【0086】
以上説明したように、実施形態2によれば、補間部66により補間するようにしたので変換テーブル記憶部68が記憶すべき記憶情報の容量を削減できるようになる。
【0087】
〔実施形態3〕
実施形態1又は実施形態2における信号変換装置では、変換テーブルを用いて入力映像信号に対して信号変換処理を行うものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0088】
実施形態3における映像投影システム、映像投影装置としてのプロジェクタの構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。実施形態3における信号変換装置の処理が、実施形態1における信号変換装置の処理と異なる。
【0089】
即ち、実施形態3における信号変換装置では、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2のうちの一方のプロジェクタ(例えば第1のプロジェクタPJ1)に対し、入力映像信号から変換して得られる、出力目標輝度以下で最大輝度となる第1の映像信号を供給する。そして、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2のうちの他方のプロジェクタ(例えば第2のプロジェクタPJ2)に対し、第2のプロジェクタPJ2により出力目標輝度と上記最大輝度との差分の輝度を有する画像を表示するように映像信号を入力映像信号から変換して求め、この変換して求めた映像信号を供給する。
【0090】
このため、実施形態3における信号変換装置の信号変換処理部は、例えば中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)及びメモリを有し、該メモリに記憶されたプログラムを読み込んだCPUが、以下のような処理を実行できるようになっている。
【0091】
図11に、実施形態3における信号変換装置の信号変換処理部の処理例のフロー図を示す。即ち、実施形態3における信号変換装置の信号変換処理部が有するメモリには、図11に示す処理を実現するプログラムが記憶される。
図12に、実施形態3における信号変換装置の信号変換処理部の動作説明図を示す。図12は、実施形態3における映像投影システムとしての光変調特性の一例を表している。
【0092】
まず、信号変換処理部は、信号解析部58からの入力映像信号を待つ(ステップS10:N)。そして、信号解析部58から入力映像信号が入力されたとき(ステップS10:Y)、信号変換処理部は、実施形態3における映像投影システムとしての光変調特性により定まる出力目標輝度(図12のTL)を算出する(ステップS12)。
【0093】
続いて、信号変換処理部は、高輝度側の階調差が小さいプロジェクタに対して、当該プロジェクタの光変調素子の光変調特性に基づいて入力信号値に対応する出力信号値を割り当てる(ステップS14)。このとき、信号変換処理部は、出力目標輝度以下で最大輝度(図12のML)となる出力信号値を割り当て、該出力信号値に対応する映像信号を当該プロジェクタに対して出力するようにする。
【0094】
次に、信号変換処理部は、出力目標輝度(図12のTL)と上記最大輝度(図12のML)との差分の輝度(図12のDL)を求める(ステップS16)。そして、ステップS14で割り当てたプロジェクタとは別のプロジェクタに対して、当該プロジェクタの光変調素子の光変調特性に基づいて、輝度DLが得られる出力信号値を割り当てる(ステップS18)。
【0095】
こうして、信号変換処理部は、ステップS14、ステップS18で求めた出力信号値に対応する映像信号を、それぞれのプロジェクタに対して出力するように処理し(ステップS20)、ステップS10に戻る(リターン)。
【0096】
以上のような実施形態3によれば、実施形態1又は実施形態2のように変換テーブルを用意する必要がなくなる。また、実施形態3によれば、映像投影システムを構成するプロジェクタの数が増加すればするほど複雑化する変換テーブルに対する検索処理が不要となるので、各プロジェクタへの信号の割り当てを簡素化して、多階調な映像を高精度に制御できるようになる。
【0097】
なお、実施形態3では、映像投影システムが第1及び第2のプロジェクタにより構成されている例を説明したが、3以上のプロジェクタで構成される場合も同様である。即ち、複数の映像投影装置により入力映像信号に対応する出力目標輝度を有する画像を表示する場合に、信号変換処理部は、複数の映像投影装置のいずれか1つの第1の映像投影装置に対し、出力目標輝度以下で最大輝度となる第1の映像信号を供給すると共に、複数の映像投影装置のうち第1の映像投影装置を除く残りの各映像投影装置に対し、残りの各映像投影装置により出力目標輝度と最大輝度との差分の輝度を有する画像を表示するように映像信号を供給する。
【0098】
ここで、信号変換処理部は、第1の映像投影装置の光変調素子の特性に基づいて、入力映像信号を第1の映像信号に変換し、残りの各映像投影装置の光変調素子の特性に基づいて、入力映像信号を残りの各映像投影装置に対応した映像信号に変換する。
【0099】
〔実施形態4〕
