説明

光モジュール、光モジュールの製造方法、及び、光通信装置

【課題】光電気複合ケーブルの接合が可能であり、小型化が可能な光モジュールを提供する。
【解決手段】基板11と、基板11の第1主面11A側に備えられた光素子21と、基板11に設けられる基板11の第2主面11B側から光芯線23を挿入するための貫通孔12とを備える光モジュール10を構成する。光モジュール10は、第2主面11B側から電気芯線24を接続するための第1電極18と、第1主面11A側に形成される光素子21と接続する第2電極14と、基板11の側面11Cに設けられる第2電極14と電気的に接続する第3電極15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、光通信等に用いられる光モジュール、光モジュールの製造方法、及び、光通信装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
近年、取り扱う情報量の増加に伴い、情報伝送路として光芯線(光ファイバ等)が使用される場合が多くなっている。この場合、例えば光芯線の一端は、光モジュールを介して情報処理用の半導体素子等に接続される(例えば、特許文献1参照)。この方法では、光素子と半導体素子との電気接続は、ワイヤーボンドによる直接接続が行われている。
また、光芯線とともに、電気信号を送受信するための電気芯線が接続された光モジュールとして、光電気複合ケーブルが接続された光モジュールが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−349307号公報
【特許文献2】特開2010−237640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の光モジュールに光電気複合ケーブルが接続される場合には、光芯線を光素子に接続し、さらに電気芯線を光素子に接続する必要がある。電気芯線と光素子との電気的な接続には、光素子への直接はんだ付け、ワイヤーボンドによる直接接続、又は、電気コネクタを用いた接続等が用いられる。
光素子と光芯線との光接続においては、レンズなどの光学部品が必要となり、複雑な光学系になりやすい。そして、光素子からの光を光ファイバに光学結合させて組み立てる際には、非常に高精度な光アライメントが必要となる。電気芯線と光素子との電気接続と、光ファイバと光素子との光接続とは、光モジュールにおいて別々に行われているため、装置の小型化が困難である。
【0005】
本技術においては、光電気複合ケーブルを接合する場合においても小型化が可能な光モジュール、及び、この光モジュールを備える光通信装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の光モジュールは、基板と、基板の第1主面側に備えられた光素子と、基板に設けられる基板の第2主面側から光芯線を挿入するための貫通孔とを備える。また、基板に設けられる第2主面側から電気芯線を接続するための第1電極と、基板の第1主面側に形成される光素子と接続する第2電極と、基板の側面に設けられる第2電極と電気的に接続されている第3電極とを備える。
また、本技術の光通信装置は、上記光モジュールと、この光モジュールを搭載する回路基板と、この回路基板上に搭載される光素子用の駆動用素子を備える。
【0007】
また、本技術の光モジュールの製造方法は、基板に光芯線を挿入するための貫通孔と、第3電極形成用の貫通孔とを形成する工程を有する。そして、基板及第3電極形成用の貫通孔内に導体層を形成し、基板に電気芯線を接続するための第1電極、及び、光素子を接続するための第2電極を形成し、第3電極形成用の貫通孔内に第2電極から連続する第3電極を形成する工程を有する。さらに、第2電極上に光素子を搭載する工程と、第3電極形成用の貫通孔内で切断し、孔内の第3電極を基板の側面に露出させる工程とを有する。
【0008】
上述の光モジュールによれば、光電気複合ケーブルが接続される際に、基板に設けられた貫通孔内に光芯線が挿入され、基板の第1電極に電気芯線が接続される。このため、光芯線と電気芯線とを有する光電気複合ケーブルと光モジュールとの接続が、光モジュールの基板内において行われる。さらに、光素子と接続する電極が基板側面の電極と電気的に接続される。この構成によれば、光モジュールの外部に、光素子の電気信号の出入力のための構成が不要となる。従って、上述の光モジュールの小型化と同時に、この光モジュールを搭載する通信装置の小型化が可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本技術によれば、光電気複合ケーブルの接続する場合において小型化が可能な光モジュール及び光通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】Aは、光モジュールの第1実施形態の構成を示す断面図である。Bは、光モジュールの第1実施形態の構成を示す平面図である。
【図2】A〜Fは、図1に示す光モジュールの製造方法を説明するための図である。
【図3】A〜Fは、図1に示す光モジュールの製造方法を説明するための図である。
【図4】G〜Iは、図1に示す光モジュールの製造方法を説明するための図である。
【図5】G〜Iは、図1に示す光モジュールの製造方法を説明するための図である。
【図6】A,Bは、図1に示す光モジュールの製造方法を説明するための図である。
【図7】Aは、光モジュールの第2実施形態の構成を示す断面図である。Bは、光モジュールの第2実施形態の構成を示す平面図である。
【図8】A、Bは、光モジュールの接続方法を説明するための図である。
【図9】A〜Fは、図7に示す光モジュールの製造方法を説明するための図である。
【図10】A〜Fは、図7に示す光モジュールの製造方法を説明するための図である。
【図11】Aは、光モジュールの第3実施形態の構成を示す断面図である。Bは、光モジュールの第3実施形態の構成を示す平面図である。
【図12】A〜Fは、図11に示す光モジュールの製造方法を説明するための図である。
【図13】A〜Fは、図11に示す光モジュールの製造方法を説明するための図である。
【図14】G〜Iは、図11に示す光モジュールの製造方法を説明するための図である。
【図15】G〜Iは、図11に示す光モジュールの製造方法を説明するための図である。
【図16】光通信装置の第1実施形態の構成を示す図である。
【図17】光通信装置の第1実施形態の構成を示す図である。
【図18】光通信装置の第2実施形態の構成を示す図である。
【図19】光通信装置の第2実施形態の変形例の構成を示す図である。
【図20】光通信装置の第3実施形態の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本技術を実施するための最良の形態の例を説明するが、本技術は以下の例に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.光モジュールの第1実施形態
2.第1実施形態の光モジュールの製造方法
3.光モジュールの第2実施形態
4.第2実施形態の光モジュールの製造方法
5.光モジュールの第3実施形態6.第3実施形態の光モジュールの製造方法
7.光通信装置の第1実施形態
8.光通信装置の第2実施形態
9.光通信装置の第3実施形態
【0012】
〈1.光モジュールの第1実施形態〉
以下、光モジュールの具体的な実施の形態について説明する。
図1A,Bに、第1実施形態の光モジュールの概略構成図を示す。図1Aは、光モジュール10の断面図であり、図1Bは、光モジュール10の光素子21の搭載面側の平面図である。なお、図1Bにおいて、光素子21は搭載位置のみを破線で示している。
【0013】
図1に示す光モジュール10は、基板11と、この基板11に搭載された光素子21とからなる。光素子21は、基板11の第1主面11A側に搭載されている。そして、基板11の第2主面11B側から光電気複合ケーブル22が接続されている。光電気複合ケーブル22は、光信号用の光芯線23と、電気信号用の電気芯線24とを備える。
【0014】
光素子21は、発光素子の場合には発光面を、また、受光素子の場合には受光面を基板11側に向けて搭載される。図1に示す光モジュール10では、光素子21は2つの発光点又は受光点をもつアレイ素子の例を示している。光モジュール10を光送信モジュールとして使用する場合には、図示しない情報処理装置から出力される電気信号を光素子21において光信号に変換し、光芯線23に光を射出する。また、この光芯線23の他端には、他の光受信モジュールが接続される。
【0015】
基板11には、例えば、シリコン基板等の半導体基板、石英・ガラス基板、セラミック基板等の絶縁材料、及び、導電材料が用いられる。特に基板11として、公知の半導体製造プロセスを適用することができ、高精度な加工が可能なため、シリコン材料を用いることが好ましい。
【0016】
