説明

免疫抑制剤化合物および組成物

本発明は、免疫抑制剤、それらの製造、それらの使用およびそれらを含む医薬組成物に関する。本発明は、リンパ球相互作用が仲介する疾患または障害、特に疾患EDG受容体仲介シグナル伝達が関連する疾患の処置または予防に有用な新規クラスの化合物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年8月23日出願の米国仮出願60/710,781の優先権の利益を主張する。Tこれらの出願の全部の記載は、引用により、その全体として、かつすべての目的に関して、本明細書に包含される。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、リンパ球相互作用が仲介する疾患または障害、特にEDG受容体仲介シグナル伝達が関連する疾患の処置に有用な新規クラスの免疫抑制剤化合物を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景
EDG受容体は、密接に関係した、脂質活性化G−タンパク質共役受容体のファミリーに属する。EDG−1、EDG−3、EDG−5、EDG−6、およびEDG−8(各々S1P1、S1P3、S1P2、S1P4、およびS1P5とも呼ばれる)は、スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)に特異的な受容体として同定されている。EDG2、EDG4、およびEDG7(各々LPA1、LPA2、およびLPA3とも呼ばれる)は、リゾホスファチジン酸(LPA)に特異的な受容体である。S1P受容体アイソタイプの中で、EDG−1、EDG−3およびEDG−5は種々の組織に広く発現し、一方EDG−6の発現は、主としてリンパ組織および血小板に限定され、そしてEDG−8は中枢神経系に限定される。EDG受容体はシグナル伝達を担い、細胞発達、増殖、維持、遊走、分化、可塑性およびアポトーシスを含む細胞過程にお重要な役割を有すると考えられる。ある種のEDG受容体は、例えば、移植拒絶、自己免疫性疾患、炎症性疾患、感染症および癌におけるリンパ球相互作用が仲介する疾患に関連する。EDG受容体活性の変化は、このような疾患の病状および/または症状に関与する。従って、それ自体EDG受容体を変える分子は、このような疾患の処置における治療剤として有用である。
【発明の開示】
【0004】
発明の要約
本発明は、式Ia、Ib、IcおよびId:
【化1】

〔式中、
Aは、シアノ、−XC(O)OR、−XOP(O)(OR)、−XP(O)(OR)、−XP(O)OR、−XS(O)OR、−XP(O)(R)OR、−XC(O)NR、−XC(O)NROR、−XC(O)NRC(O)OR、−XC(O)XC(O)OR、および1H−テトラゾール−5−イルから選択され;ここで、各Xは、独立して結合、C1−3アルキレンおよびC2−3アルケニレンから選択され、そして各Rは、独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;ここで、Aの全てのNR部分におけるRおよびXのアルキレン水素は:
【化2】

