説明

光送受信装置

【課題】送受信特性に影響を与えることなく全長の短尺化が可能な1芯双方向用の光送受信装置を提供する。
【解決手段】本発明の光送受信装置は、発光部10および光ファイバ40の端面の間の光軸上に、偏光依存性波長分離膜30を形成した磁石フリーファラデー回転子20を配置し、発光部10から出力される第1波長の光L1の偏光面をファラデー回転子20で略45°回転した後に、該光L1がP偏光として偏光依存性波長分離膜30に入射される。偏光依存性波長分離膜30は、第1波長のP偏光を透過すると共に、第1波長のS偏光および光ファイバ40から出力される第2波長の光L2を反射する特性をもつ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ通信に使用する光送受信装置に関し、特に、1芯の光ファイバを用いて双方向に伝送される光を送受信する光送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来の1芯双方向用の光送受信装置の構成例を示す断面図である。
【0003】
図6において、従来の光送受信装置は、筐体161の一端に発光部110が固定されており、該発光部110から出力される光L1が光アイソレータ120に入力される。光アイソレータ120は、入力光L1の光軸方向に配置された偏光子121、ファラデー回転子122および検光子123、並びに、ファラデー回転子122に一定の磁界を与える磁石124を有し、それらを格納するケース125が筐体161内に例えば接着または溶接にて固定されている。なお、ケース125が発光部110に固定される場合もある。この光アイソレータ120は、発光部110からの光L1を透過し、発光部110への反射戻り光を抑止する機能をもつ。光アイソレータ120を透過した光L1は、波長分離部130を介して光ファイバ140に入力される。波長分離部130は、例えば図7に示すような透過波長特性を有する波長分離膜131を透明な平板132上に形成し、それを筐体61内の所定位置に接着固定したものであり、波長λ1の光L1は波長分離膜131を透過し、波長λ2の光L2は波長分離膜131で反射される。光ファイバ140は、先端部分を囲むフェルール141を有し、フェルール保持部材162を介して筐体161の他端に固定されている。光ファイバ140内を光L1とは逆方向に伝搬して光ファイバ140の端面から出力される波長λ2の光L2は、波長分離膜131で反射されて受光部150に入力される。受光部150は、筐体161の側面に固定されており、波長分離膜131からの反射光をレンズで集光して受光素子で受光する。これにより一芯双方向の光通信が実現される(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2000−180671号公報
【特許文献2】特開2005−222050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、上記図6に示したような光送受信装置を搭載した光トランシーバーモジュールにおいて、システムの小型化による高密度実装が主流になりつつあり、光送受信装置の小型化に対する要求が強くなってきている。具体的には、光トランシーバーモジュールがプラガブル形態に移行してきており、光送受信装置の全長の短尺化が重要な課題の1つとなっている。
【0005】
上記のような従来の光送受信装置の構成について、全長の短尺化を実現するための対策としては、例えば、焦点距離の短いレンズを搭載した発光部110を使用することにより、該発光部110と光ファイバ140の端面との間の距離を短くすることが考えられる。しかしながら、発光部110と光ファイバ140の端面との間の光軸上には、光アイソレータ120および波長分離部130を挿入するためのスペース、並びに、発光部110の焦点距離のばらつきに応じて光ファイバ140の端面位置を光軸方向に調整するためのスペースを確保する必要があり、上記の対策による全長の短尺化には制約がある。例えば、光アイソレータ120の挿入スペースについて詳しく説明すると、一般的に入手可能な光アイソレータを使用する場合、発光部110と光ファイバ140の端面との間には約1.5mmの物理的なスペースが必要であり、かつ、屈折率(約1.5〜2.3)の観点より光路長を試算すると約2mmのスペースが必要となる。
【0006】