また、基板11には、第1貫通孔12及び第2貫通孔13が形成されている。第1貫通孔12は、光電気複合ケーブル22の光芯線23を挿入するための孔である。また、第2貫通孔13は、光電気複合ケーブル22の電気芯線24を挿入するための孔である。そして、第2貫通孔13の内面には、電気芯線24と電気的な接続をするための第1電極18が形成されている。
【0017】
基板11の第1主面11A側には、光素子21を接続するための第2電極14が形成されている。光素子21は、導電性の接続バンプ19を介したフリップチップ実装により、第2電極14に光素子21の電極が接続されて基板11上に搭載される。ここで、光素子21の発光素子及び受光素子は面型デバイスであり、発光素子は例えばVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)、受光素子は例えば面型のPD(Photo Detector)である。光素子21が発光素子であれば、光素子21の発光点からの出射光が光芯線23へと入射され、光素子21が受光素子であれば光芯線23からの出射光が光素子21の受光点へと入射される。
【0018】
また、光素子21を基板11にフリップチップ実装する際には、光素子21の発光点又は受光点と、第1貫通孔12の中心位置とが合うように位置合わせが行われる。また、光芯線23の端面が光素子21の発光点又は受光点と近接して配置される。
第1貫通孔12は、光芯線23の大きさより若干大きく、かつ光芯線23が第1貫通孔12内において挿入された光芯線23の位置が不揃いとならい大きさで形成される。つまり、第1貫通孔12の開口径と光芯線23の径との差は小さい方がよく、抵抗なく光芯線23の挿入が可能な範囲で小さい方が好ましい。
【0019】
上記の構成のように、発光点又は受光点と第1貫通孔12の中心位置とを合わせることにより、光芯線23と光素子21との光接続を良好にすることができる。さらに、第1貫通孔12に光芯線23を挿入することにより、光素子21と光芯線23との位置合わせが可能となり、光素子21と光芯線23との光結合効率を容易に高くすることができる。
【0020】
基板11の第1主面11Aと光素子21との間隙、及び、第1貫通孔12内の光芯線23との間隙には、使用する光の波長に対してほぼ透明な光学樹脂25が充填されている。光学樹脂25により第1貫通孔12内壁と光芯線23とが保持され、光素子21と光芯線23との間にも光学樹脂25が空隙なく存在するため、良好な光学結合が達成される。さらに、光学樹脂25は、基板11の第2主面11B側に形成され、光芯線23を保持する構造としてもよい。これにより、光芯線23と基板との接続が強固になる。光学樹脂25としては、例えば、熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂を用いる。
【0021】
また、光モジュール10の第2貫通孔13には、光電気複合ケーブル22の電気芯線24が挿入されている。そして、第2貫通孔13内に形成された第1電極18と光電気複合ケーブル22からの電気芯線24とが、導電材26により接続されている。図1に示すように、電気芯線24と光芯線23とを近接させた状態で、それぞれ基板11に接続することにより、光モジュール10と光電気複合ケーブル22との接続強度を向上させることができる。特に、強度の小さい光芯線23の断裂や基板11からの脱離等を防ぐために、光芯線23にかかる応力を、近接して接続する強度の大きい電気芯線24に分散させることができる。
【0022】
また、光モジュール10は、基板11の側面11Cに、第1主面上の第2電極14から連続し、光素子21と外部機器との電気接続を行うための第3電極15、及び、第4電極16を備える。また、基板11の側面11Cに、第2貫通孔13内に形成されている第1電極18から連続し、光電気複合ケーブル22の電気芯線24と外部機器との電気接続を行うための第5電極17を備える。
この第3電極15、第4電極16、及び、第5電極17は、基板11の同一側面11C上に形成されている。また、第3電極15、第4電極16、及び、第5電極17は、基板11の側面11Cに形成された凹部の内面全面に設けられた導体層から構成されている。
【0023】
第3電極15及び第4電極16からの電気信号は、光素子21が実装されている第2電極14へと伝搬される。このため、光素子21が発光素子であれば、第3電極15及び第4電極16からの電気信号が光素子21へと供給される。そして、光素子21において電気−光変換され、光素子21から光芯線23に光信号が出力される。また、光素子21が受光素子であれば、光芯線23から出射される光信号が光素子21に受光され、光素子21において光−電気変換される。そして、電気信号が、第2電極14から第3電極15及び第4電極16を通じて、光モジュール10に接続された外部機器へと出力される。
【0024】
また、基板11の第1主面11A、第2主面11B、側面11C、及び、第2貫通孔13の内面には、絶縁層27が形成されている。特に、基板11をシリコン基板等で形成する場合には、第2貫通孔13内においては、第2貫通孔13の内面に図示しない絶縁層が形成され、この絶縁層上に形成された導体層により第1電極18が形成されている。
【0025】
上述の第1実施形態の光モジュール10によれば、光電気複合ケーブル22が接続された構成において、基板11の第1貫通孔12に光芯線23が、又、第2貫通孔13に電気芯線24が、同時に接続されている。この光実装の構造を用いることにより、光モジュール10に対して、簡便な光と電気との接続が可能となる。また、例えば従来の光芯線と電気芯線とが同時に接続された構成の光モジュールの構造と比較して、小型化が可能である。
【0026】
なお、上述の第1実施形態の光モジュール10は、2本の光芯線23及び2本の電気芯線24を有する光電気複合ケーブル22を用いた例で示しているが、光芯線23及び電気芯線24の本数に制限はない。また、図1に示されている基板の形状や導体層のパターン等はこの構成に限るものではなく、さまざまな構造及びパターンが可能である。
【0027】
〈2.第1実施形態の光モジュールの製造方法〉
次に、上述の第1実施形態の光モジュールの製造方法について図2及び図3を用いて説明する。図2は、図1Bに示す光モジュール10の平面図のA−A’線断面図に相当し、図3は、図1Bに示す光モジュール10の平面図のB−B’線断面図に相当する。
【0028】
まず、図2Aに示すように、基板11に第1貫通孔12及び第2貫通孔13を形成する。同時に図3Aに示すように、基板11に第3貫通孔31を形成する。
基板11の材料としては、例えばシリコン基板等の半導体基板、石英・ガラス基板、セラミック基板等の絶縁材料、及び、導電材料を用いる。基板11をシリコン基板とする場合には、基板11上に形成される電極及び配線の高速信号伝送特性を良好にするため、高抵抗シリコン材料であることが好ましい。
【0029】
第1貫通孔12は、光芯線の接続部と対応する位置に形成する。第2貫通孔13は、電気芯線の接続部と対応する位置に形成する。第3貫通孔31は、第3電極15、第4電極16、及び、第5電極17に対応する位置に形成する。
第1貫通孔12、第2貫通孔13及び第3貫通孔31の形成は、例えばRIE(Reactive-Ion-Etching)等のドライエッチング、又は、ウェットエッチング等の方法が適用可能である。特に、DRIE(Deep-Reactive-Ion-Etching)等の異方性エッチングが好まし
い。
【0030】
第1貫通孔12は、後の工程で光芯線を挿入する。ここで、光芯線を貫通孔内部で精度よく保持することにより、光芯線と光素子との光結合効率の安定を確保する。このため、第1貫通孔12の開口径と、挿入する光芯線の径との差が小さい方がよい。第1貫通孔12の開口径と光芯線の径の差が小さいことにより、孔内での光芯線の保持精度を向上させることができる。
【0031】
一方、上記のように、第1貫通孔12の開口径と光芯線の径の差が小さいと、光芯線の第1貫通孔12への挿入が困難になる場合がある。このため、例えば、図6Aに示すように、第1のエッチング工程として、基板11の第1主面11A(光芯線を挿入する側の面と反対面)側から、例えばDRIEを内面が垂直に形成される条件で用いて、異方性エッチングを行う。この第1のエッチング工程により、内面が垂直な第1貫通孔12Aを形成する。次に、第2のエッチング工程として、基板11の第2主面11B(光芯線を挿入する面)側から、例えばDRIEを等方性エッチングとなる条件で用いて、光芯線を挿入する入口付近の基板11をエッチングする。この第2のエッチング工程により、図6Bに示すように、光芯線を挿入する入口付近の第2主面側に、開口部が広がった第1貫通孔12Bを形成する。
【0032】
上述のように、第1貫通孔12は、垂直な第1貫通孔12Aを形成する第1のエッチング工程と、挿入側に開口が広がった第1貫通孔12Bを形成する第2のエッチング工程により形成することができる。この方法によれば、光芯線を挿入する際、入口側の第1貫通孔12Bは、第2のエッチング工程により広く形成されているため、光芯線の挿入が容易となる。さらに、第1貫通孔12の内部は、第1のエッチング工程により垂直な第1貫通孔12Aが形成されているため、光芯線23の保持精度を高く維持できる。