のような環状基を形成でき
【0005】
Bは、−CR=CR−、−CR=N−、−N=CR−、−S−および−NR−から選択され;ここで、RおよびRは、独立して水素、ハロおよびC1−6アルキルから選択され;
Cは、=CR−および=N−から選択され;ここで、Rは、水素、ハロゲン、およびC1−6アルキルから選択され;
Lは、−XOX−、−XNR−、−XC(O)NR−、−XNRC(O)X−および−XS(O)0−2−から選択され;ここで、各XおよびXは、独立して結合、C1−3アルキレンおよびC2−3アルケニレンから選択され;そしてRは、水素およびC1−6アルキルから選択され;
Yは、結合、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR−、メチレンおよびエチレンから選択され;ここで、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され;
nは、0、1、2および3から選択され;
は、C6−10アリールおよびC1−10ヘテロアリールから選択され;ここで、Rの全てのアリールまたはヘテロアリールは、所望によりC6−10アリールC0−4アルキル、C5−6ヘテロアリールC0−4アルキル、C3−8シクロアルキルC0−4アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−4アルキルおよびC1−10アルキルから選択されるラジカルで置換されていてよく;ここで、RまたはRの置換基の全てのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基は、所望によりハロ、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、ハロ置換C1−10アルキルおよびハロ置換C1−10アルコキシから独立して選択される1〜5個のラジカルで置換されていてよく;そして、Rの全てのアルキル基は、所望により−S(O)0−2−、−NR−および−O−から選択される原子または基で置換されたメチレンを有してよく;ここで、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、ハロ、シアノ、ニトロ、C1−6アルコキシおよびC1−6アルキルから選択され;そして式IaおよびIbのフェニル環は所望により窒素で置換された3個までの=C−基を有してよい。〕
の化合物およびそれらのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、被保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物;およびそのような化合物の薬学的に許容される塩および溶媒和物(例えば水和物)に関する。
【0006】
本発明の第二の局面は、式Iの化合物またはそれらのN−オキシド誘導体、個々の異性体または異性体混合物、または薬学的に許容されるそれらの塩を1種以上の適当な賦形剤と共に含む、医薬組成物である。
【0007】
本発明の第三の局面は、動物におけるEDG受容体仲介シグナル伝達の変化が疾患の病状および/または症状を予防、阻止または軽減できる疾患を処置する方法であって、該動物に治療的有効量の式Iの化合物またはそれらのN−オキシド誘導体、個々の異性体または異性体混合物;または薬学的に許容されるそれらの塩を投与することを含む方法である。
【0008】
本発明の第四の局面は、動物におけるEDG受容体仲介シグナル伝達の変化が疾患の病状および/または症状に関与する疾患の処置用薬剤の製造のための式Iの化合物の使用である。
【0009】
本発明の第五の局面は、式Iの化合物およびそれらのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、被保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物;およびそれらの薬学的に許容される塩の製造方法である。
【0010】
好ましい態様の記載
本発明は、リンパ球相互作用が仲介する疾患または障害の処置および/または予防に有用な化合物を提供する。そのような疾患または障害の処置方法も提供される。
【0011】
定義
本明細書において、他に定義しない限り:
基としてまたは他の基、例えばハロ置換アルキル、アルコキシ、アシル、アルキルチオ、アルキルスルホニルおよびアルキルスルフィニルの構成要素としての“アルキル”は、直鎖でも分枝鎖でもよい。基としてまた他の基の構成要素としての“アルケニル”は、1個以上の炭素−炭素2重結合を含み、そして直鎖でも分枝鎖でもよい。全ての2重結合はcis−またはtrans−配置であり得る。好ましいアルケニル基はビニルである。基としてまた他の基の構成要素としての“アルキニル”は、少なくとも1個のC≡C 3重結合を含み、C=C 2重結合を含んでもよく、そして可能である限り、直鎖でも分枝鎖でもよい。好ましいアルキニル基はプロパルギルである。全てのシクロアルキル基は、単独でまたは他の基の構成要素として、3〜8個の炭素原子、好ましくは3〜6個の炭素原子を含む。“アルキレン”および“アルケニレン”は、各々“アルキル”および“アルケニル”基由来の2価ラジカルである。本明細書において、Rの全てのアルキル基は、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR−および−O−(ここで、Rは水素またはC1−6アルキルである)から選択される群のメンバーにより所望により中断されていてよい。これらの基は−CH−O−CH−、−CH−S(O)−CH−、−(CH)−NR−CH−、−CH−O−(CH)−などを含む。
【0012】
“アリール”は、6〜10個の環炭素原子を含む、単環式または縮合二環式芳香環集合体を意味する。例えば、C6−12アリールはフェニル、ビフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。“アリーレン”は、アリール基由来の2価ラジカルを意味する。例えば、本明細書で使用するアリーレンは、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレンなどであり得る。
【0013】
“ハロ”または“ハロゲン”はF、Cl、BrまたはI、好ましくはFまたはClを意味する。ハロ置換されたアルキル基および化合物は部分的にハロゲン化または過ハロゲン化されていてよく、複数のハロゲン化の場合、ハロゲン置換基は同一でも異なってもよい。好ましい過ハロゲン化アルキル基は、例えばトリフルオロメチルである。
【0014】
“ヘテロアリール”は、示す1個以上の環炭素原子がN、OまたはSから選択されるヘテロ原子部分で置換されている以外、本明細書において定義のアリールを意味し、そして、特記しない限り各環は5〜6個の環原子から成る。例えば、本明細書で使用するC1−10ヘテロアリールは、チオフェニル、ピリジニル、フラニル、イソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリルまたはベンゾ[1,3]ジオキソリル、好ましくはチオフェニル、フラニルまたはピリジニルを含む。“ヘテロアリーレン”は、環集合体が2価ラジカルから成る以外、本明細書において定義のヘテロアリールである。
【0015】
本明細書で使用する、EDG−1選択的化合物(薬剤またはモジュレーター)は、EDG−3を越えて、EDG−5、EDG−6、およびEDG−8の1種以上を越えて、EDG−1に特異性を有する。ここで使用する、他のEDG受容体(“非選択的受容体”)を越える1種のEDG受容体(“選択的受容体”)に対する選択性は、該化合物が、選択的EDG受容体(例えば、EDG−1)が仲介する活性の誘導において、非選択的S1P特異的EDG受容体のそれよりも遙かに高い効果を有することを意味する。GTP−γS結合アッセイ(下記実施例に記載)において、EDG−1選択的化合物は、選択的受容体(EDG−1)に対して、非選択的受容体(例えば、1種以上のEDG−3、EDG−5、EDG−6、およびEDG−8)に対するそのEC50(最大応答の50%をもたらす有効濃度)よりも少なくとも5、10、25、50、100、500、または1000倍低いEC50を有する。
【0016】
発明の詳細な記載
本発明は、リンパ球相互作用が仲介する疾患または障害の処置または予防に有用な化合物を提供する。
【0017】
一つの態様は、式Ia、Ib、IcおよびIdの化合物に関して:Aが、シアノ、−XC(O)OR、−XOP(O)(OR)、−XP(O)(OR)、−XP(O)OR、−XS(O)OR、−XP(O)(R)OR、−XC(O)NR、−XC(O)NROR、−XC(O)NRC(O)OR、−XC(O)XC(O)OR、および1H−テトラゾール−5−イルから選択され;ここで、各Xが、独立して結合、C1−3アルキレンおよびC2−3アルケニレンから選択され、そして各Rが、独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;ここで、Aの全てのNR部分におけるRおよびXのアルキレン水素が環状基を形成できる化合物である。
【0018】
他の態様において、nが、0および1から選択され;Rが、C6−10アリールおよびC1−10ヘテロアリールから選択され;ここで、Rの全てのアリールまたはヘテロアリールが、所望によりC6−10アリールC0−4アルキル、C5−6ヘテロアリールC0−4アルキル、C3−8シクロアルキルC0−4アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−4アルキルおよびC1−10アルキルから選択されるラジカルで置換されていてよく;ここで、RまたはRの置換基の全てのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基が、所望によりハロ、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、ハロ置換C1−10アルキルおよびハロ置換C1−10アルコキシから独立して選択される1〜5個のラジカルで置換されていてよく;そして、Rの全てのアルキル基が、所望により−S(O)0−2−、−NR−および−O−から選択される原子または基で置換されたメチレンを有してよく;ここで、Rが、水素およびC1−6アルキルから選択され;そしてRが、ハロおよびC1−6アルキルから選択される。
【0019】
他の態様において、Aが、シアノ、−COOH、−CHC(O)OH、−(CH)C(O)OH、−C(O)NH、−C(O)NH(CH)OH、−C(O)NH(CH)OH、−C(O)NH(CH)C(O)OH、−C(O)(CH)C(O)OH、3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボニルおよびテトラゾリルから選択される。
【0020】
他の態様において、Rがハロ、メチル、トリフルオロメチル、チアゾリルおよび所望によりハロまたはメチルで置換されていてよいフェニルから独立して選択される1〜2個のラジカルで所望により置換されていてよいフェニルであり;そしてRがハロである。
【0021】
好ましい本発明の化合物は5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;2−[4−(3'−メチル−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−1H−イミダゾール−4−カルボン酸;{5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−3−イル}−酢酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリジン;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸アミド;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸;5−[4−(3'−メチル−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[2−クロロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ニコチン酸;5−[2−フルオロ−4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[2−フルオロ−4−(4−チアゾル−2−イル−3−トリフルオロメチル−フェノキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシ)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−フェノキシメチル)−2−フルオロ−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボニトリル;5−[2−クロロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−1−オキシ−ピリジン−2−カルボン酸;4−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−3−イル}−酢酸;3−{5−[4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−イル}−プロピオン酸;3−{5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−イル}−プロピオン酸;3−{5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−イル}−プロピオン酸;3−{5−[2−クロロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−イル}−プロピオン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−2−メチル−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[3−フルオロ−4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;
【0022】
5−[3−クロロ−4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−3−ニトロ−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;3−フルオロ−5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;3−ブロモ−5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェノキシ]−ピリジン−2−カルボン酸;4−(4−オクチルオキシ−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸;3−[4−(4−オクチルオキシ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−プロピオン酸;3−(5−{2−[4−(5−フェニル−ペンチルオキシ)−フェニル]−エチル}−ピリジン−2−イル)−プロピオン酸;3−{4−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピラゾル−1−イル}−プロピオン酸;{4−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピラゾル−1−イル}−酢酸;{4−[4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピラゾル−1−イル}−酢酸;{4−[2−フルオロ−4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピラゾル−1−イル}−酢酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−チアゾール−2−カルボン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリミジン−2−カルボン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピラジン−2−カルボン酸;5−[3−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;4−[3−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;6−[3−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[3−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ニコチン酸;{5−[3−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−3−イル}−酢酸;5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸(3−ヒドロキシ−プロピル)−アミド;3−({5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−プロピオン酸;{5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−イル}−(3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−イル)−メタノン;5−[2−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イル)−ベンゾオキサゾル−6−イル]−ピリジン−2−カルボン酸;4−[5−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−インドル−1−イル]−4−オキソ−酪酸から選択される。
【0023】
さらに好ましい化合物は以下の実施例および表1に示す。
【0024】
本発明は、保護された形態で存在するヒドロキシルまたはアミン基を含む化合物の形を提供する;これらはプロドラッグとして機能する。プロドラッグは、投与後に、1種以上の化学的または生化学的変換を介して活性薬剤に変わる化合物である。請求の化合物に生理学的条件下で容易に変換する本発明の化合物の形は、請求の化合物のプロドラッグであり、本発明の範囲内である。プロドラッグの例は、ヒドロキシル基がアシル化されて、酢酸エステルのような相対的に不安定なエステルを形成する形、およびアミン基が、グリシンまたはセリンのようなL−アミノ酸のカルボン酸基でアシル化され、一般的な代謝酵素による加水分解に特に感受性であるアミド結合を形成する形を含む。
【0025】
式Iの化合物は、遊離形または塩形、例えば無機または有機酸との付加塩で存在できる。ヒドロキシル基が存在するとき、これらの基はまた塩形、例えばアンモニウム塩またはリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛またはマグネシウムのような金属との塩、またはそれらの混合物でも存在できる。水和物または溶媒和物の形の式Iの化合物およびそれらの塩もまた本発明の一部である。
【0026】
式Iの化合物が分子内に不斉中心を有するとき、種々の光学異性体が得られる。本発明はまたエナンチオマー、ラセミ体、ジアステレオ異性体およびそれらの混合物も含む。さらに、式Iの化合物が幾何異性体を含むとき、本発明はcis−化合物、trans−化合物およびそれらの混合物を包含する。上記のような不斉炭素原子または不飽和結合を示す出発物質に関しても同様の考えが適用される。
【0027】
免疫調節状態の処置のための方法および医薬組成物
遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物は、価値ある薬理学的特性、例えば、実施例52のインビトロおよびインビボ試験により示される通り、例えばリンパ球再循環調節特性を示し、故に治療に適応される。式Iの化合物は、好ましくは1×10−11から1×10−5Mの範囲、好ましくは50nM未満のEC50を示す。本化合物は、1種以上のEDG/S1P受容体、好ましくはEDG−1/S1P−1に対する選択性を示す。本発明のEDG−1/S1P−1選択的モジュレーターは、EDG−1/S1P−1および1種以上の他のEDG/S1P受容体(例えば、EDG−3/S1P−3、EDG−5/S1P−2、EDG−6/S1P−4、およびEDG−8/S1P−5)への化合物の結合をアッセイすることにより同定できる。EDG−1/S1P−1選択的モジュレーターは、通常EDG−1/S1P−1受容体に対して1×10−11から1×10−5Mの範囲、好ましくは50nM未満、より好ましくは5nM未満のEC50を有する。それはまた、1種以上の他のEDG/S1P受容体に対して、EDG−1/S1P−1に対するそのEC50よりも少なくとも5、10、25、50、100、500、または1000倍高いEC50を有する。故に、EDG−1/S1P−1調節性化合物のいくつかは、EDG−1/S1P−1に対して5nM未満であるEC50を有し、一方それらの1種以上の他のEDG/S1P受容体に対するEC50は少なくとも100nMまたはそれ以上である。EDG/S1P受容体に対する結合活性のアッセイ以外、EDG−1/S1P−1選択的薬剤は、EDG/S1P受容体が仲介する細胞過程または活性を調節する試験薬剤の能力を試験することによりまた同定できる。
【0028】
式Iの化合物は、故に、リンパ球相互作用が仲介する疾患または障害、例えば移植、例えば、細胞、組織または臓器同種または異種移植の急性または慢性拒絶、または臓器移植後臓器機能障害、移植片対宿主病、自己免疫性疾患、例えばリウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型またはII型糖尿病およびそれらの合併症、脈管炎、悪性貧血、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎、乾癬、グレーブス眼病、円形脱毛症およびその他、アレルギー性疾患、例えばアレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎/結膜炎、アレルギー性接触性皮膚炎、根底に異常な反応があってもよい炎症性疾患、例えば炎症性腸疾患、クローン病または潰瘍性大腸炎、内因性喘息、炎症性肺傷害、炎症性肝臓傷害、炎症性糸球体傷害、アテローム性動脈硬化症、骨関節症、刺激性接触性皮膚炎およびさらなる湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、免疫仲介障害の皮膚発現、炎症性眼疾患、角結膜炎、心筋炎または肝炎、虚血/再潅流傷害、例えば心筋梗塞、卒中、腸虚血、腎不全または出血性ショック、外傷性ショック、T細胞リンパ腫またはT細胞白血病、感染症、例えば毒素ショック(例えば超抗原誘導)、敗血症性ショック、成人呼吸窮迫症候群またはウイルス感染、例えばAIDS、ウイルス性肝炎、慢性細菌感染、または老人性認知症の処置および/または予防に有用である。細胞、組織または固形臓器移植の例は、例えば膵臓島、幹細胞、骨髄、角膜組織、神経組織、心臓、肺、心肺複合、腎臓、肝臓、腸、膵臓、気管または食道を含む。上記の使用のために、必要な投与量はもちろん投与形態、処置すべき特定の状態および望む効果に依存して変化する。
【0029】
さらに、式Iの化合物は、癌化学療法、特に固形腫瘍、例えば乳癌の癌化学療法に、または抗血管形成剤として有用である。
【0030】
必要な投与量はもちろん投与形態、処置すべき特定の状態および望む効果に依存して変化する。一般に、満足行く結果が、約0.03から2.5mg/体重kgの1非投与量で全身的に得られることが示される。大型哺乳動物、例えばヒトにおいて、指示される1日用量は約0.5mgから約100mgの範囲であり、簡便には、例えば、1日4回までの分割量で、または徐放形で投与する。経口投与のための適当な単位投与形態は、約1から50mg活性成分を含む。
【0031】
式Iの化合物は、任意の経路で、特に経腸的に、例えば、経口で、例えば錠剤またはカプセル剤の形で、または非経腸的に、例えば、注射用溶液または懸濁液の形で、局所的に、例えばローション、ゲル、軟膏またはクリームの形で、または経鼻または坐薬形態で投与できる。遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物を少なくとも1種の医薬的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤との混合による慣用の方法で製造できる。
【0032】
式Iの化合物は、例えば、上記の通り、遊離形または薬学的に許容される塩形で投与できる。このような塩は慣用法で製造でき、遊離化合物と同程度の活性を示す。
【0033】
式Iの化合物は、例えば、上記の通り、遊離形または薬学的に許容される塩形で投与できる。このような塩は慣用法で製造でき、遊離化合物と同程度の活性を示す。
【0034】
前記によって、本発明はさらに以下を提供する:
1.1 処置を必要とする対象における、例えば上記のようなリンパ球が仲介する障害または疾患の処置方法であって、該対象に有効量の式Iの化合物または薬学的に許容されるそれらの塩を投与することを含む方法;
【0035】
1.2 処置を必要とする対象における、例えば上記のような急性または慢性移植拒絶反応またはT細胞仲介炎症性または自己免疫性疾患の予防または処置方法であって、該対象に有効量の式Iの化合物または薬学的に許容されるそれらの塩を投与することを含む方法;
【0036】
1.3 処置を必要とする対象における脱制御された血管形成の阻止または制御、例えばスフィンゴシン−1−リン酸(S1P)仲介血管形成を阻害または抑制する方法であって、該対象に有効量の式Iの化合物または薬学的に許容されるそれらの塩を投与することを含む方法。
【0037】
1.4 処置を必要とする対象における新血管形成過程が仲介するまたは脱制御された血管形成と関連する疾患を予防または処置する方法であって、該対象に有効量の式Iの化合物または薬学的に許容されるそれらの塩を投与することを含む方法。
【0038】
2. 医薬として、例えば上記1.1から1.4の下に示す方法のいずれかにおいて使用するための、遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物。
【0039】
3. 遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物を薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、例えば上記1.1から1.4の方法のいずれかにおいて使用するための医薬組成物。
【0040】
4. 上記1.1から1.4の方法のいずれかにおいて使用するための医薬組成物の製造のための、式Iの化合物または薬学的に許容されるそれらの塩。
【0041】
式Iの化合物は唯一の活性成分として、または、例えばアジュバントとして、他の薬剤、例えば同種または異種急性または慢性拒絶反応または炎症性または自己免疫性障害の処置のために例えば免疫抑制剤または免疫調節剤または他の抗炎症剤と組み合わせて、または化学療法剤、例えば悪性細胞抗増殖剤と組み合わせて投与できる。例えば式Iの化合物は、カルシニューリン阻害剤、例えばシクロスポリンAまたはFK 506;mTOR阻害剤、例えばラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、CCI779、ABT578またはAP23573;免疫抑制性特性を有するアスコマイシン、例えばABT−281、ASM981など;コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプレン;メトトレキサート;レフルノミド;ミゾルビン;ミコフェノール酸;ミコフェノール酸モフェチル;15−デオキシスペルグアリンまたはその免疫抑制性相同体、類似体または誘導体;免疫抑制性モノクローナル抗体、例えば白血球受容体、例えばMHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD25、CD28、CD40、CD45、CD58、CD80、CD86またはそれらのリガンドに対するモノクローナル抗体;他の免疫調節性化合物、例えば少なくともCTLA4の細胞外ドメイン部分またはその変異体を有する、例えば非CTLA4タンパク質配列と結合したCTLA4の少なくとも細胞外部分またはその変異体を有する、組み換え結合分子、例えばCTLA4Ig(例えば命名ATCC 68629)またはその変異体、例えばLEA29Y ;接着分子阻害剤、例えばLFA−1アンタゴニスト、ICAM−1または−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストまたはVLA−4アンタゴニスト;または化学療法剤と組み合わせて使用できる。
【0042】
用語“化学療法剤”は全ての化学療法剤を意味し、
i. アロマターゼ阻害剤、
ii. 抗エストロゲン、抗アンドロゲン(とりわけ前立腺癌の場合)またはゴナドレリンアゴニスト、
iii. トポイソメラーゼI阻害剤またはトポイソメラーゼII阻害剤、
iv. 微小管活性剤、アルキル化剤、抗新生物代謝拮抗剤またはプラチン化合物、
v. タンパク質または脂質キナーゼ活性またはタンパク質または脂質ホスファターゼ活性を標的とする/低下させる化合物、さらに抗血管形成化合物または細胞分化過程を誘発する化合物、
vi. ブラジキニン1受容体またはアンギオテンシンIIアンタゴニスト、
vii. シクロオキシゲナーゼ阻害剤、ビスホスホネート、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、ヘパラナーゼ阻害剤(硫酸ヘパラン分解を防止)、例えばPI−88、生物学的応答修飾剤、好ましくはリンホカインまたはインターフェロン、例えばインターフェロンγ、ユビキチン化阻害剤、または抗アポトーシス経路を遮断する阻害剤、
viii. Ras発癌性アイソフォーム、例えばH−Ras、K−RasまたはN−Rasの阻害剤、またはファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばL−744,832またはDK8G557、
ix. テロメラーゼ阻害剤、例えばテロメスタチン、
x. プロテアーゼ阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤、例えばベンガミドまたはその誘導体、またはプロテオソーム阻害剤、例えばPS−341、および/または
xi. mTOR阻害剤
を含むが、これらに限定されない。
【0043】
ここで使用する用語“アロマターゼ阻害剤”は、エストロゲン産生、すなわち、各々基質アンドロステンジオンおよびテストステロンからエストロンおよびエストラジオールへの変換を阻害する化合物に関する。本用語はステロイド、とりわけアタメスタン、エキセメスタンおよびフォルメスタンおよび、特に、非ステロイド、とりわけアミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールを含むが、これらに限定されない。アロマターゼ阻害剤である化学療法剤を含む本発明の組み合わせは、ホルモン受容体陽性腫瘍、例えば乳房腫瘍の処置に特に有用である。
【0044】
ここで使用する用語“抗エストロゲン”は、エストロゲン受容体レベルでエストロゲンの作用に拮抗する化合物に関する。本用語は、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよびラロキシフェンヒドロクロライドを含むが、これらに限定されない。抗エストロゲンである化学療法剤を含む本発明の組み合わせは、エストロゲン受容体陽性腫瘍、例えば乳房腫瘍の処置に特に有用である。
【0045】
ここで使用する用語“抗アンドロゲン”は、男性ホルモンの生物学的効果を阻害できる全ての化合物に関し、ビカルタミドを含むが、これに限定されない。
【0046】
ここで使用する用語“ゴナドレリンアゴニスト”は、アバレリクス、ゴセレリンおよびゴセレリンアセテートを含むが、これらに限定されない。
【0047】
ここで使用する用語“トポイソメラーゼI阻害剤”は、トポテカン、イリノテカン、9−ニトロカンプトテシンおよび巨大分子カンプトテシン接合体PNU−166148(WO99/17804の化合物A1)を含むが、これらに限定されない。
【0048】
ここで使用する用語“トポイソメラーゼII阻害剤”は、アントラサイクリン類、例えばドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン(nemorubicin)、アントラキノン類ミトキサントロンおよびロソキサントロン、およびポドフィロトキシン類エトポシドおよびテニポシドを含むが、これらに限定されない。
【0049】
用語“微小管活性剤”は、タキサン類、例えばパクリタキセルおよびドセタキセル、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、とりわけ硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチンとりわけ硫酸ビンクリスチン、およびビノレルビン、ディスコデルモライドおよびエポチロンおよびそれらの誘導体、例えばエポチロンBまたはそれらの誘導体を含むが、これらに限定されない微小管安定化剤および微小管脱安定化剤に関する。
【0050】
ここで使用する用語“アルキル化剤”は、ブスルファン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランまたはニトロソウレア(BCNUまたはGliadelTM)を含むが、これらに限定されない。
【0051】
用語“抗新生物代謝拮抗剤”は、5−フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、シタラビン、フルダラビン、チオグアニン、メトトレキサートおよびエダトレキサートを含むが、これらに限定されない。
【0052】
ここで使用する用語“プラチン化合物”は、カルボプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチンを含むが、これらに限定されない。
【0053】
ここで使用する用語“タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的とする/低下させる化合物またはさらなる抗血管形成化合物”は、タンパク質チロシンキナーゼおよび/またはセリンおよび/またはスレオニンキナーゼ阻害剤または脂質キナーゼ阻害剤、例えば受容体チロシンキナーゼの上皮細胞増殖因子ファミリー(ホモまたはヘテロダイマーとしてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)、受容体チロシンキナーゼの血管内皮細胞増殖因子ファミリー(VEGFR)、血小板由来増殖因子−受容体(PDGFR)、線維芽細胞増殖因子−受容体(FGFR)、インシュリン様増殖因子受容体1(IGF−1R)、Trk受容体チロシンキナーゼファミリー、Axl受容体チロシンキナーゼファミリー、Ret受容体チロシンキナーゼ、Kit/SCFR受容体チロシンキナーゼ、c−Ablファミリーおよびのメンバーおよびそれらの遺伝子融合体(例えばBCR−Abl)、セリン/スレオニンキナーゼのタンパク質キナーゼC(PKC)およびRafファミリーのメンバー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDKまたはPI(3)キナーゼファミリーの、またはPI(3)−キナーゼ関連キナーゼファミリーのメンバー、および/またはサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物および、活性について例えばタンパク質または脂質キナーゼ阻害と無関係な他の作用機序を有する抗血管形成化合物活性を含むが、これらに限定されない。
【0054】
VEGFRの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物は、とりわけVEGF受容体チロシンキナーゼを阻害する、VEGF受容体を阻害するまたはVEGFに結合する化合物、タンパク質または抗体、そして特にWO98/35958(例えば1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたは薬学的に許容されるそれらの塩、例えばコハク酸塩)、WO00/27820(例えばN−アリール(チオ)アントラニル酸アミド誘導体例えば2−[(4−ピリジル)メチル]アミノ−N−[3−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドまたは2−[(1−オキシド−4−ピリジル)メチル]アミノ−N−[3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド)、またはWO00/09495、WO00/59509、WO98/11223、WO00/27819およびEP0769947に記載の;M. Prewett et al in Cancer Research 59(1999) 5209-5218、F. Yuan et al in Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 93, pp. 14765-14770, Dec. 1996, by Z. Zhu et al in Cancer Res. 58, 1998, 3209-3214およびJ. Mordenti et al in Toxicologic Pathology, Vol. 27, no. 1, pp 14-21, 1999により記載の;WO00/37502およびWO94/10202に一般的におよび具体的に記載の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;M. S. O'Reilly et al, Cell 79, 1994, 315-328により記載のアンジオスタチンTM;M. S. O'Reilly et al, Cell 88, 1997, 277-285により記載のエンドスタチンTM;アントラニル酸アミド;ZD4190;ZD6474;SU5416;SU6668;または抗VEGF抗体または抗VEGF受容体抗体、例えばRhuMabである。
【0055】
抗体は、完全なモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2種の完全な抗体から製造された多特異的抗体、および望む生物学的活性を示す限り抗体フラグメントを意味する。
【0056】
上皮細胞増殖因子受容体ファミリーの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物は、とりわけEGF受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバー、例えばEGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害する、またはEGFまたはEGF関連リガンドに結合する、またはErbBおよびVEGF受容体キナーゼに2重阻害効果を有する化合物、タンパク質または抗体であり、特にWO97/02266(例えば実施例39の化合物)、またはEP0564409、WO99/03854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5,747,498、WO98/10767、WO97/30034、WO97/49688、WO97/38983および、とりわけ、WO96/30347(例えばCP358774として記載の化合物)、WO96/33980(例えば化合物ZD1839)およびWO95/03283(例えば化合物ZM105180)またはPCT/EP02/08780に一般的におよび具体的に記載の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;例えばトラスツマブ(Herpetin)、セツキシマブ、イレッサ、OSI−774、CI−1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3である。
【0057】
PDGFRの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物は、とりわけPDGF受容体を阻害する化合物、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブである。
【0058】
c−Ablファミリーメンバーおよびそれらの遺伝子融合産物を標的とし、低下させまたは阻害する化合物は、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ;PD180970;AG957;またはNSC680410である。
【0059】
タンパク質キナーゼC、Raf、MEK、SRC、JAK、FAKおよびPDK ファミリーメンバー、またはPI(3)キナーゼまたはPI(3)キナーゼ関連ファミリーメンバー、および/またはサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)メンバーの活性を標的とし、低下させまたは阻害する化合物は、EP0296110に記載のスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリンであり;さらなる化合物の例は、例えばUCN−01、サフィンゴール、BAY43−9006、ブリオスタチン1、ペリホシン;イルモホシン;RO318220およびRO320432;GO6976;Isis3521;またはLY333531/LY379196である。
【0060】
さらなる抗血管形成化合物は、例えばサリドマイド(THALOMID)およびTNP−470である。
【0061】
タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物は、例えばホスファターゼ1、ホスファターゼ2A、PTENまたはCDC25の阻害剤、例えばオカダ酸またはその誘導体である。
【0062】
細胞分化過程を誘導する化合物は、例えばレチノイン酸、α−、γ−またはδ−トコフェロールまたはα−、γ−またはδ−トコトリエノールである。
【0063】
ここで使用する用語シクロオキシゲナーゼ阻害剤は、例えばセレコキシブ(Celebrex)、ロフェコキシブ(Vioxx)、エトリコキシブ、バルデコキシブまたは5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば5−メチル−2−(2'−クロロ−6'−フルオロアニリノ)フェニル酢酸を含むが、これらに限定されない。
【0064】
ここで使用する用語“ヒストンデアセチラーゼ阻害剤”は、MS−27−275、SAHA、ピロキサミド、FR−901228またはvalproic酸を含むが、これらに限定されない。
【0065】
ここで使用する用語“ビスホスホネート”は、エチドロン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸を含むが、これらに限定されない。
【0066】
ここで使用する用語“マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤”は、コラーゲンペプチド模倣性および非ペプチド模倣性阻害剤、テトラサイクリン誘導体、例えばヒドロキサム酸ペプチド模倣性阻害剤バチマスタットおよびその経口生物利用可能類似体マリマスタット、プリノマスタット、BMS−279251、BAY12−9566、TAA211またはAAJ996を含むが、これらに限定されない。
【0067】
ここで使用する用語“mTOR阻害剤”は、ラパマイシン(シロリムス)またはそれらの誘導体、例えば32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(S)−ジヒドロ−ラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(S)−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシンおよび、より好ましくは、40−0−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシンを含むが、これらに限定されない。ラパマイシン誘導体のさらなる例は、例えばUSP5,362,718に記載のCCI779または40−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノエート]−ラパマイシンまたは薬学的に許容されるそれらの塩、例えばWO99/15530に記載のABT578または40−(テトラゾリル)−ラパマイシン、特に40−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン、または例えばWO98/02441およびWO01/14387に記載のラパログ、例えばAP23573を含む。
【0068】
式Iの化合物を他の免疫抑制性/免疫調節性、抗炎症性または化学療法化合物と組み合わせて投与するとき、併用する免疫抑制性、免疫調節性、抗炎症性または化学療法化合物の量は、もちろん、用いる併用剤のタイプ、例えばそれがステロイドかまたはカルシニューリン阻害剤か、用いる具体的薬剤、処置する状態などに依存して変わる。
【0069】
前記によって、本発明はさらに以下の局面を提供する:
5. 治療的有効非毒性量の式Iの化合物および少なくとも1種の第二医薬物質、例えば上記の、例えば免疫抑制性、免疫調節性、抗炎症性または化学療法薬剤を、例えば同時にまたは連続して併用投与することを含む、上記で定義の方法。
【0070】
6. a)ここに記載の遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物である第一剤、およびb)少なくとも1種の併用剤、例えば上記の、例えば免疫抑制性、免疫調節性、抗炎症性または化学療法薬剤を含む、医薬組み合わせ、例えばキット。本キットはその投与のための指示書を含み得る。
【0071】
ここで使用する用語“併用投与”または“組み合わせ投与”などは、選択した複数治療剤を単一の患者に投与することを意味し、そして、複数薬剤を必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与するものではない処置レジメンを含むことを意図する。
【0072】
ここで使用する用語“医薬組み合わせ”は、2種以上の活性成分の混合または組み合わせに由来する製品を意味し、活性成分の固定されたおよび固定されていない組み合わせ両方を含む。用語“固定された組み合わせ”は、複数活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤を、両方とも患者に一つの物または用量として投与することを意味する。用語“固定されていない組み合わせ”は、複数活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤を、両方とも患者に、別々の物として、一緒に、同時にまたは具体的時間制限なしに連続して投与することを意味し、ここで、このような投与が患者体内で2化合物の治療的有効レベルを提供する。後者はまたカクテル療法、例えば3種以上の活性成分の投与にも適用される。
【0073】
本発明の化合物の製造法
本発明はまた本発明の免疫調節性化合物の製造法も含む。記載の反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基を、これらが最終生成物において望まれるとき、それらの望まない反応への参加を避けるために、保護する必要があるかもしれない。慣用の保護基は、標準実務に従い行うことができ、例えば、T.W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley and Sons, 1991を参照のこと。
【0074】
式Iの化合物は、以下の反応スキームにおける通りに行って製造できる:
【化3】

