説明

光モジュール

【課題】光モジュールの設計段階での直流光特性の取得やリフロー耐性などの製造性に優れ、高い信頼性を有しており、低コストでの製造が可能な光モジュールを提供する。
【解決手段】光素子40およびドライバ集積回路装置41を含む複数の電子部品が搭載された配線基板70上の電子部品搭載基板30の上面に、光伝送路を形成する光ファイバ7等の光伝送体および当該光伝送体を保持する保持部材6を備えた上部構造体5を嵌合部材50等の装着体により垂直方向に押圧して固定することにより、電子部品搭載基板30の光素子40に対して上部構造体5の光伝送路を光学的に接続する。光素子40およびドライバ集積回路装置41は、電子部品搭載基板30にフリップチップ接続により電気的に接続されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光を情報伝送媒体とする光通信分野においては、光ファイバ等により伝送される光信号を受信または送信するため、光信号と電気信号とを相互に変換する光素子を備えた光モジュールが用いられている。電気信号から光信号への変換には、垂直共振器表面発光レーザ(Vertical cavity surface-emitting Laser:VCSEL)に代表される面発光素子が用いられ、光信号から電気信号への変換には、PINフォトダイオードに代表される面受光素子が用いられており、これらの光素子は基板に対して電気的に接続され、光ファイバ等は光素子に対して光学的に接続される。
【0003】
このような光モジュールは、配線基板(プリント配線板あるいはボード)上において光ファイバ等の光配線をする際の作業性や、保守交換の容易性などの点から、光ファイバ等の光伝送体がコネクタを介して着脱可能であることが望ましい。
【0004】
また、光素子に光ファイバ等を着脱する場合、配線基板に対して水平方向に着脱する構造にすると、光素子を搭載した部品の周辺に光ファイバ等を着脱する作業用のスペースを設けざるを得ないことから、そのスペースには他の部品を実装できず、実装密度を上げられないという問題がある。したがって、光ファイバ等の着脱は配線基板に対して垂直方向に行うことができることが望ましい。
【0005】
従来、このような要求に対応するものとして、光素子をその受発光面が配線基板に対して水平になるように搭載すると共に、光ファイバ等の端面に反射ミラー等を設けて光軸を垂直に変換したコネクタを用いることで、光ファイバ等と光素子とを垂直方向へ着脱自在に光学的に接続する光モジュールが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、本発明者等は、円弧状に曲げられた構造を有し外部側の光軸と光素子側の光軸とが互いに垂直である光伝送体および当該光伝送体を保持する保持部材を備えた上部構造体と、配線基板上に配置され、光素子および光素子駆動用のドライバ集積回路装置を含む複数の電子部品が搭載された電子部品搭載基板と、配線基板上の電子部品搭載基板の上面に上部構造体を垂直方向に押圧して固定することにより、電子部品搭載基板の光素子に対して上部構造体の光伝送路を光学的に接続する装着体とを備えた光モジュールを提案している(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−65358号公報
【特許文献2】特願2007−217574
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の本発明者等が提案した光モジュールは、大幅な小型化と、光伝送体と光素子との垂直方向への着脱自在な光学的接続を達成しているが、光モジュールの設計段階での直流光特性の取得やリフロー耐性などの製造性、光モジュールの信頼性、低コスト化などにおいて更なる改善の余地があった。
【0008】
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、光モジュールの設計段階での直流光特性の取得やリフロー耐性などの製造性に優れ、高い信頼性を有しており、低コストでの製造が可能な光モジュールを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
【0010】
第1に、本発明の光モジュールは、光信号を伝送する光伝送路と、光信号を電気信号に変換し、または電気信号を光信号に変換する光素子とを光学的に接続する光モジュールであって、光伝送体および当該光伝送体を保持する保持部材を備えた上部構造体と、配線基板上に配置され、光素子および光素子駆動用のドライバ集積回路装置を含む複数の電子部品が搭載された電子部品搭載基板と、電子部品搭載基板の光素子に対して上部構造体の光伝送路を光学的に接続する装着体とを備えており、光素子およびドライバ集積回路装置は、電子部品搭載基板にフリップチップ接続により電気的に接続されていることを特徴とする。
【0011】