【0033】
なお、第2貫通孔13の形成は、上記の第1のエッチング工程のみによる貫通孔形成工程でよい。また、第1貫通孔12においても、上述の第2のエッチング工程は必須ではなく、光電気複合ケーブルの接続における作業性等を考慮して適宜追加することができる。
【0034】
次に、図2B及び図3Bに示すように、基板11の第1主面11A上の所定の位置、第2貫通孔13及び第3貫通孔31の内面に、導体層を形成する。第2貫通孔13及び第3貫通孔31内に形成する導体層は、貫通孔内を埋め込まずに、壁面上のみに導体層を形成する。
基板11に形成する導体層は、例えば、銅等を用いて形成した後、導電層を酸化等から保護するため表面に金等によるめっき層を形成する。また、導体層の形成は、例えば、無電解めっき、電解めっき等のめっき法や、スパッタや蒸着等の従来公知の方法を用いる。ここで、貫通孔内を導体層で埋め込まないため、貫通孔内に露出する導体層の表面に金めっき層を形成することができる。
【0035】
この工程により、基板11の第1主面11A上に第2電極14を形成する。同時に、第2貫通孔13の内面に第1電極18を形成し、第3貫通孔31の内面に第4電極16を形成する。また、第3貫通孔31の第4電極16と同時に、第3電極15及び第5電極17に対応する位置の第3貫通孔31にも導体層を形成する。
【0036】
なお、基板11がシリコン基板等の半導体基板又は導電性基板の場合には、図2B及び図3Bに示す工程の前に、例えば配線間のショートや信号伝送特性を良好にするため、基板11の表面に絶縁層を形成する工程を付加する。この絶縁層形成工程としては、例えば熱酸化による酸化膜(シリコン基板の場合にはSiO)の形成、CVD法によるSiN膜の形成、又は、樹脂等の絶縁膜を表面に付加する方法等を用いる。
【0037】
次に、図2C及び図3Cに示すように、基板11の第1主面11AS上の所望の場所を覆うように絶縁層27を形成する。絶縁層27としては、例えば、ポリイミド、エポキシ、シリコーン材料等の絶縁材料を用いる。絶縁層27が感光性材料からなる場合には、液状材料の塗布やフィルム材料により基板11の表面を被覆した後に、リソグラフィ工程によるパターニングを行う。また、絶縁層27が非感光性材料からなる場合には、基板11の表面を非感光性材料で被覆した後、非感光性材料をエッチングして所望のパターンを形成する。
なお、絶縁層27は必須の構成ではないが、絶縁層27を設けることにより、配線の保護や配線の信号伝送特性の安定性を確保できるため、設けることが好ましい。
【0038】
次に、図2D及び図3Dに示すように、基板11に光素子21を搭載する。まず、基板11に形成した第2電極14上、又は、光素子21の電極上に接続バンプ19を形成する。そして、この接続バンプ19を介して、光素子21の電極と、基板11に形成した第2電極14とを電気的に接続し、基板11上に光素子21を搭載する。
【0039】
光素子21は、発光部及び受光部が基板11の第1主面11A側に面し、さらに、発光部及び受光部が第1貫通孔12の中心部に位置するように搭載される。
接続バンプ19の材料は、例えば、はんだ材料や金等の導電性材料である。接続バンプ19がはんだ材料であれば、光素子21を搭載する際にはんだを溶融させ、光素子21の電極と基板11の第2電極14とを接続する。また、接続バンプ19が金であれば、例えば、光素子21の電極上に金バンプを形成し、基板11の第2電極14に金の表面処理を施し、金−金接続により光素子21を搭載する。
【0040】
次に、図2E及び図3Eに示すように、光素子21の搭載後、光電気複合ケーブルを搭載する前に、基板11をダイシング等により所望の大きさに個片化する。この個片化工程では、図2Eに破線で示すように、第2貫通孔13の間の基板を切断することで個片化を行う。また、図3Eに破線で示すように、第3貫通孔31を形成した部分において個片化を行う。第3貫通孔31を切断することにより、第3貫通孔31の内面に形成されている導体層が基板11の側面に露出される。この導体層は、第3貫通孔31の内面に露出する面に、既に酸化等から保護するためのめっき層が形成されている。このため、この工程により、基板11の側面11Cに形成される、光モジュール10の外部機器との接続用電極とすることができる。
【0041】
上述のように、第3貫通孔31の切断により露出された導体層が、基板11の側面11C上において、第3電極15、第4電極16及び第5電極17となる。また、この第3貫通孔31により、基板11の側面11Cとは反対側の側面にも導体層が露出する。この導体層が不要となる場合には、第3貫通孔31内の導体層よりも光素子21側の位置において基板11を切断して除去する。
【0042】
以上の個片化工程により図2F及び図3Fに示すように、基板11の第1主面11A上に光素子21が搭載された光モジュール10を製造することができる。そして、基板11に、光電気複合ケーブルの光芯線を挿入するための第1貫通孔12が形成される。また、電気芯線を挿入するための第2貫通孔13と、第2貫通孔13内に電気芯線と電気接続する第1電極18が形成される。さらに、光素子21と接続する第2電極14と、第2電極14から外部機器に接続するための第3電極15及び第4電極16と、第1電極18から外部機器に接続するための第5電極17が形成される。
【0043】
次に、光モジュール10の個片化工程の後、光電気複合ケーブル22を光モジュール10に搭載する工程について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、図1Bに示す光モジュール10の平面図のA−A’線断面図に相当し、図5は、図1Bに示す光モジュール10の平面図のB−B’線断面図に相当する。
【0044】
まず、図4G及び図5Gに示すように、光電気複合ケーブル22を挿入する前に、第1貫通孔12、光素子21と基板11との間隙、及び、基板11の第2主面11B上の第1貫通孔12周囲に、液状の光学樹脂25を塗布する。このとき、第1貫通孔12内等ボイドが入らないように光学樹脂25を充填する。また、第2貫通孔13内の第1電極18上に液状の導電材26を塗布する。
光学樹脂25の材料には、例えば、熱硬化型又は紫外線硬化型のエポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びシリコーン系樹脂等の材料を使用する。導電材26の材料には、例えば熱硬化型の銀ペースト等の導電性ペースト材料等を使用する。
【0045】
次に、図4H及び図5Hに示すように、光電気複合ケーブル22の光芯線23を第1貫通孔12に挿入する。同時に、光電気複合ケーブル22の電気芯線24を第2貫通孔13に挿入する。
光芯線23の第1貫通孔12への挿入では、光素子21が破損しないように光芯線23の端部が光素子21の発光部又は受光部に接触しない位置であり、かつ信号の受送信が容易な近接した位置に、光芯線23が位置決めされる。光芯線23の端部が光素子21の発光部又は受光部に近接することにより、光素子21と光芯線23との光結合効率が大きく、且つばらつきの少ない安定した光学的な接合を得ることができる。
【0046】
さらに、図4I及び図5Iに示すように、光電気複合ケーブル22を挿入後、加熱工程により光学樹脂25及び導電材26を硬化して、光芯線23及び電気芯線24を固定する。光学樹脂25が紫外線硬化型材料であれば、さらに紫外線照射工程により光学樹脂25を硬化させる。
以上の工程により、図1に示す構成の、光電気複合ケーブル22が接続された光モジュール10を製造することができる。
【0047】
上述の図4及び図5に示す工程により、光モジュール10を構成する基板11を用いて、従来位置合わせが煩雑な光芯線23と光素子21との光学アライメントを容易に達成することができる。そして、光芯線23の接続と同時に、電気芯線24の電気接続も容易に達成することができる。さらに、光芯線23と電気芯線24の接続が、同一基板11の貫通孔により行われ、基板11上の導体層を介して、光素子21や電気芯線24と外部機器との電気接続が可能となる。このため、光モジュール10の外部に、電気接続のための導線を形成する必要等がなく、光モジュール10及び光モジュール10を含む装置の小型化が可能である。
【0048】
なお、上述の製造方法において図2E及び図3Eに示す個片化の工程は、図4H及び図5Hに示す光電気複合ケーブル22の搭載後でもよい。但し、光電気複合ケーブル22が長い場合には、光電気複合ケーブル22の搭載後に工程の取扱いが煩雑となるため、光電気複合ケーブル22の搭載前に個片化することが好ましい。
【0049】
〈3.光モジュールの第2実施形態〉
次に、光モジュールの第2実施形態について説明する。
図7A,Bに、第2実施形態の光モジュールの概略構成図を示す。図7Aは、光モジュール20の断面図であり、図7Bは、光モジュール20の光素子21の搭載面側の平面図である。なお、図7Bにおいて、光素子21は搭載位置のみを破線で示している。また、以下の実施形態の説明において、上述の第1実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0050】
