光学式位置検出装置、光学式位置検出装置の校正方法、および位置検出機能付き表示装置
【課題】複数の位置検出用光源から出射された位置検出光の強度分布を利用して位置検出を行なう場合でも、複数の位置検出用光源の全てに対して出射光量の校正を行なうことのできる光学式位置検出装置、光学式位置検出装置の校正方法、および光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き表示装置を提供すること。
【解決手段】光学式位置検出装置10では、検出領域10Rに形成した位置検出光の強度分布を利用して対象物体Obの位置を検出することから、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なう。かかる校正の際、位置検出用光源12B、12Dは、光検出器15が位置する側とは反対の第2方向Y2に発光部121が向いている。そこで、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光の検出結果に基づいて、位置検出用光源12B、12Dのみを点灯させた状態での出射光量の校正を行なう。
【解決手段】光学式位置検出装置10では、検出領域10Rに形成した位置検出光の強度分布を利用して対象物体Obの位置を検出することから、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なう。かかる校正の際、位置検出用光源12B、12Dは、光検出器15が位置する側とは反対の第2方向Y2に発光部121が向いている。そこで、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光の検出結果に基づいて、位置検出用光源12B、12Dのみを点灯させた状態での出射光量の校正を行なう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、光学式位置検出装置における校正方法、および光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピューター、券売機、銀行の端末などの電子機器では、近年、液晶装置などの画像生成装置の前面にタッチパネルが配置された位置検出機能付き表示装置が用いられ、かかる位置検出機能付き表示装置では、画像生成装置に表示された画像を参照しながら、情報の入力を行なう。このようなタッチパネルは、検出領域内において対象物体の位置を検出する位置検出装置として構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の位置検出装置は光学式であり、液晶パネルなどの直視型表示パネルに対して入力操作側に導光板を設け、導光板に対して入力操作側とは反対側に光源および受光素子などを配置する。そして、光源から出射された位置検出光を導光板を介して入力操作側に出射し、対象物体で反射した位置検出光を受光素子で受光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】USPatent No.6927384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここに、本願発明者は、特許文献1に記載の構造を応用して、図14(a)、(b)に模式的に示す光学式位置検出装置を提案するものである。かかる構成の光学式位置検出装置では、検出領域10Rの面内方向に位置検出光の強度分布を順次逆向きで形成し、かかる検出領域10Rにおいて対象物体Obにより反射した位置検出光を光検出器15で検出する。例えば、位置検出用光源12Aから位置検出光L2aを出射したときと、位置検出用光源12Bから位置検出光L2bを出射したときでは、図14(c)に示すように、導光板13から検出領域10Rに出射された位置検出光の光強度分布が相違する。従って、位置検出光L2aを出射したときと、位置検出光L2bを出射したときの光検出器15での受光結果を比較すれば、矢印Aで示す方向の対象物体Obの位置を検出することができる。また、位置検出用光源12Cから位置検出光L2cを出射したときと、位置検出用光源12Dから位置検出光L2dを出射したときの光検出器15での受光結果を比較すれば、矢印Bで示す方向の対象物体Obの位置を検出することができる。
【0006】
かかる光学式位置検出装置では、検出領域10Rの面内方向に順次逆向きで形成した位置検出光の強度分布における絶対強度あるいは相対強度が一定であることが必要であるため、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正が行なわれる。かかる校正は、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A〜12Dを順次点灯させ、その間の光検出器15での受光結果を監視して行なう。
【0007】
しかしながら、図14に示す構成において、位置検出用光源12B、12Dは発光部が光検出器15が位置する側とは反体側に向いているため、対象物体Obが存在しない場合、位置検出用光源12B、12Dから出射された光が光検出器15に一切入射しない。このため、位置検出用光源12B、12Dの出射強度の校正を行なえないという問題点がある。なお、図14に示す形態は、本発明の参考例であって従来技術ではない。
【0008】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、複数の位置検出用光源から出射された位置検出光の強度分布を利用して位置検出を行なう場合でも、複数の位置検出用光源の全てに対して出射光量の校正を行なうことのできる光学式位置検出装置、光学式位置検出装置の校正方法、および光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出するための光学式位置検出装置であって、前記検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に受光部を向ける光検出器と、前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有し、前記位置検出用光源装置は、前記検出領域に位置検出光を出射する複数の位置検出用光源と、前記光検出器の受光部に発光部を向けた補助光源と、該補助光源から出射された光の前記検出領域内への進入を阻止する遮光部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に受光部を向ける光検出器と、前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有する光学式位置検出装置の校正方法であって、前記位置検出用光源装置には、前記位置検出光を出射する複数の位置検出用光源と、前記光検出器の受光部に発光部を向けた補助光源と、該補助光源から出射された光の前記検出領域内への進入を阻止する遮光部と、を設けておき、前記複数の位置検出用光源のうちの少なくとも一部の位置検出用光源の出射光量の校正については、前記補助光源から出射された光の前記受光素子での検出結果に基づいて行なうことを特徴とする。
【0011】
本発明では、検出領域に形成した位置検出光の強度分布を利用して対象物体の位置を検出することから、強度分布の絶対強度、あるいは順次形成した強度分布の相対強度が一定であることが必要である。このため、位置検出用光源の出射光量の校正を行なう。かかる校正は、例えば、検出領域内に対象物体が存在しない状態で位置検出用光源を順次点灯させ、その間の光検出器での受光結果に基づいて行なう。その際、少なくとも一部の位置検出用光源から放出された位置検出光が光検出器に入射しない場合でも、補助光源から出射された光が光検出器に入射するため、補助光源から出射された光の検出結果に基づいて出射光量の校正を行なうことができる。それ故、複数の位置検出用光源から出射された位置検出光の強度分布を利用して位置検出を行なう場合でも、複数の位置検出用光源の全てに対して出射光量の校正を行なうことができる。また、補助光源から出射された光に対しては、検出領域内への進入を阻止する遮光部が設けられているため、補助光源から出射された光によって位置検出が妨げられることがない。
【0012】
本発明において、前記補助光源は、前記複数の位置検出用光源の少なくとも一部と同時に駆動される構成を採用することができる。かかる構成を採用した場合、位置検出時、補助光源からも光が出射されるが、かかる光は遮光部で遮られるため、位置検出に支障がない。
【0013】
本発明において、前記光検出器の中心光軸の延在方向および該中心光軸に平行な仮想線の延在方向において前記光検出器が位置する側を第1方向とし、前記光検出器が位置する側とは反対側を第2方向としたとき、前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源として、前記第1方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第1位置検出用光源と、前記第2方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第2位置検出用光源と、を備え、前記補助光源は、前記第2位置検出用光源と同時に駆動される構成を採用することができる。かかる構成によれば、第2位置検出用光源から放出された位置検出光は光検出器に入射しないが、補助光源から出射された光が光検出器に入射するため、補助光源から出射された光の検出結果に基づいて出射光量の校正を行なうことができる。
【0014】
本発明において、前記第2位置検出用光源と前記補助光源とは、並列あるいは直列に電気的接続されていることが好ましい。かかる構成によれば、第2位置検出用光源と前記補助光源を連動した条件で駆動することができるので、補助光源から出射された光に基づいて第2位置検出用光源の出射光量の校正を行なっても、校正を正確に行なうことができる。
【0015】
本発明において、前記検出領域は四角形の平面形状を備え、前記光検出器は、前記検出領域の第1辺部分に隣接する位置において当該第1辺部分に対向する第2辺部分に中心光軸を向けて配置され、前記第2位置検出用光源は、前記検出領域の前記第1辺部分の両側に位置する2つの第1角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、前記第1位置検出用光源は、前記第2辺部分の両側に位置する2つの第2角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、前記補助光源として、前記2つの第1角部分のうちの一方の第1角部分に相当する位置に設けられた前記第2位置検出用光源と同時に駆動される第1補助光源と、他方の第1角部分に相当する位置に設けられた前記第2位置検出用光源と同時に駆動される第2補助光源と、が設けられている構成を採用することができる。
【0016】
本発明において、前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源から放出された前記位置検出光を内部に採り込んで光出射面から出射する導光板を備え、当該導光板の前記光出射面に平面視で重なる位置に前記検出領域が設けられている構成を採用することができる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の別の形態は、検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出するための光学式位置検出装置であって、前記検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に中心光軸を向ける第1光検出器と、前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記第1光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有し、前記位置検出用光源装置は、前記位置検出光を放出する複数の位置検出用光源を備え、前記検出領域に隣接する位置には、前記第1光検出器の中心光軸に直交する方向、あるいは前記第1方向に中心光軸を向けた第2光検出器を備えていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に受光部を向ける第1光検出器と、前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記第1光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有する光学式位置検出装置の校正方法であって、前記検出領域に隣接する位置に、前記第1光検出器の中心光軸に直交する方向あるいは前記第1方向に中心光軸を向けた第2光検出器を設けておき、前記位置検出用光源装置に設けられた複数の位置検出用光源のうちの少なくとも一部の位置検出用光源の出射光量の校正については、前記第2光検出器での受光結果に基づいて行なうことを特徴とする。
【0019】
本発明では、検出領域に形成した位置検出光の強度分布を利用して対象物体の位置を検出することから、強度分布の絶対強度、あるいは順次形成した強度分布の相対強度が一定であることが必要である。このため、位置検出用光源の出射光量の校正を行なう。かかる校正は、例えば、検出領域内に対象物体が存在しない状態で位置検出用光源を順次点灯させ、その間の第1光検出器での受光結果に基づいて行なう。その際、少なくとも一部の位置検出用光源から放出された位置検出光が第1光検出器に入射しない場合があるが、かかる光は、第2光検出器に入射する。このため、第2光検出器での受光結果に基づいて、出射光量の校正を行なうことができる。それ故、複数の位置検出用光源から出射された位置検出光の強度分布を利用して位置検出を行なう場合でも、複数の位置検出用光源の全てに対して出射光量の校正を行なうことができる。
【0020】
本発明において、前記第1光検出器の中心光軸の延在方向および該中心光軸に平行な仮想線の延在方向において前記第1光検出器が位置する側を第1方向とし、前記第1光検出器が位置する側とは反対側を第2方向としたとき、前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源として、前記第1方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第1位置検出用光源と、前記第2方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第2位置検出用光源と、を備えている構成を採用することができる。かかる構成によれば、第2位置検出用光源から放出された位置検出光は第1光検出器に入射しないが、第2光検出器に入射するため、第2位置検出用光源についても出射光量の校正を行なうことができる。
【0021】
本発明において、前記検出領域は四角形の平面形状を備え、前記第1光検出器は、前記検出領域の第1辺部分に隣接する位置において当該第1辺部分に対向する第2辺部分に中心光軸を向けて配置され、前記第2位置検出用光源は、前記検出領域の前記第1辺部分の両側に位置する2つの第1角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、前記第1位置検出用光源は、前記第2辺部分の両側に位置する2つの第2角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、前記第2光検出器は、前記検出領域の4つの辺部分のうち、前記第1辺部を除く3つの辺部分のいずれかに隣接する位置に配置されている構成を採用することができる。
【0022】
本発明において、前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源から放出された前記位置検出光を内部に採り込んで光出射面から出射する導光板を備え、当該導光板の前記光出射面に平面視で重なる位置に前記検出領域が設けられている構成を採用することができる。
【0023】
本発明を適用した光学式位置検出装置はいずれも、例えば、位置検出機能付き表示装置に用いられる。この場合、位置検出機能付き表示装置は、前記検出領域に対して平面的に重なる領域に画像を形成する画像生成装置を有することになる。
【0024】
本発明に係る位置検出機能付き表示装置は、投射型表示装置などの各種表示装置の他、携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピューター、券売機、銀行の端末などの電子機器に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態1に係る位置検出機能付き表示装置の構成を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置での位置検出方法を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置での校正方法を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る位置検出機能付き表示装置の構成を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の構成を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置での位置検出方法を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置での校正方法を示す説明図である。
【図9】本発明の変形例1に係る光学式位置検出装置および光学式位置検出装置の分解斜視図である。
【図10】本発明の変形例1に係る光学式位置検出装置および光学式位置検出装置の断面構成を示す説明図である。
【図11】本発明の変形例2に係る光学式位置検出装置および光学式位置検出装置の分解斜視図である。
【図12】本発明の変形例2に係る光学式位置検出装置および光学式位置検出装置の断面構成を示す説明図である。
【図13】本発明に係る位置検出機能付き表示装置を用いた電子機器の説明図である。
【図14】本発明の参考例に係る光学式位置検出装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、検出領域内における面内方向をXYZ直交座標におけるXY面とし、検出領域内における面内方向に直交する方向をZ軸方向として説明する。
【0027】
[実施の形態1]
(位置検出機能付き表示装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る位置検出機能付き表示装置の構成を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、位置検出機能付き表示装置の要部を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。
【0028】
図1(a)、(b)に示す位置検出機能付き表示装置100は、光学式位置検出装置10と画像生成装置200とを備えており、光学式位置検出装置10は、画像生成装置200によって表示された画像に基づいて指などの対象物体を検出領域10Rに接近させた際、対象物体Obの平面的な位置(X座標位置およびY座標位置)を検出する。
【0029】
詳しくは後述するように、光学式位置検出装置10は、赤外光からなる位置検出光を放出する複数の位置検出用光源12を備えた位置検出用光源装置11と、検出領域10Rに受光部151を向けた光検出器15とを有している。本形態において、位置検出用光源装置11は、XY平面に平行に配置された導光板13も備えている。光検出器15は、フォトダイオードやフォトトランジスターなどの受光素子を備えている。
【0030】
本形態において、画像生成装置200は投射型であり、導光板13の前面側(入力操作側)に重ねて配置されたスクリーン部材220と、スクリーン部材220の一方面220s側に表示光を拡大投射する画像投射装置250とを有しており、画像生成装置200は、スクリーン部材220上に画像表示領域20Rを有している。かかるスクリーン部材220に対して画像投射装置250が位置する一方面220s側には、光学式位置検出装置10の検出領域10Rが位置し、スクリーン部材220の他方面220t側には、導光板13および位置検出用光源12を備えた位置検出用光源装置11が配置されている。本形態において、画像表示領域20Rは検出領域10Rと略重なる領域である。
【0031】
本形態において、スクリーン部材220としては、以下に説明する各種のものを用いることができるが、いずれの場合も、赤外光を通過可能な材質からなる。まず、スクリーン部材220としては、表面に白い塗料が塗ってある布地や、エンボス加工された白いビニール素材からなるホワイトスクリーンを用いることができる。また、スクリーン部材220としては、光の反射率を高めるために高銀色としたシルバースクリーンを用いることができる。さらに、スクリーン部材220としては、布地表面に樹脂加工を行なって光の反射率を高めたパールスクリーンや、表面に細かいガラス粉末が塗布して光の反射率を高めたピーススクリーンを用いることもできる。かかるスクリーン部材220は、吊下型の手動式の受光素子付きスクリーン、あるいは電動式の受光素子付きスクリーンとして構成される。
