説明

内燃機関の制御装置

【課題】排気を冷却する冷却装置内の冷媒の状態を判定することができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】本実施例に係る内燃機関の制御装置は、冷却水が流通する経路上に設けられ冷却水が内部を流通することによりエンジン10の排気を冷却する冷却装置40L、40Rと、排気からの冷却水の受熱状態を推定し、この推定結果に基づいて冷却装置40L、40R内を流通する冷却水の状態を判定するECU7L、7Rとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気を冷却する冷却装置がある。冷却装置としては、内燃機関の排気ポートと排気マニホールドとの間に設けられているものや、排気マニホールド周囲に設けられているものがある(特許文献1参照)。冷却装置内部に冷媒が流通することにより、排気が冷却される。このような冷却装置においては、例えば、高負荷時に排気を冷却することにより、触媒が高温の排気に晒されて触媒が破損することを防止できる。また、触媒を内燃機関に比較的近い位置に設けることにより、冷間始動時では高温の排気が触媒に導入されて触媒を早期に活性化温度まで昇温させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−208607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、何らかの原因により冷却装置内の冷媒の流通に異常が生じた場合には、排気を充分に冷却できず、触媒が高温化した排気に晒されて触媒が破損する恐れがある。
【0005】
本発明の目的は、排気を冷却する冷却装置内の冷媒の状態を判定することができる内燃機関の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、冷媒が流通する経路上に設けられ前記冷媒が内部を流通することにより前記内燃機関の排気を冷却する冷却装置と、前記排気からの前記冷媒の受熱状態を推定する受熱推定部と、前記受熱推定部の推定結果に基づいて前記冷却装置内を流通する前記冷媒の状態を判定する判定部と、を備えた内燃機関の制御装置によって達成できる。排気からの冷媒の受熱状態を推定することにより、冷却装置内の冷媒の状態を判定できる。これにより、冷媒の状態に何らかの異常が生じていることを判定できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、排気を冷却する冷却装置内の冷媒の状態を判定することができる内燃機関の制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、内燃機関の制御装置の一実施形態の説明図である。
【図2】図2は、冷却水の経路を示した図である。
【図3】図3は、ECUが実行する制御の一例を示したフローチャートである。
【図4】図4は、冷却水の状態を判定するための判定マップである。
【図5】図5は、ECUが実行する制御の変形例を示したフローチャートである。
【図6】図6は、冷却水の状態を判定するための判定マップである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、内燃機関の制御装置の一実施形態の説明図である。エンジン10は、一対のバンク12L、12Rを有している。バンク12L、12Rは、互いに傾けて配置されている。エンジン10は、いわゆるV型エンジンである。バンク12Lには3つの気筒14Lからなる気筒群を有している。バンク12Rにも同様に気筒14Rを有している。また、バンク12Lには、気筒14L内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁15Lが設けられている。同様に、バンク12Rにも、気筒14R内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁15Rが設けられている。バンク12Lに対しては吸気通路4L及び排気マニホールド5Lが接続され、バンク12Rに対しては吸気通路4R及び排気マニホールド5Rが接続されている。吸気通路4L、4Rは、上流側で合流しており、合流した箇所には吸入空気量を調整するためのスロットル弁6、吸入空気量を検出するエアフロメータ18が設けられている。
【0011】
排気マニホールド5L、5Rの下端部には、それぞれ触媒20L、20Rが設けられている。触媒20L、20Rは、それぞれバンク12L,12R側の気筒から排出された排気を浄化する。排気マニホールド5L、5Rには、それぞれ空燃比センサ9L、9Rが取り付けられている。また、排気マニホールド5L、5Rには、それぞれ温度センサ9aL、9aRが取り付けられている。