実施形態1、実施形態2及び実施形態3では、プロジェクタの光変調素子の光変調特性にかかわらず、信号変換装置がプロジェクタに対して光変調特性を規定する特性情報を送信していたが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る実施形態4では、プロジェクタが自身の光変調素子の光変調特性を規定する特性情報を、信号変換装置に対して送信し、受信した特性情報に基づいて、該信号変換装置が、映像投影システムを構成する複数のプロジェクタのうちの少なくとも1つに対して改めて特性情報を送信する。
【0100】
これにより、特性情報の書き換えが不可能なプロジェクタを含む映像投影システムにおいて、特性情報の書き換えが不可能なプロジェクタの特性に応じて、他のプロジェクタの光変調特性を制御することで、システム全体としての光変調特性を制御することができる。この結果、特性情報の書き換えが不可能なプロジェクタを含む場合であっても、高い画素密度を有する画像表示を簡素な構成を有する映像投影システムを実現できるようになる。
【0101】
このような本発明に係る実施形態4における映像投影システムは、実施形態1とほぼ同様の構成である。そのため詳細な説明を省略する。
【0102】
図13に、実施形態4における第1のプロジェクタの構成例のブロック図を示す。図13において、図2と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図2と同様に、図13には第1のプロジェクタの構成例を示すが、実施形態4における映像投影システムを構成する他のプロジェクタ(例えば、投影映像システムが第1及び第2のプロジェクタにより構成される場合には第2のプロジェクタ)も同様の構成を有することができる。
【0103】
図13の第1のプロジェクタPJ1の構成が図2の第1のプロジェクタPJ1の構成と異なる点は、特性情報受信部198に代えて特性情報通信部(特性情報送受信部)199が設けられている点である。特性情報通信部199は、図2の特性情報受信部198の機能に加えて、第1のプロジェクタPJ1の光変調特性を規定する特性情報を信号変換装置に対して送信する機能である特性情報送信部の機能も有する。従って、実施形態4における第1のプロジェクタPJ1は、実施形態4における信号変換装置からの特性情報の送信要求に応答して、第1のプロジェクタPJ1の特性情報を送信することができる。
【0104】
図14に、実施形態4における信号変換装置の構成例のブロック図を示す。図14において、図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図14において、図9で説明した補間部66が設けられていてもよい。
【0105】
図14の実施形態4における信号変換装置250の構成が図4の信号変換装置50の構成と異なる点は、特性情報送信部52に代えて特性情報通信部(特性情報送受信部)252が設けられ、更に特性情報記憶部254が追加されている点である。特性情報通信部252は、図4の特性情報送信部52の機能に加えて、映像投影システムを構成する各プロジェクタから各プロジェクタの光変調特性を規定する特性情報を受信する機能である特性情報受信部の機能も有する。従って、実施形態4における信号変換装置250は、特性情報通信部252により受信された各プロジェクタからの特性情報を、特性情報記憶部254に保存する。そして、信号変換装置250は、特性情報記憶部254に記憶された各プロジェクタの特性情報に対応して変換テーブル記憶部64に記憶される変換テーブルを変更することで、各プロジェクタの光変調特性を規定するために改めて特性情報を送信することができるようになる。
【0106】
例えば、映像投影システムを構成するプロジェクタの光変調特性の組み合わせが分っている場合には実施形態1のように、各プロジェクタに所望の光変調特性を実現させるために各プロジェクタの光変調特性にかかわらず信号変換装置から特性情報を送信すればよい。一方、映像投影システムを構成する複数のプロジェクタのうち少なくとも1つの光変調特性に合わせて最適な階調表現を実現しようとする場合や、特性情報が書き換え不可能なプロジェクタを含む場合には、当該プロジェクタの光変調特性に合わせて他のプロジェクタの光変調特性を変更することが望ましい。このような場合には、特性情報を収集した後に、これらの特性情報を解析して、改めて各プロジェクタの光変調特性を調整すればよい。
【0107】
そこで、実施形態4における信号変換装置250は、更に特性情報変換部256を含み、特性情報変換部256が特性情報記憶部254に保存された特性情報を変更し、変更後の特性情報に対応した変換テーブルで信号変換処理部54が信号変換処理を行うことができるようになっている。より具体的には、特性情報変換部256は、例えば映像投影システムを構成する第1のプロジェクタPJ1(第1の映像投影装置)の特性情報が、第2のプロジェクタPJ2(第2の映像投影装置)の特性情報により求められる関数の逆関数から得られた情報となるように変換する。
【0108】
図15(A)、図15(B)に、実施形態4における映像投影システムの動作例の説明図を示す。
【0109】
