説明

加圧式ランプアニール装置、薄膜の製造方法及び加圧式ランプアニール装置の使用方法

【課題】基板表面の面積が大きい被処理基板に容易に対応できる加圧式ランプアニール装置を提供する。
【解決手段】本発明の一態様は、処理室25と、前記処理室内に配置され、被処理基板22を保持する保持部23と、前記処理室内に加圧されたガスを導入するガス導入機構と、前記処理室内のガスを排気するガス排気機構と、前記処理室内に配置された透明管20と、前記透明管内に配置され、前記被処理基板にランプ光が前記透明管を通して照射されるランプヒータ19と、を具備することを特徴とする加圧式ランプアニール装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧式ランプアニール装置、それを用いた薄膜の製造方法及び加圧式ランプアニール装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図12は、従来の加圧式ランプアニール装置の構成を示す断面図である。
加圧式ランプアニール装置はAl製のチャンバー1を有している。このチャンバー1の内表面1aには表面処理が施されている。
【0003】
チャンバー1内には被処理基板としてのウエハ2を載置するステージ3が設けられている。ステージ3はランプ光が透過する材料、例えば石英で形成されている。ステージ3の上方には石英ガラス4が配置されている。この石英ガラス4は、略円柱部4aとその上部の周囲に形成された鍔部4bから構成されている。石英ガラスの略円柱部4aは、チャンバー内が加圧されるために厚く形成されている。
【0004】
石英ガラスの略円柱部4aの厚さの決定方法について説明する。
設計圧力(例えば使用圧力×1.2倍)をP(単位:Pa)とし、圧力を受ける面の面積をA(単位:mm)とし、石英ガラスの曲げ応力をσb(単位:N/mm)とした場合の石英ガラスの厚さtは、下記式(1)を満たすことが好ましい。
10(PA/σb)1/2≦t≦75(PA/σb)1/2・・・(1)
【0005】
石英ガラス4の上にはランプヒータ5が配置されており、このランプヒータ5は金属製の筐体6の内部に配置されている。筐体6の上部には排気ダクト7が接続されており、この排気ダクト7は筐体6内の熱を排気するものである。
【0006】
前記筐体6及びランプヒータ5それぞれは配管を介してドライエアー供給源46に接続されている。ドライエアー供給源46からドライエアーを筐体内及びランプヒータ内に導入することにより、筐体内及びランプヒータ内に溜まる熱を排気ダクト7から排気することができる。
【0007】
ステージ3の下方に位置するチャンバー1の下部には窓が設けられており、この窓にはフッ化カルシウム8が配置されている。フッ化カルシウム8の下方には放射温度計9が配置されている。
【0008】
チャンバー1内に形成される処理室55は狭い方が好ましい。その理由は、所定の圧力まで加圧するのに必要な時間を短くすることができるからである。また、処理室55内の高さ11は低い方が好ましい。その理由は、処理室55内に配置されたウエハ2とランプヒータ5との間の距離を短くでき、それによって昇温レートを上げることができるからである(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2006/087777号公報(段落0020〜0035、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、基板表面の面積が大きい被処理基板をアニール処理できる加圧式ランプアニール装置が求められている。しかし、上記従来の加圧式ランプアニール装置では、大きい被処理基板に対応させるのが困難である。その理由を以下に説明する。
【0011】
上記従来の加圧式ランプアニール装置では、被処理基板の基板表面の面積が大きくなると、上記式(1)における圧力を受ける面の面積Aが大きくなるため、その面積の増加に応じて石英ガラスの略円柱部4aの厚さを厚くする必要がある。そして、この石英ガラスの厚さを厚くすると、その厚い石英ガラスにランプ光を透過させるためにランプヒータ5の出力を大きくしなければならない。石英ガラスの厚さを2倍にすると、その石英ガラスを透過したランプ光の強度は4倍弱くなる。つまり、石英ガラスを透過したランプ光の強度は、石英ガラスの厚さに対して2乗で弱くなる。従って、上記従来の加圧式ランプアニール装置では、基板表面の面積が大きい被処理基板に対応させるのが困難である。
【0012】
本発明の一態様は、基板表面の面積が大きい被処理基板に容易に対応できる加圧式ランプアニール装置、それを用いた薄膜の製造方法又は加圧式ランプアニール装置の使用方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、処理室と、
前記処理室内に配置され、被処理基板を保持する保持部と、
前記処理室内に加圧されたガスを導入するガス導入機構と、
前記処理室内のガスを排気するガス排気機構と、
前記処理室内に配置された透明管と、
前記透明管内に配置され、前記被処理基板にランプ光が前記透明管を通して照射されるランプヒータと、
を具備することを特徴とする加圧式ランプアニール装置である。
【0014】