【0012】
バンク12Lの排気ポート(不図示)と排気マニホールド5Lとの間には、冷却装置40Lが設けられている。同様に、バンク12Rの排気ポート(不図示)と排気マニホールド5Rとの間には、冷却装置40Rが設けられている。冷却装置40L、40Rは、冷却装置に相当する。冷却装置40L、40Rについては詳しくは後述する。
【0013】
スロットル弁6の開度は、ECU(Electronic Control Unit)7L、7Rにより、バンク12L、2R毎に個別に制御される。また、燃料噴射弁15L、15Rから噴射される燃料量も、ECU7L、7Rにより個別に制御される。ECU7L、7Rは、燃料噴射弁15L、15Rから噴射される燃料をカットすることができる。ECU7L、7Rは、詳しくは後述するが、受熱推定部、判定部、機関制御部に相当する。
【0014】
また、空燃比センサ9L、9Rは、排気の空燃比に応じた検出信号をそれぞれECU7L、7Rに出力する。ECU7L、7Rは、それぞれ空燃比センサ9L、9Rからの出力に基づいて、それぞれ気筒14L、14Rへの燃料噴射量を制御することにより、空燃比をフィードバック制御する。フィードバック制御とは、検出された排気の空燃比が目標空燃比となるように燃料噴射量などを制御することである。ECU7L、7Rは通信回線8を介して双方向に通信可能である。通信回線8を介して情報を交換することにより、ECU7L、7Rは、担当するバンクの運転制御のために、他のバンクの運転状態に関する情報を参照可能である。
【0015】
ECU7L、7Rは、所定の条件を満たすと、搭乗者が視認可能な位置に設けられた警告灯2を点灯させる。警告灯2は、車両のインストルメントパネルに設けられている。
【0016】
図2は、冷却水(冷媒)の経路を示した図である。図2に示すように、冷却水の経路上には、ラジエータ72、インレット74、ポンプ76などが配置されている。主経路82は、インレット74、ポンプ76、エンジン10、ラジエータ72の順に冷却水を循環させる。主経路82は、エンジン10のリアジョイント部19からラジエータ72に冷却水を循環させる。補助経路88は、インレット74、ポンプ76、エンジン10、冷却装置40L、40R、Vバンクパイプ60の順に冷却水を循環させる。補助経路88は、リアジョイント部19から分岐して、それぞれ冷却装置40L、40R内に冷却水を流通させる分岐経路86L、86Rを含む。
【0017】
ポンプ76は電動式であり、ECU7L、7Rからの指令に基づいて作動する。冷却水は、インレット74からエンジン10へと流れる。冷却水は、まずエンジン10のブロック側ウォータジャケット11wに流入し、次に、ヘッド側ウォータジャケット12Lw、12Rwに流入する。ヘッド側ウォータジャケット12Lw、12Rwから排出された冷却水は、リアジョイント部19で合流する。リアジョイント部19には、主経路82と補助経路88とが連結されている。主経路82を流れる冷却水は、リアジョイント部19からラジエータ72に流れ、ラジエータ72で冷却水は放熱する。
【0018】
分岐経路86Lには、上流側から下流側に順に流量制御弁32L、流量センサ34L、冷却装置40Lが配置されている。冷却装置40L内に冷却水が流通する。冷却装置40L内に冷却水が流通することにより、バンク12Lの気筒14Lから排出された排気の温度を低下させることができる。分岐経路86R、流量制御弁32R、流量センサ34R、冷却装置40Rについても同様である。
【0019】
冷却装置40Lの前後には、水温センサ52L、54Lがそれぞれ配置されている。同様に、冷却装置40Rの前後には、水温センサ52R、54Rがそれぞれ配置されている。水温センサ52L、54Lは、検出信号をECU7Lに出力し、水温センサ52R、54Rは、検出信号をECU7Rに出力する。ECU7Lは、水温センサ52Lからの出力により冷却装置40Lに流入する前の冷却水の温度を検出でき、水温センサ54Lからの出力により冷却装置40Lから流出した冷却水の温度を検出できる。ECU7Rも、同様に、水温センサ52R、54Rからの出力により冷却装置40Rに流入する前の冷却水の温度、流出後の冷却水の温度を検出できる。冷却装置40L、40Rに流入する前の冷却水の温度を流入前温度、冷却装置40L、40Rから流出した冷却水の温度を流出後温度と称する。
【0020】
また、流量制御弁32L、32Rは、それぞれECU7L、7Rからの指令により、分岐経路86L、86Rを開閉する。流量制御弁32L、32Rが閉じている場合には、冷却水は主経路82のみに流れる。流量制御弁32L、32Rが開いている場合には、冷却水は主経路82及び補助経路88を流れる。