【0032】
なお、図1(a)、(b)には、スクリーン部材220の正面に画像投射装置250が配置された例を示してあるが、画像投射装置250については、図1(b)に一点鎖線で示すように、斜め方向からスクリーン部材220に向けて表示光を投射する場合もある。
【0033】
(光学式位置検出装置10の基本構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の構成を示す説明図であり、図2(a)、(b)、(c)は、光学式位置検出装置10の断面構成を模式的に示す説明図、光学式位置検出装置に用いた導光板13などの構成を示す説明図、および導光板13内での位置検出用赤外光の減衰状態を示す説明図である。なお、図2では、Z軸方向を上下方向として表してある。
【0034】
図2(a)、(b)に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、位置検出用光源装置11は、長方形の平面形状を有する導光板13を備えており、導光板13の側端面13mでは、長辺に相当する辺部分13k、13l同士がY軸方向で対向し、短辺に相当する辺部分13i、13j同士がX軸方向で対向している。また、光学式位置検出装置10は、検出領域10Rに受光部151を向けた光検出器15を備えている。
【0035】
位置検出用光源装置11は、位置検出光L2a〜L2dを放出する4つの位置検出用光源12A〜12D(図1に示す位置検出用光源12)と、4つの位置検出用光源12A〜12Dを各々独立して駆動する光源駆動回路460とを有している。
【0036】
本形態において、導光板13の側端面13mのうち、角部分13e、13f、13g、13hには、位置検出用光源12A〜12Dが配置されており、導光板13の角部分13e、13f、13g、13hにおいて位置検出用光源12A〜12Dが対向する部分が光入射部13a〜13dになっている。ここで、位置検出用光源12A〜12Dは、発光部121を導光板13の対角方向に向けて配置されている。なお、位置検出用光源12A〜12Dは光入射部13a〜13dと密接するように配置されていることが好ましい。
【0037】
導光板13は、光入射部13a〜13dから入射した後、導光板13内部を伝播した位置検出光L2a〜L2dを出射する光出射面13sを一方の表面(図示上面)に備えており、かかる光出射面13sと側端面13mとは直交している。
【0038】
導光板13は、ポリカーボネートやアクリル樹脂などの透明な樹脂板で構成されている。導光板13において、光出射面13s、または光出射面13sの反対側の背面13tには、表面凹凸構造、プリズム構造、散乱層(図示せず)などが設けられており、このような光散乱構造によって、光入射部13a〜13dから入射して内部を伝播する光は、その伝播方向に進むに従って徐々に偏向されて光出射面13sより出射される。なお、導光板13の光出射側には、必要に応じて、位置検出光L2a〜L2dの均―化を図るために、プリズムシートや光散乱板などの光学シートが配置される場合もある。
【0039】
位置検出用光源12A〜12Dは、例えばLED(発光ダイオード)などの発光素子で構成され、駆動回路(図示せず)から出力される駆動信号に応じて、赤外光からなる位置検出光L2a〜L2dを発散光として放出する。位置検出光L2a〜L2dの種類は、特に限定されないが、可視光とは波長分布が異なるか、点滅などの変調が加えられることで発光態様が異なればよい。また、位置検出光L2a〜L2dは、指やタッチペンなどの対象物体Obにより効率的に反射される波長域を有することが好ましい。従って、対象物体Obが指などの人体であれば、人体の表面で反射率の高い赤外線(特に可視光領域に近い近赤外線、例えば波長で850nm付近)、あるいは950nmであることが望ましい。
【0040】
位置検出用光源12A〜12Dは本質的に複数設けられ、相互に異なる位置から位置検出光L2a〜L2dを放出するように構成される。4つの位置検出用光源12A〜12Dのうち、対角位置の位置検出用光源が第1光源対を構成し、他の2つの位置検出用光源が第2光源対を構成している。また、4つの位置検出用光源12A〜12Dのうち、隣り合う2つの位置検出用光源が第1光源対を構成し、他の2つの位置検出用光源が第2光源対を構成することもある。
【0041】
検出領域10Rは、位置検出光L2a〜L2dが視認側(操作側)に出射される領域であり、対象物体Obによる反射光が生じうる領域である。本形態において、検出領域10Rの平面形状は、四角形状であり、Y軸方向で対向する長辺としての辺部分10a、10bと、X軸方向で対向する短辺としての辺部分10c、10dとを備えている。
【0042】
検出領域10Rの4つの辺部分10a〜10dのうち、1つの辺部分10b(第1辺部分)の長さ方向の略中央部分に隣接する箇所には光検出器15が配置されている。光検出器15は、検出領域10Rに受光部151を向けており、その中心光軸L15は、辺部分10a(第2辺部分)および辺部分10bに直交し、辺部分10c、10dに平行である。光検出器15には、位置検出部451を備えた集積回路450が接続されており、位置検出部451は、光検出器15での検出結果に基づいて、対象物体Obの位置を検出する。
【0043】
ここで、導光板13と検出領域10Rとは、長辺同士(辺部分13k、10a同士、辺部分13l、10b同士)が同一の方向に位置し、短辺同士(辺部分13i、10d同士、辺部分13j、10c同士)が同一の方向に位置している。従って、導光板13において、位置検出用光源12B、12Dが配置された角部分13f、13hは、検出領域10Rの辺部分10b(第1辺部分の両側に位置する2つの第1角部分)に相当する位置である。また、導光板13において、位置検出用光源12A、12Cが配置された角部分13e、13gは、検出領域10Rの辺部分10a(第2辺部分の両側に位置する2つの第2角部分)に相当する位置である。
【0044】
このように構成した位置検出機能付き表示装置100において、位置検出光L2aと位置検出光L2bは、導光板13の内部では、矢印Aで示す方向において互いに逆向きに伝播しながら、光出射面13sから出射される。また、位置検出光L2cと位置検出光L2dは、矢印Aで示す方向に対して交差する方向(矢印Bで示す方向)において互いに逆向きに伝播しながら光出射面13sから出射される。従って、導光板13から検出領域10Rに出射される位置検出光L2aの光量は、図2(c)に実線で示すように、位置検出用光源12Aからの距離に伴って直線的に減衰する強度分布を有することになる。また、検出領域10Rに出射される位置検出光L2bの光量は、図2(c)に点線で示すように、位置検出用光源12Bからの距離に伴って直線的に減衰する強度分布を有することになる。
【0045】
(XY座標を検出するための基本原理)
集積回路450に構成した位置検出部451において、光検出器15での検出に基づいて対象物体ObのXY座標の取得方法について説明する。この位置情報の取得方法は種々のものが考えられるが、例えば、そのー例として、二つの位置検出光の検出光量の比率に基づいてそれらの減衰係数の比率を求め、この減衰係数の比率から両位置検出光の伝播距離を求めることにより、対応する二つの光源を結ぶ方向の位置座標を求める方法などが挙げられる。また、二つの位置検出光の検出光量の差を求め、この差から、対応する二つの光源を結ぶ方向の位置座標を求める方法が挙げられる。これらいずれの方法においても、光検出器15からの出力値をそのまま演算に用いる方法、光検出器15を介してキャパシタに蓄電あるいは放電させてキャパシタの端子間電圧が所定の電圧になるまでの時間を演算に用いる方法などを挙げることができる。いずれの場合も、以下に説明する性質を利用したものである。
【0046】
まず、位置検出機能付き表示装置100においては、位置検出用光源12A〜12Dから放出された位置検出光L2a〜L2dは各々、光入射部13a〜13dから導光板13の内部に入射し、導光板13の内部を伝播しながら徐々に光出射面13sから出射される。その結果、位置検出光L2a〜L2dは、光出射面13sから面状に放出される。
【0047】
例えば、位置検出光L2aは光入射部13aから光入射部13bに向けて導光板13の内部を伝播しながら徐々に光出射面13sから放出されていく。同様に、位置検出光L2c、L2dも導光板13の内部を伝播しながら徐々に光出射面13sから放出されていく。従って、検出領域10Rに指などの対象物体Obが配置されると、対象物体Obにより上記位置検出光L2a〜L2dが反射され、その反射光の一部が上記光検出器15により検出される。
【0048】
ここで、検出領域10Rに出射される位置検出光L2aの光量は、図2(c)に実線で示すように、位置検出用光源12Aからの距離に伴って直線的に減衰し、検出領域10Rに出射される位置検出光L2bの光量は、図2(c)に点線で示すように、位置検出用光源12Bからの距離に伴って直線的に減衰すると考えられる。
【0049】
また、位置検出用光源12Aの制御量(例えば電流量)、変換係数、および放出光量をIa、k、およびEaとし、位置検出用光源12Bの制御量(電流量)、変換係数、および放出光量をIb、k、およびEbとすれば、
Ea=k・Ia
Eb=k・Ib
となる。また、位置検出光L2aの減衰係数、および検出光量をfa、およびGaとし、位置検出光L2bの減衰係数、および検出光量をfb、およびGbとすれば、
Ga=fa・Ea=fa・k・Ia
Gb=fb・Eb=fb・k・Ib
となる。
【0050】
従って、光検出器15において両位置検出光の検出光量の比であるGa/Gbが検出できるとすれば、
Ga/Gb=(fa・Ea)/(fb・Eb)=(fa/fb)・(Ia/Ib)
となるから、放出光量の比Ea/Eb、および制御量の比Ia/Ibに相当する値が分かれば、減衰係数の比fa/fbが分る。この減衰係数の比と両位置検出光の伝播距離の比との間に直線関係があれば、この直線関係を予め設定しておくことで、対象物体Obの位置情報を得ることができる。
【0051】
上記減衰係数の比fa/fbを求める方法としては、例えば、位置検出用光源12Aと位置検出用光源12Bを逆相で点滅(例えば、矩形波状若しくは正弦波状の駆動信号を伝播距離の差に起因する位相差が無視できる周波数で相互に180度の位相差を持つように動作)させた上で、検出光量の波形を解析する。より現実的には、例えば、一方の制御量Iaを固定し(Ia=Im)、検出波形が観測できなくなるように、すなわち、検出光量の比Ga/Gbが1となるように他方の制御量lbを制御し、このときの制御量Ib=Im・(fa/fb)から上記減衰係数の比fa/fbを導出する。
【0052】
また、両制御量の和が常に一定、すなわち、下式
Im=Ia+Ib
を満たすように制御してもよい。この場合には、下式
Ib=Im・fb/(fa十fb)
となるので、
fb/(fa十fb)=α
とすると、下式
fa/fb=(1−α)/α
により、減衰係数の比が求まる。
【0053】
従って、対象物体Obの矢印A方向の位置情報は、位置検出用光源12Aと位置検出用光源12Bを相互に逆相で駆動することで取得することができる。また、対象物体Obの矢印B方向の位置情報は、位置検出用光源12Cと位置検出用光源12Dを相互に逆相で駆動することで取得することができる。それ故、制御系において上記A方向とB方向の検出動作を順次行って対象物体ObのXY平面上の位置座標を取得できる。
【0054】
上記のように、光検出器15により検出される位置検出光の光量比に基づいて対象物体Obの検出領域10R内の平面位置情報を取得するにあたって、例えば、マイクロプロセッサーユニット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行することに従って処理を行う構成を採用することができる。また、論理回路などのハードウェアを用いた処理を利用することもできる。なお、集積回路450は、位置検出機能付き表示装置100の一部として組み込まれていても良く、位置検出機能付き表示装置100が搭載される電子機器の内部において構成されていてもよい。
【0055】
(本形態の位置検出方法)
図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置での位置検出方法を示す説明図であり、図3(a)、(b)は各々、導光板13(検出領域10R)の長辺方向(X軸方向)の位置検出、および短辺方向(Y軸方向)の位置検出を行なう場合の説明図である。
【0056】
本形態の光学式位置検出装置10において、検出領域10Rにおける対象物体ObのX座標位置を検出するには、位置検出用光源装置11において、光源駆動回路460は、図3(a)に示すように、位置検出用光源12A、12Dを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Cを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Dと位置検出用光源12B、12Cとを逆相で駆動する。すなわち、位置検出用光源12A、12Dを点灯させ、位置検出用光源12B、12Cを消灯させてX軸方向の一方方向が高い強度分布を形成する第1期間と、位置検出用光源12B、12Cを点灯させ、位置検出用光源12A、12Dを消灯させてX軸方向の他方方向の出射強度が高い強度分布を形成する第2期間とを交互に設定する。従って、位置検出部451において、第1期間と第2期間とにおける光検出器15の検出値の比や差を用いれば、検出領域10Rでの対象物体ObのX座標を検出することができる。
【0057】
また、検出領域10Rにおける対象物体ObのY座標位置を検出するには、位置検出用光源装置11において、光源駆動回路460は、図3(b)に示すように、位置検出用光源12A、12Cを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Dを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Cと位置検出用光源12B、12Dとを逆相で駆動する。すなわち、位置検出用光源12A、12Cを点灯させ、位置検出用光源12B、12Dを消灯させてY軸方向の一方方向が高い強度分布を形成する第1期間と、位置検出用光源12B、12Dを点灯させ、位置検出用光源12A、12Cを消灯させてY軸方向の他方方向の出射強度が高い強度分布を形成する第2期間とを交互に設定する。従って、位置検出部450において、第1期間と第2期間とにおける光検出器15の検出値の比や差を用いれば、検出領域10Rでの対象物体ObのY座標を検出することができる。
【0058】
なお、4つの位置検出用光源12A〜12Dを同時に点灯させてZ軸方向に位置検出光の強度分布を形成し、Z座標の検出を行なってもよい。
【0059】
(位置検出用光源の校正)
図4は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置での校正方法を示す説明図である。
【0060】
本形態の光学式位置検出装置10では、検出領域10Rの面内方向に位置検出光の強度分布を順次逆向きで形成し、かかる検出領域10Rにおいて対象物体Obにより反射した位置検出光を光検出器15で検出する。従って、検出領域10Rの面内方向に順次逆向きで形成した位置検出光では、強度分布の絶対強度あるいは相対強度が一定であることが必要である。このため、本形態では、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A〜12Dを順次点灯させ、その間の光検出器15での受光結果に基づいて、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なう。また、本形態では、図2に示すように、集積回路450には、光検出器15から受光結果が出力される光源校正部453が設けられており、光源校正部453は、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正に基づいて、位置検出の際に光源駆動回路460から位置検出用光源12A〜12Dに供給される駆動電流の補正を行う。
【0061】
ここで、光検出器15の中心光軸L15の延在方向、および中心光軸L15に平行な仮想線の延在方向において、光検出器15が位置する側を第1方向Y1とし、光検出器15が位置する側とは反対側を第2方向Y2としたとき、位置検出用光源12A〜12Dのうち、位置検出用光源12A、12Cは、発光部121を第1方向Y1に向けた第1位置検出用光源として構成されている。これに対して、位置検出用光源12B、12Dは、発光部121を第2方向Y2に向けた第2位置検出用光源として構成されており、かかる位置検出用光源12B、12D(第2位置検出用光源)から出射された位置検出光L2b、L2dは、対象物体Obが存在しない状態では光検出器15に入射しない。
【0062】
そこで、本形態の光学式位置検出装置10の位置検出用光源装置11には、光検出器15の受光部151に発光部121を向けた2つの補助光源(第1補助光源12Vおよび第2補助光源12W)が設けられている。第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wは、位置検出用光源12A〜12Dと同一特性の発光ダイオードである。本形態において、第1補助光源12Vは、導光板13の辺部分13lにおいて、光検出器15と位置検出用光源12Bとの間に配置され、発光部121を辺部分13lに沿う方向に向けている。また、第2補助光源12Wは、導光板13の辺部分13lにおいて、光検出器15と位置検出用光源12Dとの間に配置され、発光部121を辺部分13lに沿う方向に向けている。
【0063】
ここで、第1補助光源12Vは、位置検出用光源12Bと同一のタイミングで同一の条件で光源駆動回路460によって駆動される。より具体的には、第1補助光源12Vと位置検出用光源12Bとは並列あるいは直列に電気的に接続されている。また、第2補助光源12Wは、位置検出用光源12Dと同一のタイミングで同一の条件で光源駆動回路460によって駆動される。より具体的には、第2補助光源12Wと位置検出用光源12Dとは並列あるいは直列に電気的に接続されている。
【0064】
また、本形態の光学式位置検出装置10の位置検出用光源装置11では、第1補助光源12Vから光検出器15に向かう光路と、導光板13の側端面13mとの間に遮光部191が設けられており、第1補助光源12Vから放出された光が検出領域10Rに進入しないようになっている。また、第2補助光源12Wから光検出器15に向かう光路と、導光板13の側端面13mとの間にも遮光部192が設けられており、第2補助光源12Wから放出された光が検出領域10Rに進入しないようになっている。
【0065】
このように構成した光学式位置検出装置10において、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なうには、まず、X軸方向における位置検出のための校正を行なう。より具体的には、図4(a)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12B、12Cを点灯させる一方、位置検出用光源12A、12Dを消灯させて、矢印Xaで示す方向の強度分布を形成する。その際、第1補助光源12Vも点灯する。次に、図4(b)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A、12Dを点灯させる一方、位置検出用光源12B、12Cを消灯させて、矢印Xbで示す方向の強度分布を形成する。その際、第2補助光源12Wも点灯する。その間、光検出器15での検出結果は、図2に示す集積回路450の光源校正部453に出力され、光源校正部453において校正が行なわれる。かかる校正の際、位置検出用光源12B、12Cから出射された位置検出光L2b、L2c、および位置検出用光源12A、12Dから出射された位置検出光L2a、L2dは、その一部が光検出器15に入射するので、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wが存在するか否かにかかわらず、校正を行なうことができる。
【0066】
これに対して、Y軸方向における位置検出のための校正を行なう際には、以下に説明するように、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wを用いる。Y軸方向における位置検出のための校正を行なうには、まず、図4(c)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12B、12Dを点灯させる一方、位置検出用光源12A、12Cを消灯させて、矢印Yaで示す方向の強度分布を形成する。その際、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wも点灯する。次に、図4(d)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A、12Cを点灯させる一方、位置検出用光源12B、12Dを消灯させて、矢印Ybで示す方向の強度分布を形成する。その際、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wは消灯状態にある。その間、光検出器15での検出結果は、図2に示す集積回路450の光源校正部453に出力され、光源校正部453において校正が行なわれる。