上記加圧式ランプアニール装置によれば、処理室内に透明管を配置し、この透明管内にランプヒータを配置し、透明管を通してランプ光を被処理基板に照射する構造としている。これにより、従来の加圧式ランプアニール装置のように厚い石英ガラスにランプ光を透過させるためにランプヒータの出力を大きくする必要がなくなる。従って、従来の加圧式ランプアニール装置に比べてランプヒータの出力が小さくても基板表面の面積が大きい被処理基板にアニール処理を施すことが可能となる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る加圧式ランプアニール装置において、
前記処理室の内壁は、前記透明管の外表面に沿った曲面を有しており、
前記透明管は、その外表面が前記曲面に接触して配置されていることが好ましい。
【0016】
また、本発明の一態様に係る加圧式ランプアニール装置において、
前記透明管の両端は、前記処理室の外側に繋げられていることが好ましい。これにより、透明管内に冷却ガスを流すことができ、その結果、ランプヒータを容易に冷却することができる。
【0017】
本発明の一態様は、チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、前記チャンバー内の下部に位置された被処理基板を保持するステージと、
前記チャンバー内に加圧されたガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内のガスを排気するガス排気機構と、
前記チャンバー内に配置された透明管と、
前記透明管内に配置されたランプヒータと、
を具備し、
前記チャンバーの上部内壁には溝が形成されており、
前記溝の内壁は、前記透明管の外表面に沿った曲面を有しており、
前記透明管は、その外表面が前記曲面に接触した状態で前記溝内に配置されており、
前記透明管の両端は、前記チャンバーの外側に繋げられており、
前記ランプヒータのランプ光は、前記ステージに保持された前記被処理基板に前記透明管を通して照射されることを特徴とする加圧式ランプアニール装置である。
【0018】
本発明の一態様は、表面に薄膜材料を有する被処理基板を用意し、
上述したいずれかの加圧式ランプアニール装置によって前記薄膜材料にアニール処理を施すことを特徴とする薄膜の製造方法である。
【0019】
上記薄膜の製造方法によれば、基板表面の面積が大きい被処理基板上に、少ない消費電力で薄膜を製造することができる。なお、ここでいう薄膜の一例としては有機金属材料が挙げられる。
【0020】
また、本発明の一態様に係る薄膜の製造方法において、
前記アニール処理は、前記チャンバー内を前記ガス導入機構によって加圧雰囲気とし、前記ランプヒータによって前記ランプ光を前記薄膜材料に前記透明管を通して照射する加圧アニール処理であることも可能である。
【0021】
また、本発明の一態様に係る薄膜の製造方法において、
前記加圧アニール処理の前又は後に、前記チャンバー内を前記ガス排気機構によって減圧雰囲気とし、前記ランプヒータによって前記ランプ光を前記薄膜材料に前記透明管を通して照射する減圧アニール処理を行うことも可能である。
【0022】
また、本発明の一態様に係る薄膜の製造方法において、
前記加圧アニール処理の前又は後に、前記チャンバー内を常圧雰囲気とし、前記ランプヒータによって前記ランプ光を前記薄膜材料に前記透明管を通して照射する常圧アニール処理を行うことも可能である。
【0023】
本発明の一態様は、上述したいずれかの加圧式ランプアニール装置を使用する方法であって、
前記保持部に被処理基板を保持し、
前記被処理基板に加圧アニール処理、減圧アニール処理及び常圧アニール処理の少なくとも一つの処理を行うものであり、
前記加圧アニール処理は、前記チャンバー内を前記ガス導入機構によって加圧雰囲気とし、前記ランプヒータによって前記ランプ光を前記被処理基板に前記透明管を通して照射する処理であり、
前記減圧アニール処理は、前記チャンバー内を前記ガス排気機構によって減圧雰囲気とし、前記ランプヒータによって前記ランプ光を前記被処理基板に前記透明管を通して照射する処理であり、
前記常圧アニール処理は、前記チャンバー内を常圧雰囲気とし、前記ランプヒータによって前記ランプ光を前記被処理基板に前記透明管を通して照射する処理であることを特徴とする加圧式ランプアニール装置の使用方法である。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、基板表面の面積が大きい被処理基板に容易に対応できる加圧式ランプアニール装置、それを用いた薄膜の製造方法又は加圧式ランプアニール装置の使用方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態による加圧式ランプアニール装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すA−A'部の断面図である。
【図3】図1に示すB−B'部の断面図である。
【図4】加圧焼成PZT膜(サンプル1)の深さ方向の膜組成を示す図である。
【図5】PZT膜(サンプル2)の深さ方向の膜組成を示す図である。
【図6】Pt(111)基板上の2μmPZT厚膜(サンプル1)の配向性、ヒステリシス曲線及びリーク電流密度を示す図である。
【図7】サンプル1のPZT厚膜の断面を示すSEM像である。
【図8】サンプル2のPZT厚膜の断面を示すSEM像である。