【0021】
ECU7L、7Rは、水温センサ52L、54L、52R、54Rからの出力に応じて、冷却装置40L、40R内の冷却水の状態を判定し、判定結果に応じてエンジン10の運転状態を変更する。以下に、ECU7L、7Rが実行する制御について説明する。
【0022】
図3は、ECU7L、7Rが実行する制御の一例を示したフローチャートである。ECU7L、7Rは、水温センサ52L、54L、52R、54Rからの出力に基づいて、冷却水の温度を検出する(ステップS1)。詳細には、ECU7Lは、水温センサ52Lから出力される流入前温度TLin、水温センサ54Lから出力される流出後温度TLoutを検出する。ECU7Rは、水温センサ52Rから出力される流入前温度TRin、水温センサ54Rから出力される流出後温度TRoutを検出する。
【0023】
次に、ECU7L、7Rは、流出後温度と流入前温度との温度差と、流入前温度とに基づいて、冷却装置40L、40R内の冷却水の状態を判定する(ステップS2)。詳細には、ECU7Lは、流出後温度TLoutから流入前温度TLinを減算して温度差ΔTLを算出する。ECU7Rは、流出後温度TRoutから流入前温度TRinを減算して温度差ΔTRを算出する。これら温度差ΔTL、ΔTRとに基づいて、ECU7L、7Rは、図4に示す判定マップにより冷却水の状態を判定する。
【0024】
判定マップは、ECU7L、7Rの少なくとも一方のROMに記憶されている。状態判定マップは、横軸が流入前温度TLin、TRinを示しており、縦軸が上記の温度差ΔTL、ΔTRを示している。詳細には、ECU7L、7Rは、温度差ΔTL、ΔTRがα未満でありβを超えているか否かを判定する。即ち、ECU7L、7Rは、β<温度差ΔTL、ΔTR<αでるか否かを判定する。ここで、α、βは、流入前温度TLin、TRinに応じて異なる値をとる。詳細には、流入前温度TLin、TRinが低いほど、α、βは低い値をとる。αはβよりも大きな値であり、双方とも正の値である。
【0025】
ここで、α、βについて説明する。温度差ΔTLがαを超えている場合とは、例えば、流出後温度TLoutが流入前温度TLinよりも比較的大きい場合である。この場合には、冷却装置40Lからの冷却水の受熱量が比較的多いと推定できる。これにより、冷却装置40L内を流通する冷却水の流量が何らかの原因によって低下して、その結果冷却装置40Lからの冷却水の受熱量が多いと推定できる。詳細には、冷却装置40Lに流入する前の冷却水の状態は正常であるが、冷却装置40L内で冷却水の流量が低下していると推定できる。従って、温度差ΔTLがαを超えている場合には、冷却装置40L内の冷却水の流量が低下していると判定できる。
【0026】
また、温度差ΔTLがβ以下の場合とは、流出後温度TLoutと流入前温度TLinとが近似した場合である。この場合には、冷却水が冷却装置40Lに流入する前に何らかの原因により流量が低下して、冷却装置40Lからの冷却水の受熱量が流入前と流出後とで略一致しているような場合である。従って、温度差ΔTLがβ以下の場合には、冷却水の流量が何らかの原因により、冷却装置40Lに流入する前で低下していると推定できる。以上のように、ECU7L、7Rは、排気からの冷却水の受熱状態を推定する受熱推定部に相当する。
【0027】
温度差ΔTLがα未満であってかつβを超えている場合は、冷却水が冷却装置40L内を正常に流通している状態である。尚、α、βは、予め実験などにより算出されている。同様の方法により、温度差ΔTRを用いて冷却装置40R内での冷却水の状態を判定できる。
【0028】
肯定判定の場合、即ち、β<温度差ΔTL、ΔTR<αの場合には、ECU7L、7Rは、この一連の制御を終了する。この場合には、冷却装置40L、40R内を流通する冷却水の何れも正常であると判定できる。
【0029】
否定判定の場合、即ち、温度差ΔTL、ΔTRの少なくとも一方が、αを超えている、又は、温度差ΔTL、ΔTRの少なくとも一方が、β以下である場合には、ECU7L又はECU7Rは、冷却装置40L、40R内を流通する冷却水の状態が異常であると判定する。このように、ECU7L、7Rは、前記受熱推定部の推定結果に基づいて前記冷却装置内を流通する前記冷媒の状態を判定する判定部に相当する。
【0030】