第2に、上記第1の光モジュールにおいて、光素子は、その上面にレンズが一体に設けられていることを特徴とする。
【0012】
第3に、上記第2の光モジュールにおいて、レンズは半導体レンズであることを特徴とする。
【0013】
第4に、上記第1から第3のいずれかの光モジュールにおいて、電子部品搭載基板は、当該基板に立設された壁部に囲まれたキャビティ内に電子部品が搭載されており、当該キャビティは、キャビティ内の全面を含む一部が樹脂封止されていることを特徴とする。
【0014】
第5に、上記第1から第3のいずれかの光モジュールにおいて、電子部品搭載基板は、当該基板に立設された壁部に囲まれたキャビティ内に電子部品が搭載されており、当該キャビティは透光性基板により封止されていることを特徴とする。

第6に、上記第1から第4のいずれかの光モジュールにおいて、電子部品搭載基板における光素子およびドライバ集積回路装置の下面部の位置に形成された電極パターンの少なくとも一部がヒートスプレッダに接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上記第1の発明の光モジュールは、光素子およびドライバ集積回路装置を電子部品搭載基板にフリップチップ接続により電気接続するようにしたので、ワイヤボンディングなどによる電気接続の場合に比べて、光モジュールの設計段階での直流光特性の取得やリフロー耐性などの製造性に優れ、高い信頼性を有しており、低コストでの製造が可能である。
【0016】
上記第2の発明の光モジュールは、その上面にレンズが一体に設けられているので、光素子の樹脂封止が容易であり、高い信頼性を有する光モジュールを簡便に製造することができる。
【0017】
上記第3の発明の光モジュールは、半導体レンズを使用しているので、樹脂封止やリフロー時の加熱によるレンズの変質や損傷を防止することができる。さらに、半導体レンズの屈折率が高いため、樹脂封止材で光素子が覆われた場合でも、光素子と光伝送体との間の高い光結合効率を確保できる。
【0018】
上記第4の発明の光モジュールは、電子部品搭載基板をキャビティ形状としてその中に電子部品を搭載し、当該キャビティを樹脂封止するようにしたので、光素子の樹脂封止が容易であり、高い信頼性を有する光モジュールを簡便に製造することができる。
【0019】
上記第5の発明の光モジュールは、電子部品搭載基板をキャビティ形状としてその中に電子部品を搭載し、当該キャビティを透光性基板により封止するようにしたので、光素子の封止が容易であり、高い信頼性を有する光モジュールを簡便に製造することができる。
【0020】
上記第6の発明の光モジュールは、電子部品搭載基板における光素子およびドライバ集積回路装置の下面部の位置に形成された電極パターンの少なくとも一部をヒートスプレッダに接続するようにしたので、動作時の放熱に優れており高い信頼性を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本明細書において、「光伝送体」には、ガラス製、樹脂製等の光ファイバ、樹脂製等の光導波路などが含まれる。以下の実施形態では光ファイバを用いた例を説明するが、本発明において適用される光伝送体はこれに限定されるものではなく、光導波路等のように、光伝送路を構成する各種のものを適用することができる。
【0022】
本明細書において、「光素子」には、単一の受発光面を有するものの他、複数の受発光面がアレイ状等に配置された一体のものが含まれる。光素子の具体例としては、VCSELなどの面発光素子、PINフォトダイオードなどの面受光素子が挙げられるが、これらの面発光素子および/または面受光素子の受発光面がアレイ状に配置された一体のものであってもよい。
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1および図2は、本発明の一実施形態における光モジュールを示す斜視図であり、図1は光接続および電気接続を切り離した状態、図2は光接続および電気接続をした状態を示している。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の光モジュール1は、光ファイバ7が保持部材6により保持された上部構造体5と、光素子40を搭載した電子部品搭載基板30と、異方導電性シート60と、配線基板70(プリント配線板あるいはボード)上に固定された嵌合部材50とを備えている。
【0025】
この光モジュール1は、配線基板70上の嵌合部材50内の開口部51に異方導電性シート60を配置し、その上に電子部品搭載基板30を配置し、さらにその上から上部構造体5を垂直に嵌め込んで図2に示すように装着することにより、上部構造体5の光ファイバ7と電子部品搭載基板30の光素子40が光学的に接続し、電子部品搭載基板30と配線基板70が異方導電性シート60を介して電気的に接続されるようになっている。図2に示す装着状態の光モジュール1は、全体として、たとえば幅10mm×10mm、厚さ6.4mmのコンパクトなサイズのモジュールを構成している。