【図9】サンプル2のPZT厚膜のリーク電流密度を示す図である。
【図10】サンプル3のBST厚膜の断面を示すSEM像である。
【図11】サンプル4のBST厚膜の断面を示すSEM像である。
【図12】従来の加圧式ランプアニール装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態による加圧式ランプアニール装置の構成を示す断面図である。図2は、図1に示すA−A'部の断面図である。図3は、図1に示すB−B'部の断面図である。
【0028】
図1乃至図3に示すように、加圧式ランプアニール装置はAl製のチャンバー21を有しており、このチャンバー21の内部によって処理室25が形成されている。チャンバー21の内表面21aには表面処理が施されている。つまり、チャンバー21の内表面21aには反射膜が形成されている。具体的な表面処理としては、Auメッキ処理又はシュウ酸アルマイト処理を用いることが可能である。これにより、チャンバー21の内表面21aにはAuメッキ膜又はシュウ酸アルマイト膜が形成され、このAuメッキ膜又はシュウ酸アルマイト膜でランプ光を反射させることができる。その結果、昇温レートを上げることができる。また、消費電力を少なくすることができる。また、チャンバー21は図示せぬ冷却機構によって水冷されるように構成されている。
【0029】
尚、本実施形態では、前記表面処理としてAuメッキ処理又はシュウ酸アルマイト処理を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、Al、Au、Ag、Cu、Pt、Tiからなる群から選択された一の金属を主成分としたコーティング膜を用いることも可能である。
【0030】
チャンバー21内には被処理基板としてのウエハ22を載置するステージ(保持部)23が設けられている。ステージ23はランプ光が透過する材料、例えば石英で形成されている。ステージ23の上方には複数の透明管20が配置されており、これら透明管20はランプ光が透過する材料、例えば石英で形成されている。複数の透明管20それぞれの内部にはランプヒータ19が配置されている。
【0031】
チャンバー21の上部内壁21bには溝18が形成されており、この溝18の内壁は、透明管20の外表面に沿った曲面を有している。これにより、透明管20を、その外表面が溝18の内壁の曲面に接触した状態で溝18内に配置することができる。ランプヒータ19のランプ光は、ステージ23に保持されたウエハ22に透明管20を通して照射されるようになっている。
【0032】
図2及び図3に示すように、透明管20の一方端20aはチャンバー21の外側に位置する金属製の第1の筐体26aの内部に繋げられており、透明管20の他方端20bはチャンバー21の外側に位置する金属製の第2の筐体26bの内部に繋げられている。第1の筐体26aには排気ダクト(図示せず)が接続されており、この排気ダクトは第1の筐体26a、透明管20及び第2の筐体26bそれぞれの内部の熱を排気するものである。
【0033】
透明管20の両端20a,20bそれぞれとチャンバー21との間には白色のOリング28が配置されている。これらのOリング28は処理室25内の気密性を保持するものである。白色のOリング28を用いる理由は、例えば黒色のOリングを用いるとランプヒータ19からのランプ光によってOリングが融けてしまうが、白色のOリングを用いるとランプ光によってOリングが融けることを抑制できるからである。
【0034】
ステージ23の下方に位置するチャンバー21の下部には窓が設けられており、この窓にはフッ化カルシウム8が配置されている。フッ化カルシウム8の下方には放射温度計9が配置されている。フッ化カルシウム8は、放射温度計9で被処理基板の温度を測定するために、測定する波長領域の光(波長5μmの赤外線)を取り込むために配置している。
【0035】
チャンバー21内に形成される処理室25は狭い方が好ましい。その理由は、所定の圧力まで加圧又は減圧するのに必要な時間を短くすることができるからである。また、処理室25内の高さは低い方が好ましい。その理由は、処理室25内に配置されたウエハ22とランプヒータ19との間の距離を短くでき、それによって昇温レートを上げることができるからである。
【0036】
チャンバー21内の処理室25は加圧ライン(加圧機構)12に接続されている。加圧ライン12は、アルゴンガスによる加圧ライン、酸素ガスによる加圧ライン及び窒素ガスによる加圧ラインを有している。
【0037】
アルゴンガスによる加圧ラインはアルゴンガス供給源13を備え、このアルゴンガス供給源13は配管を介して逆止弁14に接続されており、この逆止弁14は配管を介して不純物を除去するためのフィルタ17に接続されている。このフィルタ17は配管を介してバルブ50に接続されており、この配管は圧力計47に接続されている。バルブ50は配管を介してレギュレータ53に接続されており、このレギュレータ53は配管を介してマスフローコントローラ31に接続されている。レギュレータ53は、ガスの圧力を徐々に上げることによりマスフローコントローラ31の上流側と下流側の差圧を所定圧に設定するものである。マスフローコントローラ31は配管を介してバルブ34に接続されており、このバルブ34は配管を介して加熱ユニット37に接続されている。加熱ユニット37は、プロセスを安定させるためにガス温度を一定(例えば40〜50℃程度)にするものである。加熱ユニット37は配管51を介してチャンバー21内の処理室25に接続されている。