〔式中、A、B、C、R、R、Lおよびnは発明の要約において定義の通りである。〕。式Iaの化合物は、式2の化合物と式3の化合物を、適当な溶媒(例えばメタノール、テトラヒドロフランなど)、適当な塩基(例えばフッ化カリウム、炭酸ナトリウムなど)、適当な触媒(酢酸パラジウムなど)、および適当なリガンド(トリフェニルホスフィンなど)の存在下、反応させることにより製造できる。本反応は約0から約150℃おの温度で進行し、完了まで約48時間かかり得る。
【0075】
式Ibの化合物は類似の反応スキームにより行って製造できる。
【0076】
本発明の化合物の付加的製造工程:
本発明の化合物は、遊離塩基形態の化合物を薬学的に許容される無機または有機酸と反応させることにより薬学的に許容される酸付加塩として製造できる。あるいは、本発明の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩を、遊離酸形態の本化合物と、薬学的に許容される無機または有機塩基の反応により製造できる。あるいは、本発明の化合物の塩形態を、出発物質または中間体の塩を使用して製造できる。
【0077】
本発明の化合物の遊離酸または遊離塩基形態は、各々対応する付加塩または酸付加塩から製造できる。例えば酸付加塩形の本発明の化合物は、適当な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより対応する遊離塩基に変換できる。塩基付加塩形態の本発明の化合物は、適当な酸(例えば、塩酸など)で処理することにより対応する遊離酸対応するに変換できる。
【0078】
酸化されていない形の本発明の化合物を、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、リチウムボロハイドライド、水素化ホウ素ナトリウム、ホスホラス トリクロライド、トリブロマイドなど)で、適当な不活性有機溶媒(例えばアセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中、0〜80℃で処理することにより、本発明の化合物のN−オキシドから製造できる。
【0079】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に既知の方法により製造できる(例えば、さらなる詳細は、Saulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985参照)。例えば、適当なプロドラッグは、本発明の化合物非誘導体化形を適当なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリデート、パラ−ニトロフェニルカーボネートなど)と反応させることにより製造できる。
【0080】
本発明の化合物の被保護誘導体は、当業者に既知の手段により製造できる。保護基の創成およびそれらの除去に関する技術の詳細な記載は、T W. Greene, “Protecting Groups in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999に見ることができる。
【0081】
本発明の化合物は溶媒和物(例えば、水和物)として、簡便に製造でき、または本発明の工程中、形成される。本発明の化合物の水和物は、簡便には水性/有機溶媒混合物から、ジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールのような有機溶媒を使用して再結晶できる。
【0082】
本発明の化合物は、ラセミ混合物の化合物を、光学活性分解試薬と反応させて、ジアステレオ異性体化合物の対を形成し、ジアステレオマーを分離し、そして光学的に純粋なエナンチオマーを回収することによりそれらの個々の立体異性体として製造できる。エナンチオマーの分離は本発明の化合物の共有結合的ジアステレオマー誘導体でも行うことができるが、分離可能な複合体が好ましい(例えば、結晶性ジアステレオマー塩)。ジアステレオマーは異なる物理的特性(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を有し、これらの差異を利用して容易に分離できる。ジアステレオマーはクロマトグラフィー、または好ましくは、溶解度の差異に基づいた分離/分割法により分離できる。次いで、光学的に純粋なエナンチオマーを分解試薬と共に、ラセミ化をもたらさない何らかの任意の実際的な手段により回収する。化合物のラセミ混合物からの立体異性体の分割に適用できる技術のより詳細な記載は、Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981に見ることができる。
【0083】
要約すると、式Iの化合物は以下を含む方法により製造できる:
(a)式2の化合物と式3の化合物の反応;および
(b)所望により本発明の化合物の薬学的に許容される塩への変換;
(c)所望により本発明の化合物の塩形からの非塩形への変換;
(d)所望により本発明の化合物の酸化されていない形からの薬学的に許容されるN−オキシドへの変換;
(e)所望により本発明の化合物のN−オキシドからの酸化されていない形への変換;
(f)所望により異性体混合物からの本発明の化合物の個々の異性体の分割;
(g)所望により誘導体化されていない本発明の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ誘導体への変換;および
(h)所望により本発明の化合物のプロドラッグ誘導体の誘導体化されていない形への変換。
【0084】
出発物質の製造法が特に記載されていない限り、該化合物は既知であるかまたは当分野で既知の方法に準じて、または以下の実施例に記載の通り製造できる。
【0085】
上記の変換は本発明の化合物の製造法の単なる代表的な方法であり、全ての既知の方法が同様にできることは当業者には認識されるであろう。
【実施例】
【0086】
実施例
以下の実施例は代表的化合物の製造の詳細な記載を提供し、本発明を説明するが、限定しない。
【0087】
実施例1
5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸
【化4】