【0026】
上部構造体5は、図3(a)および図3(b)にも示すように、樹脂製の保持部材6の背面から、複数本(本実施形態では12本)の光ファイバ7が並列したテープファイバ8が保持部材6内に水平に入り込み、保持部材6内で光ファイバ7が円弧状に曲げられて光ファイバ7の端面7aが保持部材6の下面から垂直に露出した構造を有している。
【0027】
保持部材6の上面における光ファイバ7と平行な両側周縁部には、当該周縁部に沿ってテーパ面を成す一対の肩部12が設けられており、図1の嵌合部材50内に嵌め込んで装着したときに嵌合部材50の上部に設けられた一対の突条部52が保持部材6の肩部12に当接して下方に押圧するようになっている。
【0028】
また、図1に示すように、保持部材6には2つの位置決め穴11が設けられており、図1の嵌合部材50内に嵌め込んで装着したときに、光素子搭載基板30に立設された位置決めピン42が保持部材6の位置決め穴11に挿入されて上部構造体5と電子部品搭載基板30とが水平方向に位置決めされるようになっている。
【0029】
保持部材6は、図3(a)および図3(b)に示すように上側部材10と下側部材20とから構成されており、上側部材10と下側部材20によって光ファイバ7を挟み込んで保持するようになっている。上側部材10の下面側には光ファイバ7の円弧形状に対応した曲面上に、たとえば断面V字状などのガイド溝が平行に設けられており、これらのガイド溝のそれぞれに光ファイバ7が1本ずつ配置され案内されるようになっている。一方、下側部材20の上面側には光ファイバ7の円弧形状に対応した曲面を成す光ファイバ保持面が設けられており、上側部材10と下側部材20によって光ファイバ7を挟み込むことにより、上側部材10のガイド溝と下側部材20の光ファイバ保持面との間で光ファイバ7を円弧状に曲げられた状態で保持するようになっている。
【0030】
光ファイバ7の外部側光軸65aと光素子側光軸65bとの間の円弧部分の曲率半径Rは、好ましくは5mm以下、より好ましくは1〜3mmである。このように円弧部分の曲率半径は非常に小さく、上部構造体5の上下方向が低背化され、かつ、水平方向も小型化されている。光ファイバ7としては、たとえば直径80μmのガラスファイバを用いることができる。
【0031】
図4は、電子部品搭載基板30の上面側斜視図、図5は部分断面図、図6は、上部構造体と電子部品搭載基板とが光接続された状態を示す断面図である。図4に示すように、電子部品搭載基板30は、外周部に沿って壁部32が立設された箱状のセラミック基板31を備えており、セラミック基板31上の前方側の位置には光ファイバ7と同数の受発光面が並んで配置された光素子40が搭載されている。
【0032】
電子部品搭載基板30は、壁部32に囲まれたキャビティ34の底面に、光素子40、光素子40の駆動用のドライバ集積回路装置41などの電子部品を搭載しており、キャビティ34内は、図5に示すように封止樹脂38によって封止されている。光素子は、例えば厚さ100〜150μm程度の素子を用いることができる。
【0033】
光素子40は、面発光素子のVCSELと面受光素子のPINフォトダイオードから構成されている。壁部32の上面32aは光学的基準面を構成しており、上部構造体5の下面に当接することにより、図6に示すように光ファイバ7の端面7aと光素子40とが垂直方向に位置決めされる。
【0034】
なお、図4に示すように、セラミック基板31上における光素子40の両側の位置には突出高さ2mm、突出部分の直径0.7mmの一対の位置決めピン42が立設されており、これらの位置決めピン42が上部構造体5の位置決め穴11に挿入されることにより電子部品搭載基板30と上部構造体5が水平方向に位置決めされるようになっている。
【0035】
セラミック基板31上における光素子40の後方にはドライバ集積回路装置41が搭載されており、光素子40とドライバ集積回路装置41は、図5に示すようにフリップチップ接続によりバンプ40a、41aを介してセラミック基板31上の電極パターン36に接続されている。
【0036】
光素子40とドライバ集積回路装置41のバンプ40a、41aが接続された電極パターン36の一部は、図4のプリント配線33等を介して、セラミック基板31を貫通する不図示のスルーホールを通じて、セラミック基板31の裏面に設けられたパッドに電気的に接続されている。
【0037】
また、電極パターン36の他の一部は、図5に示すように、水平方向に広がるヒートスプレッダ37と接続されており、光モジュール1の動作時において光素子40とドライバ集積回路装置41からの熱を電極パターン36を通じてヒートスプレッダ37に放散するようにしている。
【0038】
ヒートスプレッダ37は、たとえば図5のようにセラミック基板31の内部に埋設してもよく、あるいはセラミック基板31の表面に設けるようにしてもよい。また、電気的な影響を与えないのであれば、その他の外部の構造物、たとえば配線基板70にヒートスプレッダ37を設けるようにしてもよい。