【0038】
酸素ガスによる加圧ラインは、アルゴンガスによる加圧ラインと同様に構成されている。詳細には、酸素ガスによる加圧ラインは酸素ガス供給源29を備え、この酸素ガス供給源29は配管を介して逆止弁15に接続されており、この逆止弁15は配管を介して不純物を除去するためのフィルタ30に接続されている。このフィルタ30は配管を介してバルブ24に接続されており、この配管は圧力計48に接続されている。バルブ24は配管を介してレギュレータ27に接続されており、このレギュレータ27は配管を介してマスフローコントローラ32に接続されている。マスフローコントローラ32は配管を介してバルブ35に接続されており、このバルブ35は配管を介して加熱ユニット37に接続されている。加熱ユニット37は配管51を介してチャンバー21内の処理室25に接続されている。
【0039】
窒素ガスによる加圧ラインは、アルゴンガスによる加圧ラインと同様に構成されている。詳細には、窒素ガスによる加圧ラインは窒素ガス供給源38を備え、この窒素ガス供給源38は配管を介して逆止弁16に接続されており、この逆止弁16は配管を介して不純物を除去するためのフィルタ46aに接続されている。このフィルタ46aは配管を介してバルブ53aに接続されており、この配管は圧力計49に接続されている。バルブ53aは配管を介してレギュレータ54に接続されており、このレギュレータ54は配管を介してマスフローコントローラ33に接続されている。マスフローコントローラ33は配管を介してバルブ36に接続されており、このバルブ36は配管を介して加熱ユニット37に接続されている。加熱ユニット37は配管51を介してチャンバー21内の処理室25に接続されている。
【0040】
また、チャンバー21内の処理室25は圧力調整ラインに接続されている。この圧力調整ライン及び加圧ライン12によってチャンバー21内の処理室25を所定の圧力(例えば1MPa未満)に加圧できるようになっている。前記圧力調整ラインは可変バルブ39を備えており、この可変バルブ39の一方側は配管52を介してチャンバー21内の処理室25に接続されている。配管52は圧力計40に接続されており、この圧力計40によって処理室25内の圧力を測定できるようになっている。可変バルブ39の他方側は配管に接続されている。
【0041】
また、チャンバー21内の処理室25は安全ラインに接続されている。この安全ラインは、処理室25内が異常に加圧され過ぎてある一定の圧力以上になった時に処理室内を大気圧まで下げるためのものである。安全ラインは開放バルブ41を備えている。この開放バルブ41の一方側は配管52を介してチャンバー21内の処理室25に接続されており、開放バルブ41の他方側は配管に接続されている。開放バルブ41はある一定の圧力がかかるとガスが流れるようになっている。
【0042】
また、チャンバー21内の処理室25は大気開放ラインに接続されている。この大気開放ラインは、正常に加圧された処理室25内を大気圧に戻すものである。大気開放ラインは開放バルブ42を備えている。この開放バルブ42の一方側は配管52を介してチャンバー21内の処理室25に接続されており、開放バルブ42の他方側は配管に接続されている。開放バルブ42は、処理室25内を大気圧に戻すために該処理室25内のガスを徐々に流すようになっている。
【0043】
また、チャンバー21内の処理室25は減圧状態から大気圧に戻すラインに接続されている。このラインは、処理室25内が減圧状態(真空状態)となっている場合に、減圧状態から大気圧に戻すものである。前記ラインはリークバルブ43を備えている。このリークバルブ43の一方側は配管52を介してチャンバー21内の処理室25に接続されており、リークバルブ43の他方側は配管を介して逆止弁44に接続されている。この逆止弁44は配管を介して窒素ガス供給源45に接続されている。つまり、前記ラインは、窒素ガス供給源45から逆止弁44、リークバルブ43を介して処理室25内に窒素ガスを徐々に導入することにより処理室内を大気圧に戻すようになっている。
【0044】
また、チャンバー21内の処理室25は、該処理室25内を減圧状態にするための真空排気ラインに接続されている。この真空排気ラインはバルブ69を有しており、このバルブ69の一端は配管を介して処理室25に接続されている。バルブ69の他端は配管を介して真空ポンプ70に接続されている。この真空排気ラインは、例えば減圧雰囲気で加圧RTAを行う場合などに使用される。
【0045】
第1及び第2の筐体26a,26b、透明管20内のランプヒータ19それぞれは配管を介してドライエアー供給源(図示せず)又は窒素ガス供給源(図示せず)に接続されている。ドライエアー供給源又は窒素ガス供給源からドライエアー又は窒素ガスを第1及び第2の筐体26a,26b内及び透明管20内に導入することにより、ランプヒータ19を冷却し、筐体内及び透明管20内に溜まる熱を前記排気ダクトから排気することができる。
【0046】