工程1:5−ブロモピコリン酸メチル(0.50g、2.3mmol)、4−(ヒドロキシメチル)フェニルボロン酸(0.53g、3.5mmol)、酢酸パラジウム(52mg、0.23mmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(0.16g、0.46mmol)およびフッ化カリウム(0.40g、6.9mmol)を含む丸底フラスコに、無水1,4−ジオキサン(10ml)を添加する。フラスコをアルゴンでパージして、密封する。混合物を130℃で4時間撹拌し、環境温度に冷却し、次いで水(20ml)を添加する。混合物をEtOAc(20ml×2)で抽出し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配)で精製して、5−(4−ヒドロキシメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル1を得る:1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 9.04(d, 1 H, J = 2.4 Hz), 8.27(dd, 1 H, J1 = 2.4 Hz, J2 = 8.8 Hz), 8.13(d, 1 H, J = 8.8 Hz), 7.78(d, 2 H, J = 8.8 Hz), 7.48(d, 2 H, J = 8.8 Hz), 5.32(t, 1 H, J = 6.4 Hz), 4.57(d, 2 H, J = 6.4 Hz), 3.09(s, 3 H); LC-MS m/z:244.1(M+1)。
【0088】
工程2:4−ブロモ−3−トリフルオロメチル−フェノール(0.50g、2.1mmol)、2−フルオロフェニルボロン酸(0.58g、4.2mmol)およびPdCl(PPh)(0.44g、0.62mmol)を含むマイクロ波チューブに、2N NaCO溶液(7.5ml)およびTHF(7.5ml)を添加する。チューブをアルゴンでパージして、密封する。反応物を130℃でPersonal Chemistryマイクロ波で1時間加熱する。混合物を環境温度に冷却し、その後水(20ml)を添加する。混合物をEtOAc(20ml×2)で抽出し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配)で精製して、2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−オール2を得る:1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 10.3(s, 1 H), 7.45(m, 1 H), 7.23(m, 5 H), 7.08(m, 1 H); GC-MS m/z:256。
【0089】
工程3:5−(4−ヒドロキシメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル1(70mg、0.29mmol)、2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−オール2(81mg、0.32mmol)およびPPh(113mg、0.43mmol)の無水THF(3ml)溶液に、0℃でアルゴン雰囲気下、アゾジカルボン酸ジエチル(100mg、0.58mmol)を添加する。混合物を次いで室温に温め、12時間撹拌する。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配)で精製して、5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル3を得て、それはトリフェニルホスフィンオキシドで汚染されている。それをさらに使用することなく次工程に使用する:LC-MS m/z:482.2(M+1)。
【0090】
工程4:上記で得た5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル3のTHF−HO(1:1混合物、4ml)溶液に、NaOH(200mg)を添加する。反応物を室温で12時間撹拌し、次いでトリフルオロ酢酸で酸性化する。反応物を濃縮し、DMSOに溶解する。それを分取質量トリガーHPLC(C18カラム、0.05%TFA含有CHCN−HOで溶出)で精製して、5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸4を得る:1H NMR(DMSO-d6)δ 9.06(s, 1 H), 8.32(d, 1 H, J = 8.0 Hz), 8.14(d, 1 H, J = 8.0 Hz), 7.88(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.68(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.47(m, 2 H), 7.38(m, 2 H), 7.28(m, 3 H), 5.35(s, 2 H); LC-MS m/z 468.2(M+1)。
【0091】
実施例2
5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸
【化5】