図7に示す光モジュール20は、基板11と、この基板11に搭載された光素子21とからなる。光素子21は、基板11の第1主面11A側に搭載されている。そして、基板11の第2主面11B側から光電気複合ケーブル22が接続されている。光電気複合ケーブル22は、光信号用の光芯線23と、電気信号用の電気芯線24とを備える。
【0051】
基板11の第1主面11A側には、第2電極14が形成されている。そして、第2電極14と光素子21の電極とが接続バンプ19を介して電気接続されている。さらに、基板11の第1主面11Aと光素子21と間隙、及び、第1貫通孔12内の光芯線23との間隙には、光学樹脂25が形成されている。
また、光モジュール20の第2貫通孔13に第1電極18が形成され、第2貫通孔13に挿入された電気芯線24と第1電極18とが導電材26により電気接続されている。
【0052】
第2実施形態の光モジュール20では、基板11の側面11Cに、第1主面上の第2電極14から連続し、光素子21と外部機器との電気接続を行うための第3電極15を備える。また、基板11の側面11Cに、第2貫通孔13内に形成されている第1電極18から連続し、光電気複合ケーブル22の電気芯線24と外部機器との電気接続を行うための第5電極17を備える。第3電極15、及び、第5電極17は、基板11の側面11Cに形成された凹部の内面全面に設けられた導体層から構成されている。
【0053】
さらに、光モジュール20は、第1主面上の第2電極14から連続し、光素子21と外部機器との電気接続を行うための第4電極32を備える。第4電極32は、基板11の第1主面11A上に形成された導体層から構成されている。ここで、第4電極32を構成する導体層は、基板11の側面11Cには形成されていない。そして、第4電極32上に、外部機器との接続用の導電性バンプ33が設けられている。
【0054】
基板11の側面11Cに電極を形成した構成、例えば、第3電極15及び第5電極17では、光モジュール20を外部機器にはんだ等で実装する際に、図8Aに示す構造となる。図8Aは、外部機器の回路基板41上に、絶縁層43と光モジュール20との接続用の電極42とを備える。そして、電極42上に、光モジュール20の第3電極15が、はんだや導電性ペースト等からなる導電材34により接続されている。
【0055】
図8Aに示す構造は、例えば光モジュール20に接続される外部機器が送信側装置であり、この送信側装置からGHz以上の高速信号が伝搬される場合、導電材34による接合部が高周波伝送の観点からスタブ構造となる。このため、このスタブ構造に起因する余分な寄生容量が発生し、高周波信号伝搬の損失につながる可能性がある。
【0056】
これに対し、基板11の第1主面11Aに導電性バンプ33を備える電極を形成した構成、例えば、第4電極32では、光モジュール20を外部機器にはんだ等で実装する際に、図8Bに示す構造となる。
図8Bは、外部機器の回路基板41上に、絶縁層43と光モジュール20との接続用の電極42とを備える。回路基板41の電極42は、搭載する光モジュール20の第1主面11A側に近接して設ける。そして、光モジュール20の第4電極32上に形成された導電性バンプ33と電極42とが、はんだや導電性ペースト等からなる導電材35により接続されている。
【0057】
図8Bに示す構造は、高速信号が伝搬される場合においても、基板11の側面11Cに形成された電極を使用しないため、スタブ構造とはならない。このため、小さな寄生容量での信号伝搬が可能となる。従って、第4電極32上に導電性バンプ33を形成する構成では、GHzを超えるような高速信号に対して良好な伝送特性が得られる。
【0058】
なお、光モジュール20と外部機器との接続において、電源やグラウンド、制御信号等の低速信号等を伝搬する場合には、図8Bに示す構成を適用する必要がなく、機械的な強度が比較的大きく得られる図8Aに示す構成であってもよい。
光モジュール20と回路基板41との接続構造としては、必要に応じて図8Aに示す構成と図8Bに示す構成とを混在して搭載することが好ましい。
【0059】
〈4.第2実施形態の光モジュールの製造方法〉
次に、上述の第2実施形態の光モジュールの製造方法について図9及び図10を用いて説明する。図9は、図7Bに示す光モジュール20の平面図のA−A’線断面図に相当し、図10は、図7Bに示す光モジュール20の平面図のB−B’線断面図に相当する。
【0060】
まず、図9A及び図10Aに示すように、基板11に第1貫通孔12及び第2貫通孔13を形成する。同時に図示しない第3貫通孔を基板11に形成する。
次に、図9Bに示すように、基板11の第1主面11A上の所定の位置及び第2貫通孔13の内面に、導体層を形成する。また、図示しない第3貫通孔の内面に導体層を形成する。同時に、図10Bに示すように、基板11の第1主面11A上の所定の位置に導体層を形成する。
この工程により、基板11の第1主面11A上に第2電極14、及び、第2電極14と連続する第4電極32を形成する。同時に、第2貫通孔13の内面に第1電極18を形成し、図示しない第3貫通孔の内面に第3電極15、第5電極17を形成する。図10Bに示すように、基板11の第1主面11A上において、第1貫通孔12を介して対向する第2電極14の一方は、第1貫通孔12側の端部が第2電極14となり、反対側の端部が第4電極32となる。
【0061】
次に、図9C及び図10Cに示すように、基板11上の所望の場所を覆うように絶縁層27を形成する。絶縁層27は、図10Cに示すように、第2電極14に対応する部分、及び、第4電極32に対応する部分を開口して導電体層上に形成する。 そして、図9D及び図10Dに示すように、第2電極14上に光素子21の電極を、接続バンプ19を介して接続することにより、基板11の第1主面11Aに光素子21を搭載する。
【0062】
次に、図9E及び図10Eに示すように、第4電極32上に導電性バンプ33を形成する。導電性バンプ33の材料は、例えば、はんだ材料や金等の導電性材料である。
さらに、図9E及び図10Eに破線で示すように第2貫通孔13の間の基板を切断して光モジュール20を個片化する。また、図示しない第3貫通孔の形成部を切断することにより、光モジュール20を個片化する。第3貫通孔を切断することにより、第3貫通孔の内面の導体層が露出され、基板11の側面11C上に、第3電極15及び第5電極17が形成される。
【0063】
以上の個片化工程により図9F及び図10Fに示すように、基板11の第1主面上に光素子21が搭載された光モジュール20を製造することができる。この光モジュール20では、第2電極14から外部機器に接続するための第3電極15が、基板11の側面11C上に形成される。また、第4電極32が基板11の第1主面11A上に形成され、この第4電極32上に、第2電極14から外部機器に接続するための導電性バンプ33が形成される。
【0064】
次に、上述の工程により形成された光モジュール20に、図4及び図5に示す第1実施形態と同様に、光電気複合ケーブル22を接続することで、図7に示す構成の光電気複合ケーブル22が接続された光モジュール20を製造することができる。
【0065】
〈5.光モジュールの第3実施形態〉
次に、光モジュールの第3実施形態について説明する。
図11A,Bに、第2実施形態の光モジュールの概略構成図を示す。図11Aは、光モジュール30の断面図であり、図11Bは、光モジュール30の光素子21の搭載面側の平面図である。なお、図11Bにおいて、光素子21は搭載位置のみを破線で示している。なお、以下の実施形態の説明において、上述の第1実施形態及び第2の実施の形態と同様の構成には、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0066】
図11に示す光モジュール30は、基板11と、この基板11に搭載された光素子21とからなる。光素子21は、基板11の第1主面11A側に搭載されている。基板11の第1主面11A側には、第2電極14が形成されている。そして、第2電極14と光素子21の電極とが接続バンプ19を介して電気接続されている。
【0067】
光モジュール30には、基板11の第2主面11B側から光電気複合ケーブル22が接続されている。光電気複合ケーブル22は、光信号用の光芯線23と、電気信号用の電気芯線24とを備える。そして、基板11に形成された第1貫通孔12に光芯線23が挿入されている。第1主面11Aと光素子21と間隙、及び、第1貫通孔12内の光芯線23との間隙には、光学樹脂25が形成されている。
【0068】
さらに、第3実施形態の光モジュール30では、図11Aに示すように、光モジュール30は、基板11の第2主面11B側に、光電気複合ケーブル22の電気芯線24を接続するための第1電極36を備える。そして、この第1電極36に光電気複合ケーブル22からの電気芯線24が、導電材26により接続されている。