【0067】
かかる校正の際、図4(d)に示す工程では、位置検出用光源12A、12Cから出射された位置検出光L2a、L2cは、その一部が光検出器15に入射する。これに対して、図4(c)に示す工程では、位置検出用光源12B、12Dから出射された位置検出光L2b、L2dは、光検出器15に入射しない。しかるに本形態では、図4(c)に示す工程では、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光が光検出器15に入射する。また、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wは、位置検出用光源12A、12Dと同一特性の発光ダイオードであって、同一の条件で駆動される。従って、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光に基づいて、第2位置検出用光源(位置検出用光源12B、12D)の校正を行なえば、発光部121を第2方向Y2(光検出器15が位置する側とは反対側)に向けた第2位置検出用光源(位置検出用光源12B、12D)のみを点灯させた状態での出射光量の校正を行なったことになる。
【0068】
かかる校正を行なった後、光源校正部453は、図4(a)に矢印Xaで示す方向の強度分布と、図4(b)に矢印Xbで示す方向の強度分布とが等しく、かつ、図4(c)に矢印Yaで示す方向の強度分布と、図4(d)に矢印Ybで示す方向の強度分布とが等しくなるように、位置検出の際に光源駆動回路460から位置検出用光源12A〜12Dに供給される駆動電流の補正を行う。かかる校正は、光学式位置検出装置10を製造した際に行なわれる。また、上記の校正は、光学式位置検出装置10が出荷された後、実使用の際、例えば、電源供給が実施される度に行われる。
【0069】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100では、位置検出光L2a〜L2dが導光板13の光出射面13sから出射され、これが導光板13の出射側に配置された対象物体Obによって反射されると、この反射光が光検出器15によって検出される。ここで、検出領域10Rにおける位置検出光L2a〜L2dの強度と位置検出用光源12A〜12Dからの距離とが所定の相関性を有しているので、光検出器15を介して得られた受光強度から対象物体ObのXY座標を検出することができる。
【0070】
また、かかる検出方式によれば、スクリーン部材220の一方面220s側に位置検出光の光強度分布を形成すればよいので、必ずしもスクリーン部材220の前側に導光板13を配置する必要がないので、スクリーン部材220に画像を表示するタイプの位置検出機能付き表示装置100を構成するのに適している。
【0071】
さらに、本形態では、検出領域10Rに形成した位置検出光の強度分布を利用して対象物体Obの位置を検出することから、強度分布の絶対強度、あるいは順次形成した強度分布の相対強度が一定であることが必要である。このため、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なう。かかる校正の際、位置検出用光源12B、12D(第2位置検出用光源)は、光検出器15が位置する側とは反対の第2方向Y2に発光部121が向いているため、検出領域10R内に対象物体Obが存在しない場合、位置検出光が光検出器15に入射しない。しかるに本形態では、光検出器15の受光部151に発光部121を向けた補助光源(第1補助光源12Vおよび第2補助光源12W)を備えており、位置検出用光源12B、12Dの出射光量の校正を行なう際、位置検出用光源12B、12Dと同時に駆動された第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光を光検出器15に入射させる。このため、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光の検出結果に基づいて、第2位置検出用光源(位置検出用光源12B、12D)のみを点灯させた状態での出射光量の校正を行なうことができる。
【0072】
また、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光に対しては、検出領域10R内への進入を阻止する遮光部(第1遮光部191および第2遮光部192)が設けられているため、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光によって位置検出が妨げられることがない。
【0073】
[実施の形態2]
(全体構成)
図5は、本発明の実施の形態2に係る位置検出機能付き表示装置の構成を模式的に示す説明図であり、図5(a)、(b)は、位置検出機能付き表示装置の要部を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。図6は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の構成を示す説明図であり、図6(a)、(b)、(c)は、光学式位置検出装置10の断面構成を模式的に示す説明図、光学式位置検出装置に用いた導光板13などの構成を示す説明図、および導光板13内での位置検出用赤外光の減衰状態を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0074】
図5(a)、(b)に示す位置検出機能付き表示装置100は、光学式位置検出装置10と画像生成装置200とを備えており、光学式位置検出装置10は、画像生成装置200によって表示された画像に基づいて指などの対象物体を検出領域10Rに接近させた際、対象物体Obの平面的な位置(X座標位置およびY座標位置)を検出する。光学式位置検出装置10は、赤外光からなる位置検出光を放出する複数の位置検出用光源12を備えた位置検出用光源装置11と、検出領域10Rに受光部151を向けた第1光検出器15Aとを有している。本形態において、位置検出用光源装置11は、XY平面に平行に配置された導光板13も備えている。光検出器15は、フォトダイオードやフォトトランジスターなどの受光素子を備えている。画像生成装置200は投射型であり、導光板13の前面側(入力操作側)に重ねて配置されたスクリーン部材220と、スクリーン部材220の一方面220s側に表示光を拡大投射する画像投射装置250とを有しており、画像生成装置200は、スクリーン部材220上に画像表示領域20Rを有している。
【0075】
図6(a)、(b)に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、位置検出用光源装置11は、長方形の平面形状を有する導光板13を備えており、導光板13の側端面13mのうち、角部分13e、13f、13g、13hには、位置検出用光源12A〜12Dが配置されている。
【0076】
検出領域10Rは、位置検出光L2a〜L2dが視認側(操作側)に出射される領域であり、対象物体Obによる反射光が生じうる領域である。本形態において、検出領域10Rの平面形状は、四角形状であり、4つの辺部分10a〜10dのうち、1つの辺部分10b(第1辺部分)の長さ方向の略中央部分に隣接する箇所に第1光検出器15Aが配置されている。第1光検出器15Aは、検出領域10Rに受光部151を向けており、その中心光軸L15Aは、辺部分10a(第2辺部分)および辺部分10bに直交し、辺部分10c、10dに平行である。
【0077】
また、本形態において、検出領域10Rの辺部分10d(第3辺部分)の長さ方向の略中央部分に隣接する箇所には第2光検出器15Bが配置されている。第2光検出器15Bは、検出領域10Rに受光部151を向けており、その中心光軸L15Bは、第1光検出器15Aの中心光軸L15Aと直交している。
【0078】
ここで、導光板13と検出領域10Rとは、長辺同士(辺部分13k、10a同士、辺部分13l、10b同士)が同一の方向に位置し、短辺同士(辺部分13i、10d同士、辺部分13j、10c同士)が同一の方向に位置している。従って、導光板13において、位置検出用光源12B、12Dが配置された角部分13f、13hは、検出領域10Rの辺部分10b(第1辺部分の両側に位置する2つの第1角部分)に相当する位置である。また、導光板13において、位置検出用光源12A、12Cが配置された角部分13e、13gは、検出領域10Rの辺部分10a(第2辺部分の両側に位置する2つの第2角部分)に相当する位置である。
【0079】
第1光検出器15Aには、位置検出部451を備えた集積回路450が接続されており、位置検出部451は、第1光検出器15Aでの検出結果に基づいて、対象物体Obの位置を検出する。また、位置検出部451は、第1光検出器15Aおよび第2光検出器5B双方での検出結果、あるいは第2光検出器5Bでの検出結果に基づいて、対象物体Obの位置を検出することもできる。
【0080】
このように構成した位置検出機能付き表示装置100において、位置検出光L2aと位置検出光L2bは、導光板13の内部では、矢印Aで示す方向において互いに逆向きに伝播しながら、光出射面13sから出射される。また、位置検出光L2cと位置検出光L2dは、矢印Aで示す方向に対して交差する方向(矢印Bで示す方向)において互いに逆向きに伝播しながら光出射面13sから出射される。従って、導光板13から検出領域10Rに出射される位置検出光L2aの光量は、図6(c)に実線で示すように、位置検出用光源12Aからの距離に伴って直線的に減衰する強度分布を有することになる。また、検出領域10Rに出射される位置検出光L2bの光量は、図6(c)に点線で示すように、位置検出用光源12Bからの距離に伴って直線的に減衰する強度分布を有することになる。
【0081】
(本形態の位置検出方法)
図7は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置での位置検出方法を示す説明図であり、図7(a)、(b)は各々、導光板13(検出領域10R)の長辺方向(X軸方向)の位置検出、および短辺方向(Y軸方向)の位置検出を行なう場合の説明図である。
【0082】
本形態の光学式位置検出装置10においても、実施の形態1と同様、検出領域10Rにおける対象物体ObのX座標位置を検出するには、位置検出用光源装置11において、光源駆動回路460は、図7(a)に示すように、位置検出用光源12A、12Dを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Cを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Dと位置検出用光源12B、12Cとを逆相で駆動する。すなわち、位置検出用光源12A、12Dを点灯させ、位置検出用光源12B、12Cを消灯させてX軸方向の一方方向が高い強度分布を形成する第1期間と、位置検出用光源12B、12Cを点灯させ、位置検出用光源12A、12Dを消灯させてX軸方向の他方方向の出射強度が高い強度分布を形成する第2期間とを交互に設定する。従って、位置検出部451において、第1期間と第2期間とにおける第1光検出器15Aの検出値の比や差を用いれば、検出領域10Rでの対象物体ObのX座標を検出することができる。
【0083】
また、検出領域10Rにおける対象物体ObのY座標位置を検出するには、位置検出用光源装置11において、光源駆動回路460は、図7(b)に示すように、位置検出用光源12A、12Cを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Dを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Cと位置検出用光源12B、12Dとを逆相で駆動する。すなわち、位置検出用光源12A、12Cを点灯させ、位置検出用光源12B、12Dを消灯させてY軸方向の一方方向が高い強度分布を形成する第1期間と、位置検出用光源12B、12Dを点灯させ、位置検出用光源12A、12Cを消灯させてY軸方向の他方方向の出射強度が高い強度分布を形成する第2期間とを交互に設定する。従って、位置検出部450において、第1期間と第2期間とにおける第1光検出器15Aの検出値の比や差を用いれば、検出領域10Rでの対象物体ObのY座標を検出することができる。
【0084】
なお、4つの位置検出用光源12A〜12Dを同時に点灯させてZ軸方向に位置検出光の強度分布を形成し、Z座標の検出を行なってもよい。
【0085】
(位置検出用光源の校正)
図8は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置での校正方法を示す説明図である。本形態の光学式位置検出装置10では、検出領域10Rの面内方向に位置検出光の強度分布を順次逆向きで形成し、かかる検出領域10Rにおいて対象物体Obにより反射した位置検出光を光検出器15で検出する。従って、検出領域10Rの面内方向に順次逆向きで形成した位置検出光では、強度分布の絶対強度あるいは相対強度が一定であることが必要である。このため、本形態では、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A〜12Dを順次点灯させ、その間の光検出器15での受光結果に基づいて、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なう。また、本形態では、図6に示すように、集積回路450には、第1光検出器15Aおよび第2光検出器15Bから受光結果が出力される光源校正部453が設けられており、光源校正部453は、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正に基づいて、位置検出の際に光源駆動回路460から位置検出用光源12A〜12Dに供給される駆動電流の補正を行う。
【0086】
ここで、第1光検出器15Aの中心光軸L15Aの延在方向、および中心光軸L15Aに平行な仮想線の延在方向において、第1光検出器15Aが位置する側を第1方向Y1とし、第1光検出器15Aが位置する側とは反対側を第2方向Y2としたとき、位置検出用光源12A〜12Dのうち、位置検出用光源12A、12Cは、発光部121を第1方向Y1に向けた第1位置検出用光源として構成されている。これに対して、位置検出用光源12B、12Dは、発光部121を第2方向Y2に向けた第2位置検出用光源として構成されており、かかる位置検出用光源12B、12D(第2位置検出用光源)から出射された位置検出光L2b、L2dは、対象物体Obが存在しない状態では第1光検出器15Aに入射しない。
【0087】
ここで、本形態の光学式位置検出装置10には、検出領域10Rの辺部分10d(第3辺部分)の長さ方向の略中央部分に隣接する箇所に第2光検出器15Bが配置されており、かかる第2光検出器15Bの中心光軸L15Bは、第1光検出器15Aの中心光軸L15Aと直交している。このため、位置検出用光源12B、12D(第2位置検出用光源)は、第1光検出器15Aが位置する側とは反対側の第2方向Y2に発光部121を向けているが、位置検出用光源12B、12D(第2位置検出用光源)のうち、位置検出用光源12Bは、第2光検出器15Bが位置する側に発光部121を向けている。このため、位置検出用光源12B、12Dから出射された位置検出光L2b、L2dのうち、位置検出用光源12Bから出射された位置検出光L2bは、第2光検出器15Bに入射する。
【0088】
このように構成した光学式位置検出装置10において、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なうには、まず、X軸方向における位置検出のための校正を行なう。より具体的には、図8(a)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12B、12Cを点灯させる一方、位置検出用光源12A、12Dを消灯させて、矢印Xaで示す方向の強度分布を形成する。次に、図8(b)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A、12Dを点灯させる一方、位置検出用光源12B、12Cを消灯させて、矢印Xbで示す方向の強度分布を形成する。その間、第1光検出器15Aでの検出結果は、図6に示す集積回路450の光源校正部453に出力され、光源校正部453において校正が行なわれる。かかる校正の際、位置検出用光源12B、12Cから出射された位置検出光L2b、L2c、および位置検出用光源12A、12Dから出射された位置検出光L2a、L2dは、その一部が第1光検出器15Aに入射するので、校正を行なうことができる。
【0089】
これに対して、Y軸方向における位置検出のための校正を行なうには、まず、図8(c)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12B、12Dを点灯させる一方、位置検出用光源12A、12Cを消灯させて、矢印Yaで示す方向の強度分布を形成する。次に、図8(d)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A、12Cを点灯させる一方、位置検出用光源12B、12Dを消灯させて、矢印Ybで示す方向の強度分布を形成する。
【0090】
かかる校正の際、図8(c)に示す工程では、位置検出用光源12B、12Dから出射された位置検出光L2b、L2dは、第1光検出器15Aに入射しないが、位置検出用光源12Bから出射された位置検出光L2bは第2光検出器15Bに入射する。そこで、本形態では、図8(c)、(d)に示す校正の際は、第2光検出器15Bでの受光結果が、図6に示す集積回路450の光源校正部453に出力され、光源校正部453において校正が行なわれる。従って、発光部121を第2方向Y2(光検出器15が位置する側とは反対側)に向けた第2位置検出用光源(位置検出用光源12B、12D)のみを点灯させた状態での出射光量の校正を行なうことができる。なお、図8(d)に示す校正の際、位置検出用光源12Aから出射された位置検出光L2aは、第2光検出器15Bに入射しないが、位置検出用光源12Cから出射された位置検出光L2cは第2光検出器15Bに入射するので、校正に支障はない。
【0091】
かかる校正を行なった後、光源校正部453は、図8(a)に矢印Xaで示す方向の強度分布と、図8(b)に矢印Xbで示す方向の強度分布とが等しく、かつ、図8(c)に矢印Yaで示す方向の強度分布と、図8(d)に矢印Ybで示す方向の強度分布とが等しくなるように、位置検出の際に光源駆動回路460から位置検出用光源12A〜12Dに供給される駆動電流の補正を行う。かかる校正は、光学式位置検出装置10を製造した際に行なわれる。また、上記の校正は、光学式位置検出装置10が出荷された後、実使用の際、例えば、電源供給が実施される度に行われる。
【0092】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100では、位置検出光L2a〜L2dが導光板13の光出射面13sから出射され、これが導光板13の出射側に配置された対象物体Obによって反射されると、この反射光が第1光検出器15Aによって検出される。ここで、検出領域10Rにおける位置検出光L2a〜L2dの強度と位置検出用光源12A〜12Dからの距離とが所定の相関性を有しているので、第1光検出器15Aを介して得られた受光強度から対象物体ObのXY座標を検出することができる。
【0093】
また、かかる検出方式によれば、スクリーン部材220の一方面220s側に位置検出光の光強度分布を形成すればよいので、必ずしもスクリーン部材220の前側に導光板13を配置する必要がないので、スクリーン部材220に画像を表示するタイプの位置検出機能付き表示装置100を構成するのに適している。
【0094】
さらに、本形態では、検出領域10Rに形成した位置検出光の強度分布を利用して対象物体Obの位置を検出することから、強度分布の絶対強度、あるいは順次形成した強度分布の相対強度が一定であることが必要である。このため、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なう。かかる校正の際、位置検出用光源12B、12D(第2位置検出用光源)は、第1光検出器15Aが位置する側とは反対の第2方向Y2に発光部121が向いているため、検出領域10R内に対象物体Obが存在しない場合、位置検出光が第1光検出器15Aに入射しない。しかるに本形態では、検出領域10Rの辺部分10dに隣接する箇所には第2光検出器15Bが配置され、第2光検出器15Bの中心光軸L15Bは、第1光検出器15Aの中心光軸L15Aと直交している。このため、位置検出用光源12B、12Dのうち、位置検出用光源12Bから出射された位置検出光は、第2光検出器15Bに入射する。このため、第2光検出器15Bでの受光結果に基づいて、第2位置検出用光源(位置検出用光源12B、12D)のみを点灯させた状態での出射光量の校正を行なうことができる。