工程1:5−ブロモピコリン酸メチル(0.50g、2.3mmol)、(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ボロン酸(0.53g、3.5mmol)、酢酸パラジウム(52mg、0.23mmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(0.16g、0.46mmol)およびフッ化カリウム(0.40g、6.9mmol)を含む丸底フラスコに、無水1,4−ジオキサン(10ml)を添加する。フラスコをアルゴンでパージして、密封する。混合物を130℃で4時間撹拌し、次いで環境温度に冷却し、その後水(20ml)を添加する。混合物をEtOAc(20ml×2)で抽出し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配)で精製して、5−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル5(0.36g、63%収率)を得る:1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 8.88(s, 1 H), 8.15(m, 2 H), 7.57(t, 1 H, J = 8.0 Hz), 7.24(d, 1 H, J = 11.6 Hz), 7.20(d, 1 H, J = 8.0 Hz), 3.91(s, 3 H), 2.39(s, 3 H); LC-MS m/z:246.0(M+1)。
【0092】
工程2:5−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル5(0.20g、0.82mmol)、N−ブロモスクシンイミド(0.17g、0.98mmol)、および2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(40mg、0.24mmol)のCCl(7ml)溶液を4時間還流する。反応物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配)で精製して、5−(4−ブロモメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル6を得る:1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 8.92(s, 1 H), 8.17(m, 2 H), 7.69(t, 1 H, J = 8.0 Hz), 7.53(d, 1 H, J = 12 Hz), 7.40(d, 1 H, J = 8.0 Hz), 4.78(s, 2 H), 3.91(s, 3 H); LC-MS m/z:323.9(M+1)。
【0093】
工程3:4−ブロモ−3−トリフルオロメチル−フェノール、フェニルボロン酸を、実施例1、工程2に記載の通り反応させて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配)での後に2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−オール7を得る:1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 10.2(s, 1 H), 7.38(m, 3 H), 7.25(m, 2 H), 7.19(d, 1 H, J = 8.8 Hz), 7.14(d, 1 H, J = 2.4 Hz), 7.06(dd, 1 H, J1 = 2.4 Hz, J2 = 8.8 Hz); GC-MS m/z:238。
【0094】
工程4:2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−オール7(45mg、0.19mmol)の無水DMF(2ml)溶液に、NaH(鉱油中60%分散、13mg、0.32mmol)を添加する。10分撹拌後、5−(4−ブロモメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル6のDMF(1ml)溶液を添加する。反応物を室温で12時間撹拌し、次いでトリフルオロ酢酸で酸性化する。反応物を濃縮し、DMSOに溶解する。それを分取質量トリガーHPLC(C18カラム、0.05%TFA含有CHCN−HOで溶出)で精製して、5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸8(28mg、39%収率)を得る:1H NMR(DMSO-d6)δ 8.91(s, 1 H), 8.22(d, 1 H, J = 7.6 Hz), 8.16(d, 1 H, J = 8.0 Hz), 7.74(t, 1 H, J = 8.8 Hz), 7.54(d, 1 H, J = 10.8 Hz), 7.51(d, 1 H, J = 7.6 Hz), 7.41(m, 6 H), 7.28(d, 2 H, J = 7.6 Hz), 5.35(s, 2 H); LC-MS m/z 468.0(M+1)。
【0095】
実施例3
2−[4−(3'−メチル−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−1H−イミダゾール−4−カルボン酸
【化6】