加圧ライン12から導入されるアルゴンガス、酸素ガス及び窒素ガスそれぞれは、ウエハ22の表面と略平行方向にシャワー状に分散させながらウエハ22上に供給されるようになっている。このウエハ上に供給されたガスは、ウエハ22の表面と略平行方向に並べられた第2のシャワー状ガス通路(図示せず)から排気されるようになっている。詳細には、配管51は第1のシャワー状ガス通路(図示せず)に接続されており、配管52は第2のシャワー状ガス通路に接続されている。第1及び第2のシャワー状ガス通路はチャンバー21に形成されている。このようにガスをシャワー状に分散させながら流し、且つ第2のシャワー状ガス通路を通して排気することにより、ウエハ22上に均一性よくガスを供給することが可能となる。
【0047】
チャンバー21の一方側にはゲートバルブ(図示せず)が配置されており、このゲートバルブの近傍にはウエハを搬送する搬送ロボット(図示せず)が配置されている。この搬送ロボットの近傍にはウエハを収容するカセット(図示せず)が配置されている。ゲートバルブを開いた状態で、チャンバー21内の処理室25にウエハ22を搬送ロボットにより搬入、搬出するようになっている。
【0048】
次に、上記加圧式ランプアニール装置を使用する方法について説明する。
上記加圧式ランプアニール装置は、被処理基板であるウエハ22に加圧アニール処理、減圧アニール処理及び常圧アニール処理の少なくとも一つの処理を行うことが可能である。
【0049】
加圧アニール処理について説明する。
チャンバーの処理室25内を加圧雰囲気とする。詳細には、例えば加圧ライン12の酸素ガス供給源29から逆止弁15、フィルタ30、バルブ24、レギュレータ27、マスフローコントローラ32、バルブ35、加熱ユニット37、配管51を通して酸素ガスを処理室25内に導入する。これと共に、圧力調整ラインの可変バルブ39を徐々に閉じていくことにより、処理室25内を酸素雰囲気としながら徐々に加圧する。そして、処理室25内は1MPa未満の所定の圧力まで加圧され、その圧力で維持される。次いで、ランプヒータ19から透明管20を通してランプ光をウエハ22に照射することにより、ウエハ22に加圧アニール処理が施される。
【0050】
減圧アニール処理について説明する。
チャンバーの処理室25内を減圧雰囲気とする。詳細には、例えば加圧ライン12の酸素ガス供給源29から逆止弁15、フィルタ30、バルブ24、レギュレータ27、マスフローコントローラ32、バルブ35、加熱ユニット37、配管51を通して酸素ガスを処理室25内に導入しながら、真空排気ラインの真空ポンプ70によってバルブ69、配管52を介して処理室25内を真空排気し、ガス導入と排気のバランスにより、処理室25内を酸素雰囲気としながら所定の圧力まで減圧する。次いで、ランプヒータ19から透明管20を通してランプ光をウエハ22に照射することにより、ウエハ22に減圧アニール処理が施される。
【0051】
常圧アニール処理について説明する。
チャンバーの処理室25内を常圧雰囲気とする。詳細には、例えば加圧ライン12の酸素ガス供給源29から逆止弁15、フィルタ30、バルブ24、レギュレータ27、マスフローコントローラ32、バルブ35、加熱ユニット37、配管51を通して酸素ガスを処理室25内に導入しながら、圧力調整ラインにより、処理室25内を酸素雰囲気としながら常圧に調整する。次いで、ランプヒータ19から透明管20を通してランプ光をウエハ22に照射することにより、ウエハ22に常圧アニール処理が施される。
【0052】
以下に、本実施形態による薄膜の製造方法について説明する。
詳細には、電子部品を作製する方法の一例として、上記加圧式ランプアニール装置を用いて有機金属材料の一例であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)強誘電体キャパシタを作製する方法について説明する。
まず、12インチのシリコンウエハ上に熱酸化法によりシリコン酸化膜(SiO膜)を形成し、このシリコン酸化膜上に下部電極を形成する。次いで、この下部電極上にゾルゲル法によりPZT膜を塗布し、このPZT膜上に上部電極を形成する。
【0053】
この後、上記加圧式ランプアニール装置を用いて酸素雰囲気中で600℃、1分間のRTA処理を行う。以下、詳細に説明する。
【0054】
ゲートバルブの開口部を開き、搬送ロボットにより前記シリコンウエハを処理室25内に導入し、図1に示すステージ23上に前記シリコンウエハを載置する。次いで、ゲートバルブの開口部を閉じ、加圧ライン12の酸素ガス供給源29から逆止弁15、フィルタ30、バルブ24、レギュレータ27、マスフローコントローラ32、バルブ35、加熱ユニット37、配管51を通して酸素ガスを処理室25内に導入する。これと共に、圧力調整ラインの可変バルブ39を徐々に閉じていくことにより、処理室25内を酸素雰囲気としながら徐々に加圧する。そして、処理室25内は1MPa未満の所定の圧力まで加圧され、その圧力で維持される。
【0055】
次に、ランプヒータ19から透明管20を通してランプ光をシリコンウエハに照射する。これにより、PZT膜が600℃まで急速に加熱され、600℃の温度で1分間保持される。その結果、PZTと酸素が素早く反応され、PZT膜が結晶化される。
【0056】
次いで、ランプヒータ19を停止させることにより、PZT膜は急速に冷却される。次いで、加圧ライン12の酸素供給源からの酸素の供給を停止し、大気開放ラインの開放バルブ42を開き、処理室25内を大気圧に戻す。
【0057】