【0095】
[実施の形態2の変形例]
上記実施の形態2では、第2光検出器15Bを検出領域10Rの辺部分10dに隣接する箇所に設けたが、検出領域10Rの辺部分10aに隣接する箇所に受光部151を第1方向Y1に向けて第2光検出器15Bを配置してもよい。
【0096】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、スクリーン部材220の他方面220t側に位置検出用光源装置11を配置したが、スクリーン部材220の一方面220s側に位置検出用光源装置11を配置してもよい。上記実施の形態では、投射型表示装置に本発明を適用したが、電子黒板に本発明を適用してもよい。
【0097】
[位置検出機能付き表示装置100の変形例]
上記実施の形態では位置検出機能付き表示装置100を投射型表示装置や電子黒板に適用した例であったが、図9〜図12に示すように、直視型の表示装置を画像生成装置200として採用すれば、図13を参照して後述する電子機器に用いることができる。なお、以下に説明では、図1〜図4や図5〜図8を参照して説明した校正のための構成(補助光源など)の図示は省略してある。
【0098】
(位置検出機能付き表示装置100の変形例1)
図9および図10は、本発明の変形例1に係る光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100の分解斜視図、および断面構成を示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付き表示装置100において、光学式位置検出装置10の構成は、上記実施の形態と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0099】
図9および図10に示す位置検出機能付き表示装置100は、光学式位置検出装置10と画像生成装置200とを備えており、光学式位置検出装置10は、位置検出光を放出する位置検出用光源12と、導光板13と、検出領域10Rに受光部151を向けた光検出器15(光検出器15A、15B、15C)とを備えている。画像生成装置200は、有機エレクトロルミネッセンス装置やプラズマ表示装置などといった直視型表示装置208であり、光学式位置検出装置10に対して入力操作側とは反対に設けられている。直視型表示装置208は、導光板13に対して平面視で重なる領域に画像表示領域20Rを備えており、かかる画像表示領域20Rは検出領域10Rと平面視で重なっている。
【0100】
(位置検出機能付き表示装置100の変形例2)
図11および図12は、本発明の変形例2に係る光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100の説明図であり、図11および図12は各々、光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100の分解斜視図、および断面構成を示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付き表示装置100において、光学式位置検出装置10の構成は、上記実施の形態と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0101】
図11および図12に示す位置検出機能付き表示装置100は、光学式位置検出装置10と画像生成装置200とを備えており、光学式位置検出装置10は、位置検出光を放出する位置検出用光源12と、導光板13と、検出領域10Rに受光部151を向けた光検出器15(光検出器15A、15B、15C)とを備えている。画像生成装置200は、直視型表示装置である液晶装置209と、透光性のカバー部材30とを備えている。液晶装置209は、導光板13に対して平面視で重なる領域に画像表示領域20Rを備えており、かかる画像表示領域20Rは検出領域10Rと平面視で重なっている。
【0102】
本形態の位置検出機能付き表示装置100において、導光板13の光出射側には、必要に応じて、位置検出光L2a〜L2dの均―化を図るための光学シート16が配置されている。本形態においては、光学シート16として、導光板13の光出射面13sに対向する第1プリズムシート161と、第1プリズムシート161に対して導光板13が位置する側とは反対側で対向する第2プリズムシート162と、第2プリズムシート162に対して導光板13が位置する側とは反対側で対向する光散乱板163とが用いられている。なお、光学シート16に対して導光板13が位置する側とは反対側には矩形枠状の遮光シート17が光学シート16の周囲に配置されている。かかる遮光シート17は、位置検出用光源12A〜12Dから出射された位置検出光L2a〜L2dが漏れるのを防止する。
【0103】
液晶装置209(画像生成装置200)は、光学シート16(第1プリズムシート161、第2プリズムシート162および光散乱板163)に対して導光板13が位置する側とは反対側に液晶パネル209aを備えている。本形態において、液晶パネル209aは、透過型の液晶パネルであり、2枚の透光性基板21、22をシール材23で貼り合わせ、基板間に液晶24を充填した構造を有している。本形態において、液晶パネル209aは、アクティブマトリクス型液晶パネルであり、2枚の透光性基板21、22の一方側には透光性の画素電極、データ線、走査線、画素スイッチング素子(図示せず)が形成され、他方側には透光性の共通電極(図示せず)が形成されている。なお、画素電極および共通電極が同一の基板に形成されることもある。かかる液晶パネル209aでは、各画素に対して走査線を介して走査信号が出力され、データ線を介して画像信号が出力されると、複数の画素の各々で液晶24の配向が制御される結果、画像表示領域20Rに画像が形成される。
【0104】
液晶パネル209aにおいて、一方の透光性基板21には、他方の透光性基板22の外形より周囲に張り出した基板張出部21tが設けられている。この基板張出部21tの表面上には駆動回路などを構成する電子部品25が実装されている。また、基板張出部21tには、フレキシブル配線基板(FPC)などの配線部材26が接続されている。なお、基板張出部21t上には配線部材26のみが実装されていてもよい。なお、必要に応じて透光性基板21、22の外面側には偏光板(図示せず)が配置される。
【0105】
ここで、対象物体Obの平面位置を検出するためには、位置検出光L2a〜L2dを対象物体Obによる操作が行われる視認側へ出射させる必要があり、液晶パネル209aは、導光板13および光学シート16よりも視認側(操作側)に配置されている。従って、液晶パネル209aにおいて、画像表示領域20Rは、位置検出光L2a〜L2dを透過可能に構成される。なお、液晶パネル209aが導光板13の視認側とは反対側に配置される場合には、画像表示領域20Rが位置検出光L2a〜L2dを透過するように構成されている必要はないが、その代りに、画像表示領域20Rが導光板13を通して視認側より透視可能に構成される必要がある。
【0106】
液晶装置209は、液晶パネル209aを照明するための照明装置40を備えている。本形態において、照明装置40は、導光板13に対して液晶パネル209aが位置する側とは反対側において導光板13と反射板14との間に配置されている。照明装置40は、照明用光源41と、この照明用光源41から放出される照明光を伝播させながら出射する照明用導光板43とを備えており、照明用導光板43は、矩形の平面形状を備えている。照明用光源41は、例えばLED(発光ダイオード)などの発光素子で構成され、駆動回路(図示せず)から出力される駆動信号に応じて、例えば白色の照明光L4を放出する。本形態において、照明用光源41は、照明用導光板43の辺部分43aに沿って複数、配列されている。
【0107】
照明用導光板43は、辺部分43aに隣接する光出射側の表面部分(光出射面43sの辺部分43a側の外周部)に傾斜面43gが設けられ、照明用導光板43は、辺部分43aに向けて厚みが徐々に増加している。かかる傾斜面43gを有する入光構造によって、光出射面43sが設けられる部分の厚みの増加を抑制しつつ、辺部分43aの高さを照明用光源41の光放出面の高さに対応させてある。
【0108】
かかる照明装置40において、照明用光源41から出射された照明光は、照明用導光板43の辺部分43aから照明用導光板43の内部に入射した後、照明用導光板43の内部を反対側の外縁部43bに向けて伝播し、一方の表面である光出射面43sから出射される。ここで、照明用導光板43は、辺部分43a側から反対側の外縁部43bに向けて内部伝播光に対する光出射面43sからの出射光の光量比率が単調に増加する導光構造を有している。かかる導光構造は、例えば、照明用導光板43の光出射面43s、または背面43tに形成された光偏向用あるいは光散乱用の微細な凹凸形状の屈折面の面積、印刷された散乱層の形成密度などを上記内部伝播方向に向けて徐々に高めることで実現される。このような導光構造を設けることで、辺部分43aから入射した照明光L4は光出射面43sからほぼ均一に出射される。
【0109】
本形態において、照明用導光板43は、液晶パネル209aの視認側とは反対側で液晶パネル209aの画像表示領域20Rと平面的に重なるように配置され、いわゆるバックライトとして機能する。但し、照明用導光板43を液晶パネル209aの視認側に配置して、いわゆるフロントライトとして機能するように構成してもよい。また、本形態において、照明用導光板43は導光板13と反射板14との間に配置されているが、照明用導光板43を光学シート16と導光板13との間に配置してもよい。また、照明用導光板43と導光板13とは共通の導光板として構成してもよい。また、本形態では、光学シート16を位置検出光L2a〜L2dと照明光L4との間で共用としている。但し、照明用導光板43の光出射側に、上記の光学シート16とは別の専用の光学シートを配置してもよい。これは、照明用導光板43においては光出射面43sから出射される照明光L4の平面輝度を均―化することを目的に、十分な光散乱作用を呈する光散乱板を用いることが多いが、位置検出用の導光板13においては光出射面13sから出射される位置検出光L2a〜L2dを大きく散乱させてしまうと位置検出の妨げとなる。このため、光散乱板を設けないか、あるいは比較的軽度の光散乱作用を呈する光散乱板を用いる必要があることから、光散乱板については照明用導光板43の専用品とすることが好ましい。但し、プリズムシート(第1プリズムシート161や第2プリズムシート162)などの集光作用のある光学シートについては共用としても構わない。
【0110】
(電子機器への搭載例)
図13を参照しながら、図9〜図12を参照して説明した位置検出機能付き表示装置100を適用した電子機器について説明する。図13は、本発明に係る位置検出機能付き表示装置を用いた電子機器の説明図である。図13(a)に、位置検出機能付き表示装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す。パーソナルコンピューター2000は、表示ユニットとしての位置検出機能付き表示装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001、およびキーボード2002が設けられている。図13(b)に、位置検出機能付き表示装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001、およびスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての位置検出機能付き表示装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、位置検出機能付き表示装置100に表示される画面がスクロールされる。図13(c)に、位置検出機能付き表示装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001、および電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての位置検出機能付き表示装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が位置検出機能付き表示装置100に表示される。
【0111】
なお、位置検出機能付き表示装置100が適用される電子機器としては、図13に示すものの他、デジタルスチールカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型、モニター直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、銀行端末などの電子機器などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した位置検出機能付き表示装置100が適用可能である。
【符号の説明】
【0112】
10・・光学式位置検出装置、10R・・検出領域、11・・位置検出用光源装置、12A、12C・・位置検出用光源(第1位置検出用光源)、12B、12D・・位置検出用光源(第2位置検出用光源)、12V・・第1補助光源、12W・・第2補助光源、13・・導光板、15・・光検出器、15A・・第1光検出器、15B・・第2光検出器、191、192・・遮光部、450・・集積回路、451・・位置検出部、453・・光源校正部、460・・光源駆動回路、100・・位置検出機能付き表示装置、200・・画像生成装置、L2a、L2b、L2c、L2d・・位置検出光
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、光学式位置検出装置における校正方法、および光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピューター、券売機、銀行の端末などの電子機器では、近年、液晶装置などの画像生成装置の前面にタッチパネルが配置された位置検出機能付き表示装置が用いられ、かかる位置検出機能付き表示装置では、画像生成装置に表示された画像を参照しながら、情報の入力を行なう。このようなタッチパネルは、検出領域内において対象物体の位置を検出する位置検出装置として構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の位置検出装置は光学式であり、液晶パネルなどの直視型表示パネルに対して入力操作側に導光板を設け、導光板に対して入力操作側とは反対側に光源および受光素子などを配置する。そして、光源から出射された位置検出光を導光板を介して入力操作側に出射し、対象物体で反射した位置検出光を受光素子で受光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】USPatent No.6927384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここに、本願発明者は、特許文献1に記載の構造を応用して、図14(a)、(b)に模式的に示す光学式位置検出装置を提案するものである。かかる構成の光学式位置検出装置では、検出領域10Rの面内方向に位置検出光の強度分布を順次逆向きで形成し、かかる検出領域10Rにおいて対象物体Obにより反射した位置検出光を光検出器15で検出する。例えば、位置検出用光源12Aから位置検出光L2aを出射したときと、位置検出用光源12Bから位置検出光L2bを出射したときでは、図14(c)に示すように、導光板13から検出領域10Rに出射された位置検出光の光強度分布が相違する。従って、位置検出光L2aを出射したときと、位置検出光L2bを出射したときの光検出器15での受光結果を比較すれば、矢印Aで示す方向の対象物体Obの位置を検出することができる。また、位置検出用光源12Cから位置検出光L2cを出射したときと、位置検出用光源12Dから位置検出光L2dを出射したときの光検出器15での受光結果を比較すれば、矢印Bで示す方向の対象物体Obの位置を検出することができる。
【0006】
かかる光学式位置検出装置では、検出領域10Rの面内方向に順次逆向きで形成した位置検出光の強度分布における絶対強度あるいは相対強度が一定であることが必要であるため、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正が行なわれる。かかる校正は、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A〜12Dを順次点灯させ、その間の光検出器15での受光結果を監視して行なう。
【0007】
しかしながら、図14に示す構成において、位置検出用光源12B、12Dは発光部が光検出器15が位置する側とは反体側に向いているため、対象物体Obが存在しない場合、位置検出用光源12B、12Dから出射された光が光検出器15に一切入射しない。このため、位置検出用光源12B、12Dの出射強度の校正を行なえないという問題点がある。なお、図14に示す形態は、本発明の参考例であって従来技術ではない。
【0008】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、複数の位置検出用光源から出射された位置検出光の強度分布を利用して位置検出を行なう場合でも、複数の位置検出用光源の全てに対して出射光量の校正を行なうことのできる光学式位置検出装置、光学式位置検出装置の校正方法、および光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出するための光学式位置検出装置であって、前記検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に受光部を向ける光検出器と、前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有し、前記位置検出用光源装置は、前記検出領域に位置検出光を出射する複数の位置検出用光源と、前記光検出器の受光部に発光部を向けた補助光源と、該補助光源から出射された光の前記検出領域内への進入を阻止する遮光部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に受光部を向ける光検出器と、前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有する光学式位置検出装置の校正方法であって、前記位置検出用光源装置には、前記位置検出光を出射する複数の位置検出用光源と、前記光検出器の受光部に発光部を向けた補助光源と、該補助光源から出射された光の前記検出領域内への進入を阻止する遮光部と、を設けておき、前記複数の位置検出用光源のうちの少なくとも一部の位置検出用光源の出射光量の校正については、前記補助光源から出射された光の前記受光素子での検出結果に基づいて行なうことを特徴とする。
【0011】
本発明では、検出領域に形成した位置検出光の強度分布を利用して対象物体の位置を検出することから、強度分布の絶対強度、あるいは順次形成した強度分布の相対強度が一定であることが必要である。このため、位置検出用光源の出射光量の校正を行なう。かかる校正は、例えば、検出領域内に対象物体が存在しない状態で位置検出用光源を順次点灯させ、その間の光検出器での受光結果に基づいて行なう。その際、少なくとも一部の位置検出用光源から放出された位置検出光が光検出器に入射しない場合でも、補助光源から出射された光が光検出器に入射するため、補助光源から出射された光の検出結果に基づいて出射光量の校正を行なうことができる。それ故、複数の位置検出用光源から出射された位置検出光の強度分布を利用して位置検出を行なう場合でも、複数の位置検出用光源の全てに対して出射光量の校正を行なうことができる。また、補助光源から出射された光に対しては、検出領域内への進入を阻止する遮光部が設けられているため、補助光源から出射された光によって位置検出が妨げられることがない。
【0012】
本発明において、前記補助光源は、前記複数の位置検出用光源の少なくとも一部と同時に駆動される構成を採用することができる。かかる構成を採用した場合、位置検出時、補助光源からも光が出射されるが、かかる光は遮光部で遮られるため、位置検出に支障がない。
【0013】
本発明において、前記光検出器の中心光軸の延在方向および該中心光軸に平行な仮想線の延在方向において前記光検出器が位置する側を第1方向とし、前記光検出器が位置する側とは反対側を第2方向としたとき、前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源として、前記第1方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第1位置検出用光源と、前記第2方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第2位置検出用光源と、を備え、前記補助光源は、前記第2位置検出用光源と同時に駆動される構成を採用することができる。かかる構成によれば、第2位置検出用光源から放出された位置検出光は光検出器に入射しないが、補助光源から出射された光が光検出器に入射するため、補助光源から出射された光の検出結果に基づいて出射光量の校正を行なうことができる。