例えば、図15(A)に示すように、信号変換装置250が映像投影システムを構成する第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2の特性情報を取得する。そして、特性情報変換部256は、例えばいずれか一方のプロジェクタを選択し、選択したプロジェクタの特性情報により求められる関数の逆関数を用いて、他方のプロジェクタの特性情報を算出する。その後、図15(B)に示すように、特性情報通信部252が、変換後の特性情報を当該他方のプロジェクタに送信する。
【0110】
なお、予め特性情報の変換対象のプロジェクタを定め、変換対象以外のプロジェクタのみから特性情報を収集するようにしてもよい。また、実施形態4において、映像投影システムを構成する複数のプロジェクタが、実施形態1におけるプロジェクタと実施形態4におけるプロジェクタとを含んでいてもよい。
【0111】
以上のように、実施形態4では、映像投影システムを構成する複数の映像投影装置のうちの第1の映像投影装置が信号変換装置に対し、第1の映像投影装置に入力される映像信号に対する第1の映像投影装置の光変調素子の光変調率を規定する特性情報を送信し、信号変換装置が、複数の映像投影装置のうちの第2の映像投影装置に対し、第1の映像投影装置の光変調素子の特性情報に対応した特性情報を送信する。従って、実施形態4によれば、図8で説明したように、高輝度領域や低輝度領域の全領域にわたって階調を細かく制御できるようになる。
【0112】
〔実施形態5〕
実施形態1、実施形態2、実施形態3及び実施形態4では、プロジェクタと信号変換装置が個別に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る実施形態5では、映像投影システムを構成する複数のプロジェクタのいずれか1つに実施形態1、実施形態2、実施形態3又は実施形態4における信号変換装置が搭載される。以下では、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2を含む映像投影システムにおいて、第1のプロジェクタPJ1に、上記の各実施形態のいずれかの信号変換装置が搭載されているものとする。
【0113】
図16に、実施形態5における第1のプロジェクタPJ1の構成例のブロック図を示す。図16において、図2と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0114】
図16に示すように、実施形態5における第1のプロジェクタPJ1は、図2の構成に加えて、信号変換部(信号変換装置)300を含む。信号変換部300は、実施形態1、実施形態2又は実施形態3における信号変換装置と同様の機能を有する。従って、映像信号受信部182は、信号変換部300からの映像信号を受信し、特性情報受信部198は、信号変換部300からの特性情報を受信する。また、信号変換部300は、映像投影システムを構成する複数のプロジェクタのうち、第1のプロジェクタPJ1を除く残りのプロジェクタに対して、残りの各プロジェクタに対応する映像信号を出力する。
【0115】
なお、信号変換部300が実施形態4における信号変換装置と同様の構成を有し、図16の第1のプロジェクタPJ1が特性情報受信部198に代えて特性情報通信部199を有していてもよい。
【0116】
図17に、実施形態5における映像投影システム320の構成例を示す。図17において、図1と同様部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0117】
図17において、第1のプロジェクタPJ1は図16に示すプロジェクタであり、上記のいずれかの実施形態における信号変換装置を含む。実施形態5における映像投影システム320は、更に、通信手段310を有し、第1のプロジェクタPJ1から第2のプロジェクタPJ2に特性情報を送信させることができる。
【0118】
このような映像投影システム320では、映像信号生成装置80からの入力映像信号が、そのまま第1のプロジェクタPJ1の信号変換部300に入力される。また、信号変換部300は、通信手段310により、第2のプロジェクタPJ2に対して特性情報を送信できる。そして、第1のプロジェクタPJ1の信号変換部300が、上記の信号変換処理を行い、第1のプロジェクタPJ1用の信号変換処理後の映像信号でスクリーンSCRに投影すると共に、第2のプロジェクタPJ1用の信号変換処理後の映像信号を第2のプロジェクタPJ2に出力し、第2のプロジェクタPJ2により該映像信号でスクリーンSCRに投影させる。
【0119】
〔実施形態6〕
上記の実施形態では、映像投影システムを構成するすべてのプロジェクタが特性情報が書き換え可能に構成されているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0120】
図18に、本発明に係る実施形態6における映像投影システムの構成例を示す。図18において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0121】
図18において、第1のプロジェクタPJ1は図16に示すプロジェクタであり、上記のいずれかの実施形態における信号変換装置を含む。実施形態6における映像投影システム400は、更に、第1のプロジェクタPJ1に輝度検出部としてのカメラ410を含み、映像投影システム400を構成する複数のプロジェクタのうち第1のプロジェクタPJ1を除く他のプロジェクタの投影画像の輝度を検出することができる。