上記RTA処理によれば、加圧状態でアニール処理を行うため、PZT中の沸点の低い材料が気化されるのを抑制できると共に、PZTと酸素との反応を促進させることができる。また、PZT膜を瞬時に600℃まで昇温するため、PZT膜中の酸素欠陥の発生を抑制でき、結晶性の良いPZT膜を作製することができる。
【0058】
尚、本実施形態では、加圧ライン12によって処理室25内に酸素ガスを導入しつつ処理室25内のガスを排気することにより、処理室25内を加圧した状態で被処理基板をアニール処理しているが、加圧ライン12によって処理室25内にガスを導入しつつ処理室25内のガスを排気することにより処理室25内を加圧した後、バルブ35及び可変バルブ39それぞれを停止させ、処理室25内を加圧した状態で被処理基板をアニール処理することも可能である。また、これらの制御は、図示せぬ制御部によって行われる。
【0059】
本実施形態によれば、チャンバー21の処理室25内に透明管20を配置し、この透明管20内にランプヒータ19を配置し、透明管20を通してランプ光を被処理基板に照射する構造としている。これにより、従来の加圧式ランプアニール装置のように厚い石英ガラスにランプ光を透過させるためにランプヒータの出力を大きくする必要がなくなる。つまり、ランプヒータ19を透明管20内に配置するため、被処理基板の基板表面の面積が大きくなっても圧力を受ける透明管の厚さを厚くする必要がない。従って、従来の加圧式ランプアニール装置に比べてランプヒータの出力が小さくても基板表面の面積が大きい被処理基板(例えば12インチのシリコンウエハ)にアニール処理を施すことが可能となる。
【0060】
具体的には、従来の加圧式ランプアニール装置によって12インチのシリコンウエハにアニール処理を行う場合は、計算では厚さ100mm程度の石英ガラスと出力電力160KW程度のランプヒータが必要となるのに対し、本実施形態の加圧式ランプアニール装置によって12インチのシリコンウエハにアニール処理を行う場合は、計算では厚さ5mm程度の透明管20と出力電力20KW程度のランプヒータを用いれば良い。このように本実施形態の加圧式ランプアニール装置では、消費電力を飛躍的に低減することができる。
【0061】
また、本実施形態では、ランプヒータ19と被処理基板との距離を短くできる構造であるため、装置の消費電力を少なくすることができるだけでなく、大型の被処理基板を処理する場合でもチャンバーの処理室25内の容積を少なくすることができる。
【0062】
また、本実施形態では、透明管20内にランプヒータ19を配置するため、ランプヒータ19を傷めることがなく、ランプヒータの冷却効率も良いし、ランプヒータの交換が容易であり、メンテナンス性が良い。
【0063】
また、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、前記ランプとしては、種々のランプ光源を用いることが可能であり、ハロゲンランプを光源として用いても良いし、ランプメタルハライドランプや高圧水銀ランプなどのUVランプを光源として用いても良い。
【0064】
また、上記実施形態では、透明管20内に1本のランプヒータを配置しているが、透明管内に2本以上のランプヒータを配置することも可能である。
【0065】
また、上記実施形態では、PZT強誘電体キャパシタを作製する方法について説明しているが、他の電子部品を作製することに本発明を適用することも可能である。
【0066】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態による薄膜の製造方法について説明する。この薄膜の製造方法は、図1〜図3に示す加圧式ランプアニール装置を用いたものである。
【0067】
(1) 減圧+加圧のプロセス(サンプル1)、常圧+加圧のプロセス(サンプル2)
エタノール溶媒からなる過剰な鉛成分を20%含む濃度0.5mol/kgのPZTゾルゲル溶液を用いてスピン塗布を行う。(111)に配向したPt膜を表面に有する4インチウエハに対し、一回当たり、300μLを塗布し、2500rpmで60sec回転塗布を行う。次に150℃で温度保持したホットプレート上で60sec加熱保持して、水分を除去した後、300℃で温度保持したホットプレート上で60sec加熱保持して、アモルファスPZTを生成する。これを20回繰り返し2μm膜厚のPZTアモルファスを生成する。
【0068】
次いで、仮焼成を行った後のアモルファスPZT基板を図1に示す加圧式ランプアニール装置を用いてPZT結晶化を行う。
【0069】
詳細には、先ず、アモルファスPZT基板を圧力10‐3Torrの減圧雰囲気で450℃に5min保持した後、酸素雰囲気で9.9atmの圧力により加圧し、その後、昇温速度100℃/secで700℃まで加熱し、5min保持した後に室温まで冷却したものをサンプル1(減圧+加圧)として作製する。
【0070】
また、アモルファスPZT基板を常圧酸素雰囲気で450℃に5min保持した後、酸素雰囲気で9.9atmの圧力により加圧し、昇温速度100℃/secで700℃まで加熱し、5min保持した後に室温まで冷却したものをサンプル2(常圧+加圧)として作製する。そして、サンプル1とサンプル2を比較すると以下のような結果が得られた。
【0071】