【0014】
本発明において、前記第2位置検出用光源と前記補助光源とは、並列あるいは直列に電気的接続されていることが好ましい。かかる構成によれば、第2位置検出用光源と前記補助光源を連動した条件で駆動することができるので、補助光源から出射された光に基づいて第2位置検出用光源の出射光量の校正を行なっても、校正を正確に行なうことができる。
【0015】
本発明において、前記検出領域は四角形の平面形状を備え、前記光検出器は、前記検出領域の第1辺部分に隣接する位置において当該第1辺部分に対向する第2辺部分に中心光軸を向けて配置され、前記第2位置検出用光源は、前記検出領域の前記第1辺部分の両側に位置する2つの第1角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、前記第1位置検出用光源は、前記第2辺部分の両側に位置する2つの第2角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、前記補助光源として、前記2つの第1角部分のうちの一方の第1角部分に相当する位置に設けられた前記第2位置検出用光源と同時に駆動される第1補助光源と、他方の第1角部分に相当する位置に設けられた前記第2位置検出用光源と同時に駆動される第2補助光源と、が設けられている構成を採用することができる。
【0016】
本発明において、前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源から放出された前記位置検出光を内部に採り込んで光出射面から出射する導光板を備え、当該導光板の前記光出射面に平面視で重なる位置に前記検出領域が設けられている構成を採用することができる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の別の形態は、検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出するための光学式位置検出装置であって、前記検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に中心光軸を向ける第1光検出器と、前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記第1光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有し、前記位置検出用光源装置は、前記位置検出光を放出する複数の位置検出用光源を備え、前記検出領域に隣接する位置には、前記第1光検出器の中心光軸に直交する方向、あるいは前記第1方向に中心光軸を向けた第2光検出器を備えていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に受光部を向ける第1光検出器と、前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記第1光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有する光学式位置検出装置の校正方法であって、前記検出領域に隣接する位置に、前記第1光検出器の中心光軸に直交する方向あるいは前記第1方向に中心光軸を向けた第2光検出器を設けておき、前記位置検出用光源装置に設けられた複数の位置検出用光源のうちの少なくとも一部の位置検出用光源の出射光量の校正については、前記第2光検出器での受光結果に基づいて行なうことを特徴とする。
【0019】
本発明では、検出領域に形成した位置検出光の強度分布を利用して対象物体の位置を検出することから、強度分布の絶対強度、あるいは順次形成した強度分布の相対強度が一定であることが必要である。このため、位置検出用光源の出射光量の校正を行なう。かかる校正は、例えば、検出領域内に対象物体が存在しない状態で位置検出用光源を順次点灯させ、その間の第1光検出器での受光結果に基づいて行なう。その際、少なくとも一部の位置検出用光源から放出された位置検出光が第1光検出器に入射しない場合があるが、かかる光は、第2光検出器に入射する。このため、第2光検出器での受光結果に基づいて、出射光量の校正を行なうことができる。それ故、複数の位置検出用光源から出射された位置検出光の強度分布を利用して位置検出を行なう場合でも、複数の位置検出用光源の全てに対して出射光量の校正を行なうことができる。
【0020】
本発明において、前記第1光検出器の中心光軸の延在方向および該中心光軸に平行な仮想線の延在方向において前記第1光検出器が位置する側を第1方向とし、前記第1光検出器が位置する側とは反対側を第2方向としたとき、前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源として、前記第1方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第1位置検出用光源と、前記第2方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第2位置検出用光源と、を備えている構成を採用することができる。かかる構成によれば、第2位置検出用光源から放出された位置検出光は第1光検出器に入射しないが、第2光検出器に入射するため、第2位置検出用光源についても出射光量の校正を行なうことができる。
【0021】
本発明において、前記検出領域は四角形の平面形状を備え、前記第1光検出器は、前記検出領域の第1辺部分に隣接する位置において当該第1辺部分に対向する第2辺部分に中心光軸を向けて配置され、前記第2位置検出用光源は、前記検出領域の前記第1辺部分の両側に位置する2つの第1角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、前記第1位置検出用光源は、前記第2辺部分の両側に位置する2つの第2角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、前記第2光検出器は、前記検出領域の4つの辺部分のうち、前記第1辺部を除く3つの辺部分のいずれかに隣接する位置に配置されている構成を採用することができる。
【0022】
本発明において、前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源から放出された前記位置検出光を内部に採り込んで光出射面から出射する導光板を備え、当該導光板の前記光出射面に平面視で重なる位置に前記検出領域が設けられている構成を採用することができる。
【0023】
本発明を適用した光学式位置検出装置はいずれも、例えば、位置検出機能付き表示装置に用いられる。この場合、位置検出機能付き表示装置は、前記検出領域に対して平面的に重なる領域に画像を形成する画像生成装置を有することになる。
【0024】
本発明に係る位置検出機能付き表示装置は、投射型表示装置などの各種表示装置の他、携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピューター、券売機、銀行の端末などの電子機器に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態1に係る位置検出機能付き表示装置の構成を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置での位置検出方法を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置での校正方法を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る位置検出機能付き表示装置の構成を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の構成を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置での位置検出方法を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置での校正方法を示す説明図である。
【図9】本発明の変形例1に係る光学式位置検出装置および光学式位置検出装置の分解斜視図である。
【図10】本発明の変形例1に係る光学式位置検出装置および光学式位置検出装置の断面構成を示す説明図である。
【図11】本発明の変形例2に係る光学式位置検出装置および光学式位置検出装置の分解斜視図である。
【図12】本発明の変形例2に係る光学式位置検出装置および光学式位置検出装置の断面構成を示す説明図である。
【図13】本発明に係る位置検出機能付き表示装置を用いた電子機器の説明図である。
【図14】本発明の参考例に係る光学式位置検出装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、検出領域内における面内方向をXYZ直交座標におけるXY面とし、検出領域内における面内方向に直交する方向をZ軸方向として説明する。
【0027】
[実施の形態1]
(位置検出機能付き表示装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る位置検出機能付き表示装置の構成を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、位置検出機能付き表示装置の要部を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。
【0028】
図1(a)、(b)に示す位置検出機能付き表示装置100は、光学式位置検出装置10と画像生成装置200とを備えており、光学式位置検出装置10は、画像生成装置200によって表示された画像に基づいて指などの対象物体を検出領域10Rに接近させた際、対象物体Obの平面的な位置(X座標位置およびY座標位置)を検出する。
【0029】
詳しくは後述するように、光学式位置検出装置10は、赤外光からなる位置検出光を放出する複数の位置検出用光源12を備えた位置検出用光源装置11と、検出領域10Rに受光部151を向けた光検出器15とを有している。本形態において、位置検出用光源装置11は、XY平面に平行に配置された導光板13も備えている。光検出器15は、フォトダイオードやフォトトランジスターなどの受光素子を備えている。
【0030】
本形態において、画像生成装置200は投射型であり、導光板13の前面側(入力操作側)に重ねて配置されたスクリーン部材220と、スクリーン部材220の一方面220s側に表示光を拡大投射する画像投射装置250とを有しており、画像生成装置200は、スクリーン部材220上に画像表示領域20Rを有している。かかるスクリーン部材220に対して画像投射装置250が位置する一方面220s側には、光学式位置検出装置10の検出領域10Rが位置し、スクリーン部材220の他方面220t側には、導光板13および位置検出用光源12を備えた位置検出用光源装置11が配置されている。本形態において、画像表示領域20Rは検出領域10Rと略重なる領域である。
【0031】
本形態において、スクリーン部材220としては、以下に説明する各種のものを用いることができるが、いずれの場合も、赤外光を通過可能な材質からなる。まず、スクリーン部材220としては、表面に白い塗料が塗ってある布地や、エンボス加工された白いビニール素材からなるホワイトスクリーンを用いることができる。また、スクリーン部材220としては、光の反射率を高めるために高銀色としたシルバースクリーンを用いることができる。さらに、スクリーン部材220としては、布地表面に樹脂加工を行なって光の反射率を高めたパールスクリーンや、表面に細かいガラス粉末が塗布して光の反射率を高めたピーススクリーンを用いることもできる。かかるスクリーン部材220は、吊下型の手動式の受光素子付きスクリーン、あるいは電動式の受光素子付きスクリーンとして構成される。
【0032】
なお、図1(a)、(b)には、スクリーン部材220の正面に画像投射装置250が配置された例を示してあるが、画像投射装置250については、図1(b)に一点鎖線で示すように、斜め方向からスクリーン部材220に向けて表示光を投射する場合もある。
【0033】
(光学式位置検出装置10の基本構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の構成を示す説明図であり、図2(a)、(b)、(c)は、光学式位置検出装置10の断面構成を模式的に示す説明図、光学式位置検出装置に用いた導光板13などの構成を示す説明図、および導光板13内での位置検出用赤外光の減衰状態を示す説明図である。なお、図2では、Z軸方向を上下方向として表してある。
【0034】
図2(a)、(b)に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、位置検出用光源装置11は、長方形の平面形状を有する導光板13を備えており、導光板13の側端面13mでは、長辺に相当する辺部分13k、13l同士がY軸方向で対向し、短辺に相当する辺部分13i、13j同士がX軸方向で対向している。また、光学式位置検出装置10は、検出領域10Rに受光部151を向けた光検出器15を備えている。
【0035】
位置検出用光源装置11は、位置検出光L2a〜L2dを放出する4つの位置検出用光源12A〜12D(図1に示す位置検出用光源12)と、4つの位置検出用光源12A〜12Dを各々独立して駆動する光源駆動回路460とを有している。
【0036】
本形態において、導光板13の側端面13mのうち、角部分13e、13f、13g、13hには、位置検出用光源12A〜12Dが配置されており、導光板13の角部分13e、13f、13g、13hにおいて位置検出用光源12A〜12Dが対向する部分が光入射部13a〜13dになっている。ここで、位置検出用光源12A〜12Dは、発光部121を導光板13の対角方向に向けて配置されている。なお、位置検出用光源12A〜12Dは光入射部13a〜13dと密接するように配置されていることが好ましい。
【0037】
導光板13は、光入射部13a〜13dから入射した後、導光板13内部を伝播した位置検出光L2a〜L2dを出射する光出射面13sを一方の表面(図示上面)に備えており、かかる光出射面13sと側端面13mとは直交している。
【0038】
導光板13は、ポリカーボネートやアクリル樹脂などの透明な樹脂板で構成されている。導光板13において、光出射面13s、または光出射面13sの反対側の背面13tには、表面凹凸構造、プリズム構造、散乱層(図示せず)などが設けられており、このような光散乱構造によって、光入射部13a〜13dから入射して内部を伝播する光は、その伝播方向に進むに従って徐々に偏向されて光出射面13sより出射される。なお、導光板13の光出射側には、必要に応じて、位置検出光L2a〜L2dの均―化を図るために、プリズムシートや光散乱板などの光学シートが配置される場合もある。
【0039】
位置検出用光源12A〜12Dは、例えばLED(発光ダイオード)などの発光素子で構成され、駆動回路(図示せず)から出力される駆動信号に応じて、赤外光からなる位置検出光L2a〜L2dを発散光として放出する。位置検出光L2a〜L2dの種類は、特に限定されないが、可視光とは波長分布が異なるか、点滅などの変調が加えられることで発光態様が異なればよい。また、位置検出光L2a〜L2dは、指やタッチペンなどの対象物体Obにより効率的に反射される波長域を有することが好ましい。従って、対象物体Obが指などの人体であれば、人体の表面で反射率の高い赤外線(特に可視光領域に近い近赤外線、例えば波長で850nm付近)、あるいは950nmであることが望ましい。
【0040】
位置検出用光源12A〜12Dは本質的に複数設けられ、相互に異なる位置から位置検出光L2a〜L2dを放出するように構成される。4つの位置検出用光源12A〜12Dのうち、対角位置の位置検出用光源が第1光源対を構成し、他の2つの位置検出用光源が第2光源対を構成している。また、4つの位置検出用光源12A〜12Dのうち、隣り合う2つの位置検出用光源が第1光源対を構成し、他の2つの位置検出用光源が第2光源対を構成することもある。
【0041】
検出領域10Rは、位置検出光L2a〜L2dが視認側(操作側)に出射される領域であり、対象物体Obによる反射光が生じうる領域である。本形態において、検出領域10Rの平面形状は、四角形状であり、Y軸方向で対向する長辺としての辺部分10a、10bと、X軸方向で対向する短辺としての辺部分10c、10dとを備えている。
【0042】
検出領域10Rの4つの辺部分10a〜10dのうち、1つの辺部分10b(第1辺部分)の長さ方向の略中央部分に隣接する箇所には光検出器15が配置されている。光検出器15は、検出領域10Rに受光部151を向けており、その中心光軸L15は、辺部分10a(第2辺部分)および辺部分10bに直交し、辺部分10c、10dに平行である。光検出器15には、位置検出部451を備えた集積回路450が接続されており、位置検出部451は、光検出器15での検出結果に基づいて、対象物体Obの位置を検出する。
【0043】
ここで、導光板13と検出領域10Rとは、長辺同士(辺部分13k、10a同士、辺部分13l、10b同士)が同一の方向に位置し、短辺同士(辺部分13i、10d同士、辺部分13j、10c同士)が同一の方向に位置している。従って、導光板13において、位置検出用光源12B、12Dが配置された角部分13f、13hは、検出領域10Rの辺部分10b(第1辺部分の両側に位置する2つの第1角部分)に相当する位置である。また、導光板13において、位置検出用光源12A、12Cが配置された角部分13e、13gは、検出領域10Rの辺部分10a(第2辺部分の両側に位置する2つの第2角部分)に相当する位置である。
【0044】
このように構成した位置検出機能付き表示装置100において、位置検出光L2aと位置検出光L2bは、導光板13の内部では、矢印Aで示す方向において互いに逆向きに伝播しながら、光出射面13sから出射される。また、位置検出光L2cと位置検出光L2dは、矢印Aで示す方向に対して交差する方向(矢印Bで示す方向)において互いに逆向きに伝播しながら光出射面13sから出射される。従って、導光板13から検出領域10Rに出射される位置検出光L2aの光量は、図2(c)に実線で示すように、位置検出用光源12Aからの距離に伴って直線的に減衰する強度分布を有することになる。また、検出領域10Rに出射される位置検出光L2bの光量は、図2(c)に点線で示すように、位置検出用光源12Bからの距離に伴って直線的に減衰する強度分布を有することになる。
【0045】
(XY座標を検出するための基本原理)
集積回路450に構成した位置検出部451において、光検出器15での検出に基づいて対象物体ObのXY座標の取得方法について説明する。この位置情報の取得方法は種々のものが考えられるが、例えば、そのー例として、二つの位置検出光の検出光量の比率に基づいてそれらの減衰係数の比率を求め、この減衰係数の比率から両位置検出光の伝播距離を求めることにより、対応する二つの光源を結ぶ方向の位置座標を求める方法などが挙げられる。また、二つの位置検出光の検出光量の差を求め、この差から、対応する二つの光源を結ぶ方向の位置座標を求める方法が挙げられる。これらいずれの方法においても、光検出器15からの出力値をそのまま演算に用いる方法、光検出器15を介してキャパシタに蓄電あるいは放電させてキャパシタの端子間電圧が所定の電圧になるまでの時間を演算に用いる方法などを挙げることができる。いずれの場合も、以下に説明する性質を利用したものである。
【0046】
まず、位置検出機能付き表示装置100においては、位置検出用光源12A〜12Dから放出された位置検出光L2a〜L2dは各々、光入射部13a〜13dから導光板13の内部に入射し、導光板13の内部を伝播しながら徐々に光出射面13sから出射される。その結果、位置検出光L2a〜L2dは、光出射面13sから面状に放出される。
【0047】
例えば、位置検出光L2aは光入射部13aから光入射部13bに向けて導光板13の内部を伝播しながら徐々に光出射面13sから放出されていく。同様に、位置検出光L2c、L2dも導光板13の内部を伝播しながら徐々に光出射面13sから放出されていく。従って、検出領域10Rに指などの対象物体Obが配置されると、対象物体Obにより上記位置検出光L2a〜L2dが反射され、その反射光の一部が上記光検出器15により検出される。
【0048】
ここで、検出領域10Rに出射される位置検出光L2aの光量は、図2(c)に実線で示すように、位置検出用光源12Aからの距離に伴って直線的に減衰し、検出領域10Rに出射される位置検出光L2bの光量は、図2(c)に点線で示すように、位置検出用光源12Bからの距離に伴って直線的に減衰すると考えられる。
【0049】
また、位置検出用光源12Aの制御量(例えば電流量)、変換係数、および放出光量をIa、k、およびEaとし、位置検出用光源12Bの制御量(電流量)、変換係数、および放出光量をIb、k、およびEbとすれば、
Ea=k・Ia
Eb=k・Ib
となる。また、位置検出光L2aの減衰係数、および検出光量をfa、およびGaとし、位置検出光L2bの減衰係数、および検出光量をfb、およびGbとすれば、