冷却装置40L、40R内を流通する冷却水の状態が以上であると判定されると、流量低下側の冷却装置が接続されたバンクを担当するECU7L又はECU7Rが、担当バンクの気筒群の一部に対して燃料カットを実行する(ステップS3)。このように流量低下側の冷却装置が接続されたバンクの気筒群の一部への燃料カットを実行することにより、燃料噴射が停止された気筒からは排気は排出されないことになる。このため、流量低下側のバンクからの排気の温度は低下する。これにより、流量低下側のバンクから高温の排気が排出されることを抑制できる。従って、高温の排気に触媒が晒されて触媒が破損することを防止できる。尚、燃料噴射を停止する気筒の数は、6気筒エンジン及び8気筒エンジンの場合には、片側のバンクで1〜2気筒である。片側バンクの全ての気筒への燃料噴射を停止するわけではないため、燃料カットに伴うエンジン10の運転への影響を抑制できる。尚、ECU7L、7Rは、燃料噴射量を制御する機関制御部に相当する。
【0031】
次に、ECU7L、7Rは、スロットル弁6の開度が所定開度TAを超えているか否かを判定する(ステップS4)。超えていない場合には、ECU7L、7Rは、後述するステップS6の処理を実行する。超えている場合には、ECU7L、7Rは、スロットル弁6の開度をTAに制御して吸入空気量を制限する(ステップS5)。これにより、各気筒14L、14Rに供給される酸素量が減少するため、各気筒14L、14Rからの排気の温度が低下する。これにより、高温の排気に触媒が晒されることを防止できる。尚、ECU7L、7Rは、吸入空気量を制御する機関制御部に相当する。
【0032】
次に、流量低下側のバンクを担当するECU7L又はECU7Rは、空燃比フィードバック制御を禁止し、排気の空燃比が目標空燃比よりもリッチ側となるようにリッチ制御する(ステップS6)。これにより、流量低下側のバンクの気筒に供給される燃料量が増大し、気筒内の内側面に付着する燃料量が増大して、気筒を冷却することができる。この結果、この気筒から排出される排気の温度が低下する。これにより、高温の排気に触媒が晒されることを防止できる。
【0033】
次に、ECU7L又はECU7Rは、2を点灯させる(ステップS7)。これにより、搭乗者に異常状態を認識させることができる。
【0034】
以上のように、水温センサ52L、54L、52R、54Rにより冷却装置40L、40R内の冷却水の状態を推定できる。従って、冷却装置40L、40R内を流通する冷却水の流量を検出する流量センサを設ける必要がない。図2に示すように、流量センサ34L、34Rが設けられているが、なくてもよい。例えば、エンジンの構造上流量センサを設けることができない場合であっても、温度センサを設けることにより、冷却装置40L、40Rの冷却水の流量を推定できる。
【0035】
次に、ECU7L、7Rが実行する制御の変形例について説明する。図5は、ECU7L、7Rが実行する制御の変形例を示したフローチャートである。ECU7L、7Rは、温度センサ9aL、9bLからそれぞれ出力された検出信号に基づいて、排気の温度を検出し、エアフロメータ18から出力された検出信号に基づいて吸入空気量を検出する(ステップS11)。次に、ECU7L、7Rは、それぞれ図6に示す判定マップに基づいて、冷却装置40L、40Rからの冷却水の受熱状態を判定する(ステップS12)。詳細には、ECU7L、7Rは、検出した吸入空気量と排気温度とが図6に示す判定マップのB領域に属するか否かを判定する。
【0036】
図6の判定マップは、縦軸は排気温度、横軸は吸入空気量である。図6の判定マップは、ECU7L又はECU7RのROMに記憶されている。一般的に、吸入空気量と排気温度とは一定の比例関係を有している。吸入空気量が多いほど燃焼に消費される酸素量も多い。酸素量が多いほど、排気温度も高くなる。従って、吸入空気量が多いほど排気温度も高くなる。ECU7L、7Rは、現在のエンジン10の状態が図6の判定マップのA領域かB領域であるかを判定する。吸入空気量が比較的少ないが排気温度が比較的高い場合は、吸入空気量と排気温度との関係は判定マップのA領域に属し、吸入空気量が比較的多いが排気温度が比較的低い場合は、吸入空気量と排気温度との関係は判定マップのB領域に属する。
【0037】
例えば、吸入空気量と温度センサ9aLに基づいて検出された排気温度との関係がA領域に属している場合、冷却装置40Lによる排気の冷却効果が十分ではないと推定できる。これにより、冷却装置40L内の冷却水の受熱量が比較的多いと推定できる。即ち、冷却装置40L内の冷却水の流量が何からの原因により低下していると推定できる。このような場合には、ステップS13〜S17の処理を実行する。尚、ステップS13〜S17の処理は、前述したステップS3〜S7の処理と同様である。
【0038】
例えば、吸入空気量と、温度センサ9aL及び温度センサ9aRに基づいて検出された排気温度とが何れもB領域に属している場合、冷却装置40L、40Rによる排気の冷却効果は正常であると推定できる。即ち、冷却装置40L、40R内の冷却水は正常に流れていると推定できる。この場合、ECU7L,7Rは、この一連の制御を終了する。