サンプル1は、図4に示す通り、Pb:(Zr+Ti)の比率が1:1となっており、化学量論的組成となっていた。また、サンプル1のPZT厚膜は、図6に示すように、良好な(111)配向性を示し、且つ良好なヒステリシス曲線とリーク電流密度も10‐10A/cm2と良好な絶縁性を示した。
【0072】
一方、サンプル2の場合、図5に示すように、Pb:(Zr+Ti)の比率が1:1とならず、Pbが過剰に存在していることが分かった。また酸素含有量も多く、PbOとして粒界に存在していることを裏付けている。過剰鉛の存在により、リーク電流密度も図9に示すように、サンプル1と比較して大きいことが分かる。
【0073】
サンプル1とサンプル2の特性の違いを裏付ける要因の一つには、図7、図8に示すように断面像より結晶の密度の違いがあり、特に図8に示すサンプル2のPZTの場合、多くの粒界の存在がSEMレベルで確認され、また、表面像より、多くのクラックの存在が確認され、形状リークの存在が裏付けられた。
【0074】
つまり、減圧時には、下記のように、還元性が強く、有機物を多く含むアモルファスPZT中から、有機物成分がCO2として効果的に除去される。
減圧時:2Pb(Zr,Ti)O3+3C→3CO2↑+2Pb+2(Zr,Ti)
【0075】
次に加圧酸素雰囲気中では、下記のように、PZTの酸化を促進し、更に有機物残渣をCO2として除去すると共に、過剰鉛をPbOとして効果的に除去したためと考えられる。
加圧時:2Pb+2(Zr,Ti)+3O2→ 2Pb(Zr,Ti)O3
C+O →CO
Pb+1/2O2→PbO↑
【0076】
(2) 減圧+常圧+加圧のプロセス(サンプル3)、減圧+加圧のプロセス(サンプル4)
エタノール溶媒からなる過剰なバリウム成分を15%含む濃度0.5mol/kgの(Ba,Sr)TiO3ゾルゲル溶液を用いてスピン塗布を行う。(111)に配向したPt膜を表面に有する4インチウエハに対し、一回当たり、300μLを塗布し、2500rpmで60sec回転塗布を行う。次に150℃で温度保持したホットプレート上で60sec加熱保持して、水分を除去した後、300 ℃で温度保持したホットプレート上で60sec加熱保持して、アモルファスBSTを生成する。これを8回繰り返し500nm膜厚のBSTアモルファスを生成する。
【0077】
次いで、仮焼成を行った後のアモルファスBST基板を図1に示す加圧式ランプアニール装置を用いてBST結晶化を行う。
【0078】
詳細には、先ず、アモルファスBST基板を10‐3Torrに減圧雰囲気で500℃に5min保持した後、温度500℃に保持したまま、酸素を導入して大気圧に5min保持し、その後、酸素雰囲気で9.9atmの圧力により加圧し、その後、昇温速度100℃/secで700℃まで加熱し、5min保持した後に室温まで冷却したものをサンプル3(減圧+常圧+加圧)として作製する。
【0079】
また、アモルファスBST基板を10‐3Torrに減圧雰囲気で500℃に5min保持した後、酸素雰囲気で9.9atmの圧力により加圧し、昇温速度100℃/secで700℃まで加熱し、5min保持した後に室温まで冷却したものをサンプル4(減圧+加圧)として作製する。そして、サンプル3とサンプル4を比較すると以下のような結果が得られた。
【0080】
サンプル3の場合、図10に示すように、非常に緻密で平滑な表面からなるBST膜となっており、誘電率は250と良好な高誘電率を有しており、大きなグレインとバウンダリの存在が確認できるが、非常に密に詰まっており、粒子も緻密に詰まっていることが確認できた。従って、大気圧でゆっくりと弱い酸化力で均質に酸化した後に、加圧雰囲気で強く酸化することで、良好な結晶性と表面性を両立できることが分かった。
【0081】
一方、サンプル4の場合、図11に示すように、緻密であるものの、グレイン形状が明確でバウンダリの存在も明確で殆どクラックのような形状であった。この結果、形状が原因と思われるリーク電流が大きく、誘電率測定は出来なかった。
【0082】
尚、本実施形態では、減圧アニール処理後に加圧アニール処理を行う例、常圧アニール処理後に加圧アニール処理を行う例、及び減圧アニール処理、常圧アニール処理、加圧アニール処理の順に行う例を示したが、これらに限定されるものではなく、次のように実施することも可能である。
【0083】
図1に示す加圧式ランプアニール装置を用いて減圧アニール処理、常圧アニール処理及び加圧アニール処理のいずれかの処理を行うことも可能である。
また、図1に示す加圧式ランプアニール装置を用いて減圧アニール処理、常圧アニール処理及び加圧アニール処理のうちの二つの処理を行うことも可能であり、その場合の順序はいずれの処理が先でも良い。
また、図1に示す加圧式ランプアニール装置を用いて減圧アニール処理、常圧アニール処理及び加圧アニール処理を行うことも可能であり、その場合は様々な順序で処理を行っても良い。
【符号の説明】
【0084】
4…石英ガラス
4a…略円柱部
4b…鍔部
6…筐体
7…排気ダクト
8…フッ化カルシウム
9…放射温度計
11…処理室内の高さ
12…加圧ライン
13…アルゴンガス供給源
14〜16…逆止弁
17,30,46a…フィルタ
18…溝
19,5…ランプヒータ
20…透明管
20a…透明管の一方端
20b…透明管の他方端
21,1…チャンバー
21a,1a…チャンバーの内表面
21b…上部内壁
22,2…ウエハ
23,3…ステージ
24…バルブ
25,55…処理室