工程1:NaOAc・3HO(0.66g、2.4mmol)のHO(2.2ml)溶液に、1,1,1−トリフルオロ−3,3−ジブロモアセトン(0.66g、4.8mmol)を添加する。混合物を混合し、115℃油浴で30分加熱する。室温に冷却後、この溶液を4−ヒドロキシメチル−ベンズアルデヒド(0.30g、2.2mmol)のメタノール(11ml)に、濃水酸化アンモニウム(2.8ml)と共に添加する。混合物を5時間撹拌し、次いで濃縮する。水を残渣に添加し、混合物を酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層を合わせ、乾燥させる。[4−(4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾル−2−イル)−フェニル]−メタノール9を溶媒除去後に得る:1H NMR(DMSO-d6)δ 13.1(s, 1 H), 7.92(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.90(s, 1 H), 7.42(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 5.28(t, 1 H, J = 6.0 Hz), 4.54(d, 2 H, J = 6.0 Hz); LC-MS m/z 243.0(M+1)。
【0096】
工程2:[4−(4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾル−2−イル)−フェニル]−メタノール9(50mg、0.21mmol)、3'−メチル−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−オール(0.10g、0.41mmol)およびPPh(108mg、0.41mmol)の無水THF(3ml)溶液に、0℃でアルゴン雰囲気下、アゾジカルボン酸ジエチル(72mg、0.41mmol)を添加する。混合物を次いで室温に温め、12時間撹拌する。溶媒を除去し、残渣を分取質量トリガーHPLC(C18カラム、0.05%TFA含有CHCN−HOで溶出)で精製して、2−[4−(3'−メチル−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール10を得る:1H NMR(DMSO-d6)δ 8.02(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.93(s, 1 H), 7.61(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.41(d, 1 H, J = 3.6 Hz), 7.32(m, 3 H), 7.20(d, 1 H, J = 6.8 Hz), 7.09(s, 1 H), 7.06(d, 1 H, J = 8.0 Hz), 5.29(s, 2 H), 2.33(s, 3 H); LC-MS m/z:476.2(M+1)。
【0097】
工程3:2−[4−(3'−メチル−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール10(40mg、0.084mmol)の1.5N NaOH水性溶液(2ml)懸濁液を95℃で24時間加熱する。それを室温に冷却し、トリフルオロ酢酸で酸性化する。溶液を濃縮し、DMSOに溶解する。それを分取質量トリガーHPLC(C18カラム、0.05%TFA含有CHCN−HOで溶出)で精製して、2−[4−(3'−メチル−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−1H−イミダゾール−4−カルボン酸11(9.2mg、24%収率)を得る:1H NMR(DMSO-d6)δ 8.16(s, 1 H), 8.15(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.68(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.41(d, 1 H, J = 3.6 Hz), 7.33(m, 4 H), 7.20(d, 1 H, J = 8.0 Hz), 7.09(s. 1 H), 7.06(d, 1 H, J = 7.6 Hz), 5.33(s, 2 H), 2.33(s, 3 H); LC-MS m/z 453.1(M+1)。
【0098】
実施例4
{5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−3−イル}−酢酸
【化7】

工程1:2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−オール2(0.40g、1.6mmol)の無水DMF(10ml)溶液を0℃に冷却する。この溶液にNaH(鉱油中60%分散、0.19mg、4.7mmol)を添加する。10分撹拌後、1−ブロモ−4−ブロモメチル−ベンゼンのDMF溶液(1ml)を添加する。反応物を次いで室温に温め、12時間撹拌する。それを飽和NHCl(20ml)でクエンチし、酢酸エチル(10ml×2)で抽出する。酢酸エチル層を合わせ、乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配)で精製して、4−(4−ブロモ−ベンジルオキシ)−2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル12を得る:1H NMR(400MHz, DMSO-d61H NMR(DMSO-d6)δ 7.62(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.47(s, 1 H), 7.46(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.43(m, 1 H), 7.19(m, 2 H), 7.28(m, 3 H), 5.24(s, 2 H); LC-MS m/z 424.9(M+1)。
【0099】
工程2:4−(4−ブロモ−ベンジルオキシ)−2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル12(0.10g、0.24mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(66mg、0.26mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(10mg、0.012mmol)および酢酸カリウム(69mg、0.71mmol)の無水DMSO(1ml)溶液をアルゴンでパージし、密封する。それを80℃で12時間加熱する。室温に冷却後、水(10ml)を添加する。それを酢酸エチル(10ml×2)で抽出する。酢酸エチル層を合わせ、乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配)で精製して、2−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン13を得る:1H NMR(400MHz, DMSO-d61H NMR(DMSO-d6)δ 7.72(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.51(s, 1 H), 7.48(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.45(m, 1 H), 7.35(m, 2 H), 7.27(m, 3 H), 5.30(s, 2 H), 1.30(s, 6 H); LC-MS m/z 473.2(M+1)。
【0100】
工程3:(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−酢酸メチルエステル(40mg、0.17mmol)、2−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン13(80mg、0.17mmol)、酢酸パラジウム(6mg、0.026mmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(18mg、0.051mmol)およびフッ化カリウム(30mg、0.051mmol)を含む丸底フラスコに、無水1,4−ジオキサン(2ml)を添加する。フラスコをアルゴンでパージして、密封する。混合物を130℃で12時間撹拌し、次いで環境温度に冷却し、その後水(5ml)を添加する。混合物をEtOAc(10ml×2)で抽出し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配)で精製して、{5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−3−イル}−酢酸メチルエステル14を得る:LC-MS m/z:496.0(M+1)。
【0101】
工程4:上記で得た{5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−3−イル}−酢酸メチルエステル14(35mg、0.070mmol)のTHF−HO(1:1混合物、5ml)溶液に、NaOH(40mg、1.0mmol)を添加する。反応物を室温で12時間撹拌し、次いでトリフルオロ酢酸で酸性化する。反応物を濃縮し、DMSOに溶解する。それを分取質量トリガーHPLC(C18カラム、0.05%TFA含有CHCN−HOで溶出)で精製して、{5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−3−イル}−酢酸15を得る:1H NMR(DMSO-d6)δ 9.11(s, 1 H), 8.78(s, 1 H), 8.64(s, 1 H), 7.89(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.69(d, 2 H, J = 8.0 Hz), 7.47(m, 2 H), 7.38(m, 2 H), 7.28(m, 3 H), 5.36(s, 2 H), 3.93(s, 2 H); LC-MS m/z 482.1(M+1)。
【0102】
実施例5
5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリジン
【化8】

5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボニトリル(84mg、0.19mmol)、NHCl(30mg、0.56mmol)およびNaN(18mg、0.28mmol)のDMF(1ml)溶液を120℃で3時間撹拌する。溶液を次いで濃縮し、分取質量トリガーHPLC(C18カラム、0.05%TFA含有CHCN−HOで溶出)で精製して、5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリジンを得る:1H NMR(DMSO-d6)δ 9.14(s, 1 H), 8.41(dd, 1 H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 1.6 Hz), 8.31(d, 1 H, J = 7.6 Hz), 7.92(d, 2 H, J = 8.4 Hz), 7.68(d, 2 H, J = 8.4 Hz), 7.47(m, 2 H), 7.38(m, 2 H), 7.27(m, 3 H), 5.36(s, 2 H); LC-MS m/z 492.0(M+1)。
【0103】
実施例6
5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸アミド
【化9】