本発明は上記の点に着目してなされたもので、送受信特性に影響を与えることなく全長の短尺化が可能な1芯双方向用の光送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため本発明は、光ファイバに第1波長の光を送信すると共に、該第1波長の光とは逆方向に光ファイバ内を伝送された、前記第1波長とは異なる第2波長の光を受信する光送受信装置において、前記第1波長の直線偏光を前記光ファイバの端面に向けて出力する発光部と、前記発光部および前記光ファイバの端面の間の光軸上に配置され、該光軸に平行に伝搬する光の偏光面を一方向に略45°回転させるファラデー回転部と、前記ファラデー回転部および前記光ファイバの端面の間の光軸上に位置し、かつ、前記発光部から出力され前記ファラデー回転部を通過した前記第1波長の光がP偏光として入射するように配置され、前記第1波長のP偏光を透過して前記光軸と同じ方向に出射すると共に、前記第1波長のS偏光および前記第2波長の光を反射して前記光軸とは異なる方向に出射する特性をもつ偏光依存波長分離部と、前記光ファイバの端面から出力され前記偏光依存波長分離部で反射された前記第2波長の光を受光する受光部と、を備えて構成される。
【0008】
上記のような構成の光送受信装置では、発光部から出力された第1波長の直線偏光が、ファラデー回転部に入力されて偏光面が一方向に略45°回転された後に、当該光が偏光依存波長分離部にP偏光として入射され、該偏光依存波長分離部を透過して光ファイバの端面に入力される。一方、光ファイバ内を第1波長の光とは逆方向に伝送された第2波長の光は、光ファイバの端面から出力され、偏光依存波長分離部で反射されて受光部で受光される。また、光ファイバを伝搬する第1波長の光の反射戻り光は、ランダムな偏光状態で光ファイバの端面から出力されて偏光依存波長分離部に入射し、そのP偏光成分が偏光依存波長分離部を透過して、ファラデー回転部で偏光面が一方向に略45°回転されて発光部に入力するようになるが、その反射戻り光の偏光面は、発光部で発生する光の偏光面と直交するため、発光部の動作に実質的な影響を及ぼすことはない。
【発明の効果】
【0009】
上記のように本発明の光送受信装置によれば、従来と同様の機能を維持したまま光学部品数を削減することができ、発光部と光ファイバの端面との間に確保しなければならないスペースを縮小して全長の短尺化を実現することが可能になる。これにより、プラガブル形態のモジュール等に搭載可能な小型の1芯双方向用光送受信装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、全図を通して同一の符号は同一または相当部分を示すものとする。
【0011】
図1は、本発明の第1実施形態による光送受信装置の構成を示す断面図である。
【0012】
図1において、本実施形態の光送受信装置は、例えば、発光部10、磁石フリーファラデー回転子20、偏光依存波長分離膜30、光ファイバ40、フェルール41、受光部50、筐体61およびフェルール保持部材62を備えて構成される。
【0013】
発光部10は、半導体レーザ(LD)等により発光される第1波長λ1(例えば、1.49μmなど)の直線偏光L1を光ファイバ40の端面に向けて出力する。この発光部10は、筐体61の一端に例えば溶接にて固定されている。
【0014】
磁石フリーファラデー回転子20は、発光部10および光ファイバ40の端面の間の光軸上に配置され、該光軸に平行に伝搬する光の偏光面を一方向に略45°回転させることが可能な磁石を必要としないファラデー回転子であり、例えば、グラノプト(GRANOPT)社製の磁石不要タイプFR(Magnet-Free Faraday Rotator)などを使用することが可能である。
【0015】
偏光依存波長分離膜30は、ここでは、磁石フリーファラデー回転子20の光ファイバ40側に位置する平面上に形成されており、その透過特性が波長依存性および偏光依存性を有する光デバイスである。図2は、偏光依存波長分離膜30の透過特性を示したものである。このように、偏光依存波長分離膜30は、P偏光に対する透過波長特性(実線)とS偏光に対する透過波長特性(破線)とが波長λ1の付近で異なっており、波長λ1の光L1のうちのP偏光は透過、S偏光は反射となる。また、波長λ2の光L2に対しては偏光状態に関係なく反射となる。上記のような偏光依存波長分離膜30の具体例としては、エプソントヨコム社製のダイクロイックプリズムなどを用いることが可能である。
【0016】
上記の偏光依存波長分離膜30が一平面に形成された磁石フリーファラデー回転子20は、発光部10からの光L1の光軸方向に対して偏光依存波長分離膜30の形成面の法線方向を約45°傾けた状態で、かつ、磁石フリーファラデー回転子20により略45°の偏光回転を受けた光L1が偏光依存波長分離膜30にP偏光として与えられるように、筐体61内の所定位置に固定されている。
【0017】
光ファイバ40は、先端部分を囲むフェルール41を有し、フェルール保持部材62を介して筐体61の他端に固定されている。光ファイバ40の端面の位置は、筐体61に対する発光部10の固定位置に応じてフェルール保持部材62の固定位置を調整すると共に、発光部10に内蔵された図示しないレンズの焦点距離に応じてフェルール保持部材62内のフェルール41の固定位置を調整することにより、発光部10からの光L1が所要の結合効率で端面に入力するように光軸調整されている。
【0018】