上述の第1及び第2実施形態の光モジュールが、第2貫通孔内に電気芯線24と接続する第1電極を形成する構成であるのに対し、第3実施形態の光モジュール30は、電気芯線24と接続する第1電極36が基板11の第2主面11B側に形成されている。
【0069】
また、光モジュール30は、図11Bに示すように、基板11の側面11Cに、第1主面上の第2電極14から連続し、光素子21と外部機器との電気接続を行うための第3電極15を備える。また、第1主面上の第2電極14から連続し、光素子21と外部機器との電気接続を行うための第4電極32と、第4電極32上に設けられた外部機器との接続用の導電性バンプ33とを備える。
【0070】
さらに、基板11の側面11Cに、第2主面11B上に形成されている第1電極36から連続し、光電気複合ケーブル22の電気芯線24と外部機器との電気接続を行うための第5電極37を備える。第1電極36から第5電極37への接続は、基板11の第2主面11B上に形成された導体層からなる。なお、図11Bは基板11の第1主面11Aに形成されている構成を実線で示し、第2主面11Bに形成されている構成を破線で示している。
第5電極37は、第3電極15と同様に、基板11の側面11Cに形成された凹部の内面全面に設けられた導体層から構成されている。
【0071】
上述のように、基板11に第1貫通孔12を形成し、この第1貫通孔12に光芯線23を挿入することにより、容易に光芯線23と光素子21との位置合わせが可能となり、光接続の信頼性、光結合効率を高くすることができる。
また、電気芯線24においては、基板11の第1電極36と接続でき、この第1電極36から外部機器への接続用の第5電極37への導体層が形成されていればよいため、貫通孔内に挿入する必要はない。このため、上述の第3実施形態の光モジュール30の構成とすることにより、第2貫通孔の形成、貫通孔内への導電性ペーストの埋め込み、及び、電気芯線の挿入等の工程が削減できるため、製造工程の簡略化が可能となる。
【0072】
〈6.第3実施形態の光モジュールの製造方法〉
次に、上述の第3実施形態の光モジュールの製造方法について図12及び図13を用いて説明する。図12は、図11Bに示す光モジュール30の平面図のA−A’線断面図に相当し、図13は、図11Bに示す光モジュール30の平面図のB−B’線断面図に相当する。
【0073】
まず、図12A及び図13Aに示すように、基板11に第1貫通孔12を形成する。同時に図示しない第3貫通孔を基板11に形成する。
次に、図12Bに示すように、基板11の第1主面11A上の所定の位置に導体層を形成する。また、図示しない第3貫通孔の内面に導体層を形成する。さらに、図12Bに示すように、基板11の第2主面11B上の所定の位置に導体層を形成する。
同時に、図13Bに示すように、基板11の第1主面11A上の所定の位置に導体層を形成する。
この工程により、基板11の第1主面11A上に第2電極14、及び、第2電極14と連続する第4電極32を形成する。同時に、図示しない第3貫通孔の内面に第3電極15を形成し、基板11の第2主面11B上に第1電極36を形成する。また、図13Bに示すように、基板11の第1主面11A上に、第2電極14と連続した第4電極32を形成する。
【0074】
次に、図12C及び図13Cに示すように、基板11上の所望の場所を覆うように絶縁層27を形成する。絶縁層27は、図13Cに示すように、第2電極14に対応する部分、及び、第4電極32に対応する部分を開口して導電体層上に形成する。
そして、図12D及び図13Dに示すように、基板11に形成した第2電極14上に、接続バンプ19を介して光素子21の電極を接続することにより、基板11に光素子21を搭載する。
【0075】
次に、図12E及び図13Eに示すように、第4電極32上に導電性バンプ33を形成する。さらに、図12E及び図13Eに破線で示すように第1貫通孔12の間の基板、図示しない第3貫通孔の形成部分を切断することにより、光モジュール30の個片化を行う。第3貫通孔を切断することにより、第3貫通孔の内面の導体層が露出され、基板11の側面11C上に、第3電極15及び第5電極37が形成される。
【0076】
以上の個片化工程により図12F及び図13Fに示すように、基板11の第1主面上に光素子21が搭載された光モジュール30を製造することができる。この光モジュール30では、光電気複合ケーブル22の電気芯線24を接続するための第1電極36が基板11の第2主面11B上に形成されている。
さらに、第2電極14から外部機器に接続するための第3電極15が、基板11の側面11C上に形成される。また、第4電極32が基板11の第1主面11A上に形成され、この第4電極32上に、第2電極14から外部機器に接続するための導電性バンプ33が形成される。
【0077】
次に、光モジュール30の個片化工程の後、光電気複合ケーブル22を光モジュール30に搭載する工程について、図14及び図15を用いて説明する。図14は、図11Bに示す光モジュール30の平面図のA−A’線断面図に相当し、図15は、図11Bに示す光モジュール30の平面図のB−B’線断面図に相当する。
【0078】
まず、図14G及び図15Gに示すように、光電気複合ケーブル22を挿入する前に、第1貫通孔12、光素子21と基板11との間隙、及び、基板11の第2主面11B上の第1貫通孔12の周囲に、液状の光学樹脂25を塗布する。このとき、第1貫通孔12内等ボイドが入らないように光学樹脂25を充填する。
また、第1電極36上に、電気芯線との電気接続を得るための液状の導電材26を塗布する。
【0079】
次に、図14H及び図15Hに示すように、光電気複合ケーブル22の光芯線23を第1貫通孔12へ挿入する。同時に、光電気複合ケーブル22の電気芯線24を、第1電極36上の導電材26と接触させる。
さらに、図4I及び図5Iに示すように、光芯線23を挿入後、加熱工程により光学樹脂25及び導電材26を硬化して、光芯線23及び電気芯線24を固定する。光学樹脂25が紫外線硬化型材料であれば、さらに紫外線照射工程により光学樹脂25を硬化させる。
以上の工程により、図11に示す構成の、光電気複合ケーブル22が接続された光モジュール30を製造することができる。
【0080】
〈7.光通信装置の第1実施形態〉
次に、光通信装置の第1実施形態について説明する。
図16に、本実施形態の光通信装置の概略構成図を示す。図16では、上述の第2実施形態の光モジュール20を光通信装置に搭載した例を示している。
【0081】
図16に示す光通信装置40は、回路基板41上に、光モジュール20、及び、光素子21の駆動用素子44が搭載されている。
光モジュール20は、基板11上に光素子21が搭載されている。そして、光電気複合ケーブル22が接続されている。なお、図16では、光モジュール20の光芯線23と光素子21との光接合部、第2電極14、第4電極32、及び、導電性バンプ33の構成のみを示し、電気芯線、第1電極及び第5電極等の構成は省略している。
【0082】
回路基板41は、例えば有機多層基板等や多層セラミック基板等からなる絶縁基板49と、この絶縁基板49に形成された導体層51,55及び絶縁層43,52等からなる。絶縁基板49には複数のスルーホールが形成され、このスルーホール内に形成された導体層51を通じて絶縁基板49両面に形成された導体層51が接続されている。そして、絶縁基板49両面の導体層51上に、絶縁層52が形成されている。さらに、絶縁層52上に、回路基板41の表面に露出する導体層55が形成されている。導体層51と導体層55とは、絶縁層52を貫通するビアにより接続されている。また、導体層55の電極等となる部分を除き、導体層55上は絶縁層43が被覆されている。
【0083】
また、回路基板41表面の導体層55に、光モジュール20を搭載するための電極42と、光通信装置40の電源等に接続するための入出力端子53が形成されている。回路基板41の入出力端子53と駆動用素子44との間には、電源のデカップリングコンデンサ等の駆動用素子44に付随する受動素子45が搭載されている。
【0084】
駆動用素子44は、ワイヤーボンド46により回路基板41上に実装されている。そして、駆動用素子44とワイヤーボンド46とを覆う封止材47により封止されている。なお、駆動用素子44の実装方法としては、ワイヤーボンド46以外にも、例えばフリップチップ実装や、WLP(Wafer-Level-Package)やCSP(Chip-Size-Package)などの各工法を用いてもよい。
【0085】
光モジュール20の基板への搭載方法は、例えば、光モジュール20の第4電極32上に形成された導電性バンプ33を、はんだを介して回路基板41の電極42へと接続する。この構成は、上述の図8Bと同じ構成である。
また、光モジュール20の基板への搭載方法は、例えば、光モジュール20の基板11の側面に形成された電極を、はんだを介して回路基板41の電極42へと接続する、上述の図8Aと同じ構成としてもよい。この方法は、例えば一般的なはんだ実装(SMT:Surface-Mount-Technology)工程によって、受動素子45とともに実装することが可能になる。