【0039】
このように、ECU7L、7Rは、吸入空気量と排気温度とから、冷却装置40L、40R内の冷却水の状態を推定することができる。
【0040】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0041】
吸気通路毎にスロットル弁を設けてもよい。
【符号の説明】
【0042】
2 警告灯
7L、7R ECU
12L、12R バンク
5L、5R 排気マニホールド
6 スロットル弁
9aL、9aR 温度センサ
10 エンジン
14L、14R 気筒
15L、15R 燃料噴射弁
18 エアフロメータ
20L、20R 触媒
40L、40R 冷却装置
52L、52R、54L、54R 水温センサ
82 主経路
88 補助経路



【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が流通する経路上に設けられ前記冷媒が内部を流通することにより内燃機関の排気を冷却する冷却装置と、
前記排気からの前記冷媒の受熱状態を推定する受熱推定部と、
前記受熱推定部の推定結果に基づいて前記冷却装置内を流通する前記冷媒の状態を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記受熱推定部は、前記排気冷却装置に流入する前の前記冷媒の流入前温度と、前記排気冷却装置からの流出した後の前記冷媒の流出後温度に基づいて、前記冷媒の受熱状態を推定する、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記受熱推定部は、前記流入前温度と前記流出後温度との温度差と前記流入前温度と、又は前記温度差と前記流出後温度と基づいて、前記冷媒の受熱状態を推定する、ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記流入前温度及び前記流出後温度の一方と、前記温度差とに基づいて、規定される閾値を前記温度差が超える場合には、前記冷媒の状態が異常であると判定する、ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記流入前温度及び前記流出後温度の一方と、前記温度差とに基づいて、規定される閾値を前記温度差が下回る場合には、前記冷媒の状態が異常であると判定する、ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項6】
前記受熱推定部は、前記排気の温度と吸入空気量とに基づいて、前記冷媒の受熱状態を推定する、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項7】
前記判定部の判定結果に応じて、燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一つを制御する機関制御部を備えている、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の内燃機関の制御装置。
【請求項8】
前記内燃機関は、第1気筒群を有した第1バンクと、第2気筒群を有した第2バンクと、を有し、
前記冷却装置は、前記第1バンクからの排気を冷却する第1冷却装置と、前記第2バンクからの排気を冷却する第2冷却装置と、を含み、
前記受熱推定部は、前記第1冷却装置を流通する前記冷媒の第1受熱状態と、前記第2冷却装置を流通する前記冷媒の第2受熱状態とを推定し、
前記判定部は、前記受熱推定部の推定結果に基づいて、前記第1及び第2冷却装置を流通する前記冷媒のそれぞれの状態を判定する、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の内燃機関の制御装置。
【請求項9】
前記第1受熱状態及び第2受熱状態に応じて、前記第1気筒群側及び前記第2気筒群側の何れか一方側に含まれる気筒へ燃料カットを実行する機関制御部を備えている、ことを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項10】
前記冷却装置よりも排気の下流側に設けられた触媒を備えた、ことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−164008(P2010−164008A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8200(P2009−8200)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】