26a…第1の筐体
26b…第2の筐体
27…レギュレータ
28…Oリング
29…酸素ガス供給源
31〜33…マスフローコントローラ
34〜36…バルブ
37加熱ユニット
38…窒素ガス供給源
39…可変バルブ
40…圧力計
41,42…開放バルブ
43…リークバルブ
44…逆止弁
45…窒素ガス供給源
47〜49…圧力計
50,53a…バルブ
51,52…配管
53,54…レギュレータ
69…バルブ
70…真空ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室と、
前記処理室内に配置され、被処理基板を保持する保持部と、
前記処理室内に加圧されたガスを導入するガス導入機構と、
前記処理室内のガスを排気するガス排気機構と、
前記処理室内に配置された透明管と、
前記透明管内に配置され、前記被処理基板にランプ光が前記透明管を通して照射されるランプヒータと、
を具備することを特徴とする加圧式ランプアニール装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記処理室の内壁は、前記透明管の外表面に沿った曲面を有しており、
前記透明管は、その外表面が前記曲面に接触して配置されていることを特徴とする加圧式ランプアニール装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記透明管の両端は、前記処理室の外側に繋げられていることを特徴とする加圧式ランプアニール装置。
【請求項4】
チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、前記チャンバー内の下部に位置された被処理基板を保持する保持部と、
前記チャンバー内に加圧されたガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内のガスを排気するガス排気機構と、
前記チャンバー内に配置された透明管と、
前記透明管内に配置されたランプヒータと、
を具備し、
前記チャンバーの上部内壁には溝が形成されており、
前記溝の内壁は、前記透明管の外表面に沿った曲面を有しており、
前記透明管は、その外表面が前記曲面に接触した状態で前記溝内に配置されており、
前記透明管の両端は、前記チャンバーの外側に繋げられており、
前記ランプヒータのランプ光は、前記保持部に保持された前記被処理基板に前記透明管を通して照射されることを特徴とする加圧式ランプアニール装置。
【請求項5】
表面に薄膜材料を有する被処理基板を用意し、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の加圧式ランプアニール装置によって前記薄膜材料にアニール処理を施すことを特徴とする薄膜の製造方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記アニール処理は、前記チャンバー内を前記ガス導入機構によって加圧雰囲気とし、前記ランプヒータによって前記ランプ光を前記薄膜材料に前記透明管を通して照射する加圧アニール処理であることを特徴とする薄膜の製造方法。
【請求項7】
請求項6において、
前記加圧アニール処理の前又は後に、前記チャンバー内を前記ガス排気機構によって減圧雰囲気とし、前記ランプヒータによって前記ランプ光を前記薄膜材料に前記透明管を通して照射する減圧アニール処理を行うことを特徴とする薄膜の製造方法。
【請求項8】
請求項6又は7において、
前記加圧アニール処理の前又は後に、前記チャンバー内を常圧雰囲気とし、前記ランプヒータによって前記ランプ光を前記薄膜材料に前記透明管を通して照射する常圧アニール処理を行うことを特徴とする薄膜の製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の加圧式ランプアニール装置を使用する方法であって、
前記保持部に被処理基板を保持し、
前記被処理基板に加圧アニール処理、減圧アニール処理及び常圧アニール処理の少なくとも一つの処理を行うものであり、
前記加圧アニール処理は、前記チャンバー内を前記ガス導入機構によって加圧雰囲気とし、前記ランプヒータによって前記ランプ光を前記被処理基板に前記透明管を通して照射する処理であり、
前記減圧アニール処理は、前記チャンバー内を前記ガス排気機構によって減圧雰囲気とし、前記ランプヒータによって前記ランプ光を前記被処理基板に前記透明管を通して照射する処理であり、
前記常圧アニール処理は、前記チャンバー内を常圧雰囲気とし、前記ランプヒータによって前記ランプ光を前記被処理基板に前記透明管を通して照射する処理であることを特徴とする加圧式ランプアニール装置の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図12】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−176028(P2011−176028A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37542(P2010−37542)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(595152438)株式会社ユーテック (59)
【Fターム(参考)】