【0086】
上述の第2実施形態の光モジュールの製造方法を参照すると、光電気複合ケーブル22が光モジュールに接続された後、光モジュールが光電気複合ケーブル22とともに回路基板41に搭載される。この工程以降において、例えば、光通信装置40への光モジュール20の搭載時に、光電気複合ケーブル22の取扱いが困難になる場合には、回路基板41に光モジュール20と搭載した後に、光電気複合ケーブル22を光モジュール20に接続してもよい。これは、第1実施形態及び第3実施形態の光モジュールについても同様である。
【0087】
また、光通信装置40では、光電気複合ケーブル22と回路基板41とを保持するよう、ケーブル保持材48が設けられている。光電気複合ケーブル22の固定が光モジュール20のみであると、取扱い上、固定部が弱い場合には、光電気複合ケーブル22の光モジュール20からの脱離や破損等が起こりやすい。ケーブル保持材48を設けることにより、これを防ぐことができる。このとき、ケーブル保持材48は、例えば絶縁性又は導電性材料の接着剤により形成する。
【0088】
光通信装置40が送信側装置の場合、入出力端子53から回路基板41へ入力された電気信号が、駆動用素子44へと入力される。そして、駆動用素子44において光素子21を駆動するために必要な信号に変換され、変換された信号が駆動用素子44から出力される。駆動用素子44から出力された信号は、回路基板41の電極42、導体層51,55や光モジュール20の電極等を介して、光素子21に入力される。そして、発光素子である光素子21により電気−光信号変換されて、光電気複合ケーブル22の光芯線23を通じて光信号が出力される。
【0089】
また、光通信装置40が受信側装置の場合、光芯線23を通じて入力された光信号が、受光素子である光素子21に入射され、光素子21において光−電気変換される。そして、光素子21から、光モジュール20の電極や回路基板41の電極42、導体層51,55等を通じて、電気信号が駆動用素子44に入力される。さらに、駆動用素子44において必要な信号に変換された電気信号が出力される。駆動用素子44から出力された信号は、回路基板41の電極42、導体層51,55等を介して、入出力端子53から装置の外部へ出力される。
【0090】
〈8.光通信装置の第2実施形態〉
次に、光通信装置の第2実施形態について説明する。
図18に、本実施形態の光通信装置の概略構成を示す。図18では、上述の第2実施形態の光モジュールを光通信装置に搭載した例を示している。なお、以下の説明において、上述の光通信装置の第1実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0091】
図18に示す光通信装置60は、回路基板61上に、光モジュール20、及び、光素子21の駆動用素子44が搭載されている。
光モジュール20は、基板11の第1主面上に光素子21が搭載されている。そして、光電気複合ケーブル22が接続されている。なお、図18では、光モジュール20の光芯線23と光素子21との光接合部、第2電極14、第4電極32の構成のみを示しその他の構成は図示を省略している。
【0092】
回路基板61は、例えば有機多層基板や多層セラミック基板等からなる絶縁基板49と、この絶縁基板49に形成された導体層51,55及び絶縁層43,52等からなる。絶縁基板49には複数のスルーホールが形成され、このスルーホール内に形成された導体層51を通じて絶縁基板49両面に形成された導体層51が接続されている。そして、絶縁基板49両面の導体層51上に、絶縁層52が形成されている。さらに、絶縁層52上に、回路基板61の表面に露出する導体層55が形成されている。導体層51と導体層55とは、絶縁層52を貫通するビアにより接続されている。また、導体層55の電極等となる部分を除き、導体層55上は絶縁層43が被覆されている。
【0093】
回路基板61の第2面側には、光モジュール20、駆動用素子44、及び、受動素子45が搭載されている。そして、回路基板61の第1主面側には、能動素子63、及び、受動素子45が搭載されている。
【0094】
光モジュール20は、基板11の第2主面側が回路基板61に接続されている。そして、光電気複合ケーブル22が、回路基板61の第1主面側から光モジュール20に接続されている。
つまり、図18に示す構成では、回路基板61の第2主面側から絶縁基板49まで光モジュール20の基板11が埋め込まれている。これにより、光モジュール20の基板11の第2主面側が回路基板61に接続する形で、回路基板61に光モジュール20が実装される。このとき、光モジュール20に接続される光電気複合ケーブル22は、回路基板61の第1主面側から、光モジュール20の基板11の第1貫通孔12まで導かれる。光電気複合ケーブル22は、基板11の第2主面上から回路基板61の第1主面側まで形成されたケーブル保持材62により保持されている。そして、光電気複合ケーブル22は、回路基板61の第1主面側から第2主面側までを貫通し、回路基板61の第2主面側に配置されている光素子21に接続される。
【0095】
上述のように、回路基板61は、第1主面から第2主面までを貫通する貫通孔を有する。そして、この貫通孔内に、第2主面側から光モジュール20が接続される。これにより、貫通孔の回路基板61の第1主面側から、光モジュール20の基板11に設けられた第1貫通孔12が露出する構成となる。そして、光電気複合ケーブル22が、回路基板61の第1主面側から、回路基板61の貫通孔と、光モジュール20の基板11の第1貫通孔12とを通り、光モジュール20に接続されている。
【0096】
また、光モジュール20は、基板11の第1主面上に形成された第4電極32において、駆動用素子44の電極56とワイヤーボンド64により接続されている。また、駆動用素子44の電極56と、回路基板61とがワイヤーボンド65により接続されている。そして、封止材47により、光モジュール20、駆動用素子44、及び、受動素子45が回路基板61の第2主面側で封止されている。
【0097】
一般的な光通信装置では、光素子21と駆動用素子44との間には、光モジュール20及び基板11の配線や電極、回路基板61の配線や電極等、多数の配線や接続部が付加される。また、光モジュール20の基板11と回路基板61とで、各々異なる2種類の信号配線が採用されることがある。
このような構成の場合、異なる2種類の信号配線の配線接続部において、インピーダンス不連続反射点が生じることがある。また、電気信号経路が長くなることで、余計な信号ロスや寄生容量等が発生し、高速電気信号を伝搬する際に、波形劣化や信号損失等が発生することがある。
【0098】
このため、上述の第2実施形態の光通信装置60の構成では、光モジュール20の基板11の第1面上に形成された第4電極32と、駆動用素子44上の電極56とをワイヤーボンド64で電気的に接続する。このように、光モジュール20と駆動用素子44との間の信号配線経路を短縮することで、信号透過性の劣化要因を削減することが可能となる。
【0099】
[変形例]
次に、光通信装置の第2実施形態の変形例について説明する。
光素子21の電極と駆動用素子44の電極とを、直接ワイヤーボンドで接続することにより、さらに光モジュール20と駆動用素子44との間の信号配線経路を短縮することも可能である。例えば、図19に示すように、光モジュール20の光素子21上に形成された電極に、ワイヤーボンド66を接続する。そして、このワイヤーボンド66を駆動用素子44上の電極56上に接続する。この構成により、上述の図18に示す第2実施形態において、基板11上の第4電極32と、駆動用素子44上の電極56とをワイヤーボンド64で電気的に接続する構成に替えることができる。
【0100】
〈9.光通信装置の第3実施形態〉
次に、光通信装置の第3実施形態について説明する。
図20に、本実施形態の光通信装置の概略構成を示す。なお、以下の説明において、上述の光通信装置の第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0101】
図20に示す第3実施形態の光通信装置70は、光モジュール20に2つの光素子21A,Bを備える構成である。
図20に示すように、第3実施形態の光通信装置70は、回路基板41上に、光モジュール20と、光モジュールの駆動用素子として第1駆動用素子44A及び第2駆動用素子44Bと、受動素子45とを備える。
【0102】
第1駆動用素子44Aと第2駆動用素子44Bとは、積層されて回路基板41上に実装されている。第1駆動用素子44A上に第2駆動用素子44Bが配置されている。
第1駆動用素子44Aは、その電極形成面が回路基板41上に直接接続され、フリップチップ実装されている。
第2駆動用素子44Bは、電極形成面と反対の面が第1駆動用素子44A上に接続されている。第2駆動用素子44Bは、光通信装置70の上方に電極形成面が露出されている。そして、第2駆動用素子44Bの上面の電極と、回路基板41の電極とがワイヤーボンド67で接続されることで、回路基板41に実装されている。
【0103】