【0122】
即ち、第2のプロジェクタPJ2に、所与の映像パターンをスクリーンSCRに投影させる。そして、第1のプロジェクタPJ1のカメラ410により、スクリーンSCRに投影された第2のプロジェクタPJ2の映像の輝度を検出し、第2のプロジェクタPJ2の光変調特性を規定する特性情報を収集する。そして、第1のプロジェクタPJ1が内蔵する信号変換装置が、収集した特性情報に基づいて第1のプロジェクタPJ1の光変調特性を変換して第1のプロジェクタPJ1の特性情報を書き換える。このとき、例えば第1のプロジェクタPJ1(第1の映像投影装置)の特性情報が、第2のプロジェクタPJ2(第2の映像投影装置)の特性情報により求められる関数の逆関数から得られた情報となるように変換する。
【0123】
そして、映像信号生成装置80からの入力映像信号に対して、第1及び第2のプロジェクタPJ1、PJ2用に映像信号を変換し、第1のプロジェクタPJ1は、書き換えられた特性情報に基づいて画像表示を行う。一方、第2のプロジェクタPJ2は、第1のプロジェクタPJ1からの映像信号を受けて、画像表示を行う。
【0124】
このように、スクリーンに投影された他の映像投影装置の投影画像の輝度を検出する輝度検出部を含み、輝度検出部により検出された輝度に基づいて入力映像信号を変換した映像信号を他の映像投影装置に供給するようにすることで、当該他の映像投影装置が、その特性情報を変更する機能を持たない場合であっても、複数の映像投影装置の特性に応じて、高い画素密度と多階調化を高精度に実現する映像投影システムを提供できるようになる。また、映像投影システムを構成する複数の映像投影装置のうち第1の映像投影装置に入力される映像信号に対する第1の映像投影装置の光変調素子の光変調率を規定する特性情報は、第2の映像投影装置に入力される映像信号に対する第2の映像投影装置の光変調素子の光変調率を規定する特性情報により求められる関数の逆関数から得られた情報とすることができ、多階調化を高精度に実現できるようになる。
【0125】
なお、実施形態6では、信号変換装置が第1のプロジェクタPJ1に内蔵されているものとして説明したが、図1に示すように信号変換装置が第1のプロジェクタPJ1の外部に設けられ、図1の第1のプロジェクタPJ1が実施形態6におけるカメラ410を内蔵してもよい。
【0126】
以上、本発明に係る信号変換装置、映像投影装置及び映像投影システムを上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0127】
(1)上記の各実施形態では、映像投影システムは2つのプロジェクタで投影画像を重ね合わせて表示させていたが、本発明はこれに限定されるものではない。3つ以上のプロジェクタで投影画像を重ね合わせて表示させても、上記実施形態と同様、又はそれ以上の効果を得ることができる。
【0128】
(2)上記の各実施形態では、光変調部としてライトバルブを用いるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。光変調部として、例えばDLP(Digital Light Processing)(登録商標)、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等を採用してもよい。
【0129】
(3)上記の各実施形態では、光変調部として、いわゆる3板式の透過型の液晶パネルを用いたライトバルブを例に説明したが、4板式以上の透過型の液晶パネルを用いたライトバルブを採用してもよい。
【0130】
(4)上記の各実施形態では、各プロジェクタが投射部と光変調素子とを有する複数のプロジェクタにより構成される投影映像システムを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る投影映像システムは、1つの投射部と、上記の各実施形態における複数のプロジェクタ分の複数の光変調素子とを備えたプロジェクタを少なくとも1つ含んでもよい。
【0131】
(5)上記の各実施形態において、本発明を、信号変換装置、映像投影装置及び映像投影システムとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明を実現するための信号変換装置、映像投影装置又は映像投影システムの処理手順が記述されたプログラムや、該プログラムが記録された記録媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明に係る実施形態1における映像投影システムの構成例のブロック図。
【図2】図1の第1のプロジェクタの構成例のブロック図。
【図3】図2の光学系ブロックの構成例の構成図。
【図4】実施形態1における信号変換装置の構成例のブロック図。
【図5】図5(A)、図5(B)は実施形態1における特性情報の説明図。
【図6】図4の変換テーブル記憶部に記憶される変換テーブルの説明図。
【図7】図7(A)、図7(B)は実施形態1における映像投影システムの効果の説明図。