受光部50は、偏光依存波長分離膜30で反射された光をレンズで集光して図示しない受光素子で受光する一般的な光部品であり、筐体61の側面に例えば溶接にて固定されている。
【0019】
次に、第1実施形態の動作について説明する。
【0020】
上記のような構成の光送受信装置では、発光部10から出力された波長λ1の直線偏光L1が、磁石フリーファラデー回転子20に入力されて偏光面が一方向に略45°回転された後に偏光依存波長分離膜30に与えられる。このとき、偏光依存波長分離膜30は、入射する光L1がP偏光となるように配置されているため、上記図2の実線に示したように波長λ1の光L1は偏光依存波長分離膜30を透過し、光ファイバ40の端面に到達して光ファイバ40内を伝搬するようになる。
【0021】
一方、上記波長λ1の光L1とは逆方向に光ファイバ40内を伝送された波長λ2の光は、ランダムな偏光状態で光ファイバ40の端面から出力され、偏光依存波長分離膜30に到達する。偏光依存波長分離膜30に入射した波長λ2の光L2は、上記図2に示したように偏光依存波長分離膜30が任意の偏光状態の波長λ2の光に対して低い透過率をもつので、偏光依存波長分離膜30で反射されて進行方向が略直角に曲げられ、受光部50で受光される。このとき、磁石フリーファラデー回転子20を使用するので、光L2の光路を確保するために複雑な構造の磁石を使用する必要がない。
【0022】
また、上記光ファイバ40を伝搬する波長λ1の光L1は外部の要因で反射され、その戻り光が光ファイバ40の端面から出力される可能性がある。このような場合、波長λ1の反射戻り光は、ランダムな偏光状態で偏光依存波長分離膜30に入射し、偏光依存波長分離膜30のP偏光に相当する成分が偏光依存波長分離膜30を透過し、S偏光に相当する成分が偏光依存波長分離膜30で反射される。偏光依存波長分離膜30を透過した波長λ1の反射戻り光は、磁石フリーファラデー回転子20で偏光面が一方向に略45°回転されて発光部10に入力するようになる。しかしながら、発光部10に入力する反射戻り光の偏光面は、発光部10で発生する光L1の偏光面に対して直交する関係となるため、発光部10の動作に実質的な影響を及ぼすことはない。
【0023】
上記のように本光送受信装置によれば、上述の図6に示した従来の構成における光アイソレータ120の構成要素うちの偏光子121および検光子123を省略し、ファラデー回転子122および磁石124に代えて磁石フリーファラデー回転子20を用い、さらに、該磁石フリーファラデー回転子20の光ファイバ40側の一平面に偏光依存波長分離膜30を形成することで、従来と同様の機能を維持したまま、光学部品数を削減することができ、1芯双方向用光送受信装置の小型化を図ることが可能になる。具体的な一例を挙げると、偏光子121および検光子123の削減により、屈折率を考慮した光路長において、発光部10と光ファイバ40の端面との間の距離を約1.3mm短くすることが可能である。
【0024】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0025】
図3は、本発明の第2実施形態による光送受信装置の構成を示す断面図である。
【0026】
図3において、本実施形態の光送受信装置は、前述の図1に示した第1実施形態の構成について、光ファイバ40およびフェルール41の端面に直角プリズム71を設け、磁石フリーファラデー回転子20に形成された偏光依存波長分離膜30を直角プリズム71の斜面に固定すると共に、直角プリズム71の受光部50に対向する面に波長分離膜72を形成するようにしたものである。
【0027】
直角プリズム71は、直角二等辺三角柱の形状を有する一般的なプリズムである。この直角プリズム71は、光ファイバ40と同じ屈折率をもつようにするのが好ましい。波長分離膜72は、例えば図4に示すような透過波長特性を有し、波長λ2の光を透過し、波長λ1の光を反射する。なお、この波長分離膜72には偏光依存性がない。
【0028】
前述した第1実施形態の構成では、偏光依存波長分離膜30で反射された波長λ1の反射戻り光のS偏光成分が受光部50に入力し、受光部50を誤動作させてしまう可能性がある。そこで、本実施形態の光送受信装置では、偏光依存波長分離膜30、光ファイバ40および受光部50の間の空間に直角プリズム71を配置し、該直角プリズム71の受光部50に対向する面に、波長λ2の光を透過し波長λ1の光を反射する波長分離膜72を設けることにより、波長λ1の反射戻り光の受光部50への入力を防ぎ、受光部50の誤動作を回避可能にしている。また、光ファイバ40と同じ屈折率をもつ直角プリズム71を用いているので、光ファイバ40と空気の屈折率差による損失を防ぐことも可能になる。さらに、上記直角プリズム71を光ファイバ40およびフェルール41の端面に固定し、該直角プリズム71の斜面に偏光依存波長分離膜30を固定するようにしたことで、光ファイバ40と受光部50とに対する、磁石フリーファラデー回転子20および偏光依存波長分離膜30の位置決めを容易に行うことができるため、生産性の向上を図ることも可能になる。