【0039】
ヒートスプレッダ37の具体的な配置やその形態は、信号線、電源などに電気的な影響を与えないようなものであれば特に制限はなく、たとえば配線パターン状、あるいは板状とすることができる。
【0040】
ヒートスプレッダ37は、セラミック基板31の配線を形成するのと同じ方法、たとえばスクリーン印刷等の方法により形成することで、熱伝導性を良好なものとすることができる。また、セラミック基板31の配線を形成する工程と同時にヒートスプレッダ37を形成することもできる。あるいは、セラミック基板31の配線を形成した後にヒートスプレッダ37を後からセラミック基板31に貼り付けるなど、配線形成とは別の工程でヒートスプレッダ37を形成してもよい。
【0041】
光素子40は、図5に示すようにその上面に半導体レンズ40bが一体に設けられている。半導体レンズ40bは、たとえばレンズの曲率半径80〜200μm、レンズ開口直径70μm程度のものを用いることができ、その材質としては、たとえばInP、GaAs等の化合物半導体を用いることができる。
【0042】
半導体レンズ40bは、たとえば次の方法で作製することができる。光素子40の光入出射側の素子基板にレジストを塗布した後、レジストの加熱およびキュアを行うことによってレンズ状のレジストを形成し、次いでイオンミリングを用いてレジストを加工することで、レジストのレンズ形状を光素子40の基板上に転写する。最後に、転写したレンズに無反射膜を形成する。
【0043】
図示はしないが、半導体レンズ40bは紙面に垂直な方向に配列された複数の受発光部のそれぞれの上に配置されており、嵌合部材50によって図6に示すように光ファイバ7の端面7aと光素子40とが垂直方向に位置決めされたときに、半導体レンズ40bによってこれらが光学的に位置合わせされるようになっている。
【0044】
図1の異方導電性シート60は、加圧によって垂直方向への導通が確保されるものであり、特に制限なく各種のものを用いることができるが、たとえばシリコーンゴムなどの弾性をもつ絶縁性基材に、金属等の導電性粒子が分散されたもの、あるいは導電性の線材を埋設したものなどを用いることができる。異方導電性シート60の厚さは、たとえば0.1〜1mmである。
【0045】
光モジュール1を図1のように光接続および電気接続が切り離された状態から図2のように光接続および電気接続をした状態に組み立てる際には、まず、図1の配線基板70上に固定された嵌合部材50の開口部51内に異方導電性シート60を配置する。次いでその上に電子部品搭載基板30を配置し、さらにその上から上部構造体5を嵌合部材50に垂直に嵌め込む。
【0046】
このとき、電子部品搭載基板30の位置決めピン42が上部構造体5の位置決め穴11に挿入されて、電子部品搭載基板30に対して上部構造体5が水平方向に所定の精度、たとえば3〜5μmの精度で位置決めされると共に、保持部材6の側面が嵌合部材50の側板部53に規制されて、電子部品搭載基板30が配線基板70に対して間接的に水平方向に位置決めされる。また、電子部品搭載基板30の下面に設けられたパッドが、配線基板70上に設けられたパッドに対して位置合わせされる。
【0047】
そして、嵌合部材50の弾性により上部構造体5は下方に押圧され、これにより異方導電性シート60が加圧されて導通状態となる。これにより、異方導電性シート60を介して電子部品搭載基板30の下面のパッドと配線基板70上のパッドとが電気的に接続される。
【0048】
また、電子部品搭載基板30の位置決めピン42が上部構造体5の位置決め穴11に挿入されることにより、図6に示すように光ファイバ7の端面7aと、光素子40との水平方向の位置決めがされると共に、保持部材6の下面6aと光素子搭載基板30の壁部32の上面32aとが当接することにより、光ファイバ7の端面7aと、光素子40との垂直方向の位置決めがされて、これらが光学的に接続される。
【0049】
以上のようにして、光モジュール1は図2に示す状態で垂直方向へ電気的および光学的に接続され、光ファイバ7を通じて外部との間で伝送される光信号の送受信が可能な状態とされる。
【0050】
そして、たとえば保守交換時などにおいては、上部構造体5を嵌合部材50から垂直に抜き出すことで光接続を容易に切り離すことができ、次いで光素子搭載基板30を異方導電性シート60上から垂直に取り出すことで電気接続を容易に切り離すことができる。
【0051】
以上に、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。
【0052】
たとえば、上記の実施形態では、装着体として嵌合部材50を用いて上部構造体5を垂直方向へ着脱自在に装着し、電子部品搭載基板30の光素子40に対して上部構造体5の光伝送路を光学的に接続するようにしたが、このような機能を有する装着構造として、クランプスプリング、ネジ止め構造、板バネ構造、ラッチ構造、開閉式クランプスプリングなど、各種のものを用いることができる。