【図8】実施形態1における映像投影システムの効果の他の説明図。
【図9】本発明に係る実施形態2における信号処理装置の構成例のブロック図。
【図10】図9の変換テーブル記憶部の説明図。
【図11】実施形態3における信号変換装置の信号変換処理部の処理例のフロー図。
【図12】実施形態3における信号変換装置の信号変換処理部の動作説明図。
【図13】実施形態4における第1のプロジェクタの構成例のブロック図。
【図14】実施形態4における信号変換装置の構成例のブロック図。
【図15】図15(A)、図15(B)は実施形態4における映像投影システムの動作例の説明図。
【図16】実施形態5における第1のプロジェクタの構成例のブロック図。
【図17】本発明に係る実施形態5における映像投影システムの構成例のブロック図。
【図18】本発明に係る実施形態6における映像投影システムの構成例のブロック図。
【符号の説明】
【0133】
10,320,400…映像投影システム、 50,200,250…信号変換装置、
52…特性情報送信部、 54…信号変換処理部、 56,182…映像信号受信部、
58,184…信号解析部、 60,192…制御部、 62…映像信号出力部、
64,68…変換テーブル記憶部、 66…補間部、 80…映像信号生成装置、
100…光学系ブロック、 110…光源、 130…光変調素子、
180…制御ブロック、 186…出力信号変換部、 188…出力信号処理部、
190…光変調素子駆動部、 194,254…特性情報記憶部、
196…光源駆動部、 198…特性情報受信部、 199,252…特性情報通信部、
254…特性情報記憶部、 256…特性情報変換部、 300…信号変換部、
310…通信手段、 410…カメラ、 PJ1…第1のプロジェクタ、
PJ2…第2のプロジェクタ、 SCR…スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影画像を重ねて表示する複数の映像投影装置を構成する各映像投影装置に映像信号を供給する信号変換装置であって、
前記複数の映像投影装置のうち少なくとも1つの映像投影装置に対し、前記少なくとも1つの映像投影装置が有する光変調素子の光変調特性を表す特性情報を送信する特性情報送信部と、
前記特性情報送信部により送信される特性情報に基づいて、前記各映像投影装置に対応した信号変換処理を入力映像信号に対して行い、該信号変換処理後の映像信号を前記各映像投影装置に供給する信号変換処理部とを含むことを特徴とする信号変換装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記特性情報送信部は、
前記複数の映像投影装置のうちの第1及び第2の映像投影装置に対し、互いに異なる特性情報を送信することを特徴とする信号変換装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1の映像投影装置が有する光変調素子の光変調特性を表す特性情報は、前記第2の映像投影装置が有する光変調素子の光変調特性を表す特性情報により求められる関数の逆関数から得られた情報であることを特徴とする信号変換装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記入力映像信号で表現可能な階調数が、前記各映像投影装置に供給される映像信号で表現可能な階調数よりも多いことを特徴とする信号変換装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか記載の信号変換装置と、
前記信号変換装置からの映像信号に基づいて映像を投射する投射部とを含むことを特徴とする映像投影装置。
【請求項6】
請求項5において、
スクリーンに投影された他の映像投影装置の投影画像の輝度を検出する輝度検出部を含み、
前記入力映像信号を前記映像投影装置に供給すると共に、前記輝度検出部により検出された輝度に基づいて前記入力映像信号を変換した映像信号を用いて映像を投射することを特徴とする映像投影装置。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか記載の信号変換装置と、
前記信号変換装置からの映像信号に基づいて画像を投影する複数の映像投影装置とを含み、
前記複数の映像投影装置を構成する各映像投影装置による投影画像を重ねて表示することを特徴とする映像投影システム。
【請求項8】
請求項7において、
前記複数の映像投影装置のうちの第1の映像投影装置が前記信号変換装置に対し、前記第1の映像投影装置の光変調素子の光変調特性を表す特性情報を送信し、
前記信号変換装置が、前記複数の映像投影装置のうちの第2の映像投影装置に対し、前記第1の映像投影装置の光変調素子の特性情報に対応した特性情報を送信することを特徴とする映像投影システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−145369(P2009−145369A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319281(P2007−319281)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】