撹拌している5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボニトリル(25mg、0.056mmol)のDMSO(0.5ml)溶液に、0℃で30%H(18μl)および無水KCO(10mg)を添加する。溶液を4時間撹拌する。固体を除去し、分取質量トリガーHPLC(C18カラム、0.05%TFA含有CHCN−HOで溶出)で精製後、生成物を得る:1H NMR(DMSO-d6)δ 8.96(d, 1 H, J = 2.4 Hz), 8.29(dd, 1 H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 1.6 Hz), 8.16(s, 1 H), 8.13(d, 1 H, J = 7.2 Hz), 7.86(d, 2 H, J = 7.6 Hz), 7.69(s, 1 H), 7.66(d, 2 H, J = 7.6 Hz), 7.47(m, 2 H), 7.38(m, 2 H), 7.28(m, 3 H), 5.34(s, 2 H); LC-MS m/z 467.0(M+1)。
【0104】
実施例7
5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸
【化10】

工程1:2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−オール(1.55g、6.05mmol)およびKCO(1.30g、12.1mmol)の混合物の無水DMF(15ml)溶液に、1−(4−ブロモメチル−フェニル)−エタノン(1.29g、6.05mmol)の無水DMF(6ml)溶液を添加する。得られる混合物を次いで12時間、窒素雰囲気下室温で撹拌する。次いで水(30ml)を混合物に添加する。それを酢酸エチル(80ml×3)で抽出する。有機層を合わせ、塩水(50ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配)で精製して、1−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−エタノン16を得る:1H NMR 400MHz(CDCl3)δ 8.01(m, 2 H), 7.56(d, 2 H, J = 8.4 Hz), 7.36(m, 2 H), 7.25(m, 3 H), 7.14(m, 3 H), 5.20(s, 2 H), 2.63(s, 3 H); MS m/z 389.1(M + 1), 411.1(M+Na)。
【0105】
工程2:1−[4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−エタノン(16、723mg、1.86mmol)を酢酸(4ml)に溶解する。Br(86μl、1.67mmol)のAcOH(1ml)溶液を滴下する。混合物を次いで4時間撹拌する。その後、全混合物を水(50ml)に一度に入れ、固体重炭酸ナトリウムを添加して、pH7に中和する。混合物を酢酸エチルで抽出する(3×60ml)。有機層を合わせ、塩水(30ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製して、2−ブロモ−1[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシルメチル)−フェニル]エタノン17を得る:1H NMR 400MHz(CDCl3)δ 8.05(m, 2 H), 7.61(d, 2 H), 7.37(m, 2 H), 7.26(m, 3 H), 7.15(m, 3 H), 5.23(s, 2 H), 4.24(s, 2 H); MS m/z 467.0(M + 1), 489.0(M+Na)。
【0106】
工程3:ヘキサメチレンテトラミン(252mg、1.8mmol)のクロロホルム(5ml)溶液に、2−ブロモ−1−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−エタノン17(700mg、1.5mmol)のクロロホルム(5ml)溶液を室温で滴下する。この混合物を次いで12時間撹拌した。その後、溶媒を真空で除去する。残渣に、ヘキサン/クロロホルム(1:1、5ml)混合物を添加する。懸濁液を濾過し、固体生成物を回収し、乾燥させる。この固体生成物を次いでメタノール(10ml)に溶解し、濃縮し、塩酸(0.68ml)を添加する。混合物を2時間、室温で撹拌する。混合物の容量を蒸発により5mlに減らす。白色固体を濾過により除去し、得られた溶液を濃縮する。こうして得た粗化合物18をさらに精製することなく次工程に使用する。LC-MS m/z:404.2(M+1)。
【0107】
工程4:エチル−2−チオオキサメート(66mg)の塩化メチレン(5ml)溶液に、窒素雰囲気下、1.0M トリエチルオキソニウムテトラフルオロボレートの塩化メチレン(0.75ml)溶液を、室温で5分にわたり滴下する。その後、混合物を2時間撹拌する。その後、塩化メチレンを減圧下留去し、残渣を酢酸(3ml)、酢酸ナトリウム(81mg)および前工程からの粗生成物(400mg)と混合する。混合物96℃で3時間反応させる。室温に冷却後、無機塩を濾過により除去し、濾液を濃縮し、残渣を次いでシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/酢酸エチル=10/1)で精製して、純粋生成物5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステル(18)を得る。
【0108】
工程5:上記で得た化合物(18、58mg)の1,4−ジオキサン(2ml)溶液に、1N NaOH溶液(1.0ml)を添加する。混合物を次いで5時間、60℃で撹拌する。室温に冷却後、トリフルオロ酢酸(0.5ml)を添加する。混合物を次いで濃縮し、得られる残渣をDMSOに溶解し、分取質量トリガーHPLC(C18カラム、0.05%TFA含有CHCN−HOで溶出)で精製して、所望の生成物19を得る:1H NMR 400MHz(DMSO-d6)δ 7.89(m, 3 H), 7.52(m, 2 H), 7.47(m, 2 H), 7.38(m, 2 H), 7.27(m, 3 H), 5.26(s, 2 H); MS m/z 457.1(M + 1)。
【0109】
上記実施例の方法を繰り返して、適当な出発物質を使用して、以下の式Iの化合物が、表1に同定する通りに得られる。
【表1】

【0110】
【表2】

【0111】
【表3】

【0112】
【表4】

【0113】
【表5】

【0114】
【表6】

【0115】
【表7】

【0116】
実施例52
生物学的活性を示す式Iの化合物
A. インビトロ:ヒトEDG/S1P受容体を発現するCHO細胞から調製した膜へのGTP[γ−35S]結合を測定するためのシンチレーション近接アッセイ(SPA)。
EDG−1(S1P1)GTP[γ−35S]結合アッセイ:膜タンパク質懸濁液をヒトEDG−1 N末端c−myc標識を安定に発現するCHO細胞クローンから調製する。10mMから0.01nMの範囲の試験化合物溶液をDMSO/50mM HCl中に調製し、次いでアッセイ緩衝液(20mM HEPES、pH7.4、100mM NaCl、10mMMgCl、0.1%無脂肪BSA)で希釈する。10mM GDPを含むアッセイ緩衝液を小麦胚芽アグルチニン被覆SPAビーズ(1mg/ウェル)と混合し、続いてヒトEDG−1膜タンパク質懸濁液(10μg/ウェル)および試験化合物を添加する。ビーズ/膜/化合物アッセイ成分を、次いで10−15分、シェーカー上で室温で混合する。GTP[γ−35S](200pM)およびビーズ/膜/化合物アッセイ混合物を96ウェルOptiplateTM(最終容量225μl/ウェル)の個々のウェルに添加し、密封し、室温で110〜120分、一定に振盪させながらインキュベーションする。遠心(2000rpm、10分)後、TopCountTM装置で蛍光を測定する。
【0117】
EC50値をGTP[γ−35S]結合曲線(生データ)を、ORIGIN V. 6.1の用量応答曲線適合ツールと適合させて得る。基底の結合(化合物なし)およびアゴニストにより達成されるGTP[γ−35S]結合の最高刺激を適合範囲として使用する。7濃度を使用して、濃度応答曲線を作る(1濃度あたり2または3データ点を使用)。
【0118】
EDG−3、−5、−6および−8 GTP[γ−35S]結合アッセイをEDG−1 GTP[[γ−35S]結合アッセイと同等の方法を使用して、CHOからの膜、またはEDG−8の場合、c末端c−myc標識または非標識受容体を安定に発現する細胞からのRH7777膜を使用して行う。EDG受容体発現膜の濃度は、ウェルあたり13−19μgの範囲である。本発明の化合物を上記アッセイに従い試験し、EDG−1受容体に対する選択性が観察された。例えば、5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸は、上記アッセイで0.9nMのEC50を有し、EDG−3、EDG−5、EDG−6およびEDG−8を含む1種以上の他の受容体と比較して、EDG−1に少なくとも500倍選択的である。
【0119】
B. インビトロ:FLIPRカルシウム流入アッセイ
本発明の化合物を、EDG−1、EDG−3、EDG−5、およびEDG−6に対するアゴニスト活性についてFLIPRカルシウム流入アッセイで試験する。簡単に言うと、EDG受容体を発現するCHO細胞を、500ug/mlのG418と共に5%FBSを含むF−12K培地(ATCC)に維持する。アッセイ前に、細胞を384黒色透明底プレートに、1%FBS含有F−12K培地中10,000細胞/ウェル/25μlの密度で平板培養する。2日目に、細胞を3回洗浄緩衝液(25μl/各)で洗浄する。約25μlの色素を各ウェルに添加し、1時間、37℃および5%COでインキュベートする。次いで、細胞を4回洗浄緩衝液(25μl/各)で洗浄する。カルシウム流入を、細胞の各ウェルに25μlのSEQ2871溶液を添加後にアッセイする。同じアッセイを、異なるEDG受容体の各々を発現する細胞で行う。FLIPRカルシウム流入アッセイにおける力価測定を、3分間隔で記録し、EDG−1活性化に対する最大ピーク高パーセントとして定量する。
【0120】
C. インビボ:血液リンパ球涸渇の測定のためのスクリーニングアッセイ
循環リンパ球の測定:化合物をDMSOおよびPEG300に溶解し、希釈して2%DMSOおよび2%PEG300(v/v、最終濃度)の最終濃度を得る。Lewisラットに、軽いイソフルラン麻酔した、0.01−5mg/kg化合物溶液を強制喫食により経口で投与する。
【0121】
血液を軽いイソフルラン麻酔下、眼窩後洞(retro-orbital sinus)から薬剤投与6および48時間後に得る。全ての血液サンプルを血液学的分析に付す。末梢リンパ球係数を、自動アナライザーを使用して決定する。末梢血液リンパ球の下位集団を、蛍光色素結合特異的抗体により染色し、蛍光活性化細胞選別装置(Facscalibur)を使用して分析する。2〜3匹のラットを使用して、スクリーニングする各化合物のリンパ球涸渇活性を評価する。結果は、50%の血液リンパ球涸渇を示すのに必要な有効量として定義されるED50である。本発明の化合物を上記アッセイに従い試験し、好ましくは1mg/kg未満のED50、より好ましくは0.5mg/kg未満のED50を示すことが判明した。例えば、実施例1の化合物は、0.3mg/kgのED50を示す。
【0122】
ここに記載の例および態様は説明の目的のためのみであり、それに照らした種々の改変または変化が当業者には示唆され、本発明の精神および理解の範囲内、ならびに添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることは理解すべきである。ここで引用する全ての刊行物、特許および特許出願は全ての目的について引用により本明細書に包含させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Ia、Ib、IcおよびId:
【化1】