Ga=fa・Ea=fa・k・Ia
Gb=fb・Eb=fb・k・Ib
となる。
【0050】
従って、光検出器15において両位置検出光の検出光量の比であるGa/Gbが検出できるとすれば、
Ga/Gb=(fa・Ea)/(fb・Eb)=(fa/fb)・(Ia/Ib)
となるから、放出光量の比Ea/Eb、および制御量の比Ia/Ibに相当する値が分かれば、減衰係数の比fa/fbが分る。この減衰係数の比と両位置検出光の伝播距離の比との間に直線関係があれば、この直線関係を予め設定しておくことで、対象物体Obの位置情報を得ることができる。
【0051】
上記減衰係数の比fa/fbを求める方法としては、例えば、位置検出用光源12Aと位置検出用光源12Bを逆相で点滅(例えば、矩形波状若しくは正弦波状の駆動信号を伝播距離の差に起因する位相差が無視できる周波数で相互に180度の位相差を持つように動作)させた上で、検出光量の波形を解析する。より現実的には、例えば、一方の制御量Iaを固定し(Ia=Im)、検出波形が観測できなくなるように、すなわち、検出光量の比Ga/Gbが1となるように他方の制御量lbを制御し、このときの制御量Ib=Im・(fa/fb)から上記減衰係数の比fa/fbを導出する。
【0052】
また、両制御量の和が常に一定、すなわち、下式
Im=Ia+Ib
を満たすように制御してもよい。この場合には、下式
Ib=Im・fb/(fa十fb)
となるので、
fb/(fa十fb)=α
とすると、下式
fa/fb=(1−α)/α
により、減衰係数の比が求まる。
【0053】
従って、対象物体Obの矢印A方向の位置情報は、位置検出用光源12Aと位置検出用光源12Bを相互に逆相で駆動することで取得することができる。また、対象物体Obの矢印B方向の位置情報は、位置検出用光源12Cと位置検出用光源12Dを相互に逆相で駆動することで取得することができる。それ故、制御系において上記A方向とB方向の検出動作を順次行って対象物体ObのXY平面上の位置座標を取得できる。
【0054】
上記のように、光検出器15により検出される位置検出光の光量比に基づいて対象物体Obの検出領域10R内の平面位置情報を取得するにあたって、例えば、マイクロプロセッサーユニット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行することに従って処理を行う構成を採用することができる。また、論理回路などのハードウェアを用いた処理を利用することもできる。なお、集積回路450は、位置検出機能付き表示装置100の一部として組み込まれていても良く、位置検出機能付き表示装置100が搭載される電子機器の内部において構成されていてもよい。
【0055】
(本形態の位置検出方法)
図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置での位置検出方法を示す説明図であり、図3(a)、(b)は各々、導光板13(検出領域10R)の長辺方向(X軸方向)の位置検出、および短辺方向(Y軸方向)の位置検出を行なう場合の説明図である。
【0056】
本形態の光学式位置検出装置10において、検出領域10Rにおける対象物体ObのX座標位置を検出するには、位置検出用光源装置11において、光源駆動回路460は、図3(a)に示すように、位置検出用光源12A、12Dを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Cを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Dと位置検出用光源12B、12Cとを逆相で駆動する。すなわち、位置検出用光源12A、12Dを点灯させ、位置検出用光源12B、12Cを消灯させてX軸方向の一方方向が高い強度分布を形成する第1期間と、位置検出用光源12B、12Cを点灯させ、位置検出用光源12A、12Dを消灯させてX軸方向の他方方向の出射強度が高い強度分布を形成する第2期間とを交互に設定する。従って、位置検出部451において、第1期間と第2期間とにおける光検出器15の検出値の比や差を用いれば、検出領域10Rでの対象物体ObのX座標を検出することができる。
【0057】
また、検出領域10Rにおける対象物体ObのY座標位置を検出するには、位置検出用光源装置11において、光源駆動回路460は、図3(b)に示すように、位置検出用光源12A、12Cを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Dを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Cと位置検出用光源12B、12Dとを逆相で駆動する。すなわち、位置検出用光源12A、12Cを点灯させ、位置検出用光源12B、12Dを消灯させてY軸方向の一方方向が高い強度分布を形成する第1期間と、位置検出用光源12B、12Dを点灯させ、位置検出用光源12A、12Cを消灯させてY軸方向の他方方向の出射強度が高い強度分布を形成する第2期間とを交互に設定する。従って、位置検出部450において、第1期間と第2期間とにおける光検出器15の検出値の比や差を用いれば、検出領域10Rでの対象物体ObのY座標を検出することができる。
【0058】
なお、4つの位置検出用光源12A〜12Dを同時に点灯させてZ軸方向に位置検出光の強度分布を形成し、Z座標の検出を行なってもよい。
【0059】
(位置検出用光源の校正)
図4は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置での校正方法を示す説明図である。
【0060】
本形態の光学式位置検出装置10では、検出領域10Rの面内方向に位置検出光の強度分布を順次逆向きで形成し、かかる検出領域10Rにおいて対象物体Obにより反射した位置検出光を光検出器15で検出する。従って、検出領域10Rの面内方向に順次逆向きで形成した位置検出光では、強度分布の絶対強度あるいは相対強度が一定であることが必要である。このため、本形態では、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A〜12Dを順次点灯させ、その間の光検出器15での受光結果に基づいて、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なう。また、本形態では、図2に示すように、集積回路450には、光検出器15から受光結果が出力される光源校正部453が設けられており、光源校正部453は、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正に基づいて、位置検出の際に光源駆動回路460から位置検出用光源12A〜12Dに供給される駆動電流の補正を行う。
【0061】
ここで、光検出器15の中心光軸L15の延在方向、および中心光軸L15に平行な仮想線の延在方向において、光検出器15が位置する側を第1方向Y1とし、光検出器15が位置する側とは反対側を第2方向Y2としたとき、位置検出用光源12A〜12Dのうち、位置検出用光源12A、12Cは、発光部121を第1方向Y1に向けた第1位置検出用光源として構成されている。これに対して、位置検出用光源12B、12Dは、発光部121を第2方向Y2に向けた第2位置検出用光源として構成されており、かかる位置検出用光源12B、12D(第2位置検出用光源)から出射された位置検出光L2b、L2dは、対象物体Obが存在しない状態では光検出器15に入射しない。
【0062】
そこで、本形態の光学式位置検出装置10の位置検出用光源装置11には、光検出器15の受光部151に発光部121を向けた2つの補助光源(第1補助光源12Vおよび第2補助光源12W)が設けられている。第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wは、位置検出用光源12A〜12Dと同一特性の発光ダイオードである。本形態において、第1補助光源12Vは、導光板13の辺部分13lにおいて、光検出器15と位置検出用光源12Bとの間に配置され、発光部121を辺部分13lに沿う方向に向けている。また、第2補助光源12Wは、導光板13の辺部分13lにおいて、光検出器15と位置検出用光源12Dとの間に配置され、発光部121を辺部分13lに沿う方向に向けている。
【0063】
ここで、第1補助光源12Vは、位置検出用光源12Bと同一のタイミングで同一の条件で光源駆動回路460によって駆動される。より具体的には、第1補助光源12Vと位置検出用光源12Bとは並列あるいは直列に電気的に接続されている。また、第2補助光源12Wは、位置検出用光源12Dと同一のタイミングで同一の条件で光源駆動回路460によって駆動される。より具体的には、第2補助光源12Wと位置検出用光源12Dとは並列あるいは直列に電気的に接続されている。
【0064】
また、本形態の光学式位置検出装置10の位置検出用光源装置11では、第1補助光源12Vから光検出器15に向かう光路と、導光板13の側端面13mとの間に遮光部191が設けられており、第1補助光源12Vから放出された光が検出領域10Rに進入しないようになっている。また、第2補助光源12Wから光検出器15に向かう光路と、導光板13の側端面13mとの間にも遮光部192が設けられており、第2補助光源12Wから放出された光が検出領域10Rに進入しないようになっている。
【0065】
このように構成した光学式位置検出装置10において、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なうには、まず、X軸方向における位置検出のための校正を行なう。より具体的には、図4(a)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12B、12Cを点灯させる一方、位置検出用光源12A、12Dを消灯させて、矢印Xaで示す方向の強度分布を形成する。その際、第1補助光源12Vも点灯する。次に、図4(b)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A、12Dを点灯させる一方、位置検出用光源12B、12Cを消灯させて、矢印Xbで示す方向の強度分布を形成する。その際、第2補助光源12Wも点灯する。その間、光検出器15での検出結果は、図2に示す集積回路450の光源校正部453に出力され、光源校正部453において校正が行なわれる。かかる校正の際、位置検出用光源12B、12Cから出射された位置検出光L2b、L2c、および位置検出用光源12A、12Dから出射された位置検出光L2a、L2dは、その一部が光検出器15に入射するので、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wが存在するか否かにかかわらず、校正を行なうことができる。
【0066】
これに対して、Y軸方向における位置検出のための校正を行なう際には、以下に説明するように、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wを用いる。Y軸方向における位置検出のための校正を行なうには、まず、図4(c)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12B、12Dを点灯させる一方、位置検出用光源12A、12Cを消灯させて、矢印Yaで示す方向の強度分布を形成する。その際、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wも点灯する。次に、図4(d)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A、12Cを点灯させる一方、位置検出用光源12B、12Dを消灯させて、矢印Ybで示す方向の強度分布を形成する。その際、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wは消灯状態にある。その間、光検出器15での検出結果は、図2に示す集積回路450の光源校正部453に出力され、光源校正部453において校正が行なわれる。
【0067】
かかる校正の際、図4(d)に示す工程では、位置検出用光源12A、12Cから出射された位置検出光L2a、L2cは、その一部が光検出器15に入射する。これに対して、図4(c)に示す工程では、位置検出用光源12B、12Dから出射された位置検出光L2b、L2dは、光検出器15に入射しない。しかるに本形態では、図4(c)に示す工程では、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光が光検出器15に入射する。また、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wは、位置検出用光源12A、12Dと同一特性の発光ダイオードであって、同一の条件で駆動される。従って、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光に基づいて、第2位置検出用光源(位置検出用光源12B、12D)の校正を行なえば、発光部121を第2方向Y2(光検出器15が位置する側とは反対側)に向けた第2位置検出用光源(位置検出用光源12B、12D)のみを点灯させた状態での出射光量の校正を行なったことになる。
【0068】
かかる校正を行なった後、光源校正部453は、図4(a)に矢印Xaで示す方向の強度分布と、図4(b)に矢印Xbで示す方向の強度分布とが等しく、かつ、図4(c)に矢印Yaで示す方向の強度分布と、図4(d)に矢印Ybで示す方向の強度分布とが等しくなるように、位置検出の際に光源駆動回路460から位置検出用光源12A〜12Dに供給される駆動電流の補正を行う。かかる校正は、光学式位置検出装置10を製造した際に行なわれる。また、上記の校正は、光学式位置検出装置10が出荷された後、実使用の際、例えば、電源供給が実施される度に行われる。
【0069】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100では、位置検出光L2a〜L2dが導光板13の光出射面13sから出射され、これが導光板13の出射側に配置された対象物体Obによって反射されると、この反射光が光検出器15によって検出される。ここで、検出領域10Rにおける位置検出光L2a〜L2dの強度と位置検出用光源12A〜12Dからの距離とが所定の相関性を有しているので、光検出器15を介して得られた受光強度から対象物体ObのXY座標を検出することができる。
【0070】
また、かかる検出方式によれば、スクリーン部材220の一方面220s側に位置検出光の光強度分布を形成すればよいので、必ずしもスクリーン部材220の前側に導光板13を配置する必要がないので、スクリーン部材220に画像を表示するタイプの位置検出機能付き表示装置100を構成するのに適している。
【0071】
さらに、本形態では、検出領域10Rに形成した位置検出光の強度分布を利用して対象物体Obの位置を検出することから、強度分布の絶対強度、あるいは順次形成した強度分布の相対強度が一定であることが必要である。このため、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なう。かかる校正の際、位置検出用光源12B、12D(第2位置検出用光源)は、光検出器15が位置する側とは反対の第2方向Y2に発光部121が向いているため、検出領域10R内に対象物体Obが存在しない場合、位置検出光が光検出器15に入射しない。しかるに本形態では、光検出器15の受光部151に発光部121を向けた補助光源(第1補助光源12Vおよび第2補助光源12W)を備えており、位置検出用光源12B、12Dの出射光量の校正を行なう際、位置検出用光源12B、12Dと同時に駆動された第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光を光検出器15に入射させる。このため、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光の検出結果に基づいて、第2位置検出用光源(位置検出用光源12B、12D)のみを点灯させた状態での出射光量の校正を行なうことができる。
【0072】
また、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光に対しては、検出領域10R内への進入を阻止する遮光部(第1遮光部191および第2遮光部192)が設けられているため、第1補助光源12Vおよび第2補助光源12Wから出射された光によって位置検出が妨げられることがない。
【0073】
[実施の形態2]
(全体構成)
図5は、本発明の実施の形態2に係る位置検出機能付き表示装置の構成を模式的に示す説明図であり、図5(a)、(b)は、位置検出機能付き表示装置の要部を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。図6は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の構成を示す説明図であり、図6(a)、(b)、(c)は、光学式位置検出装置10の断面構成を模式的に示す説明図、光学式位置検出装置に用いた導光板13などの構成を示す説明図、および導光板13内での位置検出用赤外光の減衰状態を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0074】
図5(a)、(b)に示す位置検出機能付き表示装置100は、光学式位置検出装置10と画像生成装置200とを備えており、光学式位置検出装置10は、画像生成装置200によって表示された画像に基づいて指などの対象物体を検出領域10Rに接近させた際、対象物体Obの平面的な位置(X座標位置およびY座標位置)を検出する。光学式位置検出装置10は、赤外光からなる位置検出光を放出する複数の位置検出用光源12を備えた位置検出用光源装置11と、検出領域10Rに受光部151を向けた第1光検出器15Aとを有している。本形態において、位置検出用光源装置11は、XY平面に平行に配置された導光板13も備えている。光検出器15は、フォトダイオードやフォトトランジスターなどの受光素子を備えている。画像生成装置200は投射型であり、導光板13の前面側(入力操作側)に重ねて配置されたスクリーン部材220と、スクリーン部材220の一方面220s側に表示光を拡大投射する画像投射装置250とを有しており、画像生成装置200は、スクリーン部材220上に画像表示領域20Rを有している。
【0075】
図6(a)、(b)に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、位置検出用光源装置11は、長方形の平面形状を有する導光板13を備えており、導光板13の側端面13mのうち、角部分13e、13f、13g、13hには、位置検出用光源12A〜12Dが配置されている。
【0076】
検出領域10Rは、位置検出光L2a〜L2dが視認側(操作側)に出射される領域であり、対象物体Obによる反射光が生じうる領域である。本形態において、検出領域10Rの平面形状は、四角形状であり、4つの辺部分10a〜10dのうち、1つの辺部分10b(第1辺部分)の長さ方向の略中央部分に隣接する箇所に第1光検出器15Aが配置されている。第1光検出器15Aは、検出領域10Rに受光部151を向けており、その中心光軸L15Aは、辺部分10a(第2辺部分)および辺部分10bに直交し、辺部分10c、10dに平行である。
【0077】
また、本形態において、検出領域10Rの辺部分10d(第3辺部分)の長さ方向の略中央部分に隣接する箇所には第2光検出器15Bが配置されている。第2光検出器15Bは、検出領域10Rに受光部151を向けており、その中心光軸L15Bは、第1光検出器15Aの中心光軸L15Aと直交している。
【0078】
ここで、導光板13と検出領域10Rとは、長辺同士(辺部分13k、10a同士、辺部分13l、10b同士)が同一の方向に位置し、短辺同士(辺部分13i、10d同士、辺部分13j、10c同士)が同一の方向に位置している。従って、導光板13において、位置検出用光源12B、12Dが配置された角部分13f、13hは、検出領域10Rの辺部分10b(第1辺部分の両側に位置する2つの第1角部分)に相当する位置である。また、導光板13において、位置検出用光源12A、12Cが配置された角部分13e、13gは、検出領域10Rの辺部分10a(第2辺部分の両側に位置する2つの第2角部分)に相当する位置である。
【0079】
第1光検出器15Aには、位置検出部451を備えた集積回路450が接続されており、位置検出部451は、第1光検出器15Aでの検出結果に基づいて、対象物体Obの位置を検出する。また、位置検出部451は、第1光検出器15Aおよび第2光検出器5B双方での検出結果、あるいは第2光検出器5Bでの検出結果に基づいて、対象物体Obの位置を検出することもできる。
【0080】