光モジュール20は、第1光素子21Aと第2光素子21Bとを備える。ここで、光モジュール20において、第1光素子21Aが搭載されている側を第1光モジュール部20Aとする。また、第2光素子21Bが搭載されている側を第2光モジュール部20Bとする。光通信装置の第3実施形態では、第1光モジュール部20Aに上述の第1実施形態の光モジュールの構成を適用し、第2光モジュール部20Bに上述の第2実施形態の光モジュールの構成を適用している。
【0104】
光モジュール20は、上述の図8Bに示す構成と同様に、第4電極32上に形成された導電性バンプ33と導電材35を介して回路基板41に接続されている。また、光モジュール20に光電気複合ケーブル22が接続されている。
【0105】
第1光素子21Aと第2光素子21Bとは、基板11上において、それぞれ回路基板41の主面(搭載面)に対して、垂直方向で重なる位置に配置されている。図20では、回路基板41に近い側(下方)に第1光素子21Aが配置され、第1光素子21Aよりも回路基板41から遠い側(上方)に第2光素子21Bが配置されている。このように、第1光素子21Aと第2光素子21Bとは、回路基板41の同一領域内で、回路基板41の搭載面に対して垂直方向に積層されている。
【0106】
ここで、第1光素子21Aと第2光素子21Bとは、それぞれ異なる種類の光素子である。例えば、図20に示す構成では、第1光素子21Aを発光素子、第2光素子21Bを受光素子とする。このように、第3実施形態は、異なる種類の光素子を複数搭載する光通信装置の例である。
【0107】
光電気複合ケーブル22は、送信用光芯線23Aと、受信用光芯線23Bとを備える。そして、送信用光芯線23Aが、発光素子である第1光素子21Aに接続され、受信用光芯線23Bが、受光素子である第2光素子21Bに接続されている。また、光電気複合ケーブル22は、送信側および受信側の光芯線23が、回路基板41の主面に対して上下に積層するようにアレイ化されている。
【0108】
光モジュール20は、基板11に形成された第4電極32から回路基板41の導体層を介して、回路基板41に実装されている。このため、第1光素子21Aは、回路基板41を介して、第1駆動用素子44Aに電気的に接続されている。このため、第1光素子(発光素子)21Aと接続される第1駆動用素子44Aは、例えば、レーザドライバ等の送信側駆動用素子から構成される。
【0109】
また、光モジュール20は、回路基板41に実装されている面と反対側の基板11の側面に第3電極15を備えている。この第3電極15は、第2光素子21Bと電気的に接続されている。そして、この第3電極15と、第2駆動用素子44Bとが、ワイヤーボンド68により接続されている。即ち、第2光素子21Bは、第2駆動用素子44Bに電気的に接続されている。このため、第2光素子(受光素子)21Bと接続される第2駆動用素子44Bは、例えば、トランスインピーダンスアンプ等の受信側駆動用素子から構成される。
【0110】
上述の第1実施形態及び第2実施形態の光通信装置では、光通信装置が送信側装置の場合、若しくは、受信側装置の場合についての構成を説明している。これに対し、第3実施形態の光通信装置では、発光素子と受光素子とを備える光モジュールが、1つの光通信装置に実装されている。即ち、複数の光素子を、1つの光通信装置に搭載する構成について説明している。そして、第3実施形態のように、複数の光素子を、回路基板の第1主面に対して垂直方向に積層されるように配置することで、複数の光素子を回路基板の主面方向に並列配置させた場合に比べて、光通信装置の面積を小型化することが可能となる。
【0111】
さらに、第3実施形態では、光素子と接続される第1駆動用素子及び第2駆動用素子も、回路基板上に積層された構成である。このため、上述の光素子と同様に、複数の駆動用素子を回路基板に搭載する場合についても、回路基板の主面方向に並列配置させた場合に比べ、光通信装置の面積を小型化することが可能となる。
また、光電気複合ケーブルも、送信側および受信側の光芯線が回路基板の主面に対して上下に積層するようアレイ化されているため、幅が低減された構成となり、光通信装置の小型化に有利となる。
【0112】
なお、上述の第3実施形態では、第1光素子21Aを発光素子とし、第2光素子21Bを受光素子とする例について説明しているが、この光素子の組み合わせを逆にしてもよい。つまり、第1光素子21Aを受光素子とし、第2光素子21Bを発光素子としてもよい。この場合には、第1光素子21Aに接続される第1駆動用素子44Aが受信側駆動用素子とし、第2光素子21Bに接続される第2駆動用素子44Bが発信側駆動用素子とする。
また、図20では、第1光素子21Aと第2光素子21Bとが、上述の図16に示す構成と同様に、基板11にフリップチップ実装される構成を示している。しかしながら、上述の図19に示す構成のように、第1光素子21Aと第2光素子21Bが、直接ワイヤーボンド接続により、第1駆動用素子44Aと第2駆動用素子44Bに接続される構成としてもよい。
【0113】
本実施の形態の光通信装置では、上述のように、光素子21と駆動用素子44との間には、光モジュール20の配線や電極、回路基板41の配線や電極等、多数の配線や接続部が付加されている。このような構成の場合、余計な寄生容量等が発生し、高速電気信号を伝搬するには、波形劣化や信号損失等が発生する傾向がある。このため、図17に示すように、回路基板41上において、光モジュール20と駆動用素子44との間の配線上に、整合用の受動素子54を設ける。整合用の受動素子54を設け、高速信号ラインにインダクタやキャパシタ、抵抗などの受動部品を追加して配置することにより、信号伝送波形を補正することが可能となる。
【0114】
なお、上述の光通信装置40において、光通信装置40の上面に部品保護のためや外部からの高周波ノイズによる影響を少なくするために、シールドケースを設けてもよい。また、光通信装置40の入出力端子53に替えて、例えば、回路基板41の裏面に電気コネクタを設けてもよい。
【0115】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)基板と、前記基板の第1主面側に備えられた光素子と、前記基板に設けられ、前記基板の第2主面側から光芯線を挿入するための貫通孔と、前記基板に設けられ、前記第2主面側から電気芯線を接続するための第1電極と、前記基板の第1主面側に形成され、前記光素子と接続する第2電極と、前記基板の側面に設けられ、前記第2電極と電気的に接続されている第3電極とを備える光モジュール。
(2)前記第1電極が、前記基板を貫通する貫通孔内に形成された導体層からなる(1)に記載の光モジュール。
(3)前記第1電極が、前記第2主面上に形成された導体層からなる(1)に記載の光モジュール。
(4)前記第1主面上に前記第2電極と電気的に接続されている第4電極と、前記第4電極上に導電性バンプを備える(1)から(3)のいずれかに記載の光モジュール。
(5)光芯線を挿入するための前記貫通孔は、前記第2主面側が前記第1主面側よりも大きい開口径を有する(1)から(4)のいずれかに記載の光モジュール。
(6)基板に光芯線を挿入するための貫通孔と、第3電極形成用の貫通孔とを形成する工程と、前記基板及び前記第3電極形成用の貫通孔内に導体層を形成し、前記基板に電気芯線を接続するための第1電極、及び、光素子を接続するための第2電極を形成し、前記第3電極形成用の貫通孔内に前記第2電極から連続する第3電極を形成する工程と、前記第2電極上に光素子を搭載する工程と、前記第3電極形成用の貫通孔内で切断し、孔内の前記第3電極を前記基板の側面に露出させる工程と、を有する光モジュールの製造方法。
(7)前記光芯線を挿入するための貫通孔と、前記第3電極形成用の貫通孔を形成する工程において、前記基板に第1電極形成用の貫通孔を形成し、前記第1電極形成用の貫通孔内に前記第1電極を形成する(6)に記載の光モジュールの製造方法。
(8)前記第2電極を形成する工程において、前記基板の第1主面上に前記第2電極と連続する第4電極を形成し、前記第4電極上に導電性バンプを形成する工程を有する(6)又は(7)に記載の光モジュールの製造方法。
(9)前記光芯線を挿入するための貫通孔を形成する工程が、前記基板の第1主面側から異方性エッチングにより貫通孔を形成する第1エッチング工程と、前記基板の第2主面側から等方性エッチングにより前記貫通孔の第2主面側の開口を広げる第2エッチング工程からなる(6)から(8)のいずれかに記載の光モジュールの製造方法。
(10)(1)から(5)のいずれかに記載の光モジュールと、前記光モジュールを搭載する回路基板と、前記回路基板に搭載される前記光素子用の駆動用素子とを備える光通信装置。
(11)前記光モジュールが、前記第1主面上に前記第2電極と電気的に接続されている第4電極と、前記第4電極上に導電性バンプを備え、前記第3電極と前記導電性バンプとが前記回路基板上の電極に電気的に接続されて、前記光モジュールが前記回路基板に搭載されている(11)に記載の光通信装置。