【0053】
光素子40として、レーザダイオードなどのVCSEL以外の面発光素子を用いてもよく、PINフォトダイオード以外の面受光素子を用いるようにしてもよい。
【0054】
上記の実施形態では、電子部品搭載基板30と配線基板70とを異方導電性シート60を介して電気接続する例を示したが、その他、電子部品搭載基板30と配線基板70との電気接続構造として、電子部品搭載基板30を配線基板70にはんだ接続した構造など、各種の構造とすることができる。
【0055】
上記の実施形態では電子部品搭載基板30の電子部品が搭載されたキャビティ34内を樹脂封止するようにしたが、これに代えて、キャビティ34内を透光性基板により封止するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明の一実施形態における光モジュールを示す斜視図であり、光接続および電気接続を切り離した状態を示す。
【図2】図2は、図1の光モジュールにおける光接続および電気接続をした状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、上部構造体の上側部材、光ファイバ、および下側部材の配置状態を示した図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図4】図4は、電子部品搭載基板の斜視図である。
【図5】図5は、電子部品搭載基板の部分断面図である。
【図6】図6は、上部構造体と電子部品搭載基板とが光接続された状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 光モジュール
5 上部構造体
6 保持部材
6a 下面
7 光ファイバ
7a 端面
8 テープファイバ
10 上側部材
11 位置決め穴
12 肩部
20 下側部材
30 電子部品搭載基板
31 セラミック基板
32 壁部
32a 上面
33 プリント配線
34 キャビティ
36 電極パターン
37 ヒートスプレッダ
38 封止樹脂
40 光素子
40a バンプ
40b 半導体レンズ
41 ドライバ集積回路装置
41a バンプ
42 位置決めピン
50 嵌合部材
51 開口部
52 突条部
53 側板部
60 異方導電性シート
65a 外部側光軸
65b 光素子側光軸
70 配線基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号を伝送する光伝送路と、光信号を電気信号に変換し、または電気信号を光信号に変換する光素子とを光学的に接続する光モジュールであって、光伝送体および当該光伝送体を保持する保持部材を備えた上部構造体と、配線基板上に配置され、光素子および光素子駆動用のドライバ集積回路装置を含む複数の電子部品が搭載された電子部品搭載基板と、電子部品搭載基板の光素子に対して上部構造体の光伝送路を光学的に接続する装着体とを備えており、光素子およびドライバ集積回路装置は、電子部品搭載基板にフリップチップ接続により電気的に接続されていることを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
光素子は、その上面にレンズが一体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
レンズは半導体レンズであることを特徴とする請求項2に記載の光モジュール。
【請求項4】
電子部品搭載基板は、当該基板に立設された壁部に囲まれたキャビティ内に電子部品が搭載されており、当該キャビティは、キャビティ内の全面を含む一部が樹脂封止されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光モジュール。
【請求項5】
電子部品搭載基板は、当該基板に立設された壁部に囲まれたキャビティ内に電子部品が搭載されており、当該キャビティは、透光性基板により封止されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光モジュール。
【請求項6】
電子部品搭載基板における光素子およびドライバ集積回路装置の下面部の位置に形成された電極パターンの少なくとも一部がヒートスプレッダに接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−198920(P2009−198920A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42200(P2008−42200)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【出願人】(390005049)ヒロセ電機株式会社 (383)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】