【0029】
なお、上記の第2実施形態では、直角プリズム71に波長分離膜72を設けるようにしたが、直角プリズム71を設ける前の第1実施形態の構成において、偏光依存波長分離膜30と受光部50の間の空間に、ガラス板等に形成した波長分離膜を配置することも勿論可能である。
【0030】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0031】
図5は、本発明の第3実施形態による光送受信装置の構成を示す断面図である。
【0032】
図5において、本実施形態の光送受信装置は、前述の図3に示した第2実施形態の構成について、直角プリズム71と同様の直角プリズム73を追加し、2つの直角プリズム71,73の斜面を向かい合わせにしてその間に偏光依存波長分離膜30を形成し、直角プリズム73の発光部10に対向する面に磁石フリーファラデー回転子20を固定するようにしたものである。具体的に、2つの直角プリズム71,73を組み合わせたキューブ型のプリズムの大きさが、例えば約1mm角であるとすると、磁石フリーファラデー回転子20は約0.5mmの厚みで上記プリズムの外形に対応した約1mm角のサイズのものを用いることが可能である。
【0033】
なお、磁石フリーファラデー回転子20の特性は、第1,2実施形態の場合と同様に、発光部10から出力される光L1の光軸方向に平行に伝搬する光の偏光面を一方向に略45°回転させるものとなっている。また、偏光依存波長分離膜30および波長分離膜72の特性も第1,2実施形態の場合と同様である(図2および図4参照)。
【0034】
上記のような構成の光送受信装置によれば、前述した第2実施形態の場合と同様の作用効果を得ることが可能である。
【0035】
以上、本明細書で開示した主な発明について以下にまとめる。
【0036】
(付記1) 光ファイバに第1波長の光を送信すると共に、該第1波長の光とは逆方向に光ファイバ内を伝送された、前記第1波長とは異なる第2波長の光を受信する光送受信装置において、
前記第1波長の直線偏光を前記光ファイバの端面に向けて出力する発光部と、
前記発光部および前記光ファイバの端面の間の光軸上に配置され、該光軸に平行に伝搬する光の偏光面を一方向に略45°回転させるファラデー回転部と、
前記ファラデー回転部および前記光ファイバの端面の間の光軸上に位置し、かつ、前記発光部から出力され前記ファラデー回転部を通過した前記第1波長の光がP偏光として入射するように配置され、前記第1波長のP偏光を透過して前記光軸と同じ方向に出射すると共に、前記第1波長のS偏光および前記第2波長の光を反射して前記光軸とは異なる方向に出射する特性をもつ偏光依存波長分離部と、
前記光ファイバの端面から出力され前記偏光依存波長分離部で反射された前記第2波長の光を受光する受光部と、
を備えて構成されたことを特徴とする光送受信装置。
【0037】
(付記2) 付記1に記載の光送受信装置であって、
前記ファラデー回転部は、磁石フリーファラデー回転子を用いて構成され、
前記偏光依存波長分離部は、前記磁石フリーファラデー回転子の前記光ファイバ側に位置する平面上に固定されたことを特徴とする光送受信装置。
【0038】
(付記3) 付記2に記載の光送受信装置であって、
前記磁石フリーファラデー回転子は、前記発光部および前記光ファイバの端面の間の光軸方向に対して、前記偏光依存波長分離部が固定された平面の法線方向を略45°傾けて配置されたことを特徴とする光送受信装置。
【0039】
(付記4) 付記1に記載の光送受信装置であって、
前記偏光依存波長分離部および前記受光部の間に配置され、前記第2波長の光を透過し、前記第1波長の光を反射する透過特性をもつ波長分離部を備えたことを特徴とする光送受信装置。
【0040】
(付記5) 付記4に記載の光送受信装置であって、
前記光ファイバの端面に固定された第1直角プリズムを備え、
前記偏光依存波長分離部は、前記第1直角プリズムの斜面に固定され、
前記波長分離部は、前記第1直角プリズムの前記受光部に対向する面に固定されたことを特徴とする光送受信装置。
【0041】
(付記6) 付記5に記載の光送受信装置であって、
前記ファラデー回転部は、磁石フリーファラデー回転子を用いて構成され、
前記偏光依存波長分離部は、前記磁石フリーファラデー回転子の前記光ファイバ側に位置する平面と前記第1直角プリズムの斜面との間に固定されたことを特徴とする光送受信装置。
【0042】
(付記7) 付記5に記載の光送受信装置であって、
前記第1直角プリズムは、前記光ファイバと同じ屈折率を有することを特徴とする光送受信装置。
【0043】
(付記8) 付記4に記載の光送受信装置であって、
前記光ファイバの端面に固定された第1直角プリズムと、