(12)前記駆動用素子として、第1駆動用素子と第2駆動用素子とを有し、前記第1駆動用素子上に前記第2駆動用素子が積層され、前記第1駆動用素子が、前記回路基板上にフリップチップ実装され、前記第2駆動用素子が、前記回路基板とワイヤーボンド実装され、前記基板上に、前記光素子として第1光素子と第2光素子とを有し、前記回路基板面に対して、下側に前記第1光素子が搭載され、上側に前記第2光素子が搭載され、前記第1駆動用素子と前記第1光素子とが、前記回路基板を介して電気的に接続され、前記第2駆動用素子と前記第2光素子とが、ワイヤーを介して電気的に接続され、前記光芯線が、前記回路基板面に対して上下にアレイ化されている(10)又は(11)に記載の光通信装置。
(13)前記第1光素子及び前記第2光素子のうち、少なくとも一方が発光素子であり、他方が受光素子であり、前記第1駆動用素子及び前記第2駆動用素子のうち、前記発光素子に接続される前記駆動用素子が送信側駆動用素子であり、前記受光素子に接続される前記駆動用素子が受信側駆動用素子である(12)に記載の光通信装置。
(14)前記光モジュールが、前記基板の前記第1主面上に前記第2電極と電気的に接続されている第4電極を有し、前記回路基板の第2主面側に、前記基板の第2主面側が接続され、前記第4電極と前記前記駆動用素子とがワイヤーボンド実装により電気的に接続され、前記光芯線が前記回路基板の第1主面側から前記光モジュールに接続される(10)に記載の光通信装置。
(15)前記回路基板の第2主面側に、前記基板の第2主面側が接続され、前記光素子と前記前記駆動用素子とがワイヤーボンド実装により電気的に接続され、前記光芯線が前記回路基板の第1主面側から前記光モジュールに接続される(10)に記載の光通信装置。
(16)前記回路基板上において、前記光素子と前記駆動用素子との間に受動素子を備える(10)から(15)のいずれかに記載の光通信装置。
【符号の説明】
【0116】
10,20,30 光モジュール、11 基板、11A 第1主面、11B 第2主面、11C 側面、12,12A,12B 第1貫通孔、13 第2貫通孔、14 第2電極、15 第3電極、16,32 第4電極、17,37 第5電極、18,36 第1電極、19 接続バンプ、20A 第1光モジュール部、20B 第2光モジュール部、21 光素子、21A 第1光素子、21B 第2光素子、22 光電気複合ケーブル、23 光芯線、23A 送信用光芯線、23B 受信用光芯線、24 電気芯線、25 光学樹脂、26,34,35 導電材、27,43,52 絶縁層、31 第3貫通孔、33 導電性バンプ、40,60,70 光通信装置、41,61 回路基板、42,56,65 電極、44 駆動用素子、44A 第1駆動用素子、44B 第2駆動用素子、45,54 受動素子、46,64,65,66,67,68 ワイヤーボンド、47 封止材、48,62 ケーブル保持材、49 絶縁基板、51,55 導体層、53 入出力端子、63 能動素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の第1主面側に備えられた光素子と、
前記基板に設けられ、前記基板の第2主面側から光芯線を挿入するための貫通孔と、
前記基板に設けられ、前記第2主面側から電気芯線を接続するための第1電極と、
前記基板の第1主面側に形成され、前記光素子と接続する第2電極と、
前記基板の側面に設けられ、前記第2電極と電気的に接続されている第3電極と、を備える
光モジュール。
【請求項2】
前記第1電極が、前記基板を貫通する貫通孔内に形成された導体層からなる請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記第1電極が、前記第2主面上に形成された導体層からなる請求項1に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記第1主面上に前記第2電極と電気的に接続されている第4電極と、前記第4電極上に導電性バンプを備える請求項1に記載の光モジュール。
【請求項5】
光芯線を挿入するための前記貫通孔は、前記第2主面側が前記第1主面側よりも大きい開口径を有する請求項1に記載の光モジュール。
【請求項6】
基板に光芯線を挿入するための貫通孔と、第3電極形成用の貫通孔とを形成する工程と、
前記基板及び前記第3電極形成用の貫通孔内に導体層を形成し、前記基板に電気芯線を接続するための第1電極、及び、光素子を接続するための第2電極を形成し、前記第3電極形成用の貫通孔内に前記第2電極から連続する第3電極を形成する工程と、
前記第2電極上に光素子を搭載する工程と、
前記第3電極形成用の貫通孔内で切断し、孔内の前記第3電極を前記基板の側面に露出させる工程と、を有する
光モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記光芯線を挿入するための貫通孔と、前記第3電極形成用の貫通孔を形成する工程において、前記基板に第1電極形成用の貫通孔を形成し、前記第1電極形成用の貫通孔内に前記第1電極を形成する請求項6に記載の光モジュールの製造方法。
【請求項8】
前記第2電極を形成する工程において、前記基板の第1主面上に前記第2電極と連続する第4電極を形成し、前記第4電極上に導電性バンプを形成する工程を有する請求項6に記載の光モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記光芯線を挿入するための貫通孔を形成する工程が、前記基板の第1主面側から異方性エッチングにより貫通孔を形成する第1エッチング工程と、前記基板の第2主面側から等方性エッチングにより前記貫通孔の第2主面側の開口を広げる第2エッチング工程からなる請求項6に記載の光モジュールの製造方法。
【請求項10】
基板、前記基板の第1主面側に備えられた光素子、前記基板に設けられ前記基板の第2主面側から光芯線を挿入するための貫通孔、前記基板に設けられ前記第2主面側から電気芯線を接続するための第1電極、前記基板の第1主面側に形成され前記光素子と接続する第2電極、及び、前記基板の側面に設けられ前記第2電極と電気的に接続されている第3電極を有する光モジュールと、
前記光モジュールを搭載する回路基板と、
前記回路基板に搭載される前記光素子用の駆動用素子と、を備える
光通信装置。
【請求項11】
前記光モジュールが、前記第1主面上に前記第2電極と電気的に接続されている第4電極と、前記第4電極上に導電性バンプを備え、前記第3電極と前記導電性バンプとが前記回路基板上の電極に電気的に接続されて、前記光モジュールが前記回路基板に搭載されている請求項10に記載の光通信装置。
【請求項12】
前記駆動用素子として、第1駆動用素子と第2駆動用素子とを有し、
前記第1駆動用素子上に前記第2駆動用素子が積層され、
前記第1駆動用素子が、前記回路基板上にフリップチップ実装され、
前記第2駆動用素子が、前記回路基板とワイヤーボンド実装され、
前記基板上に、前記光素子として第1光素子と第2光素子とを有し、
前記回路基板面に対して、下側に前記第1光素子が搭載され、上側に前記第2光素子が搭載され、
前記第1駆動用素子と前記第1光素子とが、前記回路基板を介して電気的に接続され、
前記第2駆動用素子と前記第2光素子とが、ワイヤーを介して電気的に接続され、
前記光芯線が、前記回路基板面に対して上下にアレイ化されている
請求項10に記載の光通信装置。
【請求項13】
前記第1光素子及び前記第2光素子のうち、少なくとも一方が発光素子であり、他方が受光素子であり、
前記第1駆動用素子及び前記第2駆動用素子のうち、前記発光素子に接続される前記駆動用素子が送信側駆動用素子であり、前記受光素子に接続される前記駆動用素子が受信側駆動用素子である
請求項12に記載の光通信装置。
【請求項14】
前記光モジュールが、前記基板の前記第1主面上に前記第2電極と電気的に接続されている第4電極を有し、
前記回路基板の第2主面側に、前記基板の第2主面側が接続され、
前記第4電極と前記前記駆動用素子とがワイヤーボンド実装により電気的に接続され、
前記光芯線が前記回路基板の第1主面側から前記光モジュールに接続される
請求項10に記載の光通信装置。
【請求項15】
前記回路基板の第2主面側に、前記基板の第2主面側が接続され、
前記光素子と前記前記駆動用素子とがワイヤーボンド実装により電気的に接続され、
前記光芯線が前記回路基板の第1主面側から前記光モジュールに接続される
請求項10に記載の光通信装置。
【請求項16】
前記回路基板上において、前記光素子と前記駆動用素子との間に受動素子を備える請求項10に記載の光通信装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−226342(P2012−226342A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−84603(P2012−84603)
【出願日】平成24年4月3日(2012.4.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】