〔式中、
Aは、シアノ、−XC(O)OR、−XOP(O)(OR)、−XP(O)(OR)、−XP(O)OR、−XS(O)OR、−XP(O)(R)OR、−XC(O)NR、−XC(O)NROR、−XC(O)NRC(O)OR、−XC(O)XC(O)OR、および1H−テトラゾール−5−イルから選択され;ここで、各Xは、独立して結合、C1−3アルキレンおよびC2−3アルケニレンから選択され、そして各Rは、独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;ここで、Aの全てのNR部分におけるRおよびXのアルキレン水素は環状基を形成でき;
Bは、−CR=CR−、−CR=N−、−N=CR−、−S−および−NR−から選択され;ここで、RおよびRは、独立して水素、ハロおよびC1−6アルキルから選択され;
Cは、=CR−および=N−から選択され;ここで、Rは、水素、ハロゲン、およびC1−6アルキルから選択され;
Lは、−XOX−、−XNR−、−XC(O)NR−、−XNRC(O)X−および−XS(O)0−2−から選択され;ここで、各XおよびXは、独立して結合、C1−3アルキレンおよびC2−3アルケニレンから選択され;そしてRは、水素およびC1−6アルキルから選択され;
Yは、結合、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR−、メチレンおよびエチレンから選択され;ここで、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され;
nは、0、1、2および3から選択され;
は、C6−10アリールおよびC1−10ヘテロアリールから選択され;ここで、Rの全てのアリールまたはヘテロアリールは、所望によりC6−10アリールC0−4アルキル、C5−6ヘテロアリールC0−4アルキル、C3−8シクロアルキルC0−4アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−4アルキルおよびC1−10アルキルから選択されるラジカルで置換されていてよく;ここで、RまたはRの置換基の全てのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基は、所望によりハロ、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、ハロ置換C1−10アルキルおよびハロ置換C1−10アルコキシから独立して選択される1〜5個のラジカルで置換されていてよく;そして、Rの全てのアルキル基は、所望により−S(O)0−2−、−NR−および−O−から選択される原子または基で置換されたメチレンを有してよく;ここで、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、ハロ、シアノ、ニトロ、C1−6アルコキシおよびC1−6アルキルから選択され;そして式IaおよびIbのフェニル環は所望により窒素で置換された3個までの=C−基を有してよい。〕
から選択される化合物、およびそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項2】
Aが、シアノ、−XC(O)OR、−XOP(O)(OR)、−XP(O)(OR)、−XP(O)OR、−XS(O)OR、−XP(O)(R)OR、−XC(O)NR、−XC(O)NROR、−XC(O)NRC(O)OR、−XC(O)XC(O)OR、および1H−テトラゾール−5−イルから選択され;ここで、各Xが、独立して結合、C1−3アルキレンおよびC2−3アルケニレンから選択され、ここで各Rが、独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;ここで、Aの全てのNR部分におけるRおよびXのアルキレン水素が環状基を形成でき;
nが、0および1から選択され;
が、C6−10アリールおよびC1−10ヘテロアリールから選択され;ここで、Rの全てのアリールまたはヘテロアリールが、所望によりC6−10アリールC0−4アルキル、C5−6ヘテロアリールC0−4アルキル、C3−8シクロアルキルC0−4アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−4アルキルおよびC1−10アルキルから選択されるラジカルで置換されていてよく;ここで、RまたはRの置換基の全てのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基が、所望によりハロ、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、ハロ置換C1−10アルキルおよびハロ置換C1−10アルコキシから独立して選択される1〜5個のラジカルで置換されていてよく;そして、Rの全てのアルキル基が、所望により−S(O)0−2−、−NR−および−O−から選択される原子または基で置換されたメチレンを有してよく;ここで、Rが、水素およびC1−6アルキルから選択され;そして
が、ハロおよびC1−6アルキルから選択される、
請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Aが、シアノ、−COOH、−CHC(O)OH、−(CH)C(O)OH、−C(O)NH、−C(O)NH(CH)OH、−C(O)NH(CH)OH、−C(O)NH(CH)C(O)OH、−C(O)(CH)C(O)OH、3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボニルおよびテトラゾリルから選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
がハロ、メチル、トリフルオロメチル、チアゾリルおよび所望によりハロまたはメチルで置換されていてよいフェニルから独立して選択される1〜2個のラジカルで所望により置換されていてよいフェニルであり;そしてRがハロである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;2−[4−(3'−メチル−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−1H−イミダゾール−4−カルボン酸;{5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−3−イル}−酢酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリジン;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸アミド;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸;5−[4−(3'−メチル−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[2−クロロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ニコチン酸;5−[2−フルオロ−4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[2−フルオロ−4−(4−チアゾル−2−イル−3−トリフルオロメチル−フェノキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメトキシ)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−フェノキシメチル)−2−フルオロ−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボニトリル;5−[2−クロロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−1−オキシ−ピリジン−2−カルボン酸;4−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−3−イル}−酢酸;3−{5−[4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−イル}−プロピオン酸;3−{5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−イル}−プロピオン酸;3−{5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−イル}−プロピオン酸;3−{5−[2−クロロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−イル}−プロピオン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−2−メチル−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[3−フルオロ−4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[3−クロロ−4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−3−ニトロ−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;3−フルオロ−5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;3−ブロモ−5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェノキシ]−ピリジン−2−カルボン酸;4−(4−オクチルオキシ−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸;3−[4−(4−オクチルオキシ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−プロピオン酸;3−(5−{2−[4−(5−フェニル−ペンチルオキシ)−フェニル]−エチル}−ピリジン−2−イル)−プロピオン酸;3−{4−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピラゾル−1−イル}−プロピオン酸;{4−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピラゾル−1−イル}−酢酸;{4−[4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピラゾル−1−イル}−酢酸;{4−[2−フルオロ−4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピラゾル−1−イル}−酢酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−チアゾール−2−カルボン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリミジン−2−カルボン酸;5−[4−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピラジン−2−カルボン酸;5−[3−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;4−[3−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;6−[3−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸;5−[3−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ニコチン酸;{5−[3−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−3−イル}−酢酸;5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボン酸(3−ヒドロキシ−プロピル)−アミド;3−({5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−プロピオン酸;{5−[2−フルオロ−4−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−フェニル]−ピリジン−2−イル}−(3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−イル)−メタノン;5−[2−(2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イル)−ベンゾオキサゾル−6−イル]−ピリジン−2−カルボン酸;および4−[5−(2'−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシメチル)−インドル−1−イル]−4−オキソ−酪酸から選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
治療的有効量の請求項1記載の化合物を薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む、医薬組成物。
【請求項7】
動物におけるEDG/S1P受容体仲介シグナル伝達の変化が疾患の病状および/または症状を予防、阻止または軽減できる疾患を処置する方法であって、該動物に治療的有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項8】
対象におけるリンパ球が仲介する障害または疾患の予防または処置、急性または慢性移植拒絶反応またはT細胞仲介炎症性または自己免疫性疾患の処置、脱制御された血管形成の阻止または制御、または新血管形成過程が仲介するまたは脱制御された血管形成と関連する疾患の処置のための方法であって、該対象に有効量の請求項1記載の化合物、または薬学的に許容されるそれらの塩を投与することを含む、方法。
【請求項9】
動物におけるEDG/S1P受容体仲介シグナル伝達の変化が疾患の病状および/または症状に関与する疾患の処置用薬剤の製造のための、請求項1記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−506046(P2009−506046A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528097(P2008−528097)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/032877
【国際公開番号】WO2007/024922
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】