このように構成した位置検出機能付き表示装置100において、位置検出光L2aと位置検出光L2bは、導光板13の内部では、矢印Aで示す方向において互いに逆向きに伝播しながら、光出射面13sから出射される。また、位置検出光L2cと位置検出光L2dは、矢印Aで示す方向に対して交差する方向(矢印Bで示す方向)において互いに逆向きに伝播しながら光出射面13sから出射される。従って、導光板13から検出領域10Rに出射される位置検出光L2aの光量は、図6(c)に実線で示すように、位置検出用光源12Aからの距離に伴って直線的に減衰する強度分布を有することになる。また、検出領域10Rに出射される位置検出光L2bの光量は、図6(c)に点線で示すように、位置検出用光源12Bからの距離に伴って直線的に減衰する強度分布を有することになる。
【0081】
(本形態の位置検出方法)
図7は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置での位置検出方法を示す説明図であり、図7(a)、(b)は各々、導光板13(検出領域10R)の長辺方向(X軸方向)の位置検出、および短辺方向(Y軸方向)の位置検出を行なう場合の説明図である。
【0082】
本形態の光学式位置検出装置10においても、実施の形態1と同様、検出領域10Rにおける対象物体ObのX座標位置を検出するには、位置検出用光源装置11において、光源駆動回路460は、図7(a)に示すように、位置検出用光源12A、12Dを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Cを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Dと位置検出用光源12B、12Cとを逆相で駆動する。すなわち、位置検出用光源12A、12Dを点灯させ、位置検出用光源12B、12Cを消灯させてX軸方向の一方方向が高い強度分布を形成する第1期間と、位置検出用光源12B、12Cを点灯させ、位置検出用光源12A、12Dを消灯させてX軸方向の他方方向の出射強度が高い強度分布を形成する第2期間とを交互に設定する。従って、位置検出部451において、第1期間と第2期間とにおける第1光検出器15Aの検出値の比や差を用いれば、検出領域10Rでの対象物体ObのX座標を検出することができる。
【0083】
また、検出領域10Rにおける対象物体ObのY座標位置を検出するには、位置検出用光源装置11において、光源駆動回路460は、図7(b)に示すように、位置検出用光源12A、12Cを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Dを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Cと位置検出用光源12B、12Dとを逆相で駆動する。すなわち、位置検出用光源12A、12Cを点灯させ、位置検出用光源12B、12Dを消灯させてY軸方向の一方方向が高い強度分布を形成する第1期間と、位置検出用光源12B、12Dを点灯させ、位置検出用光源12A、12Cを消灯させてY軸方向の他方方向の出射強度が高い強度分布を形成する第2期間とを交互に設定する。従って、位置検出部450において、第1期間と第2期間とにおける第1光検出器15Aの検出値の比や差を用いれば、検出領域10Rでの対象物体ObのY座標を検出することができる。
【0084】
なお、4つの位置検出用光源12A〜12Dを同時に点灯させてZ軸方向に位置検出光の強度分布を形成し、Z座標の検出を行なってもよい。
【0085】
(位置検出用光源の校正)
図8は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置での校正方法を示す説明図である。本形態の光学式位置検出装置10では、検出領域10Rの面内方向に位置検出光の強度分布を順次逆向きで形成し、かかる検出領域10Rにおいて対象物体Obにより反射した位置検出光を光検出器15で検出する。従って、検出領域10Rの面内方向に順次逆向きで形成した位置検出光では、強度分布の絶対強度あるいは相対強度が一定であることが必要である。このため、本形態では、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A〜12Dを順次点灯させ、その間の光検出器15での受光結果に基づいて、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なう。また、本形態では、図6に示すように、集積回路450には、第1光検出器15Aおよび第2光検出器15Bから受光結果が出力される光源校正部453が設けられており、光源校正部453は、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正に基づいて、位置検出の際に光源駆動回路460から位置検出用光源12A〜12Dに供給される駆動電流の補正を行う。
【0086】
ここで、第1光検出器15Aの中心光軸L15Aの延在方向、および中心光軸L15Aに平行な仮想線の延在方向において、第1光検出器15Aが位置する側を第1方向Y1とし、第1光検出器15Aが位置する側とは反対側を第2方向Y2としたとき、位置検出用光源12A〜12Dのうち、位置検出用光源12A、12Cは、発光部121を第1方向Y1に向けた第1位置検出用光源として構成されている。これに対して、位置検出用光源12B、12Dは、発光部121を第2方向Y2に向けた第2位置検出用光源として構成されており、かかる位置検出用光源12B、12D(第2位置検出用光源)から出射された位置検出光L2b、L2dは、対象物体Obが存在しない状態では第1光検出器15Aに入射しない。
【0087】
ここで、本形態の光学式位置検出装置10には、検出領域10Rの辺部分10d(第3辺部分)の長さ方向の略中央部分に隣接する箇所に第2光検出器15Bが配置されており、かかる第2光検出器15Bの中心光軸L15Bは、第1光検出器15Aの中心光軸L15Aと直交している。このため、位置検出用光源12B、12D(第2位置検出用光源)は、第1光検出器15Aが位置する側とは反対側の第2方向Y2に発光部121を向けているが、位置検出用光源12B、12D(第2位置検出用光源)のうち、位置検出用光源12Bは、第2光検出器15Bが位置する側に発光部121を向けている。このため、位置検出用光源12B、12Dから出射された位置検出光L2b、L2dのうち、位置検出用光源12Bから出射された位置検出光L2bは、第2光検出器15Bに入射する。
【0088】
このように構成した光学式位置検出装置10において、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なうには、まず、X軸方向における位置検出のための校正を行なう。より具体的には、図8(a)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12B、12Cを点灯させる一方、位置検出用光源12A、12Dを消灯させて、矢印Xaで示す方向の強度分布を形成する。次に、図8(b)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A、12Dを点灯させる一方、位置検出用光源12B、12Cを消灯させて、矢印Xbで示す方向の強度分布を形成する。その間、第1光検出器15Aでの検出結果は、図6に示す集積回路450の光源校正部453に出力され、光源校正部453において校正が行なわれる。かかる校正の際、位置検出用光源12B、12Cから出射された位置検出光L2b、L2c、および位置検出用光源12A、12Dから出射された位置検出光L2a、L2dは、その一部が第1光検出器15Aに入射するので、校正を行なうことができる。
【0089】
これに対して、Y軸方向における位置検出のための校正を行なうには、まず、図8(c)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12B、12Dを点灯させる一方、位置検出用光源12A、12Cを消灯させて、矢印Yaで示す方向の強度分布を形成する。次に、図8(d)に示すように、対象物体Obが存在しない状態で位置検出用光源12A、12Cを点灯させる一方、位置検出用光源12B、12Dを消灯させて、矢印Ybで示す方向の強度分布を形成する。
【0090】
かかる校正の際、図8(c)に示す工程では、位置検出用光源12B、12Dから出射された位置検出光L2b、L2dは、第1光検出器15Aに入射しないが、位置検出用光源12Bから出射された位置検出光L2bは第2光検出器15Bに入射する。そこで、本形態では、図8(c)、(d)に示す校正の際は、第2光検出器15Bでの受光結果が、図6に示す集積回路450の光源校正部453に出力され、光源校正部453において校正が行なわれる。従って、発光部121を第2方向Y2(光検出器15が位置する側とは反対側)に向けた第2位置検出用光源(位置検出用光源12B、12D)のみを点灯させた状態での出射光量の校正を行なうことができる。なお、図8(d)に示す校正の際、位置検出用光源12Aから出射された位置検出光L2aは、第2光検出器15Bに入射しないが、位置検出用光源12Cから出射された位置検出光L2cは第2光検出器15Bに入射するので、校正に支障はない。
【0091】
かかる校正を行なった後、光源校正部453は、図8(a)に矢印Xaで示す方向の強度分布と、図8(b)に矢印Xbで示す方向の強度分布とが等しく、かつ、図8(c)に矢印Yaで示す方向の強度分布と、図8(d)に矢印Ybで示す方向の強度分布とが等しくなるように、位置検出の際に光源駆動回路460から位置検出用光源12A〜12Dに供給される駆動電流の補正を行う。かかる校正は、光学式位置検出装置10を製造した際に行なわれる。また、上記の校正は、光学式位置検出装置10が出荷された後、実使用の際、例えば、電源供給が実施される度に行われる。
【0092】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100では、位置検出光L2a〜L2dが導光板13の光出射面13sから出射され、これが導光板13の出射側に配置された対象物体Obによって反射されると、この反射光が第1光検出器15Aによって検出される。ここで、検出領域10Rにおける位置検出光L2a〜L2dの強度と位置検出用光源12A〜12Dからの距離とが所定の相関性を有しているので、第1光検出器15Aを介して得られた受光強度から対象物体ObのXY座標を検出することができる。
【0093】
また、かかる検出方式によれば、スクリーン部材220の一方面220s側に位置検出光の光強度分布を形成すればよいので、必ずしもスクリーン部材220の前側に導光板13を配置する必要がないので、スクリーン部材220に画像を表示するタイプの位置検出機能付き表示装置100を構成するのに適している。
【0094】
さらに、本形態では、検出領域10Rに形成した位置検出光の強度分布を利用して対象物体Obの位置を検出することから、強度分布の絶対強度、あるいは順次形成した強度分布の相対強度が一定であることが必要である。このため、位置検出用光源12A〜12Dの出射光量の校正を行なう。かかる校正の際、位置検出用光源12B、12D(第2位置検出用光源)は、第1光検出器15Aが位置する側とは反対の第2方向Y2に発光部121が向いているため、検出領域10R内に対象物体Obが存在しない場合、位置検出光が第1光検出器15Aに入射しない。しかるに本形態では、検出領域10Rの辺部分10dに隣接する箇所には第2光検出器15Bが配置され、第2光検出器15Bの中心光軸L15Bは、第1光検出器15Aの中心光軸L15Aと直交している。このため、位置検出用光源12B、12Dのうち、位置検出用光源12Bから出射された位置検出光は、第2光検出器15Bに入射する。このため、第2光検出器15Bでの受光結果に基づいて、第2位置検出用光源(位置検出用光源12B、12D)のみを点灯させた状態での出射光量の校正を行なうことができる。
【0095】
[実施の形態2の変形例]
上記実施の形態2では、第2光検出器15Bを検出領域10Rの辺部分10dに隣接する箇所に設けたが、検出領域10Rの辺部分10aに隣接する箇所に受光部151を第1方向Y1に向けて第2光検出器15Bを配置してもよい。
【0096】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、スクリーン部材220の他方面220t側に位置検出用光源装置11を配置したが、スクリーン部材220の一方面220s側に位置検出用光源装置11を配置してもよい。上記実施の形態では、投射型表示装置に本発明を適用したが、電子黒板に本発明を適用してもよい。
【0097】
[位置検出機能付き表示装置100の変形例]
上記実施の形態では位置検出機能付き表示装置100を投射型表示装置や電子黒板に適用した例であったが、図9〜図12に示すように、直視型の表示装置を画像生成装置200として採用すれば、図13を参照して後述する電子機器に用いることができる。なお、以下に説明では、図1〜図4や図5〜図8を参照して説明した校正のための構成(補助光源など)の図示は省略してある。
【0098】
(位置検出機能付き表示装置100の変形例1)
図9および図10は、本発明の変形例1に係る光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100の分解斜視図、および断面構成を示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付き表示装置100において、光学式位置検出装置10の構成は、上記実施の形態と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0099】
図9および図10に示す位置検出機能付き表示装置100は、光学式位置検出装置10と画像生成装置200とを備えており、光学式位置検出装置10は、位置検出光を放出する位置検出用光源12と、導光板13と、検出領域10Rに受光部151を向けた光検出器15(光検出器15A、15B、15C)とを備えている。画像生成装置200は、有機エレクトロルミネッセンス装置やプラズマ表示装置などといった直視型表示装置208であり、光学式位置検出装置10に対して入力操作側とは反対に設けられている。直視型表示装置208は、導光板13に対して平面視で重なる領域に画像表示領域20Rを備えており、かかる画像表示領域20Rは検出領域10Rと平面視で重なっている。
【0100】
(位置検出機能付き表示装置100の変形例2)
図11および図12は、本発明の変形例2に係る光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100の説明図であり、図11および図12は各々、光学式位置検出装置10および位置検出機能付き表示装置100の分解斜視図、および断面構成を示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付き表示装置100において、光学式位置検出装置10の構成は、上記実施の形態と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0101】
図11および図12に示す位置検出機能付き表示装置100は、光学式位置検出装置10と画像生成装置200とを備えており、光学式位置検出装置10は、位置検出光を放出する位置検出用光源12と、導光板13と、検出領域10Rに受光部151を向けた光検出器15(光検出器15A、15B、15C)とを備えている。画像生成装置200は、直視型表示装置である液晶装置209と、透光性のカバー部材30とを備えている。液晶装置209は、導光板13に対して平面視で重なる領域に画像表示領域20Rを備えており、かかる画像表示領域20Rは検出領域10Rと平面視で重なっている。
【0102】
本形態の位置検出機能付き表示装置100において、導光板13の光出射側には、必要に応じて、位置検出光L2a〜L2dの均―化を図るための光学シート16が配置されている。本形態においては、光学シート16として、導光板13の光出射面13sに対向する第1プリズムシート161と、第1プリズムシート161に対して導光板13が位置する側とは反対側で対向する第2プリズムシート162と、第2プリズムシート162に対して導光板13が位置する側とは反対側で対向する光散乱板163とが用いられている。なお、光学シート16に対して導光板13が位置する側とは反対側には矩形枠状の遮光シート17が光学シート16の周囲に配置されている。かかる遮光シート17は、位置検出用光源12A〜12Dから出射された位置検出光L2a〜L2dが漏れるのを防止する。
【0103】
液晶装置209(画像生成装置200)は、光学シート16(第1プリズムシート161、第2プリズムシート162および光散乱板163)に対して導光板13が位置する側とは反対側に液晶パネル209aを備えている。本形態において、液晶パネル209aは、透過型の液晶パネルであり、2枚の透光性基板21、22をシール材23で貼り合わせ、基板間に液晶24を充填した構造を有している。本形態において、液晶パネル209aは、アクティブマトリクス型液晶パネルであり、2枚の透光性基板21、22の一方側には透光性の画素電極、データ線、走査線、画素スイッチング素子(図示せず)が形成され、他方側には透光性の共通電極(図示せず)が形成されている。なお、画素電極および共通電極が同一の基板に形成されることもある。かかる液晶パネル209aでは、各画素に対して走査線を介して走査信号が出力され、データ線を介して画像信号が出力されると、複数の画素の各々で液晶24の配向が制御される結果、画像表示領域20Rに画像が形成される。
【0104】
液晶パネル209aにおいて、一方の透光性基板21には、他方の透光性基板22の外形より周囲に張り出した基板張出部21tが設けられている。この基板張出部21tの表面上には駆動回路などを構成する電子部品25が実装されている。また、基板張出部21tには、フレキシブル配線基板(FPC)などの配線部材26が接続されている。なお、基板張出部21t上には配線部材26のみが実装されていてもよい。なお、必要に応じて透光性基板21、22の外面側には偏光板(図示せず)が配置される。
【0105】
ここで、対象物体Obの平面位置を検出するためには、位置検出光L2a〜L2dを対象物体Obによる操作が行われる視認側へ出射させる必要があり、液晶パネル209aは、導光板13および光学シート16よりも視認側(操作側)に配置されている。従って、液晶パネル209aにおいて、画像表示領域20Rは、位置検出光L2a〜L2dを透過可能に構成される。なお、液晶パネル209aが導光板13の視認側とは反対側に配置される場合には、画像表示領域20Rが位置検出光L2a〜L2dを透過するように構成されている必要はないが、その代りに、画像表示領域20Rが導光板13を通して視認側より透視可能に構成される必要がある。
【0106】
液晶装置209は、液晶パネル209aを照明するための照明装置40を備えている。本形態において、照明装置40は、導光板13に対して液晶パネル209aが位置する側とは反対側において導光板13と反射板14との間に配置されている。照明装置40は、照明用光源41と、この照明用光源41から放出される照明光を伝播させながら出射する照明用導光板43とを備えており、照明用導光板43は、矩形の平面形状を備えている。照明用光源41は、例えばLED(発光ダイオード)などの発光素子で構成され、駆動回路(図示せず)から出力される駆動信号に応じて、例えば白色の照明光L4を放出する。本形態において、照明用光源41は、照明用導光板43の辺部分43aに沿って複数、配列されている。
【0107】
照明用導光板43は、辺部分43aに隣接する光出射側の表面部分(光出射面43sの辺部分43a側の外周部)に傾斜面43gが設けられ、照明用導光板43は、辺部分43aに向けて厚みが徐々に増加している。かかる傾斜面43gを有する入光構造によって、光出射面43sが設けられる部分の厚みの増加を抑制しつつ、辺部分43aの高さを照明用光源41の光放出面の高さに対応させてある。
【0108】
かかる照明装置40において、照明用光源41から出射された照明光は、照明用導光板43の辺部分43aから照明用導光板43の内部に入射した後、照明用導光板43の内部を反対側の外縁部43bに向けて伝播し、一方の表面である光出射面43sから出射される。ここで、照明用導光板43は、辺部分43a側から反対側の外縁部43bに向けて内部伝播光に対する光出射面43sからの出射光の光量比率が単調に増加する導光構造を有している。かかる導光構造は、例えば、照明用導光板43の光出射面43s、または背面43tに形成された光偏向用あるいは光散乱用の微細な凹凸形状の屈折面の面積、印刷された散乱層の形成密度などを上記内部伝播方向に向けて徐々に高めることで実現される。このような導光構造を設けることで、辺部分43aから入射した照明光L4は光出射面43sからほぼ均一に出射される。
【0109】