前記第1直角プリズムに対して互いの斜面を向かい合わせにして配置された第2直角プリズムと、を備え、
前記偏光依存波長分離部は、前記第1および第2直角プリズムの斜面の間に固定され、
前記ファラデー回転部は、前記第2直角プリズムの前記発光部に対向する面に固定され、
前記波長分離部は、前記第1直角プリズムの前記受光部に対向する面に固定されたことを特徴とする光送受信装置。
【0044】
(付記9) 付記8に記載の光送受信装置であって、
前記第1および第2直角プリズムは、前記光ファイバと同じ屈折率を有することを特徴とする光送受信装置。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態による光送受信装置の構成を示す断面図である。
【図2】上記第1実施形態における偏光依存波長分離膜の透過特性を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態による光送受信装置の構成を示す断面図である。
【図4】上記第2実施形態における波長分離膜の透過特性を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態による光送受信装置の構成を示す断面図である。
【図6】従来の1芯双方向用光送受信装置の構成例を示す断面図である。
【図7】従来の光送受信装置における波長分離膜の特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
10…発光部
20…磁石フリーファラデー回転子
30…偏光依存波長分離膜
40…光ファイバ
41…フェルール
50…受光部
61…筐体
62…フェルール保持部材
71,73…直角プリズム
72…波長分離膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバに第1波長の光を送信すると共に、該第1波長の光とは逆方向に光ファイバ内を伝送された、前記第1波長とは異なる第2波長の光を受信する光送受信装置において、
前記第1波長の直線偏光を前記光ファイバの端面に向けて出力する発光部と、
前記発光部および前記光ファイバの端面の間の光軸上に配置され、該光軸に平行に伝搬する光の偏光面を一方向に略45°回転させるファラデー回転部と、
前記ファラデー回転部および前記光ファイバの端面の間の光軸上に位置し、かつ、前記発光部から出力され前記ファラデー回転部を通過した前記第1波長の光がP偏光として入射するように配置され、前記第1波長のP偏光を透過して前記光軸と同じ方向に出射すると共に、前記第1波長のS偏光および前記第2波長の光を反射して前記光軸とは異なる方向に出射する特性をもつ偏光依存波長分離部と、
前記光ファイバの端面から出力され前記偏光依存波長分離部で反射された前記第2波長の光を受光する受光部と、
を備えて構成されたことを特徴とする光送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光送受信装置であって、
前記ファラデー回転部は、磁石フリーファラデー回転子を用いて構成され、
前記偏光依存波長分離部は、前記磁石フリーファラデー回転子の前記光ファイバ側に位置する平面上に固定されたことを特徴とする光送受信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光送受信装置であって、
前記偏光依存波長分離部および前記受光部の間に配置され、前記第2波長の光を透過し、前記第1波長の光を反射する透過特性をもつ波長分離部を備えたことを特徴とする光送受信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の光送受信装置であって、
前記光ファイバの端面に固定された第1直角プリズムを備え、
前記偏光依存波長分離部は、前記第1直角プリズムの斜面に固定され、
前記波長分離部は、前記第1直角プリズムの前記受光部に対向する面に固定されたことを特徴とする光送受信装置。
【請求項5】
請求項3に記載の光送受信装置であって、
前記光ファイバの端面に固定された第1直角プリズムと、
前記第1直角プリズムに対して互いの斜面を向かい合わせにして配置された第2直角プリズムと、を備え、
前記偏光依存波長分離部は、前記第1および第2直角プリズムの斜面の間に固定され、
前記ファラデー回転部は、前記第2直角プリズムの前記発光部に対向する面に固定され、
前記波長分離部は、前記第1直角プリズムの前記受光部に対向する面に固定されたことを特徴とする光送受信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−262109(P2008−262109A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−106093(P2007−106093)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】