本形態において、照明用導光板43は、液晶パネル209aの視認側とは反対側で液晶パネル209aの画像表示領域20Rと平面的に重なるように配置され、いわゆるバックライトとして機能する。但し、照明用導光板43を液晶パネル209aの視認側に配置して、いわゆるフロントライトとして機能するように構成してもよい。また、本形態において、照明用導光板43は導光板13と反射板14との間に配置されているが、照明用導光板43を光学シート16と導光板13との間に配置してもよい。また、照明用導光板43と導光板13とは共通の導光板として構成してもよい。また、本形態では、光学シート16を位置検出光L2a〜L2dと照明光L4との間で共用としている。但し、照明用導光板43の光出射側に、上記の光学シート16とは別の専用の光学シートを配置してもよい。これは、照明用導光板43においては光出射面43sから出射される照明光L4の平面輝度を均―化することを目的に、十分な光散乱作用を呈する光散乱板を用いることが多いが、位置検出用の導光板13においては光出射面13sから出射される位置検出光L2a〜L2dを大きく散乱させてしまうと位置検出の妨げとなる。このため、光散乱板を設けないか、あるいは比較的軽度の光散乱作用を呈する光散乱板を用いる必要があることから、光散乱板については照明用導光板43の専用品とすることが好ましい。但し、プリズムシート(第1プリズムシート161や第2プリズムシート162)などの集光作用のある光学シートについては共用としても構わない。
【0110】
(電子機器への搭載例)
図13を参照しながら、図9〜図12を参照して説明した位置検出機能付き表示装置100を適用した電子機器について説明する。図13は、本発明に係る位置検出機能付き表示装置を用いた電子機器の説明図である。図13(a)に、位置検出機能付き表示装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す。パーソナルコンピューター2000は、表示ユニットとしての位置検出機能付き表示装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001、およびキーボード2002が設けられている。図13(b)に、位置検出機能付き表示装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001、およびスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての位置検出機能付き表示装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、位置検出機能付き表示装置100に表示される画面がスクロールされる。図13(c)に、位置検出機能付き表示装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001、および電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての位置検出機能付き表示装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が位置検出機能付き表示装置100に表示される。
【0111】
なお、位置検出機能付き表示装置100が適用される電子機器としては、図13に示すものの他、デジタルスチールカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型、モニター直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、銀行端末などの電子機器などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した位置検出機能付き表示装置100が適用可能である。
【符号の説明】
【0112】
10・・光学式位置検出装置、10R・・検出領域、11・・位置検出用光源装置、12A、12C・・位置検出用光源(第1位置検出用光源)、12B、12D・・位置検出用光源(第2位置検出用光源)、12V・・第1補助光源、12W・・第2補助光源、13・・導光板、15・・光検出器、15A・・第1光検出器、15B・・第2光検出器、191、192・・遮光部、450・・集積回路、451・・位置検出部、453・・光源校正部、460・・光源駆動回路、100・・位置検出機能付き表示装置、200・・画像生成装置、L2a、L2b、L2c、L2d・・位置検出光
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出するための光学式位置検出装置であって、
前記検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、
前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に受光部を向ける光検出器と、
前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記位置検出用光源装置は、前記検出領域に位置検出光を出射する複数の位置検出用光源と、前記光検出器の受光部に発光部を向けた補助光源と、該補助光源から出射された光の前記検出領域内への進入を阻止する遮光部と、を備えていることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記補助光源は、前記複数の位置検出用光源の少なくとも一部と同時に駆動されることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記光検出器の中心光軸の延在方向および該中心光軸に平行な仮想線の延在方向において前記光検出器が位置する側を第1方向とし、前記光検出器が位置する側とは反対側を第2方向としたとき、
前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源として、前記第1方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第1位置検出用光源と、前記第2方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第2位置検出用光源と、を備え、
前記補助光源は、前記第2位置検出用光源と同時に駆動されることを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記第2位置検出用光源と前記補助光源とは、並列あるいは直列に電気的接続されていることを特徴とする請求項3に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記検出領域は四角形の平面形状を備え、
前記光検出器は、前記検出領域の第1辺部分に隣接する位置において当該第1辺部分に対向する第2辺部分に中心光軸を向けて配置され、
前記第2位置検出用光源は、前記検出領域の前記第1辺部分の両側に位置する2つの第1角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、
前記第1位置検出用光源は、前記第2辺部分の両側に位置する2つの第2角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、
前記補助光源として、前記2つの第1角部分のうちの一方の第1角部分に相当する位置に設けられた前記第2位置検出用光源と同時に駆動される第1補助光源と、他方の第1角部分に相当する位置に設けられた前記第2位置検出用光源と同時に駆動される第2補助光源と、が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源から放出された前記位置検出光を内部に採り込んで光出射面から出射する導光板を備え、
当該導光板の前記光出射面に平面視で重なる位置に前記検出領域が設けられていることを特徴とする1乃至5の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出するための光学式位置検出装置であって、
前記検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、
前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に中心光軸を向ける第1光検出器と、
前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記第1光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記位置検出用光源装置は、前記位置検出光を放出する複数の位置検出用光源を備え、
前記検出領域に隣接する位置には、前記第1光検出器の中心光軸に直交する方向、あるいは前記第1方向に中心光軸を向けた第2光検出器を備えていることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項8】
前記第1光検出器の中心光軸の延在方向および該中心光軸に平行な仮想線の延在方向において前記第1光検出器が位置する側を第1方向とし、前記第1光検出器が位置する側とは反対側を第2方向としたとき、
前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源として、前記第1方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第1位置検出用光源と、前記第2方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第2位置検出用光源と、を備えていることを特徴とする請求項7に記載の光学式位置検出装置。
【請求項9】
前記検出領域は四角形の平面形状を備え、
前記第1光検出器は、前記検出領域の第1辺部分に隣接する位置において当該第1辺部分に対向する第2辺部分に中心光軸を向けて配置され、
前記第2位置検出用光源は、前記検出領域の前記第1辺部分の両側に位置する2つの第1角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、
前記第1位置検出用光源は、前記第2辺部分の両側に位置する2つの第2角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、
前記第2光検出器は、前記検出領域の4つの辺部分のうち、前記第1辺部を除く3つの辺部分のいずれかに隣接する位置に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の光学式位置検出装置。
【請求項10】
前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源から放出された前記位置検出光を内部に採り込んで光出射面から出射する導光板を備え、
当該導光板の前記光出射面に平面視で重なる位置に前記検出領域が設けられていることを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き表示装置であって、
前記検出領域に対して平面的に重なる領域に画像を形成する画像生成装置を有していることを特徴とする位置検出機能付き表示装置。
【請求項12】
検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に受光部を向ける光検出器と、前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有する光学式位置検出装置の校正方法であって、
前記位置検出用光源装置には、前記位置検出光を出射する複数の位置検出用光源と、前記光検出器の受光部に発光部を向けた補助光源と、該補助光源から出射された光の前記検出領域内への進入を阻止する遮光部と、を設けておき、
前記複数の位置検出用光源のうちの少なくとも一部の位置検出用光源の出射光量の校正については、前記補助光源から出射された光の前記受光素子での検出結果に基づいて行なうことを特徴とする光学式位置検出装置における校正方法。
【請求項13】
検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に受光部を向ける第1光検出器と、前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記第1光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有する光学式位置検出装置の校正方法であって、
前記検出領域に隣接する位置に、前記第1光検出器の中心光軸に直交する方向あるいは前記第1方向に中心光軸を向けた第2光検出器を設けておき、
前記位置検出用光源装置に設けられた複数の位置検出用光源のうちの少なくとも一部の位置検出用光源の出射光量の校正については、前記第2光検出器での受光結果に基づいて行なうことを特徴とする光学式位置検出装置における校正方法。
【請求項1】
検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出するための光学式位置検出装置であって、
前記検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、
前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に受光部を向ける光検出器と、
前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記位置検出用光源装置は、前記検出領域に位置検出光を出射する複数の位置検出用光源と、前記光検出器の受光部に発光部を向けた補助光源と、該補助光源から出射された光の前記検出領域内への進入を阻止する遮光部と、を備えていることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記補助光源は、前記複数の位置検出用光源の少なくとも一部と同時に駆動されることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記光検出器の中心光軸の延在方向および該中心光軸に平行な仮想線の延在方向において前記光検出器が位置する側を第1方向とし、前記光検出器が位置する側とは反対側を第2方向としたとき、
前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源として、前記第1方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第1位置検出用光源と、前記第2方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第2位置検出用光源と、を備え、
前記補助光源は、前記第2位置検出用光源と同時に駆動されることを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記第2位置検出用光源と前記補助光源とは、並列あるいは直列に電気的接続されていることを特徴とする請求項3に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記検出領域は四角形の平面形状を備え、
前記光検出器は、前記検出領域の第1辺部分に隣接する位置において当該第1辺部分に対向する第2辺部分に中心光軸を向けて配置され、
前記第2位置検出用光源は、前記検出領域の前記第1辺部分の両側に位置する2つの第1角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、
前記第1位置検出用光源は、前記第2辺部分の両側に位置する2つの第2角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、
前記補助光源として、前記2つの第1角部分のうちの一方の第1角部分に相当する位置に設けられた前記第2位置検出用光源と同時に駆動される第1補助光源と、他方の第1角部分に相当する位置に設けられた前記第2位置検出用光源と同時に駆動される第2補助光源と、が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源から放出された前記位置検出光を内部に採り込んで光出射面から出射する導光板を備え、
当該導光板の前記光出射面に平面視で重なる位置に前記検出領域が設けられていることを特徴とする1乃至5の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
検出領域内の対象物体の位置を光学的に検出するための光学式位置検出装置であって、
前記検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、
前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に中心光軸を向ける第1光検出器と、
前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記第1光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記位置検出用光源装置は、前記位置検出光を放出する複数の位置検出用光源を備え、
前記検出領域に隣接する位置には、前記第1光検出器の中心光軸に直交する方向、あるいは前記第1方向に中心光軸を向けた第2光検出器を備えていることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項8】
前記第1光検出器の中心光軸の延在方向および該中心光軸に平行な仮想線の延在方向において前記第1光検出器が位置する側を第1方向とし、前記第1光検出器が位置する側とは反対側を第2方向としたとき、
前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源として、前記第1方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第1位置検出用光源と、前記第2方向に発光部を向けて前記位置検出光を放出する第2位置検出用光源と、を備えていることを特徴とする請求項7に記載の光学式位置検出装置。
【請求項9】
前記検出領域は四角形の平面形状を備え、
前記第1光検出器は、前記検出領域の第1辺部分に隣接する位置において当該第1辺部分に対向する第2辺部分に中心光軸を向けて配置され、
前記第2位置検出用光源は、前記検出領域の前記第1辺部分の両側に位置する2つの第1角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、
前記第1位置検出用光源は、前記第2辺部分の両側に位置する2つの第2角部分に相当する位置で発光部を前記検出領域の対角方向に向けて配置され、
前記第2光検出器は、前記検出領域の4つの辺部分のうち、前記第1辺部を除く3つの辺部分のいずれかに隣接する位置に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の光学式位置検出装置。
【請求項10】
前記位置検出用光源装置は、前記位置検出用光源から放出された前記位置検出光を内部に採り込んで光出射面から出射する導光板を備え、
当該導光板の前記光出射面に平面視で重なる位置に前記検出領域が設けられていることを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き表示装置であって、
前記検出領域に対して平面的に重なる領域に画像を形成する画像生成装置を有していることを特徴とする位置検出機能付き表示装置。
【請求項12】
検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に受光部を向ける光検出器と、前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有する光学式位置検出装置の校正方法であって、
前記位置検出用光源装置には、前記位置検出光を出射する複数の位置検出用光源と、前記光検出器の受光部に発光部を向けた補助光源と、該補助光源から出射された光の前記検出領域内への進入を阻止する遮光部と、を設けておき、
前記複数の位置検出用光源のうちの少なくとも一部の位置検出用光源の出射光量の校正については、前記補助光源から出射された光の前記受光素子での検出結果に基づいて行なうことを特徴とする光学式位置検出装置における校正方法。
【請求項13】
検出領域に位置検出光を出射して当該検出領域に前記位置検出光の強度分布を形成する位置検出用光源装置と、前記検出領域に隣接する位置で当該検出領域に受光部を向ける第1光検出器と、前記対象物体で反射した前記位置検出光の前記第1光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有する光学式位置検出装置の校正方法であって、
前記検出領域に隣接する位置に、前記第1光検出器の中心光軸に直交する方向あるいは前記第1方向に中心光軸を向けた第2光検出器を設けておき、
前記位置検出用光源装置に設けられた複数の位置検出用光源のうちの少なくとも一部の位置検出用光源の出射光量の校正については、前記第2光検出器での受光結果に基づいて行なうことを特徴とする光学式位置検出装置における校正方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−65408(P2011−65408A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215379(P2009−215379)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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